説明

仕分け設備

【課題】各ゾーンの作業者が仕分け処理可能な仕分け容器の個数を増やすことにより、設備の仕分け処理能力を向上でき、仕分け作業の効率を改善できる仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の仕分け容器21を連続搬送できる第1仕分けライン41Aおよび第2仕分けライン41Bを備え、各仕分けライン41A,41B上に設けられた、仕分け容器21の搬送に対応して移動する移動表示器51により、ゾーンZの最下流を搬送されているピッキング対象の仕分け容器21から順に、物品22の仕分け作業が指示される。この構成によれば、ゾーンZ内に搬送される仕分け容器21の数が増加することにより、作業者Hが処理可能な仕分け容器21の数を増すことができ、よって設備の仕分け処理能力を向上でき、仕分け作業の効率を改善できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の仕分けを行う仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の仕分け設備の一例が、特許文献1に提案されている。
この特許文献1に開示されているピッキング装置には、物品を収納すべき仕分け容器を連続搬送するベルトコンベヤが備えられ、前記ベルトコンベヤに、仕分け容器の移動位置を検出する移動検出器が設けられ、前記ベルトコンベヤに沿って、物品の仕分けを行う仕分け容器をその点滅により指示する複数の表示ランプが設けられている。
【0003】
この構成により、仕分け容器がベルトコンベヤにより連続搬送され、このベルトコンベヤによる搬送の際、仕分け容器の移動位置が移動検出器により検出され、この検出信号に基づいて、ベルトコンベヤを区分したゾーン毎に、ベルトコンベヤに沿って設けた表示ランプが順次点灯されて、ゾーン毎に物品の仕分けを行う仕分け容器が指示される。これにより、各ゾーンの作業者は仕分け容器の移動にともなって追随するように点灯する表示ランプによって、物品を収納すべき仕分け容器を認識することができ、しかもベルトコンベヤによる仕分け容器の搬送を停止させる必要がないので、ピッキング作業の効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2799345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなピッキング装置では、ベルトコンベヤに沿って設けた表示ランプは、仕分けを指示する仕分け容器の移動に伴って追随するように点灯することにより、ゾーン毎に、複数の仕分け容器を指示することはできない。また仕分け容器を連続搬送するベルトコンベヤは1台のみであることから、作業者の処理できる仕分け容器の個数には限りがあり、設備の処理能力や仕分け作業の効率の向上に限界が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、各ゾーンの作業者が仕分け可能な仕分け容器の個数を増すことにより、設備の仕分け処理能力を向上でき、仕分け作業の効率を改善できる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、仕分け対象の物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、前記仕分け棚に沿って、複数の仕分け容器を連続搬送する搬送経路を備え、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記搬送経路により搬送される前記各仕分け容器と、前記仕分け棚の各区画収納空間との間で、物品の仕分けを行う仕分け設備であって、前記搬送経路を、それぞれ独立して複数の仕分け容器を連続搬送する複数の仕分けラインから構成し、前記各ゾーン毎に、ゾーン内を各仕分けラインにより連続搬送されている前記仕分け容器に対して、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記仕分け棚の各区画収納空間との間における物品の仕分けを指示する投入表示器を備え、前記各ゾーンにおいて、このゾーンの前記各区画収納空間との間で、前記物品の仕分けを行う仕分け容器が、前記投入表示器により指示されることを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、複数の仕分け容器が複数の仕分けラインにより連続搬送され、ゾーンの各区画収納空間との間で、物品の仕分けを行う仕分け容器が指示される。この仕分けを行う仕分け容器は、投入表示器により複数の仕分けラインにより連続搬送されている仕分け容器の中から指示される。これにより、作業者当たりに処理できる仕分け容器の個数が増加し、設備の処理能力が向上でき、仕分け作業の効率を改善できる。
【0009】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記各ゾーンにおいて、このゾーンの前記各区画収納空間との間で、前記物品の仕分けを行う仕分け容器が、前記投入表示器により前記複数の仕分けラインにより連続搬送されている仕分け容器の中から前記ゾーンの最下流に最も近い順に指示されることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、投入表示器により複数の仕分けラインにより連続搬送されている仕分け容器の中からこのゾーンの最下流に最も近い順に指示される。これにより、仕分けが未完了の仕分け容器が、下流ゾーンに移動する恐れが生じ、仕分けラインを停止せざるを得ない状況となり、仕分け作業の効率が低下する恐れを少なくできる。
【0011】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記ゾーンにおいて、仕分けが未完了の仕分け容器が前記ゾーンの最下流に到達したとき、この仕分け容器を搬送する仕分けラインを停止することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、ゾーンにおいて、仕分けが未完了の仕分け容器がゾーンの最下流に到達したとき、この仕分け容器を搬送する仕分けラインが停止される。これにより、仕分けが未完了の仕分け容器が下流ゾーンに移動してしまい、誤仕分けが発生することを防ぐことができる。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記各仕分けラインにより前記仕分け容器を搬送する速度は、任意に設定可能であることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、各仕分けラインにより仕分け容器を搬送する速度は、任意に設定可能とされる。これにより、仕分け作業者の能力に応じて、仕分け容器を搬送する速度を任意に設定可能となり、仕分け作業の効率を改善できる。
【0015】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記投入表示器による物品の仕分けの指示は、ランプにより実行され、現在仕分けを実行する仕分け容器と次以降に仕分けを実行する仕分け容器を互いに異なる色で指示することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、投入表示器による物品の指示は、ランプにより実行され、現在仕分けが実行される仕分け容器と次以降に仕分けが実行される仕分け容器が互いに異なる色で指示する。これにより、仕分け作業者は、現在仕分けを実行する仕分け容器を明確に認識し、さらに次以降に仕分けを実行する仕分け容器を認識でき、仕分け作業を効率的に行うことができる。
【0017】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記各仕分けラインとして、前記仕分け容器を支持する無端回動体を設け、前記投入表示器は、前記無端回動体に支持される仕分け容器の載置位置に対応して前記無端回動体に取り付けられ、前記無端回動体の回動により前記仕分け容器とともに移動され、前記各仕分けラインの上方に位置するときに、仕分け作業の指示を行うことを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、投入表示器は、無端回動体の回動により、仕分け容器とともに各仕分けラインを移動され、各仕分けラインの上方に位置するときに、仕分け作業の指示が行われる。このように、投入表示器が仕分け容器とともに移動されることにより、仕分けを指示する仕分け容器の視認性が高まり、誤仕分けの可能性を低減でき、仕分け作業の精度が向上できる。
