説明

人体通信式タッチパネル

【課題】送信機の所有の有無で異なる2系統の操作者による入力操作を検出し、入力操作データを出力する人体通信式タッチパネルを提供する。
【解決手段】送信機から出力される第1固有発振信号SG1を操作者の体内を通した指から、検出電極パターンへ出力させるとともに、検出電極パターンを固有周波数f2の第2固有発振信号SG2で電位を振動させ、検出電極パターンから送信機を所有しないほぼ定電位の操作者の指へ第2固有発振信号SG2を出力する。第1信号検出手段が、検出電極パターンから第1固有発振信号SG1を検出することから、送信機を周辺に配置した操作者からの入力操作を検出し、検出電極パターンと電位が同期して変動する第2信号検出手段が、検出電極パターンから相対電位が固有周波数f2で振動する第2固有発振信号SG2を検出することから、送信機を所有しない操作者からの入力操作を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの入力操作面に配置される検出電極パターンが静電容量を介して固有発振信号を検出した際に、入力操作があったものとして入力操作データを出力する人体通信式タッチパネルに関し、更に詳しくは、送信機の所有の有無で異なる2系統の入力操作を識別し、入力操作データを出力する人体通信式タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
操作者に固有周波数の固有発振信号を出力する送信機を所有させ、操作者の人体を介して指先からタッチパネルの検出電極パターンへ固有発振信号を出力し、タッチパネル側で固有発振信号を検出した検出電極パターンから入力操作を検出する人体通信式タッチパネル(以下、単にタッチパネルという)が知られている(特許文献1)。
【0003】
この従来のタッチパネル100を、図5と図6を用いて説明すると、操作者10は、図5に示すように、内蔵する発振器から送信電極103と接地電極104間に固有周波数fの固有発振信号を出力する送信機102を所有し、ベルト101を腕に巻き付けて送信電極103と接地電極104を操作者10の腕に接触させ、送信機102から出力する固有発振信号を操作者10の人体を通して指10aから出力している。
【0004】
一方、タッチパネル100には、絶縁パネル105の一面を入力操作面として、入力操作面に互いに絶縁して多数の検出電極パターン106が配線されている。各検出電極パターン106には、各検出電極パターン106に生じる誘導電圧を検出する同調回路型検出器107が接続され、いずれかの検出電極パターン106から誘導電圧を検出すると、その周波数に応じて、出力端子108a、108b・・108nのいずれかに検出信号を出力する。
【0005】
送信機102を腕に巻き付けた操作者10が、タッチパネル100の入力操作面に配置されたいずれかの検出電極パターン106に指10aを触れて入力操作を行うと、送信機102から出力される固有周波数fの固有発振信号が操作者10の体内を流れて、指10aを触れた検出電極パターン106に出力される。同調回路型検出器107は、その検出電極パターン106から固有周波数fの固有発振信号を検出することにより、固有周波数fに応じたいずれかの出力端子108nから入力操作の検出を示す入力操作データを出力する。
【0006】
送信機102から出力する固有発振信号の固有周波数fは、任意に設定でき、複数の送信機102について異なる固有周波数fを設定することにより、操作者10が所有する送信機102毎に設定した固有周波数fに応じた出力端子108a、108b・・108nから入力操作データを出力させ、所有する送信機102毎の入力操作を識別できる。
【0007】
また、送信機102から出力する固有発振信号に固有識別データで変調した変調信号を含め、タッチパネル100側にその変調信号から固有識別データを復調する復調回路を設けておけば、固有周波数fを異なる周波数に設定しなくても、特定の送信機102を所有しての操作者10からの入力操作を識別できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−366291号公報(項目0037乃至項目0056、図9、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1により開示されている人体通信式タッチパネル100は、異なる送信機102を所有する操作者10の入力操作を、送信機102毎に識別することができるが、送信機102を腕に巻き付けるなどして操作者10の周囲に配置する必要があり、送信機102を所有していなければ入力操作が検出されない。
【0010】
