説明

中継サーバ装置、通信中継装置、端末装置、通信システム、通信方法、プログラムおよびその記録媒体

【課題】ウェブクライアント140がMFP機能部111に処理要求を行う際の処理を簡略化する。
【解決手段】HTTPカプセル化サーバ130は、HTTPカプセル化クライアント112からのポーリングを受け付けたときに、このポーリングに対する応答としてHTTPカプセル化クライアント112を当該HTTPカプセル化サーバ130における所定のアクセス先にアクセスさせるためのコマンドデータをHTTPカプセル化クライアント112に送信し、上記コマンドデータに応じたHTTPカプセル化クライアント112からの上記アクセス先に対するアクセスを受け付けたときに、当該アクセスに対する応答としてカプセル化された上記処理要求をHTTPカプセル化クライアント112に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイアウォールの内部に備えられる端末装置とファイアウォールの外部に備えられるウェブクライアント装置との間でデータ通信を行うための通信技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、端末装置(例えばMFP(multifunction peripheral))とウェブクライアント装置(サーバ装置)とを通信ネットワークを介して通信可能に接続し、端末装置の機能をウェブクライアント装置から制御する技術が知られている。これらの技術では、一般に、端末装置で動作するアプリケーションと、ウェブクライアント装置で動作するアプリケーションとが連携して端末装置の動作を制御するようになっている。
【0003】
ところで、端末装置とウェブクライアント装置とがHTTPメソッドを用いて通信を行う構成において、端末装置がファイアウォールによって保護されている場合、ファイアウォールの外部に備えられているウェブクライアント装置から端末装置上のHTTPブラウザへのHTTP接続を開始することができないという問題がある。
【0004】
このような場合に、ウェブクライアント装置と端末装置との双方向ウェブアクセスを可能にするためには、以下の(1),(2)の方法がある。
(1)ウェブクライアント装置と端末装置との間に仮想プライベートネットワーク(VPN;virtual private network)接続を構築することにより、ウェブクライアント装置と端末装置との間の仮想直接接続(トンネル)を開き、ウェブクライアント装置のアプリケーションと端末装置との間の双方向通信を確立する方法。
(2)ファイアウォールの両側にウェブクライアント装置と端末装置との間の双方向通信を可能にするための中継サーバ(プロキシサーバ、管理サーバ)を設ける方法。例えば、特許文献1,2には、ファイアウォール内の装置がファイアウォールの外部の装置に対して定期的にポーリングを行い、ポーリングに対する応答としてファイアウォールの外部からデータ(情報処理装置を障害から復旧させるための復旧データ、)を受信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−177740号公報(平成20年7月31日公開)
【特許文献2】特開2003−050756号公報(平成15年2月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記(1)の方法では、ファイアウォールの外部からファイアウォールの内部へのアクセス制限を外すことになるので、ファイアウォール内に配置されている装置のセキュリティ性が低下してしまうという問題がある。
【0007】
また、上記(2)の方法では、ファイアウォールの外部の装置において、ファイアウォール内の装置に送信するためのデータを更新したり編集したりする場合に、繁雑な処理が必要であり、手間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファイアウォールの内部に配置された端末装置とファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムにおいて、ウェブクライアント装置が端末装置に処理要求を行う際の処理を簡略化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の中継サーバ装置は、ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムにおいて上記ファイアウォールの外部に備えられる中継サーバ装置であって、
上記通信システムは、上記ファイアウォールの内部に通信中継装置を備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うようになっており、上記中継サーバ装置は、上記通信中継装置からのポーリングを受け付けたときに、このポーリングに対する応答として上記通信中継装置を当該中継サーバ装置における所定のアクセス先にアクセスさせるためのコマンドデータを上記通信中継装置に送信し、上記コマンドデータに応じた上記通信中継装置からの上記アクセス先に対するアクセスを受け付けたときに、当該アクセスに対する応答としてカプセル化された上記処理要求を上記通信中継装置に送信することを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、上記中継サーバ装置は、上記通信中継装置からのポーリングを受け付けたときに、このポーリングに対する応答として上記通信中継装置を当該中継サーバ装置における所定のアクセス先にアクセスさせるためのコマンドデータを上記通信中継装置に送信し、上記コマンドデータに応じた上記通信中継装置からの上記アクセス先に対するアクセスを受け付けたときに、当該アクセスに対する応答としてカプセル化された上記処理要求を上記通信中継装置に送信する。これにより、ウェブクライアント装置は、端末装置に対する処理要求を行う際、中継サーバ装置に対して処理要求を示す情報を送信するだけで、中継サーバ装置から通信中継装置を介して端末装置に処理要求にをカプセル化したデータを送信させることができる。したがって、ウェブクライアント装置における端末装置に対する処理要求を行う際の処理を簡略化し、処理時間の短縮および通信レスポンスの向上を図ることができる。また、ウェブクライアント装置と端末装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、ウェブクライアント装置からの処理要求を中継サーバ装置から通信中継装置に伝達することができる。
【0011】
また、上記ウェブクライアント装置から受信した処理要求を上記通信中継装置と上記中継サーバ装置との間の通信プロトコルに応じてカプセル化したデータであるリクエストデータを生成するリクエストデータ生成部と、上記リクエストデータを記憶するリクエストデータ記憶部と、上記コマンドデータを生成するコマンドデータ生成部と、上記コマンドデータを記憶するコマンドデータ記憶部と、上記通信中継装置との通信を制御する通信制御部とを備え、上記通信制御部は、上記通信中継装置からのポーリングを受け付けたときに、上記コマンドデータ記憶部から上記コマンドデータを読み出し、読み出した上記コマンドデータを上記ポーリングに対する応答データに含めて上記通信中継装置に送信し、上記コマンドデータに応じた上記通信中継装置からの上記アクセス先に対するアクセスを受け付けたときに、上記リクエストデータ記憶部から上記リクエストデータを読み出し、読み出した上記リクエストデータを上記通信中継装置からの上記アクセス先に対する応答データに含めて上記通信中継装置に送信する構成としてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、ウェブクライアント装置は、端末装置に対する処理要求を行う際、中継サーバ装置に対して処理要求を特定するための情報を送信するだけで、中継サーバ装置から通信中継装置を介して端末装置に処理要求に対応するリクエストデータを送信させることができる。したがって、ウェブクライアント装置における端末装置に対する処理要求を行う際の処理を簡略化し、処理時間の短縮および通信レスポンスの向上を図ることができる。また、ウェブクライアント装置と端末装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、ウェブクライアント装置からの処理要求を中継サーバ装置から通信中継装置に伝達することができる。
【0013】
上記コマンドデータ生成部は、上記通信中継装置が上記リクエストデータに対するレスポンスデータを上記中継サーバ装置に送信する際の送信先のアドレス情報を上記コマンドデータに含める構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、上記リクエストデータに対するレスポンスデータを中継サーバ装置が通信中継装置から適切に取得することができる。
【0015】
また、上記通信制御部は、上記通信中継装置からカプセル化された上記レスポンスデータを含む送信データを受信したときに、当該レスポンスデータのカプセル化を解除して上記ウェブクライアント装置に送信する構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、通信中継装置と中継サーバ装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、通信中継装置から中継サーバ装置にレスポンスデータを送信することができる。また、中継サーバ装置においてレスポンスデータのカプセル化を解除してウェブクライアント装置に送信することができる。
【0017】
また、上記端末装置は、画像データに応じた画像を記録材上に形成する画像形成機能を有しており、上記処理要求は、上記端末装置における上記画像形成機能を制御するための制御情報を含んでいる構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、端末装置における画像形成機能をウェブクライアント装置によって制御することができる。
【0019】
また、上記処理要求は、上記画像形成機能によって記録材上に形成させる画像の画像データを含む構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、ウェブクライアント装置から送信する画像データに応じた画像を端末装置において記録材上に形成させることができる。
【0021】
また、上記端末装置は、原稿を読み取って当該原稿の画像データを取得する画像読取機能を有しており、上記処理要求は、上記端末装置における上記画像読取機能を制御するための制御情報を含む構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、端末装置における画像読取機能をウェブクライアント装置によって制御することができる。
【0023】
また、上記処理要求は、上記画像読取機能によって読み取られた画像データを返信させるように上記端末装置を制御するための制御情報を含んでいる構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、ウェブクライアント装置が端末装置の画像読取機能によって読み取られた画像データを取得することができる。
