説明

二次元コード表示装置及びガスメータ

【課題】二次元コード画像を表示する表示部に傷や容易に落とせない汚れが付着して二次元コード画像の読み取りができない場合でも、簡単な操作で効率良く、且つ確実に二次元コード画像を読み取ることができる二次元コード表示装置を提供する。
【解決手段】二次元コード表示装置は、操作部15と、表示部14と、二次元コード画像を表示部14に表示させる表示制御手段13とを備える。表示制御手段13は、二次元コード画像の表示部14上での表示位置又は表示角度を、操作部15でのユーザ操作に基づき変更する表示変更手段16を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コード表示装置、及びそれを備えたガスメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のバーコード(一次元コード)と比較して数倍から数百倍の情報をコード化することが可能な二次元コードが、近年主流となっている。二次元コードは、紙面への印刷やディスプレイなどへの表示などによって活用されている。
【0003】
二次元コードは、汚れや欠損に対して読み取ったデータを修復することが可能となっており、二次元コード自体の10%から30%が欠損しても復元して読み取ることが可能となっている。データの復元処理は、リードソロモン法と言う数学的なエラー検出、訂正の手法を用いて実行されている。
【0004】
仮に読み取りができない程の欠損が生じた場合、通常のバーコード(一次元コード)の場合は、バーコードの下に人が目で見て読める(ヒューマンリーダブル)文字を付加し、それをキーボードで入力することで、運用に支障をきさない様にしている。
【0005】
しかし、二次元コードの場合、データ容量が非常に大きく、一般的にヒューマンリーダブルの文字が付加されないため、データ復元ができない程の大きな損傷が発生すると、データ入力の手段が無くなり運用が止まってしまう。また、仮にヒューマンリーダブルの文字を付加したとしても、キーボードで100文字以上の文字を入力させる必要が発生し現実的ではない。
【0006】
このように、二次元コードの導入にあたっては、読めなかった場合の対処を十分に考慮する必要がある。特に、ガスメータ等のような屋外に10年間設置される装置は、その表示部に、傷や容易に落とせない汚れが付きやすく、二次元コードリーダでの読み取りが困難になる場合がある。
【0007】
また、特許文献1には、二次元コードを読み取る処理に失敗したときに、その二次元コードの画像を修正する方法が開示されている。この方法は、画像の明るさを調整したり、コード周囲の影を削除する調整などによりコード周囲のマージンを確保したりすることで、二次元コード自体をユーザが修復するものである。
【特許文献1】特開2008−64631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、二次元コードの画像を表示している表示部自体に、読み取りができない程の傷や容易に落とせない汚れが付着した場合に対処できる修正方法ではなく、このような場合、修正後の二次元コード画像は読み取ることができないままとなる。
【0009】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、二次元コード画像を表示する表示部に傷や容易に落とせない汚れが付着して二次元コード画像の読み取りができない場合でも、簡単な操作で効率良く、且つ確実に二次元コード画像を読み取ることができる二次元コード表示装置、及びその装置を備えたガスメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の技術手段は、操作部と、表示部と、二次元コード画像を該表示部に表示させる表示制御手段とを備えた二次元コード表示装置であって、前記表示制御手段は、前記二次元コード画像の前記表示部上での表示位置又は表示角度を、前記操作部でのユーザ操作に基づき変更する表示変更手段を有することを特徴としたものである。
【0011】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示変更手段は、前記操作部での、前記二次元コード画像を所定距離だけ平行移動させるユーザ操作又は所定角度だけ回転移動させるユーザ操作に応じて、前記二次元コード画像を平行移動又は回転移動することを特徴としたものである。
【0012】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示変更手段は、前記操作部での所定のユーザ操作に基づき、前記二次元コード画像の前記表示部上での表示位置又は表示角度を、予め定められた位置又は角度に変更することを特徴としたものである。
