説明

交換ユニット及び画像形成装置

【課題】隣り合う交換ユニットの間隔を狭くすることができる交換ユニット及び画像形成装置を得る。
【解決手段】画像形成ユニット12(交換ユニット)を装置本体10Aに取り付ける際は、画像形成ユニット12を矢印方向G方向へ移動させ、先ず、画像形成ユニット12の取付方向手前から1本目のガイドピン128をガイド溝134の端部に設けられたテーパー部136を通してガイド溝134に誘い込む。1本目のガイドピン128に続けて2本目のガイドピン128、3本目のガイドピン128を同様にガイド溝134に誘い込む。このように、画像形成ユニット12をガイドする手段が、支持板から突出するガイドピン128だけである。つまり、隣接する画像形成ユニット12との間に、ガイド手段を設ける必要がない構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換ユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置に脱着自在に保持される複数個のプロセスカートリッジ(交換ユニット)が記載されている。
【0003】
これらのプロセスカートリッジは水平方向に並べられ、プロセスカートリッジの側部には、取付方向に延びる円柱状のピン部材が形成されている。そして、プロセスカートリッジを装置本体に挿入する際には、挿入するプロセスカートリッジに形成されたピン部材を既に装置本体に取り付けられたプロセスカートリッジに設けられる位置決穴へ差し込むようになっている。
【特許文献1】特開2006−78923号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、隣り合う交換ユニットの間隔を狭くすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る交換ユニットは、複数個の支持部材の1つに支持される底部材と、前記底部材に設けられ、前記支持部材に備えられ、一列に配置された複数本の突起に案内されると共に、装置本体へ装置本体の側方から取り付けられる取付方向に延びる案内溝と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る交換ユニットは、請求項1に記載において、前記案内溝には、前記装置本体に取り付けるときに、前記突起を誘い込む誘込部が設けられることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る交換ユニットは、請求項1又は2に記載において、表面に静電潜像が形成される像保持体を備える感光体ユニットと、前記像保持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給する現像部材を備えると共に、前記感光体ユニットより重い現像器ユニットと、を備え前記案内溝は、前記現像器ユニットの底部材に設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る交換ユニットは、請求項3に記載において、装置本体に取り付けられた際に、前記感光体ユニットと前記現像器ユニットを相対回転可能に支持する軸部材と、前記現像器ユニットに設けられた駆動伝達部材と、前記現像器ユニットの内部に収容され、前記駆動伝達部材に回転力が伝達されて回転する被駆動部材と、前記案内溝に設けられると共に、前記駆動伝達部材を駆動させたときの反力により前記軸部材を中心に前記感光体ユニットと前記現像器ユニットが相対回転したときの前記突起に対する前記現像器ユニットの移動を許容する許容部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る交換ユニットは、請求項3又は4に記載において、前記現像器ユニットの内部に充填されるトナーを受け入れる開口部と、前記開口部を閉止すると共に、装置本体に取り付けられた際に装置本体に設けられた開放部材と当って移動し、前記開口部を開放してトナーの受け入れを可能とする閉塞部材と、が設けられ、全ての前記突起が、前記誘込部を通過してから前記開放部材が前記閉塞部材を開放するように前記閉塞部材の位置が決められていることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1〜5何れか1項に記載された交換ユニットと、前記交換ユニットに設けられた案内溝を案内する、取付方向に一列に配置された複数個の突起と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項6に記載において、複数個の前記突起の間隔は異なる間隔であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、請求項7に記載において、前記突起は3本であって、前記交換ユニットの取付方向手前から1本目の突起と2本目の突起の間隔が、2本目の突起と3本目の突起の間隔より狭いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1及び6の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、装置本体に取り付けられる交換ユニットの位置決め及び挿入が確実に行われる。
【0014】