【0025】
また、上記ウェブクライアント装置は上記中継サーバ装置に備えられていてもよい。
【0026】
本発明の通信中継装置は、ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムにおいて上記ファイアウォールの内部に備えられる通信中継装置であって、上記通信システムは、上記ファイアウォールの外部に中継サーバ装置を備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うようになっており、上記通信中継装置は、上記中継サーバ装置に対してポーリングを行い、このポーリングに対する上記中継サーバ装置からの応答に含まれる、当該通信中継装置を上記処理要求がカプセル化されたリクエストデータを取得するためのアクセス先にアクセスさせるためコマンドデータを取得するコマンドデータ取得部と、上記コマンドデータに示された上記アクセス先にアクセスして上記リクエストデータを取得し、取得した上記リクエストデータに含まれるカプセル化された上記処理要求のカプセル化を解除して上記端末装置に送信するリクエストデータ取得部とを備えていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、コマンドデータ取得部が、上記中継サーバ装置に対してポーリングを行い、このポーリングに対する上記中継サーバ装置からの応答に含まれる、当該通信中継装置を上記処理要求がカプセル化されたリクエストデータを取得するためのアクセス先にアクセスさせるためコマンドデータを取得する。そして、リクエストデータ取得部が、上記コマンドデータに示された上記アクセス先にアクセスして上記リクエストデータを取得し、取得した上記リクエストデータに含まれるカプセル化された上記処理要求のカプセル化を解除して上記端末装置に送信する。これにより、ウェブクライアント装置と端末装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、ウェブクライアント装置からの処理要求を中継サーバ装置および通信中継装置を介して端末装置に伝達することができる。
【0028】
また、上記コマンドデータには、上記リクエストデータに対するレスポンスデータを上記中継サーバ装置に送信する際の送信先のアドレス情報が含まれており、上記処理要求に応じた処理を上記端末装置が実行した後に上記端末装置から返信される処理結果データに基づいて上記中継サーバ装置に送信するためのレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部と、上記レスポンスデータ生成部が生成した上記レスポンスデータを上記コマンドデータに含まれている上記送信先に送信するレスポンスデータ送信部とを備え、上記レスポンスデータ生成部は、上記処理結果データに対し、当該通信中継装置と上記中継サーバ装置との間の通信プロトコルに応じたカプセル化を施すことにより上記レスポンスデータを生成する構成としてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、通信中継装置と中継サーバ装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、端末装置から返信される処理結果データを通信中継装置から中継サーバ装置に送信することができる。
【0030】
本発明の端末装置は、ファイアウォールの内部に配置され、ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う端末装置であって、上述したいずれかの通信中継装置を備えていることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、ウェブクライアント装置と端末装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、中継サーバ装置をウェブクライアント装置からの処理要求を介して端末装置に伝達することができる。
【0032】
本発明の通信システムは、ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムであって、上記ファイアウォールの内部に配置された通信中継装置と、上記ファイアウォールの外部に配置された請求項1から8のいずれか1項に記載の中継サーバ装置とを備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うようになっており、上記通信中継装置は、上記中継サーバ装置に対してポーリングを行い、このポーリングに対する上記中継サーバ装置からの応答に含まれる、当該通信中継装置を上記処理要求がカプセル化されたリクエストデータを取得するためのアクセス先にアクセスさせるためコマンドデータを取得するコマンドデータ取得部と、上記コマンドデータに示された上記アクセス先にアクセスして上記リクエストデータを取得し、取得した上記リクエストデータに含まれるカプセル化された上記処理要求のカプセル化を解除して上記端末装置に送信するリクエストデータ取得部とを備えていることを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、ウェブクライアント装置は、端末装置に対する処理要求を行う際、中継サーバ装置に対して処理要求を示す情報を送信するだけで、中継サーバ装置から通信中継装置を介して端末装置に処理要求に対応するリクエストデータを送信させることができる。したがって、ウェブクライアント装置における端末装置に対する処理要求を行う際の処理を簡略化し、処理時間の短縮および通信レスポンスの向上を図ることができる。また、ウェブクライアント装置と端末装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、ウェブクライアント装置からの処理要求を中継サーバ装置から通信中継装置に伝達することができる。
【0034】
本発明の通信方法は、ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムにおける通信方法であって、上記通信システムは、上記ファイアウォールの内部に備えられた通信中継装置と、上記ファイアウォールの外部に備えられた中継サーバ装置とを備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うものであり、上記通信中継装置が、上記中継サーバ装置に対してポーリングを行う工程と、上記中継サーバ装置が、上記ポーリングに対する応答として上記通信中継装置を当該中継サーバ装置における所定のアクセス先にアクセスさせるためのコマンドデータを上記通信中継装置に送信する工程と、上記通信中継装置が、上記コマンドデータに基づいて上記アクセス先にアクセスする工程と、上記中継サーバ装置が、上記通信中継装置からの上記アクセス先へのアクセスに対する応答としてカプセル化された上記処理要求を上記通信中継装置に送信する工程とを含むことを特徴としている。
【0035】
上記の方法によれば、ウェブクライアント装置は、端末装置に対する処理要求を行う際、中継サーバ装置に対して処理要求を示す情報を送信するだけで、中継サーバ装置から通信中継装置を介して端末装置に処理要求に対応するリクエストデータを送信させることができる。したがって、ウェブクライアント装置における端末装置に対する処理要求を行う際の処理を簡略化し、処理時間の短縮および通信レスポンスの向上を図ることができる。また、ウェブクライアント装置と端末装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、ウェブクライアント装置からの処理要求を中継サーバ装置から通信中継装置に伝達することができる。
【0036】
なお、上記中継サーバ装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記リクエストデータ生成部、上記コマンドデータ生成部、および上記通信制御部として動作させることにより、上記中継サーバ装置をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【0037】
同様に、上記通信中継装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記コマンドデータ取得部、および上記リクエストデータ取得部として動作させることにより、上記通信中継装置をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明の中ケーサーバ装置は、上記通信中継装置からのポーリングを受け付けたときに、このポーリングに対する応答として上記通信中継装置を当該中継サーバ装置における所定のアクセス先にアクセスさせるためのコマンドデータを上記通信中継装置に送信し、上記コマンドデータに応じた上記通信中継装置からの上記アクセス先に対するアクセスを受け付けたときに、当該アクセスに対する応答としてカプセル化された上記処理要求を上記通信中継装置に送信する。
【0039】
それゆえ、ウェブクライアント装置は、端末装置に対する処理要求を行う際、中継サーバ装置に対して処理要求を示す情報を送信するだけで、中継サーバ装置から通信中継装置を介して端末装置に処理要求にをカプセル化したデータを送信させることができる。したがって、ウェブクライアント装置における端末装置に対する処理要求を行う際の処理を簡略化し、処理時間の短縮および通信レスポンスの向上を図ることができる。また、ウェブクライアント装置と端末装置との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、ウェブクライアント装置からの処理要求を中継サーバ装置から通信中継装置に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態にかかる通信システムの概略構成を示す説明図である。
【図2A】図2Aは、図1に示した通信システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図2B】図2Bは、図1に示した通信システムにおける処理の流れを示すフローチャートであり、図2Aの処理の続きを示している。
【図3】図1に示した通信システムにおけるHTTPカプセル化クライアントとHTTPカプセル化サーバとの関係を示す説明図である。
【図4】図1に示した通信システムに備えられるHTTPカプセル化サーバとして用いられるコンピュータ装置の構成例を示す説明図である。
【図5】図1に示した通信システムに備えられるHTTPカプセル化サーバにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1に示した通信システムに備えられるHTTPカプセル化クライアントとして用いられるコンピュータ装置の構成例を示す説明図である。
【図7A】図1に示した通信システムに備えられるHTTPカプセル化クライアントにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図7B】図1に示した通信システムに備えられるHTTPカプセル化クライアントにおける処理の流れを示すフローチャートであり、図7Aの処理の続きを示している。