【0013】
第4の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記表示変更手段は、前記操作部でのユーザ操作による前記二次元コード画像の変更先に、他の情報が表示されている場合には、該他の情報の表示位置も変更することを特徴としたものである。
【0014】
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれかの技術手段において、前記表示変更手段での変更内容を記憶する変更記憶手段を備え、前記表示制御手段は、前記変更記憶手段で記憶された変更内容に基づき前記二次元コード画像を表示させることを特徴としたものである。
【0015】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれかの技術手段において、当該二次元コード表示装置の内部情報を記憶する情報記憶手段と、該情報記憶手段に記憶してある内部情報を二次元コード化することで前記二次元コード画像を生成するコード化手段とを備え、前記表示制御手段は、前記コード化手段で生成された前記二次元コード画像を前記表示部に表示させることを特徴としたものである。
【0016】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれかの技術手段において、前記二次元コード画像は、QRコード(登録商標)の画像であることを特徴としたものである。
【0017】
第8の技術手段は、ガスメータにおいて、第1〜第7のいずれかの技術手段における二次元コード表示装置を備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、二次元コード画像を表示する表示部に傷や容易に落とせない汚れが付着して二次元コードの読み取りができない場合でも、簡単な操作で効率良く、且つ確実に二次元コード画像を読み取ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る二次元コード表示装置の一構成例を示すブロック図で、図中、1は二次元コード表示装置である。図1で例示する本実施形態に係る二次元コード表示装置1(以下、表示装置1という)は、表示部14を備え、その二次元コード表示装置内部の情報(以下、内部情報という)を二次元コード化して、表示部14に表示する。
【0020】
そのため、表示装置1は、表示装置1の内部情報を記憶する情報記憶手段(情報記憶部11として例示)と、情報記憶部11に記憶してある内部情報を二次元コード化することで、二次元コード画像を生成するコード化手段12と、コード化手段12がコード化により生成した二次元コード画像を表示部14に表示させる表示制御手段13とを備える。このように、表示制御手段13は、二次元コード画像を表示部14に表示させる制御を行う。
【0021】
情報記憶部11は、不揮発性のメモリやハードディスクなどの記憶装置で例示できる。また、コード化手段12及び表示制御手段13は、コード化及び表示制御を行うプログラムを格納するROM、作業領域としてのRAM、そのプログラムをROMからRAMに読み出して実行するCPUなどで例示できる。
【0022】
二次元コード画像は、表示装置1に具備した操作部15からのユーザ操作(表示指示を行うユーザ操作)に基づき表示させてもよいし、電源ON時に常に表示させるようにしてもよい。このようにして二次元コード画像を表示することにより、ユーザが表示装置1の内部情報を読み出したい場合には、表示部14に表示された二次元コード画像を二次元コードリーダで読み取ればよい。これにより、その二次元コードリーダが表示装置1の内部情報を取得できる。
【0023】
そして、本発明では、このような二次元コードリーダでの二次元コード画像の読み取りが、表示部14の表面の傷などにより実行できなかった場合にも、ユーザが操作部15で後述するようなユーザ操作を行い、二次元コードリーダで読み取りを再度実行することで、二次元コード画像の読み取り(判読可能な読み取り)が可能となる。
【0024】
このように表面の傷などに拘わらず二次元コード画像を判読可能にする具体的な構成について説明する。まず、本発明に係る表示装置1に具備した操作部15は、表示部14に表示された二次元コード画像を平行移動や回転移動により変更するためのユーザ操作が、受け付け可能に構成されている。
【0025】
そして、表示制御手段13は、表示させた二次元コード画像の表示部14上での表示位置又は表示角度を、操作部15でのユーザ操作に基づき変更する表示変更手段16を有する。換言すると、この表示変更手段16は、操作部15でのユーザ操作に基づき二次元コード画像の表示位置又は表示角度を変更する。そして、表示制御手段13が、変更後の二次元コード画像を表示部14に表示させる制御を行う。
