説明

仕切り付き収納箱

【課題】仕切り板を安定してスライドできるとともに、使用しないときには折り畳める構造の仕切り付き収納箱を提供する。
【解決手段】方形の底面21と4つの側面22,23,24,25とからなり内部空間に小物を収納し得るように構成された箱状本体部2と、前記箱状本体部の内部空間を仕切る仕切り部材4とを備え、仕切り部材の側縁に係合舌片44を延設するとともに、対向する2つの側面の内側に、係合舌片をスライド可能に係合させ得る係合部6を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下着類やハンカチ等の小物を収納する収納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、タンスの引出しに下着類やハンカチ等を収納する場合、乱雑に収納すると互いに入り交じってしまって見苦しいだけでなく、いざ取り出して使用する場合に、目的のものを容易にはさがせないという問題があった。
一方、きちんと折り畳んで揃えて収納すると、見た目も綺麗であり、取り出す場合にもさがしやすくなるが、その内のひとつを取り出すと、残ったものが乱れてしまい、何回か取り出すと、入り交じった状態になってしまうという問題があった。
そこで、小さな収納空間を形成して見た目も綺麗で取り出しやすく、また、取り出したあとも乱れないようにした収納箱が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3090229号公報
【0004】
特許文献1に記載された収納箱は、スライド可能な仕切り板を備えたものであって、前記収納箱の底面には長手方向に沿った溝を形成し、前記仕切り板の下辺には前記溝への係合部を形成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載された収納箱は、確かに、スライド可能な仕切り板を備えているので、下着等の小物を収納しやすくなっている。しかし、スライド可能な仕切り板の下辺に係合部を形成したので、仕切り板の上部を持ってスライドさせようとして力を入れると仕切り板が傾いてしまうのでスライド操作がスムーズでないという問題がある。
また、折りたたみ可能でないので、持ち運んだり、使用しなくなったときに邪魔になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、仕切り板を安定してスライドできるとともに、使用しないときには折り畳める構造の収納箱の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる仕切り付き収納箱の請求項1では、方形の底面と4つの側面とからなり内部空間に小物を収納し得るように構成された箱状本体部と、前記箱状本体部の内部空間を仕切る仕切り部材とを備え、前記仕切り部材の側縁に係合舌片を延設するとともに、前記箱状本体部の対向する2つの側面の内側に、前記係合舌片をスライド可能に係合させ得る係合部を形成した。
【0008】
請求項2では、前記箱状本体部の対向する他の2つの側面は2つ折り可能に形成され、前記箱状本体部の方形の底面は可撓性素材で折り曲げ可能に形成されて、前記箱状本体部を折りたたみ可能に形成するとともに、前記箱状本体部を使用状態に開いたときに底面に敷くように形成された前記底面と同一形状の底板を備えている。
【0009】
請求項3では、前記係合舌片は、板状の仕切り部材の両側縁に、折り曲げ可能に延設された支持板部の上部に形成され、前記係合部は、板状の側面の上縁の内側に下方を開放し、上縁を前記側面に止着したフラップ状に形成されている。
【0010】
請求項4では、使用状態に開いた前記箱状本体部に、前記仕切り部材を係合した状態で、タンスの引出しに収納可能な高さと底面形状に形成されている。
【0011】
請求項5では、前記箱状本体部に被せ得る蓋を備え、この蓋は、方形の天面と4つの側面とからなり内部空間に前記箱状本体部を収納し得るように構成されている。
【0012】
請求項6では、前記蓋の対向する2つの側面は2つ折り可能に形成され、前記蓋の方形の天面は可撓性素材で折り曲げ可能に形成されて、前記蓋を折りたたみ可能に形成した。
【0013】
請求項7では、使用状態に開いた前記箱状本体部に、前記仕切り部材を係合し、さらに、前記蓋を被せた状態で、タンスの引出しに収納可能な高さと底面形状に形成されている。
【0014】
請求項8では、前記箱状本体部、前記底板、前記仕切り部材、前記蓋は、何れも板状保形材を布地で覆って構成し、前記係合部もフラップ状の布地で構成した。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる仕切り付き収納箱の請求項1によれば、方形の底面と4つの側面とからなり内部空間に小物を収納し得るように構成された箱状本体部と、前記箱状本体部の内部空間を仕切る仕切り部材とを備え、前記仕切り部材の側縁に係合舌片を延設するとともに、前記箱状本体部の対向する2つの側面の内側に、前記係合舌片をスライド可能に係合させ得る係合部を形成したので、仕切り板が安定して自立するとともに、スライド移動させるときにもスムーズに移動させることができる。そして、仕切り板を複数枚セットすることによって、複数の収納空間に仕切ることができるので、それぞれの収納空間に収納した小物が混ざり合うことなく、取り出すときも見やすい。さらに、ひとつ取り出しても他の小物が混ざり合うことも少なく、美しく収納することができる。
【0016】
