説明

二次電池装置

【課題】 安全性がさらに向上された二次電池装置を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、開口部を有する収容ケース14と、収容ケースの開口部に取り付けられるアッパーケース18と、を有する収容部材10と、それぞれ安全弁36を有し、収容部材10内に並んで収容された複数の単セル12とを備える二次電池装置が提供される。該電池は、アッパーケース18に形成された、複数の単セル12のそれぞれの安全弁36に対向する複数の第1の排気孔57と、複数の第1の排気孔57と連通する排気流路92a、92bとを有し、さらに、単セル12の安全弁36から排気されたガスを酸化する酸化触媒とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数の二次電池とこれらを収容する収容部材とを備えた二次電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電動自転車の電源、あるいは、電気機器の電源として、二次電池が広く知られている。例えば、非水系二次電池であるリチウムイオン二次電池は、高出力、高エネルギー密度を有することから、電気自動車等の電源として注目されている。
【0003】
さらに、さらなる高容量化、高出力化を図るため、複数の二次電池を収容部材内に並べて配置し、これらの二次電池を並列あるいは直列に接続した組電池、或いは、二次電池装置が開発されている。これらの組電池や二次電池装置は、電気自動車等の電源として用いるために、さらなる安全性の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−237457号公報
【特許文献2】特開2006−182264号公報
【特許文献3】特開2009−289655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
安全性がさらに向上された二次電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、開口部を有する収容ケースと、収容ケースの開口部に取り付けられるアッパーケースと、を有する収容部材と、それぞれ安全弁を有し、収容部材内に並んで収容された複数の単セルとを備える二次電池装置が提供される。該電池は、アッパーケースに形成された、複数の単セルのそれぞれの安全弁に対向する複数の第1の排気孔と、複数の第1の排気孔と連通する排気流路とを有し、さらに、単セルの安全弁から排気されたガスを酸化する酸化触媒とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の二次電池装置を示す斜視図。
【図2】収容部材及びターミナルベースを分解して示す前記二次電池装置の分解斜視図。
【図3】第2の排気孔及び逆止弁を分解して示す前記二次電池装置の分解斜視図。
【図4】収容部材及び単セルを分解して示す前記二次電池装置の分解斜視図。
【図5】単セルを示す斜視図。
【図6】前記単セルの一方の電極端子部分を拡大して示す斜視図。
【図7】前記単セルの一方の電極端子部分を拡大して示す断面図。
【図8】前記収容部材を構成するアッパーケースの内面側を示す斜視図。
【図9】図2の線VII−VIIに沿った二次電池装置の断面図。
【図10】セルユニット、アッパーケース、及び共通バスバーを示す分解斜視図。
【図11】バスバーユニット及びアッパーケースのバスバー装着部を示す分解斜視図。
【図12】正極バスバー、負極バスバー、共通バスバーを示す平面図。
【図13】ターミナルベース及び出力端子を示す分解斜視図。
【図14】第2実施形態の二次電池装置の部分断面図。
【図15】第3実施形態の二次電池装置を示す斜視図。
【図16】第3実施形態の二次電池装置の変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る二次電池装置について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る二次電池装置200の外観を示す斜視図、図2は、二次電池装置200のトップカバー20を取り外して二次電池装置200のバスバー取り付け構造を示す斜視図、図3は図1の二次電池装置200の背面側から見た斜視図、図4は収容部材、単セルを分解して示す二次電池装置の分解斜視図である。
【0009】
図1、図2、図3及び図4に示すように、二次電池装置200は、ほぼ矩形状の収容部材10と、収容部材内に収容された複数、例えば、30個の単セル(二次電池)12と、を備え、組電池として構成されている。収容部材10は、上側が開放した箱状に形成され底壁及び側壁を構成する収容ケース14、及び、矩形板状に形成され天井壁18aを構成するアッパーケース18、及び、トップカバー20を有する。収容ケース14の底壁に対向してアッパーケース18が設置され、収容ケース14とアッパーケース18を接合し、アッパーケース18の上面側を矩形板状のトップカバー20によって覆うことにより、矩形箱状の収容部材10が構成されている。収容部材10の各構成要素は、それぞれ絶縁性を有する合成樹脂、例えば、PPEにより形成されている。
【0010】
収容部材10の長手方向の一端側に位置する側壁、例えば、前端壁10aには、合成樹脂で形成された矩形板状のターミナルベース22が、例えば、ねじ止めにより固定されている。ターミナルベース22には、二次電池装置200の正極出力端子24及び負極出力端子26が取り付けられている。
【0011】
図5、図6、図7に示すように、各単セル12は、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池であり、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された扁平な矩形箱状の外装容器30と、外装容器30内に非水電解液と共に収容された電極体31と、を備えている。外装容器30は、上端が開口した容器本体30aと、容器本体に溶接され容器本体の開口を閉塞した矩形板状の蓋体30bとを有し、液密に形成されている。電極体31は、例えば、正極板及び負極板をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回し、さらに、径方向に圧縮することにより、扁平な矩形状に形成されている。
【0012】
正極端子32a及び負極端子32bが蓋体30bの長手方向両端部にそれぞれ設けられ、蓋体30bから突出している。正極端子32a及び負極端子32bは、電極体31の正極及び負極にそれぞれ接続されている。一方の端子、例えば、正極端子32aは、蓋体30bに電気的に接続され、外装容器30と同電位となっている。負極端子32bは、蓋体30bを貫通して延びている。負極端子32bと蓋体30bとの間には、合成樹脂、ガラス等の絶縁体からなるシール材、例えば、ガスケット34が設けられ、負極端子32bと外装容器30との間を液密にシールしていると共に、電気的に絶縁している。
【0013】
本実施形態において、負極端子32bの下端部周囲に、クッション性を有する環状のシール材35が装着されている。シール材35は、例えば、両面テープにより形成されている。シール材35は、負極端子32bの周囲及び蓋体30bの上面に密着している。後述するように、単セル12を収容部材10内に装着した際、シール材35はアッパーケース18の内面に液密に接触し、負極端子32bと外装容器30との間の短絡を防止する。
