説明

中鎖ペルオキシカルボン組成物で屠体、食肉、又は食肉製品を洗浄するための方法

本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物を利用して屠体、食肉、又は食肉製品上又は屠体、食肉、又は食肉製品を加工する際に使用される表面上の微生物汚染を低減する方法、及び該組成物に関する。該方法には、屠体、食肉製品又は表面に対し中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する段階が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物を利用して屠体、食肉、又は食肉製品上の、あるいは屠体、食肉、又は食肉製品を加工する際に使用される表面上の微生物汚染を低減するための方法及び該組成物に関する。該方法には、屠体、食肉、食肉製品又は表面に対し中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する段階が含まれる。
【背景技術】
【0002】
屠体、食肉、又は食肉製品の浄化は、不衛生で時間のかかる仕事である。さらに、屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物個体群を効果的に低減する日常的浄化作業を行なわない場合、いくらかの問題が発生し得る。例えば、内蔵を破裂させてしまったり又は適切に除去しなかった場合には、食肉が病原体又は感染性微生物(E. coli)を保持したり、あるいは漸増的にさらに汚染された状態となる可能性がある。さらに、食肉の不完全な浄化は、食肉を消費に不適当なものとする感染性微生物の存在をもたらしうる。
【0003】
食肉又は食肉製品を浄化するための従来のプロセスは、乳酸又は従来のペルオキシカルボン酸組成物といったような抗菌剤を利用する。従来のペルオキシカルボン酸組成物は典型的には、短鎖ペルオキシカルボン酸又は短鎖ペルオキシカルボン酸と中鎖ペルオキシカルボン酸の混合物を内含している(例えば、米国特許第5,200,189号、5,314,687号、5,409,713号、5,437,868号、5,489,434号、6,674,538号、6,010,729号、6,111,963号及び6,514,556号を参照のこと)。一部の従来の抗菌剤の使用は、屠肉の変色を結果としてもたらす可能性があり、過酸化水素による従来の処理は、屠肉の漂白及び膨張をもたらす。
【0004】
官能検査による食肉の純度及び安全性及び食肉及び鶏肉業界の切迫した経済性に対する消費者の関心が高まった結果、官能検査上の及び環境上の純度と共に衛生化の増大を提供する食肉製品衛生化組成物及びプロセスに対するニーズが継続的に存在することになった。
【発明の開示】
【0005】
発明の要約
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物を利用して屠体、食肉、又は食肉製品上の、あるいは屠体、食肉、又は食肉製品を加工する際に使用される表面上の微生物汚染を低減する方法、及び該組成物に関する。該方法には、屠体、食肉製品又は表面に対し中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する段階が含まれる。
【0006】
該発明の組成物及びその他の中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を、屠体、食肉、又は食肉製品上、及び屠体、食肉、又は食肉製品を洗浄又は加工するのに用いられる水の中の微生物汚染を低減するための方法において利用することができる。これらの方法には、例えば微生物個体群を低減するのに充分な量及び時間で中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を加工中の屠体、食肉、又は食肉製品に適用する段階が含まれる。該組成物は、屠体、食肉、又は食肉製品の沈漬、洗い流し、スプレー又はエアチリング又はこれらの経路の組合せを含めた方法により適用可能である。加工中、組成物は、丸のまま、解体状態、分割状態又は脱骨状態の屠体、食肉、又は食肉製品に適用可能である。
【0007】
1実施形態においては、該方法は、屠体、食肉、又は食肉製品に対し予め適用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を回収する段階を内含する。回収された組成物は、再利用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を生成するべく充分な量の中鎖ペルオキシカルボン酸を添加することによって処理することができる。再利用された中鎖組成物は、ヒト病原体といった微生物を低いレベルでしか含まず、より安全に廃棄可能である。代替的には、再利用された中鎖組成物を加工中に屠体、食肉、又は食肉製品に適用することができる。1つの実施形態においては、再利用された組成物を形成するように添加された中鎖ペルオキシカルボン酸は、適切な使用の抗菌レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸をもつ組成物を形成するべく中鎖ペルオキシカルボン酸の濃縮物組成物を添加することによって形成される。
【0008】
1実施形態においては、本発明の抗菌組成物は中鎖ペルオキシカルボン酸、可溶化剤、酸化剤及び酸味料を内含する。かかる組成物は、約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約0.001〜約10wt%の中鎖カルボン酸;約0〜約99.99wt%の水;及び約0.001〜約80wt%の、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を可溶化するために有効な可溶化剤を内含し得る。組成物は、マイクロエマルジョン及び/又は、7重量部の中鎖カルボン酸毎に2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含し得る。この形態では、中鎖ペルオキシカルボン組成物は約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸、約95〜約99.99wt%の水;及び約2〜約23.000ppmの可溶化剤を内含し得る。
【0009】
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用されている「中鎖カルボン酸」という語句は、1)等しい濃度の短鎖カルボン酸に関する悪臭、刺激臭、又は不快臭と比較して臭いが少ないか又は無臭であり、かつ2)中性pHで水性緩衝液中で1mMより大きい重大なミセル濃度を有するカルボン酸を意味する。中鎖カルボン酸は、20℃で水中で無限に可溶であるか又は水と混和可能なカルボン酸を除外する。中鎖カルボン酸は、180〜300℃の沸点(760mmHg圧で)をもつカルボン酸を内含する。1つの実施形態においては、中鎖カルボン酸は200〜300℃の沸点(760mmHg圧で)をもつカルボン酸を内含する。1実施形態においては、中鎖カルボン酸は25℃で1g/L未満の水中溶解度をもつものを含む。中鎖カルボン酸の例としては、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸及びドデカン酸が含まれる。
【0010】
本明細書で使用されている「中鎖ペルオキシカルボン酸」という語句は、中鎖カルボン酸のペルオキシカルボン酸形態を意味する。
【0011】
本明細書で使用されている「短鎖カルボン酸」という語句は、1)特徴的な悪臭、刺激臭又は不快臭を有し、かつ2)20℃で水中で無限に可溶であるか水と混和可能であるカルボン酸を意味する。短鎖カルボン酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸が含まれる。
【0012】
本明細書で使用されている「短鎖ペルオキシカルボン酸」という語句は、短鎖カルボン酸のペルオキシカルボン酸形態を意味する。
【0013】
本明細書で使用されている「可溶化剤」という用語は、中鎖カルボン酸、中鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を可溶化するか又はその担体(例えば水)の中での溶解度を増大させる当該組成物の成分を意味する。例えば、1つの実施形態において、可溶化剤は、中鎖カルボン酸、中鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を含む組成物を溶解状態に保つことができるか又は、分離層を形成することなく通常の貯蔵条件下で細かくかつ均等に分散された状態に該組成物を保つことができる。可溶化剤は例えば、過酸化水素といったような酸化剤と反応できるようにするのに充分なレベルまで中鎖カルボン酸を可溶化することができる。可溶化剤は、室温、100°F又は60℃といった通常の貯蔵条件下での相分離を測定する試験により識別され得る。本明細書で使用する「可溶化剤」という用語は、短鎖カルボン酸を含まない。これらは可溶化剤ではない。
【0014】
本明細書で使用されているように、「マイクロエマルジョン」という用語は、界面活性剤の界面フィルムにより安定化されたもう1つの液相への1つの液相の熱力学的安定した分散を意味する。該分散は、水中油又は油中水であり得る。マイクロエマルジョンは、液滴直径が約100ナノメートル以下であるとき標準的に透明な溶液である。1つの実施形態では、当該マイクロエマルジョン組成物は、青色チンダル外観を有するずり流動化粘弾性ゲルである。
【0015】
本明細書で使用される「青色チンダル外観」又は「青色チンダル」という語句は、光スペクトルの青色領域又は青色光の散乱に起因する青味がかった色相を意味する。
【0016】
本明細書で使用されているように、「粘弾性ゲル」及び「粘弾性液体」という語句は、長距離秩序又は構造を表わす粘性及び弾性の両方の特性又は応答を示す液体組成物を意味する。
【0017】
本明細書で使用されている通り、或る種の成分で「基本的に構成される」組成物又は組合せというのは、これらの成分を内含しかつ該組成物の基本的及び新規の特性に物質的に影響を及ぼすあらゆる成分が欠如した組成物を意味する。「〜で基本的に構成された」という語句は、その後にかかる成分が特定的に列挙されているのでないかぎり請求対象の組成物及び方法から短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を除外する。
【0018】
本明細書で使用されている単数又は複数の成分を「実質的に含まない」組成物又は組合せというのは、その成分を全く内含しない又はその成分を微量又は偶発的な量しか含まない組成物を意味する。微量又は偶発的な量には、もう1つの成分中に不純物として発見されるか又は中鎖ペルオキシカルボン酸の形成又は分解中のわずかな副反応の中で生成される成分の量が含まれる。
【0019】
本明細書で使用される「可溶化させるのに不充分なレベル」という語は、1つの成分が不溶性材料を可溶化させるか又は組成物を実質的に1相に保つのに充分でないその成分の濃度を意味する。
【0020】
本明細書で使用する「不快な臭い」、「攻撃的な臭い」又は「悪臭」という語句は、鼻を刺すような臭い又は刺激臭又は不快臭或いは標準的なヒトが可能な場合に身を引くような大気環境を意味する。快不快トーンが、1つの臭いの快適度又は不快度を提供する。「不快な臭い」、「攻撃的な臭い」又は「悪臭」は、5wt%の酢酸、プロピオン酸、酪酸又はその混合物の溶液と同じ位またはそれ以上に不快なものとして臭いを格付けする快不快トーンを有する。
【0021】
本明細書で使用される「微生物」という用語は、あらゆる非細胞又は単細胞(コロニー生物を含む)生物を意味する。微生物には全ての原核生物が含まれる。微生物には、全ての(藍色細菌を含めた)細菌、地衣類、真菌、原生動物、ビリノ、ウィロイド、ウイルス、ファージ及び一部の藻類が含まれる。本明細書で使用される「微生物(microbe)」は微生物(microorganism)と同義である。
【0022】
本明細書で使用する「屠体、食肉、又は食肉製品」というのは、動物を形成する屠体、赤肉、脂肪、臓器、皮膚、骨及び体液を含めた動物の肉の全ての形態を意味する。動物の肉には、哺乳動物、鳥、魚、は虫類、両生類、カタツムリ、ハマグリ、甲殻類、その他の食用種例えば伊勢エビ、カニなど又はその他の形の魚介類が含まれる。動物の肉の形態には、例えば、単独又はその他の成分と組合わされた動物の肉の全部又は一部分が含まれる。
【0023】
本明細書で使用されている「屠体」という用語は、食肉、食肉製品、食肉副産物などを捕獲又は回収するために調製された又は調製されつつある屠殺された動物を意味する。屠体は、剥皮、断頭などが行なわれた状態であり得る。
【0024】
本明細書で記述されている「食肉」という用語は、例えば人間又はペットによる消費のために切断又は捕獲された動物の一部分を意味する。食肉には、赤肉及び臓器(臓肉)例えば腎臓、心臓、肝臓、胃袋などが含まれる。食肉は、屠体の切片化、2等分、4等分及びそれ以下の部分の形をとり得る。食肉には、食料品店又は肉屋用に調製された又は彼らにより販売される状態の食肉カットが含まれる。食肉には、生で販売する又は食することのできる(例えばスシ又はタルタルステーキとして)又は消費者が調理できる部分が含まれる。
【0025】
本明細書で使用される「食肉製品」という用語は、例えば細砕、ミンチ化、養生、みじん切り、成型、調理などによって加工された食肉を意味する。食肉製品には、例えば、ひき肉、ホットドッグ、コールドカット、ソーセージ、ベーコン、ハンバーガなどを含めた細砕された食肉及び製品が含まれる。
【0026】
本明細書で使用される「食肉副産物」という用語は、廃棄物流ではなくむしろ市場に入ってくる骨、臓器、臓物、はらわたなどを含めた、一般に人間又はペットの消費向けに調製されていない動物のあらゆる有用な部分を含む。食肉副産物には、飼料及び肥料製品が含まれる。
【0027】
本明細書で使用される「食肉残渣」という語句は、加工中に屠体又は部分から除去され廃棄物流に入るあらゆる残渣、残留物、材料、排せつ物、臓物、動物部位、動物廃棄物、動物はらわた、動物臓器、細片又はかかる材料の組合せなどを意味する。
【0028】
本明細書で使用される「食肉加工表面」という語句は、食肉の加工、調製又は貯蔵活動の一部分として利用される工具、機械、機器、構造、建物などの表面を意味する。食肉加工表面の例としては、食肉加工又は調製機器、食肉加工用陶器及び食肉加工が行なわれる構造物の床、壁又は作り付け備品の表面が含まれる。食肉加工用具又は工具には、スタンガン、電気ヘッドトング、直接的殴打用の単純な失神用機器、ナイフ、食肉のこぎり、大包丁、ブロック及び食肉処理すべき動物の体重を保持するのに充分強い滑車又は鎖式ホイスト装置;プリッチ(pritch)、輪止め又は剥皮用ラック(ドレッシング・クレードル(dressing cladle));強力な梁、三脚又は軌道;スプレッダー、馬脚状鉄かぎ又は金属パイプ;バケット、作業台、湯通しバレル又はタンク、沸とう水用ポット、バレル又はシステム、ベルスクレーパ、頑丈なスクレーピングテーブル又は台、温度計、豚又はまぐさ用フック、放血用フック(垂直放血用)、血液捕集用桶、洗浄用桶(胃袋)、手洗い槽、ラック、テーブル、タンク、カッティングテーブル、トート、ごみ箱、食肉用トラック、包装用テーブル、食肉包装用紙又はプラスチックホイル/バッグ、工具ホルダー、金属マスク、安全用手袋、骨取り用エプロンなどが含まれる。
【0029】
本明細書で使用されている「高密度化流体」という語句は、臨界、亜臨界、近臨界又は超臨界状態を意味する。流体は一般に、1大気圧及び0℃という標準的条件下において気体である。本明細書で使用されている「超臨界流体」という語句は、それを超えるとその気体が圧力によって液化され得ない温度であるその臨界温度より高く維持された高密度気体を意味する。超臨界流体は標準的に液体よりも粘度が低く、より容易に拡散する。1実施形態においては、高密度化流体は、その臨界点又はそれ以上又はわずかにそれより低い点にある。本明細書で使用されている「臨界点」という語句は、1つの物質の液体及び気体状態が互いに融合して、1つの物質についての臨界温度及び臨界圧力を表わす遷移点である。臨界圧力は、臨界温度で2つの相の出現をひき起こすのにちょうど充分な圧力である。臨界温度及び圧力は数多くの有機及び無機化合物及び複数の元素について報告されてきている。
【0030】
本明細書で使用されている「近臨界」流体又は「亜臨界」流体という用語は、超臨界流体の臨界温度よりも標準的に低いものの流体状態にとどまり、流体に対する圧力の効果に起因して標準的気体よりも密度が高い流体材料を意味する。1実施形態では亜臨界又は近臨界流体は、その臨界点のすぐ下の温度及び/又は圧力にある。例えば、亜臨界又は近臨界流体はその臨界温度より下でかつその臨界圧力より上、又はその臨界圧力より下でしかもその臨界温度より上、又はその臨界温度及び圧力の両方より下であり得る。近臨界及び亜臨界という用語は、その通常の気体又は液体状態にある材料を意味しない。
【0031】
本明細書で使用されている重量パーセント(wt−%)(weight percent)、重量パーセント(percent by weight)、重量%(% by weight)などは、組成物の重量により除され100を乗じたその物質の重量としてのその濃度を意味する同義語である。相反する規定のないかぎり、1つの成分の数量は活性成分の数量を意味する。
【0032】
「ペルオキシカルボン酸組成物」又は「ペルオキシカルボン酸」に関連して使用された場合、本明細書で使用されている「混合型(された)」又は「混合物」という用語は、ペルオキシ酢酸及びペルオキシオクタン酸を含む混合物又は組成物といったような複数のペルオキシカルボン酸を内含する組成物又は混合物を意味する。
【0033】
該発明の又は該発明の方法において用いられる組成物中の成分の数量を修飾する「約」という用語は、例えば実世界で濃縮物又は使用溶液を作るために用いられる標準的な測定及び液体取扱い手順;これらの手順内での不用意な誤り;該組成物を作るため又は該方法を実施するために利用された成分の製造、供給元又は純度の差異;などを通して発生し得る数量のばらつきを意味する。「約」という用語は同様に、特定の初期混合物の結果としてもたらされる1つの組成物のための異なる平衡条件に起因して異なっている量をも包含する。「約」という用語により修飾されているか否かに関わらず、特許請求の範囲には等価量が含まれる。
【0034】
この特許出願の目的では、微生物低減の成功は、微生物個体群が少なくとも約50%だけ又は水での洗浄によって達成されるよりもはるかに大幅に低減された場合に達成される。微生物個体群のさらに大きい低減は、より高レベルの保護を提供する。
【0035】
本明細書で使用されている「殺菌剤」という用語は、公衆衛生必要条件により判断される安全レベルまで細菌汚染物質の数を低減する作用物質を意味する。1実施形態においては、本発明で使用するための殺菌剤は、少なくとも99.999%の低減(5−log程度の低減)を提供することになる。これらの低減は、「消毒剤の殺菌性及び洗浄性衛生化作用」Official Methods of Analysis of the Association of official Analytical Chemists、 第960.09段落及び該当する節、第15版、1990年(EPA指針91−2)。この参考文献に従うと、殺菌剤は、複数の試験生体に対し25±2℃の室温で30秒以内に99.999%の低減(5−log程度の低減)を提供すべきである。
【0036】
本明細書で使用されている「消毒剤」という用語は、A.O.A.C「使用希釈液方法」Official Methods of Analysis of the Association of official Analytical Chemists、 第995、14段落及び該当する節、第15版、1990年(EPA指針91−2)に記述されている手順を用いた最も認識された病原性微生物を内含する全ての植物性細胞を死滅させる作用物質を意味する。
【0037】
本明細書で使用されている「殺胞子剤」という用語は、60℃で10秒以内にBacillus cereus又はBacillus subtilisの胞子の個体群の90%超の低減(1−log程度の低減)をひき起こす能力をもつ物理的又は化学的作用物質又はプロセスを意味する。一部の実施形態においては、該発明の殺胞子組成物は、60℃で10秒以内にかかる個体群の中で99%の低減(2−log程度の低減)、99.99%超の低減(4−log程度の低減)又は99.999%超の低減(5−log程度の低減)を提供する。
【0038】
抗菌性「〜cidal(殺〜)」又は「〜static(制〜性)」活性の区別、効能の程度を説明する定義、及びこの効能を測定するための公式実験プロトコルは、抗菌性作用物質及び組成物の適切さを理解するための考慮事項である。抗菌性組成物は2種類の微生物細胞損傷をもたらすことができる。第1のものは、微生物細胞の完全な破壊又は無力化を結果としてもたらす致死的で不可逆的な作用である。第2のタイプの細胞損傷は可逆的であり、生体は、作用物質の無い状態にされた場合、再び増殖することができる。前者は殺菌性と呼ばれ、後者は制菌性と呼ばれる。殺菌剤及び消毒剤は定義上、抗菌又は制殺性を提供する作用物質である。これとは対照的に、防腐剤は一般に阻害物質又は菌安定性組成物として記述される。
【0039】
中鎖ペルオキシカルボン組成物を利用する食肉加工
本発明の濃縮及び使用組成物は、例えば屠体、食肉、又は食肉製品を加工及び/又は洗浄するための水性系として又はそれを形成するためといったさまざまな抗菌目的に利用することができる。当該組成物及び方法は、生きた動物の飼育及び集合から最終製品の包装に至るまでのあらゆる段階で家畜、動物、屠体、食肉、又は食肉製品及び食肉加工表面を処理するために利用可能である。例えば、当該組成物及び方法は、動物の屠体、動物屠体部位又は動物臓器の腐敗−腐朽の原因となる細菌及び病原性細菌による汚染を低減する目的でこれらのものの洗浄、洗い流し、チリング又は湯通しのために利用することができる。
【0040】
加工の前に、生きた動物は一般に加工ラインの始めまで輸送され集められる。動物の全体又は一部分を、この加工ラインに入る前に本発明に従った中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄することができる。標準的に加工は、典型的には失神させその後首を切断し放血させることによって動物を屠殺することから始まる。放血させた動物、又は失神若しくは放血に利用されるあらゆる工具、備品、又は表面は、本発明に従った中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。
【0041】
その後屠体のドレッシングが続く。ドレッシング中のあらゆる時点で、屠体又はドレッシングに利用されるあらゆる工具、備品又は表面は、本発明に従った中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。
【0042】
1実施形態において、豚といったような屠体を湯通しすることができ、これは除毛の一助となる。次に屠体を除毛することができる。除毛には、毛焼き、剥ぎ取り、又は洗浄作業が含まれ得る。湯通し又は除毛の間の任意の時点で、屠体又は湯通し又は除毛作業に利用されるあらゆる工具、備品又は表面は、本発明に従った中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。例えば湯通しタンクは中鎖ペルオキシカルボン組成物を収納することができる。例えば、除毛のために使用されるパドル又はスクレーパを中鎖ペルオキシカルボン組成物で洗浄することができる。例えば、湯通し又は除毛された屠体を中鎖ペルオキシカルボン組成物で洗浄することが可能である。
【0043】
1実施形態においては、屠体を剥皮することができる。剥皮作業中のあらゆる時点で、屠体又は剥皮作業に利用されるあらゆる工具(ナイフなど)、備品又は表面は、本発明に従った中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。
【0044】
1実施形態においては、剥皮又は除毛された屠体の内臓を取出すことができる。内臓取出し作業中のあらゆる時点で、屠体又は内臓取出し作業に利用されるあらゆる工具(ナイフなど)、備品、又は表面は、本発明に従った中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。
【0045】
1実施形態では、内臓を取出した屠体を分割し、洗浄し、2等分、4等分又は肋骨除去するか又はより小さな部分にカットすることができる。食肉は、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、又はより小さな部分へのカットの前後に1度以上洗浄することができる。洗浄には、中鎖ペルオキシカルボン組成物を利用できる。分割、2等分、4等分又は肋骨除去又はより小さな部分へのカット作業に利用されるあらゆる工具、用具、又は備品は、本発明に従った中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。
【0046】
カット又は取り分けされた屠体は冷蔵、貯蔵、包装(例えば真空パック)されるか又は店舗に輸送され得る。冷蔵、貯蔵、包装(例えば真空パック)又は輸送された食肉又は食肉製品は、中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。食肉又は食肉製品の冷蔵、貯蔵、包装又は輸送のために用いられるあらゆる工具、包装材料、表面などは、中鎖ペルオキシカルボン組成物との接触により洗浄可能である。
【0047】
失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓取出し、分割、2等分、4等分又は肋骨除去又はより小さな部分へのカットという手順を通して各々の作業場又は作業員には、用具クリーナー又は滅菌器が具備され得る。用具クリーナー又は滅菌器は、微生物の負荷を低減するか又はその作業員により又はその作業場で使用されるあらゆる用具を滅菌するために中鎖ペルオキシカルボン組成物を収納又は利用することができる。1実施形態においては、用具クリーナー又は滅菌器は、抗体を保持し特定の用具、例えばナイフ、大庖丁、のこぎりなどに適合するように整形されたステンレス鋼のボックスであり得る。1実施形態では、取手ならびに刃を洗浄することができる。
【0048】
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物での処理を通して屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物負荷を低減するための方法を内含する。例えば、屠体、食肉、又は食肉製品洗浄に用いられる浸漬又はスプレー方法が有効な抗菌濃度の単数又は複数の中鎖カルボン酸及び単数又は複数の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含し得る。屠体、食肉、又は食肉製品の加工中、該屠体、食肉、又は食肉製品と組成物の間の良好な接触を確保するかぎりあらゆる様式で、一部の実施形態では微生物個体群の低減を結果としてもたらすための少なくとも或る程度の最小限の機械的作業を伴って、それを中鎖ペルオキシカルボン組成物と接触させることができる。
【0049】
当該方法は、さまざまな屠体、食肉、又は食肉製品のいずれかについて利用可能である。例えば、当該中鎖ペルオキシカルボン組成物は、任意の動物の食肉(例えば赤肉)、臓器、骨、全屠体又は取分けされた屠体又はその他の部分に適用可能である。当該中鎖ペルオキシカルボン組成物は、例えば牛、豚、子牛、水牛、ヤギ、又は子羊といった赤肉;例えばホタテ貝、エビ、カニ、タコ、イガイ、イカ、伊勢エビといった魚介類;ニワトリ、七面鳥、ダチョウ、ゲームヘン、ひな鳥及びキジといった家きん類に適用することができる。当該中鎖ペルオキシカルボン組成物は、例えばホットドッグ、コールドカット、ソーセージ、ミートカット、ハンバーガ及びスシなどの、丸のまま、区分化、加工済み、調理済み又は生の食肉の形をした食肉又は食肉製品に適用することができる。
【0050】
食肉、食肉製品、食肉部分、食肉副産物などを、さらなる加工、他のプロセッサ、市場又は消費者へ送る前に、包装することができる。このような屠体、食肉、又は食肉製品は全て、水性中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物で洗浄でき、この水性中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物はその後屠体、食肉、又は食肉製品から除去(例えばドレン、ブロー、ふき取り)できる。或る種の状況では、包装の前に屠体、食肉、又は食肉製品に加湿することは不利である。このような状況下では、ペルオキシカルボン酸抗菌組成物の気体又は高密度化流体形態を、屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物の負荷を低減するために利用することができる。かかる気体組成物は、調整気相包装といったような包装の前後に気体に対し屠体、食肉、又は食肉製品を曝露するための既知のさまざまなプロセスの中で利用可能である。
【0051】
屠体、食肉、又は食肉製品の残渣又は残留物の存在を含む当該方法内の中鎖ペルオキシカルボン組成物の有利な安定性のため、これらの組成物は、より安価であるが安定性が低く、潜在的に毒性の塩素化合物に対して競合力あるものとなっている。本発明の方法の実施形態には、特に使用組成物を作るべく水に対し濃縮物が添加されるにつれての、使用組成物の撹拌又は音波処理が含まれ得る。1実施形態においては、当該方法は溶液の幾分かの撹拌、スプレー又はその他の混合を有する水システムを内含している。屠体、食肉、又は食肉製品は、常在微生物調製物の水洗浄によって達成されるよりも著しく大幅の低減、すなわち、少なくとも50%、少なくとも90%又は少なくとも99%の低減を結果としてもたらすのに有効な該発明の組成物と接触可能である。
【0052】
当該方法は、大幅な抗菌効果を発生させるために屠体、食肉、又は食肉製品と組成物の或る程度最小限の接触時間を利用することができる。接触時間は、使用組成物の濃度、使用組成物を適用する方法、使用組成物の温度、屠体、食肉、又は食肉製品上の土の量、屠体、食肉、又は食肉製品の上の微生物の数などと共に変動し得る。1実施形態においては、曝露時間は少なくとも約5秒〜約15秒である。
【0053】
Gutzmann et alに対する米国特許第6,010,72号(1998年8月20日付)及び6,113,963号(1999年8月3日付)は、混合型ペルオキシカルボン酸組成物での屠体、食肉、又は食肉製品の洗浄について記述している。これら2つの特許は、本明細書に参考として内含されている。本明細書と同日付で提出され「中鎖ペルオキシカルボン組成物」という題の米国特許出願第 号も同じく本明細書に参考として内含されている。
【0054】
屠体、食肉、又は食肉製品へのスプレー作業
1実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品の洗浄作業には中鎖ペルオキシカルボン組成物の圧力スプレーが利用される。屠体、食肉、又は食肉製品へのスプレー組成物の適用中、屠体、食肉、又は食肉製品の表面を、例えば撹拌、剥ぎ取り、ブラシがけなどといったような機械的作用と共に移動させることができる。撹拌は、屠体、食肉、又は食肉製品を物理的にこすることによってか又は圧力下でのスプレー組成物の作用を通して、又は音波処理を通して又はその他の方法により、行なうことができる。撹拌は、恐らくは微生物を含有する裂け目又は小さなコロニーの中への組成物のより良好な曝露に起因して、微生物を死滅させるスプレー組成物の効能を増大させる。スプレー組成物は、適用の前に、効能を高めるために約15〜20℃又は約20〜60℃の温度まで加熱することができる。1実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物の個体群を低減するための充分な時間の後、スプレー組成物を洗い流すことができる。
【0055】
中鎖ペルオキシカルボン組成物のスプレーによる適用は、手作業スプレー管による適用、完全な接触を確保するべく多数のスプレーヘッドを用いて生産ラインに沿って移動する屠体、食肉、又は食肉製品の自動式スプレー又はその他のスプレー機構を用いて達成可能である。1つの自動スプレー適用には、スプレーブースの使用が関与する。該スプレーブースは実質的に、ブースのパラメータの範囲内にスプレーされた組成物を限定する。生産ラインは屠体、食肉、又は食肉製品を通路を通してスプレーブース内まで移動させ、この中で屠体、食肉、又は食肉製品はブース内部のスプレーでその全ての外部表面上にスプレーされる。ブース内部で材料が完全に被覆され屠体、食肉、又は食肉製品から材料が排出された後に屠体、食肉、又は食肉製品は完全に処理済みの形でブースから退出できる。
【0056】
スプレーブースは中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用するのに使用可能なスチームジェットを内含し得る。これらのスチームジェットは屠体、食肉、又は食肉製品の表面に達する処理が65℃未満又は60℃未満となるように、冷却水と組合せて使用することができる。屠体、食肉、又は食肉製品上のスプレーの温度を制御することにより、屠体、食肉、又は食肉製品がスプレーの温度により実質的に改変(調理)されないようにすることができる。スプレーパターンは、事実上あらゆる有用なスプレーパターンであり得る。
【0057】
スプレーは連続雰囲気内の霧粒子の分散として噴霧器から出る噴霧材料を含むことができる。かかるスプレーは明確なパターンをもたない。スプレーは、スプレーの周囲の間の角度が180°未満から約5°までの範囲にある円錐形スプレーといったパターンを有することができる。その他のスプレーパターンも同様に有用であり得る。1実施形態においては、スプレーパターンには、スプレーが実質的に平坦な形でスプレーヘッドから退出し、平面スプレーの縁部間の広がりの間の角度が約20°以下又は約15°以下である「ファン」スプレーパターンが含まれる。本発明を制限するわけではないが、かかるパターンは機械的作用の増大及び屠体、食肉、又は食肉製品に対する殺菌組成物の添加の効率の増大を提供すると考えられている。かかる狭い角度のファンスプレーが屠体、食肉、又は食肉製品を処理するためのスプレーキャビネットエンクロージャ内で使用される場合、スプレーヘッドと食肉製品の間の距離は約100センチメートル未満例えば約20〜80センチメートル又は約30〜50センチメートルであり得る。このような構成は、微生物個体群の効率の良い低減のため屠体、食肉、又は食肉製品まで抗菌材料を効率良く移送することができる。
【0058】
1実施形態においては、スプレー作業に、約25psi(ゲージ)といった低い圧力を利用することができる。しかしながら当該方法では同様に、例えば約25、50、100又は150psi超、又さらには約200psi超といったさらに高いスプレー圧力を利用することもできる。これらのより高い圧力は、屠体、食肉、又は食肉製品の表面上でスプレーの有利な機械的作用を提供できると考えられている。1実施形態では、このような圧力スプレー作業は、65℃未満の温度で行なうことができる。1実施形態では、スプレー作業の持続時間は、約10秒又は約10秒から約30秒であり得る。
【0059】
当該方法の1つの実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品は中鎖ペルオキシカルボン組成物の静電気帯電スプレーで処理され得る。該組成物は、例えば誘導帯電方法などを含めた従来の静電気スプレー技術を用いて帯電液滴としてスプレーで適用され得る。
【0060】
屠体、食肉、又は食肉製品の浸漬
