説明

乾燥食品を製造するシステムおよび方法

【課題】本発明は乾燥食品の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る製造方法は、乾燥食品の水分の透水率を高めるように、食品の表皮を十分改質する量の酸溶液と時間で乾燥食品を処理し、熱によって所望の水分量を得られるように、酸溶液で処理された食品を加熱脱水し、酸溶液で処理され、加熱脱水された食品を冷却し、酸溶液で処理され、脱水され、冷却された食品に注入剤を注入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥食品に関するものであり、特に香味料、栄養素、保存料、着色料、コーティングなどの構成の追加で改良された食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーズン、プルーン、アップル、アプリコット、およびピーチのような乾燥食品は、栄養価の高い食品として知られている。例えばレーズンは、鉄分を豊富に含んでおり、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、ビタミンB、タンパク質、および食物繊維を補給できる(「Foods and Food Production Encyclopedia」
Considine, D.M編集、Van Nostrand Reinhold社発行、New York 1982、1639-1942ページ参照)。乾燥フルーツは、スナック食品、菓子、ビスケット、クッキー、ケーキ、酪農食品、およびシリアルなどの食材として、スナック食品や菓子などに利用される。乾燥フルーツは、一般的に甘く、歯ごたえがあり、食品加工装置で良く弾む。
【0003】
米国特許第1717489号公報は、乾燥フルーツの味わいを変化させる方法を開示しており、その乾燥フルーツは、日干し、脱水、または乾燥工程を経たフルーツを、他のフルーツから絞られた果汁に混ぜたものを含む。1つの方法として、乾燥フルーツが他のフルーツからなるフルーツジュースの中に短時間入れられ、再び乾燥させており、望ましい結果が十分得られるまで、これらの工程を繰り返すことが開示されている。開示されたその方法を参照すると、アルコールテーストを含んだ製品として、ゆっくり時間をかけて発酵させたフルーツジュースの製造効率、製造コスト、性質の観点から満足なものではない。さらに、フルーツジュースへの保存料が欠如すること、乾燥フルーツにフルーツジュースを反復散布すること、またはそれら両方によって、乾燥フルーツに好ましくない微生物を発生させ、製品の消費期限を短縮させ、最悪では、顧客に有害な製品になる。その上、乾燥フルーツへのフルーツジュースの反復散布は、栄養的にほとんど望ましくない粘着質の製品となり、糖度が高くなる。フルーツの乾燥の繰り返しは、栄養価、香り、風味の減少に影響する。
【0004】
米国特許第5188861号公報、第1609720号公報、第1717489号公報、第4542033号公報を参照することによって本願に援用される。特開昭61−216641号公報(1986年9月公開)やFuria著、CRC Handbook of Food Additives, vol.
I, 1972, CRCPress社発行, Cleveland, 225〜253ページも参照することによって本願に援用される。
【0005】
いくつかの技術は、フルーツに糖質、香味料、着色料などを注入するために利用できる。米国特許第7188772号公報、第6159527号公報を参照することによって本願に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第1717489号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Foods and Food Production Encyclopedia」 Considine, D.M編集、Van Nostrand Reinhold社発行、New York 1982、1639-1942ページ参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、乾燥食品自身に所定材料を良く注入されるように改良するための装置および方法を提供する。「乾燥」は新鮮な農産物と比較した水分の減少を意味し、ある特定の水分の減少または最大の水分レベルを下回ることを意味しない。