本発明の請求項2の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、交換ユニットの取付作業性を向上させることができる。
【0015】
本発明の請求項3の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、交換ユニットを安定させた状態で装置本体へ取り付けることができる。
【0016】
本発明の請求項4の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、感光体ユニットに設けられた像保持体と現像器ユニットに設けられた現像ロールとの位置決めがされた場合にこれを許容することができる。
【0017】
本発明の請求項5の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、安定した姿勢でシャッター部材を開放することができる。
【0018】

本発明の請求項7及び8の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、取り付け途中で予め決められた突起以外の突起が許容部に入り込むことが無くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る交換ユニットの一例が採用された画像形成装置を図1〜図8に従って説明する。
【0020】
(全体構成)
図8に示されるように、画像形成装置10の内部には、画像処理装置(図示省略)が設けられている。画像処理装置は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに画像処理を施すようになっている。
【0021】
画像形成装置10内部の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが交換可能に設けられている。なお、以後の説明では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(黒)の各色に対応する部材の符号にY、M、C、Kを付与して区別する。
【0022】
さらに、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kには、それぞれトナー供給路13Y、13M、13C、13Kの一端が接続されている。
【0023】
また、画像形成装置10内部の中央には、Y、M、C、Kの現像剤に対応する4つの交換ユニットとしての画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)が、正面視にて右斜め下方に向けて互いに一部を重ねた状態で配置されている(図7参照)。
【0024】
この現像剤は、非磁性タイプのトナーと、磁性を有するキャリアとが混合されたものである。ここで、トナー供給路13Y、13M、13C、13Kの他端が、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kにそれぞれ接続されており、各色のトナーが各画像形成ユニット12に供給されるようになっている。
【0025】
一方、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの上方には、転写部14が設けられている。転写部14は、中間転写体の一例としての中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各トナー画像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写部材としての一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー画像を、記録媒体としてのシート部材Pに転写させる二次転写ロール20とを有している。
【0026】
中間転写ベルト16は、図示しないモータで駆動される駆動ロール22と、中間転写ベルト16の張力を調整するテンションロール24と、二次転写ロール20と対向配置されたバックアップロール26との間に巻き掛けられており、駆動ロール22により、図8の矢印X方向(反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。
【0027】
一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kに設けられた像保持体としての感光体28(28Y、28M、28C、28K)と対向配置されている。また、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。なお、二次転写ロール20も、給電ユニットによって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が付与されるようになっている。
【0028】
また、中間転写ベルト16の駆動ロール22が設けられている位置の外周面には、クリーニング装置30が設けられている。クリーニング装置30は、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34を備えており、クリーニングブラシ32及びクリーニングブレード34によって、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0029】
