説明

代謝エネルギー監視システム

本発明は、エネルギーバランス、キロカロリ単位のエネルギー消費量およびキロカロリ摂取量の計算および表示が記述されることを可能にする1つまたは複数の生理学的測定プラットフォームおよびディスプレイを有する代謝エネルギー監視システムに関する。好適な実施形態において、本システムは1つまたは複数の身体上の監視プラットフォームを利用してある期間にわたる身体組成およびキロカロリ単位のエネルギー消費量の変化の測定を可能にし、これにより、比較器がこの期間にわたって純エネルギーバランスを計算し、かつこの同じ期間にわたってキロカロリ摂取量を計算することを可能にする。次に、このようなデータは身体上の監視プラットフォームと無線通信状態にあるディスプレイ装置上に表示されてもよく、本システムのユーザに体重管理の用途における有益な情報および手引きが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギーバランス、キロカロリ単位のエネルギー消費量およびキロカロリ摂取量の計算および表示を可能にする1つまたは複数の生理学的測定プラットフォームおよびディスプレイを有する代謝エネルギー監視システムの使用に関する。好適な実施形態において、本システムは、1つまたは複数の身体上の監視プラットフォームの歩行使用を可能にしてある期間にわたる身体組成およびキロカロリ単位のエネルギー消費量の変化の測定を可能にし、これにより、比較器がこの期間にわたって純エネルギーバランスを計算し、かつこの同じ期間にわたってキロカロリ摂取量を計算することを可能にする。次に、このようなデータは身体上の監視プラットフォームとの無線通信でディスプレイ装置上に表示されてもよく、本システムのユーザに体重管理の用途における有益な情報および手引きが提供される。また、携帯用監視プラットフォームを含む追加の方法および装置についても記載する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、体脂肪の異常蓄積として定義され、かつ多くの慢性疾患に寄与する重大な危険因子として広く認識されている。肥満体の人は心臓病、高血圧、糖尿病、関節炎およびある種の癌の危険性が著しく高いこと、それ故に肥満症は全体的な健康状態および生活の質に直に影響することは十分に認められている。全体的な健康および慢性疾患素質の可能性を決定する際の肥満症の中心的役割に起因して、肥満症の効果的な管理に対する重大な臨床的かつ疫学的ニーズが存在する。
【0003】
目的が健康向上、病気の管理またはライフスタイル変更の何れであっても、肥満および食事療法の管理において、栄養および運動を監視するための方法は、ある期間にわたる純エネルギーバランス(体重)を生じるキロカロリ(kcal)摂取量とキロカロリ消費量との間の関係性を基礎としている場合がある(式1)。エネルギーバランスがプラスであれば、この余剰エネルギーは典型的には体内にエネルギーの貯蔵源として、例えば脂肪として貯えられ、よって体重が増える。
【0004】
摂取量(kcal)−消費量(kcal)=エネルギーバランス(kcal) (式1)
【0005】
所望される体重の減/増または現状体重の維持は、個人の全体的なエネルギーバランスの管理によって達成される場合がある。この目的を達成するために、様々なアプローチが試行されてきた。これには、kcalエネルギー消費量計算器およびkcal摂取量推定器の使用が含まれる。例えば摂取量の監視は、典型的には、その食品グループまたは実際の食事の画像に含まれる平均的な推定kcalを基礎とする人手による日記および/または外部による見解によって達成される。これらのアプローチは、概して、コンプライアンスまたは推定誤差を生じやすい。
【0006】
代替アプローチは、体重計または身体組成分析器を全体的エネルギーバランス(体重)の変化の指数として使用することを含むが、これらは、kcal摂取量と比較したkcalエネルギー消費量に関するフィードバックを提供しない。さらに、これらのポイントインタイム式または低頻度の(周期的)装置は、kcalエネルギーバランスを正確に測定しないかもしれないユーザコンプライアンスに依存する。さらに、例えばkcal摂取量である体重の増/減に関連づけられる他の任意の要因に関する情報の欠如は、この情報の体重管理治療としての有用性を著しく制限する。
【0007】
簡単に言えば、上述のアプローチは、不十分なユーザコンプライアンス、周期的測定によるシステムの内在的不正確さ、および/またはkcal摂取量推定の不正確さに起因して、式1の諸項を解くために必要なデータおよび解決策を十分に提供するに足るものではないことが分かっている。必要とされるものは、kcalエネルギー消費量、エネルギーバランスおよびkcal摂取量の決定を可能にし、よって食習慣およびkcalエネルギー消費量に関する有益な情報を使用して個人向けの専用食事療法および運動計画を進めることができるシステムである。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載する発明は、ある期間にわたるkcalエネルギー消費量、エネルギーバランスおよびkcal摂取量を決定するための新規システムを提供する。本システムの好適な要素は、身体組成、kcal摂取量および/またはkcalエネルギー消費量に関連づけられる少なくとも1つの生理学的パラメータの測定を可能にする少なくとも1つの監視プラットフォームと、身体組成の変化からのエネルギーバランスの決定、およびkcal摂取量を計算するもとになるkcalエネルギー消費量の決定を可能にする少なくとも1つの比較器と、前記決定および計算の少なくとも一部をユーザおよび/または他の第三者に表示することを可能にする少なくとも1つのディスプレイとを含む。
【0009】
本発明の好適な一実施形態において、元来薄型でありかつ柔軟な監視プラットフォームは、効果的に連続して接触する1つまたは複数の本体領域内に存在し、少なくとも1つの比較器のために生理学的データを提供する。次に、比較器は、前記生理学的データを利用してkcal摂取量、kcal消費量およびエネルギーバランスを決定し、かつ、前記決定の少なくとも一部を、監視プラットフォームと周期的に無線通信状態になってもよい別個のディスプレイユニット内に位置決めされるディスプレイによって視覚的に提示する。比較器の機能および位置は、監視プラットフォームとディスプレイユニットとの間の電力、通信ニーズおよび処理回路ニーズをよりよく管理するために、監視プラットフォームとディスプレイユニットとの間に分散されてもよい。
【0010】
様々な実施形態において、比較器は、例えば携帯電話網通信を使用して1つまたは複数の遠隔データ管理システムと通信状態にあってもよい。これらの遠隔データシステムには、ユーザデータの少なくとも一部が供給されてもよく、かつ次にはユーザに食事療法のガイド、提案または他の形式の情報を供給してもよい。監視プラットフォーム、ディスプレイユニットおよび遠隔データ管理システムを含むこのようなシステムは、米国特許第7,044,911号に開示されている。前記特許は、本参照によりその全体が本明細書に含まれる。また、ユーザには、目標とするカロリーまたは食事療法の目安、kcal摂取量の予測傾向分析、食事療法の目標が達成される時期をユーザが計画することを可能にする場合のあるカロリー消費量および/またはエネルギーバランスを含む追加的な情報も供給されてもよい。この実施形態のある変形例では、所望される目標を達成すべく食事療法/運動プランまたは代謝状態プログラムの厳守がより良く維持され得るように、本システムによって予測分析が利用され、自動的に、または要求された時点でユーザに是正指令、警告、サポート、報酬、インセンティブまたは他の形式の情報およびサービスが提供される。このような情報は比較器に内在するものであってもよく、比較器と通信状態にある1つまたは複数の遠隔データシステムによって提供されてもよい。
【0011】