屠体、食肉、又は食肉製品の加工中、中鎖ペルオキシカルボン組成物の入ったタンクの中に屠体、食肉、又は食肉製品を浸漬させることができる。組成物の効能及び屠体、食肉、又は食肉製品に付随する微生物を組成物が低減する速度を増大させるため、中鎖ペルオキシカルボン組成物を撹拌することができる。撹拌は、音波処理、組成物の中に空気の泡を通すことによる曝気、ストレーナ、パドル、ブラシ、ポンプ式液体ジェットといった機械的方法、又はこれらの方法の組合せを含めた従来の方法によって得ることができる。微生物を死滅させる組成物の効能を増大させるために、中鎖ペルオキシカルボン組成物を加熱することができる。1実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品の内蔵取出しが行なわれた後、そして冷蔵タンク又は冷水スプレーといったあらゆる冷却プロセスの前に中鎖ペルオキシカルボン組成物内に屠体、食肉、又は食肉製品を浸漬させることができる。
【0061】
屠体、食肉、又は食肉製品の気泡処理
1実施形態では、屠体、食肉、又は食肉製品を中鎖ペルオキシカルボン組成物の起泡バージョンで処理することができる。気泡は例えば、起泡性界面活性剤を使用時点で中鎖ペルオキシカルボン組成物と混合することによって準備できる。起泡性界面活性剤の性質は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性であり得る。有用な界面活性剤の例としては制限的な意味なく以下のものが含まれる。エトキシル化アルコール、カルボン酸エトキシル化アルコール、酸化アミン、硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、スルホン酸塩、第4級アンモニウム化合物、アルキルサルコシン、ベタイン及びアルキルアミド。起泡性界面活性剤を使用時点で中鎖ペルオキシカルボン組成物と混合することができる。起泡剤の使用組成物レベルは、約50ppm〜約2.0wt−%であってよい。使用時点で、圧縮空気を混合物内に注入し、その後タンク起泡器又は吸引壁取付け式起泡器といったような気泡適用装置を通して屠体、食肉、又は食肉製品に適用することができる。
【0062】
屠体、食肉、又は食肉製品のゲル処理
1実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品を中鎖ペルオキシカルボン組成物の増粘又はゲル化バージョンで処理することができる。増粘又はゲル化状態で、該組成物はより長い時間屠体、食肉、又は食肉製品と接触した状態にとどまり、かくして抗菌効能を増大させる。増粘又はゲル化された中鎖ペルオキシカルボン組成物は同様に垂直表面に付着し得る。組成物は、キサンタンゴム、重合体増粘剤、セルロース増粘剤などといったような既存の技術を用いて増粘又はゲル化され得る。酸化アミン及びアニオン対イオンといったような棒状ミセル形成系も同様に使用可能である。増粘剤又はゲル形成剤を、濃縮生成物内で、又は組成物と使用時点で混合して使用することができる。増粘剤又はゲル剤の標準的な使用レベルは約100ppm〜約10wt−%である。
【0063】
屠体、食肉、又は食肉製品の光処理
本発明の実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品は中鎖ペルオキシカルボン組成物の適用後活性化用光(又はその他の電磁放射線)源に曝露してよい。活性化用光(又はその他の電磁放射線)は、洗浄組成物の抗菌効能を改善することができる。光は紫外線、赤外線、可視光又はその組合せであり得る。その他の電磁放射線形態には、レーダー又はマイクロ波が含まれる。
【0064】
真空又は熱処理
一実施形態においては、中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する前、その適用中又はその適用後のいずれかにおいて屠体、食肉、又は食肉製品を真空処理に付すことができる。衛生化溶液を適用することと併せて屠体、食肉、又は食肉製品を真空処理に付すことで中鎖ペルオキシカルボン組成物の浸透及び効能を増強することができる。該方法は、水銀(11Hg)柱約2インチ〜水銀(11Hg)柱約29インチといった量で真空を利用することができる。
【0065】
中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する作業を、その適用の前、途中又は後のいずれかに行なわれる熱介入プロセスと組合せることが可能である。熱介入プロセスは、熱水又は乾式加熱を利用することができる。熱水熱プロセスの場合、屠体、食肉、又は食肉製品を大気圧のチャンバ内に封じ込めることができる。チャンバを短時間凝縮蒸気(細かく分割された液体水)で満たし、急速に通気し、次に冷却して屠体、食肉、又は食肉製品の褐変を防ぐことができる。蒸気熱プロセスの持続時間は約5秒〜約30秒であり得る。チャンバの温度は約50℃〜約93℃に達し得る。乾式加熱の場合と同様に、屠体、食肉、又は食肉製品をチャンバ内に置き、この中に加熱した空気が導かれる。空気は約65℃から約260℃まで加熱可能である。屠体、食肉、又は食肉製品は加熱空気との約5〜約30秒の接触時間が許容され、チャンバは通気され屠体、食肉、又は食肉製品は冷却される。
【0066】
屠体、食肉、又は食肉製品洗浄水の処理
屠体、食肉、又は食肉製品を洗浄する作業には大量の水又はその他の担体を利用することができる。再利用水で洗浄されている屠体、食肉、又は食肉製品に対し望ましくない微生物を移さないように水を処理できるということを条件として、屠体、食肉、又は食肉製品の洗浄水を2回以上使用する(再利用させる)ことができる。かかる望ましくない微生物の移行を防止する1つの方法は、中鎖ペルオキシカルボン酸を添加することにより再利用洗浄水の微生物負荷を低減することにある。例えば、再利用されるべき流体が水性でありかつあらゆるペルオキシカルボン酸が欠如している場合、中鎖ペルオキシカルボン酸濃縮物組成物を添加して、再利用させる流体中に中鎖ペルオキシカルボン酸の有効抗菌濃度を結果としてもたらすことができる。代替的には、再利用すべき流体がペルオキシカルボン酸をすでに内含するか又は内含していた場合、中鎖ペルオキシカルボン酸のあらゆる濃度を有効抗菌レベルまで増大させるべく、中鎖ペルオキシカルボン酸濃縮物組成物を添加することができる。再利用させるべき組成物中の中鎖ペルオキシカルボン酸が完全に枯渇してしまっていることもあり得、その場合は、より多くの中鎖ペルオキシカルボン組成物が添加される。
【0067】
或る状況においては、再利用させるべき水は実質的な有機物質又は微生物負荷を内含する。このような場合、水は再利用に適さなくなる可能性がある。しかしながら、水を再利用させなくてはならない場合、作業員は、すでに存在する有機負荷又は微生物によって或る一定量が消費された後も有効抗菌量の中鎖ペルオキシカルボン酸を提供するのに充分な量の中鎖ペルオキシカルボン組成物を添加する。その後は、再利用された流体を抗菌効果を伴って使用することができる。中鎖ペルオキシカルボン酸又は有機負荷のレベルを決定するために通常の試験を利用することができる。
【0068】
各ケースにおいて、屠体、食肉、又は食肉製品洗浄水を再利用させる方法には、例えば上述の通りの洗浄水の回収、ペルオキシカルボン酸の中鎖組成物の添加、そして屠体、食肉、又は食肉製品を洗浄する目的での該洗浄水の再利用が含まれる。屠体、食肉、又は食肉製品洗浄水は、湯通し、ドレッシング、スプレー洗い流し及びチリングを含めた加工段階から回収可能である。これらの段階から洗浄水を回収する方法は既知である。洗浄水は同様にストレーナろ過、フィルターろ過、希釈又はその他の形で浄化され再利用中に処理され得る。
【0069】
1つの実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品を洗浄するために使用されてきた水(例えば中鎖ペルオキシカルボン組成物)は、屠体、食肉、又は食肉製品又は動物、屠体、食肉、又は食肉製品を輸送又は加工するのに使用された器具又は工場を洗浄するために回収され再利用され得る。この実施形態においては、水は、再利用された洗浄水で洗浄されつつある屠体、食肉、又は食肉製品、器具又は工場に対し望ましくない微生物を移送しないような形に処理され得る。望ましくない微生物を移送しないことは、病原性微生物を含まないか又は糞便性大腸菌群を含まない、又は両方共含まない再利用された組成物を利用することによって達成可能である。望ましくない微生物を移送しないことには、製品の改質を防止するための再利用された組成物の汚染(例えば物理的、化学的又は微生物学的汚染)を低減することが含まれる。望ましくない微生物を移送しないことには、製品の汚染又は改質を防止するべく再利用された組成物の汚染(例えば物理的、化学的又は微生物汚染)を低減することが含まれていてもよい。水は、中鎖ペルオキシカルボン酸濃縮物組成物を添加すること、水をフィルター又はストレーナでろ過すること及び/又は光処理することによって処理可能である。このとき、屠体、食肉、又は食肉製品洗浄水を再利用する方法には、例えば、上述のように屠体、食肉、又は食肉製品を洗浄するための屠体、食肉、又は食肉製品洗浄水を再利用することが含まれる。
【0070】
1実施形態では、屠体、食肉、又は食肉製品洗浄水(例えば中鎖ペルオキシカルボン組成物)を再利用させる方法には、屠体、食肉、又は食肉製品加工における早期洗浄手順で単数又は複数の洗浄手順から回収した洗浄水を利用することが含まれる。例えば、当該方法は、食肉又は食肉製品を包装又は輸送する段階から水を回収する段階、水を処理する段階;及び、失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、より小さい部分へのカット、冷却又は貯蔵のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は食肉又は食肉製品を貯蔵する段階から洗浄水を回収する段階;水を処理する段階;及び、失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、より小さい部分へのカット又は冷却のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は食肉又は食肉製品を冷却する段階から洗浄水を回収する段階;水を処理する段階;及び、失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、より小さい部分へのカット、のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は、食肉又は食肉製品をより小さな部分にカットする段階から水を回収する段階、水を処理する段階;及び、失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は食肉又は食肉製品を分割、2等分、4等分又は肋骨除去する段階から洗浄水を回収する段階;水を処理する段階;及び、失神、放血、湯通し、除毛、剥皮又は内臓摘出のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は屠体から内臓を取出す段階から洗浄水を回収する段階;水を処理する段階;及び、失神、放血、湯通し、除毛又は剥皮のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は、屠体を剥皮段階から水を回収する段階、水を処理する段階;及び、失神、放血、湯通し、除毛のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は屠体を除毛する段階から洗浄水を回収する段階;水を処理する段階;及び、失神、放血又は湯通しのうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は屠体を湯通しする段階から洗浄水を回収する段階;水を処理する段階;及び、失神又は放血のうちの少なくとも1つにおいて処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は、屠体を放血する段階から水を回収する段階、水を処理する段階;及び動物を失神させる又は受入れる段階において処理済み洗浄水を利用する段階を内含し得る。
【0071】
1実施形態においては、屠体、食肉、又は食肉製品洗浄水(例えば中鎖ペルオキシカルボン組成物)を再利用させる方法には、加工工場内の洗浄用器具又は工場自体の一部分(例えば床、壁、外部舗装など)を洗浄するための単数又は複数の洗浄手順から回収された洗浄水を利用することが含まれる。例えば、当該方法は、屠体、食肉、又は食肉製品を失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、より小さい部分へとカット、冷却、貯蔵又は包装する段階;水を処理する段階及び加工用器具を洗浄するために処理済み水を利用する段階を内含し得る。例えば当該方法は、屠体、食肉、又は食肉製品を失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、より小さな部分へとカット、冷却、貯蔵又は包装する段階;水を処理する段階及び、床、壁又は外部舗装といったような加工工場の一部を洗浄するために処理済み水を利用する段階を内含し得る。例えば、当該方法は、屠体、食肉、又は食肉製品を失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、より小さい部分へとカット、冷却、貯蔵又は包装する段階;水を処理する段階及びトラック又はケージ例えば動物、屠体、食肉、又は食肉製品をその工場に運び込んだトラック又はケージを洗浄するために処理済み水を利用する段階を内含し得る。例えば当該方法は、屠体、食肉、又は食肉製品を失神、放血、湯通し、除毛、剥皮、内臓摘出、分割、2等分、4等分又は肋骨除去、より小さな部分へとカット、冷却、貯蔵又は包装する段階;水を処理する段階及び、工場に入る動物を洗浄するために処理済み水を利用する段階を内含し得る。
【0072】
屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物個体群を低減するための試験方法
当該中鎖ペルオキシカルボン組成物は、死後硬直前の牛肉試料上に存在する微生物の個体群の低減を達成するために試験することができる。
【0073】
多数の死後硬直前の牛肉試料を得、試験時間まで冷蔵庫内に保つことができる。試料は、無菌で断片に分けることができる。望ましい場合には、単数又は複数の断片にListeria innocua又はその他の問題の微生物といった試験生物を接種することができる。接種材料を試料の表面全体に均等に展延させることができる。接種された試料を次に15分以上にわたり室温(〜23℃)に放置できる。さまざまな所望の試験及び対照処理を、一回の処理あたり複数の複製断片で利用することが可能である。処理の前後に各々の複数断片から2つのコア(例えば直径4.3cm)を採取し、例えば99mLのリン酸緩衝水中に組合せ、例えば1分間消化させ、次に連続希釈させ、混釈平板技術を用いて平板固定することができる。33℃で10分間の曝露時間を利用できる。
【0074】
試験組成物は、例えば約150mLの組成物を送達する5〜30秒間のスプレー適用により適用され得る。10分間の曝露時間と該当する場合には、それに続く10秒間の無菌水での洗い流しを利用することができる。その後、処理を99mLのリン酸緩衝水又はレセーンブロスで中和することができる。例えば72時間26℃でトリプトングルコース抽出寒天といった適切な培地の中に適切な希釈物を平板固定できる。
【0075】
屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物個体群の低減を評価するためのこれらの及びその他の方法は、本明細書にその開示が参考として内含されているGutzmann et al., に対する米国特許第6,010,729号(1998年8月20日付け)及び6,113,963号(1999年8月3日付け)の中で記述されている。
【0076】
中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン組成物を含む。当該中鎖ペルオキシカルボン組成物は従来のペルオキシカルボン酸組成物に比べ高いレベルで中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。本発明の組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を内含し得る。可溶化剤は中鎖ペルオキシカルボン酸の溶解度を増大又は維持することができる。当該中鎖ペルオキシカルボン組成物はマイクロエマルジョン又はそれを形成し得る界面活性剤を内含する可能性がある。当該中鎖ペルオキシカルボン組成物は実質的な量の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を内含する必要はない。従来の混合型ペルオキシカルボン酸組成物では、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はそれらの混合物が中鎖ペルオキシカルボン酸を可溶化できると考えられている。
【0077】
1実施形態においては、当該組成物は中鎖ペルオキシカルボン酸を含む、これらの組成物は同様に中鎖カルボン酸を含み得る。かかる組成物は、有利には高レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を内含し得る。1実施形態においては、当該組成物は、7重量部の中鎖カルボン酸毎に約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。1実施形態においては、当該組成物は、6重量部の中鎖カルボン酸毎に約2重量部の中鎖カルボン酸毎に約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。1実施形態では、当該組成物は、5重量部の中鎖カルボン酸毎に約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。1実施形態においては、当該組成物は、4重量部の中鎖カルボン酸毎に約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。1実施形態においては、当該組成物は、3重量部の中鎖カルボン酸毎に約2重量部の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。
【0078】
1実施形態においては、当該組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む。可溶化剤は、溶媒、界面活性剤又はそれらの混合物を内含し得る。適切な溶媒としては、中鎖ペルオキシカルボン酸を可溶化しかつそれを著しく分解しないさまざまな溶媒のうちの任意のものが含まれる。或る種の実施形態では、適切な溶媒には、酸化ポリアルキレン、キャプド酸化ポリアルキレン、その混合物などが含まれる。適切な溶媒には、アルコキシル化界面活性剤といったような非イオン性界面活性剤が含まれる。適切なアルコキシル化界面活性剤には例えばEO/PO共重合体、キャップドEO/PO共重合体、アルコキシル化アルコール、キャップドアルコキシル化アルコール、その混合物などが含まれる。溶媒として利用された場合、非イオン性界面活性剤といったような界面活性剤は従来利用されるものよりも高い濃度であり得る。
【0079】
可溶化剤は界面活性剤(例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤)を内含し得る。適切な界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、その混合物などが含まれる。可溶化剤は、マイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含し得る。適切なマイクロエマルジョン形成界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、その混合物などが含まれる。適切なマイクロエマルジョン形成界面活性剤には、硫酸塩界面活性剤、スルホン酸塩界面活性剤、リン酸塩界面活性剤(リン酸エステル界面活性剤)及びカルボン酸界面活性剤、その混合物などといったアニオン性界面活性剤が含まれる。
【0080】
1実施形態においては、当該組成物は、短鎖ペルオキシカルボン酸を含む必要がない。例えば当該組成物は、添加された短鎖ペルオキシカルボン酸を含まなくてもよい。本明細書で使用されている添加された材料を含まないというのは、例えばもう1つの指名された成分の1成分としてか又はこの成分内の不純物として発見されるか又はより小さな副反応から偶発的に生成される偶発的又は微量のものとしてのみその材料を内含している組成物を意味する。
【0081】
1実施形態では、当該組成物は比較的少量の短鎖ペルオキシカルボン酸しか含まない。例えば当該組成物は、8部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含み得る。例えば当該組成物は、標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすのに不充分なレベルで短鎖ペルオキシカルボン酸を含むことができる。
【0082】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、実質的な量のペルオキシ酢酸を内含せず、添加されたペルオキシ酢酸を含まず、8部分のペルオキシ酢酸毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含するか又は標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすには不充分なレベルでペルオキシ酢酸を内含する。
【0083】
1実施形態においては、当該組成物は実質的な量の短鎖カルボン酸を内含する必要がない。例えば、当該組成物は、添加された短鎖カルボン酸を含まなくてもよい。1実施形態においては、当該組成物は比較的少量の短鎖カルボン酸しか含まない。さらなる例としては、当該組成物は、8部分の短鎖カルボン酸毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含み得る。例えば、当該組成物は標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすには不充分なレベルで短鎖カルボン酸を内含し得る。
【0084】
或る種の実施形態では、当該組成物は実質的量の酢酸を内含せず、添加された酢酸を含まず、8部分の酢酸毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含むか又は標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすには不充分なレベルで酢酸を含む。或る種の実施形態では、当該組成物は例えば、10wt%未満、5wt%未満、2wt%未満又は1wt%未満の酢酸を内含する。或る種の実施形態では、当該使用組成物には例えば40ppm未満、20ppm未満、10ppm未満、又は5ppm未満の酢酸が内含される。
【0085】
1実施形態においては、当該組成物は実質的量の短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸又はその混合物を内含する必要がない。例えば当該組成物は、添加された短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸又はその混合物を含まないでよい。例えば当該組成物は標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすには不充分なレベルで、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を内含することもできる。或る種の実施形態では、当該組成物は実質的量の酢酸、ペルオキシ酢酸又はその混合物を内含せず、添加された酢酸、ペルオキシ酢酸又はその混合物を含まず;8部分の酢酸、ペルオキシ酢酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含するか;又は標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすには不充分なレベルで酢酸、ペルオキシ酢酸又はその混合物を内含する。
【0086】
1実施形態においては、当該組成物は、8部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。1実施形態においては、当該組成物は、7部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。1実施形態においては、当該組成物は、6部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。1実施形態においては、当該組成物は、5部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。1実施形態においては、当該組成物は、4部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。1実施形態においては、当該組成物は、3部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。1実施形態においては、当該組成物は、2部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。1実施形態においては、当該組成物は、1部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。
【0087】
1実施形態においては、当該組成物は水中5、4、3、2又は1wt%の酢酸に比べて(例えば快不快トーン格付けで測定して)不快度の低い臭いを有する。1実施形態においては当該組成物は、水中5wt%の酢酸に比べて(例えば快不快トーン格付けで測定して)不快度の低い臭いを有する。1実施形態においては当該組成物は、水中4wt%の酢酸に比べて(例えば快不快トーン格付けで測定して)不快度の低い臭いを有する。1つの実施形態においては、当該組成物は水中3wt%の酢酸に比べて(例えば快不快トーン格付けで測定して)不快度の低い臭いを有する。1実施形態においては、当該組成物は、水中2wt%の酢酸に比べて(例えば快不快トーン格付けで測定して)不快度の低い臭いを有する。1つの実施形態においては、当該組成物は水中1wt%の酢酸に比べて標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすには不充分なレベルで。
【0088】
或る種の実施形態においては、当該組成物は単数又は複数(例えば少なくとも1つ)の酸化剤、酸味料、安定化剤、その混合物などのうちの単数又は複数のもの(例えば少なくとも1つ)を内含する。当該組成物はさまざまな酸化剤のいずれか、例えば過酸化水素を内含し得る。酸化剤は、中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に転換させるために有効であり得る。酸化剤は同様に抗菌活性を有し得るが、それがこのような活性を示すのに充分な濃度で存在しないかもしれない。当該組成物は、例えば無機酸といったさまざまな酸味料のいずれかを内含し得る。酸化剤は、当該濃縮物組成物のpHを1未満にするか又は当該使用組成物のpHを約5以下、約4以下又は約3以下にするのに有効であり得る。酸味剤は、当該組成物の抗菌活性を増させることができる。当該組成物は、例えば捕捉剤例えばリン酸塩捕捉剤などのさまざまな安定剤のいずれかを内含し得る。捕捉剤はペルオキシカルボン酸を安定化するのに有効である。
【0089】
1実施形態においては、当該組成物はペルオキシカルボン酸の有利な安定性を示す。周囲条件又は室温で約1年(又は60℃で1週間)以内で、組成物中のペルオキシカルボン酸の量は、初期値又は使用組成物レベルの約80%以上、約85%以上、約90%以上又は約95%以上であり得ると考えられている。かかる経年変化を受けた組成物は本発明の範囲の中に含み入れられる。
【0090】
1実施形態においては、当該組成物は同じ活性レベルにあるその他の抗菌組成物に比べて有利な効能を示す。或る種の実施形態においては、当該組成物は、従来のペルオキシカルボン酸組成物に比べて少ない揮発性有機化合物しか有していないか又は全くそれを含まない。1実施形態では、当該組成物は従来のペルオキシカルボン酸組成物に比べ高い引火点を有する。1実施形態においては、当該組成物は従来のペルオキシカルボン酸組成物に比べて改善された作業員又はユーザーの安全性を示す。1実施形態においては、当該組成物は従来のペルオキシカルボン酸組成物に比べ改善された貯蔵又は輸送安全性を示す。
【0091】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.3〜約7wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約4wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.8〜約3wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約1〜約3wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸又は約1〜約2wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。該組成物は、「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量の範囲のいずれかを含むことができる。
【0092】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.001〜約8wt%の中鎖カルボン酸、約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸、約1〜約8wt%の中鎖カルボン酸、約1.5〜約6wt%の中鎖カルボン酸、約2〜約8wt%の中鎖カルボン酸、約2〜約6wt%の中鎖カルボン酸、約2〜約4wt%の中鎖カルボン酸、約2.5〜約5wt%の中鎖カルボン酸、約3〜約6wt%の中鎖カルボン酸、約3〜約5wt%の中鎖カルボン酸を内含する。該組成物は、「約」により修飾されないこれらの範囲又は量の範囲のいずれかを含むことができる。
【0093】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、約0〜約98wt%の担体、約0.001〜約99.99wt%の担体、約0.2〜約60wt%の担体、約1〜約98wt%の担体、約5〜約99.99wt%の担体、約5〜約97wt%の担体、約5〜約90wt%担体、約5〜約70wt%の担体、約5〜約20wt%の担体、約10〜約90wt%の担体、約10〜約80wt%の担体、約10〜約50wt%の担体。約10〜約20wt%の担体、約15〜約70wt%の担体、約15〜約80wt%の担体、約20〜約70wt%の担体、約20〜約50wt%の担体、約20〜約40wt%の担体、約20〜約30wt%の担体、約30〜約75wt%の担体、約30〜約70wt%の担体、約40〜約99.99wt%の担体、約40〜約90wt%の担体又は約60〜約70wt%の担体を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0094】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、約0.001〜約80wt%の可溶化剤、約0.001〜約60wt%の可溶化剤、約1〜約80wt%の可溶化剤、約1〜約25wt%の可溶化剤、約1〜約20wt%の可溶化剤、約2〜約70wt%の可溶化剤、約2〜約60wt%の可溶化剤、約2〜約20wt%の可溶化剤、約3〜約65wt%の可溶化剤、約3〜約15wt%の可溶化剤、約4〜約10wt%の可溶化剤、約4〜約20wt%の可溶化剤、約5〜約70wt%の可溶化剤、約5〜約60wt%の可溶化剤、約5〜約20wt%の可溶化剤、約10〜約70wt%の可溶化剤、約10〜約65wt%の可溶化剤、約10〜約20wt%の可溶化剤、約20〜約60wt%の可溶化剤、又は約40〜約60wt%の可溶化剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0095】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.001〜約30wt%の酸化剤、約0.001〜約10wt%の酸化剤、約0.002〜約10wt%の酸化剤、約2〜約30wt%の酸化剤、約2〜約25wt%の酸化剤、約2〜約20wt%の酸化剤、約4〜約20wt%の酸化剤、約5〜約10wt%の酸化剤、約6〜約10wt%の酸化剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0096】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、約0.001〜約50wt%の酸味料、約0.001〜約30wt%の酸味料、約1〜約50wt%の酸味料、約1〜約30wt%の酸味料、約2〜約40wt%の酸味料、約2〜約10wt%の酸味料、約3〜約40wt%の酸味料、約5〜約40wt%の酸味料、約5〜約25wt%の酸味料、約10〜約40wt%の酸味料、約10〜約30wt%の酸味料、約15〜約35wt%の酸味料、約15〜約30wt%の酸味料又は約40〜約60wt%の酸味料を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0097】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、約0.001〜約50wt%の安定化剤、約0.001〜約5wt%の安定化剤、約0.5〜約50wt%の安定化剤、約1〜約50wt%の安定化剤、約1〜約30wt%の安定化剤、約1〜約10wt%の安定化剤、約1〜約5wt%の安定化剤、約1〜約3wt%の安定化剤、約2〜約10wt%の安定化剤、約2〜約5wt%の安定化剤又は約5〜約15wt%の安定化剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0098】
中鎖カルボン酸及び/又はペルオキシカルボン酸の組成物
ペルオキシカルボン(又はペルカルボン)酸は一般にR(CO3H)nという構造式を有し、この式中Rはアルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、芳香族又は複素環基であり、nは1、2又は3であり、ペルオキシを親酸の前に付けて命名される。R基は、飽和又は不飽和であり得、置換又は未置換であってもよい。該発明の組成物及び方法は、例えば6〜12個の炭素原子を含む中鎖ペルオキシカルボン酸を利用することができる。例えば、中鎖ペルオキシカルボン(又はペルカルボン)酸は、R(CO3H)nという構造式を有することができ、ここでRはC5−Cnアルキル基、C5−C11シクロアルキル基、C5−C11アリールアルキル基、C5−C11アリール基又はC5−C11複素環基であり、nは1、2又は3である。
【0099】
ペルオキシカルボン酸は、カルボン酸上の酸化剤の直接的作用によって、又はアルデヒドの自動酸化によって、又は水素又は過酸化ナトリウムを伴うカルボン酸無水物又は酸塩化物及び水素化物から作ることができる。1実施形態においては、中鎖ペルオキシカルボン酸は、中鎖カルボン酸上の過酸化水素の直接的酸触媒平衡作用によって作ることができる。スキーム1は、片側では酸化剤(Ox)とそしてもう一方の側では還元された酸化剤(Oxred)とカルボン酸との間の平衡を例示している:
【化1】

