説明

中継機,中継方法,送信機,受信機及び無線通信システム

【課題】中継方法を伝搬環境に応じて切り替えることで、良好な伝送状態を維持する。
【解決手段】送信機と受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機400において、送信機から無線信号を受信する受信部401と、受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて無線信号を受信機へ送信する送信部406と、送信機と中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、中継機と受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部402,403,404とをそなえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継機,中継方法,送信機,受信機及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線通信では、サービスエリアの拡充や通信速度の高速化が求められている。
このため、不感地帯の解消や、サービスエリア内のスループットの均一化を目的として、無線信号を中継する中継機を用いたマルチホップ通信方式が多く用いられている。
中継機における中継方式には、例えば、Amplify and Forward(AF)法とDecode and Forward(DF)法とがある。AF法は、中継機で受信した無線信号をそのまま増幅して送信する方式である。一方、DF法は、中継機において受信した無線信号に復調・復号処理を行ない、再度、符号化・変調処理を施し送信する方式である。
【0003】
下記特許文献1には、基地局から移動局までのダウンリンクスケジュールの最適化に際して、AF法又はDF法を用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−521095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動局の移動や、他の基地局からの干渉などの影響によって、基地局,中継機及び移動局を取り巻く伝搬環境は、時々刻々と変化する。また、基地局,中継機及び移動局の周囲に新たな建物が建設された場合などでも、伝搬環境は大きく変化する。このため、無線通信システムの立ち上げ時に最適とされた中継方式が、常に最適であるとは限らない。
さらに、無線信号のQuality of Service(QoS)によって許容される遅延量が異なる場合、DF法よりも中継遅延量の少ないAF法が最適な中継方式であったり、AF法よりも柔軟なチャネル選択を行なうことができるDF法が最適な中継方式であったりするように、最適となる中継方式も変わることがある。
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、AF法とDF法とを伝搬環境に応じて切り替えることはできない。
そこで、本発明は、中継方法を伝搬環境に応じて切り替えることで、良好な伝送状態を維持することを目的の1つとする。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の案として、送信機と受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機において、前記送信機から無線信号を受信する受信部と、受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて無線信号を前記受信機へ送信する送信部と、前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、中継機を用いることができる。
【0008】
(2)また、第2の案として、送信機と受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機の中継方法において、前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方の方法から他方の方法へ切り替え、前記切り替え後の方法を用いて、前記送信機からの無線信号を前記受信機へ送信する、中継方法を用いることができる。
【0009】
(3)さらに、第3の案として、無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムの前記送信機において、前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえる、送信機を用いることができる。
【0010】
(4)また、第4の案として、無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムの前記受信機において、前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえる、受信機を用いることができる。
【0011】
(5)さらに、第5の案として、無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、前記中継機は、前記送信機から無線信号を受信する受信部と、受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて前記無線信号を前記受信機へ送信する送信部と、前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、AF法及びDF法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、無線通信システムを用いることができる。
【0012】
(6)また、第6の案として、無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、前記送信機は、前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえ、前記中継機は、前記送信機から前記メッセージを受信する受信部と、受信したメッセージに基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、無線通信システムを用いることができる。
【0013】
(7)さらに、第7の案として、無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、前記受信機は、前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえ、前記中継機は、前記受信機から前記メッセージを受信する受信部と、受信したメッセージに基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、無線通信システムを用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
中継方法を伝搬環境に応じて切り替えることで、良好な伝送状態を維持することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】AF法を用いて無線信号の中継を行なう中継機をそなえた無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】DF法を用いて無線信号の中継を行なう中継機をそなえた無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【図3】データ伝送に関する時間シーケンスの一例を示す図である。
【図4】一実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【図5】図4に示す中継機の構成の一例を示す図である。
【図6】中継方式選択部の構成の一例を示す図である。
【図7】図4に示す基地局の構成の一例を示す図である。
【図8】図4に示す移動局の構成の一例を示す図である。
【図9】第1変形例に係る基地局の構成の一例を示す図である。
【図10】第1変形例に係る中継機の構成の一例を示す図である。
【図11】第1変形例に係る中継方式選択部の構成の一例を示す図である。
【図12】第1変形例に係る移動局の構成の一例を示す図である。
【図13】第3変形例に係る中継機の構成の一例を示す図である。
【図14】第3変形例に係る中継方式選択部の構成の一例を示す図である。
【図15】データの種類と所定の定数との関係が設定されたテーブルの一例を示す図である。
【図16】第5変形例に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【図17】第5変形例に係る中継機の構成の一例を示す図である。
【図18】第5変形例に係る基地局の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも例示に過ぎず、以下に示す各実施形態及び変形例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、各実施形態及び変形例を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔1〕一実施形態の説明
(1.1)Amplify and Forward(AF)法及びDecode and Forward(DF)法について
図1は、無線信号を増幅する第1の方法の一例であるAF法を用いて無線信号の中継を行なう無線通信システムの構成の一例を示す図である。
【0017】
