人工瓦粘土の製造方法
【課題】陶器瓦の製造には長期大量消費に耐え得る安定供給力と、可塑性・焼成結晶性・耐火性などに優れた瓦粘土類の開発が必要とされてきた。本発明は、石炭灰を新たな原料として人工瓦粘土へと容易に変換・生成できる課題を提供し、窯業原料の新しい資源として人工瓦粘製造方法が簡潔で実用化できる課題を提供する点にある。
【解決手段】陶器瓦主原料の可塑性原土に石炭灰を大量に増量添加・配合し、アルミニウム源としての高耐火・高熱量性質の天然カオリンの鉱物やシリカ源としての珪砂、その他の増量原料としての風化花崗岩・廃瓦シャモットなど化合物と相互の融合・溶融結晶力を高める新たな技法は、天然長石の鉱物を添加する新技術で調合し、これら化合物をスラリー状に液状化せず、粉砕機や土錬機などにおいて化合物全体を加湿後、常温常圧状態で撹拌して均質に混ぜ合わす、実用化方式の加湿混練処理する特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【解決手段】陶器瓦主原料の可塑性原土に石炭灰を大量に増量添加・配合し、アルミニウム源としての高耐火・高熱量性質の天然カオリンの鉱物やシリカ源としての珪砂、その他の増量原料としての風化花崗岩・廃瓦シャモットなど化合物と相互の融合・溶融結晶力を高める新たな技法は、天然長石の鉱物を添加する新技術で調合し、これら化合物をスラリー状に液状化せず、粉砕機や土錬機などにおいて化合物全体を加湿後、常温常圧状態で撹拌して均質に混ぜ合わす、実用化方式の加湿混練処理する特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は陶器瓦製造の人工瓦粘土製造方法の分野に属し、陶器瓦製造のため図7・11の石炭灰を増量材の原料として瓦一枚当たりが消費する天然の瓦原土(粘土)の使用量を減量化し、この陶器瓦製造に必要な人工瓦粘土を実用化して製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
陶器瓦業界は瓦の大量生産(全国の年間総生産量約15億枚)により、図10で示す天然の瓦原土(可塑性瓦粘土)の大量消費(全国の年間消費量約450万トン)が長年進む中、代替資源の研究開発がされてこなかった。このことは不安定な原料不足を引き起こす重大な問題で、陶器瓦製造業の根幹を揺るがす状況になっている。このような背景で、人工瓦粘土の製造方法の確立と実用化が強く望まれている。
【0003】
図11で示した石炭灰(フライアッシュ)は、本発明者住所近隣や全国の石炭火力発電所から毎年大量(2004年実績で約920万トン)の石炭灰が産業廃棄物として排出され、主として海岸や空き地に処分コストの伴う産業廃棄の埋め立て処分がされている現状にある。この処分方法に依存することは最終的に環境破壊を引き起こすことが懸念されている。そのため、例えば特許文献1のように、石炭灰をスラリー状に調整してから粘土製造に活用する技術も提案されている。
【特許文献1】特許第2519666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
陶器瓦製造のために、可塑性・成形性・焼成結晶性・融合溶融性・耐火性などの各性質に優れた天然の瓦原土(可塑性粘土)を主体土として大量消費してきた経緯から、代替の同類資源の発見が課題として求められたきた。又、瓦製造の要件には長期間の大量消費に耐え得る長期安定供給が可能な、前述の各性質を併せ持つ瓦粘土類の開発が必須とされてきたが、未だ商品化への開発には至らなかった。そして、上記の特許文献1に記載されている技術は、実験室段階での種々の活用試験に留まるもので量産化に至っていないものである。
【0005】
このような背景で発明者は、長期間・大量に安定供給が可能な上述の石炭灰を人工瓦粘土の新たな原料として活用することに着目し、消費実用化が可能で人工瓦粘土へと容易に変換・生成するための課題を解消することに創意工夫をなして本発明を完成した。又、陶器瓦の製造で石炭灰(フライアッシュ)を安定した窯業原料の有効資源として、実用消費できる人工瓦粘土に生成変換する新技術は、生成方法が簡潔で実効性、実用化が確立できる発明でなければならないものであるが、その点にも本発明の有効性が存在するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題解決のため第一に、陶器瓦の主原料である可塑性原土に増量剤の原料として、石炭灰を配合した生成前の化合物に必要に応じてアルミニウム源および、融合促進剤、結晶化促進剤を添加して均一化合さすため、化合物全体を常温常圧状態で均質・微細によく混ぜて練り合わす技術を採用した、加湿混練処理することを特徴とする陶器瓦製造のための瓦粘土を人工的に製造することができる。
【0007】
第二に、低耐火・低熱量の各性質を持つ、石炭灰を大量添加・化合して生じた化合生成物の耐火性・熱量性を向上さすため必要に応じアルミニウム源として、融点2050℃、沸点3000℃の特性を持ち図9で示す、アルミナ(Al2O3)やカオリナイト(Al2O3・2SiO2・2H2O)、ハロサイト(Al2O3・2SiO2・4H2O)を主成分とする天然カオリン鉱物を選択し、シリカ源として二酸化シリカSiO2の耐火性も選択する。又、それら粘土主成分を化合し、人工的に高耐火性・高熱量化を好適に向上させる特徴で、人工瓦粘土を製造することができる。
【0008】
又、その他のアルミニウム源としては、水酸化アルミニウム、可溶性アルミニウム塩、各種の水和アルミナなどの物質群から選択された耐火性向上のアルミニウム化合物とする。又、クリストバライト現象や冷め割れ、焼成物の炭化現象による異形・変形・クラックなどの不具合の原因は、アルミニウム源の不足で耐火性の低下・劣化から生じる現象であるので、本発明は図3・5にある該カオリンを添加して図9が示す、アルミナ(Al2O3)を増やして化合し、耐火性や熱量性を強化改質することで解決した。
【0009】
第三に弱い溶融結晶力の性質を持つ、石炭灰の溶融結晶力を向上さすためのシリカ源のケイ石や骨材併用の天然珪砂や風化花崗岩を必要に応じて選択し、二酸化シリカSiO2を鉱物群から化合し、焼成瓦の焼成強度を高める特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【0010】
ケイ酸原料としてのケイ石は、石英の単結晶から石英の集合体に至る。実用的には骨材に併用できるシリカ成分高純度の天然珪砂が好適である。
【0011】
第四に、弱い溶融結晶力の性質を持つ、石炭灰の溶融結晶力を向上さすために必要に応じて、天然長石の鉱物を選択し、可塑性原土と石炭灰の溶融・結合・結晶の融合力を高め、その他の添加物原料や骨材と相互の融合力を向上させて、焼成瓦の焼成強度を高める特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【0012】
