説明

乾燥機

【課題】乾燥機の構成を大幅に変更させることなく、様々な性状の含水有機物を均質な状態で効率的に乾燥させ、再利用し易い乾燥物を得ることができる乾燥機を提供する。
【解決手段】乾燥機1は、含水有機物を加熱乾燥させる複数の乾燥手段2と、互いに隣接する乾燥手段2同士を互いに連結する連結手段8と、を備える。乾燥手段2は、略円筒状の本体21を備え、本体21は中心に対称となるように入口14および出口15を備え、上下水平方向に対称な外形で他の本体21と着脱自在に連結される。前段側に配置された第1乾燥手段2aと後段側に配置された第2乾燥手段2bとは、連結手段8で接続され、第1乾燥手段2aの出口15と第2乾燥手段2bの入口14とを接続する連結手段8の第1連結管80aには、破砕装置82が設けられ、本体21の内部空間20に供給される含水有機物を破砕する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分を含む有機物を乾燥させる乾燥機に関し、特に、脱水処理された有機性廃棄物を略筒状の乾燥機の本体内部に投入して、加熱乾燥させる乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料製造工場から排出される茶滓やコーヒー豆滓などの有機性廃棄物は、水分を多く含み腐敗し易く、また、そのままでは焼却処理することも困難であるため、乾燥させて含水率を低下させる。こうした茶滓などの水分を含む有機性廃棄物(以下、「含水有機物」)を乾燥させる乾燥機として、ステンレスなどの金属製の筒状本体内部に、駆動装置により回転されるスクリュが設けられたものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された乾燥機は、熱風を発生させる火炉と、この火炉に隣接配置され、熱風が吹き込まれて含水有機物が乾燥処理される乾燥室を備える。乾燥室には、含水有機物を攪拌移送するスクリュが複数基、上下方向に配置され、隣接するスクリュ同士は、互いに逆方向に含水有機物を搬送するように構成されている。また、上下に隣接するスクリュは、ケーシングに収められて乾燥室から着脱自在に構成されている。
【0004】
この乾燥機では、最上段に配置されたスクリュの始端部分に供給された含水有機物は、スクリュにより水平方向に搬送されながら加熱乾燥され、最下段に配置されたスクリュの終端部から取り出される。含水有機物は乾燥室内に多段に配置されたスクリュにより攪拌移送されながら加熱されることで、含水有機物に含まれる水分が徐々に蒸発され、上段側から下段側に運ばれるに従い、乾燥処理が進行する。この乾燥機では、複数のスクリュが上下方向に配置されるため、乾燥機の設置面積を少なくでき、また、上下に隣接する複数のスクリュをユニット化して乾燥室内に配置するため、ユニットごとにスクリュを取り出すことができ、メンテナンスが容易である。
【0005】
ところで、特許文献1に開示された乾燥機のように、廃棄物として取り扱われる含水有機物を乾燥させるために用いられる乾燥機においては、様々な性状の含水有機物が乾燥機の内部に供給される。このため、含水有機物の性状によって効率的かつ充分な乾燥処理のための条件が異なり、含水有機物の種類や性状によっては塊状に固まった含水有機物の内部の乾燥が不十分となったり、粉体状の含水有機物が乾燥機内部に付着するといった問題が生じる。
【0006】
乾燥が不十分な乾燥処理物は、焼却処理には適するものの、内部から腐敗が進むため、再資源化することは困難である。一方で、固定化されたスペックの乾燥機で様々な性状の含水有機物を充分に乾燥させようとすると、乾燥機の構成が過大となり、装置の複雑化や大型化を招くことになる。また、含水有機物を充分に乾燥させるために加熱温度を高くすると、乾燥処理に必要なエネルギー量の増大を招き、乾燥処理物が炭化するなどして品質が劣化して乾燥処理物の再利用が困難になる恐れもある。
【特許文献1】特開2003−145096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易に構成され、様々な性状の含水有機物を均質な状態で効率よくかつ充分に乾燥させることができる乾燥機を提供することである。また、本発明の別の目的は、再資源化しやすい乾燥物を得ることができる乾燥機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、含水有機物を内部空間に収容して加熱乾燥させる乾燥手段を多段に並べて設け、これらの乾燥手段同士を連結する連結手段に、この連結手段を通って後段の乾燥手段に送られる乾燥処理物を破砕する破砕装置を設けることを特徴とする。より具体的には、本発明は以下を提供する。
【0009】
(1)並んで配置されて水分を含む含水有機物を加熱乾燥させる複数の乾燥手段およびこれらの互いに隣接する乾燥手段同士を互いに連結する連結手段を備え、前記各乾燥手段は、前記含水有機物を収容する内部空間と、この内部空間と外部とを連通する入口および出口と、が形成された本体を備え、前記連結手段は、互いに隣接する前記乾燥手段の出口と入口とを連結する略筒状の連結管と、この連結管の内部に設けられる破砕装置と、を備える乾燥機。