さらに他の実施形態では、所望される体重目標をより良く達成するために、栄養および/またはkcalエネルギー消費量パターンおよび摂食行動または摂食活動を改善するための勧告の、ユーザへの通知または伝達が行われる場合がある。このような通知は、自動的に比較器によって、または比較器と遠隔通信状態にある外部の第三者および/またはデータシステムを通じて発生されてもよく、かつ警報音、振動またはディスプレイユニット上または監視プラットフォーム上の何れかにおける他の形式の伝達から成ってもよい。さらに他の実施形態では、本システムはユーザに、その体重管理を改善する1つまたは複数のプログラム、カウンセリングおよび/または資料へのアクセスを提供してもよい。所定の例において、このアクセスはメニューの形式であってもよく、ユーザはこのメニューから希望するアイテムを選択する。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態において、本発明のシステムは、身体代謝の監視に関する、または疾病状態の発生または進行に関する臨床医の管理を含む健康管理プログラムに組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つの形式を示す。
【図2】本発明の一実施形態を示す。
【図3】本発明の監視プラットフォームの一実施形態を示す。
【図4】取外し可能な回路素子を示す監視プラットフォームの一実施形態を示す。
【図5】体脂肪指数と局部的に測定された生体電気ピーク位相角との間に観察される関係を表すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態におけるディスプレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、概して、向上された体重管理のための新規システムに関する。本システムの方法は、好適には測定された身体組成の変化を基礎とする個人のエネルギーバランス、およびある期間にわたる個人のkcal摂取量の後続計算を可能にする個人のkcalエネルギー消費量を自動的に決定することから成る。本発明はさらに、前記決定された項目(バランス、消費量、摂取量)およびこれらの項目から導出される、食事療法および代謝状態関連の健康問題の管理に使用するための要素の使用を請求する。選択された実施形態では、体重管理目標をさらに有効化するために、1つまたは複数の体重管理ツールがユーザによって選択されても、かつ/あるいは本システムに関連づけられるアルゴリズムによって自動的に生成されてもよい。さらに、本発明は、前記決定された項目のローカルまたは遠方環境における表示、格納および伝達も含んでもよい。
【0015】
本システムは、様々な実施形態において、1つまたは複数の測定された生理学的パラメータを使用してカロリー消費量、kcal摂取量およびエネルギーバランス状態を決定してもよく、かつこれらの値から、ユーザの目標体重および身体組成目標に適合すべくユーザによる食品摂取量および運動の修正を支援してもよい。これらの用途においてユーザまたは他の認可された第三者に提供される情報は、測定されるパラメータのカレント状態、および/または測定/収集されたデータから導出される、既定のしきい値が超過される時期の傾向または予測などの変数を含んでもよい。容易に考えられる他の実施形態では、本システムは非体重管理の用途に、例えば軍関連の個人および初動対応者の即応性または適性の監視、活動および代謝関連の健康に関する老人病監視、栄養状態監視、慢性疾患監視に、および恐らくはブドウ糖監視/病気治療アセスメントなどの検体定量における使用に利用されてもよい。従って、本発明の追加的使用は容易に考えられるものであり、本発明の範囲は、本明細書に提示される用途に限定されない。
【0016】
図1は、本発明の一形式を図示したものである。図に示すように、システム100は、測定される身体105と略接触状態にある監視プラットフォーム110から成る。ディスプレイユニット130は視覚的ディスプレイ132を有し、かつ点線構造で表される比較器120は監視プラットフォーム110およびディスプレイユニット130の双方に存在して示されている。また、監視プラットフォーム110とディスプレイユニット130との間の情報、指令またはデータの通信を表す実線矢印140も示されている。このような通信は、例えば無線送信である無線によるものであっても、直接的な接続手段によるものであってもよい。また、ディスプレイユニット130と、使用に関する追加的な情報またはデータをユーザに提供してもよい1つまたは複数の遠隔データ管理位置160との間の通信を表す点線矢印150も示されている。
【0017】
本発明のこの方法によれば、監視プラットフォーム110は、身体組成またはkcalエネルギー消費量に関連づけられる身体105の1つまたは複数の生理学的パラメータを測定する。検出されるこのようなパラメータには、組織組成、検体および/または体液状態の変化が含まれてもよい。好適な実施形態では、1つまたは複数の身体部位の1つまたは複数の測定値からのデータが比較器120によるアルゴリズムの使用を介して相関され、全体的な身体組成の変化が推定される。例えば動作などの、他の生理学的および/または人体計測パラメータの追加的測定値は、身体のkcalエネルギー消費量の決定を可能にする。
【0018】
また比較器120は、受信された前記情報を格納し、かつ数学的に操作して、例えば式2の使用によりある期間にわたるkcal摂取量を決定することを可能にする。
【0019】
消費量(kcal)+エネルギーバランス(kcal)=摂取量(kcal) (式2)
【0020】
計算されたkcal摂取量、kcalエネルギー消費量および/またはエネルギーバランスは、次に、ディスプレイ130を用いてユーザへ自動的に、またはユーザが希望する時点で提示されてもよい。
【0021】
また比較器120は、所定の実施形態において、エネルギーバランス、kcal消費量、kcal摂取量、栄養または他のユーザ特性(傾向、異形)に関する収集されたデータセットまたは情報を、追加的分析のために、追加的データ格納装置および比較器機能を有する遠隔データ管理システム160へ転送150してもよい。このような転送150は、例えば携帯電話網、インターネットリンクを使用するイーサネット(登録商標)通信などである無線手段または有線手段であってもよい。データ管理システム160は、ユーザがその体重管理目標を達成することを支援する、またはユーザの現状のエネルギーバランス(体重)を維持するために、前記受信されたデータを分析した時点でユーザに、例えばディスプレイ130を介して、食事療法、運動またはライフスタイルの提案された修正事項に関する有益なフィードバックを提供してもよい。所定の実施形態では、ユーザデータの傾向は、予測された傾向結果を緩和する、または変えるために、何れかの比較器によってユーザへ先取的推奨を開始してもよい。
【0022】
図2には、体重管理の用途(減量および維持)を目的とする本発明の好適な一実施形態が提示されている。図に示すように、監視プラットフォーム210は略薄型(平坦)かつ柔軟であるように構築され、選択された身体部位で例えば接着剤によって身体205に付着される。パッチ状の監視プラットフォームは考えられる効果的な使用、例えば衣服を着たまま、かつ/または、歩行使用での測定を可能にし、他にユーザ側の効果的なシステム使用に関して考え得るコンプライアンスの低減を可能にする。また、パッチ状のセンサは、延長された期間、例えば時間、日、週単位にわたって、測定が単一の身体部位から達成されることを効果的に可能にする場合もある。さらに、単一の身体部位との効果的な一定の接触は、画定された身体部位に測定の一貫性を効果的に与える場合があり、これにより、位置移動に起因する経時的に入手される測定データセットの望ましくない可変性が低減される可能性があり、かつこれにより、恐らくは、測定プラットフォームの連続貼付によって得られる測定値に比べて被測定身体部位において発生する組成変化のより正確な決定が可能にされる。
【0023】
前記測定を達成するために、監視プラットフォーム210は支持構造体212と、制御回路214と、例えばバッテリである電源216と、送信アンテナ218とを有する。センサ素子220は、身体組成の決定における可能な使用のために局所的な多周波生体電気インピーダンス測定を実行するための複数の電極と、身体組成およびkcalエネルギー消費量の決定を支援する例えばサーミスタである温度センサと、kcalエネルギー消費量の決定における可能な使用のための少なくとも1つの多次元加速度計と、同じくkcalエネルギー消費量の決定における可能な使用のための心拍数測定用電極とを含む。この好適な実施形態の一変形例では、生体電気インピーダンスの測定に利用される電極の少なくとも幾つかは、心拍数および呼吸数の測定に使用される電極であってもよい。コンポーネント間の電気接続を提供する必要な相互接続部(ワイヤ)、および全体構造210へ追加の層を提供する構造的な層/物質は図示されていない。