【0009】
例えば、改良されていないレーズンは、水分を通さず、水分の吸収を妨げる表皮を有している。このことは、乾燥食品の生産工程後に、ゆっくりと水分吸収されたり脱水されたりすることとなる。本発明は、食べ物の外観、質感、または特質を実質的に変えることなく、透水性や表面エリアを増加させて、乾燥食品の表皮または殻を改良する。
【0010】
表皮の改良に関連して、本発明は、乾燥食品の中に成分を溶解させる空間的調整または改良もおこなう。例えば、発明の一態様によると、レーズンの中に自然に存在する糖類は、外周領域において減少させることができ、表皮における糖類のにじみ出しおよび粘性を減少させた製品にできる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって乾燥食品を製造する方法および装置は、透水性を向上させるために食品の表皮の改良に十分な量の酸溶液を加え、時間をかけて乾燥食品を処理し、所望の水分量となるように酸溶液で処理された食品を加熱脱水し、酸溶液で処理および加熱脱水された食品を冷却し、酸溶液で処理、加熱脱水、および冷却された食品に注入剤を浸透させることを含む。乾燥食品は乾燥フルーツを含んでも良い。注入剤を浸透された食品は、約50F(約10.0℃)よりも低い気温で冷却され、パッケージングされる。例えば、パッケージングに使用するバッグやポーチによって、水分を遮断することができる。注入剤は、熱的に不安定な組成であり、酸溶液で処理および脱水された食品を冷却する冷却工程は、約100F(約37.8℃)から約150F(約65.6℃)の温度、好ましくは、約80F(約26.7℃)から約160F(約71.1℃)、さらに最も好ましくは約70F(約21.1℃)から約160F(約71.1℃)〜180F(約82.2℃)の温度でおこなわれる。
【0012】
発明の他の目的は、透水性を向上させるために、食品の表皮の改良に十分な量の酸溶液と時間を与えて乾燥食品を処理し、熱で所望の水分量となるように酸溶液で処理された食品を脱水し、酸溶液で処理および加熱脱水された食品を冷却し、酸溶液で処理、加熱脱水および冷却された食品に注入剤を浸透させる工程によって乾燥食品を製造することを含む。例えば、注入剤は、香味料、保存料、着色料、保湿剤、滋養強壮剤(ビタミン、ミネラル、栄養サプリメント)、アルコール、甘味料(砂糖、低カロリー代用品、糖アルコールなど)を含む。実際、アルコールが添加された製品は、乾燥させるいくつかの工程でアルコールが添加されており、例えば、防湿性のパッケージによって製品がパッケージングされることにより、パッケージングされている間中、製品に対してアルコールが均等に添加される。
【発明の効果】
【0013】
熱的に不安定な注入剤、例えば揮発性香味料やある種のビタミンは、ほぼすべての加熱工程が終了した後に添加することができ、例えば加熱後のプロセスでは、約100F(約37.8℃)以上の温度に熱的に不安定な注入剤をさらさない。
【0014】
発明は、乾燥食品が入れられて、酸溶液で乾燥食品を処理するタンブラー(tumbler)、酸溶液で処理された食品を脱水するためのヒーター、酸溶液で処理され、加熱脱水された食品の温度を下げるためのクーラー、酸溶液で処理され、加熱脱水され、冷却された食品を注入剤で覆うためのスプレー手段を備えた乾燥食品の製造装置を提供する。乾燥食品はフルーツ、特に表面が皮で覆われたベリーや小果実を含む。特に食品は、種なしまたは種を取り除いた食品である。乾燥食品の例としては、レーズン(raisins)やスグリの実(currants)である。さらに装置は、酸性化・脱水・注入剤の添加された食品を約50F(約10.0℃)、好ましくは約30F(約−1.1℃)以下の温度で冷却するチラーを備えても良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るタンブラー・システムの側面図であり、種々の流体と調節を示す図である。
【図2】アシッド・ステーション(acid station)の概略図であり、タンブラー・システムに酸溶液を供給するためのコントロールを含んだ図である。