【図8】図1に示した通信システムにおける通信処理の概要を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施形態にかかる通信システムの構成を示す説明図である。
【図10】図9に示した通信システムにおける登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図9に示した通信システムにおける動作制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態にかかる通信システム100の構成を示す説明図である。この図に示すように、通信システム100は、MFP(multifunction peripheral、端末装置)110とHTTPカプセル化サーバ(中継サーバ装置、第2通信装置)130とウェブクライアント(ウェブクライアント装置、OSAサーバ)140とを備えている。また、MFP110は、MFP機能部(端末装置)111とHTTPカプセル化クライアント(通信中継装置、第1通信装置)112とを備えている。これにより、ウェブクライアント140とMFP機能部111とがHTTPカプセル化クライアント112およびHTTPカプセル化サーバ130を介してデータ通信を行うようになっている。なお、HTTPカプセル化クライアント112はMFP110の内部に備えられるものであってもよく、ファイアウォール150の内部(ファイアウォール150によって保護されている領域内)においてMFP110(MFP機能部111)とは別に備えられ、MFP110(MFP機能部111)との間で通信を行うものであってもよい。
【0042】
通信システム100では、HTTPカプセル化クライアント112とHTTPカプセル化サーバ130との間でHTTPカプセル化処理(カプセル化処理)を用いた双方向通信を行うようになっている。なお、本実施形態では、送信対象のデータを通信プロトコルに応じた送信データに含めることをカプセル化と称する。具体的には、例えばファイアウォールを介して通信を行う場合に、このファイアウォールを介して通信可能なプロトコルの送信データに、送信対象のデータを含めることをカプセル化と称する。本実施形態では、例えば、HTTPカプセル化サーバ130が、SOAPプロトコルあるいはHTTPプロトコルのデータ(後述するリクエストデータ)をHTTPプロトコルのデータ(HTTP GETに対する応答であるHTTP RESPONSE)に含めるカプセル化(HTTPカプセル化)処理を行い、このHTTPカプセル化したデータをHTTPカプセル化クライアント112に送信する処理を行う。また、HTTPカプセル化クライアント112が、MFP機能部111からウェブクライアント140へ送信するデータ(レスポンスデータ)をHTTPプロトコルのデータ(HTTP POST)に含めるカプセル化(HTTPカプセル化)処理を行い、このHTTPカプセル化したデータをHTTPカプセル化サーバ130に送信する処理を行う。なお、カプセル化するデータの形式はこれに限るものではない。
【0043】
また、ウェブクライアント(OSAサーバ)140は、HTTPカプセル化サーバ130とソケット接続を介して通信(例えば、HTTPサーバ130に対するHTTPリクエストなど)を行うようになっている。
【0044】
HTTPカプセル化サーバ130は、信頼された外部ネットワークホストに設けられており、保護されたネットワークリソース(例えばMFP110など)に設けられたHTTPカプセル化クライアント112との通信を行う。
【0045】
ウェブクライアント140は、MFP110がネットワーク・ファイアウォール150によって保護されているネットワーク環境において、ファイアウォール150の外部に設けられている。ウェブクライアント140は、HTTPカプセル化サーバ130を介してMFP110と接続されている。HTTPカプセル化サーバ130は、読み出しコマンド152および書き込みコマンド154を用いてウェブクライアント140から受け取ったHTTPリクエストデータを保存する。
【0046】
HTTPカプセル化クライアント112は、HTTPカプセル化サーバ130に対してコマンドデータ(HTTP GET コマンドデータ)120を周期的にポーリングする(HTTPカプセル化サーバ130がHTTPカプセル化クライアント112に送信するためのコマンドデータを有しているか否かを見極めるための呼掛けを行う)。HTTPカプセル化クライアント112は、HTTPカプセル化サーバ130からコマンドデータを受信した場合、このコマンドデータに含まれるURLにアクセスしてHTTPカプセル化サーバ130からリクエストデータ(例えばデータファイルの検索命令)を取得する。上記リクエストデータは、その後、HTTPカプセル化クライアント112からHTTP接続を介してMFP機能部111に送信される。HTTPカプセル化クライアント112とMFP機能部111との間では、HTTP接続113およびHTTP応答(HTTPレスポンス)114を用いた通信が行われる。その後、HTTPカプセル化クライアント112は、エンドポイントURLに応答データを送信する(例えば、応答データを格納したファイルを添付したデータをHTTPカプセル化サーバにアップロードすることにより、応答データ全体を送信する)。必要に応じて、応答データをメモリやバッファに格納してから送信するようにしてもよい。HTTPカプセル化サーバ130は、HTTPカプセル化クライアント112から取得した応答データを保存(例えばバイナリファイルの形式で保存)し、HTTPカプセル化を効果的に除去した後、既に確立されているソケット接続を介してウェブクライアントに送信する。
【0047】
図2Aは通信システム100における典型的な処理の流れを示すフローチャートであり、これらの各処理は、コンピュータ(演算装置)および/または演算回路によって実行される。このフローチャートに示す方法は、以下の(a)〜(d)の各工程を含む。
(a)HTTPカプセル化サーバ130が、ウェブクライアント140からHTTPリクエストデータを受信する工程(ステップ210)、
(b)HTTPカプセル化サーバ130が、HTTPリクエストデータを保存する工程(ステップ220)、
(c)HTTPカプセル化サーバ130が、エンドポイントURL(endpoint Uniform Resource Locator)を用いてアクセス可能な第1ウェブリソース(リクエストデータ)を生成する工程(ステップ230)、
(d)HTTPカプセル化サーバ130が、第1ウェブリソース(リクエストデータ)にアクセスするためのURL、およびHTTPカプセル化サーバ130におけるファイルハンドラー(HTTPカプセル化クライアント112から取得するレスポンスデータを処理する処理部。図示せず。)を示すエンドポイントURLからなるデータを含む第2ウェブリソース(コマンドデータ)を生成する工程(ステップ240)、および、
(e)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130において利用可能なデータ(HTTPカプセル化クライアント112に送信するデータ)が準備できるまでコマンドデータのポーリングを繰り返し、利用可能なデータが準備できたら図2Bに示すステップ260の処理に移行する工程(ステップ250)。なお、ポーリング(コマンドデータの送信要求)の送信先はHTTPカプセル化クライアント112が予め記憶している。
【0048】
図2Bは、図2Aの処理の続きを示すフローチャートである。この図に示すように、通信システム100は、上記の(a)〜(e)の各工程の後、以下に示す(f)〜(i)の工程を行う。
(f)MFP(端末装置)110のHTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130のコマンドデータをフェッチする工程(ステップ260)、
(g)HTTPカプセル化クライアント112が、MFP(端末装置)110に目的ページとして保存されているデータファイルの検索命令を含むHTTPカプセル化サーバ130のコマンドデータを受信する工程(ステップ270)、
(h)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130から保護されたネットワークリソースへのリクエストデータに対する応答(例えば、HTTPカプセル化サーバ130から受信したリクエストデータに応じて保護されたネットワークリソース(MFP機能部111)から取得したデータ、あるいはHTTPカプセル化サーバ130から受信したリクエストデータに応じた処理を保護されたネットワークリソース(MFP機能部111)に行わせた結果に基づく応答)を生成する工程(ステップ280)、および、
(i)HTTPカプセル化クライアント112が、生成した上記応答をMFP(端末装置)の外部リソースにホストされたHTTPカプセル化サーバ130のエンドポイントURLに送信する工程(ステップ290)。
【0049】
図3は、HTTPカプセル化クライアント112とHTTPカプセル化サーバ130との間の通信方法を示す説明図である。この図に示すように、HTTPカプセル化サーバ130は、信頼できる外部ネットワークホスト320上に存在するものであってもよい。また、HTTPカプセル化クライアント112は、保護されたネットワークリソース340(例えばMFP110)上に存在していてもよい。上記の信頼できる外部ネットワークホスト320は、上記の保護されたネットワークリソース340がネットワーク・ファイアウォール150によって保護されているネットワーク環境に配置されてもよい。外部的にホストされたアプリケーション(例えばウェブクライアント140)がファイアウォール150によって保護されたネットワークリソース340(例えばMFP110)の機能にアクセスすることを許容してもよい。HTTPカプセル化サーバ130が、HTTPカプセル化クライアント112への接続325を介して保護されたネットワークリソース340にアクセスできるようにしてもよい。上記の接続325は、HTTPカプセル化クライアント112によって、コマンドデータを要求するために開始される。HTTPカプセル化クライアント112が、例えば応答データをファイルに保存したりメモリバッファに保持したりすることにより、応答データを生成するようにしてもよい。その後、上記応答データの全体が接続345を介してHTTPカプセル化サーバ130に送信される。
【0050】