さらに、画像形成装置10の内部には、画像形成装置10の各部の駆動制御を行う制御ユニット36が設けられている。また、画像形成ユニット12の下側には、帯電された感光体28の表面に各色に対応した露光光L(LY、LM、LC、LK)を照射して静電潜像を形成する露光ユニット40が設けられている。
【0030】
また、露光ユニット40の内部には、各露光光Lを主走査方向に走査するためのf−θレンズ(図示省略)及びポリゴンミラー42が設けられている。さらに、4本の露光光LY、LM、LC、LKを、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28に向けて出射するためのガラス窓44Y、44M、44C、44Kが設けられている。
【0031】
一方、露光ユニット40の下側には、シート部材Pが収納された給紙カセット46が配置されている。また、給紙カセット46の端部から鉛直方向上方には、シート部材Pを搬送する用紙搬送路50が設けられている。
【0032】
この用紙搬送路50には、シート部材Pを給紙カセット46から送り出す給紙ロール48と、シート部材Pを1枚ずつ給紙させる用紙分離搬送用のロール対52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングとシート部材Pの搬送タイミングを合わせる用紙先端位置合わせロール54とが設けられている。
【0033】
また、二次転写ロール20の上方には、定着装置60が設けられている。定着装置60は、加熱された加熱ロール62と、この加熱ロール62に圧接された加圧ロール64とを備えている。ここで、二次転写ロール20によって各色のトナー画像が転写されたシート部材Pは、加熱ロール62と加圧ロール64との圧接部で熱及び圧力により定着され、シート部材Pの搬送方向下流側に設けられた排紙ロール66によって、画像形成装置10の上部に設けられた排出部68に排出されるようになっている。また、トナー画像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト16の表面は、クリーニング装置30によって残留トナーや紙粉等が除去される。
【0034】
次に、画像形成ユニット12について説明する。
【0035】
ここでは、一例として、画像形成ユニット12Mについて説明する。なお、他の各色に対応した画像形成ユニット12Y、12C、12Kは、画像形成ユニット12Mと同様の構造であるため、説明を省略する。また、画像形成ユニット12Mの各構成部材については、符号Mを省略して表示する。
【0036】
画像形成ユニット12は、装置本体10Aに対し装置本体10Aの側方から脱着可能とされており、新たな画像形成ユニット12と交換可能となっている。なお、本実施形態では、一例として設置された画像形成装置10の正面方向から画像形成ユニット12が交換可能となっている。ここで、側方とは、設置された画像形成装置の上方及び下方に対して、交差する方向であって、特に設置された画像形成装置10の正面方向に限定されるものではない。
【0037】
図6に示されるように、画像形成ユニット12には、感光体28の表面に接触して感光体28を一様に帯電する帯電部材としての帯電ロール72と、前述の露光光Lにより感光体28上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像する現像部70と、転写後の感光体28の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプ74と、除電後の感光体28の表面を清掃する像保持体清掃部材としてのクリーニングブレード76とが設けられている。
【0038】
そして、帯電ロール72、現像部70、イレーズランプ74、及びクリーニングブレード76は、感光体28の表面と対向して、感光体28の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0039】
さらに、帯電ロール72の外周面で感光体28と反対側には、帯電ロール72の表面に付着したトナー等を取り除く帯電体清掃部材としてのクリーニングロール79が回転可能に設けられている。
【0040】
現像部70は、画像形成ユニット12Mの左端部に配置され、現像剤Gが充填された現像剤収容室80と、現像剤収容室80と感光体28の間に設けられた現像室82と、現像剤収容室80及び現像室82の下側に設けられ、現像剤収容室80から供給された現像剤Gを攪拌(混合)して現像室82に搬送する攪拌搬送室84とを有している。
【0041】
現像剤収容室80の上部には、矩形状の第1開口部83が形成されている。そして、第1開口部83を介して外部から現像剤Gが流入され充填されている。
【0042】
さらに、現像剤収容室80の下部には、矩形状の第2開口部87が形成されている。ここで、現像剤収容室80と攪拌搬送室84は、第2開口部87を介して連通しており、現像剤収容室80に充填され現像剤収容室80内を流下した現像剤Gは、第2開口部87を通って攪拌搬送室84に流入するようになっている。
【0043】
ここで、第2開口部87は、予め、封止部材85Bで封止されており、画像形成装置10への画像形成ユニット12の取付け前に、封止部材85Bが画像形成ユニット12の一方の側面から引き抜かれることで、開放されるようになっている。
【0044】
