説明

中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法および冷凍冷媒供給先設備

【課題】中小規模クラスの冷熱回収用気化器においてランニングコストの削減およびCOの削減を十分に図ることができるようにする。
【解決手段】常圧下での沸点が−40℃以下の中間媒体Pと、凍結温度が−20℃以下の冷凍冷媒Rとを熱交換させることで、零下の低温領域で蒸発した中間媒体Pは、LNGを零下の低温領域で蒸発させる。このとき、LNGの冷熱を回収した中間媒体Pは液化して冷凍冷媒Rを所定温度まで冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガス等の液化ガスを気化する中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法および冷凍冷媒供給先設備に関する。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガス(LNG)等の液化ガスをコンパクトな構造で連続的に気化する手段として、熱源媒体と中間媒体とを用いる中間媒体式気化器が知られている。この中間媒体式気化器は、熱源媒体により蒸発させた中間媒体を液化ガスと熱交換させることにより、中間媒体を凝縮させ、その凝縮熱で液化ガスを気化するものである。
【0003】
特許文献1には、海水を熱源媒体とする中間熱媒体式熱交換器と、海水を熱源媒体とする並流熱交換器および向流熱交換器とを直列に結合して、LNGをこの順番で通過させて気化する、大規模クラスの液化天然ガス気化器が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、温水等を熱源媒体とし、熱源管を2パス以上にして管内流速を大きくした、中規模クラスの中間媒体式気化器及び当該気化器を用いた天然ガスの供給方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭53−5207号公報
【特許文献2】特開2001−200995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、産業界では低炭素化のためCOの25%削減という大きな命題が与えられており、石油から天然ガス(NG)への燃料転換が進んでいる。また、LNGからの冷熱回収が以前から検討されており、一部は実用化されている。
【0007】
LNGからの冷熱回収は、大規模クラスの気化器においては冷熱発電、中小規模クラスの気化器においては、冷凍倉庫の冷凍機代替あるいは空調等で実用化されている。大規模クラスの冷熱回収用気化器として、中間媒体式気化器が使用されている。一方、中小規模クラスの冷熱回収用気化器として、LNG/冷媒の直接熱交換器が使用されている。
【0008】
食品業界のように、LNGの需要と冷凍冷媒の需要とを併せ持った業界において、LNGから冷熱を回収して冷凍冷媒を冷却するLNG気化設備は、ランニングコストの削減およびCOの削減に対して極めて有効である。しかし、中小規模クラスの冷熱回収用気化器である直接熱交換器には、冷媒の凍結、熱応力の発生及びそれに伴う疲労蓄積・溶接割れという問題がある。そのため、中小規模クラスの冷熱回収用気化器において、ランニングコストの削減およびCOの削減を十分に図ることができなかった。
【0009】
本発明の目的は、中小規模クラスの冷熱回収用気化器においてランニングコストの削減およびCOの削減を十分に図ることが可能な中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の供給方法および冷凍冷媒供給先設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法は、常圧下での沸点が−40℃以下の中間媒体が収容されたシェルと、液状の前記中間媒体に浸漬されるように前記シェル内に設けられ、外部から供給された凍結温度が−20℃以下の冷凍冷媒が内部を通過する熱源管と、前記シェル内に設けられ、外部から供給された液化ガスが内部を通過する伝熱管と、を備えた中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法であって、前記シェル内の液状の前記中間媒体と前記熱源管内の前記冷凍冷媒とを熱交換させて、前記シェル内で液状の前記中間媒体を蒸発させるとともに、前記熱源管内で前記冷凍冷媒を所定温度まで冷却する工程と、前記伝熱管内の前記液化ガスと前記シェル内の蒸発した前記中間媒体とを熱交換させて、前記伝熱管内で前記液化ガスを蒸発させるとともに、前記シェル内で蒸発した前記中間媒体を液化させる工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、常圧下での沸点が−40℃以下の中間媒体と、凍結温度が−20℃以下の冷凍冷媒とを熱交換させることで、零下の低温領域で蒸発した中間媒体は、液化ガスを零下の低温領域で蒸発させる。このとき、液化ガスの冷熱を回収した中間媒体は液化して冷凍冷媒を所定温度まで冷却するので、この冷凍冷媒を冷凍機や空調等に使用することができる。そして、このような中間媒体式気化器を、中小規模クラスの冷熱回収用気化器として用いることで、中小規模クラスの冷熱回収用気化器においてランニングコストの削減およびCOの削減を十分に図ることができる。
