説明

交流直流変換装置、圧縮機駆動装置、空気調和機

【課題】双方向スイッチの故障検知を行うことのできる交流直流変換装置を得る。
【解決手段】整流器3の出力端子間に直列接続された抵抗6、7と、整流器3の出力端子間に直列接続されたコンデンサ9、10と、整流器3の一方の入力端子に一端が接続された双方向スイッチ4と、整流器3の他方の入力端子に一端が接続された双方向スイッチ5と、一端が抵抗6、7の接続点に接続され、他端がコンデンサ9、10の接続点に接続された双方向スイッチ8と、抵抗6の電圧、抵抗7の電圧、整流器3の出力端子間の電圧のうち少なくとも2つを検出する電圧検出手段と、双方向スイッチの故障を検知する異常検知手段20と、を備え、双方向スイッチ4および双方向スイッチ5の他端は抵抗6、7の接続点に接続されており、異常検知手段20は、電圧検出手段の検出結果に基づき故障を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流を直流に変換する装置、その装置を用いた圧縮機駆動装置、および空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、交流直流変換装置に関し、『単相交流電源とダイオードで構成された全波整流回路とリアクトルと、コンデンサ直列回路と、双方向スイッチと、負荷が、接続された構成において、双方向スイッチをスイッチングさせることにより、交流入力電流を高力率化する場合、直列接続されたコンデンサの電圧が半サイクル期間内で不均衡になる』ことを課題とする技術として、『単相交流電源とダイオードで構成された全波整流回路の一方の交流入力との間にリアクトルが、全波整流回路の直流出力間にコンデンサ直列回路が、コンデンサ直列回路の内部接続点と全波整流回路の各交流入力との間に双方向スイッチ10、11が、コンデンサ直列回路と並列に負荷14が、各々接続された構成において、直列接続されたコンデンサ12とコンデンサ13の電圧を検出して、この電圧が均等になるように、双方向スイッチ10および11を高周波でオン・オフ制御する。』というものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2008−22625号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の交流直流変換装置では、全波整流回路の直流出力端子間にコンデンサ直列回路を接続し、そのコンデンサ直列回路の内部接続点と全波整流回路の交流入力端子各々との間に双方向スイッチを各々接続した構成としている。
そのため、もし双方向スイッチのどちらか一方がショート故障している状態で交流電源が印加されると、倍電圧回路の状態となる。
このとき、整流回路の直流出力端子間に接続されている部品の保障耐圧以上の電圧が掛かり、二次破壊を起こす可能性がある。
【0005】
また、前記コンデンサ直列回路の内部接続点と前記双方向スイッチ10、11の接続点との間に第3の双方向スイッチが存在したとしても、第3の双方向スイッチをONさせる前に前記双方向スイッチ10、11のショート故障を検知できなければ、前記双方向スイッチ10、11のどちらかがショート故障している場合、第3の双方向スイッチがONすると共に倍電圧回路の状態となる問題が残る。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、双方向スイッチの故障検知を行うことのできる交流直流変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る交流直流変換装置は、交流電源にリアクタを介して接続される整流器と、前記整流器の出力端子間に直列接続された抵抗で構成される直列抵抗回路と、前記整流器の出力端子間に直列接続されたコンデンサで構成されるコンデンサ直列回路と、前記整流器の一方の入力端子に一端が接続された第1双方向スイッチと、前記整流器の他方の入力端子に一端が接続された第2双方向スイッチと、一端が前記抵抗の接続点に接続され、他端が前記コンデンサの接続点に接続された第3双方向スイッチと、前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、および前記第3双方向スイッチの動作を制御する制御手段と、前記整流器の出力端子正側に接続された前記抵抗の電圧、前記整流器の出力端子負側に接続された前記抵抗の電圧、前記整流器の出力端子間の電圧のうち少なくとも2つの電圧値を検出する電圧検出手段と、前記第1双方向スイッチまたは前記第2双方向スイッチの少なくとも一方の故障を検知する異常検知手段と、を備え、前記第1双方向スイッチの他端および前記第2双方向スイッチの他端は前記抵抗の接続点に接続されており、前記異常検知手段は、前記電圧検出手段の検出結果に基づき前記故障を検知するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る交流直流変換装置によれば、双方向スイッチにショート故障が発生したときに生じる抵抗電圧の特徴に着目し、電圧検出手段の検出結果に基づき、双方向スイッチのショート故障を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る交流直流変換装置の回路図である。
本実施の形態1に係る交流直流変換装置は、リアクタ2、整流器3、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、抵抗6および7、第3双方向スイッチ8、コンデンサ9および10、バランス抵抗11および12、クランプダイオード13および14、負荷15、第1電圧検出器16、第2電圧検出器17、電源電圧ゼロクロス検出回路18、制御手段19、異常検知手段20、異常報知手段21を備える。
【0010】
リアクタ2は、交流電源1と整流器3の間に挿入されている。
整流器3は、ブリッジ状に接続されたダイオード3a〜3dから構成されており、交流電源1が供給する交流を整流して出力する。
第1双方向スイッチ4の一端は、整流器3の一方の入力端子に接続されている。
第2双方向スイッチ5の一端は、整流器3の他方の入力端子に接続されている。
【0011】
抵抗6および7は、整流器3の出力端子間に直列に接続されている。
抵抗6と抵抗7の接続点は、第1双方向スイッチ4と第2双方向スイッチ5の負荷15側の端子に接続されている。また、同接続点は、第3双方向スイッチ8の交流電源1側の端子にも接続されている。
抵抗6と抵抗7は、同じ抵抗値のものを用いるものとする。
【0012】
コンデンサ9および10、バランス抵抗11および12、クランプダイオード13および14は、それぞれ整流器3の出力端子間に直列に接続されている。
バランス抵抗11および12は、コンデンサ9の端子間電圧とコンデンサ10の端子間電圧をバランスさせるためのものである。
クランプダイオード13および14は、コンデンサ9の端子間電圧とコンデンサ10の端子間電圧がアンバランスとなった状態で交流電源1をOFFしたとき、前記コンデンサ間に逆電圧が印加されるのを防止するためのものである。
コンデンサ9とコンデンサ10の容量は同じ容量のものを用いるものとする。また、抵抗9と抵抗10は同じ抵抗値のものを用いるものとする。
コンデンサ9および10の接続点と、抵抗11および12の接続点と、ダイオード13および14の接続点は、それぞれ第3双方向スイッチ8の負荷15側の端子に接続されている。
【0013】
負荷15は整流器3の出力端子間に接続された負荷であり、例えば空気調和機の圧縮機を駆動するためのインバータ回路などが接続される。
【0014】
第1電圧検出器16は、抵抗6の両端電圧を検出する。
第2電圧検出器17は、抵抗7の両端電圧を検出する。
電源電圧ゼロクロス検出回路18は、交流電源1の電圧ゼロクロスを検出する。
【0015】
制御手段19は、外部から与えられる整流器3の出力端子間の電圧指令値と、第1電圧検出器16および第2電圧検出器17が検出した電圧値と、電源ゼロクロス検出回路の出力と、後述する異常検知手段20の出力を基に、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のON/OFFを制御する。
