説明

亜硝酸根および酸化窒素の測定のための方法および装置

第1容器中の水溶液中に浸された血管内医薬器具のような、酸化窒素を含有するプローブからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)放出の一体化した測定方法であって、プローブから直接放出された酸化窒素を酸化窒素分析計へ運ぶ工程を有して成る方法。亜硝酸根が例えば、ヘッドスペース室を有して成る第1容器から取り出され、およびNOが酸化窒素(NO)に変換されるパージ容器に輸送され、酸化窒素は酸化窒素分析装置へと運ばれる。酸化窒素分析装置の上流側に配置された切換え弁が、直接放出された酸化窒素(NO)および亜硝酸根から誘導された酸化窒素(NO)の1つが選択的に装置に入ることができるように操作される。直接放出された酸化窒素は、第1容器から連続的に洗い流されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)の測定のための方法及び装置に関する。特に本発明は、プローブから放出される酸化窒素の連続的測定のための、および同じプローブから放出される亜硝酸根の断続的な測定のための、酸化窒素分析装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヤン・ファン等(Yang Fan et al.)が1997年に(臨床の化学(Clinical Chemistry)、第43巻、4号、657〜662ページ)、既知量の亜硝酸根の酸化窒素への変換に対する還元剤および温度の効果と、化学発光によるNOの検出とに言及し、ならびに酢酸−ヨウ化ナトリウム混合物による変換に基づく亜硝酸根の酸化窒素への変換に対する一般に適用される方法を提供している。
【0003】
キャレリ等(Careri et al.)が1999年に(ジャーナルオブクロマトグラフィ(J. of Chromatography)第848巻、1〜2号、327〜335ページ)、海水中の酸化窒素の高分解ガスクロマトグラフィー分析のための動的ヘッドスペースとパージトラップ技法の評価とに言及している。
【0004】
米国特許第4,412,006号が、同じく追加の窒素含量を決定することなく、試験サンプル中の硝酸塩−亜硝酸根含量を決定する技法に言及している。サンプルの硝酸根−亜硝酸根含量は酸化窒素に還元されて、オゾンとの化学発光反応によって決定される。亜硝酸根は穏やかな条件下で選択的に還元され、および硝酸根−亜硝酸根全含量はより強い還元条件によって決定される。
【0005】
酸化窒素(NO)は、血管再内皮化(reendothelialization)、血管拡張、神経伝達、および血小板凝集のような広範囲の生理学プロセスで有用な試剤であることが証明されている。NOの生物学的機能は同じく細胞毒性剤としての作用を含むことも判明している。そのために、生物学的・化学的な分子からのNO放出を研究するための、例えば、医療器具の研究・開発の間に医療器具からのNO放出シミュレーションを目的とする必要性が増加してきた。しかしながら、NOは容易に酸素および水と反応して、NO測定に使われるたいていの利用可能な方法において妨害分子の役割を果たす亜硝酸根(NO)を形成する。
【0006】
「発明の概要」
かくして、本発明の好ましい実施態様の目的は、NO測定の方法と装置とを提供することであって、これまでに達成可能なものよりもより正確なNO測定を確保するために、亜硝酸根の存在を考慮に入れることができ、または無視することさえもできるようなものである。信頼できるNOの測定、またはNOおよびNO両方の測定を確保する操作を促進する方法および装置を提供することは、本発明の好ましい実施態様の更なる目的である。
【0007】
本発明は、酸化窒素付加体(の形態)のような酸化窒素含有プローブから、亜硝酸根および酸化窒素の放出を(一体化して)測定するための装置を提供するものであって、該装置は以下を有して成る:
−プローブを収容するための容器;
−酸化窒素分析装置;
−ガス供給導管であって、そこを通って酸化窒素が該分析装置に運ばれ得る、ガス供給導管;
−プローブから直接放出された酸化窒素が第1容器から第1導管を通ってガス供給導管の上流端へと運ばれ得る、第1導管;
−亜硝酸根がパージ容器中で酸化窒素に変換されてよく、第2導管が、亜硝酸根から誘導された酸化窒素をガス供給導管の上流端へと運ぶように配置されている、第2導管の上流側に配置されたパージ容器;
−第1および第2導管の各上流端に接続され、ならびに直接放出された酸化窒素および亜硝酸根から誘導された酸化窒素を選択的にガス供給導管中へと流すように配置されている、ガス供給導管の上流端に配置された切換え弁。
【0008】
切換え弁設備に起因して、NO放出およびNOバックグラウンドが単一の分析操作でモニターすることができる。酸化窒素分析装置のNOガスおよび液体亜硝酸根による較正によって、機器の出力mV信号が実際の濃度を示唆するであろう。
【0009】
本発明はこのようにして、酸化窒素付加体のような酸化窒素含有プローブから放出される亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)の(一体となった)測定方法を提供するものであって、該方法は、
−プローブを第1容器に入れる工程であって、該容器で亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)がプローブから放出される工程;
−プローブから(直接)放出された酸化窒素(NO)を、第1導管を通してガス供給導管へと運ぶ工程であって、ガス供給導管は酸化窒素を酸化窒素分析装置へと運ぶように配置されている工程;
−亜硝酸根(NO)サンプルを第1容器から取り出す工程;
−亜硝酸根から誘導された酸化窒素を得るために、取り出された亜硝酸サンプル中の亜硝酸根(NO)を酸化窒素(NO)へと変換する工程であって、該変換工程は第1容器から亜硝酸根を取り出す工程の後で生ずるものである工程;