【0012】
また、本発明における中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法においては、前記伝熱管内から排出された蒸発した前記液化ガスを加温する工程を更に有していてよい。上記の構成によれば、伝熱管内から排出された蒸発した液化ガス(気化ガス)を加温することにより、所望の温度の気化ガスを供給先に供給することができる。
【0013】
また、本発明における中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法においては、前記中間媒体式気化器に並設され、外部から熱源と前記液化ガスとが供給される液化ガス気化器を更に有し、前記液化ガス気化器において、前記熱源の熱で前記液化ガスを気化させる工程を更に有していてよい。上記の構成によれば、中間媒体式気化器による液化ガスの気化と並行して、液化ガス気化器で液化ガスを気化し、中間媒体式気化器による液化ガスの気化量の増減に応じて液化ガス気化器による液化ガスの気化量を増減させることで、液化ガスの全気化量を調整することができる。また、中間媒体式気化器のバックアップとして液化ガス気化器を使用することで、中間媒体式気化器による液化ガスの気化の停止中に、気化ガスの供給を継続することができる。
【0014】
また、本発明における冷凍冷媒供給先設備は、上記の中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法により製造された前記冷凍冷媒による冷凍負荷が付与されるように、前記冷凍冷媒が供給される冷凍冷媒供給先設備であって、前記冷凍冷媒供給先設備に他の冷凍負荷を付与する冷却手段と、前記冷凍冷媒による前記冷凍負荷の増減に応じて、前記冷却手段に前記他の冷凍負荷を付与させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
上記の構成によれば、液化ガスから回収した冷熱で冷やされた冷凍冷媒による冷凍負荷は、液化ガスの気化負荷にリンクして変動するので、冷凍冷媒による冷凍負荷の増減に応じて冷却手段に他の冷凍負荷を付与させることにより、冷凍冷媒供給先設備の全冷凍負荷を調整することができる。また、冷凍冷媒供給先設備の全冷凍負荷の調整時にのみ冷却手段を稼働させることで、ランニングコストの増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法および冷凍冷媒供給先設備によると、液化ガスの冷熱を回収した中間媒体は液化して冷凍冷媒を所定温度まで冷却するので、この冷凍冷媒を冷凍機や空調等に使用することができる。そして、このような中間媒体式気化器を、中小規模クラスの冷熱回収用気化器として用いることで、中小規模クラスの冷熱回収用気化器においてランニングコストの削減およびCOの削減を十分に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】中間媒体式気化器を用いた冷熱回収LNG気化設備と冷凍庫とを示す概略図である。
【図2】中間媒体式気化器の概略図である。
【図3】冷熱回収LNG気化設備に温水式LNG気化器を並設した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
[第1実施形態]
(全体構成)
本実施形態による中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法は、図1に示すように、中間媒体式気化器を用いた冷熱回収LNG気化設備40において行われる。冷熱回収LNG気化設備40には、冷凍庫(冷凍冷媒供給先設備)41から−25℃の冷凍冷媒である昇温冷媒Rが供給される。冷熱回収LNG気化設備40において、昇温冷媒Rは冷凍冷媒Rとして中間媒体式気化器の内部を通過する。これにより、後述するように、LNGの気化が行われる。その際、冷凍冷媒RはLNGの冷熱を回収して−30℃(所定温度)まで冷却される。その後、LNGの冷熱を回収した冷凍冷媒Rは、−30℃の冷凍冷媒である降温冷媒Rとして冷凍庫41に供給される。なお、昇温冷媒Rの温度は−25℃に限定されず、降温冷媒Rの温度は−30℃に限定されない。