この図1に示す例では、基地局から送信された信号1(図1中の白抜き矢印参照)及び信号2(図1中の網掛け矢印参照)が、中継機を介して移動局へと送信される。なお、図1中に円筒形状で示すチャネル1及びチャネル2には、例えば、それぞれ周波数の異なるチャネルが用いられてもよい。また、各チャネルを表した円筒形状の太さは、各チャネルの伝送容量の大きさに比例している。
【0018】
ここで、基地局と中継機との間の無線伝送路に着目すると、図1に示す例では、チャネル1は10Mbpsの速度で信号の伝送が可能である一方、チャネル2は2Mbpsの速度でしか信号を伝送できない。また、中継機と移動局との間の無線伝送路に着目すると、図1に示す例では、チャネル2は10Mbpsの速度で信号の伝送が可能である一方、チャネル1は2Mbpsの速度でしか信号を伝送できない。
【0019】
中継機がAF法を用いて中継を行なう場合、中継機で受信された無線信号はそのまま増幅されて移動局へ送信される。
このため、図1に示す例では、基地局からチャネル1を通じて送信された信号1は、中継機においてAF法による中継処理が施された後もチャネル1を通じて移動局へ送信される。同様に、基地局からチャネル2を通じて送信された信号2は、中継機においてAF法による中継処理が施された後もチャネル2を通じて移動局へ送信される。
【0020】
従って、図1に示す例の場合、信号1については、チャネル1における伝送特性の悪い区間、即ち、中継機と移動局との間の無線伝送路がボトルネックとなり、最大2Mbpsの速度でしか伝送を行なうことができない。また、信号2については、チャネル2における伝送特性の悪い区間、即ち、基地局と中継機との間の無線伝送路がボトルネックとなり、やはり、最大2Mbpsの速度でしか伝送を行なうことができない。
【0021】
一方、図2は、無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法の一例であるDF法を用いて無線信号の中継を行なう無線通信システムの構成の一例を示す図である。この図2においても、図1と同様に、図2中の白抜き矢印が信号1を表すとともに、図2中の網掛け矢印が信号2を表している。また、各チャネルを表した円筒形状の太さは、各チャネルの伝送容量の大きさに比例している。
【0022】
この図2に示すように、中継機がDF法を用いて中継を行なう場合、基地局だけでなく、中継機においても復調・復号処理が施されるため、無線信号の伝送に用いるチャネルの選択を、基地局と中継機との間及び中継機と移動局との間で行なうことができる。
このため、基地局及び中継機において適切なチャネル選択を行なえば、例えば、信号1については、基地局と中継機との間ではチャネル1を通じて伝送し、中継機と移動局との間ではチャネル2を通じて伝送することで、10Mbpsの速度で信号を伝送することができる。また、信号2については、基地局と中継機との間ではチャネル2を通じて伝送し、中継機と移動局との間ではチャネル1を通じて伝送することで、2Mbpsの速度で信号を伝送することができる。その結果、信号1についての伝送速度を向上することが可能になる。
【0023】
しかしながら、中継機がDF法を用いて中継を行なう場合、AF法よりも複雑な信号処理が施すため、中継機において、AF法の中継遅延よりも大きな中継遅延が生じる。
図3は、データ伝送に関する時間シーケンスの一例を示す図である。図3中の実線矢印は、伝送されるデータ(信号)の伝送方向を示しており、図3中の点線矢印は、各種の信号処理に起因する遅延を示している。
【0024】
この図3に例示するように、中継機がDF法を用いて中継を行なった場合、中継機において信号中継処理などに起因する遅延(中継遅延)が生じる。
DF法を用いた場合、基地局がデータを送信してから、移動局が当該データについての応答信号であるAck/Nack信号を返送するまでに生じる遅延量は、AF法での遅延量の倍になる(図3中の一点鎖線矢印参照)。遅延量が倍になるということは、単位時間内に送信できるデータ量が半減することを意味し、即ち、伝送速度が半減することを意味する。
【0025】
以上のように、AF法を用いて中継を行なう場合、無線信号を中継する際に生じる遅延量は少ないが、中継機でチャネル選択を行なうことはできないので、伝送速度を向上させることができない場合がある。
一方、DF法を用いて中継を行なう場合、中継機で適切なチャネル選択を行なうことで伝送速度を向上させることが可能になるが、無線信号を中継する際に生じる遅延量(中継遅延量)が大きくなる。
【0026】
そこで、以下に説明する実施形態及び各変形例では、例えば、AF法とDF法とを伝搬環境に応じて柔軟に切り替えることで、伝送速度の向上を図る。
(1.2)無線通信システム
図4は、一実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
図4に示す無線通信システム100は、例示的に、基地局200と、移動局300−1,300−2と、中継機400とをそなえる。
【0027】
なお、以下では、移動局300−1,300−2を区別しない場合、単に移動局300と表記する。また、基地局200,移動局300及び中継機400の数は、図4に例示する数にそれぞれ限定されない。例えば、基地局200から送信された無線信号を、他の中継機が他の移動局に中継してもよい。また、基地局200と中継機400の間、もしくは、中継機400と移動局300の間に他の中継機が配置され、多段中継を行なうようにしてもよい。
【0028】
さらに、以下では、基地局200が送信機の一例として機能するとともに、移動局300が受信機の一例として機能し、基地局200から移動局300への下り方向(ダウンリンク)を例にして本実施形態を説明する。ただし、本発明は、この態様に限定されるものではなく、例えば、移動局300が送信機の一例として機能するとともに、基地局200が受信機の一例として機能し、移動局300から基地局200への上り方向(アップリンク)に適用してもよい。また、例えば、アドホック通信が可能な場合は、基地局200や移動局300が中継機の一例として機能し得ることもいうまでもない。
【0029】
ここで、図4に示す基地局200は、基地局200のカバーエリア500内に位置する移動局300−1と直接的に無線通信を行なうことができる。
一方、基地局200は、基地局200のカバーエリア500外に位置する移動局300−2とは直接的に無線通信を行なうことができないので、中継機400を介して、移動局300−2と無線通信を行なう。
【0030】
中継機400は、基地局200のカバーエリア500内に存在し、基地局200からの無線信号を移動局300−2へ中継することができる。中継機400は、基地局200から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号に所定の中継処理を施し、中継機400のカバーエリア600内に位置する移動局300−2へ再送信する。
なお、中継機400は、所定の位置に固定的に配置されてもよいし、移動可能であってもよい。中継機400が移動可能である場合、中継機400のカバーエリア600も中継機400の移動に伴って移動することになる。
【0031】
(1.3)中継機400
図5は、中継機400の構成の一例を示す図である。
この図5に示す中継機400は、例示的に、受信アンテナ401と、切り替えスイッチ403,404と、増幅部405と、送信アンテナ406と、デジタル回路430とをそなえる。
【0032】
デジタル回路430は、無線信号の中継に係る各種の信号処理を行なうものである。前記の各種の中継処理には、例えば、中継方式の選択に係る処理や、DF法を用いた中継に係る処理が含まれる。
このため、デジタル回路430は、例示的に、中継方式選択部402及びDF処理部407をそなえる。
【0033】
デジタル回路430は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array),ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはDSP(Digital Signal Processor)で実現することができる。また、中継方式選択部402及びDF処理部407は、それぞれ個別のDSPやFPGAなどで実現してもよい。
受信アンテナ401は、無線信号を受信する。受信アンテナ401で受信される無線信号には、例えば、基地局200又は移動局300から送信された無線信号が含まれる。即ち、上記受信アンテナ401は、送信機の一例である基地局200から無線信号を受信する受信部の一例として機能する。
【0034】
中継方式選択部402は、受信アンテナ401で受信された無線信号からチャネル係数などの伝搬路情報の推定及び抽出に用いられる信号を取り出し、取り出した当該情報を用いてチャネル係数などの伝搬路情報の推定及び抽出を行ない、当該伝搬路情報に基づいてAF法及びDF法のいずれか一方の中継方式を選択する。なお、上記伝搬路情報の推定及び抽出に用いられる信号には、例えば、基地局200から送信されたパイロット信号などの既知の信号や、移動局300から送信された伝搬路情報を含む信号が含まれる。
【0035】
そして、中継方式選択部402は、選択した中継方式についての情報を、後述する切り替えスイッチ403,404へ出力する。
また、中継方式選択部402は、上記の各伝搬路情報や選択した中継方式についての情報を、増幅部405及び送信アンテナ406を介して、基地局200へ通知することもできる。このようにすれば、基地局200は、中継機400から通知された上記の各情報に基づき、無線信号の伝送に使用するチャネルの選択を行なうことができるので、最適なチャネル選択が可能となり、伝送速度の向上を図ることができる。なお、中継方式選択部402の詳細については、図6を用いて後述する。
