交差接合金具の取付け方法及びその交差接合金具。
【課題】 鉄筋篭を無溶接で組立てる交差接合金具の取付け方法とその交差接合金具の改善を図ること。
【解決手段】 掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連続形成した内締め交差接合金具本体と取付け座金とナットを有する内締め交差接合金具で、縦主筋にフープ筋または補強枠を交差接合して鉄筋篭を無溶接で組立て、該交差部を中心に上側の縦主筋に掛止部を係止し、下側の縦主筋に締付けネジ部と取付け座金を介して螺着締付けする交差接合金具の取付け方法と、その締付けのとき取付け座金が縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度の範囲で湾曲させて取付ける方法と、交差接合するとき外締め交差支持部の正面が略レ状から略U字状に変形させて螺着締付けする取付ける方法と、交差接合するとき縦主筋の巾に対応した略レ状に形成した外締め交差接合金具と、補強枠またはフープ筋の巾と略同巾に内締め交差支持部を形成した交差接合金具。
【解決手段】 掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連続形成した内締め交差接合金具本体と取付け座金とナットを有する内締め交差接合金具で、縦主筋にフープ筋または補強枠を交差接合して鉄筋篭を無溶接で組立て、該交差部を中心に上側の縦主筋に掛止部を係止し、下側の縦主筋に締付けネジ部と取付け座金を介して螺着締付けする交差接合金具の取付け方法と、その締付けのとき取付け座金が縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度の範囲で湾曲させて取付ける方法と、交差接合するとき外締め交差支持部の正面が略レ状から略U字状に変形させて螺着締付けする取付ける方法と、交差接合するとき縦主筋の巾に対応した略レ状に形成した外締め交差接合金具と、補強枠またはフープ筋の巾と略同巾に内締め交差支持部を形成した交差接合金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場所打ちコンクリート杭で使用される無溶接で組立てる鉄筋籠の主筋と、フープ筋及び補強枠とを交差接合する交差接合金具の取付け方法及びその交差接合金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋篭の組立は、柱状に配置した複数の縦主筋と環状または角状のフープ筋を格子状に組み合わせて、交差接合金具及び結束線と溶接などで円柱状または角柱状の鉄筋籠の組立体を、その建込み近くで組立治具などを使用して横組みすることが一般的に行われている。
【0003】
そして、耐震基礎などに使用される鉄筋篭の主筋は、通常、太い主筋を横長の状態で、円柱状または角柱状に横組みされ、その組み上がった鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こし、縦の状態で場所打ちコンクリート杭に挿入するが、その釣支、吊り上げたとき、該太い主筋の高重量により鉄筋籠が撓み、捻れなどの変形を生じ、その変形と鉄筋篭を設置したときの座掘変形などの防止用に補強枠を使用している。
【0004】
また、その鉄筋籠を円柱状に組立するとき、主筋を内側にフープ筋をその外側で各格子状に組合せ、また補強枠は主筋の内外適宜変更して組合せ、その各格子状の交差部を直交クランプ、Uボルトなどの交差接合金具及び結束線で結束して組立し、そして該鉄筋籠は地面近くで横組されるので、地面近くの該交差部の結束及び交差接合金具のネジ締め作業は、該円柱状の鉄筋籠の中から行う必要があり、よって交差接合金具を使用するとき、多くは内側締め付け用の交差接合金具を使用している。
【0005】
そして、市販される直交クランプなどの交差接合金具は、Uボルト形状またはコの字形状で、一端が平面略U字形状部またはコの字形状と他端の先端がネジ部を有し、その両側からそれぞれ起立状に湾曲または屈曲させて側面略U字形状または側面略コの字形状に形成したもので、縦主筋と補強枠またはフープ筋の直交する該交差部を交差接合させるもので、その使用法は、各メーカ推奨の取付け方及びナットの締付け力など使用法に従い取り付け使用されている。
【0006】
しかして、先行技術として開示される特許文献の「鉄筋用結束具」は、鉄筋籠の主筋とフープ筋が、互いに直交して交差する両鉄筋を結束するとき、結束線や番線を用いないとするものであって、その両鉄筋における一方の主筋に、他方のフープ筋を互いに直交して交差させ、その両鉄筋を係止する湾曲部および固定部材で係止させ、交差する両鉄筋が当接する中央部分とにより、互いに直交して交差する両鉄筋を結束する、とした実施例を示す「鉄筋用結束具」がある。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
また、他の先行技術として開示される特許文献の「鉄筋結束用金具」は、鉄筋かごの組み立てに、主筋とフープおよび主筋と補強鋼材とを溶接を用いすに強固にかつ簡単に結束するものとし、具主筋1の外周に沿ってU字形状に形成された主筋把持部6aと、主筋1の内側に当該主筋1と交差して設置された補強鋼材3の外周に沿ってU字形状に形成された補強鋼材把持部6bとからなる金具本体6と、当該金具本体6に取り付けられ、当該金具本体6とによって前記主筋1と補強鋼材3とを挟持する締付け座金7および締付けナット8と、前記締付け座金7に取り付けられ前記主筋1の外側に当該主筋1と交差して設置されたフープ筋2を把持するフープ筋把持部9とから構成する実施例を示す「鉄筋結束用金具」がある。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−184223号公報
【特許文献2】特開2007−92435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現状の鉄筋篭の組立は、縦主筋を内側に補強枠及びフープ筋をその外側で各格子状に組み合せ、その直交する交差部の接合を交差クランプなど交差接合金具、結束線で結束して組立てられ、合わせて溶接手段も使用して組立てられ、しかし、近年、交差接合金具及び結束線のみを使用して無溶接で組立てることが要望されているが、しかし、鉄筋篭の吊上げる側の補強筋の交差接合では、無溶接とする交差接合金具を使用しているものの、他の箇所の補強筋の交差接合では溶接を併用し、また各フープ筋の接合では、結束線による結束及び交差接合金具と溶接を併用して各組合せて対応し、無溶接には至っていなかった。
【0010】
その無溶接の必要性は、溶接時の湿度、温度など溶接環境及び溶接技術の習熟度により溶接品質が左右され、その溶接の不安定さなど多くの課題があり、またそのような不安定要素から溶接不良となり、その溶接が外れ鉄筋篭が崩壊することが懸念され、このような現状から交差接合金具などの使用による現場内完全無溶接の組立が要望されていた。
なお、現場内完全無溶接とは、鉄筋篭が組立てられる施工現場で行われる溶接のことを業界で言われ、工場等管理された施設で環状などのフープ筋等を形成する溶接は除かれる。
【0011】
しかし、今もなおその溶接を併用する対応は、交差接合金具の使用数の多いその費用と、取付け作業上の手間と煩雑性にあり、そのコスト上の軽減を目的として部分的に溶接を取れ入れているのが現状で、そこで、本願、出願人が、鉄筋篭の組立を交差接合金具の使用により現場内完全無溶接で行ったが、その鉄筋篭を吊り起こす時に、鉄筋篭の撓み、捻れによる変形で、各交差接合金具の係止部が擦れにより変形して元に戻らす、また過度の擦れが生じると交差接合金具の締付けネジ部が断裂して崩壊に繋がることがあった。
【0012】
そして、その崩壊については、従来、無溶接で行われていないことから知られることはなく、それは溶接を併用する組立てにより、その溶接が、鉄筋篭の撓み、捻れによる変形を防ぎ、交差接合金具に直接、該変形が加わらないことから擦れが生じず、よって該締付けネジ部が断裂して崩壊に至ることもなく、結果的にはその無溶接で組立てしなかったことが、鉄筋篭を吊り起こすときの崩壊に至らず、そのことから、溶接構造では吊り起こすときの変形による崩壊を知ることがなかった。
【0013】
そこで、その鉄筋篭を吊り起こす時の撓み、捻れによる変形は、該鉄筋篭をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こし、特にその縦に起立状態に吊り起こすときに重量が大きく加わり、該鉄筋篭が耐震基礎用の場合、通常より縦主筋が太く、高重量であることから、特に、大きく加わることで変形が生じ、そのことで各交差接合金具の擦れに繋がっていた。
【0014】
また、その擦れは、鉄筋篭を縦に吊起こすをき、釣支する上側の補強枠またはフープ筋を交差接合する交差接合金具で生じ、その擦れの大きさにより交差接合金具の締付けネジ部が破断することが確認でき、その対応が課題として明確になった。
【0015】
そこで、本出願人は、上述の捻れなどの変形による擦れの原因と傾向について考察した結果、縦主筋と補強枠またはフープ筋を交差結合させるときの交差接合金具の取付け状態、つまり縦主筋と補強枠またはフープ筋と交差接合金具の取付けの向き、締付けネジ部の締め付け強度、取付け座金の変形率などにより、擦れに対する対抵抗性が大きく左右することを見いだした。
【0016】
しかし、従来の交差接合金具の取付けは、各メーカが推奨する取付け方及びナットの締付け力に沿って行われ、その交差接合させる交差接合金具の取付け方として、そのナットの螺着締付けを強くして取付け座金の湾曲する変形を大きくする、また反対に板厚の厚いものを提案して変形させず強く押圧する等の取付け方を推奨しており、その取付け方を、本願、出願人が無溶接で実施試験した結果、無溶接構造ではその課題解決の実態にそぐわない対策であることが確認でき、未だその課題の解決に至っていなかった。
【0017】
上述のことに鑑み本出願人が、交差接合金具の締付けネジ部にナットによる締付け力及びその交差接合金具の取付け方向に関し、その取付け強度の差違と、鉄筋篭の変形度合いを解析した結果、同じ交差接合金具であっても、その取付け方法により、より多くの差違が見いだせ、またそこに上述した多くの課題があることから、縦主筋と補強枠及びフープ筋を直交する交差部に取付ける交差接合金具の取付け方向、補強枠またはフープ筋とその接合させる交差接合金具との取付巾などの形状を変えることにより、課題の解決策を見いだした。
【0018】
そのことから、従来の交差接合金具の取付け状態がそもそもの原因で、その取付け状態により大きく交差接合金具が擦れ、締付けネジ部の断裂に至る原因であるとの認識を得、しかし、その認識が従来にはなく、本願、出願人が新たに見いだし、それらを本願発明で解決した。
【0019】
また、上述した先行技術として開示される特許文献1、特許文献2の「鉄筋用結束具」及び「鉄筋結束用金具」も、上述したその従来の先行技術に使用される交差接合金具の使用法と略同様の課題があり、その課題である無溶接で組立てた鉄筋篭を吊り起こすときの撓み、擦れなど変形による交差接合金具の締付けネジ部の断裂、そしてその現状は鉄筋篭を大きく変形させない一部溶接構造としていること、また吊り起こすときの変形による崩壊を知ることもなく、一部溶接構造で組立は行われていたが、上述した如く、無溶接の要望は多くあった。
【0020】
なお、ここで本願詳述する内容の理解を容易にするため、便宜上、以下の通り記載することとし、つまり上述した縦主筋と補強枠またはフープ筋を直交させた状態で、交差接合金具により交差接合する該交差接合金具に加わる力に関して、その加わる力は、クレ−ン等で鉄筋篭を吊り起こすときに作用する釣支力及び捻れなどの変形力と鉄筋篭の自重であり、その交差接合する各部材に加わる力の方向は、具体的には、補強枠またはフープ筋を直接、吊り上げ、吊り起こしするときにその補強枠またはフープ筋に作用する力で、その各部材の補強枠またはフープ筋に直接加わるその力は、その直接吊り上げる釣支方向の上向きの力で、それに対して縦主筋は、その反作用の自重による重量そのものによる下向きの力であり、以後の記載に於いては、補強枠またはフープ筋に加わる力を「上向きの力」とし、縦主筋は「下向きの力」とする。
【0021】
また、上述の力に関連して、その鉄筋篭の撓み、捻れによる変形力の方向を詳述するにあたり、本願記載では、便宜上、「垂直」の縦主筋に対して、交差する補強枠及びフープ筋を「水平方向」とし、交差接合金具に加わる力の方向を、該縦主筋と交差する補強枠及びフープ筋の交差部を中心に、「上方向」と「下方向」とし、また該交差接合金具に形成されるU状支持部及び一対の締付けネジ部の取付け位置関係も同様に、その交差部を基準にその「上側」と「下側」とする。
【0022】
さらに、交差接合金具の一対の締付けネジ部の締付け量及びその締付けによる取付け座金の変形量に関して、主筋を跨ぐように取付け座金を介してナットで該主筋を押圧支持させ、その螺着締付けにより取付け座金が湾曲変形し、その取付け座金が180度のフラットな状態から締付け、そして湾曲変形の大きさが左右に各6度程度の湾曲する量を「最小値」とし、また左右に各9度程度の湾曲値を「最大値」とし、その「最小値」は、主筋を締付け固定できる最小の値で、またその「最大値」は、主筋の押圧保持力が最大となる値であって、その6度と9度の値はその上下値で主筋の表面状態により多少のバラツキが存在し、その見た目上の目安となる値が、該締付けネジ部が略逆ハの字状に開くように変形する値でもあり、厳密な数値では示せない近傍の目安の数値である。
【0023】
つまり、上記該取付け座金の略逆ハの字状の変形が、主筋の押圧保持力が最大となり、また上記湾曲する最大角度を超える締付けで、さらに略逆ハの字状の変形が大きくなり、締付けネジ部が断裂に至る過剰な締付けとなり、最大保持力と変形による断裂に至る手前のバランスできる範囲であり、そのことから交差接合金具の締付けネジ部の締付けの適正値を表すのに、該取付け座金の湾曲する角度の値と、「略逆ハの字状の変形」を適正な締付け力とし、また該締付けネジ部の断裂に至る変形を、「略逆ハの字状を超える変形」とする。
【0024】
加えて、本願で記載する、内締め交差接合金具及び外締め交差接合金具の「内締め」、「外締め」の位置関係にあっては、縦主筋と、補強枠またはフープ筋を交差接合させたとき、交差接合金具の掛止部と締付けネジ部が、補強枠またはフープ筋側で係止と螺着締め付けするか、縦主筋側で係止と螺着締め付けするかの違いであって、本願での記載は、縦主筋側で掛止と螺着締め付けするものを「内締め」とし、補強枠またはフープ筋側で掛止と螺着締め付けするものを「外締め」とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、上記課題を有効に達成するために、第1の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部とその両端の締付けネジ部を、起立状に屈曲または湾曲させて一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部を中心とする上側の縦主筋に該掛止部を係止すると共に一対の内締め交差支持部で補強枠またはフープ筋を交差接合させ、該中心より下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する、上記該中心より上側を、鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に上記掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置した取付け方法により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、内締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【0026】