【0010】
本発明によれば、多段に設けられた乾燥手段の本体の出口を他の乾燥手段の本体の入口と連結する連結手段に破砕装置を設け、表面から乾燥が進んだ塊状の含水有機物を破砕する。乾燥途中の含水有機物を破砕することで、後段の乾燥手段で乾燥処理される含水有機物の大きさを均質化するとともに表面積を拡大できるため、比較的低温の穏やかな乾燥条件でも含水有機物を効率よく充分に乾燥させることができる。従って、乾燥処理に必要なエネルギー量を低減し、また、乾燥処理により得られる乾燥処理物の品質劣化を防止し、腐敗しがたく、再生資源としての利用に適した乾燥物を得ることができる。
【0011】
また、乾燥手段を多段に設けることにより、乾燥手段の数や各乾燥手段での乾燥条件を適宜、調整することにより、乾燥処理される含水有機物の性状に応じて、乾燥機の大掛かりな変更を行なうことなく簡易に乾燥条件を変更できる。
【0012】
乾燥機には、複数の乾燥手段の少なくとも一部の本体内壁面を加熱する加熱手段を備え、加熱された本体内壁面と接触する含水有機物が加熱乾燥される伝導電熱乾燥を主体とし、他の乾燥方式を併用することが好ましい。他の乾燥方式としては、本体の内部空間に除湿処理された空気を送って乾燥させる対流伝熱乾燥(または熱風乾燥)、および、本体内部を減圧または真空状態とする減圧乾燥(真空乾燥含む)などが挙げられる。
【0013】
加熱手段は各本体に接続し、各本体を独立に加熱する構成とすることが好ましい。加熱手段としては、本体を被覆して加熱する電熱線などが挙げられる。また、熱利用効率を高めるためには、本体をステンレスなどの金属製の二重管構造とし、二重管の間に温水や蒸気などの熱源を供給する加熱手段を設けることが好ましい。
【0014】
ここで、「含水有機物」とは、茶滓、コーヒー豆滓などの飲料製造残渣、おからや生ゴミなどの食品残渣、および排水の生物処理により生じる有機性汚泥などの有機性廃棄物をいう。また、含水有機物が含水率15重量%以下、好ましくは10重量%以下になるまで乾燥処理されたものを「乾燥物」と称し、乾燥処理途中で乾燥が不十分な状態の含水有機物を乾燥処理前の含水有機物と区別する場合は特に「乾燥処理物」と称する。
【0015】
本発明は、特に、含水有機物を加圧脱水して得られる脱水ケーキの乾燥に好適に用いられるが、含水有機物の脱水処理は加圧脱水に限られず、真空脱水や遠心脱水してもよい。含水有機物の乾燥処理に必要なエネルギー量を低減するため、茶滓などの含水有機物は、排出後直ちに脱水および乾燥させることが好ましく、乾燥機の前段に脱水機を設け、脱水機の出口を乾燥機に直結してもよい。なお、本発明において、含水有機物は、脱水することなく乾燥処理することもできるが、含水有機物を脱水処理しない場合は、乾燥処理に要するエネルギー量が多くなるため、好ましくない。
【0016】
(2)前記各乾燥手段の本体は略円筒状であり、前記内部空間に設けられ前記乾燥手段の長手方向に沿って延びるスクリュと、このスクリュを回転させて前記含水有機物を前記乾燥手段の入口側から出口側へ移送する駆動装置と、をさらに備えることを特徴とする(1)に記載の乾燥機。
【0017】
本発明では、乾燥手段に備えられたスクリュおよび駆動装置により、含水有機物を攪拌移送しながら含水有機物を加熱乾燥させる。各乾燥手段に設けられたスクリュは、大きさなどの形状が異なってもよく、また、回転速度はスクリュごとに個別に調整できるように構成することが好ましい。スクリュの形状や回転速度などを乾燥手段ごとに変更することで、乾燥機自体の構成を変更することなく、含水有機物の性状に応じた適切な乾燥条件を設定できるためである。
【0018】
乾燥手段は、スクリュの軸を加熱するスクリュ加熱手段をさらに備えることが好ましい。スクリュ加熱手段を設け、スクリュの少なくとも軸を加熱することにより、スクリュと接触しながら内部空間を移送される含水有機物を速やかに乾燥させることができる。スクリュの軸を加熱する具体的構成としては、スクリュの軸を金属製の円筒などで構成して、この円筒の一端に、加熱された温水または蒸気を吹き込むロータリジョイントなどを接続する構成が挙げられる。なお、この場合、円筒の他端には、円筒内を通過した温水などが排出される排出口を設けるようにする。
【0019】
また、乾燥手段は、スクリュの軸が延びる方向(軸方向)と直交する方向に延びる区画板を本体の内部空間にさらに備えることが好ましい。内部空間に区画板を設けることにより、本体の長手方向に移送される含水有機物の一部を堰き止め、含水有機物のショートパスを防止するとともに、内部空間を有効に活用できる。
【0020】
区画板の大きさおよび形状は、区画板と内部空間の壁面との間に、含水有機物が通る隙間が形成されるものとする。例えば、区画板は円板の一端部が切り欠かれるとともに、溝が形成された平面視略U字形板で構成できる。略U字形の区画板は、本体内部にスクリュを設けた後であっても、溝にスクリュの軸を挟み込むようにして簡易に設置でき、また、溝の間に含水有機物が通過できる孔が形成されるため、設備清掃時などに残留物を排出でき、メンテナンスが容易となり好ましい。
【0021】