【0036】
切り替えスイッチ403,404は、中継方式選択部402が選択した中継方式についての情報に基づき、中継機400内の信号経路を切り替えることによって、中継方式の切り替えを行なう。
例えば、切り替えスイッチ403,404は、AF法を用いて中継を行なう旨の情報を与えられた場合は、端子a−a’側の回路を有効にする一方、DF法を用いて中継を行なう旨の情報を与えられた場合は、端子b−b’側の回路を有効にする。
【0037】
即ち、上記中継方式選択部402及び切り替えスイッチ403,404は、送信機の一例である基地局200と中継機400との間の伝搬環境に関する評価値と、中継機400と受信機の一例である移動局300との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、第1の方法及び第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部の一例として機能する。
【0038】
次に、DF処理部407について説明する。
DF処理部407は、受信アンテナ401で受信された無線信号に対し、DF法に係る各種の処理を施す。前記各種の処理には、復調・復号処理や、チャネルの再選択や、再符号化・変調処理が含まれる。
このため、DF処理部407は、例示的に、復調・復号部408と、チャネル選択部409と、符号化・変調部410とをそなえる。
【0039】
復調・復号部408は、受信アンテナ401で受信された無線信号に対し、復調・復号処理を施す。復調・復号処理が施された信号は、チャネル選択部409へと出力される。
チャネル選択部409は、中継機400から移動局300へ向かう区間における伝搬路情報に基づき、無線信号を再送信するチャネルの選択を行なう。なお、上記中継機400から移動局300へ向かう区間における伝搬路情報は、移動局300からの無線信号から、チャネル選択部409が直接取得してもよいし、中継方式選択部402における抽出結果を用いてもよい。
【0040】
符号化・変調部410は、チャネル選択部409から出力された信号に再度符号化・変調処理を施し、切り替えスイッチ404を介して、増幅部405へと出力する。
増幅部405は、切り替えスイッチ404からの信号を増幅して、送信アンテナ406へ出力する。
送信アンテナ406は、増幅部405で増幅された信号を送信する。送信アンテナ406から送信された無線信号は、例えば、移動局300へ送信される。
【0041】
即ち、上記送信アンテナ406は、受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて無線信号を受信機の一例である移動局300へ送信する送信部の一例として機能する。
なお、受信アンテナ401及び送信アンテナ406に代えて、アンテナ共用器などにより共用化された単一のアンテナを用いることもできる。
【0042】
ここで、図6に、中継方式選択部402の構成の一例を示す。
この図6に示す中継方式選択部402は、例示的に、伝搬路推定部411と、復調・復号部412と、伝搬路情報抽出部413と、評価指標算出部414と、中継方式切り替え決定部415と、符号化・変調部416とをそなえる。
中継方式選択部402に入力された信号は、伝搬路推定部411、または、復調・復号部412及び伝搬路情報抽出部413へ入力される。
【0043】
伝搬路推定部411は、基地局200から送信されたパイロット信号などの既知の信号を用いて伝搬路情報の推定を行なう。
ここで、伝搬路情報の推定方法について説明する。
送信された既知信号をx、受信された信号をy、チャネル係数をα、受信雑音をnとすると、次の(1)式に示す関係が成り立つ。
【0044】
【数1】

【0045】
上記の(1)式において、yをxで除することにより、チャネル係数αを推定する。また、複数のシンボルを用いて推定結果を平均化することで、雑音の影響を低減することができる。
上記の推定方法を用いることにより、伝搬路推定部411は、基地局200から中継機400への伝搬路情報を推定する。なお、伝搬路推定部411で推定された伝搬路情報は、チャネル選択部409へ出力し、無線信号の伝送に使用するチャネルの選択に用いることができる。また、当該伝搬路情報を、基地局200へ送信し、無線信号の伝送に使用するチャネルの選択に用いてもよい。
【0046】
一方、中継機400から移動局300への方向についての伝搬路情報は、移動局300において推定され、それらの伝搬路情報は、無線信号として中継機400へフィードバックされる。
そこで、復調・復号部412は、上記の移動局300から中継機400へフィードバックされた無線信号に対し、復調・復号処理を施し、伝搬路情報抽出部413は、復調・復号部412で出力された信号から、伝搬路情報を抽出する。
【0047】
評価指標算出部414は、伝搬路推定部411、並びに、復調・復号部412及び伝搬路情報抽出部413で得られた伝搬路情報に基づき、以下の(2)式及び(3)式を用いて、中継方式の切り替えに用いる評価値CAF,CDFを算出する。なお、上述したように、ここではダウンリンクの場合を例に挙げる。また、説明を簡単にするため、基地局200と中継機400との間、及び、中継機400と移動局300との間におけるチャネル数はそれぞれ2とする。
【0048】
【数2】

【0049】
ただし、α,αは、それぞれ基地局200から中継機400へ向かう区間における第1及び第2チャネル係数、β,βは、それぞれ中継機400から移動局300へ向かう区間における第1及び第2チャネル係数である。また、C()は評価関数であり、Min()は、複数ある引数の中から最小値を有するものを選択する関数である。
なお、前記評価関数として、例えば、次の(4)式で与えられるチャネル容量を用いることができる。
【0050】
【数3】

【0051】
ただし、Sは送信信号電力、Nは受信雑音電力である。
また、前記評価関数として、次の(5)式で与えられる相互情報量を用いることもできる。
【0052】
【数4】

【0053】
ただし、p(x,y)はx,yの確率分布、p(y|x)はyのxの条件付き確率分布、p(y)はyの確率分布である。
中継方式切り替え決定部415は、評価指標算出部414で算出された評価値CAF,CDF及び所定の定数A(ただし、0≦A<1)に基づき、中継方式切り替えの判断を行なう。例えば、CAF>ACDFの場合、AF法を選択し、その他の場合はDF法を選択してもよい。
【0054】
ここで、定数Aの値はDF法を用いた場合に生じる遅延量などに基づいて決定することができる。例えば、DF法を用いた場合の遅延量が、AF法を用いた場合の遅延量のk(kは1より大きい実数)倍であるならば、定数Aの値を1/kとしてもよい。また、AF法の方がDF法よりも簡易な回路構成で実現でき、消費電力を小さくできるなどの優位性に鑑み、定数Aの値を更に小さくすることもできる。
【0055】
符号化・変調部416は、伝搬路推定部411で推定された伝搬路情報,伝搬路情報抽出部413によって抽出された伝搬路情報及び選択した中継方式についての情報に符号化・変調処理を施す。符号化・変調処理が施された無線信号は、増幅部405及び送信アンテナ406を介して基地局200へ送信される。
以上の構成によれば、中継機400は、基地局200と中継機400との間の伝搬路情報及び中継器400と移動局300との間の伝搬路情報に基づき、無線信号の中継方式を決定することができる。これにより、中継機400は、中継機400内の信号経路を切り替えて、AF法からDF法へ中継方式を切り替えたり、DF法からAF法へ中継方式を切り替えたりすることで、中継方式を適応的に切り替えることができ、良好な伝送状態を維持することができるようになる。
【0056】
(1.4)基地局200
図7は、基地局200の構成の一例を示す図である。
この図7に示す基地局200は、例示的に、受信アンテナ201と、復調・復号部202と、抽出部203と、チャネル選択部204と、符号化・変調部205と、送信アンテナ206とをそなえる。
【0057】
受信アンテナ201は、無線信号を受信する。受信アンテナ201で受信される無線信号には、例えば、中継機400から送信された無線信号が含まれる。また、中継機400から送信された無線信号は、基地局200から中継機400へ向かう区間及び中継機400から移動局300へ向かう区間における各伝搬路情報、並びに、中継方式切り替え決定部415が選択した中継方式についての情報を含んでいてもよい。
【0058】
復調・復号部202は、受信アンテナ201で受信された無線信号に復調・復号処理を施す。
抽出部203は、復調・復号部202から出力された信号から、上記基地局200から中継機400へ向かう区間及び中継機400から移動局300へ向かう区間における各伝搬路情報、並びに、上記中継方式についての情報を抽出する。
【0059】
そして、抽出部203は、中継機400がAF法を用いて中継を行なう場合、基地局200から移動局300までの全伝搬路情報を抽出する。一方、中継機400がDF法を用いて中継を行なう場合、基地局200から中継機400までの伝搬路情報を抽出すればよい。
チャネル選択部204は、抽出部203で得られた各情報に基づき、無線信号の伝送に用いるチャネルの選択を行なう。
【0060】
即ち、チャネル選択部204は、中継機400がAF法を用いて中継を行なう場合、基地局200から移動局300までの全伝搬路情報を考慮に入れチャネルの選択を行なう。一方、中継機400がDF法を用いて中継を行なう場合、基地局200から中継機400までの伝搬路情報を考慮に入れチャネルの選択を行なう。