【0024】
さらに詳しく説明すると、制御回路214は、センサからの測定データを入手し、例えば信号ノイズの除去および後続分析に有益な値への変換など前記データを処理し、かつ前記データを送信するために必要な素子、例えばマイクロコントローラ、メモリ、増幅器、無線トランシーバ(送信/受信)チップセット、アナログ−デジタル変換器、デジタル−アナログ変換器、スイッチ、クロック水晶などを有する。このような信号の操作および有益なデータへの変換は、監視プラットフォームに存在している場合のある比較器による活動の少なくとも一部を表す。このような回路素子は不連続の回路コンポーネント、例えば抵抗器、演算増幅器、マイクロコントローラから構築されてもよく、または特定用途向け集積回路(ASIC)またはこれらの素子の組合せなどの多機能コンポーネントで構成されてもよい。また、このような素子は従来的なシリコンベースの(CMOS)回路素子で構築されてもよく、またはプリント電子および/または先進ナノ電子素子の一部または全体を利用し、これにより、恐らくはシリコンベース素子に比べて向上されたプラットフォームの柔軟さを可能にしてもよい。
【0025】
図3に示すように、層が矢印の表示通りに分離された状態の側面図で示されている監視プラットフォーム300の構造は、少なくとも3つの主要な層を有する多層の略薄型(平坦)構造として構成されてもよい。第1の最下層310は、身体との略接触を可能にする第1の表面312を有し、かつ例えば電極であるセンサ素子314を含んでもよい。また、この層は、身体への監視プラットフォームの接着を促進するために1つまたは複数の生体適合性のある接着材316も含んでもよい。第2の中間層320は、例えばポリイミドまたは他の適切な材料である好適には柔軟な基板324上へ搭載されるプラットフォーム機能を監視するために必要な回路素子322を有する、例えば電子層である必要回路の位置を含む。好適な実施形態では、このような電子コンポーネントは、このような素子が監視プラットフォームの全体構造内に含まれるように構築される。第3の上層330は、下にある回路およびセンサが湿気に汚染される可能性を最小限に抑えるために大部分を保護カバー332で構成されてもよい。さらに、上層は部分的に発泡材料334で構築されてもよく、ユーザに与える快適さの向上が可能にされる。関連する実施形態では、上層は、例えば有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである1つまたは複数のディスプレイ素子も含んでもよく、かつ/あるいは商業目的またはマーケティング目的に関するロゴまたはパターンを含んでもよい。また上層330は、装置が正しく作動している、またはエラー状態になっていることを確認するために、例えば光素子である可視的表示器も含んでもよい。
【0026】
関連する実施形態では、回路素子の一部は取外し可能な交換可能回路「パック」または構造体として構築されてもよく、これにより、恐らくは監視プラットフォーム使用の全体コストが低減される。図4はこのような1つの実施形態を示し、本図において、監視プラットフォーム400は、バッテリ435、センサ430、電気トレース425、円形の電気接点420および保持クリップ423を含む略薄型(平坦)の下部構造体403と、略薄型(平坦)のカバー構造体405とを有する。これにより、回路素子415を含む回路パック410を下部構造体403と上部構造体405との間に挿入すると、パック410の表面上に位置決めされた回路パック電気接点と対向する電気接点420との間の接触が可能にされる(パック410の電気接点は図示されていない)。円形接点420の使用は、回路パック410を正しく挿入するための方向づけ要件の必要性を最小限に抑えることから効果的である。回路パック構造体および電気接点手段の他のジオメトリおよび形式は、例えば光相互接続、長円形パックなどが容易に考えられ、よって本発明の範囲は図4に提示された構造体に限定されない。
【0027】
図2に戻ると、この好適な実施形態における監視プラットフォーム210とディスプレイユニット230との間の通信は無線方法によるものであり、例えばBluetooth(登録商標)または他の一般に使用される無線通信手段などの電波通信の使用を介する。この好適な実施形態では、このような通信は例えば10メートル未満である限定された領域を有し、かつ送信されるデータセットなどへの望ましくないアクセスを防止するために暗号化されてもよい。他の実施形態では、監視プラットフォーム210とディスプレイユニット230との間の通信は、セルラ、WiFi、WiMaxまたは10メートルより長い距離を有する他の無線通信手段などの長距離電波通信を利用してもよい。通信されるこのようなデータは、これらの追跡が多様で有益な目的のために、例えばデータセットをより大きいデータ収集/分析セットにおける個人とリンクするため、または製造パフォーマンス/信頼性を追跡するために有効化されてもよいように、例えば回路214および/またはセンサ220である監視プラットフォーム210の全体または一部を識別する識別子も含んでもよい。監視プラットフォーム210とディスプレイユニット230との間の通信が達成され得ない場合、センサデータは通信が回復されるまである期間にわたって、例えば24時間を限度として格納されてもよく、次にセンサデータはディスプレイユニット230へ送信されてもよい。
【0028】
ディスプレイユニット230は、比較器のさらなる活動および比較器情報/分析のディスプレイ232などのユーザへの搬送を可能にする機能性を有する。このような機能性(不図示)は、例えばマイクロコントローラ、メモリ、バッテリ、1つまたは複数のトランシーバおよび関連アンテナなどである回路素子を含み、かつ電子工学分野の当業者には周知である。この好適な実施形態の所定の形式において、ディスプレイユニットは、携帯電話およびディスプレイユニットの双方としての二重機能を有効化するために包含される必要な比較器ソフトウェアを有する携帯電話で構成される。ディスプレイユニットは、この比較器の機能を監視プラットフォーム210とディスプレイユニット230との間で動的に分配してもよい。この動的な比較器機能分配は、残余電力供給、無線通信リンクの品質、生理学的パラメータ測定の変化率または類似する生理学的、環境的またはシステム関連要素を基礎として調整されてもよい。
【0029】
比較器内部には、組成変化およびこの組成変化、kcalエネルギー消費量およびkcal摂取量に関連づけられる結果的なエネルギーバランスの決定を可能にする、例えばアルゴリズムである数学的機能が存在する。このようなアルゴリズムは、ユーザまたは他者によって入力されてもよくかつアルゴリズム機能および比較器分析に有益である場合のある、例えば年齢、性別および/または身長、ウエストまたはヒップサイズといった身体寸法などのユーザデータである追加情報を含んでもよい。このようなデータは、比較器機能の一部としてのディスプレイユニット上の問合せ、ディスプレイユニットに位置決めされたキーボードまたは音声認識機能を介する入力または遠隔データ管理システム250を介する入力に応答して入力されてもよい。
【0030】
図2には、ディスプレイユニット230と遠隔データ管理システム250との間の通信も示されている。このような通信は、この好適な実施形態ではインターネット形式の通信と組み合わされた、例えば携帯電話網を介する無線方法を包含してもよい。遠隔データ管理システム250では、ユーザデータの追加分析が実行されてもよく、かつユーザによる体重管理目的の達成をより一層可能にするための指令、推奨事項、サポート、サービスなどを提供する応答がユーザによる検討を目的としてディスプレイユニットへ返送されてもよい。
【0031】
以下、本発明の各要素に関してさらに詳述する。
【0032】
監視プラットフォーム − 監視プラットフォームは、身体組成、エネルギーバランス、kcal摂取量およびkcalエネルギー消費量の計算に有益である生理学的パラメータの測定を可能にする1つまたは複数のセンサから成る。
【0033】