(3)前記各乾燥手段は、前記各乾燥手段の本体の内部空間の温度を測定する温度計をさらに備え、この温度計により計測された温度に基づいて、複数の前記各乾燥手段の駆動装置の出力をそれぞれ調整することにより前記各乾燥手段のスクリュの回転速度をそれぞれ制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする(2)に記載の乾燥機。
【0022】
本発明によれば、各乾燥手段のスクリュを回転させる駆動装置をそれぞれ制御することにより、スクリュの回転速度を乾燥手段ごとに独立して制御できる。このため、含水有機物の性状に応じて各乾燥手段での含水有機物の滞留時間を調整して、各乾燥手段での乾燥処理条件を変更することができる。従って、乾燥処理に供される含水有機物の性状に応じ、乾燥機そのものの構造を変更することなく、含水有機物の性状に応じた乾燥条件を容易に設定できる。
【0023】
(4)前記各乾燥手段の本体は、円筒壁と、この円筒壁の一端側壁面に設けられ前記円筒壁の長手方向に直交して相反する方向に延びる一対の第1筒と、前記円筒壁の他端側壁面に設けられ前記第1筒と平行な一対の第2筒と、を備え、前記乾燥手段の入口は前記第1筒の一方に設けられ、前記乾燥手段の出口は前記第2筒の一方でかつ前記入口が設けられる前記第1筒と相反する方向に延びる第2筒に設けられることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の乾燥機。
【0024】
本発明によれば、略円筒状の本体は、長手方向に直交する方向に延びる一対の筒を両端側壁面のそれぞれに備え、本体の中心に対して(すなわち、長手方向を地面に平行に乾燥機を設置する場合、上下水平方向に)対称な外形をなす。このため、複数の乾燥手段を被覆するハウジングは不要で、各乾燥手段をユニット化して任意の数の乾燥手段を容易に着脱できるように連結して乾燥機を構成できる。従って、乾燥処理される含水有機物の量や性状などに応じ、乾燥手段の数を増減させて乾燥機の処理可能量を容易に変更できる。
【0025】
(5)連結された複数の前記乾燥手段の最初の乾燥手段の入口に含水有機物を供給する供給手段と、この供給手段から前記最初の乾燥手段に供給される含水有機物を粒状化する粒状化手段と、をさらに備えることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の乾燥機。
【0026】
本発明によれば、供給手段と乾燥手段との間に粒状化手段を設けるため、含水有機物をペレット状にして乾燥手段に供給できる。ペレット状の含水有機物は、形状が均質化されているため、ほぼ均質に乾燥され、乾燥むらが生じにくく、比較的低い温度でも効率よく乾燥させることができる。また、ペレット状で乾燥処理され、連結手段を介して後段の乾燥手段に供給される含水有機物は、破砕装置により破砕されて徐々に形状が小さくなるため、乾燥むらが生じることを防いで効率よく乾燥される。従って、乾燥に必要なエネルギー量を低減でき、腐敗しがたく、再生資源としての利用に適した乾燥物を得ることができる。また、ペレットは流動性がよいため、含水有機物が乾燥手段の内部空間に付着することが防止され、安定的に後段の乾燥手段に供給できる。
【0027】
供給手段は例えば、乾燥手段の本体入口に接続されるホッパと、このホッパ内に設けられホッパの投入口から乾燥手段の本体入口に向かって延びる供給スクリュと、この供給スクリュを回転させてホッパに投入された含水有機物を乾燥手段に移送する供給装置と、を含んで構成される。
【0028】
ホッパ内部に投入された含水有機物は水分を含んでおり、ブリッジを形成して塊状となりやすいが、ホッパ内にスクリュを設けることにより、塊状の含水有機物を定量的かつ効率よく乾燥手段に供給し、また、乾燥手段本体内の乾燥用雰囲気に影響を与えることを防止して含水有機物を連続的に乾燥手段に投入できる。
【0029】
また、乾燥機には、供給制御手段を設け、乾燥手段での乾燥処理状態に応じて供給装置の出力を制御して、供給スクリュの回転速度を制御するように構成することが好ましい。供給スクリュの回転速度を制御することにより、乾燥手段に供給される含水有機物の供給速度やペレットの形状を調整し、乾燥処理条件を容易に変更できる。
【0030】
なお、「乾燥用雰囲気」とは、乾燥処理のために調整された状態をいうものとし、具体的には高温減圧状態や高温真空状態などをいう。また、「ホッパ」とは、所定量の含水有機物を受け入れ、少なくとも一時的に貯留する貯留槽であり、含水有機物が投入される投入口と、ホッパ内の含水有機物が排出される吐出口と、を備える。ホッパの形状は限定されず、漏斗などの開放型の容器またはタンクなどの密閉型の容器のいずれでもよい。含水有機物の腐敗を防ぐためには、タンクなどの密閉型の容器でホッパを構成するとともに、タンク内部に炭酸ガスや窒素ガスなどを充填して貧酸素条件とすることが好ましい。
【0031】
粒状化手段は例えば、多孔板とカッタとを含んで構成される。多孔板は、供給手段から乾燥手段に供給される含水有機物が通る通路に設け、5〜30mm、特に10〜20mm程度の間隔でカッタと隣接して設けることが好ましい。多孔板は、直径5〜30mm、特に10〜20mm程度の複数の小孔を備えることが好ましい。
【0032】