【0014】
図5に示すように、蓋体30bの中央部には、例えば、矩形状の安全弁36が形成されている。安全弁36は、蓋体30bの一部を約半分程度の厚さに薄くした薄肉部により形成され、この薄肉部の上面中央部に、複数の刻印が形成されている。単セル12の異常モード等により外装容器30内にガスが発生し、外装容器内の内圧が所定の値以上に上昇した際、安全弁36が開放し、内圧を下げて外装容器30の破裂等の不具合を防止する。
【0015】
容器本体30aの周囲には、容器の上端部及び下端部を除いて、絶縁性のフィルム37が卷装されている。このフィルム37は、外装容器30の膨張を規制するとともに、外装容器30と他の単セル12との短絡、あるいは、外装容器30と他の部材との短絡を防止する。
【0016】
図4に示すように、単セル12は、複数の単セル、例えば、3つの単セル12を並列に接続して1セルユニットCとし、このセルユニットCを10ユニットだけ直列に接続して設けられている。単セル12の配列については、後で詳細に説明する。
【0017】
図8に示すように、アッパーケース18の内面側には、単セル12の数に対応した数、ここでは、30個の係合溝54が形成されている。各係合溝54は、単セル12の外装容器30の断面形状に対応した細長い矩形状に形成され、アッパーケース18の幅方向に沿って延びている。複数の係合溝54は、アッパーケース18の長手方向に所定の間隔を置いて、2列に並んで設けられている。2列の間にはセンターリブ59が形成され、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びている。
【0018】
アッパーケース18において、各係合溝54の底には、単セル12の正極端子32a及び負極端子32bに対応する矩形状の透孔56a、56bが形成され、更に、単セル12の安全弁に対向する第1の排気孔57が形成されている。透孔56a、56bは、係合溝54の両端部に位置し、第1の排気孔57は、これら透孔56a、56b間の真ん中に位置している。本実施形態において、単セル12の正極端子32aは、負極端子32bよりも大きく形成されている。これに対応して、正極端子32aを挿通するための透孔56aは、負極端子32bを挿通する透孔56bよりも大きく形成されている。
【0019】
アッパーケース18は、例えばねじ止めによって収容ケース14の上面側に固定され、収容部材10の天井壁18aを構成している。
【0020】
図4に示すように、単セル12は、セルユニットC毎に収容ケース14に収容されている。各単セル12の上端部、つまり、電極端子が設けられている端部は、アッパーケース18の係合溝54に嵌合され、接着剤等によりアッパーケース18に固定されている。
【0021】
単セル12の正極端子32a及び負極端子32bは、それぞれ透孔56a,56bに挿通され、アッパーケース18の上面側に突出している。単セル12の安全弁36は、アッパーケース18の第1の排気孔57と対向して位置している。
【0022】
図4に示すように、1つのセルユニットCにおいて、3つの単セル12は、主面同士が所定の隙間を置いて向かい合い、かつ、電極端子が同一方向を向いた状態で、並んでいる。また、1セルユニットCにおいて、3つの単セル12は、正極端子32aが一列に並び、また、負極端子32bが一列に並ぶように配置されている。そして、10個のセルユニットCは、5セルユニットずつ2列に配列され、各列において、隣り合うセルユニットの正極端子32aと負極端子bとが交互に並ぶように配置されている。
【0023】
アッパーケース18の上面側に複数のバスバーが設けられ、これらのバスバーにより、各セルユニットC内の複数の単セル12が並列に接続され、更に、複数のセルユニットC同士が直列に接続されている。詳細には、図2、図4、図10、及び、図11に示すように、アッパーケース18の上面は、一段低く形成され、上面の周縁に沿って周壁18aが立設されている。アッパーケース18の上面には、その幅方向の中央にセンターリブ61が形成され、アッパーケース18の長手方向一端から他端近傍まで長手方向に沿って延びている。アッパーケース18の上面において、センターリブ61の両側には、それぞれ一対の仕切り壁60a、60bが立設されている。一対の仕切り壁60aは、アッパーケース18に形成された各第1の排気孔57の両側に位置し、アッパーケース18の長手方向一端から他端まで長手方向に沿って互いに平行に延びている。同様に、一対の仕切り壁60bは、アッパーケース18に形成された各第1の排気孔57の両側に位置し、アッパーケース18の長手方向一端から他端まで長手方向に沿って互いに平行に延びている。センターリブ59、仕切り壁60a、60b、周壁18aは略同一の高さに形成されている。
【0024】
図2、図4及び図9に示すように、アッパーケース18の上面に立設された一対の仕切り壁60a上に、細長い矩形状の閉塞板90aが固定され、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びている。閉塞板90aにより、仕切り壁60a間の空間が閉じられ、この空間により、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びる排気流路92aが形成されている。アッパーケース18の天井壁18aに形成され一列に並んだ第1の排気孔57は、排気流路92aに連通している。図3に示すように、アッパーケース18の長手方向の一端、例えば、後端壁には、排気流路92aの一端に連通する第2の排気孔94aが形成されている。第2の排気孔94aは、アッパーケース18の後端壁に取り付けられた逆止弁96aにより閉じられている。
【0025】
同様に、アッパーケース18の上面に立設された一対の仕切り壁60b上に、細長い矩形状の閉塞板90bが固定され、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びている。閉塞板90bにより、仕切り壁60b間の空間が閉じられ、この空間により、アッパーケース18の長手方向全長に亘って延びる排気流路92bが形成されている。アッパーケース18の天井壁18aに形成され一列に並んだ第1の排気孔57は、排気流路92bに連通している。アッパーケース18の長手方向の一端、例えば、後端壁には、排気流路92bの一端に連通する第2の排気孔94bが形成されている。第2の排気孔94bは、アッパーケース18の後端壁に取り付けられた逆止弁96bにより閉じられている。
【0026】
排気流路92a、92b内には触媒体100が備えられ、図9に示すように、単セル12の安全弁36の上に位置する第1の排気孔57が、板状の触媒体100により被覆される。板状の触媒体100は、それぞれの第1の排気孔57を完全に被覆する大きさに成形される。例えば、排気流路92a、92bの底面と同様のベルト状に成形され、排気流路92a、92bの底面に敷き詰められる。
【0027】
触媒体100は、単セルから排気されたガスを酸化する酸化触媒を含み、多孔質体であることが好ましい。例えば、触媒が中空繊維形状に成形されて三次元的に配置されている多孔質体、触媒がスポンジ形状のキャリアに保持された多孔質体、或いは、ハニカム触媒などを用いることができる。