異常検知手段20は、後述の図2で説明する手法を用いて、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知する。
【0016】
制御手段19と異常検知手段20は、これらの機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPU(Central Processing Unit)のような演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
【0017】
異常報知手段21は、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知した場合、異常を報知する。
例えば、異常を報知する手段として、異常報知LED(Light Emitting Diode)を設けておき、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知しなかった場合は異常報知LED(図示せず)を消灯し、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知した場合は異常報知LED(図示せず)を点灯する、という手法が考えられる。
【0018】
その他、交流直流変換装置の使用者または管理者等に異常の有無、内容がわかる報知方法ならば、音や光、リモコンへの表示、負荷15側に接続される表示器への表示等、任意の手法を用いることができる。
【0019】
ただし、第1双方向スイッチ4および第2双方向スイッチ5が両方ともショート故障した場合は、交流電源1がリアクタ2のみの短絡状態とほぼ等価となり、過大な電流が流れ、交流電源1と整流器3との間に挿入されているヒューズ(図示せず)の溶断で二次破壊を防ぐことになる。
【0020】
以上、本実施の形態1に係る交流直流変換装置の構成を説明した。
次に、本実施の形態1に係る交流直流変換装置の動作について説明する。
【0021】
図2は、本実施の形態1に係る交流直流変換装置の動作フローチャートである。以下図2の各ステップについて説明する。
【0022】
(STEP1)
交流直流変換装置の電源がONされると、交流電源1が印加される。
(STEP2)
制御手段19は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御する。これにより、交流直流変換装置は全波整流回路として動作することになる。
【0023】
(STEP3)
制御手段19は、外部から与えられる電圧指令値が整流器3の出力端子間の電圧以下の場合は、交流直流変換装置を全波整流回路のまま動作させる。外部から与えられる電圧指令値が整流器3の出力端子間の電圧より高い場合は、STEP4に進む。
なお、整流器3の出力端子間の電圧は、第1電圧検出器16と第2電圧検出器17が検出した電圧の和により求めることができる。
【0024】
(STEP4)
異常検知手段20は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5にショート故障が生じているか否かを判定する。第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知しなかった場合はSTEP5へ進み、検知したときはSTEP6へ進む。
ショート故障の検知手法については、後述の図3〜図5を用いて改めて説明する。
【0025】
(STEP5)
制御手段19は、第3双方向スイッチ8をON状態に制御し、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値になるように第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5のON/OFFを制御する。
(STEP6)
制御手段19は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御する。これにより、交流直流変換装置は全波整流回路として動作することになる。
(STEP7)
異常報知手段21は、異常を報知する。
【0026】
なお、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知し、交流直流変換装置を全波整流回路として動作させるときは、整流器3間の出力端子間の電圧が電圧指令値より低い値となる。
そのため、負荷15として、例えば空気調和機の圧縮機を駆動するためのインバータ回路などが接続されている場合は、圧縮機の運転範囲を制限することが好ましい。
【0027】
以上、本実施の形態1に係る交流直流変換装置の動作を説明した。
次に、図2のSTEP4におけるショート故障検知手法の詳細を説明する。
【0028】
異常検知手段20は、図2のSTEP4において、制御手段19が第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御しており、かつ抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値以上あるときに、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にショート故障が生じていると判定する。
第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5の正常時およびショート故障時における各部波形について、次の図3〜5を用いて詳細に説明する。
【0029】
図3は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形の一例である。
図4は、第1双方向スイッチ4にショート故障が生じ、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形の一例である。
図5は、第2双方向スイッチ5にショート故障が生じ、第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形の一例である。
この一例では、交流電源1の電圧としてAC200Vを印加し、負荷15として100W一定負荷を接続しているものとする。
【0030】
図3〜5において、(a)は交流電源1の電圧、(b)は交流電源1の電流、(c)は制御手段19が出力する第1双方向スイッチ4の制御信号、(d)は制御手段19が出力する第2双方向スイッチ5の制御信号、(e)は制御手段19が出力する第3双方向スイッチ8の制御信号、(f)は抵抗6の両端電圧、(g)は抵抗7の両端電圧、(h)はコンデンサ9の端子間電圧、(i)はコンデンサ10の端子間電圧である。
また、(f)〜(i)において、整流器3の出力端子間の電圧も併記した。
【0031】
(1)全ての双方向スイッチが正常であるとき
STEP2の状態で、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常なときは、図3(f)(g)のように、抵抗6の両端電圧および抵抗7の両端電圧には整流器3の出力端子間の電圧の1/2の電圧が現れる。
【0032】
(2)第1双方向スイッチ4にショート故障が生じているとき
STEP2の状態で、第1双方向スイッチ4にショート故障が生じ、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常なときは、図4(f)(g)のように交流電源1の電圧状態により、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧に異なった電圧が現れる。
これは、交流電源1が正極性の場合で、交流電源1の電圧>抵抗7の両端電圧のときは、交流電源1→リアクタ2→第1双方向スイッチ4(ショート故障)→抵抗7→ダイオード3d→交流電源1の経路で電流が流れる状態が生じるためである。
即ち、このとき抵抗7の両端には、ほぼ交流電源1の電圧が印加されるので、抵抗7の両端電圧が抵抗6の両端電圧より高くなるのである。
【0033】
また、交流電源1が負極性の場合で、交流電源1の電圧の絶対値>抵抗6の両端電圧のときは、交流電源1→ダイオード3b→抵抗6→第1双方向スイッチ4(ショート故障)→リアクタ2→交流電源1の経路で電流が流れる状態が生じる。
