説明

中継装置、回線制御システム、回線制御方法及び回線制御プログラム

【課題】 運用中の回線に使用を及ぼすことなく、特定回線の呼接続正常性を確認する。
【解決手段】 PSTN網に属するPBX4とIP網に属するSS7との間に接続され、各装置間の通信を可能とするAGW1であって、PBX4と間に接続される回線群2の中から予め指定した回線21を閉塞する閉塞手段と、SS7からのアクセスをその閉塞回線を介してPBX4に着信させる着信制御手段とを実行する加入者側管理部A5を有する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワーク間の通信を可能とする中継装置に関し、より詳しくは、各ネットワークに属する装置間の通信を、所定回線を介して中継する制御を行う中継装置、回線制御システム、回線制御方法及び回線制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
VoIP(Voice over Internet Protocol)を採用した電話交換システムの一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1のVoIPトランク装置は、交換機インタフェースとIPインタフェースとを有しこれらインタフェース相互間で呼制御信号及び音声信号を送受信するものであって、IPインタフェースに付与された複数のIPアドレスと交換機インタフェースに接続する複数の電話回線とを各々対応づけて記憶する記憶手段と、IPインタフェースを通じてIP網からのIPアドレスを受信するとこのIPアドレスに対応した電話番号を記憶手段から検索する検索手段と、交換機インタフェースを通じて検索手段にて検索された電話番号に関わる電話回線への着信動作を実行する制御手段と、から構成されている。
このような構成からなるVoIPトランク装置によれば、従来はIP網側からの着信に際しゲートウェイ配下の電話機を特定することができなかったが、IP網側の発信端末からの指定に応じて特定の電話機(電話回線)に着信させることができるようになった。
【0003】
【特許文献1】特開2003−319066号公報(第1−5頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したVoIPトランク装置においては、指定の電話機(電話回線)に着信させることは可能となるが、PBX(Private Branch eXchange:構内交換機)の前段に収容され、TSW(Time SWitch:時分割スイッチ)と接続されるODT(Out-Band Dialing Trunk)回線を指定して捕捉させることは不可能であった。
ここで、一般的なVoIP電話交換システムにおける上記問題点について図面を参照しながら詳細に説明する。
図7は、電話網とIP網とを中継する従来のアクセスゲートウェイ(AGW)を模式的に示した模式図であり、具体的には、AGW1’を介し、SS(Session Initiation Protocol Server:SIPサーバ)7側からPBX4側に対して着信が行われる様子を示した模式図である。
【0005】
図7に示す電話交換システムにおいて、例えば、加入者41〜43が外部との通信の際に利用される回線、すなわちトランク回線として回線群2がテーブルT1に設定されていた場合、SS7側から加入者41への着信があったとき、通常は、回線群2に含まれる回線21〜23のうちいずれか一の空き回線が無作為に選択されて加入者41に着信される。
ただし、例えば回線21が障害中で、かつ、回線22が使用中のような場合には、図7に示すように、着信回線は、自ら回線23が選択されて着信が行われることとなる。
【0006】
このように、上記のような電話交換システムにおいては、着信時には、回線の状態による場合を除いては、原則として、特定のトランク回線を指定して着信させることはできなかった。
このため、図7に示すAGW1’のような中継装置において、例えば、特定回線を対象とした着信時の呼接続正常性を確認するような場合は、回線群2に含まれる回線のうち、試験対象回線以外の回線を閉塞し、強制的に試験対象回線を介して着信させる方法が考えられる。
【0007】
しかしながら、このような試験方法では、試験対象回線以外の回線が使用できなくなるため、運用中には実施することが困難であった。
また、試験対象回線のみからなる別回線群を新たに設定し、この回線群に着信させるようにルートデータを設定する方法も考えられるが、試験の度にデータ変更等を行う必要があり、現実の実施は困難である。
特に、代表群等の複雑な局データが設定されている場合、他ノードの局データも変更する必要がある等、設定変更に要する作業量が膨大となり、運用中の設定変更は極めて困難であった。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題である運用中の回線に影響を与える問題を発生することなく、特定回線における着信時の呼接続正常性を確認することが可能な中継装置、回線制御システム、回線制御方法及び回線制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の中継装置は、二以上のネットワーク間に配置され、各ネットワークに属する装置間の通信を可能とする中継装置であって、ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞する手段と、閉塞された前記回線を介して一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継する手段と、を備えた構成としてある。
【0010】
また、本発明の回線制御システムは、一のネットワークに属する装置と、他のネットワークに属する装置と、前記各装置間の通信を可能とする中継装置と、からなる回線制御システムであって、前記中継装置は、前記一のネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞する手段と、閉塞された前記回線を介して前記一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継する手段と、を備えた構成としてある。