【0028】
酸化触媒には、一酸化炭素を酸化する触媒が用いられる。具体的には、CuO/MnO系触媒、Fe2O3/MnO系触媒、Au触媒、Au/Fe2O3系触媒、Au/TiO2系触媒、Pd触媒、Pd/Al2O3系などを用いることができるが、比較的低温において酸化活性を有する触媒が好ましい。好ましくは、200℃以下で酸化活性を有するパラジウムのような触媒、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは50℃以下で酸化活性を有する、Au/Fe2O3、Au/TiO2のよう金ナノ粒子触媒が用いられる。
【0029】
ここで、金ナノ粒子触媒とは、ナノサイズの金粒子を金属酸化物に担持した触媒を指す。金ナノ粒子触媒の金粒子の平均粒子径は、金原子のサイズ以上から25nm程度以下であり、好ましくは1〜10nm程度である。金粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡法による測定値である。
【0030】
金粒子を担持する金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化ランタン、酸化チタン、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化スカンジウム、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、及び酸化ケイ素からなる群から選ばれる単一金属の金属酸化物;亜鉛、鉄、銅、ランタン、チタン、コバルト、ジルコニウム、マグネシウム、ベリリウム、ニッケル、クロム、スカンジウム、カドミウム、インジウム、スズ、マンガン、バナジウム、セリウム、アルミニウム、及びケイ素からなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物等を用いることができる。上記した単一金属の金属酸化物及び複合酸化物は、必要に応じて混合して用いることも可能である。
【0031】
金ナノ粒子触媒は、さらに、アルカリ性多孔質体粉末と共存させて用いても良い。金ナノ粒子触媒とアルカリ性多孔質体粉末と共存させることにより、反応前及び反応中の活性劣化を抑制することができる。金ナノ粒子触媒とアルカリ性多孔質体とを混合して用いるか、又は、金ナノ粒子触媒がアルカリ性多孔質体に担持された状態で用いることができる。
【0032】
アルカリ性多孔質体とは、アルカリ成分を担持した多孔質体であっても、それ自身アルカリ性を呈する多孔質体であっても良い。アルカリ成分は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、及び炭酸塩であってよい。具体的には、MgO、CaO、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Na2CO3、K2CO3等が例示される。多孔質体は、粉末状、繊維状、スポンジ状、ハニカム状などいずれの形態でも良い。多孔質体として具体的には、活性炭、カーボンブラック、ゼオライト、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン等が例示される。アルカリ性多孔質体がそれ自身アルカリ性を呈する多孔質体である場合、具体例としては、高純度超微粉末マグネシア(宇部マテリアルズ(株)製)が例示される。アルカリ性多孔質体の形態は、その使用目的に応じて適宜選択可能であるが、粉末、顆粒状等のものが挙げられる
上記の金ナノ粒子触媒は、触媒被毒物質が共存しなければ、長期間使用することができ、また、広いCO濃度において酸化活性を有するため好適に用いることができる。
【0033】
酸化触媒は、触媒を単体で用いてもよいが、担体に担持された担持触媒を用いてもよい。担持触媒は、これに限定されないが、例えば、発泡ウレタン樹脂にカーボンなどの導電体を塗布し、触媒を電気メッキした後に、加熱してウレタン樹脂を分解除去するか、触媒微粒子及びバインダー等からなるスラリーを発泡ウレタン樹脂に含浸し、乾燥した後、水素雰囲気中で還元焼結することによって製造することができる。
【0034】
酸化触媒及び担持触媒は、例えば、粉末状、顆粒状、ビーズ状、繊維状等何れの形態であっても良く、また、ペレット状に成形されても良い。
【0035】
触媒体100として使用できる、触媒が中空繊維形状に成形されて三次元的に配置されている多孔質体は、例えば、次のように製造することができる。まず、適切な溶剤に、触媒粒子とバインダーを混合してスラリーを調製する。このスラリーを、不織布のような焼結性の基質に塗布し、次いで、加熱することにより、基質を燃やすとともにバインダーを分解除去する。バインダーは、熱分解時に発泡しない高分子が好適に用いられる。例えば、PVdF、PP、ポリメチルペンテンなどを用いることができる。溶剤としては、NMP又は水を使用することができる。水を使用する場合は分散材としてCMCを添加することが好ましい。
【0036】
単セル12の異常モード等により外装容器30内にガスが発生し、外装容器内の内圧が所定の値以上に上昇した際、安全弁36が開放し、この安全弁36を通してガスが外部に放出される。この場合、放出されたガスは、第1の排気孔57を通って対応する排気流路92a、92bのいずれかに排出される。そして、ガスの排出により排気流路92a、92b内の圧力が上昇すると、逆止弁96a、96bが開放され、排気流路内のガスが第2の排気孔94a、94bを通して外部に排出される。この時、単セル12から放出されたガスは、触媒体100と接触することによって酸化され、例えば一酸化炭素が含まれていても二酸化炭素に酸化される。
【0037】
実施形態に係る二次電池装置200では、逆止弁96a、96bによって閉じられている排気流路内に酸化触媒が設置されるため、触媒の被毒が抑制され、触媒活性を高く維持することができ、一酸化炭素の除去能力に優れている。また、単セル12から放出されたガスは、一旦逆支弁96a、96bによって閉じられている排気流路内に閉じ込められるため、触媒反応の効率が高くなり、触媒量を低減できる。また、触媒反応の効率が高いため、単セル12から放出されたガスの温度が低温であった場合でも一酸化炭素の除去能力を発揮することができる。
【0038】
図2、図4、図10に示すように、アッパーケース18の上面には、それぞれ周壁18aと仕切り壁60aとの間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、周壁18a及び仕切り壁60aとほぼ同一の高さに形成されている。これらの周壁18a、仕切り壁60a、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ3つのバスバー装着室64a、64b、64cが区画されている。収容部材10において、出力端子24、26が設けられている側の側壁を前端壁10a、反対側の側壁を後端壁10bとした場合、前端壁10a側から順に、バスバー装着室64a、64b、64cが並んでいる。