【0019】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記各ゾーン毎に、ゾーン内を各仕分けラインにより連続搬送されている前記仕分け容器に対して、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、隣接する下流のゾーンの前記仕分け棚の各区画収納空間との間における物品の仕分けを指示する先行表示器を備え、前記各ゾーンにおいて、このゾーンの前記各区画収納空間との間で、前記物品の仕分けを行う仕分け容器が、前記投入表示器の指示に基づく物品の仕分けが終了されると、隣接する上流のゾーンの前記先行表示器により前記上流のゾーン内を前記複数の仕分けラインにより搬送されている仕分け容器の中から指示されることを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、各ゾーンの仕分け容器に対して、仕分け先の物品要求情報に応じて、隣接する下流のゾーンの仕分け棚の各区画収納空間との間における物品の仕分けまたは物品の仕分けの順序が先行表示器により指示される。このとき、現在仕分けを実行する仕分け容器と次以降に仕分けを実行する仕分け容器が互いに異なる色で指示される。このように、隣接する下流のゾーンに仕分けの指示を行うことにより、ゾーンの作業者が処理できる仕分け容器の数を増加でき、仕分け作業をより効率的に行うことができる。
【0021】
また請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明であって、前記各仕分けラインとして、前記仕分け容器を支持する無端回動体を設け、前記先行表示器は、前記無端回動体に支持される仕分け容器の載置位置に対応して前記無端回動体に取り付けられ、前記無端回動体の回動により前記仕分け容器とともに移動され、前記各仕分けラインの上方に位置するときに、仕分け作業の指示がランプにより実行され、現在仕分けを実行する仕分け容器と次以降に仕分けを実行する仕分け容器を互いに異なる色で指示することを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、先行表示器は、無端回動体の回動により、仕分け容器とともに各仕分けラインを移動され、各仕分けラインの上方に位置するときに、仕分け作業の指示が行われる。このように、先行表示器が仕分け容器とともに移動されることにより、仕分けを指示する仕分け容器の視認性が高まり、誤仕分けの可能性を低減でき、仕分け作業の精度が向上できる。
【0023】
また請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の発明であって、前記仕分け容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、仕分け容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により指示された袋とされる。これにより、様々な形態の物品の仕分けに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態における仕分け設備の仕分けエリアの要部平面構成図である。
【図2】同仕分け設備の仕分けエリアの側面構成図である。
【図3】同仕分け設備の全体構成図である。
【図4】同仕分け設備の仕分けエリアの要部構成斜視図である。
【図5】同仕分け設備の仕分けエリアの仕分けラインの側面構成図である。
【図6】同仕分け設備の仕分けエリアの移動表示器の要部構成斜視図である。
【図7】同仕分け設備の仕分けエリアの仕分けラインの断面構成図である。
【図8】同仕分け設備の制御構成図である。
【図9】同仕分け設備のゾーンコントローラの制御構成図である。
【図10】同仕分け設備の表示器位置検出コントローラの制御構成図である。
【図11】同仕分け設備の表示器−容器確認コントローラの制御構成図である。
【図12】同仕分け設備の仕分けラインの移動表示器の第1ランプと第2ランプの点灯パターンを求めるフローチャートである。
【図13】同仕分け設備の仕分けエリアの移動表示器の点灯パターンを説明する図である。
【図14】同仕分け設備の仕分けエリアのピッキング表示器の正面構成図である。
【図15】本発明の他の実施の形態における仕分け設備の仕分けエリアの仕分けラインの側面構成図である。
【図16】本発明の他の実施の形態における仕分け設備の仕分けエリアの仕分けラインの側面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は本発明の実施の形態における仕分け設備の全体構成図であり、仕分け設備10は、仕分け容器投入エリア11と、仕分けエリア12と、梱包エリア13と、出荷エリア14から構成されている。
【0027】
この仕分け設備10は、個別の予め登録されたお客{ユーザー(仕分け先の一例)}から注文を受けた物品22を、ユーザーに割り当てられた仕分け容器21に集めて、配送する仕分け設備である。
【0028】
『仕分け容器投入エリア11』
仕分け容器投入エリア11は、仕分けエリア12に対して仕分け容器21を投入するエリアである。前記仕分け容器21は、折り畳み可能なコンテナで形成され、図3に示すように、組み立てられた後、それぞれ物品22を収納するビニール袋32が被されて、仕分けエリア12の各仕分けライン41A、41Bに投入される。仕分け容器投入エリア11には、このような折り畳み可能なコンテナを実際に組み立てる組立機やビニール袋32を被せる袋掛機(いずれも図示せず)が備えられる。また各ビニール袋32には、それぞれの個別のユーザーに割り当てられたユーザーNo.を特定するバーコードが印刷されたラベル33が取り付けられ、このラベル33を発行するラベルプリンタ34(図8)が、仕分け容器投入エリア11に備えられる。
【0029】
『梱包エリア13』
仕分けエリア12により、物品22の仕分け作業が行われた仕分け容器21が搬送されてくると、この梱包エリア13において、ビニール袋32のラベル33は、仕分け容器21へ貼り替えられ、仕分け容器21に蓋がされ、出荷エリア14へ搬送される。
【0030】
『出荷エリア14』
梱包エリア13より搬送されてきた仕分け容器21を配送方面別にかご車などに段積みし、配送トラックへ積み込むエリアである。例えばコンテナ段積機が備えられる。
【0031】
『仕分けエリア12』
仕分けエリア12は、仕分け容器投入エリア11より搬送されてきた仕分け容器21に対して、物品22の仕分けを行うエリアである。図1に仕分けエリア12の要部平面構成図、図2に側面構成図を示す。
【0032】
仕分けエリア12には、複数の仕分け容器21を、同速度かつ一定速度で連続搬送し、搬送経路を構成する第1仕分けライン(仕分けラインの一例)41Aおよび第2仕分けライン(仕分けラインの一例)41Bが備えられ、各仕分けライン41A,41Bに沿ってフローラック23(流動棚;仕分け棚の一例)が備えられている。また第1仕分けライン41Aおよび第2仕分けライン41Bの最上流にはそれぞれ、図3に示すように、それぞれ仕分け容器21に貼付けされたラベル33のバーコードを読み取るための第1バーコードリーダ81Aと第2バーコードリーダ81Bが備えられている。
【0033】
フローラック23および各仕分けライン41A,41Bには、仕分け作業を実行する複数のゾーンZが設定されており、各ゾーンZにおいて、各仕分けライン41A,41Bにより、それぞれ連続搬送されてくる仕分け容器21に対して、フローラック23に格納された物品22を仕分ける作業を実行するように構成されている。
【0034】
「フローラック23」
図1と図2に示すように、フローラック23は、4個(複数の一例)の入荷用容器24を連続して格納可能な複数の間口(区画収納空間の一例)25を有し、4段6列(計24個)の間口25毎にゾーンZが設定されている。また各間口25にはそれぞれ、品種で特定される1種類の物品22がそれぞれ割り当てられ、各仕分けライン41A,41Bにより搬送される仕分け容器21に仕分けられる物品22が割り当てられており、後述する統括コントローラ71に登録されている。
【0035】
また各間口25にはそれぞれ、ピッキング表示器(仕分け表示手段の一例)26が設けられている。各ピッキング表示器26は、ピッキングする物品22の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器(表示手段の一例)27と、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ(完了操作手段)28と、欠品時に完了押釦スイッチ28とともに操作する欠品押釦スイッチ29から構成されている。
【0036】
またゾーンZ毎に、ピッキング作業があることを表示する赤色ランプ付きのゾーン表示器31、仕分け容器21に対する仕分け作業完了時に操作されるテープスイッチ30が設けられている。
【0037】
今、図4に示すように、仕分け容器21の搬送方向を上下流方向Cとし、仕分け容器21の進行方向を下流方向、その逆方向を上流方向とする。また上下流方向Cと直角な方向を左右方向Aとし、第1仕分けライン41Aからフローラック23へ向かう方向を右方向、逆方向を左方向とする。また図5に示すように、床面Fと垂直な方向を上下方向Bとする。前記第1仕分けライン41Aは、右側、前記第2仕分けライン41Bは、左側に設置されている。
【0038】
各仕分けライン41A,41Bには、それぞれ、仕分けエリア12の各ゾーンZ内の作業者Hへ物品22を投入する仕分け容器21の指示を行う移動表示器51が複数設けられている。