【0011】
また、本発明の回線制御方法は、二以上のネットワーク間に配置され、各ネットワークに属する装置間の通信を可能とする中継装置によって行う回線制御方法であって、ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞するステップと、閉塞された前記回線を介して一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継するステップと、を有する方法としてある。
【0012】
さらに、本発明の回線制御プログラムは、二以上のネットワーク間に配置され、各ネットワークに属する装置間の通信を可能とする中継装置における回線制御プログラムであって、前記中継装置を構成するコンピュータを、ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞する手段、閉塞された前記回線を介して一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継する手段、として機能させるためのプログラムとしてある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザの指定に応じ任意の回線を介したネットワーク間通信が行えるようになる。
このため、運用中の回線に支障を及ぼすことなく、特定回線について正常性の確認試験等を実施することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について図1〜図7を参照して説明する。
ここで、以下に示す本発明の一実施形態に係るアクセスゲートウェイ(以下、AGWという。)は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理・機能を行わせる。すなわち、本実施形態のAGWにおける各処理・手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
【0015】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るAGW1の構成を示した機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るAGW1は、PBX4とSS7との間に接続されており、本発明の中継装置を構成するものである。
PBX4は既存PSTN(Public Switched Telephone Network)網に、SS7はIP網(VoIP網)に、それぞれ属している装置であり、AGW1はこれら装置同士の通信を可能とするものである。
なお、PBX4は、加入者が外部との通信を行うために必要な通話路を確保するものであり、本実施形態においては、回線群2を構成する回線21〜23と加入者41〜43との接続制御を行い、外部(この場合AGW1又はSS7以降のIP網)との通信を可能とするものである。
また、SS7は、VoIP網における端末同士の通信をSIPメッセージの送受、転送等を行うことによって実現するものである。
【0016】
本実施形態に係るAGW1は、主に、保守制御部A3、加入者プロトコル制御部A4、加入者側管理部A5、呼制御部A6及びSIP制御部A7によって所定の回線制御を行っている。
保守制御部A3は、回線閉塞(本発明の閉塞手段)や試験呼発信時のコマンド制御を行う他、ハードA1に対する試験閉塞や試験呼発信を要求するものである。
加入者プロトコル制御部A4は、加入者側プロトコルを終端したうえで加入者側管理部A5から必要な情報を取得し、呼制御部A6や加入者側へ係る情報を通知するものである。
加入者側管理部A5は、回線状態管理、回線選択(本発明の回線選択手段)、試験呼識別子管理(本発明の識別子設定手段)等を行うものであり、加入者回線や加入者に関するデータを管理している。
また、PBX4との間に接続されている回線群2の中から予め指定され閉塞処理が行われた一回線(回線21)を介して着信を行わせる着信制御手段も備えている。
【0017】
呼制御部A6は、プロトコルに依存しない共通呼処理機能を有するものである。
SIP制御部A7は、SIP(Session Initiation Protocol)を終端し、SIPベースのVoIP(Voice over Internet Protocol)網とのインターワークを提供するものである。
本実施形態においては、SS7との間でSIPメッセージの送信(本発明のアクセス送信手段)及び受信(本発明のアクセス受信手段)を行うことによって、擬似的にVoIP網からのアクセスを実現するものである。
【0018】
次に、以上のような構成からなる本実施形態のAGW1における動作手順について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の第一実施形態に係るAGW1を介したアクセス制御を模式的に表した模式図であり、図3乃至図5は、本実施形態に係るAGW1の動作手順を示したシーケンス図である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係るAGW1は、SS7側からPBX4の加入者41へのアクセスを、AGW1を介して中継するものであり、特に、本実施形態においては、回線群2の中から予めユーザが指定した回線21を介して回線試験を行うことを前提としている。
なお、加入者41〜43が外部との通信の際に利用される回線として回線群2がテーブルT1に設定されているものとし、回線21乃至23は本試験を行う前の段階ではすべて正常であるものとする。