例えば、集合住宅の入口に設置されたドアを施錠する電子錠の入力機器としてタッチパネル100が用いられる場合には、入居者などの特定人に送信機102を所持させ、送信機102を所有する特定人の入力操作で電子錠を開錠させることができるが、送信機102を忘れた特定人や一般の操作者10は、送信機102を所有していないので、入力操作を認識させることができず、パスワード、入居者の部屋番号などの補助入力操作で開錠させることもできなかった。結局、補助入力操作のために別のタッチパネルを設ける必要があり、従来のタッチパネル100のみを単独で電子錠の入力機器として用いることができなかった。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、送信機を所有していない操作者の入力操作であっても、その入力操作を検出する人体通信式タッチパネルを提供することを目的とする。
【0012】
また、送信機の所有の有無で異なる2系統の入力操作を識別し、入力操作データを出力する人体通信式タッチパネルを提供することを目的とする。
【0013】
更に、簡単な回路構成の改良で、使用環境を選ばずに送信機を所有していない操作者の入力操作を検出できる人体通信式タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するため、請求項1の人体通信式タッチパネルは、絶縁パネルの一面に互いに絶縁して配設される1又は2以上の検出電極パターンと、操作者の周囲に配置され送信機から出力される固有周波数f1の第1固有発振信号を、各検出電極パターンから検出する第1信号検出手段とを備え、第1信号検出手段がいずれか1又は2以上の検出電極パターンから第1固有発振信号を検出した際に、該検出電極パターンへの入力操作があったものとして、入力操作の検出を示す入力操作データを出力する人体通信式タッチパネルであって、固有周波数f2の第2固有発振信号を出力する発振回路と、第2固有発振信号により、各検出電極パターンの電位を固有周波数f2で振動させる電位振動手段と、各検出電極パターンと電位が同期して変動し、各検出電極パターンとの相対電位が固有周波数f2で変動する第2固有発振信号を検出する第2信号検出手段を、更に備え、第2信号検出手段がいずれか1又は2以上の検出電極パターンから第2固有発振信号を検出した際に、該検出電極パターンへの入力操作があったものとして、入力操作の検出を示す入力操作データを出力することを特徴とする。
【0015】
送信機を周囲に配置した操作者が、指を検出電極パターンへ接近させて入力操作を行うと、送信機から出力される固有周波数f1の第1固有発振信号が操作者の体内に流れ、操作者の指から接近して静電容量が増大する検出電極パターンに出力される。第1信号検出手段は、検出電極パターンから第1固有発振信号を検出した際に、該検出電極パターンへの入力操作があったものとして、入力操作の検出を示す入力操作データを出力する。
【0016】
送信機を所有しない操作者が、指を検出電極パターンへ接近させて入力操作を行うと、操作者の指と検出電極パターン間の静電容量が増大するので、電位が固有周波数f2で振動する検出電極パターンから定電位の指に固有周波数f2の第2固有発振信号が出力される。各検出電極パターンと同期して電位が変動する第2信号検出手段と、指に第2固有発振信号が出力された検出電極パターンとの相対電位は、固有周波数f2で変動するので、第2信号検出手段は、検出電極パターンから第2固有発振信号を検出した際に、該検出電極パターンへの入力操作があったものとして、入力操作の検出を示す入力操作データを出力する。
【0017】
請求項2の人体通信式タッチパネルは、送信機が、固有識別データで変調した変調信号を、固有周波数f2と同一周波数とした固有周波数f1の第1固有発振信号に含めて出力し、第1信号検出手段は、第1固有発振信号に含まれる変調信号から固有識別データを復調する復調手段を有し、復調信号に固有識別データが含まれていることから第1固有発振信号を検出することを特徴とする。
【0018】
送信機を周囲に配置した操作者による入力操作を、固有識別データから送信機毎に識別できる。
【0019】
請求項3の人体通信式タッチパネルは、第1信号検出手段による第1固有発振信号の検出と、第2信号検出手段による第2固有発振信号の検出とを識別する識別データを入力操作データに含めて出力することを特徴とする。
【0020】
識別データから、送信機を用いた入力操作と送信機を用いない入力操作とを識別できる。
【0021】
請求項4の人体通信式タッチパネルは、電位振動手段が、定電位で、直流電源に接続する基準電源回路と、固有周波数f2に対してハイインピーダンスとなるインダクタを介して基準電源回路に接続し、各検出電極パターンに接続する振動電源回路と、振動電源回路に接続し、前記インダクタを介した直流電源の出力で駆動する発振回路と基準電源回路の間に配置されるキャパシタとからなり、キャパシタを介して発振回路から基準電源回路へ出力する第2固有発振信号の固有周波数f2をインダクタとキャパシタが直列に接続される直列共振周波数の近傍とし、第2固有発振信号を増幅して各検出電極パターンの電位を振動させることを特徴とする。
【0022】