攪拌搬送室84は、仕切壁93で仕切られ、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bの2条の攪拌路が設けられている。仕切壁93の両端部位置には、開口された連通口が(図示省略)が形成されており、連通口によって、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bが連通している。
【0045】
第2攪拌路84Bの上面は開口となっており、上方に現像ロール78が配置され現像室82と連通している。
【0046】
また、第1攪拌路84Aには、第1攪拌搬送部材91が配置されている。同様にして、第2攪拌路84Bには、第2攪拌搬送部材92が配置されている。第1攪拌搬送部材91が矢印C方向、第2攪拌搬送部材92が矢印D方向(矢印C、Dは異なる方向)にそれぞれ回転することで、攪拌搬送室84内の現像剤Gは、供給されたトナーと混合され、それぞれ第1攪拌路84A内、及び第2攪拌路84B内を攪拌混合されながら搬送されて、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bとの間を循環するようになっている。
【0047】
現像室82には、感光体28の長手方向を軸方向とし、矢印B方向(反時計方向)に回転し、現像時に現像剤G中のトナーを感光体28の潜像に向けて移動させ、トナー画像を形成させる現像ロール78が設けられている。さらに、現像室82は、層規制部材としての薄層形成ロール97が設けられている。
【0048】
一方、トナーを前述したトナー供給路13(図8参照)から取り入れられる第1開口部83を閉止するシャッター部材86(図3参照)と、排トナーを排出する排出開口部88を閉止するシャッター部材90(図2参照)が設けられている。そして、画像形成ユニット12が装置本体10Aに取り付けられると、シャッター部材86、シャッター部材90は、装置本体に設けられる図示せぬシャッター開放部材とあたり、第1開口部83及び排出開口部88を開放するようになっている。
【0049】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0050】
図8に示されるように、画像処理装置(図示省略)で画像処理が施された画像データは、さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の色材階調データに変換され、露光ユニット40に順次出力される。露光ユニット40では、各色の色材階調データに応じて各露光光Lを出射して、各感光体28に走査露光を行い、静電潜像が形成される。
【0051】
感光体28上に形成された静電潜像は、現像部70によって、各色のトナー画像として顕在化され現像が行われる。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28上に順次形成された各色のトナー画像は、4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kによって中間転写ベルト16上に順次多重転写される。
【0052】
中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール20によって、搬送されてきたシート部材P上に二次転写される。そして、シート部材P上の各色のトナー画像が定着装置60で定着され、定着後のシート部材Pは、排出部68に排出される。
【0053】
トナー画像の転写工程が終了した後の感光体28の表面は、クリーニングブレード76によって残留トナーや紙粉等が除去される。また、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等が、クリーニング装置30で除去される。
【0054】
(要部構成)
図5(A)(B)に示されるように、画像形成ユニット12は、矢印A(時計回り)方向に回転駆動される感光体28を備えた感光体ユニット110と、感光体28の表面に形成された静電潜像にトナーを供給する現像ロール78を備えた現像器ユニット112とを含んで構成されている。また、感光体ユニット110と現像器ユニット112は、軸部材114によって相対回転可能に支持されている。なお、構造上、現像器ユニット112は、感光体ユニット110より重くなっている。
【0055】
さらに、図5(A)に示されるように、画像形成ユニット12を一端部から見ると感光体ユニット110と現像器ユニット112に跨るように付勢部材としてのコイルスプリング116が設けられており、コイルスプリング116の端部は、感光体ユニット110と現像器ユニット112に固定されている。また、前述した第1攪拌搬送部材91、第2攪拌搬送部材92に回転力を伝達するギア部材120が、現像器ユニット112に設けられ、感光体28に回転力を伝達するギア部材122が、感光体ユニット110に設けられている。
【0056】
これに対し、図5(B)に示されるように、画像形成ユニット12を他端部から見ると感光体ユニット110と現像器ユニット112に跨るように付勢部材としてのコイルスプリング118が設けられており、コイルスプリング118の端部は、感光体ユニット110と現像器ユニット112に固定されている。
【0057】
この構成により、コイルスプリング116、118の付勢力で、現像器ユニット112と感光体ユニット110が所定の位置関係が保たれるようになっている。
【0058】