【0039】
以下、図4〜図7を用いて、各仕分けライン41A,41B、および移動表示器51の構成を説明する。
「仕分けライン41A,41B」
仕分けライン41A,41Bはそれぞれ、本体42と、従動軸43と、駆動軸44と、一対の従動輪体45と、一対の駆動輪体46と、一対の無端チェーン(無端回動体の一例)47と、仕分け容器21を支持する複数の物品支持体48と、導電レール(信号ラインの一例)49と、駆動装置50と、複数の移動表示器51により構成されている。
【0040】
前記駆動装置50は、例えば駆動モータから形成され、本体42の下流端に配設されており、その回転軸に前記駆動軸44が連結され、また駆動軸44の左右の両端には、一対の駆動輪体46が固定して取り付けられている。前記従動軸43は、本体42の上流端に配設されており、前記従動軸43の左右の両端には、一対の従動輪体45が固定して取り付けられている。前記一対の無端チェーン47はそれぞれ、左右の前記駆動輪体46と前記従動輪体45との間に、亘って巻き掛けられている。
【0041】
前記各物品支持体48の両端には、左右のサイドブラケット54を介して、ローラ61およびサイドローラ62が、それぞれ左右方向Aおよび上下方向Bに軸着されている。また各物品支持体48は、左右のサイドブラケット54を介して、左右方向Aに亘り、前記一対の無端チェーン47に固定して取り付けられている。前記無端チェーン47は、前記ローラ61とサイドローラ62および、往路側ガイドレール部63と復路側ガイドレール部64を介して、本体42に対して回転自在となるように構成され、仕分け容器21の搬送方向に沿って、物品支持体48を介して仕分け容器21を支持する。
【0042】
第1仕分けライン41Aの駆動軸44には、第1エンコーダ83Aが備えられ、第1エンコーダ83Aのパルスをカウントし、カウント値を出力する第1カウンタ86A(図10)のカウント値を無端チェーン47が1周分移動したとき、“0”にリセットするための第1原点検出器82Aが備えられている。
【0043】
また同様に、第2仕分けライン41Bの駆動軸44には、第2エンコーダ83B(図8)が備えられ、第2エンコーダ83Bのパルスをカウントし、カウント値を出力する第2カウンタ86B(図10)のカウント値を無端チェーン47が1周分移動したとき、“0”にリセットするための第2原点検出器82B(図8)が備えられている。
【0044】
また各仕分けライン41A,41Bの内部上方には、後述する給電・送信ライン85に電力を供給し、移動表示器51の点灯信号を送信する導電レール49が上下流方向C全体に亘り、備えられている。
【0045】
また、図2および図4に示すように、第1仕分けライン41A、第2仕分けライン41Bは仕分け容器21の搬送面が互いに平行となるように配置され、第2仕分けライン41Bの仕分け容器21の搬送面は、第1仕分けライン41Aの仕分け容器21の搬送面よりも高く設定されている。
【0046】
「移動表示器51」
各仕分けライン41A,41Bに設けられた前記各移動表示器51はそれぞれ、上面に右側(フローラック23側)へ傾いた傾斜面56Aを有する本体56と、サイドブラケット54に取り付けるための孔55が設けられ、本体56の下部の中央部に垂設された脚部57と、本体56の傾斜面56A上に上下流方向Cに固定され、赤色と緑色に点灯可能な第1ランプ52(第1表示器)および第2ランプ53(第2表示器)と、本体56内に設けられてランプ52,53の点灯・消灯(点滅も可能)を制御するコントローラ(図示せず)と、導電レール49に接触する集電子65と、集電子65に接続されて前記コントローラへ電力の供給および点灯信号の送信を行う、給電・送信ライン85等から構成されている。
【0047】
物品支持体48には所定数毎に、仕分け容器21の載置位置に対応して、図6に示すように、サイドブラケット54を介して、移動表示器51(脚部57)が、前記孔55,サイドブラケット54の孔58、ボルト体59、およびナット体60により固定して配設されている。すなわち、移動表示器51は物品支持体48を介して無端チェーン47に取り付けられ、無端チェーン47の回動により移動する。また第1仕分けライン41Aでは、各移動表示器51は仕分け容器21より右側(フローラック23側)に設けられており、第2仕分けライン41Bでは、各移動表示器51は仕分け容器21より左側(奥側)に設けられ、第2仕分けライン41Bに設けられる各移動表示器51の脚部57は、第1仕分けライン41Aに設けられる各移動表示器51の脚部57よりも高く設定され、さらに仕分け容器21より高く設定されて、第2仕分けライン41Bに設けられる各移動表示器51のランプ52,53の表示が仕分け容器21により見えなくなる恐れが解消されている。
【0048】
前記移動表示器51の第1ランプ52は、ゾーンZを移動している、前記移動表示器51に対応する仕分け容器21へ、ゾーンZの間口25の物品22の仕分け作業を指示する投入表示器を構成し、前記移動表示器51の第2ランプ53は、ゾーンZを移動している、移動表示器51に対応する仕分け容器21へ、ゾーンZに隣接する下流のゾーンZの間口25の物品22の仕分け作業を指示する先行表示器を構成している。移動表示器51の各ランプ52,53は、赤色に点灯することにより現在仕分けを実行する仕分け容器21を指示し、また緑色に点灯することにより次に仕分けを実行する仕分け容器21を指示する。
「送信機84A,84B」
図8に示すように、各仕分けライン41A,41Bの導電レール49にはそれぞれ、送信機84A,84Bが接続されており、各送信機84A,84Bは、導電レール49を介して、各移動表示器51(給電・送信ライン85)に接続され、各移動表示器51へ給電し、ランプ52,53の点灯信号を送信する。
【0049】
「制御構成」
図8に仕分け設備の制御構成図を示す。
仕分け設備10の制御手段として、統括コントローラ71と、容器搬入コントローラ72と、表示器−容器確認コントローラ73と、表示器位置検出コントローラ74と、第1仕分けラインコントローラ75Aと、第2仕分けラインコントローラ75Bと、各ゾーンZ毎のゾーンコントローラ77と、第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aと、第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bが備えられている。
【0050】
“統括コントローラ71”
統括コントローラ71には、容器搬入コントローラ72と、表示器−容器確認コントローラ73と、表示器位置検出コントローラ74と、第1仕分けラインコントローラ75Aと、第2仕分けラインコントローラ75Bと、各ゾーンZのゾーンコントローラ77と、第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aと、第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bが接続され、予め次のデータが設定されている。
【0051】
・配送方面別に、予め登録されたユーザーにそれぞれ割り当てられたナンバー。これらのナンバーは、第1仕分けライン41Aおよび第2仕分けライン41Bに振り分けられており、前記各仕分けライン41A,41Bに投入する仕分け容器21の順に割り当てられる。
【0052】
・注文対象の物品22がそれぞれ格納されているゾーンZの間口25の配列データ。
統括コントローラ71は次の機能を有している。
(イ).容器投入コントローラ72と、表示器−容器確認コントローラ73と、表示器位置検出コントローラ74と、第1仕分けラインコントローラ75Aと、第2仕分けラインコントローラ75Bと、各ゾーンZのゾーンコントローラ77と、第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aと、第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bへ作業の開始指令と終了指令を出力する。
【0053】
(ロ).予め登録された各個別のユーザーから注文データ{各仕分け先からの物品の要求情報の一例;物品を特定する情報(例えば、物品の品種、物品名、物品コード等)と数量(個数)からなる単数または複数のデータ}を受け付けると、注文データが無いユーザーを除いて、全体の仕分けデータを形成し、形成した全体の仕分けデータを、各ゾーンZのゾーンコントローラ77へ出力する。
【0054】
またユーザーのナンバーは、第1仕分けライン41Aと、第2仕分けライン41Bへ投入する仕分け容器21に順に割り当てられ、これら順に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータを、容器投入コントローラ72と各ゾーンZのゾーンコントローラ77へ出力する。
【0055】
“容器投入コントローラ72”
容器投入コントローラ72は、仕分け容器投入エリア11の制御用のコントローラであり、統括コントローラ71と、ラベルプリンタ34が接続され、統括コントローラ71より、各仕分けライン41A,41Bへ投入する仕分け容器21に順に割り当てられ、これら順に割り当てられた個別のユーザーを特定するナンバーのデータと、作業の開始指令および終了指令が入力される。