−亜硝酸根から誘導された酸化窒素を、第2導管を経てガス供給導管へと伝達する工程;
−直接放出された酸化窒素(NO)の一部および亜硝酸根から誘導された酸化窒素(NO)をガス供給導管へと選択的に導くように、ガス供給導管の上流端ならびに第1および第2導管の各下流端に配置された切換え弁を操作する工程;
を有して成る。
【0010】
直接放出された酸化窒素(NO)およびサンプルに存在している亜硝酸根から誘導された酸化窒素(NO)の量は、ここで言及される適切な分析方法を用いて有利に決定され得る。
【0011】
本発明は、かくして、サンプルからの亜硝酸根(NO)と酸化窒素との放出を測定する方法を提供するものであって、以下の工程を有して成る:
a)亜硝酸根と酸化窒素とが一体となった混合物を含んで成るサンプルの、少なくとも2つの同等のフラクションを得る工程;
c)第1フラクションから放出される酸化窒素の濃度を決定する工程;
d)第2フラクションの亜硝酸根成分を酸化窒素に変換する工程;
e)亜硝酸根を酸化窒素に変換後の第2フラクションから放出される酸化窒素の濃度を決定する工程;
f)サンプル中の亜硝酸根(NO)および酸化窒素の濃度を決定するために、工程c)および工程e)で決定された酸化窒素のレベルを比較する工程であって、工程c)およびd)はいずれの順序で実施されてもよいものである工程。
【0012】
サンプルからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素の放出を一体として測定する上記方法は、もちろん本発明に従った方法を用いて実施されてよく、ならびにプローブからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素の放出を一体として測定する方法の一部となってもよい。
ここに記述されたこれらの発明の局面のそれぞれの特定の特性が、適切である場合は他の局面に該当し得ることは明白であろう。
【0013】
特に望ましい実施態様において、本発明の方法と装置は、同じプローブからのNO放出とNO濃度との正確で定量的な測定を可能にする動的なヘッドスペースとパージ容器装置との結合された装備を使うことによって、亜硝酸根(NO)の定量的な測定と一体となってNOの定量的なオンライン放出を研究することに適している。
【0014】
酸化窒素分析装置はそれ自体では知られている装置、例えば、酸化窒素とオゾンとの間の気相化学発光反応:
NO+O→NO+O
NO→NO+hν
に基づいて酸化窒素を測定する、いわゆる高感度検出器を有してよい。
【0015】
電子的に励起された二酸化窒素からの発光はスペクトルの赤、および近赤外線の領域であり、および熱電気的に冷却された、赤に敏感な光電子増倍管によって検出され得る。
【0016】
光電子増倍管の感度とそれによって酸化窒素の検出可能な濃度範囲は、光電子増倍管に供給される電圧を調節することによって、好ましくはポテンショメーターを使うことによって、制御され得る。
【0017】
1つの適切な分析装置は、米国コロラド州ボールダー、シーバース(Sievers:登録商標)、から商業的に入手可能な酸化窒素分析計NOA(登録商標)280iである。
【0018】
「発明の詳細な説明」
本発明の方法および装置の好ましい実施態様は今や添付図面によって説明される:
【0019】
図1、2および3が略図として本発明による装置の3つの実施態様を示しており、(例えば)動的ヘッドスペースとパージ容器の一体となった組み立てが、同一の分析操作中に同一のプローブからのNO放出とNO濃度の正確で定量的な測定を可能にしている。
【0020】
一つの実施態様において、本発明はプローブからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)の放出の一体となった測定方法を提供するものであって、
−第1容器にプローブを置く工程であって、該容器中で亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)がプローブから放出され;
−プローブから直接放出される酸化窒素(NO)を、第1導管を通ってガス供給導管へと運ぶ工程であって、該ガス供給導管は酸化窒素を酸化窒素分析計へと運ぶように配置されており;
−亜硝酸根(NO)を第1容器から取り出す工程;
−取り出された亜硝酸根(NO)を酸化窒素(NO)に変換して亜硝酸根から誘導された酸化窒素を得る工程であて、変換工程が亜硝酸根を第1容器から取り出す工程の後で生ずるものであり;
−亜硝酸根から誘導された酸化窒素(NO)を、第2導管を経由してガス供給導管へと運ぶ工程;
−ガス供給導管の上流端ならびに第1および第2導管の各下流端に配置された切り替え弁を、直接放出された酸化窒素(NO)および亜硝酸根から誘導された酸化窒素(NO)が選択的にガス供給導管へと流入できるようにする操作する工程;
を有して成る一体となった測定方法に関する。
【0021】
亜硝酸根および酸化窒素両方の測定は、本発明の方法を使って、一つの分析操作で行なうことができる。
【0022】
1つの実施態様として、本発明は酸化窒素を含有するプローブからの亜硝酸根および酸化窒素の放出を測定する装置を提供するものであって、該装置は、
−プローブを収容するための第1容器、
−酸化窒素測定装置、
−酸化窒素が該分析計へと運ばれるガス供給導管、
−プローブから直接放出される酸化窒素が第1容器を通ってそこからガス供給導管の上流端へと運ばれる、第1容器、
−亜硝酸根がパージ容器中で酸化窒素に変換されてよく、亜硝酸根からの誘導体をガス供給導管の上流端へと運ぶ(運ばれる)ように配置されている第2導管の上流側に配置されたパージ容器、
−ガス供給導管の上流端に配置された切り替えバルブであって、該バルブは第1および第2導管の各下流端に結合されており、ならびに放出された酸化窒素および亜硝酸根から誘導された酸化窒素を選択的に直接ガス供給導管へと流入するように配置されている、切り替え弁、