身体組成変化の決定を目的として測定されるべき身体部位は、好適には、全体的身体組成の変化に対する1つまたは複数の測定値の相関性を有効化する部位である。より好適には、測定されるこれらの部位は、例えば肩から臀部までであるトルソ全体に及ぶ、または例えば片脚から片脚までの測定である2先端間に広がる測定に比較すると、腹部の一部の局所的測定のように大きい身体構造の一部しか含まない。さらに、選択される部位は、好適には、例えば体脂肪、体液、除脂肪体重である1つまたは複数の身体組成要素の変化の査定を可能にする。このような部位の例には、下胸部、腹部、大腿上部またはキロカロリ摂取量および消費量の変化に応じて体脂肪の著しい蓄えを有する他の身体領域の部位が含まれてもよい。
【0034】
所定の実施形態では、例えば性別、年齢、全体的な健康状態(痩せている、正常、過体重、肥満)または併存疾患である特定の人口統計グループ内の身体組成変化に対する身体部位の感受性を基礎として1つまたは複数の身体部位が最適な配置/測定場所として選択されてもよく、よって例えば成人男子である1つの個人グループは、例えば成人女子である異なるグループのそれとは異なる推奨配置位置を有してもよい。従って、本発明の範囲は1つの身体位置または部位に限定されない。
【0035】
一般的に言えば、身体組成を査定するためのセンサは、身体部位の組成の査定を可能にするために1つまたは複数のエネルギーと一身体部位との交換を包含する。このようなエネルギーは、概して区別的に影響される、例えば異なる組織タイプによって区別的に吸収される有益な性質を有し、よってこのようなセンサからの信号の分析は、信号が横切る組織組成の変化を決定するために利用されてもよい。
【0036】
このようなセンサは電磁的、電気的、光学的、機械的または音響的エネルギーを含んでもよく、本発明の範囲は任意の1つの形式またはタイプのセンサに限定されない。これらのセンサは組成および組成変化を測定してもよく、または例えばナノ粒子、光応答性作用因子などである導入素子を利用してこれらの測定活動を支援してもよい。本発明の好適な一形式では、1つまたは複数の身体部位における身体組成の決定に際して、概して1kHzから1000kHzまでの範囲内、最も好適には1kHzから200kHzまでの範囲内の1つまたは複数の周波数を利用する1つまたは複数の生体電気インピーダンスセンサが利用される。我々は、下胸部/腹部上で取得される局所的な多周波生体電気測定が身体組成に関連づけられる因子の決定に有益な、故に本発明のシステムにおいて有益な測定を有効化することを効果的に観察した。このような局所的生体電気インピーダンス測定は、例えばパッチである単一構造体内に位置合わせされた電極を使用して付随的に達成されてもよく、よって身体組成測定を実行するためのワイヤまたは別個の監視プラットフォーム構造体を使用する必要がない。
【0037】
例えば、図5は、刊行されている米国陸軍体脂肪指数アルゴリズムを使用して測定された複数の個人の体脂肪指数と相関されたこのような局所的多周波生体電気インピーダンス測定により取得された生体電気インピーダンスのピーク位相角の生データを提示している。相関ライン510が示すように、生体電気インピーダンスのピーク位相角と体脂肪指数との間には、−0.4の傾斜および相関係数R=0.7を有する著しい逆相関が存在し、これにより、体脂肪パーセントかつひいては全体的な身体組成に相関されるべき身体部位において取得された測定値の一般的な機能が実証されている。観察されたデータセットにおける散乱は、複数の回帰または他の形式の数学的分析による性別、年齢、身体寸法などの追加因子の包含によって低減されかつ相関は向上されてもよい。相関を向上させるこのような方法およびアプローチは、数学および身体組成分析の分野における当業者には周知である。
【0038】
さらに、身体組成(および/またはkcalエネルギー消費量)を決定するためのセンサは侵襲的であってもよく、例えば埋め込まれてもよい。或いは、インピーダンス測定が皮膚表面上に位置決めされる場合、センサ測定は、例えば電極型センサの使用を介して実質的に非侵襲的であってもよい。本発明のさらに他の形式では、身体組成(体脂肪、体液、除脂肪体重)、検体、kcal消費量または代謝状態の決定に際して完全な非接触形式の測定も利用されてもよい。このような形式の測定の例には、1つまたは複数のエネルギーの交換が体表面との直接的接触を必要としない超広帯域レーダの使用が含まれる。概して2GHzから10GHzまでの範囲内のこのような超広帯域周波数は体組織内へ数センチメートル透通する場合があり、これにより、検査部位内の身体組成の決定が可能にされる場合がある。
【0039】
さらに他の実施形態では、恐らくは身体組成、代謝状態または代謝活動の変化を反映する1つまたは複数の検体を測定するためのセンサは、身体組成、kcal消費量、kcal摂取量または時間的データの変化の決定を支援するために単独で、または他のセンサとの共同で利用されてもよい。このようなセンサには、レプチンまたはインスリンなどの循環ホルモン、間質性グルコース、血中乳酸塩、血中ビタミン、呼気のケトン、呼気の二酸化炭素、交感神経活動などの神経活動のためのセンサ、または汗の量、組成または割合の決定を可能にするセンサが含まれてもよい。関連する実施形態では、関連する代謝パラメータに反応する追加のセンサが含まれてもよい。またセンサには長期的な代謝変化、例えば血中ヘモグロビンのグリコシル化、血圧または尿タンパク濃度を反映するセンサも含まれてもよい。形式上、前記センサ(および監視プラットフォーム)は、1つまたは複数の他のセンサと一体化された構造体を備えてもよく、または独立型センサ、例えばグルコメータとして機能してもよい。前記センサは様々な様式で、例えば光学的、電気的、化学的、音響的に構築されてもよく、かつ従来のシリコンベースのナノ構造電子工学を採用した材料を利用して生物学的/無機構造に、例えば1つまたは複数の検体の存在に反応する遺伝子組み換え細胞に組み合わされてもよい。本発明の形式および範囲は、任意の1つの形式またはタイプの検体センサに限定されない。
【0040】
さらに他の実施形態では、身体組成、身体組成変化または代謝状態の決定を可能にするために、同じ形式または異なる形式のエネルギーを有する1つまたは複数の身体部位を検査する1つまたは複数のセンサが使用されてもよい。本発明の関連する形式では、身体組成変化の決定に有益なセンサは、全体的な分析を支援するために、例えば体重計である他の形式の身体測定からのセンサデータまたは特有の重力/浮力決定も利用してもよい。
【0041】
身体組成を決定するためのセンサに加えて、本発明の方法およびシステムはkcalエネルギー消費量を決定するための1つまたは複数のセンサも使用してもよい。一般的に言えば、これらのセンサは活動に関連する身体のkcalエネルギー消費量に反応する。このようなセンサからのデータは、ある期間にわたる全体的なkcalエネルギー消費量を決定するために、基礎/安静代謝率および/または例えば消化である身体による非活動関連形式のkcalエネルギー消費量の推定も組み込むアルゴリズムにおいて使用されてもよい。
【0042】
本発明の好適な一実施形態において、例えば心拍、活動および深部体温の決定である活動関連のkcalエネルギー消費量の決定を可能にするセンサは、身体組成を決定するために使用されるセンサと同じ監視プラットフォーム内に位置決めされる。このようなセンサの形式には、心拍を決定するための例えばパルス酸素濃度計である電極または光学手段、活動のための多次元加速度計および深部体温を決定するためのサーミスタまたは心臓流量センサが含まれてもよい。概して、活動センサの使用およびエネルギー推定は活動測定分野の当業者には周知であり、よって他の形式およびタイプのセンサがこの点に関連して使用されてもよく、本発明の範囲は1つの形式またはタイプの活動センサに限定されない。
【0043】
kcalエネルギー消費量用に利用されるセンサのうちの1つまたはそれ以上は、身体組成の決定にも利用されてもよい。例えば、身体組成を決定するための超広帯域レーダ測定を有効化するセンサは、kcalエネルギー消費量を決定するための有益なデータを提供するために心拍および/または呼吸数を決定するためにも効果的に使用されてもよい。これらの個々の分析に使用されるデータは、同じデータセットであっても、異なるデータセットであってもよい。例えば、kcalエネルギー消費量の決定に利用される超広帯域レーダの局所的データは、心拍および/または呼吸決定の有効化などを目的として時間ベースの測定を使用してもよいのに対して、静止または非レートベースのデータは下にある組織の組成を決定するために利用されてもよく、故に身体組成の決定に有益である。