【0056】
容器投入コントローラ72は次の機能を有している。
統括コントローラ71から、作業の開始指令を入力し、且つ前記個別のユーザーを特定するナンバーのデータを入力すると、投入する仕分けライン41Aまたは41Bを特定するデータと、個別のユーザーを特定するナンバーからなるラベルプリントデータを形成し、ラベルプリンタ34へ出力する。ラベルプリンタ34は、ラベルプリントデータを入力すると、順に、ラベル33を発行する。
【0057】
仕分け容器投入エリア11の作業者Hは、仕分け容器21を用意し、各仕分け容器21に自動または手動でビニール袋32を袋がけし、ラベルプリンタ34から発行された順にラベル33を貼り付け、ラベル33で特定される第1仕分けライン41Aまたは第2仕分けライン41Bに投入する。
【0058】
“表示器位置検出コントローラ74”
図10に表示器位置検出コントローラ74の制御構成図を示す。
表示器位置検出コントローラ74には、第1原点検出器82Aと、第2原点検出器82Bと、第1エンコーダ83Aと、第2エンコーダ83Bが接続されている。
【0059】
表示器位置検出コントローラ74は、第1カウンタ86A、第2カウンタ86B、第1表示器位置検出部87A、第2表示器位置検出部87B、第1変換メモリ99A、第2変換メモリ99B、第1仕分けライン表示器位置メモリ91A、第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bにより構成される。
【0060】
各カウンタ86A,86Bは、各エンコーダ83A,83Bよりパルスが入力されると、パルス数をカウント値として、各表示器位置検出部87A,87Bへ出力する。無端チェーン47が1周分回転すると、各原点検出器82A,82Bの原点検出信号により、各カウンタ86A,86Bのカウント値が“0”にリセットされる。
【0061】
第1変換メモリ99A、第2変換メモリ99Bには、各カウンタ86A,86Bのカウント値毎の、各仕分けライン41A,41B上の各移動表示器51の位置が記憶されている。すなわち、あるカウント値のときの各移動表示器51の仕分けライン上の位置を一意的に記憶している。各表示器位置検出部87A,87Bは、各カウンタ86A,86Bからカウント値を入力すると、各変換メモリ99A,99Bをそのカウント値により検索し、検索された各移動表示器51の位置を、各仕分けライン表示器位置メモリ91A,91Bに出力する。各仕分けライン表示器位置メモリ91A,91Bは、入力された現在の各移動表示器51の位置を記憶する。
【0062】
このように、表示器位置検出コントーラ74は、第1仕分けライン41A上の各移動表示器51の位置および第2仕分けライン41B上の各移動表示器51の位置を求めている。具体的には以下のように求める。
【0063】
今、仕分けライン41A,41Bを構成する無端チェーン47の全長をX,仕分けライン41A,41Bの上流端の位置を“0”、下流端の位置を“X/2”とし、仕分けライン41A,41B上の移動表示器51の数を“N”、ゾーンの数を“P”とし、カウンタ86A,86Bのカウント値は、“M”でリセットされるものとする。またカウンタ86A,86Bのカウント値が“0”のとき、表示器No.が“1”の移動表示器51が、仕分けライン41A,41Bの上流端の位置“0”から“L”だけ下流の位置にあるとする。
【0064】
カウンタ86A,86Bのカウント値が“m”のときの、表示器No.“n”の移動表示器51の位置は、上流端の位置“0”から{L+(m−1)X/M−(n−1)X/N}と表すことができる。ここで、{L+(m−1)X/M}は、カウンタ86A,86Bのカウント値が“m”のときの、上流端の位置“0”からの表示器No.“1”の移動表示器51の位置を示している。また(X/N)は、移動表示器51間の距離を示し、移動表示器51は表示器No.が増えると、表示器No.“1”の移動表示器51より上流側に位置することになることから、(n−1)(X/M)を減算することにより、表示器No.“n”の上流端の位置“0”からの距離が求められる。この距離がマイナスになると、移動表示器51は、各仕分けライン41A、41Bの下面側に位置することが求められ、距離が“−X/2”より小さくなると、移動表示器51は、各仕分けラインン41A,41Bの上面側に位置することになり、距離に“X”を加算することにより、“0”から下流方向への距離が求められる。このようにしてカウント値毎の各移動表示器51の位置を予め求め、第1仕分けライン表示器位置メモリ91Aおよび第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bに記憶する。
【0065】
“表示器−容器確認コントローラ73”
図11に表示器−容器確認コントローラ73の制御構成図を示す。
表示器−容器確認コントローラ73は、第1仕分けライン41Aの第1バーコードリーダ81Aと、第2仕分けライン41Bの第2バーコードリーダ81Bと、表示器位置検出コントローラ74と、各ゾーンZのゾーンコントローラ77に接続されている。
【0066】
表示器−容器確認コントローラ73は、第1表示器No.検出部93Aと、第2表示器NO.検出部93Bと、第1表示器−容器メモリ92Aと、第2表示器−容器メモリ92Bにより構成されている。
【0067】
「第1表示器No.検出部93A」
第1表示器No.検出部93Aは、第1バーコードリーダ81Aよりバーコードの検出信号が入力されると、そのタイミングで、第1仕分けライン表示器位置メモリ91Aに記憶された第1仕分けライン41A上の各移動表示器51の位置により、第1バーコードリーダ81Aの位置に最も近い位置にある第1仕分けライン41A上の移動表示器51の表示器No.を検出し、その表示器No.を、第1表示器−容器メモリ92Aに第1バーコードリーダ81Aより入力されているバーコード、即ちユーザーNo.に関連付けて、第1表示器−容器メモリ92Aに記憶する。
【0068】
「第2表示器No.検出部93B」
第2表示器No.検出部93Bは、第2バーコードリーダ81Bよりバーコードの検出信号が入力されると、そのタイミングで、第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bに記憶された第2仕分けライン41B上の各移動表示器51の位置により、第2バーコードリーダ81Bの位置に最も近い位置にある第2仕分けライン41B上の移動表示器51の表示器No.を検出し、その表示器No.を第2表示器−容器メモリ92Bに第2バーコードリーダ81Bより入力されているバーコード、即ちユーザーNo.に関連付けて、第2表示器−容器メモリ92Bに出力する。
【0069】
“第1仕分けラインコントローラ75A”
第1仕分けラインコントローラ75Aは、総括コントローラ71と、各ゾーンZのゾーンコントローラ77と、第1仕分けライン41Aに接続されている。
【0070】
第1仕分けラインコントローラ75Aは、総括コントローラ71より、駆動信号を入力すると、第1仕分けライン41Aに駆動信号を出力し、終了信号を入力すると、第1仕分けライン41Aに終了信号を出力する。
【0071】
また各ゾーンZのゾーンコントローラ77より、後述する停止信号を入力すると、第1仕分けライン41Aに停止信号を出力し、後述する起動信号を入力すると、第1仕分けライン41Aに起動信号を出力する。
【0072】
“第2仕分けラインコントローラ75B”
第2仕分けラインコントローラ75Bは、総括コントローラ71と、各ゾーンZのゾーンコントローラ77と、第2仕分けライン41Bに接続されている。
【0073】
第2仕分けラインコントローラ75Bは、総括コントローラ71より、駆動信号を入力すると、第2仕分けライン41Bに駆動信号を出力し、終了信号を入力すると、第2仕分けライン41Bに終了信号を出力する。
【0074】
また各ゾーンZのゾーンコントローラ77より、後述する停止信号を入力すると、第2仕分けライン41Bに停止信号を出力し、後述する起動信号を入力すると、第2仕分けライン41Bに起動信号を出力する。
【0075】
“ゾーンコントローラ77”
各ゾーンコントローラ77は、それぞれ対応するゾーンZの制御用のコントローラであり、統括コントローラ71と、表示器位置検出コントローラ74と、表示器−容器確認コントローラ73と、第1仕分けラインコントローラ75Aと、第2仕分けラインコントローラ75Bと、第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aと、第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bと、対応するゾーンZのピッキング表示器26と、対応するゾーンZのテープスイッチ30に接続されている。
【0076】