【図3】注入口へのコンベアを備えたタンブラー・システムの端面図である。
【図4】タンブラーに乾燥食品を送り込むスプレッダー、タンブラーからステージング・エリアに導くコンベア、ドライヤーに導くトレーサー・コンベアを示すシステムの上面図である。
【図5】オプションコンポーネントを含んだ装置全体の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の装置の一説明として、レーズンに香味料を添加することを例に説明する。
【0017】
本発明に係る食品製造装置および方法の1実施形態は、特別な回転システム(scissor mesh
cascading drum)を用い、その回転システムは、コンベアを回転させることで、食品を受け取り、散らばらせ、茎柄、キャップステム(capstems)、および食品に付いた異物などの破片を取り除く。この回転システムは、酸で処理され、脱水処理された食品を受け取る。このデクランピング(declumping)・システムは、乾燥食品の表皮が最小の傷やダメージとなるように設計されている。食品は、野菜や他の食品も適しているが、乾燥食品である。特に、レーズン(raisins)、スグリの実(currants)、クランベリー(cranberries)である。ザクロの実(pomegranate)も処理される。乾燥食品を横に広げるコンベアベルトが供給され、そのコンベアベルトは、ピンとパドルによってタンブラーの中に落とされた乾燥食品をステージング・エリアに導く。コンベアベルトおよびピンの構造は、処理すべき乾燥食品に適合するように改良されている。
【0018】
タンブラーは、乾燥食品を重力送りするために傾けられることが好ましい。重力送り以外の他の方法も可能であり、タンブラーは傾けられたものに限定されない。
【0019】
図1(側面図)、図2(略式図)、図3(端面図)に示すように、回転システムは乾燥食品を水和させる水がセットされている。回転システムのタンブラー6の中に乾燥食品が入れられ、循環する水に混合される。この水は、ひとかたまりになった乾燥食品と分離させて、食品に付着した破片、葉柄、キャップステム(capstems)などを除去する。例えば、タンブラー6は、長さ12フィート(約3.7メートル)、直径4フィート(約1.2メートル)、1分間に約6回転する。タンブラー6は穴が空いており、その穴は食品を通さずに保持するが、上述の破片などは通される。ヒーテッド・アシッド・ミックス50はポンプ55によってタンブラー6の入口までくみ上げられ、流体53として出口の方向、すなわち底付近のプーリング52の方向に流れ、前述の乾燥食品が酸溶液で完全に覆われ、広がりながら水に戻される。流体の水面レベルは入口56に維持され、その間、ポンプ55、バルブ58、およびリターン54を通り、濾過して、アシッド・ミックス50をコンテナに戻し、入口56で乾燥食品にスプレーする。フロート・バルブ51は流体のレベルを一定に維持する。余分な流体は配水管に導かれ、コンテナのアシッド・ミックス50の中の酸流体は、フィルターユニット60でフィルターされる。レーズンなどの乾燥食品は、振動しながら回転するシステムのタンブラー6の中で、酸溶液でスプレー処理され、熱せられた酸溶液に浸される。
【0020】
図4および図5は本発明に係るシステムのレイアウトを示す。図示された部品は、パレット1、ローラー・コンベア2、階段を取り付けたスタンディング(ステップ)・プラットフォーム3、フィード・イン・テーブル4、アキュムレーター・アンド・レギュレーター・コンベア5、12フィート・タンブラー・デクランパー・クリーナー・アシディファー6、アップライト・トランスファー・コンベア7、8フィート・ステイジング・コンベア8、アシディフィケーション(酸化用)・ディスペンサー9、トレーサー・レーズン・スプレッダー10A、10B、アキュムレーター装置11、ドライヤー12、クーリング・ユニット14、フレイバー・ユニット15、フレイバーリング・ディスペンサー16、アップライト・トランスファー・コンベア17、トレーサー・レーズン・スプレッダー18A、18B、アキュムレーター・パッケージング19、バケット・リフト20、