説明

二重成型品、二重成型品の製造方法、および電池モジュール

【課題】保護用ゲルの流出を防止した二重成型品であって、生産性に優れた二重成型品を提供する。
【解決手段】第1および第2の電気的接続用端子を有する一次成型体3と、一次成型体3をインサート部材として樹脂でインサート成型して作製された二次成型体1とを有し、二次成型体1の一方の側には第1の凹部90が、他方の側には第2の凹部11がそれぞれ形成され、第1の凹部90には、第1および第2の電気的接続用端子の接続部が露出し、それら接続部同士を電気的に接続する接続導体7が配置されるとともにゲル9が充填され、第2の凹部11は、一次成型体3の一方の電気的接続用端子の接続部とは反対側の面を底面とするように設けられ、第2の凹部11の底面を囲むように二重円筒部33が一次成型体3の反対側の面から立設され、二重円筒部33は樹脂覆い部13により覆われていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサート成型された電気的接続用端子を有する一次成型体をインサート成型して作製される二重成型品に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的接続用端子を樹脂でインサート成型した成型品において、端子部分を保護するためにゲルが用いられることがある(例えば、特許文献1)。また、電気的接続用端子を樹脂でインサート成型した一次成型体をインサート部材としてインサート成型する二重成型品が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−116639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二重成型品における端子部分などを保護するためにゲルを用いる場合、一次成型体と二次成型体との界面にゲルが浸透して、二重成型品の表面から流出するという問題点があった。
【0005】
なお、上記特許文献1では、成型とは別の工程で、端子とボンディングワイヤとの接合部を含む領域を比較的硬度の高い封止樹脂や接着剤で覆うことにより、端子と樹脂の界面を封止する技術が提案されている。しかしながら、特許文献1の提案のように、二重成型品における界面を塞ぐように封止樹脂等を塗布する場合、封止樹脂等の硬化工程が必要となるため生産効率が低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明による二重成型品は、接続部同士を所定間隔をあけて配置した第1および第2の電気的接続用端子をインサート部材として樹脂でインサート成型して作製された一次成型体と、一次成型体をインサート部材として樹脂でインサート成型して作製された二次成型体とを有し、二次成型体の一方の側には第1の凹部が、二次成型体の他方の側には第2の凹部がそれぞれ形成され、第1の凹部には、第1および第2の電気的接続用端子の接続部が露出し、それら接続部同士を電気的に接続する接続導体が配置されるとともにゲルが充填され、第2の凹部は、一次成型体の一方の電気的接続用端子の接続部とは反対側の面を底面とするように設けられ、第2の凹部の底面を囲むように、多重円筒部を構成する内側円筒部と、内側円筒部と同心となる少なくとも一つ以上の外側円筒部とが一次成型体の反対側の面から立設され、内側円筒部および外側円筒部は樹脂覆い部により覆われていることを特徴とする。
【0007】
請求項6の発明による二重成型品の製造方法は、第1および第2の電気的接続用端子をインサート部材として樹脂でインサート成型する一次成型工程と、縦型成型機の上型に設けられる凸部に一次成型体の上部に設けられる凹部を嵌め合わせることによって、上型により一次成型体を保持させる一次成型体保持工程と、縦型成型機の上型を下降させ、または、下型を上昇させることで、上型と下型とを接近させて、縦型成型機の下型から上方に向かって立設される当接凸部を一次成型体において下方に立設される有底多重円筒部の中心底部に当接させることにより、当接凸部によって一次成型体の一部を下型から浮かせて保持させる工程と、一次成型体をインサート部材として、上型と下型との空隙に樹脂を充填する樹脂充填工程と、充填した樹脂を冷却して硬化させることで二次成型体を形成する冷却工程と、縦型成型機から二次成型体を離型する離型工程と、第1の電気的接続用端子と第2の電気的接続用端子とを接続導体により電気的に接続する端子接続工程と、ゲルを一次成型体の凹部を囲むように二次成型体の上部に設けられる囲い壁の内側に充填するゲル充填工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