そのため、抵抗6の両端には、ほぼ交流電源1の電圧が印加されるので、抵抗6の両端電圧が抵抗7の両端電圧より高くなる。
【0034】
(3)第2双方向スイッチ5にショート故障が生じているとき
同様に、STEP2の状態で、第2双方向スイッチ5にショート故障が生じ、第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8が正常なときも、図5(f)(g)のように交流電源1の電圧状態により、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧に異なった電圧が現れる。
【0035】
したがって、STEP2の状態で、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値(例えば50V)以上あるときに、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にショート故障が生じていると判定することができる。
【0036】
以上の説明では、抵抗6と7の両端電圧に基づき各双方向スイッチのショート故障を検知することを説明した。一方、これに代えて、コンデンサ9と10の端子間電圧に基づき各双方向スイッチのショート故障を検知することも考えられる。
しかし、コンデンサ9およびコンデンサ10の端子間電圧を検出したとしても、図3〜5の(h)(i)を見てわかるように、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5のショート故障の有無に関らず、コンデンサ9の端子間電圧とコンデンサ10の端子間電圧にはほとんど差異が生じていない。したがって、これらの端子間電圧に基づき第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知するのは困難である。
【0037】
本実施の形態1では、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧を検出するようにしているが、抵抗6の両端電圧、抵抗7の両端電圧、または整流器3の出力端子間の電圧のうち少なくとも2つの電圧値を検出できれば、同様な処理が実現できることは言うまでもない。
また、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を判定する方法として、整流器3の出力端子間の電圧の1/2の値と、抵抗6の両端電圧もしくは抵抗7の両端電圧との差の絶対値が所定値以上になったときに、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にショート故障が生じていると判定してもよい。
【0038】
以上のように、本実施の形態1では、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にショート故障が生じているときは、交流電源1の電圧変動に伴って、抵抗6と7の両端電圧にそれぞれ異なる電圧が現れる。
異常検知手段20は、これを利用して、抵抗6と7の両端電圧の検出値に基づき、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知することができる。
【0039】
また、本実施の形態1において、異常検知手段20が、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチのショート故障を検知したときは、制御手段19は第1〜3双方向スイッチをOFFに制御し、交流直流変換装置を全波整流回路として動作させる。
これにより、他の素子等の2次破壊を防止することができる。
【0040】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る交流直流変換装置の回路図である。
図6において、図1と同じ構成要素には同符号を付す。
4’は、図1における第1双方向スイッチ4と等価となる第1双方向スイッチ等価モジュールであり、ダイオード4a〜4dおよびスイッチング素子4eから構成されている。
5’は、図1における第2双方向スイッチ5と等価となる第2双方向スイッチ等価モジュールであり、ダイオード5a〜5dおよびスイッチング素子5eから構成されている。
スイッチング素子4eおよび5eは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成することができる。
【0041】
本実施の形態2に係る交流直流変換装置の動作は、実施の形態1に係る交流直流変換装置の第1双方向スイッチ4および第2双方向スイッチ5が、それぞれ第1双方向スイッチ等価モジュール4’および第2双方向スイッチ等価モジュール5’と置き換わった点を除いて、実施の形態1に係る交流直流変換装置と同様である。
【0042】
次に、第1双方向スイッチ等価モジュール4’および第2双方向スイッチ等価モジュール5’の正常時およびショート故障時における各部波形について詳細に説明する。
始めに各双方向スイッチ等価モジュール内のスイッチング素子のショート故障について説明し、次に各双方向スイッチ等価モジュール内のダイオードのショート故障について説明する。
【0043】
(1)各双方向スイッチ等価モジュール内のスイッチング素子のショート故障
(1.1)全ての部品が正常な場合
第1双方向スイッチ等価モジュール4’、第2双方向スイッチ等価モジュール5’、および第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形は、図3と同様な波形となる。
【0044】
(1.2)スイッチング素子4eが少なくともショート故障の場合
第1双方向スイッチ等価モジュール4’内のスイッチング素子4eが少なくともショート故障で、第2双方向スイッチ等価モジュール5’および第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形は、図4と同様な波形となる。
【0045】
(1.3)スイッチング素子5eが少なくともショート故障の場合
第2双方向スイッチ等価モジュール5’内のスイッチング素子5eが少なくともショート故障で、第1双方向スイッチ等価モジュール4’および第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形は、図5と同様な波形となる。
【0046】
ただし、図3〜5において、第1双方向スイッチ4の制御信号、第2双方向スイッチ5の制御信号は、それぞれ第1双方向スイッチ等価モジュール4’の制御信号、第2双方向スイッチ等価モジュール5’の制御信号と置き換える必要がある。
【0047】
(2)各双方向スイッチ等価モジュール内のダイオードのショート故障
図7は、第1双方向スイッチ等価モジュール4’内のダイオード4aのみがショート故障で、第2双方向スイッチ等価モジュール5’および第3双方向スイッチ8が正常な場合における、各部波形の一例である。
制御手段19は、第1双方向スイッチ等価モジュール4’、第2双方向スイッチ等価モジュール5’、および第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御している。
また、この一例では、交流電源1の電圧としてAC200Vを印加し、負荷15として100W一定負荷を接続しているものとする。
【0048】
図7において、(a)は交流電源1の電圧、(b)は交流電源1の電流、(c)は制御手段19が出力する第1双方向スイッチ等価モジュール4’の制御信号、(d)は制御手段19が出力する第2双方向スイッチ等価モジュール5’の制御信号、(e)は制御手段19が出力する第3双方向スイッチ8の制御信号、(f)は抵抗6の両端電圧、(g)は抵抗7の両端電圧、(h)はコンデンサ9の端子間電圧、(i)はコンデンサ10の端子間電圧である。
また、(f)〜(i)においては、整流器3の出力端子間の電圧も記載している。
【0049】
第1双方向スイッチ等価モジュール4’内のダイオード4aのみがショート故障であるとき、図7(f)(g)のように、交流電源1の電圧状態により抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧に異なった電圧が現れる。