【0044】
代替的な実施形態では、kcalエネルギー消費量用のセンサは身体kcalエネルギー消費量の総和に直接相関していてもよく、即ちこれらのセンサは全体的な代謝(kcal)率/消費量に直接関係していてもよい。このようなセンサは身体の間接熱量測定に関連づけられるものであってもよく、かつ例えば周囲(吸入)レベルの酸素および二酸化炭素に対する二酸化炭素呼出である吸気および呼気を測定するためのセンサ、または深部体温センサを含んでもよい。
【0045】
センサ測定値は、例えば行動のパターン、レベルまたは速度および/または身体組成の状態変化である所望される測定パラメータに相応する様々な期間(デューティサイクル)で入手されてもよい。この一例は、例えば10分または30分に一度である低頻度の測定を使用されるスリープモードを利用し、次に行動または動作の突然の変化に応答して例えば数秒または数分に一度であるアクティブモードに移行する行動センサのそれであってもよい。活動変化の頻度は身体組成変化の度合いより高い場合があることから、ある期間にわたる活動および/または身体kcalエネルギー消費量を決定するためのセンサ測定の測定デューティサイクルは、局所的組成変化の測定に採用されるものとは異なってもよい。
【0046】
一般的な形式では、身体部位との間でエネルギーの供受給を行う1つまたは複数のセンサ素子に加えて、例えばインピーダンス電極または加速度計である監視プラットフォームは、センサの正しい機能に必要な電子回路も含む。従って、この電子回路はメモリ、マイクロコントローラおよび/またはデジタル信号プロセッサ、アナログ−デジタル変換、デジタル−アナログ変換器、増幅器および電源(バッテリ)並びに分析および後続表示のためにセンサデータを1つまたは複数の比較器へ通信する手段を含んでもよい。このような通信は無線式であっても有線式であってもよく、例えば無線送信を介するものであっても、より大きい回路アッセンブリの一部としての直接的接続によるものであってもよい。所定の例において、例えば超広帯域レーダである1つまたは複数のセンサに利用される回路は、少なくとも部分的にセンサデータを通信するために利用されてもよい。概して、センサ回路の設計および構造は電子工学分野における当業者には周知であり、従って、この点に関連して他の形式およびタイプのセンサが使用されてもよく、よって本発明の範囲は1つの形式またはタイプのセンサ回路に限定されない。監視プラットフォームは、電気接点の閉止、バッテリの設置、プラットフォーム上に位置決めされた光電池スイッチの露光などの手段を介する自動化された活性化を含んでもよい。他の形式では、監視プラットフォームをスリープモードから完全に活性化させるためにディスプレイユニットが使用されてもよい。これは、様々な手段を介して、例えば無線送信された指令を介して達成されてもよく、または直接接触ベースのアプローチを介して、例えば電気信号を監視プラットフォームへリレーする1つまたは複数の導電素子の使用によって達成されてもよい。
【0047】
形式上、身体組成および/またはkcalエネルギー消費量を決定するためのセンサおよび監視プラットフォームは様々な様式で設定されてもよく、よって本発明の範囲は任意の1つの形式の監視プラットフォームに限定されない。例えば、センサは身体内に埋め込まれても、皮膚表面へ直に取り付けられても、携帯用であっても、衣類に組み込まれても、家具、ベッドへ取り付けられても、壁に付けられてもよい。関連する実施形態において、本発明のセンサは、本発明に関連づけられるものを超える追加機能を有する医療装置に組み込まれてもよい。
【0048】
監視プラットフォームの携帯用の実施形態の一例として、センサは、やはり比較器およびディスプレイ機能を有する携帯用装置内に、例えば適切に構成された携帯電話内に組み込まれてもよい。このような形式では、超広帯域レーダなどのセンサは、身体組成の決定に適する、かつ不使用時には着用するように意図された装置本体内への例えば加速度計である活動センサの組込みに適するデータを提供するために、センサを選択された身体部位に、例えば下胸部に周期的に置くことによって有効化されかつ利用されてもよい。
【0049】
さらに他の実施形態では、身体組成の測定を可能にする監視プラットフォームはkcalエネルギー消費量を測定するための監視プラットフォームとは異なり、かつ前記プラットフォームから物理的に分離される。このような複数のプラットフォームの例には、身体に付着される、身体組成の測定を有効化する1つまたは複数のパッチと組み合わされた歩数計または他の活動センサの使用が含まれる。
【0050】
比較器 − 比較器の好適な1つの機能は、例えば時間、日または週単位の期間に対応するkcalエネルギーバランス、kcal消費量およびkcal摂取量を決定することである。このような決定は、監視プラットフォームのデータおよび好適には式2に提示された数式による入力されたセットアップデータを使用することによって達成される。計算(および表示)を目的とするエネルギーとしてのkcalの使用は他の形式のエネルギー単位、例えばジュールによって、かつ/あるいは代替形式のエネルギー単位、例えばkcalの「カップケーキ」単位および/または点数への変換によって置換されてもよく、よって後者の形式では、理解の向上および食事療法処方の遵守を可能にすべくユーザに例えば3個分のカップケーキ、または3カップケーキ=7点が伝達されることは理解される。従って、本発明の範囲は任意の1つの形式のエネルギー単位に制約されない。
【0051】
比較器機能の位置は、部分的または全体的に、監視プラットフォームに位置決めされる電子コンポーネント内、ディスプレイユニット内または1つまたは複数の遠隔データ管理システム内に存在してもよく、よって本発明のシステムは比較器活動のための1つの位置/構造に制約されない。比較器機能の動的な割り付けは、監視プラットフォーム、ディスプレイユニットまたは遠隔データ管理システムもしくはこれらのシステム素子の組合せによって制御されてもよい。
【0052】
式2の使用によって代謝kcalパラメータの査定を達成するために、好適にはプラットフォームセンサの少なくとも2つのデータセット、例えば特定の期間の始まりで測定される少なくとも1つのデータセットおよびこの期間の終わりで測定される少なくとも1つのデータセットが使用される。このようなデータセットは、この期間内に介在する中間期において取得される複数のデータも含んでもよい。従って、このような実施形態では、センサ測定を達成し、かつ対応するデータセットを受信するために、比較器は監視プラットフォームに指令してもよく、或いは別段に監視プラットフォームと連動してもよい。このような通信は、比較器により監視プラットフォームに対して発行されるオンデマンド指令、または監視プラットフォームにより既定プログラムベースで取得されるデータセットのプラットフォームからの受信を含んでもよい。他の実施形態では、企画または予想されるデータセット、例えば活動および/またはエネルギーバランス/身体組成の過去の傾向パターンを基礎として予想される活動が1つまたは複数の測定されたデータセットの代わりにされてもよい。従って、本発明の範囲は、この査定に使用されるべき前記データセットを取得するための任意の1つの形式の指令または方法に限定されない。
【0053】
概して、エネルギーバランスおよびkcalエネルギー消費量を決定するための比較器により使用されるアルゴリズムは、ユーザの年齢、性別、身長、健康レベル、開始時のウエスト直径および初期の開始体重などのデータを利用して1つまたは複数の局所的測定の全体的な身体組成変化および/または純kcalエネルギー消費量に対する相関を向上させてもよい。所定の他の実施形態では、決定感受性を向上させるために、1つまたは複数のアルゴリズムに例えばユーザまたは臨床医が入力する併存疾患、血液検査結果、ストレス検査結果などのデータまたは住民を対象とする追加データである他の情報も含まれてもよい。本発明のさらに他の形式では、1つまたは複数の測定値からベースラインパラメータが確立され、よって、エネルギーバランス、カロリー摂取量などの後続の計算および推定では、このベースラインからの変化または傾向が決定されかつ使用されてもよい。
【0054】