請求項7の発明による電池モジュールは、複数の蓄電池と、複数の蓄電池を収納する筐体と、複数の蓄電池を電気的に接続するための複数の導電部材と、複数の蓄電池のそれぞれの電圧を検出するための電圧検出導体とを備え、筐体は、少なくとも、複数の蓄電池を両側から挟みこんで支持する一対のサイドプレートを有し、電圧検出導体は、サイドプレートと一体化されており、サイドプレートは、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二重成型品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゲルの流出を防止した二重成型品であって、生産性に優れた二重成型品を提供できるとともに、生産効率が高い二重成型品の製造方法を提供できる。その結果、二重成型品を備える電池モジュールを廉価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る電池モジュールの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電池モジュールの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るサイドプレートの外観斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るサイドプレートの断面図(図3のA−A断面図)である。
【図5】本発明の実施の形態に係るサイドプレートの底面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る一次成型体の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る一次成型体の底面図である。
【図8】縦型成型機に一次成型体をセットした状態を示す側面断面図である。
【図9】縦型成型機に二次成型体を成型するための樹脂を充填した状態を示す側面断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る二次成型体の断面図である。
【図11】従来の二重成型品を構成する二次成型体にゲルを塗布した状態の側面断面図である。
【図12】従来の二重成型品におけるゲルの流れを示す側面模式図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る二重成型品におけるゲルの流れを示す側面模式図および平面模式図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る二重成型品の円形開口にゲルが溜まった状態を示す側面模式図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る二重成型品を構成する二次成型体が収縮される状態を示す側面模式図である。
【図16】本発明の変形例に係る二重成型品の側面断面図である。
【図17】本発明の別の変形例に係る二重成型品と成型機の当接凸部とを示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による二重成型品を電池モジュールのサイドプレートに適用した実施の形態を図面を参照して説明する。
[電池モジュール]
図1および図2を参照して、リチウムイオンバッテリ装置に用いられる電池モジュール100の構成について説明する。図1は、電池モジュール100の外観を示す斜視図であり、図2は、電池モジュール100の分解斜視図である。電池モジュール100は、図示しない制御装置によって制御されて、電気エネルギーを蓄積および放出(直流電力を充放電)する。
【0012】
電池モジュール100は、ケーシング110(筐体、ハウジングあるいはパッケージと呼ぶ場合もある)と組電池120とから構成されている。組電池120は、ケーシング110の内部に収納されて保持されている。
【0013】
ケーシング110は、略六面体状のブロック筐体であり、具体的には、入口流路形成板111、出口流路形成板118、入口側案内板112、出口側案内板113、およびサイドプレート130,131の6個の部材の結合体を含んで構成されている。
【0014】
なお、以下の電池モジュール100の説明において、ケーシング110の長さが最も長い方向、および、冷却媒体入口114側から冷却媒体出口115側に至る方向を、長手方向と定義する。また、サイドプレート130,131が対向する方向、リチウムイオン電池セル140の中心軸方向を、短手方向と定義する。さらに、入口流路形成板111と出口流路形成板118とが対向する方向を、電池モジュール100の設置方向に関係なく高さ方向と定義する。
【0015】
ケーシング110の内部空間は、組電池120が収納される収納室として機能するとともに、組電池120を冷却するための冷却媒体(冷却空気)が流通する冷却通路として機能する。
【0016】
入口流路形成板111と入口側案内板112との間には、冷却媒体である冷却空気のケーシング110内部への導入口を構成する冷却媒体入口114が形成されている。冷却媒体入口114には、冷却空気を冷却媒体入口114まで導くための冷却媒体入口ダクト116が設けられている。入口流路形成板111と出口流路形成板118とは長手方向に互いにずれて配置されており、ケーシング110の入口側端部はステップ状に形成されている。
【0017】