スキーム2は、酸化剤が片側では過酸化水素そしてもう一方の側ではペルオキシカルボン酸及び水であるスキーム1の平衡の1実施形態である:
【化2】

従来の混合型ペルオキシカルボン酸組成物においては、スキーム2に例示されている反応についての平衡定数は約2.5であり、これは酢酸についての平衡を反映し得ると考えられている。当該発明を制限するわけではないが、当該組成物は約4という平衡定数を有すると考えられている。
【0100】
本発明の組成物及び方法において有用であるペルオキシカルボン酸としては、ペルオキシペンタン酸、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、ペルオキシアスコルビン酸、ペルオキシアジピン酸、ペルオキシクエン酸、ペルオキシピメリン酸又はペルオキシスベリン酸、それらの混合物などが含まれる。これらの中鎖ペルオキシカルボン酸のアルキル主鎖は直鎖、有枝又はその混合であり得る。複数のカルボン酸塩部分を伴うカルボン酸のペルオキシ形態は、ペルオキシカルボン部分として存在するカルボキシル部分のうちの単数又は複数のもの(例えば少なくとも1つ)を有することができる。
【0101】
ペルオキシオクタン(又はペルオクタン)酸は、例えばCH3(CH26COOHというn−ペルオキシオクタン酸の構造式を有するペルオキシカルボン酸である。ペルオキシオクタン酸は、直鎖アルキル部分を伴う酸、分枝アルキル部分を伴う酸、又はその混合物であり得る。ペルオキシオクタン酸は表面活性であり、微生物の表面といった疎水性表面の加湿を補助することができる。
【0102】
本発明の組成物はカルボン酸を内含し得る。一般に、カルボン酸は、R−COOHという構造式を有し、式中、Rは全て飽和又は不飽和ならびに置換又は未置換であり得る脂肪族基、脂環族基、芳香族基、複素環基を含めた任意の数の異なる基を表わすことができる。カルボン酸は、1、2、3以上のカルボキシル基を有することができる。該発明の組成物及び方法は典型的には、例えば6〜12個の炭素原子を含有する中鎖カルボン酸を利用する。例えば、中鎖カルボン酸はRがC5−C11アルキル基、C5−C11シクロアルキル基、C5−C11アリールアルキル基、C5−C11アリール基又はC5−C11複素環基であり得る構造式R−COOHを有し得る。
【0103】
適切な中鎖カルボン酸としてはペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、アスコルビン酸、クエン酸、アジピン酸、ビメリン酸、及びスベリン酸が含まれる。これらの中鎖カルボン酸のアルキル主鎖は、直鎖、有枝又はその混合物であり得る。一般に有用であるカルボン酸は、R基がC4−C11の長さをもつ第1級アルキル鎖である1つ又は2つのカルボキシル基を有するものである。第1級アルキル鎖は、炭素原子の最大長を有しカルボキシル官能基に直接付随している分子の炭素鎖である。
【0104】
当該組成物及び方法には中鎖ペルオキシカルボン酸が含まれる。中鎖ペルオキシカルボン酸はC6〜C12のペルオキシカルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C6〜C12ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。中鎖ペルオキシカルボン酸はC7〜C12ペルオキシカルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C7−C12ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。中鎖ペルオキシカルボン酸はC6〜C10のペルオキシカルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C6−C10ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。中鎖ペルオキシカルボン酸は、C8−C10ペルオキシカルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C8−C10ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。或る種の実施形態においては、中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸、ペルオキシデカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。1実施形態においては、中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であるか又はそれを含むことができる。
【0105】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.3〜約7wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約4wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.8〜約3wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約1〜約3wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸、又は約1〜約2wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0106】
1実施形態においては、当該組成物及び方法は中鎖カルボン酸を内含する。中鎖カルボン酸は、C6〜C12のカルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C6〜C12カルボン酸は、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。中鎖カルボン酸はC7〜C12カルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C7−C12カルボン酸はヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。中鎖ペルオキシカルボン酸はC6〜C10のカルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C6〜C10カルボン酸は、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。中鎖カルボン酸は、C8−C10カルボン酸であるか又はそれを含むことができる。C8−C10カルボン酸はオクタン酸、ノナン酸、デカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。或る種の実施形態においては、中鎖カルボン酸はオクタン酸、デカン酸、又はそれらの混合物であるか又はそれを含むことができる。1実施形態においては、中鎖カルボン酸はオクタン酸であるか又はそれを含むことができる。
【0107】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.001〜約8wt%の中鎖カルボン酸、約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸、約1〜約8wt%の中鎖カルボン酸、約1.5〜約6wt%の中鎖カルボン酸、約2〜約8wt%の中鎖カルボン酸、約2〜約6wt%の中鎖カルボン酸、約2〜約4wt%の中鎖カルボン酸、約2.5〜約5wt%の中鎖カルボン酸、約3〜約6wt%の中鎖カルボン酸又は約3〜約5wt%の中鎖カルボン酸を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0108】
1実施形態においては、該組成物及び方法には、中鎖ペルオキシカルボン酸及び対応する中鎖カルボン酸が含まれる。
【0109】
1実施形態においては、当該組成物はSalmonella typhimurium、 Salmonella javiana、 Campylobacter jejuni、 Listeria monocytogenes及びEscherichia coli 0157:H7、酵母、かびなどの食品に付随する食品媒介病原性細菌のうちの単数又は複数のもの(例えば少なくとも1種類)を死滅させるのに有効な量の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。1実施形態においては、当該組成物はSalmonella typhimurium、 Staphylococcus aureus、 Salmonella choleraesurus、 Pseudomonas aeruginosa、 Escherichia coli、 マイコバクテリア、酵母、かびなどといった医療用表面及び環境に付随する病原性細菌のうちの単数又は複数のもの(例えば少なくとも1種類)を死滅させるのに有効な量の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。本発明の組成物及び方法は、グラム陽性菌(例えばListeria monocytogenes又はStaphylococcus aureus)及びグラム陰性菌(例えばEscherichia coli又はPseudomonas aeruginosa)、酵母、かび、細菌胞子、ウィルスなどといった多様な微生物に対する活性をもつ。上述の通り、本発明の組成物及び方法は、多様なヒト病原体に対する活性をもつ。当該組成物及び方法は、食品加工表面上、食品の表面上、食品の洗浄又は加工用に用いられる水の中、医療用表面上又は医療環境内で多様な微生物を死滅させることができる。
【0110】
本発明の実施形態は、中鎖カルボン酸及び中鎖ペルオキシカルボン酸を内含し、或る種の実施形態は特定的に短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸又はその混合物を除外する。それでも当該組成物の実施形態は、短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸又はその混合物を内含することができる。短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸又はその混合物を組成物に添加したことによって、組成物が本発明の精神及び範囲から必然的に排除されるべきであるとは考えられていない。
【0111】
可溶化剤
当該組成物は可溶化剤を内含し得る。本発明は、中鎖カルボン酸及び中鎖ペルオキシカルボン酸用の可溶化剤に関する。1実施形態においては、可溶化剤は中鎖ペルオキシカルボン酸又は中鎖カルボン酸の該組成物中での溶解度を増大又は維持することができる。当該組成物及び方法はさまざまな適切な可溶化剤のいずれかを内含し得る。例えば、可溶化剤は溶媒、界面活性剤又はその混合物を内含し得る。1実施形態においては、界面活性剤は溶媒として利用可能である。1実施形態においては、界面活性剤はマイクロエマルジョンを形成することができる。1実施形態においては、当該可溶化剤を含む組成物は、粘弾性ゲル又は液体の形をとる。1実施形態においては、可溶化剤は、水中で5wt%の濃度でオクタン酸を溶解させるのに有効である。1実施形態においては、可溶化剤は水中で4wt%の濃度でオクタン酸を溶解させるのに有効である。1実施形態においては、可溶化剤は水中で3wt%の濃度でオクタン酸を溶解させるのに有効である。1実施形態においては、可溶化剤は水中で2wt%の濃度でオクタン酸を溶解させるのに有効である。
【0112】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.001〜約80wt%の可溶化剤、約0.001〜約60wt%の可溶化剤、約1〜約80wt%の可溶化剤、約1〜約25wt%の可溶化剤、約1〜約20wt%の可溶化剤、約2〜約70wt%の可溶化剤、約2〜約60wt%の可溶化剤、約2〜約20wt%の可溶化剤、約3〜約65wt%の可溶化剤、約3〜約15wt%の可溶化剤、約4〜約10wt%の可溶化剤、約4〜約20wt%の可溶化剤、約5〜約70wt%の可溶化剤、約5〜約60wt%の可溶化剤、約5〜約20wt%の可溶化剤、約10〜約70wt%の可溶化剤、約10〜約65wt%の可溶化剤、約10〜約20wt%の可溶化剤、約20〜約60wt%の可溶化剤、又は約40〜約60wt%の可溶化剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0113】
溶媒可溶化剤及びそれらを含む組成物
1実施形態においては、当該組成物及び方法は、可溶化剤として単数又は複数(例えば少なくとも1種類)の溶媒を内含できる。適切な溶媒には、中鎖ペルオキシカルボン酸を可溶化するものの著しく分解しないさまざまな溶媒のうちのいずれかを内含する。適切な溶媒としては、酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、グリコールエーテル、非イオン性界面活性剤、それらの混合物などが含まれる。
【0114】
1実施形態においては、当該組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸;中鎖カルボン酸;担体;及び酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含する。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;約1〜約98wt%の担体;及び約1〜約80wt%の酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;約5〜約35wt%の担体;及び約20〜約65wt%の酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;約10〜約35wt%の担体;及び約40〜約60wt%の酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含し得る。1実施形態においては、当該組成物は溶媒可溶化剤及び35wt%以下の担体(例えば水)を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0115】
1実施形態においては、当該組成物はC8ペルオキシカルボン酸;C8カルボン酸;水;及び酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含する。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%のC8カルボン酸;約1〜約98wt%の水、及び約1〜約80wt%の酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%のC8カルボン酸;約5〜約35wt%の水、及び約20〜約65wt%の酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%のC8カルボン酸;約10〜約35wt%の水、及び約40〜約60wt%の酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含し得る。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0116】
或る種の実施形態においては、当該組成物は可溶化剤としての約0.001〜約80wt%の溶媒、可溶化剤としての約0.001〜約60wt%の溶媒、可溶化剤としての約1〜約80wt%の溶媒、可溶化剤としての約5〜約70wt%の溶媒、可溶化剤としての約10〜約65wt%の溶媒、又は可溶化剤としての約20〜約60wt%の溶媒を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0117】
1実施形態においては、当該組成物及び方法が可溶化剤として溶媒を内含する場合、これらは短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸又はその混合物を有意な量さらには任意の量でさえ内含する必要がない。短鎖カルボン酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸及びブタン酸が含まれる、1実施形態においては、溶媒可溶化剤を内含する当該組成物及び方法は実質的量の短鎖ペルオキシカルボン酸を内含する必要がない。1実施形態では、溶媒可溶化剤を含む当該組成物及び方法は、添加された短鎖ペルオキシカルボン酸を含まない可能性がある。
【0118】
1実施形態においては、溶媒可溶化剤を内含する当該組成物及び方法は、従来の組成物中に発見される短鎖ペルオキシカルボン酸に比べてさらに大きい割合で中鎖ペルオキシカルボン酸を内含することができる。例えば当該組成物及び方法は、8部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の短鎖ペルオキシカルボン酸及び溶媒可溶化剤を内含することができる。例えば、当該組成物及び方法は標準的な人間にとって攻撃的な臭いをひき起こすには不充分なレベルで短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物及び溶媒可溶化剤を内含することができる。
【0119】
酸化ポリアルキレン可溶化剤
適切な酸化ポリアルキレンには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、それらの混合物などが含まれる。適切なキャップド酸化ポリアルキレンにはそれぞれの酸化ポリアルキレンのモノアルキル及びジアルキルエーテル、例えばポリアルキレングリコールのモノ−及びジ−メチルエーテル、ポリアルキレングリコールのモノ−及びジ−エチルエーテル、ポリアルキレングリコールのモノ−及びジ−プロピルエーテル、ポリアルキレングリコールのモノ−及びジ−ブチルエーテル、それらの混合物などが含まれる。適切なキャップド酸化ポリアルキレンには、メチルポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールのモノエチルエーテル)、ジメチルポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールのジエチルエーテル)、それらの混合物などが含まれる。
【0120】
グリコールエーテル可溶化剤
適切な溶媒可溶化剤にはグリコールエーテルが含まれる。適切なグリコールエーテルにはジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールtert−ブチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル及びトリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル(Dow Chemical Co.よりDOWANOL EPHTMとして市販されているもの)、プロピレングリコールフェニルエーテル (Dow Chemical Co. よりDOWANOL PPHTMとして市販されているもの)など、又はそれらの混合物が含まれる。付加的な適切な市販のグリコールエーテル(全てUnion Carbide Corp製)には、ブトキシエチルPROPASOLTM、ブチルCARBITOLTMアセタート、ブチルCARBITOLTM、ブチルCELLOSOLVETMアセタート、ブチルCELLOSOLVETM、ブチルDIPROPASOLTM、ブチル PROPASOLTM、CARBITOLTM PM-600、無重力CARBITOLTM、CELLOSOLVETMアセタート、CELLOSOLVETM 、エステルEEPTM、FILMER IBTTM、ヘキシルCARBITOLTM、ヘキシルCELLOSOLVETM、メチルCARBITOLTM、メチルCELLOSOLVETMアセタート、メチルCELLOSOLVETM、メチルDIPROPASOLTM、メチルPROPASOLTMアセタート、メチルRROPASOLTM、プロピルCARBITOLTM、プロピルCELLOSOLVETM、プロピルDIPROPASOLTM 及びプロピルPROPASOLTMが含まれる。
【0121】
非イオン性界面活性剤
溶媒として使用するための適切な非イオン性界面活性剤には、アルコキシル化界面活性剤が含まれる。適切なアルコキシル化界面活性剤にはEO/PO共重合体、キャップドEO/PO共重合体、アルコキシル化アルコール、キャップドアルコキシル化アルコール、その混合物などが含まれる。溶媒として使用するための適切なアルコキシル化界面活性剤としては、Pluronic及び逆Pluronic界面活性剤;アルコキシル化アルコール例えばDehypon LS−54(R−(EO)5(PO)4)及びDehypon LS−36(R−(EO)3(PO)6);及びキャップドアルコキシル化アルコール例えばPlurafac LF221及びTegoten EC11;その混合物などが含まれる。非イオン性界面活性剤といったような界面活性剤を溶媒として使用する場合、従来界面活性剤として利用されているものよりも高い濃度にすることができる。
【0122】
半極性非イオン性界面活性剤
非イオン性表面活性剤の半極性タイプは、本発明の組成物中で有用なもう1つの種類の非イオン性界面活性剤である。半極性非イオン性界面活性剤には酸化アミン、酸化ホスフィン、スルホキシド及びそのアルコキシ化誘導体が含まれる。
【0123】
酸化アミンは、次の一般構造式に対応する酸化第3級アミンである:
【化3】