基準電源回路と振動電源回路は、固有周波数f2の第2固有発振信号に対してハイインピーダンスとなるインダクタを介して接続するので、振動電源回路に接続する発振回路からキャパシタを介して第2固有発振信号を基準電源回路へ出力すると、定電位の基準電源回路に対して振動電源回路の電圧は、第2固有発振信号の固有周波数f2で変動する。基準電源回路と振動電源回路間のインダクタと、発振回路と基準電源回路間のキャパシタは、直列に接続され、固有周波数f2がその直列共振周波数近傍であるので、第2固有発振信号の電圧Viに対して振動電源回路の電圧Voが増幅される。その結果、振動電源回路に接続する検出電極パターンの電位を拡大させて振動させることができ、指との静電容量Cfが微小であっても、検出電極パターンに発生する第2固有発振信号を検出容易なレベルまで増幅させることができる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、送信機を周辺に配置した操作者による入力操作と、送信機を所有しない操作者による入力操作の2系統の入力操作を検出できる。
【0024】
第1固有発振信号の固有周波数f1と第2固有発振信号の固有周波数f2が異なるようにそれぞれの周波数を調整すれば、検出電極パターンで検出した固有発振信号の周波数から、送信機を周辺に配置した操作者による入力操作と、送信機を所有しない操作者による入力操作を識別できる。
【0025】
また、同一の検出電極パターンを用いて、検出電極パターンの電位を固有周波数f2で振動させる電位振動手段を設ける簡単な改良で、送信機を所有していない操作者の入力操作を検出できる。
【0026】
また、商用交流電源などから発生するコモンモード信号を入力操作を検出するための固有発振信号としないので、使用環境が制限されずに送信機を持たない操作者の入力操作を検出できる。
【0027】
請求項2の発明によれば、第1固有発振信号の固有周波数f1と第2固有発振信号の固有周波数f2が同一周波数であるので、検出電極パターンから共通する検出回路で第1固有発振信号と第2固有発振信号を検出でき、固有識別データで変調した変調信号を含むことから第1固有発振信号を第2固有発振信号から識別できる。
【0028】
送信機を周囲に配置した操作者の入力操作を、固有識別データから送信機毎に識別することができるので、特定の送信機を所有する操作者に限った固有の命令を実行させることができる。
【0029】
請求項3の発明によれば、送信機を周辺に配置した操作者による入力操作と、送信機を所有しない操作者による入力操作を入力操作データに含まれる識別データから判別できるので、送信機の有無によって、入力操作により実行される命令や入力画面表示を異ならせることができる。
【0030】
請求項4の発明によれば、直流電源が接続する基準電源回路と検出電極パターンが接続する振動電源回路とを、絶縁型DC−DCコンバータなどの高価な絶縁部品を用いずに分離して、振動電源回路を固有周波数f2で電圧変動させることができる。
【0031】
また、操作者の指と検出電極パターンとの静電容量が微小であっても、検出電極パターンに発生する固有発振信号のレベルが拡大し、微小な静電容量の変化から入力操作を確実に検出できる。従って、操作者の指を検出電極パターンに触れずに、非接触で入力操作ができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る人体通信式タッチパネル1を示すブロック図である。
【図2】人体通信式タッチパネル1の等価回路図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る人体通信式タッチパネル20を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3実施の形態に係る人体通信式タッチパネル30を示すブロック図である。
【図5】従来の人体通信式タッチパネル100に用いる送信機102を、操作者10の腕に装着させた状態を示す平面図である。
【図6】従来の人体通信式タッチパネル100を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の第1実施の形態に係る人体通信式タッチパネル(以下、タッチパネルという)1を、図1と図2を用いて説明する。本実施の形態に係るタッチパネル1は、集合住宅の入口のドアに設けられた電子錠を開錠若しくは施錠させる入力操作機器として用いられるもので、入力キーを表示する表示素子に積層して配置される。
【0034】
タッチパネル1は、図1に示すように、タッチパネル1を構成する主要回路部品が2種類の非振動側回路基板2と振動側回路基板3に分けて搭載されている。非振動回路基板2には、接地電位とした低圧基準電源線GNDと高圧基準電源線VCCとからなる基準電源回路4が配線され、低圧基準電源線GNDと高圧基準電源線VCC間に直流電圧Vccを印加するDC電源5が接続されている。これにより、非振動回路基板2に搭載されるインタフェース回路6等の各回路部品を基準電源回路4に接続し、DC電源5の出力電圧Vccにより駆動させている。
【0035】