を有して成る。
【0023】
「動的ヘッドスペース」
本発明の現在望ましい実施態様において、NO放出のオンライン検出が、規定された溶液、例えば水溶液およびNO放出プローブを有して成る動的ヘッドスペース室で実施される。ヘッドスペース室は、窒素、アルゴンおよびヘリウム、好ましくは窒素、から成る群から選択された、適切に高品質な不活性ガスの制御された流れで、連続的に洗い流される。
【0024】
フローコントローラーが不活性ガスの均一な流れを保証するために使われ得る。加えるに、または代わって、NO/NO の濃度を計算するときに不活性ガスの圧力/流れの変動を考慮することができるようにするために、フローメーターを使ってよい。従ってフローコントローラー/フローメーターはこの計算が、例えば、コンピュータによって行なえるようにするためにNO分析装置に接続されてよい。
【0025】
例(図に示されるように)に関して、他の不活性ガスを窒素の代わりに使い得ることは明白である。この様な関係において、不活性ガスは、典型的には酸素を置換することによって、NOの酸化を妨げるか、または減らすガスである。
【0026】
ヘッドスペース室を通して流れ出ている不活性ガスは、ヘッドスペース室の酸素なしの溶液を保証して、NOのNOへの変換を避ける。さらに、ヘッドスペース室を洗い流している不活性ガスは、スペース室の溶液中に放出されるいかなるNOをもストリップし、および放出されるNOをNO分析計に運ぶ。NO分析計中へのガス流れは、ヘッドスペース室の中への不活性ガス流れが調整可能なフローコントローラーによって制御される一方、分析計の入口に配置された静的なフリット制限器(frit restrictor)によって制御される。 ヘッドスペース室中への不活発ガスの流れは、NO分析計中への流れより高い流れに調整されて、NOの漏れ出し、または外気からヘッドスペース室中へOの漏れ込みが無いことを保証している。超過のガス体積はヘッドスペース室の下流に搭載されたT型コネクタのような排気口を通って排出される。この流れ分岐装置はさらに分析計の感度を調整するために使うことができる。ヘッドスペース室中のNO放出がNO分析計の検出限界を超える場合は、分析計中への流れを実質的に一定に保ちつつ、ヘッドスペース質の中に不活発ガス流れを増やすことによって、信号を減少することができる。この方式は、検出器に入る不活発ガス流れ中でNOの分率を減らし、検出器での信号を減少させる。
【0027】
水蒸気のような汚染がヘッドスペース室から NO分析計まで通過するのを阻止するために、疎水性フィルターのようなフィルターをヘッドスペース室とNO分析計との間に配置してよい。適切には、このようなフィルターは同じくパージ容器とNO分析計との間に置かれてよい。
【0028】
「亜硝酸根検出ユニット」
好ましい実施態様において、亜硝酸根の測定は、パージ容器中に酸素なしの環境を保証する不活性ガス、好ましくは窒素(N)の制御された流れで連続的に洗い流されるパージ容器システム中で実施される。容器は、次の反応が亜硝酸根を含むサンプルの注入の際に起きることを可能にするヨウ化ナトリウムの酸性溶液を含む:
+NO+2H→NO+1/2I+H
【0029】
NOのNOへの還元後に、NOは分析計に引き込まれて、および動的ヘッドスペース測定のために使われるものと同じ検出装置によってNOガスとして測定される。
【0030】
適切には、亜硝酸根を酸化窒素へ変換する工程は、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムのような、適切な還元剤を使って実施され得る。
【0031】
「オンラインNO放出とNO測定との一体化」
NOは大抵のNO放出装置で望ましくない副生物であるので、オンラインNO放出とNO濃度との一体となった測定は、これらの装置で特に重要である。本発明の方法と装置において、亜硝酸根がパージ容器の装備(setup)で測定される一方、NO放出が例えば動的ヘッドスペース室の装備で適切に測定される。2つの装備は4方向ストップ栓のような切換え弁の中で、NO分析計への入口が動的ヘッドスペースとパージ容器装備との間で切換え可能となるように組み合わされる。NO測定の間に動的ヘッドスペースからパージ容器装備に切り替えること、ならびにサンプル、好ましくは液体サンプルをヘッドスペース室から回収し、およびパージ容器装置に該液体サンプルを注入することによって、図4に示されるように、一つの分析的な操作でNO放出とNOバックグラウンドとの両方をモニターすることが可能である。NOガスおよび流体亜硝酸根の較正の後に、分析計から得られたmV信号を実際の現実の濃度に変換することができる。従って本発明は、NOおよび亜硝酸根両方の、一つの結合された分析から独立した分析方法と装置とを提供する。図1および3に示されるように、第1容器とパージ容器とは直列に(図1)、または並列に(図3)配置され得る。
【0032】
「発明の更なる特徴」
酸化窒素(NO)を運ぶ工程は、第1容器から離れて直接放出された酸化窒素の連続的輸送を含んでよい。このような輸送の間に、切換え弁は、好ましくは酸化窒素が分析装置に入ることができるような位置にあるべきである。窒素(N)、または代わりの不活性ガスを、ここに言及されるように、酸化窒素(NO)の輸送のためにキャリアーガスとして使ってよい。第1ガス供給導管が備えられて、不活性ガスがそこを通って第1容器の中に運ばれてよい。不活性ガスを含んでいる圧力タンクがガス源として使用されてよく、それによって圧力タンクの超過の圧力が、ガスの適切な輸送を保証する装置中の圧力勾配を与える。ガス供給導管中の不活性ガスの流速が、窒素供給導管中に配置されたフローメーターによって測定されてよく、該フローメーターは出力信号を作り出し、その信号は分析装置に伝達される。
【0033】
