説明

乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法

本発明は1つ又は複数の走行動特性量(LW,vx,ωz,ay)を測定し評価するようにした乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法に関する。
本発明によれば、測定した走行動特性量(LW,vx,ωz,ay)に基づいて、オーバー/アンダーステア識別プロセス(30)と道路状態識別プロセス(40)が実行され、横速度推定(30)の活動化のために前記両プロセスが評価される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は独立請求項1の上位概念による乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法に関する。
【0002】
車両横転の際の受動的安全性の重要性はアメリカ合衆国からの数字によって証明されている。1998年には、すべての致死的な単独車両事故の半分は横転に起因するものであった。すべての事故発生のうち、車両横転はほぼ20パーセントの割合を占めている。
【0003】
横転検出のための従来のシステムは横揺れ運動と車両のx、y、z軸方向における加速度を観察する。これを基に車両横転の確実な検出が可能となる。しかしながら、横転が生じるか否かの判定は横転回転の後期にならなければ下されない。ダイナミックな運転に続く特定の車両横転では、乗員は大きな横加速度を経験する。このような運転は例えばいわゆるソイルトリップ横転につながる。これに関して、トリガ動作の点については、将来の乗員保護システムにはなお潜在的可能性がある。
【0004】
公知の方法は、例えば、回転速度センサと中央エアバッグ制御装置の中に組み込まれた2つの加速度センサの評価に基づいている。回転速度センサはジャイロの原理に従って車両ロール軸回りの回転速度を求め、加速度センサはさらにピッチ軸及びヨー軸方向の車両加速度を測定する。主アルゴリズムでは回転速度が評価される。加速度センサの測定値は一方では横転の態様の識別を可能にし、他方では妥当性検査に使用される。回転速度アルゴリズムによって横転が認識された場合、妥当性検査により予防安全装置は同時トリガの場合にのみ活動化される。
【0005】
また別の公知の方法では、車両の横滑り角と横速度を取り入れることによって、横加速度の大きな横転の際の適時のトリガ決定を可能にしている。拡張された横転検出のための公知の方法では、横加速度を考慮した上で、ヨーレートと縦方向の車両速度から横速度の推定が行われる。なお、この横速度は、緑地帯へと側方ドリフトした際に、車両の横転確率の尺度となる。また、横速度を求めるために、いわゆる横滑り角も考慮される。
【0006】
しかしながら、例えば車両運動制御において使用される公知の方法によっては、比較的大きな角度範囲の横滑り角を求めることや、横転検出の際に必要とされるように、所定の横滑り角に基づいて横速度を推定することはできない。というのも、このような方法は10°未満の角度範囲にしか適していないからである。この狭い有効範囲は、横滑り角が比較的大きい場合には車両運動制御がもはや効果的に実行され得ないことに因っている。
【0007】
発明の利点
これに対して、独立請求項に記載された特徴を備えた本発明による乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法は、早い時点に車両横転を認識することができるという利点を有している。これにより、ベルトテンショナ、頭部エアバッグ、及びロールバーのような安全装置が適時に活動化され、負傷の危険性が低減されることが保証される。有利には、本発明によるトリガ方法は、道路状態識別とオーバー/アンダーステア識別とにより、どのような路面でも横速度推定器の確実な活動化を可能にする。なお、オーバーステアとアンダーステアの識別はそれぞれ走行動特性量を用いて実行される。このことは摩擦係数の高い道路状態にも摩擦係数の低い道路状態にも当てはまる。これにより、低摩擦区間で車両がコースアウトしたときには横速度推定が実行されるので、それに続いて事故が起こるような場合、すなわち、側面衝突及び/又は横転が起こるような場合には、有利には、この横速度をトリガストラテジーのために利用することができる。このため、システム全体でのアルゴリズムのロバストネスが高まる。というのも、本発明によるトリガ方法が誤ったトリガの確率を低減するからである。