また、第2の解決手段として、一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度程度の範囲で湾曲させて螺着締付けする取付け方法により、
内締め交差接合金具の一対の締付けネジ部に取付け座金を介して補強枠またはフープ筋または縦主筋を押圧支持する支持力を最適に支持するとしている。
【0027】
また、第3の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた側面略レ形状に変形させて一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部の中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する外締め交差接合金具本体で支持させ、該一対の外締め交差支持部を側面が略レ形状から略U字形状に一対の締付けネジ部から変形させた後、取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持させると共にナットにより螺着締付けする取付け方法により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、外締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【0028】
また、第4の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部とその両端の締付けネジ部を、起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部の上側に該掛止部を係止させると共に一対の内締め交差支持部で補強枠またはフープ筋を交差接合させ、その下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の側面が略コの字形状の形成巾を補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾と略同巾近傍で形成した内締め交差接合金具により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、内締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【0029】
また、第5の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた側面略レ形状に変形させて一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部の中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合したとき、縦主筋の両側で該掛止部と一対の締付けネジ部のそれぞれが起立して挟むように装着される該一対の外締め交差支持部の略レ形状の該挟む巾を略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の巾に対応した側面が略レ形状に形成した外締め交差接合金具により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、外締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上述したそれぞれの手段によって有効な効果が得られるようにしたもので、特に、第1の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両先端の一対の締付けネジ部のそれぞれを補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応するように起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部として形成して該掛止部と、一対の内締め交差支持部と、一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、次に該中心より下側の該縦主筋に、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の上述掛止部及び一対の締付けネジ部の装着位置に於いて、鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側を、該中心より上側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に、該掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置する取付け方法により、
組立てられた鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こす時の釣支力により、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が発生すると共にその力が各内締め交差接合金具に作用し、交差接合する各内締め交差接合金具に擦れを生じさせるが、各交差接合する内締め交差接合金具の係止力の強い略U字形状の該掛止部を縦主筋と補強枠またはフープ筋が交差接合する中心より上側近傍の縦主筋に係止しているので、上記釣支する上向きの力が、略U字形状の該掛止部に直接加わり、該掛止部の略U字形状部が縦主筋に係止されることで支持し、下側近傍の縦主筋に螺着支持される一対の締付けネジ部には、該釣支する上向きの力が直接、加わらないので締付けネジ部に断裂が起きず、よって鉄筋篭の崩壊に繋がることが無ないことから、鉄筋篭を無溶接で組立てることができる取付け方法を得ることができた。
【0031】
つまり、一対の締付けネジ部は、該ネジ部に応力集中が起きて破断しやすく、そのことから、略U字形状の掛止部に比較して一対の締付けネジ部は、比較的破断力に対して弱く、直接、釣支力が加わらない位置に締付けネジ部を配置し、鉄筋篭の撓み、捻れ力が発生しても略U字形状の掛止部を中心に加わるように内締め交差接合金具を配置することで、鉄筋篭の崩壊に繋がることが無く、よってその取付け方法により、鉄筋篭を無溶接で組立てることができる。
【0032】
また、そのことは従来、無溶接で行われて無ないことから、従来は崩壊することが知られることがなく、そして結果的には、従来の無溶接の組立てで鉄筋篭の吊り起こし時に崩壊することが確認でき、よって本願発明により、従来の組立て方により、無溶接で行うと崩壊する可能性の確認と、その解決方法の完成を見た。
【0033】
しかして、第2の解決手段の、内締め交差接合金具の一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度程度の範囲で湾曲させて螺着締付けする取付け方法により、
該螺着締付けすることで、該取付け座金が湾曲変形して縦主筋の外周に円弧状に接触し、その湾曲変形の「最小値」が、縦主筋を締付け固定できる最小値の約6度であって、またその湾曲変形の「最大値」が、縦主筋の押圧保持力が最大となる約9度で、該締付けネジ部が略逆ハの字状に開くように変形する値でもあり、このことは、該値がそれ以下では締め付け不足により交差接合が緩み、それ以上では締付けネジ部が、鉄筋篭の変形の影響を受けたとき断裂する危険が増すことから最適な螺着締め付けで、縦主筋と補強枠またはフープ筋を交差接合させることができる取付け方法により、無溶接でも交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0034】
しかして、第3の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の装着に於いて、該交差部の縦主筋に該掛止部を係止させると共に一対の外締め交差支持部で縦主筋と交差支持させた後、該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合する取付け方法により、
組立てられた鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こす時の釣支力により、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が発生すると共にその力が各外締め交差接合金具に作用し、その作用を受けたとき、交差接合する各外締め交差接合金具に擦れを生じさせ、そのことで緩みを生じさせるが、該略レ形状の一対の外締め交差支持部を略U字形状に一対の締付けネジ部から変形させて該縦主筋の直径巾と略同巾とすることで、該緩みを防止して交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0035】
それは交差接合するとき、まず、例えば左側の補強枠またはフープ筋に該掛止部を係止すると共に該一対の締付けネジ部の先端から交差する中央の該縦主筋を超えさせて装着し、その装着した状態が、該略レ形状の状態のまま取付け座金を介して螺着締付けすると、該該略レ形状の開き巾が、その掛止部と一対の締付けネジ部に螺着された取付け座金との間が該開き巾で螺着され、それは、略U字形状より略レ形状の先端の開きが大きい分が変形可能領域の巾、つまりそれぞれ該略U字形状に由来する巾と、略レ形状に由来する巾との差が、取付け座金が移動可能な距離として形成され、よって該略レ形状が有する該変形可能領域を、略U字形状に変形させることで、該縦主筋と同巾の変形可能領域を無くし、このことから上記略U字形状に変形させて一対の外締め交差支持部で螺着することで、変形可能領域由来の緩みを生じさせない。
【0036】
つまり、その変形可能領域が存在する状態の鉄筋篭に撓み、捻れ力が加わると、その変形可能領域分だけ一対の締付けネジ部が変形して取付座金が緩むと共に移動し、そのことで取付け座金の押圧支持力が小さくなり、外締め交差接合金具に緩みが生じるが、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の状態から略U字形状に変形させて、掛止部と一対の締付けネジ部の間の巾を縦主筋の巾と同じにすることで変形可能領域を無くし、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が加わっても一対の締付けネジ部が変形することがなく、よって外締め交差接合金具に緩みが生じず、無溶接でも交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0037】
このことは、掛止部乃至一対の交差支持部の屈曲部に補強枠またはフープ筋から変形の影響を受けたとき、上述した「上向きの力」が作用するが、そのとき該一対の交差支持部の屈曲部に該変形可能領域が存在するとその量だけ変形し、またその逆に変形可能領域が無いと、直接、縦主筋とその係止する掛止部に加わり、その屈曲部に変形するような作用が起こらず、よって交差接合する外締め交差接合金具が擦れることなく支持されるので、その略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合する取付け方法により鉄筋篭が崩壊することがない無溶接の組立てができた。
【0038】
なお、一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の必要性について、まず、縦主筋と交差する補強枠またはフープ筋の一方側に平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部を係止させた後、該一対の締付けネジ部の先端から交差する該縦主筋を超えさせて一対の外締め交差支持部で該縦主筋を支持させ、そのとき係止した掛止部と該一対の締付けネジ部の先端が、該縦主筋を超えさせる距離において、該略レ形状に若干開いた状態の距離が大きいことから、該縦主筋を超えさせて支持することが可能となり、仮に、側面が略U字形状の状態の場合、縦主筋を超えさせる距離が足りず、該側面が略U字形状の状態の外締め交差接合金具本体では、交差状に支持することができないことにあり、外締め交差接合金具本体を装着するときに必要な形状となる。
【0039】
しかして、第4の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両端の締付けネジ部のそれぞれを起立状に屈曲または湾曲させて、補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応する側面が略コの字形状または略U字形状を一対の内締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、該中心より下側の該縦主筋を、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該補強枠またはフープ筋を支持する該一対の内締め交差支持部の側面が略コの字形状の形成巾に於いて、その交差支持する補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾と、該一対の内締め交差支持部の該側面が略コの字形状の該形成巾と略同巾で形成した内締め交差接合金具により、
組立てられた鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こす時の釣支力により、該鉄筋篭の撓み、捻れが発生すると共にその力が各内締め交差接合金具に作用し、そのとき該一対の交差支持部の略コの字形状または略U字形状の形成巾が、補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾より広いと、その広い部分が変形可能領域となり、上述した如く、該変形可能領域が変形することで、内締め交差接合金具が緩み、そのことで係止力が弱まり、縦主筋が抜けることとなるが、該交差支持部を該板巾または直径巾と略同巾で形成することにより、上記変形可能領域が無くなり、そのことで一対の交差支持部の形成巾に変形が生じず、よって該鉄筋篭の撓み、捻れ力が加わっても補強枠またはフープ筋と縦主筋を交差接合する支持力が弱まることがない。
【0040】
このことは、掛止部乃至一対の交差支持部の屈曲部に補強枠またはフープ筋から変形の影響を受けたとき、上述した「上向きの力」が作用するが、そのとき該一対の交差支持部の屈曲部に該変形可能領域が存在するとその量だけ変形し、またその逆に変形可能領域が無いと、直接、縦主筋とその係止する掛止部に加わり、その屈曲部に変形するような作用が起こらず、よって交差接合する内締め交差接合金具が擦れることなく支持されるので、無溶接で組み立てても鉄筋篭が崩壊することがない、内締め交差接合金具を得ることができた。