出口流路形成板118と出口側案内板113との間には、冷却空気のケーシング110内部からの導出口を構成する冷却媒体出口115が形成されている。冷却媒体出口115には、冷却空気を冷却媒体出口115から外部に導くための冷却媒体出口ダクト117が設けられている。
【0018】
冷却媒体入口114は入口流路形成板111側に位置し、冷却媒体出口115は出口流路形成板118側に位置している。すなわち、冷却媒体入口114および冷却媒体出口115は、高さ方向(入口流路形成板111と出口流路形成板118との対向方向)に位置がずれている。
【0019】
入口流路形成板111、出口側案内板113、冷却媒体入口114および冷却媒体入口ダクト116は一体に形成され、出口流路形成板118、入口側案内板112、冷却媒体出口115および冷却媒体出口ダクト117は一体に形成されている。
【0020】
入口流路形成板111、出口流路形成板118、入口側案内板112、出口側案内板113、冷却媒体入口114および冷却媒体出口115と、サイドプレート130,131との結合は、ネジあるいはボルトもしくはリベットなどの固定手段(図示省略)により行われる。
【0021】
サイドプレート130,131は、ケーシング110の短手方向に対向する二つの側面を形成する略長方形の平板状部材である。サイドプレート130,131の詳細な構成については、後述する。
【0022】
カバー160は、鉄あるいはアルミニウムなどの金属板をプレス加工した平板、またはPBTなどの樹脂を成型して形成した平板であり、サイドプレート130の平面形状とほぼ同じ形状に構成されている。カバー160は、サイドプレート130の貫通孔132に対応する部位を含む領域がサイドプレート130とは反対側に一様に膨らんでいる。このため、サイドプレート130の外側、すなわち、組電池120の収納室を形成する内壁面とは反対側の外壁面と、カバー160の内壁面、すなわちサイドプレート130側の面の間には空間が形成される。
【0023】
この空間は、ガス排出空間としても利用されるほか、サイドプレート130に装着した導電部材であるバスバー150や電圧検出導体がカバー160と接触しない空間としても利用される。
【0024】
組電池120は、複数のリチウムイオン電池セル(蓄電池)140の集合体(リチウムイオン電池セル群)である。複数のリチウムイオン電池セル140は、ケーシング110の内部に形成された収納室に整列して収納されているとともに、短手方向における両側から一対のサイドプレート130,131により挟み込んで支持され、複数のバスバー(導電部材)150との接合によって電気的に直列に接続されている。
【0025】
電池モジュール100は、高電位側電池モジュールあるいは低電位側電池モジュールとして構成される。例えば、高電位側電池モジュール100と低電位側電池モジュール100とを電気的に直列に接続することで、すなわち、二つの電池モジュールによって蓄電モジュールが構成される(不図示)。蓄電モジュールは、蓄電モジュールを制御する制御装置とともに蓄電装置を構成する(不図示)。
【0026】
サイドプレート130の入口流路形成板111側の面の空気出口側には、強電系接続端子180,181が長手方向に並んで設けられている。接続端子180,181には、図示しない直流正極側入出力端子および負極側入出力端子がそれぞれ接続される。高電位側電池モジュール100の正極側入出力端子には正極側電源ケーブルの端子が接続され、負極側入出力端子には、SD(サービスディスコネクト)スイッチの一端側に電気的に接続されたケーブルの端子が接続される。低電位側電池モジュール100の正極側入出力端子には、SDスイッチの他端側に電気的に接続されたケーブルの端子が接続される。低電位側電池モジュール100の負極側入出力端子には負極側電源ケーブルの端子が接続される。SDスイッチは、蓄電装置の保守、点検の時の安全性を確保するために設けられた安全装置であり、スイッチとヒューズとを電気的に直列に接続した電気回路から構成され、サービスマンによって保守、点検時に操作される。
【0027】
[サイドプレート]
次に、図2〜図5を参照して、組電池120を両側から挟み込んで支持する一対のサイドプレート130,131の構成について説明する。
【0028】
サイドプレート130は、図2および図3に示すように、矩形平板状の挟持板部と接続端子部810とを有しており、挟持板部には16個の円形の貫通孔132が形成されている。貫通孔132は、筐体に収納される16本のリチウムイオン電池セル140の電極位置に対応して開口するように配置されている。したがって、組電池120がケーシング110内に収納されると、各貫通孔132は、対応するリチウムイオン電池セル140の端子面で塞がれる。リチウムイオン電池セル140の正負極は、サイドプレート130,131の貫通孔132と関連して配設されたバスバー150により互いに電気的に接続されている。
【0029】
図2に示すように、サイドプレート130の入口流路形成板111側の面の空気入口側には、一対の弱電系接続端子部810が長手方向に並んで設けられている。後述するように、複数の電池セル140のそれぞれの電圧を検出するため、各電池セル140のバスバー150にはサイドプレート130と一体化される電圧検出導体20の一端が接続され、それらの電圧検出導体20の他端が端子部810の各ピン(外部端子の接続部)に接続されている。