所定の実施形態では、ユーザの即時的状態または現状に関連して発見される結果を計算し、かつ/あるいは提示することは効果的でない場合がある。即ち、このような推定は必ずしも新たに摂取される食品または栄養物を組み入れず、よって、所定の実施形態では、摂取された栄養物の体内への配分を計算および表示に先行して有効化する、例えば分または時間単位のオフセットされた期間が利用されてもよい。
【0055】
さらに他の実施形態では、エネルギーバランスおよび/またはkcal消費量の決定に使用される1つまたは複数のアルゴリズムは動的であり、前記アルゴリズム内の1つまたは複数のパラメータは、経時的に入力される1つまたは複数の補正係数または補正項の使用を介して、例えば減量に関連づけられる度合いの変化を補償するために基礎代謝率の計算に利用される項の調整を介して自動的に(または手動で)調整されてもよい。関連する実施形態では、このような調整は、受信された1つまたは複数の入力またはデータセットに応答するアルゴリズムの自己学習または自己調整を含んでもよい。
【0056】
キロカロリエネルギーバランス 本発明の好適な実施形態では、エネルギーバランスは身体組成の変化から決定され、前記身体組成変化は、この変化に関連づけられる対応するエネルギーバランス(キロカロリ)に数学的に変換される。例えば、100gの純脂肪増加が決定された場合、この増加は、例えば脂肪1gが約9kcalのエネルギーを表す変換公式を使用して全体的なエネルギーバランス900kcalの純増加に変換されてもよい。
【0057】
身体組成変化を決定する好適な1つの方法として、身体は2つの主要な区分、即ち体脂肪(BF)および除脂肪体重(FFM)に分割されるものとして考慮される。含水量は全体重の60%までを占めるが、脂肪質量(<2%)にはほとんど寄与しないことが想定されることから、この観察は、さらなるFFMの2つの区分、即ち体液(H)および他の組織質量(O)への分離を有効化する。但しOは、部分的に、例えば筋肉であるタンパク質と例えばグリコーゲンである複合炭水化物とで構成される身体−除脂肪体重−内の他の主たるエネルギー源を反映すると概して想定される成分で構成される。例えば骨量であるOの残りの部分は、概して、大部分の代謝分析状況下では不変かつ非寄与であるものとされている。タンパク質および複合炭水化物の質量変化は、次に、例えばタンパク質および複合炭水化物が共に4kcal/gを略表示する追加的な変換公式の使用を介して全体的エネルギーバランスに変換されてもよい。従ってこれらの観察から、体脂肪質量(BF)および他の組織質量(O)の変化の決定は、全体的エネルギーバランスの決定を可能にする。
【0058】
身体組成およびひいてはエネルギーバランスの変化を反映するBFおよびOまたはOの成分の変化は、幾つかの方法によって導出されてもよく、本発明の範囲は任意の1つの形式または方法に制約されない。例えば、BFおよびOの変化は式3の使用を介して達成されてもよい。但し、BFIは個人の体脂肪指数(または体脂肪パーセント)を示す。一般的アプローチとして、式3の諸項は最初の測定期間に関して、かつ続いて選択されたある期間の完了時に決定されてもよい。これにより、これらの2つの決定は、BFおよびOの最終(または期間の終わり)の値からのBFおよびOの最初に決定された値の減算を有効化し、これにより、BFおよびOの全体的変化が与えられる。(グラムまたは他の質量単位で表される)BFおよびOの変化から、次には、例えば脂肪=9kcal/gおよびO(タンパク質および炭水化物)=4kcal/gである変換公式を使用してこれらの変化に対応するエネルギー(kcal)が即座に決定されてもよい。
【0059】
【数1】

【0060】
式3に対する好適な解において、ある期間の開始時および終了時におけるBFIの決定は、この期間にわたるHの変化の決定に関連して、中間的または複数の重量測定を必要とすることなくBFおよびOの変化の推定を可能にする。BFIおよびHの変化の決定を有効化するセンサは、結果的なインピーダンス信号が体液変化および身体組成(BFI)の双方に関して分析される局所的な生体電気インピーダンスセンサを含む。具体的には、我々は効果的にも、局所的生体電気インピーダンスの抵抗項およびリアクタンス項が全身的体液変化の推定において使用されてもよいのに対して、多周波生体電気インピーダンス測定のピーク位相角などのインピーダンス位相角項は図3に提示されるデータによって表されるようにBFIと相関されてもよいことを観察した。これらのデータを一例として利用して、相関ラインの傾斜(SBFI)は位相角(φ)の変化の感受性をBFIの変化に関連させる(式4)。
【0061】
【数2】

【0062】
一般的に言えば、生体電気インピーダンスの位相角の検出可能な最小変化は、BFI変化の最も高い感受性の決定を可能にする。位相角の分解能は、回路感受性、幾つかの複製測定および全体的な信号インピーダンスを含む複数の因子によって管理される。位相角の測定に加えて、年齢、性別、ライフスタイル、健康推定、民族性、初期ウエストサイズなどの他の因子が位相角とBFIとの間の相関性を向上させるアルゴリズムに使用されてもよい。このような入力から、次には、インピーダンス位相角をBFIへ関連づける、よってBFI変化の経時的追跡を有効化するアルゴリズムが構築されてもよい。同様に、生体電気測定から水化変化を決定するためのアルゴリズムも構築されることが可能であり、水化変化を査定するための方法および装置は、本参照によりその全体が開示に含まれる米国特許出願第S/N10/922,370号に記載されている。概して、このようなアプローチは、1つまたは複数の局所的測定を例えば身体組成である全身的生理学的パラメータに関連づけることを有効化する他の形式のセンサによって使用されてもよい。
【0063】
この好適な実施形態において、開始時の身体質量または体重の最初の推定は、初期脂肪質量BFがより良く決定され得るように利用される。しかしながら、この実施形態では、例えばBF、HおよびOの変化である身体組成成分の変化がエネルギーバランスの決定における後続使用で利用されることに起因して、入力される開始体重および全体的な体液量Hの僅かな精度誤差は前述のパラメータ変化の後続の計算にさほど影響しない。
【0064】
説明すると、この実施形態の解決策にとっては絶対質量の真の精度よりも変化量の推定精度の方が重要であり、例えば、脂肪の変化が100gであると決定することの方が、各々開始時の脂肪質量が24kgまたは24.5kgの何れであったか、また結果的な終了時の脂肪質量が24.1kgまたは24.6kgの何れであったかより重要である。個人の体液Hの初期推定に関しても、同様のことが言える。概して、痩せた個人の場合、Hは全身体質量の60%を含む場合があるのに対して、太った個人の場合、Hは55%以下を含む場合がある。しかしながら、後続測定に関するHの変化は一日分としてのBFおよびOの全体的査定に寄与し、この値は、液体の摂取および損失(排尿、汗、蒸散など)に起因してかなり、例えば数リットル(またはキログラム)も変わることがあるが、大部分の個人にとって、この比較的短い期間内に事実上0.1kgを超える脂肪を減少させることは困難である。従って、Hの変化の推定は、BFおよびOの変化を決定する全体的感受性を向上させる。
【0065】
次には、期間の初期または開始時点に関して、BFIに対応するセンサデータを入力し、かつ基底体液状態Hを確立することにより式3が解かれてもよい。開始体重の推定は、そのBFIの個人に対応する水化率の住民ベースの公式と共にHの確立に利用されてもよい。これらの初期パラメータから、例えば分母の全身体質量および分子のBFを利用し次にBFIに等式化される式3の形式を使用して、初期の開始時脂肪質量BFが決定されてもよい。次には、初期の開始質量Oが、分母にF、HおよびOの各項、分子にBF項を有し、かつBFIに等式化される式3の代替形式を利用し、かつ基底体液状態Hを含む他の項が代入された時点でOを解くことによって決定されてもよい。
【0066】
選択された期間の終わりでは、初期値からのBFおよびHの変化の決定に使用するための式3の解が複数の様式で到達されてもよい。ある好適な方法では、この期間末に対応するセンサデータを利用してこの期間末(EOP)に対応する新たなBFI、例えばBFIeopが決定される。またセンサデータは、この期間にわたるHの変化、例えばHchangeの決定を有効化するデータを提供するために使用されてもよい。次には、この決定されたHchangeおよびHの初期推定を利用して、HchangeをHに加算することにより、新たなH(Heop)が計算されてもよい。次には、BFIeopおよびHeopが、この期間の終わりを表すBFおよびOの各項、例えば各々BFeopおよびOeopに関して式3を解く際に使用されてもよい。