各ゾーンコントローラ77は、図9に示すように、自ゾーン内表示器検出部94と、自ゾーンに隣接する上流ゾーン内表示器検出部95と、ピッキング対象容器検出部96と、ピッキングデータメモリ97と、ピッキング制御部98により構成されている。ピッキングデータメモリ97には、統括コントローラ71より入力された上記全体の仕分けデータの内、対応するゾーンZの仕分けデータ(ピッキングデータ;ユーザーNo.毎に仕分ける物品22が格納された間口25のNo.および数量のデータ)が記憶される。
【0077】
「ピッキング制御部98」
ピッキング制御部98は、ゾーンZの間口25毎のピッキング表示器26と、テープスイッチ30と、ピッキングデータメモリ97と、ピッキング対象容器検出部96に接続されている。
【0078】
ピッキング制御部98には、仕分けを実行する仕分け容器21のユーザーNo.(最下流のユーザーNo.)がピッキング対象容器検出部96より入力される(後述する)。
ピッキング制御部98は、(後述する)入力したユーザーNo.により、ピッキングデータメモリ97を検索して、ユーザーNo.に対応するピッキングデータを求め、求めたピッキングデータに基づいてゾーンZの各間口25(24個)のピッキング表示器26のディジタル数量表示器27へ、物品22のピッキング数量を出力し、完了押釦スイッチ28の赤色ランプを点灯する。完了押釦スイッチ28の押し操作により間口25からの物品22の取り出しを確認し、確認すると、ピッキング表示器26のディジタル数量表示器27と完了押釦スイッチ28の赤色ランプを消灯する。これら間口25からの対応する仕分け容器21に対するピッキングが終了し、テープスイッチ30より終了信号が入力されると、ピッキング対象容器検出部96へ、入力したユーザーNo.のデータを含むピッキング終了信号を出力する。また、入力したユーザーNo.により、ピッキングデータメモリ97を検索した結果、ピッキングデータがないと(ピッキング不要のとき)、即に前記ピッキング終了信号を出力する。
【0079】
「自ゾーン内表示器検出部94」
自ゾーン内表示器検出部94は、第1仕分けライン表示器位置メモリ91Aと、第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bと、第1仕分けラインコントローラ75Aと、第2仕分けラインコントローラ75Bと、ピッキング対象容器検出部96に接続されている。
【0080】
自ゾーン内表示器検出部94は次の機能を有している。いま、自ゾーンをゾーンZ(b)、自ゾーンに隣接する上流ゾーンをZ(b−1)とする。また上記“0”〜“X/2”の仕分けラインの長さにおいてゾーンZ(1)が始まる“0”からの距離を“R”、ゾーンZ全体の距離を“Q”とする。“P”はゾーンの数である。これにより、ゾーンZ(b)の範囲は、上流端の位置“0”から、{L+(b−1)Q/P}〜(L+bQ/P)に設定され、また上流ゾーンZ(b−1)の範囲は、{L+(b−2)Q/P}〜(L+(b−1)Q/P)に設定される。
【0081】
(イ).ゾーンZ(b)の自ゾーン内表示器検出部94は、第1仕分けライン表示器位置メモリ91Aと第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bに記憶されている各移動表示器51の位置により、前記ゾーンZ(b)の範囲内を搬送されている移動表示器51の表示器No.を求める。自ゾーン内表示器検出部94は、求めた各移動表示器51の仕分けラインNo.−表示器No.−位置(距離)をピッキング対象容器検出部96に出力する。
【0082】
(ロ).また自ゾーン内表示器検出部94は、後述するピッキング対象容器検出部96により入力した仕分け実行中の移動表示器51の仕分けラインNo.−表示器No.の位置を、第1仕分けライン表示器位置メモリ91Aおよび第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bによりトレースし、ゾーンZ(b)の最下流に前記表示器No.の移動表示器51が近づくと、その移動表示器51が設けられた仕分けラインの仕分けラインコントローラ75Aまたは75Bへ、仕分けラインの停止信号を出力する。
【0083】
また仕分け実行中の表示器No.が更新されると、停止した仕分けラインの仕分けラインコントローラ75Aまたは75Bへ、起動信号を出力する。
「上流ゾーン内表示器検出部95」
上流ゾーン内表示器検出部95は、第1仕分けライン表示器位置メモリ91Aと、第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bと、ピッキング対象容器検出部96に接続されている。
【0084】
ゾーンZ(b)のゾーンコントローラ77の上流ゾーン内表示器検出部95は、第1仕分けライン表示器位置メモリ91Aと第2仕分けライン表示器位置メモリ91Bに記憶されている各移動表示器51の位置により、前記上流のゾーンZ(b−1)の範囲内を搬送されている移動表示器51の表示器No.を求める。上流ゾーン内表示器検出部95は、求めた移動表示器51の仕分けラインNo.−表示器No.−位置(距離)をピッキング対象容器検出部96に出力する。
【0085】
“第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78A”
第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aは、各ゾーンZのゾーンコントローラ77のピッキング対象容器検出部96と、第1送信機84Aに接続されている。
【0086】
第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aは、各ゾーンZのゾーンコントローラ77のピッキング対象容器検出部96により、後述する、第1仕分けライン41Aにより搬送されているピッキング対象の仕分け容器21のユーザーNo.に対応する表示器No.−「自ゾーンZ(b)か上流ゾーンZ(b−1)か」のデータと、次のピッキング対象の仕分け容器21のユーザーNo.に対応する表示器No.−「自ゾーンZ(b)か上流ゾーンZ(b−1)か」のデータを入力すると、ピッキング対象の表示器No.およびランプ52(自ゾーンのとき)またはランプ53(上流ゾーンのとき)の赤色の点灯指令のデータと、次のピッキング対象の表示器No.およびランプ52(自ゾーンのとき)またはランプ53(上流ゾーンのとき)の緑色の点灯指令データを、第1送信機84Aに出力する。前記第1送信機84Aは、第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aより入力した、ピッキング対象の表示器No.および赤色の点灯指令データと、次のピッキング対象の表示器No.および緑色の点灯指令データとを導電レール49を介して、第1仕分けライン41A上の各移動表示器51へ送信する。各移動表示器(コントローラ)51は、受信したデータの表示器No.により自分宛のデータかどうかを選別し、ランプ52または53を確認し、確認したランプ52または53を、赤色または緑色に点灯する。
【0087】
また第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aは、ピッキング対象容器検出部96より、先に入力したデータの取り消しデータ(後述する)を入力すると、ピッキング対象の表示器No.および消灯指令データと、次のピッキング対象の表示器No.および消灯指令データとを導電レール49を介して、第1仕分けライン41A上の各移動表示器51へ送信する。各移動表示器(コントローラ)51は、受信したデータを選別し、消灯指令を確認すると、ランプ52または53を消灯する。
【0088】
“第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78B”
第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bは、各ゾーンZのゾーンコントローラ77のピッキング対象容器検出部96と、第2送信機84Bに接続されている。
【0089】
第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bは、各ゾーンZのゾーンコントローラ77のピッキング対象容器検出部96により、後述する、第2仕分けライン41Bにより搬送されているピッキング対象の仕分け容器21のユーザーNo.に対応する表示器No.−「自ゾーンZ(b)か上流ゾーンZ(b−1)か」のデータと、次のピッキング対象の仕分け容器21のユーザーNo.に対応する表示器No.−「自ゾーンZ(b)か上流ゾーンZ(b−1)か」のデータを入力すると、ピッキング対象の表示器No.およびランプ52(自ゾーンのとき)またはランプ53(上流ゾーンのとき)の赤色の点灯指令データと、次のピッキング対象の表示器No.およびランプ52(自ゾーンのとき)またはランプ53(上流ゾーンのとき)の緑色の点灯指令データを、第2送信機84Bに出力する。前記第2送信機84Bは、第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bより入力した、ピッキング対象の表示器No.および赤色の点灯指令データと、次のピッキング対象の表示器No.および緑色の点灯指令のデータとを導電レール49を介して、第2仕分けライン41B上の各移動表示器51へ送信する。各移動表示器(コントローラ)51は、受信したデータの表示器No.により自分宛のデータかどうかを選別し、ランプ52または53を確認し、確認したランプ52または53を、赤色または緑色に点灯する。
