中継装置、中継方法及びプログラム
【課題】IPマルチキャストを用いたコンテンツの配信サービス等において、誤り耐性を維持しながらパケットを効率よく転送できる中継装置等を提供すること。
【解決手段】第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、前記第2パケットを送信することを特徴とする。
【解決手段】第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、前記第2パケットを送信することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FTTH(Fiber to the Home)やADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)といったブロードバンド回線の普及に伴い、大容量の映像や音声といったマルチメディアコンテンツをIPネットワーク上で提供する、IP放送等の放送型サービスが増加しつつある。
【0003】
このような配信システムにおいては、多数の受信者に同時に配信が可能な「IPマルチキャスト技術」を用いて実現されることが一般的である。IPマルチキャスト技術は、1つのサーバから特定のマルチキャストグループに加入した複数の受信者に対して同時に同じデータパケットを伝送する方法であり、このIPマルチキャスト技術を用いることにより、サーバの負荷、および配信ネットワークの負荷を軽減させることが可能となる。
【0004】
マルチキャストグループは、あるサーバから提供される特定のマルチメディアコンテンツの受信者の集まりであり、参加している受信者は、グループ内で同じマルチキャストアドレスを共有する。
【0005】
このグループ内のデータ伝送経路を制御するルータは、マルチキャストデータを受信すると、そのマルチキャストアドレスを読み取り、該当するマルチキャストグループに属する受信者が接続されている経路へ向けて再送信する。
【0006】
受信者が複数で、かつ、別経路上に存在する場合、ルータは伝送しようとする情報を複製してそれぞれの経路に向けて送信する。この動作により、IPマルチキャスト技術では、当該マルチキャストグループに属する総ての受信者に対して、サーバから独立に情報を送信する場合に比べて、伝送情報量を大きく削減でき、サーバやネットワークへの負荷を軽減できる。
【0007】
また、このIPマルチキャスト技術を用いて、多数のサーバから配信されるマルチキャストコンテンツを1台の受信端末で切り替えながら受信するようなアプリケーションやシステムも考えられる。
【0008】
こうしたシステムの例として、放送局から多くの番組がマルチキャスト方式で放送されていて、家庭や施設の受信端末で視聴したい番組に切り替えるようなIP放送サービスシステムや、放送局からのコンテンツが多数のカメラ映像で構成されていて、それぞれがマルチキャスト方式で配信され、受信端末で受信を切り替えることでカメラ映像を選択できるような映像監視システムなどがある。
【0009】
このような配信システムは、様々なネットワークが接続されており、通常複数のネットワークを経由することが一般的である。このようなネットワークを中継するコンテンツの配信装置は種々知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−28153号公報
【特許文献2】特開2008−283283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、メディアコンテンツのデータ量は拡大し続けており、より効率的なパケットの中継方法が所望されている。しかし、従来の中継方法においては、種々の問題が生じていた。
【0012】
まず、ネットワークにおける配信パケットのデータサイズ(MTUサイズ)は、ネットワークの種類毎に異なっている事が多い。
【0013】
複数のネットワークを経由してコンテンツ(情報)を配信する場合、ネットワークの境界部に、中継装置(メディア中継装置)が配置されている。従って、この中継装置は、入力したパケットを出力側のネットワークに適したサイズに変換する機能を備えている。
【0014】
例えば、図12に示すように、ネットワークAのMTUサイズが1500バイト(イーサネット(登録商標))、ネットワークBのMTUサイズが2370バイト(無線LAN)であったとする。
【0015】
すると、中継装置は、配信サイズの整合性をとるために、通常、ダミーデータを付加する。例えば、図12の場合は870バイトのダミーデータが付加されることとなる。従って、当該ダミーデータ分だけ、データの配信効率が低下してしまうといった問題点が生じていた。
【0016】
ネットワークにおけるデータ伝送は、必要となる通信機能を複数のレイヤに分割したモデルに基づき実現されることが多い。代表的なモデルとして、OSI(Open System Interconnection)の7レイヤモデルが知られているが、こうしたレイヤモデルでは、上位レイヤでは、アプリケーションが必要とする通信機能が定義され、どのような伝送網を経由して情報が伝達されるかなどは通常考慮されない。一方、下位レイヤでは、特定の伝送網に必要な通信機能が定義されている。
【0017】
通常、ネットワーク伝送の信頼性を向上させるために誤り訂正符号技術が用いられる。誤り訂正符号技術は、元の伝送データに対し誤り訂正符号と呼ばれる冗長データを付加し、受信側でこれらのデータを用いてもとの伝送データを確率的に復元する技術である。使用される誤り訂正符号やその強度はそのネットワークの物理的な特性、利用される通信方式および必要な伝送速度などに応じて決められる。誤り訂正の強度を上げるためには、多くの誤り訂正符号を付与しなければならず、実際のデータの伝送効率は悪くなる。逆に、誤り訂正符号の強度を下げれば、その通信方式で伝送可能な最大の効率に近づけることができる。一般に有線ネットワークに比べ、無線ネットワークはさまざまな受信誤りが発生する可能性があるため、同一のスループットを実現する場合でも、より多くの誤り訂正符号を付加する必要がある。
【0018】
上述の中継装置は、例えば図13に示すように示すような2レイヤの構成をしている。すなわち、下位レイヤとして、入力側のネットワークから入力されたパケットから、付与された誤り訂正符号を用いて訂正処理を施す処理、およびその逆で出力データに対し、出力ネットワークの条件に合わせて必要な誤り訂正符号を計算し、誤り訂正符号を付与して出力ネットワークへ出力する部分がある。一方上位レイヤとして、入力データにダミーを付加するなどして、出力ネットワークの伝送に適切なサイズ変換などの処理を行う部分がある。この際、上位レイヤのサイズ変換の処理は、下位レイヤで行う訂正処理および誤り訂正符号の付与処理と独立しており、付与される符号の種別になんら影響を受けない。
【0019】
上述した中継装置は、当該ダミーデータの分だけ、配信効率が低下するという問題点が生じていた。
【0020】
上述した課題に鑑み、本発明が目的とするところは、IPマルチキャストを用いたコンテンツの配信サービス等において、誤り耐性を維持しながらパケットを効率よく転送できる中継装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題に鑑み、本発明の中継装置は、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成部と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成部と、
前記第2パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の中継装置において、前記第2パケットは、前記第1パケットのヘッダにFEC識別情報が付加されなかった場合と比較して符号長が短くなることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の中継装置において、前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の中継装置において、前記第1符号と、前記第2符号とは連接符号を構成することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の中継装置において、前記第1符号と、前記第2符号とは積符号を構成することを特徴とする。
【0026】
本発明の中継装置は、少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の中継装置において、前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする。
【0028】
本発明の中継装置は、
受信されたパケットに基づいて、第1符号としてFEC符号を生成する第1符号生成部と、
前記受信パケットと、前記FEC符号と、前記FEC符号に関する識別情報であるFEC識別符号とを含めた第1パケットを生成する第1パケット生成部と、
を備えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の中継装置において、
前記第1パケット生成部は、前記FEC符号のサイズに基づいて、複数のパケットに分割して第1パケットを生成することを特徴とする。
【0030】
本発明の中継方法は、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、
