乗降扉位置検出装置、ホームドア開閉制御装置及びホームドア装置の制御プログラム
【課題】 シンプルな構成で、実際にプラットホームに停車した列車の乗降扉位置を正確に検出する。
【解決手段】 プラットホームPに入る列車20の先頭から各車両21の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する扉位置情報出力制御部31と、プラットホームPに停車した列車20の先頭位置に関する情報が含まれる先頭位置情報を出力する先頭位置検出装置と、前記扉位置情報出力制御部31によって出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出装置によって出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームPに停車した列車20のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定制御部32とが含まれている。扉位置情報出力制御部31は、各車両21に配設されたICタグ34から車両個別情報が入力される。
【解決手段】 プラットホームPに入る列車20の先頭から各車両21の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する扉位置情報出力制御部31と、プラットホームPに停車した列車20の先頭位置に関する情報が含まれる先頭位置情報を出力する先頭位置検出装置と、前記扉位置情報出力制御部31によって出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出装置によって出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームPに停車した列車20のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定制御部32とが含まれている。扉位置情報出力制御部31は、各車両21に配設されたICタグ34から車両個別情報が入力される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗降扉位置検出装置、ホームドア開閉制御装置及びホームドア装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラットホーム上を軌道側とその内側とに仕切るとともに、適所に扉体が設けられてこの扉体を開放することにより、乗降通路を開通させるホームドア装置が知られている。この種のホームドア装置には、下記特許文献1〜3に開示されているように、車両の種別に応じて扉体の開閉制御を行うようにしたものが知られている。都心部等の在来線では、同じプラットホームに編成車両数、扉数等が異なる異種車両の列車が高密度で運行していることから、入線した列車の編成等によって扉体の開閉制御を行おうというものである。
【0003】
例えば、特許文献1及び2のものでは、列車ダイヤが含まれる列車運行情報等に基づいて列車の乗降扉位置を特定し、それに応じて扉体の開閉制御を行うようにしている。一方、特許文献3のものでは、プラットホームの所定個所に超音波ヘッドを配設し、プラットホームに停車した列車の側面に超音波を出射してその反射波を受信するまでの時間を算出し、それに基づいて乗降扉位置を検出している。
【特許文献1】特開昭55−1246号公報
【特許文献2】特開2002−302032号公報
【特許文献3】特許第3407952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1及び2のホームドア装置のように、列車運行情報等の間接情報に基づいて扉体の開閉制御を行うものでは、実際にプラットホームに停車した列車の乗降扉位置に応じた扉体の開閉ができない場合がある。例えば、路線で事故や故障が発生した場合等のように、列車の入れ替えや編成替えを行う場合があり、この場合に列車運行情報が錯綜して正確に伝わらないと、乗降扉の位置に応じた扉体を開閉できないことになる。
【0005】
一方、特許文献3のものでは、停車した列車の各乗降扉位置の付近にそれぞれ超音波ヘッドを配設する必要があり、種々の車両編成の列車が入線するプラットホームに設置するのは困難であり、しかも仮に設置できたとしても、非常に高コストとなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シンプルな構成で、実際にプラットホームに停車した列車の乗降扉位置を正確に検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明は、プラットホームに停車した列車の乗降扉位置を検出する検出装置を前提として、プラットホームに入る列車の扉位置情報を出力する扉位置情報出力手段と、プラットホームに停車した列車の先頭位置情報を出力する先頭位置検出手段と、前記扉位置情報出力手段によって出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出手段によって出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定手段とが含まれている。
【0008】
本発明では、実際にプラットホームに入った列車の扉位置情報を出力するため、列車運行情報が錯綜して正確に伝わっていないような場合であっても、プラットホームに入る列車の種別を正確に得ることができる。この結果、実際にプラットホームに入った列車の乗降扉のプラットホームに対する位置を正確に検出することができる。しかも、停車した列車の先頭位置に関する情報を取得するとともに、この先頭位置情報と扉位置情報とを関連付けて各乗降扉位置を特定するので、停車時に各乗降扉毎にその扉位置を直接検出する構成に比べて据え付けが容易となり、かつメンテナンスも軽減することができる。また、運行管理情報等の情報を受け取る必要がないため、プラットホーム毎に独立したクローズシステムを構築することが可能である。
【0009】
ここで、具体的な構成として、プラットホームに入る列車の各車両に配設され、車両個別情報を保持する情報保持手段と、プラットホームに設けられ、前記各情報保持手段に保持された車両個別情報をそれぞれ取得する情報取得手段と、車両ごとに車両の各扉位置に関する距離情報が記録されたデータベースとが含まれ、前記扉位置情報出力手段は、前記情報取得手段によって取得された車両個別情報と前記データベースに記録された距離情報とを関連付けて、プラットホームに入る列車の前記扉位置情報を導出するように構成されていてもよい。
【0010】
この構成によれば、各車両に車両個別情報を保持する情報保持手段を配設しているので、プラットホームに停車した列車を構成する各車両を確実に把握することができる。
【0011】
この構成において、前記情報保持手段は、前記車両個別情報を発信するように構成されており、前記情報取得手段は、移動中の列車から発信された前記車両個別情報を取得するように構成されていてもよい。
【0012】
こうすれば、車両個別情報を移動中の列車から発信する構成なので、情報取得手段を軌道近傍の例えば1個所にだけ設ける構成にすることが可能となる。この結果、情報取得手段を軌道に沿って多数配設する必要がなく、コスト上昇を抑制することができる。
【0013】
一方、具体的な他の構成としては、線路の側方に設置され、プラットホームに入る移動中の列車の側面形状を検出する車両形状検出手段が含まれ、前記扉位置情報出力手段は、前記車両形状検出手段によって検出された列車の側面形状に基づいて、前記扉位置情報を導出するように構成されていてもよい。
【0014】
この構成では、プラットホームに入る移動中の列車の側面形状を検出するようにしたので、各車両ごとに車両個別情報を持たせる必要がない。このため、既存の列車に特別な細工を施すことなく、扉位置情報を導出することが可能となる。
【0015】
前記先頭位置検出手段には、軌道上の所定位置に設置され、その所定位置と列車の先頭位置との間の距離を検出する距離検出器が含まれていてもよい。
【0016】
こうすれば、距離検出器によってプラットホームに停車した列車の先頭位置を精度よく検出することができる。
【0017】
また、本発明は、プラットホーム上に設置された多数の扉体を有するホームドア装置の開閉制御を行う開閉制御装置を前提として、前記乗降扉位置検出装置が含まれ、前記乗降扉位置検出装置によって検出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行うように構成されているホームドア開閉制御装置としてもよい。
【0018】
このホームドア開閉制御装置において、前記ホームドア装置は、プラットホーム上に多数の扉体が連続して設けられた構成のものであり、何れかの扉体を開き動作させることによって乗降通路が開通する構成とされているのが好ましい。
【0019】
この構成では、プラットホーム上の任意の位置に乗降通路を形成することが可能となるので、車両の種別、列車編成に関わらず、あらゆる列車に対応して扉体を開閉することができる。