【0008】
さらに、車両のコースアウト状態に関する情報は他の拘束システムでも使用できるので、例えば車両が横方向に運動して、それに続いて側面衝突が起きた場合、この情報を副アルゴリズムのトリガ動作において使用することができる。
【0009】
従属請求項で実施される手段及び発展形態により、独立請求項1に記載された乗員保護装置のための横速度推定を活動化させる方法の有利な実施形態が得られる。
【0010】
オーバー/アンダーステア識別プロセスの間、現時点の操舵角と現時点の縦速度と所与のホイールベースから、アッカーマンヨーレートの理論値を計算すると特に有利である。また、オーバーステアないしアンダーステア運転を検出するために、このアッカーマンヨーレートの理論値を現時点の測定されたヨーレートと比較してもよい。
【0011】
さらに、オーバー/アンダーステア識別プロセスの間、横加速度と縦速度と現時点の測定されたヨーレートから横滑り角の変化を計算することができると有利である。これにより、オーバーステアないしアンダーステア運転を誤って検出する危険性を低減することができる。
【0012】
横滑り角変化は開始横滑り角を起点として求められ、開始横滑り角は、有利には、長期積分により連続して計算される。
【0013】
さらに、オーバー/アンダーステア識別プロセス中にオーバー/アンダーステアフラグ信号を生成するために、アッカーマンヨーレートと横滑り角変化と現時点の測定されたヨーレートを第1の論理回路により相互に組み合わせて評価すると有利である。第1の論理回路は、評価の際に車両のオーバーステア又はアンダーステアが求められると、オーバー/アンダーステアフラグ信号をセットする。これにより、オーバーステアないしアンダーステア運転を誤って検出する危険性をさらに低減することができる。さらに、オーバー/アンダーステアフラグ信号を他の拘束システムで使用するようにしてもよい。
【0014】
現時点のヨーレートは、例えば、1つのヨーレートセンサ及び/又は2つの直線加速度センサ及び/又は少なくとも2つの空間軸方向における直線加速度を測定する重心に配置された1つのセンサによって測定することができる。
【0015】
さらに、道路状態識別プロセスの間、現時点の測定されたヨーレートと車両の縦速度から理論上の横加速度を計算すると有利である。また、目下走行している路面の摩擦係数を検出するために、この理論上の横加速度を現時点の測定されたヨーレートと比較してもよい。
【0016】
道路状態識別プロセス中に低μフラグ信号を生成するために、有利には、理論上の横加速度と現時点の測定された横加速度とオーバー/アンダーステアフラグは第2の論理回路により相互に組み合わされて評価される。これにより、低摩擦区間、中摩擦区間、及び/又は高摩擦区間での走行を識別することができる。
【0017】
第2の論理回路は、例えば、評価の際に走行している道路に関して低い又は中程度の摩擦係数が求められると、低μフラグ信号をセットする。
【0018】
特に、横速度推定を活動化させるために、道路状態識別プロセスの低μフラグ信号、オーバー/アンダーステア識別プロセスのオーバー/アンダーステアフラグ信号、現時点の測定されたヨーレート、測定された横加速度、及び計算された横滑り角変化を第3の論理回路により相互に組み合わせて評価すると有利である。この場合、横速度推定は、評価の際に低摩擦及び/又は中摩擦でのコースアウト状態が求められた場合に活動化される。これにより、横速度推定器の活動化は低摩擦車道上でのコースアウトの場合であっても可能になる。
【0019】
図面
本発明の実施例を図面に示し、以下の説明において詳細に解説する。
これら図面のうち、
図1は、乗員保護装置のための横速度推定方法の概略的なブロック図を示しており、
図2は、オーバー/アンダーステア識別プロセスの概略的なブロック図を示しており、
図3は、道路状態識別プロセスの概略的なブロック図を示しており、
図4は、乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法の概略的なブロック図を示しており、
図5は、横加速度、横滑り角変化、及びヨーレートの概略的な推移を示しており、
図6は、横滑り角アルゴリズムと基準横滑り角の概略的な推移を示している。
【0020】
実施例の説明
10°よりも大きな横滑り角とこの横滑り角から導出される横速度を求める公知の方法は、車道の摩擦係数が高いという前提に基づいている。式(1)から、
【数1】