したがって短時間の簡易工程で石炭灰を効率よく、混練粘土に溶解・溶融合・結合さすためには、必要に応じて長石という融合化促進剤を常用添加・混練するシステムを実用化開発する必要があった。又、長石には正長石(KAlSi3O8)、曹長石(NaAlSi3O8)、灰長石(CaAl2Si2O8)及び主要鉱物のバリウム長石(BaAl2Si2O8)があるが、長石質の砂礫を含め用途に応じて使用することで、人工瓦粘土製造方法を完成させた。
【0013】
第五に、可塑性原土に1重量部から90重量部の範囲で添加する石炭灰と必要に応じて、天然のカオリン、長石、珪砂、風化花崗岩などに廃瓦シャモットなど化合して人工瓦粘土を生成する技法は、これら化合物をスラリー状に液状化せず、粉砕機や土錬機などにおいて、化合物全体を常温常圧状態で均一に混ぜ合わす高精度技術を重要とした、実用化方式の加湿混練処理する特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【0014】
自然界において粘土鉱物は、カオリナイト質粘土が主体であり、含有アルミニウムケイ酸塩鉱風化作用が繰り返し、酸性熱水による熱水変質作用で溶解・溶脱作用・海底風化作用の影響を長期間うけて生成すると一般に考えられている。しかし、実用的な人工的製造方法としては短期間の簡易工程において、前記にある方法でそれら必要に応じた化合物同士を均一に混ぜ合わす技法を用いる必要がある。
【発明の効果】
【0015】
陶器瓦の主原料となる瓦原土は近年枯渇傾向にありながら、その枯渇対策や研究開発は見過ごされてきた。この石炭灰を利用した陶器瓦製造のための人工瓦粘土を生成する技術の開発について、工場での量産を可能にする製品化に繋がるような確立した事例は過去に存在しない。又、平成3年に施行された再生資源の利用の促進に関する法律では、火力発電所から多量に排出される石炭灰が指定副産物に指定され、再生資源として利用拡大を計ることが定められた経緯もあり、石炭を使用した火力発電所から排出される石炭灰(フライアッシュ)は、実験室段階での種々の活用試験が試みられているが量産化に至っていない現状にあり、本発明の方法を採用すれば陶器瓦製造のための有効な安定供給資源として活用でき、陶器瓦業界の背景にある天然瓦原土の過剰消費問題は解決する。
【0016】
更に、本発明は産業廃棄物の石炭灰を有効な陶器瓦粘土の安定原料して、人工瓦粘土へ高効率に簡易変換することが可能であること。又、石炭灰の人工瓦粘土への変換において、必要に応じたアルミニウム源の他に少量の融合・熔融促進剤とシリカ源の結晶化促進剤を添加して前記特許文献1に開示されるスラリー状のように液状化せず、常温、常圧条件での撹拌・加湿混練処理することで、常温での人工瓦粘土の製造が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図11で示した石炭灰の粒度分布は、5μm〜50μmを主体として、2μm〜150μmの範囲の粒度分布測定範囲の粒径・粒子を有する二酸化シリカSiO2や酸化アルミナAl2O3を主成分とする微粒子体である。火力発電所で使用する原料炭の殆んどは外国から輸入しており、その産地や燃焼条件などの理由でその成分は種々異なる。石炭灰に含有するシリカとアルミナの重量比(Al2O3:SiO2)は約25%:75%〜約30%:70%の範囲で、微少量の鉄、マグネシウム、カルシウムの他に超微量の酸化チタン・酸化亜鉛など数種の重金属を含有し、未燃炭素が2〜3%微少に残留しているので灰色に着色している。又、石炭灰は粘性や可塑性は全く無く、極めて成型性に乏しい。又、焼成結晶力が弱く、焼成物に必要な強度性や耐火性・要熱量不足が懸念される。
【0018】
新しい技術1の実施例として、生成される人工瓦粘土の可塑性・成形性を求めるため、瓦原土と石炭灰を1重量部〜90重量部の範囲で対比配合した化合物は、瓦原土本来の粘性・可塑性・焼成強度の性質を活用する。又、使用する瓦原土は写図10で示す、カオリナイト粘土質・モンモリナイト粘土質の六角形層状をした、超微細粒の砕屑性堆積物の粒径が2μm以下で粒度分布量が20%以上の範囲とし、40%前後の粒度分布量の粘土を好適とした。
【0019】
新しい技術2の実施例とする石炭灰の配合比について、人工瓦粘土の可塑性・成形性を求めるため、瓦原土(粘土)石炭灰の配合比は用途ごとに1重量部〜90重量部範囲での対比配合とし、該瓦原土(粘土):石炭灰の配合比率は30:70〜40:60重量部範囲の対比配合を好適とする。
【0020】
新しい技術3の実施例とする天然カオリンの配合比について、石炭灰の耐火度は、第一種ゼーゲルコーンによる焼成温度測定方法でSK14番±の範囲であるので、その耐火度は低く焼成に重要な熱量が非常に乏しい。このため図9で示す、融点が2050℃、沸点が3000℃のアルミナを添加することが必須であるが、必要が生じた場合代替策として図3・5が示す天然カオリンの添加を1重量部〜20重量部の範囲とし、好適には5重量部〜8重量部の範囲で添加して、必要に応じたその耐火性不足を補う。天然カオリンの耐火度は第二種ゼーゲルコーン測定方法によるSK33番〜SK36番の範囲を好適とする。又、使用するカオリンはカオリン鉱床のうち、カオリナイトとハロサイトを主成分とする。その他のアルミナ源として、風化花崗岩の添加効果もあることが確認された。
【0021】
新しい技術4の実施例とする石炭灰の焼成結晶力や焼成強度向上のため、図6で示す天然長石を1重量部〜20重量部の範囲で瓦原土と石炭灰の化合物に必要に応じて添加する。好適に8重量部を添加することにより、瓦粘土と珪砂・風化花崗岩・廃瓦シャモットなど化合物と石炭灰(フライアッシュ)それぞれを溶解・接着を促進させ、長石の特性による相互溶解性で焼成物の硬度・強度の向上を確認した。
【0022】
新しい技術5の実施例とするシリカ源としてのケイ石の代替策として図2で示す天然珪砂を1重量部〜25重量部範囲で必要に応じて添加し、好適には10重量部とした。又珪砂のシリカ分純度は90%以上を好適とした。又、その効果は骨材としての効果も確認し、その他のシリカ源として、風化花崗岩の添加による一部効果も確認した。
【0023】
新しい技術6の実施例とするその他の配合材として、廃瓦を微粉砕したシャモットを増量・配合材として1重量部〜20重量部の範囲とし、好適には10重量部とした。その効果は骨材の用途効果も確認した。その他用途として、廃棄瓦の廃棄物処分について環境・資源の分野での循環性のある消費実用化も確立できることが確認された。
【0024】