図4は、HTTPカプセル化サーバ130として用いられるコンピュータ装置420の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、コンピュータ装置420は、中央演算装置(CPU)等のプロセッサ424、メモリ(アドレッサブルメモリ)427、デバイスインターフェース(外部装置インターフェース)426、およびユーザインターフェース429を備えている。デバイスインターフェース426としては、例えば、USB(universal serial bus)ポートとその処理部、および/またはイーサネット(登録商標)ポートとその処理部などが挙げられる。また、ユーザインターフェース429としては、例えば、ステータスライトアレイ、1または複数のトグルスイッチ、表示装置、キーボード、マウス等のポインティング装置、タッチスクリーン、およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。これら各要素は、データバス428を介して互いに通信可能に接続されている。オペレーティングシステム425を介してウェブブラウザ423およびアプリケーション422などがサポートされている。上記構成により、プロセッサ424が、上述したHTTPカプセル化方法の処理(HTTPカプセル化サーバ130の処理)を実行する。
【0051】
HTTPカプセル化サーバ130は、図5に示す処理、すなわち以下に示す(a)〜(g)の各工程の処理を実行するように構成されたコンピュータおよび/または演算回路を有している。
(a)HTTPカプセル化サーバ130が、ウェブクライアント140からHTTPリクエストデータを受信する工程(ステップ510)、
(b)HTTPカプセル化サーバ130が、エンドポイントURLを用いてアクセス可能な第1ウェブリソース(リクエストデータ)を生成する工程(ステップ520)、
(c)HTTPカプセル化サーバ130が、第1ウェブリソースにアクセスするためのURL、およびHTTPカプセル化サーバ130におけるファイルハンドラーを示すエンドポイントURLを含むデータからなる第2ウェブリソース(コマンドデータ)を生成する工程(ステップ530)、
(d)HTTPカプセル化サーバ130が、MFP(端末装置)110のHTTPカプセル化クライアント112から受信したHTTP GETに対する応答としてリクエストデータを送信する工程(ステップ540)、
(e)HTTPカプセル化サーバ130が、当該HTTPカプセル化サーバから送信した上記リクエストデータに対するHTTPカプセル化クライアント112によるHTTP POSTを用いた応答を受信する工程(ステップ550)、
(f)HTTPカプセル化サーバ130が、受信した上記応答のHTTPカプセル化を解除し、バイナリファイルを生成する工程(ステップ560)、
(g)HTTPカプセル化サーバ130が、生成した上記バイナリファイルをウェブクライアント140に送信する工程(ステップ570)。
【0052】
図6は、HTTPカプセル化クライアント112として用いられるコンピュータ装置620の概略構成を示すブロック図であり、個別のコンピューティング・ノードを用いてHTTPカプセル化処理を行う場合の操作環境の一例を示している。なお、ウェブリソースにアクセスするために、HTTPカプセル化クライアント112を介してHTTPカプセル化を行うようにしてもよい。図6に示すように、コンピュータ装置620は、中央演算装置(CPU)等のプロセッサ624、メモリ(アドレッサブルメモリ)627、デバイスインターフェース(外部装置インターフェース)626、およびユーザインターフェース629を備えている。デバイスインターフェース626としては、例えば、USB(universal serial bus)ポートとその処理部、および/またはイーサネット(登録商標)ポートとその処理部などが挙げられる。また、ユーザインターフェース429としては、例えば、ステータスライトアレイ、1または複数のトグルスイッチ、表示装置、キーボード、マウス等のポインティング装置、タッチスクリーン、およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。これら各要素は、データバス628を介して互いに通信可能に接続されている。オペレーティングシステム625を介してウェブブラウザ623およびアプリケーション622などがサポートされている。プロセッサ624がコンピュータリソース621(例えばMFP機能部111)にアクセスするために上述したHTTPカプセル化方法の処理(HTTPカプセル化クライアント112)を実行するように構成されていてもよい。
【0053】
ファイアウォール内の端末装置(例えばMFP110)は、図7Aおよび図7Bに示す処理、すなわち以下に示す(a)〜(g)の各工程の処理を実行するように構成されたコンピュータおよび/または演算回路を有している。
(a)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTP GETを介してHTTPカプセル化サーバ130のHTTP コマンドデータをポーリングする工程(ステップ710)、
(b)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130からのコマンドデータの応答を受信する工程(ステップ720)、
(c)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130からの応答に基づいて、利用可能なコマンドデータを取得していない場合にはポーリングを繰り返し、コマンドデータを取得した場合には次の工程に移行する工程(ステップ730)、
(d)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTP GETを用いてHTTPカプセル化サーバ130からHTTP リクエストデータをフェッチする(引き出す)工程(ステップ740)、
(e)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130からHTTP GETに対する応答として返信されるHTTP リクエストデータを受信する工程(ステップ750)、
(f)HTTPカプセル化クライアント112が、上記リクエストデータに基づくコールを起動する(MFP機能部111からリクエストデータに応じたデータを取得、あるいはMFP機能部111にリクエストデータに応じた処理を行わせる)工程(ステップ760)、
(g)HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化した応答データをHTTP POSTを利用してHTTPカプセル化サーバ130に送信する工程(ステップ770)。これにより、HTTPカプセル化サーバ130は、受信した上記応答に基づいてバイナリファイルを生成する工程(ステップ780)を行う。
【0054】
図8は、HTTPカプセル化クライアント112およびHTTPカプセル化サーバ130を用いた通信処理の概要を示す説明図である。ウェブクライアント140は、HTTPカプセル化サーバ130とソケット接続を介して通信可能であり、例えばHTTPリクエストなどの送信データをHTTPカプセル化サーバ130に送信する。HTTPカプセル化サーバ130は、信頼できる外部ネットワークホスト840上に配置されており、保護されたネットワークリソース(例えばMFP110)に配置されたHTTPカプセル化クライアント112と通信を行う。ウェブクライアント140は、MFP110がファイアウォール150によって保護されているネットワーク環境内に配置されてもよい。
【0055】
ウェブクライアント140はHTTPカプセル化サーバ130を介してMFP110と接続される。HTTPカプセル化サーバ130はウェブクライアント140からのソケット接続を受け付け、ウェブクライアント140から送信されるHTTPリクエストデータを取得する。また、HTTPカプセル化サーバ130は、ウェブクライアント140から取得した上記HTTPリクエストデータを保存する。上記リクエストデータをファイルに保存し、それによってエンドポイントURLを用いてアクセス可能な第1ウェブリソース(リクエストデータ)834を生成してもよい。第2ウェブリソース(コマンドデータ)832はエンドポイントURLを用いてアクセス可能に生成される。上記第2ウェブリソースは、2つのURL(例えばGetURLおよびPostURL)を含むデータ(データコンテナ)である。GetURLは第1ウェブリソース834にアクセスするためのURLであり、PostURLはHTTPカプセル化サーバ130のファイルハンドラーを示すエンドポイントURLである。上記ファイルハンドラーは、マルチパートフォームフォーマットの標準HTTP POSTでHTTPカプセル化クライアント112からHTTPカプセル化サーバ130にファイルをアップロードすることを可能にする。
【0056】
HTTPカプセル化クライアント112は、ファイアウォール150によって保護される領域に配置されていてもよく、有効なコマンドURLエンドポイントに予め形成されていてもよい。HTTPカプセル化クライアント112がコマンドURLエンドポイントに周期的にHTTP GETリクエストを行うようにしてもよい。HTTPカプセル化クライアント112がHTTPカプセル化サーバ130からGetURLおよびPostURLを含むコマンドデータ(第2ウェブリソース)を引き出す際、、以下の(a)〜(c)の処理を行うようにしてもよい。
(a)HTTPカプセル化クライアント112が、リクエストデータ(第1ウェブリソース)を検索し、HTTPレスポンスにリクエストデータを有効にHTTPカプセル化するためのGetURLに関するHTTP GETを生成する処理。
(b)その後、HTTPカプセル化クライアント112が上記リクエストデータのHTTPカプセル化方法(例えば、POST、GET、PUT、あるいはそれらの組み合わせ)を決定するためにリクエストデータを解析する処理。この際、必要に応じて、HTTPヘッダーファイル(例えば”Host”)にHTTP リクエストがターゲット(例えば保護されたウェブリソース(MFP110))によって受理されることを保証するための修正を加える処理を行ってもよい。
(c)HTTPカプセル化クライアント112が保護されたネットワークリソース(MFP110あるいはMFP機能部111)とのHTTP接続852を構築し、修正したリクエストデータを送信する処理。なお、上記の保護されたウェブリソース(MFP110あるいはMFP機能部111)がHTTP応答854を応答するようにしてもよい。HTTPカプセル化クライアント112は、HTTP応答(レスポンスデータ)全体をバッファに格納するか、あるいはメモリに保存する。その後、Post URLへのレスポンスデータを含むHTTP POSTを生成し、レスポンスデータをファイルに添付してアップロードするなどしてHTTPカプセル化サーバ130に送る。すなわち、HTTPリクエストに対するレスポンスデータ(応答データ)をHTTPカプセル化する。HTTPカプセル化サーバ130のファイルハンドラー(図示せず)は、HTTP POSTに添付されたレスポンスデータを例えばバイナリファイルとして局所的に保存する。すなわち、HTTPカプセル化されたレスポンスデータのカプセル化を解除する。その後、HTTPカプセル化サーバ130は、レスポンスデータを、構築されたソケット接続を介してウェブクライアント140に送信する。これにより、ウェブクライアント140におけるHTTPリクエスト−HTTPレスポンスのサイクルが終了する。
【0057】
