説明

乾燥方法

【課題】 本発明は乾燥具の乾燥剤の再乾燥を、乾燥剤をこぼすことなく容易に行なうことができるとともに、植物の乾燥を乾燥剤の力および乾燥剤の放熱時に植物の水分を外部へ放出して、効率よく乾燥させることができる乾燥方法を得るにある。
【解決手段】 通気性のある耐熱性の収納物あるいはシートに、シリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤を収納あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具を形成する乾燥具形成工程と、この乾燥具形成工程後に電子レンジや加熱機で前記乾燥具を加熱し、該乾燥具の水分を含む砂状の乾燥剤の水分を放熱によって外部へ飛ばして乾燥させる加熱乾燥工程とで乾燥方法を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドライフラワーや乾燥花絵飾り等の作成時に使用されるシリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤あるいはドライフラワーや乾燥花絵飾り等の植物を乾燥させる場合に使用される乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、花を乾燥させる方法として、シリカゲルの中に花を埋めて乾燥させる方法が行なわれているが、シリカゲルや花を収納する容器として、外気と遮断するため、通気性のない容器を使用している。
【0003】
このため、花の水分をシリカゲルが吸うと乾燥力がなくなるため、シリカゲルをフライパンで炒ったり、電子レンジで加熱して乾燥させ、再使用できるようにする作業を行なわなければならず、その作業は花を埋めて乾燥させる通気性のない容器内のシリカゲルを、フライパンや電子レンジで加熱する容器に移し替えたり、混ぜたりすることが必要で、移し替え時や混ぜる時にシリカゲルを落としたり、粉塵が発生するという欠点があった。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、乾燥具の乾燥剤の再乾燥を、乾燥剤をこぼすことなく容易に行なうことができるとともに、植物の乾燥を乾燥剤の力および乾燥剤の放熱時に植物の水分を外部へ放出して、効率よく乾燥させることができる乾燥方法を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は通気性のある耐熱性の収納物あるいはシートに、シリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤を収納あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具を形成する乾燥具形成工程と、この乾燥具形成工程後に電子レンジや加熱機で前記乾燥具を加熱し、該乾燥具の水分を含む砂状の乾燥剤の水分を放熱によって外部へ飛ばして乾燥させる加熱乾燥工程で乾燥方法を構成している。
【0007】
本発明は通気性のある耐熱性の収納物あるいはシートに、シリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤を収納あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具を形成する乾燥具形成工程と、この乾燥具形成工程後に、前記乾燥具の砂状の乾燥剤内あるいは砂状の乾燥剤が収納、あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具間に乾燥させる植物を配置する植物のセット工程と、この植物のセット工程後に電子レンジや加熱機で加熱し、乾燥させる植物の水分および水分を含んだ砂状の乾燥剤の水分を放熱により外部へ飛ばして乾燥させる加熱乾燥工程で乾燥方法を構成している。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0009】
(1)通気性のある耐熱性の収納物あるいはシートに、シリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤を収納あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具を形成する乾燥具形成工程と、この乾燥具形成工程後に電子レンジや加熱機で前記乾燥具を加熱し、該乾燥具の水分を含む砂状の乾燥剤の水分を放熱によって外部へ飛ばして乾燥させる加熱乾燥工程とからなるので、加熱乾燥工程で加熱された乾燥具の砂状の乾燥剤が冷えていく時の放熱時に水分も外部へ放出することができる。
したがって、乾燥剤の乾燥力と、放熱時に水分も外部へ放出できる作用で、効率よく乾燥させることができる。
【0010】
(2)前記(1)によって、通気性のある耐熱性の収納物あるいはシートに砂状の乾燥剤を収納あるいは付着させた乾燥具を用いるので、構造が簡単で、容易に実施することができる。
【0011】
(3)請求項2は前記(1)、(2)と同様な効果が得られるとともに、砂状の乾燥剤の放熱時に、植物から吸収した水分も外部へ放出できるので、砂状の乾燥剤が十分に水分を吸収して乾燥力がなくなるのを効率よく防止することができるとともに、砂状の乾燥剤を乾燥させる別な作業を行なわなくても、加熱乾燥工程で砂状の乾燥剤の再乾燥も同時にでき、砂状乾燥剤の管理に気をつかわず、楽に植物の乾燥作業を行なうことができる。