【0020】
前記ホームドア装置が、列車がプラットホームに在線していないときに前記全ての扉体を閉じ状態に維持するように構成されていれば、プラットホーム上の乗降客の安全を確保することができる。
【0021】
また、本発明は、プラットホーム上に設置されたホームドア装置の扉体の開閉制御を、コンピュータを動作させて行うための制御プログラムを前提として、プラットホームに入る列車の先頭から各車両の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する扉位置情報出力ステップと、プラットホームに停車した列車の先頭位置に関する情報が含まれる先頭位置情報を出力する先頭位置検出ステップと、前記扉位置情報出力ステップで出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出ステップで出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定ステップと、前記扉位置決定ステップで導出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行う開閉制御ステップとが含まれていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、停車した列車の先頭位置に関する情報を取得するとともに、この先頭位置情報と扉位置情報とを関連付けて各乗降扉位置を導出するようにしたので、シンプルな構成で、実際にプラットホームに停車した列車の乗降扉位置を正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るホームドア開閉制御装置10が適用されたホームドア装置12の概略構成を示している。ホームドア装置12は、プラットホームP上に設けられた多数の扉体14,14,・・を有している。これら多数の扉体14,14,・・はプラットホームP上に軌道に沿う方向に連続して設けられており、これら多数の扉体14,14,・・によって、プラットホームP上が軌道側と、その内側のホーム側とに仕切られている。図例のものは、扉体14,14,・・が3列に配置されて、各扉体14,14,・・がジグザグ状に配列されたものであり、同図は、全ての扉体14,14,・・が閉じ位置にある閉じ状態を示している。このホームドア装置12は、後述するように、入線した列車20の乗降扉23の扉位置に応じて扉体14,14,・・が開き動作することにより、乗降扉位置に応じた乗降通路が開通するようになっている。なお、乗降通路以外のところでは、扉体14,14,・・が仕切り壁となる。
【0025】
本実施形態に係るホームドア開閉制御装置10には、図2に示すように、乗降扉位置検出装置30と、総合制御器50と、個別制御器53,53,・・とが含まれている。
【0026】
前記乗降扉位置検出装置30は、プラットホームPに停車した列車20の各乗降扉位置を検出するための装置であり、この検出装置30は、CPU、ROM等を備え、このROMには、CPUにより実行される制御のためのコンピュータプログラムが格納されている。そして、この乗降扉位置検出装置30には、扉位置情報出力手段の一例としての扉位置情報出力制御部31と、扉位置決定手段の一例としての扉位置決定制御部32とが機能的に含まれている。また、乗降扉位置検出装置30には、情報保持手段の一例としてのICタグ34と、情報取得手段の一例としての受信器36と、先頭位置検出手段の一例としての先頭位置検出装置38とが含まれている。なお、情報保持手段としては、所望の情報を保持し得るものであればよく、IDタグやICタグ等が例示され、本実施形態では、ICタグ34を用いた構成をもとに説明する。
【0027】
前記ICタグ34は列車20の各車両21,21,・・に配設されており、各ICタグ34には、記憶部34a、発信部34b等が含まれている。
【0028】
前記記憶部34aには、車両の種別に関する車両個別情報が記録されている。この車両個別情報は、各車両固有のIDデータと、その車両の車両型式とを関連付けた状態で記録されている。具体的に、図3に示すように、車両個別情報には、IDNo.についての情報、車体No.についての情報、扉数についての情報、扉型式についての情報、その他の情報が含まれている。扉型式についての情報には、片開き又は両開きの何れかを表す情報が含まれている。その他の情報には、製造メーカ、配置等を示す情報が含まれている。
【0029】
前記発信部34bは、記憶部34aに記録されている車両個別情報を発信するように構成されている。
【0030】
一方、前記受信器36は、前記発信部34bから発信された車両個別情報を受信するように構成されている。受信器36は、所定検知領域内を通過する前記発信部34bが発信した車両個別情報を受信する。すなわち、各車両21,21,・・に設けられたICタグ34が受信器36の前を通過する度に、受信器36はその車両21,21,・・の車両個別情報を受信するとともに、その情報を扉位置情報出力制御部31に送信する。
【0031】
前記扉位置情報出力制御部31には、データベース40が接続されている。このデータベース40は、車両21,21,・・の種別と各種距離情報とを関連付けたデータが記録されている。具体的に、図4に示すように、データベース40には、車体No.についてのデータ、前側連結部長さ、後側連結部長さ、車両先頭から第1乗降扉23の前端までの距離、第1乗降扉23の幅、第1乗降扉23の後端から第2乗降扉23の前端までの距離、第2乗降扉23の幅、・・、第n乗降扉23の後端から車両後端までの距離に関する情報が記録されている。すなわち、データベース40には、各車両ごとに車両の各扉位置に関する距離情報が記録されている。
【0032】
前記扉位置情報出力制御部31は、受信器36から先頭車両21の車両個別情報が入力されると先頭車両21の車両前端から各乗降扉位置までの距離を記憶し、受信器36から後続の通過車両21の車両個別情報が入力される毎に、前記記憶された距離に、通過車両21,21,・・の車両前端から各乗降扉位置までの距離と、連結部長さとを加算していくことにより、列車20の先頭から各車両21の各乗降扉23までの距離を導出するように構成されている。この結果、列車20の先頭位置に対する各乗降扉位置が算出され、この算出された各乗降扉位置に関する情報を扉位置情報として出力する。すなわち、この扉位置情報には、列車20の先頭から各車両の各扉位置までの距離に関する情報が含まれており、この扉位置情報は、扉位置決定制御部32に入力される。
【0033】
前記先頭位置検出装置38には、軌道26上の所定位置に設置された距離センサ38aと、この距離センサ38aに電気的に接続された受発信部38bとが含まれている。距離センサ38aは、プラットホームPに停車した列車20の先頭よりもさらに前方に設置されている。この距離センサ38aの設置位置は予め設定されたものであり、距離センサ38aは、例えばレーザービームや超音波等を列車20の先頭に向かって出射して、その反射波を検出する。そして、出射してから反射波が検出されるまでの時間に基づいて、距離センサ38aと列車20の先頭との間の距離が導出されるようになっている。一方、プラットホームPに対する距離センサ38aの相対的な位置関係が予め把握されているために、距離センサ38aと列車20の先頭との間の距離が導出されることによって列車20の停止位置が導出され、列車20の先頭位置についての情報が先頭位置情報として先頭位置検出装置38から出力される。受発信部38bから出力された先頭位置情報は、扉位置決定制御部32に入力される。なお、距離センサ38aによって検出された距離の値の変動がなくなった時点で列車20が停止したと判断するようになっている。
【0034】
前記扉位置決定制御部32は、扉位置情報出力制御部31から出力された扉位置情報と、先頭位置検出装置38から出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームPに停車した列車20のプラットホームP上での各乗降扉位置を導出する機能を有している。具体的に、この扉位置決定制御部32には、扉位置情報出力制御部31からの扉位置情報と、先頭位置検出装置38からの先頭位置情報とが入力される。そして、先頭位置情報に含まれている停車した列車20の先頭位置に関する情報をプラットホームP上での座標系に変換するとともに、このプラットホームP座標系での先頭位置に各乗降扉位置までの距離が加算された各乗降扉位置のプラットホームP上での位置を導出する。
【0035】
前記総合制御器50には、各扉体14,14,・・の開閉制御を行う開閉制御部51が機能的に含まれている。この開閉制御部51は、前記乗降扉位置検出装置30によって導出されたプラットホームP上での各乗降扉位置に対応した扉体14を特定した開閉信号を出力する。この開閉信号は各扉体14に対応して設けられた個別制御器53に入力される。
【0036】
前記個別制御器53は、開閉信号が入力され、開閉対象となっている扉体14に該当するときに扉体14の開閉動作を実行する。
【0037】
