交通信号制御装置及びこれを用いた交通信号システム
【課題】 信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減しつつ、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現する。
【解決手段】 中央装置1及び端末装置11は、交差点CR1に設置される信号機a1,a2,b1,b2を制御する。装置1,11は、交差点CR1の各流入路の車両感知器g1〜g4からの交通状況情報を得る。中央装置1は、この情報に基づいて、交差点CR1のサイクル長及びスプリットを得る。中央装置1及び端末装置11は、サイクル長及びスプリットの値に応じて、前記信号機を制御する。中央装置1は、各サイクルに反映されるべき交差点CR1のサイクル長及びスプリットの値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の前記情報に基づいて、得る。
【解決手段】 中央装置1及び端末装置11は、交差点CR1に設置される信号機a1,a2,b1,b2を制御する。装置1,11は、交差点CR1の各流入路の車両感知器g1〜g4からの交通状況情報を得る。中央装置1は、この情報に基づいて、交差点CR1のサイクル長及びスプリットを得る。中央装置1及び端末装置11は、サイクル長及びスプリットの値に応じて、前記信号機を制御する。中央装置1は、各サイクルに反映されるべき交差点CR1のサイクル長及びスプリットの値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の前記情報に基づいて、得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号機を制御する交通信号制御装置、及び、これを用いた交通信号システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の交通信号制御装置では、ある交差点の交通信号機を他の交差点の交通信号機と連係させずに制御する地点制御を行う場合、当該交差点への各流入路の交通状況情報(例えば、交通量等)に基づいて、サイクル長及びスプリットの2種類の信号制御パラメータを取得し、この信号制御パラメータに応じて交通信号機を制御していた。ここで、サイクル長とは、交差する道路のうちの一方の道路用の交通信号機の青信号表示開始時点から当該交通信号機の次回の青信号表示開始時点までの時間である。スプリットとは、1サイクルの中で各現示に割り当てられる時間の長さである。
【0003】
また、制御エリア内の複数の交差点の交通信号機を互いに連係させて制御する系統制御を行う場合、当該制御エリアに関連する交通状況情報に基づいて、各交差点のサイクル長、スプリット及びオフセットの3種類の信号制御パラメータを取得し、この信号制御パラメータに応じて交通信号機を制御していた。ここで、オフセットとは、各交差点間の時間的な相対関係である。
【0004】
従来、地点制御の場合の交通状況情報の各収集期間や、系統制御の場合の所定交差点(いわゆる重要交差点)のサイクル長及びスプリットを決定するための交通状況の各収集期間は、例えば下記特許文献1に開示されているように、当該交差点の各サイクルと一致していた。すなわち、あるサイクルの開始時から終了時までの期間の交通状況情報によって、後のサイクルのサイクル長及びスプリットを決定していた。このように交通状況情報収集期間をサイクルに一致させると、交通状況情報収集期間をサイクルと無関係に所定時間(例えば、5分間)にする場合に比べて、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響の少ない情報を収集することができるので、好ましい。
【特許文献1】特許第2687173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の交通信号制御装置では、あるサイクルの開始時から終了時までの期間の交通状況情報によって、後のサイクルのサイクル長及びスプリットを決定していたので、交通状況情報に基づいてサイクル長及びスプリットを決定するための処理にはある時間を要することから、あるサイクルのサイクル長及びスプリットは、最新でも、当該サイクルの2つ前のサイクル中の交通状況情報に基づいて決定されることになる。したがって、前記従来の交通信号制御装置では、交通状況が急激に変動しても、これに対して迅速に追従できなかった。この点については、後述する比較例に関連して詳述する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減しつつ、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができる交通信号制御装置、及び、これを用いた交通信号システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による交通信号制御装置は、道路交差点に設置される交通信号機を制御する交通信号制御装置であって、前記道路交差点に関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記交通信号機を制御する手段と、を備え、前記信号制御パラメータ取得手段は、前記信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の前記交通状況情報に基づいて、得るものである。
【0008】
この第1の態様によれば、各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を前記期間の交通状況情報に基づいて得るので、前記従来の交通信号制御装置に比べて、より新しい交通状況情報を各サイクルの制御に反映させることができる。したがって、前記第1の態様によれば、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができ、ひいては、渋滞の発生や無駄青時間の発生をより低減することができる。
【0009】
また、前記第1の態様によれば、前記期間の交通状況情報を利用するので、前記従来の交通信号制御装置と同様に、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減することができる。
【0010】
本発明の第2の態様による交通信号制御装置は、前記第1の態様において、前記交通状況情報が、前記交差点への各流入路の交通状況情報であるものである。この第2の態様は、交通状況情報の例を挙げたものである。
【0011】
本発明の第3の態様による交通信号制御装置は、制御エリア内の複数の道路交差点にそれぞれに設置される交通信号機に対して系統制御を行う交通信号制御装置であって、前記制御エリアに関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、前記各道路交差点の信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記各道路交差点の前記交通信号機をそれぞれ制御する手段と、を備え、前記信号制御パラメータ取得手段は、前記複数の道路交差点のうちの所定交差点の信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記所定交差点の交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の、前記交通状況情報のうちの所定情報に基づいて、得るものである。
【0012】
この第3の態様は系統制御を行う交通信号制御装置の例であるが、この第3の態様によれば、前記第1の態様と同様に、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減しつつ、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができる。
【0013】
本発明の第4の態様による交通信号制御装置は、前記第3の態様において、前記所定情報が、前記所定交差点への各流入路の交通状況情報であるものである。この第4の態様は、前記所定情報の例を挙げたものである。
【0014】
本発明の第5の態様による交通信号制御装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記所定種類のパラメータがサイクル長及びスプリットであるものである。この第4の態様は、前記所定種類のパラメータの例を挙げたものである。
【0015】
本発明の第6の態様による交通信号制御装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記中間の所定タイミングは、当該サイクルの最終階梯の開始時であるものである。最終階梯では、通常は当該交差点の全方向の交通信号機が赤にされて当該交差点を車両が通過しないことから、前記期間の交通状況情報が、サイクルと一致する期間の交通状況情報に近づくため、好ましい。もっとも、前記第1乃至第5の態様では、前記中間の所定タイミングは、当該サイクルの最終階梯の開始時点より前の時点でもよいし、次のサイクルの開始時までに交通状況情報の処理が完了し得る場合には、当該サイクルの最終階梯の中間の時点でもよい。
【0016】
本発明の第7の態様による交通信号システムは、前記第1乃至第6のいずれかの態様による交通信号制御装置と、前記交通信号機とを備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減しつつ、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができる交通信号制御装置、及び、これを用いた交通信号システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明による交通信号制御装置及びこれを用いた交通信号システムについて、図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態による交通信号システムを示す概略ブロック図である。図2は、この交通信号システムの制御エリア内の交差点CR1〜CR3における交通信号機等の配置を模式的に示す概略平面図である。
【0021】
本実施の形態による交通信号システムは、図2に示すように、1本の道路100と3本の道路101〜103とが交差する3つの交差点CR1〜CR3を含むエリアを制御エリアとする系統制御を行う。本実施の形態では、交差点CR1を重要交差点としている。
【0022】
本実施の形態による交通信号システムは、図1及び図2に示すように、交差点CR1に設置された2つの1現示車両用信号機a1、2つの2現示車両用信号機a2、4つの1現示歩行者用信号機b1及び4つの2現示歩行者用信号機b2と、交差点CR2に設置された2つの1現示車両用信号機c1、2つの2現示車両用信号機c2、4つの1現示歩行者用信号機d1及び4つの2現示歩行者用信号機d2と、交差点CR3に設置された2つの1現示車両用信号機e1、2つの2現示車両用信号機e2、4つの1現示歩行者用信号機f1及び4つの2現示歩行者用信号機f2とを、交通信号機として備えている。
【0023】
交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2は、1サイクル中に図3に示すように順次に点灯状態が切り替えられるように制御されるとともに、このサイクルを繰り返すように制御される。図3は、交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2の1サイクル分の点灯状態を示すタイムチャートである。本実施の形態では、1サイクルは、図3に示すように、第1階梯から第10階梯(最終階梯)までの10個の階梯(ステップ)からなり、第1階梯及び第6階梯の表示秒数のみが可変であって信号制御パラメータに応じて定まり、他の階梯の表示秒数はそれぞれ所定秒数に固定されていずれのサイクルでも不変である。第1階梯乃至第5階梯が1現示をなし、第6階梯乃至第10階梯が2現示をなしている。以上の点は、交差点CR2の信号機c1,c2,d1,d2及び交差点CR3の信号機e1,e2,f1,f2についても、同様である。
【0024】
また、本実施の形態による交通信号システムは、図1及び図2に示すように、重要交差点CR1の各流入路r1〜r4の上流側所定位置で車両をそれぞれ感知する超音波車両感知器等の車両感知器g1〜g4と、前記制御エリアに対してそれぞれ上り及び下りの流入路となる交差点CR2の流入路r5及び交差点CR3の流入路r6の上流側所定位置で車両をそれぞれ感知する超音波車両感知器等の車両感知器g5,g6と、を備えている。
【0025】
さらに、本実施の形態による交通信号システムは、図1に示すように、中央装置1と、交差点CR1用の端末装置11と、交差点CR2用の端末装置12と、交差点CR3用の端末装置13とを備えている。中央装置1は例えばコンピュータ等で構成され、端末装置11〜13は、例えばコンピュータ及び対応する交差点の信号機を点灯駆動する駆動回路などで構成される。
【0026】
端末装置11は、主に、車両感知器g1〜g4の感知情報を収集して中央装置1からの感知情報要求に応答してそれらの感知情報を中央装置1へ送信する機能と、中央装置1から送信されてきた信号制御パラメータの値に応じて交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2を制御する機能とを有している。同様に、端末装置12は、主に、車両感知器g5の感知情報を収集して中央装置1からの感知情報要求に応答してその感知情報を中央装置1へ送信する機能と、中央装置1から送信されてきた信号制御パラメータの値に応じて交差点CR2の信号機c1,c2,d1,d2を制御する機能とを有している。同様に、端末装置13は、主に、車両感知器g6の感知情報を収集して中央装置1からの感知情報要求に応答してその感知情報を中央装置1へ送信する機能と、中央装置1から送信されてきた信号制御パラメータの値に応じて交差点CR3の信号機e1,e2,f1,f2を制御する機能とを有している。
