説明

乳化化粧料

【課題】 無水珪酸、アルミナ、酸化鉄或いはジルコニアなどで二酸化チタンや酸化亜鉛の表面を被覆したり、ドープしたりした粉体を、乳化系に安定に分散せしめる技術を提供する。
【解決手段】 二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有する乳化化粧料であって、1)前記二酸化チタンの含有量と酸化亜鉛の含有量の和が、5〜20質量%であり、2)水の含有量が30〜70質量%であって、3)含有される非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルのみであり、且つ、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量とソルビタン脂肪酸エステルの含有量の比が2:3〜3:2であり、非イオン界面活性剤の含有量が2.5〜5質量%である様に化粧料を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、二酸化チタンや酸化亜鉛を分散した乳化型の化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体類は、メークアップ化粧料を考える上で、隠蔽力、演色性の殆どを担う成分であり、必要不可欠の成分であると言える。かかる粉体は金属酸化物乃至はその複合体で構成されており、人体にとってはいわば異物とも言うべき性質のものであり、且つ、粉体の持っている、吸油性、吸湿性、固体酸としての性質或いは固体塩基としての性質などの諸特性を有する故に、粉体の直接の皮膚上への投与は、種々の刺激発現の原因となるとされており、それに鑑みて、この様な刺激発現を回避すべく、皮脂などの人体分泌成分に類似した成分で一度処理し、それを皮膚上に投与する試みが為されるようになった。これがいわば、「ファンデーション」と称されるものであり、オイル、ワックスを水とともに乳化して、ひしと類似した、乳化物と為し、かかる乳化物中に粉体を分散、安定化させたものである。この様な系に於いては、比重1程度の分散媒中に、比重2〜6の金属酸化物を安定に分散させるため、界面活性剤によるゲル構造、それも、例えば脂肪酸石鹸の作るゲル構造などのように非常に強いゲル構造で系を支える必要が存した。この為、系全体のpHは8以上になってしまい、これ以下のpH域でのみ安定な成分の配合は断念せざるを得なかった。この様な成分としては、アスコルビン酸及び/又はその塩、アスコルビン酸リン酸及び/又はその塩、アスコルビン酸グルコシド及び/又はその塩などが存しており、この為、美白効果と紫外線防護効果を併せ持つ化粧料の開発は断念せざるを得ない欠点が存した。近年、この様な状況に加えて、これまで使用されてきた二酸化チタンのような隠蔽粉体に於いて、紫外線吸収後に、励起したエネルギー順位を下げるために放出されるラジカルの生理活性の問題が問いただされるようになっており、この様なラジカルの発生を防ぐために、無水珪酸、アルミナ、酸化鉄或いはジルコニアなどで二酸化チタンや酸化亜鉛の表面を被覆したり、ドープしたりする技術が考案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)しかしながら、この様な技術によりラジカルの発生は抑制されるものの、分散性の低下が観測されるようになってきた。この様な傾向は特に水中油乳化物への分散においては著しかった。
【0003】
この様な分散性の低下に対しては、粉体の表面をポリマーで被覆する技術が考案されている。(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)しかしながらのこの様な技術では、無水珪酸、アルミナ、酸化鉄或いはジルコニアなどで二酸化チタンや酸化亜鉛の表面を被覆したり、ドープしたりするすることの効果も損なわれ、本来的であるとは言い難かった。
【0004】
一方、二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有する乳化化粧料であって、1)前記二酸化チタンの含有量と酸化亜鉛の含有量の和が、5〜20質量%であり、2)水の含有量が30〜70質量%であって、3)含有される非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルのみであり、且つ、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量とソルビタン脂肪酸エステルの含有量の比が2:3〜3:2であり、非イオン界面活性剤の含有量が2.5〜5質量%である化粧料は全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開平10−245227号公報
【特許文献2】特開2001−130912号公報
【特許文献3】特開2000−178171号公報
【特許文献4】特開平11−100317号公報
【特許文献5】特開平06−039272号公報