【0041】
しかして、第5の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部とし、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の形成巾に於いて、該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の直径巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の直径巾に対応した側面が略レ形状の該一対の外締め交差支持部として形成したことにより、
鉄筋籠を縦に起立状態に吊り起こすときの釣支力により、該鉄筋篭に捻れ力などが発生すると共にその力が各外締め交差接合金具に作用して緩みを生じさせるが、外締め交差接合金具本体の一対の外締め交差支持部を該略レ形状から略U字形状に、該縦主筋の直径巾と略同巾に変形させることで、上述した如く該緩みを防止して交差接合する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0042】
それは交差接合するとき、まず、例えば左側の補強枠またはフープ筋に該掛止部を係止すると共に該一対の締付けネジ部の先端から交差する中央の該縦主筋を超えさせて装着し、その装着した状態が、側面該略レ形状の状態のまま取付け座金を介して螺着締付けすると、縦主筋を挟む一対の交差支持部の形成巾が、その掛止部と一対の締付けネジ部に螺着された取付け座金との間が広い状態で螺着され、つまり、略U字形状と該略レ形状の先端の開きの大きさの差の広い状態で螺着され、その開きの大きさの差は、それぞれ該略U字形状に由来する巾と、略レ形状に由来する巾との差が、変形可能領域の巾として形成され、よって上述した如く、該略レ形状には該変形可能領域があり、またそれを略U字形状に変形させることで、該縦主筋と同巾の変形可能領域が無くなり、このことから略U字形状に変形させて一対の外締め交差支持部で螺着することで緩みを生じさせない。
【0043】
つまり、その変形可能領域が存在する状態の鉄筋篭に撓み、捻れ力が加わると、その変形可能領域分だけ一対の締付けネジ部が変形して取付座金が緩むと共に移動し、そのことで取付け座金の押圧支持力が小さくなり、外締め交差接合金具に緩みが生じるが、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の状態から略U字形状に変形させて、掛止部と一対の締付けネジ部の間の巾を縦主筋の巾と同じにすることで、変形可能領域を無くし、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が加わっても一対の締付けネジ部が変形することがなく、よって外締め交差接合金具に緩みが生じず、無溶接でも交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0044】
このことは、掛止部乃至一対の交差支持部の屈曲部に補強枠またはフープ筋から変形の影響を受けたとき、上述した「上向きの力」が作用するが、そのとき該一対の交差支持部の屈曲部に該変形可能領域が存在するとその量だけ変形し、またその逆に変形可能領域が無いと、直接、縦主筋とその係止する掛止部に加わり、その屈曲部に変形するような作用が起こらず、よって交差接合する外締め交差接合金具が擦れることなく支持されるので、その略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合する該一対の外締め交差支持部により鉄筋篭が崩壊することがない外締め交差接合金具を得たことで無溶接の組立てができ、
よって、これらのことから本発明は、実用上著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】 本発明の鉄筋篭1の平面図である。
【図2】 本発明の縦主筋2と補強枠4及びフープ筋3の交差接合状態を示す要部の斜視図である。
【図3】 本発明の内締め交差接合金具5aの斜視図である。
【図4】 本発明の縦主筋2と補強枠4及びフープ筋3の交差接合状態を示す要部の斜視図である。
【図5】 本発明の外締め交差接合金具5bの斜視図である。
【図6】 本発明の外締め交差接合金具本体10bの側面図である。
【図7】 本発明の外締め交差接合金具本体10bの取付け状態を示す要部の側面図である。
【図8】 本発明の外締め交差接合金具5bを変形させて取付た状態を示す要部の側面図である。
【図9】 本発明の外締め交差接合金具5bを変形させて取付た状態を示す要部の平面図である。
【図10】 本発明の内締め交差接合金具5aを螺着した状態を示す要部の正面図である。
【図11】 本発明の取付け座金11の湾曲状態を示す要部の側面図である。
【図12】 本発明の補強枠4に内締め交差接合金具5aを螺着した状態を示す要部の側面図である。
【図13】 本発明の補強枠4に内締め交差接合金具5aを螺着した状態を示す要部の平面図である。
【図14】 本発明の補強枠4使用の内締め交差接合金具5aに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【図15】 本発明の補強枠4使用の内締め交差接合金具5aに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【図16】 本発明のフープ筋3に内締め交差接合金具5aaを螺着した状態を示す要部の側面図である。
【図17】 本発明のフープ筋3に内締め交差接合金具5aaを螺着した状態を示す要部の平面図である。
【図18】 本発明のフープ筋3使用の内締め交差接合金具5aaに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【図19】 本発明のフープ筋3使用の内締め交差接合金具5aaに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
第一の実施例は、鉄筋篭の縦主筋と補強枠またはフープ筋を交差接合させる内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部と一対の締付けネジ部をその両端から起立状に屈曲または湾曲させて一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、該縦主筋と補強枠またはフープ筋が交差する該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、該中心より下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する取付け方法において、該中心より上側を、鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に上記掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置した内締め交差接合金具の取付け方法により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0047】
第二の実施例は、一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各6度乃至9度の範囲で湾曲する程度の螺着締付けする内締め交差接合金具の取付け方法により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0048】
第三の実施例は、鉄筋篭のフープ筋及び補強枠と縦主筋を交差接合させる外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた略レ形状の一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する外締め交差接合金具本体で支持させ、該一対の外締め交差支持部を側面が略レ形状から略U字形状に変形させた後、取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持させると共にナットにより螺着締付けする外締め交差接合金具の取付け方法により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0049】
第四の実施例は、鉄筋篭のフープ筋及び補強枠と縦主筋を交差接合させる内締め交差接合金具は、該内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部とその両端の締付けネジ部を、起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部の上側に該掛止部を係止させると共に一対の内締め交差支持部で補強枠またはフープ筋を交差接合させ、その下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の側面が略コの字形状の巾を補強枠またはフープ筋の巾と略同巾で形成した内締め交差接合金具により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0050】
第五の実施例は、鉄筋篭のフープ筋及び補強枠と縦主筋を交差接合させる外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた略レ形状に変形させて一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部の中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合したとき、縦主筋の両側で該掛止部と一対の締付けネジ部のそれぞれが起立して挟むように装着される該一対の外締め交差支持部の略レ形状の該挟む巾を略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の巾に対応した略レ形状に形成した外締め交差接合金具により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0051】
そして、その課題の無溶接で組立てる鉄筋篭は、その吊り起こす時の鉄筋篭の撓み、捻れの大きさに比例して、各交差接合金具が係止する主筋の掛止部で擦れの量が変化し、その捻れと擦れは相対して発生するので、その擦れを少なく押さえることで捻れも小さく、またその反対に擦れが大きくなることで、交差接合金具の締付けネジ部に過度の力が加わり断裂して鉄筋篭の崩壊となり、そこでその交差接合金具の擦れを最小限に止どめ鉄筋篭を大きく変形させない交差接合金具の提供を実現させた。
【実施例】
【0052】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1に於いて、1は鉄筋篭で、該鉄筋篭1は、柱状に配設された縦主筋2に、それぞれ環状のフープ筋3と補強枠4を所定間隔で外嵌して格子状に交差させると共に柱状に組み合わせ、該柱状の鉄筋篭1の内部に入ってその内側から格子状の交差部に内締め交差接合金具5a,5a,…を使用して締め付け作業をする場合と、また外締め交差接合金具5b,5b,…により外側から交差接合させて、組立作業をすることで横組みされる。
【0053】
そこで、該鉄筋篭1に使用される縦主筋2は、構築する杭の規模によりその縦主筋2の鉄筋径が適宜選ばれ、通常、フープ筋3より大径の鉄筋が使用され、また該フープ筋3は、その使用する鉄筋の両端部を溶着して環状に形成したもので、該フープ筋3を縦主筋2に対し所定間隔で格子状に外嵌配設して、主に結束線6を用いて結束保持される。
【0054】
そして、その縦主筋2に各配置されたフープ筋3及び補強枠4をそれぞれ交差接合することに於いて、フープ筋3は、図2に示すように、結束線6で縦主筋2とフープ筋3を結束して保持固定され、また補強枠4は、図2に示すように平板状で、その両端部を溶着して環状に形成して予め製作され、該補強枠4を上記柱状に配設された縦主筋2に外嵌して所定間隔で該縦主筋2と格子状に交差させて、該交差部に内締め交差接合金具5a,5a,…で交差接合して組立てられる。
【0055】
なお、図1に示す外締め交差接合金具5b,5b,…は、該鉄筋篭1の外側からの締め付け作業が容易なときおいて使用され、そして該鉄筋篭1の縦主筋2とフープ筋3及び補強枠4の交差接合する作業が、内側、外側の別に適宜、選ばれるのはそれぞれ作業方向の容易さによって選ばれ、その作業別によりそれぞれ内締め交差接合金具5aまたは外締め交差接合金具5bが選ばれる。
【0056】
そこで、該内締め交差接合金具5aは、図2及び図3に示すように、市販のUボルトの形状で、平面略U字形状の掛止部7aと一対の締付けネジ部8a,8aを、それぞれ起立状に屈曲させて側面が略コの字形状の一対の交差支持部9a,9aを形成すると共に該掛止部7aと一対の締付けネジ部8a,8aとで交差接合金具本体10aを形成し、平板状の取付け座金11に開設する挿通孔12,12に該一対の締付けネジ部8a,8aを挿通すると共にナット13,13で螺着締め付けする。
【0057】
そして該交差接合金具本体10aの一対の交差支持部9a,9aの該略コの字形状の巾は、支持する該補強枠4の板巾と略同巾で形成し、それは、補強枠4の板巾より広いと、その広い部分が変形可能領域として形成され、のちにそこが変形して、交差接合した内締め交差接合金具5aが緩む可能性があることから一対の交差支持部9a,9aは支持する該補強枠4の巾と略同巾とし、また他の実施例のフープ筋3を支持するときは、該フープ筋3の巾に対応させて形成する。
【0058】
また、該外締め交差接合金具5bは、図4及び図5に示すように、平面が略コの字形状で、該コの字形状の掛止部7bと一対の締付けネジ部8b,8bを、それぞれ起立状に湾曲させて縦主筋2の外径に沿った側面が略U字形状の一対の交差支持部9b,9bを形成すると共に該掛止部7bと一対の締付けネジ部8b,8bとで交差接合金具本体10bを形成し、平板状の取付け座金11に開設する挿通孔12,12に該一対の締付けネジ部8b,8bを挿通すると共にナット13,13で螺着締め付けする。
【0059】
なお、該交差接合金具本体10bの一対の交差支持部9b,9bの側面が略U字形状は、上述したように、該一対の交差支持部9b,9が支持する縦主筋2の直径巾に対応させて、該一対の交差支持部9b,9bに変形可能領域が形成されない巾として形成する。
【0060】
しかして、多数の縦主筋2,2,…と補強枠4を交差させると共に該交差部に外締め交差接合金具5bにより交差接合させるときの該外締め交差接合金具5bの形成に於いては、図6及び図7に示すように、該縦主筋2の直径巾に対応するように側面が略U字形状に湾曲させて形成した一対の交差支持部9b,9bを若干開いた略レ形状とし、図7に示すように、補強枠4に略コの字形状の掛止部7bを係止させると共に一対の締付けネジ部8b,8bの先端から縦主筋2を超して該補強枠4と交差する該縦主筋2を一対の交差支持部9b,9bで支持させ、その状態で図7に示すパイプハンドル14により該略レ形状の先端側の一対の交差支持部9b,9bを図示する矢印方向に屈曲させて、図8に示すように、一対の交差支持部9b,9bを該略レ形状から略U字形状に変形させて装着する。