多孔板およびカッタは、供給手段または/および乾燥手段内部に設けることができる。例えば、供給手段から含水有機物が吐出される吐出口と乾燥手段の入口とを直接接続するとともに、供給手段の吐出口を覆うように多孔板を設け、乾燥手段の入口側にカッタを設けることができる。このように、多孔板とカッタとを供給手段および乾燥手段の一方または両方にまたがるように設け、粒状化手段を供給手段または/および乾燥手段と一体化させれば、乾燥機の複雑化や大型化を防止できる。
【0033】
また、供給手段と乾燥手段とをこれらから取り外し可能に構成された接続管などを備える接続手段で接続し、多孔板およびカッタの少なくとも一方を接続管内に収容するように設けてもよい。例えば、多孔板を供給手段の吐出口を覆うように設けるとともに、この吐出口に接続された接続管内にカッタが収容されるようにしてもよい。あるいは、多孔板とカッタとを接続管内部に設け、管内を横断させてもよい。このように、供給手段と乾燥手段とを接続する取り外し可能な接続管の内部に多孔板およびカッタの少なくとも一方を収容するようにすれば、粒状化手段のメンテナンスを容易にできる。
【0034】
(6)前記乾燥手段の内部空間に乾燥用空気を供給する送風手段と、前記乾燥手段の内部空間の空気を吸引する吸引手段と、をさらに備え、前記送風手段は、連結された複数の前記乾燥手段の最初の乾燥手段に接続される送風管を備え、前記吸引手段は、連結された複数の前記乾燥手段の最後の乾燥手段に接続される吸引管を備えることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の乾燥機。
【0035】
本発明によれば、乾燥手段の内部空間に供給された乾燥用空気は、含水有機物の流れに沿って移動する。このため、乾燥用空気として熱風を吹き込んだ場合は、含水有機物の乾燥の進行に伴って乾燥用空気の温度が低下して含水有機物の過度な温度上昇を防ぎ、品質劣化を防止できる。
【0036】
送風手段は、例えば、乾燥用空気を乾燥手段へ送るファンと、乾燥手段の本体とこのファンとに接続される送風管とを備え、送風管の途中には、開閉可能な弁を設けることが好ましい。また、吸引手段は、吸引ポンプなどの吸引装置と、乾燥手段の本体とこの吸引装置とに接続される吸引管とを備え、吸引管の途中には、開閉可能な弁を設けることが好ましい。
【0037】
送風管と吸引管とを開閉可能に構成することにより、乾燥処理される含水有機物の種類に応じて熱風乾燥および減圧乾燥の2つの乾燥方式を適宜選択して用いることができる。具体的には、熱風乾燥を行なう場合は、送風管から乾燥用空気を供給しながら吸引管から排気させる一方、減圧乾燥を行なう場合は、送風管を閉じて吸引管から本体内部空間内の空気を吸引すればよい。
【0038】
乾燥機に粒状化手段を設ける場合、送風手段は、粒状化手段によりペレット状に調製された含水有機物に送風するように構成することが好ましい。ペレット状の含水有機物に乾燥用空気を突きつけることにより、乾燥を促進するとともに、含水有機物の粒同士が付着しあうことを防止できるためである。
【0039】
ここで、「乾燥用空気」とは、湿度が50%程度以下の空気をいう。乾燥用空気の温度は限定されないが、乾燥処理に要する時間を短くするためには、80〜140℃の熱風を用いることが好ましい。乾燥手段本体から排出された空気を冷却するなどの除湿処理をして乾燥用空気として乾燥手段に循環送風してもよい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、様々な性状の有機性廃棄物を、均質な状態で効率よく乾燥させることができる簡易な構成の乾燥機を提供できる。このため、本発明の乾燥機によれば、従来廃棄物として焼却処理されていた含水有機物の品質劣化を防止しながらこれを充分に乾燥させ、再利用に適した乾燥物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥機1の模式図であり、図2は、乾燥機1の断面構成を示す図である。以下の説明では、同一部材には同一符号を付し、説明を省略または簡略化する。また、上下左右といった方向を示す用語は、乾燥機1を床面などに固定した状態を基準とするもので、説明の便宜上、用いるものである。
【0042】
乾燥機1は、図1に示すように、上下2段に並べられた第1乾燥手段2aおよび第2乾燥手段2b(これらをまとめて「乾燥手段2」という場合がある)と、供給手段3と、乾燥手段2と供給手段3とを接続する接続手段5と、粒状化手段4と、送風手段6と、吸引手段7と、第1乾燥手段2aと第2乾燥手段2bとを連結する連結手段8と、制御手段および供給制御手段を兼ねるコントローラCと、を備える。
【0043】
供給手段3は、ホッパ30と、このホッパ30の内部に設けられた供給スクリュ31と、モータで構成された供給装置32と、を備える。ホッパ30は、含水有機物が投入される投入口34と、含水有機物が排出される吐出口35と、を備え、密閉可能なタンクで構成されている。供給スクリュ31は、供給装置32により回転される軸に羽根が螺旋状に巻きつけられた構成で、ホッパ30内のほぼ中心に位置し、投入口34側から吐出口35側に延びる。
【0044】