【0026】
このような構成により、二次元コードを表示する表示部14に傷や容易に落とせない汚れが付着して二次元コード画像の読み取りができない場合でも、傷や汚れを避けるように二次元コード画像の表示位置又は表示角度を変更することができるため、簡単な操作で効率良く、且つ確実に二次元コードを読み取ることが可能になる。
【0027】
ここで、表示部14に表示させる二次元コード画像は、QRコード(登録商標)の画像であることが好ましい。これにより、汎用の二次元コードリーダで容易に内部情報を読み取ることができる。この場合、コード化手段12は、内部情報をコード化して、QRコード(登録商標)を生成することになる。なお、二次元コード画像は、QRコード(登録商標)のように正方形の画像に限ったものではない。
【0028】
以下、操作部15におけるユーザ操作と、そのユーザ操作に基づく表示位置又は表示角度の変更処理とについて、より具体的な例を挙げて説明する。最初に、操作部15におけるユーザ操作及びそれに基づく表示位置の変更処理に関し、図2〜図5を参照しながら説明する。
【0029】
図2は、図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の移動例を示す模式図である。図2で説明する実施形態では、操作部15において、二次元コード画像を所定距離だけ平行移動させるユーザ操作を受け付け可能にしておく。例えば左右の方向キー及び/又は上下の方向キーなどを操作部15に具備しておけばよい。また、操作部15として表示部14にタッチセンサを設けて任意の位置に移動可能なように構成してもよい。そして、表示変更手段16は、操作部15でのそのようなユーザ操作に応じて、二次元コード画像を平行移動する。
【0030】
ここで、方向キーを採用した場合におけるユーザ操作に応じた平行移動とは、方向キーによるユーザ操作がなされる度に所定距離ずつ段階的に、その方向に平行移動することを指す。
【0031】
例えば、操作部15として設けた左方向キーがユーザにより1回押下された場合、図2に示すように、元の二次元コード画像(QRコード(登録商標)の画像等)21が一目盛りだけ左方向の表示位置に移動し、その結果として二次元コード画像22が表示される。ここで、元の(最初に表示される)二次元コード画像21は、横方向でX1〜X4の範囲、縦方向でY1〜Y4の範囲を表示範囲として表示部14に表示されている。この状態で左方向キーの押下により移動した後の二次元コード画像22は、横方向でX0〜X3の範囲、縦方向でY1〜Y4の範囲を表示範囲として表示部14に表示される。なお、図2ではドットマトリックス液晶のように画素が配列された表示部14を想定しており、図2のX1等には上記所定距離に対応する画素群が含まれることになる。
【0032】
元の二次元コード画像21がそのコード上であって表示部14の表面に傷や汚れなどが付着してリーダでの読み出しができなくなっている場合でも、このような左方向キーによるユーザ操作により、表示された移動後の二次元コード画像22がその傷や汚れを避ける位置に表示されている場合には、リーダでの読み出しが可能になる。左方向キーの一回の押下によって表示させた移動後の二次元コード画像22でも、リーダでの読み出しができなかった場合には、さらに1回以上の押下を行うことで、読み出し可能な任意の位置(傷や汚れなどを避ける位置)へ二次元コード画像を移動させてから読み出させることができる。
【0033】
なお、左方向キーを例に挙げたが、右方向、上方向、下方向のキーを用いたユーザ操作、或いはそれらの組み合わせによるユーザ操作を行っても、同様に、傷や汚れなどを避ける位置に二次元コード画像を移動させるように構成することができる。また、左方向キー等を押下するだけで二次元コード画像を移動させる例を説明しているが、この左方向キー等の押下に先立ち、別途設けた移動開始キーなどを押下させるようにしてもよい。
【0034】
また、操作部15としてタッチセンサを採用した場合には、指によりタッチされた位置の移動を検出し、それに応じて、指によるタッチの読み取り解像度に応じた所定距離ずつ段階的に二次元コード画像を移動させていけばよい。また、この例でも、別途設けた移動開始キーなどを先立って押下する必要があるように構成しておいてもよい。
【0035】
図3は、図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の他の移動例を示す模式図である。図3で説明する実施形態では、図2で説明したような操作部15によるユーザ操作に基づき表示変更手段16が実行する二次元コード画像の変更により、他の情報が変更後の二次元コード画像と重複したり上書きされたりすることを避ける処理を行う。
【0036】