【0061】
そして、その装着された縦主筋2と補強枠4を交差接合させて螺着するとき、図8及び図9に示すように、該補強枠4と交差する縦主筋2を略U字形状の一対の交差支持部9b,9bで支持し、該補強枠4を取付け座金11で押圧保持させると共に該穴部12,12に該一対の締付けネジ部8b,8bを挿通して該取付け座金11を介してナット13,13で螺着締付けすることで、略U字形状に変形可能領域が形成されない巾で、縦主筋2と補強枠4を交差接合している。
【0062】
その螺着締め付けに関して、内締め交差接合金具5aにおいては、図10及び図11に示すように、縦主筋2を中心に、取付け座金11が左右に若干湾曲するように螺着締付けする。
【0063】
その湾曲する螺着締付けにおいて、図10に示すように、取付け座金11を介してナット13,13で螺着締付けする該締付け値は、ナット13,13で螺着締付けすると、該取付け座金11が縦主筋2を中心として左右に湾曲すると共に一対の締付けネジ部8a,8aが、略逆ハの字状に外側に開くように変形し、該縦主筋2を中心に取付け座金11が図11に示すように、それぞれ各αの角度分、左右側に湾曲し、その時の左右の各αを、6度乃至9度程度の湾曲の範囲で螺着締付けする。
【0064】
つまり、該6度乃至9度の湾曲範囲は、左右に各6度程度の湾曲する量を最小とし、その最小値が、縦主筋2を締付け支持できる最小の値であり、また左右に各9度程度の湾曲を最大値とし、その最大値が、縦主筋2の押圧支持力が最大となる値であって、一対の締付けネジ部8a,8aが略逆ハの字状に開くように変形する値でもあり、その縦主筋2の押圧支持力が、最大となる値を超えて締付けると、該締付けネジ部8a,8aが断裂する危険性が増すこととなる。
【0065】
よって、その螺着締付けにより該取付け座金11が屈曲する角度の値が6度程度以下では、締め付け不足により交差支持が緩み、また9度以上では、鉄筋篭1を吊り起こして捻れ、撓みの影響を受けたとき、締付けネジ部8a,8aが断裂する危険が増すことから最適な支持力で、縦主筋2と補強枠4を交差接合させる値となり、該6度乃至9度の湾曲の範囲は、取付け座金11の板厚、螺着締め付けする縦主筋2、補強枠4、フープ筋3の大きさ、形状などによっても若干の変動幅があり、それは図10に示すように、ナット13,13で螺着締付けする取付け座金11の裏側、つまりその螺着締付けする直下は取付け座金11を支持するものがなにも無く、よってその湾曲する振れ幅には誤差が生じるためである。
【0066】
しかして、横組みされた鉄筋篭1をクレーンにより吊上げると共に縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響について、その交差接合金具5で縦主筋2と補強枠4を交差接合したときの各部に及ぼす該釣支力は、図12及び図13に示すように、補強枠4に加わる該釣支力の「上向きの力」Aと、その反する縦主筋2の自重の「下向きの力」Bとして存在し、そして鉄筋篭1を起立状態に吊り起すと、内締め交差接合金具5aの掛止部7aに「上向きの力」Aが補強枠4を介して加わり、相対して縦主筋2には自重の「下向きの力」Bとなり、そのとき掛止部7a乃至屈曲部15aの係止部(イ)と、掛止部7aと縦主筋2の係止部(ロ)と、一対の締付けネジ部8a,8a及び取付け座金11と縦主筋2の係止部(ハ)の各部にそれぞれ釣支力が加わり、その釣支力が(イ)、(ロ)、(ハ)の各係止部に影響を及ぼす。
【0067】
つまり、図14に示す、掛止部7aを「上側」に、そして一対の締付けネジ部8a,8aを「下側」に配置した内締め交差接合金具5aの釣支力による変形は、「上向きの力」Aが加わると、まず、係止部(イ)の屈曲部15aが上方向に引上げられると共に変形され、同時に、係止部(ロ)の掛止部7aが縦主筋2に係止された状態で、該係止部(イ)と係止部(ロ)とでつり合うと共にそのほとんどの釣支力をそこで支持し、一方、係止部(ハ)の取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8a,8aには、該釣支力が直接、多くは加わらないので、一対の締付けネジ部8a,8aが断裂には至らない。
【0068】
それに対して、図15に示すように、掛止部7aを「下側」に、締付けネジ部8a,8aを「上側」に配置した内締め交差接合金具5aの釣支力による変形は、上述とは逆に、一対の締付けネジ部8a,8aの取付け座金11が縦主筋2に係止された状態で、該「上向きの力」Aが直接、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8a,8aに加わり、そのほとんどの釣支力を、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8a,8aが支持することとなり、該締付けネジ部8a,8aが断裂に至る可能性が大きくなる。
【0069】
なお、公的機関の地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センターにて、上述した図14に示す一対の締付けネジ部8a,8aを「下側」に装着した状態と、図15の「上側」に装着した各状態で、それぞれ各図中に示すA方向の力を加える試験を実施し、その引張による断裂に至る強度試験を実施して得られた結果の値が、表1及び表2に示すものであります。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
つまり、表1及び表2から、一対の締付けネジ部8a,8aの締め込み位置が「上側」または「下側」の破断強度値の違を示すもので、「上側」を代表例としたK−1の最大値では、55.4688/tfの値が得られ、また「下側」を代表例としたC−1の最大値では、66.6094/tfの値を示し、その値が締付けネジ部8aの断裂に至る値であり、その差から釣支吊り起こすときの釣支力が加わるとき、該締付けネジ部8a,8aの締め込み位置が「上側」または「下側」かによって、締付けネジ部8a,8aの破断強度が大きく異る結果が得られたことを示しております。
【0073】
しかして、図16及び図17に示す縦主筋2とフープ筋3を内締め交差接合金具5aaで交差接合させる他の実施例において、上述した図12及び図13の実施例と略同様の内締め付け交差金具の実施例で、相違点に於いて、縦主筋2とフープ筋3との交差接合に使用するもので、縦主筋2とフープ筋3の交差する位置に内締め交差接合金具5aaで交差接合させ、そして同様に、縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響は、内締め交差接合金具5aaの掛止部7aaに「上向きの力」Aがフープ筋3を介して加わり、相対して縦主筋2には自重の「下向きの力」Bとなり、そのとき掛止部7aa乃至一対の交差支持部9aa,9aaの係止部(イ)と、掛止部7aaと縦主筋2の係止部(ロ)と、締付けネジ部8aa,8aa及び取付け座金11と縦主筋2の係止部(ハ)の各位置にそれぞれ釣支力が加わり、その釣支力により(イ)、(ロ)、(ハ)の各係止部に影響を及ぼす。
【0074】
つまり、図18に示す掛止部7aaを「上側」に、そして締付けネジ部8aa,8aaを「下側」に配置した内締め交差接合金具5aaの釣支力による変形は、「上向きの力」Aが加わると、まず、係止部(イ)の一対の交差支持部9aa,9aaが上方向に変形され、同時に、係止部(ロ)の掛止部7aaが縦主筋2に係止された状態で、該係止部(イ)と係止部(ロ)とでつり合うと共にそのほとんどの釣支力をそこで支持し、一方、係止部(ハ)の取付け座金11を介して締付けネジ部8aa,8aaには、該釣支力が直接、多くは加わらないので締付けネジ部8aa,8aaが断裂には至らない。
【0075】
それに対して、図19に示すように、掛止部7aaを「下側」に、締付けネジ部8aa,8aaを「上側」に配置した内締め交差接合金具5aaの釣支力による変形は、上述とは逆に、一対の締付けネジ部8aa,8aaの取付け座金11が縦主筋2に係止された状態で、該「上向きの力」Aが直接、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8aa,8aaに加わり、そのほとんどの釣支力を、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8aa,8aaが支持することとなり、該締付けネジ部8aa,8aaが断裂に至る可能性が大きくなる。
【0076】
上述したことから、鉄筋篭1をクレーンにより吊上けると共に縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響は、掛止部7a,7aaを「上向きの力」Aの方向側とするか、逆の一対の締付けネジ部8a,8aaとするのかによって、該締付けネジ部8a,8aaの断裂に大きく影響し、該掛止部7a,7aaと一対の締付けネジ部8a,8aaの断裂強度を比較すると、該ネジ部における強度が弱く、それはネジ部が切削されて細くなり、且つ応力集中が起こりやすいことで断裂しやすく、よって大きく該釣支力が加わる部分に断裂強度を有する掛止部7a,7aaで支持することを見いだしたことにあります。
【0077】
なお、上述各実施例は、縦主筋2を内側に、補強枠4及びフープ筋3を外側として、各交差接合部にあっては、鉄筋篭1の内側と外側の作業位置により、内締め交差接合金具5aまたは外締め交差接合金具5bのその専用の金具により組立てられ、また縦主筋2に対して補強枠4が外側の実施例に対して、逆の内側の実施例の場合、それぞれ内付け交差接合金具、外付け交差接合金具の取付状態も上述とは逆の関係になるが、図示は省略した。
【0078】
また、鉄筋篭1が筒状としているが、平面壁状に形成しても内付け交差接合金具、外付け交差接合金具の取付状態が同様の構成で組立てられるが、図示は省略した。
【0079】
また、ナット13には、緩み止めナットを使用し、それは鉄筋篭1をクレーンにより吊上げると共に縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響で、該鉄筋篭1に捻れ、撓み、湾曲などの変形が生じ、その変形による各交差接合金具のナットの螺着締め付けの緩みを防止すると共にその緩みによる鉄筋篭1のさらなる変形と崩壊を防止しているが、特に図示は省略した。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の鉄筋篭の交差接合金具の取付け方法とその交差接合金具は、耐震基礎などに使用される鉄筋篭の組立と、その鉄筋篭の縦主筋と補強枠及びフープ筋と交差接合させて組立てる交差接合金具として使用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 鉄筋篭
2 縦主筋
3 フープ筋
4 補強枠
5a,5aa 内締め交差接合金具
5b 外締め交差接合金具
7a,7aa 掛止部
7b 掛止部
8a,8aa 締付けネジ部
8b 締付けネジ部
9a,9aa 交差支持部
9b 交差支持部
10a,10aa 交差接合金具本体
10b 交差接合金具本体
11 取付け座金
12 挿通孔
13 ナット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、場所打ちコンクリート杭で使用される無溶接で組立てる鉄筋籠の主筋と、フープ筋及び補強枠とを交差接合する交差接合金具の取付け方法及びその交差接合金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋篭の組立は、柱状に配置した複数の縦主筋と環状または角状のフープ筋を格子状に組み合わせて、交差接合金具及び結束線と溶接などで円柱状または角柱状の鉄筋籠の組立体を、その建込み近くで組立治具などを使用して横組みすることが一般的に行われている。
【0003】
そして、耐震基礎などに使用される鉄筋篭の主筋は、通常、太い主筋を横長の状態で、円柱状または角柱状に横組みされ、その組み上がった鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こし、縦の状態で場所打ちコンクリート杭に挿入するが、その釣支、吊り上げたとき、該太い主筋の高重量により鉄筋籠が撓み、捻れなどの変形を生じ、その変形と鉄筋篭を設置したときの座掘変形などの防止用に補強枠を使用している。
【0004】
また、その鉄筋籠を円柱状に組立するとき、主筋を内側にフープ筋をその外側で各格子状に組合せ、また補強枠は主筋の内外適宜変更して組合せ、その各格子状の交差部を直交クランプ、Uボルトなどの交差接合金具及び結束線で結束して組立し、そして該鉄筋籠は地面近くで横組されるので、地面近くの該交差部の結束及び交差接合金具のネジ締め作業は、該円柱状の鉄筋籠の中から行う必要があり、よって交差接合金具を使用するとき、多くは内側締め付け用の交差接合金具を使用している。
【0005】
そして、市販される直交クランプなどの交差接合金具は、Uボルト形状またはコの字形状で、一端が平面略U字形状部またはコの字形状と他端の先端がネジ部を有し、その両側からそれぞれ起立状に湾曲または屈曲させて側面略U字形状または側面略コの字形状に形成したもので、縦主筋と補強枠またはフープ筋の直交する該交差部を交差接合させるもので、その使用法は、各メーカ推奨の取付け方及びナットの締付け力など使用法に従い取り付け使用されている。
【0006】
しかして、先行技術として開示される特許文献の「鉄筋用結束具」は、鉄筋籠の主筋とフープ筋が、互いに直交して交差する両鉄筋を結束するとき、結束線や番線を用いないとするものであって、その両鉄筋における一方の主筋に、他方のフープ筋を互いに直交して交差させ、その両鉄筋を係止する湾曲部および固定部材で係止させ、交差する両鉄筋が当接する中央部分とにより、互いに直交して交差する両鉄筋を結束する、とした実施例を示す「鉄筋用結束具」がある。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
また、他の先行技術として開示される特許文献の「鉄筋結束用金具」は、鉄筋かごの組み立てに、主筋とフープおよび主筋と補強鋼材とを溶接を用いすに強固にかつ簡単に結束するものとし、具主筋1の外周に沿ってU字形状に形成された主筋把持部6aと、主筋1の内側に当該主筋1と交差して設置された補強鋼材3の外周に沿ってU字形状に形成された補強鋼材把持部6bとからなる金具本体6と、当該金具本体6に取り付けられ、当該金具本体6とによって前記主筋1と補強鋼材3とを挟持する締付け座金7および締付けナット8と、前記締付け座金7に取り付けられ前記主筋1の外側に当該主筋1と交差して設置されたフープ筋2を把持するフープ筋把持部9とから構成する実施例を示す「鉄筋結束用金具」がある。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−184223号公報