【0090】
また第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bは、ピッキング対象容器検出部96より、先に入力したデータの取り消しデータ(後述する)を入力すると、ピッキング対象の表示器No.および消灯指令データと、次のピッキング対象の表示器No.および消灯指令データとを導電レール49を介して、第2仕分けライン41B上の各移動表示器51へ送信する。各移動表示器(コントローラ)51は、受信したデータを選別し、消灯指令を確認すると、ランプ52または53を消灯する。
【0091】
ゾーンコントローラ77の「ピッキング対象容器検出部96」
ピッキング対象容器検出部96は、自ゾーン内表示器検出部94と、上流ゾーン内表示器検出部95と、第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Aと、第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bと、ピッキング制御部98に接続されている。
【0092】
ピッキング対象容器検出部96は、自ゾーン内表示器検出部94と上流ゾーン内表示器検出部95よりそれぞれ自ゾーンZ(b)と自ゾーンに隣接する上流ゾーンZ(b−1)を移動している移動表示器51の位置のデータにより、仕分けラインNo.−表示器No.−移動表示器の位置(距離)のデータを入力し、自ゾーンZ(b)の最下流にある移動表示器51と次に下流にある移動表示器51の、仕分けラインNo.−表示器No.および自ゾーンZ(b)か上流ゾーンZ(b−1)かどうかを求め、仕分けラインNo.に対応する仕分けラインの仕分けライン表示点灯送信コントローラ78A,78Bへ、最下流の表示器No.および「自ゾーンZ(b)か上流ゾーンZ(b−1)か」のデータと、次に下流にある表示器No.および「自ゾーンZ(b)か上流ゾーンZ(b−1)か」のデータを出力する。
【0093】
次に、求めた最下流の仕分けラインNo.−表示器No.により第1表示器−容器メモリ92Aまたは第2表示器・容器メモリ92Bを検索し、仕分けラインNo.−表示器No.に対応するユーザーNo.を求め、即ち、仕分けを実行するユーザーNo.を求めて、ピッキング表示部98へ出力し、また最下流にある移動表示器51の仕分けラインNo.−表示器No.のデータを自ゾーン内表示器検出部94へ出力する。
【0094】
またピッキング表示部98より、上記ユーザーNo.を含むピッキング終了信号を入力すると、第1仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78A、第2仕分けライン表示器点灯送信コントローラ78Bへ出力していたデータの取り消しデータ(ランプ52,53を消灯するためのデータ)を出力し、再び、上記動作を実行する。上記ピッキング対象容器検出部96の手順を図12に示す。
【0095】
上記構成による、ゾーンZにおけるピッキング作業を図13(a)〜(c)を参照しながら説明する。作業開始により、第1仕分けライン41A、第2仕分けライン41Bの上流の仕分け容器投入エリア11において、仕分け容器21にビニール袋32の袋掛け、ラベル33の貼り付けが行われ、ラベル33を付された仕分け容器21は、各仕分けライン41A,41Bに投入され、第1バーコードリーダ81Aと第2バーコードリーダ81Bによって読み取られてラベル33のデータ(ユーザーNo.)が、表示器−容器確認コントローラ73の作用と、表示器位置検出コントローラ74の作用により、各仕分けライン41A,41Bの移動表示器51に対応付けがなされる。また第1エンコーダ83Aと第2エンコーダ83Bから出力されるパルス信号をカウントすることにより、各仕分けライン41A,41Bの各移動表示器51の上流端“0”からの位置が求められる。
【0096】
各ゾーンZのゾーンコントローラ77により、2つの仕分けライン41A,41Bの自ゾーンZ(b)と上流ゾーンZ(b−1)の4ゾーンにある移動表示器51が求められ、最下流にある移動表示器51が求められ、最下流の移動表示器51に対応する仕分け容器21がピッキング対象の容器とされ、次に下流にある移動表示器51が求められ、次の移動表示器51に対応する仕分け容器21が次のピッキング対象の容器とされる。そして、最下流の移動表示器51のランプ52(自ゾーンのとき)または53(上流ゾーンのとき)が赤色に点灯され、作業者Hに、ピッキング対象の仕分け容器21が示され、また次の下流にある移動表示器51の移動表示器51のランプ52(自ゾーンのとき)または53(上流ゾーンのとき)が緑色に点灯され、作業者Hに、次のピッキング対象の仕分け容器21が示される。
【0097】
図13(a)に示すように、現在仕分けを行う仕分け容器21と、次に仕分けを行う仕分け容器21が、いずれも自ゾーンZ(b)を搬送されているとき、現在仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動器表示器51の第1ランプ52が赤色に点灯され、次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51の第1ランプ52が緑色に点灯される。
【0098】
作業者Hは、第1ランプ52が、赤色に点灯されている移動表示器51に対応する仕分け容器21へ、ピッキング表示器26による表示に基づいて、自ゾーンZ(b)の間口25からピッキングを行う。ピッキング作業が終了すると、テープスイッチ30を押下し、その仕分け容器21に対する自ゾーンZ(b)の物品22の仕分け完了を入力する。入力すると、現在仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプが消灯され、次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプの色が緑色から赤色に切り替えられ、さらに次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプの色が緑色に点灯される。
【0099】
また図13(b)に示すように、現在仕分けを行う仕分け容器21が自ゾーンZ(b)を搬送され、次に仕分けを行う仕分け容器21が上流ゾーンZ(b−1)を搬送されているとき、現在仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動器表示器51の第1ランプ52が赤色に点灯され、次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する上流ゾーンZ(b−1)の移動表示器51の第2ランプ53が緑色に点灯される。
【0100】
作業者Hは、第1ランプ52が、赤色に点灯されている移動表示器51に対応する仕分け容器21へ、ピッキング表示器26による表示に基づいて、自ゾーンZ(b)の間口25からピッキングを行う。ピッキング作業が終了すると、テープスイッチ30を押下し、その仕分け容器21に対する自ゾーンZ(b)の物品22の仕分け完了を入力する。入力すると、現在仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプが消灯され、次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプの色が緑色から赤色に切り替えられ、さらに次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプの色が緑色に点灯される。
【0101】
また図13(c)に示すように、自ゾーンZ(b)の作業者Hにより、現在仕分けを行う仕分け容器21と、次に仕分けを行う仕分け容器21が、いずれも上流ゾーンZ(b−1)を搬送されているとき、現在仕分けを行う仕分け容器21に対応する上流ゾーンZ(b−1)の移動器表示器51の第2ランプ53が赤色に点灯され、次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する上流ゾーンZ(b−1)の移動表示器51の第2ランプ53が緑色に点灯される。
【0102】
作業者Hは、第2ランプ52が、赤色に点灯されている移動表示器51に対応する上流ゾーンZ(b−1)の仕分け容器21へ、ピッキング表示器26による表示に基づいて、自ゾーンZ(b)の間口25からピッキングを行う。ピッキング作業が終了すると、自ゾーンZ(b)のテープスイッチ30を押下し、その上流ゾーンZ(b−1)の仕分け容器21に対する自ゾーンZ(b)の物品22の仕分け完了を入力する。入力すると、現在仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプが消灯され、次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプの色が緑色から赤色に切り替えられ、さらに次に仕分けを行う仕分け容器21に対応する移動表示器51のランプの色が緑色に点灯される。