これは、交流電源1が負極性の場合で、交流電源1の電圧の絶対値>抵抗6の両端電圧のときは、交流電源1→ダイオード3b→抵抗6→ダイオード4b→ダイオード4a(ショート故障)→リアクタ2→交流電源1の経路で電流が流れる状態が生じることによる。
即ち、抵抗6の両端にほぼ交流電源1の電圧が印加されるので、抵抗6の両端電圧が抵抗7の両端電圧より高くなるのである。
【0050】
同様に、第1双方向スイッチ等価モジュール4’を構成する部品4a〜4eの少なくとも1つがショート故障している場合、もしくは第2双方向スイッチ等価モジュール5’を構成する部品5a〜5eの少なくとも1つがショート故障している場合、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧には、異なった電圧が現れる。
したがって、制御手段19が第1双方向スイッチ等価モジュール4’、第2双方向スイッチ等価モジュール5’、および第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御しており、かつ抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値(例えば50V)以上あるときは、異常検知手段20は、第1双方向スイッチ等価モジュール4’または第2双方向スイッチ等価モジュール5’にショート故障が生じていると判定することができる。
【0051】
以上の説明では、抵抗6と7の両端電圧に基づき各双方向スイッチ等価モジュールのショート故障を検知することを説明した。一方、これに代えて、コンデンサ9と10の端子間電圧に基づき各双方向スイッチ等価モジュールのショート故障を検知することも考えられる。
しかし、コンデンサ9およびコンデンサ10の端子間電圧を検出したとしても、図3〜5(ただし、第1双方向スイッチ4の制御信号,第2双方向スイッチ5の制御信号をそれぞれ第1双方向スイッチ等価モジュール4’の制御信号、第2双方向スイッチ等価モジュール5’の制御信号と置き換える必要がある)の(h)(i)および図7の(h)(i)を見てわかるように、第1双方向スイッチ等価モジュール4’、第2双方向スイッチ等価モジュール5’のショート故障の有無に関らず、コンデンサ9の端子間電圧とコンデンサ10間の端子間電圧にはほとんど差異が生じていない。
したがって、これらの端子間電圧に基づき、第1双方向スイッチ等価モジュール4’または第2双方向スイッチ等価モジュール5’のショート故障を検知するのは困難である。
【0052】
以上のように、本実施の形態2によれば、双方向スイッチをダイオードとスイッチング素子の組み合わせである双方向スイッチ等価モジュールで実現しても、実施の形態1の交流直流変換装置と同様な効果を実現できる。
【0053】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3では、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障およびオープン故障を検知する手法を説明する。
なお、本実施の形態3に係る交流直流変換装置の回路構成は、実施の形態1で説明した図1または実施の形態2で説明した図6と同様である。以下の説明では、図1の回路構成を用いる。
【0054】
異常検知手段20は、第1電圧検出器16および第2電圧検出器17が検出した電圧値と、外部から与えられる電圧指令値を基に、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障およびオープン故障を検知する。
異常報知手段21は、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障もしくはオープン故障を検知したとき、異常を報知する。
【0055】
図8は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のいずれか1つがショート故障もしくはオープン故障したケースを列挙した図である。図8に示すように、故障ケースは6通り存在する。以下、各故障ケースを検知する手法について説明する。
【0056】
図9は、本実施の形態3に係る交流直流変換装置の動作フローである。
図9の動作フローは、図2の動作フローにSTEP4a〜4cおよび5aを追加したものであり、その他のステップは図2と同様であるため、図2と同じステップには同じステップ番号を付す。
以下、図9の各ステップについて、図2と異なる点を中心に説明する。
【0057】
(STEP4a)
STEP4で異常検知手段20が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を検知しなかった場合、制御手段19は、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御したまま、第1双方向スイッチ4および第2双方向スイッチ5を片方ずつON状態に制御する。
【0058】
(STEP4b)
異常検知手段20は、STEP4aの状態において、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5のオープン故障検知判定および第3双方向スイッチ8のショート故障判定を行う。
【0059】
(STEP4c)
STEP4bで異常検知手段20が第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5のオープン故障、および第3双方向スイッチ8のショート故障を検知しなかった場合、制御手段19は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8を一旦OFF状態に制御する。
【0060】
(STEP5a)
制御手段19がSTEP5で第3双方向スイッチ8をON状態に制御し、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値になるように第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5のON/OFFを制御しているとき、異常検知手段20は第3双方向スイッチ8のオープン故障判定を行う。
第3双方向スイッチ8のオープン故障を検知しなかったときは、STEP5に戻る。
【0061】
(STEP6)
STEP4、4b、5aで第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障もしくはオープン故障のいずれか少なくとも1つを検知した場合、制御手段19は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御する。
【0062】
以上、本実施の形態3に係る交流直流変換装置の動作フローを説明した。
次に、STEP4、4b、5aにおける故障検知手法について説明する。
【0063】
(1)STEP4におけるショート故障検知手法
STEP4における異常検知手段20の第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障判定方法は、実施の形態1の交流直流変換装置のときと同様である。
即ち、制御手段19が第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御しており、かつ抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値以上であるとき、異常検知手段20は第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にショート故障が生じていると判定する。
【0064】
(2)STEP4bにおけるオープン故障検知手法
制御手段19が第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5を片方ずつON状態に制御しているとき、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値以上にならない場合は、異常検知手段20は第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にオープン故障が生じていると判定する。