【特許文献2】特開2007−92435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現状の鉄筋篭の組立は、縦主筋を内側に補強枠及びフープ筋をその外側で各格子状に組み合せ、その直交する交差部の接合を交差クランプなど交差接合金具、結束線で結束して組立てられ、合わせて溶接手段も使用して組立てられ、しかし、近年、交差接合金具及び結束線のみを使用して無溶接で組立てることが要望されているが、しかし、鉄筋篭の吊上げる側の補強筋の交差接合では、無溶接とする交差接合金具を使用しているものの、他の箇所の補強筋の交差接合では溶接を併用し、また各フープ筋の接合では、結束線による結束及び交差接合金具と溶接を併用して各組合せて対応し、無溶接には至っていなかった。
【0010】
その無溶接の必要性は、溶接時の湿度、温度など溶接環境及び溶接技術の習熟度により溶接品質が左右され、その溶接の不安定さなど多くの課題があり、またそのような不安定要素から溶接不良となり、その溶接が外れ鉄筋篭が崩壊することが懸念され、このような現状から交差接合金具などの使用による現場内完全無溶接の組立が要望されていた。
なお、現場内完全無溶接とは、鉄筋篭が組立てられる施工現場で行われる溶接のことを業界で言われ、工場等管理された施設で環状などのフープ筋等を形成する溶接は除かれる。
【0011】
しかし、今もなおその溶接を併用する対応は、交差接合金具の使用数の多いその費用と、取付け作業上の手間と煩雑性にあり、そのコスト上の軽減を目的として部分的に溶接を取れ入れているのが現状で、そこで、本願、出願人が、鉄筋篭の組立を交差接合金具の使用により現場内完全無溶接で行ったが、その鉄筋篭を吊り起こす時に、鉄筋篭の撓み、捻れによる変形で、各交差接合金具の係止部が擦れにより変形して元に戻らす、また過度の擦れが生じると交差接合金具の締付けネジ部が断裂して崩壊に繋がることがあった。
【0012】
そして、その崩壊については、従来、無溶接で行われていないことから知られることはなく、それは溶接を併用する組立てにより、その溶接が、鉄筋篭の撓み、捻れによる変形を防ぎ、交差接合金具に直接、該変形が加わらないことから擦れが生じず、よって該締付けネジ部が断裂して崩壊に至ることもなく、結果的にはその無溶接で組立てしなかったことが、鉄筋篭を吊り起こすときの崩壊に至らず、そのことから、溶接構造では吊り起こすときの変形による崩壊を知ることがなかった。
【0013】
そこで、その鉄筋篭を吊り起こす時の撓み、捻れによる変形は、該鉄筋篭をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こし、特にその縦に起立状態に吊り起こすときに重量が大きく加わり、該鉄筋篭が耐震基礎用の場合、通常より縦主筋が太く、高重量であることから、特に、大きく加わることで変形が生じ、そのことで各交差接合金具の擦れに繋がっていた。
【0014】
また、その擦れは、鉄筋篭を縦に吊起こすをき、釣支する上側の補強枠またはフープ筋を交差接合する交差接合金具で生じ、その擦れの大きさにより交差接合金具の締付けネジ部が破断することが確認でき、その対応が課題として明確になった。
【0015】
そこで、本出願人は、上述の捻れなどの変形による擦れの原因と傾向について考察した結果、縦主筋と補強枠またはフープ筋を交差結合させるときの交差接合金具の取付け状態、つまり縦主筋と補強枠またはフープ筋と交差接合金具の取付けの向き、締付けネジ部の締め付け強度、取付け座金の変形率などにより、擦れに対する対抵抗性が大きく左右することを見いだした。
【0016】
しかし、従来の交差接合金具の取付けは、各メーカが推奨する取付け方及びナットの締付け力に沿って行われ、その交差接合させる交差接合金具の取付け方として、そのナットの螺着締付けを強くして取付け座金の湾曲する変形を大きくする、また反対に板厚の厚いものを提案して変形させず強く押圧する等の取付け方を推奨しており、その取付け方を、本願、出願人が無溶接で実施試験した結果、無溶接構造ではその課題解決の実態にそぐわない対策であることが確認でき、未だその課題の解決に至っていなかった。
【0017】
上述のことに鑑み本出願人が、交差接合金具の締付けネジ部にナットによる締付け力及びその交差接合金具の取付け方向に関し、その取付け強度の差違と、鉄筋篭の変形度合いを解析した結果、同じ交差接合金具であっても、その取付け方法により、より多くの差違が見いだせ、またそこに上述した多くの課題があることから、縦主筋と補強枠及びフープ筋を直交する交差部に取付ける交差接合金具の取付け方向、補強枠またはフープ筋とその接合させる交差接合金具との取付巾などの形状を変えることにより、課題の解決策を見いだした。
【0018】
そのことから、従来の交差接合金具の取付け状態がそもそもの原因で、その取付け状態により大きく交差接合金具が擦れ、締付けネジ部の断裂に至る原因であるとの認識を得、しかし、その認識が従来にはなく、本願、出願人が新たに見いだし、それらを本願発明で解決した。
【0019】
また、上述した先行技術として開示される特許文献1、特許文献2の「鉄筋用結束具」及び「鉄筋結束用金具」も、上述したその従来の先行技術に使用される交差接合金具の使用法と略同様の課題があり、その課題である無溶接で組立てた鉄筋篭を吊り起こすときの撓み、擦れなど変形による交差接合金具の締付けネジ部の断裂、そしてその現状は鉄筋篭を大きく変形させない一部溶接構造としていること、また吊り起こすときの変形による崩壊を知ることもなく、一部溶接構造で組立は行われていたが、上述した如く、無溶接の要望は多くあった。
【0020】
なお、ここで本願詳述する内容の理解を容易にするため、便宜上、以下の通り記載することとし、つまり上述した縦主筋と補強枠またはフープ筋を直交させた状態で、交差接合金具により交差接合する該交差接合金具に加わる力に関して、その加わる力は、クレ−ン等で鉄筋篭を吊り起こすときに作用する釣支力及び捻れなどの変形力と鉄筋篭の自重であり、その交差接合する各部材に加わる力の方向は、具体的には、補強枠またはフープ筋を直接、吊り上げ、吊り起こしするときにその補強枠またはフープ筋に作用する力で、その各部材の補強枠またはフープ筋に直接加わるその力は、その直接吊り上げる釣支方向の上向きの力で、それに対して縦主筋は、その反作用の自重による重量そのものによる下向きの力であり、以後の記載に於いては、補強枠またはフープ筋に加わる力を「上向きの力」とし、縦主筋は「下向きの力」とする。
【0021】
また、上述の力に関連して、その鉄筋篭の撓み、捻れによる変形力の方向を詳述するにあたり、本願記載では、便宜上、「垂直」の縦主筋に対して、交差する補強枠及びフープ筋を「水平方向」とし、交差接合金具に加わる力の方向を、該縦主筋と交差する補強枠及びフープ筋の交差部を中心に、「上方向」と「下方向」とし、また該交差接合金具に形成されるU状支持部及び一対の締付けネジ部の取付け位置関係も同様に、その交差部を基準にその「上側」と「下側」とする。
【0022】
さらに、交差接合金具の一対の締付けネジ部の締付け量及びその締付けによる取付け座金の変形量に関して、主筋を跨ぐように取付け座金を介してナットで該主筋を押圧支持させ、その螺着締付けにより取付け座金が湾曲変形し、その取付け座金が180度のフラットな状態から締付け、そして湾曲変形の大きさが左右に各6度程度の湾曲する量を「最小値」とし、また左右に各9度程度の湾曲値を「最大値」とし、その「最小値」は、主筋を締付け固定できる最小の値で、またその「最大値」は、主筋の押圧保持力が最大となる値であって、その6度と9度の値はその上下値で主筋の表面状態により多少のバラツキが存在し、その見た目上の目安となる値が、該締付けネジ部が略逆ハの字状に開くように変形する値でもあり、厳密な数値では示せない近傍の目安の数値である。
【0023】
つまり、上記該取付け座金の略逆ハの字状の変形が、主筋の押圧保持力が最大となり、また上記湾曲する最大角度を超える締付けで、さらに略逆ハの字状の変形が大きくなり、締付けネジ部が断裂に至る過剰な締付けとなり、最大保持力と変形による断裂に至る手前のバランスできる範囲であり、そのことから交差接合金具の締付けネジ部の締付けの適正値を表すのに、該取付け座金の湾曲する角度の値と、「略逆ハの字状の変形」を適正な締付け力とし、また該締付けネジ部の断裂に至る変形を、「略逆ハの字状を超える変形」とする。
【0024】
加えて、本願で記載する、内締め交差接合金具及び外締め交差接合金具の「内締め」、「外締め」の位置関係にあっては、縦主筋と、補強枠またはフープ筋を交差接合させたとき、交差接合金具の掛止部と締付けネジ部が、補強枠またはフープ筋側で係止と螺着締め付けするか、縦主筋側で係止と螺着締め付けするかの違いであって、本願での記載は、縦主筋側で掛止と螺着締め付けするものを「内締め」とし、補強枠またはフープ筋側で掛止と螺着締め付けするものを「外締め」とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、上記課題を有効に達成するために、第1の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部とその両端の締付けネジ部を、起立状に屈曲または湾曲させて一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部を中心とする上側の縦主筋に該掛止部を係止すると共に一対の内締め交差支持部で補強枠またはフープ筋を交差接合させ、該中心より下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する、上記該中心より上側を、鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に上記掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置した取付け方法により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、内締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【0026】
また、第2の解決手段として、一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度程度の範囲で湾曲させて螺着締付けする取付け方法により、
内締め交差接合金具の一対の締付けネジ部に取付け座金を介して補強枠またはフープ筋または縦主筋を押圧支持する支持力を最適に支持するとしている。
【0027】
また、第3の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた側面略レ形状に変形させて一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部の中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する外締め交差接合金具本体で支持させ、該一対の外締め交差支持部を側面が略レ形状から略U字形状に一対の締付けネジ部から変形させた後、取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持させると共にナットにより螺着締付けする取付け方法により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、外締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【0028】
また、第4の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部とその両端の締付けネジ部を、起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部の上側に該掛止部を係止させると共に一対の内締め交差支持部で補強枠またはフープ筋を交差接合させ、その下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の側面が略コの字形状の形成巾を補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾と略同巾近傍で形成した内締め交差接合金具により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、内締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【0029】
また、第5の解決手段として、縦主筋と補強枠またはフープ筋が直交する交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた側面略レ形状に変形させて一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部の中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合したとき、縦主筋の両側で該掛止部と一対の締付けネジ部のそれぞれが起立して挟むように装着される該一対の外締め交差支持部の略レ形状の該挟む巾を略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の巾に対応した側面が略レ形状に形成した外締め交差接合金具により、
鉄筋篭を吊り起こししたときの釣支する力が、外締め交差接合金具の掛止部に作用し、一対の締付けネジ部に直接作用しないようにするとしている。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、上述したそれぞれの手段によって有効な効果が得られるようにしたもので、特に、第1の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両先端の一対の締付けネジ部のそれぞれを補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応するように起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部として形成して該掛止部と、一対の内締め交差支持部と、一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、次に該中心より下側の該縦主筋に、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の上述掛止部及び一対の締付けネジ部の装着位置に於いて、鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側を、該中心より上側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に、該掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置する取付け方法により、
組立てられた鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こす時の釣支力により、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が発生すると共にその力が各内締め交差接合金具に作用し、交差接合する各内締め交差接合金具に擦れを生じさせるが、各交差接合する内締め交差接合金具の係止力の強い略U字形状の該掛止部を縦主筋と補強枠またはフープ筋が交差接合する中心より上側近傍の縦主筋に係止しているので、上記釣支する上向きの力が、略U字形状の該掛止部に直接加わり、該掛止部の略U字形状部が縦主筋に係止されることで支持し、下側近傍の縦主筋に螺着支持される一対の締付けネジ部には、該釣支する上向きの力が直接、加わらないので締付けネジ部に断裂が起きず、よって鉄筋篭の崩壊に繋がることが無ないことから、鉄筋篭を無溶接で組立てることができる取付け方法を得ることができた。