【0020】
冷凍庫41の冷熱源は、冷熱回収LNG気化設備40から供給される降温冷媒Rと、冷凍庫41に接続された冷凍機(冷却手段)42とで構成されている。降温冷媒Rによる冷凍負荷A、および、冷凍機42による冷凍負荷(他の冷凍負荷)Bは、それぞれ冷凍庫41に付与される。降温冷媒Rによる冷凍負荷Aは、LNGの気化負荷にリンクして変動する一方、冷凍機42による冷凍負荷Bは一定である。よって、冷凍庫41の全冷凍負荷は、図示しない制御手段が冷凍機42の稼働を制御することにより、冷凍負荷Bで調整される。即ち、冷凍負荷Aの減少により冷凍庫41の全冷凍負荷が不足する場合には、その不足分を冷凍負荷Bで補うように、制御手段により冷凍機42が稼働され、逆に、冷凍負荷Aの増大により冷凍庫41の全冷凍負荷が過剰になる場合には、冷凍負荷Bを与えないように、制御手段により冷凍機42の稼働が停止される。
【0021】
このように、降温冷媒Rによる冷凍負荷Aの増減に応じて冷凍機42に冷凍負荷Bを付与させることにより、冷凍庫41の全冷凍負荷を調整することができる。また、冷凍庫41の全冷凍負荷の調整時にのみ冷凍機42を稼働させることで、ランニングコストの増大を抑制することができる。
【0022】
(中間媒体式気化器の構成)
冷熱回収LNG気化設備40に用いられる中間媒体式気化器1は、図2に示すように、シェル11と、シェル11内に設けられた熱源管12と、シェル11内に設けられた伝熱管21と、NG加温器30と、を有している。
【0023】
シェル11内には、常圧下での沸点が−40℃以下の中間媒体Pが収容されており、一部は液化した−40℃の中間媒体液Pとなっている。シェル11内の下部には、中間媒体液Pに浸漬されるように、熱源管12が配置されている。ここで、中間媒体Pは、例えば、プロパン、HFC系混合冷媒等である。なお、中間媒体液Pの温度は−40℃に限定されない。
【0024】
熱源管12の内部には、中間媒体液Pを蒸発させるための熱源として、冷凍庫41から−25℃の昇温冷媒Rが供給される。昇温冷媒Rは冷凍冷媒Rとして熱源管12内を通過し、中間媒体液Pと熱交換する。冷凍冷媒Rと熱交換した中間媒体液Pは蒸発して、−40℃の中間媒体ガスPとなり上昇し、LNGを気化させる熱源となる。一方、中間媒体液Pと熱交換した冷凍冷媒Rは、−30℃(所定温度)まで冷却されて、降温冷媒Rとして冷凍庫41に供給される。ここで、冷凍冷媒Rは、例えば、EG系ブライン、PG系ブライン、有機酸塩系ブラインであり、凍結温度が−20℃以下である。ブラインとは、食塩水を成分とする不凍液のことである。なお、中間媒体ガスPの温度は−40℃に限定されない。
【0025】
シェル11内の上部には、−140℃のLNGが供給される伝熱管21が配置されている。伝熱管21内を流れるLNGは、伝熱管21外の中間媒体ガスPと熱交換して蒸発・加温され、−50℃のNGとしてNG配管31に送出される。一方、LNGと熱交換した中間媒体ガスPは、LNGの冷熱を回収することで凝縮されて中間媒体液Pとなり、シェル11の下部である液溜り部に落ちる。即ち、中間媒体Pは、液化とガス化とを繰り返すことになる。なお、LNGの温度は−140℃に限定されず、NGの温度は−50℃に限定されない。
【0026】
NG加温器30には、外部(例えば、温水ボイラ)から熱源として60℃の温水が供給されている。NG配管31からNG加温器30に供給された−50℃のNGは、この温水によりさらに10℃まで加温され、NG供給先(例えば、ボイラ)に送出される。一方、NGを加温した温水は、40℃の温水になってNG加温器30から排出される。なお、NG供給先に送出されるNGの温度は10℃に限定されず、NG加温器30に給排される温水の温度は60℃、40℃に限定されない。
【0027】
なお、LNG気化量と回収冷熱量とをリンクさせるために、圧力センサ32で中間媒体ガスPの圧力が検知され、この圧力が常時一定になるように、熱源管12から排出される冷凍冷媒(降温冷媒)Rの流量が調節弁33で調整される。
【0028】
(中間媒体式気化器の動作)
次に、中間媒体式気化器1の動作を通して、中間媒体式気化器1を用いた冷凍冷媒の製造方法について説明する。
【0029】
まず、図2に示すように、冷凍庫41から熱源管12内に−25℃の昇温冷媒Rが供給される。熱源管12を通過する冷凍冷媒Rと、シェル11内の中間媒体液Pとの熱交換により、−40℃の中間媒体液Pは蒸発して−40℃の中間媒体ガスPとなり上昇する。
【0030】