次に、本実施形態1に係るホームドア装置12の制御動作について、図5を参照しながら説明する。本ホームドア装置12は、列車20がプラットホームPに入線していないときには、全ての扉体14,14,・・が閉じ位置にあり、乗降通路は閉じられている。これにより、プラットホームPの乗客は軌道側に出ることはできず、乗客の安全が確保されている。例えば、図6(a)及び図7(a)に示すように、プラットホームPは連続して配置される扉体14,14,・・によって軌道側とホーム側とに仕切られている。
【0038】
そして、列車20がプラットホームPに入ってくると、図5に示すステップST1において、まず先頭車両21のICタグ34から発信された車両個別情報が受信器36によって受信され、それに引き続き後続車両21,21,・・のICタグ34から発信された車両個別情報が受信器36によって順次受信される。そして、扉位置情報出力制御部31において、先頭車両21の車両前端から各乗降扉位置までの距離が記憶されるとともに、2両目以降の車両個別情報が入力されるごとに、通過車両21,21,・・の車両前端から各乗降扉位置までの距離と、連結部長さとが加算され、列車20の先頭位置から各乗降扉位置までの距離が導出され、この導出された距離に関する情報を扉位置情報として扉位置決定制御部32へ出力する(ステップST2)。言い換えると、このステップST2は、扉位置情報出力ステップを構成している。
【0039】
そして、ステップST3において、列車20がプラットホームPに停車したときの距離センサ38aと列車20の先頭との間の距離に基づいて、列車先頭の停止位置が導出され、先頭位置情報として先頭位置検出装置38から扉位置決定制御部32へ出力される。言い換えると、ステップST3は、先頭位置検出ステップを構成している。
【0040】
扉位置決定制御部32では、扉位置情報と、先頭位置情報とに基づいて、プラットホームP座標系での各乗降扉位置を決定する(ステップST4)。言い換えると、ステップST4は、扉位置決定ステップを構成している。
【0041】
総合制御器50では、ステップST4で取得された各乗降扉位置に基づいて、開閉する扉体14,14,・・を特定し、各個別制御器53,53,・・において該当する扉体14,14,・・の開閉を行う(ステップST5)。言い換えると、ステップST5は、開閉制御ステップを構成している。
【0042】
扉体14,14,・・が開閉される状態の一例を例えば図6(b)及び図7(b)に示す。両図は、扉体14,14,・・の幅及び入線する列車20の乗降扉23の幅が同じ設定であるのに対し、入線する列車20の乗降扉23間の距離が異なる種別の場合の開閉例を示したものである。何れも乗降通路28内に入っている扉体14,14,・・を移動させるが、図6(b)と図7(b)とでは扉体14,14,・・の移動方向及び移動距離が異なるものが多い。なお、両図において、便宜のため各扉体14,14,・・に通し番号を振っている。
【0043】
以上説明したように、本実施形態1によれば、実際にプラットホームPに入った列車20の先頭から各車両21,21,・・の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力するようにしたので、列車運行情報が錯綜して正確に伝わっていないような場合であっても、プラットホームPに入る列車20の種別を正確に得ることができる。この結果、実際にプラットホームPに入った列車20に配設されている乗降扉23のプラットホームPに対する位置を正確に検出することができる。しかも、停車した列車20の先頭位置に関する情報を取得するとともに、この先頭位置情報と扉位置情報とを関連付けて各乗降扉位置を特定するので、停車時に各乗降扉23毎にその扉位置を直接検出する構成に比べて据え付けが容易となり、かつメンテナンスも軽減することができる。また、運行管理情報等の情報を受け取る必要がないため、プラットホームP毎に独立したクローズシステムを構築することが可能である。
【0044】
また、本実施形態1では、各車両21,21,・・に車両個別情報を保持するICタグ34を配設した構成としたので、プラットホームPに停車した列車20を構成する各車両21,21,・・を確実に把握することができる。しかも、本実施形態1では、移動中の列車20から車両個別情報を発信し、それを受信する構成なので、受信器36を軌道26近傍の例えば1個所にだけ設ける構成にすることが可能となる。この結果、受信器36を軌道26に沿って多数配設する必要がなく、コスト上昇を抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態1では、プラットホームP上に多数の扉体14,14,・・が連続して設けられた構成としたので、プラットホームP上の任意の位置に乗降通路28を形成することが可能となる。この結果、車両21,21,・・の種別、列車編成に関わらず、あらゆる列車20に対応した扉体開閉制御を行うことができる。
【0046】
また、本実施形態1では、列車20がプラットホームPに在線していないときに全ての扉体14,14,・・を閉じ状態に維持するようにしたので、プラットホームP上の乗降客の安全を確保することができる。
【0047】
なお、情報保持手段としてICタグ34を用いたが、これに代え、情報保持手段は、各車両21,21,・・に配設されたバーコードや光学マーカーによって構成し、これらによって車両個別情報が保持される構成とし、プラットホームPにこの車両個別情報を読み取る読み取り手段を設ける構成としてもよい。この場合、バーコードや光学マーカーは耐候性のあるものが望ましい。
【0048】
また、先頭位置検出装置38は、軌道26上に設置された距離センサ38aが含まれる構成としたが、これに代え、プラットホームPにおける先頭位置付近に列車20の進行方向に沿って多数設置されたエリアセンサ等が含まれる構成としてもよい。
【0049】
(実施形態2)
図8は本発明の実施形態2に係るホームドア開閉制御装置10のブロック図を示している。尚、ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0050】
この実施形態2の乗降扉位置検出装置30には、車両形状検出手段の一例としてのレーザー検出器43と、先頭位置検出装置38とが含まれている。また、乗降扉位置検出装置30には、扉位置情報出力制御部31と、扉位置決定制御部32とが機能的に含まれている。
【0051】
前記レーザー検出器43は、列車20がプラットホームPに入ってくる側の軌道側方に配置されている。このレーザー検出器43は、図9に示すように、車両側方から軌道26に直交する方向にレーザービームを出射するように配置されている。レーザービームは、プラットホームPに入る列車20の車両側面で反射され、レーザー検出器43で検出される。そして、レーザー検出器43から出射されてから反射波が検出されるまでの時間に基づいて、レーザー検出器43とレーザービームが照射された列車側面までの距離を表す出力信号が得られる。つまり、レーザー検出器43から、車両21の側面形状に応じた出力信号が出力される。
【0052】
前記扉位置情報出力制御部31は、レーザー検出器43からの側面形状に応じた出力信号に基づいて、列車20の先頭位置に対する各乗降扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する。
【0053】
例えば、レーザー検出器43の出力信号に基づいて得られたレーザー検出器43と車両側面との距離の時間変化を図10に示し、距離センサ38aと列車先頭との間の距離Lに基づいて導出された列車先頭検出時を基準とした列車20の移動距離の時間変化を図11に示している。これらの図において、レーザー検出器43によって列車20が初めて検出された時間を基準時間TOとしている。図10に示すように、乗降扉位置の通過時にレーザー検出器43と車両側面との間の距離が変化し、また連結部の通過時にはさらにこの距離の変化が大きくなるので、この波形から乗降扉位置を把握することが可能となっている。例えば、時間T1〜T2において先頭車両21の2番目の乗降扉23が検出され、時間T3〜T4において2番目の車両21における1番目の乗降扉23が検出されている。
【0054】
図12に示すように、時間TO〜T1間の列車20の移動距離L1は、時間T0における列車先頭位置及び距離センサ38a間の距離Lから、時間T1における列車先頭位置及び距離センサ38a間の距離(L−L1)を差し引くことによって導出される。距離(L−L1)は距離センサ38aによって測定されるものである。移動距離L1は、列車20の先頭から先頭車両21における2番目の乗降扉23の前端位置までの距離に相当する。同様に、時間T0〜T2間の列車20の移動距離L2は、列車先頭から先頭車両21における2番目の乗降扉23の後端位置までの距離に相当する。そして、時間T1〜T2間の移動距離L2−L1は、乗降扉23の扉幅に相当する。以下、同様にして列車先頭から各乗降扉23までの位置及び各乗降扉23の扉幅を導出することができる。このようにして得られた距離に関する情報を扉位置情報として出力する。