以上のように、本実施形態にかかる通信方法は、HTTPカプセル化サーバ130が、ウェブクライアント140からの要求に応じて、エンドポイントURLを用いてアクセス可能な第1ウェブリソース(リクエストデータ)を生成する工程と、HTTPカプセル化サーバ130が、上記第1ウェブリソースにアクセスするためのURLと、当該HTTPカプセル化サーバ130におけるファイルハンドラーのエンドポイントURLとを含む第2ウェブリソース(コマンドデータ)を生成する工程と、MFP(端末装置)110のHTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130にコマンドデータを取りに行く(フェッチする)工程と、HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130からMFP(端末装置)110に目的ページとして格納されているデータファイルの検索命令を含むコマンドデータを取得する工程と、HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化サーバ130を介して受信したウェブクライアント140からのリクエストに対するレスポンスデータを保護されたネットワークリソース(MFP110あるいはMFP機能部111)に基づいて生成する工程と、MFP(端末装置)110に備えられるHTTPカプセル化クライアント112の外部ソースによってホストされているHTTPカプセル化サーバ130のエンドポイントURLに上記レスポンスデータを送信する工程とを含む方法であってもよい。なお、上記ウェブクライアント140は端末装置(MFP110)に対してネットワーク・ファイアウォール150の外側に存在するものであってもよい。また、第2ウェブリソースはデータファイルであってもよい。また、HTTPカプセル化サーバ130がウェブクライアント140からのHTTPリクエストデータを、ソケット接続を介して受信する工程をさらに含んでいてもよい。また、上記リクエストデータはファイルに格納されていてもよい。また、HTTPカプセル化クライアント112およびHTTPカプセル化サーバ130が、HTTP GETおよびHTTP POSTの少なくとも1つを用いて上記リクエストデータおよび上記レスポンスデータの送受信を行うようにしてもよい。
【0058】
また、本実施形態にかかる通信方法は、HTTPカプセル化サーバ130が、ウェブクライアント140からのHTTPリクエストデータに基づいてエンドポイントURLを用いてアクセス可能な第1ウェブリソース(リクエストデータ)を生成する工程と、HTTPカプセル化サーバ130が、上記第1ウェブリソースにアクセスするためのURLと、当該HTTPカプセル化サーバ130におけるファイルハンドラーのエンドポイントURLとを含む第2ウェブリソース(コマンドデータ)を生成する工程と、HTTPカプセル化サーバ130が、HTTPカプセル化クライアント112からのHTTP GETに対する応答としてリクエストデータを送信する工程と、HTTPカプセル化サーバ130が、上記リクエストデータに対する応答としてHTTPカプセル化クライアント112からHTTP POSTを用いて返信されるレスポンスデータを受信する工程と、HTTPカプセル化サーバ130が、上記レスポンスデータに基づいてHTTPカプセル化を解除したファイル(例えばバイナリファイル)を生成する工程と、HTTPカプセル化サーバ130が、生成した上記ファイルをウェブクライアント140に送信する工程とを含む方法であってもよい。なお、ウェブクライアント140は、端末装置に対してネットワーク・ファイアウォールの外側に存在するものであってもよい。また、第2ウェブリソースはデータファイルであってもよい。また、ウェブクライアントからのHTTPリクエストデータを、ソケット接続を介して受信する工程をさらに含んでいてもよい。また、上記データはファイルに格納されていてもよい。
【0059】
また、本実施形態にかかる通信方法は、端末装置(MFP110)のHTTPカプセル化クライアント112が、HTTP GETを用いてHTTPカプセル化サーバ130にHTTPコマンドデータをポーリングする工程と、HTTPカプセル化クライアント112が、上記HTTP GETに対する応答としてHTTPカプセル化サーバ130からコマンドデータを受信する工程と、HTTPカプセル化クライアント112が、HTTP GETを用いてHTTPカプセル化サーバ130にHTTPリクエストデータを取りにいく(フェッチする)工程と、HTTPカプセル化クライアント112が、上記HTTP GETに対する応答としてHTTPカプセル化サーバ130からHTTPカプセル化されたHTTPリクエストデータを受信する工程と、HTTPカプセル化クライアント112が、受信した上記リクエストデータに基づくコールを起動する工程と、HTTPカプセル化クライアント112が、HTTPカプセル化されたレスポンスデータをHTTP POSTを用いてHTTPカプセル化サーバ130に送信する工程と、HTTPカプセル化サーバ130が、上記レスポンスデータのHTTPカプセル化を解除して上記レスポンスデータに基づくファイル(例えばバイナリファイル)を生成する工程とを含む方法であってもよい。なお、HTTPカプセル化サーバ130は端末装置(MFP110)に対してネットワーク・ファイアウォール150の外側に存在するものであってもよい。
【0060】
また、本実施形態にかかるHTTPカプセル化サーバ130は、プロセッサと、アドレス指定可能なメモリとを備えており、上記プロセッサは、ウェブクライアント140からのHTTPリクエストデータに基づいてエンドポイントURLを用いてアクセス可能な第1ウェブリソース(リクエストデータ)を生成する処理と、上記第1ウェブリソースにアクセスするためのURLと、当該HTTPカプセル化サーバ130におけるファイルハンドラーのエンドポイントURLとを含む第2ウェブリソース(コマンドデータ)を生成する処理と、HTTPカプセル化クライアント112からのHTTP GETに対する応答としてリクエストデータを送信する処理と、上記リクエストデータに対する応答としてHTTPカプセル化クライアント112からHTTP POSTを用いて返信されるレスポンスデータを受信する処理と、上記レスポンスデータに基づいてHTTPカプセル化を解除したファイル(例えばバイナリファイル)を生成する処理と、生成した上記ファイルをウェブクライアント140に送信する処理とを行う構成であってもよい。
【0061】
また、本実施形態にかかるHTTPカプセル化クライアント112は、プロセッサと、アドレス指定可能なメモリとを備えており、上記プロセッサは、HTTP GETを用いてHTTPカプセル化サーバ130にHTTPコマンドデータをポーリングする処理と、上記HTTP GETに対する応答としてHTTPカプセル化サーバ130から返信されるコマンドデータを受信する処理と、HTTP GETを用いてHTTPカプセル化サーバ130にHTTPリクエストデータを取りにいく(フェッチする)処理と、上記HTTP GETに対する応答としてHTTPカプセル化サーバ130から返信されるHTTPカプセル化されたHTTPリクエストデータを受信する処理と、受信した上記リクエストデータに基づくコールを起動する処理と、HTTPカプセル化されたレスポンスデータをHTTP POSTを用いてHTTPカプセル化サーバ130に送信する処理とを行う構成であってもよい。これにより、HTTPカプセル化サーバ130は、上記レスポンスデータのHTTPカプセル化を解除して上記レスポンスデータに基づくファイル(例えばバイナリファイル)を生成することができる。
【0062】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1と同様の機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
本実施形態では、ウェブクライアント140がMFP機能部111の装置機能(画像形成機能、画像読取機能など)を制御する制御命令に対応するリクエストデータをHTTPカプセル化サーバ130に予め登録しておき、HTTPカプセル化サーバ130がウェブクライアント140からの指示に応じたリクエストデータをHTTPカプセル化クライアント112に送信する構成について説明する。
【0064】
(2−1.通信システムの構成)
図9は、本実施形態にかかる通信システム100の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、本実施形態にかかる通信システム100は、実施形態1と同様、MFP機能部111とHTTPカプセル化クライアント112とを備えたMFP110と、HTTPカプセル化サーバ130と、ウェブクライアント140とを備えている。なお、MFP110はファイアウォール150の内部に配置され、HTTPカプセル化サーバ130およびウェブクライアント140はファイアウォール150の外部に配置されている。
【0065】
MFP110(MFP機能部111)は、HTTPカプセル化サーバ130およびHTTPカプセル化クライアント112を介してウェブクライアント140から制御情報を受け取り、受け取った制御情報に基づいてMFP110(MFP機能部110)の各種装置機能を実行するデジタル複合機またはアナログ複合機である。上記の装置機能としては、例えば、原稿を読み取って画像データを取得するスキャン機能(画像読取機能)、画像データに応じた画像を記録材上に形成する印刷機能(画像形成機能)、原稿を読み取って画像データを取得し、この画像データに応じた画像を記録材上に形成するコピー機能(複写機能)、ファクシミリの送受信機能、通信機能などが挙げられる。ただし、MFP110が有する装置機能は上記の機能に限るものではない。例えば、上記の各機能の一部を備えていなくてもよく、上記の各機能の一部に代えて、あるいは上記の各機能に加えて、他の装置機能を備えていてもよい。
【0066】
MFP機能部111は、制御部160、ユーザインターフェース170、スキャナ部171、プリンタ部172、および第1通信部173を備えている。また、制御部160は、機器制御部161、制御アプリケーション部162、および第1通信制御部163を備えている。
【0067】
ユーザインターフェース170は、各種入力キーを含む入力部170aと、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などからなる表示部170bとを備えており、表示部170bを用いてユーザに対して各種情報を通知するとともに、入力部170aを介してユーザからの入力を受け付ける。なお、ユーザインターフェース170は、入力部170aと表示部170bとが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0068】
スキャナ部171は、スキャナ(画像読取装置)と、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るスキャン機能を実行する。
【0069】
プリンタ部172は、用紙などの記録材に対して、入力された画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。具体的には、プリンタ部172は、スキャナ部171から入力された画像データを印刷するコピー機能、および外部から入力された画像データを印刷するプリンタ機能を実行する。