【0012】
(4)請求項3も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、加熱乾燥工程後に、直ぐ大気にさらして放置するので、さらに効率よく水分を外部へ放出でき、効率よく植物を乾燥させたり、砂状の乾燥剤に吸収した水分を外部へ放出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0014】
図1ないし図6に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は生花等の植物2を乾燥させる本発明の植物の乾燥方法で、この植物の乾燥方法1は通気性のある耐熱性の箱状の収納物3にシリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤4を収納した乾燥具5を形成する乾燥具形成工程6と、この乾燥具形成工程6後に砂状の乾燥剤4内に、乾燥させる植物2を配置する植物のセット工程7と、この植物のセット工程7後に電子レンジ8で加熱し、乾燥させる植物2の水分と砂状の乾燥剤4の水分とを外部へ飛ばし、乾燥させる加熱乾燥工程9と、この加熱乾燥工程9で乾燥された乾燥植物10を防湿袋11に収納保管する収納保管工程12とで構成されている。
【0015】
前記耐熱性の箱状の収納物3は図3に示すように、多数個の小さな通気孔13が形成された耐熱材製の箱状の収納物本体14と、この収納物本体14の少なくとも内壁面に固定された耐熱性と通気性が得られるように金属糸等で砂状の乾燥剤4がこぼれ落ちない程のメッシュに織られた布15a等のシート15とで構成されたものが使用され、この収納物3に砂状の乾燥剤4を収納した後に、該収納された砂状の乾燥剤4内に乾燥させる植物2を配置したり、収納物3内に少しの砂状の乾燥剤4を収納した後、乾燥させる植物2を位置させた後、該乾燥させる植物2が砂状の乾燥剤4で埋まるように、収納物3内に砂状の乾燥剤4を収納して植物のセット工程7を行なう。
【0016】
前記加熱乾燥工程9は植物のセット工程7後に、乾燥させる植物2が砂状の乾燥剤4で埋められている収納物3を電子レンジ8に入れて加熱した後、直ちに外部へ出して放置して行なうことにより、砂状の乾燥剤4の水分および乾燥させる植物2の水分は放熱によって外部へ排出され、効率よく植物2の乾燥および砂状の乾燥剤4の乾燥を図ることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0017】
次に、図7ないし図15に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0018】
図7ないし図9に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、金属糸等で織られた布15aを箱状に加工して形成した収納物3A内に砂状の乾燥剤4を収納した乾燥具5Aを形成する乾燥具形成工程6Aと、加熱機16で植物のセット工程7Aを経た乾燥具5A内に乾燥させる植物2を砂状の乾燥剤4に埋めたものを入れて加熱する加熱乾燥工程9Aを行なった点で、このような乾燥具形成工程6A、加熱乾燥工程9Aを用いた植物の乾燥方法1Aを行なっても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0019】
図10ないし図12に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、金属糸等で織られた布15aを袋状にして、内部に砂状の乾燥剤4を収納して座布団状に加工した乾燥具5Bを形成する乾燥具形成工程6Bと、この乾燥具形成工程6Bで形成された乾燥具5B、5B間に乾燥させる植物2を配置する植物のセット工程7Bを行なった点で、このような乾燥具形成工程6B、植物のセット工程7Bを用いて植物の乾燥方法1Bを行なっても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、加熱機で加熱乾燥工程を行なっても、同様な作用効果が得られる。
【0020】
図13ないし図15に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、通気性のある耐熱性の不織布17内に砂状の乾燥剤4を塗布したり、漉き込んでシート状の乾燥具5Cを形成する乾燥具形成工程6Cと、この乾燥具形成工程6Cで形成されたシート状の乾燥具5C、5C間に乾燥させる植物2を配置する植物のセット工程7Cを行なった点で、このような乾燥具形成工程6C、植物のセット工程7Cを用いて植物の乾燥方法1Cを行なっても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
本発明を実施する形態でも、加熱機で加熱乾燥工程を行なってもよい。
【0021】
なお、座布団状の乾燥具5Bやシート状の乾燥具5Cの場合、複数段となるように乾燥具5B、乾燥させる植物2、乾燥具5B、乾燥させる植物2、乾燥具5Bとなるように重ねて使用してもよい。