【0055】
先頭位置検出装置38は、実施形態1と同様にして先頭位置情報を出力する。
【0056】
扉位置決定制御部32は、扉位置情報と先頭位置情報とに基づいて、プラットホームP座標系での各乗降扉位置を導出する。
【0057】
本実施形態2に係るホームドア装置12の制御動作について、図13を参照しながら説明する。同図に示すように、プラットホームPに列車20が入ってくると、ステップST11において、レーザー検出器43から車両側面にレーザービームが照射され、この反射波が検出されるまでの時間に応じた車両21,21,・・の側面形状が導出される。そして、ステップST12において、レーザー検出器43からの側面形状に応じた出力信号に基づいて、列車20の先頭位置に対する各乗降扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する。以下、ステップST13〜ST15は、実施形態1におけるステップST3〜ST5と同様である。
【0058】
本実施形態2によれば、プラットホームPに入る移動中の列車20の側面形状を検出するようにしたので、各車両21,21,・・ごとに車両個別情報を持たせる必要がない。このため、既存の列車20に特別な細工を施すことなく、扉位置情報を出力することが可能となる。
【0059】
なお、本実施形態2では、距離センサ38aを使用して列車20の移動距離を導出する構成としたが、列車20の速度情報を利用する構成とすることも可能である。この構成では、レーザー検出器43によって列車20が検知されてからの列車速度を積分することによって列車先頭から各乗降扉23までの位置を算出することができる。例えば図14(b)に示すように、列車先頭からその車両21の2番目の乗降扉23の前端位置までの距離は、面積S1に相当し、その扉の扉幅は面積S2に相当する。なお、図14(a)は図10と同じものである。
【0060】
列車20の速度情報を利用する構成とすれば、プラットホームPが曲っていて前記距離センサ38aによって列車20の移動距離を測定するのが困難な場合にも本発明を適用できる。この場合、列車速度を検出する具体的な手段としては、列車20に速度発電機(図示省略)を設置し、この速度発電機による速度情報を公知の通信方法によって列車20からプラットホームPの乗降扉位置検出装置30に送信する構成等が可能である。また、非接触式の速度検出器で列車速度を測定することも可能である。列車20の停止位置を測定する手段としては、例えば、列車先頭の停止位置近傍に多数のエリアセンサ等を並べて配設しておいて、これらの検出結果に基づいて停車時の列車20の先頭位置を測定することが可能である。
【0061】
説明を省略するが、その他の構成、作用及び効果は前記実施形態1と同様である。
【0062】
(その他の実施形態)
前記両実施形態は、本発明に係る乗降扉位置検出装置30をホームドア装置12に適用した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、乗降扉位置検出装置30によって決定された乗降扉位置に基づいて、乗降扉位置に対応した可動式ステップを動作させる制御を行う構成としてもよい。この可動式ステップとは、プラットホームPと車両21,21,・・との間の間隔を埋めるためのステップであって、プラットホームP下に収納されたステップが乗降時にのみ車両21,21,・・に向かって伸びるように動作するものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態1に係るホームドア装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のホームドア装置に適用されたホームドア開閉制御装置のブロック図である。
【図3】ICタグに記録されている車両個別情報の内容を示す概念図である。
【図4】データベースに含まれている各種距離情報の内容を示す概念図である。
【図5】図1のホームドア装置の制御動作を示すフロー図である。
【図6】ホームドア装置の開閉制御の一例を示す図であり、(a)は閉じ状態を示し、(b)は乗降通路を開通する開き状態を示している。
【図7】図6とは異なる種別の列車が入線したときのホームドア装置の開閉制御の一例を示す図であり、(a)は閉じ状態を示し、(b)は乗降通路を開通する開き状態を示している。
【図8】本発明の実施形態2に係るホームドア装置に適用されたホームドア開閉制御装置のブロック図である。
【図9】レーザー検出器の設置例を概略して示す図である。
【図10】レーザー検出器と車両側面との距離の時間変化を概念的に示す特性図である。
【図11】列車の移動距離の時間変化を概念的に示す特性図である。
【図12】図10の時間T0〜T4における列車位置を示す概念図である。
【図13】本発明の実施形態2に係るホームドア装置の制御動作を示すフロー図である。
【図14】その他の実施形態に係るホームドア装置による扉位置情報を導出するための特性図であり、(a)はレーザー検出器と車両側面との距離の時間変化を概念的に示し、(b)は列車速度の時間変化を概念的に示している。
【符号の説明】
【0064】
14 扉体
20 列車
21 車両
23 乗降扉
26 軌道
30 乗降扉位置検出装置
31 扉位置情報出力制御部
32 扉位置決定制御部
34 ICタグ
36 受信器
38 先頭位置検出装置
38a 距離センサ
40 データベース
43 レーザー検出器
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗降扉位置検出装置、ホームドア開閉制御装置及びホームドア装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラットホーム上を軌道側とその内側とに仕切るとともに、適所に扉体が設けられてこの扉体を開放することにより、乗降通路を開通させるホームドア装置が知られている。この種のホームドア装置には、下記特許文献1〜3に開示されているように、車両の種別に応じて扉体の開閉制御を行うようにしたものが知られている。都心部等の在来線では、同じプラットホームに編成車両数、扉数等が異なる異種車両の列車が高密度で運行していることから、入線した列車の編成等によって扉体の開閉制御を行おうというものである。
【0003】
例えば、特許文献1及び2のものでは、列車ダイヤが含まれる列車運行情報等に基づいて列車の乗降扉位置を特定し、それに応じて扉体の開閉制御を行うようにしている。一方、特許文献3のものでは、プラットホームの所定個所に超音波ヘッドを配設し、プラットホームに停車した列車の側面に超音波を出射してその反射波を受信するまでの時間を算出し、それに基づいて乗降扉位置を検出している。
【特許文献1】特開昭55−1246号公報
【特許文献2】特開2002−302032号公報
【特許文献3】特許第3407952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1及び2のホームドア装置のように、列車運行情報等の間接情報に基づいて扉体の開閉制御を行うものでは、実際にプラットホームに停車した列車の乗降扉位置に応じた扉体の開閉ができない場合がある。例えば、路線で事故や故障が発生した場合等のように、列車の入れ替えや編成替えを行う場合があり、この場合に列車運行情報が錯綜して正確に伝わらないと、乗降扉の位置に応じた扉体を開閉できないことになる。
【0005】
一方、特許文献3のものでは、停車した列車の各乗降扉位置の付近にそれぞれ超音波ヘッドを配設する必要があり、種々の車両編成の列車が入線するプラットホームに設置するのは困難であり、しかも仮に設置できたとしても、非常に高コストとなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シンプルな構成で、実際にプラットホームに停車した列車の乗降扉位置を正確に検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明は、プラットホームに停車した列車の乗降扉位置を検出する検出装置を前提として、プラットホームに入る列車の扉位置情報を出力する扉位置情報出力手段と、プラットホームに停車した列車の先頭位置情報を出力する先頭位置検出手段と、前記扉位置情報出力手段によって出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出手段によって出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定手段とが含まれている。
【0008】
本発明では、実際にプラットホームに入った列車の扉位置情報を出力するため、列車運行情報が錯綜して正確に伝わっていないような場合であっても、プラットホームに入る列車の種別を正確に得ることができる。この結果、実際にプラットホームに入った列車の乗降扉のプラットホームに対する位置を正確に検出することができる。しかも、停車した列車の先頭位置に関する情報を取得するとともに、この先頭位置情報と扉位置情報とを関連付けて各乗降扉位置を特定するので、停車時に各乗降扉毎にその扉位置を直接検出する構成に比べて据え付けが容易となり、かつメンテナンスも軽減することができる。また、運行管理情報等の情報を受け取る必要がないため、プラットホーム毎に独立したクローズシステムを構築することが可能である。