新しい技術7の実施例とする新たに生成される人工瓦粘土は、原料である可塑性原土、石炭灰、カオリン、長石、珪砂、風化花崗岩、廃瓦シャモットなどを適量に配合して加水・加湿後、粉砕機や土錬機で均質・微細によく混ぜて練り合わす撹拌混練技術を実施する。それら化合物の混練を均一化するために混練時間は1立方メートルあたり30分〜60分の範囲を基準として実施する。カオリンを構成するカオリナイト(Al2O3・2SiO2・2H2O)合成の水熱反応は、反応別に分類化され、反応温度など所定の設定条件によって、結晶化に要する反応時間は個々に変化を示し異なる。使用する石炭灰フライアッシュは、図11で示す数μmの粒径粒子を中心とする微細球状粒子のシリカアルミナであり、石英と少量ムライトの存在が確認される。又、カオリンを構成するハロサイト(Al2O3・2SiO2・4H2O)は100℃〜200℃で吸熱ピークを示し、500℃〜600℃で吸熱反応と900℃〜1150℃の発熱反応はカオリナイトと本質的に変わりがない。
【実施例】
【0025】
本発明については一実施例を添付図で参照とし、以下の図1のとおりに説明する。又、図1については製造工程のフロー図を示す。ここで符号1は可塑性原土、符号2が増量材原料(石炭灰)、符号3が添加アルミニウム源(カオリン)、符号4が溶融促進剤(長石)、符号5がシリカ源の結晶促進剤(ケイ石・珪砂)、符号6が風化花崗岩、符号7が廃瓦シャモット、符号8が加湿(加水)工程、符号9が撹拌・加湿混練工程、符号10が生成の人工瓦粘土である。図示のとおり可塑性原土に増量剤の原料として、石炭灰を大量配合した生成前の化合物にアルミニウム源および、結晶化促進剤を均一添加化合さすため、微細に練り合す技術で加湿混練処理して人工瓦粘土を生成する各工程を包含するものである。
【0026】
本発明の人工瓦粘土の製造において、図7で示す試料5の石炭灰フライアッシュが人工瓦粘土の生成変換に及ぼす、耐火性・溶融性・融合性・結晶性を高めるための天然カオリン鉱物(サンプル3)、天然長石鉱物(試料3)、天然珪砂(資料2)の各促進剤の効果を図4に示す。ここでの実施例比較は各促進剤の添加配合量の製造条件を違えて、人工瓦粘土の生成を確認したものであり、試料毎に図中に示した比較例1、2、3と実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である。つまり、比較例1は、可塑性原土と石炭灰だけの単純化合物に各促進剤を配合しないで混練した結果、石炭灰の添加量を10重量部未満の範囲では生成の確認ができた。比較例2は、石炭灰の添加量を10重量部〜30重量部未満の範囲した、可塑性原土と石炭灰だけの単純化合物にアルミニウム源としての天然カオリンを化合しないで、天然長石と珪砂を添加化合したが生成を確認できなかった。比較例3は、実施例2の単純化合物に溶融融合剤の天然長石、シリカ源として珪砂の他、アルミニウム源として天然カオリンを添加化合してその生成を確認した。
【0027】
実施例1〜10の説明について、図7で示す試料5の石炭灰の耐火性向上促進剤として、石炭灰に対して図3・5が示す、5%のサンプル3の天然カオリン(実施例1〜5)、同じく7%の天然カオリン(実施例6〜10)、図6が示す8%の試料3の天然長石(実施例1〜10)、図2が示す10%の天然珪砂をそれぞれ添加し、上記比較例と同様に表中に示したとおり、実施例10を除いて人工瓦粘土の生成が認められる。したがって、ここでは人工的に瓦粘土の生成が可能であることが注目される。
【0028】
実施例1〜9は、該カオリンの耐火性、該長石・該珪砂の融合結晶性など促進剤の各添加配合量を変化させて実施し、人工瓦粘土の生成確認とその効果を表わしたものであるが、実施例10は、生成物に可塑性がないため成形性に難点があるとして、瓦工場での人工的に製造する瓦粘土として陶器瓦製造のために使用することは不適合なものと確認された。又、実施例1について石炭灰配合量の量的合否は、混練相手方となる瓦原土生地土の品質性の良し悪しによって左右されるので、例えば耐火度がSK18番以下の瓦原土の生地土の場合、石炭灰配合量の許容範囲は10重量部未満となり、耐火度がSK18番以上の瓦原土の生地土の場合は、石炭灰配合量の許容範囲は10重量部〜20重量部以内が考えられるが、現実には非常に流動的で不確実性な事例といえる。したがって、この場合必要に応じて、天然カオリン鉱物、天然長石鉱物、天然ケイ石・珪砂を添加化合して使用する場合、使用する瓦原土の生地土に合わせた調合をすれば、本発明の技術を活用した人工瓦粘土を量産することができる。尚、加湿混練処理時間は化合物量が0.1立方メートル以下で何れも30分以内とした。
【0029】
比較例1、2、3にある試料5の石炭灰の含有成分量を図7で示す。試料5の蛍光X線による定性分析は、試料を秤量瓶に入れ105℃±5℃で12時間以上乾燥後、デシケーター中で放冷した。この乾燥物を磁製るつぼ中でこの焼成物及び、その10倍量の四ホウ酸リチウムを白金(Pt)95%+金(Au)5%合金この乾燥皿に入れ1200℃で溶融してガラスビードを作製し、理学電気(株)製の蛍光X線定性分析装置SYSTEM3270Eで分析した。以上の分析結果から石炭灰が人工瓦粘土生成の好適な増量材原料の条件を満たしていることが確認される。
【0030】
比較例1、2、3にある試料3の長石の含有成分量を図6で示す。試料3を秤量瓶に入れ105℃±5℃で12時間以上で乾燥後、デシケーター中で放冷した。この乾燥物を磁製るつぼ中で1050℃2時間焼成した。この焼成物及び、その10倍量の四ホウ酸リチウムを白金(Pt)95%+金(Au)5%合金皿に入れ1200℃で溶融してガラスビードを作製し、理学電気(株)製の蛍光X線定性分析装置SYSTEM3270Eで分析した。以上の分析結果から長石は、結晶促進剤として好適な原料としての条件を満たしていることが確認される。
【0031】
比較例3にあるカオリン(サンプル3)の含有成分量を図5で示す。サンプル3を約10g分取しタングステンカーバイト製容器に入れ、振動ミルで1次粉砕した。この粉砕物を秤量瓶に入れ、105℃±5℃で12時間以上乾燥後デシケータ中で放冷し、この乾燥を磁製るつぼに精秤し1050℃2時間焼成した。焼成物をメノウ乳鉢で粉砕、乾燥後、10倍量の四ホウ酸リチウムを溶剤とし、ガラスビードを作製した。ガラスビードは蛍光X線分析装置で分析した。図3はサンプル3の熱膨張試験を示し、その平均線熱膨張係数(室温〜500℃)は3.92×10−6乗である原料とし、以上の分析結果からアルミニウム源としてカオリンは、耐火性熱量向上の促進剤として好適な全ての条件を満たしていることが確認される。
【0032】
比較例3の効果を確認するため図8で示す。試料4(生成物)の蛍光X線による定性分析は、生成物試料をタングステンカーバイド(WC)製容器に入れ、振動ミルにより微粉砕した。この微粉砕物を105℃〜110℃で乾燥放冷後、磁製るつぼに精秤し、電気炉1050℃で加熱し、強熱減量を確認した。強熱後の試料を用い10倍量の四ホウ酸リチウムを融剤とし、白金(Pt)95%+金(Au)5%合金皿に入れ1200℃で溶融して作製したガラスビードを分析した。以上の分析結果から生成物は、図8で示すように耐火性熱量向上の促進剤の好適な条件を満たしていることが確認される。