符号化・変調部205は、チャネル選択部204で選択されたチャネルを用いて無線信号を伝送すべく、送信データに符号化・変調処理を施す。
【0061】
送信アンテナ206は、符号化・変調部205において符号化・変調処理が施された無線信号を送信する。送信アンテナ206で送信された信号は、例えば、中継機400または移動局300で受信される。なお、受信アンテナ201及び送信アンテナ206に代えて、アンテナ共用器などにより共用化された単一のアンテナを用いることもできる。
以上の構成によれば、基地局200は、基地局200から中継機400へ向かう区間及び中継機400から移動局300へ向かう区間における各伝搬路情報、並びに、中継機400で選択された中継方式についての情報に基づき、無線信号の送信に用いるチャネルの選択を適切に行なうことができる。これにより、基地局200は、中継機400で選択された中継方法に応じて、無線信号の伝送に最適となるチャネルを選択することができる。
【0062】
(1.5)移動局300
図8は、移動局300の構成の一例を示す図である。
この図8に示す移動局300は、例示的に、受信アンテナ301と、復調・復号部302と、伝搬路推定部303と、符号化・変調部304と、送信アンテナ305とをそなえる。
【0063】
受信アンテナ301は、無線信号を受信する。前記無線信号は、基地局200または中継機400から送信されたものである。
復調・復号部302は、受信アンテナ301で受信された無線信号に復調・復号処理を施し、送信信号を取り出す。
伝搬路推定部303は、中継機400から送信されたパイロット信号などの既知の信号を用いて中継機400から移動局300へ向かう区間における伝搬路情報の推定を行なうものであり、上述した伝搬路推定部411と同様の機能を有している。
【0064】
符号化・変調部304は、伝搬路推定部303で得られた伝搬路情報を中継機400へ送信すべく、伝搬路情報を含むデータ信号に符号化・変調処理を施す。
送信アンテナ306は、符号化・変調部304において符号化・変調処理が施された無線信号を送信する。送信アンテナ305で送信された信号は、例えば、中継機400または基地局200で受信される。なお、受信アンテナ301及び送信アンテナ305に代えて、アンテナ共用器などにより共用化された単一のアンテナを用いることもできる。
【0065】
以上の構成によれば、移動局300は、中継機400から送信された無線信号を受信することができる。また、移動局300は、中継機400から送信されたパイロット信号などの既知の信号を用いて中継機400から移動局300へ向かう区間における伝搬路情報を伝搬路推定部303で推定し、符号化・変調部304及び送信アンテナ305を介して、中継機400へ当該伝搬路情報をフィードバックすることができる。
【0066】
以上のように、本例では、中継機400が、伝搬路情報に基づいてAF法とDF法とを適応的に切り替えるので、良好な伝送状態を維持することができるようになる。
〔2〕第1変形例
上述した実施形態では、中継方式の切り替えに関する決定を中継機400が行なう例について説明したが、例えば、基地局200が中継方式の切り替えに関する決定を行なってもよい。
【0067】
図9は、第1変形例に係る基地局200aの構成の一例を示す図である。
図9に示す基地局200aは、例示的に、受信アンテナ201と、復調・復号部202と、抽出部203aと、チャネル選択部204と、符号化・変調部205と、送信アンテナ206と、中継方式選択部207とをそなえる。なお、図9中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
【0068】
抽出部203aは、復調・復号部202で出力された信号から、基地局200aから中継機400aに向かう区間における伝搬路情報及び中継機400aから移動局300に向かう区間における伝搬路情報を抽出する。
中継方式選択部207は、抽出部203aから出力された、基地局200aから後述する中継機400aへ向かう区間及び中継機400aから移動局300へ向かう区間における各伝搬路情報に基づいて、AF法及びDF法のいずれか一方の中継方式を選択する。
【0069】
また、中継方式選択部207は、選択した中継方式についての情報及び上記の各伝搬路情報を、チャネル選択部204に出力する。
さらに、上記選択した中継方式についての情報は符号化・変調部205及び送信アンテナ206を介して、中継機400aへ送信される。
このため、中継方式選択部207は、評価指標算出部208と、中継方式切り替え決定部209とをそなえる。
【0070】
評価指標算出部208は、抽出部203aから出力された基地局200から中継機400へ向かう区間及び中継機400から移動局300へ向かう区間における各伝搬路情報に基づき、上述した(2)式及び(3)式を用いて中継方式の切り替えに用いる指標値CAF,CDFを算出する。算出した指標値CAF,CDFは、中継方式切り替え決定部209へ出力される。
【0071】
中継方式切り替え決定部209は、評価指標算出部208で算出された評価値CAF,CDF及び所定の定数A(ただし、0≦A<1)に基づき、中継方式切り替えの判断を行なう。例えば、CAF>ACDFの場合、AF法を選択し、その他の場合はDF法を選択する。
即ち、上記中継方式切り替え決定部209は、送信機の一例である基地局200aと中継機400aとの間の伝搬環境に関する評価値と、中継機400aと受信機の一例である移動局300との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方へ切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部の一例として機能する。
【0072】
中継方式切り替え決定部209で選択された中継方式についての情報は、チャネル選択部204へ出力され、また、符号化・変調部205及び送信アンテナ206を介して中継機400aへ通知される。なお、中継機400aでは、当該情報に基づいて中継方式の切り替えがなされる。
即ち、上記送信アンテナ206は、上記切り替えに関する決定を通知するメッセージを中継機400aに送信する送信部の一例として機能する。
【0073】
以上の構成によれば、基地局200aは、基地局200aと中継機400aとの間及び中継機400aと移動局300との間の各伝搬路情報に基づき、中継機400aでの中継方式の切り替えに関する決定を行なうことができる。なお、当該切り替えに関する情報は、送信アンテナ206を介して中継機400aに通知される。
図10は、第1変形例に係る中継機400aの構成の一例を示す図である。
【0074】
図10に示す中継機400aは、例示的に、受信アンテナ401と、切り替えスイッチ403,404と、増幅部405と、送信アンテナ406と、デジタル回路430とをそなえる。
また、デジタル回路430は、例示的に、中継方式選択部402aとDF処理部407とをそなえる。さらに、DF処理部407は、例示的に、復調・復号部408と、チャネル選択部409と、符号化・変調部410とをそなえる。
【0075】
デジタル回路430は、例えば、FPGA,ASICまたはDSPで実現することができる。また、中継方式選択部402a及びDF処理部407は、それぞれ個別のDSPやFPGAなどで実現してもよい。
なお、図10中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
【0076】
図10に示す中継方式選択部402aは、上記の基地局200aから送信された無線信号から、基地局200aの中継方式切り替え決定部209が選択した中継方式についての情報を抽出し、当該情報を切り替えスイッチ403,404に出力する。
図11は、中継方式選択部402aの構成の一例を示す図である。図11に示す中継方式選択部402aは、例示的に、伝搬路推定部411と、復調・復号部412と、符号化・変調部416と、抽出部417とをそなえる。
【0077】
伝搬路推定部411は、基地局200aから送信されたパイロット信号などの既知の信号を用いて基地局200aから中継機400aへ向かう区間における伝搬路情報の推定を行なう。
符号化・変調部416は、伝搬路推定部411で推定された伝搬路情報に符号化・変調処理を施す。符号化・変調処理が施された無線信号は、増幅部405及び送信アンテナ406を介して基地局200aへ送信される。
【0078】
復調・復号部412は、上記の基地局200aから送信された無線信号に復調・復号処理を施し、抽出部417は、復調・復号部412で出力された信号から選択された中継方式についての情報を抽出する。また、抽出された上記情報は、切り替えスイッチ403,404へ出力される。
また、復調・復号部412及び抽出部417は、移動局300から送信された、中継機400aから移動局300へ向かう区間における伝搬路情報の抽出を行ない、符号化・変調部416へ出力する。この場合、中継機400aから移動局300へ向かう区間における伝搬路情報は、増幅部405及び送信アンテナ406を介して基地局200aへ送信される。
【0079】
基地局200aは、上記の伝搬路推定部411で推定された基地局200aから中継機400aへ向かう区間における伝搬路情報、及び、抽出部417で抽出された中継機400aから移動局300へ向かう区間における伝搬路情報に基づき、中継方式の選択を行なう。また、基地局200aから中継機400aへ向かう区間における伝搬路情報に基づき、無線信号の伝送に使用するチャネルの選択を行なうことができるので、最適なチャネル選択が可能となり、伝送速度の向上を図ることができる。
【0080】