【0009】
ここで、具体的な構成として、プラットホームに入る列車の各車両に配設され、車両個別情報を保持する情報保持手段と、プラットホームに設けられ、前記各情報保持手段に保持された車両個別情報をそれぞれ取得する情報取得手段と、車両ごとに車両の各扉位置に関する距離情報が記録されたデータベースとが含まれ、前記扉位置情報出力手段は、前記情報取得手段によって取得された車両個別情報と前記データベースに記録された距離情報とを関連付けて、プラットホームに入る列車の前記扉位置情報を導出するように構成されていてもよい。
【0010】
この構成によれば、各車両に車両個別情報を保持する情報保持手段を配設しているので、プラットホームに停車した列車を構成する各車両を確実に把握することができる。
【0011】
この構成において、前記情報保持手段は、前記車両個別情報を発信するように構成されており、前記情報取得手段は、移動中の列車から発信された前記車両個別情報を取得するように構成されていてもよい。
【0012】
こうすれば、車両個別情報を移動中の列車から発信する構成なので、情報取得手段を軌道近傍の例えば1個所にだけ設ける構成にすることが可能となる。この結果、情報取得手段を軌道に沿って多数配設する必要がなく、コスト上昇を抑制することができる。
【0013】
一方、具体的な他の構成としては、線路の側方に設置され、プラットホームに入る移動中の列車の側面形状を検出する車両形状検出手段が含まれ、前記扉位置情報出力手段は、前記車両形状検出手段によって検出された列車の側面形状に基づいて、前記扉位置情報を導出するように構成されていてもよい。
【0014】
この構成では、プラットホームに入る移動中の列車の側面形状を検出するようにしたので、各車両ごとに車両個別情報を持たせる必要がない。このため、既存の列車に特別な細工を施すことなく、扉位置情報を導出することが可能となる。
【0015】
前記先頭位置検出手段には、軌道上の所定位置に設置され、その所定位置と列車の先頭位置との間の距離を検出する距離検出器が含まれていてもよい。
【0016】
こうすれば、距離検出器によってプラットホームに停車した列車の先頭位置を精度よく検出することができる。
【0017】
また、本発明は、プラットホーム上に設置された多数の扉体を有するホームドア装置の開閉制御を行う開閉制御装置を前提として、前記乗降扉位置検出装置が含まれ、前記乗降扉位置検出装置によって検出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行うように構成されているホームドア開閉制御装置としてもよい。
【0018】
このホームドア開閉制御装置において、前記ホームドア装置は、プラットホーム上に多数の扉体が連続して設けられた構成のものであり、何れかの扉体を開き動作させることによって乗降通路が開通する構成とされているのが好ましい。
【0019】
この構成では、プラットホーム上の任意の位置に乗降通路を形成することが可能となるので、車両の種別、列車編成に関わらず、あらゆる列車に対応して扉体を開閉することができる。
【0020】
前記ホームドア装置が、列車がプラットホームに在線していないときに前記全ての扉体を閉じ状態に維持するように構成されていれば、プラットホーム上の乗降客の安全を確保することができる。
【0021】
また、本発明は、プラットホーム上に設置されたホームドア装置の扉体の開閉制御を、コンピュータを動作させて行うための制御プログラムを前提として、プラットホームに入る列車の先頭から各車両の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する扉位置情報出力ステップと、プラットホームに停車した列車の先頭位置に関する情報が含まれる先頭位置情報を出力する先頭位置検出ステップと、前記扉位置情報出力ステップで出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出ステップで出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定ステップと、前記扉位置決定ステップで導出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行う開閉制御ステップとが含まれていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、停車した列車の先頭位置に関する情報を取得するとともに、この先頭位置情報と扉位置情報とを関連付けて各乗降扉位置を導出するようにしたので、シンプルな構成で、実際にプラットホームに停車した列車の乗降扉位置を正確に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るホームドア開閉制御装置10が適用されたホームドア装置12の概略構成を示している。ホームドア装置12は、プラットホームP上に設けられた多数の扉体14,14,・・を有している。これら多数の扉体14,14,・・はプラットホームP上に軌道に沿う方向に連続して設けられており、これら多数の扉体14,14,・・によって、プラットホームP上が軌道側と、その内側のホーム側とに仕切られている。図例のものは、扉体14,14,・・が3列に配置されて、各扉体14,14,・・がジグザグ状に配列されたものであり、同図は、全ての扉体14,14,・・が閉じ位置にある閉じ状態を示している。このホームドア装置12は、後述するように、入線した列車20の乗降扉23の扉位置に応じて扉体14,14,・・が開き動作することにより、乗降扉位置に応じた乗降通路が開通するようになっている。なお、乗降通路以外のところでは、扉体14,14,・・が仕切り壁となる。
【0025】
本実施形態に係るホームドア開閉制御装置10には、図2に示すように、乗降扉位置検出装置30と、総合制御器50と、個別制御器53,53,・・とが含まれている。
【0026】
前記乗降扉位置検出装置30は、プラットホームPに停車した列車20の各乗降扉位置を検出するための装置であり、この検出装置30は、CPU、ROM等を備え、このROMには、CPUにより実行される制御のためのコンピュータプログラムが格納されている。そして、この乗降扉位置検出装置30には、扉位置情報出力手段の一例としての扉位置情報出力制御部31と、扉位置決定手段の一例としての扉位置決定制御部32とが機能的に含まれている。また、乗降扉位置検出装置30には、情報保持手段の一例としてのICタグ34と、情報取得手段の一例としての受信器36と、先頭位置検出手段の一例としての先頭位置検出装置38とが含まれている。なお、情報保持手段としては、所望の情報を保持し得るものであればよく、IDタグやICタグ等が例示され、本実施形態では、ICタグ34を用いた構成をもとに説明する。
【0027】
前記ICタグ34は列車20の各車両21,21,・・に配設されており、各ICタグ34には、記憶部34a、発信部34b等が含まれている。
【0028】
前記記憶部34aには、車両の種別に関する車両個別情報が記録されている。この車両個別情報は、各車両固有のIDデータと、その車両の車両型式とを関連付けた状態で記録されている。具体的に、図3に示すように、車両個別情報には、IDNo.についての情報、車体No.についての情報、扉数についての情報、扉型式についての情報、その他の情報が含まれている。扉型式についての情報には、片開き又は両開きの何れかを表す情報が含まれている。その他の情報には、製造メーカ、配置等を示す情報が含まれている。
【0029】
前記発信部34bは、記憶部34aに記録されている車両個別情報を発信するように構成されている。
【0030】
一方、前記受信器36は、前記発信部34bから発信された車両個別情報を受信するように構成されている。受信器36は、所定検知領域内を通過する前記発信部34bが発信した車両個別情報を受信する。すなわち、各車両21,21,・・に設けられたICタグ34が受信器36の前を通過する度に、受信器36はその車両21,21,・・の車両個別情報を受信するとともに、その情報を扉位置情報出力制御部31に送信する。
【0031】
前記扉位置情報出力制御部31には、データベース40が接続されている。このデータベース40は、車両21,21,・・の種別と各種距離情報とを関連付けたデータが記録されている。具体的に、図4に示すように、データベース40には、車体No.についてのデータ、前側連結部長さ、後側連結部長さ、車両先頭から第1乗降扉23の前端までの距離、第1乗降扉23の幅、第1乗降扉23の後端から第2乗降扉23の前端までの距離、第2乗降扉23の幅、・・、第n乗降扉23の後端から車両後端までの距離に関する情報が記録されている。すなわち、データベース40には、各車両ごとに車両の各扉位置に関する距離情報が記録されている。
【0032】