振動側回路基板3には、低圧振動電源線SGNDと高圧振動電源線SVCCとからなる振動電源回路7が配線されている。低圧振動電源線SGNDは低圧基準電源線GNDと、高圧振動電源線SVCCは高圧基準電源線VCCと、それぞれコイル8、9を介して接続している。コイル8とコイル9のインダクタンスは、いずれも後述する第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2に対してハイインピーダンスとなる値に設定され、ここでは、同一のインダクタンスLのコイル8、9を用いている。これにより、図1に示すように、基準電源回路4の低圧基準電源線GNDと高圧基準電源線VCCへ、後述する発振回路15から第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2を同期させて出力すると、基準電源回路4の低圧基準電源線GNDが接地されて安定電位にあるので、振動電源回路7の低圧振動電源線SGNDと高圧振動電源線SVCCの電位が、同期して第2固有周波数f2で変動し、両者間の電圧は、基準電源回路4と同じ直流出力電圧Vccとなる。
【0036】
振動側回路基板3の後述する電子部品が実装されていない表面若しくは振動側回路基板3の近傍に配置された絶縁パネルの表面は、操作者10が指10aを接近させて入力操作を行う入力操作面となっていて、この入力操作面に沿って多数の検出電極パターン11が互いに絶縁して配置され、操作者10が指10aを入力操作面に向けて入力操作を行うと、1又は2以上の検出電極パターン11が指10aに対向若しくは接近する。
【0037】
操作者10がタッチパネル1の入力操作面へ指10aを接近させて入力操作を行うと、指10aが接近する位置に配置された検出電極パターン11と指10aとの静電容量Cfが増大する。図1に示すように、操作者10が例えば着衣のポケットなどの周辺に、第1固有周波数f1の第1固有発振信号SG1を出力する送信機40を所持していると、送信機40から操作者10の体内を流れて指10aに表れる第1固有発振信号SG1は、増大する静電容量Cfを介して指10aに対向若しくは接近する検出電極パターン11に伝達され、その検出電極パターン11は、固有周波数f1で電位が所定の振幅で振動する。つまり、送信機40を周辺に所持する操作者10が入力操作を行うと、操作者10の体内を通した指10aから入力操作位置に近接する検出電極パターン11へ第1固有周波数f1で振動する第1固有発振信号SG1が出力される。
【0038】
一方、全ての検出電極パターン11は、振動電源回路7の高圧振動電源線SVCCに接続し、従って、発振回路15から第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2を出力している間は、検出電極パターン11の電位も、振動電源回路7と同期して第2固有周波数f2で振動している。
【0039】
全ての検出電極パターン11の電位が第2固有周波数f2で振動するのに対して、送信機40を周囲に所有していない操作者10は、足下などの一部が接地してほぼ定電位であり、操作者10の指10aの電位も定電位となっている。従って、指10aと検出電極パターン11間の電圧(相対電位)は、第2固有周波数f2で振動し、入力操作する指10aが接近し、指10aとの静電容量Cfが増大する検出電極パターン11では、検出電極パターン11から指10aへ静電容量Cfを介して第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2が伝達される。これを、検出電極パターン11に第2固有周波数f2で同期して振動する振動電源回路7側からすると、相対的に入力操作する指10aの電位が第2固有周波数f2で振動し、操作者10の指10aから入力操作位置に近接する検出電極パターン11へ第2固有周波数f2で振動する第2固有発振信号SG2が出力される。従って、振動電源回路7で駆動する信号検出手段(後述するMPU16)では、送信機40を周辺に所持しない操作者10の指10aに対向若しくは接近する検出電極パターン11の電位が、第2固有周波数f2で所定の振幅で振動するので、その検出電極パターン11から第2固有発振信号SG2を検出できる。
【0040】
振動側回路基板3には、アナログマルチプレクサ12、バンドパスフィルタ13a、13b、A/Dコンバータ14a、14b、MPU(マイクロプロセッサユニット)16及び発振回路15の各回路素子が搭載され、いずれも振動電源回路7の低圧振動電源線SGNDと高圧振動電源線SVCCに接続し、DC電源5から出力電圧Vccを受けて動作している。
【0041】
全ての検出電極パターン11は、アナログマルチプレクサ12の対応する入力に接続し、アナログマルチプレクサ12は、MPU16からの切り替え制御により、一定の走査周期で全ての検出電極パターン11を一パターン毎に、図示しない増幅回路を介して第1バンドパスフィルタ13aと第2バンドパスフィルタ13bへ接続する。
【0042】
第1バンドパスフィルタ13aは、送信機40から出力される第1固有発振信号SG1の第1固有周波数f1以外のノイズ成分をカットし、第1固有周波数f1を中心とする周波数帯域の信号を通過させて、後段の第1A/Dコンバータ14aへ出力する。
【0043】