すなわち、SS7からのアクセスをPBX4側に呼として着信させる場合、通常は、回線群2を構成する回線21乃至23のうち、正常な空き回線のいずれかが無作為に捕捉されて着信されるが、本実施形態のAGW1で行う回線試験では、回線群2の中の一回線(回線21)に特定して着信を行わせることを目的とするものである。
【0020】
まず、図3に示すように、本実施形態にAGW1は、所定コマンドの投入に応じ、保守制御部A3が、加入者管理部A5に試験対象回線の閉塞と試験呼識別子の設定を要求する(B1)。
加入者側管理部A5は、試験対象回線の閉塞と所定の試験呼識別子(c1)を設定し保守制御部A3に応答を返す(B2)。
なお、この設定を行うことにより、試験呼識別子(c1)が付された呼以外の呼は試験対象回線に接続不可能となる。
【0021】
次に、本実施形態における試験呼発信の手順について図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係るAGW1における試験呼発信時の動作手順を示したシーケンス図である。
図4に示すように、まず、AGW1は、所定コマンドの投入に応じ、保守制御部A3が、加入者側管理部A5に対し、試験呼発信時に使用する試験呼に付する試験呼識別子を設定するよう要求を行う(S1)。
なお、この試験識別子は、ステップB2において加入者側管理部A5によって設定された試験呼識別子(c1)である。
【0022】
次に、加入者側管理部A5は、これを受けて発信用試験呼識別子として、試験呼識別子(c1)を設定し、保守制御部A3に応答する(S2)。
保守制御部A3は、加入者側管理部A5からの応答を受信すると、ドライバA2経由でハードA1に対して試験呼発信を要求する(S3,S4)。
そして、ハードA1は、保守制御部A3からの試験呼発信要求を受け、所定の試験発信回線から試験呼を発信する(S5)。
次いで、加入者プロトコル制御部A4は、ドライバA2経由で試験呼を受信し(S6)、加入者側管理部A5に試験呼識別子の設定を要求する(S7)。
なお、この試験識別子は、ステップS2において加入者側管理部A5が設定した発信用試験呼識別子(c1)である。
【0023】
これを受け、加入者側管理部A5は、試験呼に発信用試験呼識別子(c1)を付した後、加入者プロトコル制御部A4に送信する(S8)。
次いで、加入者プロトコル制御部A4は、発信用試験呼識別子(c1)を含む試験呼を呼制御部A6経由でSIP制御部A7に送信する(S9,S10)。
そして、SIP制御部A7は、試験呼に含まれる発信用試験識別子(c1)をSIPメッセージのFromヘッダのcpc(the Calling Party's Category:発信者種別)のパラメータに設定し、SS7にSIPメッセージ(INVITE)を送信する(S11)。
例えば、cpc=1とする試験識別子を設定した場合、
「From:”XXXX”<sip:XXXX@DDD.DDD.DDD.DDD:5060;user=phone;cpc=c1>;tag=DDDDDDD」といったSIPメッセージを送信する。
【0024】
次に、本実施形態における試験呼受信の手順について図面を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係るAGW1における試験呼受信時の動作手順を示したシーケンス図である。
図5に示すように、AGW1は、まず、SIP制御部A7が、SS7から試験識別子(c1)を含むSIPメッセージ(INVITE)を受信し、その試験識別子(c1)を取得する(R1)。
【0025】
次に、SIP制御部A7は、試験呼にその試験呼識別子(c1)を設定し、呼制御部A6経由で加入者プロトコル制御部A4に送信する(R2,R3)。
加入者プロトコル制御部A4は、試験呼を受信すると、加入者側管理部A5に試験呼識別子(c1)を送信するとともに、着信回線選択の要求を行う(R4)。
加入者側管理部A5は、受信した試験呼識別子(c1)に関連づけて閉塞されている試験対象回線を着信回線として選択すると、加入者プロトコル制御部A4にその旨応答する(R5)。
そして、加入者プロトコル制御部A4は、選択された試験対象回線にドライバA2経由で試験呼を送信し、PBX4は呼を着信することとなる(R6,R7,R8)。
【0026】
以上説明したように、本実施形態のAGW1によれば、保守制御部A3、加入者管理部A5、SIP制御部A7等を備えており、主にこれら各部の連携により回線制御を行っている。
具体的には、保守制御部A3が、加入者側管理部A5に対して、試験回線の閉塞要求や試験呼識別子の設定要求を行うようにしている。
また、加入者側管理部A5は、試験対象回線の閉塞処理を行ったり、その回線を識別するための試験呼識別子の設定を行ったりするだけでなく、SS7側から受信した試験呼識別子に対応する回線をPBX4向けの着信回線として選択する着信回線選択制御(着信制御手段)を行う。
【0027】
このため、PBX4との間に接続される回線群2のうち、ユーザの任意の回線を捕捉して着信を行わせることが可能である。
したがって、特定回線についてその正常性等の確認のために、所定の試験呼により回線試験を行うことが出来る。
また、このような試験方法によれば、試験対象回線のみが閉塞されて試験が行われ、回線群21を構成する他の回線には何ら影響を与えることがないため、運用中に実施することも可能である。
【0028】
さらに、本実施形態のAGW1はSIP制御部A7を備えており、SS7との間で所定のSIPメッセージの送受信を行うことでIP網との通信を可能としている。
特に、ハードA1から発信された試験呼に応答するSS7からの折り返しメッセージであるSIPメッセージを受信し、そのSIPメッセージから試験呼識別子を抽出することによって、着信回線選択制御に必要な識別データを提供するようにしている。
このため、自局のみで特定回線の折り返し試験が出来るようになり、より利便性の高い試験方法を提供できるようになっている。
【0029】
このように、本実施形態に係るAGW1によれば、利便性に優れた試験方法を提供することができるとともに、他の回線に影響を与えることのない信頼性に優れた通信システムを提供することが可能である。