前記第2パケットを送信することを特徴とする。
【0031】
本発明の中継方法は、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信することを特徴とする。
【0032】
本発明のプログラムは、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成機能と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成機能と、
前記第2パケットを送信する送信機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0033】
本発明のプログラムは、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、前記第2パケットを送信することとなる。従って、第1パケットに含まれるFECの識別情報に基づいて、第2符号が生成されることとなり、従来のように、上位レイヤの処理(第1符号の生成)と独立させる場合に比べ、必要十分な誤り耐性を獲得しつつ伝送効率の良い中継装置、配信システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態におけるコンテンツ配信システムの全体を説明するための図である。
【図2】第1実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図3】第1実施形態におけるヘッダ解析部の処理について説明するための図である。
【図4】積符号について説明するための図である。
【図5】第1実施形態における配信データ(パケット)について、模式的に示した図である。
【図6】第1実施形態における配信データ(パケット)について、模式的に示した図である。
【図7】第2実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図8】第2実施形態におけるヘッダ解析部の処理について説明するための図である。
【図9】第3実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図10】変調方式について説明するための図である。
【図11】第3実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図12】従来における配信データ(パケット)について、模式的に示した図である。
【図13】中継装置について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良な形態について説明する。
〔システム構成〕
図1に本発明を適用したコンテンツ配信システム1の全体を示す。コンテンツ配信システム1には、送信装置から、一又は複数のネットワークを介して再生装置にコンテンツが配信される。
【0037】
ここで、複数のネットワークを結合する場合には、ネットワークの間に中継装置が接続されている。
【0038】
中継装置として、例えば、宅内における無線LANルータ等が考えられる。その場合、再生装置が接続されるネットワークは、宅内無線LANネットワークを示すことになる。
【0039】
また、別の例としては、中継装置が携帯電話等のモバイル機器用の基地局である場合も考えられる。もちろん、再生装置が接続されるネットワークは無線ネットワークである必要はなく、家庭内や企業内での有線LANも考えられる。
【0040】
いずれの場合においても、中継装置は、送信装置からメディアコンテンツを受信し、再生装置が接続されるネットワークへマルチキャスト技術などを用いて再配信することで、複数の再生装置でメディアコンテンツが受信可能となる。
【0041】
本実施形態のネットワークにおいては、それぞれMTUのサイズが異なる場合について説明するが、MTUサイズが同一のネットワークであっても制限無く利用出来る事は勿論である。
【0042】
なお、本実施形態では、一例としてネットワーク3に接続された送信装置20から中継装置10を経由し、さらに、ネットワーク5に接続された再生装置30にコンテンツが配信される場合について説明する。なお、本明細書において用いられるMTU、FECの用語について簡単に説明する。
【0043】
(1)MTUについて
IPネットワークにおいて、伝送されるデータは、パケットという単位に分割されて伝送される。このパケットのサイズは、伝送するネットワークの種類によってその最大値(MTU:Maximum Transfer Unit)が決まっている。
【0044】
例えば、イーサネットでは1,500バイトであり、無線LAN規格の1つの802.11bでは2,370バイトである。この場合、中継装置、配信サーバ等で、サイズ変更(パケットの再構成)が必要となる。イーサネットから無線LANに中継する場合、配信サイズの整合をとるため、1500バイトのIPパケットは、2370バイトにサイズが調整される。
【0045】
なお、配信サーバと受信端末とが1対1の通信を行う、ユニキャスト方式のコンテンツ伝送であれば、予めサーバ−受信端末間の全ネットワークのMTUを調べておいて、その最小サイズのパケットで送信する、パスMTUディスカバリー方式と呼ばれる方法を用いることが可能である。しかし、マルチキャスト配信を行う場合には、伝送に関与するネットワークが変動する場合もあるため、予めMTUを調べることは実質的に不可能である。
【0046】
(2)FECについて
また、本明細書において用いられるFECについて説明する。IPマルチキャスト技術では、トランスポート層のプロトコルとしてUDP(User Datagram Protocol)を用いるのが一般的であるため、データ損失に弱いという欠点がある。
【0047】
そのため、何らかの方法で欠落したデータを回復する必要がある。代表的な誤り回復技術には、誤り部分を再送して回復する自動再送要求(ARQ:Automatic Report reQuest)と、サーバから符号化による冗長データを付加し、受信側で誤りを訂正するFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)等がある。
【0048】
ただし、複数受信者への同時コンテンツ配信という、IPマルチキャストの特長を活かした、大規模なマルチキャストグループを考えた場合、ARQのように再送要求をサーバへ送る技術では、要求とその応答というやり取りが爆発的に増加する可能性がある。そのため、大規模なマルチキャストグループでもサーバ負荷を急激に増加させないために、誤り訂正技術としてFECが利用されるのが一般的である。
【0049】
FEC技術は、コンテンツデータに対して、予め設定されたアルゴリズムに従った冗長性を付与することで実現される。その具体的なアルゴリズムとしては、パリティ方式や、リード・ソロモン方式等様々なものがある。
【0050】
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態におけるコンテンツ配信システム1について、説明する。
【0051】
第1実施形態における中継装置10の機能構成について図2を用いて説明する。図2に示すように、中継装置10は、受信部100と、パケット読み出し部102と、第1符号生成部104と、ヘッダ生成部106と、第1パケット生成部108と、ヘッダ解析部110と、第2符号生成部112と、第2パケット生成部114と、送信部116とを備えて構成されている。
【0052】
受信部100は、ネットワーク上の物理的な信号からコンテンツである配信データ及び受信したネットワークの種別を示す情報を受信する機能部である。具体的には、ネットワークの種別に対応するNIC(Network Interface Card)等により構成されている。受信された配信データから、パケット読み出し部102により受信パケットが読み出され、第1符号生成部104、ヘッダ生成部106及び第1パケット生成部108に出力される。
【0053】
第1符号生成部104は、入力された配信データ(受信パケット)に基づいて第1符号を生成する機能部である。ここで、第1符号とは、配信データの誤り訂正に用いられる符号であり、FEC(前方誤り訂正)を用いて生成される。ここで、FECを用いて符号を生成する方法としては、種々の方法が用いられるが、例えば本実施形態においてはパリティ符号によるFECが用いられているとする。
【0054】
更に、第1符号生成部104は、生成すべきFEC符号のサイズを決定し、所定のFECにて検査用の符号を生成する。これにより、後段の第1パケット生成部108において、送信されるネットワークに対応するMTUサイズの送信データが生成される。
【0055】
ここで、第1符号生成部104が生成する第1符号(FEC符号)は、種々の条件に基づいて計算される。例えば、送信装置20(受信部100)が接続されているネットワーク3のMTUサイズ(MTU_A)と、再生装置30(送信部116)が接続されているネットワーク5のMTUサイズ(MTU_B)とに基づいて、第1符号(FEC符号)のサイズが決定されても良いし、オペレータ、ネットワーク管理者等により決定されても良い。また、上位層のサービスに応じて決定されることとしても良い。
【0056】
具体的には、例えば、MTU_A<MTU_Bの場合、MTUの整合をとるため必要なサイズは、D=MTU_B−MTU_Aであるため、FECによる検査用の符号の最大サイズも前述のDとなる。
【0057】