第1容器は連続的に洗い流されるヘッドスペース室から構成されてよく、その場合に酸化窒素分析装置は、ガス供給導管を経由して装置に供給されるガスを連続的に分析し得る。
【0034】
典型的に、プローブは当該第1容器の中の液体溶剤の中に置かれる。溶剤は好ましくは、プローブから酸化窒素(および適切には亜硝酸根)の放出を誘発することができる溶剤であり、および/またはプローブから放出される酸化窒素(および適切には亜硝酸根)を輸送することのできる溶剤である。
【0035】
サンプルからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素の放出の測定方法中で言及した該サンプルは、例えば酸化窒素付加体の形で酸化窒素を含有するプローブを第1容器内の溶剤中に置くことによって準備され得るところ、第1容器の中では、亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)がプローブから溶剤中に放出される。第1フラクションはそれ故、サンプルであり得て、および第2フラクションは亜硝酸根の酸化窒素への変換のために第1フラクション/サンプルから取り出されたサンプルの一部である。サンプル(または第1フラクション)から放出される酸化窒素(NO)は、第1導管(C)を通ってガス供給導管(G)に通過し得るところ、該ガス供給導管は、酸化窒素分析装置(B)の中に酸化窒素を運ぶために配置されている。第2サンプルは第1容器(A)から取り出される亜硝酸根(NO)サンプルであり得る。
【0036】
それ故、1つの実施態様として、サンプルからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素の放出の測定方法の中で言及したサンプルは、典型的にはプローブに晒された溶剤である。
【0037】
1つの実施態様として、サンプルからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素の放出の測定方法の中で言及した第1フラクションは、典型的にはプローブに晒された溶剤、またはその一部である。
【0038】
1つの実施態様として、サンプルからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素の放出の測定方法の中で言及した第2のフラクションは、典型的には亜硝酸根サンプルである。
【0039】
従って、サンプルからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素の放出の測定方法の中で言及したサンプルと、典型的には単一源から発生した第1および第2のフラクションとは、同等である。それらは典型的に、NOおよび/またはNOと同等の濃度を有して成る。
【0040】
従って、1つの実施態様において、亜硝酸根と酸化窒素とが一体となった混合物から成るサンプルの少なくとも2つの同等なフラクションは、第1容器(第1フラクション)中のプローブに晒されていた溶剤と、第1容器からその後取り出された溶剤のフラクション(第2フラクション)とに言及していることが想定される。第2フラクションの亜硝酸根成分の酸化窒素への変換は、従って、パージ容器の中で生じ得る。適切には、酸化窒素分析装置は、(第2フラクションの亜硝酸根成分の、酸化窒素への変換後の)第1および第2のフラクション中の(または、そこから放出される)酸化窒素濃度の決定のために使用される。
【0041】
好ましい実施態様において、プローブは水溶液中に浸される。水溶液は例えば、血、等張塩水、または、生理学的pH、塩濃度、および例えばツイーン20を含有するpH調整されたPBS緩衝剤のような表面張力が調整された緩衝剤のような生理学的溶液を模した溶液であり得る。水溶液は、例えば所与の放出最適値を与えるようにpHを最適化すること、または何らかの酸化窒素放出促進剤をヘッドスペース室中の溶液に添加することによって、プローブからの酸化窒素の放出を増加するように最適化されてよい。
【0042】
水溶液が部分的に、または完全に、代わりの溶剤、例えばメタノールまたはエタノールなどのアルコールのような、代わりの極性溶剤で代用されてよいことは明らかであろう。
【0043】
1つの好ましい実施態様において、水溶液または代替溶剤のような溶剤が、ここで言及される1つ以上のNO付加体のようなプローブからのNO放出を誘導する能力のために選択される。
【0044】
実際、1つの特別の実施態様において、プローブは水溶性または液状溶剤中に必ずしも挿入される必要がなく、ここで言及される不活性ガスのような気相内に在る事が予想される。そのために、1つの実施態様では、プローブは(自由な)ガスまたは(自由な)ガス流(例えば、不活性ガス流中に)置くことができて、この実施態様は例えば、プローブからの自然発生的な酸化窒素/亜硝酸根放出を測定するために使うことができる。
【0045】
1つの実施態様において、ガス相またはガス流が蒸気を含んでよく、例えば蒸気の分圧を、プローブから酸化窒素の放出を活性化させるために使用してよい。蒸気は、1つの実施態様において、水蒸気、またはここに言及された代替溶剤の蒸気であり得る。
【0046】
1つの実施態様において、溶剤は本質的に分子状酸素を含んでいない、すなわちOのレベルは、プローブから放出されるNOおよび亜硝酸根の測定の正確さに悪い影響を与えないレベルである。
【0047】
プローブは、自然発生的にまたは活性化剤の存在下に、酸化窒素および好ましくは亜硝酸根を放出することができるいずれの物質を含んでよい。
【0048】
プローブはガスであり得るが、しかしより適切には、プローブは液体または固体であり、および好ましくは、溶剤は液体である。
【0049】
好ましい実施態様において、プローブは固体である。
【0050】
特殊な実施態様において、プローブは医療器具または、血管内医療器具のような医療器具の上の、NO付加体塗膜のような塗膜である。