【0031】
つまり、一対の締付けネジ部は、該ネジ部に応力集中が起きて破断しやすく、そのことから、略U字形状の掛止部に比較して一対の締付けネジ部は、比較的破断力に対して弱く、直接、釣支力が加わらない位置に締付けネジ部を配置し、鉄筋篭の撓み、捻れ力が発生しても略U字形状の掛止部を中心に加わるように内締め交差接合金具を配置することで、鉄筋篭の崩壊に繋がることが無く、よってその取付け方法により、鉄筋篭を無溶接で組立てることができる。
【0032】
また、そのことは従来、無溶接で行われて無ないことから、従来は崩壊することが知られることがなく、そして結果的には、従来の無溶接の組立てで鉄筋篭の吊り起こし時に崩壊することが確認でき、よって本願発明により、従来の組立て方により、無溶接で行うと崩壊する可能性の確認と、その解決方法の完成を見た。
【0033】
しかして、第2の解決手段の、内締め交差接合金具の一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度程度の範囲で湾曲させて螺着締付けする取付け方法により、
該螺着締付けすることで、該取付け座金が湾曲変形して縦主筋の外周に円弧状に接触し、その湾曲変形の「最小値」が、縦主筋を締付け固定できる最小値の約6度であって、またその湾曲変形の「最大値」が、縦主筋の押圧保持力が最大となる約9度で、該締付けネジ部が略逆ハの字状に開くように変形する値でもあり、このことは、該値がそれ以下では締め付け不足により交差接合が緩み、それ以上では締付けネジ部が、鉄筋篭の変形の影響を受けたとき断裂する危険が増すことから最適な螺着締め付けで、縦主筋と補強枠またはフープ筋を交差接合させることができる取付け方法により、無溶接でも交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0034】
しかして、第3の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の装着に於いて、該交差部の縦主筋に該掛止部を係止させると共に一対の外締め交差支持部で縦主筋と交差支持させた後、該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合する取付け方法により、
組立てられた鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こす時の釣支力により、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が発生すると共にその力が各外締め交差接合金具に作用し、その作用を受けたとき、交差接合する各外締め交差接合金具に擦れを生じさせ、そのことで緩みを生じさせるが、該略レ形状の一対の外締め交差支持部を略U字形状に一対の締付けネジ部から変形させて該縦主筋の直径巾と略同巾とすることで、該緩みを防止して交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0035】
それは交差接合するとき、まず、例えば左側の補強枠またはフープ筋に該掛止部を係止すると共に該一対の締付けネジ部の先端から交差する中央の該縦主筋を超えさせて装着し、その装着した状態が、該略レ形状の状態のまま取付け座金を介して螺着締付けすると、該該略レ形状の開き巾が、その掛止部と一対の締付けネジ部に螺着された取付け座金との間が該開き巾で螺着され、それは、略U字形状より略レ形状の先端の開きが大きい分が変形可能領域の巾、つまりそれぞれ該略U字形状に由来する巾と、略レ形状に由来する巾との差が、取付け座金が移動可能な距離として形成され、よって該略レ形状が有する該変形可能領域を、略U字形状に変形させることで、該縦主筋と同巾の変形可能領域を無くし、このことから上記略U字形状に変形させて一対の外締め交差支持部で螺着することで、変形可能領域由来の緩みを生じさせない。
【0036】
つまり、その変形可能領域が存在する状態の鉄筋篭に撓み、捻れ力が加わると、その変形可能領域分だけ一対の締付けネジ部が変形して取付座金が緩むと共に移動し、そのことで取付け座金の押圧支持力が小さくなり、外締め交差接合金具に緩みが生じるが、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の状態から略U字形状に変形させて、掛止部と一対の締付けネジ部の間の巾を縦主筋の巾と同じにすることで変形可能領域を無くし、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が加わっても一対の締付けネジ部が変形することがなく、よって外締め交差接合金具に緩みが生じず、無溶接でも交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0037】
このことは、掛止部乃至一対の交差支持部の屈曲部に補強枠またはフープ筋から変形の影響を受けたとき、上述した「上向きの力」が作用するが、そのとき該一対の交差支持部の屈曲部に該変形可能領域が存在するとその量だけ変形し、またその逆に変形可能領域が無いと、直接、縦主筋とその係止する掛止部に加わり、その屈曲部に変形するような作用が起こらず、よって交差接合する外締め交差接合金具が擦れることなく支持されるので、その略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合する取付け方法により鉄筋篭が崩壊することがない無溶接の組立てができた。
【0038】
なお、一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の必要性について、まず、縦主筋と交差する補強枠またはフープ筋の一方側に平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部を係止させた後、該一対の締付けネジ部の先端から交差する該縦主筋を超えさせて一対の外締め交差支持部で該縦主筋を支持させ、そのとき係止した掛止部と該一対の締付けネジ部の先端が、該縦主筋を超えさせる距離において、該略レ形状に若干開いた状態の距離が大きいことから、該縦主筋を超えさせて支持することが可能となり、仮に、側面が略U字形状の状態の場合、縦主筋を超えさせる距離が足りず、該側面が略U字形状の状態の外締め交差接合金具本体では、交差状に支持することができないことにあり、外締め交差接合金具本体を装着するときに必要な形状となる。
【0039】
しかして、第4の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両端の締付けネジ部のそれぞれを起立状に屈曲または湾曲させて、補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応する側面が略コの字形状または略U字形状を一対の内締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、該中心より下側の該縦主筋を、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該補強枠またはフープ筋を支持する該一対の内締め交差支持部の側面が略コの字形状の形成巾に於いて、その交差支持する補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾と、該一対の内締め交差支持部の該側面が略コの字形状の該形成巾と略同巾で形成した内締め交差接合金具により、
組立てられた鉄筋籠をクレーンにより吊り上げると共に縦に起立状態に吊り起こす時の釣支力により、該鉄筋篭の撓み、捻れが発生すると共にその力が各内締め交差接合金具に作用し、そのとき該一対の交差支持部の略コの字形状または略U字形状の形成巾が、補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾より広いと、その広い部分が変形可能領域となり、上述した如く、該変形可能領域が変形することで、内締め交差接合金具が緩み、そのことで係止力が弱まり、縦主筋が抜けることとなるが、該交差支持部を該板巾または直径巾と略同巾で形成することにより、上記変形可能領域が無くなり、そのことで一対の交差支持部の形成巾に変形が生じず、よって該鉄筋篭の撓み、捻れ力が加わっても補強枠またはフープ筋と縦主筋を交差接合する支持力が弱まることがない。
【0040】
このことは、掛止部乃至一対の交差支持部の屈曲部に補強枠またはフープ筋から変形の影響を受けたとき、上述した「上向きの力」が作用するが、そのとき該一対の交差支持部の屈曲部に該変形可能領域が存在するとその量だけ変形し、またその逆に変形可能領域が無いと、直接、縦主筋とその係止する掛止部に加わり、その屈曲部に変形するような作用が起こらず、よって交差接合する内締め交差接合金具が擦れることなく支持されるので、無溶接で組み立てても鉄筋篭が崩壊することがない、内締め交差接合金具を得ることができた。
【0041】
しかして、第5の解決手段の、筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部とし、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の形成巾に於いて、該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の直径巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の直径巾に対応した側面が略レ形状の該一対の外締め交差支持部として形成したことにより、
鉄筋籠を縦に起立状態に吊り起こすときの釣支力により、該鉄筋篭に捻れ力などが発生すると共にその力が各外締め交差接合金具に作用して緩みを生じさせるが、外締め交差接合金具本体の一対の外締め交差支持部を該略レ形状から略U字形状に、該縦主筋の直径巾と略同巾に変形させることで、上述した如く該緩みを防止して交差接合する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0042】
それは交差接合するとき、まず、例えば左側の補強枠またはフープ筋に該掛止部を係止すると共に該一対の締付けネジ部の先端から交差する中央の該縦主筋を超えさせて装着し、その装着した状態が、側面該略レ形状の状態のまま取付け座金を介して螺着締付けすると、縦主筋を挟む一対の交差支持部の形成巾が、その掛止部と一対の締付けネジ部に螺着された取付け座金との間が広い状態で螺着され、つまり、略U字形状と該略レ形状の先端の開きの大きさの差の広い状態で螺着され、その開きの大きさの差は、それぞれ該略U字形状に由来する巾と、略レ形状に由来する巾との差が、変形可能領域の巾として形成され、よって上述した如く、該略レ形状には該変形可能領域があり、またそれを略U字形状に変形させることで、該縦主筋と同巾の変形可能領域が無くなり、このことから略U字形状に変形させて一対の外締め交差支持部で螺着することで緩みを生じさせない。
【0043】
つまり、その変形可能領域が存在する状態の鉄筋篭に撓み、捻れ力が加わると、その変形可能領域分だけ一対の締付けネジ部が変形して取付座金が緩むと共に移動し、そのことで取付け座金の押圧支持力が小さくなり、外締め交差接合金具に緩みが生じるが、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の状態から略U字形状に変形させて、掛止部と一対の締付けネジ部の間の巾を縦主筋の巾と同じにすることで、変形可能領域を無くし、該鉄筋篭の撓み、捻れ力が加わっても一対の締付けネジ部が変形することがなく、よって外締め交差接合金具に緩みが生じず、無溶接でも交差する縦主筋の抜け落ちを防ぐことができる。
【0044】
このことは、掛止部乃至一対の交差支持部の屈曲部に補強枠またはフープ筋から変形の影響を受けたとき、上述した「上向きの力」が作用するが、そのとき該一対の交差支持部の屈曲部に該変形可能領域が存在するとその量だけ変形し、またその逆に変形可能領域が無いと、直接、縦主筋とその係止する掛止部に加わり、その屈曲部に変形するような作用が起こらず、よって交差接合する外締め交差接合金具が擦れることなく支持されるので、その略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合する該一対の外締め交差支持部により鉄筋篭が崩壊することがない外締め交差接合金具を得たことで無溶接の組立てができ、
よって、これらのことから本発明は、実用上著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】 本発明の鉄筋篭1の平面図である。
【図2】 本発明の縦主筋2と補強枠4及びフープ筋3の交差接合状態を示す要部の斜視図である。
【図3】 本発明の内締め交差接合金具5aの斜視図である。
【図4】 本発明の縦主筋2と補強枠4及びフープ筋3の交差接合状態を示す要部の斜視図である。
【図5】 本発明の外締め交差接合金具5bの斜視図である。
【図6】 本発明の外締め交差接合金具本体10bの側面図である。
【図7】 本発明の外締め交差接合金具本体10bの取付け状態を示す要部の側面図である。
【図8】 本発明の外締め交差接合金具5bを変形させて取付た状態を示す要部の側面図である。
【図9】 本発明の外締め交差接合金具5bを変形させて取付た状態を示す要部の平面図である。
【図10】 本発明の内締め交差接合金具5aを螺着した状態を示す要部の正面図である。
【図11】 本発明の取付け座金11の湾曲状態を示す要部の側面図である。
【図12】 本発明の補強枠4に内締め交差接合金具5aを螺着した状態を示す要部の側面図である。
【図13】 本発明の補強枠4に内締め交差接合金具5aを螺着した状態を示す要部の平面図である。
【図14】 本発明の補強枠4使用の内締め交差接合金具5aに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【図15】 本発明の補強枠4使用の内締め交差接合金具5aに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【図16】 本発明のフープ筋3に内締め交差接合金具5aaを螺着した状態を示す要部の側面図である。
【図17】 本発明のフープ筋3に内締め交差接合金具5aaを螺着した状態を示す要部の平面図である。
【図18】 本発明のフープ筋3使用の内締め交差接合金具5aaに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【図19】 本発明のフープ筋3使用の内締め交差接合金具5aaに釣支力が加わった状態を示す要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