ディバイダーを備えたスタンディング・コンベア21、ストーク・パッケージング・マシーン22、ミラパック(mirapack)・パッケージング・マシーン23、ハンツェラー(hanzella)・パッケージング・マシーン24、モノバッグ(monobag)・パッケージング・マシーン25、パッケージング・テイクアウト・コンベア29、アップライト・トランスファー・コンベア30、インスペクション・コンベア31、ディスプレイ・パックアップ・コンベア32、ランジェン(langen)への搬送コンベア33、ランジェン・コンベア34、ランジェン・ボクシング・マシーン35、ローリング・コンベア36A、36B、パドロッカー37、スプリアルグリップ・ラッパー38、Lバー・シーラー39、ヒート・シュリンク・トンネル40、および冷却ユニット・システム43である。
【0021】
図4および図5に示すように、ケースに入れられたレーズン(または他の乾燥フルーツ)はローラー・コンベア2の上に置かれ、その後、レーズン・ケース・テーブルに手動で置かれ、それぞれのケースから取り出され、レーズン・スプレッダー5で自動的に揺り動かされて広げられ、レーズン・スプレッダー5から12フィート・タンブラー6に広げられたレーズンが自動的に搬送され、そのタンブラー6はレーズンを散らばらせて、酸溶液で処理し、洗浄する。
【0022】
タンブラー6の長さ約3分の1の場所に、食品に酸溶液をスプレーするノズルがセットされている。例えば、酸溶液は、約1〜6重量%のクエン酸またはリンゴ酸溶液である。食品の表面をぬらし、タンブラー6の出口にプールを形成し、濾過およびリサイクルするのに十分な質の酸溶液が提供される。酸性スプレーと水和用の水の代表的な比率は、10:1である。タンブラー6の出口付近で、食品は酸溶液の中に浸される。システムのタンブラー6での代表的な移送時間は、約3分である。例えば、搬送コンベアに乗せられたレーズンの水分含有率が10〜15%であり、タンブラーを出たときには約16〜20%の水分含有率になる。酸性スプレーは約110F(約43.3℃)の温度に暖められる。
【0023】
酸溶液で処理され、水和された食品は、ピンおよびパドルがセットされたタンブラー6から出口のコンベアに送られ、マウンドからステージング・エリアに送られる。セパレート・コンベアは、ステージング・エリアから、例えば1インチ厚の均一シートとしてトレーシング・エリアに食品を送る。
【0024】
酸溶液で処理されたレーズンは、タンブラー6からアップライト・コンベア7を通ってステージング・コンベア8に搬送され、続いて、1セットのトレーサー・レーズン・スプレッダー10A、10Bに送られ、均等に酸溶液で処理されたレーズンが広げられ、さらにそれらはアキュムレーター11に送られ、酸溶液で処理されたレーズンは酸味料で保存処理される。
【0025】
保存処理時間の後、レーズンは約160〜180F(約71.1〜82.2℃)の温度のドライヤー12で乾燥させ、その後、70〜80F(約21.1〜26.7℃)の冷却エアーを備えたクーラー14で冷却される。食品の水分含有率は、ドライヤーで約4〜7%落ちる。例えば水分の含有量は、タンブラーで入れられてドライヤーで出るのがほぼ同じになる。タンブリング・システムを出てドライヤーに入る間の標準的な時間は、例えば約30分である。例えば、ドライヤーは管の長さが18フィート(約5.5メートル)、幅が3.5フィート(約1.1メートル)であり、160〜180F(約71.1〜82.2℃)の温度に固定される。ドライヤーはガス燃焼式が好ましく、出口からエントランス、上方、下方および金属網のベルトコンベアを通して時速約30マイル(約48キロメートル)の乱気流を供給する。
【0026】
ホット食品はチラーに送られ、チラーの温度は冷気の吹き出しによって約70F(約21.1℃)に下げられている。本発明の1実施形態によれば、ドライヤーによる処理後の食品の冷却は、直接的な冷却であり、本質的に受動的な冷却ではない。例えば、食品が加熱状態の中で保持される時間を削減し、ひとかたまりになることの防止を助ける。
【0027】