【0027】
中央装置1は、主に、端末装置11〜13から送信されてきた感知情報に基づいて各交差点CR1〜CR3用の信号制御パラメータの値を決定して、これらの信号制御パラメータの値を端末装置11〜13に送信する機能を、有している。
【0028】
次に、重要交差点CR1用の端末装置11の動作について、図4乃至図7を参照して説明する。図4は端末装置11のメインルーチンを示す概略フローチャート、図5乃至図7は端末装置11の各割込み処理を示す概略フローチャートである。
【0029】
端末装置11は、動作を開始すると、図4に示すように、まず、初期化を行う(ステップS1)。端末装置11は、この初期化として、内部のメモリ(図示せず)に格納されている車両感知回数カウント値A1〜A4、感知車両台数カウント値B1〜B4及び車両感知フラグR1〜R4を、それぞれゼロにセットする。値A1,B1,R1は車両感知器g1に対応し、値A2,B2,R2は車両感知器g2に対応し、値A3,B3,R3は車両感知器g3に対応し、値A4,B4,R4は車両感知器g4に対応している。後述する図5に示す割込み処理の説明からわかるように、車両感知回数カウント値A1〜A4は、対応する車両感知器が車両を感知した回数のカウント値(累積値)を示す。感知車両台数カウント値B1〜B4は、対応する車両感知器が感知した車両の台数のカウント値(累積値)を示す。車両感知フラグR1〜R4は、対応する車両感知器が前回のサンプリング時に車両を感知したか否かを示すフラグであり、「1」であれば前回感知したことを示し、「0」であれば前回感知しなかったことを示す。
【0030】
次いで、端末装置11は、初期の信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)を中央装置1から受信したか否かを判定し(ステップS2)、受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS3へ移行する。この初期信号制御パラメータは、予め定められた信号制御パラメータである。
【0031】
次に、ステップS3において、端末装置11は、中央装置1から受信した初期信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する。
【0032】
その後、端末装置11は、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数に従って、1サイクル分の(第1階梯から第10階梯までの)信号制御(図3参照)を重要交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2に対して行う(ステップS4)。この1サイクル分の信号制御の途中において、端末装置11は、最終階梯(本実施の形態では、第10階梯)の開始時に、最終階梯開始タイミング信号を中央装置1へ送信する。
【0033】
ステップS4の1サイクル分の信号制御が終了すると、ステップS4へ戻って、ステップS4の1サイクル分の信号制御を繰り返す。
【0034】
なお、1回目及び2回目のステップS4の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、ステップS3で設定された表示秒数となるが、3回目以降にステップS4の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、後述する図7中のステップS22で最新に設定された表示秒数となる。
【0035】
以上説明した、ステップS1〜S3を経てステップS4を繰り返す処理が端末装置11のメインルーチンである。
【0036】
端末装置11は、このメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図5に示す感知情報収集処理を行う。この感知情報収集処理は、単位時間T1(例えば、50mS)毎に行われる。
【0037】
端末装置11は、図5に示す感知情報収集処理を開始すると、まず、車両感知器g1〜g4のうちの、今回の感知情報収集処理においてステップS12以降の処理が未だ行われていない1つの車両感知器gmを選択する(ステップS11)。
【0038】
次いで、端末装置11は、ステップS11で最新に選択された車両感知器gmが車両を感知しているか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12で感知していないと判定されると、端末装置11は、対応する車両感知フラグRmを0にセットした(ステップS17)後に、ステップS18へ移行する。一方、ステップS12で感知していると判定されると、ステップS13へ移行する。
【0039】
ステップS13において、端末装置11は、対応する車両感知回数カウント値Amを1だけインクリメントする。
【0040】
引き続いて、端末装置11は、対応する車両感知フラグRmが0であるか(前回のサンプリング時(前回の感知情報収集処理時)に車両感知器gmが車両を感知したか)否かを判定する(ステップS14)。車両感知フラグRmが0であれば、ステップS15へ移行する。一方、車両感知フラグRmが0でなければ、ステップS16へ移行する。
【0041】
ステップS15において、端末装置11は、対応する感知車両台数カウント値Bmを1だけインクリメントする。その後、ステップS16へ移行する。
【0042】
ステップS16において、端末装置11は、対応する車両感知フラグRmを1にセットする。その後、ステップS18へ移行する。
【0043】
ステップS18において、端末装置11は、全ての車両感知器g1〜g4についてステップS12以降の処理が終了したか否かを判定する(S18)。終了していなければステップS11へ戻り、終了していれば今回の感知情報収集処理を終了して図4に示すメインルーチンへ戻る。
【0044】
また、端末装置11は、図4に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図6に示す感知情報送信処理を行う。この感知情報送信処理は、端末装置11が中央装置1から感知情報要求を受信する毎に行われる。
【0045】
端末装置11は、図6に示す感知情報送信処理を開始すると、感知情報として、現在の車両感知回数カウント値A1〜A4及び現在の感知車両台数カウント値B1〜B4を、中央装置1へ送信する(ステップS21)。その後、今回の感知情報送信処理を終了して図4に示すメインルーチンへ戻る。
【0046】
さらに、端末装置11は、図4に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図7に示す信号制御パラメータ受信処理を行う。この信号制御パラメータ受信処理は、端末装置11が中央装置1から2回目以降の信号制御パラメータ(すなわち、初期信号制御パラメータ以外の信号制御パラメータ)を受信する毎に行われる。
【0047】
端末装置11は、図7に示す信号制御パラメータ受信処理を開始すると、中央装置1から受信した信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する(ステップS22)。その後、今回の信号制御パラメータ受信処理を終了して図4に示すメインルーチンへ戻る。
【0048】
次に、交差点CR2用の端末装置12の動作について、図8乃至図11を参照して説明する。図8は端末装置12のメインルーチンを示す概略フローチャート、図9乃至図11は端末装置12の各割込み処理を示す概略フローチャートである。
【0049】
端末装置12は、動作を開始すると、図8に示すように、まず、初期化を行う(ステップS31)。端末装置12は、この初期化として、内部のメモリ(図示せず)に格納されている車両感知回数カウント値A5、感知車両台数カウント値B5及び車両感知フラグR5を、それぞれゼロにセットする。値A5,B5,R5は車両感知器g5に対応している。後述する図9に示す割込み処理の説明からわかるように、車両感知回数カウント値A5は、対応する車両感知器g5が車両を感知した回数のカウント値(累積値)を示す。感知車両台数カウント値B5は、対応する車両感知器g5が感知した車両の台数のカウント値(累積値)を示す。車両感知フラグR5は、対応する車両感知器g5が前回のサンプリング時に車両を感知したか否かを示すフラグであり、「1」であれば前回感知したことを示し、「0」であれば前回感知しなかったことを示す。
【0050】
次いで、端末装置12は、初期の信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)を中央装置1から受信したか否かを判定し(ステップS32)、受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS33へ移行する。この初期信号制御パラメータは、予め定められた信号制御パラメータである。
【0051】
次に、ステップS33において、端末装置12は、中央装置1から受信した初期信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する。
【0052】
その後、端末装置12は、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数に従って、1サイクル分の(第1階梯から第10階梯までの)信号制御を交差点CR2の信号機c1,c2,d1,d2に対して行う(ステップS34)。端末装置11の場合と異なり、この1サイクル分の信号制御の途中において最終階梯開始タイミング信号を中央装置1へ送信することはない。
【0053】
ステップS34の1サイクル分の信号制御が終了すると、ステップS34へ戻って、ステップS34の1サイクル分の信号制御を繰り返す。
【0054】
なお、1回目及び2回目のステップS34の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、ステップS33で設定された表示秒数となるが、3回目以降にステップS34の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、後述する図11中のステップS52で最新に設定された表示秒数となる。
【0055】
以上説明した、ステップS31〜S33を経てステップS34を繰り返す処理が端末装置12のメインルーチンである。
【0056】
端末装置12は、このメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図9に示す感知情報収集処理を行う。この感知情報収集処理は、単位時間T1(例えば、50mS)毎に行われる。
【0057】
端末装置12は、図9に示す感知情報収集処理を開始すると、まず、車両感知器g5が車両を感知しているか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41で感知していないと判定されると、端末装置12は、対応する車両感知フラグR5を0にセットした(ステップS46)後に、今回の感知情報収集処理を終了し、図8に示すメインルーチンに戻る。一方、ステップS41で感知していると判定されると、ステップS42へ移行する。
【0058】
ステップS42において、端末装置12は、対応する車両感知回数カウント値A5を1だけインクリメントする。
【0059】
引き続いて、端末装置12は、対応する車両感知フラグR5が0であるか(前回のサンプリング時(前回の感知情報収集処理時)に車両感知器g5が車両を感知したか)否かを判定する(ステップS43)。車両感知フラグR5が0であれば、ステップS44へ移行する。一方、車両感知フラグR5が0でなければ、ステップS45へ移行する。
【0060】
ステップS44において、端末装置12は、対応する感知車両台数カウント値B5を1だけインクリメントする。その後、ステップS45へ移行する。
【0061】
ステップS45において、端末装置12は、対応する車両感知フラグR5を1にセットする。その後、今回の感知情報収集処理を終了し、図8に示すメインルーチンに戻る。
【0062】
また、端末装置12は、図8に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図10に示す感知情報送信処理を行う。この感知情報送信処理は、端末装置12が中央装置1から感知情報要求を受信する毎に行われる。
【0063】
端末装置12は、図10に示す感知情報送信処理を開始すると、感知情報として、現在の車両感知回数カウント値A5及び現在の感知車両台数カウント値B5を、中央装置1へ送信する(ステップS51)。その後、今回の感知情報送信処理を終了して図8に示すメインルーチンへ戻る。
【0064】
さらに、端末装置12は、図8に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図11に示す信号制御パラメータ受信処理を行う。この信号制御パラメータ受信処理は、端末装置12が中央装置1から2回目以降の信号制御パラメータ(すなわち、初期信号制御パラメータ以外の信号制御パラメータ)を受信する毎に行われる。
【0065】
端末装置12は、図11に示す信号制御パラメータ受信処理を開始すると、中央装置1から受信した信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する(ステップS52)。その後、今回の信号制御パラメータ受信処理を終了して図8に示すメインルーチンへ戻る。
【0066】