この手法を用いる理由について、以下に説明する。
【0065】
制御手段19が第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第1双方向スイッチ4をON状態に制御しており、かつ第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常であるときは(図8の正常ケース)、抵抗6の両端電圧および抵抗7の両端電圧にはそれぞれ図4(f)(g)のような電圧が現れる。
また、制御手段19が第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第2双方向スイッチ5をON状態に制御しており、かつ第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常であるときは(図8の正常ケース)、抵抗6の両端電圧および抵抗7の両端電圧にはそれぞれ図5(f)(g)のような電圧が現れる。
【0066】
一方、制御手段19が第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第1双方向スイッチ4をON状態に制御しており、かつ第1双方向スイッチ4がオープン故障で、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常であるときは(図8の故障ケース4)、抵抗6の両端電圧および抵抗7の両端電圧には、それぞれ図3(f)(g)のような電圧が現れる。
また、制御手段19が第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第2双方向スイッチ5をON状態に制御しており、かつ第2双方向スイッチ5がオープン故障で、第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8が正常であるときも(図8の故障ケース5)、抵抗6の両端電圧および抵抗7の両端電圧には、それぞれ図3(f)(g)のような電圧が現れる。
【0067】
したがって、制御手段19が第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5を片方ずつON状態に制御している場合で、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値(例えば50V)以上にならないとき、異常検知手段20は、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にオープン故障が生じていると判定することができる。
【0068】
(3)STEP4bにおけるショート故障検知手法
制御手段19が第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5を片方ずつON状態に制御しているとき、整流器3の出力端子間の電圧がSTEP4a前の電圧値より所定値以上高くなった場合、異常検知手段20は、第3双方向スイッチ8にショート故障が生じていると判定する。
この手法を用いる理由について、以下に説明する。
なお、整流器3の出力端子間の電圧は、第1電圧検出器16と第2電圧検出器17が検出した電圧の和により求めることができる。
【0069】
制御手段19が第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5を片方ずつON状態に制御している場合、第3双方向スイッチ8がショート故障で、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5が正常であるときは(図8の故障ケース3)、交流直流変換回路が倍電圧回路となる。
そのため、整流器3の出力端子間の電圧は、STEP4a前の電圧値より高くなる。
【0070】
したがって、制御手段19が第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御し、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5を片方ずつON状態に制御している場合で、整流器3の出力端子間の電圧がSTEP4a前の電圧値より所定値以上高くなったとき、異常検知手段20は、第3双方向スイッチ8にショート故障が生じていると判定することができるのである。
【0071】
(4)STEP5aにおけるオープン故障検知手法
制御手段19が第3双方向スイッチ8をON状態に制御し、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値になるように第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5をON/OFF制御している場合で、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値に達しないとき、異常検知手段20は、第3双方向スイッチ8にオープン故障が生じていると判定する。
この手法を用いる理由について、以下に説明する。
なお、整流器3の出力端子間の電圧は、第1電圧検出器16と第2電圧検出器17が検出した電圧の和により求めることができる。
【0072】
制御手段19が第3双方向スイッチ8をON状態に制御し、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値になるように第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5をON/OFF制御している場合、第3双方向スイッチ8がオープン故障で、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5が正常(図8の故障ケース6)であるときは、交流直流変換回路が倍電圧回路となる状態が生じない。
そのため、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値に達しない。
【0073】
したがって、制御手段19が第3双方向スイッチ8をON状態に制御し、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値になるように第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5をON/OFF制御している場合、整流器3の出力端子間の電圧が外部から与えられる電圧指令値に達しないとき,異常検知手段20は、第3双方向スイッチ8にオープン故障が生じていると判定することができるのである。
【0074】
以上、STEP4、4b、5aにおける故障検知手法について説明した。
なお、図8の故障ケース1、故障ケース2については、実施の形態1と同じく、STEP4にて検出することが可能である。
【0075】
本実施の形態3では、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障およびオープン故障をすべて検知する方法について記載したが、これらの一部のみ検知するようにしてもよい。
【0076】
また、本実施の形態3では、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧を検出する構成としているが、抵抗6の両端電圧、抵抗7の両端電圧、または整流器3の出力端子間の電圧のうち少なくとも2つの電圧値を検出できれば、同様な処理が実現できることは言うまでもない。
【0077】
また、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のショート故障を判定する際、整流器3の出力端子間の電圧の1/2の値と、抵抗6の両端電圧もしくは抵抗7の両端電圧との差分の絶対値が所定値以上になったときに、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にショート故障が生じていると判定してもよい。