より具体的には、表示変更手段16が、ユーザ操作による二次元コード画像の変更先に他の情報が元々表示されていた場合に、その「他の情報」の表示位置も移動させることで、その「他の情報」も表示した状態を保つ。つまり、表示変更手段16は、まず変更先を求め、その変更先に他の情報が表示されているか否かを判定し、表示されていない場合にはそのまま二次元コード画像の変更(移動)を実行し、表示されている場合にはその変更と共にその「他の情報」の表示位置を移動させる。
【0037】
他の情報の移動先としては、二次元コード画像の元々の表示位置として規定しておくこと、すなわち二次元コード画像と上記「他の情報」とで表示位置を入れ替えることが好ましい。このような規定により、上記「他の情報」の移動によりさらに別の情報を消去してしまうようなことを避けながら、上記「他の情報」を表示させることができる。
【0038】
例えば、図3の左側に示すように、二次元コード画像32と共に「ガス止」という情報31が表示部14に表示された状態で、二次元コード画像32を画面の左端側へ移動させるユーザ操作が受け付けられた場合、表示変更手段16は、そのユーザ操作に基づく変更先に「ガス止」という情報31が表示中であるとを判定し、自動的にその情報31を元の二次元コード画像32の表示位置に移動させると共に二次元コード画像32の移動を実行する。
【0039】
これにより、図3の右側に示すように、元々情報31が表示されていた位置に二次元コード画像32aが表示され、元々二次元コード画像32が表示されていた位置に情報31aが表示される。情報31aの表示位置に傷や汚れがあったとしてもこの情報31aは人の目で確認する情報であるため、二次元コードのようにリーダによる読み取りの支障が生じる訳ではない。なお、これらの変更、移動により画像32、情報31は表示位置が変わるだけであり、それらの表示内容は変わらない。また、図3では、右下位置から左下位置への二次元コード画像の移動例を示したが、変更先がいずれであろうとも、変更先の情報の有無の判定をはじめとする同様の処理を行えばよい。
【0040】
図2及び図3の説明ではユーザ操作に基づき任意の位置に二次元コード画像を移動させる例を説明したが、移動先(変更先)は予め定められた位置としておいてもよい。このような例を図4、図5を参照して説明する。図4、図5は、それぞれ、図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の他の移動例を示す模式図である。
【0041】
図4又は図5で説明する実施形態では、表示変更手段16が、操作部15での所定のユーザ操作(例えば移動キーなど)に基づき、二次元コード画像41の表示部14上での表示位置を、予め定められた位置に変更する。
【0042】
この予め定められた位置について説明する。図4の左側で示す登録位置I〜III(42〜44)のように予め複数個の位置を登録しておき、二次元コード画像41を操作部15(例えば移動キー)での操作回数によって予め登録した位置へ順次移動させればよい。図4の右側では、最初の操作によって登録位置I(42)に対応する位置に二次元コード画像41bが表示された例を示している。この状態でまだ傷や汚れと重なる場合には、再度、移動キーの操作を行って登録位置II(43)、登録位置III(44)へと順次移動させればよい。また、図5の左側に示すように、指定させたい位置52を操作部15での操作(例えば位置指定キーなど)によって決定した後に、移動キーなどの二次元コード画像51を移動させて、図5の右側に示すように二次元コード画像51bを表示させてもよい。この例では画像51(画像51a)が画像51bへ移動したことになる。なお、この実施形態においても、図3で説明したような二次元コード画像の変更先に他の情報が表示されている場合の処理を適用できる。
【0043】
次に、操作部15におけるユーザ操作及びそれに基づく表示角度の変更処理に関し、図6を参照しながら説明する。図6は、図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の他の移動例を示す模式図である。
【0044】
本実施形態では、操作部15において、所定距離だけ平行移動させるユーザ操作の代わりに、図6の左側で例示する二次元コード画像60を所定角度だけ回転移動させるユーザ操作を受け付け可能にしておく。例えば時計回りに回転させる正回転キーや反時計回りで回転させる逆回転キーなどを、操作部15に具備しておけばよい。そして、表示変更手段16は、操作部15でのそのユーザ操作に応じて、二次元コード画像60を回転移動し、結果として図6の右側で例示する二次元コード画像60aが表示される。
【0045】