冷却されたレーズンは、フレイバーリング・ユニット15に送られ、フレイバーリング・ディスペンサー16からレーズンに香味料を導き、アップライト・トランスファー・コンベア17で1組のトレーサー・レーズン・スプレッダー18A、18Bに搬送される。広げられたレーズンは、チリング・システム43を通して冷却し、パッケージングするために、アキュムレーター19に蓄積される。
【0028】
そして、冷却された食品は、インフュージング・トンネルに他のコンベヤで送られ、注入剤の溶液が乾燥食品にスプレーされ、例えば、注入剤の溶液は、香味料、補強剤、コーティングなどが含まれる。注入剤は、約1〜2%の固体濃度のウォータースプレーである。インフュージング・トンネルは食品をかき混ぜることはせず、乾燥食品を回転させることが好ましく、例えば食品に注入剤を均一にコートすることが望まれる。
【0029】
浸透された食品は、クーリング・トンネルに他のステージング・エリアから送られ、冷気を吹き付けて35F(約−1.1℃)など氷点近くに食品を冷却する。製品はパッケージの準備がされる。
【0030】
酸溶液で処理されたレーズンは、適切な水分量になるように乾燥され、約70〜80F(約21.1〜26.7℃)に冷却される。例えばスプレー状のオイルまたはグリセリンの中の香味料が、表皮を通してレーズンの中に吸収され、表皮の上に残らない。香味料の供給後、レーズンはさらに冷却され、パッケージングされる。
【0031】
パッケージングするレーズンの冷却のために、パーテーション60によって、最初に処理をおこなうステージ、特にドライヤー12から分離されたパッケージングのセクションは、バケット・リフト20を備えており、それは、例えばストーク・パッケージング・マシーン22、ミラパック(mirapack)・パッケージング・マシーン23、ハンツェラー(hanzella)・パッケージング・マシーン24、モノバッグ(monobag)・パッケージング・マシーン25でレーズンをパッケージングするために、ディバイダー(divider)を備えるステージング・コンベア21にレーズンを送る。パッケージング・マシーン22、23、24、25でパッケージされたレーズンは、パッケージング・テイクアウト・コンベア29に送られ、アップライト・トランスファー・コンベア30、ゲーティッド・インスペクション・コンベア31を通過し、ディスプレイ・パックアップ・コンベア32またはランジェン(langen)への搬送コンベア33、ランジェン・コンベア34を通ってランジェン・ボクシング・マシーン35へ送られる。ローリング・コンベア36Aは、マスターケースの中に小さな「食料品店」のケースのグループで、パドロッカー37にパッケージされた商品を搬送する。ローリング・コンベア36Bは、スプリアルグリップ・ラッパー38でラッピングするために、マスターケースを搬送する。交互に、Lバー・シーラー39およびヒート・シュリンク・トンネル40は、パッケージされた商品をシールするのに使用される。
【0032】
食品への酸溶液の処理は、水分が表皮を通過して水分の透水性を高める極微小の孔を形成し、表皮を傷つけて表皮面積を広くするのと同じ目的が得られる。酸溶液による処理は、保存の役割を果たす。
【0033】
酸は、フルーツの表皮の下にバリアを形成し、食品の中心部から表皮に天然の糖などが移動するのを制限する。さらに、酸溶液は表皮近くの天然の糖を減少させる。その結果、食品は表皮近くの糖が減少し、糖の流出が減少し、くっついたり粘着したりするのを防止できる。
【0034】
注入にはビタミンや揮発性物質などの非耐熱性補体が含まれているため、注入は約70F(約21.1℃)でおこない、その後に熱を下げる。酸は、食品の自然の味わいを中和する傾向があり、注入剤は、表面に濃縮される傾向がある。食品の基本的な味わいを変えてしまい、例えば異なった食品のような味わいになる。
【0035】
例えば、乾燥フルーツ、特にレーズンは、味わいが乾燥食品の自然の味わいとは一致せず、所望の栄養、歯ごたえ、香りの質を効率的に生成している。同様に、栄養価の高められた製品や被覆された製品も可能である。
【0036】
酸味料は、例えば、クエン酸およびリンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、リン酸、フマル酸、または食品に使用される他の酸を必要としない。
【0037】