【0033】
上記実施例3で得られた人工瓦粘土の生成物の蛍光X線定性分析では、実施例の図8が示すとおり、耐火性の酸化アルミナAl2O3の含有値は20wt%、耐火性・結晶性を示す二酸化シリカSiO2の含有値は67wt%であった。
【0034】
又、耐火度検査においてはSK20番を測定し、焼生物が赤くなる原因の酸化鉄FeOの含有は1.9wt%の測定値を示し、焼成色は薄いベージュ色となり、好適な瓦焼成色を示した。
その他の含有物は図8のとおりである。
【0035】
粒度分布測定においては、2μm〜5μmのシルト類は15%を測定し、カオリナイト粘土質やモンモリナイト粘土質の図10が示す六角形層状をした2μm以下の超微細粒の砕屑性堆積物の粒度分布測定値は37%を示した。この数値は高耐火性と高可塑性・高成形性をうらずけるものである。
【0036】
生成物の焼成試験は、室温〜200℃まで2時間、200℃〜500℃まで3時間、500℃〜1000℃まで5時間、1000℃〜1200℃まで2時間30分で焼成した。尚、測定方法は16KWシリコニット電気炉で焼成したもので、焼成物の結晶性は1200℃で焼成される陶器瓦の要素を十分満たしていることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0037】
このようにして本発明の方法による石炭灰フライアッシュの配合によって生成された人工瓦粘土は、可塑性・成形性・耐火性・結晶性・熔融性などの改質促進、およびその他配合材の化合・均一撹拌・混練工程などは、粉砕機・土錬機などの調整具合により、好適で実用的な品質管理が可能で、信頼性の高い良質な人口粘土に転換して製造することができる。さらに、本発明はスラリー状に液状化しないため、前記特許文献1のようなオートクレープ処理などの加圧しながら加熱する複雑工程を省略するので、大規模生産プロセスの迅速な実用化が適用できる。
【0038】
更に、本発明が現状で難解とされている資源枯渇課題を解決することを可能とし、火力発電所から年間に約920万トンの大量排出される、石炭灰の産業廃棄物をリサイクルの循環資源として再利用し実用化することは、環境破壊の防止に役立ち、陶器瓦一枚当たりの製造に要する天然の可塑性瓦原土(粘土)の消費量を本格的に減量化することでき、瓦の軽量化にもつながる。又、原料供給の安定化とリサイクル循環システムによる陶器瓦製造方法を構築することになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例である製造工程を示す生成フロー図である。
【図2】比較例3と実施例で添加したシリカ源(珪砂)の蛍光X線回折図である。
【図3】比較例3と実施例で添加したアルミウム源(カオリン)の差熱重量分析曲線を示す説明図である。
【図4】例示する比較例1〜3と実施例1〜10を示す、図表である。
【図5】例示するアルミニウム源として、比較例3と各実施例でサンプル3として使用した天然カオリンの蛍光X線による定性分析試験成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図6】例示する融合・熔融・結晶促進剤として比較例2、3と各実施例に試料3として使用した天然長石の蛍光X線による定性分析試験成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図7】例示する増量材原料として比較例と各実施例に使用した試料5石炭灰の蛍光X線による定性分析試験成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図8】例示する比較例3と各実施例から生成された試料4の人工瓦粘土の蛍光X線による定性分析成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図9】例示する耐火性向上のため、アルミニウム源の代替策としてのアルミナAl2O3(酸化アルミニウム)の粉末を2万倍に拡大した電子顕微鏡写真
【図10】例示する石炭灰を混合する相手方の可塑性原土を1万倍に拡大した、カオリナイト粘土質・モンモリナイト粘土質の六角形層状をした、粒径が2μm以下の超微細粒の砕屑性堆積物の電子顕微鏡写真
【図11】例示するフライアッシュの球形微細粒子を表す5000倍拡大の電子顕微鏡写真
【符号の説明】
【0040】
1 瓦原土(可塑性粘土)
2 増量原料(石炭灰フライアッシュ)
3 アルミニウム源(耐火性向上剤として天然カオリン鉱物の粉砕物)
4 融合溶融促進剤(天然長石鉱物の粉砕物)
5 シリカ源(結晶促進剤・骨材として天然ケイ石の粉砕物・天然珪砂)
6 風化花崗岩の粉砕物
7 廃瓦粉砕物のシャモット
8 加水処理
9 粉砕機・土錬機で加湿混練処理
10 生成(陶器瓦製造粘土)
【技術分野】
【0001】
本発明は陶器瓦製造の人工瓦粘土製造方法の分野に属し、陶器瓦製造のため図7・11の石炭灰を増量材の原料として瓦一枚当たりが消費する天然の瓦原土(粘土)の使用量を減量化し、この陶器瓦製造に必要な人工瓦粘土を実用化して製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
陶器瓦業界は瓦の大量生産(全国の年間総生産量約15億枚)により、図10で示す天然の瓦原土(可塑性瓦粘土)の大量消費(全国の年間消費量約450万トン)が長年進む中、代替資源の研究開発がされてこなかった。このことは不安定な原料不足を引き起こす重大な問題で、陶器瓦製造業の根幹を揺るがす状況になっている。このような背景で、人工瓦粘土の製造方法の確立と実用化が強く望まれている。
【0003】
図11で示した石炭灰(フライアッシュ)は、本発明者住所近隣や全国の石炭火力発電所から毎年大量(2004年実績で約920万トン)の石炭灰が産業廃棄物として排出され、主として海岸や空き地に処分コストの伴う産業廃棄の埋め立て処分がされている現状にある。この処分方法に依存することは最終的に環境破壊を引き起こすことが懸念されている。そのため、例えば特許文献1のように、石炭灰をスラリー状に調整してから粘土製造に活用する技術も提案されている。
【特許文献1】特許第2519666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