前記扉位置情報出力制御部31は、受信器36から先頭車両21の車両個別情報が入力されると先頭車両21の車両前端から各乗降扉位置までの距離を記憶し、受信器36から後続の通過車両21の車両個別情報が入力される毎に、前記記憶された距離に、通過車両21,21,・・の車両前端から各乗降扉位置までの距離と、連結部長さとを加算していくことにより、列車20の先頭から各車両21の各乗降扉23までの距離を導出するように構成されている。この結果、列車20の先頭位置に対する各乗降扉位置が算出され、この算出された各乗降扉位置に関する情報を扉位置情報として出力する。すなわち、この扉位置情報には、列車20の先頭から各車両の各扉位置までの距離に関する情報が含まれており、この扉位置情報は、扉位置決定制御部32に入力される。
【0033】
前記先頭位置検出装置38には、軌道26上の所定位置に設置された距離センサ38aと、この距離センサ38aに電気的に接続された受発信部38bとが含まれている。距離センサ38aは、プラットホームPに停車した列車20の先頭よりもさらに前方に設置されている。この距離センサ38aの設置位置は予め設定されたものであり、距離センサ38aは、例えばレーザービームや超音波等を列車20の先頭に向かって出射して、その反射波を検出する。そして、出射してから反射波が検出されるまでの時間に基づいて、距離センサ38aと列車20の先頭との間の距離が導出されるようになっている。一方、プラットホームPに対する距離センサ38aの相対的な位置関係が予め把握されているために、距離センサ38aと列車20の先頭との間の距離が導出されることによって列車20の停止位置が導出され、列車20の先頭位置についての情報が先頭位置情報として先頭位置検出装置38から出力される。受発信部38bから出力された先頭位置情報は、扉位置決定制御部32に入力される。なお、距離センサ38aによって検出された距離の値の変動がなくなった時点で列車20が停止したと判断するようになっている。
【0034】
前記扉位置決定制御部32は、扉位置情報出力制御部31から出力された扉位置情報と、先頭位置検出装置38から出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームPに停車した列車20のプラットホームP上での各乗降扉位置を導出する機能を有している。具体的に、この扉位置決定制御部32には、扉位置情報出力制御部31からの扉位置情報と、先頭位置検出装置38からの先頭位置情報とが入力される。そして、先頭位置情報に含まれている停車した列車20の先頭位置に関する情報をプラットホームP上での座標系に変換するとともに、このプラットホームP座標系での先頭位置に各乗降扉位置までの距離が加算された各乗降扉位置のプラットホームP上での位置を導出する。
【0035】
前記総合制御器50には、各扉体14,14,・・の開閉制御を行う開閉制御部51が機能的に含まれている。この開閉制御部51は、前記乗降扉位置検出装置30によって導出されたプラットホームP上での各乗降扉位置に対応した扉体14を特定した開閉信号を出力する。この開閉信号は各扉体14に対応して設けられた個別制御器53に入力される。
【0036】
前記個別制御器53は、開閉信号が入力され、開閉対象となっている扉体14に該当するときに扉体14の開閉動作を実行する。
【0037】
次に、本実施形態1に係るホームドア装置12の制御動作について、図5を参照しながら説明する。本ホームドア装置12は、列車20がプラットホームPに入線していないときには、全ての扉体14,14,・・が閉じ位置にあり、乗降通路は閉じられている。これにより、プラットホームPの乗客は軌道側に出ることはできず、乗客の安全が確保されている。例えば、図6(a)及び図7(a)に示すように、プラットホームPは連続して配置される扉体14,14,・・によって軌道側とホーム側とに仕切られている。
【0038】
そして、列車20がプラットホームPに入ってくると、図5に示すステップST1において、まず先頭車両21のICタグ34から発信された車両個別情報が受信器36によって受信され、それに引き続き後続車両21,21,・・のICタグ34から発信された車両個別情報が受信器36によって順次受信される。そして、扉位置情報出力制御部31において、先頭車両21の車両前端から各乗降扉位置までの距離が記憶されるとともに、2両目以降の車両個別情報が入力されるごとに、通過車両21,21,・・の車両前端から各乗降扉位置までの距離と、連結部長さとが加算され、列車20の先頭位置から各乗降扉位置までの距離が導出され、この導出された距離に関する情報を扉位置情報として扉位置決定制御部32へ出力する(ステップST2)。言い換えると、このステップST2は、扉位置情報出力ステップを構成している。
【0039】
そして、ステップST3において、列車20がプラットホームPに停車したときの距離センサ38aと列車20の先頭との間の距離に基づいて、列車先頭の停止位置が導出され、先頭位置情報として先頭位置検出装置38から扉位置決定制御部32へ出力される。言い換えると、ステップST3は、先頭位置検出ステップを構成している。
【0040】
扉位置決定制御部32では、扉位置情報と、先頭位置情報とに基づいて、プラットホームP座標系での各乗降扉位置を決定する(ステップST4)。言い換えると、ステップST4は、扉位置決定ステップを構成している。
【0041】
総合制御器50では、ステップST4で取得された各乗降扉位置に基づいて、開閉する扉体14,14,・・を特定し、各個別制御器53,53,・・において該当する扉体14,14,・・の開閉を行う(ステップST5)。言い換えると、ステップST5は、開閉制御ステップを構成している。
【0042】
扉体14,14,・・が開閉される状態の一例を例えば図6(b)及び図7(b)に示す。両図は、扉体14,14,・・の幅及び入線する列車20の乗降扉23の幅が同じ設定であるのに対し、入線する列車20の乗降扉23間の距離が異なる種別の場合の開閉例を示したものである。何れも乗降通路28内に入っている扉体14,14,・・を移動させるが、図6(b)と図7(b)とでは扉体14,14,・・の移動方向及び移動距離が異なるものが多い。なお、両図において、便宜のため各扉体14,14,・・に通し番号を振っている。
【0043】
以上説明したように、本実施形態1によれば、実際にプラットホームPに入った列車20の先頭から各車両21,21,・・の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力するようにしたので、列車運行情報が錯綜して正確に伝わっていないような場合であっても、プラットホームPに入る列車20の種別を正確に得ることができる。この結果、実際にプラットホームPに入った列車20に配設されている乗降扉23のプラットホームPに対する位置を正確に検出することができる。しかも、停車した列車20の先頭位置に関する情報を取得するとともに、この先頭位置情報と扉位置情報とを関連付けて各乗降扉位置を特定するので、停車時に各乗降扉23毎にその扉位置を直接検出する構成に比べて据え付けが容易となり、かつメンテナンスも軽減することができる。また、運行管理情報等の情報を受け取る必要がないため、プラットホームP毎に独立したクローズシステムを構築することが可能である。
【0044】
また、本実施形態1では、各車両21,21,・・に車両個別情報を保持するICタグ34を配設した構成としたので、プラットホームPに停車した列車20を構成する各車両21,21,・・を確実に把握することができる。しかも、本実施形態1では、移動中の列車20から車両個別情報を発信し、それを受信する構成なので、受信器36を軌道26近傍の例えば1個所にだけ設ける構成にすることが可能となる。この結果、受信器36を軌道26に沿って多数配設する必要がなく、コスト上昇を抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態1では、プラットホームP上に多数の扉体14,14,・・が連続して設けられた構成としたので、プラットホームP上の任意の位置に乗降通路28を形成することが可能となる。この結果、車両21,21,・・の種別、列車編成に関わらず、あらゆる列車20に対応した扉体開閉制御を行うことができる。
【0046】
また、本実施形態1では、列車20がプラットホームPに在線していないときに全ての扉体14,14,・・を閉じ状態に維持するようにしたので、プラットホームP上の乗降客の安全を確保することができる。
【0047】
なお、情報保持手段としてICタグ34を用いたが、これに代え、情報保持手段は、各車両21,21,・・に配設されたバーコードや光学マーカーによって構成し、これらによって車両個別情報が保持される構成とし、プラットホームPにこの車両個別情報を読み取る読み取り手段を設ける構成としてもよい。この場合、バーコードや光学マーカーは耐候性のあるものが望ましい。
【0048】
また、先頭位置検出装置38は、軌道26上に設置された距離センサ38aが含まれる構成としたが、これに代え、プラットホームPにおける先頭位置付近に列車20の進行方向に沿って多数設置されたエリアセンサ等が含まれる構成としてもよい。