以上の構成によれば、中継機400aは、基地局200aが選択した中継方式についての情報に基づいて、中継機400内の信号経路を切り替えることにより、基地局200aで選択された中継方式に合わせて中継方式を切り替えることができる。
以上のように、中継方式の切り替えに関する決定を、基地局200aが行なっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この場合、より単純な構成で中継機400aを構成することができる。
【0081】
〔3〕第2変形例
また、中継機400に代わって、移動局300が、中継方式の切り替えに関する決定を行なってもよい。なお、この場合、中継機400は、上記第1変形例における中継機400aと同様に構成される。
図12は、第2変形例に係る移動局300aの構成の一例を示す図である。
【0082】
図12に示す移動局300aは、例示的に、受信アンテナ301と、復調・復号部302と、伝搬路推定部303と、符号化・変調部304と、送信アンテナ305と、復調・復号部306と、伝搬路情報抽出部307と、中継方式選択部308とをそなえる。なお、図12中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
【0083】
復調・復号部306は、中継機400aの伝搬路推定部411によって推定され、中継機400aの増幅部405及び送信アンテナ406を介して送信された、基地局200から中継機400aへ向かう区間における伝搬路情報を含む無線信号に復調・復号処理を施す。
伝搬路情報抽出部307は、復調・復号部306の出力から、基地局200から中継機400aへ向かう区間における伝搬路情報を抽出する。
【0084】
中継方式選択部308は、伝搬路推定部303によって推定された中継機400aから移動局300aへ向かう区間における伝搬路情報及び伝搬路情報抽出部307によって抽出された基地局200から中継機400aへ向かう区間における伝搬路情報に基づき、中継機400aにおける中継方式を選択する。
このため、中継方式選択部308は、例示的に、評価指標算出部309と、中継方式切り替え決定部310とをそなえる。
【0085】
評価指標算出部309は、伝搬路推定部303及び伝搬路情報抽出部307から出力された各伝搬路情報に基づき、上述した(2)式及び(3)式を用いて中継方式の切り替えに用いる指標値CAF,CDFを算出する。算出した指標値CAF,CDFは、中継方式切り替え決定部310へ出力される。
中継方式切り替え決定部310は、評価指標算出部309で算出された評価値CAF,CDF及び所定の定数A(ただし、0≦A<1)に基づき、中継方式切り替えの判断を行なう。例えば、CAF>ACDFの場合、AF法を選択し、その他の場合はDF法を選択する。
【0086】
即ち、上記中継方式切り替え決定部310は、送信機の一例である基地局200と中継機400aとの間の伝搬環境に関する評価値と、中継機400aと受信機の一例である移動局300aとの間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える決定を行なう切り替え決定部の一例として機能する。
【0087】
中継方式切り替え決定部309で選択された中継方式についての情報は、送信アンテナ305を介して中継機400aへ送信される。中継機400aでは、当該情報に基づいて中継方式の切り替えがなされる。
即ち、上記送信アンテナ305は、上記切り替えに関する決定を通知するメッセージを中継機400aに送信する送信部の一例として機能する。
【0088】
以上の構成によれば、移動局300aは、基地局200aと中継機400aとの間及び中継機400aと移動局300aとの間の伝搬路情報に基づき、中継機400aでの中継方式の切り替えに関する決定を行なうことができる。なお、当該切り替えに関する情報は、送信アンテナ305を介して中継機400aに通知される。また、これを受けた中継機400aが、移動局300aで選択された中継方式に合わせて中継方式を切り替える。
【0089】
以上のように、中継方式の切り替えに関する決定を、移動局300aが行なっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この場合、より単純な構成で中継機400aを構成することができる。
〔4〕第3変形例
既述のように、DF法を用いた中継を行なった場合、中継遅延が大きくなる。
【0090】
一般的に、この中継遅延の許容範囲は、送信されるデータの種類によって異なる。例えば、音声通信においては、低遅延が要求される。また、ストリーミングにおいては、音声通信ほどではないが低遅延が要求される。一方、データダウンロードにおいては、音声通信やストリーミングで要求される条件ほどの低遅延は要求されない。
そこで、本例のように、送信されるデータの種類に応じて、中継方法の選択に用いる既述の定数Aの値を変更してもよい。
【0091】
図13は、第3変形例に係る中継機400bの構成の一例を示す図である。
図13に示す中継機400bは、例示的に、受信アンテナ401と、切り替えスイッチ403,404と、増幅部405と、送信アンテナ406と、デジタル回路430とをそなえる。
また、デジタル回路430は、例示的に、中継方式選択部402bとDF処理部407とをそなえる。さらに、DF処理部407は、例示的に、復調・復号部408と、チャネル選択部409と、符号化・変調部410とをそなえる。
【0092】
デジタル回路430は、例えば、FPGA,ASICまたはDSPで実現することができる。また、中継方式選択部402b及びDF処理部407は、それぞれ個別のDSPやFPGAなどで実現してもよい。
なお、図13中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
【0093】
図13に示す中継方式選択部402bは、基地局200によって送信された無線信号に含まれるデータの種類を検出し、当該検出結果に基づいて、前記無線信号について、AF法及びDF法のいずれか一方の中継方式を選択する。
図14は、中継方式選択部402bの構成の一例を示す図である。
図14に示す中継方式選択部402bは、例示的に、伝搬路推定部411と、復調・復号部412と、伝搬路情報抽出部413と、評価指標算出部414と、中継方式切り替え決定部415bと、符号化・変調部416と、データ種類検出部418とをそなえる。なお、図14中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
【0094】
データ種類検出部418は、受信した無線信号に含まれるデータの種類を検出する。具体的には、例えば、基地局200と中継機400bとの間に設定される各チャネルを介して、どのような種類のデータを含む無線信号がそれぞれ伝送されるのかを表わす設定情報に基づき、データ種類検出部418は、受信した無線信号に含まれるデータの種類を検出することができる。
【0095】
また、データ種類検出部418は、受信した無線信号について、復調・復号処理を施し、データを抽出して、当該データの種類を検出してもよい。例えば、抽出データが、ヘッダとペイロードとを有するパケットである場合、データ種類検出部418は、ヘッダに含まれるQuality of Service(QoS)情報に基づいて、データの種類を検出することができる。
【0096】
データ種類検出部418で検出されたデータ種類に関する情報は、中継方式切り替え決定部415bへ出力される。
中継方式切り替え決定部415bは、入力されたデータの種類に関する情報に応じて、定数Aの値を変更する。例えば、中継方式切り替え決定部415bは、図15に示す、データの種類と上記定数Aとの関係が設定されたテーブルを予め用意し、当該テーブルを参照することで定数Aの値を変更することができる。
【0097】
ここで、図15に示すように、遅延に対する要求が厳しいデータほど、定数Aの値を小さくすることで、DF法よりもAF法が選択されやすくし、中継遅延量を低減させる。その結果、要求される遅延量を満足することができる。
また、中継方式切り替え決定部415bは、評価指標算出部414で算出された評価値CAF,CDF及び上記の定数Aに基づき、中継方式切り替えの判断を行なう。例えば、CAF>ACDFの場合、AF法を選択し、その他の場合はDF法を選択してもよい。
【0098】
以上のように、本例によれば、送信されるデータの種類に応じて、中継方法の選択に用いる既述の定数Aの値を変更することができるので、送信されるデータの種類毎に最適な中継方法を選択することが可能となる。また、この結果、要求される遅延量を満足することができる。
なお、本例は、上述した実施形態及び各変形例のいずれの構成においても実施可能である。
【0099】
例えば、基地局200a又は移動局300aが中継方式の切り替えに関する決定を行なう場合、基地局200a又は移動局300aが、データの種類に応じて定数Aの値を変更してもよい。
〔5〕第4変形例
また、中継方式切り替え決定部415は、AF法からDF法への切り替えと、DF法からAF法への切り替えとの間でヒステリシスを持たせるように中継方式の切り替え制御を行なってもよい。即ち、DF法からAF法への切り替えについての閾値と、AF法からDF法への切り替えについての閾値を異なるものにすることができる。
【0100】
例えば、中継方式切り替え決定部415は、上記(2)式及び(3)式で与えられる評価値、並びに、新たな定数D(ただし、0≦D<1)及びE(ただし、0≦E<1)を用いて、以下に示す切り替え制御を行なう。ただし、D>Eとする。