【0067】
BFeopおよびOeopを決定するための好適な1つの方法は、計算されたBFeop値の代入を繰り返してOeopの推定値を決定し、かつ次にこれらのOeopの推定値を使用してBFeopのさらなる推定値に到達するなどを含む計算処理を介して達成される。この代入処理は、OeopおよびBFeopの値に例えば変化なしである収束が観察されるまで継続されてもよい。
【0068】
ある代替方法は、例えば式3の使用によるOeopおよびBFIeopの同時的計算を行わずにBFeopを計算し、かつ初期の開始体重推定をHの変化量で調整し、次にOeopを推定する。Oeopを推定する1つの方法は、脂肪質量の減少に関連づけられるタンパク質または除脂肪体重の比例減少に関する識見を提供する住民ベースの調査結果を利用するものが考えられる。即ち、典型的には、食事療法の実行中、体重減少の略70%は脂肪減少に関連づけられ、かつ30%はタンパク質および炭水化物の減少の組合せに起因する。このような関係性は、Oの変化量を推定するために使用されてもよく、Oeopはこの推定から即時決定されてもよい。
【0069】
さらなる追加的方法は、例えば脂肪はグラム重量当たりの含有熱量が最も高く、かつ典型的には減量プログラムの焦点であることに起因して、BFのみを関心のある唯一のパラメータとして考慮する。例として、100kgでBFI25%の個人について考察する。このBFIは、脂肪質量BF25kgに相当する。例えば最初の決定から1日または2日後である第2の時点で、この個人の体重は101kgになり、そのうちの0.9kgは体液の増加(H変化量)および0.1kgは脂肪質量の増加を表してBFIが新たに24.85%になると想定する。増加した脂肪質量の査定は、本発明の一実施形態に従って、測定されるH変化量およびBFI測定値の使用を介して推定されてもよい。即ち、体液の増加は、1つまたは複数の検出方法の使用によって、例えば局所的多周波インピーダンス測定の使用を介して決定されてもよい。体液のこの増加から、全体重は(「真の」体重101kgではなく)100.9kgであると計算されてもよい。この個人の新たなBFIも、測定を介して、例えば生体電気インピーダンスの位相角測定値を使用することによって決定されてもよい。位相角の測定値は、Hとは独立してBFIの住民ベース査定に相関されてもよいことから、BFI測定値は24.85%(または適用される測定技術から生じる誤差内)になる。BFI測定値24.85および推定重量100.9kgからの脂肪質量BFの計算は、BF値25.07kgまたは「真の」値からの0.03kg減をもたらす。体脂肪質量を増減させる能力は、例えば日単位である比較的短い期間にわたるHに関連づけられる変動可能性より遙かに小さいことから、このような誤差は、この誤差が日常的なカロリー摂取量の僅かな一部、例えば10%であることに起因して多くの用途において容認できるものであってもよい。
【0070】
さらに、様々な身体区分質量の変化の決定を有効化するこれらの計算値から、新たな全体重推定が行われ、かつ後続の測定および分析において使用されてもよい。この処理は、分析に使用されるアルゴリズム変数のさらなる較正を提供するために、例えば週毎の体重計測定である他のパラメータの周期的入力の使用を介してその個人用にさらに調整されてもよい。
【0071】
或いは、式3は、2つ以上の別々の機会に比較器へ体重を入力し、かつこれらの機会に比較器へBFIと相関するセンサデータを提供することによって、上述の様式で解かれかつ利用されてもよい。比較器は次に、この情報を利用してまずBFを導出し、かつ続いて、Hを不変であると想定しながら代入によってOの推定を導出してもよい。しかしながら、この実施形態および/または関連する実施形態は、Hおよび/または食事療法/排尿の各パターンの推定に影響する体液(水化)変化から結果的に生じる非合成的な体重変化に関連づけられる身体組成決定誤差によって悪影響を受け、全体重の推定または監視プラットフォームの一時的配置に関連づけられる不正確さに影響が出る場合がある。
【0072】
好適な実施形態において、身体組成分析を目的とする複数の測定値は、これらの決定自体が例えば動作アーチファクトに帰属し得る信号ノイズである測定精度に関連づけられる不確定性を低減すべく平均化されてもよいように、かつ例えばBFである身体パラメータがこの短い測定期間中は不変とされることを想定して、例えば秒単位または分単位である比較的短い期間にわたって引き継がれる。これらの測定値は、次に、身体組成変化の決定を有効化するより長い期間内で使用されてもよい。
【0073】
本発明のさらに他の実施形態では、より低い頻度の測定が、例えば一日中周期的に使用される携帯用監視プラットフォームの使用を介して採用されてもよい。これらの測定は、所望されるデータを供給するために1つまたは複数の測定技術および/または1つまたは複数の身体部位を採用してもよい。さらに、本発明のこれらの実施形態並びに他の実施形態では、例えば心拍、呼吸、体温用などである追加センサまたはセンサ測定値自体が、信号ノイズ、位置または動作アーチファクトを最小限に抑えるべく取得された測定値を調整するために使用されてもよい。
【0074】
要するに、身体組成変化および/またはエネルギーバランスを決定するアプローチは複数存在し、よって本発明の範囲は任意の1つの形式または方法の解決策に制約されない。
【0075】
本発明のさらに他の形式では、例えば血清グルコースレベルである生理学的基本形質を反映する1つまたは複数のパラメータの測定は、個人の全体的な代謝状態のより完全な示度を形成するために組み合わされてもよい。これらの査定は、記述されたアルゴリズムを個人用にさらに調整するための、例えば基礎代謝率の推定および/または摂取量に関連づけられる身体組成変化である比較器内の1つまたは複数のパラメータの調整において有益である場合がある。測定されるこれらのパラメータは、観察される生理学的基本形質の短期的および長期的状態の双方を反映してもよい。
【0076】
さらに、これらの測定は、即時的な身体組成変化としては必ずしも結果的に表れないが恐らくガイド、指令などには有益である食事のパターンまたは食習慣に関して識見を与える場合がある。例えば、血清グルコースレベルは、典型的には食品の摂取に反応して、例えば分単位から時間単位に至る期間にわたって上昇し、次いで下降する。このような上昇および下降のパターン、持続時間および規模は、食された食品の性質および量に関する有益な識見を与える場合があり、かつ連続するグルコース測定器などによって監視されてもよい。従って、ユーザには、このような測度を介して、食された、例えばグルコースである食品エネルギーの量が、予測されたkcalエネルギー消費量に基づいて結果的に体重減または増をもたらすことが予想されるという比較的即時的なフィードバックが供給されてもよい。またこれらのデータは、全体的な代謝管理目標を向上させるべく、より効果的なカウンセリングまたはガイダンスをユーザに提供できるように、このような消費の例えば運動であるkcalエネルギー消費量に対するタイミングに関連づけられてもよい。グルコースに加えて、例えば血中脂肪酸である他の代謝産物もこのような方法で利用されてもよく、よって本発明の範囲はこの点に関連するグルコースの使用に制限されない。
【0077】
幾分かの関連がある実施形態では、可能な過剰血清グルコース(エネルギー)レベルのより長い期間、例えば2〜3週間にわたる査定を行うためにフルクトサミンの週毎の測定を介して決定される全体的血清グルコースレベルの幾分長期的な査定と比較した血清グルコースレベルの比較的短期間の変動間のパターンまたは関係性が使用される。さらに長期的な全体的代謝管理の査定は、毎月または半年毎のグリコヘモグロビンHbA1cの決定によって与えられる。これらの測定値は、精査によって、毎日の(短期的)グルコース循環に関する、並びにユーザによるグルコースおよび/または他の形式のkcal摂取量の全体的な長期管理に関するより深い識見を与え、よって向上されたカウンセリング、ガイダンスなどが有効化される場合がある。
【0078】