【0051】
医療器具、特に移植から放出されるNOおよびNOの分析に関して、水溶液の条件が、最良の可能な方法で人間または動物の体の生理学的条件と類似することが望まれ得る。例えば、溶液の粘性は血のそれに近くあり得て、および溶液は体温、即ちおよそ37℃に維持され得る。1つの実施態様では、水溶液はイオン溶液である。大気中の空気が装置に入るのを阻止するために、大気圧より大きな圧力が第1導管で維持され得る。このようにして、特に酸素の進入を防ぎ得る。第1導管中の流れの中の超過のガスが、第1容器(またはヘッドスペース室)の下流側に、および好ましくは切換え弁の上流側に配置された排気口を通して放出され得る。
【0052】
亜硝酸根(NO)を運ぶ工程は、第1容器から少なくとも1つの亜硝酸根をサンプリングする工程と、そのサンプルを、酸化窒素に変換の後に、第2の導管に運ぶ工程とを有してよい。変換が例えば、パージ室で起こり得る。亜硝酸根サンプルは第2導管の上流側に配置されたパージ容器の中に運ばれ得る。適当な不活性ガス、好ましくは窒素(N)が、パージ容器から第2導管とガス供給導管とを通って、亜硝酸根から誘導された酸化窒素を運ぶために、キャリアーガスとして使われ得る。1つの実施態様において、亜硝酸根サンプルは第1容器からパージ容器まで手動で運ばれる。もう1つの実施態様では、亜硝酸根サンプルの輸送がオートサンプリング装置によって実施される。このような実施態様では、亜硝酸根から誘導される酸化窒素の流れが分析装置の中に入れるような位置に切換え弁があるときに、亜硝酸根サンプルが第2導管の中に運ばれるだけであるように、オートサンプリング装置の操作が、好ましくは切換え弁の操作に同期される。
【0053】
プローブは、ステント、 ステントグラフト、バルーン、バルーンカテーテル、ガイドワイヤ、導入鞘、または塞栓器具装置のような、一時的な、または永久的な血管内移植のような医療器具を有してよい。医療器具は酸化窒素もしくはNOまたはNO−放出試剤(NO付加体)が付加した適当なポリマーのような塗膜材料に組み込まれるか、または覆われてよい。
【0054】
プローブは好ましくはNO付加体、すなわち、濡らされるか、または酵素または他の化学物質に晒されるときに化学反応の結果としてNOを発生する物質を含んで成る。NO付加体は、従って、NOを貯蔵することのできる化合物と考えられる。
【0055】
酸化窒素付加体は、ポリマーのモノマーであってよく、および、例えば、ニトロシル、ニトリル、亜硝酸根、硝酸根、ニトロソ、ニトロソチオ、ニトロ、金属−NO錯体、ニトロサミン、ニトロシミン、ジアゼチン二酸化物、フロキサン、ベンゾフロキサンまたはNONO根(−N−)基、を含んで成る化合物から選択されてよい。
【0056】
酸化窒素付加体は、好ましくは酸化窒素−親核剤錯体を含んで成る。酸化窒素付加体はモノマーまたはポリマーであってよい。
【0057】
単量体分子である酸化窒素付加体は、生理学的媒体に可溶性または不溶性であり得る。適当な単量体の酸化窒素付加体は、例えば、米国特許第4954526号に開示されている。
【0058】
生理学的媒体中で酸化窒素を放出することができる多数の重合体が、当分野でよく知られている。例えば、米国特許第5405919号および米国特許第6875840号で開示された重合体が使われ得る。
【0059】
酸化窒素付加体は、酸化窒素−親核剤錯体のような酸化窒素放出官能基が結合している線状ポリマー、分岐ポリマー、および/または架橋ポリマーのようなポリマーの形態が好ましい。
【0060】
1つの実施態様において、酸化窒素付加体は、ニトログリセリン、ニトロプルシドナトリウム、S−ニトロソ蛋白質、S−ニトロソチオール、長炭素鎖脂溶性S−ニトロソチオール、S−ニトロソジチオール類、鉄−ニトロシル化合物、チオ硝酸根、チオ亜硝酸根、シドノミニン、フロキサン、有機硝酸エステル、およびニトロソアミノ酸:ニトロソ−システイン、S−ニトロソ−カプトリル、S−ニトロソ−ホモシステイン、ホモシステイン、S−ニトロソ−システイン、S−ニトロソ−グルタチオン、およびS−ニトロソペニシラミン;S−ニトロソチオール、S−ニトロシル化シクロデキストリンのようなS−ニトロシル化多糖類、NONOエート化合物(即ち、アニオン性のNONOエート官能基(N)、NONOエートポリマーを含んで成る化合物)から成る群から選ばれる。
【0061】
若干のNO付加体が水誘導的であることが認められる。即ち、それらはイオン性水からプロトンを受容し、それによって酸化窒素(例えばNONOエート)の放出をもたらす。
このような水誘導性NO付加体が好ましくは使用される。
【0062】
しかしながら、他のNO付加体が同じく採用され得ることは予想される。例えばNOの酵素的放出が、酸化窒素付加体層の中に適当な酵素を一体化することによって同じように利用される。このような実施態様では、水溶液は、NOを放出するためにNO付加体に対して作用することができる酵素を含有してよい。酵素は例えばNO合成酵素であってよい。
【0063】
1つの実施態様において、酸化窒素付加体は、以下の群から選ばれた重合体のNONOエートのようなNONOエートである:ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、 ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリビニルクロライドのようなポリオレフィン、ポリエチレンイミンのようなポリオレフィン誘導体、ポリエーテル、 ポリエステル、ナイロンのようなポリアミド、ポリウレタン、ペプチド、タンパク質、 オリゴヌクレオチド、抗体、および核酸のような生体ポリマー、星状デンドリマーなどの重合体。
【0064】
最も好ましい酸化窒素付加体ポリマーは、線状ポリエチレンイミン・ジアゼニウムジオレート(LPEI−NONO)のような、 ポリエチレンイミン・ジアゼニウムジオレートである。