また、同様に、第2バンドパスフィルタ13bは、発振回路15から出力される第2固有発振信号SG2の第2固有周波数f2以外のノイズ成分をカットし、第2固有周波数f2を中心とする周波数帯域の信号を通過させて、後段の第2A/Dコンバータ14bへ出力する。
【0044】
第1A/Dコンバータ14aと第2A/Dコンバータ14bは、それぞれ入力される固有発振信号SG1、SG2の固有周波数f1、f2の少なくとも2倍以上の周波数でサンプリングし、第1固有発振信号SG1と第2固有発振信号SG2のレベルを量子化してMPU16へ出力する。
【0045】
A/Dコンバータ14a、14bから出力される量子化データは、その時にアナログマルチプレクサ12が選択接続した検出電極パターン11に発生する第1固有発振信号SG1と第2固有発振信号SG2の検出レベルを表すので、検出電極パターン11の信号検出手段として作用するMPU16では、その検出電極パターン11の接続期間中にA/Dコンバータ14a、14bから入力された量子化データの総和を所定の閾値と比較する。
【0046】
第1A/Dコンバータ14aから入力された量子化データの総和が所定の閾値以上である場合には、第1固有発振信号SG1を検出したものと判定し、送信機40を所有する操作者10による入力操作があったことと、その時にアナログマルチプレクサ12が選択接続した検出電極パターン11の配設位置から入力操作位置を検出する。
【0047】
また、アナログマルチプレクサ12、第2バンドパスフィルタ13b、第2A/Dコンバータ14b及びMPU16は、いずれも振動電源回路7に接続し、各電位は、検出電極パターン11の電位に同期して振動しているので、検出電極パターン11に発生する第2固有発振信号SG2を検出することができ、MPU16は、第2A/Dコンバータ14bから入力された量子化データの総和が所定の閾値以上である場合には、第2固有発振信号SG2を検出したものと判定し、送信機40を所有しない操作者10による入力操作があったことと、その時にアナログマルチプレクサ12が選択接続した検出電極パターン11の配設位置から入力操作位置を検出する。
【0048】
MPU16は、いずれかの入力操作を検出すると、第1固有発振信号SG1と第2固有発振信号SG2のいずれを検出したかを示す識別データと、その入力操作位置を含む入力操作データを、電源線から絶縁された信号線を介して、非振動回路基板2に搭載されるインターフェース回路6に出力し、インターフェース回路6は、その入力操作データをUSB通信、IC通信等で入力操作データを利用する上位機器である電子錠へ出力する。
【0049】
電子錠では、入力操作データに含まれる識別データにより、異なる動作を実行し、例えば、識別データが、送信機40を所有する操作者10による入力操作の検出を示す場合には、直ちにドアを開錠し、送信機40を所有しない一般の操作者10による入力操作の検出を示す場合には、暗証番号の入力や集合住宅の部屋番号を入力してインタフォーンで住人の呼び出しを促す表示を表示素子に表示させ、暗証番号の入力や住人からの操作で開錠させる。
【0050】
発振回路15も、振動電源回路7に接続し、その電位は振動電源回路7と同期して振動するが、基準電源回路4との間で直流電圧を遮断し、基準電源回路4の低圧基準電源線GNDと高圧基準電源線VCCへ第2固有発振信号SG2の第2固有周波数f2を出力するために、その出力を二股に分岐し、それぞれコンデンサ17、18を介して基準電源回路4の低圧基準電源線GNDと高圧基準電源線VCCに接続している。コンデンサ17とコンデンサ18のキャパシタンスは任意であるが、ここでは、同一のキャパシタンスCのコンデンサ17、18を用いている。
【0051】
MPU16は、発振回路15の動作を制御し、送信機40を所有しない操作者10の入力操作を検出する間に、発振回路15から第2固有発振信号SG2を出力させている。検出電極パターン11を第2固有周波数f2で振動させていても、第1固有周波数f1と第2固有周波数f2が異なれば、第1固有周波数f1の第1固有発振信号SG1、すなわち送信機40を所有する操作者10の入力操作は検出できるが、より精度良く検出するために、送信機40を所有する操作者10の入力操作を検出する場合には、ノイズとなる発振回路15の出力を停止させている。
【0052】
また、MPU16は、発振回路15から出力される第2固有発振信号SG2の振幅や第2固有周波数f2を任意の値に制御し、ここでは、187kHzの第2固有周波数f2で振幅(ピーク間の電圧Vp−p)が5Vの第2固有発振信号SG2を出力する。第2固有周波数f2を187kHzとした理由を以下に説明する。
【0053】
第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2が基準電源回路4と振動電源回路7に流れる場合に、低圧基準電源線GNDと高圧基準電源線VCC間及び低圧振動電源線SGNDと高圧振動電源線SVCC間が近接して配線され、第2固有周波数f2の帯域でこれらの電源線間は短絡しているとすれば、図1の基準電源回路4と振動電源回路7は、図2の等価回路図で示される。