【0078】
また、各双方向スイッチを、実施の形態2で説明したように、ダイオードとスイッチング素子の組み合わせで実現しても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0079】
以上のように、本実施の形態3によれば、各双方向スイッチにショート故障またはオープン故障が生じているときに現れる、抵抗6と7の両端電圧の波形に着目し、異常検知手段20はこれを利用して、これらの故障を検知することができる。
【0080】
また、本実施の形態3によれば、異常検知手段20が、第1〜3双方向スイッチのショート故障もしくはオープン故障のいずれか少なくとも1つを検知した場合は、制御手段19は、第1〜3双方向スイッチをOFFに制御し、交流直流変換装置を全波整流回路として動作させる。
これにより、他の素子等の2次破壊を防止することができる。
【0081】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障およびオープン故障を検知する他の手法を説明する。
なお、本実施の形態3に係る交流直流変換装置の回路構成は、実施の形態1で説明した図1または実施の形態2で説明した図6と同様である。以下の説明では、図1の回路構成を用いる。
【0082】
異常検知手段20は、第1電圧検出器16および第2電圧検出器17が検出した電圧値と、外部から与えられる電圧指令値を基に、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障およびオープン故障を検知する。
異常報知手段21は、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障もしくはオープン故障を検知したとき、異常を報知する。
【0083】
図10は、本実施の形態4に係る交流直流変換装置の動作フローである。
図10の動作フローは、図9の動作フローのSTEP4aと4bをそれぞれSTEP4a’と4b’に変更したものであり、その他のステップは図9と同様であるため、図9と同じステップには同じステップ番号を付す。
以下、図10の各ステップについて、図9と異なる点を中心に説明する。
【0084】
(STEP4a’)
制御手段19は、第3双方向スイッチ8をOFF状態に制御したまま、第1双方向スイッチ4および第2双方向スイッチ5を、電源電圧ゼロクロス検出回路18の出力に基づき電源電圧が正ピーク値および負ピーク値付近で片方ずつ所定時間(例えば500μs)のみON状態に制御する。
所定時間(例えば500μs)のみON状態としているのは、もし第3双方向スイッチ8がショート故障している状態で第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5を長時間ON状態に制御した場合、交流直流変換装置が倍電圧回路となり、整流器3の出力端子間に高電圧が印加されて各部品の負担となるからである。
本ステップでは、これを防ぐため、第1双方向スイッチ4および第2双方向スイッチ5を短時間のみONに制御することとした。
【0085】
(STEP4b’)
STEP4a’の状態において、制御手段19が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5をON状態に制御している場合に、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値以上にならないとき、異常検知手段20は、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にオープン故障が生じているか、もしくは第3双方向スイッチ8にショート故障が生じていると判定する。
【0086】
以上、本実施の形態4に係る交流直流変換装置の動作フローを説明した。
次に、STEP4b’における故障検知手法について説明する。
【0087】
図11〜14は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常であるとき、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5がオープン故障であるとき、第3双方向スイッチ8がショート故障であるときにおける各部波形について詳細に説明する図である。
【0088】
図11は、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常(図8の正常ケース)である場合における各部波形の一例である。
図12は、第1双方向スイッチ4がオープン故障で、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常である場合(図8の故障ケース4)における各部波形の一例である。
図13は、第2双方向スイッチ5がオープン故障で、第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8が正常である場合(図8の故障ケース5)における各部波形の一例である。
図14は、第3双方向スイッチ8がショート故障で、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5が正常である場合(図8の故障ケース3)の各部波形の一例である。
これらの一例では、交流電源1の電圧としてAC200Vを印加し、負荷15として100W一定負荷を接続しているものとする。
【0089】
図11〜14において、(a)は交流電源1の電圧、(b)は交流電源1の電流、(c)は制御手段19が出力する第1双方向スイッチ4の制御信号、(d)は制御手段19が出力する第2双方向スイッチ5の制御信号、(e)は制御手段19が出力する第3双方向スイッチ8の制御信号、(f)は抵抗6の両端電圧、(g)は抵抗7の両端電圧、(h)はコンデンサ9の端子間電圧、(i)はコンデンサ10の端子間電圧である。
また、(f)〜(i)において、整流器3の出力端子間の電圧も記載している。
【0090】
STEP4a’の状態において、制御手段19が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5をON状態に制御している場合、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常なときは、図11(f)(g)のように、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧には、それぞれ異なる電圧が現れる。
【0091】
STEP4a’の状態において、制御手段19が第1双方向スイッチ4をON状態に制御している場合、第1双方向スイッチ4がオープン故障で、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常(図8の故障ケース4)であるときは、図12(f)(g)のように、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧には、整流器3の出力端子間の1/2の電圧が平坦に現れる。
これは、第1双方向スイッチ4にオープン故障が生じているため、図12の前半区間で第1双方向スイッチ4をONするよう制御しても、第1双方向スイッチ4がONにならないことによる。
【0092】
STEP4a’の状態において、制御手段19が第2双方向スイッチ5をON状態に制御している場合に、第2双方向スイッチ5がオープン故障で、第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8が正常(図8の故障ケース5)であるときは、図13(f)(g)のように、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧には、整流器3の出力端子間の1/2の電圧が平坦に現れる。
これは、第2双方向スイッチ5にオープン故障が生じているため、図13の後半区間で第2双方向スイッチ5をONするよう制御しても、第2双方向スイッチ5がONにならないことによる。
【0093】