請求項2では、前記箱状本体部の対向する他の2つの側面は2つ折り可能に形成され、前記箱状本体部の方形の底面は可撓性素材で折り曲げ可能に形成されて、前記箱状本体部を折りたたみ可能に形成するとともに、前記箱状本体部を使用状態に開いたときに底面に敷くように形成された前記底面と同一形状の底板を備えているので、使用しないときには折り畳んで場所を取らない状態でしまうことができる。
【0017】
請求項3では、前記係合舌片は、板状の仕切り部材の両側縁に、折り曲げ可能に延設された支持板部の上部に形成され、前記係合部は、板状の側面の上縁の内側に下方を開放し、上縁を前記側面に止着したフラップ状に形成されているので、延設された支持板部が箱状本体部の内面に当たって仕切り板を支持するので、仕切り板が安定して自立するとともに、スライド移動させるときにもスムーズに移動させることができる。
【0018】
請求項4では、箱状本体部はタンスの引出しに収納可能な高さと底面形状に形成されているので、タンスの引出しにセットして収納に供することができる。
【0019】
請求項5では、蓋を被せた状態でも使用できる。
【0020】
請求項6では、蓋も折り畳み可能であるので、箱状本体部と同様に、使用しないときには折り畳んで場所を取らない状態でしまうことができる。
【0021】
請求項7では、蓋を被せた状態でも、タンスの引出しに収納可能な高さと底面形状に形成されているので、タンスの引出しにセットして収納に供することができる。
【0022】
請求項8では、前記箱状本体部、前記底板、前記仕切り部材、前記蓋は、何れも板状保形材を布地で覆って構成し、前記係合部もフラップ状の布地で構成したので、外観および手触りが良く、ハンカチや下着等の小物を収納して、タンスの引出し等で使用しても、違和感が無く便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明にかかる仕切り付き収納箱を、その実施の形態を示した図1〜4に基づいて詳細に説明する。
分解斜視図を示した図1において、
1は本発明にかかる仕切り付き収納箱であり、箱状本体部2、底板3と、複数の仕切り板4、4、・・と、蓋5とから構成されている。
前記箱状本体部2は、方形の底面21と4つの側面22、23、24、25とからなり、内部空間2Sに小物を収納し得るように構成されている。
前記底板3は、前記箱状本体部2を使用状態に開いたときに底面21に重ねて敷くように形成された板状のものであり、前記底面21より僅かに小さな大きさとなっている。
【0024】
前記仕切り板4は、前記箱状本体部2の内部空間26を複数の小空間2Sに仕切るためのものであり、基本形状は板状に形成されている。
この仕切り板4の両側縁には、折り曲げ部41、41の部分で折り曲げ可能に延設された片42、42が延設されており、さらに、前記折り曲げ部41、41の上部の約1cmには切り込み43、43が入れられている。
このようにして、前記切り込み43、43によって前記仕切り板4から切り離された部分には、係合舌片44、44が形成されるのである。
【0025】
一方、前記箱状本体部2の対向する2つの側面22、24の内側には、前記係合舌片44、44をスライド可能に係合させ得る係合部6、6が形成されている。この係合部6、6は、前記箱状本体部2の左右両側面22、24の上縁に沿って配設されており、前記係合部6、6の上縁は前記箱状本体部2の上縁に止着され、下方が開放されて自由な状態で垂がったフラップ状に形成されている。そして、前面側の側面の外面には、収納物の種類等を記入した用紙を差し込んでおくための、透明窓付きの表示部を備えている。
図3に示した詳細説明図によれば、前記箱状本体部2の側面22の内側に形成された係合部6は、前記箱状本体部2の側面22の上縁に沿って配設された布ベルト状であり、その上縁は前記箱状本体部2の上縁に逢着され、下方が開放されて自由な状態で垂がったフラップ状に形成されている。
前記係合部6と前記側面22との隙間に、仕切り板4の端部に形成された前記係合舌片44、44を差し込んで、前記仕切り板4を前記側面22に係合させるのである。このとき、前記仕切り板4の端部に形成された切り込み43に、前記フラップ状の係合部6が入り込んで互いに係合した状態で、仕切り板4を前記側面22に沿ってスライド移動させることが可能になっているのである。
このような構造は、側面24側にも同様に形成されていることは言うまでもないので、その説明は省略した。
【0026】
前記蓋5は、前記箱状本体部に被せ得るものであり、この蓋5は、方形の天面51と4つの側面52、53、54、55とからなり、内部空間5Sに前記箱状本体部2を収納し得るように構成されている。そして、前面側の側面の外面には、収納物の種類等を記入した用紙を差し込んでおくための、透明窓付きの表示部を備えている。
なお、使用状態に開いた前記箱状本体部2に、前記仕切り部材4を係合して組み立てて、さらに、前記蓋5を被せた状態で、この仕切り付き収納箱1を収納する対象のタンスの引出し等の収納空間に収納可能な高さと底面形状に形成されている。
【0027】
なお、前記箱状本体部2、前記底板3、前記仕切り部材4、前記蓋5は、何れも板状保形材を活性炭を含ませた不織布等のシートで挟み、さらに通気性の良い不織布等の布地で覆って構成(図4参照)している。また、前記係合部6もフラップ状の布地で構成した。
【0028】
次に、前記仕切り付き収納箱1の折り畳み構造を説明する。