コースアウト状態の尺度となる横滑り角変化が求められる。しかし、この関係式は横加速度及びヨー加速度が十分に大きな場合に有効なあるものでるから、危険でない走行状態に対しては横滑り角変化が比較的大きくなる。この方法の欠点は、氷や雪で覆われた車道の場合には非常に低い道路摩擦係数しか生じえないということに見ることができる。
【0021】
この背景条件の下で車両がコースアウトした場合、摩擦係数が低いため、非常に小さな横加速度及びヨーレートしか生じない。図5には、氷上での横滑り運転の際の横加速度とヨーレートが示されている。破線の曲線は式1により計算された横滑り角変化を示している。一点鎖線は横速度推定器の活動化閾を表している。横速度推定器が活動化されるためには、横滑り角変化がこの活動化閾を超えなければならない。しかし、活動化閾は摩擦係数の比較的高い道路でなくては超えられない。図2は上記方法の反応を示したものである。基準横滑り角が生じ、数秒後にはすでに明らかに10°を超えている。この場合、車両運動制御システムは制御を行うことができないため、不可避的に、数秒後には車両に高い横速度が生じる状態となる。これに反して、横滑り角推定器の出力は0にとどまる。というのも、この状態は検出されないからである。この方法は車両のコースアウトを認識することができない。しかし、活動化閾を別に設定すれば、横速度推定器の誤った活動化が起こりやすくなってしまうので、拘束手段の不所望な活動化が生じかねない。
【0022】
それゆえ、本発明によれば、検出された走行動特性量に基づいて、オーバー/アンダーステア識別プロセスと道路状態識別プロセスを行い、両プロセスを横速度推定の活動化のために評価するようにした、乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法が提供される。
【0023】
図1には、乗員保護装置のための横速度推定方法の概略的なブロック図が示されている。図1から分かるように、オーバー/アンダーステア識別プロセス30と道路状態識別プロセス40は、横速度推定方法のフェーズ1の間の、すなわち、車両が安定した状態にある間のバックグラウンドプロセスである。さらに、このフェーズ1では、例えばEEPROMなどのメモリにより、閾値、ホイールベース、開始横滑り角βstartなどのような車両に依存する値が利用可能となる。開始横滑り角βstartは例えば記憶された値を起点として長期積分により連続して求められ、初期横滑り角β0の場合に応じた推定50に使用される。ブロック60では、式(1)の適用により、摩擦係数μの高い道路を走行している場合のコースアウト状態が検出され、ブロック70では、本発明によるトリガ方法の適用により、オーバー/アンダーステア識別プロセス30と道路状態識別プロセス30とに依存して、摩擦係数μが低い又は中程度の道路でのコースアウト状態が検出される。図1から分かるように、フェーズ2の間、すなわち、危険な状態が生じている場合には、ブロック80において、横滑り角計算と横速度推定のための方法が活動化される。その際、活動化はブロック60又はブロック70において検出されたコースアウト状態によってトリガされる。
【0024】
図2には、オーバー/アンダーステア識別プロセス30の概略的なブロック図が示されている。オーバー/アンダーステア検出30のために、いわゆるアッカーマンヨーレートωzAが考慮される。アッカーマンヨーレートωzAはブロック110において式(2)により計算され、1つ又は複数のセンサによって測定され利用可能となった現時点のヨーレートωzと比較される。ここで、LWは車両運動制御システム及び/又はセンサにより供給される操舵角を表しており、vxは通常走行時の車両縦速度を表しており、laはいわゆるホイールベースを表している。ホイールベースはメモリ20において調達されるパラメータである。式(2)により、定常円旋回走行時の車両の理論上のヨーレートが計算される。
【0025】
【数2】