【0049】
(実施形態2)
図8は本発明の実施形態2に係るホームドア開閉制御装置10のブロック図を示している。尚、ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0050】
この実施形態2の乗降扉位置検出装置30には、車両形状検出手段の一例としてのレーザー検出器43と、先頭位置検出装置38とが含まれている。また、乗降扉位置検出装置30には、扉位置情報出力制御部31と、扉位置決定制御部32とが機能的に含まれている。
【0051】
前記レーザー検出器43は、列車20がプラットホームPに入ってくる側の軌道側方に配置されている。このレーザー検出器43は、図9に示すように、車両側方から軌道26に直交する方向にレーザービームを出射するように配置されている。レーザービームは、プラットホームPに入る列車20の車両側面で反射され、レーザー検出器43で検出される。そして、レーザー検出器43から出射されてから反射波が検出されるまでの時間に基づいて、レーザー検出器43とレーザービームが照射された列車側面までの距離を表す出力信号が得られる。つまり、レーザー検出器43から、車両21の側面形状に応じた出力信号が出力される。
【0052】
前記扉位置情報出力制御部31は、レーザー検出器43からの側面形状に応じた出力信号に基づいて、列車20の先頭位置に対する各乗降扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する。
【0053】
例えば、レーザー検出器43の出力信号に基づいて得られたレーザー検出器43と車両側面との距離の時間変化を図10に示し、距離センサ38aと列車先頭との間の距離Lに基づいて導出された列車先頭検出時を基準とした列車20の移動距離の時間変化を図11に示している。これらの図において、レーザー検出器43によって列車20が初めて検出された時間を基準時間TOとしている。図10に示すように、乗降扉位置の通過時にレーザー検出器43と車両側面との間の距離が変化し、また連結部の通過時にはさらにこの距離の変化が大きくなるので、この波形から乗降扉位置を把握することが可能となっている。例えば、時間T1〜T2において先頭車両21の2番目の乗降扉23が検出され、時間T3〜T4において2番目の車両21における1番目の乗降扉23が検出されている。
【0054】
図12に示すように、時間TO〜T1間の列車20の移動距離L1は、時間T0における列車先頭位置及び距離センサ38a間の距離Lから、時間T1における列車先頭位置及び距離センサ38a間の距離(L−L1)を差し引くことによって導出される。距離(L−L1)は距離センサ38aによって測定されるものである。移動距離L1は、列車20の先頭から先頭車両21における2番目の乗降扉23の前端位置までの距離に相当する。同様に、時間T0〜T2間の列車20の移動距離L2は、列車先頭から先頭車両21における2番目の乗降扉23の後端位置までの距離に相当する。そして、時間T1〜T2間の移動距離L2−L1は、乗降扉23の扉幅に相当する。以下、同様にして列車先頭から各乗降扉23までの位置及び各乗降扉23の扉幅を導出することができる。このようにして得られた距離に関する情報を扉位置情報として出力する。
【0055】
先頭位置検出装置38は、実施形態1と同様にして先頭位置情報を出力する。
【0056】
扉位置決定制御部32は、扉位置情報と先頭位置情報とに基づいて、プラットホームP座標系での各乗降扉位置を導出する。
【0057】
本実施形態2に係るホームドア装置12の制御動作について、図13を参照しながら説明する。同図に示すように、プラットホームPに列車20が入ってくると、ステップST11において、レーザー検出器43から車両側面にレーザービームが照射され、この反射波が検出されるまでの時間に応じた車両21,21,・・の側面形状が導出される。そして、ステップST12において、レーザー検出器43からの側面形状に応じた出力信号に基づいて、列車20の先頭位置に対する各乗降扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する。以下、ステップST13〜ST15は、実施形態1におけるステップST3〜ST5と同様である。
【0058】
本実施形態2によれば、プラットホームPに入る移動中の列車20の側面形状を検出するようにしたので、各車両21,21,・・ごとに車両個別情報を持たせる必要がない。このため、既存の列車20に特別な細工を施すことなく、扉位置情報を出力することが可能となる。
【0059】
なお、本実施形態2では、距離センサ38aを使用して列車20の移動距離を導出する構成としたが、列車20の速度情報を利用する構成とすることも可能である。この構成では、レーザー検出器43によって列車20が検知されてからの列車速度を積分することによって列車先頭から各乗降扉23までの位置を算出することができる。例えば図14(b)に示すように、列車先頭からその車両21の2番目の乗降扉23の前端位置までの距離は、面積S1に相当し、その扉の扉幅は面積S2に相当する。なお、図14(a)は図10と同じものである。
【0060】
列車20の速度情報を利用する構成とすれば、プラットホームPが曲っていて前記距離センサ38aによって列車20の移動距離を測定するのが困難な場合にも本発明を適用できる。この場合、列車速度を検出する具体的な手段としては、列車20に速度発電機(図示省略)を設置し、この速度発電機による速度情報を公知の通信方法によって列車20からプラットホームPの乗降扉位置検出装置30に送信する構成等が可能である。また、非接触式の速度検出器で列車速度を測定することも可能である。列車20の停止位置を測定する手段としては、例えば、列車先頭の停止位置近傍に多数のエリアセンサ等を並べて配設しておいて、これらの検出結果に基づいて停車時の列車20の先頭位置を測定することが可能である。
【0061】
説明を省略するが、その他の構成、作用及び効果は前記実施形態1と同様である。
【0062】
(その他の実施形態)
前記両実施形態は、本発明に係る乗降扉位置検出装置30をホームドア装置12に適用した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、乗降扉位置検出装置30によって決定された乗降扉位置に基づいて、乗降扉位置に対応した可動式ステップを動作させる制御を行う構成としてもよい。この可動式ステップとは、プラットホームPと車両21,21,・・との間の間隔を埋めるためのステップであって、プラットホームP下に収納されたステップが乗降時にのみ車両21,21,・・に向かって伸びるように動作するものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態1に係るホームドア装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のホームドア装置に適用されたホームドア開閉制御装置のブロック図である。
【図3】ICタグに記録されている車両個別情報の内容を示す概念図である。
【図4】データベースに含まれている各種距離情報の内容を示す概念図である。
【図5】図1のホームドア装置の制御動作を示すフロー図である。
【図6】ホームドア装置の開閉制御の一例を示す図であり、(a)は閉じ状態を示し、(b)は乗降通路を開通する開き状態を示している。
【図7】図6とは異なる種別の列車が入線したときのホームドア装置の開閉制御の一例を示す図であり、(a)は閉じ状態を示し、(b)は乗降通路を開通する開き状態を示している。
【図8】本発明の実施形態2に係るホームドア装置に適用されたホームドア開閉制御装置のブロック図である。
【図9】レーザー検出器の設置例を概略して示す図である。
【図10】レーザー検出器と車両側面との距離の時間変化を概念的に示す特性図である。
【図11】列車の移動距離の時間変化を概念的に示す特性図である。
【図12】図10の時間T0〜T4における列車位置を示す概念図である。
【図13】本発明の実施形態2に係るホームドア装置の制御動作を示すフロー図である。
【図14】その他の実施形態に係るホームドア装置による扉位置情報を導出するための特性図であり、(a)はレーザー検出器と車両側面との距離の時間変化を概念的に示し、(b)は列車速度の時間変化を概念的に示している。
【符号の説明】
【0064】
14 扉体
20 列車
21 車両
23 乗降扉
26 軌道
30 乗降扉位置検出装置
31 扉位置情報出力制御部
32 扉位置決定制御部
34 ICタグ
36 受信器
38 先頭位置検出装置
38a 距離センサ
40 データベース
43 レーザー検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホームに停車した列車の乗降扉位置を検出する検出装置であって、
プラットホームに入る列車の扉位置情報を出力する扉位置情報出力手段と、
プラットホームに停車した列車の先頭位置情報を出力する先頭位置検出手段と、