【特許文献6】特開平06−03927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、無水珪酸、アルミナ、酸化鉄或いはジルコニアなどで二酸化チタンや酸化亜鉛の表面を被覆したり、ドープしたりした粉体を、乳化系に安定に分散せしめる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、無水珪酸、アルミナ、酸化鉄或いはジルコニアなどで二酸化チタンや酸化亜鉛の表面を被覆したり、ドープしたりした粉体を、乳化系に安定に分散性しめる技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有する乳化化粧料であって、1)前記二酸化チタンの含有量と酸化亜鉛の含有量の和が、5〜20質量%であり、2)水の含有量が30〜70質量%であって、3)含有される非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルのみであり、且つ、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量とソルビタン脂肪酸エステルの含有量の比が2:3〜3:2であり、非イオン界面活性剤の含有量が2.5〜5質量%である化粧料が、その様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有する乳化化粧料であって、1)前記二酸化チタンの含有量と酸化亜鉛の含有量の和が、5〜20質量%であり、2)水の含有量が30〜70質量%であって、3)含有される非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルのみであり、且つ、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量とソルビタン脂肪酸エステルの含有量の比が2:3〜3:2であり、非イオン界面活性剤の含有量が2.5〜5質量%であることを特徴とする、化粧料。
(2)更に、高級アルコールを1〜2質量%含有することを特徴とする、(1)に記載の化粧料。
(3)pHが6〜7.5であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の化粧料。
(4)更に、アスコルビン酸乃至はその誘導体を含有することを特徴とする(1)〜(3)何れか1項に記載の化粧料。
(5)更に、1,2−アルカンジオールを含有することを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の化粧料。
(6)前記1,2−アルカンジオールが、ペンタンジオールであることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の化粧料。
(7)二酸化チタン乃至は酸化亜鉛に於いて、二酸化チタン或いは酸化亜鉛以外の金属酸化物を含有するものを含むことを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無水珪酸、アルミナ、酸化鉄或いはジルコニアなどで二酸化チタンや酸化亜鉛の表面を被覆したり、ドープしたりした粉体を、乳化系に安定に分散せしめる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の化粧料の必須成分である二酸化チタン、酸化亜鉛
本発明の化粧料は、二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を必須成分として、含有する乳化化粧料であって、1)前記二酸化チタンの含有量と酸化亜鉛の含有量の和が、5〜20質量%、より好ましくは7〜15質量%であることを特徴とする。かかる二酸化チタン、酸化亜鉛は化粧料原料として使用されているものを用いれば良く、所望により、酸化鉄をドープしたり、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの他の金属酸化物で被覆したり、或いは、部分的に金属酸化物複合体を形成していても良い。「二酸化チタン」或いは「酸化亜鉛」と称するのは、これらの成分が構成する成分中最も多く、且つ、70質量%以上を示すものを意味する。特に二酸化チタンの場合、二酸化チタンのみを構成するものに於いては、紫外線吸収後に、吸収したエネルギーをラジカルとして放出する性質が存するので、この様なラジカル発生を防ぐ意味で、この様な複合体を用いることが好ましい。この様な複合体には、既に市販されているものが存し、かかる市販品を購入して使用することが出来る。市販の原料としては、シリカ・アルミナ・ジルコニア被覆の「タイペークTTO−F1」、「タイペークTTO−F2」或いはシリカ・アルミナ被覆の「タイペークTTO−F6」(いずれも石原産業株式会社製)、酸化アルミニウム水和物・ケイ酸処理酸化チタンである「酸化チタンJR800」(テイカ株式会社製)などが好ましく例示でき、「タイペークTTO−F6」及び/又は「酸化チタンJR800」を用いることが特に好ましい。この様な複合体の形態、特に、表面に被覆されたような形態を取るものについては、分散性の向上も副次的効果として存するので、より好ましい。更に、この様な二酸化チタン乃至は酸化亜鉛は、本発明の効果を損なわない範囲に於いて、通常化粧料原料で用いられている表面処理を施すことも出来る。この様な表面処理としては、ハイドロジェンメチルポリシロキサンの焼き付け処理、ジメチコンの焼き付け処理、リン脂質被覆処理、アシル化アミノ酸塩被覆処理などが例示できる。表面処理に用いる表面処理剤の量は、最終的な粉体の量に対して1〜10質量%である。
【0010】
(2)本発明の化粧料の必須成分である水
本発明の化粧料は、必須成分として水を30〜70質量%、より好ましくは35〜65質量%含有し、乳化剤形を取ることを特徴とする。乳化の形態としては、水中油乳化形態が好ましい。これは、水中油乳化剤形であって、粉体が安定に分散できる系は非常に少なく、本発明の系がそれに該当するため、希少価値が存するためである。この様な系に於いては、粉体によるかさつき感の発現を抑制が出来る、密着感のある化粧仕上がりが得られる、ツヤのある仕上がりが得られるなどの多くの利点を有する。
【0011】
(3)本発明の化粧料の必須成分である非イオン界面活性剤