接続手段5は、円筒状の接続管51を備え、供給手段3と乾燥手段2とを接続する。具体的には、接続管51の一端はホッパ30の吐出口35と接続され、他端は第1乾燥手段2aと接続されている。含水有機物は、供給手段3の吐出口35、接続手段5の接続管51および後述する乾燥手段2の入口14で構成される管状の部分を通り、乾燥手段2内に入る。
【0045】
粒状化手段4は、複数の小孔を備える円板状の多孔板41と、多孔板41を通過した糸状の含水有機物を切断する回転式のカッタ42と、を備える。多孔板41は、ホッパ30の吐出口35に嵌め込まれ、ホッパ30から吐出される含水有機物の通路を横断するように配置されている。カッタ42は、多孔板41に隣接して第1乾燥手段2a側に配置され、接続管51内に収容されている。なお、接続管51を設けることなく、供給手段3の吐出口35と乾燥手段2の入口14とを直接接続し、吐出口35に多孔板41を設け、入口14にカッタ42が収容されるように構成してもよい。
【0046】
第1乾燥手段2aおよび第2乾燥手段2bは、それぞれ、本体21と、スクリュ22と、駆動装置としてのモータ27と、スクリュ加熱手段25と、区画板26と、を備える。本体21は円筒壁10を備え、円筒壁10の両端は一対の側壁11a、11b(これらをまとめて「側壁11」という)で閉じられ、内部空間20が形成されている。円筒壁10の壁面には、本体21の長手方向に直交して相反する方向に延びる一対の円筒が両端部にそれぞれ接続されている。
【0047】
これらの円筒のうち、円筒壁10の一端側に接続された一対の第1筒12の一方(上側第1筒12a)には内部空間20と連通する入口14が設けられ、他方(下側第1筒12b)は内部空間20と連通せず、連結手段8を介して後段の乾燥手段(本実施態様では第2乾燥手段2b)と連結されている。また、円筒壁10の他端側に接続された一対の第2筒13は、共に内部空間20と連通し、入口14が設けられた第1筒12aと相反する方向に延びる下側第2筒13bには出口15が設けられている。下側第2筒13bと相反する方向に延びる上側第2筒13aには、内部空間20から空気を排出するための排気用口18が設けられている。円筒壁10の上側壁面には、第1筒12と第2筒13との間にさらに2つの開口16が設けられている。開口16は円筒壁10壁面から突出する円筒状であり、先端面を円板状の蓋で覆うことにより、開閉可能な構成とされている。
【0048】
このように、本体21は上下左右方向にほぼ対称な外形をなし、入口14および出口15も対称に設けられている。このため、本体21、スクリュ22、モータ27、およびスクリュ加熱手段25などをユニット化し、ユニット化された任意の数の乾燥手段2を後述する連結手段8で着脱自在に連結できる。
【0049】
なお、本体21は、ステンレスなどの金属製の内管と外管とで構成された二重管構造であり、内管と外管との間に設けられた空間(加熱用空間)に温水または蒸気を供給して内管を加熱する加熱手段(図示せず)が設けられている。加熱手段は、入口14に隣接して設けられ温水などを加熱用空間に供給する熱供給管、および出口15に隣接して設けられ温水などを加熱用空間から排出する熱排出管を備えている。
【0050】
本体21の内部空間20には、図2に示すように、軸に羽根が螺旋状に巻きつけられて構成されたスクリュ22が設けられている。スクリュ22の羽根は、複数の小孔を備えた多孔板などで構成し、含水有機物を攪拌混合しながら移送し、かつ、加熱乾燥に伴い発生する湿った空気が流れ易い構造とすることが好ましい。スクリュ22は、本体21の両端側のフランジ部分から本体21内部に配置され、本体21の長手方向に平行に延びて両端部は本体21の外部へ突出する。スクリュ22の軸は、ステンレスなどの金属製の管で構成されている。
【0051】
本体21外部へ突出したスクリュ22の軸の一端部には、スクリュ22の軸を回転させるモータ27が接続され、他端にはスクリュ加熱手段25が接続されている。スクリュ加熱手段25は、温水や蒸気などの熱源をスクリュ22の軸内に送る送液ポンプなどの熱源供給装置などで構成できる。スクリュ22の軸が加熱されることにより、軸に螺旋状に設けられた羽根も加熱され、スクリュ22に接して移送される含水有機物の乾燥を促進できる。
【0052】
また、内部空間20には、2枚の区画板26a、26b(以下、これらをまとめて「区画板26」という)が上方へ延びるようにして設けられている。図3は乾燥手段2の内部を示す図であり、この図に示すように区画板26は円板の一部が切り欠かれるとともに、溝260が形成され、平面視略U字形をなす。区画板26は、溝260をスクリュ22の軸に差し込んで配置され、区画板26の上部に隙間220が形成され、溝260の部分に通過孔が形成される。
【0053】
本体21には、2枚の区画板26のうち、第2筒13に近い側に設けられた区画板26bに隣接して温度計Tが設けられており、内部空間20の温度を計測することにより、含水有機物の乾燥処理状態を把握できるように構成されている。
【0054】