前記扉位置情報出力手段によって出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出手段によって出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定手段とが含まれていることを特徴とする乗降扉位置検出装置。
【請求項2】
プラットホームに入る列車の各車両に配設され、車両個別情報を保持する情報保持手段と、
プラットホームに設けられ、前記各情報保持手段に保持された車両個別情報をそれぞれ取得する情報取得手段と、
車両ごとに車両の各扉位置に関する距離情報が記録されたデータベースとが含まれ、
前記扉位置情報出力手段は、前記情報取得手段によって取得された車両個別情報と前記データベースに記録された距離情報とを関連付けて、プラットホームに入る列車の前記扉位置情報を導出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項3】
前記情報保持手段は、前記車両個別情報を発信するように構成されており、
前記情報取得手段は、移動中の列車から発信された前記車両個別情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項4】
線路の側方に設置され、プラットホームに入る移動中の列車の側面形状を検出する車両形状検出手段が含まれ、
前記扉位置情報出力手段は、前記車両形状検出手段によって検出された列車の側面形状に基づいて、前記扉位置情報を導出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項5】
前記先頭位置検出手段には、軌道上の所定位置に設置され、その所定位置と列車の先頭位置との間の距離を検出する距離検出器が含まれていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項6】
プラットホーム上に設置された多数の扉体を有するホームドア装置の開閉制御を行う開閉制御装置であって、
請求項1から5の何れか1項に記載の乗降扉位置検出装置が含まれ、
前記乗降扉位置検出装置によって検出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行うように構成されていることを特徴とするホームドア開閉制御装置。
【請求項7】
前記ホームドア装置は、プラットホーム上に多数の扉体が連続して設けられた構成のものであり、何れかの扉体を開き動作させることによって乗降通路が開通する構成とされていることを特徴とする請求項6に記載のホームドア開閉制御装置。
【請求項8】
前記ホームドア装置は、列車がプラットホームに在線していないときに前記全ての扉体を閉じ状態に維持するように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のホームドア開閉制御装置。
【請求項9】
プラットホーム上に設置されたホームドア装置の扉体の開閉制御を、コンピュータを動作させて行うための制御プログラムであって、
プラットホームに入る列車の先頭から各車両の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する扉位置情報出力ステップと、
プラットホームに停車した列車の先頭位置に関する情報が含まれる先頭位置情報を出力する先頭位置検出ステップと、
前記扉位置情報出力ステップで出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出ステップで出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定ステップと、
前記扉位置決定ステップで導出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行う開閉制御ステップとが含まれている
ことを特徴とするホームドア装置の制御プログラム。
【請求項1】
プラットホームに停車した列車の乗降扉位置を検出する検出装置であって、
プラットホームに入る列車の扉位置情報を出力する扉位置情報出力手段と、
プラットホームに停車した列車の先頭位置情報を出力する先頭位置検出手段と、
前記扉位置情報出力手段によって出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出手段によって出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定手段とが含まれていることを特徴とする乗降扉位置検出装置。
【請求項2】
プラットホームに入る列車の各車両に配設され、車両個別情報を保持する情報保持手段と、
プラットホームに設けられ、前記各情報保持手段に保持された車両個別情報をそれぞれ取得する情報取得手段と、
車両ごとに車両の各扉位置に関する距離情報が記録されたデータベースとが含まれ、
前記扉位置情報出力手段は、前記情報取得手段によって取得された車両個別情報と前記データベースに記録された距離情報とを関連付けて、プラットホームに入る列車の前記扉位置情報を導出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項3】
前記情報保持手段は、前記車両個別情報を発信するように構成されており、
前記情報取得手段は、移動中の列車から発信された前記車両個別情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項4】
線路の側方に設置され、プラットホームに入る移動中の列車の側面形状を検出する車両形状検出手段が含まれ、
前記扉位置情報出力手段は、前記車両形状検出手段によって検出された列車の側面形状に基づいて、前記扉位置情報を導出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項5】
前記先頭位置検出手段には、軌道上の所定位置に設置され、その所定位置と列車の先頭位置との間の距離を検出する距離検出器が含まれていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の乗降扉位置検出装置。
【請求項6】
プラットホーム上に設置された多数の扉体を有するホームドア装置の開閉制御を行う開閉制御装置であって、
請求項1から5の何れか1項に記載の乗降扉位置検出装置が含まれ、
前記乗降扉位置検出装置によって検出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行うように構成されていることを特徴とするホームドア開閉制御装置。
【請求項7】
前記ホームドア装置は、プラットホーム上に多数の扉体が連続して設けられた構成のものであり、何れかの扉体を開き動作させることによって乗降通路が開通する構成とされていることを特徴とする請求項6に記載のホームドア開閉制御装置。
【請求項8】
前記ホームドア装置は、列車がプラットホームに在線していないときに前記全ての扉体を閉じ状態に維持するように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のホームドア開閉制御装置。
【請求項9】
プラットホーム上に設置されたホームドア装置の扉体の開閉制御を、コンピュータを動作させて行うための制御プログラムであって、
プラットホームに入る列車の先頭から各車両の各扉位置までの距離に応じた扉位置情報を出力する扉位置情報出力ステップと、
プラットホームに停車した列車の先頭位置に関する情報が含まれる先頭位置情報を出力する先頭位置検出ステップと、
前記扉位置情報出力ステップで出力された扉位置情報と、前記先頭位置検出ステップで出力された先頭位置情報とに基づいて、プラットホームに停車した列車のプラットホーム上での各乗降扉位置を導出する扉位置決定ステップと、
前記扉位置決定ステップで導出された乗降扉位置に応じて前記扉体の開閉制御を行う開閉制御ステップとが含まれている
ことを特徴とするホームドア装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−264475(P2006−264475A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84388(P2005−84388)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(592145268)ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 (53)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(592145268)ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 (53)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
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