【0070】
第1通信部173は、HTTPカプセル化クライアント112との間で通信を行う通信インターフェースである。本実施形態では、実施形態1と同様、第1通信部173はHTTPカプセル化クライアント112とHTTPプロトコルを用いて通信する。
【0071】
制御部160は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置である。制御部160は、上記記憶部に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで機器制御部161、制御アプリケーション部162、および第1通信制御部163の機能を実現する。
【0072】
制御アプリケーション部162は、ウェブクライアント140からHTTPカプセル化クライアント112およびHTTPカプセル化サーバ130を介して送信されてくる処理要求データ(制御命令)に応じてMFP機能部111の各種機能(例えば、コピー機能、スキャナ機能など)を制御するための制御コマンドを生成し、機器制御部161に送る。
【0073】
機器制御部161、MFP機能部111の各種機能を制御するものである。すなわち、機器制御部161は、ユーザインターフェース170、スキャナ部171、プリンタ部172、第1通信部173等の各部の動作を制御する。例えば、機器制御部161は、スキャナ部171の動作を制御して原稿の読取処理を行わせ、上記原稿の画像データを取得させる。また、機器制御部161は、プリンタ部172の動作を制御して画像データに応じた画像を記録材上に形成(出力)させる。また、機器制御部161は、第1通信部173を用いて、HTTPカプセル化クライアント112を介して画像データを指定された外部の装置に格納する処理や、画像データを電子メールに添付してHTTPカプセル化クライアント112を介して指定されたアドレスに送信する処理などを行う。
【0074】
機器制御部161は、固有操作モードと連携操作モード(OSAモード)とを有している。なお、「OSA」は「SHARP OSA(シャープオープンシステムアーキテクチャー、登録商標)の略である。
【0075】
固有操作モードはMFP110に固有のモードである。固有操作モードでは、予めMFP110の記憶部(図示せず)に記憶している固有操作モード用の操作画面データに応じた操作画面を表示部170bに表示させる。そして、MFP機能部111内に格納されている、当該操作画面に対してユーザから入力される指示に応じた制御コマンドに基づいてMFP機能部111の各種機能を制御する。なお、固有操作モードは、従来の複合機で行われている一般的なモードであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0076】
連携操作モードでは、予めMFP110の記憶部(図示せず)に記憶している操作画面データ(連携操作モード用の操作画面データ)に応じた操作画面を表示部170bに表示させる。そして、当該操作画面に対してユーザから入力された指示に応じた制御指示をウェブクライアント140で動作するアプリケーション部204から取得し、この制御指示に従ってMFP機能部111の各種機能を制御する。
【0077】
HTTPカプセル化クライアント112は、第2通信部180とクライアント制御部181とを備えている。また、クライアント制御部181は、コマンドデータ取得部182、リクエストデータ取得部183、レスポンスデータ生成部184、およびレスポンスデータ送信部185を備えている。これら各部の動作については後述する。
【0078】
HTTPカプセル化サーバ130は、第3通信部190、サーバ制御部191、コマンドデータ記憶部195、およびリクエストデータ記憶部196を備えている。また、サーバ制御部191は、第3通信制御部192、コマンドデータ生成部193、およびリクエストデータ生成部194を備えている。これら各部の動作については後述する。
【0079】
ウェブクライアント140は、第4通信部201と、ウェブクライアント制御部202とを備えている。また、ウェブクライアント制御部202は、第4通信部201を用いた通信処理を制御する第4通信制御部203と、アプリケーション部204とを備えている。
【0080】
アプリケーション部204は、上述した連携操作モードにおいてMFP110の装置機能を制御するための制御命令(処理要求データ)を生成する。第4通信制御部203は、第4通信部201の動作を制御し、アプリケーション部204が生成した制御命令を、HTTPカプセル化サーバ130およびHTTPカプセル化クライアント112を介してMFP機能部111に送信する。また、第4通信制御部203は、第4通信部201の動作を制御し、MFP機能部111からHTTPカプセル化クライアント112およびHTTPカプセル化サーバ130から送信されてくる上記制御命令に応じた処理の結果を示す処理結果データ(あるいは上記制御命令で送信要求されたデータを含む処理結果データ)を受信する。
【0081】
HTTPカプセル化サーバ130とウェブクライアント140との通信は、例えばソケット接続を用いて行われる。なお、本実施形態ではHTTPカプセル化サーバ130とウェブクライアント140とを別々に備えているが、これに限らず、HTTPカプセル化サーバ130をウェブクライアント140内に設けてもよい。
【0082】
(2−1.通信システム100の動作)
(2−1−1.制御命令の登録処理)
次に、通信システム100における処理の流れについて説明する。まず、ウェブクライアント140がMFP機能部111の装置機能(画像形成機能、画像読取機能など)を制御する制御命令に対応するリクエストデータをHTTPカプセル化サーバ130に登録する登録処理について説明する。図10は、通信システム100における登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
まず、ウェブクライアント140において、アプリケーション部204がMFP110の装置機能を制御するための制御命令(処理要求データ)を生成し(S1)、第4通信制御部203が第4通信部201を制御して上記制御命令(処理要求データ)をHTTPカプセル化サーバ130に送信させる(S2)。なお、上記の制御命令としては、例えばSOAPプロトコルに基づくものなどを用いることができる。
【0084】
HTTPカプセル化サーバ130では、第3通信部190がウェブクライアント140から送信された上記制御命令を受信すると(S11)、リクエストデータ生成部194が受信した上記制御命令をHTTPカプセル化して送信するためのリクエストデータに変換(リクエストデータを生成)し(S12)、ウェブクライアント140から受信した上記制御命令と対応付けてリクエストデータ記憶部196に記憶させる(S13)。
【0085】
また、コマンドデータ生成部193が、(1)HTTPカプセル化クライアント112がS12で生成された上記リクエストデータを取得するためにアクセスする際のアクセス先のURL(リクエストデータ取得用URL、アドレス情報)、および(2)MFP機能部111において当該リクエストデータに応じた処理が実行された後、その処理結果に応じたレスポンスデータをHTTPカプセル化クライアント112からHTTPカプセル化サーバ130に送信する際の送信先のURL(レスポンスデータ送信用URL、アドレス情報)を含むコマンドデータを生成し(S14)、ウェブクライアント140から受信した上記制御命令と対応付けてコマンドデータ記憶部195に記憶させる(S15)。すなわち、コマンドデータ生成部193は、HTTPカプセル化クライアント112が上記リクエストデータを取得する際のアクセス先のURLと、HTTPカプセル化クライアント112が上記レスポンスデータを送信する際の送信先のURLとを含むコマンドデータを生成する。
【0086】
その後、HTTPカプセル化サーバ130の第3通信制御部192は、ウェブクライアント140から受信した制御命令に対応するリクエストデータおよびコマンドデータの登録処理が完了した旨を示す登録完了通知をウェブクライアント140に送信する(S16)。ウェブクライアント140の第4通信制御部203は第4通信部201がHTTPカプセル化サーバ130から送信された登録完了通知を受信すると(S3)、登録処理を完了する。なお、第4通信制御部203が、S3で受信した登録完了通知に基づいて、S2で送信した制御命令と、当該制御命令に対応するリクエストデータおよび/またはコマンドデータとを対応付けてウェブクライアント140の記憶部(図示せず)に記憶するようにしてもよい。
【0087】
(2−1−2.MFP110の動作制御処理)
次に、ウェブクライアント140からの指示に応じてMFP110の装置機能を制御する動作制御処理について説明する。図11は、通信システム100における上記動作制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0088】
ウェブクライアント140のアプリケーション部204は、MFP110の装置機能を制御する際、その制御内容に対応する処理要求データ(制御命令)を特定するための処理要求データ指定情報をHTTPカプセル化サーバ130に送信する(S21)。
【0089】
なお、処理要求データ指定情報は、登録処理済みの制御命令(処理要求データ)を示すものであってもよく、コマンドデータを示すものであってもよく、リクエストデータを示すものであってもよい。
【0090】
また、アプリケーション部204は、MFP110のユーザによる入力部170aを介した指示入力に応じて動作制御処理に用いる処理要求データを選択するようにしてもよく、ウェブクライアント140のユーザがこのウェブクライアント140のユーザインターフェース(図示せず)を介して行った指示入力に応じて動作制御処理に用いる処理要求データを選択するようにしてもよい。
【0091】
また、MFP110のユーザによる入力部170aを介した指示入力に応じて動作制御処理を行う場合、例えば、MFP機能部111の機器制御部161が第1通信部173を介してユーザからの指示入力に応じた制御命令(処理要求データ)の送信要求をHTTPカプセル化クライアント112に送信し、HTTPカプセル化クライアント112のクライアント制御部181が第2通信部180を介して上記送信要求をHTTPカプセル化サーバ130に送信し、HTTPカプセル化サーバ130の第3通信制御部192が第3通信部190を介して上記送信要求をウェブクライアント140に送信し、ウェブクライアント140のアプリケーション部204が上記送信要求に応じて処理要求データ(制御命令)を特定するようにすればよい。なお、上記処理要求は、例えば、HTTP GET メソッドを用いてHTTPカプセル化クライアント112からHTTPカプセル化サーバ130に送信するようにしてもよい。
【0092】
HTTPカプセル化サーバ130の第3通信制御部192は、ウェブクライアント140から処理要求データ指定情報を受信すると(S31)、当該処理要求データ指定情報に対応するコマンドデータを特定する(S32)。
【0093】