端末装置13の動作は、前述した端末装置12の動作と同様である。端末装置13の動作については、前述した端末装置12の動作説明及び図8乃至図11において、端末装置12を端末装置13と、交差点CR2を交差点CR3と、車両感知回数カウント値A5を車両感知回数カウント値A6と、感知車両台数カウント値B5を感知車両台数カウント値B6と、車両感知フラグR5を車両感知フラグR6と、車両感知器g5を車両感知器g6と、信号機c1,c2,d1,d2を信号機e1,e2,f1,f2と、それぞれ読み替えられたい。
【0067】
次に、中央装置1の動作について、図12乃至図15を参照して説明する。図12及び図13は中央装置1のメインルーチンを示す概略フローチャート、図14乃至図15は中央装置1の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【0068】
中央装置1は、動作を開始すると、図12に示すように、まず、端末装置11〜13へそれぞれ前記初期信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)を送信する(ステップS61)。
【0069】
次いで、中央装置1は、内部のメモリ(図示せず)内のカウント値nを0にセットする(ステップS62)。このカウント値nは、端末装置11からの最終階梯開始タイミング信号の受信回数のカウント値である。
【0070】
次に、中央装置1は、端末装置11から前記最終階梯開始タイミング信号を受信したか否かを判定する(ステップS63)。受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS64へ移行する。
【0071】
ステップS64において、中央装置1は、経過時間tを計測する内蔵するタイマ(t)の現在の経過時間tを保持する。
【0072】
その後、中央装置1は、前記タイマ(t)をt=0にリセットした後にスタートさせる(ステップS65)。
【0073】
次いで、中央装置1は、端末装置11へ前記感知情報要求を送信する(ステップS66)。
【0074】
次に、中央装置1は、端末装置11から、感知情報としての車両感知回数カウント値A1〜A4及び感知車両台数カウント値B1〜B4を受信したか否かを判定する(ステップS67)。受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS68へ移行する。
【0075】
ステップS68において、中央装置1は、端末装置11から受信した車両感知回数カウント値A1〜A4及び感知車両台数カウント値B1〜B4を、内部メモリに格納する。このとき、中央装置1は、今回受信したカウント値A1〜A4,B1〜B4の他に、前回受信したカウント値A1〜A4,B1〜B4が内部メモリに残るようにする。
【0076】
その後、中央装置1は、カウント値nを1だけインクリメントする(ステップS69)。次に、中央装置1は、カウント値nが2以上であるか否かを判定する(ステップS70)。カウント値nが1であれば(すなわち、端末装置11からの最終階梯開始タイミング信号の受信回数が1回であれば)、ステップS63へ戻る。一方、カウント値nが2以上であれば(すなわち、端末装置11からの最終階梯開始タイミング信号の受信回数が2回以上であれば)、ステップS71へ移行する。
【0077】
ステップS71において、中央装置1は、サイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4を、ΔAm=今回の車両感知回数カウント値Am−前回の車両感知回数カウント値Am、ΔBm=今回の感知車両台数カウント値Bm−前回の感知車両台数カウント値Bmによって、求める。ただし、mは1から4までの整数である。カウント値A1〜A4,B1〜B4は前述したように累積値であるので、サイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4は、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の、対応する車両感知器g1〜g4による車両感知回数を示し、サイクルシフト同期収集情報ΔB1〜ΔB4は、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の、対応する車両感知器g1〜g4による感知車両台数を示す。本実施の形態では、サイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4が、当該期間の各流入路r1〜r4の交通状況情報であり、当該期間の前記制御エリアに関連する交通状況情報の一部となっている。
【0078】
次に、中央装置1は、ステップS71で得たサイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4に基づいて、交通量Q1〜Q4及び占有率D1〜D4を、Qm=ΔBm/t、Dm=ΔAm/20tによって算出する(ステップS72)。ただし、ここでは、mは1から4までの整数である。交通量Q1は、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の、流入路r1の交通量である。占有率D1は、当該期間の流入路r1の占有率である。同様に、交通量Q2〜Q4は当該期間の流入路r2〜r4の交通量、占有率D2〜D4は当該期間の流入路r2〜r4の占有率である。ここで、tは、ステップS64で最新に保持した経過時間t(すなわち、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の長さ)である。
【0079】
引き続いて、中央装置1は、ステップS73で得た交通量Q1〜Q4及び占有率D1〜D4から、重要交差点CR1のサイクル長C1、スプリットP1及び各道路の交通状態量K1,K2を演算する(ステップS73)。なお、本実施の形態では、交差点CR1のサイクル長C1は、交差点CR2,CR3のサイクル長としても用い、共通サイクル長とする。
【0080】
交通量Q1〜Q4及び占有率D1〜D4から交差点CR1のサイクル長C1、スプリットP1及び交通状態量K1,K2を演算する手法は、公知の種々の手法やその他の種々の手法を採用することができる。
【0081】
交差点CR1のサイクル長C1は、例えば、下記の数1〜数3に従って演算することができる。
【0082】
【数1】
【0083】
【数2】
【0084】
【数3】
【0085】
数1において、Lは、損失時間(秒)であり、予め与えられる定数である。数1,2において、ρは負荷率である。数3は、mは1から4までの整数であり、4本の式を代表して示している。数3において、Emは流入路rmの待ち行列台数、Smは流入路rmの飽和交通流率である。飽和交通流率Smは、予め与えられる定数である。
【0086】
待ち行列台数Emは、次のようにして演算する。
【0087】
まず、流入路rmの車両速度Vmを、下記の数4によって演算する。数4において、Fは平均車長(車両の平均の長さ)、Gmは車両感知器gmの感知エリアの直径、tはステップS64で最新に保持した経過時間t(すなわち、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の長さ)である。なお、例えば、車両感知器gmとして超音波ドップラー式速度感知器やレーダー式車両感知器などを用いた場合には、下記の数4によらずに、流入路rmの車両速度Vmも直接的な計測値として得ることができる。
【0088】
【数4】
【0089】
流入路rmの車両速度Vm及び占有率Dmをパラメータとしてこれに対応する待ち行列台数Emを示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、数4により算出された車両速度VmとステップS72で得られた占有率Dmに対応する待ち行列台数Emを得ることで、待ち行列台数Emを演算することができる。これは、車両速度Vmが所定値以下の場合に、占有率Dmが大きいほど渋滞度が高くなって待ち行列台数Emが多くなるということに基づく。
【0090】
また、交差点CR1のスプリットP1は、1現示のスプリットで表すと、例えば、いわゆる負荷率比配分方式に従って、下記の数5によって演算することができる。数5において、負荷率ρは数2で表されたものである。
【0091】
【数5】
【0092】
また、交差点CR1の各道路の交通状態量K1,K2は、例えば、下記の数6,数7によって演算する。数6,数7において、α,βは定数である。
【0093】
【数6】
【0094】
【数7】
【0095】
ステップS73の後に、中央装置1は、端末装置11へ、信号制御パラメータ(ステップS73で得られたサイクル長C1及びスプリットP1、並びに、後述するステップS89で最新に得られた交差点CR1のオフセットO1)を送信する(ステップS74)。その後、ステップS63に戻る。なお、初期の状態において、ステップS74の時点で未だステップS89によりオフセットO1が得られていない場合には、中央装置1は、ステップS74において、オフセットO1として初期値を送信する。
【0096】
以上説明した図12及び図13に示す処理が、中央装置1のメインルーチンである。
【0097】
中央装置1は、このメインルーチンの処理中に、図14及び図15に示す割り込み処理を行う。この割り込み処理は、単位時間T2(例えば、2.5分)毎に行われる。
【0098】
中央装置1は、図14及び図15に示す割込み処理を開始すると、まず、内部のメモリ内のカウント値n’を0にセットする(ステップS81)。このカウント値n’は、端末装置12,13からの感知情報A5,A6,B5,B6の受信回数のカウント値である。
【0099】
次いで、中央装置1は、端末装置12,13へそれぞれ感知情報要求を送信する(ステップS82)。
【0100】
次に、中央装置1は、端末装置12,13から、感知情報としての車両感知回数カウント値A5,A6及び感知車両台数カウント値B5,B6を受信したか否かを判定し(ステップS83)、受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS84へ移行する。
【0101】
ステップS84において、中央装置1は、端末装置12,13から受信した車両感知回数カウント値A5,A6及び感知車両台数カウント値B5,B6を、内部メモリに格納する。このとき、中央装置1は、今回受信したカウント値A5,A6,B5,B6の他に、前回受信したカウント値A5,A6,B5,B6が内部メモリに残るようにする。
【0102】
その後、中央装置1は、カウント値n’を1だけインクリメントする(ステップS85)。次に、中央装置1は、カウント値n’が2以上であるか否かを判定する(ステップS86)。カウント値n’が1であれば(すなわち、端末装置12,13からの感知情報A5,A6,B5,B6の受信回数が1回であれば)、この割込み処理を終了する。一方、カウント値n’が2以上であれば(すなわち、端末装置12,13からの感知情報A5,A6,B5,B6の受信回数が2回以上であれば)、ステップS87へ移行する。
【0103】
ステップS87において、中央装置1は、単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6,ΔB5,ΔB6を、ΔAm=今回の車両感知回数カウント値Am−前回の車両感知回数カウント値Am、ΔBm=今回の感知車両台数カウント値Bm−前回の感知車両台数カウント値Bmによって、求める。ただし、ここでは、mは5から6までの整数である。カウント値A5,A6,B5,B6は前述したように累積値であるので、単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6は、単位時間T2前の時点から現在までの期間の、対応する車両感知器g5,g6による車両感知回数を示し、単位時間T2毎の収集情報ΔB5,ΔB6は、単位時間T2前の時点から現在までの期間の、対応する車両感知器g5,g6による感知車両台数を示す。本実施の形態では、単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6,ΔB5,ΔB6は、当該期間の前記制御エリアに対する上り及び下りの流入路r5,r6の交通状況情報であり、前記制御エリアに関連する交通状況情報の一部となっている。
【0104】
次に、中央装置1は、ステップS87で得た単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6,ΔB5,ΔB6に基づいて、交通量Q5,Q6及び占有率D5,D6を、Qm=ΔBm/T2、Dm=ΔAm/20T2によって算出する(ステップS88)。ただし、ここでは、mは5から6までの整数である。交通量Q5は、単位時間T2の期間の流入路r5の交通量である。占有率D5は、当該期間の流入路r5の占有率である。同様に、交通量Q6は当該期間の流入路r6の交通量、占有率D6は当該期間の流入路r6の占有率である。
【0105】
引き続いて、中央装置1は、ステップS88で得た交通量Q5,Q6及び占有率D5,D6に基づいて、交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3を演算する(ステップS89)。
【0106】
オフセットO1〜O3の演算手法は、公知の種々の手法やその他の種々の手法を採用することができる。
【0107】
交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3は、例えば、ステップS88で得た交通量Q5,Q6及び占有率D5,D6の他に、ステップS73で最新に得たサイクル長C1を用いて、いわゆるオフセット・パターン選択方式に従って、求めることができる。
【0108】
この場合、上り及び下りの流入路r5,r6の交通状態量K5,K6を、下記の数8,数9によって演算する。数8,数9において、α’,β’は定数である。