【0039】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室64aには、正極端子32a用の3つの透孔56aが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。バスバー装着室64aにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。各保持リブ66は、隣合う透孔56aの間に形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0040】
真ん中のバスバー装着室64b及び後端壁10b側のバスバー装着室64cのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、負極端子32b用の3つの透孔56b及び正極端子32a用の3つの透孔56aが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室64b、64cにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0041】
真中のバスバー装着室64b及び後端壁10b側のバスバー装着室64cのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、負極端子32b用の3つの透孔56b及び正極端子32a用の3つの透孔56aが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室64b、64cにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0042】
アッパーケース18の上面には、それぞれ仕切り壁60aとセンターリブ61との間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、センターリブ61及び仕切り壁60aとほぼ同一の高さに形成されている。これらの仕切り壁60a、センターリブ61、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ2つのバスバー装着室68a、68bが区画され、更に、仕切り壁60a、周壁18a、仕切り壁62により、アッパーケース18の幅方向に延びるバスバー装着室70が区画されている。前端壁10a側から順に、バスバー装着室68a、68b、70が並んでいる。
【0043】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室68a及び真中のバスバー装着室68bのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、負極端子32b用の3つの透孔56b及び正極端子32a用の3つの透孔56aが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室68a、68bにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0044】
アッパーケース18の上面には、それぞれ仕切り壁60bとセンターリブ61との間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、周壁18a及び仕切り壁60aとほぼ同一の高さに形成されている。これらの仕切り壁60b、センターリブ61、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ2つのバスバー装着室72a、72bが区画され、更に、仕切り壁60b、周壁18a、仕切り壁62により、アッパーケース18の幅方向に延びる前述のバスバー装着室70が区画されている。前端壁10a側から順に、バスバー装着室68a、68b、70が並んでいる。
【0045】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室72a及び真中のバスバー装着室72bのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、正極端子32a用の3つの透孔56a及び負極端子32b用の3つの透孔56bが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室72a、72bにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0046】
図2及び図11に示すように、バスバー装着室70には、正極端子32a用の3つの透孔56a及び負極端子32b用の3つの透孔56bが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んで、かつ、バスバー装着室72bの透孔56bと一列に並んで配置されている。バスバー装着室70において、負極端子32b用の3つの透孔56bは、正極端子32a用の3つの透孔56aに対してアッパーケース18の幅方向に並んで位置している。負極端子32b用の3つの透孔56bは、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んで、かつ、バスバー装着室68bの透孔56aと一列に並んで配置されている。
【0047】
バスバー装着室70において、アッパーケース18の上面に保持リブ67が突設されている。保持リブ67は、隣合う透孔56a、56bの間に形成され、アッパーケース18の長手方向に延びている。保持リブ67は、周壁18a及び仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0048】
図2、図4に示すように、アッパーケース18の上面には、それぞれ周壁18aと仕切り壁60bとの間を延びる2つの仕切り壁62が立設されている。仕切り壁62は、周壁18a及び仕切り壁60bとほぼ同一の高さに形成されている。これらの周壁18a、仕切り壁60b、仕切り壁62により、アッパーケース18の長手方向に並んだ3つのバスバー装着室74a、74b、74cが並んでいる。
【0049】
前端壁10a側に位置したバスバー装着室74aには、負極端子32b用の3つの透孔56bが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。バスバー装着室74aにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56bの間に形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0050】
真ん中のバスバー装着室74b及び後端壁10b側のバスバー装着室74cのそれぞれには、前端壁10a側から順番に、正極端子32a用の3つの透孔56a及び負極端子32b用の3つの透孔56bが開口し、アッパーケース18の長手方向に沿って一定の間隔を置いて並んでいる。各バスバー装着室74a、74bにおいて、アッパーケース18の上面に複数の保持リブ66が突設されている。保持リブ66は、隣合う透孔56a、56bの間にそれぞれ形成され、アッパーケース18の幅方向に延びている。各保持リブ66は、仕切り壁62よりも低い高さに形成されている。
【0051】