【0030】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係るAGW1について図6を参照しながら説明する。
図6は、本発明の第二実施形態に係るAGWによって構成されたネットワークを示すネットワーク図である。
本実施形態に係るAGW1は、前述の第一実施形態と同様にIP網(VoIP網)と既存のPBXやその加入者との接続を可能とする中継装置である。
但し、本実施形態では、同一ネットワーク内に複数のAGW1a,1bを有し、AGW1aとAGW1bとがSS7又はL3スイッチ(Layer 3 switch)5a,5bを介して接続されている点に特徴を有する。
【0031】
このような構成にすることによって、例えば、AGW1aに収容される回線21を閉塞し、この回線21に対応する識別子として"c1"を設定した場合、AGW1bから識別子c1を指定して発信することにより所定の回線(回線21)を介して着信させることが出来るようになる。
つまり、異なる中継装置間でも本発明の回線制御を実行することが可能となる。
さらに、本実施形態の場合、L3を介して発着信が行うことも可能なため、SS7を介することなく、ネットワーク負荷を軽減させることも可能である。
【0032】
このように、本実施形態のAGW1a及びAGW1bを用いたネットワーク構成によれば、第一実施形態と同様の効果が発揮されるだけでなく、複数のAGW1a,1b間においても本発明の回線制御ができ、特定回線を対象とした試験を複合的に行うことができる。
このため、さらに利便性に優れ、様々な形態をもつネットワークにおいても応用できるようになる。
【0033】
以上、本発明の中継装置、回線制御システム、回線制御方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかる中継装置、回線制御システム、回線制御方法は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の中継装置は、着信試験に限らず、特定回線を指定した発信時の試験に応用しても良い。
また、上述のような回線試験に限らず、例えば、災害時の有線回線その他の重要回線を捕捉して発着信させるためのシステムであっても良い。
このように、本発明によれば、様々なシステムに応用することができ、拡張性に優れた中継装置を実現することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、PSTN網とIP網と中継するゲートウェイ装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第一実施形態に係るAGWの基本構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係るAGWを介したアクセス制御を模式的に表した模式図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るAGWの動作手順を示した第一のシーケンス図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係るAGWの動作手順を示した第二のシーケンス図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係るAGWの動作手順を示した第三のシーケンス図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係るAGWによって構成されたネットワークを示すネットワーク図である。
【図7】電話網とIP網とを中継する従来のアクセスゲートウェイを模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
【0036】
1 AGW(アクセスゲートウェイ)
2 回線群
4 PBX(構内交換機)
5 L3スイッチ(Layer 3スイッチ)
7 SS(SIPサーバ)
41,42,43 加入者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二以上のネットワーク間に配置され、各ネットワークに属する装置間の通信を可能とする中継装置であって、
ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞する手段と、
閉塞された前記回線を介して一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継する手段と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項2】
一のネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定された回線を閉塞させる閉塞手段と、
前記閉塞手段によって閉塞された回線に対応する識別子を設定する識別子設定手段と、
他のネットワークに属する装置からのアクセス信号であって、所定の識別子が付されたアクセス信号を受信するアクセス受信手段と、
受信した前記アクセス信号に付された識別子に対応する回線を選択する回線選択手段と、
前記アクセス受信手段によって受信されたアクセス信号に応ずる呼を、前記回線選択手段により選択された回線を介して前記一のネットワークに属する装置に着信させる着信制御手段と、を備える請求項1記載の中継装置。
【請求項3】
前記識別子設定手段によって設定された識別子を所定のアクセス信号に付して前記他のネットワークに属する装置に送信するアクセス送信手段を備え、
前記アクセス受信手段は、
前記アクセス送信手段が送信したアクセス信号に応答する信号であって、前記識別子と同一の識別子が付されたアクセス信号を前記他のネットワークに属する装置から受信する請求項1又は2記載の中継装置。
【請求項4】
IP網とPSTN網との間に配置され、前記IP網に属する装置とPSTN網に属する装置との通信を可能とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の中継装置。