連結手段8は、第1連結管80aおよび第2連結管80b(以下、これらをまとめて「連結管80」という)と、第1連結管80aに設けられた破砕装置82と、を備える。第1連結管80aは、第1乾燥手段2aの下側第2筒13bと第2乾燥手段2bの上側第1筒12aとを接続し、第2連結管80bは、第1乾燥手段2aの下側第1筒12bと第2乾燥手段2bの上側第2筒13aとを接続している。これにより、第1乾燥手段2aの上側第1筒12aに設けられた入口14に投入された含水有機物は、第1乾燥手段2aの下側第2筒13bから第1連結管80aを経て第2乾燥手段2bの上側第1筒12aに設けられた入口14に入り、第2乾燥手段2bの下側第2筒13bから排出される。
【0055】
破砕装置82は、多段カッタ82aと、この多段カッタ82aを回転させる破砕用モータ82bと、を備える。多段カッタ82aは、第1連結管80aを横断する軸とこの軸に沿って設けられた複数の刃とを備え、多段カッタ82aの軸が延びる方向に直交する方向に落下する乾燥処理物を破砕する。
【0056】
なお、本実施態様では、連結管80は独立部材であり本体21と分離可能に構成されているが、前段乾燥手段(本実施態様の第1乾燥手段2a)の下側第1筒12bと後段乾燥手段(本実施態様の第2乾燥手段2b)の上側第2筒13aとを直接連結して第1連結管とし、第1乾燥手段2aの下側第2筒13bと第2乾燥手段2bの上側第1筒12aとを直接連結して第2連結管としてもよい。この場合、破砕装置82は、第1乾燥手段2aの下側第2筒13bまたは第2乾燥手段2bの上側第1筒12a内に収容して連結手段8を本体21と一体化して構成できるため、乾燥機1を小型化できる。
【0057】
本実施態様において、最後段に配置された第2乾燥手段2bの出口15には、管状の出口管151の一端が接続されている。出口管151の他端側には、密閉可能な容器で構成された乾燥物貯槽150が接続されている。乾燥物貯槽150は、吸引ポンプなどの吸引装置、入口を塞ぐように設けられたバグフィルタ、および貯槽下部に設けられ窒素ガスを槽内に吹き込むガス供給管(いずれも図示せず)を備え、内部空間20から乾燥物を乾燥物貯槽150に真空輸送し、貧酸素条件下で貯留する。また、出口管151と乾燥物貯槽150との間には、ロータリバルブ152が設けられ、乾燥手段2の内部空間20の乾燥用雰囲気を保持した状態で、内部空間20から乾燥物を取り出せる。
【0058】
本実施態様において、送風手段6は乾燥手段2と同数設けられ、各送風手段6は各乾燥手段2にそれぞれ送風を行う。具体的には、第1送風手段6aは第1乾燥手段2aに送風し、第2送風手段6bは第2乾燥手段2bに送風する。各送風手段6は、ファン60と、送風管61と、送風管61の途中に設けられた開閉可能な弁62と、を備える。第1送風手段6aの送風管61は接続管51の壁面に接続され、ファン60から送出された乾燥用空気を、接続管51を介して第1乾燥手段2aに供給する。一方、第2送風手段6bの送風管61は第1連結管80aの壁面に接続され、第1連結管80aを介して第2乾燥手段2bに乾燥用空気を供給する。
【0059】
本実施態様において、吸引手段7は各乾燥手段2の内部空間20の空気を吸引できるように乾燥手段2と同数設けられている。具体的には、第1乾燥手段2aに第1吸引手段7aが接続され、第2乾燥手段2bに第2吸引手段7bが接続されている。各吸引手段7は、乾燥手段2の内部空間20の空気を吸引する吸引装置としての吸引ポンプ70と、この吸引ポンプ70に接続された吸引管71と、吸引管71の途中に設けられた開閉可能な弁72と、を備える。また、吸引管71の途中には温度計T、および湿度計Hが設けられ、内部空間20の出口15側から吸引される気体の温度および湿度を測定することにより、含水有機物の乾燥処理状態を把握できる。
【0060】
送風手段6と吸引手段7とは循環管67により接続され、内部空間20から取り出された気体が循環利用できるように構成されている。吸引管71の途中には、コンデンサなどで構成される除湿装置68が接続され、乾燥手段2内部の高温多湿の空気が冷却されることにより除湿され、乾燥用空気として送風管61へ送られる。含水有機物の乾燥を促進するため、循環管67の途中には熱交換器などを設けて乾燥用空気を加熱した熱風として送風管61へ送ってもよい。
【0061】
なお、第1吸引手段7aの吸引管71から排出される排出気体は湿度が高いため、第2吸引手段7bの吸引管71から排出される排出気体のみを循環利用してもよい。この場合循環管67は、第1送風手段6aおよび第2送風手段6bの両方に接続すればよい。このように、乾燥手段2から排出される排出気体を循環利用することで、排気ガスの発生を抑制し、気体の加熱に必要なエネルギー量を低減できる。
【0062】
本体21に設けられた温度計Tおよび吸引管71に設けられた温度計T、湿度計Hは、コントローラCに接続されている。コントローラCは、供給装置32および各乾燥手段2のモータ27にも接続されている。コントローラCは中央演算処理装置(CPU)などを備え、温度計T、T(これらをまとめて「温度計T」という)および湿度計Hから伝達される測定値を入力し、これらの測定値に基づいて含水有機物の乾燥処理状態を判断し、供給装置32およびモータ27のいずれか一方または両方の出力を制御する信号を出力して、供給スクリュ31およびスクリュ22のいずれか一方または両方の回転速度を制御する。