【0030】
図4は図3のA−A断面図であり、図5はサイドプレート130の接続端子部810を示す底面図である。ここでは、簡単のため、一方のサイドプレート130の構成のみを説明するが、他方のサイドプレート131も基本的には一方のサイドプレート130と同様に構成されている。
【0031】
ただし、組電池120の正極側に電気的に接続された電池モジュール側の強電系接続端子180、および組電池120の負極側に電気的に接続された電池モジュール側の強電系接続端子181は、一方のサイドプレート130のみに設けられている(図1および図2参照)。
【0032】
サイドプレート130は、電気的な絶縁性を有するPBTなどの樹脂からなる二重成型品であり、一次成型体3(図6参照)をインサート部材としてインサート成型することで作製される。一次成型体3は、電気的接続用端子である電圧検出導体20と外部端子4とをインサート部材としてPBT樹脂でインサート成型して作製される。二次成型体1は、一次成型体3をインサート部材としてPBT樹脂でインサート成型して作製される。
【0033】
図4および図5に示すように、弱電系接続端子部810には、二重成型品であるサイドプレート130の電池モジュール外側にゲル9が充填される第1の凹部90が、電池モジュール内側に矩形箱状のコネクタ部92が形成されている。コネクタ部92には上述した各接続部(ピン)4bが設けられる。
【0034】
図4および図5に示すように、第1の凹部90には、外部端子4の露出面4aおよび電圧検出導体20の一端の導体露出面20aがそれぞれ電気的接続用端子の接続部として所定間隔をあけて配置されている。電圧検出導体20の図示しない他端はバスバー150にTIG溶接されている。外部端子露出面4aと電圧検出導体露出面20aには接続導体7が半田8により固着され、両者が電気的に接続されている。接続導体7は第1の凹部90内に配置され、第1の凹部90には、接続導体7やこの接続導体7と導体露出面4a,20aとの電気的接続部を保護、絶縁するためのゲル9が充填されている。
【0035】
本発明の特徴は、このゲル9が一次成型体3と二次成型体1の界面50を介してサイドプレート130の外側面に漏出しないように工夫した二重円筒部33を設けた点にある。
【0036】
コネクタ部92には、外部端子4の接続部(ピン)4bがサイドプレート130の外側に向けて突出している。接続部4bは、図示しない制御装置の電圧検出用コネクタから延びる配線(接続線)と直接に接続される。したがって、電圧検出導体20を介して組電池120を構成する複数のリチウムイオン電池セル140の電圧を接続部4bから検出することができる。
【0037】
サイドプレート130の外周面には、第2の凹部11が形成されている。第2の凹部11は、二重成型品において第1の凹部90が設けられる一方の側と反対となる側に設けられている。第2の凹部11は、二次成型体1における円形状の貫通開口と一次成型体3の表面とによって構成される。すなわち、第2の凹部11の底面は、一次成型体3の表面とされ、電圧検出導体20の接続部とは反対側の面の一部によって構成される。
【0038】
第2の凹部11の底面を構成する一次成型体3の表面(電圧検出導体20の接続部と反対側となる面)には、二重円筒部33が一次成型体3の外方に向かって立設されている。二重円筒部33は、第2の凹部11の底面近傍を囲むように設けられる内側円筒部33aと、内側円筒部33aと同心となる外側円筒部33bとからなる。二重円筒部33は、第2の凹部11を除く部分が二次成型体1の樹脂覆い部13により覆われている。
【0039】
第2の凹部11は、第1の凹部90に充填されたゲル9がサイドプレート130の外周面から不所望に漏出しないように、ゲル9を一定量収容保持可能な大きさに形成されている。
【0040】
本実施の形態では、第2の凹部11の直径は1〜3mm程度とし、第2の凹部11の高さ寸法は、第2の凹部11の直径に対して1〜5倍程度とした。内側円筒部33aの高さ寸法と外側円筒部33bの高さ寸法は同じである。
【0041】
なお、第2の凹部11の底面を構成する一次成型体3の表面は、二次成型体1を成型するための成型機が備える金型に立設される当接凸部が当接する受け部とされる。
【0042】
[サイドプレートの製造方法ならびに一次成型体および二次成型体の構成]
サイドプレート130の製造方法について述べる。製造方法と合わせて、一次成型体3および二次成型体1の構成を詳しく説明する。
【0043】
[一次成型体]
図6および図7は一次成型体3を示す。一次成型体3は、4本の外部端子4と4本の電圧検出導体20とを樹脂成型したものである。すなわち、外部端子4と電圧検出導体20とをインサート部材として樹脂でインサート成型することにより一次成型体3が作製される。なお、図6および図7では、外部端子4の本数を4本としたが、実際は、電池セル140の本数に応じた個数必要である。