【0054】
図2に示すように、振動電源回路7に接続する発振回路15の出力と基準電源回路4間には、並列にキャパシタンスCのコンデンサ17、18が接続されているので、その合成キャパシタンスは、2Cであり、また、基準電源回路4と振動電源回路7間に並列に接続されるコイル8、9の合成インダクタンスは、L/2となる。これらのキャパシタとインダクタは、第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2が流れる閉回路において直列に接続され、第2固有発振信号SG2の振幅(レベル)をVi、コイル8、9両端の基準電源回路4と振動電源回路7間の電圧をVo、2πfで表される角速度をω(rad/sec)とすれば、
Vo=[ωLC/(ωLC−1)]Vi・・・(1)式
で表される。
ここで、図2に示す回路は、ωLC=1で直列共振し、そのときの周波数fは、
=1/[2π(LC)1/2]・・・(2)式
となる。
【0055】
つまり、(2)式関係から得られる共振周波数fを、第2固有発振信号SG2の第2固有周波数f2とすれば、第2固有発振信号SG2のレベルに対して、(1)式から理論上振動電源回路7の電位が無限大で振動し、振動電源回路7に接続する検出電極パターン11の電位も無限大に振動させることができる。その結果、検出電極パターン11と指10aとの静電容量が10pF程度と微小であっても、検出電極パターン11と指10a間に発生する電圧が無限大に拡大するので、第2固有周波数f2で第2A/Dコンバータ14bからMPU16へ出力される第2固有発振信号SG2のレベルが増大し、MPU16により容易に検出可能となる。
【0056】
実際のタッチパネル1では、基準電源回路4と振動電源回路7のインダクタンス、浮遊容量などの影響から、(2)式から得る周波数fで共振せず、また、基準電源回路4と振動電源回路7に第2固有発振信号SG2が流れる際のエネルギーロス等により、振動電源回路7は、第2固有発振信号SG2のレベルに対して有限倍率に拡大された振幅で電位が振動する。一方、操作者10の指10aが触れることのある検出電極パターン11に大電圧を加えることはできないので、第2固有発振信号SG2の第2固有周波数f2を共振周波数fからずらしてその近傍とするとともに、第2固有発振信号SG2の振幅を調整して、第2A/Dコンバータ14bのリファレンス電圧内となるように、検出電極パターン11の電圧振動の振幅を制限している。
【0057】
使用環境やコイル8、9、コンデンサ17、18等の回路定数によって調整する必要のある第2固有発振信号SG2の振幅と第2固有周波数f2は、上述したように、MPU16からの制御で容易に調整できる。第2固有周波数f2は、任意の周波数とすることができるが、商用交流電源線の周囲では、操作者10の指10aが定電位ではなく商用交流電源の周波数のコモンモードノイズにより振動することがあるので、商用交流電源の周波数とその高調波を除く周波数とすることが好ましい。
【0058】
例えば、図1に示すタッチパネル1において、コイル8、9のインダクタンスが220μH、コンデンサ17、18のキャパシタンスが330pFであるとして、振幅(Vp−p)が5Vで第2固有周波数f2が187kHzの第2固有発振信号SG2を発振回路15から出力すると、振動電源回路7と振動電源回路7に接続する検出電極パターン11は、4倍の20Vの振幅(Vp−p)で振動することが実測された。
【0059】
上述の第1実施の形態では、第1固有発振信号SG1の第1固有周波数f1と第2固有発振信号SG2の第2固有周波数f2を異なる周波数としたが、送信機40の所有有無で操作者10の入力操作を識別する必要がなければ、同一の周波数であってもよい。また、同一の周波数としても、送信機40の所有有無で操作者10の入力操作を識別することが可能であり、以下、この共通の周波数で入力操作を識別できる第2実施の形態に係るタッチパネル20を図3を用いて説明する。タッチパネル20の主要構成は、第1実施の形態に係るタッチパネル1と同一であるので、同一に作用する構成には同一の番号を付してその説明を省略する。
【0060】
図3に示すように、操作者10が周辺に所有する送信機41から出力される第1固有発振信号SG1の第1固有周波数と、発振回路15から出力される第2固有発振信号SG2の第2固有周波数は、同一の周波数f3となっている。また、送信機41は、図示しない変調回路を備え、変調回路において送信機41を特定する固有識別データで変調した変調信号を、第1固有発振信号SG1に含めて出力している。
【0061】
この第2実施の形態では、検出電極パターン11に、同一周波数f3の第1固有発振信号SG1と第2固有発振信号SG2が重畳すると、位相差で電位が周波数f3で振動せずに、いずれの固有発振信号SG1、SG2も検出できない恐れがあるので、送信機41を周辺に所有する操作者10からの入力操作を検出する際は、MPU16からの制御で、発振回路15からの第2固有発振信号SG2の出力を停止しておく。また、コイル8とコイル9のインダクタンスは、第2固有周波数f3の第2固有発振信号SG2に対してハイインピーダンスとなる値に設定する。