【0065】
図2の実施態様では、ヘッドスペース室をパージ管と連結するための導管は配置されていない。この実施態様では、亜硝酸根が手動の手段によって運ばれるであろうと予想される。
【0066】
図3で、ヘッドスペース室およびパージ容器は、(窒素のような)不活性ガスの単一源が採用され得るように、並列に配置されている。幾つかの実施態様では、このような平行の配置が好まれる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1容器(A)およびパージ容器(D)が直列にある本発明に従った装置を示す。
【図2】第1容器(A)からパージ容器(D)への亜硝酸根サンプル(亜硝酸根を含有するサンプル)の移動工程を示す。
【図3】第1容器(A)とパージ容器(D)とが並列に連結されている本発明に従った装置を示す。
【図4】NO放出およびNOバックグラウンドの、一つの分析操作でのモニタリングを示す。
【符号の説明】
【0068】
図1、2および3の符号の説明:
A:第1容器(例えばヘッドスペース室)、B:分析装置、C:第1導管、D:パージ容器、E:第2導管、X:切換え弁、F:フィルター、G:ガス供給導管、H:不活性ガス源、J:排気口(例えばガス放出のためのT連結)、K:フローコントローラーおよび/またはフローメーター、L:第1不活性ガス導管、M:第2不活性ガス導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化窒素または酸化窒素付加体を含むプローブからの亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)の放出を測定する方法であって、
−亜硝酸根(NO)および酸化窒素(NO)が放出されるプローブを第1容器(A)中に置く工程;
−プローブから放出される酸化窒素(NO)を、第1導管(C)を通って、酸化窒素を酸化窒素分析計へと運ぶように配置されているガス供給導管(G)へと運ぶ工程;
−亜硝酸根(NO)サンプルを第1容器(A)から取り出す工程;
−亜硝酸根から誘導された酸化窒素を得るために、取り出された亜硝酸根サンプル中の亜硝酸根(NO)を酸化窒素(NO)へ変換する工程であって、該変換工程が第1容器(A)から亜硝酸根を取り出す工程の後に生ずるものである工程;
−亜硝酸根から誘導された酸化窒素を、第2導管(E)を通ってガス供給導管(G)へ運ぶ工程;
−直接放出される酸化窒素(NO)および亜硝酸根から誘導される酸化窒素(NO)の1つを選択的にガス供給導管(G)の中へ導くことができるように、ガス供給導管(G)の上流端に、ならびに第1導管(C)および第2導管(E)の各下流端に配置された切換え弁(X)を操作する工程;
を有して成る測定方法。
【請求項2】
プローブから直接放出される酸化窒素(NO)および亜硝酸根から誘導される酸化窒素(NO)の量を決定する工程を更に有してなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
直接放出される酸化窒素(NO)を運ぶ工程が、酸化窒素が分析計(B)中へ入ることができるような位置に切換え弁(X)があるときに、第1容器(A)から酸化窒素を連続的に運び出す工程を有して成る、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
直接放出される酸化窒素(NO)を輸送するために、不活性ガスをキャリアーガスとして使用する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
不活性ガスが窒素(N)である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
更に、不活性ガス(H)がそこを通って第1容器中に運ばれる第1不活性ガス供給導管(L)を有して成る、請求項4〜5に記載の方法。
【請求項7】
不活性ガス供給導管(L)中の不活性ガスの流速が、不活性ガス供給導管(L)中に配置されたフローメーター(K)を使って測られるものであって、該フローメーターは出力信号を生み出し、その信号が分析装置(B)に送られるものである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1容器は連続的に洗い流されるヘッドスペース室を有してなる、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
プローブは当該第1容器の中の液体溶剤の中に置かれる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
溶剤が水溶液である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
溶剤はおよそ37℃の温度に維持される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
大気圧を超える圧力が第1導管中で維持される、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
第1導管(J)中の排気口を通って、第1導管(C)のガス流の一部を放出する工程を更に有してなる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
亜硝酸根(NO)を運ぶ工程が、第1容器(A)から少なくとも1つの亜硝酸根サンプルをサンプリングし、およびそのサンプルを第2導管の上流側に配置された排気容器(D)に運び、および亜硝酸根を酸化窒素に変換する工程が該排気容器(D)中で実施される工程を有してなる、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
第1容器から取り出された亜硝酸根(NO)サンプルがプローブに晒された溶剤の一部である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