本発明の化粧料は、非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルのみを含有し、且つ、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量とソルビタン脂肪酸エステルの含有量の比が2:3〜3:2、より好ましくは3:4〜4:3であり、非イオン界面活性剤の含有量が2.5〜5質量%、より好ましくは3〜4.5質量%であることを特徴とする。前記ポリオキシエチレン脂肪酸エステルに於ける、ポリオキシエチレンの平均付加モル数は、7〜60が好ましく、より好ましくは8〜50である。脂肪酸残基としては、飽和脂肪酸残基でも、不飽和脂肪酸残基でも構わないが飽和脂肪酸残基の方が安定性がより高いため好ましい。飽和脂肪酸残基では、分岐脂肪酸残基よりも、直鎖脂肪酸残基の方が好ましい。特に好ましいものはステアリン酸残基である。かかるポリオキシエチレン脂肪酸エステルは唯一種を含有することも出来るし、2種以上を組み合わせて含有することも出来る。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステルなどが好ましく例示でき、ソルビタンモノ脂肪酸エステル乃至はソルビタンセスキ脂肪酸エステルが特に好ましい。脂肪酸残基としては、飽和脂肪酸残基でも、不飽和脂肪酸残基でも構わないが飽和脂肪酸残基の方が安定性がより高いため好ましい。飽和脂肪酸残基では、分岐脂肪酸残基よりも、直鎖脂肪酸残基の方が好ましい。特に好ましいものはステアリン酸残基乃至はラウリン酸残基である。かかるソルビタン脂肪酸エステルは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。特に好ましいのはステアリン酸エステルとラウリン酸エステルの2者の組合せである。この様な組合せを取るときに、二酸化チタン乃至は酸化亜鉛を安定に分散することが出来る。
【0012】
(4)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記必須成分を含有し、乳化剤形であることを特徴とする。又、かかる化粧料のpHは6〜7.5であることが好ましい。これは、この範囲内に於いて種々の添加成分が安定に存在しうることと、粉体類の分散に於いて、分散状態が良好であることの二つの理由からである。これまで、水中油乳化形態の粉体分散製剤では、粉体の沈降を予防する意味で強固なゲル構造の形成を要し、この実現手段として脂肪酸・脂肪酸石鹸ゲルを使用していたので、この様なpH域は実現できなかった。本願発明に於いては、非イオン界面活性剤の組合せによるゲル構造であるので、ゲル構造の形成はpHに依存せず自由に設定できる。この意味で、本発明の化粧料では、脂肪酸石鹸を含まない系で用いることが特に好ましい。上記のpH域に設定するには、含有する成分組合せをこのpH域のものに調整したり、或いは、バッファーなどでこのpH域に調整することが出来る。この様なpH域では、アスコルビン酸の塩、アスコルビン酸リン酸エステルの塩、アスコルビン酸グルコシドなどのアスコルビン酸の配糖体など、アスコルビン酸の誘導体を安定に含有できる。これを利用してこの様なアスコルビン酸乃至はその誘導体を含有させることが本発明の化粧料では好ましい。これは、紫外線照射によって生じるラジカルなどを消去し、紫外線の皮膚への影響を軽減できるためである。かかるアスコルビン酸乃至はその誘導体は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。かかる成分の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、0.1〜5質量%であり、より好ましくは1〜3質量%である。
【0013】
又、本発明の化粧料に於いては、日焼けなどした肌への適用が想定されるため、例えば、メチルパラベンやブチルパラベンなどのパラベン類のようにスティギング作用が比較的高い成分は配合を控えるのが好ましい。この様な成分を控えるためには、1,2−アルカンジオール類を添加して、防腐力を向上せしめることが好ましい。この様なアルカンジオールとしては、例えば、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどが例示できる。本発明の化粧料に於いては、かかるアルカンジオールは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料に於ける、かかる1,2−アルカンジオールの好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して1〜10質量%であり、より好ましくは2〜5質量%である。この様な配慮を行うことにより、時として化粧料によって刺激を感じやすい、敏感肌の人にも適用できる化粧料とすることが出来る。
【0014】
前記の成分以外に、本発明の化粧料では、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、2,4−ヘキシレングリコール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。本発明の化粧料は、この様な必須成分、任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。かくして得られた本発明の化粧料は、紫外線防護効果を有するコントロールカラー、アンダーメークアップ化粧料などの下地化粧料、紫外線防護化粧料或いはファンデーションなどに応用できる。
【0015】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0016】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料である、紫外線防護効果を有する下地化粧料を製造した。即ち、イ、ロ、ハの成分を秤取り、80℃に加熱して、イにハの成分を分散させ、これに徐々にロの成分を攪拌下加え乳化し、攪拌冷却して下地化粧料1を得た。このもののpHは6.5であった。
【0017】
【表1】