陶器瓦製造のために、可塑性・成形性・焼成結晶性・融合溶融性・耐火性などの各性質に優れた天然の瓦原土(可塑性粘土)を主体土として大量消費してきた経緯から、代替の同類資源の発見が課題として求められたきた。又、瓦製造の要件には長期間の大量消費に耐え得る長期安定供給が可能な、前述の各性質を併せ持つ瓦粘土類の開発が必須とされてきたが、未だ商品化への開発には至らなかった。そして、上記の特許文献1に記載されている技術は、実験室段階での種々の活用試験に留まるもので量産化に至っていないものである。
【0005】
このような背景で発明者は、長期間・大量に安定供給が可能な上述の石炭灰を人工瓦粘土の新たな原料として活用することに着目し、消費実用化が可能で人工瓦粘土へと容易に変換・生成するための課題を解消することに創意工夫をなして本発明を完成した。又、陶器瓦の製造で石炭灰(フライアッシュ)を安定した窯業原料の有効資源として、実用消費できる人工瓦粘土に生成変換する新技術は、生成方法が簡潔で実効性、実用化が確立できる発明でなければならないものであるが、その点にも本発明の有効性が存在するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題解決のため第一に、陶器瓦の主原料である可塑性原土に増量剤の原料として、石炭灰を配合した生成前の化合物に必要に応じてアルミニウム源および、融合促進剤、結晶化促進剤を添加して均一化合さすため、化合物全体を常温常圧状態で均質・微細によく混ぜて練り合わす技術を採用した、加湿混練処理することを特徴とする陶器瓦製造のための瓦粘土を人工的に製造することができる。
【0007】
第二に、低耐火・低熱量の各性質を持つ、石炭灰を大量添加・化合して生じた化合生成物の耐火性・熱量性を向上さすため必要に応じアルミニウム源として、融点2050℃、沸点3000℃の特性を持ち図9で示す、アルミナ(Al2O3)やカオリナイト(Al2O3・2SiO2・2H2O)、ハロサイト(Al2O3・2SiO2・4H2O)を主成分とする天然カオリン鉱物を選択し、シリカ源として二酸化シリカSiO2の耐火性も選択する。又、それら粘土主成分を化合し、人工的に高耐火性・高熱量化を好適に向上させる特徴で、人工瓦粘土を製造することができる。
【0008】
又、その他のアルミニウム源としては、水酸化アルミニウム、可溶性アルミニウム塩、各種の水和アルミナなどの物質群から選択された耐火性向上のアルミニウム化合物とする。又、クリストバライト現象や冷め割れ、焼成物の炭化現象による異形・変形・クラックなどの不具合の原因は、アルミニウム源の不足で耐火性の低下・劣化から生じる現象であるので、本発明は図3・5にある該カオリンを添加して図9が示す、アルミナ(Al2O3)を増やして化合し、耐火性や熱量性を強化改質することで解決した。
【0009】
第三に弱い溶融結晶力の性質を持つ、石炭灰の溶融結晶力を向上さすためのシリカ源のケイ石や骨材併用の天然珪砂や風化花崗岩を必要に応じて選択し、二酸化シリカSiO2を鉱物群から化合し、焼成瓦の焼成強度を高める特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【0010】
ケイ酸原料としてのケイ石は、石英の単結晶から石英の集合体に至る。実用的には骨材に併用できるシリカ成分高純度の天然珪砂が好適である。
【0011】
第四に、弱い溶融結晶力の性質を持つ、石炭灰の溶融結晶力を向上さすために必要に応じて、天然長石の鉱物を選択し、可塑性原土と石炭灰の溶融・結合・結晶の融合力を高め、その他の添加物原料や骨材と相互の融合力を向上させて、焼成瓦の焼成強度を高める特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【0012】
したがって短時間の簡易工程で石炭灰を効率よく、混練粘土に溶解・溶融合・結合さすためには、必要に応じて長石という融合化促進剤を常用添加・混練するシステムを実用化開発する必要があった。又、長石には正長石(KAlSi3O8)、曹長石(NaAlSi3O8)、灰長石(CaAl2Si2O8)及び主要鉱物のバリウム長石(BaAl2Si2O8)があるが、長石質の砂礫を含め用途に応じて使用することで、人工瓦粘土製造方法を完成させた。
【0013】
第五に、可塑性原土に1重量部から90重量部の範囲で添加する石炭灰と必要に応じて、天然のカオリン、長石、珪砂、風化花崗岩などに廃瓦シャモットなど化合して人工瓦粘土を生成する技法は、これら化合物をスラリー状に液状化せず、粉砕機や土錬機などにおいて、化合物全体を常温常圧状態で均一に混ぜ合わす高精度技術を重要とした、実用化方式の加湿混練処理する特徴で人工瓦粘土を製造することができる。
【0014】
自然界において粘土鉱物は、カオリナイト質粘土が主体であり、含有アルミニウムケイ酸塩鉱風化作用が繰り返し、酸性熱水による熱水変質作用で溶解・溶脱作用・海底風化作用の影響を長期間うけて生成すると一般に考えられている。しかし、実用的な人工的製造方法としては短期間の簡易工程において、前記にある方法でそれら必要に応じた化合物同士を均一に混ぜ合わす技法を用いる必要がある。
【発明の効果】
【0015】
陶器瓦の主原料となる瓦原土は近年枯渇傾向にありながら、その枯渇対策や研究開発は見過ごされてきた。この石炭灰を利用した陶器瓦製造のための人工瓦粘土を生成する技術の開発について、工場での量産を可能にする製品化に繋がるような確立した事例は過去に存在しない。又、平成3年に施行された再生資源の利用の促進に関する法律では、火力発電所から多量に排出される石炭灰が指定副産物に指定され、再生資源として利用拡大を計ることが定められた経緯もあり、石炭を使用した火力発電所から排出される石炭灰(フライアッシュ)は、実験室段階での種々の活用試験が試みられているが量産化に至っていない現状にあり、本発明の方法を採用すれば陶器瓦製造のための有効な安定供給資源として活用でき、陶器瓦業界の背景にある天然瓦原土の過剰消費問題は解決する。
【0016】
更に、本発明は産業廃棄物の石炭灰を有効な陶器瓦粘土の安定原料して、人工瓦粘土へ高効率に簡易変換することが可能であること。又、石炭灰の人工瓦粘土への変換において、必要に応じたアルミニウム源の他に少量の融合・熔融促進剤とシリカ源の結晶化促進剤を添加して前記特許文献1に開示されるスラリー状のように液状化せず、常温、常圧条件での撹拌・加湿混練処理することで、常温での人工瓦粘土の製造が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図11で示した石炭灰の粒度分布は、5μm〜50μmを主体として、2μm〜150μmの範囲の粒度分布測定範囲の粒径・粒子を有する二酸化シリカSiO2や酸化アルミナAl2O3を主成分とする微粒子体である。火力発電所で使用する原料炭の殆んどは外国から輸入しており、その産地や燃焼条件などの理由でその成分は種々異なる。石炭灰に含有するシリカとアルミナの重量比(Al2O3:SiO2)は約25%:75%〜約30%:70%の範囲で、微少量の鉄、マグネシウム、カルシウムの他に超微量の酸化チタン・酸化亜鉛など数種の重金属を含有し、未燃炭素が2〜3%微少に残留しているので灰色に着色している。又、石炭灰は粘性や可塑性は全く無く、極めて成型性に乏しい。又、焼成結晶力が弱く、焼成物に必要な強度性や耐火性・要熱量不足が懸念される。