逆に、MTU_A>MTU_Bの場合は、ネットワーク3から来たパケットを二つに分割してネットワーク5に流す方法が考えられ、この場合におけるMTUの整合を取る為に必要なサイズは、D’=MTU_B−MTU_A/2であるため、FECによる検査用の符号のサイズも最大でD’となる。符号サイズがDあるいはD’に満たない場合はダミーデータが補填される。
【0058】
ヘッダ生成部106は、配信データに基づいて後段の第1パケット生成部108が第1パケットを生成する場合において付加するヘッダを生成するための機能部である。ここで、通常のデータヘッダ(例えば、宛先データ等の一般的な情報)に加えて、第1符号生成部104において生成された第1符号に関する情報を含むFEC識別情報を生成し、ヘッダに含める。
【0059】
FEC識別情報は、第1符号生成部104において生成された第1符号(FEC符号)に関する情報が含まれており、具体的には使用されたFECの種別や、そのパラメータが含まれている。
【0060】
例えば、パリティ符号などの線形符号は、その特徴を(N、K、D)と3つのパラメータで表現する。Nは符号全体のサイズ(ビット)を、Kは元の情報源のサイズを、Dは、符号間の最小距離を表す。これは、N−K(ビット)のパリティ符号検査用信号を元の情報源信号に付加すると、復号側でD(ビット)の誤りを検出(あるいはD−1ビットの誤りを訂正)できることを示している。このため、Dは、符号の誤り耐性を示す情報と言え、少ない付加情報でこの値が大きいほど符号の性能が高い。以後の説明では、Dをその符号のFEC強度と呼ぶこととする。
【0061】
図2におけるFECの種別とは、この例で言えば「パリティ符号」であり、パラメータとは、「(N、K、D)」を指す。このFEC識別情報は、第1符号生成部104から入力される情報に基づいて含まれても良いし、予め定められた値が設定されても良い。
【0062】
第1パケット生成部108は、受信部100から入力された配信データに、ヘッダ及び第1符号(FEC符号)を付加して第1パケットを生成する機能部である。ここで、生成された第1パケットは下位層である第2パケット生成部114に出力される。
【0063】
また、第1パケットはそれと併せてヘッダ解析部110に出力される。ヘッダ解析部110は、第1パケットのヘッダに含まれているFEC識別情報に基づき、上位層で付与された第1符号(FEC符号)のFEC種別、そのパラメータを抽出し、送信側のネットワークで想定されるFEC強度に基づいて適切な符号とパラメータを決定する。
【0064】
ヘッダ解析部110の動作について、図3を用いて説明する。まず、ヘッダ解析部110は、第1パケットに含まれているヘッダを解析し、FEC識別情報を抽出する(ステップS100)。そして、抽出されたFEC識別情報に含まれるFEC強度に応じて、誤り耐性パラメータを導出する(ステップS110)。
【0065】
ここで、誤り耐性パラメータとは、後段の第2符号生成部112において、第2符号を生成する場合に用いられるパラメータである。すなわち、FEC識別情報とそのパラメータで決定される符号の強度(たとえば線形符号でいうと前述のDのこと)である。
【0066】
送信側のネットワークで必要となる誤り耐性パラメータに基づいて、第1符号(FEC符号)で加えられた誤り耐性と、その差分の誤り耐性を実現するのに必要な符号とそのパラメータを決定する。通常、生成された第2符号の符号長は、第1符号により付加された誤り耐性が存在する分、元の(第1符号が無い)状態に比べ短くなる。
【0067】
第2符号生成部112は、ヘッダ解析部110から入力された誤り耐性パラメータに基づいて第1パケットに付加する第2符号を生成する機能部である。ここで、生成される符号としては種々の方法が考えられるが、例えば、本実施形態においては、第1の符号と第2の符号とが連接符号を構成するような符号を生成する例を示す。
【0068】
具体的には、以下の通りである。内部符号cを2元(n、k、d)、外部符号CをGF(2k)上の(N,K,D)の符号とすると、連接符号は、t=|(Dd−1)/2|の訂正能力がある。連接符号を用いる場合は、第1符号生成部104では内部符号を、第2符号生成部112では外部符号を用い、あらかじめ定められたtとdから、第2符号生成部112で必要となるD=(2t+1)/dから算出し、これを満足するN、Kを決定する。
【0069】
なお、上述の第1符号と第2符号の方式として、連接符号を構成するようにパラメータを選ぶことは一例であり、他の方法であっても良いことは勿論である。例えば、積符号を構成するよう、第1符号と第2符号とを生成してもよい。
【0070】
具体的には、図4に示すように、第1符号として、「行の検査記号」に相当する情報を付与する。そして、第2符号として、「列の検査記号」及び「検査記号の検査記号」を付与する。なお、「検査記号の検査記号」は第2符号の代わりに第1符号に付与しても良い。
【0071】
第2パケット生成部114は、第1パケット生成部108から入力された第1パケットに対し、第2符号生成部112において生成された第2符号が付加されて、第2パケットとして送信部116に出力される。
【0072】
送信部116は、第2パケット生成部114から入力された第2パケットを送信パケットとしてネットワーク5を介して再生装置30に送信する。
【0073】
ここで、中継装置10において受信された配信データ及び送信されるパケットについて説明する。図5は、配信データ及びパケットを模式的に示した図である。
【0074】
図5(a)は、配信データD10を示しており、図5(b)は、第1符号(FEC符号)が付加された状態を示している図である。本来、ネットワーク3と、ネットワーク5のMTUサイズが異なるため、P12の領域にはダミーデータが付加されることとなる。
【0075】
本実施形態においては、P12の領域に第1符号としてFEC符号を付加しており、更にFEC符号に関する情報であるFEC識別情報をヘッダP10の中に情報P14を記憶させている。
【0076】
そして、図5(c)は、第2符号が付加された状態を示している図である。FEC識別情報に基づいて、第2符号が生成され、P16の領域に付加されている。
【0077】
この第1符号と第2符号との関係について、図6を用いて更に説明する。図6(a)は、第1パケットを模式的に示した図である。第1パケットには、第1符号(FEC符号)P22が付加されており、第1符号に関する情報がFEC識別情報P20として含まれている。
【0078】
図6(b)は、第2パケットを模式的に示した図である。本来ダミーデータが入っている領域にFEC符号が含まれていることより、第2符号P24は、本来より強度の弱い符号(本来より短い検査情報)を付与すれば十分である。
【0079】
このように、本実施形態によれば、上位層において本来ダミーデータを付加する代わりにFEC符号を付加することが可能となる。これにより、下位層では、本来必要なサイズより小さい(FEC強度の弱い)符号を付ければ良くなり、結果としてパケット全体のサイズを小さくでき、配信効率を向上させることが可能となる。
【0080】
また、通常上位層において誤りデータ訂正を行った後に、更に下位層で従来通りそのまま誤り訂正を行うと全体の誤り耐性は必要以上の処理が施されてしまう。通常、伝送速度(伝送効率)と誤り耐性はトレードオフの関係であるため、必要以上に誤り耐性を強くすると、伝送速度の低下を招くこととなる。
【0081】
本実施形態では、上位層と下位層とのレイヤ間でやり取りを行うことにより、全体として必要十分な誤り耐性を獲得した伝送効率の良いシステムを提供することが可能となる。
【0082】
〔第2実施形態〕
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、図7の配信装置12に示すように、第1実施形態のヘッダ解析部110がヘッダ解析部120に置き換わったものである。他の機能部においては、第1実施形態と構成は同一であるため、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0083】
第2実施形態におけるヘッダ解析部120の動作として、再生装置30及び/又はネットワーク5から、フィードバック情報(ネットワークの誤り率や、再生装置30の受信状態(ビットレートや利用サービス等))が入力されてフィードバックされることにより、誤り耐性パラメータを可変させる場合について説明する。
【0084】
ここで、ヘッダ解析部120の動作処理について図8を用いて説明する。まず、ヘッダ解析処理が実行され(ステップS100)、誤り耐性パラメータが導出される(S110)。続いて、フィードバック情報が受信される(ステップS204)。
【0085】
ここで、フィードバック情報とは、外部から入力される情報であり、例えば、ネットワークに関する情報(誤り率や、伝送速度、輻輳状態等)や、再生装置30に関する情報(再生装置の端末能力、受信ビットレート、誤り率、利用サービス等)である。
【0086】
これらのフィードバック情報と、誤り耐性パラメータとを比較し、所望する誤り耐性が確保されているか否かを判定する。
【0087】
ここで、所望する誤り耐性とは、端末の種類に応じて利用者が設定しても良いし、オペレータ等のネットワーク管理者が設定してもよい。また、サービスに応じて設定してもよい。
【0088】
具体的には、音声データについては誤り耐性を低く設定し、文字データについては誤り耐性を強くする設定としたり、固定端末の場合は誤り耐性を低く設定し、移動端末の場合は誤り耐性を強く設定したりするといった事が可能である。