【0018】
<試験例>
下地化粧料1、及び下地化粧料1のソルビタンモノステアリン酸エステルをグリセリルモノステアレートに置換した比較例1、ジグリセリルモノステアレートに置換した比較例2、下地化粧料1のPOE(10)ステアリン酸エステルをPOE(10)ステアリルエーテルに置換した比較例3、POE(20)ソルビタンセスキステアリン酸エステルに置換した比較例4を作成し、40℃1ヶ月の保存試験を行った。結果は、表2に示す。これより、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルのみを界面活性剤とする場合のみ例外的に安定性に優れることが判る。
【0019】
【表2】

【実施例2】
【0020】
下地化粧料1と同様に、下記処方に従って、本発明の化粧料である下地化粧料2を作成した。このものも40℃1ヶ月の保存で安定であった。このもののpHは6.4であった。
【0021】
【表3】

【実施例3】
【0022】
下地化粧料1と同様に、下記処方に従って、本発明の化粧料である下地化粧料3を作成した。このものも40℃1ヶ月の保存で、僅かに離床が見られるものの、それ以外は安定であった。これより、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルは2種含有する形態が好ましいことが判る。このもののpHは6.5であった。
【0023】
【表4】

【実施例4】
【0024】
下地化粧料1と同様に、下記処方に従って、本発明の化粧料である下地化粧料4を作成した。このものも40℃1ヶ月の保存で、僅かに離床が見られるものの、それ以外は安定であった。これより、ソルビタン脂肪酸エステルは2種含有する形態が好ましいことが判る。このもののpHは6.6であった。
【0025】
【表5】

【実施例5】
【0026】
下地化粧料1と同様に、下記処方に従って、本発明の化粧料である下地化粧料5を作成した。このものも40℃1ヶ月の保存で、僅かに離床が見られるものの、それ以外は安定であった。これより、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量とソルビタン脂肪酸エステルの含有量の比が2:3〜3:2、より好ましくは3:4〜4:3であることが判る。このもののpHは6.4であった。
【0027】
【表6】

【実施例6】
【0028】
下地化粧料1と同様に、下記処方に従って、本発明の化粧料である下地化粧料6を作成した。このものは、40℃1ヶ月の保存条件で安定であった。このもののpHは6.5であった。
【0029】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、安定性に優れる乳化化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含有する乳化化粧料であって、1)前記二酸化チタンの含有量と酸化亜鉛の含有量の和が、5〜20質量%であり、2)水の含有量が30〜70質量%であって、3)含有される非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルのみであり、且つ、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量とソルビタン脂肪酸エステルの含有量の比が2:3〜3:2であり、非イオン界面活性剤の含有量が2.5〜5質量%であることを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
更に、高級アルコールを1〜2質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
pHが6〜7.5であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
更に、アスコルビン酸乃至はその誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
更に、1,2−アルカンジオールを含有することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記1,2−アルカンジオールが、ペンタンジオールであることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料。
【請求項7】
二酸化チタン乃至は酸化亜鉛に於いて、二酸化チタン或いは酸化亜鉛以外の金属酸化物を含有するものを含むことを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の化粧料。

【公開番号】特開2006−182703(P2006−182703A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378340(P2004−378340)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】