亜硝酸根を酸化窒素へ変換する工程は還元剤を使って実施されるものである、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
還元剤はヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
不活性ガス(H)が、亜硝酸根から誘導された酸化窒素をパージ容器(D)から第2導管(E)を通ってガス供給導管(G)へと輸送するためのキャリアーガスとして用いられる、請求項14〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
不活性ガスは窒素(N)である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
亜硝酸根サンプルは第1容器から手動により運ばれる、請求項14〜19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
亜硝酸根サンプルの輸送が自動サンプリング装置によって行われ、およびポンプ装置の操作が切換え弁(X)の操作に同期している、請求項14〜19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
プローブからの酸化窒素の放出が自然に起こる、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
酸化窒素の放出は第1容器の中で活性剤の添加によって達成される、請求項1〜21のいずれか1つに記載の方法。
【請求項24】
プローブは酸化窒素を放出することができる液体である、請求項1〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
プローブは酸化窒素を放出することができる固体である、請求項1〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
プローブは医療器具を有して成る、請求項1〜25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
医療器具は一時的であるか、または永久的な血管内移植を有して成る、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
医療器具が、ステント、ステントグラフト、バルーンカテーテル、ガイドワイヤ、導入鞘、および塞栓器具から成る群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
プローブはNO付加体を有して成る、請求項1〜28のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
NO付加体はポリエチレンイミン・ジアゼニウムジオレートである請求項29に記載の方法。
【請求項31】
NO分析装置の中の酸化窒素の濃度が、酸化窒素とオゾンとの間の気相化学発光反応によって決定される、請求項1〜30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
化学発光は光電子増倍管によって検出される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
光電子増倍管の感度は光電子増倍管に供給される電圧の調節によって制御される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
酸化窒素または酸化窒素付加体を含有するプローブからの亜硝酸根および酸化窒素の放出を測定するための装置であって、
−プローブを収容するための第1容器(A);
−酸化窒素分析装置(B);
−酸化窒素がガス供給導管中を通って該分析装置に運ばれ得るガス供給導管(G);
−プローブから直接放出される酸化窒素が第1容器(A)から第1導管を通ってガス供給導管(G)の上流端へと運ばれ得る、第1導管(C);
−亜硝酸根がパージ容器中で酸化窒素に変換されてよく、第2導管が、亜硝酸根から誘導された酸化窒素をガス供給導管(G)の上流端へと運ぶように配置されている、第2導管(E)の上流側に配置されたパージ容器(D);
−第1導管(C)および第2導管(E)の各下流端に連結し、ならびに直接放出される酸化窒素および亜硝酸根から誘導される酸化窒素を選択的にガス供給導管中へと流すように配置されている、ガス供給導管(G)の上流端に配置された切換え弁(X);
を有して成る装置。
【請求項35】
不活性ガスがプローブから放出される酸化窒素を第1容器(A)からガス導管(G)の上流端に運ぶことができるように、第1容器(D)へと第1ガス供給導管によって連結されている不活性ガス源(H)を更に有して成る、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
パージ容器(D)からガス導管の上流端(G)へ、不活性ガスが亜硝酸根から誘導された酸化窒素を運ぶことができるように、装置がさらに、第2の不活性ガス供給導管(M)によってパージ容器(D)と接続される不活性ガス源(H)を有して成る、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
フローメーターおよび/またはフローコントローラー(K)が第1の不活性ガス供給導管(G)の中に配置される、請求項35または36に記載の装置。
【請求項38】
酸化窒素および亜硝酸根の水準の計算において、ガス流れ水準が考慮されることを可能にするように、フローメーターおよび/またはフローコントローラー(K)が分析装置に連結される、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