【0089】
ここで、所望の誤り耐性を確保出来てない場合には(ステップS206;No)、所望の誤り耐性となるように誤り耐性パラメータを強く更新する(ステップS208;Yes→ステップS212)。
【0090】
他方、所望の誤り耐性が十分に確保出来ている場合には、所望の誤り耐性となるように誤り耐性パラメータを弱く更新する(ステップS208;No→ステップS210;Yes→ステップS214)。
【0091】
具体的には、例えば、線形符号(N、K、D)で誤り耐性が足りない場合は、パラメータであるDをD+1と変化させる。これにより、第2符号生成部112において生成される第2符号は(N+α、K、D+1)(αは使用する符号によって異なる)となり、誤り耐性が強くなる。
【0092】
逆に、誤り耐性が十分な場合は、パラメータであるDをD−1と変化させる。これにより、第2符号生成部112において生成される第2符号は(N−β、K、D−1)(βは使用する符号によって異なる)となり、誤り耐性が弱くなる。
【0093】
このように、本実施形態によれば、ネットワークの状態、受信端末(再生装置)の状態を中継装置にフィードバックすることにより、実際の通信に基づいた効率の良い誤り訂正符号を付加することが可能となる。
【0094】
これは、同じ装置であっても、使用する時間、他の端末の状態、ネットワークの通信状況に応じて、その都度適切な符号を生成し、付加することが出来る。
【0095】
〔第3実施形態〕
続いて、第3実施形態について説明する。上述した実施形態は、下位層において第2パケット生成部を有しており、第2パケット生成部において第2パケットを生成して付加していた。本実施形態は、第2パケットを生成する代わりに、送信部が変調方式を変化させることにより、誤り耐性を変化させる実施形態について説明する。
【0096】
具体的には、図9に示す第3実施形態の配信装置14は、第1実施形態の中継装置10と比較して、第2符号生成部112、第2パケット生成部114を有さず、送信部116の代わりに送信部130を備えている。
【0097】
すなわち、配信装置14においては、ヘッダ解析部110において導出された誤り耐性パラメータが、送信部130に出力される。更に、第1パケット生成部108において出力される第1パケットも、送信部130に出力される。
【0098】
送信部130は、入力された誤り耐性パラメータに応じて、変調方式を変化させる。例えば、図10に示すように、送信部130は、通常QPSK方式にて変調を行って送信を行っている(図10(a))。
【0099】
ここで、ヘッダ解析部110において、上位層で十分な強度のFEC符号が付加されたと判定された場合には、16QAM(図10(b))で変調して送信される。他方、上位層で十分な強度のFEC符号が付加されていないと判定された場合には、QPSK(図10(a))で変調して送信される。これは、QPSKに比べ、16QAMは、4倍のシンボルレート(速度)を実現できるが、シンボル間の距離が1/3となるため、同一電力では雑音やフェージングに対する耐性が弱いからである。
【0100】
なお、このときFEC強度は単位時間の平均で評価し、その時間単位で切り替える事としてもよいし、上位層のストリームやサービスの種別毎に切り替える事としても良い。
【0101】
また、本実施形態においても、第2実施形態のように、ネットワークや再生装置等の状態に応じて、ヘッダ解析部150が誤り耐性パラメータを可変させても良い。
【0102】
具体的には、図11に示すように、ネットワーク5や、再生装置30から、誤り率や、ビットレート、各種状態情報をヘッダ解析部150にフィードバック入力し、フィードバックを反映させて誤り耐性パラメータを導出すればよい。
【0103】
このように上述の実施形態に基づけば、MTUが異なるサイズのネットワークを中継する場合であっても、MTUサイズに合わせてFEC符号を付加することにより、効率よくデータが伝送可能になる。更に、FEC強度を適切に設定することが可能となり、誤り訂正に強く、信頼性の高い通信を行うことが可能となる。
【0104】
〔変形例〕
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0105】
また、上述の実施形態において実行される処理は、各機能部をハードウェアとして構成しても良いし、ソフトウェアとして実現してもよい。すなわち、図7〜図9の処理を実行するプログラムを各装置において記憶し、制御部(例えば、CPU等)によって実行されることによって実現されることとしても良い。
【0106】
また、上述した実施形態における各装置の一部又は全部を典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現してもよい。各装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能であることは勿論である。
【0107】
また、上述の実施形態においては、例えば図2のパケット読み出し部102から送信される受信パケットに基づいて第1符号生成部104において第1符号(FEC符号)及びヘッダ生成部106によりFEC識別情報を含んだヘッダを生成した。そして、第1パケット生成部108において、第1符号と、ヘッダを付加した第1符号を生成することとして説明した。
【0108】
しかし、受信パケットに、FEC符号及びFEC識別情報を含むヘッダが付加されており、かつ出力ネットワークのパケットサイズとの整合が取れている場合には、当該処理をしなくても良い。この場合であっても、受信パケットに含まれているFEC符号(第1符号)に基づいて、第2符号が生成されることとなり、誤り耐性を維持しながら効率よくパケットを中継することが可能となる。
【符号の説明】
【0109】
1 コンテンツ配信システム
3、5 ネットワーク
10 配信サーバ
100 受信部
102 パケット読み出し部
104 第1符号生成部
106 ヘッダ生成部
108 第1パケット生成部
110 ヘッダ解析部
112 第2符号生成部
114 第2パケット生成部
116 送信部
20 送信装置
30 再生装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FTTH(Fiber to the Home)やADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)といったブロードバンド回線の普及に伴い、大容量の映像や音声といったマルチメディアコンテンツをIPネットワーク上で提供する、IP放送等の放送型サービスが増加しつつある。
【0003】
このような配信システムにおいては、多数の受信者に同時に配信が可能な「IPマルチキャスト技術」を用いて実現されることが一般的である。IPマルチキャスト技術は、1つのサーバから特定のマルチキャストグループに加入した複数の受信者に対して同時に同じデータパケットを伝送する方法であり、このIPマルチキャスト技術を用いることにより、サーバの負荷、および配信ネットワークの負荷を軽減させることが可能となる。
【0004】
マルチキャストグループは、あるサーバから提供される特定のマルチメディアコンテンツの受信者の集まりであり、参加している受信者は、グループ内で同じマルチキャストアドレスを共有する。
【0005】
このグループ内のデータ伝送経路を制御するルータは、マルチキャストデータを受信すると、そのマルチキャストアドレスを読み取り、該当するマルチキャストグループに属する受信者が接続されている経路へ向けて再送信する。
【0006】
受信者が複数で、かつ、別経路上に存在する場合、ルータは伝送しようとする情報を複製してそれぞれの経路に向けて送信する。この動作により、IPマルチキャスト技術では、当該マルチキャストグループに属する総ての受信者に対して、サーバから独立に情報を送信する場合に比べて、伝送情報量を大きく削減でき、サーバやネットワークへの負荷を軽減できる。
【0007】
また、このIPマルチキャスト技術を用いて、多数のサーバから配信されるマルチキャストコンテンツを1台の受信端末で切り替えながら受信するようなアプリケーションやシステムも考えられる。
【0008】
こうしたシステムの例として、放送局から多くの番組がマルチキャスト方式で放送されていて、家庭や施設の受信端末で視聴したい番組に切り替えるようなIP放送サービスシステムや、放送局からのコンテンツが多数のカメラ映像で構成されていて、それぞれがマルチキャスト方式で配信され、受信端末で受信を切り替えることでカメラ映像を選択できるような映像監視システムなどがある。
【0009】
このような配信システムは、様々なネットワークが接続されており、通常複数のネットワークを経由することが一般的である。このようなネットワークを中継するコンテンツの配信装置は種々知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−28153号公報
【特許文献2】特開2008−283283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、メディアコンテンツのデータ量は拡大し続けており、より効率的なパケットの中継方法が所望されている。しかし、従来の中継方法においては、種々の問題が生じていた。
【0012】
まず、ネットワークにおける配信パケットのデータサイズ(MTUサイズ)は、ネットワークの種類毎に異なっている事が多い。