その後、HTTPカプセル化サーバ130の第3通信制御部192は、第3通信部190がHTTPカプセル化クライアント112からのコマンドデータの送信要求を受信すると(S33)、S32で特定したコマンドデータをコマンドデータ記憶部195から読み出してHTTPカプセル化クライアント112に送信する(S34)。
【0094】
具体的には、HTTPカプセル化クライアント112のコマンドデータ取得部182は、第2通信部180を介してHTTPカプセル化サーバ130に対して周期的にコマンドデータの送信要求(コマンドデータのポーリング)を行っている(S41)。なお、このコマンドデータの送信要求は、HTTP Get メソッドを用いて行われる。また、コマンドデータの送信要求の送信先URL(コマンドデータ取得用URL)はHTTPカプセル化クライアント112に予め設定されている。そして、HTTPカプセル化サーバ130の第3通信制御部192は、上記のHTTP Get メソッドを用いたコマンドデータの送信要求に対する応答として、HTTP RESPONSE メソッドを用いてコマンドデータを送信する。
【0095】
なお、MFP110のユーザによる入力部170aを介した指示入力に応じてウェブクライアント140のアプリケーション部204がMFP110の動作制御処理を行う場合、当該指示入力に応じた制御命令(処理要求データ)の送信要求を少なくともHTTPカプセル化クライアント112からHTTPカプセル化サーバ130へはHTTP GET メソッドを用いて送信し、S34におけるコマンドデータの送信をこのHTTP GET メソッドを用いた送信要求に対する応答としてHTTP RESPONSE メソッドを用いて行うようにしてもよい。
【0096】
HTTPカプセル化クライアント112のリクエストデータ取得部183は、第2通信部180がHTTPカプセル化サーバ130から送信されたコマンドデータを受信すると(S42)、第2通信部180を制御し、受信したコマンドデータに含まれているリクエストデータを取得するためのアクセス先のURLに対してリクエストデータの送信要求を送信させる(S43)。このリクエストデータの送信要求は、HTTP Get メソッドを用いて行う。
【0097】
HTTPカプセル化サーバ130の第3通信制御部192は、第3通信部190がHTTPカプセル化クライアント112からのリクエストデータの送信要求を受信すると(S35)、当該送信要求に対応するリクエストデータをリクエストデータ記憶部196から読み出してHTTPカプセル化クライアント112に送信する(S36)。
【0098】
具体的には、第3通信制御部192は、リクエストデータ記憶部196から読み出したリクエストデータを、上記のHTTP Get メソッドを用いたリクエストデータの送信要求に対する応答として、HTTP RESPONSE メソッドに含めて(カプセル化して)HTTPカプセル化クライアント112に送信する。
【0099】
HTTPカプセル化クライアント112のリクエストデータ取得部183は、第2通信部180がHTTPカプセル化サーバ130からリクエストデータを受信すると(S44)、このリクエストデータのカプセル化を解除してウェブクライアント140で生成された処理要求データ(制御命令)を復元し、第2通信部180を介してMFP機能部111に送信させる(S45)。
【0100】
MFP機能部111の制御アプリケーション部162は、第1通信部173がHTTPカプセル化クライアント112から処理要求データ(制御命令)を受信すると(S51)、この処理要求データに応じた制御コマンドを機器制御部161に伝達する。これにより、機器制御部161が上記制御コマンドに応じてMFP機能部111の装置機能を制御し、ウェブクライアント140からの制御命令に応じた処理を実行させる(S52)。
【0101】
また、MFP機能部111の機器制御部161は、上記の処理要求データ(制御命令)に応じた処理を実行した結果を示す処理結果データを生成し、第1通信部173を介してHTTPカプセル化クライアント112に送信する(S53)。
【0102】
なお、上記の制御命令に応じた処理としては、例えば、スキャン処理、プリント処理、コピー処理、FAX送受信処理、画像データ送信処理などが挙げられる。また、上記の処理結果データは、例えば上記制御命令に応じた処理が完了したことを示すものであってもよく、上記制御命令に応じた処理によって取得あるいは生成されデータ(例えば画像データ等)を含むものであってもよい。
【0103】
HTTPカプセル化クライアント112では、第2通信部180がMFP機能部111から上記の処理結果データを受信すると(S46)、レスポンスデータ生成部184がこの処理結果データをカプセル化(HTTPカプセル化)したレスポンスデータを生成し(S47)、レスポンスデータ送信部185が第2通信部180を介してHTTPカプセル化サーバ130に上記レスポンスデータを送信する(S48)。具体的には、レスポンスデータ生成部184は上記処理結果データをカプセル化したHTTP POST メソッドのレスポンスデータを生成し、レスポンスデータ送信部185がこのHTTP POST メソッドのレスポンスデータをHTTPカプセル化サーバ130に送信する。
【0104】
HTTPカプセル化サーバ130の第3通信制御部192は、第3通信部190がHTTPカプセル化クライアント112からレスポンスデータを受信すると(S37)、このレスポンスデータのカプセル化を解除して処理結果データを復元し(S38)、第3通信部190を介してウェブクライアント140に送信する(S39)。あるいは、第3通信制御部192が、HTTPカプセル化クライアント112から受信したレスポンスデータに対して、所定の加工処理(例えばウェブクライアント140からの処理要求に応じた加工処理)を施して生成した処理結果データをウェブクライアント140に送信するようにしてもよい。
【0105】
これにより、ウェブクライアント140は、第4通信部201を介して上記の処理要求データ(制御命令)に応じた処理結果データを受信し(S22)、動作制御処理を終了する。
【0106】
以上のように、本実施形態にかかる通信システム100では、リクエストデータ生成部194がウェブクライアント140からのMFP機能部111に対する処理要求に応じたリクエストデータを生成し、生成したリクエストデータを上記処理要求と対応付けてリクエストデータ記憶部196に記憶させる。また、コマンドデータ生成部193が、HTTPカプセル化クライアント112が上記リクエストデータを取得するためにアクセスする際のアクセス先のアドレス情報と、HTTPカプセル化クライアント112が上記リクエストデータに対するレスポンスデータを送信する際の送信先のアドレス情報とを含むコマンドデータを生成し、上記処理要求と対応付けてコマンドデータ記憶部195に記憶させる。そして、第3通信制御部192が、ウェブクライアント140からMFP機能部111への処理要求の送信指示を受けたときに、当該送信指示において指定された処理要求に対応するコマンドデータをコマンドデータ記憶部195から読み出し、HTTPカプセル化クライアント112からHTTP GET メソッドを用いて行われるコマンドデータの送信要求に対する応答に含めてHTTPカプセル化クライアント112に送信する処理。また、第3通信制御部192は、HTTPカプセル化クライアント112から上記アクセス先に対するHTTP GET メソッドを用いたリクエストデータの送信要求を受信したときに、上記アクセス先に対応するリクエストデータをリクエストデータ記憶部196から読み出し、上記リクエストデータの送信要求に対するHTTPプロトコルを用いた応答に含めてHTTPカプセル化クライアント112に送信する。
【0107】
これにより、ウェブクライアント140は、MFP機能部111に対する処理要求を行う際、HTTPカプセル化サーバ130に対して処理要求を特定するための情報を送信するだけで、HTTPカプセル化サーバ130からHTTPカプセル化クライアント112を介してMFP機能部111に処理要求を送信させることができる。したがって、ウェブクライアント140におけるMFP機能部111に対する処理要求を行う際の処理を簡略化し、処理時間の短縮し、通信レスポンスを向上させることができる。また、ウェブクライアント140とMFP機能部111との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、ウェブクライアント140からの処理要求をHTTPカプセル化サーバ130およびHTTPカプセル化クライアント112を介してMFP機能部111に伝達することができる。
【0108】
なお、本実施形態では、MFP機能部111におけるリクエストデータ(ウェブクライアント140からの処理要求)に応じた処理が完了した後、MFP機能部111からHTTPカプセル化クライアント112およびHTTPカプセル化サーバ130を介してウェブクライアント140にレスポンスデータ(処理結果データ)を送信するものとしているが、これに限るものではなく、レスポンスデータ(処理結果データ)を送信しない構成としてもよい。この場合、コマンドデータ生成部193がコマンドデータにレスポンスデータの送信先のURL(アドレス情報)を含めないようにしてもよい。
【0109】
また、上述した各実施形態において、HTTPカプセル化クライアント112および/またはHTTPカプセル化サーバ130に備えられる各部(各ブロック)、特にHTTPカプセル化クライアント112のクライアント制御部181およびHTTPカプセル化サーバ130のサーバ制御部191を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、HTTPカプセル化クライアント112および/またはHTTPカプセル化サーバ130は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるHTTPカプセル化クライアント112および/またはHTTPカプセル化サーバ130の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、HTTPカプセル化クライアント112および/またはHTTPカプセル化サーバ130に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0110】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0111】
また、HTTPカプセル化クライアント112および/またはHTTPカプセル化サーバ130を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0112】
また、HTTPカプセル化クライアント112および/またはHTTPカプセル化サーバ130の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限るものではない。例えば、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0113】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、ファイアウォールの内部に備えられる端末装置とファイアウォールの外部に備えられるウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムおよび通信方法に適用できる。