注入用の溶液は、グリセロールやソルビトールなどの保湿剤を含む。例えば、レモンまたはライムで味付けされた乾燥フルーツの製造時に、クエン酸ナトリウムも酸味を与えても良い。
【0038】
時間や温度について実施形態に記載したが、その時間や温度を最適に変更しても良く、本発明を限定するものではない。特定の結果を得るために、上記のプロセスに充足される。
【0039】
本発明のプロセスで生成された食品は、均一な透水量であり、一般的なプロセス(米国特許第5188861号参照)よりも低い濃度であり、好まれる歯ごたえである。
【実施例1】
【0040】
オーストラリア・スルタナ・レーズン112kgを分離しながら回転するドラムに送った。レーズンを暖められた(110F(約43.3℃))1.25%のクエン酸溶液で処理した。ドラムのスピードは、レーズンが傷つかないように調節した。ステージング・エリアに酸化されたレーズンを搬送する前に、30分連続で酸溶液をスプレーし、ステージング・エリアで安定化のために20分間保持した。レーズンをEpson Eclipseドライヤーに送り、吸収された酸溶液の量に応じて調節しながら、約5分間、180F(約82.2℃)で乾燥させた。再乾燥されたレーズンを約70F(約21.1℃)に冷却し、単位重量当たり1.5%のナチュラル・オレンジ香料(AFI #10589-12795)をジェットスプレーした。レーズンをパッケージングする前に、レーズンを約50F(約10.0℃)に冷却するチリング・トンネルに送る前に、15分間、浸されても良い。
【実施例2】
【0041】
オーストラリア・スルタナ・レーズン112kgを分離しながら回転するドラムに送った。レーズンを暖められた(110F(約43.3℃))1.25%のクエン酸溶液で処理した。ドラムのスピードは、レーズンが傷つかないように調節した。ステージング・エリアに酸化されたレーズンを搬送する前に、45分連続で酸溶液をスプレーし、ステージング・エリアで安定化のために20分間保持した。レーズンをEpson Eclipseドライヤーに送り、吸収された酸溶液の量に応じて調節しながら、約7分間、180F(約82.2℃)で乾燥させた。再乾燥されたレーズンを約70F(約21.1℃)に冷却し、単位重量当たり1.5%のナチュラル・レモン香料(AFI #10589-12887)をジェットスプレーした。レーズンをパッケージングする前に、レーズンを約50F(約10.0℃)に冷却するチリング・トンネルに送る前に、15分間、浸されても良い。
【実施例3】
【0042】
オーストラリア・スルタナ・レーズン112kgを分離しながら回転するドラムに送った。レーズンを暖められた(110F(約43.3℃))1.25%のクエン酸溶液で処理した。ドラムのスピードは、レーズンが傷つかないように調節した。ステージング・エリアに酸化されたレーズンを搬送する前に、20分連続で酸溶液をスプレーし、ステージング・エリアで安定化のために20分間保持した。レーズンをEpson Eclipseドライヤーに送り、吸収された酸溶液の量に応じて調節しながら、約7分間、180F(約82.2℃)で乾燥させた。再乾燥されたレーズンを約70F(約21.1℃)に冷却し、単位重量当たり1.5%のナチュラル・チェリー・レモン香料(AFI #81213-3243)をジェットスプレーした。レーズンをパッケージングする前に、レーズンを約50F(約10.0℃)に冷却するチリング・トンネルに送る前に、15分間、浸されても良い。
【実施例4】
【0043】
約14kgの箱詰めされたレーズンをステージング・エリアに運んでわずかに破壊し、キャタピラー・コンベア・システムのエントランスに送り、回転するドラムに送った。ドラムに備えられたピンとパドルがレーズンを攪拌し、バラバラにして、流した。
【0044】
レーズンに水をスプレーして洗浄して水和し、茎柄、キャップステム(capstems)、破片を原料のレーズンから取り除き、回転するドラムの周囲の穴を通して落ちる。受け取りボウルは、下方に備えられ、茎柄、キャップステム(capstems)、破片をフィルターする。レーズンは、クエン酸やリンゴ酸の溶液でスプレーされ、浸される。酸溶液は、約170〜180F(約76.7〜82.2℃)の温度で加熱被覆され、レーズンの外皮に酸溶液が染み渡る。
【0045】