上記のようにアッパーケース18に形成された複数のバスバー装着室には、図2、図4に示すように、それぞれバスバーが装着され、単セル12の電極端子に接続されている。本実施形態において、接続金具としてのバスバーは、4種類のものを用いている。即ち、図2、図4、図10、図11、図12に示すように、3つの単セル12の正極端子32aを接続するとともに一端に正極側出力端部を有する正極バスバー76、3つの単セル12の負極端子32bを接続するとともに一端に負極側出力端部を有する負極バスバー77、それぞれ6つの単セル12の電極端子同士を接続する8つの共通バスバー78、及び、3つのバスバーを連結したバスバーユニット80を備えている。これらのバスバー76、77、78及びバスバーユニット80は、導電材料、例えば、アルミニウム等からなる金属板を折り曲げ成形して形成されている。
【0052】
図12(a)に示すように、正極バスバー76は、細長いほぼ矩形板状に形成され、それぞれ単セル12の正極端子32aが係合する矩形状の3つの正極開口82aを有している。3つの正極開口82aは、所定の間隔を置いて、正極バスバー76の長手方向に並んで設けられている。正極バスバー76において、隣合う正極開口82a間に位置する部分は、それぞれほぼU字状に折曲げられ、正極バスバーの長手方向に弾性変形可能な折曲げ部84を形成している。各折曲げ部84には、正極バスバーの長手方向に弾性変形可能な折曲げ部84を形成している。各折曲げ部84には、正極バスバー76の長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、正極バスバー76はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。
【0053】
正極バスバー76の長手方向一端縁76aは、正極端子側であることを示す形状、例えば、円弧状に形成されている。長手方向の他端部は、クランク上に折曲げられ、正極側出力端部76bを形成している。正極バスバー76は、その一側縁から突出する接続片76cを一体に有している。
【0054】
図12(b)に示すように、負極バスバー77は、細長いほぼ矩形板状に形成され、それぞれ単セル12の負極端子32bが係合する矩形状の3つの負極開口82bを有している。3つの負極開口82bは、所定の間隔を置いて、負極バスバー77の長手方向に並んで設けられている。負極バスバー77において、隣合う負極開口82b間に位置する部分は、それぞれほぼU字状に折曲げられ、正極バスバーの長手方向に弾性変形可能な折曲げ部84を形成している。各折曲げ部84には、負極バスバー77の長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、負極バスバー77はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。
【0055】
負極バスバー77の長手方向一端縁77aは、負極端子側であることを示す形状、例えば、台形状に形成されている。長手方向の他端部は、クランク状に折曲げられ、負極側出力端部77bを形成している。負極バスバー77は、その一端縁から突出する接続片77cを一体に有している。
【0056】
図10及び図12(c)に示すように、各共通バスバー78は、細長いほぼ矩形板状に形成され、それぞれ単セル12の正極端子32aが係合する矩形状の3つの正極開口82aと、それぞれ単セル12の負極端子32bが係合する矩形状の3つの負極開口82bと、を有している。なお、正極端子32a及び負極端子32bに対応して、正極開口82aは、負極開口82bよりも僅かに大きな矩形状に形成されている。3つの正極開口82a及び3つの負極開口82bは、共通バスバー78の長手方向に所定の間隔を置いて並んで設けられている。この際、正極開口82aは3つ連続して並んで形成され、負極開口82bは3つ連続して配列されている。
【0057】
図2、図4、図9、図10、図11に示すように、共通バスバー78において、隣合う開口間に位置する部分は、それぞれほぼU字状に折曲げられ、共通バスバーの長手方向に弾性変形可能な折曲げ部84を形成している。各折曲げ部84には、共通バスバーの長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、共通バスバー78はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組み合わせ誤差等をある程度、吸収することができる。共通バスバー78は、一側縁から突出する接続片78aを一体に有している。
【0058】
共通バスバー78において、正極開口82aが形成されている側の一端縁78aと、負極開口82bが形成されている側の他端縁78bとは、互いに異なる形状に形成されている。例えば、正極開口82a側の一端縁78aは、正極側であることを示す円弧状に形成され、負極開口82bが形成されている側の他端縁78bは、負極側であることを示す台形状に形成されている。このように両端縁の形状を相違させることにより、共通バスバー78の正極側の端と負極側の端とを容易に見分けることができ、共通バスバー78をアッパーケース18に装着する際、共通バスバーを容易に正しい向きに装着することが可能となる。
【0059】
上記のように構成された正極バスバー76、負極バスバー77、共通バスバー78は、それぞれ対応するバスバー装着室に装着され、単セル12の電極端子に接続されている。図2に示すように、正極バスバー76は、正極出力端子24に隣接するバスバー装着室64aに装着されている。正極バスバー76は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室64aに突設された保持リブ66と係合させることにより、バスバー装着室64aに対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、正極バスバー76の正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれに対応する透孔56aと整列して位置している。
【0060】
正極バスバー76の3つの正極開口82aに単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合し、レーザー溶接等により正極バスバー76に溶接されている。溶接は、レーザー溶接に代えて電子ビーム溶接や抵抗溶接を用いてもよい。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、正極バスバー76により互いに電気的に接続されている。正極バスバー76の正極側出力端部76aは、アッパーケース18の周壁18a上部に係合しているとともに、収容部材10の前端壁10a側に露出している。
【0061】
負極バスバー77は、負極出力端子26に隣接するバスバー装着室74aに装着されている。負極バスバー77は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室74aに突設された保持リブ66と係合させることにより、バスバー装着室74aに対して所定位置に位置決めされた状態で保持されて入る。これにより、負極バスバー77の負極開口82bは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56bと整列して位置している。負極バスバー77の3つの負極開口82bに単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合し、レーザー溶接等により負極バスバー77に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、負極バスバー77により互いに電気的に接続されている。負極バスバー77の負極側出力端部77aは、アッパーケース18の周壁18a上部に係合しているとともに、収容部材10の前端壁10a側に露出している。