【0044】
一次成型体3の樹脂部は、凹部90aと、端子受け板39と、端子埋め込み部32とを有している。凹部90aは、上述したサイドプレート130の第1の凹部90の一部を構成する部分であり、後述する二次成型体1を成型するための成型機が備える一対の金型の一方によって保持される成型体側保持部とされる。端子受け板39は、凹部90aの一方の側方に延在する平板状部材であって、この端子受け板39の一方の面(凹部90a側の面)に電圧検出導体20の一方の端部が固着されている。端子埋め込み部32には外部端子4が埋め込まれている。
【0045】
樹脂部から突出する外部端子4の一端は、制御装置の電圧検出用コネクタから延びるハーネスとの接続部(ピン)4bとして用いられる。端子埋め込み部32に埋設された外部端子4の他端は折り曲げられ、その一面は、凹部90aの近傍で露出面4aとして露出されている。
【0046】
電圧検出導体20の一端は凹部90aの近傍まで延在し、その上面が露出面20aとされている。なお、電圧検出導体20の図示しない他端はバスバー150にTIG溶接により電気的に接続される。
【0047】
矩形平板状の端子受け板39は、図7に示すように、2本の電圧検出導体20の間においてサイドプレート130の外方に突出する二重円筒部33を有している。ここでは、電圧検出導体20を4本設けた場合について示している。
各二重円筒部33は、上記したように、内側円筒部33aと、外側円筒部33bとからなり、両円筒部33a,33bは同心とされている。二重円筒部33の中心底部は、後述する二次成型体1を成型するための成型機が備える金型に立設される当接凸部が当接する受け部31とされる。つまり、内側円筒部33aは受け部31を囲むように形成され、内側円筒部33aを囲むように外側円筒部33bが形成されている。
【0048】
図8〜図10を参照して二次成型工程について説明する。図8は、縦型成型機2に一次成型体3をセットした状態(成型位置)を示す側面断面図である。図9は、縦型成型機2に樹脂を充填した状態を示す側面断面図である。図10は、二次成型体1を示す断面図である。
【0049】
[二次成型に用いられる縦型成型機]
二次成型体1は、一対の金型を備える縦型成型機2により成型される。縦型成型機2は、図8および図9に示すように、第1の金型である上型21と、第2の金型である下型22とを有している。上型21および下型22は、いずれか一方が上下方向に昇降可能とされている。
【0050】
上型21には、一次成型体3の凹部90aと嵌合される嵌合凸部23が形成されている。この嵌合凸部23は、一次成型体3の凹部90aと嵌合することで、一次成型体3を保持する金型側保持部として機能する。嵌合凸部23の周囲には、外部端子4および電圧検出導体20の露出面4a,20aと当接する端子当接部26が形成されている。下型22には、一次成型体3の受け部31に当接する円柱形状の当接凸部24が上方に向かって立設されている。円柱状の当接凸部24の直径は、1〜3mm程度である。
【0051】
[一次成型体保持工程]
上型21の嵌合凸部23に一次成型体3の上部に設けられる凹部90aを嵌め合わせることによって、上型21により一次成型体3を保持させる。端子当接部26は、外部端子4および電圧検出導体20の露出面4a,20aに当接させる。
【0052】
[位置調整工程]
上型21に一次成型体3を保持させた状態で、上型21を下降させ、または、下型22を上昇させることで、上型21と下型22とを接近させて、図8に示すように、上型21または下型22を成型位置に配置させる。
【0053】
成型位置では、一次成型体3の端子受け板39から下方に立設される有底二重円筒部33の中心底部である受け部31に下型22から上方に立設される当接凸部24が当接される。つまり、端子受け板39は、金型の空隙内における所定位置において下型22の当接凸部24により下型22から所定量浮かせた位置で保持される。
【0054】
[樹脂充填工程]
図9に示すように、一次成型体3をインサート部材として、上型21と下型22との空隙に樹脂を充填する。なお、当接凸部24が受け部31に当接し、端子受け板39が下型22から所定量浮いた状態で保持されるため、一次成型体3が撓んでしまった状態でインサート成型されるといったことが防止される。
【0055】
[冷却工程]
充填された樹脂を冷却して硬化させることで二次成型体1を形成する。
[離型工程]
硬化させた樹脂成型品(二次成型体1)を縦型成型機2から離型する。二次成型体1は、図10に示すように、一次成型体3における金型が当接していた部分を除く面を覆うように作製される。
【0056】
[二次成型体]
二次成型体1は、図10に示すように、一次成型体3を樹脂で成型したものである。一次成型体3の凹部90aならびに電圧検出導体20の露出面20aおよび外部端子4の露出面4aは樹脂表面に露出している。上型21の端子当接部26により、凹部90aの周囲は開口とされて、一次成型体3の凹部90aと二次成型体1の上部に設けられる囲い壁91とによって窪み形状とされる第1の凹部90が形成されている。