【0013】
複数のネットワークを経由してコンテンツ(情報)を配信する場合、ネットワークの境界部に、中継装置(メディア中継装置)が配置されている。従って、この中継装置は、入力したパケットを出力側のネットワークに適したサイズに変換する機能を備えている。
【0014】
例えば、図12に示すように、ネットワークAのMTUサイズが1500バイト(イーサネット(登録商標))、ネットワークBのMTUサイズが2370バイト(無線LAN)であったとする。
【0015】
すると、中継装置は、配信サイズの整合性をとるために、通常、ダミーデータを付加する。例えば、図12の場合は870バイトのダミーデータが付加されることとなる。従って、当該ダミーデータ分だけ、データの配信効率が低下してしまうといった問題点が生じていた。
【0016】
ネットワークにおけるデータ伝送は、必要となる通信機能を複数のレイヤに分割したモデルに基づき実現されることが多い。代表的なモデルとして、OSI(Open System Interconnection)の7レイヤモデルが知られているが、こうしたレイヤモデルでは、上位レイヤでは、アプリケーションが必要とする通信機能が定義され、どのような伝送網を経由して情報が伝達されるかなどは通常考慮されない。一方、下位レイヤでは、特定の伝送網に必要な通信機能が定義されている。
【0017】
通常、ネットワーク伝送の信頼性を向上させるために誤り訂正符号技術が用いられる。誤り訂正符号技術は、元の伝送データに対し誤り訂正符号と呼ばれる冗長データを付加し、受信側でこれらのデータを用いてもとの伝送データを確率的に復元する技術である。使用される誤り訂正符号やその強度はそのネットワークの物理的な特性、利用される通信方式および必要な伝送速度などに応じて決められる。誤り訂正の強度を上げるためには、多くの誤り訂正符号を付与しなければならず、実際のデータの伝送効率は悪くなる。逆に、誤り訂正符号の強度を下げれば、その通信方式で伝送可能な最大の効率に近づけることができる。一般に有線ネットワークに比べ、無線ネットワークはさまざまな受信誤りが発生する可能性があるため、同一のスループットを実現する場合でも、より多くの誤り訂正符号を付加する必要がある。
【0018】
上述の中継装置は、例えば図13に示すように示すような2レイヤの構成をしている。すなわち、下位レイヤとして、入力側のネットワークから入力されたパケットから、付与された誤り訂正符号を用いて訂正処理を施す処理、およびその逆で出力データに対し、出力ネットワークの条件に合わせて必要な誤り訂正符号を計算し、誤り訂正符号を付与して出力ネットワークへ出力する部分がある。一方上位レイヤとして、入力データにダミーを付加するなどして、出力ネットワークの伝送に適切なサイズ変換などの処理を行う部分がある。この際、上位レイヤのサイズ変換の処理は、下位レイヤで行う訂正処理および誤り訂正符号の付与処理と独立しており、付与される符号の種別になんら影響を受けない。
【0019】
上述した中継装置は、当該ダミーデータの分だけ、配信効率が低下するという問題点が生じていた。
【0020】
上述した課題に鑑み、本発明が目的とするところは、IPマルチキャストを用いたコンテンツの配信サービス等において、誤り耐性を維持しながらパケットを効率よく転送できる中継装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述した課題に鑑み、本発明の中継装置は、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成部と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成部と、
前記第2パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の中継装置において、前記第2パケットは、前記第1パケットのヘッダにFEC識別情報が付加されなかった場合と比較して符号長が短くなることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の中継装置において、前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の中継装置において、前記第1符号と、前記第2符号とは連接符号を構成することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の中継装置において、前記第1符号と、前記第2符号とは積符号を構成することを特徴とする。
【0026】
本発明の中継装置は、少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の中継装置において、前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする。
【0028】
本発明の中継装置は、
受信されたパケットに基づいて、第1符号としてFEC符号を生成する第1符号生成部と、
前記受信パケットと、前記FEC符号と、前記FEC符号に関する識別情報であるFEC識別符号とを含めた第1パケットを生成する第1パケット生成部と、
を備えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の中継装置において、
前記第1パケット生成部は、前記FEC符号のサイズに基づいて、複数のパケットに分割して第1パケットを生成することを特徴とする。
【0030】
本発明の中継方法は、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、
前記第2パケットを送信することを特徴とする。
【0031】
本発明の中継方法は、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信することを特徴とする。
【0032】
本発明のプログラムは、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成機能と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成機能と、
前記第2パケットを送信する送信機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0033】
本発明のプログラムは、
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、前記第2パケットを送信することとなる。従って、第1パケットに含まれるFECの識別情報に基づいて、第2符号が生成されることとなり、従来のように、上位レイヤの処理(第1符号の生成)と独立させる場合に比べ、必要十分な誤り耐性を獲得しつつ伝送効率の良い中継装置、配信システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態におけるコンテンツ配信システムの全体を説明するための図である。
【図2】第1実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図3】第1実施形態におけるヘッダ解析部の処理について説明するための図である。
【図4】積符号について説明するための図である。
【図5】第1実施形態における配信データ(パケット)について、模式的に示した図である。
【図6】第1実施形態における配信データ(パケット)について、模式的に示した図である。
【図7】第2実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図8】第2実施形態におけるヘッダ解析部の処理について説明するための図である。
【図9】第3実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図10】変調方式について説明するための図である。
【図11】第3実施形態における配信装置の機能構成を説明するための図である。
【図12】従来における配信データ(パケット)について、模式的に示した図である。
【図13】中継装置について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良な形態について説明する。
〔システム構成〕
図1に本発明を適用したコンテンツ配信システム1の全体を示す。コンテンツ配信システム1には、送信装置から、一又は複数のネットワークを介して再生装置にコンテンツが配信される。
【0037】
ここで、複数のネットワークを結合する場合には、ネットワークの間に中継装置が接続されている。
【0038】
中継装置として、例えば、宅内における無線LANルータ等が考えられる。その場合、再生装置が接続されるネットワークは、宅内無線LANネットワークを示すことになる。
【0039】
また、別の例としては、中継装置が携帯電話等のモバイル機器用の基地局である場合も考えられる。もちろん、再生装置が接続されるネットワークは無線ネットワークである必要はなく、家庭内や企業内での有線LANも考えられる。
【0040】
いずれの場合においても、中継装置は、送信装置からメディアコンテンツを受信し、再生装置が接続されるネットワークへマルチキャスト技術などを用いて再配信することで、複数の再生装置でメディアコンテンツが受信可能となる。
【0041】
本実施形態のネットワークにおいては、それぞれMTUのサイズが異なる場合について説明するが、MTUサイズが同一のネットワークであっても制限無く利用出来る事は勿論である。