STEP4a’の状態において、制御手段19が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5をON状態に制御している場合に、第3双方向スイッチ8がショート故障で、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5が正常(図8の故障ケース3)であるときは、図14(f)(g)のように、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧には、整流器3の出力端子間の1/2の電圧が平坦に現れる。
【0094】
したがって、STEP4a’の状態において、制御手段19が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5をON状態に制御している場合に、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧の差分の絶対値が所定値(例えば50V)以上にならないとき、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にオープン故障が生じているか、もしくは第3双方向スイッチ8にショート故障が生じていると判定することができる。
【0095】
以上の説明では、抵抗6と7の両端電圧に基づき各双方向スイッチのショート故障またはオープン故障を検知することを説明した。一方、これに代えて、コンデンサ9と10の端子間電圧に基づき各双方向スイッチのショート故障またはオープン故障を検知することも考えられる。
しかし、コンデンサ9およびコンデンサ10の端子間電圧を検出したとしても、図11〜14の(h)(i)を見てわかるように、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のオープン故障もしくは第3双方向スイッチ8のショート故障が生じても、コンデンサ9の端子間電圧とコンデンサ10の端子間電圧にはほとんど差異が生じていない。
したがって、これらの端子間電圧に基づき、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のオープン故障、もしくは第3双方向スイッチ8のオープン故障を検知するのは困難である。
【0096】
以上、STEP4b’における故障検知手法について説明した。
なお、図8の故障ケース1、故障ケース2については、実施の形態1と同じく、STEP4にて検出することが可能である。また、故障ケース6については、STEP5aにて検出することが可能である。
【0097】
本実施の形態4では、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のショート故障およびオープン故障をすべて検知する方法について記載したが、これらの一部のみ検知するようにしてもよい。
【0098】
また、本実施の形態4では、抵抗6の両端電圧と抵抗7の両端電圧を検出する構成としているが、抵抗6の両端電圧、抵抗7の両端電圧、または整流器3の出力端子間の電圧のうち少なくとも2つの電圧値を検出できれば、同様な処理が実現できることは言うまでもない。
【0099】
また、異常検知手段20が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5のオープン故障、もしくは第3双方向スイッチ8のショート故障を判定する際、STEP4a’の状態において、制御手段19が第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5をON状態に制御している場合に、整流器3の出力端子間の電圧の1/2の値と、抵抗6の両端電圧もしくは抵抗7の両端電圧との差分の絶対値が所定値以上にならなかったときに、第1双方向スイッチ4または第2双方向スイッチ5にオープン故障が生じているか、もしくは第3双方向スイッチ8にショート故障が生じていると判定してもよい。
【0100】
また、各双方向スイッチを、実施の形態2で説明したように、ダイオードとスイッチング素子の組み合わせで実現しても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0101】
以上のように、本実施の形態4によれば、実施の形態3と同様の効果を発揮することができる。
【0102】
また、本実施の形態4によれば、STEP4a’において、制御手段19は、第1双方向スイッチ4および第2双方向スイッチ5を、電源電圧ゼロクロス検出回路18の出力に基づき電源電圧が正ピーク値および負ピーク値付近で片方ずつ所定時間のみON状態に制御する。
そのため、ショート故障やオープン故障を判定する際に各部品にかかる負担を抑えることができる。
【0103】
なお、以上の実施の形態において、検出値と所定値とを比較して故障判断を行う際は、例えば以下の(1)〜(2)のようにすることができる。
(1)検出値の瞬時値と所定値を比較し、瞬時値が所定値を超えた時点で故障発生と判断する。
(2)検出バラツキを考慮して、所定期間内(例えば数十ms)に瞬時値が所定値を所定回数超えた時点で故障発生と判断する。
【0104】
実施の形態5.
以上の実施の形態1〜4で説明した交流直流変換装置は、直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動するインバータに直流電圧を供給する装置として用いることができる。
また、その電動機を用いて、圧縮機を駆動する圧縮機駆動装置を構成し、さらにはその圧縮機を用いて冷媒を循環させる空気調和機を構成することもできる。
【0105】
さらには、これらの構成により、交流直流変換装置で発生したショート故障やオープン故障を、圧縮機駆動装置や空気調和機に通知し、運転範囲を抑制するなどの動作を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】実施の形態1に係る交流直流変換装置の回路図である。
【図2】実施の形態1に係る交流直流変換装置の動作フローチャートである。
【図3】第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形の一例である。
【図4】第1双方向スイッチ4にショート故障が生じ、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形の一例である。
【図5】第2双方向スイッチ5にショート故障が生じ、第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8が正常な場合における各部波形の一例である。
【図6】実施の形態2に係る交流直流変換装置の回路図である。
【図7】第1双方向スイッチ等価モジュール4’内のダイオード4aのみがショート故障で、第2双方向スイッチ等価モジュール5’および第3双方向スイッチ8が正常な場合における、各部波形の一例である。
【図8】第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8のいずれか1つがショート故障もしくはオープン故障したケースを列挙した図である。
【図9】実施の形態3に係る交流直流変換装置の動作フローである。
【図10】実施の形態4に係る交流直流変換装置の動作フローである。
【図11】第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常である場合における各部波形の一例である。
【図12】第1双方向スイッチ4がオープン故障で、第2双方向スイッチ5、第3双方向スイッチ8が正常である場合における各部波形の一例である。
【図13】第2双方向スイッチ5がオープン故障で、第1双方向スイッチ4、第3双方向スイッチ8が正常である場合における各部波形の一例である。
【図14】第3双方向スイッチ8がショート故障で、第1双方向スイッチ4、第2双方向スイッチ5が正常である場合の各部波形の一例である。
【符号の説明】
【0107】
1 交流電源、2 リアクタ、3 整流器、4 第1双方向スイッチ、5 第2双方向スイッチ、6〜7 抵抗、8 第3双方向スイッチ、9〜10 コンデンサ、11〜12 バランス抵抗、13〜14 クランプダイオード、15 負荷、16 第1電圧検出器、17 第2電圧検出器、18 電源電圧ゼロクロス検出回路、19 制御手段、20 異常検知手段、21 異常報知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源にリアクタを介して接続される整流器と、