【0026】
そして、オーバーステアないしアンダーステア運転を検出するために、第1の論理回路130において、計算された理論上のヨーレートωzAが現時点の測定されたヨーレートωzと比較される。その際、ヨーレートの実際値ωzは、例えばヨーレートセンサなどの1つのセンサによって、2つの直線加速度センサによって、又は、少なくとも2つの空間軸方向、有利にはx軸及びy軸方向における直線加速度を測定する重心に配置された1つのセンサによって測定することができる。さらに、現時点のヨーレートωzを例えばESPシステムなどの他のシステムのバスシステムを介して供給することも可能である。
【0027】
比較のために、式(3)に従って、2つの量ωzAとωzの差が計算され、その絶対値が求められるので、オーバーステア運転もアンダーステア運転も包摂される。ここで、状態を後の分析で使用することができるように、符号を確保しておいてもよい。次いで、この計算された量はメモリ20により供給される閾値と比較される。
【0028】
【数3】

【0029】
誤った活動化を防ぐために、さらに別の条件を前提としてもよい。例えば、ブロック150において、横加速度ayと現時点の測定されたヨーレートωzの符号が等しいか否かをチェックするようにしてもよい。ブロック150におけるこのチェックがオプショナルであることは破線によって示されている。さらに、ブロック120では、測定された横加速度ayと現時点の縦速度vxと現時点の測定されたヨーレートωzから横滑り角変化

が計算され、この横滑り角変化は第1の論理回路130においてメモリ20により供給される閾値と比較される。条件が満たされるのは、計算された横滑り角変化

が閾値以下のときである。さらに、縦速度vxはメモリ20によって予め決められた最低速度を超えていなければならない。オーバー/アンダーステア識別プロセス30中にオーバー/アンダーステアフラグ信号140を生成するために、アッカーマンヨーレートωzAと横滑り角変化

と現時点の測定されたヨーレートωzは第1の論理回路130により相互に組み合わされて評価される。その際、第1の論理回路130は、評価の際に車両のオーバー/アンダーステアが求められた場合、すなわち、臨界的な走行状態が存在している場合に、オーバー/アンダーステアフラグ信号140をセットする。このフラグ信号はさらに横速度推定器の活動化を行うために評価される。
【0030】
図3には、道路状態識別プロセス40の概略的なブロック図が示されている。道路状態検出のため、ないしは、摩擦係数の低い道路上での走行又は雪上での走行が行われているか否かを識別するために、オーバー/アンダーステア検出30からの情報の他に、現時点の測定されたヨーレートωzと縦速度vxとから計算される理論上の横加速度ayTheoが考慮される。道路状態識別プロセス40中に低μフラグ信号220を生成するために、理論上の横加速度ayTheoと現時点の測定された横加速度(ay)とオーバー/アンダーステアフラグ140は第2の論理回路210により相互に組み合わされて評価される。第2の論理回路210は、例えば、走行している道路の評価の際に低い又は中程度の摩擦係数μが求められると、低μフラグ信号220をセットする。
【0031】
第2の論理回路210は、例えば、式(4)に従って、理論上の横加速度ayTheoを現時点の測定された横加速度ayと比較する。差の絶対値がメモリ20によって設定された閾値から偏差しており、かつ、式(5)から現時点の測定された横加速度ayが別の所定の閾値を超えていれば、車両は摩擦係数の高い道路上にある。
【0032】
【数4】

【0033】
この条件が満たされていなければ、低摩擦区間での走行が行われている。第2の論理回路210は、相応するオーバー/アンダーステア状態においてどの条件が時間的に長く持続するかをチェックし、このチェックに依存して、車両が低摩擦区間を走行していることを示す低μフラグ信号220をセットする。これにより、コースアウト状態は検出されずに、車両が摩擦係数の低い車道を走行しているということのみが確認される。
【0034】
図4には、乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法の概略的なブロック図が示されている。第1及び第2の論理回路130及び210により、低摩擦車道上でのコースアウトの検出に必要な要素が計算される。図4から分かるように、横速度推定80を活動化させるために、道路状態識別プロセス40の低μフラグ信号220、オーバー/アンダーステア識別プロセス30のオーバー/アンダーステアフラグ信号140、現時点の測定されたヨーレートωz、測定された横加速度ay、及び計算された横滑り角変化