【0042】
なお、本実施形態では、一例としてネットワーク3に接続された送信装置20から中継装置10を経由し、さらに、ネットワーク5に接続された再生装置30にコンテンツが配信される場合について説明する。なお、本明細書において用いられるMTU、FECの用語について簡単に説明する。
【0043】
(1)MTUについて
IPネットワークにおいて、伝送されるデータは、パケットという単位に分割されて伝送される。このパケットのサイズは、伝送するネットワークの種類によってその最大値(MTU:Maximum Transfer Unit)が決まっている。
【0044】
例えば、イーサネットでは1,500バイトであり、無線LAN規格の1つの802.11bでは2,370バイトである。この場合、中継装置、配信サーバ等で、サイズ変更(パケットの再構成)が必要となる。イーサネットから無線LANに中継する場合、配信サイズの整合をとるため、1500バイトのIPパケットは、2370バイトにサイズが調整される。
【0045】
なお、配信サーバと受信端末とが1対1の通信を行う、ユニキャスト方式のコンテンツ伝送であれば、予めサーバ−受信端末間の全ネットワークのMTUを調べておいて、その最小サイズのパケットで送信する、パスMTUディスカバリー方式と呼ばれる方法を用いることが可能である。しかし、マルチキャスト配信を行う場合には、伝送に関与するネットワークが変動する場合もあるため、予めMTUを調べることは実質的に不可能である。
【0046】
(2)FECについて
また、本明細書において用いられるFECについて説明する。IPマルチキャスト技術では、トランスポート層のプロトコルとしてUDP(User Datagram Protocol)を用いるのが一般的であるため、データ損失に弱いという欠点がある。
【0047】
そのため、何らかの方法で欠落したデータを回復する必要がある。代表的な誤り回復技術には、誤り部分を再送して回復する自動再送要求(ARQ:Automatic Report reQuest)と、サーバから符号化による冗長データを付加し、受信側で誤りを訂正するFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)等がある。
【0048】
ただし、複数受信者への同時コンテンツ配信という、IPマルチキャストの特長を活かした、大規模なマルチキャストグループを考えた場合、ARQのように再送要求をサーバへ送る技術では、要求とその応答というやり取りが爆発的に増加する可能性がある。そのため、大規模なマルチキャストグループでもサーバ負荷を急激に増加させないために、誤り訂正技術としてFECが利用されるのが一般的である。
【0049】
FEC技術は、コンテンツデータに対して、予め設定されたアルゴリズムに従った冗長性を付与することで実現される。その具体的なアルゴリズムとしては、パリティ方式や、リード・ソロモン方式等様々なものがある。
【0050】
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態におけるコンテンツ配信システム1について、説明する。
【0051】
第1実施形態における中継装置10の機能構成について図2を用いて説明する。図2に示すように、中継装置10は、受信部100と、パケット読み出し部102と、第1符号生成部104と、ヘッダ生成部106と、第1パケット生成部108と、ヘッダ解析部110と、第2符号生成部112と、第2パケット生成部114と、送信部116とを備えて構成されている。
【0052】
受信部100は、ネットワーク上の物理的な信号からコンテンツである配信データ及び受信したネットワークの種別を示す情報を受信する機能部である。具体的には、ネットワークの種別に対応するNIC(Network Interface Card)等により構成されている。受信された配信データから、パケット読み出し部102により受信パケットが読み出され、第1符号生成部104、ヘッダ生成部106及び第1パケット生成部108に出力される。
【0053】
第1符号生成部104は、入力された配信データ(受信パケット)に基づいて第1符号を生成する機能部である。ここで、第1符号とは、配信データの誤り訂正に用いられる符号であり、FEC(前方誤り訂正)を用いて生成される。ここで、FECを用いて符号を生成する方法としては、種々の方法が用いられるが、例えば本実施形態においてはパリティ符号によるFECが用いられているとする。
【0054】
更に、第1符号生成部104は、生成すべきFEC符号のサイズを決定し、所定のFECにて検査用の符号を生成する。これにより、後段の第1パケット生成部108において、送信されるネットワークに対応するMTUサイズの送信データが生成される。
【0055】
ここで、第1符号生成部104が生成する第1符号(FEC符号)は、種々の条件に基づいて計算される。例えば、送信装置20(受信部100)が接続されているネットワーク3のMTUサイズ(MTU_A)と、再生装置30(送信部116)が接続されているネットワーク5のMTUサイズ(MTU_B)とに基づいて、第1符号(FEC符号)のサイズが決定されても良いし、オペレータ、ネットワーク管理者等により決定されても良い。また、上位層のサービスに応じて決定されることとしても良い。
【0056】
具体的には、例えば、MTU_A<MTU_Bの場合、MTUの整合をとるため必要なサイズは、D=MTU_B−MTU_Aであるため、FECによる検査用の符号の最大サイズも前述のDとなる。
【0057】
逆に、MTU_A>MTU_Bの場合は、ネットワーク3から来たパケットを二つに分割してネットワーク5に流す方法が考えられ、この場合におけるMTUの整合を取る為に必要なサイズは、D’=MTU_B−MTU_A/2であるため、FECによる検査用の符号のサイズも最大でD’となる。符号サイズがDあるいはD’に満たない場合はダミーデータが補填される。
【0058】
ヘッダ生成部106は、配信データに基づいて後段の第1パケット生成部108が第1パケットを生成する場合において付加するヘッダを生成するための機能部である。ここで、通常のデータヘッダ(例えば、宛先データ等の一般的な情報)に加えて、第1符号生成部104において生成された第1符号に関する情報を含むFEC識別情報を生成し、ヘッダに含める。
【0059】
FEC識別情報は、第1符号生成部104において生成された第1符号(FEC符号)に関する情報が含まれており、具体的には使用されたFECの種別や、そのパラメータが含まれている。
【0060】
例えば、パリティ符号などの線形符号は、その特徴を(N、K、D)と3つのパラメータで表現する。Nは符号全体のサイズ(ビット)を、Kは元の情報源のサイズを、Dは、符号間の最小距離を表す。これは、N−K(ビット)のパリティ符号検査用信号を元の情報源信号に付加すると、復号側でD(ビット)の誤りを検出(あるいはD−1ビットの誤りを訂正)できることを示している。このため、Dは、符号の誤り耐性を示す情報と言え、少ない付加情報でこの値が大きいほど符号の性能が高い。以後の説明では、Dをその符号のFEC強度と呼ぶこととする。
【0061】
図2におけるFECの種別とは、この例で言えば「パリティ符号」であり、パラメータとは、「(N、K、D)」を指す。このFEC識別情報は、第1符号生成部104から入力される情報に基づいて含まれても良いし、予め定められた値が設定されても良い。
【0062】
第1パケット生成部108は、受信部100から入力された配信データに、ヘッダ及び第1符号(FEC符号)を付加して第1パケットを生成する機能部である。ここで、生成された第1パケットは下位層である第2パケット生成部114に出力される。
【0063】
また、第1パケットはそれと併せてヘッダ解析部110に出力される。ヘッダ解析部110は、第1パケットのヘッダに含まれているFEC識別情報に基づき、上位層で付与された第1符号(FEC符号)のFEC種別、そのパラメータを抽出し、送信側のネットワークで想定されるFEC強度に基づいて適切な符号とパラメータを決定する。
【0064】
ヘッダ解析部110の動作について、図3を用いて説明する。まず、ヘッダ解析部110は、第1パケットに含まれているヘッダを解析し、FEC識別情報を抽出する(ステップS100)。そして、抽出されたFEC識別情報に含まれるFEC強度に応じて、誤り耐性パラメータを導出する(ステップS110)。
【0065】
ここで、誤り耐性パラメータとは、後段の第2符号生成部112において、第2符号を生成する場合に用いられるパラメータである。すなわち、FEC識別情報とそのパラメータで決定される符号の強度(たとえば線形符号でいうと前述のDのこと)である。
【0066】
送信側のネットワークで必要となる誤り耐性パラメータに基づいて、第1符号(FEC符号)で加えられた誤り耐性と、その差分の誤り耐性を実現するのに必要な符号とそのパラメータを決定する。通常、生成された第2符号の符号長は、第1符号により付加された誤り耐性が存在する分、元の(第1符号が無い)状態に比べ短くなる。
【0067】
第2符号生成部112は、ヘッダ解析部110から入力された誤り耐性パラメータに基づいて第1パケットに付加する第2符号を生成する機能部である。ここで、生成される符号としては種々の方法が考えられるが、例えば、本実施形態においては、第1の符号と第2の符号とが連接符号を構成するような符号を生成する例を示す。
【0068】