なお式中、矢印は半極性結合の慣用的表現であり、R1、R2及びR3は脂肪族、芳香族、複素環、脂環族又はその組合せである。一般に、洗浄剤として有利な酸化アミンについては、R1は約8〜約24の炭素原子のアルキルラジカルであり;R2及びR3は1〜3個の炭素原子のアルキル又はヒドロキシアルキル又はその混合物であり;R2及びR3は例えば酸素又は窒素原子を通して互いに付着されて環構造を形成することができる;R4は2〜3個の炭素原子を含有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基である。
【0124】
有用な水溶性酸化アミン界面活性剤は、オクチル、デシル、ドデシル、イソドデシル、ココナツ、又は獣脂アルキルジ−(低級アルキル)酸化アミンの中から選択され、その特定的な例は、酸化オクチルジメチルアミン、酸化ノニルジメチルアミン、酸化デシルジメチルアミン、酸化ウンデシルジメチルアミン、酸化ドデシルジメチルアミン、酸化イソ-ドデシルジメチルアミン、酸化トリデシルジメチルアミン、酸化テトラデシルジメチルアミン、酸化ペンタデシルジメチルアミン、酸化ヘキサデシルジメチルアミン、酸化ヘプタデシルジメチルアミン、酸化オクタデシルジメチルアイン、酸化ドデシルジプロピルアミン、酸化テトラデシルジプロピルアミン、酸化ヘキサデシルジプロピルアミン、酸化テトラデシルジブチルアミン、酸化オクタデシルジブチルアミン、酸化(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミン、酸化ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−ドデコキシ−1−ヒドロキシプロピルアミン、酸化ジメチル−(2−ヒドロキシドデシル)アミン、酸化3,6,9−トリオクタデシルジメチルアミン及び酸化3−ドデコキシ2−ヒドロキシプロピルジ−(2−ヒドロキシエチル)アミンである。
【0125】
界面活性剤可溶化剤及びそれらを内含する組成物
1実施形態においては、当該組成物及び方法は、可溶化剤として単数又は複数の(例えば少なくとも1つ)界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含することができる。適切な界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、その混合物などが含まれる。適切なマイクロエマルジョン形成界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、その混合物などが含まれる。適切なマイクロエマルジョン形成界面活性剤には、アニオン性界面活性剤が含まれる。マイクロエマルジョン形成界面活性剤は、中鎖ペルオキシカルボン酸、中鎖カルボン酸、又はその混合物を内含する組成物中のマイクロエマルジョンを形成することができる。1実施形態においては、当該組成物はマイクロエマルジョンを内含する。
【0126】
1実施形態においては、当該組成物は、それが青色チンダルの外観を有するずり流動化した粘弾性ゲル又は液体であることを試験することによってマイクロエマルジョンであるものと判定され得る。本発明を制限するわけではないが、青色チンダル外観は、青色光を散乱する上で有効である小さい懸濁分散(例えばマイクロエマルジョン)の不均一系を表わすものと考えられている。
【0127】
1実施形態においては、当該組成物は、界面活性剤可溶化剤の異なる濃度で物理的に安定した組成物を形成する能力を試験することによってマイクロエマルジョンであることが判定され得る。マイクロエマルジョンは、より高い又はより低い濃度で不安定である組成物を用いて1つの濃度で最大限の物理的安定性を伴う曲線を生成することができる。典型的には、溶媒及び界面活性剤(例えば酢酸及び界面活性剤)の混合物はマイクロエマルジョンを形成しない。
【0128】
1実施形態においては、界面活性剤可溶化剤を内含する組成物は粘弾性ゲル又は液体の形をとる。中鎖カルボン酸、中鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物の濃度を増大させることにより、組成物が粘弾性ゲル又は液体となる度合いを高くすることができる。界面活性剤可溶化剤の濃度を増大させることによって組成物が粘弾性ゲル又は液体である度合いを増大させることができる。1実施形態においては、ゲルはその成形された形状を保持するのに充分なほどに粘弾性であり得る。その成形された形状を保持できる粘弾性ゲル又は液体を形成するべく、スルホン酸アルキルベンゼン界面活性剤(例えばLAS)を利用することができる。1実施形態においては、粘弾性ゲルを含有するスルホン酸アルキルベンゼン界面活性剤は60℃でさえその形成を保持することができる。
【0129】
本発明を制限する意味はないが、当該組成物は、マイクロエマルジョンの界面活性剤内で金属イオン封鎖された中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。こうして、バウク水の中の不純物又は還元剤からそれを遠ざけることによって、ペルオキシカルボン酸を安定化させることができる。こうして、ペルオキシカルボン酸を溶液から引き出すことでその生産を増大させることができる。本発明を制限する意味はないが、当該組成物のゲルの粘弾性特性についての1つの説明は、それがマイクロエマルジョン形成界面活性剤により安定化される分散/液滴の間の斥力に起因しているということにあると考えられている。投入される界面活性剤は、静電気反発作用を増大させ得る。投入された適切な界面活性剤はアニオン性界面活性剤を内含する。
【0130】
1実施形態においては、当該組成物はアニオン性界面活性剤及びその他の単数又は複数の界面活性剤を内含する。例えば、当該組成物はアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤又は半極性非イオン性界面活性剤を内含し得る。
【0131】
1実施形態においては、本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸;中鎖カルボン酸;担体及び単数又は複数(例えば少なくとも1つ)の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含する。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;約5〜約97wt%の担体;及び約1〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;約15〜約80wt%の担体;及び約1〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;約30〜約70wt%の担体;及び約2〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含し得る。1実施形態においては、当該組成物は界面活性剤又はマイクロエマルジョン形成可溶化剤及び35wt%以下の担体(例えば水)を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0132】
1実施形態においては、当該組成物はC8ペルオキシカルボン酸;C8カルボン酸;水;及び単数又は複数の(例えば少なくとも1つの)界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含する。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%のC8カルボン酸;約5〜約97wt%の水、及び約1〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%のC8カルボン酸;約15〜約80wt%の水、及び約1〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含し得る。例えば、当該組成物は約0.5〜約5wt%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt%のC8カルボン酸;約30〜約70wt%の水、及び約2〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含し得る。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0133】
或る種の実施形態においては、当該組成物は可溶化剤としての約0.001〜約60wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤としての約1〜約25wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤としての約1〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤としての約2〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤としての約3〜約15wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、又は可溶化剤としての約4〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤としての約4〜約10wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤としての約5〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、又は可溶化剤としての約10〜約20wt%の界面活性剤例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0134】
アニオン性界面活性剤
当該組成物は可溶化剤としてアニオン性界面活性剤を内含し得る。適切なアニオン性界面活性剤には、有機スルホン酸塩界面活性剤、有機スルホン酸塩界面活性剤、リン酸エステル界面活性剤、カルボン酸塩界面活性剤、その混合物などを含む。1実施形態では、アニオン性界面活性剤にはスルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアリール、アルキル化ジフェニルオキシドスルホナート、アルキル化ナフタレンジスルホナート、アルコールアルコキシラートカルボキシラート、サルコシン酸塩、タウリン酸塩、アシルアミノ酸、アルカン酸エステル、リン酸エステル、硫酸エステル、その塩又は酸又はそれらの混合物が含まれる。特別な塩は、特定の処方及びそのニーズに応じて適切に選択されることになる。
【0135】
適切なアニオン性界面活性剤にはスルホン酸(及び塩)例えばイセチオン酸塩(例えば、アシルイセチオン酸塩)、アルキルアリールスルホン酸及びその塩、スルホン酸アルキル、スルホン酸二級アルカンなどが含まれる。
【0136】
適切な合成水溶性アニオン洗浄剤化合物の例としては、アルキル単核芳香族スルホナート例えば、直鎖又は有枝鎖内のアルキル基の中に約5〜約18個の炭素原子を含有するスルホン酸アルキルベンゼンのアンモニウム及び置換アンモニウム(例えばモノ、ジ及びトリエタノールアミン)及びアルカリ金属(例えばナトリウム、リチウム及びカリウム)塩、例えばスルホン酸アルキルベンゼン又はスルホン酸アルキルトルエン、キシレン、クメン及びフェノールの塩;スルホン酸アルキルナフタレン;スルホン酸ジアミルナフタレン、及びスルホン酸ジノニルナフタレン及びアルコキシル化誘導体又はその遊離酸が含まれる。適切なスルホナートには、スルホン酸オレフィン例えば長鎖スルホン酸アルケン、長鎖スルホン酸ヒドロキシアルカン又はアルケンスルホナート及びヒドロキシアルカンスルホナートの混合物が含まれる。
【0137】
或る種の実施形態においては、正規のC8スルホナートといったようなアニオン性界面活性剤を含む当該組成物は無気泡又は低気泡組成物である。かかる組成物は、現場内浄化、機械式商品洗浄、除染及び衛生化、洗たく物洗浄、除染及び衛生化といったような利用分野に有利である。
【0138】
起泡が望まれる利用分野では、起泡剤を当該組成物の一部としてか又は別途添加することができる。2段階式提供においては、起泡剤を、無気泡又は低気泡組成物の希釈と組合せ、起泡性使用溶液を形成させることができる。1段階提供においては、起泡剤を濃縮組成物中に取込むことができる。1つの適切な起泡剤はLAS酸である。LAS酸は当該組成物中でマイクロエマルジョンを形成できる。LAS酸は当該組成物中で粘弾性ゲル又は液体を形成することができる。付加的な適切な起泡剤としては、第2級スルホン酸アルカン、アルキル化酸化ジフェニルジスルホナート(例えばC12アルキル酸化ジフェニルジスルホナート)、スルホン酸アルキルエーテル(例えばn=1−3)(例えば硫酸ラウレスナトリウム(n=1、2又は3))、硫酸ラウリルナトリウムなどが含まれる。
【0139】
1実施形態においては、かかる起泡剤は起泡性組成物に単数又は複数の望ましい起泡特性を与える。望ましい起泡特性としては例えば、気泡がその形成後約5分間目に見えること;(例えば垂直表面に適用された場合)脱水が連続的かつ優れたものである気泡;乾燥して透明な外観となる、例えばステンレス鋼の表面上に可視的残渣を残さない気泡;及び/又はペルオキシ酢酸を含有する従来の気泡に比べて穏やかな又は少ない臭いで適用できる気泡、が含まれる。
【0140】
当該組成物内での使用に適したアニオン硫酸塩界面活性剤には硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキル、線状及び有枝硫酸一級及び二級アルキル、エトキシ硫酸アルキル、脂肪性硫酸オレイルグリセロール、酸化アルキルフェノールエチレン硫酸エーテル、C5−C17アシル−N−(C1−C4アルキル)及び−N−(C1−C2ヒドロキシアルキル)、硫酸グルカミン、及びアルキル多糖類の硫酸塩例えばアルキルポリグリコシドの硫酸塩などが含まれる。同様に内含されるのは、硫酸アルキル、硫酸アルキルポリ(エチレンオキシ)及び硫酸芳香族ポリ(エチレンオキシ)、例えば、酸化エチレン及びノニルフェノール(通常は1分子あたり1〜6個のオキシエチレン基を有する)の硫酸塩又は縮合生成物である。
【0141】
当該組成物中で使用するのに適したアニオンカルボン酸塩界面活性剤にはカルボン酸(及び塩)、例えばアルカン酸(及びアルカン酸塩)、エステルカルボン酸(例えばコハク酸アルキル)、エーテルカルボン酸、などが含まれる。かかるカルボン酸塩には、アルキルエトキシカルボキシラート、アルキルアリールエトキシカルボキシラート、アルキルポリエトキシポリカルボキシラート界面活性剤及び石鹸(例えばアルキルカルボキシル)が含まれる。当該組成物中で有用な2級カルボン酸塩には、2級炭素に連結されたカルボキシル単位を含有するものが含まれる。2級炭素は、例えばp−オクチル安息香酸又はアルキル置換シクロヘキシルカルボキシラートといったような環構造であり得る。2級カルボン酸塩界面活性剤は典型的には、エーテル連結、エステル連結及びヒドロキシル基をいずれも全く含有しない。さらに、これらの界面活性剤には標準的に頭部基(両親媒性部分)の中に窒素原子が欠如している。適切な2級石けん界面活性剤は標準的に合計11〜13個の炭素原子を含有するが、より多くの炭素原子(例えば最高16)が存在することもできる。適切なカルボン酸塩には同様にアシルアミノ酸(及び塩)、例えばアシルグルアマート、アシルペプチド、サルコシナート(例えばN−アシルサルコシナート)、タウリン酸塩(例えばタウリン酸N−アシル及びメチルタウリドの脂肪酸アミド)なども含まれる。
【0142】
適切なアニオン性界面活性剤には、
【化4】

という構造式3のアルキル又はアルキルアリールエトキシカルボキシラートが含まれ、ここで式中RはC8〜C22アルキル基又は
【化5】

であり(なお式中R1はC4〜C16アルキル基である);nは1〜20の整数であり;mは1〜3の整数であり;Xは対イオン例えば水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム又はアミン塩例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンである。1実施形態においては、構造式3中、nは4〜10の整数であり、mは1である。1実施形態においては、構造式3中RはC12−C14アルキル基であり、nは4そしてmは1である。
【0143】
1実施形態においては、構造式3中、Rは
【化6】

でありR1はC1−C12アルキル基である。1実施形態において、構造式3中、R1はC9アルキル基、nは10そしてmは1である。かかるアルキル及びアルキルアリールエトキシカルボキシラートは市販されている。これらのエトキシカルボキシラートは、標準的にアニオン又は塩形態に容易に転換可能である酸形態として入手可能である。市販のカルボン酸塩には、Neodox 23-4、C12-13アルキルポリエトキシ(4)カルボン酸(Shell Chemical)、及びEmcol CNP-110、C9アルキルアリールポリエトキシ(10)カルボン酸(Witco Chemical)が含まれる。カルボン酸塩は同様に、例えばC13アルキルポリエトキシ(7)カルボン酸である製品Sandopan(登録商標)DTCなどのようにClariantから入手可能である。
【0144】
両性界面活性剤
両性又は両性電解質界面活性剤は、塩基性及び酸性親水基及び有機疎水基の両方を含有する。これらのイオン物質は、本明細書にその他のタイプの界面活性剤について記述されたアニオン又はカチオン基のいずれかであり得る。塩基性窒素及び酸性カルボキシレート基が、塩基性及び酸性親水基として利用される標準的官能基である。わずかな界面活性剤の中で、スルホン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩又はリン酸塩が負の電荷を提供する。
【0145】
両性界面活性剤は、脂肪族2級及び3級アミンの誘導体として広く記述でき、ここで脂肪族ラジカルは直鎖又は有枝であってよく、脂肪族置換基の1つは、約8〜18の炭素原子を含有し、1つはアニオン水可溶化基例えばカルボキシ、スルホ、スルファト、ホスファト又はホスホノ基を含有する。両性界面活性剤は、当業者にとって既知でかつ「界面活性剤百科辞典」(Cosmetics & Toiletries、 第104巻(2)69―71(1989年)に記述されている2つの主要なクラスに細分される。第1のクラスは、アシル/ジアルキル エチレンジアミン誘導体(例えば2−アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)及びその塩を内含する。第2のクラスは、N−アルキルアミノ酸及びその塩を内含する。一部の両性界面活性剤は、両方のクラスにあてはまるものとして想像することができる。
【0146】
両性界面活性剤は、当業者にとって既知の方法によって合成可能である。例えば2−アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンは、ジアルキルエチレンジアミンを用いた長鎖カルボン酸(又は誘導体)の縮合及び閉環によって合成される。市販の両性界面活性剤は、その後の加水分解及び(例えばクロロ酢酸又は酢酸エチルでの)アルキル化によるイミダゾリン環の開環によって誘導体化される。アルキル化の間、1つ又は2つのカルボキシ−アルキル基が反応して、第3アミン及び異なる第3アミンを生成するさまざまなアルキル化剤とのエーテル連結を形成する。
【0147】
本発明で利用される長鎖イミダリン誘導体は一般に次の一般構造式を有する:
【化7】

なお式中、Rは約8〜18個の炭素原子を含有する非環式疎水基であり、Mはアニオン、一般にナトリウムの電荷を中和する。当該組成物中で利用可能な商業的に卓越したイミダゾリン誘導型両性体としては、例えばココアンホプロピオナート、ココアンホカルボキシ−プロピオナート、ココアンホグリシナート、ココアンホカルボキシ−スルホナート、及びココアンホカルボキシ−プロピオン酸が含まれる。アンフォカルボン酸は、アンフォジカルボン酸のジカルボン酸官能基が二酢酸及び/又はジプロピオン酸である脂肪性イミダゾリンから生産可能である。
【0148】
以上で記述したカルボキシメチル化化合物(グリシン酸塩)はベタインと呼ばれることが多い。ベタインは、「双性イオン性界面活性剤」という表題の節で以下に論述される特別なクラスの両性体である。
【0149】
長鎖N−アルキルアミノ酸は反応RNH2により容易に調製され、ここでRはハロゲン化カルボン酸を伴う脂肪性アミンであるC8−C18直鎖又は有枝鎖アルキルである。アミノ酸の1級アミノ基のアルキル化が2級及び3級アミンを導く。アルキル置換基は、複数の反応性窒素中心を提供する付加的なアミノ基を有し得る。大部分の市販のN−アルキルアミン酸はベータアラニン又はベータ−N(2−カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本発明で利用できる市販のN−アルキルアミノ酸両性電解質の例としてはアルキルベータ−アミノジプロピオナート、RN(C24COOM)2及びRNHC24COOMが含まれる。1実施形態においては、Rは約8〜約18個の炭素原子を含有する非環式疎水基であり得、Mはアニオンの電荷を中性化するためのカチオンである。
【0150】
適切な両性界面活性剤には、ココナッツ油又はココナッツ脂肪酸といったようなココナッツ製品から誘導されたものが含まれる。付加的な適切なココナッツ誘導型界面活性剤には、その構造の一部として、エチレンジアミン部分、アルカノールアミド部分、アミノ酸部分、例えばグリシン又はその組合せ;及び約8〜18(例えば12)の炭素原子から成る脂肪族置換基が含まれる。かかる界面活性剤は同様に、アルキルアンファジカルボン酸とみなすこともできる。これらの両性界面活性剤はC12アルキル−C(O)−NH−CH2−CH2−N+(CH2−CH2−CO2Na)2−CH2−CH2−OH又はC12−アルキル−C(O)−N(H)−CH2−CH2−N+(CH2−CO2Na)2−CH2−CH2−OHとして表わされる化学的構造を含み得る。ココアンホジプロピオナート2ナトリウムは、1つの適切な両性界面活性剤であり、Rhodia Inc. Cranbury N.JからMiranolTMFBSという商標名で市販されている。ココアンホジアセタート2ナトリウムの化学名をもつもう1つの適当なココナッツ誘導型両性界面活性剤は、同じくRhodia Inc.、Cranbury N.J.からMirataineTMJCHAの商標名で販売されている。
【0151】
両性クラス及びこれらの界面活性剤の標準的一覧は、1975年12月30日付けでLauqhlin及びHeuringに対し発行された米国特許第3,979,678号の中で記されている。さらなる例は、「表面活性剤と洗浄剤」(Schwartz、Perry 及びBerchによる第I巻及びII巻)の中で示されている。
【0152】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤のサブセットとして考えることができ、アニオン電荷を内含し得る。双性イオン性界面活性剤は、2級及び3級アミンの誘導体、複素環式2級及び3級アミンの誘導体、又は第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム又は第3級スルホニウム化合物の誘導体として広く記述され得る。典型的には、双性イオン性界面活性剤は、正帯電第4級アンモニウム又一部のケースではスルホニウム又はホスホニウムイオン;負帯電カルボキシ基;及びアルキル基を内含する。双性イオン物質は一般に、分子の等電領域内でほぼ等しいレベルまでイオン化しかつ正−負電荷中心間で強い「内部塩」引力を発達させることのできるカチオン及びアニオン基を含有する。かかる双性イオン合成界面活性剤の例としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は有枝であり得、かつ脂肪族置換基の1つが8〜18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン水可溶化基例えばカルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩又はホスホン酸塩を含有する脂肪族第4級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体が含まれる。ベタイン及びサルテイン界面活性剤が、本明細書で使用するための双性イオン性界面活性剤の例である。
【0153】
これらの化合物の一般構造式は以下の通りである:
【化8】