【符号の説明】
【0115】
100 通信システム
110 MFP(複合機、端末装置)
111 MFP機能部(複合機、端末装置)
112 HTTPカプセル化クライアント(通信中継装置)
130 HTTPカプセル化サーバ(中継サーバ装置)
140 ウェブクライアント(ウェブクライアント装置)
150 ファイアウォール
160 制御部
161 機器制御部
162 制御アプリケーション部
163 第1通信制御部
170 ユーザインターフェース
170a 入力部
170b 表示部
171 スキャナ部
172 プリンタ部
173 第1通信部
180 第2通信部
181 クライアント制御部
182 コマンドデータ取得部
183 リクエストデータ取得部
184 レスポンスデータ生成部
185 レスポンスデータ送信部
190 第3通信部
191 サーバ制御部
192 第3通信制御部
193 コマンドデータ生成部
194 リクエストデータ生成部
195 コマンドデータ記憶部
196 リクエストデータ記憶部
201 第4通信部
202 ウェブクライアント制御部
203 第4通信制御部
204 アプリケーション部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムにおいて上記ファイアウォールの外部に備えられる中継サーバ装置であって、
上記通信システムは、上記ファイアウォールの内部に通信中継装置を備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うようになっており、
上記中継サーバ装置は、
上記通信中継装置からのポーリングを受け付けたときに、このポーリングに対する応答として上記通信中継装置を当該中継サーバ装置における所定のアクセス先にアクセスさせるためのコマンドデータを上記通信中継装置に送信し、
上記コマンドデータに応じた上記通信中継装置からの上記アクセス先に対するアクセスを受け付けたときに、当該アクセスに対する応答としてカプセル化された上記処理要求を上記通信中継装置に送信することを特徴とする中継サーバ装置。
【請求項2】
上記ウェブクライアント装置から受信した処理要求を上記通信中継装置と上記中継サーバ装置との間の通信プロトコルに応じてカプセル化したデータであるリクエストデータを生成するリクエストデータ生成部と、
上記リクエストデータを記憶するリクエストデータ記憶部と、
上記コマンドデータを生成するコマンドデータ生成部と、
上記コマンドデータを記憶するコマンドデータ記憶部と、
上記通信中継装置との通信を制御する通信制御部とを備え、
上記通信制御部は、
上記通信中継装置からのポーリングを受け付けたときに、上記コマンドデータ記憶部から上記コマンドデータを読み出し、読み出した上記コマンドデータを上記ポーリングに対する応答データに含めて上記通信中継装置に送信し、
上記コマンドデータに応じた上記通信中継装置からの上記アクセス先に対するアクセスを受け付けたときに、上記リクエストデータ記憶部から上記リクエストデータを読み出し、読み出した上記リクエストデータを上記通信中継装置からの上記アクセス先に対する応答データに含めて上記通信中継装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の中継サーバ装置。
【請求項3】
上記コマンドデータ生成部は、上記通信中継装置が上記リクエストデータに対するレスポンスデータを上記中継サーバ装置に送信する際の送信先のアドレス情報を上記コマンドデータに含めることを特徴とする請求項2に記載の中継サーバ装置。
【請求項4】
上記通信制御部は、
上記通信中継装置からカプセル化された上記レスポンスデータを含む送信データを受信したときに、当該レスポンスデータのカプセル化を解除して上記ウェブクライアント装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の中継サーバ装置。
【請求項5】
上記端末装置は、画像データに応じた画像を記録材上に形成する画像形成機能を有しており、
上記処理要求は、上記端末装置における上記画像形成機能を制御するための制御情報を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の中継サーバ装置。
【請求項6】
上記処理要求は、上記画像形成機能によって記録材上に形成させる画像の画像データを含むことを特徴とする請求項5に記載の中継サーバ装置。
【請求項7】
上記端末装置は、原稿を読み取って当該原稿の画像データを取得する画像読取機能を有しており、
上記処理要求は、上記端末装置における上記画像読取機能を制御するための制御情報を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の中継サーバ装置。
【請求項8】
上記処理要求は、上記画像読取機能によって読み取られた画像データを返信させるように上記端末装置を制御するための制御情報を含んでいることを特徴とする請求項7に記載の中継サーバ装置。
【請求項9】
上記ウェブクライアント装置を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の中継サーバ装置。
【請求項10】
ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムにおいて上記ファイアウォールの内部に備えられる通信中継装置であって、
上記通信システムは、上記ファイアウォールの外部に中継サーバ装置を備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うようになっており、
上記通信中継装置は、
上記中継サーバ装置に対してポーリングを行い、このポーリングに対する上記中継サーバ装置からの応答に含まれる、当該通信中継装置を上記処理要求がカプセル化されたリクエストデータを取得するためのアクセス先にアクセスさせるためコマンドデータを取得するコマンドデータ取得部と、
上記コマンドデータに示された上記アクセス先にアクセスして上記リクエストデータを取得し、取得した上記リクエストデータに含まれるカプセル化された上記処理要求のカプセル化を解除して上記端末装置に送信するリクエストデータ取得部とを備えていることを特徴とする通信中継装置。
【請求項11】
上記コマンドデータには、上記リクエストデータに対するレスポンスデータを上記中継サーバ装置に送信する際の送信先のアドレス情報が含まれており、
上記処理要求に応じた処理を上記端末装置が実行した後に上記端末装置から返信される処理結果データに基づいて上記中継サーバ装置に送信するためのレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部と、
上記レスポンスデータ生成部が生成した上記レスポンスデータを上記コマンドデータに含まれている上記送信先に送信するレスポンスデータ送信部とを備え、
上記レスポンスデータ生成部は、上記処理結果データに対し、当該通信中継装置と上記中継サーバ装置との間の通信プロトコルに応じたカプセル化を施すことにより上記レスポンスデータを生成することを特徴とする請求項10に記載の通信中継装置。
【請求項12】
ファイアウォールの内部に配置され、ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う端末装置であって、請求項10または11に記載の通信中継装置を備えていることを特徴とする端末装置。
【請求項13】
ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムであって、
上記ファイアウォールの内部に配置された通信中継装置と、上記ファイアウォールの外部に配置された請求項1から8のいずれか1項に記載の中継サーバ装置とを備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うようになっており、
上記通信中継装置は、
上記中継サーバ装置に対してポーリングを行い、このポーリングに対する上記中継サーバ装置からの応答に含まれる、当該通信中継装置を上記処理要求がカプセル化されたリクエストデータを取得するためのアクセス先にアクセスさせるためコマンドデータを取得するコマンドデータ取得部と、
上記コマンドデータに示された上記アクセス先にアクセスして上記リクエストデータを取得し、取得した上記リクエストデータに含まれるカプセル化された上記処理要求のカプセル化を解除して上記端末装置に送信するリクエストデータ取得部とを備えていることを特徴とする通信システム。
【請求項14】
ファイアウォールの内部に配置された端末装置と、上記ファイアウォールの外部に配置されたウェブクライアント装置との間でデータ通信を行う通信システムにおける通信方法であって、
上記通信システムは、上記ファイアウォールの内部に備えられた通信中継装置と、上記ファイアウォールの外部に備えられた中継サーバ装置とを備え、上記ウェブクライアント装置が上記中継サーバ装置および上記通信中継装置を介して上記端末装置に処理要求を行うものであり、
上記通信中継装置が、上記中継サーバ装置に対してポーリングを行う工程と、
上記中継サーバ装置が、上記ポーリングに対する応答として上記通信中継装置を当該中継サーバ装置における所定のアクセス先にアクセスさせるためのコマンドデータを上記通信中継装置に送信する工程と、
上記通信中継装置が、上記コマンドデータに基づいて上記アクセス先にアクセスする工程と、
上記中継サーバ装置が、上記通信中継装置からの上記アクセス先へのアクセスに対する応答としてカプセル化された上記処理要求を上記通信中継装置に送信する工程とを含むことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
請求項2に記載の中継サーバ装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記リクエストデータ生成部、上記コマンドデータ生成部、および上記通信制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項10または11に記載の通信中継装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記コマンドデータ取得部、および上記リクエストデータ取得部として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項15または16に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−34349(P2012−34349A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135155(P2011−135155)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】