中継方式切り替え決定部415は、CAF>DCDFの条件を満たす場合、DF法からAF法への切り替えを行なう。また、CAF<ECDFの条件を満たす場合、AF法からDF法への切り替えを行なう。さらに、それ以外の場合については、中継方式の変更を行なわない。
【0101】
即ち、CAFがDCDFより大きくなるとDF法からAF法への切り替えが行なわれるが、CAPがDCDF以下になったとしても、CAFがECDFより小さくならない限りはAF法からDF法への切り替えは行なわれない。
また、CAFがECDFより小さくなるとAF法からDF法への切り替えが行なわれるが、CAFがECDF以上になったとしても、CAFがDCDFより大きくならない限りはDF法からAF法への切り替えは行なわれない。
【0102】
なお、上記定数D及びEの値も、上記定数Aと同様、DF法を用いた場合に生じる遅延量などに基づいて決定することができる。また、AF法の方が簡易な回路構成で実現でき、消費電力を小さくできるなどの実情に鑑み、上記定数D及びEの値を更に小さくすることもできる。
以上のように、AF法からDF法への切り替えと、DF法からAF法への切り替えとの間でヒステリシスを持たせるように中継方式の切り替え制御を行なうことで、例えば、伝搬環境が瞬時的な変動を繰り返す場合において、中継方式の切り替えが頻繁に生じることのないようにすることができる。
【0103】
なお、本例は、上述した実施形態及び各変形例のいずれの構成においても実施可能である。
例えば、基地局200a又は移動局300aが中継方式の切り替えに関する決定を行なう場合、基地局200a又は移動局300aが、AF法からDF法への切り替えと、DF法からAF法への切り替えとの間でヒステリシスを持たせるように中継方式の切り替え制御を行なうことができる。
【0104】
また、データの種類に応じて個別に中継方式の切り替えを行なう際においても、AF法からDF法への切り替えと、DF法からAF法への切り替えとの間でヒステリシスを持たせてもよい。
〔6〕第5変形例
また、例えば、無線通信システムが複数の移動局を有する場合、各移動局の位置により伝搬環境が異なるため、ある移動局にとって最適な中継方式が、他の移動局にとっての最適な中継方式であるとは限らない。
【0105】
そこで、中継機400は、各移動局へ送信される信号毎に中継方式を切り替えてもよく、さらに、中継処理を並列的に行なってもよい。
なお、ここでは、説明を簡単にするため、信号数、並びに、基地局と中継機との間及び中継機と各移動局との間におけるチャネル数は全てN(Nは2以上の整数)とする。
図16は、第5変形例に係る無線通信システム100cの構成の一例を示す図である。
【0106】
図16に示す無線通信システム100cは、例示的に、基地局200cと、M(Mは2以上の整数、M≦N)個の移動局300c−1,・・・,300c−Mと、中継機400bとをそなえる。なお、以下では、移動局300c−1,・・・,300c−Mを区別しない場合、単に移動局300cと表記する。
また、図16に示す無線通信システム100cは、基地局200cと中継機400cとの間にN個のチャネル700−1,・・・,700−Nを有し、中継機400cと移動局300bの間にN個のチャネル701−1,・・・,701−Nを有する。
【0107】
なお、移動局の数Mと信号数Nが同一ではないのは、単一の移動局に複数のチャネルが割り当てられる可能性を示唆している。
図17は、第5変形例に係る中継機400cの構成の一例を示す図である。
図17に示す中継機400cは、例示的に、受信アンテナ401と、送信アンテナ406と、信号分離部419と、信号合成部420と、第1中継処理部421−1,・・・,第N中継処理部421−Nとをそなえる。また、第1中継処理部421−1,・・・,第N中継処理部421−Nは、例示的に、それぞれ、切り替えスイッチ403,404と、増幅部405と、デジタル回路430とをそなえる。さらに、デジタル回路430は、例示的に、中継方式選択部402とDF処理部407とをそなえる。また、DF処理部407は、例示的に、復調・復号部408と、チャネル選択部409と、符号化・変調部410とをそなえる。
【0108】
デジタル回路430は、例えば、FPGA,ASICまたはDSPで実現することができる。また、中継方式選択部402及びDF処理部407は、それぞれ個別のDSPやFPGAなどで実現してもよい。
なお、図17中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
【0109】
図17に示す信号分離部419は、基地局200cから送信され、チャネル700−1,・・・,700−Nを経由して受信アンテナ401で受信されたN個の無線信号を、信号毎に分離する。各無線信号で周波数が異なる場合、信号分離にフィルタ回路を用いることができる。なお、分離された各信号は、それぞれ移動局毎に割り当てられてもよいし、1つの移動局に対して複数の信号が割り当てられてもよい。
【0110】
信号分離部419で分離されたN個の信号は、それぞれ第1中継処理部421−1,・・・,第N中継処理部421−Nに入力され、独立に中継処理が施される。第1中継処理部421−1,・・・,第N中継処理部421−Nにおいて中継処理が施された各信号は、信号合成部420に出力される。
信号合成部420は、第1中継処理部421−1,・・・,第N中継処理部421−Nのそれぞれから出力された信号を合成し、送信アンテナ406へ出力する。
【0111】
送信アンテナ406は、上記信号を基地局200cまたは移動局300cへ送信する。
また、第1中継処理部421−1の中継方式選択部402は、基地局200cと中継機400bとの間のチャネル700−1に係る伝搬路情報、及び、中継機400cと移動局300bとの間のチャネル701−1に係る伝搬路情報を出力する。
同様に、第N中継処理部421−Nの中継方式選択部402は、基地局200cと中継機400cとの間のチャネル700−Nに係る伝搬路情報、及び、中継機400cと移動局300cとの間のチャネル701−Nに係る伝搬路情報を出力する。
【0112】
上記の各情報は、増幅部405,信号合成部420及び送信アンテナ406を経由して基地局200bに送信される。
以上の構成によれば、中継機400cは、受信した無線信号から移動局300c毎に信号を分離し、分離した各信号に対して独立に中継処理を施すことにより、送信される信号毎に中継方式を切り替え、さらに、中継処理を並列的に行なうことができる。これにより、移動局300b毎に最適な中継方式を選択することができ、各移動局300cに対する伝送速度を最適化することが可能となる。
【0113】
図18は、第5変形例に係る基地局200cの構成の一例を示す図である。
図18に示す基地局200cは、例示的に、受信アンテナ201と、送信アンテナ206と、信号分離部210と、信号合成部211と、第1送信処理部212−1,・・・,第N送信処理部212−Nとをそなえる。また、第1送信処理部212−1,・・・,第N送信処理部212−Nは、例示的に、それぞれ、復調・復号部202と、抽出部203と、チャネル選択部204と、符号化・変調部205とをそなえる。
【0114】
なお、図18中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
図18に示す信号分離部210は、中継機400cから送信された、基地局200cと中継機400cとの間の伝搬路情報及び中継機400cと移動局300cとの間の伝搬路情報、並びに、中継方式選択部402において選択された中継方式についての情報を含む無線信号を、信号毎に分離する。分離された各無線信号は、それぞれ第1送信処理部212−1,・・・,第N送信処理部212−Nにおいて用いられる。なお、第1中継処理部421−1で出力された無線信号は、第1送信処理部212−1において用いられ、同様に、第N中継処理部421−Nで出力された無線信号は、第N送信処理部212−Nにおいて用いられる。
【0115】
第1送信処理部212−1,・・・,第N送信処理部212−Nは、送信信号毎にチャネルの選択及び符号化・変調処理を施す。
信号合成部211は、第1送信処理部212−1,・・・,第N送信処理部212−Nのそれぞれにおいて信号処理が施された送信信号を合成し、送信アンテナ206へ出力する。
【0116】
以上の構成によれば、移動局300c毎に、送信信号の伝送に用いるチャネルの選択を行なうことにより、各無線信号の伝送に最適となるチャネルを選択することができる。
なお、本実施形態に係る移動局300cは、それぞれ上記一実施形態における移動局300と同様に構成される。
以上のように、送信される信号毎に中継方式を切り替えることにより、例えば、中継機が複数の移動局宛の無線信号を中継する場合においても、移動局毎に最適な中継方式を選択することができる。
【0117】
なお、本例においても、上述した各変形例のうち少なくとも1つを適宜適用することができる。
例えば、中継方式の切り替えに関する決定を、基地局200cが行なってもよいし、又は、各移動局300cがそれぞれ行なってもよい。
また、複数の移動局300cへ送信される各信号について、それぞれ、データの種類に応じて個別に中継方式の切り替えを行なってもよい。
【0118】
さらに、複数の移動局300cへ送信される各信号について、それぞれ、AF法からDF法への切り替えと、DF法からAF法への切り替えとの間でヒステリシスを持たせてもよい。
〔7〕第6変形例
上述した実施形態及び各変形例では、基地局から移動局へ向かう方向についての伝搬路情報に基づいて中継方式の切り替えを行なう例を説明したが、移動局から基地局へ向かう方向(フィードバックチャネル)についての伝搬路情報も考慮して中継方式の切り替えを行なうこともできる。
【0119】