第一の実施例は、鉄筋篭の縦主筋と補強枠またはフープ筋を交差接合させる内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部と一対の締付けネジ部をその両端から起立状に屈曲または湾曲させて一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、該縦主筋と補強枠またはフープ筋が交差する該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、該中心より下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する取付け方法において、該中心より上側を、鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に上記掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置した内締め交差接合金具の取付け方法により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0047】
第二の実施例は、一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各6度乃至9度の範囲で湾曲する程度の螺着締付けする内締め交差接合金具の取付け方法により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0048】
第三の実施例は、鉄筋篭のフープ筋及び補強枠と縦主筋を交差接合させる外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた略レ形状の一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する外締め交差接合金具本体で支持させ、該一対の外締め交差支持部を側面が略レ形状から略U字形状に変形させた後、取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持させると共にナットにより螺着締付けする外締め交差接合金具の取付け方法により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0049】
第四の実施例は、鉄筋篭のフープ筋及び補強枠と縦主筋を交差接合させる内締め交差接合金具は、該内締め交差接合金具は、平面が略U字形状の掛止部とその両端の締付けネジ部を、起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部を形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部の上側に該掛止部を係止させると共に一対の内締め交差支持部で補強枠またはフープ筋を交差接合させ、その下側の該縦主筋を挟むように該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の側面が略コの字形状の巾を補強枠またはフープ筋の巾と略同巾で形成した内締め交差接合金具により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0050】
第五の実施例は、鉄筋篭のフープ筋及び補強枠と縦主筋を交差接合させる外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状の掛止部と、該両端部側の一対の締付けネジ部を起立状に湾曲させて側面が略U字形状に形成すると共に該略U字形状を若干開いた略レ形状に変形させて一対の外締め交差支持部として連設形成された外締め交差接合金具本体と、取付け座金と、ナットで構成し、上記該交差部の中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合したとき、縦主筋の両側で該掛止部と一対の締付けネジ部のそれぞれが起立して挟むように装着される該一対の外締め交差支持部の略レ形状の該挟む巾を略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の巾に対応した略レ形状に形成した外締め交差接合金具により、無溶接で組立ても崩壊に繋がることが無ない鉄筋篭の提供を実現させた。
【0051】
そして、その課題の無溶接で組立てる鉄筋篭は、その吊り起こす時の鉄筋篭の撓み、捻れの大きさに比例して、各交差接合金具が係止する主筋の掛止部で擦れの量が変化し、その捻れと擦れは相対して発生するので、その擦れを少なく押さえることで捻れも小さく、またその反対に擦れが大きくなることで、交差接合金具の締付けネジ部に過度の力が加わり断裂して鉄筋篭の崩壊となり、そこでその交差接合金具の擦れを最小限に止どめ鉄筋篭を大きく変形させない交差接合金具の提供を実現させた。
【実施例】
【0052】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1に於いて、1は鉄筋篭で、該鉄筋篭1は、柱状に配設された縦主筋2に、それぞれ環状のフープ筋3と補強枠4を所定間隔で外嵌して格子状に交差させると共に柱状に組み合わせ、該柱状の鉄筋篭1の内部に入ってその内側から格子状の交差部に内締め交差接合金具5a,5a,…を使用して締め付け作業をする場合と、また外締め交差接合金具5b,5b,…により外側から交差接合させて、組立作業をすることで横組みされる。
【0053】
そこで、該鉄筋篭1に使用される縦主筋2は、構築する杭の規模によりその縦主筋2の鉄筋径が適宜選ばれ、通常、フープ筋3より大径の鉄筋が使用され、また該フープ筋3は、その使用する鉄筋の両端部を溶着して環状に形成したもので、該フープ筋3を縦主筋2に対し所定間隔で格子状に外嵌配設して、主に結束線6を用いて結束保持される。
【0054】
そして、その縦主筋2に各配置されたフープ筋3及び補強枠4をそれぞれ交差接合することに於いて、フープ筋3は、図2に示すように、結束線6で縦主筋2とフープ筋3を結束して保持固定され、また補強枠4は、図2に示すように平板状で、その両端部を溶着して環状に形成して予め製作され、該補強枠4を上記柱状に配設された縦主筋2に外嵌して所定間隔で該縦主筋2と格子状に交差させて、該交差部に内締め交差接合金具5a,5a,…で交差接合して組立てられる。
【0055】
なお、図1に示す外締め交差接合金具5b,5b,…は、該鉄筋篭1の外側からの締め付け作業が容易なときおいて使用され、そして該鉄筋篭1の縦主筋2とフープ筋3及び補強枠4の交差接合する作業が、内側、外側の別に適宜、選ばれるのはそれぞれ作業方向の容易さによって選ばれ、その作業別によりそれぞれ内締め交差接合金具5aまたは外締め交差接合金具5bが選ばれる。
【0056】
そこで、該内締め交差接合金具5aは、図2及び図3に示すように、市販のUボルトの形状で、平面略U字形状の掛止部7aと一対の締付けネジ部8a,8aを、それぞれ起立状に屈曲させて側面が略コの字形状の一対の交差支持部9a,9aを形成すると共に該掛止部7aと一対の締付けネジ部8a,8aとで交差接合金具本体10aを形成し、平板状の取付け座金11に開設する挿通孔12,12に該一対の締付けネジ部8a,8aを挿通すると共にナット13,13で螺着締め付けする。
【0057】
そして該交差接合金具本体10aの一対の交差支持部9a,9aの該略コの字形状の巾は、支持する該補強枠4の板巾と略同巾で形成し、それは、補強枠4の板巾より広いと、その広い部分が変形可能領域として形成され、のちにそこが変形して、交差接合した内締め交差接合金具5aが緩む可能性があることから一対の交差支持部9a,9aは支持する該補強枠4の巾と略同巾とし、また他の実施例のフープ筋3を支持するときは、該フープ筋3の巾に対応させて形成する。
【0058】
また、該外締め交差接合金具5bは、図4及び図5に示すように、平面が略コの字形状で、該コの字形状の掛止部7bと一対の締付けネジ部8b,8bを、それぞれ起立状に湾曲させて縦主筋2の外径に沿った側面が略U字形状の一対の交差支持部9b,9bを形成すると共に該掛止部7bと一対の締付けネジ部8b,8bとで交差接合金具本体10bを形成し、平板状の取付け座金11に開設する挿通孔12,12に該一対の締付けネジ部8b,8bを挿通すると共にナット13,13で螺着締め付けする。
【0059】
なお、該交差接合金具本体10bの一対の交差支持部9b,9bの側面が略U字形状は、上述したように、該一対の交差支持部9b,9が支持する縦主筋2の直径巾に対応させて、該一対の交差支持部9b,9bに変形可能領域が形成されない巾として形成する。
【0060】
しかして、多数の縦主筋2,2,…と補強枠4を交差させると共に該交差部に外締め交差接合金具5bにより交差接合させるときの該外締め交差接合金具5bの形成に於いては、図6及び図7に示すように、該縦主筋2の直径巾に対応するように側面が略U字形状に湾曲させて形成した一対の交差支持部9b,9bを若干開いた略レ形状とし、図7に示すように、補強枠4に略コの字形状の掛止部7bを係止させると共に一対の締付けネジ部8b,8bの先端から縦主筋2を超して該補強枠4と交差する該縦主筋2を一対の交差支持部9b,9bで支持させ、その状態で図7に示すパイプハンドル14により該略レ形状の先端側の一対の交差支持部9b,9bを図示する矢印方向に屈曲させて、図8に示すように、一対の交差支持部9b,9bを該略レ形状から略U字形状に変形させて装着する。
【0061】
そして、その装着された縦主筋2と補強枠4を交差接合させて螺着するとき、図8及び図9に示すように、該補強枠4と交差する縦主筋2を略U字形状の一対の交差支持部9b,9bで支持し、該補強枠4を取付け座金11で押圧保持させると共に該穴部12,12に該一対の締付けネジ部8b,8bを挿通して該取付け座金11を介してナット13,13で螺着締付けすることで、略U字形状に変形可能領域が形成されない巾で、縦主筋2と補強枠4を交差接合している。
【0062】
その螺着締め付けに関して、内締め交差接合金具5aにおいては、図10及び図11に示すように、縦主筋2を中心に、取付け座金11が左右に若干湾曲するように螺着締付けする。
【0063】
その湾曲する螺着締付けにおいて、図10に示すように、取付け座金11を介してナット13,13で螺着締付けする該締付け値は、ナット13,13で螺着締付けすると、該取付け座金11が縦主筋2を中心として左右に湾曲すると共に一対の締付けネジ部8a,8aが、略逆ハの字状に外側に開くように変形し、該縦主筋2を中心に取付け座金11が図11に示すように、それぞれ各αの角度分、左右側に湾曲し、その時の左右の各αを、6度乃至9度程度の湾曲の範囲で螺着締付けする。
【0064】
つまり、該6度乃至9度の湾曲範囲は、左右に各6度程度の湾曲する量を最小とし、その最小値が、縦主筋2を締付け支持できる最小の値であり、また左右に各9度程度の湾曲を最大値とし、その最大値が、縦主筋2の押圧支持力が最大となる値であって、一対の締付けネジ部8a,8aが略逆ハの字状に開くように変形する値でもあり、その縦主筋2の押圧支持力が、最大となる値を超えて締付けると、該締付けネジ部8a,8aが断裂する危険性が増すこととなる。
【0065】
よって、その螺着締付けにより該取付け座金11が屈曲する角度の値が6度程度以下では、締め付け不足により交差支持が緩み、また9度以上では、鉄筋篭1を吊り起こして捻れ、撓みの影響を受けたとき、締付けネジ部8a,8aが断裂する危険が増すことから最適な支持力で、縦主筋2と補強枠4を交差接合させる値となり、該6度乃至9度の湾曲の範囲は、取付け座金11の板厚、螺着締め付けする縦主筋2、補強枠4、フープ筋3の大きさ、形状などによっても若干の変動幅があり、それは図10に示すように、ナット13,13で螺着締付けする取付け座金11の裏側、つまりその螺着締付けする直下は取付け座金11を支持するものがなにも無く、よってその湾曲する振れ幅には誤差が生じるためである。
【0066】
しかして、横組みされた鉄筋篭1をクレーンにより吊上げると共に縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響について、その交差接合金具5で縦主筋2と補強枠4を交差接合したときの各部に及ぼす該釣支力は、図12及び図13に示すように、補強枠4に加わる該釣支力の「上向きの力」Aと、その反する縦主筋2の自重の「下向きの力」Bとして存在し、そして鉄筋篭1を起立状態に吊り起すと、内締め交差接合金具5aの掛止部7aに「上向きの力」Aが補強枠4を介して加わり、相対して縦主筋2には自重の「下向きの力」Bとなり、そのとき掛止部7a乃至屈曲部15aの係止部(イ)と、掛止部7aと縦主筋2の係止部(ロ)と、一対の締付けネジ部8a,8a及び取付け座金11と縦主筋2の係止部(ハ)の各部にそれぞれ釣支力が加わり、その釣支力が(イ)、(ロ)、(ハ)の各係止部に影響を及ぼす。
【0067】
つまり、図14に示す、掛止部7aを「上側」に、そして一対の締付けネジ部8a,8aを「下側」に配置した内締め交差接合金具5aの釣支力による変形は、「上向きの力」Aが加わると、まず、係止部(イ)の屈曲部15aが上方向に引上げられると共に変形され、同時に、係止部(ロ)の掛止部7aが縦主筋2に係止された状態で、該係止部(イ)と係止部(ロ)とでつり合うと共にそのほとんどの釣支力をそこで支持し、一方、係止部(ハ)の取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8a,8aには、該釣支力が直接、多くは加わらないので、一対の締付けネジ部8a,8aが断裂には至らない。
【0068】
それに対して、図15に示すように、掛止部7aを「下側」に、締付けネジ部8a,8aを「上側」に配置した内締め交差接合金具5aの釣支力による変形は、上述とは逆に、一対の締付けネジ部8a,8aの取付け座金11が縦主筋2に係止された状態で、該「上向きの力」Aが直接、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8a,8aに加わり、そのほとんどの釣支力を、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8a,8aが支持することとなり、該締付けネジ部8a,8aが断裂に至る可能性が大きくなる。
【0069】
なお、公的機関の地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センターにて、上述した図14に示す一対の締付けネジ部8a,8aを「下側」に装着した状態と、図15の「上側」に装着した各状態で、それぞれ各図中に示すA方向の力を加える試験を実施し、その引張による断裂に至る強度試験を実施して得られた結果の値が、表1及び表2に示すものであります。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
つまり、表1及び表2から、一対の締付けネジ部8a,8aの締め込み位置が「上側」または「下側」の破断強度値の違を示すもので、「上側」を代表例としたK−1の最大値では、55.4688/tfの値が得られ、また「下側」を代表例としたC−1の最大値では、66.6094/tfの値を示し、その値が締付けネジ部8aの断裂に至る値であり、その差から釣支吊り起こすときの釣支力が加わるとき、該締付けネジ部8a,8aの締め込み位置が「上側」または「下側」かによって、締付けネジ部8a,8aの破断強度が大きく異る結果が得られたことを示しております。