なお式中、R1は0〜10個の酸化エチレン部分及び0〜1個のグリセリル部分を有する8〜18個の炭素原子のアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキルラジカルを含有し;Yは窒素、リン及び硫黄原子から成る群から選択され;R2は1〜3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;xは、Yが硫黄原子であるとき1であり、Yが窒素又はリン原子であるとき2であり、R3は1〜4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zはカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、ホスホン酸塩及びリン酸塩基から成る群から選択されたラジカルである。
【0154】
以上で列挙した構造をもつ双性イオン性界面活性剤の例としては以下のものが含まれる;4−[N、N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−オクタデシルアンモニオ]−ブタン−1−カルボキシラート;5−[S−3−ヒドロキシプロピル−S−ヘキサデシルスルホニオ]−3−ヒドロキシペンタン−1−スルファート;3−[P,P−ジエチル−P−3,6,9−トリオキサテトラコサンホスホニオ]−2−ヒドロキシプロパン−1−ホスファート;3−[N,N−ジプロピル――N−3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピル−アンモニオ]−プロパン−1−ホスホナート;3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)−プロパン−1−スルホナート;3−(N,N−ジメチル−N−ヘキサデシルアンモニオ)−2−ヒドロキシ−プロパン−1−スルホナート;4−[N,N−ジ(2(2−ヒドロキシエチル)−N(2−ヒドロキシドデシル)アンモニオ)−ブタン−1−カルボキシラート;3−[S−エチル−S−(3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピル)スルホニオ]−プロパン−1−ホスファート;3−[P,P−ジメチル−P−ドデシルホスホニオ]−プロパン−1−ホスホナート;及びS[N,N−ジ(3−ヒドロキシプロピル)−N−ヘキサデシルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−ペンタン−1−スルファート。前記洗浄剤界面活性剤中に含まれるアルキル基は、直鎖又は有枝、そして飽和又は不飽和であり得る。
【0155】
当該組成物中で使用するのに適した双性イオン性界面活性剤には、次の一般構造のベタインが含まれる:
【化9】

これらの界面活性剤ベタインは標準的に極端のpHで強いカチオン又はアニオン特性を示さず、又その等電範囲内で水溶性の低下を示さない。「外部の」第4級アンモニウム塩とは異なり、ベタインはアニオン性界面活性剤と相容性をもつ。適切なベタインの例としてはココナッツアシルアミドプロピルジメチルベタイン;ヘキサデシルジメチルベタイン;C12-14アシルアミドプロピルベタイン;C8-14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン;4−C14-16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ−1−カルボキシブタン;C16-18アシルアミドジメチルベタイン;C12-16アシルアミドペンタンジエチルベタイン;及びC12-16アシルメチルアミドジメチルベタインが含まれる。
【0156】
本発明において有用なサルテインは、RがC6−C18ヒドロカルビル基であり、各R1が標準的に独立してC1−C3アルキル例えばメチルであり、R2がC1−C6ヒドロカルビル基例えばC1−C3アルキレン又はヒドロキシアルキレン基であるものとして構造式 CR(R12+2SO3-を有する化合物を内含する。
【0157】
双性イオンクラス及びこれらの界面活性剤の標準的一覧は、1975年12月30日付けでLauqhlin及びHeuringに対し発行された米国特許第3,979,678号の中で記されている。さらなる例は、「表面活性剤と洗浄剤」(Schwartz、Perry 及びBerchによる第I巻及びII巻)の中で示されている。
【0158】
1実施形態においては、本発明の組成物は、ベタインを内含する。例えば組成物はココアミドプロピルベタインを内含し得る。
【0159】
組成物の実施形態
当該組成物の実施形態のための代表的構成要素濃度のいくつかの例を表A−Cに見出すことができる。なお表中、値は合計組成物重量を基準とした成分のwt%で示されている。或る種の実施形態においては、表A−C内の割合及び量は、「約」によって修飾され得る。
【0160】
【表1】

【0161】
当該組成物の付加的な実施形態のための代表的構成要素濃度のいくつかの例を表D−Fに見出すことができる。なお表中、値は合計組成物重量を基準とした成分のwt%で示されている。或る種の実施形態においては、表D−F内の割合及び量は、「約」によって修飾され得る。
【0162】
【表2】

【0163】
1実施形態においては、本発明の組成物は、例えば政府(例えばFDA又はUSDA)規則及び条例21CFR§170〜178に従って食品中で又は食物の洗浄、取扱い又は加工において利用することのできる成分のみを内含する。1実施形態においては、本発明の組成物は、USEPA、40CFR§180.940により偶発的食物接触のために承認された濃度の成分のみ内含できる。
【0164】
当該組成物は液体、固体、ゲル、ペースト、単位用量、ゲルパックなどの形をとり得る。当該組成物は、2区画ディスペンサといったようなさまざまなコンテナ又は媒体のいずれかの中に入って又は予め加湿されたティッシュ、小型ペーパータオル又はスポンジとして供給され得る。
【0165】
担体
該発明の組成物は同様に担体も内含できる。担体は、該組成物のその他の構成要素を溶解、懸濁させるか又は担持する媒質を提供する。例えば、担体はペルオキシカルボン酸の可溶化、懸濁又は生産のため及び平衡混合物を形成するための媒質を提供し得る。担体は同様に、物体上に該発明の抗菌組成物を送達し加湿するためにも機能する。この目的で、担体はこれらの機能を容易にしうるあらゆる単数又は複数の構成要素を含有し得る。
【0166】
或る種の実施形態においては、担体は可溶化剤を促進し反応及び平衡のための媒質として作用し得る水を主として内含する。担体は、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどといった単純アルキルアルコールといった有機溶媒を内含するか又は主としてこれらであり得る。グリセロール、ソルビトールなどを含めポリオールも同様に有用な担体である。
【0167】
適切な担体としては,
ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールtert−ブチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル及びトリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル(Dow Chemical Co.よりDOWANOL EPHTMとして市販されているもの)、プロピレングリコールフェニルエーテル(Dow Chemical Co. よりDOWANOL PPHTMとして市販されているもの)など、又はそれらの混合物が含まれる。付加的な適切な市販のグリコールエーテル(その全てがUnion Carbide Corpから入手可能である)にはブトキシエチルPROPASOLTM、ブチルCARBITOLTMアセタート、ブチルCARBITOLTM、ブチルCELLOSOLVETMアセタート、ブチルCELLOSOLVETM、ブチルDIPROPASOLTM、ブチルPROPASOLTM、CARBITOLTM PM-600、無重力CARBITOLTM、CELLOSOLVETMアセタート、CELLOSOLVETM 、エステルEEPTM、FILMER IBTTM、ヘキシルCARBITOLTM、ヘキシルCELLOSOLVETM、メチルCARBITOLTM、メチルCELLOSOLVETMアセタート、メチルCELLOSOLVETM、メチルDIPROPASOLTM、メチルPROPASOLTMアセタート、メチルROPASOLTM、プロピル CARBITOLTM、プロピルCELLOSOLVETM、プロピルDIPROPASOLTM及びプロピルPROPASOLTMが含まれる。
【0168】
或る種の実施形態においては、担体は該発明の組成物の大部分を構成しており、活性抗菌構成要素、可溶化剤、酸化剤、アジュバントなどとは別の該組成物の残りの部分であり得る。ここでも又担体の濃度及びタイプは、なかでも組成物全体の性質、環境的貯蔵法及び中鎖ペルオキシカルボン酸の濃度を含めた利用方法により左右されることになる。とりわけ担体は、該発明の組成物内の中鎖ペルオキシカルボン酸の抗菌効能を阻害しない濃度に選択され使用されるべきである。
【0169】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、約0〜約98wt%の担体、約0.001〜約99.99wt%の担体、約0.2〜約60wt%の担体、約1〜約98wt%の担体、約5〜約99.99wt%の担体、約5〜約97wt%の担体、約5〜約90wt%の担体、約5〜約70wt%の担体、約5〜約20wt%の担体、約10〜約90wt%の担体、約10〜約80wt%の担体、約10〜約50wt%の担体、約10〜約20wt%の担体、約15〜約70wt%の担体、約15〜約80wt%の担体、約20〜約70wt%の担体、約20〜約50wt%の担体、約20〜約40wt%の担体、約20〜約30wt%の担体、約30〜約75wt%の担体、約30〜約70wt%の担体、約40〜約99.99wt%の担体、約40〜約90wt%の担体又は約60〜約70wt%の担体を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0170】
酸化剤
当該組成物及び方法は、さまざまな酸化剤のうちのいずれかを内含できる。酸化剤はペルオキシカルボン酸を維持するか又は生成するために使用可能である。
【0171】
無機酸化剤の例としては、以下のタイプの化合物又はこれらの化合物の供給源又はこれらのタイプの化合物を内含するか又はそれと共にアダクツを形成するアルカリ金属塩が含まれる:
過酸化水素;
1群(IA)酸化剤、例えば過酸化リチウム、過酸化ナトリウムなど:
2群(IIA)酸化剤、例えば過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化バリウムなど;
12群(IIB)酸化剤、例えば過酸化亜鉛など;
13群(IIIA)酸化剤、例えばホウ素化合物、例えば過ホウ酸塩、例えばNa2CBr2(O22(OH)4・6H20という構造式の過ホウ酸ナトリウム六水和物(過ホウ酸ナトリウム、四水和物とも呼ばれ以前NaBO3・4H2Oと書かれていたもの);Na2Br2(O22〔(OH)4〕・4H2Oという構造式のペルオキシホウ酸ナトリウム四水和物(過ホウ酸ナトリウム三水和物とも呼ばれ、以前NaBO3・3H2Oと書かれていたもの);Na2[B2(O22(OH)4]という構造式のペルオキシホウ酸ナトリウム(過ホウ酸ナトリウム−水和物とも呼ばれ、以前NaBO3・H2Oとも書かれていたもの)など;1実施形態においては過ホウ酸塩;
14群(IVA)酸化剤、例えばアルカリ金属の過ケイ酸塩又はペルオキシ炭酸塩といったような過炭酸塩とも呼ばれる過ケイ酸塩及びペルオキシ炭酸塩など;1実施形態では過炭酸塩;1実施形態では過ケイ酸塩;
15群(VA)酸化剤、例えばペルオキシ亜硝酸及びその塩;ペルオキシリン酸及びその塩、例えば過リン酸塩など;1実施形態では過リン酸塩;
16群(VIA)酸化剤、例えばペルオキシ硫酸及びその塩、例えばペルオキシモノ硫酸及びペルオキシピロ硫酸及びその塩、例えば過硫酸塩、例えば過硫酸ナトリウムなど;1実施形態では過硫酸塩;
VIIa群酸化剤例えば過ヨウ素酸ナトリウム、過塩素酸カリウムなど。
【0172】
その他の無機酸素化合物は遷移金属過酸化物;及びその他のこのような過酸素化合物及びその混合物を内含し得る。
【0173】
1実施形態においては、本発明の組成物及び方法は、以上で列挙した無機酸化剤のうちの単数又は複数のもの(例えば少なくとも1つ)を利用する。適切な無機酸化剤にはオゾン、過酸化水素、過酸化水素アダクツ、IIIA群酸化剤、VIA群酸化剤、VA群酸化剤、VIIA群酸化剤又はその混合物が含まれる。このような無機酸化剤の適切な例としては、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩又はその混合物が含まれる。
【0174】
過酸化水素は無機酸化剤の1つの適切な例を提示する。過酸化水素は、過酸化水素と水の混合物として、例えば水溶液中の液体過酸化水素として提供され得る。過酸化水素は、水中35%、70%及び90%の濃度で市販されている。安全上、35%が一般的に用いられる。当該組成物は例えば約2〜約30wt%又は約5〜約20wt%の過酸化水素を内含し得る。
【0175】
1実施形態においては、無機酸化剤は過酸化水素アダクツを含む。例えば無機酸化剤は過酸化水素、過酸化水素アダクツ又はその混合物を含み得る。さまざまな過酸化水素アダクツのいずれかは、当該組成物及び方法において使用するのに適している。例えば、適切な過酸化水素アダクツには、ペルカルボナート塩、過酸化尿素、ホウ酸ペルアセチル、H22とポリビニルピロリドンのアダクツ、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、その混合物などが含まれる。適切な過酸化水素アダクツには、ペルカルボナート塩、過酸化尿素、ホウ酸ペルアセチル、H22とポリビニルピロリドンのアダクツ又はその混合物が含まれる。適切な過酸化水素アダクツには、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、又はその混合物例えば過炭酸ナトリウムが含まれる。
【0176】
1実施形態においては、当該組成物及び方法は、酸化剤として過酸化水素を内含し得る。過カルボン酸と組合わせた過酸化水素は、微生物に対する或る一定の抗菌作用を提供することができる。付加的には、過酸化水素は、それが適用されるあらゆる表面を活性化させることのできる起沸性作用を提供することができる。過酸化水素は、ひとたび適用された時点で、物体の表面をさらに浄化する機械的フラッシング作用を伴って働くことができる。過酸化水素のさらなる利点は、使用及び分解の時点でこの組成物が食物相容性があるという点にある。
【0177】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.001〜約30wt%の酸化剤、約0.001〜約10wt%の酸化剤、0.002〜約10wt%の酸化剤、約2〜約30wt%の酸化剤、約2〜約25wt%の酸化剤、約2〜約20wt%の酸化剤、約4〜約20wt%の酸化剤、約5〜約10wt%の酸化剤又は約6〜約10wt%の酸化剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0178】
酸味料
1実施形態においては、当該組成物は酸味料を内含することができる。酸味料は、カルボン酸からペルオキシカルボン酸への転換のための触媒として作用することができる。酸味料は、約1以下のpHで濃縮物組成物を形成するために有効であり得る。酸味料は、約5、約5以下、約4、約4以下、約3、約3以下、約2、約2以下などのpHを有する使用組成物を形成するために有効であり得る。1実施形態においては、酸味料は無機酸を内含する。適切な無機酸には、硫酸、燐酸、硝酸、塩酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、それらの混合物などが含まれる。
【0179】
1実施形態においては、酸味料は4未満のpKaをもつカルボン酸が含まれる。4未満のpKaをもつ適切なカルボン酸としては、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、その他のヒドロキシカルボン酸、それらの混合物などが含まれる。かかる酸味料は、それが可溶化剤として作用しない濃度で存在する。
【0180】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.001〜約50wt%の酸味料、約0.001〜約30wt%の酸味料、約1〜約50wt%の酸味料、約1〜約30wt%の酸味料、約2〜約40wt%の酸味料、約2〜約10wt%の酸味料、約3〜約40wt%の酸味料、約5〜約40wt%の酸味料、約5〜約25wt%の酸味料、約10〜約40wt%の酸味料、約10〜約30wt%の酸味料、約15〜約35wt%の酸味料、約15〜約30wt%の酸味料、又は約40〜約60wt%酸味料を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0181】
安定化剤
該発明の組成物に対し、例えば過酸及び過酸化水素を安定化させ該発明の組成物内のこの構成成分の早期酸化を防止するために単数又は複数の安定化剤を添加することができる。
【0182】
適切な安定化剤にはキレート剤又は捕捉剤が含まれる。適切な捕捉剤には、溶解状態の金属イオン特に遷移金属イオンを封鎖する有機キレート化合物が含まれる。かかる捕捉剤には、有機アミノ又はヒドロキシ−ポリホスホン酸錯化剤(酸又は可溶性塩のいずれかの形態)、カルボン酸(例えば重合体ポリカルボン酸塩)、ヒドロキシカルボン酸又はアミノカルボン酸が含まれる。
【0183】
捕捉剤はホスホン酸又はホスホナート塩であるか又はこれを内含することができる。適切なホスホン酸及びホスホナート塩には、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(CH3C(PO322OH)(HEDP);エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸(EDTMP);ジエチレントリアミンペンタキスメチレンホスホン酸(DTPMP);シクロヘキサン−1,2−テトラメチレンホスホン酸;アミノ[トリ(メチレンホスホン酸)];(エチレンジアミン[テトラメチレン−ホスホン酸)];2−ホスフェンブタン−1,2,4−トリカルボン酸;又はその塩例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアルキロイルアミン塩例えばモノ、ジ又はテトラ−エタノールアミン塩;又はそれらの混合物が含まれる。
【0184】
適切な有機ホスホン酸塩にはHEDPが含まれる。
【0185】
市販の食品添加物キレート剤には、例えばMonsanto Industrial Chemicals Co.、St.Louis、ミズーリ州からDEQUEST(登録商標)2010として入手可能な1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸;DEQUEST(登録商標)2000としてMonsantoから入手可能なアミノ(トリ(メチレンホスホン酸))、(N〔CH2PO323);DEQUEST(登録商標)2041としてMonsatoから入手可能なエチレンジアミン〔テトラ(メチレンホスホン酸)〕;及びBayhibit AMとしてMobay Chemical Corporation、Inorganic Chemicals Division、Pittsburgh、ペンシルバニア州から入手可能な2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を含め、商標名DEQUEST(登録商標)として販売されているホスホン酸塩が含まれる。
【0186】
捕捉剤は、アミノカルボン酸タイプの捕捉剤であるか又はこれを含むことができる。適切なアミノカルボン酸タイプの捕捉剤には、酸又はそのアルカリ金属塩例えばアミノアセタート及びその塩が含まれる。適切なアミノカルボキシラートには、N−ヒドロキシエチルアミノ2酢酸;ヒドロキシエチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸(NTA);エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA);N−ヒドロキシエチル−エチレンジアミントリ酢酸(HEDTA);ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA);及びアラニン−N,N−2酢酸など;及びそれらの混合物が含まれる。
【0187】
捕捉剤はポリカルボキシラートであるか又はこれを含むことができる。適切なポリカルボキシラートには例えばポリアクリル酸、マレイン/オレフィン共重合体、アクリル/マレイン共重合体、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタククリルアミド、加水分解ポリアミド−メタクリルアミド共重合体、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル−メアクリロニトリル共重合体、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、アクリル酸とイタコン酸の共重合体、ホスフィノポリカルボキシラート、その酸又は塩、それらの混合物などが含まれる。
【0188】
或る種の実施形態においては、当該組成物は約0.5〜約50wt%の捕捉剤、約1〜約50wt%の捕捉剤、約1〜約30wt%の捕捉剤、約1〜約15wt%の捕捉剤、約1〜約5wt%の捕捉剤、約1〜約4wt%の捕捉剤、約2〜約10wt%の捕捉剤、約2〜約5wt%の捕捉剤又は約5〜約15wt%捕捉剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0189】
或る種の実施形態においては、当該組成物は、約0.001〜約50wt%の安定化剤、約0.001〜約5wt%の安定化剤、約0.5〜約50wt%の安定化剤、約1〜約50wt%の安定化剤、約1〜約30wt%の安定化剤、約1〜約10wt%の安定化剤、約1〜約5wt%の安定化剤、約1〜約3wt%の安定化剤、約2〜約10wt%の安定化剤、約2〜約5wt%の安定化剤又は約5〜約15wt%の安定化剤を内含する。該組成物は「約」によって修飾されないこれらの範囲又は量のいずれかを含むことができる。
【0190】
アジュバント
該発明の抗菌組成物は、任意の数のアジュバントも内含することができる。特定的には、該発明の組成物は、該組成物に添加できる任意の数の構成成分のうち抗菌溶媒、抗菌剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、起泡剤、固化剤、美観増強剤(すなわち着色剤(例えば顔料)、着臭剤又は香料)を内含しうる。かかるアジュバントは、該発明の抗菌組成物で予め処方され得、そうでなければ系に対し抗菌組成物の添加と同時に又はさらにはその後にでも添加可能である。該発明の組成物は同様に、本発明の活性を容易にし得る既知のものである任意の数のその他の構成成分を、利用分野が必要とする通りに含有することもできる。
【0191】
抗菌溶媒
当該組成物中の抗菌溶媒としてさまざまな溶媒のうちの任意のものが有用であり得る。使用前に使用組成物に対し抗菌溶媒を添加することができる。適切な抗菌溶媒としては、アセトアミドフェノール;アセトアニリド;アセトフェノン;2−アセチル−1−メチルピロール;酢酸ベンジル;ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;ベンジルオキシエタノール;精油(例えば、ベンズアルデヒド、ピネン、テルピネオール、テルピネン、カルボン、シンナメアルデヒド、ボルネオール及びそのエステル、シトラール、イオネン、ジャスミン油、リモネン、ジペンテン、リナロール及びそのエステル);ジエステルジカルボキシラート(例えば、2塩基エステル)例えば、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル(DuPont NylonよりDBE、DBE−3、DBE−4、DBE−5、DBE−6、DBE−9、DBE−IB及びDBE−MEの商標名で入手可能な製品を含む)、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、コハク酸ジブチル及びグルタル酸ジブチル;セバシン酸ジメチル、ピメリン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル;炭酸ジアルキル例えば炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル及び炭酸ジブチル;有機ニトリル、例えばアセトニトリル及びベンゾニトリル;及びフタラートエステル、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ヘキシル及びフタル酸ジエチルが含まれる。必要な場合には、抗菌溶媒の混合物も使用することができる。
【0192】
抗菌溶媒は、抗菌組成物が適用される予定の表面及び微生物の特徴及び抗菌組成物による接触を受け任意には表面から除去されることになる任意のコーティング、土壌又はその他の材料の性質に基づいて選択可能である。水素結合能力を有する溶媒及び極性溶媒はさまざまな表面及び微生物上でうまく性能を示し、かくしてこのような利用分野のために選択可能である。或る種の利用分野では、抗菌溶媒は高い引火点(例えば約30℃超、約50℃超、又は約100℃超)、低臭かつヒト及び動物に対する低毒性を理由にして選択され得る。
【0193】
1実施形態においては、抗菌溶媒は間接的又は直接的食品添加物又は物質;特に連邦規制基準(CFR)、第21題、食品及び薬物、170〜186部に記述されているものとして相容性をもつ。該発明の組成物は、所望の速度及びタイプの微生物低減を提供するのに充分な抗菌溶媒を含有すべきである。
【0194】
当該組成物は、約0.01wt%〜約60wt%の抗菌溶媒、約0.05wt%〜約15wt%の抗菌溶媒又は約0.08wt%〜5wt%の抗菌溶媒といったような有効量の抗菌溶媒を内含し得る。
【0195】
付加的抗菌剤
該発明の抗菌組成物は付加的な抗菌剤を含有し得る。使用前に使用組成物に対して付加的抗菌剤を添加することができる。適切な抗菌剤には、所望の程度の抗菌保護を提供するのに充分な量で、カルボン酸エステル(例えば、安息香酸p−ヒドロキシアルキル及び桂皮酸アルキル)、スルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸)、ヨード化合物又は活性ハロゲン化合物(例えば、元素ハロゲン、酸化ハロゲン(例えば、NaOCl、HOCl、HOBr、ClO2)、ヨウ素、ハロゲン間化合物(interhalides)(例えば、一塩化ヨウ素、二塩化ヨウ素、三塩化ヨウ素、四塩化ヨウ素、塩化臭素、一臭化ヨウ素又は二臭化ヨウ素)、ポリハロゲン化物、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、次亜臭素酸塩、次亜臭素酸、塩化−及び臭化ヒダントイン、二酸化塩素及び塩化ナトリウム)、過酸化ベンゾイル、過酸化アルキルベンゾイル、オゾン、一重項酸素生成要素及びそれらの混合物を含む有機過酸化物、フェノール誘導体(例えば、o−フェニルフェノール、o−ベンジル−p−クロロフェノール、tert−アミルフェノール及びCl−C6アルキルヒドロキシベンゾアート)、第四アンモニウム化合物(例えば、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及びそれらの混合物)、及びかかる抗菌剤の混合物を内含する。
【0196】
当該組成物は、約0.001wt%〜約60wt%抗菌剤、約0.01wt%〜約15wt%の抗菌剤又は約0.08wt%〜約2.5wt%の抗菌剤といったような有効量の抗菌剤を内含し得る。
【0197】
湿潤剤又は消泡剤
該発明の組成物において同様に有用であるのは、湿潤剤及び消泡剤である。湿潤剤は、該発明の抗菌組成物の表面接触又は浸透活性を増大させるように機能する。該発明の組成物中で使用可能な湿潤剤は、該発明の組成物の表面活性を高めるものとして当該技術分野において既知である構成成分のいずれかを内含する。
【0198】
該発明に従って使用可能な適切な消泡剤にはシリカ及びシリコーン;脂肪酸又はエステル;アルコール;流酸塩又はスルホン酸塩;アミン又はアミド;ハロゲン化化合物例えばフルオロクロロ炭化水素;植物油、ロウ、鉱油並びにそれらの硫酸化誘導体;脂肪酸石鹸例えばアルカリ、アルカリ土金属石鹸;及びリン酸塩及びホスファートエステル例えば二リン酸アルキル及びアルカリ、及びなかんずくリン酸トリブチル;及びそれらの混合物が含まれる。
【0199】
1実施形態では、当該組成物は、該発明の方法の利用分野から考えて食品グレードの品質のものである泡止め剤又は消泡剤を内含し得る。この目的で、より有効な泡止め剤の1つにはシリコーンが含まれる。ジメチルシリコーン、グリコールポリシロキサン、メチルフェノールポリシロキサン、トリアルキル又はテトラアルキルシラン、疎水性シリカ消泡剤及びそれらの混合物といったようなシリコーンが全て、消泡利用分野において使用可能である。一般に入手可能な市販の消泡剤には、有機エマルジョン中で結合されたシリコーンであるArmour Industrial Chemical Company製のArdefoam(登録商標);シリコーン及び非シリコーンタイプの消泡剤並びにシリコーンエステルであるKrusable Chemical Company より入手可能なFoam Kill(登録商標)又はKresseo(登録商標);及び なかでも両方とも食品用タイプのシリコーンであるDow Corporation製のAnti-FoamA(登録商標)及びDC-200といったようなシリコーンが含まれる。これらの消泡剤は、約0.01wt%〜5wt%、約0.01wt%〜2wt%又は約0.01wt%〜約1wt%の濃度範囲で存在し得る。
【0200】
増粘剤又はゲル化剤
当該組成物は、さまざまな既知の増粘剤のうちのいずれかを内含し得る。適切な増粘剤には天然ゴム例えばキサンタンゴム、グアールゴム、又は植物粘液由来のその他のゴム;多糖類ベースの増粘剤例えばアルギン酸塩、デンプン、及びセルロース質重合体(例えば、カルボキシメチルセルロース);ポリアクリル酸塩増粘剤;及びハイドロコロイド増粘剤例えばペクチンが含まれる。1実施形態においては、該増粘剤は物体の表面上に汚染性残留物を残さない。例えば、増粘剤又はゲル化剤は接触部域内の食品その他の敏感な製品と相容性を有し得る。一般に当該組成物又は方法において利用される増粘剤の濃度は、最終組成物内部の所望の粘度により左右される。しかしながら、一般的指針としては、当該組成物内部の増粘剤の粘度は約0.1wt%〜約1.5wt%、約0.1wt%〜約1.0wt%又は約0.1wt%〜約0.5wt%の範囲内にある。
【0201】
固化剤
当該組成物は、固体形態で組成物を維持するのに参与できる固化剤を内含できる。適切な固化剤としては、固体ポリエチレングリコール(PEG)、固体EO/POブロック共重合体など;アミド例えばステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、アルキルアミドなど;酸又はアルカリ処理プロセスを通して水溶性が付与されているデンプン;水溶性が付与されているセルロース;無機剤など;ポリ(無水マレイン酸/メチルビニルエーテル);ポリメタクリル酸;高い融点を持つ一般に官能性又は不活性のその他の材料などが含まれる。
【0202】
或る種の実施形態においては、固化剤には固体PEG例えばPEG1500からPEG20,000までを内含する。或る種の実施形態においては、PEGには、PEG1450、peg3350、PEG4500、PEG8000、PEG20,000などが含まれる。付加的な適切な固化剤には、EO/POブロック共重合体例えばPluronic108,PluronicF68といった商標名で販売されているもの;アミド、例えばラウリン酸ジエタノールアミド又はココジエチレンアミドなどが含まれる。或る種の実施形態においては、固化剤には、固化剤の組合せ、例えばPEGとEO/POブロック共重合体(例えばPluronic)の組合せ及びPEGとアミド(例えばラウリン酸ジエタノールアミドアミド又はステアリン酸モノエタノールアミド)の組合せが含まれる。
【0203】
芳香剤
1実施形態においては、当該組成物は芳香剤を内含する。芳香剤は、組成物の安定性又は効能に対する望ましくない効果を回避するように選択可能である。適切な芳香剤には、酢酸アミル、酢酸イソボルニル、及びサリチル酸アルキル例えばサリチル酸メチルが含まれる。実施形態においては、芳香剤はサリチル酸アルキルを内含し得る。
【0204】
中鎖ペルオキシカルボン組成物の付加的実施形態
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物、これらの組成物を作るための方法及び微生物の個体群を低減するための方法に関する。或る種の実施形態においては、該組成物は有利には中鎖ペルオキシカルボン酸を高レベルで含むことができ、容易に製造できかつ/又は低減された臭いを示すことができる。
【0205】
1実施形態においては、当該組成物は中鎖ペルオキシカルボン酸、中鎖カルボン酸、担体及び可溶化剤を内含することができる。或る種の実施形態においては、当該組成物は、7部分の中鎖カルボン酸毎に約2部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸;5部分の中鎖カルボン酸毎に約2部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸;4部分の中鎖カルボン酸毎に約2部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸;又は3部分以上の中鎖カルボン酸毎に約2部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。
【0206】
1実施形態においては、可溶化剤は溶媒、界面活性剤又はその混合物を内含する。1実施形態においては、界面活性剤可溶化剤は、例えばアニオン性界面活性剤といったマイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含する。1実施形態においては、組成物はマイクロエマルジョンを内含する。1実施形態においては、可溶化剤は、酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又はその混合物を内含する。1実施形態においては、溶媒可溶化剤は、酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、非イオン性界面活性剤又はその混合物を内含する。
【0207】
1実施形態において、当該組成物は、短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸又はその混合物を全く、有意でない量又は比較的少量しか含まない。例えば1実施形態では、組成物は、付加された短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を実質的に含まない可能性がある。例えば1実施形態では、組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸を可溶化するのに不充分なレベルで短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を内含し得る。例えば1実施形態においては、組成物は、不快臭をひき起こすのに不充分なレベルで短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物を内含し得る。例えば、1実施形態においては、組成物は、8部分の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸又はその混合物毎に約1部分以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を内含し得る。
【0208】
1実施形態においては、該組成物は同様に、酸化剤、無機酸、安定化剤、もう1つのアジュバント又は添加剤又はその混合物を内含する。
【0209】
1実施形態においては、本発明は、中鎖ペルオキシカルボン組成物を製造する方法を内含する。該方法は、担体、可溶化剤、酸味料、安定化剤又はその混合物の存在下で中鎖カルボン酸と酸化剤を反応させる段階を含むことができる。該方法は、有利にも高レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を有利にも短い時間で形成できる。例えば1実施形態において、当該方法は、約24時間以下の時間で20%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に転換する段階を含む。例えば1実施形態では、当該方法は、約24時間以下の時間で約25%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に転換する段階を含む。例えば1実施形態では、当該方法は、約24時間以下の時間で約30%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に転換する段階を含む。例えば1実施形態において、当該方法は、約24時間以下の時間で約35%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に転換する段階を含む。例えば1実施形態では、当該方法は、約24時間以下の時間で約40%の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に転換する段階を含む。
【0210】
1実施形態においては、本発明は、中鎖ペルオキシカルボン組成物を使用する方法を内含する。該方法は当該組成物(例えば使用組成物)と物体を接触させる段階を内含でき、その結果該物体上の単数又は複数の微生物の個体群を低減することができる。
【0211】
使用組成物
当該組成物は濃縮物組成物と使用組成物を含む。例えば、濃縮物組成物は水などで希釈して使用組成物を形成できる。1実施形態では、物体への適用の前に濃縮物組成物を使用組成物へと希釈させることができる。経済的理由から、濃縮物を市販しエンドユーザーが濃縮物を水又は水性希釈剤で使用溶液まで希釈させることができる。
【0212】
濃縮物組成物中の活性構成要素のレベルは、意図された希釈係数そして中鎖ペルオキシカルボン酸化合物の所望の活性によって左右される。一般的に、水性抗菌組成物については、約20ガロンの水に対し約1液量オンスから約1ガロンの水に対し約5液量オンスまでの希釈度が用いられる。高い使用温度(25℃超)又は長い曝露時間(20秒超)を利用できる場合、さらに高い使用希釈度を用いることができる。標準的使用場所では、水100ガロンあたり約3〜約20オンスの濃縮物の希釈比で材料を混合して一般に入手可能な水道水又は用水を用いて、濃縮物を大きな割合の水で希釈させる。
【0213】
例えば、使用組成物は約0.01〜約4wt%の濃縮物組成物及び約96〜約99.99wt%の希釈剤;約0.5〜約4wt%の濃縮物組成物及び約96〜約99.5wt%の希釈剤;約0.5、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5又は約4wt%の濃縮物組成物;約0.01〜約0.1wt%の濃縮物組成物;又は約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09又は約0.1wt%の濃縮物組成物を内含し得る。使用組成物中の成分の量は、濃縮物組成物について以上で列挙した量及びこれらの希釈係数から計算可能である。
【0214】
当該方法は、単数又は複数の微生物の個体群を低減するために有効な濃度で中鎖ペルオキシカルボン酸を利用することができる。かかる有効濃度は、約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約2〜約300ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約100ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約60ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約45ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約35ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約25ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約8〜約50ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約10〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約10〜約50ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約40〜約140ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約100〜約250ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、又は約200〜約300ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する。1実施形態においては、該使用組成物は、約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸、約95〜約99.99wt%の担体及び/又は希釈剤(例えば水);及び約2〜約23,000ppmの酸化ポリアルキレン、キャップド酸化ポリアルキレン、アルコキシル化界面活性剤、アニオン性界面活性剤又はその混合物を内含し得る。
【0215】
ペルオキシカルボン酸及び/又は過酸化水素といったような反応性種の使用組成物中のレベルは、該使用組成物中に見出されるか又はこれに添加された有機物質により影響され、典型的には低下させられる。例えば、使用組成物が、1つの物体を洗浄するために用いられる浴又はスプレーである場合、その物体上の土がペルオキシ酸及び過酸化物を消費する可能性がある。かくして使用組成物中の成分の当該量は、有機物質が使用組成物に添加されるにつれてその量が低下することになるという了解の下で、使用の前又は使用の早い時期の組成物を意味する。
【0216】
1実施形態においては、当該使用組成物は、酸性化カラムの中に濃縮物を通すことによってか又は使用組成物に対し付加的な酸味料を添加することによって、さらに酸性にすることができる。
【0217】
その他の流体組成物
当該組成物は、臨界、近臨界、又は超臨界(高密度化)流体及び抗菌剤又は抗菌剤の気体組成物を内含することができる。高密度化流体は、近臨界、臨界、超臨界流体又は超臨界流体の特性をもつもう1つのタイプの流体であり得る。高密度化に適した流体としては二酸化炭素、酸化窒素、アンモニア、キセノン、クリプトン、メタン、エタン、エチレン、プロパン、一部のフルオロアルカン(例えば、クロロトリフルオロメタン及びモノフルオロメタン)など、又はそれらの混合物が含まれる。適切な流体には二酸化炭素が含まれる。
【0218】
1実施形態では、当該組成物又は方法は、高密度化二酸化炭素、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を内含する。かかる組成物は、高密度化流体中鎖ペルオキシカルボン組成物と呼ぶことができる。もう1つの実施形態では、抗菌組成物は、流体、抗菌剤、及び任意の又は添加された成分のいずれかを含むが、気体の形をしている。
【0219】
高密度化流体抗菌組成物は、当業者にとって既知の複数の方法のいずれかによって適用され得る。かかる方法には、高密度化流体及び抗菌剤を含有する容器を1つの物体のところで通気する段階が含まれる。過酸化水素を内含する水相は有利には装置の中に保持される。通気された気体には、高密度化流体中鎖ペルオキシカルボン組成物を有効な抗菌剤にする有効量の抗菌剤が含まれる。
【0220】
該発明の高密度化流体組成物の高圧性のため、これらの組成物は、1つの物体の急速な効率の良い被覆を促進するように設計された圧力除去装置を通して、組成物を収納する容器を通気することによって標準的に適用される。かかる圧力除去装置を含む装置には、スプレー装置、噴霧器、起泡器、気泡パッドアプリケータ又は、物体に材料を適用する間高い圧力から周囲圧力までの流体材料の拡張を可能にすることのできるその他のあらゆる装置が含まれる。高密度化流体ペルオキシドカルボン酸組成物は同様に、1つの物体に対し気体作用物質を適用するための既知のさまざまな方法のいずれかによって1つの物体に適用され得る。
【0221】
高密度化流体抗菌組成物は、抗菌組成物を形成するべく高密度流体を含む媒質中で酸化剤と酸化可能な基質を反応させることによって作ることができる。この反応は、高密度化流体を収納するのに適した容器内で標準的に実施される。反応には、容器に対し酸化可能な基質及び酸化剤を添加する段階及び容器に流体を添加して高密度化流体を形成する段階が含まれる。1実施形態においては反応は、対応するペルオキシカルボン酸を形成するべく中鎖カルボン酸及び過酸化水素の間の反応である。過酸化水素は一般的には、過酸化水素の水溶液の形で供給される。
【0222】
超臨界、亜臨界、近臨界及びその他の高密度の流体及びかかる流体と共に利用可能な溶媒が、かかる開示について本明細書に参考として内含されているH oy et alに対する1994年4月26日付けの米国特許第5,306,350号の中で開示されている。二酸化炭素の超臨界及びその他の高密度形態及びこれらの形態の二酸化炭素と共に利用可能なその他の添加剤が、かかる開示について本明細書に参考として内含されている De Simone et alに対する1999年2月2日付けの米国特許第5,866,005号の中で開示されている。
【0223】
中鎖ペルオキシカルボン組成物の製造
該発明の組成物又は該発明の方法において使用される組成物は、過酸化水素といったような酸化剤及び中鎖カルボン酸を組合せるか又は反応させることによって作ることができる。中鎖カルボン酸と酸化剤を組合わせる又は反応させることは結果として中鎖ペルオキシカルボン酸の生産をもたらす。1実施形態においては、組合せ段階には混合段階が含まれる。当該組成物を作るために組合わされる処方には、可溶化剤、酸味料、担体、安定化剤、その混合物も同様に含まれ得る。1実施形態においては、処方には可溶化剤も含まれる。代替的には、可溶化剤、酸味料、担体又はその混合物のうちの単数又は複数のもの(例えば少なくとも1つ)を、ペルオキシカルボン酸の一部分又は全ての生産の後に添加することができる。
【0224】
1実施形態においては、本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を製造する方法を内含する。該方法は、中鎖カルボン酸、担体(例えば水)、酸化剤(例えば過酸化水素)、可溶化剤、酸味料及び安定化剤を組合せるか又は反応させる段階を内含し得る。該方法は、約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸、約0〜約98wt%の担体、約2〜約30wt%の酸化剤、約1〜約80wt%の可溶化剤、約1〜約50wt%の酸味料及び約0.5〜約50wt%の安定化剤の濃度で成分を混合させる段階を内含し得る。該方法は、約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸、約5〜約97wt%の担体、約2〜約30wt%の酸化剤、約1〜約20wt%の可溶化剤(例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤)、約1〜約50wt%の酸味料及び約0.5〜約50wt%の安定化剤という濃度で成分を混合する段階を含み得る。当該組成物は同様に、これらの成分組合せが平衡に達して中鎖ペルオキシカルボン酸を形成する組成物をも内含する。
【0225】
1実施形態においては、当該方法は、有利にも高レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を有利にも短時間で生成する。有利には、短時間には例えば、約24時間以下、約6時間以下、約3時間以下、又は約0.5時間が含まれる。1実施形態では、高レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸はほぼ瞬時に達成可能である。高レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸は、中鎖カルボン酸の20%以上、25%以上、30%以上、35%以上又は40%以上を中鎖ペルオキシカルボン酸に転換することによって、達成可能である。かかる転換は、室温で、又は室温で開始され発熱反応によって暖められた反応中で達成され得る。温度が低くなればなるほど、同量の転換に達成するのに長い時間が必要となり得る。時間の量は、標準的にカルボン酸、酸化剤、可溶化剤及び酸味料が組合されるか又は反応させられる時間から測定される。
【0226】
例えば1実施形態においては、当該方法は、20%以上の中鎖カルボン酸を約24時間以下の時間で中鎖ペルオキシカルボン酸に転換させることができる。例えば1実施形態においては、当該方法は、約25%以上の中鎖カルボン酸を24時間以下の時間で中鎖ペルオキシカルボン酸に転換することができる。例えば1実施形態において、当該方法は約30%以上の中鎖カルボン酸を約24時間以下の時間で中鎖ペルオキシカルボン酸に転換することができる。例えば1実施形態においては、当該方法は、約35%以上の中鎖カルボン酸を24時間以下の時間で中鎖ペルオキシカルボン酸に転換することができる。例えば、1実施形態において、当該方法は約40%の中鎖カルボン酸を約24時間以下の時間で中鎖ペルオキシカルボン酸に転換することができる。
【0227】
1実施形態においては、当該組成物を製造する段階には、マイクロエマルジョンを形成する段階が含まれる。マイクロエマルジョン形成界面活性剤を内含する所望の成分を混合することによってマイクロエマルジョンを形成させることができる。該方法は、約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸、約5〜約97wt%の担体(例えば水)、約2〜約30wt%の酸化剤、約1〜約20wt%のマイクロエマルジョン形成界面活性剤及び約1〜約50wt%の安定化剤という濃度で成分を組合わせるか又は混合する段階を含むことができる。当該組成物は同様に、これらの成分組合せが中で平衡に達して中鎖ペルオキシカルボン酸を形成する組成物をも内含する。構成要素はさまざまな順序で添加可能である。1実施形態においては、マイクロエマルジョン形成界面活性剤の添加の後に急速に中鎖ペルオキシカルボン酸の形成が進行し得る。本発明を制限する意味はないが、マイクロエマルジョンの形成により、反応のための(微小液滴としての)中鎖カルボン酸の有効表面面積を著しく増大できると考えられている。
【0228】
当該組成物は工場内で濃縮物として製造しエンドユーザーに出荷することができ、エンドユーザーは使用組成物を形成するためこの濃縮物を希釈することしか必要でない。当該中鎖ペルオキシカルボン組成物は同様に、使用現場で作ることもできる。例えば、製品を2つ以上の部分組成物としてか又はキットとして出荷することができる。ユーザーはこの場合キットの2つ以上の組成物又は構成要素を組合わせて当該中鎖ペルオキシカルボン組成物を生成することができる。代替的には、使用現場に原料の処方用機器及びコンテナのシステムを備え、当該中鎖ペルオキシカルボン組成物を混合し分散させるようにプログラミング又は操作することができる。
【0229】
1実施形態においては、製品を2つ以上の部分組成物として供給することができる。1つの組成物にはカルボン酸と単数又は複数(例えば少なくとも1つ)の可溶化剤、酸味料、担体、安定化剤、その混合物などが含まれ得る。第2の組成物は、酸化剤及び単数又は複数(例えば少なくとも1つ)の可溶化剤、酸味料、担体、安定化剤、その混合物などを含み得る。代替的には、可溶化剤、酸味料、担体、安定化剤、その混合物などを付加的な組成物(単複)として供給することができる。
【0230】
1実施形態においては、濃縮物組成物のpHは約1又は約2未満であり得る。1実施形態においては、水中の混合物の1%又は1.5%溶液のpHは、1%溶液のその他の構成要素に応じて約1又は2から約7までである。1実施形態においては、使用組成物のpHは、その他の構成要素に応じて約2〜約7までであり得る。
【0231】
中鎖ペルオキシカルボン組成物を製造する当該方法において有用な成分の代表的濃度の一部の例は、表G及びHに見出すことができる。なお表中、値は合計組成物重量を基準とした成分のwt%で与えられている。一部の実施形態においては、表G−H中の割合及び量は、「約」によって修飾され得る。当該組成物は同様に、中で成分のこれらの組合せが平衡に達して中鎖ペルオキシカルボン酸を形成する組合せをも内含する。
【0232】
【表3】