この場合、中継機400及び移動局300だけでなく、基地局200も伝搬路情報の推定を行なう機能を有する。また、本例において、基地局200は、上述した機能に加え、中継機400から送信されたパイロット信号などの既知の信号を用いて、中継機400から移動局300へ向かう区間における伝搬路情報の推定を行ない、中継機400へ送信する機能を有する。さらに、中継機400は、上述した機能に加え、移動局300から送信されたパイロット信号などの既知の信号を用いて、移動局300から中継機400へ向かう区間における伝搬路情報を推定する機能を有する。
【0120】
具体的には、評価指標算出部414は、上述した(2)式及び(3)式の代わりに、以下に示す(6)式及び(7)を用いて、AF法及びDF法に係る評価値CAF’,CDF’を算出することができる。
【0121】
【数5】

【0122】
ただし、α11,α21は、それぞれ基地局200から中継機400へ向かう区間における第1及び第2チャネル係数、β11,β21は、それぞれ中継機400から移動局300へ向かう区間における第1及び第2チャネル係数である。
また、α12,α22は、それぞれ基地局200から中継機400へ向かう区間におけるチャネル係数である第1及び第2フィードバックチャネル係数、β12,β22は、それぞれ中継機400から移動局300へ向かう区間におけるチャネル係数である第1及び第2フィードバックチャネル係数である。
【0123】
Fは0以上の任意の定数であるが、Fを1より小さい定数として、各評価値におけるフィードバックチャネルの影響を小さくすることができる。
以上のように、フィードバックチャネルの伝搬路情報を考慮して中継方式の切り替えを行なうことで、例えば、Ack/Nackなどのフィードバックを考慮した上で最適な中継方式を選択することができる。
【0124】
また、評価指標算出部414は、基地局200から移動局300へ向かう方向についての伝搬路情報と、移動局300から基地局200へ向かう方向についての伝搬路情報とを適宜組み合わせて、評価指標を算出しても良い。
なお、本例は、上述した実施形態及び各変形例のいずれの構成においても実施可能である。
【0125】
例えば、基地局200a又は移動局300aが中継方式の切り替えに関する決定を行なう場合、基地局200a又は移動局300aが、フィードバックチャネルの伝搬路情報を考慮して中継方式の切り替えを行なってもよい。
また、データの種類に応じて個別に中継方式の切り替えを行なう際においても、フィードバックチャネルの伝搬路情報を考慮して中継方式の切り替えを行なってもよい。
【0126】
さらに、フィードバックチャネルの伝搬路情報を考慮した中継方式の切り替えを行なう際、AF法からDF法への切り替えと、DF法からAF法への切り替えとの間でヒステリシスを持たせてもよい。
〔8〕その他
なお、上述した基地局200,移動局300及び中継機400の各構成及び各機能は、必要に応じて取捨選択してもよいし、適宜組み合わせて用いてもよい。即ち、本発明の機能を発揮できるように、上記の各構成及び各機能を取捨選択したり、適宜組み合わせて用いたりしてもよい。
【0127】
また、上述した実施形態及び各変形例において、DF法を用いた場合、中継機で無線信号の各チャネルへの割り振りを決め、その情報を他の機器に通知することができる。基地局200と中継機400との間におけるチャネルiへのデータ割り振り、及び、中継機400と移動局300との間におけるチャネルiへのデータ割り振りは、例えば、次の(8)式及び(9)式に基づいて行なわれる。
【0128】
【数6】

【0129】
なお、無線信号の各チャネルへの割り振りの決定は、中継機400ばかりでなく基地局200または移動局300が行なうこともできる。
さらに、上述した実施形態及び各変形例において、中継機400を多段に構成することもできる。この場合において、評価値CAF,CDFは、例えば、それぞれ以下に示す(10)式及び(11)式を用いて算出される。
【0130】
【数7】

【0131】
ただし、rは中継区間数、nは第i区間におけるチャネル数を示す。また、αijは、中継機によって区切られた、基地局200から移動局300へ向かう第i区間における第jチャネル係数である。
以上の実施形態及び各変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
〔9〕付記
(付記1)
送信機と受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機において、
前記送信機から無線信号を受信する受信部と、
受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて無線信号を前記受信機へ送信する送信部と、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、中継機。
【0132】
(付記2)
前記所定の評価指標が、前記第1の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値と、前記第2の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値とを含む、
ことを特徴とする、付記1記載の中継機。
【0133】
(付記3)
前記所定の評価指標が、前記データの種類に関する評価値を含む、
ことを特徴とする、付記1または2に記載の中継機。
(付記4)
前記制御部が、前記第1の方法から前記第2の方法への切り替えと前記第2の方法から前記第1の方法への切り替えとの間にヒステリシスをもたせる、
ことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の中継機。
【0134】
(付記5)
前記送信部が、前記第1の方法又は前記第2の方法を用いて無線信号を複数の受信機へそれぞれ送信し、
前記制御部が、前記複数の受信機へそれぞれ送信される無線信号毎に前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう、
ことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の中継機。
【0135】
(付記6)
前記第1の方法がAF(Amplify and Forward)法である一方、前記第2の方法がDF(Decode and Forward)法である、
ことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の中継機。
(付記7)
送信機と受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機の中継方法において、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方の方法から他方の方法へ切り替え、
前記切り替え後の方法を用いて、前記送信機からの無線信号を前記受信機へ送信する、
ことを特徴とする、中継方法。
【0136】
(付記8)
前記所定の評価指標が、前記第1の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値と、前記第2の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値とを含む、
ことを特徴とする、付記7記載の中継方法。
【0137】
(付記9)
前記所定の評価指標が、前記データの種類に関する評価値を含む、
ことを特徴とする、付記7または8に記載の中継方法。
(付記10)
前記第1の方法から前記第2の方法への切り替えと前記第2の方法から前記第1の方法への切り替えとの間にヒステリシスがある、
ことを特徴とする、付記7〜9のいずれか1項に記載の中継方法。
【0138】
(付記11)
前記中継機は、
無線信号を複数の受信機へそれぞれ送信し、
前記複数の受信機へそれぞれ送信する無線信号毎に前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替え、
前記切り替え後の方法を用いて、前記送信機からの無線信号を前記複数の受信機へそれぞれ中継する、
ことを特徴とする、付記7〜10のいずれか1項に記載の中継方法。
【0139】
(付記12)
前記第1の方法がAF(Amplify and Forward)法である一方、前記第2の方法がDF(Decode and Forward)法である、
ことを特徴とする、付記7〜11のいずれか1項に記載の中継方法。
(付記13)
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムの前記送信機において、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、送信機。
【0140】
(付記14)
前記所定の評価指標が、前記第1の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値と、前記第2の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値とを含む、
ことを特徴とする、付記13記載の送信機。
【0141】
(付記15)
前記所定の評価指標が、前記データの種類に関する評価値を含む、
ことを特徴とする、付記13または14に記載の送信機。
(付記16)
前記切り替え決定部が、前記第1の方法から前記第2の方法への切り替えと前記第2の方法から前記第1の方法への切り替えとの間にヒステリシスをもたせる、
ことを特徴とする、付記13〜15のいずれか1項に記載の送信機。
【0142】
(付記17)