図6で例示する二次元コード画像60は、QRコード(登録商標)の画像であり、位置検出パターンであるファインダパターン(切り出しシンボル)61〜63が3つのコーナーに配置されている。二次元コードリーダはまずこのパターンを検索することでQRコードの位置を認識することが可能になっている。従って、ファインダパターン上に傷や汚れなどが付着して位置検出ができない場合などは、正回転キーや逆回転キーなどの回転キーを操作することで、ファインダパターン61〜63がそれぞれファインダパターン61a〜63aとなるように回転した二次元コード画像60a(90°回転させる正回転キーを押下した例)を表示させる。これにより、二次元コードリーダで位置の検出が可能になる。
【0046】
ここで、回転キー(正回転キー又は逆回転キー)を採用した場合におけるユーザ操作に応じた回転移動とは、回転キーによるユーザ操作がなされる度に所定角度(例えば45°や90°など)ずつ段階的に、その回転キーが示す回転方向に回転移動することを指す。1回の90°回転後の二次元コード画像60aでも傷や汚れを避けられない(つまりリーダでも読み取れなかった又は読み取れなさそうな)場合には、更に操作を実施することにより、同様に時計回りに回転させて、傷や汚れなどをさける位置へ移動させることができる。また、時計回りの例のみを図示したが、反時計回りの例も同様である。また、タッチセンサを採用した場合には、指によりタッチされた位置を時系列で判別しその方向に所定角度ずつ回転させるなどすればよい。
【0047】
また、回転の中心は、例示したように二次元コード画像の中心であることが、移動後の二次元コード画像の表示領域があまり変わらないため好ましい。しかし、回転の中心は、例えば二次元コードの所定の位置(例えば、左下の角)を中心としてもよい。
【0048】
また、この実施形態においても、図3で説明したような二次元コード画像の変更先に他の情報が表示されている場合の処理を適用でき、この適用によって、二次元コード画像の移動後の表示領域が変わったとしても対応できる。但し、二次元コード画像と他の情報との入れ替えは、二次元コード画像の中心を中心として回転させる場合ではなく二次元コード画像の角などを中心として回転させる場合に適用されることが多くなる。
【0049】
また、他の実施形態として、表示変更手段16は、図3で説明した予め定められた位置への変更の代わりに、操作部15での所定のユーザ操作(例えば移動キー)に基づき、二次元コード画像の表示部14上での表示角度を、予め定められた角度(例えば45°や90°など)に変更するようにしてもよい。つまり、予め指定された回転角度に従って二次元コード画像が変更(回転移動)される。この例では、図3のように予め登録された位置が決まっているというよりは、回転角度が決まっているだけである。また、この実施形態においても、表示変更手段16は、操作部15でのユーザ操作による二次元コード画像の変更先に、他の情報が表示されている場合にはこの「他の情報」の表示位置も変更する例が適用できる。
【0050】
以上、操作部15におけるユーザ操作とそれに基づく表示位置又は表示角度の変更処理とについて説明したが、このような変更処理は表示装置1の電源が一旦オフになっても、次にオンした際に維持されていることが好ましい。
【0051】
従って、上述した各実施形態における表示装置1は、表示変更手段16での変更内容(表示位置又は表示角度、若しくは変更後の二次元コード画像そのもの)を記憶する不揮発性メモリやハードディスク等の変更記憶手段を備えることが好ましい。そして、表示制御手段13は、この変更記憶手段で記憶された変更内容に基づき二次元コード画像を表示させる制御を行えばよい。特に、変更後の二次元コード画像そのものを記憶しておくことで、次回からのコード化の処理が不要となるため好ましい。
【0052】
また、上述した各実施形態に係る表示装置1は、様々な電子機器の表示装置として組み込むことができる。特にガスメータのように長期に屋外に設置する機器に表示装置1を組み込むことは、表示表面にも傷や汚れが付きやすいため好適である。また、表示装置1をガスメータに備えるようにすることで、ガスメータが保有する内部情報を容易にコード化して読み出せることができる。この内部情報としては、例えばガスメータでのガス流量積算値なども適用できる。
【0053】
以上、情報記憶手段(情報記憶部11)及びコード化手段12を備え、表示制御手段13がコード化手段12で生成された二次元コード画像を表示部14に表示させることを前提に説明したが、これらの手段の代わりに、二次元コード画像を記憶するコード記憶手段のみを備え、表示制御手段13がそれを読み出して表示部14で表示させるように構成してもよい。ここで記憶された二次元コード画像が、ユーザ操作により変更されることになる。
【0054】