【0018】
新しい技術1の実施例として、生成される人工瓦粘土の可塑性・成形性を求めるため、瓦原土と石炭灰を1重量部〜90重量部の範囲で対比配合した化合物は、瓦原土本来の粘性・可塑性・焼成強度の性質を活用する。又、使用する瓦原土は写図10で示す、カオリナイト粘土質・モンモリナイト粘土質の六角形層状をした、超微細粒の砕屑性堆積物の粒径が2μm以下で粒度分布量が20%以上の範囲とし、40%前後の粒度分布量の粘土を好適とした。
【0019】
新しい技術2の実施例とする石炭灰の配合比について、人工瓦粘土の可塑性・成形性を求めるため、瓦原土(粘土)石炭灰の配合比は用途ごとに1重量部〜90重量部範囲での対比配合とし、該瓦原土(粘土):石炭灰の配合比率は30:70〜40:60重量部範囲の対比配合を好適とする。
【0020】
新しい技術3の実施例とする天然カオリンの配合比について、石炭灰の耐火度は、第一種ゼーゲルコーンによる焼成温度測定方法でSK14番±の範囲であるので、その耐火度は低く焼成に重要な熱量が非常に乏しい。このため図9で示す、融点が2050℃、沸点が3000℃のアルミナを添加することが必須であるが、必要が生じた場合代替策として図3・5が示す天然カオリンの添加を1重量部〜20重量部の範囲とし、好適には5重量部〜8重量部の範囲で添加して、必要に応じたその耐火性不足を補う。天然カオリンの耐火度は第二種ゼーゲルコーン測定方法によるSK33番〜SK36番の範囲を好適とする。又、使用するカオリンはカオリン鉱床のうち、カオリナイトとハロサイトを主成分とする。その他のアルミナ源として、風化花崗岩の添加効果もあることが確認された。
【0021】
新しい技術4の実施例とする石炭灰の焼成結晶力や焼成強度向上のため、図6で示す天然長石を1重量部〜20重量部の範囲で瓦原土と石炭灰の化合物に必要に応じて添加する。好適に8重量部を添加することにより、瓦粘土と珪砂・風化花崗岩・廃瓦シャモットなど化合物と石炭灰(フライアッシュ)それぞれを溶解・接着を促進させ、長石の特性による相互溶解性で焼成物の硬度・強度の向上を確認した。
【0022】
新しい技術5の実施例とするシリカ源としてのケイ石の代替策として図2で示す天然珪砂を1重量部〜25重量部範囲で必要に応じて添加し、好適には10重量部とした。又珪砂のシリカ分純度は90%以上を好適とした。又、その効果は骨材としての効果も確認し、その他のシリカ源として、風化花崗岩の添加による一部効果も確認した。
【0023】
新しい技術6の実施例とするその他の配合材として、廃瓦を微粉砕したシャモットを増量・配合材として1重量部〜20重量部の範囲とし、好適には10重量部とした。その効果は骨材の用途効果も確認した。その他用途として、廃棄瓦の廃棄物処分について環境・資源の分野での循環性のある消費実用化も確立できることが確認された。
【0024】
新しい技術7の実施例とする新たに生成される人工瓦粘土は、原料である可塑性原土、石炭灰、カオリン、長石、珪砂、風化花崗岩、廃瓦シャモットなどを適量に配合して加水・加湿後、粉砕機や土錬機で均質・微細によく混ぜて練り合わす撹拌混練技術を実施する。それら化合物の混練を均一化するために混練時間は1立方メートルあたり30分〜60分の範囲を基準として実施する。カオリンを構成するカオリナイト(Al2O3・2SiO2・2H2O)合成の水熱反応は、反応別に分類化され、反応温度など所定の設定条件によって、結晶化に要する反応時間は個々に変化を示し異なる。使用する石炭灰フライアッシュは、図11で示す数μmの粒径粒子を中心とする微細球状粒子のシリカアルミナであり、石英と少量ムライトの存在が確認される。又、カオリンを構成するハロサイト(Al2O3・2SiO2・4H2O)は100℃〜200℃で吸熱ピークを示し、500℃〜600℃で吸熱反応と900℃〜1150℃の発熱反応はカオリナイトと本質的に変わりがない。
【実施例】
【0025】
本発明については一実施例を添付図で参照とし、以下の図1のとおりに説明する。又、図1については製造工程のフロー図を示す。ここで符号1は可塑性原土、符号2が増量材原料(石炭灰)、符号3が添加アルミニウム源(カオリン)、符号4が溶融促進剤(長石)、符号5がシリカ源の結晶促進剤(ケイ石・珪砂)、符号6が風化花崗岩、符号7が廃瓦シャモット、符号8が加湿(加水)工程、符号9が撹拌・加湿混練工程、符号10が生成の人工瓦粘土である。図示のとおり可塑性原土に増量剤の原料として、石炭灰を大量配合した生成前の化合物にアルミニウム源および、結晶化促進剤を均一添加化合さすため、微細に練り合す技術で加湿混練処理して人工瓦粘土を生成する各工程を包含するものである。
【0026】
本発明の人工瓦粘土の製造において、図7で示す試料5の石炭灰フライアッシュが人工瓦粘土の生成変換に及ぼす、耐火性・溶融性・融合性・結晶性を高めるための天然カオリン鉱物(サンプル3)、天然長石鉱物(試料3)、天然珪砂(資料2)の各促進剤の効果を図4に示す。ここでの実施例比較は各促進剤の添加配合量の製造条件を違えて、人工瓦粘土の生成を確認したものであり、試料毎に図中に示した比較例1、2、3と実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である。つまり、比較例1は、可塑性原土と石炭灰だけの単純化合物に各促進剤を配合しないで混練した結果、石炭灰の添加量を10重量部未満の範囲では生成の確認ができた。比較例2は、石炭灰の添加量を10重量部〜30重量部未満の範囲した、可塑性原土と石炭灰だけの単純化合物にアルミニウム源としての天然カオリンを化合しないで、天然長石と珪砂を添加化合したが生成を確認できなかった。比較例3は、実施例2の単純化合物に溶融融合剤の天然長石、シリカ源として珪砂の他、アルミニウム源として天然カオリンを添加化合してその生成を確認した。
【0027】
実施例1〜10の説明について、図7で示す試料5の石炭灰の耐火性向上促進剤として、石炭灰に対して図3・5が示す、5%のサンプル3の天然カオリン(実施例1〜5)、同じく7%の天然カオリン(実施例6〜10)、図6が示す8%の試料3の天然長石(実施例1〜10)、図2が示す10%の天然珪砂をそれぞれ添加し、上記比較例と同様に表中に示したとおり、実施例10を除いて人工瓦粘土の生成が認められる。したがって、ここでは人工的に瓦粘土の生成が可能であることが注目される。
【0028】