【0063】
次に、上述した乾燥機1を用いて、飲料製造工場から排出される緑茶および紅茶などの茶滓やコーヒー豆滓などの含水有機物を乾燥させる方法について説明する。
【0064】
茶飲料などの製造工程で発生する茶滓などの含水有機物は、脱水機(図示せず)で機械的に脱水され、塊状の含水有機物(脱水ケーキ)としてホッパ30に投入される。脱水機の出口とホッパ30の投入口34とは、図示しないコンベアなどの搬送手段で接続されており、脱水ケーキは脱水機から排出されると直ちにホッパ30に搬入されるように構成されている。ホッパ30の内部空間は窒素ガスが充填されることにより貧酸素条件としてもよい。ホッパ30内を貧酸素条件とすることで、ホッパ30内で含水有機物が酸化されてカテキン類などの成分が分解することが防止でき、また、微生物が増殖して腐敗が進行することが防止できる。
【0065】
ホッパ30内に投入された塊状の含水有機物は、供給手段3の供給スクリュ31により、吐出口35へ送られる。吐出口35に送られた含水有機物は、供給スクリュ31により多孔板41の小孔から押し出され、カッタ42で5〜30mm好ましくは10〜20mm間隔で切断される。多孔板41の小孔の直径は、5〜30mm、特に10〜20mmであることが好ましく、多孔板41を通過してカッタ42により切断された含水有機物は、直径が5〜30mm好ましくは10〜20mm程度の円柱状のペレット状で乾燥手段2に供給される。
【0066】
ペレット状に調整された含水有機物は、自然落下して第1乾燥手段2aの内部空間20に投入される。内部空間20には、モータ27に駆動されて回転するスクリュ22が設けられており、含水有機物は、加熱された内部空間20壁面に接触することで加熱乾燥されながら、スクリュ22により入口14側から出口15側へ攪拌移送される。内部空間20には、区画板26が設けられており、含水有機物はこの区画板26に堰き止められることにより、ショートパスが防止され、内部空間20が有効に利用される。
【0067】
乾燥手段2では、飲料製造工場などから発生する含水有機物の種類に応じて、熱風などの乾燥用空気を吹き込んで含水有機物を乾燥させる熱風乾燥または内部空間20内の空気を吸引しながら本体21を加熱して含水有機物を乾燥させる減圧乾燥を行なう。
【0068】
具体的には、減圧乾燥は、40〜60℃程度の比較的低い温度での乾燥処理に適しており、減圧乾燥によれば茶滓に含まれるカテキン類の分解を防止できるため、茶滓が排出される場合は減圧乾燥を行なうことが好ましい。減圧乾燥を行なう場合、本体21を加熱して、本体21内の含水有機物を加熱しながら、吸引ポンプ70から内部空間20内の揮発性物質や蒸気を含む気体を吸引排出して含水有機物を乾燥させる。なお、本体21は、吸引ポンプ70に代えてウォータエジェクタを用いて減圧してもよい。
【0069】
一方、コーヒー豆滓は、送風しながら乾燥させることが好ましいため、熱風乾燥させるとよい。本実施形態に係る乾燥機1では、乾燥手段2の入口14側から乾燥用空気を吹き込み、含水有機物の流れに沿って出口15側から排気するため、乾燥用空気として熱風を用いる場合でも、含水有機物の乾燥が進むに従い、徐々に熱風は温度降下するため、含水有機物に含まれる成分が酸化分解することが防止できる。
【0070】
また、本実施形態では、熱風乾燥を行なう場合、ファン60から送風される乾燥用空気を乾燥手段2の入口14で内部空間20に吹き込み、含水有機物から蒸発した上記などを含んだ空気を吸引管71から排出して乾燥させる。送風管61は、乾燥手段2の本体21に接続してもよいが、本実施態様のように乾燥手段2の入口14に設けることで、含水有機物を分散させて乾燥を促進できる。
【0071】
このように、第1乾燥手段2aに投入された含水有機物は、出口15側へ運ばれるに従って乾燥される。第1乾燥手段2aは第2乾燥手段2bと連結され、第1乾燥手段2aにおいては、出口15側へ運ばれた乾燥処理物は、下側第2筒13bおよび第1連結管80a内を自然落下し、破砕装置82により破砕され、第2乾燥手段2bへ入る。
【0072】
第2乾燥手段2b内に投入された含水有機物は、本体21内を入口14から出口15へ移送されながら乾燥される。第2乾燥手段2bにおいては、出口15には出口管151が接続され、この出口管151のロータリバルブ152が開かれることにより、乾燥物が本体21外へ排出される。
【0073】
なお、本実施態様では2台の乾燥手段2が並べて配置されているが、さらに多くの乾燥手段2を並べて互いに連結してもよい。多段に並べて連結された複数の乾燥手段2で乾燥処理される含水有機物は、後段の乾燥手段2の入口14に供給される際に破砕装置82により破砕され、徐々に粒径が小さくなり、最終的にはパウダー状で最後尾の乾燥手段2の出口15から排出される。並べて配置された複数の乾燥手段2同士は、上述した連結手段8で連結し、供給手段3は最初の乾燥手段2の入口14に接続し、出口管151は最後の乾燥手段2の出口15に接続する。
【0074】