【0057】
一次成型体3の二重円筒部33は、二次成型体1の樹脂覆い部13により覆われている。樹脂覆い部13は、内側円筒部33aの内周面および外周面、ならびに、外側円筒部33bの内周面および外周面を覆うように形成されている。樹脂覆い部13には、下型22の当接凸部24により、直径1〜3mm程度の円形開口が受け部31から外方に向かって形成されており、この円形開口と受け部31とで第2の凹部11が構成されている。
【0058】
[端子の接続]
二次成型体1を作製した後、第1の凹部90において電圧検出導体20の露出面20aと、外部端子4の露出面4aとを接続導体7により電気的に接続する。接続導体7は半田8で接続する。
[ゲル充填工程、ゲル硬化工程]
第1の凹部90を上方に配置させた状態で、接続導体7および電気的接続部を保護するためのゲル9を第1の凹部90内に充填する。一次成型体3の凹部90a内に配置される接続導体7や接続導体7と露出面4a,20aとの電気的接続部を囲むように形成される囲い壁91の内側にゲル9を充填した後、温度140℃〜150℃で約30〜60分の硬化処理を施してゲル9を硬化させる。ゲル9の硬化処理が完了すると、図3および図4に示したように、二重成型品としてのサイドプレート130が完成する。
【0059】
このように構成された二重成型品では、第1の凹部90内に一次成型体3と二次成型体1との界面50が形成される(図4および図5参照)。したがって、第1の凹部90内にゲル9が充填されると、界面50からゲル9が浸透する。浸透したゲル9は、界面50に沿って進行して一次成型体3の受け部31側に流れ込む。しかしながら、本実施の形態に係る二重成型品では、二重円筒部33が形成されているため、いわゆるラビリンス効果により、ゲル9を充填したときに、ゲル9が二次成型体1の表面に流出することを防止できる。以下、図11〜図14を参照して、ゲル9の流れを防止する機能について説明する。
【0060】
図11は、従来の二重成型品を構成する二次成型体1にゲル9を塗布した状態を示す側面断面図であり、図12は、従来の二重成型品を構成する二次成型体1と一次成型体3の界面50に浸透したゲル9の流れを示す側面模式図である。図13は、本発明の実施の形態に係る二重成型品を構成する二次成型体1と一次成型体3の界面50に浸透したゲル9の流れを示す側面模式図および平面模式図であり、図14は、本発明の実施の形態に係る二重成型品の第2の凹部11にゲル9が溜まった状態を示す側面模式図である。なお、従来の二重成型品を示す図11および図12において、上記した実施の形態と同一または相当する構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0061】
従来の二重成型品では、図11に示すように、一次成型体3の下側の面の一部である受け部41が、二重成型品の表面の一部を構成している。受け部41は、二次成型体1を形成する際に、縦型成型機2の下型22に当接する部分である。つまり、従来の二重成型品は、本実施の形態のように端子受け板39に二重円筒部が形成されていない。
【0062】
従来の二重成型品において、上方の第1の凹部90にゲル9を充填すると、充填直後のゲル9は粘性が低いため、図12に示すように、一次成型体3と二次成型体1との界面50にゲル9が浸透する。浸透したゲル9は界面50に沿って流れ、二重成型品の下側表面に流出する。ゲル9が流出すると、第1の凹部90のゲル9の量が減少して電気的接続部の保護、絶縁が不十分になるといった問題点がある。さらに、所定時間が経過すると、ゲル9が硬化してゲル溜り9aが二重成型品の表面、すなわち、サイドプレート130の外表面に形成されるため、外観上も好ましくない。
【0063】
本実施の形態に係る二重成型品には、受け部31を囲むように二重円筒部33が形成されている(図4参照)。したがって、図13(b)に示すように、一次成型体3の側方の縁部における界面50aに浸透したゲル9は、図13(a)に示すように、重力により一次成型体3の下面まで進行する。
【0064】
一次成型体3の下面における界面50bに達したゲル9は、図13(a)に示すように、二重円筒部33における外側円筒部33bの外周面に沿って下側に流れ、外側円筒部33bの頂面を進行し、さらに内周面に沿って上側に流れる。さらに、ゲル9は、内側円筒部33aの外周面に沿って下側に流れ、内側円筒部33aの頂面を進行し、さらに内周面に沿って上側に流れる。上側への流れの進行は重力に逆らって行われるため、進行の抑制に効果がある。
【0065】
なお、外側円筒部33bの外周面では、図13(b)に示すように、周方向にもゲル9が進行する。外側円筒部33bの周方向に進行したゲル9は、外側円筒部33bの外周面を覆うようにして界面内に満たされ、二重円筒部33の中心に向かって進行する。
【0066】
二重円筒部33の中心である受け部31まで浸透したゲル9は、第2の凹部11に流出する。流出したゲル9は、図14に示すように、表面張力によって第2の凹部11内に留められて硬化して、第2の凹部11にゲル溜り9aが形成される。