実施例1〜9は、該カオリンの耐火性、該長石・該珪砂の融合結晶性など促進剤の各添加配合量を変化させて実施し、人工瓦粘土の生成確認とその効果を表わしたものであるが、実施例10は、生成物に可塑性がないため成形性に難点があるとして、瓦工場での人工的に製造する瓦粘土として陶器瓦製造のために使用することは不適合なものと確認された。又、実施例1について石炭灰配合量の量的合否は、混練相手方となる瓦原土生地土の品質性の良し悪しによって左右されるので、例えば耐火度がSK18番以下の瓦原土の生地土の場合、石炭灰配合量の許容範囲は10重量部未満となり、耐火度がSK18番以上の瓦原土の生地土の場合は、石炭灰配合量の許容範囲は10重量部〜20重量部以内が考えられるが、現実には非常に流動的で不確実性な事例といえる。したがって、この場合必要に応じて、天然カオリン鉱物、天然長石鉱物、天然ケイ石・珪砂を添加化合して使用する場合、使用する瓦原土の生地土に合わせた調合をすれば、本発明の技術を活用した人工瓦粘土を量産することができる。尚、加湿混練処理時間は化合物量が0.1立方メートル以下で何れも30分以内とした。
【0029】
比較例1、2、3にある試料5の石炭灰の含有成分量を図7で示す。試料5の蛍光X線による定性分析は、試料を秤量瓶に入れ105℃±5℃で12時間以上乾燥後、デシケーター中で放冷した。この乾燥物を磁製るつぼ中でこの焼成物及び、その10倍量の四ホウ酸リチウムを白金(Pt)95%+金(Au)5%合金この乾燥皿に入れ1200℃で溶融してガラスビードを作製し、理学電気(株)製の蛍光X線定性分析装置SYSTEM3270Eで分析した。以上の分析結果から石炭灰が人工瓦粘土生成の好適な増量材原料の条件を満たしていることが確認される。
【0030】
比較例1、2、3にある試料3の長石の含有成分量を図6で示す。試料3を秤量瓶に入れ105℃±5℃で12時間以上で乾燥後、デシケーター中で放冷した。この乾燥物を磁製るつぼ中で1050℃2時間焼成した。この焼成物及び、その10倍量の四ホウ酸リチウムを白金(Pt)95%+金(Au)5%合金皿に入れ1200℃で溶融してガラスビードを作製し、理学電気(株)製の蛍光X線定性分析装置SYSTEM3270Eで分析した。以上の分析結果から長石は、結晶促進剤として好適な原料としての条件を満たしていることが確認される。
【0031】
比較例3にあるカオリン(サンプル3)の含有成分量を図5で示す。サンプル3を約10g分取しタングステンカーバイト製容器に入れ、振動ミルで1次粉砕した。この粉砕物を秤量瓶に入れ、105℃±5℃で12時間以上乾燥後デシケータ中で放冷し、この乾燥を磁製るつぼに精秤し1050℃2時間焼成した。焼成物をメノウ乳鉢で粉砕、乾燥後、10倍量の四ホウ酸リチウムを溶剤とし、ガラスビードを作製した。ガラスビードは蛍光X線分析装置で分析した。図3はサンプル3の熱膨張試験を示し、その平均線熱膨張係数(室温〜500℃)は3.92×10−6乗である原料とし、以上の分析結果からアルミニウム源としてカオリンは、耐火性熱量向上の促進剤として好適な全ての条件を満たしていることが確認される。
【0032】
比較例3の効果を確認するため図8で示す。試料4(生成物)の蛍光X線による定性分析は、生成物試料をタングステンカーバイド(WC)製容器に入れ、振動ミルにより微粉砕した。この微粉砕物を105℃〜110℃で乾燥放冷後、磁製るつぼに精秤し、電気炉1050℃で加熱し、強熱減量を確認した。強熱後の試料を用い10倍量の四ホウ酸リチウムを融剤とし、白金(Pt)95%+金(Au)5%合金皿に入れ1200℃で溶融して作製したガラスビードを分析した。以上の分析結果から生成物は、図8で示すように耐火性熱量向上の促進剤の好適な条件を満たしていることが確認される。
【0033】
上記実施例3で得られた人工瓦粘土の生成物の蛍光X線定性分析では、実施例の図8が示すとおり、耐火性の酸化アルミナAl2O3の含有値は20wt%、耐火性・結晶性を示す二酸化シリカSiO2の含有値は67wt%であった。
【0034】
又、耐火度検査においてはSK20番を測定し、焼生物が赤くなる原因の酸化鉄FeOの含有は1.9wt%の測定値を示し、焼成色は薄いベージュ色となり、好適な瓦焼成色を示した。
その他の含有物は図8のとおりである。
【0035】
粒度分布測定においては、2μm〜5μmのシルト類は15%を測定し、カオリナイト粘土質やモンモリナイト粘土質の図10が示す六角形層状をした2μm以下の超微細粒の砕屑性堆積物の粒度分布測定値は37%を示した。この数値は高耐火性と高可塑性・高成形性をうらずけるものである。
【0036】
生成物の焼成試験は、室温〜200℃まで2時間、200℃〜500℃まで3時間、500℃〜1000℃まで5時間、1000℃〜1200℃まで2時間30分で焼成した。尚、測定方法は16KWシリコニット電気炉で焼成したもので、焼成物の結晶性は1200℃で焼成される陶器瓦の要素を十分満たしていることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0037】
このようにして本発明の方法による石炭灰フライアッシュの配合によって生成された人工瓦粘土は、可塑性・成形性・耐火性・結晶性・熔融性などの改質促進、およびその他配合材の化合・均一撹拌・混練工程などは、粉砕機・土錬機などの調整具合により、好適で実用的な品質管理が可能で、信頼性の高い良質な人口粘土に転換して製造することができる。さらに、本発明はスラリー状に液状化しないため、前記特許文献1のようなオートクレープ処理などの加圧しながら加熱する複雑工程を省略するので、大規模生産プロセスの迅速な実用化が適用できる。
【0038】
更に、本発明が現状で難解とされている資源枯渇課題を解決することを可能とし、火力発電所から年間に約920万トンの大量排出される、石炭灰の産業廃棄物をリサイクルの循環資源として再利用し実用化することは、環境破壊の防止に役立ち、陶器瓦一枚当たりの製造に要する天然の可塑性瓦原土(粘土)の消費量を本格的に減量化することでき、瓦の軽量化にもつながる。又、原料供給の安定化とリサイクル循環システムによる陶器瓦製造方法を構築することになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例である製造工程を示す生成フロー図である。
【図2】比較例3と実施例で添加したシリカ源(珪砂)の蛍光X線回折図である。
【図3】比較例3と実施例で添加したアルミウム源(カオリン)の差熱重量分析曲線を示す説明図である。
【図4】例示する比較例1〜3と実施例1〜10を示す、図表である。