前記第1の方法がAF(Amplify and Forward)法である一方、前記第2の方法がDF(Decode and Forward)法である、
ことを特徴とする、付記13〜16のいずれか1項に記載の送信機。
(付記18)
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムの前記受信機において、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、受信機。
【0143】
(付記19)
前記所定の評価指標が、前記第1の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値と、前記第2の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値とを含む、
ことを特徴とする、付記18記載の受信機。
【0144】
(付記20)
前記所定の評価指標が、前記データの種類に関する評価値を含む、
ことを特徴とする、付記18または19に記載の受信機。
(付記21)
前記切り替え決定部が、前記第1の方法から前記第2の方法への切り替えと前記第2の方法から前記第1の方法への切り替えとの間にヒステリシスをもたせる、
ことを特徴とする、付記18〜20のいずれか1項に記載の受信機。
【0145】
(付記22)
前記第1の方法がAF(Amplify and Forward)法である一方、前記第2の方法がDF(Decode and Forward)法である、
ことを特徴とする、付記18〜21のいずれか1項に記載の受信機。
(付記23)
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、
前記中継機は、
前記送信機から無線信号を受信する受信部と、
受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて前記無線信号を前記受信機へ送信する送信部と、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
【0146】
(付記24)
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、
前記送信機は、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえ、
前記中継機は、
前記送信機から前記メッセージを受信する受信部と、
受信したメッセージに基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
【0147】
(付記25)
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、
前記受信機は、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえ、
前記中継機は、
前記受信機から前記メッセージを受信する受信部と、
受信したメッセージに基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
【0148】
(付記26)
前記第1の方法がAF(Amplify and Forward)法である一方、前記第2の方法がDF(Decode and Forward)法である、
ことを特徴とする、付記23〜25のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【符号の説明】
【0149】
100,100c 無線通信システム
200,200a,200c 基地局
201,301,401 受信アンテナ
202,302,306,408,412 復調・復号部
203,203a,417 抽出部
204,409 チャネル選択部
205,304,410,416 符号化・変調部
206,305,406 送信アンテナ
207,308,402,402a,402b 中継方式選択部
208,309,414 評価指標算出部
209,310,415,415b 中継方式切り替え決定部
210,419 信号分離部
211,420 信号合成部
212−1,・・・,212−N 第1送信処理部,・・・,第N送信処理部
300,300−1,300−2,300a,300c,300c−1,・・・,300c−M 移動局
303,411 伝搬路推定部
307,413 伝搬路情報抽出部
400,400a,400b,400c 中継機
403,404 切り替えスイッチ
405 増幅部
407 DF処理部
418 データ種類検出部
421−1,・・・,421−N 第1中継処理部,・・・,第N中継処理部
430 デジタル回路
500,600 カバーエリア
700−1,・・・,700−N,701−1,・・・,701−N チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機において、
前記送信機から無線信号を受信する受信部と、
受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて無線信号を前記受信機へ送信する送信部と、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、中継機。
【請求項2】
前記所定の評価指標が、前記第1の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値と、前記第2の方法を用いた場合の前記中継機における中継遅延時間に関する評価値とを含む、
ことを特徴とする、請求項1記載の中継機。
【請求項3】
前記所定の評価指標が、前記データの種類に関する評価値を含む、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の中継機。
【請求項4】
前記制御部が、前記第1の方法から前記第2の方法への切り替えと前記第2の方法から前記第1の方法への切り替えとの間にヒステリシスをもたせる、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中継機。
【請求項5】
送信機と受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機の中継方法において、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方の方法から他方の方法へ切り替え、
前記切り替え後の方法を用いて、前記送信機からの無線信号を前記受信機へ送信する、
ことを特徴とする、中継方法。
【請求項6】
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムの前記送信機において、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、送信機。
【請求項7】
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムの前記受信機において、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえる、
ことを特徴とする、受信機。
【請求項8】
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、
前記中継機は、
前記送信機から無線信号を受信する受信部と、
受信した無線信号を増幅する第1の方法、または、受信した無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法を用いて前記無線信号を前記受信機へ送信する送信部と、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
【請求項9】
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、
前記送信機は、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえ、
前記中継機は、
前記送信機から前記メッセージを受信する受信部と、
受信したメッセージに基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
【請求項10】
無線信号を送信する送信機と、無線信号を受信する受信機と、前記送信機と前記受信機との間で送受信される無線信号を中継する中継機とを有する無線通信システムにおいて、
前記受信機は、
前記送信機と前記中継機との間の伝搬環境に関する評価値と、前記中継機と前記受信機との間の伝搬環境に関する評価値とを含む所定の評価指標に基づいて、無線信号を増幅する第1の方法並びに無線信号からデータの復号及び再符号化を行なう第2の方法のうちの一方から他方への切り替えに関する決定を行なう切り替え決定部と、
前記決定を通知するメッセージを前記中継機に送信する送信部とをそなえ、
前記中継機は、
前記受信機から前記メッセージを受信する受信部と、
受信したメッセージに基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法のうちの一方から他方へ切り替える制御を行なう制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−175470(P2012−175470A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36452(P2011−36452)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】