【0109】
【数8】
【0110】
【数9】
【0111】
交通状態量K5,K6及びサイクル長C1をパラメータとしてこれに対応する交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3を示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、数8,数9により算出された交通状態量K5,K6とステップS72で最新に得られたサイクル長C1に対応する交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3待ちを得ることで、交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3を演算することができる。
【0112】
その後、中央装置1は、交差点CR2,CR3のスプリットP2,P3を演算する(ステップS90)。交差点CR2,CR3のスプリットP2,P3を演算する手法は、公知の種々の手法やその他の種々の手法を採用することができる。
【0113】
交差点CR2のスプリットP2は、例えば、交差点CR1の交通状態量K1,K2を交差点CR2の各交通状態量であるとみなして、いわゆるスプリット・パターン選択方式に従って、求めることができる。
【0114】
この場合、交通状態量K1,K2をパラメータとしてこれに対応する交差点CR2のスプリットP2を示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、ステップS73で最新に得られた交通状態量K1,K2に対応する交差点CR2のスプリットP2を得ることで、交差点CR2のスプリットP2を演算することができる。
【0115】
同様に、交通状態量K1,K2をパラメータとしてこれに対応する交差点CR3のスプリットP3を示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、ステップS73で最新に得られた交通状態量K1,K2に対応する交差点CR3のスプリットP3を得ることで、交差点CR2のスプリットP2を演算することができる。
【0116】
ステップS90の後に、中央装置1は、端末装置12へ、信号制御パラメータ(ステップS73で最新に得られたサイクル長C1、ステップS90で得られた交差点CR2のスプリットP2、及び、ステップS89で得られた交差点CR2のオフセットO2)を送信する(ステップS91)。
【0117】
引き続いて、中央装置1は、端末装置13へ、信号制御パラメータ(ステップS73で最新に得られたサイクル長C1、ステップS90で得られた交差点CR3のスプリットP3、及び、ステップS89で得られた交差点CR3のオフセットO3)を送信する(ステップS91)。
【0118】
その後、図14及び図15に示す割込み処理を終了して、図12及び図13に示すメインルーチンに戻る。
【0119】
以上の動作説明からわかるように、本実施の形態では、(i)重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1を得るために用いられる交通状況情報(重要交差点CR1の流入路r1〜r4の交通状況情報である情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4)の情報収集期間と、(ii)この情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4を後のサイクルに反映し得るようにする処理(ステップS4中の最終階梯開始タイミング信号の中央装置1への送信処理→ステップS63〜S66→ステップS21→ステップS67〜S74→ステップS22までの一連の処理)の期間(収集情報処理期間)と、(iii)情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4が反映されるサイクルと、の間の関係は、図16に示す通りとなる。本実施の形態では、図16に示すように、収集情報処理期間は、最終階梯(第10階梯)の期間より短くなっている。図16は、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関連する情報収集期間、収集情報処理期間及びサイクルの関係を模式的に示すタイムチャートである。
【0120】
図16から理解できるように、本実施の形態では、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関して、各情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4は、当該情報収集期間の終了時から第10階梯の期間だけ経過した後に開始するサイクルに反映されている。したがって、本実施の形態によれば、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関して、前記従来の交通信号制御装置に比べて、より新しい交通状況情報を各サイクルの制御に反映させることができる。したがって、前記第1の態様によれば、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができ、ひいては、渋滞の発生や無駄青時間の発生をより低減することができる。また、本実施の形態によれば、情報収集期間がサイクルの第10階梯の開始時から次のサイクルの第10階梯の開始時までの期間となっているので、前記従来の交通信号制御装置と同様に、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減することができる。
【0121】
ここで、本実施の形態と比較される比較例について、説明する。この比較例は、前記従来の交通信号制御装置に準ずるように、本実施の形態を変形したものである。
【0122】
すなわち、この比較例では、端末装置11は、ステップS4の途中において最終階梯開始タイミング信号を中央装置1へ送信する代わりに、ステップS4後に、最終階梯終了タイミング信号を中央装置1へ送信する。中央装置1は、ステップS63において、最終階梯開始タイミング信号の代わりに最終階梯終了タイミング信号の受信を判定する。他の点については、この比較例も本実施の形態と同じである。
【0123】
この比較例では、(i)重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1を得るために用いられる交通状況情報(重要交差点CR1の流入路r1〜r4の交通状況情報である情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4)の情報収集期間と、(ii)この情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4を後のサイクルに反映し得るようにする処理(ステップS4中の最終階梯終了タイミング信号の中央装置1への送信処理→ステップS63〜S66→ステップS21→ステップS67〜S74→ステップS22までの一連の処理)の期間(収集情報処理期間)と、(iii)情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4が反映されるサイクルと、の間の関係は、図17に示す通りとなる。
【0124】
図17から理解できるように、この比較例では、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関して、各情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4は、当該情報収集期間の終了時から2つ目のサイクルに反映されている。これは、当該情報収集期間に対応する直後の収集情報処理期間が終了した時点では、既に、当該情報収集期間の直後のサイクルが開始されているためである。
【0125】
図16及び図17との比較すると、本実施の形態によれば、前記比較例に比べて、より新しい交通状況情報を各サイクルの制御に反映させることができることがわかる。
【0126】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0127】
例えば、本実施の形態は本発明を系統制御に適用した例であったが、本発明は地点制御に適用してもよい。この場合、例えば、本実施の形態を次のように変形すればよい。すなわち、地点制御の対象となる信号機が交差点CR1に設定されている信号機a1,a2,b1,b2である場合、端末装置12,13を取り除き、中央装置1の機能を端末装置11に合体させ、端末装置12,13に関連する機能及びオフセットに関する機能を除去すればよい。
【0128】
また、交通状況情報を得る手段は、超音波車両感知器等に限定されるものではなく、例えば、撮像手段及びその画像を処理する画像処理手段を用いてもよい。
【0129】
さらに、前記実施の形態は、交差する道路が片側1車線の道路の例であったが、本発明は、交差する道路の両方又は一方が片側複数車線の道路の場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1の実施の形態による交通信号システムを示す概略ブロック図である。
【図2】図1に示す交通信号システムの制御エリア内の交差点における交通信号機等の配置を模式的に示す概略平面図である。
【図3】図1中の重要交差点の信号機の1サイクル分の点灯状態を示すタイムチャートである。
【図4】図1中の重要交差点用の端末装置のメインルーチンを示す概略フローチャートである。
【図5】図1中の重要交差点用の端末装置の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図6】図1中の重要交差点用の端末装置の他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図7】図1中の重要交差点用の端末装置の更に他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図8】図1中の他の交差点用の端末装置のメインルーチンを示す概略フローチャートである。
【図9】図1中の前記他の交差点用の端末装置の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図10】図1中の前記他の交差点用の端末装置の他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図11】図1中の前記他の交差点用の端末装置の更に他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図12】図1中の中央装置のメインルーチンを示す概略フローチャートである。
【図13】図12に引き続く概略フローチャートである。
【図14】図1中の中央装置の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図15】図14に引き続く概略フローチャートである。
【図16】本実施の形態における、重要交差点のサイクル長及びスプリットに関連する情報収集期間、収集情報処理期間及びサイクルの関係を模式的に示すタイムチャートである。
【図17】比較例における、重要交差点のサイクル長及びスプリットに関連する情報収集期間、収集情報処理期間及びサイクルの関係を模式的に示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0131】
1 中央装置
11,12,13 端末装置
100〜103 道路
a1,a2,b1,b2,c1,c2 信号機
d1,d2,e1,e2,f1,f2 信号機
r1〜r6 流入路
CR1〜CR3 交差点
g1〜g6 車両感知器
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号機を制御する交通信号制御装置、及び、これを用いた交通信号システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の交通信号制御装置では、ある交差点の交通信号機を他の交差点の交通信号機と連係させずに制御する地点制御を行う場合、当該交差点への各流入路の交通状況情報(例えば、交通量等)に基づいて、サイクル長及びスプリットの2種類の信号制御パラメータを取得し、この信号制御パラメータに応じて交通信号機を制御していた。ここで、サイクル長とは、交差する道路のうちの一方の道路用の交通信号機の青信号表示開始時点から当該交通信号機の次回の青信号表示開始時点までの時間である。スプリットとは、1サイクルの中で各現示に割り当てられる時間の長さである。
【0003】
また、制御エリア内の複数の交差点の交通信号機を互いに連係させて制御する系統制御を行う場合、当該制御エリアに関連する交通状況情報に基づいて、各交差点のサイクル長、スプリット及びオフセットの3種類の信号制御パラメータを取得し、この信号制御パラメータに応じて交通信号機を制御していた。ここで、オフセットとは、各交差点間の時間的な相対関係である。
【0004】
従来、地点制御の場合の交通状況情報の各収集期間や、系統制御の場合の所定交差点(いわゆる重要交差点)のサイクル長及びスプリットを決定するための交通状況の各収集期間は、例えば下記特許文献1に開示されているように、当該交差点の各サイクルと一致していた。すなわち、あるサイクルの開始時から終了時までの期間の交通状況情報によって、後のサイクルのサイクル長及びスプリットを決定していた。このように交通状況情報収集期間をサイクルに一致させると、交通状況情報収集期間をサイクルと無関係に所定時間(例えば、5分間)にする場合に比べて、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響の少ない情報を収集することができるので、好ましい。