【0067】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)二重円筒部33を形成することによって、浸透したゲル9の進行経路を長くすることで、粘性抵抗(摩擦抵抗)によってゲル9の進行を抑制して、ゲル9の流出を抑制することができる。
(2)第2の凹部11に流出されたゲル9は、表面張力によって第2の凹部11内に留められた状態で硬化するため、ゲル9が外部に放出されて充填したゲル9が減少してしまうことを防止できる。第2の凹部11内にゲル溜り9aが形成されるため、外観性も良好である。
(3)(1)および(2)により、取り付けられる部品を保護するためのゲル9の流出を防止した二重成型品であって、界面50を塞ぐための接着剤や封止樹脂を塗布する工程を要しない生産性に優れた二重成型品と、生産効率が高い二重成型品の製造方法と、この二重成型品をサイドプレート130として用いた廉価な電池モジュール100とを提供することができる。
【0068】
(4)二次成型体1を構成する樹脂材は、金型内で硬化する際に収縮する。本実施形態によれば、図15に示すように、二重円筒部33の内側円筒部33aおよび外側円筒部33bの外周壁面に二重円筒部33の中心方向に向かう収縮力が均等に働くため、樹脂と二重円筒部33との密着性が向上する。密着性が向上することにより、一次成型体3と二次成型体1との界面50に浸透するゲル9の進行がさらに抑制される。
【0069】
なお、上記した実施の形態は、以下のように変形することもできる。
[変形例]
(1)上記した実施の形態における端子受け板39には、二重円筒部33を設けたが、円筒部の数は限定されない。図16に示すように、端子受け板39に三重円筒部43を設けてもよい。円筒部を増やすことで、浸透したゲル9が進行する経路を長くして摩擦抵抗により進行をさらに抑制することができる。なお、円筒部の数は、四つ以上としてもよい。多重円筒部を形成するためのスペースが確保できる場合は、多数の円筒部を設けることで確実にゲル9の流出を防止できる。
【0070】
(2)第2の凹部11の寸法は、直径を1〜3mm程度として、高さ寸法を第2の凹部11の直径よりも大きく形成したが、各寸法はこれに限定されない。第2の凹部11の寸法は、凹部内にゲル9が浸入したときに、大気圧から生じる表面張力により、ゲル9が保持されるように設定すればよい。
【0071】
(3)縦型成型機2の下型22に立設される当接凸部24は、円柱形状に限定されない。矩形柱状など種々の形状を採用することができる。図17に示すように、当接凸部24を円柱形状として、先端部を先端に向かって先が細くなるようにテーパ状に形成してもよい。さらに、受け部31近傍の内側円筒部33aの内周壁を外方に向かって広がるようにテーパ状に形成してもよい。当接凸部24と多重円筒部の内周壁との両方、またはいずれか一方にテーパ面29を形成することで、金型に一次成型体3を配置させる際にテーパ面29がガイドとして機能するため、下型22に対する一次成型体3の位置決めを容易に行うことができるため生産性が向上する。
【0072】
(4)一次成型体3および二次成型体1は、PBT樹脂で成型する場合に限定されない。他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、もしくはこれらの樹脂に無機材料のガラス繊維や有機材料の炭素繊維等のフィラーを充填した樹脂により一次成型体3および二次成型体1を形成してもよい。なお、一次成型体3と二次成型体1の材料の種類は異なっていてもよい。
【0073】
(5)多重円筒部を構成する円筒部の高さは、それぞれ同じ高さにしてもよいし、内側円筒部33aの高さ寸法を外側円筒部33bよりも高くなるように形成してもよい。外側円筒部33bの高さ寸法を内側円筒部33aよりも高くなるように形成してもよい。
【0074】
(6)縦型成型機2により二重成型品における二次成型体1を形成する場合に限定されない。横型成型機により二重成型品における二次成型体1を形成してもよい。
(7)縦型成型機の上型21に設けられる嵌合凸部23は、下方に突出するように設ける場合に限定されない。上方に窪む凹部を金型側保持部として上型21に形成し、一次成型体3に上方に突出する凸部を成型体側保持部として形成して、両者を嵌合させることで上型21に一次成型体3を保持させることとしてもよい。作製された二重成型品においては、二次成型体1の第1の凹部90内に一次成型体3の凸部が配置される。
【0075】
(8)二次成型体1における樹脂覆い部13は、内側円筒部33aの内周面を覆わない場合もある。金型に設けられる当接凸部24の直径を内側円筒部33aの内径寸法とほぼ同じにすることで、内側円筒部33aの内径とほぼ同一の径を有する第2の凹部11を形成してもよい。
【0076】
(9)二重成型品はサイドプレート130に用いられる場合に限定されない。種々の電気機器の部品として用いることができる。