第1および第2双方の不活性ガス供給導管の上流端(LおよびM)と接続された共通の不活性ガス源(H)がある、請求項37または38に記載の装置。
【請求項40】
第1容器(A)とパージ容器(D)とが並列に配置された請求項34〜39のいずれか1つに記載の装置。
【請求項41】
第1容器(A)とパージ容器(D)とが直列に配置された請求項34〜39のいずれか1つに記載の装置。
【請求項42】
第1容器(A)は、酸化窒素をプローブからガス供給導管(G)へと輸送することができる気体状または液体状溶剤を有して成る、請求項34〜41のいずれか1つに記載の装置。
【請求項43】
溶剤は、請求項9〜11のいずれか1つに記載の溶剤である、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
第1導管(C)がフィルター(F)を有して成る、請求項34〜43のいずれか1つに記載の装置。
【請求項45】
当該第2導管(C)がフィルター(F)を有して成る、請求項34〜44のいずれか1つに記載の装置。
【請求項46】
当該第1導管が排気口(J)を有して成る、請求項34〜45のいずれか1つに記載の装置。
【請求項47】
当該第1容器が連続的に洗い流されるヘッドスペース室である、請求項34〜46のいずれか1つに記載の装置。
【請求項48】
NO分析装置は、酸化窒素とオゾン間の気相化学発光反応によって放出される光の定量的検出が可能である、請求項34〜47のいずれか1つに記載の装置。
【請求項49】
化学発光の定量的な検出は光電子増倍管によって検出される、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
光電子増倍管は光電子増倍管に供給される電圧の調節によって制御される、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
サンプルからの亜硝酸根(NO)と酸化窒素との放出を測定する方法であって、以下の工程:
a)亜硝酸根と酸化窒素との一体となった混合物を含んで成るサンプルの少なくとも2つの同等のフラクションを得る工程;
c)第1フラクションから放出される酸化窒素の濃度を決定する工程;
d)第2フラクションの亜硝酸根成分を酸化窒素に変換する工程;
e)亜硝酸根を酸化窒素に変換後の第2フラクションから放出される酸化窒素の濃度を決定する工程;
f)サンプル中の亜硝酸根(NO)および酸化窒素の濃度を決定するために、工程c)および工程e)で決定された酸化窒素のレベルを比較する工程であって、工程c)およびd)はいずれの順序で実施されてもよいものである工程;
を有して成る方法。
【請求項52】
少なくとも2つの同等のフラクションは同じサンプルから単一の分析操作によって得られる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
第1および第2フラクションは、第1フラクションを残すために第2フラクションをサンプルから分離することによって得られる、請求項52に記載の方法、
【請求項54】
少なくとも2つの同等のフラクションは一つの分析操作から連続したフラクションとして得られる、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
サンプルは酸化窒素付加体から得られる、請求項51〜54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項56】
酸化窒素付加体はポリエチレンイミン・ジアゼニウムジオレートである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
医療器具に適用された酸化窒素付加体塗膜からの亜硝酸根と酸化窒素との放出によってサンプルが得られる、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
医療器具は、一時的であるか、または永久的な血管内移植を有して成る、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
医療器具が、ステント、ステントグラフト、バルーンカテーテル、ガイドワイヤ、導入鞘、および塞栓器具から成る群から選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
亜硝酸根を酸化窒素へ変換する工程は還元剤を使って実施される、クレーム51〜59のいずれか1つに記載の方法。
【請求項61】
還元剤はヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
酸化窒素の濃度は酸化窒素とオゾン間の気相化学発光反応によって決定される、請求項51〜61のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
化学発光は光電子増倍管によって検出される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
光電子増倍管の感度は光電子増倍管に供給される電圧の調節によって制御される、請求項63に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−519443(P2009−519443A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544759(P2008−544759)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000714
【国際公開番号】WO2007/068251
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(508177275)ミリメッド・アクティーゼルスカブ (2)
【氏名又は名称原語表記】Millimed A/S
【Fターム(参考)】