【特許文献1】特許第2687173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の交通信号制御装置では、あるサイクルの開始時から終了時までの期間の交通状況情報によって、後のサイクルのサイクル長及びスプリットを決定していたので、交通状況情報に基づいてサイクル長及びスプリットを決定するための処理にはある時間を要することから、あるサイクルのサイクル長及びスプリットは、最新でも、当該サイクルの2つ前のサイクル中の交通状況情報に基づいて決定されることになる。したがって、前記従来の交通信号制御装置では、交通状況が急激に変動しても、これに対して迅速に追従できなかった。この点については、後述する比較例に関連して詳述する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減しつつ、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができる交通信号制御装置、及び、これを用いた交通信号システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による交通信号制御装置は、道路交差点に設置される交通信号機を制御する交通信号制御装置であって、前記道路交差点に関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記交通信号機を制御する手段と、を備え、前記信号制御パラメータ取得手段は、前記信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の前記交通状況情報に基づいて、得るものである。
【0008】
この第1の態様によれば、各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を前記期間の交通状況情報に基づいて得るので、前記従来の交通信号制御装置に比べて、より新しい交通状況情報を各サイクルの制御に反映させることができる。したがって、前記第1の態様によれば、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができ、ひいては、渋滞の発生や無駄青時間の発生をより低減することができる。
【0009】
また、前記第1の態様によれば、前記期間の交通状況情報を利用するので、前記従来の交通信号制御装置と同様に、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減することができる。
【0010】
本発明の第2の態様による交通信号制御装置は、前記第1の態様において、前記交通状況情報が、前記交差点への各流入路の交通状況情報であるものである。この第2の態様は、交通状況情報の例を挙げたものである。
【0011】
本発明の第3の態様による交通信号制御装置は、制御エリア内の複数の道路交差点にそれぞれに設置される交通信号機に対して系統制御を行う交通信号制御装置であって、前記制御エリアに関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、前記各道路交差点の信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記各道路交差点の前記交通信号機をそれぞれ制御する手段と、を備え、前記信号制御パラメータ取得手段は、前記複数の道路交差点のうちの所定交差点の信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記所定交差点の交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の、前記交通状況情報のうちの所定情報に基づいて、得るものである。
【0012】
この第3の態様は系統制御を行う交通信号制御装置の例であるが、この第3の態様によれば、前記第1の態様と同様に、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減しつつ、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができる。
【0013】
本発明の第4の態様による交通信号制御装置は、前記第3の態様において、前記所定情報が、前記所定交差点への各流入路の交通状況情報であるものである。この第4の態様は、前記所定情報の例を挙げたものである。
【0014】
本発明の第5の態様による交通信号制御装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記所定種類のパラメータがサイクル長及びスプリットであるものである。この第4の態様は、前記所定種類のパラメータの例を挙げたものである。
【0015】
本発明の第6の態様による交通信号制御装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記中間の所定タイミングは、当該サイクルの最終階梯の開始時であるものである。最終階梯では、通常は当該交差点の全方向の交通信号機が赤にされて当該交差点を車両が通過しないことから、前記期間の交通状況情報が、サイクルと一致する期間の交通状況情報に近づくため、好ましい。もっとも、前記第1乃至第5の態様では、前記中間の所定タイミングは、当該サイクルの最終階梯の開始時点より前の時点でもよいし、次のサイクルの開始時までに交通状況情報の処理が完了し得る場合には、当該サイクルの最終階梯の中間の時点でもよい。
【0016】
本発明の第7の態様による交通信号システムは、前記第1乃至第6のいずれかの態様による交通信号制御装置と、前記交通信号機とを備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減しつつ、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができる交通信号制御装置、及び、これを用いた交通信号システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明による交通信号制御装置及びこれを用いた交通信号システムについて、図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態による交通信号システムを示す概略ブロック図である。図2は、この交通信号システムの制御エリア内の交差点CR1〜CR3における交通信号機等の配置を模式的に示す概略平面図である。
【0021】
本実施の形態による交通信号システムは、図2に示すように、1本の道路100と3本の道路101〜103とが交差する3つの交差点CR1〜CR3を含むエリアを制御エリアとする系統制御を行う。本実施の形態では、交差点CR1を重要交差点としている。
【0022】
本実施の形態による交通信号システムは、図1及び図2に示すように、交差点CR1に設置された2つの1現示車両用信号機a1、2つの2現示車両用信号機a2、4つの1現示歩行者用信号機b1及び4つの2現示歩行者用信号機b2と、交差点CR2に設置された2つの1現示車両用信号機c1、2つの2現示車両用信号機c2、4つの1現示歩行者用信号機d1及び4つの2現示歩行者用信号機d2と、交差点CR3に設置された2つの1現示車両用信号機e1、2つの2現示車両用信号機e2、4つの1現示歩行者用信号機f1及び4つの2現示歩行者用信号機f2とを、交通信号機として備えている。
【0023】
交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2は、1サイクル中に図3に示すように順次に点灯状態が切り替えられるように制御されるとともに、このサイクルを繰り返すように制御される。図3は、交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2の1サイクル分の点灯状態を示すタイムチャートである。本実施の形態では、1サイクルは、図3に示すように、第1階梯から第10階梯(最終階梯)までの10個の階梯(ステップ)からなり、第1階梯及び第6階梯の表示秒数のみが可変であって信号制御パラメータに応じて定まり、他の階梯の表示秒数はそれぞれ所定秒数に固定されていずれのサイクルでも不変である。第1階梯乃至第5階梯が1現示をなし、第6階梯乃至第10階梯が2現示をなしている。以上の点は、交差点CR2の信号機c1,c2,d1,d2及び交差点CR3の信号機e1,e2,f1,f2についても、同様である。
【0024】
また、本実施の形態による交通信号システムは、図1及び図2に示すように、重要交差点CR1の各流入路r1〜r4の上流側所定位置で車両をそれぞれ感知する超音波車両感知器等の車両感知器g1〜g4と、前記制御エリアに対してそれぞれ上り及び下りの流入路となる交差点CR2の流入路r5及び交差点CR3の流入路r6の上流側所定位置で車両をそれぞれ感知する超音波車両感知器等の車両感知器g5,g6と、を備えている。
【0025】
さらに、本実施の形態による交通信号システムは、図1に示すように、中央装置1と、交差点CR1用の端末装置11と、交差点CR2用の端末装置12と、交差点CR3用の端末装置13とを備えている。中央装置1は例えばコンピュータ等で構成され、端末装置11〜13は、例えばコンピュータ及び対応する交差点の信号機を点灯駆動する駆動回路などで構成される。
【0026】
端末装置11は、主に、車両感知器g1〜g4の感知情報を収集して中央装置1からの感知情報要求に応答してそれらの感知情報を中央装置1へ送信する機能と、中央装置1から送信されてきた信号制御パラメータの値に応じて交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2を制御する機能とを有している。同様に、端末装置12は、主に、車両感知器g5の感知情報を収集して中央装置1からの感知情報要求に応答してその感知情報を中央装置1へ送信する機能と、中央装置1から送信されてきた信号制御パラメータの値に応じて交差点CR2の信号機c1,c2,d1,d2を制御する機能とを有している。同様に、端末装置13は、主に、車両感知器g6の感知情報を収集して中央装置1からの感知情報要求に応答してその感知情報を中央装置1へ送信する機能と、中央装置1から送信されてきた信号制御パラメータの値に応じて交差点CR3の信号機e1,e2,f1,f2を制御する機能とを有している。
【0027】
中央装置1は、主に、端末装置11〜13から送信されてきた感知情報に基づいて各交差点CR1〜CR3用の信号制御パラメータの値を決定して、これらの信号制御パラメータの値を端末装置11〜13に送信する機能を、有している。
【0028】
次に、重要交差点CR1用の端末装置11の動作について、図4乃至図7を参照して説明する。図4は端末装置11のメインルーチンを示す概略フローチャート、図5乃至図7は端末装置11の各割込み処理を示す概略フローチャートである。
【0029】
端末装置11は、動作を開始すると、図4に示すように、まず、初期化を行う(ステップS1)。端末装置11は、この初期化として、内部のメモリ(図示せず)に格納されている車両感知回数カウント値A1〜A4、感知車両台数カウント値B1〜B4及び車両感知フラグR1〜R4を、それぞれゼロにセットする。値A1,B1,R1は車両感知器g1に対応し、値A2,B2,R2は車両感知器g2に対応し、値A3,B3,R3は車両感知器g3に対応し、値A4,B4,R4は車両感知器g4に対応している。後述する図5に示す割込み処理の説明からわかるように、車両感知回数カウント値A1〜A4は、対応する車両感知器が車両を感知した回数のカウント値(累積値)を示す。感知車両台数カウント値B1〜B4は、対応する車両感知器が感知した車両の台数のカウント値(累積値)を示す。車両感知フラグR1〜R4は、対応する車両感知器が前回のサンプリング時に車両を感知したか否かを示すフラグであり、「1」であれば前回感知したことを示し、「0」であれば前回感知しなかったことを示す。
【0030】
次いで、端末装置11は、初期の信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)を中央装置1から受信したか否かを判定し(ステップS2)、受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS3へ移行する。この初期信号制御パラメータは、予め定められた信号制御パラメータである。
【0031】
次に、ステップS3において、端末装置11は、中央装置1から受信した初期信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する。
【0032】
その後、端末装置11は、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数に従って、1サイクル分の(第1階梯から第10階梯までの)信号制御(図3参照)を重要交差点CR1の信号機a1,a2,b1,b2に対して行う(ステップS4)。この1サイクル分の信号制御の途中において、端末装置11は、最終階梯(本実施の形態では、第10階梯)の開始時に、最終階梯開始タイミング信号を中央装置1へ送信する。
【0033】
ステップS4の1サイクル分の信号制御が終了すると、ステップS4へ戻って、ステップS4の1サイクル分の信号制御を繰り返す。
【0034】
なお、1回目及び2回目のステップS4の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、ステップS3で設定された表示秒数となるが、3回目以降にステップS4の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、後述する図7中のステップS22で最新に設定された表示秒数となる。
【0035】