伝熱管21内を通過する−140℃のLNGは、伝熱管21外の中間媒体ガスPと熱交換して蒸発・加温されて、−50℃のNGとしてNG配管31を経由してNG加温器30に送られる。一方、LNGと熱交換した中間媒体ガスPは、LNGの冷熱を回収することで凝縮されて中間媒体液Pとなり、シェル11の下部である液溜り部に落ちる。また、LNGの冷熱を回収した中間媒体液Pと熱交換した冷凍冷媒Rは−30℃(所定温度)まで冷却されて、降温冷媒Rとして冷凍庫41に供給される。このようにして、LNGの冷熱が冷凍冷媒Rに回収される。
【0031】
このように、常圧下での沸点が−40℃以下の中間媒体Pと、凍結温度が−20℃以下の冷凍冷媒Rとを熱交換させることで、零下の低温領域で蒸発した中間媒体Pは、LNGを零下の低温領域で蒸発させる。このとき、LNGから冷熱を回収した中間媒体Pは液化して冷凍冷媒Rを所定温度(−30℃)まで冷却するので、この冷凍冷媒Rを冷凍機や空調等に使用することができる。そして、このような中間媒体式気化器1を、中小規模クラスの冷熱回収用気化器として用いることで、中小規模クラスの冷熱回収用気化器においてランニングコストの削減およびCOの削減を十分に図ることができる。
【0032】
伝熱管21からNG加温器30に供給された−50℃のNGは、NG加温器30内を通過する60℃の温水により10℃まで加温され、NG供給先(例えば、ボイラ)に送出される。NGを加温した温水は、40℃に降温してNG加温器30から排出される。
【0033】
このように、伝熱管21内から排出されたNGを加温することにより、所望の温度のNGを供給先に供給することができる。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図3を用いて説明する。本実施形態は、冷熱回収LNG気化設備40に、熱源からの熱でLNGを気化させる温水式LNG気化器(液化ガス気化器)50が並設されている点で、第1実施形態と異なっている。
【0035】
冷熱回収LNG気化設備40および温水式LNG気化器50には、LNGが並行に供給される。温水式LNG気化器50には、LNGを気化させる熱源として温水が供給されている。冷熱回収LNG気化設備40は、冷凍冷媒Rを用いてLNGを気化し、NGを排出する。一方、温水式LNG気化器50は、温水を用いてLNGを気化し、NGを排出する。
【0036】
LNG供給路において、冷熱回収LNG気化設備40の上流側には、切替弁51aが設けられており、温水式LNG気化器50の上流側には、切替弁51bが設けられている。通常は、冷熱回収LNG気化設備40の中間媒体式気化器1にのみLNGを供給し、温水式LNG気化器50にLNGを供給しないように、切替弁51a,51bが制御されている。なお、切替弁51a,51bの制御は自動であっても手動であってもよい。
【0037】
冷熱回収LNG気化設備40の中間媒体式気化器1による冷凍庫41への冷凍負荷A(図1参照)は、中間媒体式気化器1によるLNG気化負荷にリンクして変動する。そのため、中間媒体式気化器1による冷凍負荷AがLNG気化負荷を下回った場合には、中間媒体式気化器1によるLNG気化負荷を下げて、冷凍負荷AとLNG気化負荷とを均衡させるために、中間媒体式気化器1へのLNGの供給量を減少させ、温水式LNG気化器50へのLNGの供給量を増加させるように、切替弁51a,51bが制御される。これにより、中間媒体式気化器1によるLNG気化量が減少し、温水式LNG気化器50によるLNG気化量が増加する。中間媒体式気化器1によるLNG気化量の減少分は、温水式LNG気化器50によるLNG気化量の増加分で補われる。その後、低下していた冷凍負荷Aが回復してきた場合には、その回復の程度に応じてLNG気化負荷を上げて、冷凍負荷AとLNG気化負荷とを均衡させるために、中間媒体式気化器1へのLNGの供給量を増加させ、温水式LNG気化器50へのLNGの供給量を減少させるように、切替弁51a,51bが制御される。これにより、中間媒体式気化器1によるLNG気化量が増加し、温水式LNG気化器50によるLNG気化量が減少する。以上のようにして、LNGの全気化量が調整される。
【0038】
また、中間媒体式気化器1による冷凍負荷Aがゼロになった場合には、中間媒体式気化器1によるLNG気化負荷をゼロにするために、中間媒体式気化器1へのLNGの供給を停止させ、温水式LNG気化器50にのみLNGを供給するように、切替弁51a,51bが制御される。これにより、中間媒体式気化器1でLNGが気化されなくなるが、中間媒体式気化器1のバックアップとしての温水式LNG気化器50でLNGが気化されるので、NGの供給が継続される。
【0039】