【0077】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 二次成型体、2 縦型成型機、3 一次成型体、4 外部端子、4a 露出面、4b 接続部、7 接続導体、9 ゲル、9a ゲル溜り、11 第2の凹部、13 樹脂覆い部、20 電圧検出導体、20a 露出面、21 上型、22 下型、23 嵌合凸部、24 当接凸部、31 受け部、33 二重円筒部、33a 内側円筒部、33b 外側円筒部、39 端子受け板、50 界面、90 第1の凹部、90a 凹部、91 囲い壁、 100 電池モジュール、110 ケーシング、120 組電池、130,131 サイドプレート、140 電池セル、810 接続端子部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続部同士を所定間隔をあけて配置した第1および第2の電気的接続用端子をインサート部材として樹脂でインサート成型して作製された一次成型体と、
前記一次成型体をインサート部材として樹脂でインサート成型して作製された二次成型体とを有し、
前記二次成型体の一方の側には第1の凹部が、前記二次成型体の他方の側には第2の凹部がそれぞれ形成され、
前記第1の凹部には、前記第1および第2の電気的接続用端子の接続部が露出し、それら接続部同士を電気的に接続する接続導体が配置されるとともにゲルが充填され、
前記第2の凹部は、前記一次成型体の一方の電気的接続用端子の接続部とは反対側の面を底面とするように設けられ、
前記第2の凹部の底面を囲むように、多重円筒部を構成する内側円筒部と、前記内側円筒部と同心となる少なくとも一つ以上の外側円筒部とが前記一次成型体の前記反対側の面から立設され、
前記内側円筒部および前記外側円筒部は樹脂覆い部により覆われていることを特徴とする二重成型品。
【請求項2】
請求項1に記載の二重成型品において、
前記第2の凹部は円形状とされ、前記第2の凹部の高さ寸法は、前記第2の凹部の直径と同じかそれ以上とされていることを特徴とする二重成型品。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の二重成型品において、
前記内側円筒部の高さ寸法は、前記外側円筒部の高さ寸法と同じかそれ以上とされていることを特徴とする二重成型品。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二重成型品において、
前記一次成型体には前記第1の凹部の一部を構成する凹部が形成され、
前記一次成型体の凹部は、前記二次成型体を成型するための成型機が備える一対の金型の一方によって保持される成型体側保持部とされ、
前記第2の凹部の底面を構成する一次成型体の前記反対側の面は、前記一対の金型の他方に立設される当接凸部が当接する受け部とされていることを特徴とする二重成型品。
【請求項5】
請求項4に記載の二重成型品において、
前記受け部近傍の前記内側円筒部の内周壁が外方に向かって広がるようにテーパ状とされていることを特徴とする二重成型品。
【請求項6】
第1および第2の電気的接続用端子をインサート部材として樹脂でインサート成型する一次成型工程と、
縦型成型機の上型に設けられる凸部に一次成型体の上部に設けられる凹部を嵌め合わせることによって、上型により一次成型体を保持させる一次成型体保持工程と、
縦型成型機の上型を下降させ、または、下型を上昇させることで、上型と下型とを接近させて、縦型成型機の下型から上方に向かって立設される当接凸部を一次成型体において下方に立設される有底多重円筒部の中心底部に当接させることにより、当接凸部によって一次成型体の一部を下型から浮かせて保持させる工程と、
一次成型体をインサート部材として、上型と下型との空隙に樹脂を充填する樹脂充填工程と、
充填した樹脂を冷却して硬化させることで二次成型体を形成する冷却工程と、
縦型成型機から二次成型体を離型する離型工程と、
前記第1の電気的接続用端子と前記第2の電気的接続用端子とを接続導体により電気的に接続する端子接続工程と、
ゲルを一次成型体の凹部を囲むように二次成型体の上部に設けられる囲い壁の内側に充填するゲル充填工程とを含むことを特徴とする二重成型品の製造方法。
【請求項7】
複数の蓄電池と、
前記複数の蓄電池を収納する筐体と、
前記複数の蓄電池を電気的に接続するための複数の導電部材と、
複数の蓄電池のそれぞれの電圧を検出するための電圧検出導体とを備え、
前記筐体は、少なくとも、複数の蓄電池を両側から挟みこんで支持する一対のサイドプレートを有し、前記電圧検出導体は、前記サイドプレートと一体化されており、
前記サイドプレートは、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二重成型品であることを特徴とする電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−146602(P2012−146602A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5941(P2011−5941)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】