以上説明した、ステップS1〜S3を経てステップS4を繰り返す処理が端末装置11のメインルーチンである。
【0036】
端末装置11は、このメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図5に示す感知情報収集処理を行う。この感知情報収集処理は、単位時間T1(例えば、50mS)毎に行われる。
【0037】
端末装置11は、図5に示す感知情報収集処理を開始すると、まず、車両感知器g1〜g4のうちの、今回の感知情報収集処理においてステップS12以降の処理が未だ行われていない1つの車両感知器gmを選択する(ステップS11)。
【0038】
次いで、端末装置11は、ステップS11で最新に選択された車両感知器gmが車両を感知しているか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12で感知していないと判定されると、端末装置11は、対応する車両感知フラグRmを0にセットした(ステップS17)後に、ステップS18へ移行する。一方、ステップS12で感知していると判定されると、ステップS13へ移行する。
【0039】
ステップS13において、端末装置11は、対応する車両感知回数カウント値Amを1だけインクリメントする。
【0040】
引き続いて、端末装置11は、対応する車両感知フラグRmが0であるか(前回のサンプリング時(前回の感知情報収集処理時)に車両感知器gmが車両を感知したか)否かを判定する(ステップS14)。車両感知フラグRmが0であれば、ステップS15へ移行する。一方、車両感知フラグRmが0でなければ、ステップS16へ移行する。
【0041】
ステップS15において、端末装置11は、対応する感知車両台数カウント値Bmを1だけインクリメントする。その後、ステップS16へ移行する。
【0042】
ステップS16において、端末装置11は、対応する車両感知フラグRmを1にセットする。その後、ステップS18へ移行する。
【0043】
ステップS18において、端末装置11は、全ての車両感知器g1〜g4についてステップS12以降の処理が終了したか否かを判定する(S18)。終了していなければステップS11へ戻り、終了していれば今回の感知情報収集処理を終了して図4に示すメインルーチンへ戻る。
【0044】
また、端末装置11は、図4に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図6に示す感知情報送信処理を行う。この感知情報送信処理は、端末装置11が中央装置1から感知情報要求を受信する毎に行われる。
【0045】
端末装置11は、図6に示す感知情報送信処理を開始すると、感知情報として、現在の車両感知回数カウント値A1〜A4及び現在の感知車両台数カウント値B1〜B4を、中央装置1へ送信する(ステップS21)。その後、今回の感知情報送信処理を終了して図4に示すメインルーチンへ戻る。
【0046】
さらに、端末装置11は、図4に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図7に示す信号制御パラメータ受信処理を行う。この信号制御パラメータ受信処理は、端末装置11が中央装置1から2回目以降の信号制御パラメータ(すなわち、初期信号制御パラメータ以外の信号制御パラメータ)を受信する毎に行われる。
【0047】
端末装置11は、図7に示す信号制御パラメータ受信処理を開始すると、中央装置1から受信した信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する(ステップS22)。その後、今回の信号制御パラメータ受信処理を終了して図4に示すメインルーチンへ戻る。
【0048】
次に、交差点CR2用の端末装置12の動作について、図8乃至図11を参照して説明する。図8は端末装置12のメインルーチンを示す概略フローチャート、図9乃至図11は端末装置12の各割込み処理を示す概略フローチャートである。
【0049】
端末装置12は、動作を開始すると、図8に示すように、まず、初期化を行う(ステップS31)。端末装置12は、この初期化として、内部のメモリ(図示せず)に格納されている車両感知回数カウント値A5、感知車両台数カウント値B5及び車両感知フラグR5を、それぞれゼロにセットする。値A5,B5,R5は車両感知器g5に対応している。後述する図9に示す割込み処理の説明からわかるように、車両感知回数カウント値A5は、対応する車両感知器g5が車両を感知した回数のカウント値(累積値)を示す。感知車両台数カウント値B5は、対応する車両感知器g5が感知した車両の台数のカウント値(累積値)を示す。車両感知フラグR5は、対応する車両感知器g5が前回のサンプリング時に車両を感知したか否かを示すフラグであり、「1」であれば前回感知したことを示し、「0」であれば前回感知しなかったことを示す。
【0050】
次いで、端末装置12は、初期の信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)を中央装置1から受信したか否かを判定し(ステップS32)、受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS33へ移行する。この初期信号制御パラメータは、予め定められた信号制御パラメータである。
【0051】
次に、ステップS33において、端末装置12は、中央装置1から受信した初期信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する。
【0052】
その後、端末装置12は、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数に従って、1サイクル分の(第1階梯から第10階梯までの)信号制御を交差点CR2の信号機c1,c2,d1,d2に対して行う(ステップS34)。端末装置11の場合と異なり、この1サイクル分の信号制御の途中において最終階梯開始タイミング信号を中央装置1へ送信することはない。
【0053】
ステップS34の1サイクル分の信号制御が終了すると、ステップS34へ戻って、ステップS34の1サイクル分の信号制御を繰り返す。
【0054】
なお、1回目及び2回目のステップS34の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、ステップS33で設定された表示秒数となるが、3回目以降にステップS34の1サイクル分の信号制御を行うときには、最新に設定された1サイクル分の各階梯の表示秒数は、後述する図11中のステップS52で最新に設定された表示秒数となる。
【0055】
以上説明した、ステップS31〜S33を経てステップS34を繰り返す処理が端末装置12のメインルーチンである。
【0056】
端末装置12は、このメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図9に示す感知情報収集処理を行う。この感知情報収集処理は、単位時間T1(例えば、50mS)毎に行われる。
【0057】
端末装置12は、図9に示す感知情報収集処理を開始すると、まず、車両感知器g5が車両を感知しているか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41で感知していないと判定されると、端末装置12は、対応する車両感知フラグR5を0にセットした(ステップS46)後に、今回の感知情報収集処理を終了し、図8に示すメインルーチンに戻る。一方、ステップS41で感知していると判定されると、ステップS42へ移行する。
【0058】
ステップS42において、端末装置12は、対応する車両感知回数カウント値A5を1だけインクリメントする。
【0059】
引き続いて、端末装置12は、対応する車両感知フラグR5が0であるか(前回のサンプリング時(前回の感知情報収集処理時)に車両感知器g5が車両を感知したか)否かを判定する(ステップS43)。車両感知フラグR5が0であれば、ステップS44へ移行する。一方、車両感知フラグR5が0でなければ、ステップS45へ移行する。
【0060】
ステップS44において、端末装置12は、対応する感知車両台数カウント値B5を1だけインクリメントする。その後、ステップS45へ移行する。
【0061】
ステップS45において、端末装置12は、対応する車両感知フラグR5を1にセットする。その後、今回の感知情報収集処理を終了し、図8に示すメインルーチンに戻る。
【0062】
また、端末装置12は、図8に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図10に示す感知情報送信処理を行う。この感知情報送信処理は、端末装置12が中央装置1から感知情報要求を受信する毎に行われる。
【0063】
端末装置12は、図10に示す感知情報送信処理を開始すると、感知情報として、現在の車両感知回数カウント値A5及び現在の感知車両台数カウント値B5を、中央装置1へ送信する(ステップS51)。その後、今回の感知情報送信処理を終了して図8に示すメインルーチンへ戻る。
【0064】
さらに、端末装置12は、図8に示すメインルーチンの処理中に、割込み処理として、図11に示す信号制御パラメータ受信処理を行う。この信号制御パラメータ受信処理は、端末装置12が中央装置1から2回目以降の信号制御パラメータ(すなわち、初期信号制御パラメータ以外の信号制御パラメータ)を受信する毎に行われる。
【0065】
端末装置12は、図11に示す信号制御パラメータ受信処理を開始すると、中央装置1から受信した信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)に従って、1サイクル分の各階梯の表示秒数を設定して、これらを内部のメモリに格納する(ステップS52)。その後、今回の信号制御パラメータ受信処理を終了して図8に示すメインルーチンへ戻る。
【0066】
端末装置13の動作は、前述した端末装置12の動作と同様である。端末装置13の動作については、前述した端末装置12の動作説明及び図8乃至図11において、端末装置12を端末装置13と、交差点CR2を交差点CR3と、車両感知回数カウント値A5を車両感知回数カウント値A6と、感知車両台数カウント値B5を感知車両台数カウント値B6と、車両感知フラグR5を車両感知フラグR6と、車両感知器g5を車両感知器g6と、信号機c1,c2,d1,d2を信号機e1,e2,f1,f2と、それぞれ読み替えられたい。
【0067】
次に、中央装置1の動作について、図12乃至図15を参照して説明する。図12及び図13は中央装置1のメインルーチンを示す概略フローチャート、図14乃至図15は中央装置1の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【0068】
中央装置1は、動作を開始すると、図12に示すように、まず、端末装置11〜13へそれぞれ前記初期信号制御パラメータ(サイクル長、スプリット、オフセット)を送信する(ステップS61)。
【0069】
次いで、中央装置1は、内部のメモリ(図示せず)内のカウント値nを0にセットする(ステップS62)。このカウント値nは、端末装置11からの最終階梯開始タイミング信号の受信回数のカウント値である。
【0070】
次に、中央装置1は、端末装置11から前記最終階梯開始タイミング信号を受信したか否かを判定する(ステップS63)。受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS64へ移行する。
【0071】
ステップS64において、中央装置1は、経過時間tを計測する内蔵するタイマ(t)の現在の経過時間tを保持する。
【0072】
その後、中央装置1は、前記タイマ(t)をt=0にリセットした後にスタートさせる(ステップS65)。
【0073】
次いで、中央装置1は、端末装置11へ前記感知情報要求を送信する(ステップS66)。
【0074】
次に、中央装置1は、端末装置11から、感知情報としての車両感知回数カウント値A1〜A4及び感知車両台数カウント値B1〜B4を受信したか否かを判定する(ステップS67)。受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS68へ移行する。
【0075】
ステップS68において、中央装置1は、端末装置11から受信した車両感知回数カウント値A1〜A4及び感知車両台数カウント値B1〜B4を、内部メモリに格納する。このとき、中央装置1は、今回受信したカウント値A1〜A4,B1〜B4の他に、前回受信したカウント値A1〜A4,B1〜B4が内部メモリに残るようにする。
【0076】
その後、中央装置1は、カウント値nを1だけインクリメントする(ステップS69)。次に、中央装置1は、カウント値nが2以上であるか否かを判定する(ステップS70)。カウント値nが1であれば(すなわち、端末装置11からの最終階梯開始タイミング信号の受信回数が1回であれば)、ステップS63へ戻る。一方、カウント値nが2以上であれば(すなわち、端末装置11からの最終階梯開始タイミング信号の受信回数が2回以上であれば)、ステップS71へ移行する。
【0077】