【0073】
しかして、図16及び図17に示す縦主筋2とフープ筋3を内締め交差接合金具5aaで交差接合させる他の実施例において、上述した図12及び図13の実施例と略同様の内締め付け交差金具の実施例で、相違点に於いて、縦主筋2とフープ筋3との交差接合に使用するもので、縦主筋2とフープ筋3の交差する位置に内締め交差接合金具5aaで交差接合させ、そして同様に、縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響は、内締め交差接合金具5aaの掛止部7aaに「上向きの力」Aがフープ筋3を介して加わり、相対して縦主筋2には自重の「下向きの力」Bとなり、そのとき掛止部7aa乃至一対の交差支持部9aa,9aaの係止部(イ)と、掛止部7aaと縦主筋2の係止部(ロ)と、締付けネジ部8aa,8aa及び取付け座金11と縦主筋2の係止部(ハ)の各位置にそれぞれ釣支力が加わり、その釣支力により(イ)、(ロ)、(ハ)の各係止部に影響を及ぼす。
【0074】
つまり、図18に示す掛止部7aaを「上側」に、そして締付けネジ部8aa,8aaを「下側」に配置した内締め交差接合金具5aaの釣支力による変形は、「上向きの力」Aが加わると、まず、係止部(イ)の一対の交差支持部9aa,9aaが上方向に変形され、同時に、係止部(ロ)の掛止部7aaが縦主筋2に係止された状態で、該係止部(イ)と係止部(ロ)とでつり合うと共にそのほとんどの釣支力をそこで支持し、一方、係止部(ハ)の取付け座金11を介して締付けネジ部8aa,8aaには、該釣支力が直接、多くは加わらないので締付けネジ部8aa,8aaが断裂には至らない。
【0075】
それに対して、図19に示すように、掛止部7aaを「下側」に、締付けネジ部8aa,8aaを「上側」に配置した内締め交差接合金具5aaの釣支力による変形は、上述とは逆に、一対の締付けネジ部8aa,8aaの取付け座金11が縦主筋2に係止された状態で、該「上向きの力」Aが直接、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8aa,8aaに加わり、そのほとんどの釣支力を、該取付け座金11を介して一対の締付けネジ部8aa,8aaが支持することとなり、該締付けネジ部8aa,8aaが断裂に至る可能性が大きくなる。
【0076】
上述したことから、鉄筋篭1をクレーンにより吊上けると共に縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響は、掛止部7a,7aaを「上向きの力」Aの方向側とするか、逆の一対の締付けネジ部8a,8aaとするのかによって、該締付けネジ部8a,8aaの断裂に大きく影響し、該掛止部7a,7aaと一対の締付けネジ部8a,8aaの断裂強度を比較すると、該ネジ部における強度が弱く、それはネジ部が切削されて細くなり、且つ応力集中が起こりやすいことで断裂しやすく、よって大きく該釣支力が加わる部分に断裂強度を有する掛止部7a,7aaで支持することを見いだしたことにあります。
【0077】
なお、上述各実施例は、縦主筋2を内側に、補強枠4及びフープ筋3を外側として、各交差接合部にあっては、鉄筋篭1の内側と外側の作業位置により、内締め交差接合金具5aまたは外締め交差接合金具5bのその専用の金具により組立てられ、また縦主筋2に対して補強枠4が外側の実施例に対して、逆の内側の実施例の場合、それぞれ内付け交差接合金具、外付け交差接合金具の取付状態も上述とは逆の関係になるが、図示は省略した。
【0078】
また、鉄筋篭1が筒状としているが、平面壁状に形成しても内付け交差接合金具、外付け交差接合金具の取付状態が同様の構成で組立てられるが、図示は省略した。
【0079】
また、ナット13には、緩み止めナットを使用し、それは鉄筋篭1をクレーンにより吊上げると共に縦に起立状態に吊り起すときの釣支力の影響で、該鉄筋篭1に捻れ、撓み、湾曲などの変形が生じ、その変形による各交差接合金具のナットの螺着締め付けの緩みを防止すると共にその緩みによる鉄筋篭1のさらなる変形と崩壊を防止しているが、特に図示は省略した。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の鉄筋篭の交差接合金具の取付け方法とその交差接合金具は、耐震基礎などに使用される鉄筋篭の組立と、その鉄筋篭の縦主筋と補強枠及びフープ筋と交差接合させて組立てる交差接合金具として使用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 鉄筋篭
2 縦主筋
3 フープ筋
4 補強枠
5a,5aa 内締め交差接合金具
5b 外締め交差接合金具
7a,7aa 掛止部
7b 掛止部
8a,8aa 締付けネジ部
8b 締付けネジ部
9a,9aa 交差支持部
9b 交差支持部
10a,10aa 交差接合金具本体
10b 交差接合金具本体
11 取付け座金
12 挿通孔
13 ナット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両先端の一対の締付けネジ部のそれぞれを補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応するように起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部として形成して該掛止部と、一対の内締め交差支持部と、一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、次に該中心より下側の該縦主筋に、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の上述掛止部及び一対の締付けネジ部の装着位置に於いて、
鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側を、該中心より上側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に、該掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置したことを特徴とする内締め交差接合金具の取付け方法。
【請求項2】
内締め交差接合金具の一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度程度の範囲で湾曲させて螺着締付けするとした請求項1に記載の交差接合金具の取付け方法。
【請求項3】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の装着に於いて、
該交差部の縦主筋に該掛止部を係止させると共に一対の外締め交差支持部で縦主筋と交差支持させた後、該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合することを特徴とした外締め交差接合金具の取付け方法。
【請求項4】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両端の締付けネジ部のそれぞれを起立状に屈曲または湾曲させて、補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応する側面が略コの字形状または略U字形状を一対の内締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、該中心より下側の該縦主筋を、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該補強枠またはフープ筋を支持する該一対の内締め交差支持部の側面が略コの字形状の形成巾に於いて、
その交差支持する補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾と、該一対の内締め交差支持部の該側面が略コの字形状の該形成巾と略同巾で形成したことを特徴とする内締め交差接合金具。
【請求項5】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部とし、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の形成巾に於いて、
該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の直径巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の直径巾に対応した側面が略レ形状の該一対の外締め交差支持部として形成したことを特徴とする外締め交差接合金具。
【請求項1】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両先端の一対の締付けネジ部のそれぞれを補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応するように起立状に屈曲または湾曲させて側面が略コの字形状または略U字形状の一対の内締め交差支持部として形成して該掛止部と、一対の内締め交差支持部と、一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットで構成し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、次に該中心より下側の該縦主筋に、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けで交差接合する該内締め交差接合金具本体の上述掛止部及び一対の締付けネジ部の装着位置に於いて、
鉄筋篭を縦に起立状態に吊り起こすその吊り上げ側を、該中心より上側とし、該中心より上側近傍の縦主筋に、該掛止部を係止すると共に該下側近傍の縦主筋に一対の締付けネジ部を各配置したことを特徴とする内締め交差接合金具の取付け方法。
【請求項2】
内締め交差接合金具の一対の締付けネジ部に取付け座金を介してナットで螺着締付けするときの該取付け座金が、縦主筋を中心に左右に各約6度乃至約9度程度の範囲で湾曲させて螺着締付けするとした請求項1に記載の交差接合金具の取付け方法。
【請求項3】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の装着に於いて、
該交差部の縦主筋に該掛止部を係止させると共に一対の外締め交差支持部で縦主筋と交差支持させた後、該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させて交差接合することを特徴とした外締め交差接合金具の取付け方法。
【請求項4】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を内締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該内締め交差接合金具は、市販のUボルト形状で、平面が略U字形状の掛止部と、該両端の締付けネジ部のそれぞれを起立状に屈曲または湾曲させて、補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾に対応する側面が略コの字形状または略U字形状を一対の内締め交差支持部として形成し、該掛止部と一対の内締め交差支持部と一対の締付けネジ部が連設形成された内締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より上側の縦主筋に該掛止部を係止させると共に補強枠またはフープ筋を一対の内締め交差支持部で支持させ、該中心より下側の該縦主筋を、起立する該一対の締付けネジ部で挟むように配置すると共に該一対の締付けネジ部に取付け座金を介して該縦主筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該補強枠またはフープ筋を支持する該一対の内締め交差支持部の側面が略コの字形状の形成巾に於いて、
その交差支持する補強枠またはフープ筋の板巾または直径巾と、該一対の内締め交差支持部の該側面が略コの字形状の該形成巾と略同巾で形成したことを特徴とする内締め交差接合金具。
【請求項5】
筒状に配置した複数の縦主筋の外側に環状のフープ筋を所定間隔で格子状に配設すると共に長板を環状に形成した補強枠も所定位置に所定数、略同様に各配設し、少なくとも該補強枠が各縦主筋と直交するそれぞれの交差部を外締め交差接合金具で交差接合させて無溶接で組立てる鉄筋篭であって、
該外締め交差接合金具は、平面が略コの字形状または略U字形状で、該両先端に一対の締付けネジ部を有し、平面が該コの字形状または略U字形状部を掛止部とし、該掛止部と、該一対の締付けネジ部のそれぞれを起立状に湾曲させて、該縦主筋の直径巾に対応する側面が略U字形状で、且つ該略U字形状を若干開いて形成した略レ形状を一対の外締め交差支持部とし、該掛止部と一対の外締め交差支持部と一対の締付けネジ部を連設形成した外締め交差接合金具本体と、該一対の締付けネジ部が挿通される挿通孔を開設した取付け座金と、ナットを有し、上記該縦主筋と該補強枠またはフープ筋が交差する該交差部を中心と仮定し、該中心より左右どちらか一方側近傍の補強枠またはフープ筋に、該掛止部を係止させると共に交差する該縦主筋を一対の外締め交差支持部で支持させ、他方側近傍の補強枠またはフープ筋を挟むように、起立する該一対の締付けネジ部を配置すると共に取付け座金を介して該補強枠またはフープ筋を押圧支持とナットによる螺着締付けの交差接合であって、該一対の外締め交差支持部の側面が該略レ形状の形成巾に於いて、
該一対の外締め交差支持部の側面が略レ形状から略U字形状に変形させたとき、該縦主筋の直径巾と略同巾となるように、予め、該縦主筋の直径巾に対応した側面が略レ形状の該一対の外締め交差支持部として形成したことを特徴とする外締め交差接合金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−83129(P2013−83129A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233369(P2011−233369)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【特許番号】特許第5077855号(P5077855)
【特許公報発行日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【出願人】(508283875)株式会社恵信工業 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【特許番号】特許第5077855号(P5077855)
【特許公報発行日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【出願人】(508283875)株式会社恵信工業 (7)
【Fターム(参考)】
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