レーズンは乾燥トンネルシステムを通して送られ、グリセリンがオプションで追加される。約70F(約21.1℃)の温度に冷却され、香味料がスプレーされ、約50F(約10.0℃)の温度に再び冷却されるステージング・エリアに行き、窒素で瞬時に冷凍するバスで冷凍する他のステージエリアに送る。そして、製品がパッケージされる。
【0046】
本発明の実施形態について図面を使用して説明したが、当業者によって本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改良等したものも本願に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥食品を製造する方法であって、
(a)水分の透水率を高めるように食品の表皮を十分改質する量の酸溶液と時間で、乾燥食品を処理し、
(b)前記酸溶液で処理された食品が所望の水分量となるように、熱によって脱水し、
(c)酸溶液で処理され、熱によって脱水された食品を冷却し、
(d)酸溶液で処理され、脱水され、冷却された食品に注入剤を注入する
乾燥食品を製造する方法。
【請求項2】
前記乾燥食品がフルーツを含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記注入のおこなわれた食品を約10.0℃より低い温度で冷却し、パッケージングする請求項1の方法。
【請求項4】
前記注入剤は熱的に不安定であり、前記脱水された食品の冷却は、約65.6℃以上の温度から約37.8℃以下の温度に酸溶液で処理されて脱水された食品を冷却する請求項1の方法。
【請求項5】
前記注入剤は熱的に不安定であり、前記脱水された食品の冷却は、約71.1℃以上の温度から約26.7℃以下の温度に酸溶液で処理されて脱水された食品を冷却する請求項1の方法。
【請求項6】
前記注入剤は熱的に不安定であり、前記脱水された食品の冷却は、約71.1−82.2℃の温度から約21.1℃の温度に酸溶液で処理されて脱水された食品を冷却する請求項1の方法。
【請求項7】
(a)水分の浸透率を高めるように食品の表皮を十分改質する量の酸溶液と時間で、乾燥食品を処理し、
(b)前記酸溶液で処理された食品が所望の水分量となるように、熱によって脱水し、
(c)前記酸溶液で処理され、熱によって脱水された食品を冷却し、
(d)前記酸溶液で処理され、脱水され、冷却された食品に注入剤を注入する
工程によって製造された乾燥食品。
【請求項8】
前記注入剤が香味料を含む請求項7の乾燥食品。
【請求項9】
前記注入剤が滋養強壮剤を含む請求項7の乾燥食品。
【請求項10】
前記注入剤は熱的に不安定な滋養強壮剤を含み、前記注入する工程では約37.8℃以上の温度に熱的に不安定な注入剤をさらさない請求項7の乾燥食品。
【請求項11】
乾燥食品を製造するための装置であって、
(a)乾燥食品が入れられ、酸溶液で乾燥食品を処理するタンブラー、
(b)前記酸溶液で処理された食品を脱水するためのヒーター、
(c)前記酸溶液で処理され、熱で脱水された食品の温度を下げるクーラー、
(d)前記酸溶液で処理され、脱水され、冷却された食品に注入剤をコーティングするためのスプレー注入器、
を備えた乾燥食品を製造するための装置。
【請求項12】
前記乾燥食品がフルーツを含む請求項11の装置。
【請求項13】
前記乾燥食品がレーズンまたはスグリの実を含む請求項11の装置。
【請求項14】
前記酸溶液で処理され、脱水され、注入剤を注入された食品を約10.0℃以下の温度に冷却するチラーを含む請求項11の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−525825(P2010−525825A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506682(P2010−506682)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/062460
【国際公開番号】WO2008/137712
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509303763)
【Fターム(参考)】