一方、図3に示されるように、画像形成装置10の内部には、4個の板状の支持板126が設けられ、各画像形成ユニット12がこの支持板126に支持されている。さらに、樹脂材料で形成された円柱状のガイドピン128が、支持板126に設けられた円孔から突出して上方に延びるように設けられている。
【0059】
詳細には、画像形成ユニット12毎に、ガイドピン128が画像形成ユニット12の取付方向(図中に示すG方向)にそって複数本(本実施形態では3本)設けられており、画像形成ユニット12の取付方向手前から1本目のガイドピン128と2本目のガイドピン128の間隔が、2本目のガイドピン128と3本目のガイドピン128の間隔より狭くされている。
【0060】
なお、図3においては、支持板126Mから突出するガイドピン128の理解を容易にするため、画像形成ユニット12Mの感光体ユニット110を省略して記載する。
【0061】
これに対し、図1、図2に示されるように、現像器ユニット112の底部を構成する底部材130には、画像形成ユニット12の脱着方向(図中に示すG方向)に延びる凹状のガイド溝134が設けられている。ここで底部材130は現像器ユニット112のハウジングと一体で形成されていても構わない。
【0062】
詳細には、画像形成ユニット12を取り付ける際に、このガイド溝134は装置本体10Aに設けられたガイドピン128にガイドされ、矢印G方向に沿って画像形成ユニット12が画像形成装置10から脱着されるようになっている。
【0063】
また、ガイド溝134には、画像形成ユニット12を装置本体10Aに取り付けるときに、ガイドピン128を誘い込む誘込部としてのテーパー部136が設けられている。
【0064】
さらに、ガイド溝134には、画像形成ユニット12が装置本体10Aに取り付けられた状態で、現像器ユニット112に配置された現像ロール78、第1攪拌搬送部材91、第2攪拌搬送部材92(図6参照)を回転させるギア部材120等を駆動させたときの反力で現像器ユニット112が感光体ユニット110へ引き寄せられるときに、ガイドピン128に対する現像器ユニット112の移動を許容する許容部としての切欠138が設けられている。
【0065】
つまり、現像器ユニット112が感光体ユニット110に引き寄せられ、現像器ユニット112が 画像形成ユニット12の取付方向と直交する方向(図中に示すH方向)へ移動しようとしたときに、ガイド溝134がガイドピン128に当ることなく現像器ユニット112が移動するようになっている。
【0066】
また、画像形成ユニット12を装置本体10Aに取り付ける際に、全てのガイドピン128が、テーパー部136を通過してから前述したシャッター部材90及びシャッター部材86(図3参照)がシャッター開放部材(図示省略)と当って開放されるように、シャッター部材90、シャッター部材86の位置が決められている。
【0067】
なお、図1、図2においては、装置本体10Aに取り付けられた画像形成ユニット12のガイド溝134と、ガイドピン128の位置関係が容易に理解できるように、支持板126等の部材は省略して記載する。
【0068】
(作用)
図4(A)(B)(C)には、画像形成ユニット12を装置本体10A(図3参照)に取り付ける際の画像形成ユニット12とガイドピン128の位置関係が時系列で示されている。なお、図4(A)(B)(C)では、画像形成ユニット12のガイド溝134と、ガイドピン128の位置関係が容易に理解できるように、支持板126等の部材は省略して記載している。
【0069】
図4(A)に示されるように、画像形成ユニット12を装置本体10Aに取り付ける際は、画像形成ユニット12を矢印方向G方向へ移動させ、先ず、画像形成ユニット12の取付方向手前から1本目のガイドピン128(図中左側)をガイド溝134の端部に設けられたテーパー部136を通してガイド溝134に誘い込む。
【0070】
図4(B)に示されるように、1本目のガイドピン128に続けて2本目のガイドピン128(図中中央側)、3本目のガイドピン128(図中右側)を同様にガイド溝134に誘い込む。
【0071】
ここで、前述したように、1本目のガイドピン128と2本目のガイドピン128の間隔が、2本目のガイドピン128と3本目のガイドピン128の間隔より狭くされている。つまり、早いタイミングで1本目と2本目のガイドピン128がガイド溝134に誘い込まれる構成となっている。
【0072】
また、隣接するガイドピン128の間隔が異なる間隔であるため、画像形成ユニット12の取り付け作業の途中で、ガイドピン128が切欠138を通ってガイド溝134から外れることがない構成となっている。
【0073】
図1、図4(C)に示されるように、画像形成ユニット12を装置本体10Aに取り付けると、ガイドピン128と切欠138が対向し、現像器ユニット112が取付方向と直交する方向(図中H方向)に移動可能となる。つまり、現像器ユニット112に配置された現像ロール78、第1攪拌搬送部材91、第2攪拌搬送部材92(図6参照)を回転させるギア部材120等を駆動させたときの反力で、現像器ユニット112が感光体ユニット110へ引き寄せられるときに、現像器ユニット112の現像ロール78の軸方向と直交方向へ移動して現像器ユニット112の現像ロール78と感光体ユニット110の感光体28の軸間距離が決められた値に保たれる構成となっている。
【0074】