図1に示したように、前記箱状本体部2の対向する2つの側面22、24には係合部が形成されているが、他の2つの側面23、25には折り目26、27が形成され、図4に示したように、これらの折り目26、27で側面23、25が2つ折り可能に形成されている。さらに、前記箱状本体部2の方形の底面21は可撓性素材で折り曲げ可能に形成されている。以上の構成によって、前記箱状本体部2は開いて広げた状態、もしくは折りたたんだ状態の何れかにできる。
前記蓋5についても、箱状本体部2と同様に、図4に示したように、対向する2つの側面53、55は2つ折り可能に形成され 、前記蓋5の方形の天面51は可撓性素材で折り曲げ可能に形成されているので、前記蓋5も、前記箱状本体部2と同様に、開いて広げた状態、もしくは折りたたんだ状態の何れかにできる。
従って、図2に示したような使用状態では、箱状本体部2も蓋5も開いて広げた状態で使用し、不使用状態では、図4に示したように、どちらも折りたたんで、場所を取らない状態でしまうことができる。
【実施例1】
【0029】
実施例の仕切り付き収納箱としては、図5に示した1Aのように底面形状が長方形の場合や、1Bに示したように底面形状がほぼ正方形の場合がある。
仕切り付き収納箱1Aの寸法は、例えば、高さ cm、底面の縦 cm、横 cm程度であり、仕切り付き収納箱1Bの寸法は、例えば、高さ cm、底面の縦 cm、横 cm程度とする。
なお、蓋を被せずに使用する場合もある。
また、仕切り板4A、4Bの枚数は5枚に限られるものではなく、必要に応じて増減するとよい。
この仕切り付き収納箱は、タンスの引出しの中に限らず、タンスの上の空間や、ベッドの下の空間、または、クローゼットの中等に自由に置いて使用することができる。また、数段重ねて使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかる仕切り付き収納箱の実施の形態を示した分解斜視図である。
【図2】前記仕切り付き収納箱の組み立て状態の斜視図である。
【図3】前記仕切り付き収納箱の要部の一部断面斜視図である。
【図4】前記仕切り付き収納箱の折り畳み状態の斜視図である。
【図5】前記仕切り付き収納箱の2種類の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 仕切り付き収納箱
1A 仕切り付き収納箱
1B 仕切り付き収納箱
2 箱状本体部
2A 箱状本体部
2B 箱状本体部
3 底板
4 仕切り板
5 蓋
6 係合部
44 係合舌片
22、24 対向する2つの側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形の底面と4つの側面とからなり内部空間に小物を収納し得るように構成された箱状本体部と、
前記箱状本体部の内部空間を仕切る仕切り部材とを備え、
前記仕切り部材の側縁に係合舌片を延設するとともに、
前記箱状本体部の対向する2つの側面の内側に、前記係合舌片をスライド可能に係合させ得る係合部を形成したことを特徴とする仕切り付き収納箱。
【請求項2】
前記箱状本体部の対向する他の2つの側面は2つ折り可能に形成され、前記箱状本体部の方形の底面は可撓性素材で折り曲げ可能に形成されて、前記箱状本体部を折りたたみ可能に形成するとともに、
前記箱状本体部を使用状態に開いたときに底面に敷くように形成された前記底面と同一形状の底板を備えていることを特徴とする請求項1に記載の仕切り付き収納箱。
【請求項3】
前記係合舌片は、板状の仕切り部材の両側縁に、折り曲げ可能に延設された支持板部の上部に形成され、
前記係合部は、板状の側面の上縁の内側に下方を開放し、上縁を前記側面に止着したフラップ状に形成されていることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の仕切り付き収納箱。
【請求項4】
使用状態に開いた前記箱状本体部に、前記仕切り部材を係合した状態で、タンスの引出しに収納可能な高さと底面形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の仕切り付き収納箱。
【請求項5】
前記箱状本体部に被せ得る蓋を備え、この蓋は、方形の天面と4つの側面とからなり内部空間に前記箱状本体部を収納し得るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の仕切り付き収納箱。
【請求項6】
前記蓋の対向する2つの側面は2つ折り可能に形成され、前記蓋の方形の天面は可撓性素材で折り曲げ可能に形成されて、前記蓋を折りたたみ可能に形成したことを特徴とする請求項5に記載の仕切り付き収納箱。
【請求項7】
使用状態に開いた前記箱状本体部に、前記仕切り部材を係合し、さらに、前記蓋を被せた状態で、タンスの引出しに収納可能な高さと底面形状に形成されていることを特徴とする請求項5または6の何れか1項に記載の仕切り付き収納箱。
【請求項8】
前記箱状本体部、前記底板、前記仕切り部材、前記蓋は、何れも板状保形材を布地で覆って構成し、前記係合部もフラップ状の布地で構成したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の仕切り付き収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−137449(P2006−137449A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327662(P2004−327662)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(595100059)
【Fターム(参考)】