【0062】
図2、図10に示すように、8つの共通バスバー78は、正極バスバー76と一列に並んだバスバー装着室64b、64c、隣の列のバスバー装着室68a、68b、さらに、隣の列のバスバー装着室72a、72b、負極バスバー77と一列に並んだバスバー装着室74b、74cにそれぞれ装着されている。
【0063】
バスバー装着室64b、64c、隣の列のバスバー装着室68a、68bに装着された共通バスバー78は、それぞれ負極側の端縁78bが収容部材10の前端壁10a側を向いた状態で配置されている。これらの共通バスバー78は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室に突設された保持リブ66と係合させることにより、各バスバー装着室に対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、共通バスバー78の負極開口82b及び正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれに対応する透孔56b、透孔56aと整列して位置している。
【0064】
共通バスバー78の3つの負極開口82bに単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合した状態で、負極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、共通バスバー78により互いに電気的に接続されている。また、共通バスバー78の3つの正極開口82aに、隣接するセルユニットCの単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合した状態で、各正極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、共通バスバー78により互いに電気的に接続され、更に、隣のセルユニットCの単セル12の負極端子32bと電気的に接続されている。
【0065】
バスバー装着室72a、72b、隣の列のバスバー装着室74b、74cに装着された共通バスバー78は、それぞれ正極側の端縁78aが収容部材10の前端壁10a側を向いた状態で配置されている。これらの共通バスバー78は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室に突設された保持リブ66と係合させることにより、各バスバー装着室に対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、共通バスバー78の負極開口82b及び正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56b、透孔56aと整列して位置している。
【0066】
共通バスバー78の3つの正極開口82aに単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合した状態で、各正極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、共通バスバー78により互いに電気的に接続されている。また、共通バスバー78の3つの負極開口82bに、隣のセルユニットCの単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合した状態で、各負極端子が共通バスバー78に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、共通バスバー78により互いに電気的に接続され、更に、隣のセルユニットCの単セル12の正極端子32aと電気的に接続されている。
【0067】
一方、図2、図11に示すように、バスバーユニット80は、それぞれ矩形板状の3つのバスバー86を互いに連結して構成されている。各バスバー86は、長手方向の一端部に形成された正極開口82a及び長手方向他端部に形成された負極開口82bを有している。これら正極開口82aと負極開口82bとの間の部分は、U字形状に折曲げられ、折曲げ部84を形成している。折曲げ部84には、バスバー86の長手方向に延びるスリットが形成されている。これら折曲げ部84の弾性変形により、バスバー86はその長手方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。
【0068】
3つのバスバー86は、幅方向に隙間を置いて並んで設けられ、折曲げ部84同士が整列して、かつ、正極開口82a及び負極開口82bが2列に平行に並んでいる。そして、隣合う折曲げ部84がブリッジ部88により互いに連結されている。これにより、3つのバスバー86が互いに連結され、1つのユニットとして取り扱うことができる。また、各ブリッジ部88の弾性変形により、バスバー86はその幅方向に沿って変位可能であり、この方向における製造誤差、組合せ誤差等をある程度、吸収することができる。1つのバスバー例えば、真ん中のバスバー86は、その正極側の端縁から突出する接続片86bを一体に有している。
【0069】
バスバーユニット80は、アッパーケース18のバスバー装着室70に装着されている。バスバーユニット80は、各折曲げ部84の開口側をバスバー装着室70に突設された保持リブ67と係合させることにより、バスバー装着室70に対して所定位置に位置決めされた状態で保持されている。これにより、各バスバー86の正極開口82aは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56aと整列し、負極開口82bは、アッパーケース18側のそれぞれ対応する透孔56bと整列して位置している。
【0070】
3つのバスバー86の3つの正極開口82aに単セル12の正極端子32aがそれぞれ係合し、レーザー溶接等によりバスバー86に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の正極端子32aは、バスバーユニット80により互いに電気的に接続されている。また、3つのバスバー86の3つの負極開口82bに、隣のセルユニットCの単セル12の負極端子32bがそれぞれ係合し、各負極端子がバスバー86に溶接されている。これにより、1セルユニットCにおける3つの単セル12の負極端子32bは、バスバーユニット80により互いに電気的に接続され、さらに、隣のセルユニットCの単セル12の正極端子32aと電気的に接続されている。
【0071】
図1、図2、図13に示すように、収容部材10の前端壁10aの外面側に、矩形板状のターミナルベース22が取り付けられている。ターミナルベース22には、正極出力端子24及び負極出力端子26が取り付けられている。負極出力端子26は、ステンレス等により板状に形成された端子ベース26aと、銅等の高い導電性を有する金属により形成され、端子ベース26aに重ねて配置された板状の導電端子26bと、を有している。
【0072】