【0233】
本発明は以下の例を参照することでさらに良く理解することができる。これらの例は、該発明の特定の実施形態を代表するものとして意図され、該発明の範囲を制限するように意図されているわけではない。
【実施例】
【0234】
例1−中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を内含する組成物
表1−5は、中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を内含する当該組成物の説明に役立つ実例を提示している。表中の数量はwt%単位である。
【0235】
表1−溶媒可溶化剤を含む組成物の例
【表4】

【0236】
組成物A−Qの各々において:中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であり;中鎖カルボン酸はオクタン酸であり、担体は水であり、酸化剤は(35%溶液から供給された)過酸化水素であり、安定化剤は(60wt%のHEDPを内含するDequest2010として供給された)HEDPであった。
【0237】
組成物A−L、O、P、及びQの各々の中で;酸味料は濃硫酸であった。組成物M及びNにおいて、酸味料は(それぞれに85%及び75%リン酸として供給された)リン酸であった。
【0238】
可溶化剤はこれらの組成物の間で変動させられた。組成物A及びBでは、可溶化剤はポリエチレングリコール300であった。組成物C、D及びE中、可溶化剤は、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル(MPEG550)であった。組成物F中、可溶化剤は非イオン性界面活性剤、特に、40%のEO及び60%のPOを伴う(PO)x(EO)y(PO)x逆トリブロック共重合体であるPluronic17R4であった。組成物Gでは、可溶化剤はポリエチレングリコール300プラスLAS酸(98%の線形ドデシルベンゼンスルホン酸)であった。組成物H中、可溶化剤はポリエチレングリコール300プラス スルホン酸1−オクタン(38%活性として商標名NAS−FALの下で供給される)であった。組成物Iでは、可溶化剤はポリエチレングリコール300プラスDowfax Hydrotrope酸(C6アルキル化ジフェニルオキシドジスルホン酸)であった。組成物J中では、可溶化剤はポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Poly DME250)とLAS酸であった。組成物Kでは、可溶化剤はポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Poly DME250)とNAS−FALであった。組成物Lでは、可溶化剤はポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Poly DME250)とDow fax Hydrotrope酸であった。組成物M、N、O及びPでは、可溶化剤はポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Poly DME250)及びNAS−FALであった。組成物Qでは、可溶化剤はポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Poly DME250)及び(93%の1−オクタンスルホン酸として供給される)NAS酸であった。
【0239】
表2−溶媒可溶化剤及び界面活性剤可溶化剤を含む組成物の例
【表5】