具体的には、以下の通りである。内部符号cを2元(n、k、d)、外部符号CをGF(2k)上の(N,K,D)の符号とすると、連接符号は、t=|(Dd−1)/2|の訂正能力がある。連接符号を用いる場合は、第1符号生成部104では内部符号を、第2符号生成部112では外部符号を用い、あらかじめ定められたtとdから、第2符号生成部112で必要となるD=(2t+1)/dから算出し、これを満足するN、Kを決定する。
【0069】
なお、上述の第1符号と第2符号の方式として、連接符号を構成するようにパラメータを選ぶことは一例であり、他の方法であっても良いことは勿論である。例えば、積符号を構成するよう、第1符号と第2符号とを生成してもよい。
【0070】
具体的には、図4に示すように、第1符号として、「行の検査記号」に相当する情報を付与する。そして、第2符号として、「列の検査記号」及び「検査記号の検査記号」を付与する。なお、「検査記号の検査記号」は第2符号の代わりに第1符号に付与しても良い。
【0071】
第2パケット生成部114は、第1パケット生成部108から入力された第1パケットに対し、第2符号生成部112において生成された第2符号が付加されて、第2パケットとして送信部116に出力される。
【0072】
送信部116は、第2パケット生成部114から入力された第2パケットを送信パケットとしてネットワーク5を介して再生装置30に送信する。
【0073】
ここで、中継装置10において受信された配信データ及び送信されるパケットについて説明する。図5は、配信データ及びパケットを模式的に示した図である。
【0074】
図5(a)は、配信データD10を示しており、図5(b)は、第1符号(FEC符号)が付加された状態を示している図である。本来、ネットワーク3と、ネットワーク5のMTUサイズが異なるため、P12の領域にはダミーデータが付加されることとなる。
【0075】
本実施形態においては、P12の領域に第1符号としてFEC符号を付加しており、更にFEC符号に関する情報であるFEC識別情報をヘッダP10の中に情報P14を記憶させている。
【0076】
そして、図5(c)は、第2符号が付加された状態を示している図である。FEC識別情報に基づいて、第2符号が生成され、P16の領域に付加されている。
【0077】
この第1符号と第2符号との関係について、図6を用いて更に説明する。図6(a)は、第1パケットを模式的に示した図である。第1パケットには、第1符号(FEC符号)P22が付加されており、第1符号に関する情報がFEC識別情報P20として含まれている。
【0078】
図6(b)は、第2パケットを模式的に示した図である。本来ダミーデータが入っている領域にFEC符号が含まれていることより、第2符号P24は、本来より強度の弱い符号(本来より短い検査情報)を付与すれば十分である。
【0079】
このように、本実施形態によれば、上位層において本来ダミーデータを付加する代わりにFEC符号を付加することが可能となる。これにより、下位層では、本来必要なサイズより小さい(FEC強度の弱い)符号を付ければ良くなり、結果としてパケット全体のサイズを小さくでき、配信効率を向上させることが可能となる。
【0080】
また、通常上位層において誤りデータ訂正を行った後に、更に下位層で従来通りそのまま誤り訂正を行うと全体の誤り耐性は必要以上の処理が施されてしまう。通常、伝送速度(伝送効率)と誤り耐性はトレードオフの関係であるため、必要以上に誤り耐性を強くすると、伝送速度の低下を招くこととなる。
【0081】
本実施形態では、上位層と下位層とのレイヤ間でやり取りを行うことにより、全体として必要十分な誤り耐性を獲得した伝送効率の良いシステムを提供することが可能となる。
【0082】
〔第2実施形態〕
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、図7の配信装置12に示すように、第1実施形態のヘッダ解析部110がヘッダ解析部120に置き換わったものである。他の機能部においては、第1実施形態と構成は同一であるため、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0083】
第2実施形態におけるヘッダ解析部120の動作として、再生装置30及び/又はネットワーク5から、フィードバック情報(ネットワークの誤り率や、再生装置30の受信状態(ビットレートや利用サービス等))が入力されてフィードバックされることにより、誤り耐性パラメータを可変させる場合について説明する。
【0084】
ここで、ヘッダ解析部120の動作処理について図8を用いて説明する。まず、ヘッダ解析処理が実行され(ステップS100)、誤り耐性パラメータが導出される(S110)。続いて、フィードバック情報が受信される(ステップS204)。
【0085】
ここで、フィードバック情報とは、外部から入力される情報であり、例えば、ネットワークに関する情報(誤り率や、伝送速度、輻輳状態等)や、再生装置30に関する情報(再生装置の端末能力、受信ビットレート、誤り率、利用サービス等)である。
【0086】
これらのフィードバック情報と、誤り耐性パラメータとを比較し、所望する誤り耐性が確保されているか否かを判定する。
【0087】
ここで、所望する誤り耐性とは、端末の種類に応じて利用者が設定しても良いし、オペレータ等のネットワーク管理者が設定してもよい。また、サービスに応じて設定してもよい。
【0088】
具体的には、音声データについては誤り耐性を低く設定し、文字データについては誤り耐性を強くする設定としたり、固定端末の場合は誤り耐性を低く設定し、移動端末の場合は誤り耐性を強く設定したりするといった事が可能である。
【0089】
ここで、所望の誤り耐性を確保出来てない場合には(ステップS206;No)、所望の誤り耐性となるように誤り耐性パラメータを強く更新する(ステップS208;Yes→ステップS212)。
【0090】
他方、所望の誤り耐性が十分に確保出来ている場合には、所望の誤り耐性となるように誤り耐性パラメータを弱く更新する(ステップS208;No→ステップS210;Yes→ステップS214)。
【0091】
具体的には、例えば、線形符号(N、K、D)で誤り耐性が足りない場合は、パラメータであるDをD+1と変化させる。これにより、第2符号生成部112において生成される第2符号は(N+α、K、D+1)(αは使用する符号によって異なる)となり、誤り耐性が強くなる。
【0092】
逆に、誤り耐性が十分な場合は、パラメータであるDをD−1と変化させる。これにより、第2符号生成部112において生成される第2符号は(N−β、K、D−1)(βは使用する符号によって異なる)となり、誤り耐性が弱くなる。
【0093】
このように、本実施形態によれば、ネットワークの状態、受信端末(再生装置)の状態を中継装置にフィードバックすることにより、実際の通信に基づいた効率の良い誤り訂正符号を付加することが可能となる。
【0094】
これは、同じ装置であっても、使用する時間、他の端末の状態、ネットワークの通信状況に応じて、その都度適切な符号を生成し、付加することが出来る。
【0095】
〔第3実施形態〕
続いて、第3実施形態について説明する。上述した実施形態は、下位層において第2パケット生成部を有しており、第2パケット生成部において第2パケットを生成して付加していた。本実施形態は、第2パケットを生成する代わりに、送信部が変調方式を変化させることにより、誤り耐性を変化させる実施形態について説明する。
【0096】
具体的には、図9に示す第3実施形態の配信装置14は、第1実施形態の中継装置10と比較して、第2符号生成部112、第2パケット生成部114を有さず、送信部116の代わりに送信部130を備えている。
【0097】
すなわち、配信装置14においては、ヘッダ解析部110において導出された誤り耐性パラメータが、送信部130に出力される。更に、第1パケット生成部108において出力される第1パケットも、送信部130に出力される。
【0098】
送信部130は、入力された誤り耐性パラメータに応じて、変調方式を変化させる。例えば、図10に示すように、送信部130は、通常QPSK方式にて変調を行って送信を行っている(図10(a))。
【0099】
ここで、ヘッダ解析部110において、上位層で十分な強度のFEC符号が付加されたと判定された場合には、16QAM(図10(b))で変調して送信される。他方、上位層で十分な強度のFEC符号が付加されていないと判定された場合には、QPSK(図10(a))で変調して送信される。これは、QPSKに比べ、16QAMは、4倍のシンボルレート(速度)を実現できるが、シンボル間の距離が1/3となるため、同一電力では雑音やフェージングに対する耐性が弱いからである。
【0100】
なお、このときFEC強度は単位時間の平均で評価し、その時間単位で切り替える事としてもよいし、上位層のストリームやサービスの種別毎に切り替える事としても良い。
【0101】
また、本実施形態においても、第2実施形態のように、ネットワークや再生装置等の状態に応じて、ヘッダ解析部150が誤り耐性パラメータを可変させても良い。
【0102】
具体的には、図11に示すように、ネットワーク5や、再生装置30から、誤り率や、ビットレート、各種状態情報をヘッダ解析部150にフィードバック入力し、フィードバックを反映させて誤り耐性パラメータを導出すればよい。
【0103】