【図5】例示するアルミニウム源として、比較例3と各実施例でサンプル3として使用した天然カオリンの蛍光X線による定性分析試験成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図6】例示する融合・熔融・結晶促進剤として比較例2、3と各実施例に試料3として使用した天然長石の蛍光X線による定性分析試験成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図7】例示する増量材原料として比較例と各実施例に使用した試料5石炭灰の蛍光X線による定性分析試験成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図8】例示する比較例3と各実施例から生成された試料4の人工瓦粘土の蛍光X線による定性分析成績書であり、シリカSiO2とアルミナAl2O3の含有成分量など主成分を表す。
【図9】例示する耐火性向上のため、アルミニウム源の代替策としてのアルミナAl2O3(酸化アルミニウム)の粉末を2万倍に拡大した電子顕微鏡写真
【図10】例示する石炭灰を混合する相手方の可塑性原土を1万倍に拡大した、カオリナイト粘土質・モンモリナイト粘土質の六角形層状をした、粒径が2μm以下の超微細粒の砕屑性堆積物の電子顕微鏡写真
【図11】例示するフライアッシュの球形微細粒子を表す5000倍拡大の電子顕微鏡写真
【符号の説明】
【0040】
1 瓦原土(可塑性粘土)
2 増量原料(石炭灰フライアッシュ)
3 アルミニウム源(耐火性向上剤として天然カオリン鉱物の粉砕物)
4 融合溶融促進剤(天然長石鉱物の粉砕物)
5 シリカ源(結晶促進剤・骨材として天然ケイ石の粉砕物・天然珪砂)
6 風化花崗岩の粉砕物
7 廃瓦粉砕物のシャモット
8 加水処理
9 粉砕機・土錬機で加湿混練処理
10 生成(陶器瓦製造粘土)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陶器瓦の主原料である可塑性原土に増量剤の原料として、石炭灰(フライアッシュ)を1重量部から90重量部の範囲で配合した生成前の化合物に必要に応じて、耐火性・熱量性を向上さすアルミニウム源および、融合促進剤と結晶化促進剤を添加して均質化合さすため、微細によく撹拌し、練り合わす技術で加湿混練処理することを特徴とした陶器瓦製造のための人工瓦粘土を作ることを特徴とする人工瓦粘土製造方法。
【請求項2】
低耐火・低熱量の各性質を持つ、石炭灰を1重量部から90重量部の範囲で添加・化合して生じた化合生成物の耐火性・熱量性を向上さすために必要に応じて、アルミニウム源として、アルミナ(酸化アルミニウムAl2O3)やカオリナイト、ハロサイトを主成分とする天然カオリン鉱物を選択し、シリカ源としてのケイ石に含まれる二酸化シリカSiO2も選択して耐火性を向上させ、又、それら粘土主成分を化合し、人工的に高耐火性・高熱量化を好適に向上させることを特徴とする請求項1記載の人工瓦粘土製造方法。
【請求項3】
弱い溶融結晶力の性質を持つ、石炭灰の溶融結晶力を向上さすための融合促進剤として、必要に応じてシリカ源のケイ石や骨材にも併用となる天然珪砂や風化花崗岩を選択し、二酸化シリカSiO2を鉱物群から化合し、焼成瓦の焼成強度を高めることを特徴とする請求項1記載の人工瓦粘土製造方法。
【請求項4】
弱い溶融結晶力の性質を持つ石炭灰の溶融結晶力を向上さすために必要に応じて、融合溶融促進剤として天然長石の鉱物を選択し、可塑性原土と石炭灰の溶融・結合・結晶の融合力を高め、前記請求項1乃至3にある、その他の添加物原料や骨材と相互の融合力を向上させて、焼成瓦の焼成強度を高めることを特徴とする請求項1乃至3記載の人工瓦粘土製造方法。
【請求項5】
可塑性原土に1重量部から90重量部の範囲で添加する石炭灰とそれぞれ天然のカオリン、長石、珪砂、風化花崗岩などに廃瓦シャモットを化合して人工瓦粘土を生成する技法において、これら化合物をスラリー状に液状化せず、粉砕機や土錬機などにおいて、化合物全体を常温常圧状態で均質・微細によく混ぜて練り合わす技術を採用した、実用化方式の加湿混練処理をすることを特徴する請求項4記載の人工瓦粘土製造方法。
【請求項1】
陶器瓦の主原料である可塑性原土に増量剤の原料として、石炭灰(フライアッシュ)を1重量部から90重量部の範囲で配合した生成前の化合物に必要に応じて、耐火性・熱量性を向上さすアルミニウム源および、融合促進剤と結晶化促進剤を添加して均質化合さすため、微細によく撹拌し、練り合わす技術で加湿混練処理することを特徴とした陶器瓦製造のための人工瓦粘土を作ることを特徴とする人工瓦粘土製造方法。
【請求項2】
低耐火・低熱量の各性質を持つ、石炭灰を1重量部から90重量部の範囲で添加・化合して生じた化合生成物の耐火性・熱量性を向上さすために必要に応じて、アルミニウム源として、アルミナ(酸化アルミニウムAl2O3)やカオリナイト、ハロサイトを主成分とする天然カオリン鉱物を選択し、シリカ源としてのケイ石に含まれる二酸化シリカSiO2も選択して耐火性を向上させ、又、それら粘土主成分を化合し、人工的に高耐火性・高熱量化を好適に向上させることを特徴とする請求項1記載の人工瓦粘土製造方法。
【請求項3】
弱い溶融結晶力の性質を持つ、石炭灰の溶融結晶力を向上さすための融合促進剤として、必要に応じてシリカ源のケイ石や骨材にも併用となる天然珪砂や風化花崗岩を選択し、二酸化シリカSiO2を鉱物群から化合し、焼成瓦の焼成強度を高めることを特徴とする請求項1記載の人工瓦粘土製造方法。
【請求項4】
弱い溶融結晶力の性質を持つ石炭灰の溶融結晶力を向上さすために必要に応じて、融合溶融促進剤として天然長石の鉱物を選択し、可塑性原土と石炭灰の溶融・結合・結晶の融合力を高め、前記請求項1乃至3にある、その他の添加物原料や骨材と相互の融合力を向上させて、焼成瓦の焼成強度を高めることを特徴とする請求項1乃至3記載の人工瓦粘土製造方法。
【請求項5】
可塑性原土に1重量部から90重量部の範囲で添加する石炭灰とそれぞれ天然のカオリン、長石、珪砂、風化花崗岩などに廃瓦シャモットを化合して人工瓦粘土を生成する技法において、これら化合物をスラリー状に液状化せず、粉砕機や土錬機などにおいて、化合物全体を常温常圧状態で均質・微細によく混ぜて練り合わす技術を採用した、実用化方式の加湿混練処理をすることを特徴する請求項4記載の人工瓦粘土製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−197295(P2007−197295A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103620(P2006−103620)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(506035267)日本メリオン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(506035267)日本メリオン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]