このように、中間媒体式気化器1によるLNGの気化と並行して、温水式LNG気化器50でLNGを気化し、中間媒体式気化器1によるLNGの気化量の増減に応じて温水式LNG気化器50によるLNGの気化量を増減させることで、LNGの全気化量を調整することができる。また、中間媒体式気化器1のバックアップとして温水式LNG気化器50を使用することで、中間媒体式気化器1によるLNGの気化の停止中に、NGの供給を継続することができる。
【0040】
その他の構成は、第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0041】
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0042】
例えば、液化ガスとしてLNGを用いて説明したが、液化ガスは、液化エチレン、LO(液化酸素)、LN(液化窒素)等であってもよい。
【0043】
また、第2実施形態において、通常は、冷熱回収LNG気化設備40の中間媒体式気化器1にのみLNGが供給され、温水式LNG気化器50にLNGが供給されない構成にされているが、この構成に限定されず、常時両者にLNGが供給される構成であってもよい。この場合においても、中間媒体式気化器1によるLNG気化量の増減に応じて温水式LNG気化器50によるLNG気化量を増減させることで、LNGの全気化量を調整することができる。
【0044】
また、第2実施形態において、冷熱回収LNG気化設備40に併設される液化ガス気化器は、温水を用いる温水式LNG気化器50に限定されず、海水等の熱源媒体を用いるものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 中間媒体式気化器
11 シェル
12 熱源管
21 伝熱管
30 NG加温器
31 NG配管
32 圧力センサ
33 調節弁
40 冷熱回収LNG気化設備
41 冷凍庫(冷凍冷媒供給先設備)
42 冷凍機(冷却手段)
50 温水式LNG気化器(液化ガス気化器)
51a,51b 切替弁
A,B 冷凍負荷
P 中間媒体
中間媒体ガス
中間媒体液
R 冷凍冷媒
昇温冷媒
降温冷媒



【特許請求の範囲】
【請求項1】
常圧下での沸点が−40℃以下の中間媒体が収容されたシェルと、液状の前記中間媒体に浸漬されるように前記シェル内に設けられ、外部から供給された凍結温度が−20℃以下の冷凍冷媒が内部を通過する熱源管と、前記シェル内に設けられ、外部から供給された液化ガスが内部を通過する伝熱管と、を備えた中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法であって、
前記シェル内の液状の前記中間媒体と前記熱源管内の前記冷凍冷媒とを熱交換させて、前記シェル内で液状の前記中間媒体を蒸発させるとともに、前記熱源管内で前記冷凍冷媒を所定温度まで冷却する工程と、
前記伝熱管内の前記液化ガスと前記シェル内の蒸発した前記中間媒体とを熱交換させて、前記伝熱管内で前記液化ガスを蒸発させるとともに、前記シェル内で蒸発した前記中間媒体を液化させる工程と、
を有することを特徴とする中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法。
【請求項2】
前記伝熱管内から排出された蒸発した前記液化ガスを加温する工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法。
【請求項3】
前記中間媒体式気化器に並設され、外部から熱源と前記液化ガスとが供給される液化ガス気化器を更に有し、
前記液化ガス気化器において、前記熱源の熱で前記液化ガスを気化させる工程を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の中間媒体式気化器を用いた冷凍冷媒の製造方法により製造された前記冷凍冷媒による冷凍負荷が付与されるように、前記冷凍冷媒が供給される冷凍冷媒供給先設備であって、
前記冷凍冷媒供給先設備に他の冷凍負荷を付与する冷却手段と、
前記冷凍冷媒による前記冷凍負荷の増減に応じて、前記冷却手段に前記他の冷凍負荷を付与させる制御手段と、
を有することを特徴とする冷凍冷媒供給先設備。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−179534(P2011−179534A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41970(P2010−41970)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000108890)株式会社ダイキンアプライドシステムズ (4)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】