【0240】
表3−界面活性剤可溶化剤を含む組成物の例
【表6】

【0241】
表4−アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を含む組成物の例
【表7】

【0242】
これらの組成物は、5wt%の中鎖カルボン酸を内含する組成物から作られた。
【0243】
組成物R−Zの各々において:中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であり;中鎖カルボン酸はオクタン酸であり;担体は水であり;酸化剤は(35%溶液から供給された)過酸化水素であり、安定化剤は(60wt%のHEDPを内含するDequest2010として供給された)HEDPであった。
【0244】
組成物R及びSの中で、酸味料は(75%のリン酸として供給された)リン酸であった。組成物T、U及びVの各々の中で、酸味料は試薬グレードで98%の濃硫酸(15wt%)及び(75%のリン酸として供給された)リン酸(23wt%)であった。組成物W、X、Y及びZの中で、酸味料は濃硫酸(25wt%)及び(75%のリン酸として供給された)リン酸(14wt%)であった。
【0245】
可溶化剤はこれらの組成物間で多様であった。組成物R中、可溶化剤はスルホン酸1−オクタン(1.9wt%)とTegotens EC−11(ブトキシキャップドアルコールエトキシラート)(15wt%)であった。組成物S、T及びW中、可溶化剤はTegotens EC−11であった。組成物U及びY中、可溶化剤は急速湿潤界面活性剤であるDehypon LS−54(R(EO)5(PO)4)であった。組成物V及びZ中、可溶化剤はDehypon LT−104(ブチルキャップドアルコールエトキシラート)であった。組成物X中、可溶化剤はLF−221(ブトキシキャップドアルコールエトキシラート)であった。
【0246】
組成物AA−VVの各々において、中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であり;中鎖カルボン酸はオクタン酸であり;担体は水であり;酸化剤は(水中の35%過酸化水素として供給された)過酸化水素であり、安定化剤は(60wt%のHEDPを内含するDequest2010として供給された)HEDPであった。
【0247】
組成物AA、AA−O、DD、EE、GG、KK、LL、MM、NN、OO、PP、QQ、RR、SS、TT、UU及びVVの各々において、酸味料は(75%のリン酸として供給される)リン酸であった。組成物BB、HHでは、酸味料は濃硫酸(試薬グレード、98%)であった。組成物CCでは、酸味料はメタンスルホン酸であった(99.5%+Aldrich)。組成物FFでは、酸味料は(70%の硝酸として供給された)硝酸であった。組成物IIでは、酸味料は濃硫酸(工業グレード、93%)であった。組成物JJでは、酸味料は(50%の硫酸として供給された)硫酸であった。
【0248】
可溶化剤はこれらの組成物間で多様であった。組成物AA、AA−O、BB、CC、DD、FF、LL、HH、II及びJJで、可溶化剤はスルホン酸1−オクタンであった。組成物EE及びGG中、可溶化剤は、スルホン酸1−オクタン(3.8wt%)及びDehypon LS−54(0.2wt%)であった。組成物KK中で、可溶化剤はスルホン酸1オクタン(NAS−FAL)であった。組成物MM中、可溶化剤はスルホン酸1−オクタン(3.8wt%)とBarlox12(酸化ドデシルジメチルアミン、30%活性)(0.25wt%)であった。組成物NN中、可溶化剤はスルホン酸1−オクタン(3.8wt%)及びBarlox12(0.5wt%)であった。組成物OO中、可溶化剤は硫酸1−オクタン(3.8wt%)及びBarlox12(1wt%)であった。組成物PP、QQ、RR及びSSにおいて、可溶化剤はLAS酸であった。組成物TTにおいて、可溶化剤は(39%の固形分を含む商標名Miranol(登録商標)FBSの下で供給される)ココアンホジプロピオン酸2ナトリウムであった。組成物UU中、可溶化剤は(42%の固形分を含む商標名Mirataine(登録商標)JC−HAの下で供給されている)アミノプロピオナートベタインであった。組成物VV中、可溶化剤(90%活性を含む商標名Neodox23−4の下で供給される)C12−13アルコール4モルEOカルボン酸であった。
【0249】
中鎖ペルオキシカルボン酸の数量は60℃で7.5日後に組成物PP、QQ、RR及びSSの中で判定された。
【0250】
表5−アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤と強有機酸味料を内含する組成物の例
【表8】

【0251】
組成物WW、XX、YY、ZZ及びBAの各々において;中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であり;中鎖カルボン酸は(水中の35%過酸化水素として供給された)過酸化水素であり;安定化剤は(60wt%のHEDPを含むDequest2010として供給される)HEDPであり;可溶化剤はNAS−FALであった。
【0252】
酸味料はこれらの組成物中で多様であった。組成物WW中、酸味料は(75%のヒドロキシ酢酸として供給されたヒドロキシ酢酸(19wt%)と硫酸(試薬グレード、98%)(5wt%)であった。組成物XX中、酸味料は(75%のヒドロキシ酢酸として供給された)ヒドロキシ酢酸(19wt%)とメタンスルホン酸(99.5%+Aldrich)(5wt%)であった。組成物YY中、酸味料は(75%のヒドロキシ酢酸として供給された)ヒドロキシ酢酸であった。組成物ZZ中、酸味料は精製ヒドロキシ酢酸であった。組成物BA中、酸味料は(22%の3−ヒドロキシプロピオン酸として供給された)ヒドロキシプロピオン酸であった。
【0253】
これらの組成物において、ヒドロキシカルボン酸は事実上中鎖カルボン酸のいかなる可溶化も助長しなかった。該組成物は可溶化剤を必要とした。
【0254】
例示された組成物の製造
表6は、組成物KKを作る上で達成されたペルオキシオクタン酸の急速生成を示す。
【0255】
表6−室温及び120°Fでの経時的なペルオキシオクタン酸の生成(組成物KK)
【表9】

【0256】
酸味料として高レベルの硫酸を使用した場合(例にはB、E、O及びQが含まれる)、強い発熱反応が得られ、中鎖ペルオキシカルボン酸は急速に、例えば事実上瞬間的に生成された。これらの組成物のいくつかについては、硫黄をゆっくりとかつ温度を170°F未満又は120°F未満に保つべく冷却を伴って添加することが必要であった。急速に又はほぼ瞬間的に中鎖ペルオキシカルボン酸を生成することのできるかかる構造式は、使用場所における現場内生成に用いることができる。
【0257】
当該例の中で報告されたペルオキシオクタン酸の濃度は、充分に立証済みの規格化された滴定プロトコルによって決定された。まず最初に、硫酸セリウムでの酸化−還元滴定によって、過酸化水素含有量を決定した。この滴定の終点に達した後、溶液に対し余分のヨウ化カリウムを添加した。ヨウ化カリウムはペルオキシカルボン酸と反応してヨウ素を遊離させる。遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウムの標準溶液で滴定して、ペルオキシカルボン酸の濃度を生成させた。カルボン酸の残留レベルは計算することができる。
【0258】
当該例中で利用されているオクタン酸をProcter & Gamble chemicalsを含む供給源から得、これには、少量のヘキサン酸(約2%)、デカン酸(約2%)及びドデカン酸(<0.5%)と共に最低95%のオクタン酸が含まれている。
【0259】
例2−中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む組成物の安定性
本発明に従った組成物が評価され、中鎖ペルオキシカルボン酸の物理的安定性及び有利な安定性を実証した。
【0260】
材料と方法
当該中鎖ペルオキシカルボン組成物のうちの複数のものを中鎖ペルオキシカルボン酸の安定性について評価した。組成物を含む密封されたコンテナを高温のオーブン内に置くか又は一定の時間室温で放置した。下表に温度及び時間が報告されている。60℃で一時間は室温(RT)での一年と等価であるとみなすことができる。ペルオキシカルボン酸の数量を滴定により決定した。
【0261】
物理的安定性についても同様に、当該中鎖ペルオキシカルボン組成物のうちの複数のものを評価した。ペルオキシカルボン酸レベルが同様に決定された間隔で、試料を目視した。
【0262】
結果
以下の表7及び8に、中鎖ペルオキシカルボン酸の安定性及び物理的安定性の判定について得られた結果が報告されている。
【0263】
組成物M及びNについて表7に表わされている結果は、リン酸が25%から30%まで増大した場合に中鎖ペルオキシカルボン酸の安定性が減少することを示している。このことはすなわち、溶媒可溶化剤を含む組成物が、工業グレードのリン酸中に存在する不純物によってひき起こされる分解を受ける可能性があるということを示唆している。
【0264】
表8に提示されている結果、特定的には青色チンダル外観は、これらの組成物の各々がマイクロエマルジョンの形をしているということを表わしている。
【0265】
混合型ペルオキシカルボン酸組成物の加速化された経年変化を研究することで、混合型過酸組成物中のペルオキシオクタン酸が7日以内に60℃で著しい分解を受けることが実証された。7日以降は、3つの試料が20、23及び54%の分解を受けた。
【0266】
マイクロエマルジョン組成物は不純物による分解を受ける可能性が低いものであった。例えば、組成物KK及びLLは、工業銘柄のリン酸を内含し、優れた安定性を示した。これとは対照的にリン酸が従来のペルオキシカルボン酸の従来の処方中で使用される場合、受容できない分解を避けるために高純度グレードが必要とされる。
【0267】
組成物A、B、C、D及びEは2相組成物であった。
【0268】
表7−溶媒可溶化剤を内含する当該組成物における中鎖ペルオキシカルボン酸の有利な安定性
【表10】

【0269】
表8−アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を含む組成物の安定性
【表11】

【0270】
例3−中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む組成物のずり流動化粘度
本発明に従った組成物が評価され、マイクロエマルジョンの特徴である有利なずり流動化粘度を有することが実証された。
【0271】
材料と方法
LVT粘度計及びN2スピンドルを用いてスピンドル回転速度の一関数として粘度について、当該中鎖ペルオキシカルボン組成物のうちの複数のものを評価した。組成物の温度は室温(約75°F)であった。
【0272】
結果
当該組成物の粘度の決定について得られた結果は下表7に報告されている。スピンドル回転速度の増大に伴う粘度の低下が、マイクロエマルジョンの特徴であるずり流動化を表わしている。試験対象の組成物の各々がずり流動化粘度を示した。
【0273】
表9−組成物LLのずり流動化粘度
【表12】

【0274】
表10−組成物HHのずり流動化粘度
【表13】

【0275】
表11−組成物KKのずり流動化粘度
【表14】

【0276】
結論
当該組成物のずり流動化粘度は、マイクロエマルジョンといったような構造化された組成物の特徴である。
【0277】
例4−中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む当該組成物の抗菌
効能
本発明に従った組成物が評価され、グラム陰性菌、グラム陽性菌、真菌、胞子、ウイルス及びマイコバクテリアといったような微生物に対する有利な抗菌活性が実証された。
【0278】
材料と方法
抗菌活性が、2つの充分に立証された方法に従って判定された。第1の方法は、「消毒剤の殺菌及び洗浄衛生化作用」Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists、第960.09段落及び該当する節、第15版、1990年(EPA指針91−2)の中に記されている手順であった。第2の方法はA.O.A.C使用希釈液方法、Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists、 第955.14段落及び該当する節、第15版、1990年(EPA指針91−2)の中で記述されている手順であった。簡単に言うと、当該組成物の抗菌活性は、所望の温度で所望の濃度の試験物質99mLに対して標的微生物を含有する1mLアリコートを曝露することによって判定された。規定の接触時間の後、微生物を含有する試験溶液1mLを中和し、生き残りを数え上げた。
【0279】
ステンレス鋼の担体上で標的微生物を乾燥させ、規定の接触時間、所望の温度で所望の濃度の試験組成物10mLに対し担体を曝露することによって、当該組成物の病院消毒剤としての効能を判定した。その後、担体を中和物/二次培養培地に無菌状態で移した。
【0280】
単純ヘルペスウイルスI型に対する抗ウイルス活性を既知の手順で決定した。簡単に言うと、単純ヘルペスウイルスI型をガラス表面上で乾燥させた。ウイルスフィルムを10分間室温で試験物質に曝露した。その後、フィルムと試験物質の混合物をゲルろ過に付してウイルス粒子から小分子を分離させた。回収したウイルスを受容された検定方法により感染力について検定した。
【0281】
既知の手順によりポリオウイルス1型に対する抗ウイルス活性を決定した。簡単に言うと、ポリオウイルス1型をガラス表面上で乾燥させた。ウイルスフィルムを室温で5分間試験物質に曝露させた。その後、フィルム及び試験物質の混合物をゲルろ過に付してウイルス粒子から小分子を分離させた。回収したウイルスを受容された検定方法により感染力について検定した。
【0282】
結果
表12−21には、複数の異なるタイプの試験において細菌、真菌及び胞子に対し試験された場合に中鎖ペルオキシカルボン酸が抗菌活性を有していたということを示すデータが含まれている。
【0283】
表12に提示されているデータは、4未満のpHまで希釈剤で希釈した場合、当該組成物が有意な抗菌活性を示したことを実証している。組成物が希釈され、その結果pHが4以下になった場合、効能はさほど大きいものではなかった。これらの結果は、有意なレベルの酸味料を伴う当該組成物が或る種の状況下で有利な活性を示したということを例示している。
【0284】
表13に提示されているデータは、当該組成物が2.6〜3.5のpHで有意な抗菌活性を示したことを実証している。これらの結果は、6.1のpHで、11ppmのペルオキシオクタン酸(POOA)がなおもS.aureusを7.04log超だけ低減するのに有効であることを表わしている。表14に提示されているデータは、希釈してその結果pHが4になった場合にこの組成物の効能がE.coliに対しさほど大きいものでなかったということを実証している。
【0285】
表15に提示されたデータは、当該組成物が有意な抗菌活性を示したということを実証している。試験された全ての構造式は、500ppmの合成硬水中に希釈させた場合に0.069%で30秒以内にEscherichia coliの5log未満の低減を達成した。同様に、これらの組成物は、500ppmの合成硬水中で希釈させた場合に0.082%で30秒以内にPseudomonas aeruginosaの完全な死滅(7log超の低減)を達成した。1つの組成物におけるより高いpHとより低いppmの組合せは、より低いlogの低減に貢献したかもしれない。
【0286】
表16に提示されているデータは、当該組成物が複数の真菌及び細菌に対し有意な抗菌活性を示したことを実証している。当該組成物は、低レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸で細菌及び真菌に対する広範囲にわたる抗菌活性を示した。これらの結果は、組成物106が組成物DDよりも有効であることを示している。組成物BBは類似のレベルのペルオキシカルボン酸でA.niger及び P. aeruginosaのより高い低減を達成した。
【0287】
表17に提示されているデータは、当該組成物が複数の真菌及び複数の細菌に対し有意な抗菌活性を示したことを実証した。
【0288】
表18に提示されたデータは、当該組成物の1つ(KK)がE.coli0157;H7、S. typhimurim 及び L.monocytogensに対して有意な抗菌活性を示したということを実証している。この組成物は30秒の曝露時間内で99.999%超の低減を達成した。
【0289】
表19中に提示されたデータは当該組成物が病院消毒剤試験において複数の細菌に対し有意な抗菌活性を示したということを実証している。病院消毒剤試験は、該組成物がステンレス鋼担体上の微生物の全てを死滅させたか否かを測定する。10/10として列挙されている組成物は10個の担体の各々の上の細菌の全てを死滅させた。同様にして、60/60という結果は、組成物が60の担体各々の上の細菌の全てを死滅させるということを表わしている。これらの結果は、5%のウシ胎児血清の存在下での活性を必要とするという理由で抗菌剤についてのさらに大きな課題を提示している。従って、これは、当該組成物が血液汚染の存在下での病院消毒剤として当該組成物が有効であったことを表わしている。
【0290】
表20に提示されたデータは、当該組成物が、従来の市販の抗菌剤に比べて病院消毒剤試験の中で複数の細菌に対する優れた抗菌活性を示したということを実証している。病院消毒剤試験は、当該組成物が特定の担体上の微生物の全てを死滅させたか否かを測定する。本発明に従った組成物AA−Oは、60のうち59の担体上での完全な死滅を示して病院消毒剤試験に合格した。従来の抗菌剤(活性物質として過酸化水素を含有するもの)は該試験に合格しなかった。それは60のうち58の担体上でしか完全な死滅を生み出さなかった。これらの結果は、ウシ胎児血清の存在下で、かつ合成硬水中で希釈された場合に、現組成物が市販の病院消毒剤よりも有効であったということを表わしている。
【0291】
表21に提示されたデータは、当該組成物が細菌胞子に対し有意な抗菌活性を示したということを実証している。細菌胞子は死滅させるのが困難である。これらの結果は、高温で当該組成物の有効性が増大し、それが、短縮した接触時間での有効な死滅を提供したということを表わしている。
【0292】
表22に提示されたデータは、当該組成物が、従来の過酸化物及びペルオキシカルボン酸抗菌薬に比べて細菌胞子に対する優れた抗菌活性を示したということを実証している。当該組成物は、同等又はそれ以下の抗菌薬活性物質濃度でより高い死滅を結果としてもたらした。これらの結果は、当該組成物が従来の抗菌薬に比べて優れた抗菌活性を示すということを表わしている。
【0293】
表23中に提示されているデータはMycobacterium borisに対する有効な抗菌活性を示したということを実証している。当該組成物(B)は、6分という短い曝露時間で4ガロンあたり1オンス及び6ガロンあたり1オンスの希釈度でM. bovis BCGの完全な死滅を提供した。これらの結果は、本発明の組成物を殺結核菌剤として利用できるということを表わしている。
【0294】
単純ヘルペスウイルス1型に対する試験は、このウイルスの完全な死滅を結果としてもたらした。ウイルスを硬質表面上で乾燥させた。硬質表面上のウイルスを、6ガロンあたり1オンス又は8ガロンあたり1オンスで希釈させた組成物Bと10分間接触させた。両方の希釈度共、ウイルスの5.3log超の低減である完全な死滅を結果としてもたらした。ウイルス及び細胞は適切な対照の中で生き延びた。これらの結果は、当該組成物が有効な殺ウイルス剤であることを表わしている。
【0295】
ポリオウイルス1型に対する試験は、結果としてこのウイルスのほぼ完全な死滅をもたらした。ウイルスを硬質表面上で乾燥させた。硬質表面上のウイルスを1ガロンあたり1オンス又0.5ガロンあたり1オンスで希釈された組成物LLと10分間接触させた。1ガロンあたり1オンスの希釈度は、5つの異なる力価でポリオウイルスを完全に死滅させ、最高の力価ではウイルスを全く死滅させず、又2番目及び3番目に高い力価で不完全な死滅をもたらした。この希釈度は、ウイルス力価の1.5logの死滅を示した。0.5ガロンあたり1オンスの希釈度は、試験対象の全ての力価でポリオウイルスを完全に死滅させた。この希釈度はウイルス力価の4log超の低減を結果としてもたらした。ウイルス及び細胞は、適切な対照の中で生き延びた。これらの結果は、当該組成物が有効な一般的殺ウイルス剤であることを表わしている。
【0296】
表24に提示されたデータは、当該組成物が、1つの組成物に対しすでに添加された合成中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する複数の組成物のものよりも優れた抗菌活性を示したということを実証している。Milli−Q水で作り上げられたより低いpHをもつ溶液中で、さらに優れた効能が見出された。60ppmの試料は30秒以内で5logの低減をほぼ達成した。しかしながら、このデータは、試験溶液のpHが活性POOAのppmよりもさらに大きいものであり得るということを表わしている。
【0297】
表25に提示されているデータは、当該組成物が、1つの組成物に対しすでに添加された合成中鎖ペルオキシカルボン酸を内含する複数の組成物のものよりも優れた抗菌活性を示したということを実証している。これらのデータはさらに、どの希釈剤が使用されているかとは無関係に5ppm超の濃度及び最高4.0のpHで、Escherichia coliに対するより高い活性をPOOAが示したということを示唆している。Staphylococcus aureus POOAに対して、POOAは5ppmの濃度及び最高5のpHで、5logの低減を達成した。いずれの生体についてもMilli−Q水及び軟水の中で見られた低減の間に差異は全く存在しなかった。
【0298】
表12−室温で30秒の曝露でのE.coli及びS.aureusに対する溶媒可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表15】

【0299】
表13−室温で30秒の曝露でのE.coli及びS.aureusに対する溶媒可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性−pH調整された合成硬水を用いて実施される試験
【表16】

【0300】
表14−室温で30秒の曝露でのE.coli及びS.aureusに対する溶媒可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性−投薬後のpH調整を伴って実施される試験
【表17】

【0301】
表15−pH7.60で500ppmの合成硬水を用いて作られた組成物に対する室温での30秒間の曝露を伴う、Pseudomonas aeruginosa 及びEscherichia coliに対する、アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表18】

【0302】
表16−室温で30秒の曝露での複数の真菌及びPseudomonas aeruginosaに対するアニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表19】

【0303】
表17−室温で30秒の曝露での複数の真菌及び複数の細菌に対する、アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表20】

【0304】
表18−室温で30秒及び60秒の曝露での複数の細菌に対する、アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表21】

【0305】
表19: 病院消毒剤試験における複数の細菌に対する、アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表22】

【0306】
表20−病院消毒剤試験における複数の細菌に対する、アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物及び従来の抗菌組成物の抗菌活性
【表23】

【0307】
表21−細菌胞子に対する、アニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表24】

【0308】
表22−細菌胞子に対するアニオン性界面活性剤及び/又はマイクロエマルジョン可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表25】

【0309】
表23−マイコバクテリアに対する溶媒可溶化剤を内含する組成物の抗菌活性
【表26】

【0310】
表24−Milli-Q及び合成硬水中60、40及び20ppmでの純粋結晶由来のPOOAを内含する組成物の抗菌活性
【表27】

【0311】
表25−室温で30秒の曝露での2つの細菌に対する異なるpH値でのMilli−Q水及び軟水中の純粋結晶由来のPOOAを内含する組成物の抗菌活性。
【表28】

【0312】
例5−中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を内含する組成物
表26は、中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を内含する当該組成物の付加的な説明用実例を提示している。表中の数量はwt%単位である。
【0313】
組成物AB−AQの各々において:中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であり;中鎖カルボン酸はオクタン酸であり;担体は水であり;酸化剤は(35%溶液から供給される)過酸化水素であり;安定化剤は(60wt%のHEDP1を内含するDequest 2010として供給される)HEDPであり;酸味料は(75%のリン酸として供給される)リン酸であった。組成物ACは芳香剤(1wt%)、特定的にはミントアップル芳香剤を内含していた。
【0314】
可溶化剤はこれらの組成物間で多様であった。組成物AB−AD、AH、AI、ANの各々の中で、可溶化剤はLAS酸であった。組成物AE及びAJ中、可溶化剤はLAS酸プラスC8酸化アミンであった。組成物AF中、可溶化剤は、LAS酸プラスn−オクチルアミンであった。組成物AG中、可溶化剤はLASプラスC8−ジメチルアミンであった。組成物AK中、可溶化剤はLAS酸プラスアルキル化ジフェニルオキシドジスルホナート(酸形態)であった。組成物AL中、可溶化剤はアルキル化ジフェニルオキシドジスルホナート(酸形態)であった。組成物AM中、可溶化剤はLAS酸プラスアルキル化ジフェニルオキシドジスルホナート(酸形態)及びC8酸化アミンであった。組成物AO中、可溶化剤はラウレス硫酸ナトリウムであり;試験された適切なラウレス硫酸ナトリウムにはn=1及び3であるものが含まれる。組成物APにおいては、可溶化剤は、アルキル化ジフェニルオキシドジスルホナート(塩形態)であった。組成物AQ中、可溶化剤はアルキル化ジフェニルオキシドジスルホナート(塩形態)プラスNAS−FALであった。
【0315】
組成物AR−AWの各々において、担体は水であり;酸化剤は(35%溶液から供給される)過酸化水素であり;安定化剤は(60wt%のHEDPを内含するDequest2010として供給される)HEDPであり;酸味料は(75%のリン酸として供給される)リン酸であり、可溶化剤はLAS酸であった。
【0316】
中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸はこれらの組成物中で多様であった。組成物ARにおいて、中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシノナン酸であり、中鎖カルボン酸はノナン酸(直酸ノナン酸)であった。組成物AS−AW中、中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸及びペルオキシノナン酸であり、中鎖ペルオキシカルボン酸はオクタン酸及びノナン酸であり;ノナン酸((3つのペンダント基を伴う6個の炭素主鎖であると考えられている)イソノナン酸として)は、AS−AWについてそれぞれに、0.1、0.5、0.2及び0.3wt%で存在していた。
【0317】
表26−界面活性剤可溶化剤を内含する組成物の例(数量はwt%単位)
【表29】