このように上述の実施形態に基づけば、MTUが異なるサイズのネットワークを中継する場合であっても、MTUサイズに合わせてFEC符号を付加することにより、効率よくデータが伝送可能になる。更に、FEC強度を適切に設定することが可能となり、誤り訂正に強く、信頼性の高い通信を行うことが可能となる。
【0104】
〔変形例〕
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0105】
また、上述の実施形態において実行される処理は、各機能部をハードウェアとして構成しても良いし、ソフトウェアとして実現してもよい。すなわち、図7〜図9の処理を実行するプログラムを各装置において記憶し、制御部(例えば、CPU等)によって実行されることによって実現されることとしても良い。
【0106】
また、上述した実施形態における各装置の一部又は全部を典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現してもよい。各装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能であることは勿論である。
【0107】
また、上述の実施形態においては、例えば図2のパケット読み出し部102から送信される受信パケットに基づいて第1符号生成部104において第1符号(FEC符号)及びヘッダ生成部106によりFEC識別情報を含んだヘッダを生成した。そして、第1パケット生成部108において、第1符号と、ヘッダを付加した第1符号を生成することとして説明した。
【0108】
しかし、受信パケットに、FEC符号及びFEC識別情報を含むヘッダが付加されており、かつ出力ネットワークのパケットサイズとの整合が取れている場合には、当該処理をしなくても良い。この場合であっても、受信パケットに含まれているFEC符号(第1符号)に基づいて、第2符号が生成されることとなり、誤り耐性を維持しながら効率よくパケットを中継することが可能となる。
【符号の説明】
【0109】
1 コンテンツ配信システム
3、5 ネットワーク
10 配信サーバ
100 受信部
102 パケット読み出し部
104 第1符号生成部
106 ヘッダ生成部
108 第1パケット生成部
110 ヘッダ解析部
112 第2符号生成部
114 第2パケット生成部
116 送信部
20 送信装置
30 再生装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成部と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成部と、
前記第2パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記第2パケットは、前記第1パケットのヘッダにFEC識別情報が付加されなかった場合と比較して符号長が短くなることを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項4】
前記第1符号と、前記第2符号とは連接符号を構成することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の中継装置。
【請求項5】
前記第1符号と、前記第2符号とは積符号を構成することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の中継装置。
【請求項6】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項7】
前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする請求項6に記載の中継装置。
【請求項8】
受信されたパケットに基づいて、第1符号としてFEC符号を生成する第1符号生成部と、
前記受信パケットと、前記FEC符号と、前記FEC符号に関する識別情報であるFEC識別符号とを含めた第1パケットを生成する第1パケット生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の中継装置。
【請求項9】
前記第1パケット生成部は、前記FEC符号のサイズに基づいて、複数のパケットに分割して第1パケットを生成することを特徴とする請求項8に記載の中継装置。
【請求項10】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、
前記第2パケットを送信することを特徴とする中継方法。
【請求項11】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信することを特徴とする中継方法。
【請求項12】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成機能と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成機能と、
前記第2パケットを送信する送信機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成部と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成部と、
前記第2パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記第2パケットは、前記第1パケットのヘッダにFEC識別情報が付加されなかった場合と比較して符号長が短くなることを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項4】
前記第1符号と、前記第2符号とは連接符号を構成することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の中継装置。
【請求項5】
前記第1符号と、前記第2符号とは積符号を構成することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の中継装置。
【請求項6】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継装置において、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析部と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項7】
前記ヘッダ解析部は、受信装置からフィードバック情報を受信し、フィードバック情報とFEC識別情報とに基づいてパラメータを導出することを特徴とする請求項6に記載の中継装置。
【請求項8】
受信されたパケットに基づいて、第1符号としてFEC符号を生成する第1符号生成部と、
前記受信パケットと、前記FEC符号と、前記FEC符号に関する識別情報であるFEC識別符号とを含めた第1パケットを生成する第1パケット生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の中継装置。
【請求項9】
前記第1パケット生成部は、前記FEC符号のサイズに基づいて、複数のパケットに分割して第1パケットを生成することを特徴とする請求項8に記載の中継装置。
【請求項10】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成し、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成し、
前記第2パケットを送信することを特徴とする中継方法。
【請求項11】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継方法において、
第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出し、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信することを特徴とする中継方法。
【請求項12】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、抽出されたFEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、第2符号を生成する第2符号生成機能と、
前記第1パケットと、前記第2符号とに基づいて第2パケットを生成する第2パケット生成機能と、
前記第2パケットを送信する送信機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
少なくとも一台の受信装置にIPマルチキャストのコンテンツが配信されるコンテンツ配信システムの中継機能を有するコンピュータに、
入力された第1パケットのヘッダからFEC識別情報を抽出し、FEC識別情報に基づいてパラメータを導出するヘッダ解析機能と、
前記導出されたパラメータに基づいて、変調方式を変化させて前記第1パケットを送信する送信機能と、
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−26836(P2013−26836A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159961(P2011−159961)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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