【0103】
また、移動表示器51の第1ランプ52が点灯したまま、移動表示器51が、自ゾーンZの最下流に到達すると、その移動表示器51が移動している仕分けラインが停止される。作業者Hは、その自ゾーンZの最下流に到達した移動表示器51に対応する仕分け容器21に対して、迅速に仕分け作業を行い、仕分け容器21への仕分け作業が終了し、テープスイッチ30を押下すると、停止していた仕分けラインが起動される。
【0104】
以上のように、本実施の形態によれば、移動表示器51の第1ランプ52により、第1仕分けライン41Aと第2仕分けライン41Bの2つのラインにより連続搬送されている自ゾーンZの少なくとも2つのゾーンの仕分け容器21の中から自ゾーンZの間口25との間で、物品22の仕分けを行う仕分け容器21が指示されることにより、各ゾーンZの作業者Hが仕分け処理可能な仕分け容器21の数を増加することができ、よって設備の仕分け処理能力を向上でき、仕分け作業の効率を改善できる。
【0105】
また本実施の形態によれば、移動表示器51の第1ランプ52により、第1仕分けライン41Aと第2仕分けライン41Bにより、連続搬送されている仕分け容器21の中からゾーンZの最下流に近い移動表示器51に対応する仕分け容器21から順に指示されることにより、仕分けが未完了の仕分け容器が、下流ゾーンに移動する恐れが生じ、仕分けラインを停止せざるを得ない状況となり、仕分け作業の効率が低下する恐れを少なくできる。
【0106】
また本実施の形態によれば、第1仕分けライン41Aと第2仕分けライン41Bは、仕分け容器21が、対象となるゾーンZの物品22の仕分けが未完了の状態で、対象となるゾーンZの最下流に到達したとき、停止されることにより、仕分けが未完了の仕分け容器が下流ゾーンに移動してしまい、仕分けが混乱し、誤仕分けが発生することを防ぐことができる。
【0107】
また本実施の形態によれば、移動表示器51の第1ランプ52と第2ランプ53は、ゾーンZにおいて、現在仕分けを実行する仕分け容器21の指示を赤色で行い、次に仕分けを実行する仕分け容器21の指示を緑色で行うことにより、作業者Hは、現在仕分けを実行する仕分け容器21を明確に認識でき、さらに次に仕分けを実行する仕分け容器21を認識でき、誤仕分けの発生を防止でき、仕分け作業を効率的に行うことができる。
【0108】
また本実施の形態によれば、移動表示器51は、第1仕分けライン41A、第2仕分けライン41Bの物品支持体48を介して、無端チェーン47に取り付けられており、各仕分けライン41A,41Bの上方に位置するときに、導電レール49A,49Bより電力の供給および点灯信号の受信、仕分け作業の指示が行われ、移動表示器51が仕分け容器とともに各仕分けライン上を移動されることにより、仕分けを指示する仕分け容器21の視認性を高めることができ、誤仕分けの可能性を低減でき、仕分け作業の精度を向上できる。
【0109】
また本実施の形態によれば、移動表示器51の第2ランプ53によって、隣接する下流のゾーンZのフローラック23から物品21を対応する仕分け容器21への仕分け作業の指示を行うことにより、下流のゾーンZの間口25から、このゾーンZの仕分け容器21へ物品22を仕分けるピッキング、即ち先行ピッキングを行うことができ、仕分け作業をより効率的に行うことができる。
【0110】
なお、本実施の形態によれば、図14(a)に示すように、ピッキング表示器26は、最下流のピッキング対象の仕分け容器21にピッキングする物品22の数量を表示しているが、図14(b)に示すように、最下流のピッキング対象の仕分け容器21と、次に下流のピッキング対象の仕分け容器21において、それぞれピッキングする物品22の数量を表示するピッキング表示器26’を設けるようにしてもよい。このピッキング表示器26’は、次の下流に位置し、次のピッキング対象の仕分け容器21に対応する、ディジタル表示器27’と、完了押釦スイッチ28’と、欠品押釦スイッチ29’を新たに備える。これにより、最下流のピッキング対象の仕分け容器21にピッキングする物品22に加え、次に下流にあるピッキング対象の仕分け容器21にピッキングする物品22を指示できることから、より仕分け作業の効率を高めることが可能となる。
【0111】
また本実施の形態によれば、仕分けエリア12において、第1仕分けライン41A、第2仕分けライン41Bの物品支持体48(無端チェーン47)に、複数の移動表示器51を設け、それら移動表示器51により、物品22の仕分け作業を指示する構成としているが、図15に示すように、各仕分けライン41A,41Bの上方に、各仕分けライン41A,41Bの駆動源である駆動装置50によって回転される無端状のワイヤー101(あるいはチェーン)を設け、このワイヤー101に複数の移動表示器51’を取り付け、各仕分けライン41A,41Bと同じ駆動装置によって同速度で移動させるようにしてもよい。またワイヤー101の駆動源を仕分けラインの駆動装置と別とする場合は、移動表示器51’の移動速度と仕分け容器21の搬送速度を同期させることにより、移動表示器51’を仕分け容器21に対応させる。
【0112】
また本実施の形態によれば、第1仕分けライン41Aと第2仕分けライン41Bの仕分け容器21を搬送する速度を、同速度かつ一定速度としているが、第1仕分けライン41Aと第2仕分けライン41Bの仕分け容器21を搬送する速度は、独立して任意に変更できるようにしてもよい。これにより、作業者Hの能力や出荷量に応じて、第1仕分けライン41Aと第2仕分けライン41Bの搬送速度を設定することができ、作業者Hの能力に応じた仕分け作業を実現でき、仕分け作業にかかる時間を短縮することが可能となる。また搬送経路を、第1仕分けライン41Aと第2仕分けライン41Bの2ラインとしているが、2ラインに限ることはなく、さらにラインを増設して、これら複数のラインから順に仕分けを実行する仕分け容器21を表示して仕分け作業を実行するようにすることもできる。
【0113】
また本実施の形態によれば、各移動表示器51の第1ランプ52、第2ランプ53は、現在ピッキング対象となる仕分け容器21を赤色で指示し、次にピッキング対象となる仕分け容器21を緑色で指示する構成としているが、その色は、赤色−緑色の組み合わせに限る必要はなく、青色−橙色などの互いに異なる色の組み合わせであればよい。またランプの点滅により、仕分けの順序を指示するようにしてもよい。また色で指示する代わりに、順番が識別できる符号により、仕分けの順番を指示するようにしてもよい。例えば、各移動表示器51の第1ランプ52、第2ランプ53の代わりに、ディジタル数量表示器を設け、現在ピッキング対象となる仕分け容器21に対応する移動表示器51のディジタル数量表示器に「1」を表示し、次にピッキング対象となる仕分け容器21に対応する移動表示器51のディジタル表示器に「2」を表示する。これにより、作業者Hは、より明確に仕分け作業の順番を認識し、誤仕分け生じる可能性を低減でき、仕分けの効率を改善できる。また本実施の形態によると、次の次にピッキング対象となる仕分け容器21、さらに次以降にピッキング対象となる仕分け容器21を認識できることから、次の次にピッキング対象となる仕分け容器21に対応する移動表示器51のディジタル数量表示器に「3」を表示し、さらに次以降にピッキング対象となる仕分け容器21に対応する移動表示器51のディジタル数量表示器に「4」と表示することにより、次の次、さらに次以降に仕分けを実行する仕分け容器21を指示することができる。
【0114】
また本実施の形態によれば、移動表示器51毎に、導電レール49より、電力の供給・点灯信号の送信を行っているが、所定数の移動表示器51を送電線・信号線で接続し、その中の一つの移動表示器51が、導電レール49より、電力の供給・点灯信号の受信を行い、その電力および点灯信号を前記送電線・信号線により残りの移動表示器51へ伝達する構成としてもよい。また導電レール49により、仕分けライン41A,41Bの上方に位置する移動表示器51に、電力の供給・点灯信号の送信を行っているが、仕分けライン41A,41Bの下方に位置する移動表示器51にも、電力の供給・点灯信号の送信を行う構成としてもよい。
【0115】
また本実施の形態によれば、仕分け設備の一例としてピッキング設備について説明しているが、本発明はアソート(類別仕分け)設備にも適用することができる。このとき、物品22を入荷する入荷エリアを設け、前記入荷エリアにおいて、仕分け容器21に入荷した物品22を入れ、仕分けエリア12の各仕分けライン41A,41Bに投入する。各間口25にユーザーNo.が割り当てられ、各仕分けライン41A,41B上の移動表示器51により、物品22を仕分けるゾーンZの作業者Hに対して、仕分け容器21より物品22を取り出す指示が行われ、前記作業者Hは、ピッキング表示器26により数量が指定された間口25へ、仕分け容器21より取り出した物品22を投入する(仕分けが行われる)。
【0116】