出口管151の先端には、ロータリバルブ152を介して吸引ポンプを備える乾燥物貯槽150が設けられ、第2乾燥手段2bの内部空間20から乾燥物が吸引ポンプで吸引され、バグフィルタで除塵された後、乾燥物貯槽150に貯留される。乾燥物貯槽150下部からは窒素ガスが供給され、槽内の乾燥物の酸化が防止される。なお、乾燥物貯槽150には、内部の界面位置を検出するセンサを設け、このセンサにより検出された界面位置に基づき、乾燥物の搬出時期を出力するように構成してもよい。
【0075】
また、供給手段3から乾燥手段2への含水有機物の供給速度または/および乾燥手段2内での含水有機物の移動速度は、供給スクリュ31または/およびスクリュ22の回転速度を調整することにより、適宜変更するとよい。具体的には、温度計Tまたは/および湿度計Hにより測定された乾燥手段2内の温度および湿度から、含水有機物の乾燥処理が十分に行われていないと判断される場合は、コントローラCから供給スクリュ31または/およびスクリュ22の回転速度を下げる信号を出力する。これにより、単位含水有機物量あたりの乾燥処理時間を長くして、十分な乾燥を行うことができる。また、乾燥処理が速やかに進んでいる場合、供給スクリュ31または/およびスクリュ22の回転速度を上げ、単位時間当たりの含水有機物の処理量を増やすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、茶飲料製造などに伴い発生する茶滓などの有機性廃棄物を再資源化するために利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態に係る乾燥機を示す図である。
【図2】上記実施形態に係る乾燥機の断面構成を示す図である。
【図3】上記実施形態に係る乾燥機の乾燥手段の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 乾燥機
2 乾燥手段
3 供給手段
4 粒状化手段
5 接続手段
6 送風手段
7 吸引手段
8 連結手段
12 第1筒
13 第2筒
14 入口
15 出口
20 内部空間
21 本体
22 スクリュ
25 スクリュ加熱手段
27 モータ(駆動装置)
41 多孔板
42 カッタ
51 接続管
61 送風管
71 吸引管
80 連結管
C コントローラ(制御装置および供給制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並んで配置されて水分を含む含水有機物を加熱乾燥させる複数の乾燥手段およびこれらの互いに隣接する乾燥手段同士を互いに連結する連結手段を備え、
前記各乾燥手段は、前記含水有機物を収容する内部空間と、この内部空間と外部とを連通する入口および出口と、が形成された本体を備え、
前記連結手段は、互いに隣接する前記乾燥手段の出口と入口とを連結する略筒状の連結管と、この連結管の内部に設けられる破砕装置と、を備える乾燥機。
【請求項2】
前記各乾燥手段の本体は略円筒状であり、前記内部空間に設けられ前記乾燥手段の長手方向に沿って延びるスクリュと、このスクリュを回転させて前記含水有機物を前記乾燥手段の入口側から出口側へ移送する駆動装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記各乾燥手段は、前記各乾燥手段の本体の内部空間の温度を測定する温度計をさらに備え、
この温度計により計測された温度に基づいて、複数の前記各乾燥手段の駆動装置の出力をそれぞれ調整することにより前記各乾燥手段のスクリュの回転速度をそれぞれ制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記各乾燥手段の本体は、円筒壁と、この円筒壁の一端側壁面に設けられ前記円筒壁の長手方向に直交して相反する方向に延びる一対の第1筒と、前記円筒壁の他端側壁面に設けられ前記第1筒と平行な一対の第2筒と、を備え、
前記乾燥手段の入口は前記第1筒の一方に設けられ、
前記乾燥手段の出口は前記第2筒の一方でかつ前記入口が設けられる前記第1筒と相反する方向に延びる第2筒に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の乾燥機。
【請求項5】
連結された複数の前記乾燥手段の最初の乾燥手段の入口に含水有機物を供給する供給手段と、
この供給手段から前記最初の乾燥手段に供給される含水有機物を粒状化する粒状化手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の乾燥機。
【請求項6】
前記乾燥手段の内部空間に乾燥用空気を供給する送風手段と、
前記乾燥手段の内部空間の空気を吸引する吸引手段と、をさらに備え、
前記送風手段は、連結された複数の前記乾燥手段の最初の乾燥手段に接続される送風管を備え、
前記吸引手段は、連結された複数の前記乾燥手段の最後の乾燥手段に接続される吸引管を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−7026(P2006−7026A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185032(P2004−185032)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】