が第3の論理回路300により相互に組み合わされて評価される。横速度推定の活動化は、評価の際に、摩擦係数が低い及び/又は中程度であるコースアウト状態が求められた場合に行われる。
【0035】
ヨーレートや車両速度などのような現時点の測定された値は、車両バスシステムを介して、例えばESP制御装置などの他の車両システムによっても使用されるようにしてよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】乗員保護装置のための横速度推定方法の概略的なブロック図を示す。
【図2】オーバー/アンダーステア識別プロセスの概略的なブロック図を示す。
【図3】道路状態識別プロセスの概略的なブロック図を示す。
【図4】乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法の概略的なブロック図を示す。
【図5】横加速度、横滑り角変化、及びヨーレートの概略的な推移を示す。
【図6】横滑り角アルゴリズムと基準横滑り角の概略的な推移を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法であって、1つ又は複数の走行動特性量(LW,vx,ωz,ay)を測定し評価するようにした方法において、測定した走行動特性量(LW,vx,ωz,ay)に基づいて、オーバー/アンダーステア識別プロセス(30)と道路状態識別プロセス(40)を実行し、横速度推定(30)の活動化のために前記両プロセスを評価することを特徴とする、乗員保護装置のための横速度推定を活動化させるトリガ方法。
【請求項2】
オーバー/アンダーステア識別プロセス(30)の間、現時点の操舵角(LW)と現時点の縦速度(vx)と所与のホイールベースからアッカーマンヨーレート(ωzA)を計算する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
オーバー/アンダーステア識別プロセス(30)の間、横加速度(ay)と縦速度(vx)と現時点の測定されたヨーレート(ω)から横滑り角変化

を計算する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
横滑り角変化

を開始横滑り角(βstart)を起点として求め、なお、開始横滑り角(βstart)は有利には長期積分により連続して求められる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
オーバー/アンダーステア識別プロセス(30)の間にオーバー/アンダーステアフラグ信号(140)を生成するために、アッカーマンヨーレート(ωzA)と横滑り角変化

と現時点の測定されたヨーレート(ωz)を第1の論理回路(130)により相互に組み合わせて評価し、その際、第1の論理回路(130)は、評価の際に車両のオーバー/アンダーステアが求められた場合に、オーバー/アンダーステアフラグ信号(140)をセットする、請求項3又は4記載の方法。
【請求項6】
現時点のヨーレート(ωz)を1つのヨーレートセンサ及び/又は2つの直線加速度センサ及び/又はは少なくとも2つの空間軸方向における直線加速度を測定する重心に配置された1つのセンサにより測定する、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
道路状態識別プロセス(40)の間に、現時点の測定されたヨーレート(ωz)と縦速度(vx)から理論上の横加速度(ayTheo)を計算する、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
道路状態識別プロセス(40)の間に低μフラグ信号(220)を生成するために、理論上の横加速度(ayTheo)と現時点の測定された横加速度(ay)とオーバー/アンダーステアフラグ(140)を第2の論理回路210により相互に組み合わせて評価する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
第2の論理回路(210)は、評価の際に走行中の道路に関して低い又は中程度の摩擦係数(μ)が求められると、低μフラグ信号220をセットする。
【請求項10】
横速度推定(80)を活動化させるために、道路状態識別プロセス(40)の低μフラグ信号(220)、オーバー/アンダーステア識別プロセス(30)のオーバー/アンダーステアフラグ信号(140)、現時点の測定されたヨーレート(ωz)、測定された横加速度(ay)、及び計算された横滑り角変化

を第3の論理回路により相互に組み合わせて評価し、評価の際に低摩擦及び/又は中摩擦でのコースアウト状態が求められた場合に、横速度推定(30)を活動化させる、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−528378(P2008−528378A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553485(P2007−553485)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/057060
【国際公開番号】WO2006/081902
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】