【0062】
このタッチパネル20では、第1固有発振信号SG1の第1固有周波数と、第2固有発振信号SG2の第2固有周波数が共通する周波数f3であるため、アナログマルチプレクサ12の出力に接続されるバンドパスフィルタ13cは、周波数f3を中心とする周波数帯域の信号を通過させる1素子のみであり、検出電極パターン11に発生する第1固有発振信号SG1と第2固有発振信号SG2のいずれも後段のA/Dコンバータ14cと復調回路21へ出力する。
【0063】
A/Dコンバータ14cは、周波数f3の少なくとも2倍以上の周波数でサンプリングし、第1固有発振信号SG1と第2固有発振信号SG2のレベルを量子化してMPU16へ出力する。
【0064】
また、アナログマルチプレクサ12とMPU16間に、A/Dコンバータ14cと並列に接続される復調回路21は、アナログマルチプレクサ12から出力される固有発振信号から復調を試み、固有発振信号に含まれる変調信号から送信機41を特定する固有識別データが復調された場合には、その固有識別データをMPU16へ出力する。
【0065】
MPU16では、復調回路21から固有識別データが入力された際に、A/Dコンバータ14cから入力された量子化データの総和が所定の閾値以上である場合には、第1固有発振信号SG1を検出したものと判定し、固有識別データで特定される送信機40を所有する操作者10による入力操作があったことと、その時にアナログマルチプレクサ12が選択接続した検出電極パターン11の配設位置から入力操作位置を検出する。隣接する検出電極パターン11について、同じ固有識別データが入力された場合には、各A/Dコンバータ14cから入力された量子化データの総和を比較して、入力操作位置を検出する。
【0066】
MPU16では、復調回路21から固有識別データが入力されずに、A/Dコンバータ14cから入力された量子化データの総和が所定の閾値以上である場合には、第2固有発振信号SG2を検出したものと判定し、送信機40を所有しない操作者10による入力操作があったことと、その時にアナログマルチプレクサ12が選択接続した検出電極パターン11の配設位置から入力操作位置を検出する。
【0067】
MPU16は、第1固有発振信号SG1と第2固有発振信号SG2のいずれを検出したかを示す識別データと、その入力操作位置と、更に、第1固有発振信号SG1を検出した場合には、固有識別データから送信機40を特定する送信機データとを含めた入力操作データを、インタフェース回路6を介して上位機器へ出力する。
【0068】
上述の第1、第2実施の形態では、検出電極パターン11の電位を第2固有周波数f2、f3で振動させる電位振動手段として、定電位の基準電源回路4と振動電源回路7を第2固有周波数f2、f3の第2固有発振信号SG2に対してハイインピーダンスとなるインダクタンスのコイル8、9で接続したが、図4に示す第3実施の形態に係るタッチパネル30のように、定電位の基準電源回路4と振動電源回路7間を絶縁型DC−DCコンバータ31で接続し、振動電源回路7に接続する検出電極パターン11の電位を第2固有周波数f2で振動させてもよい。第3実施の形態に係るタッチパネル30も第1実施の形態に係るタッチパネル1と主要構成は、第1実施の形態に係るタッチパネル1と同一であるので、同一に作用する構成には同一の番号を付してその説明を省略する。
【0069】
このタッチパネル30では、振動側回路基板3に搭載される全ての回路素子を、絶縁型DC−DCコンバータ31を用いて、本体や周囲の機器から絶縁し、振動側回路基板3に配線される振動電源回路7を、第2固有発振信号SG2の第2固有周波数f2で振動させる。
【0070】
そのため、第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2を出力する発振回路32は、タッチパネル1、20と異なり、振動側回路基板3から絶縁された非振動側回路基板2に搭載され、非振動側回路基板2配線される基準電源回路4に接続して、DC電源5の直流電圧Vccで動作する。発振回路32の出力は、振動電源回路7の低圧振動電源線SGNDに接続し、これにより低圧振動電源線SGNDと高圧振動電源線SVCCは、絶縁型DC−DCコンバータ31の出力電圧の電位差を保ちながら、各電位が第2固有周波数f2で同期して振動する。
【0071】
振動電源回路7に接続する検出電極パターン11、PMU16等の電位は、第2固有周波数f2で振動するので、定電位の操作者10の指10aを接近させた検出電極パターン11から第2固有周波数f2の第2固有発振信号SG2を検出できる。
【0072】
この第3実施の形態に係るタッチパネル30によれば、DC電源5の直流電圧Vccに対して振動電源回路7の直流電圧を、絶縁型DC−DCコンバータ31により、振動側回路基板3に搭載されたPMU16等の回路部品の動作電圧に合わせて任意に調整できる。
【0073】