【請求項5】
前記IP網はSIPベースのVoIP網であり、当該VoIP網に属する装置はSIPサーバである請求項4記載の中継装置。
【請求項6】
前記PSTN網に属する装置は、PBXである請求項4記載の中継装置。
【請求項7】
前記アクセス受信手段は、他のネットワークに属する装置からのSIPメッセージであって、所定の識別子が含まれたSIPメッセージを受信し、
前記回線選択手段は、受信した前記SIPメッセージに含まれている識別子に対応する回線を選択し、
前記着信制御手段は、前記受信したSIPメッセージに応ずる呼を、前記回線選択手段により選択された回線を介して一のネットワークに属する装置に着信させる請求項2乃至6のいずれか一項記載の中継装置。
【請求項8】
前記アクセス送信手段は、前記閉塞手段によって閉塞された回線に対応する識別子を所定のSIPメッセージに含めて前記他のネットワークに属する装置に送信し、
前記アクセス受信手段は、前記送信されたSIPメッセージに応答するメッセージであって、前記識別子と同一の識別子が付されたSIPメッセージを前記他のネットワークに属する装置から受信する請求項3乃至7のいずれか一項記載の中継装置。
【請求項9】
一のネットワークに属する装置と、他のネットワークに属する装置と、前記各装置間の通信を可能とする中継装置と、からなる回線制御システムであって、
前記中継装置は、
前記一のネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞する手段と、
閉塞された前記回線を介して前記一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継する手段と、
を備えることを特徴とする回線制御システム。
【請求項10】
前記中継装置は、
一のネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定された回線を閉塞させる閉塞手段と、
前記閉塞手段によって閉塞された回線に対応する識別子を設定する識別子設定手段と、
設定した前記識別子を所定のアクセス信号に付して他のネットワークに属する装置に発信するアクセス送信手段と、
他のネットワークに属する装置からのアクセス信号であって、所定の識別子が付されたアクセス信号を受信するアクセス受信手段と、
受信したアクセス信号に付されている識別子に対応する回線を選択する回線選択手段と、
前記アクセス受信手段によって受信されたアクセス信号に応ずる呼を、前記回線選択手段により選択された回線を介して前記一のネットワークに属する装置に着信させる着信制御手段と、を備え、
前記他のネットワークに属する装置は、
前記中継装置から送信されたアクセス信号に応答する信号であって、前記識別子と同一の識別子が付されたアクセス信号を前記中継装置に送信するアクセス送信手段を、備える請求項9記載の回線制御システム。
【請求項11】
二以上のネットワーク間に配置され、各ネットワークに属する装置間の通信を可能とする中継装置によって行う回線制御方法であって、
ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞するステップと、
閉塞された前記回線を介して一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継するステップと、
有することを特徴とする回線制御方法。
【請求項12】
ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定された回線を閉塞させる閉塞ステップと、
前記閉塞ステップによって閉塞された回線に対応する識別子を設定する識別子設定ステップと、
他のネットワークに属する装置からのアクセス信号であって、所定の識別子が付されたアクセス信号を受信するアクセス受信ステップと、
受信した前記アクセス信号に付されている識別子に対応する回線を選択する回線選択ステップと、
前記アクセス受信ステップによって受信されたアクセス信号に応ずる呼を、前記回線選択ステップにより選択された回線を介して前記ネットワークに属する装置に着信させる着信制御ステップと、を有する請求項11記載の回線制御方法。
【請求項13】
二以上のネットワーク間に配置され、各ネットワークに属する装置間の通信を可能とする中継装置における回線制御プログラムであって、
前記中継装置を構成するコンピュータを、
ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定した回線を閉塞する手段、
閉塞された前記回線を介して一のネットワークに属する装置と他のネットワークに属する装置との通信を中継する手段、
として機能させるための回線制御プログラム。
【請求項14】
前記中継装置を構成するコンピュータを、
ネットワークに属する装置との間に接続される回線群の中から予め指定された回線を閉塞させる閉塞手段、
前記閉塞手段によって閉塞された回線に対応する識別子を設定する識別子設定手段、
他のネットワークに属する装置からのアクセス信号であって、所定の識別子が付されたアクセス信号を受信するアクセス受信手段、
受信した前記アクセス信号に付されている識別子に対応する回線を選択する回線選択手段、
前記アクセス受信手段によって受信されたアクセス信号に応ずる呼を、前記回線選択手段により選択された回線を介して前記ネットワークに属する装置に着信させる着信制御手段、として機能させる請求項13記載の回線制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−177545(P2009−177545A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14380(P2008−14380)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】