また、加熱乾燥工程9、9Aは乾燥させる植物2が完全に乾燥する前に、乾燥具5、5A、5B、5Cより取り出し、半乾燥状態で無重力の状態で、天日状態で乾かすことで、多少の縮みのある乾燥植物を作ることができる。
さらに、前記本発明の各実施の形態では乾燥させる植物2を乾燥させる場合に使用するものに付いて説明したが、本発明はこれに限らず、座布団状の乾燥具5Bやシート状の乾燥具5Cを電子レンジや加熱機に入れて加熱した後、直ちに外部へ出して放置して、放熱により、シリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤4の乾燥を行う場合に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明はドライフラワーや乾燥花絵飾り等の作成時に使用されるシリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤の乾燥あるいはドライフラワーや乾燥花絵飾り等の植物を乾燥させる産業および、乾燥させた植物を使用する教育産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の工程図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態の乾燥具形成工程の説明図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の収納物の説明図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の植物のセット工程の説明図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態の加熱乾燥工程の説明図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態の収納保管工程の説明図。
【図7】本発明を実施するための第2の形態の工程図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の乾燥具形成工程の説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の加熱乾燥工程の説明図。
【図10】本発明を実施するための第3の形態の工程図。
【図11】本発明を実施するための第3の形態の乾燥具形成工程の説明図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の植物のセット工程の説明図。
【図13】本発明を実施するための第4の形態の工程図。
【図14】本発明を実施するための第4の形態の乾燥具形成工程の説明図。
【図15】本発明を実施するための第4の形態の植物のセット工程の説明図。
【符号の説明】
【0024】
1、1A、1B、1C:植物の乾燥方法、
2:生花等の植物、 3、3A:収納物、
4:砂状の乾燥剤、
5、5A、5B、5C:乾燥具、
6、6A、6B、6C:乾燥具形成工程、
7、7A、7B、7C:植物のセット工程、
8:電子レンジ、 9、9A:加熱乾燥工程、
10:乾燥植物、 11:防湿袋、
12:収納保管工程、 13:通気孔、
14:収納物本体、 15:シート、
16:加熱機、 17:不織布。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性のある耐熱性の収納物あるいはシートに、シリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤を収納あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具を形成する乾燥具形成工程と、この乾燥具形成工程後に電子レンジや加熱機で前記乾燥具を加熱し、該乾燥具の水分を含む砂状の乾燥剤の水分を放熱によって外部へ飛ばして乾燥させる加熱乾燥工程とを含むことを特徴とする乾燥方法。
【請求項2】
通気性のある耐熱性の収納物あるいはシートに、シリカゲルやゼオライト等の砂状の乾燥剤を収納あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具を形成する乾燥具形成工程と、この乾燥具形成工程後に、前記乾燥具の砂状の乾燥剤内あるいは砂状の乾燥剤が収納、あるいは不織布内に砂状の乾燥剤を漉き込んだ乾燥具間に乾燥させる植物を配置する植物のセット工程と、この植物のセット工程後に電子レンジや加熱機で加熱し、乾燥させる植物の水分および水分を含んだ砂状の乾燥剤の水分を放熱により外部へ飛ばして乾燥させる加熱乾燥工程とを含むことを特徴とする乾燥方法。
【請求項3】
加熱乾燥工程は該加熱乾燥工程後あるいは植物のセット工程後に電子レンジや加熱機で加熱した後、直ぐ加熱した乾燥具を大気にさらして放置し、放熱で乾燥させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−107960(P2009−107960A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280456(P2007−280456)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(393022609)
【Fターム(参考)】