また、画像形成ユニット12を装置本体10Aに取り付ける際に、画像形成ユニット12をガイドする手段が、支持板126から突出するガイドピン128だけである。つまり、隣接する画像形成ユニット12との間に、ガイド手段を設ける必要がない構成となっている。
【0075】
また、ガイドピン128でガイド溝134を案内するため、画像形成ユニット12の取付方向に延びるレール状の突起部でガイド溝134を案内する場合と比較して、例えば案内方向を修正する場合にチューニングが容易な構成となっている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成ユニットを示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成ユニットを示した底面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成ユニットと画像形成ユニットが支持される支持板及びガイドピン等を示した斜視図である。
【図4】(A)(B)(C)本発明の実施形態に係る画像形成ユニットの取り付け状況を示した斜視図である。
【図5】(A)(B)本発明の実施形態に係る画像形成ユニットを一端部及び他端部から見た側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成ユニットを示した断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成ユニットを示した断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成ユニットが採用された画像形成装置を示した概略構成図である。
【符号の説明】
【0077】
10 画像形成装置
10A 装置本体
12 画像形成ユニット(交換ユニット)
28 感光体(像保持体)
78 現像ロール(現像部材)
83 第1開口部(開口部)
86 シャッター部材(閉塞部材)
88 排出開口部
90 シャッター部材(閉塞部材)
91 第1攪拌搬送部材(被駆動部材)
92 第2攪拌搬送部材(被駆動部材)
110 感光体ユニット
112 現像器ユニット
114 軸部材
116 コイルスプリング(付勢部材)
118 コイルスプリング(付勢部材)
120 ギア部材(駆動伝達部材)
126 支持板(支持部材)
128 ガイドピン(突起)
130 底部材
134 ガイド溝(案内溝)
136 テーパー部(誘込部)
138 切欠(許容部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の支持部材の1つに支持される底部材と、
前記底部材に設けられ、前記支持部材に備えられ、一列に配置された複数本の突起に案内されると共に、装置本体へ装置本体の側方から取り付けられる取付方向に延びる案内溝と、
を備える交換ユニット。
【請求項2】
前記案内溝には、前記装置本体に取り付けるときに、前記突起を誘い込む誘込部が設けられる請求項1に記載の交換ユニット。
【請求項3】
表面に静電潜像が形成される像保持体を備える感光体ユニットと、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給する現像部材を備えると共に、前記感光体ユニットより重い現像器ユニットと、
を備え
前記案内溝は、前記現像器ユニットの底部材に設けられる請求項1又は2に記載の交換ユニット。
【請求項4】
装置本体に取り付けられた際に、前記感光体ユニットと前記現像器ユニットを相対回転可能に支持する軸部材と、
前記現像器ユニットに設けられた駆動伝達部材と、
前記現像器ユニットの内部に収容され、前記駆動伝達部材に回転力が伝達されて回転する被駆動部材と、
前記案内溝に設けられると共に、前記駆動伝達部材を駆動させたときの反力により前記軸部材を中心に前記感光体ユニットと前記現像器ユニットが相対回転したときの前記突起に対する前記現像器ユニットの移動を許容する許容部と、
を備える請求項3に記載の交換ユニット。
【請求項5】
前記現像器ユニットの内部に充填されるトナーを受け入れる開口部と、
前記開口部を閉止すると共に、装置本体に取り付けられた際に装置本体に設けられた開放部材と当って移動し、前記開口部を開放してトナーの受け入れを可能とする閉塞部材と、が設けられ、
全ての前記突起が、前記誘込部を通過してから前記開放部材が前記閉塞部材を開放するように前記閉塞部材の位置が決められている請求項3又は4に記載の交換ユニット。
【請求項6】
請求項1〜5何れか1項に記載された交換ユニットと、
前記交換ユニットに設けられた案内溝を案内する、取付方向に一列に配置された複数個の突起と、
を備える画像形成装置。
【請求項7】
複数個の前記突起の間隔は異なる間隔である請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記突起は3本であって、前記交換ユニットの取付方向手前から1本目の突起と2本目の突起の間隔が、2本目の突起と3本目の突起の間隔より狭い請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−224049(P2010−224049A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68852(P2009−68852)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】