ステップS71において、中央装置1は、サイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4を、ΔAm=今回の車両感知回数カウント値Am−前回の車両感知回数カウント値Am、ΔBm=今回の感知車両台数カウント値Bm−前回の感知車両台数カウント値Bmによって、求める。ただし、mは1から4までの整数である。カウント値A1〜A4,B1〜B4は前述したように累積値であるので、サイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4は、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の、対応する車両感知器g1〜g4による車両感知回数を示し、サイクルシフト同期収集情報ΔB1〜ΔB4は、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の、対応する車両感知器g1〜g4による感知車両台数を示す。本実施の形態では、サイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4が、当該期間の各流入路r1〜r4の交通状況情報であり、当該期間の前記制御エリアに関連する交通状況情報の一部となっている。
【0078】
次に、中央装置1は、ステップS71で得たサイクルシフト同期収集情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4に基づいて、交通量Q1〜Q4及び占有率D1〜D4を、Qm=ΔBm/t、Dm=ΔAm/20tによって算出する(ステップS72)。ただし、ここでは、mは1から4までの整数である。交通量Q1は、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の、流入路r1の交通量である。占有率D1は、当該期間の流入路r1の占有率である。同様に、交通量Q2〜Q4は当該期間の流入路r2〜r4の交通量、占有率D2〜D4は当該期間の流入路r2〜r4の占有率である。ここで、tは、ステップS64で最新に保持した経過時間t(すなわち、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の長さ)である。
【0079】
引き続いて、中央装置1は、ステップS73で得た交通量Q1〜Q4及び占有率D1〜D4から、重要交差点CR1のサイクル長C1、スプリットP1及び各道路の交通状態量K1,K2を演算する(ステップS73)。なお、本実施の形態では、交差点CR1のサイクル長C1は、交差点CR2,CR3のサイクル長としても用い、共通サイクル長とする。
【0080】
交通量Q1〜Q4及び占有率D1〜D4から交差点CR1のサイクル長C1、スプリットP1及び交通状態量K1,K2を演算する手法は、公知の種々の手法やその他の種々の手法を採用することができる。
【0081】
交差点CR1のサイクル長C1は、例えば、下記の数1〜数3に従って演算することができる。
【0082】
【数1】
【0083】
【数2】
【0084】
【数3】
【0085】
数1において、Lは、損失時間(秒)であり、予め与えられる定数である。数1,2において、ρは負荷率である。数3は、mは1から4までの整数であり、4本の式を代表して示している。数3において、Emは流入路rmの待ち行列台数、Smは流入路rmの飽和交通流率である。飽和交通流率Smは、予め与えられる定数である。
【0086】
待ち行列台数Emは、次のようにして演算する。
【0087】
まず、流入路rmの車両速度Vmを、下記の数4によって演算する。数4において、Fは平均車長(車両の平均の長さ)、Gmは車両感知器gmの感知エリアの直径、tはステップS64で最新に保持した経過時間t(すなわち、前回のサイクルにおける最終階梯の開始時から今回のサイクルにおける最終階梯の開始時までの期間の長さ)である。なお、例えば、車両感知器gmとして超音波ドップラー式速度感知器やレーダー式車両感知器などを用いた場合には、下記の数4によらずに、流入路rmの車両速度Vmも直接的な計測値として得ることができる。
【0088】
【数4】
【0089】
流入路rmの車両速度Vm及び占有率Dmをパラメータとしてこれに対応する待ち行列台数Emを示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、数4により算出された車両速度VmとステップS72で得られた占有率Dmに対応する待ち行列台数Emを得ることで、待ち行列台数Emを演算することができる。これは、車両速度Vmが所定値以下の場合に、占有率Dmが大きいほど渋滞度が高くなって待ち行列台数Emが多くなるということに基づく。
【0090】
また、交差点CR1のスプリットP1は、1現示のスプリットで表すと、例えば、いわゆる負荷率比配分方式に従って、下記の数5によって演算することができる。数5において、負荷率ρは数2で表されたものである。
【0091】
【数5】
【0092】
また、交差点CR1の各道路の交通状態量K1,K2は、例えば、下記の数6,数7によって演算する。数6,数7において、α,βは定数である。
【0093】
【数6】
【0094】
【数7】
【0095】
ステップS73の後に、中央装置1は、端末装置11へ、信号制御パラメータ(ステップS73で得られたサイクル長C1及びスプリットP1、並びに、後述するステップS89で最新に得られた交差点CR1のオフセットO1)を送信する(ステップS74)。その後、ステップS63に戻る。なお、初期の状態において、ステップS74の時点で未だステップS89によりオフセットO1が得られていない場合には、中央装置1は、ステップS74において、オフセットO1として初期値を送信する。
【0096】
以上説明した図12及び図13に示す処理が、中央装置1のメインルーチンである。
【0097】
中央装置1は、このメインルーチンの処理中に、図14及び図15に示す割り込み処理を行う。この割り込み処理は、単位時間T2(例えば、2.5分)毎に行われる。
【0098】
中央装置1は、図14及び図15に示す割込み処理を開始すると、まず、内部のメモリ内のカウント値n’を0にセットする(ステップS81)。このカウント値n’は、端末装置12,13からの感知情報A5,A6,B5,B6の受信回数のカウント値である。
【0099】
次いで、中央装置1は、端末装置12,13へそれぞれ感知情報要求を送信する(ステップS82)。
【0100】
次に、中央装置1は、端末装置12,13から、感知情報としての車両感知回数カウント値A5,A6及び感知車両台数カウント値B5,B6を受信したか否かを判定し(ステップS83)、受信していなければ受信するまで待ち、受信するとステップS84へ移行する。
【0101】
ステップS84において、中央装置1は、端末装置12,13から受信した車両感知回数カウント値A5,A6及び感知車両台数カウント値B5,B6を、内部メモリに格納する。このとき、中央装置1は、今回受信したカウント値A5,A6,B5,B6の他に、前回受信したカウント値A5,A6,B5,B6が内部メモリに残るようにする。
【0102】
その後、中央装置1は、カウント値n’を1だけインクリメントする(ステップS85)。次に、中央装置1は、カウント値n’が2以上であるか否かを判定する(ステップS86)。カウント値n’が1であれば(すなわち、端末装置12,13からの感知情報A5,A6,B5,B6の受信回数が1回であれば)、この割込み処理を終了する。一方、カウント値n’が2以上であれば(すなわち、端末装置12,13からの感知情報A5,A6,B5,B6の受信回数が2回以上であれば)、ステップS87へ移行する。
【0103】
ステップS87において、中央装置1は、単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6,ΔB5,ΔB6を、ΔAm=今回の車両感知回数カウント値Am−前回の車両感知回数カウント値Am、ΔBm=今回の感知車両台数カウント値Bm−前回の感知車両台数カウント値Bmによって、求める。ただし、ここでは、mは5から6までの整数である。カウント値A5,A6,B5,B6は前述したように累積値であるので、単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6は、単位時間T2前の時点から現在までの期間の、対応する車両感知器g5,g6による車両感知回数を示し、単位時間T2毎の収集情報ΔB5,ΔB6は、単位時間T2前の時点から現在までの期間の、対応する車両感知器g5,g6による感知車両台数を示す。本実施の形態では、単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6,ΔB5,ΔB6は、当該期間の前記制御エリアに対する上り及び下りの流入路r5,r6の交通状況情報であり、前記制御エリアに関連する交通状況情報の一部となっている。
【0104】
次に、中央装置1は、ステップS87で得た単位時間T2毎の収集情報ΔA5,ΔA6,ΔB5,ΔB6に基づいて、交通量Q5,Q6及び占有率D5,D6を、Qm=ΔBm/T2、Dm=ΔAm/20T2によって算出する(ステップS88)。ただし、ここでは、mは5から6までの整数である。交通量Q5は、単位時間T2の期間の流入路r5の交通量である。占有率D5は、当該期間の流入路r5の占有率である。同様に、交通量Q6は当該期間の流入路r6の交通量、占有率D6は当該期間の流入路r6の占有率である。
【0105】
引き続いて、中央装置1は、ステップS88で得た交通量Q5,Q6及び占有率D5,D6に基づいて、交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3を演算する(ステップS89)。
【0106】
オフセットO1〜O3の演算手法は、公知の種々の手法やその他の種々の手法を採用することができる。
【0107】
交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3は、例えば、ステップS88で得た交通量Q5,Q6及び占有率D5,D6の他に、ステップS73で最新に得たサイクル長C1を用いて、いわゆるオフセット・パターン選択方式に従って、求めることができる。
【0108】
この場合、上り及び下りの流入路r5,r6の交通状態量K5,K6を、下記の数8,数9によって演算する。数8,数9において、α’,β’は定数である。
【0109】
【数8】
【0110】
【数9】
【0111】
交通状態量K5,K6及びサイクル長C1をパラメータとしてこれに対応する交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3を示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、数8,数9により算出された交通状態量K5,K6とステップS72で最新に得られたサイクル長C1に対応する交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3待ちを得ることで、交差点CR1〜CR3のオフセットO1〜O3を演算することができる。
【0112】
その後、中央装置1は、交差点CR2,CR3のスプリットP2,P3を演算する(ステップS90)。交差点CR2,CR3のスプリットP2,P3を演算する手法は、公知の種々の手法やその他の種々の手法を採用することができる。
【0113】
交差点CR2のスプリットP2は、例えば、交差点CR1の交通状態量K1,K2を交差点CR2の各交通状態量であるとみなして、いわゆるスプリット・パターン選択方式に従って、求めることができる。
【0114】
この場合、交通状態量K1,K2をパラメータとしてこれに対応する交差点CR2のスプリットP2を示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、ステップS73で最新に得られた交通状態量K1,K2に対応する交差点CR2のスプリットP2を得ることで、交差点CR2のスプリットP2を演算することができる。
【0115】
同様に、交通状態量K1,K2をパラメータとしてこれに対応する交差点CR3のスプリットP3を示すルックアップテーブルを中央装置1のメモリ内に予め格納しておき、このルックアップテーブルを参照して、ステップS73で最新に得られた交通状態量K1,K2に対応する交差点CR3のスプリットP3を得ることで、交差点CR2のスプリットP2を演算することができる。
【0116】
ステップS90の後に、中央装置1は、端末装置12へ、信号制御パラメータ(ステップS73で最新に得られたサイクル長C1、ステップS90で得られた交差点CR2のスプリットP2、及び、ステップS89で得られた交差点CR2のオフセットO2)を送信する(ステップS91)。
【0117】
引き続いて、中央装置1は、端末装置13へ、信号制御パラメータ(ステップS73で最新に得られたサイクル長C1、ステップS90で得られた交差点CR3のスプリットP3、及び、ステップS89で得られた交差点CR3のオフセットO3)を送信する(ステップS91)。
【0118】
その後、図14及び図15に示す割込み処理を終了して、図12及び図13に示すメインルーチンに戻る。
【0119】
以上の動作説明からわかるように、本実施の形態では、(i)重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1を得るために用いられる交通状況情報(重要交差点CR1の流入路r1〜r4の交通状況情報である情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4)の情報収集期間と、(ii)この情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4を後のサイクルに反映し得るようにする処理(ステップS4中の最終階梯開始タイミング信号の中央装置1への送信処理→ステップS63〜S66→ステップS21→ステップS67〜S74→ステップS22までの一連の処理)の期間(収集情報処理期間)と、(iii)情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4が反映されるサイクルと、の間の関係は、図16に示す通りとなる。本実施の形態では、図16に示すように、収集情報処理期間は、最終階梯(第10階梯)の期間より短くなっている。図16は、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関連する情報収集期間、収集情報処理期間及びサイクルの関係を模式的に示すタイムチャートである。