このようなコード記憶手段を備えた形態においても、情報記憶手段(情報記憶部11)及びコード化手段12を備えた各実施形態で説明した様々な応用例が適用できる。但し、ガスメータに本実施形態に係る表示装置を備えた場合、二次元コードとして予め保有する内部情報をそのまま表示させることになり、ガスメータでのガス流量積算値などはコード化できないため二次元コードとしては表示できない。また、このようなコード記憶手段を採用した例における上記変更記憶手段は、表示変更手段16での変更内容(変更後の二次元コード画像そのもの)を記憶しておけばよい。この記憶の際は、元の二次元コード画像に上書きしても、元の二次元コード画像はリーダにより読み取り不能であるため問題ない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る二次元コード表示装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の移動例を示す模式図である。
【図3】図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の他の移動例を示す模式図である。
【図4】図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の他の移動例を示す模式図である。
【図5】図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の他の移動例を示す模式図である。
【図6】図1の二次元コード表示装置の表示部上での二次元コード画像の他の移動例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0056】
1…二次元コード表示装置、11…情報記憶部、12…コード化手段、13…表示制御手段、14…表示部、15…操作部、16…表示変更手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、表示部と、二次元コード画像を該表示部に表示させる表示制御手段とを備えた二次元コード表示装置であって、
前記表示制御手段は、前記二次元コード画像の前記表示部上での表示位置又は表示角度を、前記操作部でのユーザ操作に基づき変更する表示変更手段を有することを特徴とする二次元コード表示装置。
【請求項2】
前記表示変更手段は、前記操作部での、前記二次元コード画像を所定距離だけ平行移動させるユーザ操作又は所定角度だけ回転移動させるユーザ操作に応じて、前記二次元コード画像を平行移動又は回転移動することを特徴とする請求項1に記載の二次元コード表示装置。
【請求項3】
前記表示変更手段は、前記操作部での所定のユーザ操作に基づき、前記二次元コード画像の前記表示部上での表示位置又は表示角度を、予め定められた位置又は角度に変更することを特徴とする請求項1に記載の二次元コード表示装置。
【請求項4】
前記表示変更手段は、前記操作部でのユーザ操作による前記二次元コード画像の変更先に、他の情報が表示されている場合には、該他の情報の表示位置も変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の二次元コード表示装置。
【請求項5】
前記表示変更手段での変更内容を記憶する変更記憶手段を備え、前記表示制御手段は、前記変更記憶手段で記憶された変更内容に基づき前記二次元コード画像を表示させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次元コード表示装置。
【請求項6】
当該二次元コード表示装置の内部情報を記憶する情報記憶手段と、該情報記憶手段に記憶してある内部情報を二次元コード化することで前記二次元コード画像を生成するコード化手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記コード化手段で生成された前記二次元コード画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次元コード表示装置。
【請求項7】
前記二次元コード画像は、QRコード(登録商標)の画像であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の二次元コード表示装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次元コード表示装置を備えたガスメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−129048(P2010−129048A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306545(P2008−306545)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】