端子ベース26aの中央下部には、接続部として機能するスタッドボルト26cが立設されている。端子ベース26aの周縁部には、例えば、3つのねじ孔が形成され、また、端子ベース26aの上端部に2つのねじ孔107が並んで形成されている。導電端子26bは、スタッドボルト26cが挿通される透孔108、下端部に形成された透孔109、及び上端部にそれぞれ形成された2つの透孔110を有している。
【0073】
導電端子26bは、透孔108にスタッドボルト26cが挿通された状態で、端子ベース26aに重ねて配置され、また、透孔109に挿通されたねじにより端子ベース26aにねじ止め固定されている。導電端子26bの透孔110は、端子ベース26aのねじ孔107とそれぞれ整列している。
【0074】
導電端子26bが固定された端子ベース26aは、ターミナルベース22の内面側に配置され、ターミナルベース22の外面側から挿通された2本のねじにより、ターミナルベース22にねじ止め固定されている。これにより、導電端子26bは、端子ベース26aとターミナルベース22との間に挟まれている。スタッドボルト26cは、ターミナルベース22に形成された開口112を通して外方に突出している。導電端子26bにおいて、スタッドボルト26cの周囲に位置する部分は、開口112を通して、外側に露出している。透孔110を含む導電端子26bの上端部は、ターミナルベース22の上端部に形成された開口114を通して外方に露出している。
【0075】
正極出力端子24も負極出力端子26と同様に構成されている。即ち、正極出力端子24は、端子ベース24a及びこれに重ねて固定された導電端子24bを有し、端子ベース24aがターミナルベース22の内面側にねじ止め固定されている。接続部として機能する端子ベース24aのスタッドボルト24cは、ターミナルベース22に形成された開口116を通して外方に突出し、また、導電端子24bにおいて、スタッドボルト24cの周囲に位置する部分は、開口116を通して、外側に露出している。透孔118を含む導電端子24bの上端部は、ターミナルベース22の上端部に形成された開口120を通して外方に露出している。
【0076】
正極出力端子24及び負極出力端子26が取付けられたターミナルベース22は、例えば複数のねじにより、収容部材10の前端壁10aにねじ止め固定され、収容部材10の全面に密着している。正極出力端子24は、ターミナルベース22と収容部材10の全面との間に挟持され、また、正極出力端子24の上端部は、正極バスバー76の正極側出力端部76bと収容部材10前面との間に差し込まれ、正極側出力端部76bと重なって位置している。そして、この正極出力端子24の上端部は、正極バスバー76の正極側出力端部76bに形成された一対の透孔及び導電端子24bの透孔118を通して端子ベース24aにねじ込まれた一対のねじにより、正極側出力端部76bにねじ止め固定されている。これにより、正極出力端子24は、正極バスバー76に電気的及び機械的に接続されている。
【0077】
負極出力端子26の上端部は、負極バスバー77の負極側出力端部77bと収容部材10前面との間に差し込まれ、負極側出力端部77bと重なって位置している。そして、この負極出力端子26の上端部は、負極バスバー77の負極側出力端部77bに形成された一対の透孔及び導電端子26bの透孔110を通して端子ベース26aにねじ込まれた一対のねじにより、負極側出力端部77bにねじ止め固定されている。これにより、負極出力端子26は、負極バスバー77に電気的及び機械的に接続されている。
【0078】
上記のように、正極出力端子24及び負極出力端子26は、共通のターミナルベース22に取付ける構成とすることにより、組立性の向上を図ることができる。また、正極出力端子24及び負極出力端子26のそれぞれは、バスバーと導電端子との間にターミナルベース22に固定された端子ベースを介在させ、この端子ベースに接続用のスタットボルトを設けた構成とすることにより、出力用のハーネス等をスタットボルトに脱着する際、導電端子及びバスバーに作用する負荷を低減することができる。これにより、導電端子及びバスバーの変形、損傷等を防止することが可能となる。
【0079】
図1及び図2に示すように、トップカバー20は、収容部材10の平面形状とほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、アッパーケース18の複数のバスバー装着室を覆って設けられている。トップカバー20は、その周縁部及び中央部が、アッパーケース18の周壁及びセンターリブに例えばねじにより固定され、アッパーケース19に液密に接合されている。
【0080】
以上の実施形態によれば、電池の安全弁が開放されて排気ガスが発生した場合でも安全性の高い二次電池装置を提供することができる。
【0081】
さらに、本実施形態の変形例として、排気流路が単セルから離れて設置されていてもよい。この場合、単セルの安全弁と排気流路とを連結する配管を設置する。例えば、排気流路部分と、該排気流路部分と安全弁とを連結する配管部分とを含むT字管状の配管を設置してもよい。この場合、触媒体は、該排気流路部分と安全弁とを連結する配管部分に設置してもよく、排気流路部分に設置してもよく、或いは何れにも設置してもよい。
【0082】
本実施形態のさらなる変形例として、排気流路を単セル毎に設置してもよい。そのような排気流路は、それぞれ各単セルの安全弁と収容部材外部とを連結し、例えば逆止弁により閉じられている。各単セルから延びた排気流路は、収容部材内で、又は収容部材外で集約されて集合管を形成してもよい。この場合、触媒体は、各排気流路内に設置してもよく、集合管の部分に設置してもよい。集合管の部分に触媒体を設置する場合、より低コストで、より簡便に触媒体を設置することができる。
【0083】
以上のような変形例は、単セルを任意の配列に設置することができるという利点を有する。
【0084】
またさらに、第1実施形態で説明した態様と、上記2つの変形例とを組合せて使用することもできる。
【0085】
なお、上記何れの態様においても、単セルに設置される安全弁は、正負極端子と同じ面に備えられる場合に限定されず、正負極端子と異なる面に安全弁を備えてもよい。例えば、単セルの底面又は短側面に備えることが好ましい。また、安全弁の設置箇所が異なる単セルを組合せて用いてもよい。また、各単セルに複数の安全弁を備えてもよい。
【0086】
また、上記第1実施形態においては、収容部材が、箱状の収容ケースと天井壁を構成するアッパーケースと、トップカバーから構成されたが、これに限定されない。例えば、収容部材は、底壁を構成するロワーケースと、ロワーケースに対向して設けられ天井壁を構成するアッパーケースと、ロワーケースとアッパーケースの間に接合される枠状のセンターケースと、トップカバーから構成されてもよい。収容部材がより多くの部材に分割されており、これを組立てて構成されることにより、収容部材内部の体積を有効利用することができる。なお、トップカバーは任意の構成であり、トップカバーを含まない収容部材を用いることもできる。
【0087】
(第2実施形態)
第2の実施形態に係る二次電池装置では、第1の実施形態の二次電池装置における触媒体の設置方法を変更すること以外は、第1の実施形態と同様の構成を有する。
【0088】
図14は、図9と同様に二次電池装置の断面を示す図である。本実施形態の二次電池装置は、排気流路92a、92b内に触媒体101が充填される。触媒体101は、第1実施形態で詳細に説明された触媒体と同様のものを使用できる。触媒体101は、排気流路92a、92bの内部形状とほぼ同一形状に形成され、流路内部に詰め込まれる。