表26.続き−界面活性剤可溶化剤を内含する組成物の例
【表30】

表26.続き−界面活性剤可溶化剤を内含する組成物の例
【表31】

【0318】
組成物AX−AZ及びBC−BFの各々において、中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であり、中鎖カルボン酸はオクタン酸であり;担体は水であり;酸化剤は(35%溶液から供給された)過酸化水素であり;安定化剤は(60wt%のHEDPを内含するDequest2010として供給される)HEDPであり;酸味料は(75%のリン酸として供給される)リン酸であった。
【0319】
可溶化剤は、これらの組成物間で多様であった。組成物AX中、可溶化剤はLAS酸プラスラウリル硫酸ナトリウムであった。組成物AY中、可溶化剤はLAS酸プラス ラウリル硫酸ナトリウム及びC3ジメチルアミンであった。組成物AZ及びBC−BF中、安定化剤はスルホン酸2級アルカン(Hostapur SASという商標名で販売されているスルホン化パラフィンの混合物)であった。
【0320】
組成物BG−BKの各々において、中鎖ペルオキシカルボン酸はペルオキシオクタン酸であり;中鎖カルボン酸はオクタン酸であり;担体は水であり;酸化剤は(35%溶液から供給される)過酸化水素であり;安定化剤は(60wt%のHEDPを内含するDequest2010として供給される)HEDPであり;可溶化剤はスルホン酸2級アルカン(HostapurSASという商標名で販売されているスルホン化パラフィンの混合物)プラスNAS−FALであり、酸味料は硫酸であった。
【0321】
LAS、スルホン酸2級アルカン、アルキル化ジフェニルオキシドジスルホナート又はラウリル硫酸ナトリウムを可溶化剤として内含していた組成物は、起泡性組成物であった。特定的には、組成物AB及びACは起泡性組成物である。
【0322】
組成物の大部分は相安定性であった。特に組成物AX及びAYは60℃で相安定であると判定された。例えば、中鎖ペルオキシカルボン酸のwt%が判定されなかった(nd)組成物のうちの複数のものが、相安定でなかった。すなわち、これらは、40°F、室温、100°F又は140°F(60℃)のうちの単数又は複数の温度(例えば少なくとも1つ)で予め定められた時間の後複数の相に分離した。
【0323】
当該例の中で報告されたペルオキシオクタン酸の濃度は、充分に立証済みの規格化された滴定プロトコルによって判定された。まず最初に、過酸化水素含有量が過マンガン酸カリウムでの酸化−還元滴定によって決定された。この滴定の終点に達した後、ヨウ化カリウムを溶液に添加した。ヨウ化カリウムはペルオキシカルボン酸と反応してヨウ素を遊離する。遊離されたヨウ素はペルオキシカルボン酸の濃度を生成するべくチオ硫酸ナトリウムの標準溶液で滴定された。カルボン酸の残留レベルを計算することができる(できた)。
【0324】
ペルオキシカルボン酸を、実験室内で実用的である処方後の1時点において滴定された。例えば、組成物AB、AD、AE、AF、AG、AH、AK、AL、AO、AP、AQ、AU、AV、AZ、BC及びBDについては、0、2(BD)又は3(AP、AU及びAV)日間室温に試料を放置した後、ペルオキシカルボン酸を滴定した。例えば、AC及びBG−BKについては、試料を100°Fで4日(AC)又は7日(BG−BK)間放置した後にペルオキシカルボン酸を滴定した。例えば、組成物AI、AN、AR、BE及びBFについては、試料を1日(AI、AR及びBE)又は4日(AN及びBF)間140°Fに放置した後にペルオキシカルボン酸を滴定した。
【0325】
組成物ABについては、140°F(60℃)で7日間組成物を経年変化させた後、ペルオキシカルボン酸のいかなる分解も観察されなかった。組成物ACについては、100°Fで34日間組成物を経年変化させた後、ペルオキシカルボン酸のいかなる分解も観察されなかった。その他の組成物も同様に安定したペルオキシカルボン酸を内含することが考察された。
【0326】
当該例で利用されるオクタン酸は、Procter & Gamble Chemicalsを含む供給源から得られたものであり、少量のヘキサン酸(約2%)、デカン酸(約2%)及びドデカン酸(0.5%未満)と共に最低95%のオクタン酸を内含している。
【0327】
芳香剤
組成物のいくつかを、芳香剤の添加後の相安定性及びにおいについて評価した。特に組成物AB及びAGを評価した。評価対象の芳香剤にはGreen Meadow(Klabin);Vinegar MarkI(J&E Sozio);Vinegar MarkII(J&E Sozio);酢酸アミル;酢酸イソボルニル;及びサリチル酸メチルが含まれていた。
【0328】
組成物ACは、芳香剤(1wt%)特定的にはサリチル酸アルキルであるか又はそれを含むと考えられるミントアップル芳香剤を内含していた。10wt%のLASを含有するように改変された組成物ACは、40°F、室温及び70°Fで単相にとどまった。
【0329】
起泡
表27の結果は、当該中鎖ペルオキシカルボン酸が所望の数量で気泡を生成したことを示している。この研究では、中間点から2回りでわずかに湿った気泡を生成するようにセットされた「FOAM IT」ブランドのタンク起泡器が用いられた。気泡は95〜98°Fで使用組成物から送り出された。気泡を約10ftの距離から垂直ステンレス鋼表面(約15ft×15ft)上にスプレーした。表27の結果は、当該組成物が気泡に対し所望のハング時間及び密度を提供したことを実証している。1oz/6galで試験された組成物の各々は、気泡に対し、例えば約5分間気泡が破れるのが目に見えた、気泡が垂直表面から充分にドレンされた、垂直表面を下に向かって優れたシーチング(sheeting)を示した、そして目に見える残留物が全くなくなるまで均等に乾燥された、といったような所望の特徴を提供した。
【0330】
例6−中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を内含する当該組成物の抗菌効能
本発明に従った付加的な組成物が評価され、グラム陰性菌、グラム陽性菌、真菌、胞子、ウイルス及びマイコバクテリアといったような微生物に対する有利な抗菌活性が実証された。
【0331】
表27−当該中鎖ペルオキシカルボン酸による起泡
【表32】

【0332】
材料及び方法
例4で上述した通りに抗菌活性を決定した。
【0333】
結果
表28−29は、複数の異なるタイプの試験において、細菌、真菌、及び胞子に対し試験された時点で当該中鎖ペルオキシカルボン酸が抗菌活性を有していたことを示すデータを内含している。
【0334】
表28中に提示されているデータは、当該組成物が有意な抗菌活性を示したことを実証している。試験1は、室温で化合物ABに対する微生物の5分間の曝露を含んでいた。試験1中の微生物はE. aerogenes ATCC13048及びS.aureus ATCC6538を含んでいた。試験2中の微生物は、S.aureus ATCC6538、E.coli ATCC11229及びP. aerugirosaATCC13442を内含していた。
【0335】
表29で提示されたデータは、本発明に従った組成物の殺胞子活性を実証している。
【0336】
ポリオウイルス1型に対する試験は、このウイルスの完全な死滅を結果としてもたらした。このウイルスを硬質表面上に乾燥させた。硬質表面上のウイルスを10分間、1ガロンあたり1オンス又は0.5ガロンあたり1オンスに希釈された組成物AGと接触させた。組成物AGは、20℃で3分又は5分のいずれかの曝露の後ポリオウイルス1型の完全な不活性化を実証した。組成物は、それぞれ3分及び5分以内に6超及び5.3超のlog低減を生成した。ウイルス及び細菌は適切な対照の中で生き延びた。これらの結果は、当該組成物が有効な一般的殺ウイルス薬であることを表わしている。
【0337】
芳香剤を内含する組成物は、芳香剤に由来する抗菌効能に対するマイナス効果を全く示さなかった。抗菌活性について複数の付加的な組成物が試験され、この例で報告されているものに類似した結果を示した。
【0338】
表28−複数の微生物に対する組成物ABの活性
【表33】

【0339】
表29−B.subtilis ATCC49760の胞子に対する組成物KKの活性
【表34】

【0340】
この明細書及び添付のクレームの中で使用されている単数形態「a」、「an」及び「the」は、内容から相反する明示がなされているのでないかぎり複数の指示対象をも含むものであることを指摘しておくべきである。かくして、例えば「化合物(単数)」を含有する組成物に対する言及は、2つ以上の化合物の混合物を内含している。同様に「又は」という用語は一般に、内容から相反する明示でないかぎり、「及び/又は」を含むその意味合いにおいて用いられる。
【0341】
本明細書中の全ての刊行物及び特許出願は、本発明が関係する技術の現状を表わすものである。
【0342】
本発明はさまざまな特定的かつ好ましい実施形態及び技術を基準にして記述されてきた。しかしながら、本発明の精神及び範囲内にとどまりながら数多くの変更及び修正を加えることができるということを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工中に屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物個体群を低減する方法において、
− 加工中に屠体、食肉、又は食肉製品に対して、微生物個体群を低減するのに充分な量及び時間で中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を適用する工程
を含んで成る方法であって、
− 中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物が、
・ 約2〜約500ppmのペルオキシオクタン酸;
・ 約5〜約2000ppmのオクタン酸;
・ 約95〜約99.99wt%の水;及び、
・ 約2〜約23,000ppmの、酸化ポリアルキレン、酸化ポリアルキレンのモノアルキルエーテル、酸化ポリアルキレンのジアルキルエーテル、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤のうちの少なくとも1つ、
を含み、
− 該組成物が、7重量部のオクタン酸に対して少なくとも約2重量部のペルオキシオクタン酸を含む、
方法。
【請求項2】
屠体、食肉、又は食肉製品に対し予め適用された水を再利用させる方法において;
− 屠体、食肉、又は食肉製品に予め適用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を回収する工程;
及び、
− 再利用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を生成するのに充分な量の中鎖ペルオキシカルボン組成物を回収された組成物に添加する工程を含んで成り、
− 添加された中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
・ 約0.0005〜約5wt%のペルオキシオクタン酸;
・ 約0.001〜約10wt%のオクタン酸;
・ 約5〜約99.99wt%の水;
・ 約0.001〜約60wt%の、酸化ポリアルキレン、酸化ポリアルキレンのモノアルキルエーテル、酸化ポリアルキレンのジアルキル−エーテル、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤のうちの少なくとも1つ;
・ 約0.002〜約10wt%の酸化剤
・ 約0.001〜約30wt%の無機酸及び
・ 約0.001〜約5wt%の捕捉剤;
を含み、
− 該組成物が、7重量部のオクタン酸に対して少なくとも約2重量部のペルオキシオクタン酸を含む、
方法。
【請求項3】
屠体、食肉、又は食肉製品に対し予め適用された水を再利用させる方法において、
− 屠体、食肉、又は食肉製品に予め適用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を回収する工程;
及び、
− 再利用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を生成するのに充分な量の中鎖ペルオキシカルボン組成物を回収された組成物に添加する工程;
を含んで成り、
− 添加された中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
・ 約0.5〜約5wt%のペルオキシオクタン酸;
・ 約1〜約10wt%のオクタン酸;
・ 約5〜約97wt%の水;
・ 約1〜約20wt%のアニオン性界面活性剤;
・ 約5〜約10wt%の酸化剤;
・ 約15〜約35wt%の無機酸;及び
・ 約1〜約5wt%の捕捉剤;
を含み、
− 該組成物がマイクロエマルジョンを含む、
方法。
【請求項4】
屠体、食肉、又は食肉製品に対し予め適用された水を再利用させる方法において;
− 屠体、食肉、又は食肉製品に予め適用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を回収する工程;
及び、
− 再利用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を生成するのに充分な量の中鎖ペルオキシカルボン組成物を回収された組成物に添加する工程を含んで成り、
− 添加された中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
・ 約0.0005〜約5wt%のペルオキシオクタン酸;
・ 約0.001〜約10wt%のオクタン酸;
・ 約40〜約99.99wt%の水;
・ 約0.001〜約60wt%の、酸化ポリアルキレン、酸化ポリアルキレンのモノアルキルエーテル、酸化ポリアルキレンのジアルキル−エーテル、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤のうちの少なくとも1つ;
・ 約0.002〜約10wt%の酸化剤;
・ 約0.001〜約30wt%の無機酸;及び
・ 約0.001〜約5wt%の捕捉剤、
を含む方法。
【請求項5】
屠体、食肉、又は食肉製品の表面上の微生物負荷を低減するために有効である中鎖ペルオキシカルボン組成物を含む抗菌濃縮物組成物であって、
− 中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
・ 約0.0005〜約5wt%のペルオキシオクタン酸;
・ 約0.001〜約10wt%のオクタン酸;
・ 約5〜約99.99wt%の水;
・ 約0.001〜約60wt%の、酸化ポリアルキレン、酸化ポリアルキレンのモノアルキルエーテル、酸化ポリアルキレンのジアルキル−エーテル、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤のうちの少なくとも1つ;
・ 約0.002〜約10wt%の酸化剤;
・ 約0.001〜約30wt%の無機酸;及び
・ 約0.001〜約5wt%の捕捉剤;
を含み、
− 該組成物が、7重量部のオクタン酸毎に少なくとも約2重量部のペルオキシオクタン酸を含む、
抗菌濃縮物組成物。
【請求項6】
屠体、食肉、又は食肉製品の表面上の微生物負荷を低減するために有効である中鎖ペルオキシカルボン組成物を含む抗菌濃縮物組成物であって、
− 中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
・ 約0.5〜約5wt%のペルオキシオクタン酸;
・ 約1〜約10wt%のオクタン酸;
・ 約5〜約97wt%の水;
・ 約1〜約20wt%のアニオン性界面活性剤;
・ 約5〜約10wt%の酸化剤;
・ 約15〜約35wt%の無機酸;及び
・ 約1〜約5wt%の捕捉剤;
を含み、
− 該組成物がマイクロエマルジョンを含む、
抗菌濃縮物組成物。
【請求項7】
屠体、食肉、又は食肉製品の表面上の微生物負荷を低減するために有効である中鎖ペルオキシカルボン組成物を含む抗菌濃縮物組成物であって;
− 中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
・ 約0.0005〜約5wt%のペルオキシオクタン酸;
・ 約0.001〜約10wt%のオクタン酸;
・ 約40〜約99.99wt%の水;
・ 約0.001〜約60wt%の、酸化ポリアルキレン、酸化ポリアルキレンのモノアルキルエーテル、酸化ポリアルキレンのジアルキル−エーテル、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤のうちの少なくとも1つ;
・ 約0.002〜約10wt%の酸化剤;
・ 約0.001〜約30wt%の無機酸;及び、
・ 約0.001〜約5wt%の捕捉剤;
を含む、抗菌濃縮物組成物。
【請求項8】
加工中に屠体、食肉、又は食肉製品上の微生物個体群を低減する方法であって、
− 加工中に屠体、食肉、又は食肉製品に対して、微生物個体群を低減するのに充分な量及び時間で中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を適用する工程
を含んで成る方法。
【請求項9】
加工中の屠体、食肉、又は食肉製品が、牛、豚、羊、山羊、水牛、ホタテ貝、エビ、カニ、タコ、イガイ、イカ、伊勢エビ、ニワトリ、七面鳥、ダチョウ、ゲームヘン(game hen)、ひな鳥及びキジのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
加工中の屠体、食肉、又は食肉製品に、牛、豚、子牛、水牛又は子羊を含む赤肉が含まれている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
加工中の屠体、食肉、又は食肉製品に、ホタテ貝、エビ、カニ、タコ、イガイ、イカ又は伊勢エビを含む魚介類が含まれている、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
屠体、食肉、又は食肉製品が、臓器、骨及び全屠体のうちの少なくとも1つを含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
食肉製品には、ホットドッグ、コールドカット、ソーセージ、ミートカット、ハンバーガ及びスシのうちの少なくとも1つが含まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
屠体、食肉、又は食肉製品を沈漬することによって中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する工程を含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
屠体、食肉、又は食肉製品を洗い流す又はスプレーすることにより中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する工程を含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
全屠体に対して中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する工程を含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
失神、放血、鱗取り、除毛及び剥皮のうちの少なくとも1つに付された屠体に対し中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する工程を含んで成る、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
屠体の単数又は複数の解体部分に対し中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する工程を含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
断頭、二等分及び四等分の少なくとも1つに付された屠体に対して中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する工程を含んで成る、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
エアチリング(air chilling)により中鎖ペルオキシカルボン組成物を適用する工程を含んで成る請求項8に記載の方法。
【請求項21】
中鎖ペルオキシカルボン組成物がペルオキシオクタン酸を含んで成る、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
エアチリングには、気体又は高密度流体の抗菌組成物を適用する工程が含まれる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
屠体、食肉、又は食肉製品を活性化された光に曝露する工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
活性化光が、紫外線、赤外線及び可視光のうちの少なくとも1つを含んで成る、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物が、
− 約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸;
− 約95〜約99.99wt%の水;及び
− 約2〜約23.000ppmの可溶化剤、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項26】
中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物がさらに、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、発泡剤、酸味料、顔料、芳香剤、及び染料のうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
微生物個体群が糞便又は消化管内容物による汚染の結果である、請求項8に記載の方法。
【請求項28】
微生物個体群を低減するのに充分な量及び時間で中鎖ペルオキシカルボン組成物を含有する用具クリーナーの中に、屠体、食肉、又は食肉製品を加工する上で利用される用具を浸漬する工程をさらに含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項29】
適用の後、
− 適用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を回収する工程、及び、
− 再利用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を生成するべく、回収済み組成物に対し中鎖ペルオキシカルボン酸を充分な量だけ添加する工程、
をさらに含んで成る請求項8に記載の方法。
【請求項30】
加工中に屠体、食肉、又は食肉製品に対し、再利用された組成物を適用する工程をさらに含んで成る、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
中鎖ペルオキシカルボン酸が、
− 約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約5〜約97wt%の水及び
− 約1〜約20wt%のマイクロエマルジョン形成剤を含んで成り、
− 該組成物がマイクロエマルジョンを含む、
請求項29に記載の方法。
【請求項32】
中鎖ペルオキシカルボン酸が、
− 約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約0.001〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約0.001〜約99.99wt%の水;及び
− 約0.001〜約80wt%の、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を可溶化するのに有効な0.001〜約80wt%の可溶化剤;
を含んで成り、
− 該組成物が、7重量部の中鎖カルボン酸に対して2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む、
請求項29に記載の方法。
【請求項33】
中鎖ペルオキシカルボン酸が、
− 約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約0.001〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約40〜約99.99wt%の水;及び、
− 約0.001〜約80wt%の、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を可溶化するのに有効な約0.001〜約80wt%の可溶化剤;
を含んで成る、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
再利用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物が、
− 約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸;
− 約95〜約99.99wt%の水;及び、
− 約2〜約23.000ppmの可溶化剤、
を含んで成る、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
適用工程には、屠体、食肉、又は食肉製品に霧を適用する工程が含まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項36】
適用工程には、屠体、食肉、又は食肉製品に気泡を適用する工程が含まれる請求項8に記載の方法。
【請求項37】
適用工程には、屠体、食肉、又は食肉製品に対し増粘又はゲル化された組成物を適用する工程が含まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項38】
屠体、食肉、又は食肉製品を真空処理する工程をさらに含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項39】
屠体、食肉、又は食肉製品に対し予め適用された水を再利用させる方法であって、
− 屠体、食肉、又は食肉製品に対し予め適用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を回収する工程;及び、
− 再利用された中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を生成するべく、回収済み組成物に対し中鎖ペルオキシカルボン酸を充分な量だけ添加する工程、
を含んで成る方法。
【請求項40】
加工中に屠体、食肉、又は食肉製品に対し、再利用された組成物を適用する工程をさらに含んで成る、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
− 約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約0.001〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約0.001〜約99.99wt%の水;及び、
− 約0.001〜約80wt%の、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を可溶化するのに有効な0.001〜約80wt%の可溶化剤;
を含んで成り、
− 該組成物が、7重量部の中鎖カルボン酸に対して2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む、
請求項39に記載の方法。
【請求項42】
中鎖ペルオキシカルボン組成物が、
− 約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約5〜約97wt%の水及び
− 約1〜約20wt%のマイクロエマルジョン形成剤を含んで成り、
− 該組成物がマイクロエマルジョンを含む、
請求項39に記載の方法。
【請求項43】
中鎖ペルオキシカルボン酸が、
− 約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約0.001〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約40〜約99.99wt%の水;及び
− 約0.001〜約80wt%の、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を可溶化するのに有効な0.001〜約80wt%の可溶化剤;
を含んで成る、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
組成物が、屠体の洗浄又は洗い流しによって予め適用される、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
屠体、食肉、又は食肉製品の表面上の微生物負荷を低減するために有効な中鎖ペルオキシカルボン組成物を含んで成る抗菌濃縮物組成物において、該組成物が
− 約0.5〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約1〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約5〜約97wt%の水及び
− 約1〜約20wt%のマイクロエマルジョン形成剤を含んで成り、
− 該組成物がマイクロエマルジョンを含む、
抗菌濃縮物組成物。
【請求項46】
屠体、食肉、又は食肉製品の表面上の微生物負荷を低減するために有効な中鎖ペルオキシカルボン組成物を含んで成る抗菌濃縮物組成物であって、該組成物が
− 約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約0.001〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約0.001〜約99.99wt%の水;及び、
− 約0.001〜約80wt%の、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を可溶化するのに有効な約0.001〜約80wt%の可溶化剤;
を含んで成り、
− 該組成物が、7重量部の中鎖カルボン酸に対して2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む、
抗菌濃縮物組成物。
【請求項47】
屠体、食肉、又は食肉製品の表面上の微生物負荷を低減するために有効な中鎖ペルオキシカルボン組成物を含んで成る抗菌濃縮物組成物であって、該組成物が
− 約0.0005〜約5wt%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約0.001〜約10wt%の中鎖カルボン酸;
− 約40〜約99.99wt%の水;及び、
− 約0.001〜約80wt%の、中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸を可溶化するのに有効な約0.001〜約80wt%の可溶化剤;
を含んで成る、抗菌濃縮物組成物。
【請求項48】
屠体、食肉、又は食肉製品の表面上の微生物荷を低減するために有効な中鎖ペルオキシカルボン組成物を含んで成る抗菌使用組成物において、該組成物が、
− 約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸;
− 約95〜約99.99wt%の水;及び、
− 約2〜約23,000ppmの可溶化剤
を含んで成る抗菌使用組成物。
【請求項49】
屠体、食肉、又は食肉製品中の微生物個体群を低減するべく屠体、食肉、又は食肉製品を処理する方法であって、
− 少なくとも30秒の接触時間をもたらすように約60℃未満の温度で少なくとも50psiの圧力において、屠体、食肉、又は食肉製品上に中鎖ペルオキシカルボン組成物をスプレーする工程;及び
− 微生物個体群中で少なくとも1log10の低減を達成する工程、
を含んで成る方法。
【請求項50】
抗菌組成物が、
− 約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸;
− 約95〜約99.99wt%の水;及び、
− 約2〜約23,000ppmの可溶化剤
を含んで成る請求項49に記載の方法。
【請求項51】
静電気加速型スプレーで抗菌組成物を適用する工程を含んで成る請求項49に記載の方法。
【請求項52】
屠体、食肉、又は食肉製品中の微生物個体群を低減するべく食肉製品を処理する方法であって、
− 屠体、食肉、又は食肉製品を大気圧のチャンバ内に置く工程;
− 短時間、中鎖ペルオキシカルボン組成物を含む凝縮蒸気でチャンバを充填する工程;及び、
− 屠体、食肉、又は食肉製品の褐変を防ぐためチャンバを急速に換気及び冷却する工程
を含んで成り、蒸気熱プロセスの持続時間が約2秒〜約30秒であり、かつチャンバ温度が約50℃〜約93℃に達してよい方法。
【請求項53】
抗菌組成物が、
− 約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸;
− 約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸;
− 約95〜約99.99wt%の水;及び、
− 約2〜約23,000ppmの可溶化剤
を含んで成る請求項52に記載の方法。
【請求項54】
静電気加速型スプレーで抗菌組成物を適用する工程を含んで成る請求項53に記載の方法。
【請求項55】
食肉加工表面上の微生物個体群を低減する方法であって、
− 微生物個体群を低減するのに充分な量及び時間で中鎖ペルオキシカルボン酸抗菌組成物を食肉加工表面に適用する工程、
を含んで成る方法。

【公表番号】特表2007−523639(P2007−523639A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549350(P2006−549350)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/000149
【国際公開番号】WO2005/070238
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】