前記整流器の出力端子間に直列接続された抵抗で構成される直列抵抗回路と、
前記整流器の出力端子間に直列接続されたコンデンサで構成されるコンデンサ直列回路と、
前記整流器の一方の入力端子に一端が接続された第1双方向スイッチと、
前記整流器の他方の入力端子に一端が接続された第2双方向スイッチと、
一端が前記抵抗の接続点に接続され、他端が前記コンデンサの接続点に接続された第3双方向スイッチと、
前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、および前記第3双方向スイッチの動作を制御する制御手段と、
前記整流器の出力端子正側に接続された前記抵抗の電圧、前記整流器の出力端子負側に接続された前記抵抗の電圧、前記整流器の出力端子間の電圧のうち少なくとも2つの電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記第1双方向スイッチまたは前記第2双方向スイッチの少なくとも一方の故障を検知する異常検知手段と、
を備え、
前記第1双方向スイッチの他端および前記第2双方向スイッチの他端は前記抵抗の接続点に接続されており、
前記異常検知手段は、前記電圧検出手段の検出結果に基づき前記故障を検知する
ことを特徴とする交流直流変換装置。
【請求項2】
前記異常検知手段は、
前記制御手段が、前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、および前記第3双方向スイッチをOFF状態に制御している場合で、
前記整流器の出力端子正側に接続された前記抵抗の電圧と、前記整流器の出力端子負側に接続された前記抵抗の電圧との差分の絶対値が、所定値以上であるとき、
または、
前記整流器の出力端子間電圧の半分の電圧と前記抵抗の電圧との差分の絶対値が、所定値以上であるとき、
前記第1双方向スイッチまたは前記第2双方向スイッチにショート故障が生じていると判定する
ことを特徴とする請求項1記載の交流直流変換装置。
【請求項3】
前記異常検知手段は、
前記電圧検出手段の検出結果に基づき、
前記第1双方向スイッチまたは前記第2双方向スイッチの少なくとも一方のオープン故障を検知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の交流直流変換装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記第3双方向スイッチをOFF状態に制御するとともに、
前記第1双方向スイッチまたは前記第2双方向スイッチをON状態に制御し、
前記異常検知手段は、
前記整流器の出力端子正側に接続された前記抵抗の電圧と、前記整流器の出力端子負側に接続された前記抵抗の電圧との差分の絶対値が、所定値以上にならないとき、
または、
前記整流器の出力端子間電圧の半分の電圧と前記抵抗の電圧との差分の絶対値が、所定値以上にならないとき、
前記オープン故障が生じていると判断する
ことを特徴とする請求項3記載の交流直流変換装置。
【請求項5】
前記異常検知手段は、
前記電圧検出手段の検出結果に基づき、
前記第3双方向スイッチのショート故障を検知する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の交流直流変換装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記第3双方向スイッチをOFF状態に制御するとともに、
前記第1双方向スイッチおよび前記第2双方向スイッチを交互にON状態に制御し、
前記異常検知手段は、
前記整流器の出力端子正側に接続された前記抵抗の電圧と、前記整流器の出力端子負側に接続された前記抵抗の電圧との差分の絶対値が、
前記第1双方向スイッチおよび前記第2双方向スイッチが交互ON動作を開始する前後で所定値以上上昇したとき、
前記第3双方向スイッチにショート故障が生じていると判断する
ことを特徴とする請求項5記載の交流直流変換装置。
【請求項7】
前記異常検知手段は、
前記電圧検出手段の検出結果に基づき、
前記第3双方向スイッチのオープン故障を検知する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の交流直流変換装置。
【請求項8】
前記制御手段が、
前記整流器の出力端子間電圧が目標値になるように、
前記第3双方向スイッチをON状態に制御するとともに、
前記第1双方向スイッチおよび前記第2双方向スイッチをON/OFF制御しても、
前記整流器の出力端子間電圧が目標値に達しないとき、
前記異常検知手段は、
前記第3双方向スイッチにオープン故障が生じていると判断する
ことを特徴とする請求項7記載の交流直流変換装置。
【請求項9】
前記交流電源の電圧ゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記ゼロクロス検出手段の検出結果に基づき前記交流電源の正負それぞれのピークを検出し、
前記第1双方向スイッチおよび前記第2双方向スイッチをそのピーク時のみONする
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の交流直流変換装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記異常検知手段が前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、または前記第3双方向スイッチの故障を検知したとき、
前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、および前記第3双方向スイッチをOFFにする
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の交流直流変換装置。
【請求項11】
前記異常検知手段の検知結果に基づき、前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、または前記第3双方向スイッチの故障を報知する異常報知手段を備えた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の交流直流変換装置。
【請求項12】
前記第1双方向スイッチおよび前記第2双方向スイッチは、
ダイオードとスイッチング素子を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の交流直流変換装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の交流直流変換装置と、
前記交流直流変換装置が出力する直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動するインバータと、
を備え、
前記電動機は圧縮機を駆動する
ことを特徴とする圧縮機駆動装置。
【請求項14】
前記制御手段は、
前記異常検知手段が前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、または前記第3双方向スイッチの故障を検知したとき、
前記第1双方向スイッチ、前記第2双方向スイッチ、および前記第3双方向スイッチをOFF状態に制御するとともに、
前記圧縮機の運転範囲を制限する
ことを特徴とする請求項13記載の圧縮機駆動装置。
【請求項15】
請求項13または請求項14記載の圧縮機駆動装置により冷媒を循環させる
ことを特徴とする空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−68642(P2010−68642A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233280(P2008−233280)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】