【0089】
単セル12の異常モード等により外装容器30内にガスが発生し、外装容器内の内圧が所定の値以上に上昇した際、安全弁36が開放し、この安全弁3を通してガスが外部に放出される。この場合、放出されたガスは、第1の排気孔57を通って対応する排気流路92a、92bのいずれかに排出される。そして、ガスの排出により排気流路92a、92b内の圧力が上昇すると、逆止弁96a、96bが開放され、排気流路内のガスが第2の排気孔94a、94bを通して外部に排出される。この時、単セル12から放出されたガスは、第2の排気孔94a、94bを通して外部に排出されまで触媒体101を通過するため、ガスが触媒体101とより長く接触する。よって、一酸化炭素などのガスがより確実に酸化される。
【0090】
以上の実施形態によれば、電池の安全弁が開放されて排気ガスが発生した場合でも安全性の高い二次電池装置を提供することができる。
【0091】
(第3実施形態)
第3の実施形態に係る二次電池装置では、排気流路の形状と触媒体の設置方法を変更すること以外は、第1の実施形態と同様の構成を有する。
【0092】
図15に示すように、第3の実施形態の二次電池装置300は、排気流路92a、92bの一部が収容部材10の外部に延出した延出部98a、98bを有する。延出部98a、98bの端部は、逆止弁99a、99bにより閉じられている。
【0093】
排気流路92a、92bの延出部98a、98bの内部には触媒体が設置される。触媒体は、排気流路92a、92bの延出部98a、98bの内部の少なくとも一部分に充填され、延出部98a、98bを通って外部に放出されるガスが必ず触媒体を通過するように設置される。
【0094】
排気流路92a、92bの延出部98a、98bの長さは、二次電池装置の使用状況により適宜選択されてよい。例えば、車載用の二次電池装置では、延出部98a、98bの端部が車外に連通するよう配管し、単セル12から放出されたガスが車外に排出されるようにしてもよい。
【0095】
例えば車載用の二次電池装置では、図16に示すように、複数の二次電池装置300を組合せて用いてもよい。その場合は、それぞれの二次電池装置の排気流路92a、92bの延出部98a、98bを集合管104に連結し、単セル12から放出されたガスを集約して車外に排出してもよい。触媒体は、延出部98a、98bの内部に設置してもよく、集合管104の内部に設置してもよい。集合管104は端部が車外に連通するよう配管され、単セル12から放出されたガスは車外に排出される。集合管104の端部は逆止弁106により閉じられている。
【0096】
排気流路92a、92bの延出部98a、98b内、又は、集合管104内に触媒体を設置することにより、例えば単セル12の安全弁36が開放されて単セル12内部の非水電解液などが排気流路92a、92bに飛び出すなどした場合でも、触媒体が劣化することを防ぐことができる。また、触媒体の設置箇所が収容部材10の外部であるため、より簡便に触媒体を設置することができる。また、車載用の二次電池装置の場合、車外に一酸化炭素などのガスが排出されないため、トンネルなどの狭い空間であっても安全性を高めることができる。
【0097】
さらに、他の変形例として、集合管がそれぞれの二次電池装置と、排気流路の延出部を介さずに直接連通していてもよい。或いは、それぞれの二次電池装置の排気流路の延出部が集合されずに個別に車外に連通していてもよい。この場合、二次電池装置を任意の配列に設置することができるという利点を有する。
【0098】
なお、上記何れの態様においても、排気流路の延出部及び集合管は、二次電池装置の任意の面に設置することができる。
【0099】
以上の実施形態によれば、電池の安全弁が開放されて排気ガスが発生した場合でも安全性の高い二次電池装置を提供することができる。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0101】
例えば、セルユニットを構成する単セルは3つに限らず、2つ或いは4つ以上としてもよい。また、セルユニットは、10個に限らず、必要に応じて増減可能である。各単セルの正極端子及び負極端子は、角柱形状に限らず、円柱形状等の他の形状としてもよい。バスバーの形状及び材質、また、収容部材の形状、材質は、前述した実施形態に限らず、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0102】
10…収容部材、12…単セル、14…収容ケース、18…アッパーケース、20…トップカバー、22…ターミナルベース、24…正極出力端子、26…負極出力端子、24a、26a…端子ベース、24b、26b…導電端子、24c、26c…スタッドボルト、30…外装容器、32a…正極端子、32b…負極端子、35…シール材、56a、56b…透孔、57…第1の排気孔、60a、60b…仕切り壁、62…仕切り壁、66…支持リブ、64a、64b、64c、68a、68b、70、72a、72b、74a、74b、74c…バスバー装着室、76…正極バスバー、77…負極バスバー、78…共通バスバー、80…バスバーユニット、82a…正極開口、82b…負極開口、84…折曲げ部、92a、92b…排気流路、94a、94b…第2の排気孔、96a、96b…逆止弁、98a、98b…排気流路延出部、100、101…触媒体、104…集合管。200、300…二次電池装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する収容ケースと、前記収容ケースの開口部に取り付けられるアッパーケースと、を有する収容部材と、
それぞれ安全弁を有し、前記収容部材内に並んで収容された複数の単セルと、
前記アッパーケースに形成され、前記複数の単セルのそれぞれの前記安全弁に対向する複数の第1の排気孔と、
前記アッパーケースに形成され、前記複数の第1の排気孔と連通する排気流路と、
前記単セルの前記安全弁から排気されたガスを酸化する酸化触媒と、を備える二次電池装置。
【請求項2】
前記酸化触媒が、前記排気流路内に配置される、請求項1に記載の二次電池装置。
【請求項3】
前記排気流路内において前記複数の第1の排気孔のそれぞれが前記酸化触媒を含む多孔質体により被覆されている、請求項2に記載の二次電池装置。
【請求項4】
前記排気流路の内部が前記酸化触媒で充填されている、請求項3に記載の二次電池装置。
【請求項5】
前記酸化触媒は一酸化炭素を酸化する触媒である、請求項4に記載の二次電池装置。
【請求項6】
前記排気流路の一部が前記収容部材の外部に延出した延出部を有し、前記延出部に前記酸化触媒が配置される、請求項2に記載の二次電池装置。
【請求項7】
前記酸化触媒は一酸化炭素を酸化する触媒である、請求項6に記載の二次電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−49038(P2012−49038A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191363(P2010−191363)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】