【0120】
図16から理解できるように、本実施の形態では、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関して、各情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4は、当該情報収集期間の終了時から第10階梯の期間だけ経過した後に開始するサイクルに反映されている。したがって、本実施の形態によれば、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関して、前記従来の交通信号制御装置に比べて、より新しい交通状況情報を各サイクルの制御に反映させることができる。したがって、前記第1の態様によれば、交通状況の急激な変動に対してより迅速に追従した交通信号制御を実現することができ、ひいては、渋滞の発生や無駄青時間の発生をより低減することができる。また、本実施の形態によれば、情報収集期間がサイクルの第10階梯の開始時から次のサイクルの第10階梯の開始時までの期間となっているので、前記従来の交通信号制御装置と同様に、信号灯色の変化による交通流の変動誤差の影響を低減することができる。
【0121】
ここで、本実施の形態と比較される比較例について、説明する。この比較例は、前記従来の交通信号制御装置に準ずるように、本実施の形態を変形したものである。
【0122】
すなわち、この比較例では、端末装置11は、ステップS4の途中において最終階梯開始タイミング信号を中央装置1へ送信する代わりに、ステップS4後に、最終階梯終了タイミング信号を中央装置1へ送信する。中央装置1は、ステップS63において、最終階梯開始タイミング信号の代わりに最終階梯終了タイミング信号の受信を判定する。他の点については、この比較例も本実施の形態と同じである。
【0123】
この比較例では、(i)重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1を得るために用いられる交通状況情報(重要交差点CR1の流入路r1〜r4の交通状況情報である情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4)の情報収集期間と、(ii)この情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4を後のサイクルに反映し得るようにする処理(ステップS4中の最終階梯終了タイミング信号の中央装置1への送信処理→ステップS63〜S66→ステップS21→ステップS67〜S74→ステップS22までの一連の処理)の期間(収集情報処理期間)と、(iii)情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4が反映されるサイクルと、の間の関係は、図17に示す通りとなる。
【0124】
図17から理解できるように、この比較例では、重要交差点CR1のサイクル長C1及びスプリットP1に関して、各情報収集期間の情報ΔA1〜ΔA4,ΔB1〜ΔB4は、当該情報収集期間の終了時から2つ目のサイクルに反映されている。これは、当該情報収集期間に対応する直後の収集情報処理期間が終了した時点では、既に、当該情報収集期間の直後のサイクルが開始されているためである。
【0125】
図16及び図17との比較すると、本実施の形態によれば、前記比較例に比べて、より新しい交通状況情報を各サイクルの制御に反映させることができることがわかる。
【0126】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0127】
例えば、本実施の形態は本発明を系統制御に適用した例であったが、本発明は地点制御に適用してもよい。この場合、例えば、本実施の形態を次のように変形すればよい。すなわち、地点制御の対象となる信号機が交差点CR1に設定されている信号機a1,a2,b1,b2である場合、端末装置12,13を取り除き、中央装置1の機能を端末装置11に合体させ、端末装置12,13に関連する機能及びオフセットに関する機能を除去すればよい。
【0128】
また、交通状況情報を得る手段は、超音波車両感知器等に限定されるものではなく、例えば、撮像手段及びその画像を処理する画像処理手段を用いてもよい。
【0129】
さらに、前記実施の形態は、交差する道路が片側1車線の道路の例であったが、本発明は、交差する道路の両方又は一方が片側複数車線の道路の場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1の実施の形態による交通信号システムを示す概略ブロック図である。
【図2】図1に示す交通信号システムの制御エリア内の交差点における交通信号機等の配置を模式的に示す概略平面図である。
【図3】図1中の重要交差点の信号機の1サイクル分の点灯状態を示すタイムチャートである。
【図4】図1中の重要交差点用の端末装置のメインルーチンを示す概略フローチャートである。
【図5】図1中の重要交差点用の端末装置の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図6】図1中の重要交差点用の端末装置の他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図7】図1中の重要交差点用の端末装置の更に他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図8】図1中の他の交差点用の端末装置のメインルーチンを示す概略フローチャートである。
【図9】図1中の前記他の交差点用の端末装置の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図10】図1中の前記他の交差点用の端末装置の他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図11】図1中の前記他の交差点用の端末装置の更に他の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図12】図1中の中央装置のメインルーチンを示す概略フローチャートである。
【図13】図12に引き続く概略フローチャートである。
【図14】図1中の中央装置の割込み処理を示す概略フローチャートである。
【図15】図14に引き続く概略フローチャートである。
【図16】本実施の形態における、重要交差点のサイクル長及びスプリットに関連する情報収集期間、収集情報処理期間及びサイクルの関係を模式的に示すタイムチャートである。
【図17】比較例における、重要交差点のサイクル長及びスプリットに関連する情報収集期間、収集情報処理期間及びサイクルの関係を模式的に示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0131】
1 中央装置
11,12,13 端末装置
100〜103 道路
a1,a2,b1,b2,c1,c2 信号機
d1,d2,e1,e2,f1,f2 信号機
r1〜r6 流入路
CR1〜CR3 交差点
g1〜g6 車両感知器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路交差点に設置される交通信号機を制御する交通信号制御装置であって、
前記道路交差点に関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、
前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、
前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記交通信号機を制御する手段と、
を備え、
前記信号制御パラメータ取得手段は、前記信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の前記交通状況情報に基づいて、得ることを特徴とする交通信号制御装置。
【請求項2】
前記交通状況情報が、前記交差点への各流入路の交通状況情報であることを特徴とする請求項1記載の交通信号制御装置。
【請求項3】
制御エリア内の複数の道路交差点にそれぞれに設置される交通信号機に対して系統制御を行う交通信号制御装置であって、
前記制御エリアに関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、
前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、前記各道路交差点の信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、
前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記各道路交差点の前記交通信号機をそれぞれ制御する手段と、
を備え、
前記信号制御パラメータ取得手段は、前記複数の道路交差点のうちの所定交差点の信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記所定交差点の交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の、前記交通状況情報のうちの所定情報に基づいて、得ることを特徴とする交通信号制御装置。
【請求項4】
前記所定情報が、前記所定交差点への各流入路の交通状況情報であることを特徴とする請求項3記載の交通信号制御装置。
【請求項5】
前記所定種類のパラメータがサイクル長及びスプリットであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の交通信号制御装置。
【請求項6】
前記中間の所定タイミングは、当該サイクルの最終階梯の開始時であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の交通信号制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の交通信号制御装置と、前記交通信号機とを備えたことを特徴とする交通信号システム。
【請求項1】
道路交差点に設置される交通信号機を制御する交通信号制御装置であって、
前記道路交差点に関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、
前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、
前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記交通信号機を制御する手段と、
を備え、
前記信号制御パラメータ取得手段は、前記信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の前記交通状況情報に基づいて、得ることを特徴とする交通信号制御装置。
【請求項2】
前記交通状況情報が、前記交差点への各流入路の交通状況情報であることを特徴とする請求項1記載の交通信号制御装置。
【請求項3】
制御エリア内の複数の道路交差点にそれぞれに設置される交通信号機に対して系統制御を行う交通信号制御装置であって、
前記制御エリアに関連する交通状況情報を得る交通状況情報取得手段と、
前記交通状況情報取得手段により得られた交通状況情報に基づいて、前記各道路交差点の信号制御パラメータの値を得る信号制御パラメータ取得手段と、
前記信号制御パラメータ取得手段により得られた信号制御パラメータの値に応じて、前記各道路交差点の前記交通信号機をそれぞれ制御する手段と、
を備え、
前記信号制御パラメータ取得手段は、前記複数の道路交差点のうちの所定交差点の信号制御パラメータのうちの所定種類のパラメータに関して、前記所定交差点の交通信号機の各サイクルに反映されるべき前記所定種類のパラメータの各値を、当該サイクルの2つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングと当該サイクルの1つ前のサイクルにおける中間の所定タイミングとの間の期間の、前記交通状況情報のうちの所定情報に基づいて、得ることを特徴とする交通信号制御装置。
【請求項4】
前記所定情報が、前記所定交差点への各流入路の交通状況情報であることを特徴とする請求項3記載の交通信号制御装置。
【請求項5】
前記所定種類のパラメータがサイクル長及びスプリットであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の交通信号制御装置。
【請求項6】
前記中間の所定タイミングは、当該サイクルの最終階梯の開始時であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の交通信号制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の交通信号制御装置と、前記交通信号機とを備えたことを特徴とする交通信号システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−113784(P2006−113784A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299846(P2004−299846)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
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