また本実施の形態によれば、図2に示すように、第1仕分けライン41A、第2仕分けライン41Bの仕分け容器21の搬送面を、平行にして、配置しているが、図16に示すように、第2仕分けライン41Bの仕分け容器21の搬送面を、フローラック23側に傾けて、配置するようにしてもよい。これにより、仕分け容器21へ物品22が投入しやすく、あるいは仕分け容器21より物品22をピッキングしやすくするようにすることができる(このとき、第2仕分けライン41Bには仕分け容器21がずれないようにガイド103を設ける)。
【0117】
また本実施の形態によれば、ゾーンZ毎に、一人の作業者Hを配置しているが、ゾーンZ毎に、2人以上の作業者Hを配置するようにしてもよい。
また本実施の形態によれば、仕分け容器21に割り当てる仕分け先をユーザー別としているが、その仕分け先を店舗別、方面別、アイテム別、搬送トラック別などとしてもよい。
【0118】
また本実施の形態によれば、仕分け棚をフローラック23としているが、必ずしもフローラック23とすることはなく、単なる固定棚であってもよい。このとき、固定棚の物品22の取り出し口を、各仕分けライン41A,41Bに向けても、あるいは、各仕分けライン41A,41Bとは直角な向きに向けてもよい。
【0119】
また本実施の形態によれば、仕分け容器21を物品支持体48を介して、無端チェーン47上に載置しているが、仕分け容器を21を直接、無端チェーン47に載置する構成としてもよい。これにより、設備のコストの削減が可能となる。
【0120】
また本実施の形態によれば、仕分け容器21を折り畳み可能なコンテナにより形成しているが、段ボール箱、または枠体により支持された袋により形成してもよい。これにより、様々な形態の物品の仕分けに対応できる。
【0121】
また本実施の形態によれば、物品22を仕分ける仕分け容器21を作業者Hに指示するために、移動表示器51(第1ランプ52および第2ランプ53)を設けているが、移動表示器51に代えて、各仕分けライン41A,41Bにそれぞれ、各仕分け容器21の移動位置を検出する移動検出器を設け、さらに各仕分けライン41A,41B毎にそれぞれ、各仕分けライン41A,41Bに沿って、物品22を仕分ける仕分け容器21を作業者Hに指示する複数の表示器を固定し、移動検出器により、物品22を仕分ける各仕分け容器21の移動位置を検出し、この移動位置に対応する表示器を点灯または点滅することによって、物品22を仕分ける各仕分け容器21を作業者Hに指示するようにしてもよい。前記表示器は、移動表示器51と同様に、赤色と緑色に点灯可能な第1ランプ52および第2ランプ53を備え、またゾーン毎に移動される仕分け容器21の台数に合わせてその台数が配置され、物品22を仕分ける仕分け容器21の移動位置に対応して、第1ランプ52が赤色に点灯または点滅することによって、自ゾーンZにおいて最初に仕分けを行う仕分け容器21が指示され、また第1ランプ52が緑色に点灯または点滅することによって、自ゾーンZにおいて次に仕分けを行う仕分け容器21が指示され、さらに第2ランプ53が赤色に点灯または点滅することによって、上流ゾーンZにおいて最初に仕分けを行う仕分け容器21が指示され、また第2ランプ53が緑色に点灯または点滅することによって、上流ゾーンZにおいて次に仕分けを行う仕分け容器21が指示される。
【符号の説明】
【0122】
10 仕分け設備
11 仕分け容器投入エリア
12 仕分けエリア
13 梱包エリア
14 出荷エリア
21 仕分け容器
22 物品
23 フローラック
24 入荷用容器
25 間口
26,26’ ピッキング表示器
30 テープスイッチ
33 ラベル
34 ラベルプリンタ
41A,41B 仕分けライン
42 本体
47 無端チェーン(無端回動体)
48 物品支持体
49,49’ 導電レール
51,51’ 移動表示器
52 第1ランプ
53 第2ランプ
65 集電子
71 統括コントローラ
72 容器投入コントローラ
73 表示器−容器コントローラ
74 表示器位置検出コントローラ
75A,75B 仕分けラインコントローラ
77 ゾーンコントローラ
78A,78B 仕分けライン表示器点灯送信コントローラ
81A,81B バーコードリーダ
83A,83B エンコーダ
84A,84B 送信機
85 給電・送信ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け対象の物品をそれぞれ収納する複数の区画収納空間を有し、所定数の区画収納空間毎に、仕分け作業を実行するゾーンが設定された仕分け棚を備え、
前記仕分け棚に沿って、複数の仕分け容器を連続搬送する搬送経路を備え、
前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記搬送経路により搬送される前記各仕分け容器と、前記仕分け棚の各区画収納空間との間で、物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、それぞれ独立して複数の仕分け容器を連続搬送する複数の仕分けラインから構成し、
前記各ゾーン毎に、ゾーン内を各仕分けラインにより連続搬送されている前記仕分け容器に対して、
前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記仕分け棚の各区画収納空間との間における物品の仕分けを指示する投入表示器
を備え、
前記各ゾーンにおいて、このゾーンの前記各区画収納空間との間で、前記物品の仕分けを行う仕分け容器が、前記投入表示器により指示されること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記各ゾーンにおいて、このゾーンの前記各区画収納空間との間で、前記物品の仕分けを行う仕分け容器が、前記投入表示器により前記複数の仕分けラインにより連続搬送されている仕分け容器の中から前記ゾーンの最下流に最も近い順に指示されること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記ゾーンにおいて、仕分けが未完了の仕分け容器が前記ゾーンの最下流に到達したとき、この仕分け容器を搬送する仕分けラインを停止すること
を特徴とする請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記各仕分けラインにより前記仕分け容器を搬送する速度は、任意に設定可能であること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項5】
前記投入表示器による物品の仕分けの指示は、ランプにより実行され、現在仕分けを実行する仕分け容器と次以降に仕分けを実行する仕分け容器を互いに異なる色で指示すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項6】
前記各仕分けラインとして、前記仕分け容器を支持する無端回動体を設け、
前記投入表示器は、前記無端回動体に支持される仕分け容器の載置位置に対応して前記無端回動体に取り付けられ、前記無端回動体の回動により前記仕分け容器とともに移動され、前記各仕分けラインの上方に位置するときに、仕分け作業の指示を行うこと
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項7】
前記各ゾーン毎に、ゾーン内を各仕分けラインにより連続搬送されている前記仕分け容器に対して、
前記仕分け先の物品要求情報に応じて、隣接する下流のゾーンの前記仕分け棚の各区画収納空間との間における物品の仕分けを指示する先行表示器
を備え、
前記各ゾーンにおいて、このゾーンの前記各区画収納空間との間で、前記物品の仕分けを行う仕分け容器が、前記投入表示器の指示に基づく物品の仕分けが終了されると、隣接する上流のゾーンの前記先行表示器により前記上流のゾーン内を前記複数の仕分けラインにより搬送されている仕分け容器の中から指示されること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項8】
前記各仕分けラインとして、前記仕分け容器を支持する無端回動体を設け、
前記先行表示器は、前記無端回動体に支持される仕分け容器の載置位置に対応して前記無端回動体に取り付けられ、前記無端回動体の回動により前記仕分け容器とともに移動され、前記各仕分けラインの上方に位置するときに、仕分け作業の指示がランプにより実行され、現在仕分けを実行する仕分け容器と次以降に仕分けを実行する仕分け容器を互いに異なる色で指示すること
を特徴とする請求項7に記載の仕分け設備。
【請求項9】
前記仕分け容器は、コンテナ、または折り畳み可能としたコンテナ、または段ボール箱、または枠体により支持された袋であること
を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の仕分け設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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