上述の各実施の形態において説明したように、送信機40は、必ずしも操作者10に直接接触していなくても、着衣のポケット等操作者10の周辺に配置されていれば、操作者10の体内を通して指10aに近接する検出電極パターン11に第1固有発振信号SG1が発生し、PMU16において入力操作を検出できる。
【0074】
同様に、操作者10の指10aを検出電極パターン11に接触させずに、増大する静電容量Cfを介して非接触で操作者10の入力操作を検出できる。
【0075】
上述の各実施の形態では、複数の検出電極パターン11を入力操作面に配置し、固有発振信号SG1、SG2を検出した検出電極パターン11の配置位置から入力操作位置も検出しているが、単一の検出電極パターン11から固有発振信号SG1、SG2を検出し、入力操作のみがあったことを検出する静電容量スイッチとして機能するタッチパネルであってもよい。
【0076】
また、発振回路15は、MPU16と別に設けているが、MPU16に内蔵させてもよい。
【0077】
また、検出電極パターン11の電位を、第2固有周波数f2で振動させる電位振動手段は、上述の各実施の形態のタッチパネル1、30の手段に限らない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、操作者10の体内を通して指10aに表れる送信機40の出力信号を検出することから、操作者10の入力操作を検出する人体通信式タッチパネルに適している。
【符号の説明】
【0079】
1、20、30 人体通信式タッチパネル
4 基準電源回路
5 直流電源
7 振動電源回路
8、9 インダクタ(電位振動手段)
10 操作者
11 検出電極パターン
15、32 発振回路
16 PMU(第1信号検出手段、第2信号検出手段)
17、18 キャパシタ
21 復調回路(復調手段)
31 絶縁型DC−DCコンバータ(電位振動手段)
40 送信機
SG1 第1固有発振信号
SG2 第2固有発振信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁パネルの一面に互いに絶縁して配設される1又は2以上の検出電極パターンと、
操作者の周囲に配置され送信機から出力される固有周波数f1の第1固有発振信号を、各検出電極パターンから検出する第1信号検出手段とを備え、
第1信号検出手段がいずれか1又は2以上の検出電極パターンから第1固有発振信号を検出した際に、該検出電極パターンへの入力操作があったものとして、入力操作の検出を示す入力操作データを出力する人体通信式タッチパネルであって、
固有周波数f2の第2固有発振信号を出力する発振回路と、
第2固有発振信号により、各検出電極パターンの電位を固有周波数f2で振動させる電位振動手段と、
各検出電極パターンと電位が同期して変動し、各検出電極パターンとの相対電位が固有周波数f2で変動する第2固有発振信号を検出する第2信号検出手段を、更に備え、
第2信号検出手段がいずれか1又は2以上の検出電極パターンから第2固有発振信号を検出した際に、該検出電極パターンへの入力操作があったものとして、入力操作の検出を示す入力操作データを出力することを特徴とする人体通信式タッチパネル。
【請求項2】
送信機は、固有識別データで変調した変調信号を、固有周波数f2と同一周波数とした固有周波数f1の第1固有発振信号に含めて出力し、
第1信号検出手段は、第1固有発振信号に含まれる変調信号から固有識別データを復調する復調手段を有し、復調信号に固有識別データが含まれていることから第1固有発振信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の人体通信式タッチパネル。
【請求項3】
第1信号検出手段による第1固有発振信号の検出と、第2信号検出手段による第2固有発振信号の検出とを識別する識別データを入力操作データに含めて出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人体通信式タッチパネル。
【請求項4】
電位振動手段は、
定電位で、直流電源に接続する基準電源回路と、
固有周波数f2に対してハイインピーダンスとなるインダクタを介して基準電源回路に接続し、各検出電極パターンに接続する振動電源回路と、
振動電源回路に接続し、前記インダクタを介した直流電源の出力で駆動する発振回路と基準電源回路の間に配置されるキャパシタとからなり、
キャパシタを介して発振回路から基準電源回路へ出力する第2固有発振信号の固有周波数f2をインダクタとキャパシタが直列に接続される直列共振周波数の近傍とし、第2固有発振信号を増幅して各検出電極パターンの電位を振動させることを特徴とする請求項1に記載の人体通信式タッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−212247(P2012−212247A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76708(P2011−76708)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】