キロカロリエネルギー消費量 概して、本発明の好適な実施形態では、ある期間にわたるkcalエネルギー消費量の決定は、この期間にわたる基礎/安静代謝率および測定された活動に関連するkcalエネルギー消費量の計算によって行われる。これらの項目のうちで、定坐性または低活動性のライフスタイルを有する個人では基礎/安静代謝率がkcalエネルギー消費量の最も主要な成分となる。この基礎/安静代謝率の推定に関しては住民対象調査から導出される多くのアルゴリズムが利用可能であり、よって本発明の範囲は任意の1つの形式またはタイプの基礎/安静代謝率決定に制限されない。
【0079】
好適な実施形態では、ある期間にわたる活動に関連づけられるkcalエネルギー消費量の計算を有効化するセンサが使用される。ある期間にわたる活動ベースのkcalエネルギー消費量を測定するためには、多くの装置およびアプローチが多かれ少なかれ連続式に利用されてもよい。これらには、心拍モニタ、周囲温度/湿度モニタ、加速度計、体温モニタ、熱流束モニタ、汗の測定などの1つまたは複数の技術が含まれてもよい。このような方法および装置は、生理学的エネルギー監視分野における当業者には周知である。本発明の好適な実施形態では、1つまたは複数のこのような技術が、エネルギーバランスの決定に有益な1つまたは複数のバイオパラメータを検出するために利用される例えばパッチである監視プラットフォームに組み込まれる。
【0080】
結果的に得られたこの期間にわたる活動ベースのkcalエネルギー消費量の決定は、次に、基礎/安静代謝率に関連づけられる対応するエネルギーと結合され、この期間にわたるkcalエネルギー消費量の全体的な決定が達成される。この実施形態および他の実施形態のさらなる改良として、基礎/安静代謝率の推定は、延長された期間にわたって、例えば週単位または月単位で組成変化および/または体重変化を補償するために調整されてもよい。
【0081】
エネルギー消費量は個人的にも、例えば睡眠、運動、食事などの間に変わる場合があり、よって、1つまたは複数のセンサが、1回またはそれ以上の延長された、例えば時間単位または日単位の期間にわたる個人のkcalエネルギー消費量の定量化に有益なデータを供給してもよく、よって好適な実施形態では、センサデータは、この変動を明らかにするために記述アルゴリズムと共に利用される。典型的には、対応するアルゴリズムは、kcalエネルギー消費量を決定するために、活動のデータ測定と共に例えば年齢、身長、性別である追加の入力データを利用する。一日を通じたkcalエネルギー消費量のこのような追跡は、体重管理プログラムの全体的目標により良く叶うように活動が増大または調整されてもよい時間帯の識別を可能にする。
【0082】
本発明の好適な実施形態では、kcalエネルギー消費量用に利用される、例えば心拍モニタ、体温センサおよび加速度計であるバイオパラメータモニタは、例えば身体組成変化の決定に利用される生体電気インピーダンスおよび/またはUWR検出機能を有するセンサである、エネルギーバランスを決定するための監視プラットフォームに組み込まれる。
【0083】
さらに他の実施形態において、kcalエネルギー消費量は、例えば年齢、およその体重、身長、性別などである身体的特性に関する入力データ、およびライフスタイル、活動および身体履歴に関するデータから決定されてもよい。このような実施形態は、kcalエネルギー消費量に関連づけられる1つまたは複数の生理学的パラメータを直接測定するための1つまたは複数の装置を使用しても、使用しなくてもよい。代替的な実施形態において、活動のkcalエネルギー消費量は、ある期間にわたるユーザのkcalエネルギー消費量の最終決定に到達するために、個人から学習されたデータを介して、或いは住民ベースの分析から推定されてもよい。
【0084】
要するに、本発明の範囲は、kcalエネルギー消費量を計算するための任意の1つの形式、装置または方法に制約されない。
【0085】
キロカロリエネルギー摂取量 本発明の好適な実施形態では、ある期間にわたるkcalエネルギー摂取量は、この期間に対応するエネルギーバランスおよびkcalエネルギー消費量の決定を使用する式2を用いて計算される。本発明の変形例では、このような推定の全体精度を向上でき、かつデータセット内の傾向を決定できるように、ある期間(時間、日、週などの単位)にわたって複数のkcalエネルギー摂取量の計算が行われてもよい。
【0086】
代替的な実施形態では、例えば血清または間質性グルコースの測定値である1つまたは複数の測定パラメータを利用するkcal摂取量の推定値がkcalエネルギー消費量の決定と共に使用され、ある期間にわたる純代謝バランスの査定が与えられる。
【0087】
さらに他の実施形態では、複数の期間にわたるkcalエネルギー消費量、kcal摂取量および/またはエネルギーバランスの傾向またはパターンを決定するために、比較器も自動的または要求された時点でデータセットを精査してもよい。このような分析は、所望される体重または代謝状態目標を達成するための1つまたは複数の推奨事項の比較器による選択およびディスプレイへの提示も含んでもよい。このような推奨事項は、ユーザデータの分析を基礎として選択されるべきルックアップテーブルまたはリストの一部として比較器メモリに組み込まれてもよい。さらに、ユーザに対する1つまたは複数の提案された行動または活動コースのこのような提示は、予想されるユーザ行動を先制的に修正できるように、例えばプロンプトが昼食前に代替事項を提言して過剰なkcal摂取を回避させるように、一日のうちの所定の時点で行われてもよい。関連する実施形態では、このようなパターンを使用してユーザの「サイン」が生成されてもよく、よってこのようなサインのライブラリはコンパイルされ、ユーザ間を比較するために、またはそのユーザに関して経時的に利用される。このような傾向またはパターン分析は、例えば所定の許容誤差内の経時的変化である様々な方法で、または自己学習、人工知能またはニューラルネット型のプログラムおよび分析を介して達成されてもよい。本発明の範囲は、データ分析の任意の1つの形式または方法に限定されない。
【0088】
さらに、代謝情報は、傾向、パターンまたは異常イベントを決定するために経時的にコンパイルされてもよい。このような情報は、効果的には、ガイダンス、資料、供給または他の形式のカウンセリング/サポートが予測された状態を変更するために、または予測された状態をサポートして与えられてもよいように、1つまたは複数の食事療法または代謝状態目標を達成するために要する時間の推定およびエネルギー摂取量または消費量の先行予測を含む様々な目的で使用されてもよい。
【0089】
さらなる実施形態において、このような分析の結果は、体重管理または代謝状態目標を補正または援助するために1つまたは複数の治療活動を開始してもよい。このような治療活動は、ユーザに対して例えばレプチンなどの代謝製剤である1つまたは複数の薬剤を投与させる、または1つまたは複数の治療薬の自動デリバリをトリガさせる注意喚起を含んでもよい。逆に、このような分析は、個人の代謝状態を基礎とする治療の調整において、例えばデリバリされる薬物または薬剤のタイミングおよび量の調整において有益である場合がある。
【0090】
このような治療活動は、例えば糖尿病、心臓血管疾患、HIV、神経障害、高血圧、腎臓病またはメタボリックシンドロームである1つまたは複数の疾患状態を管理する目的で1つまたは複数の治療装置または処置と呼応する動作を包含してもよい。ある実施形態において、本発明の形態は、埋込み式であるなしに関わらず、ある期間にわたる身体組成変化、純カロリバランス、kcalエネルギー消費量およびkcal摂取量をかなりの度合いで決定し、次に、疾病状態を治療するための1つまたは複数の治療装置またはシステムと通信する。本発明のこのような形態は、1つまたは複数の治療装置/システムと直接または間接的に接触する別個のユニットとして構成されても、治療装置/システムの一部に統合されかつこれを包含するものであってもよい。このような治療装置の例には、神経刺激を介して行動または代謝を変える場合のある装置、例えば1つまたは複数の神経を刺激して満腹感を与える装置が含まれるが、この限りではない。また治療装置は、例えば血清グルコースである1つまたは複数のバイオパラメータを測定する装置または1つまたは複数の治療薬をデリバリする例えばインスリンのデリバリシステムである装置も含んでもよい。
【0091】
トリガされる反応には多くの形式および方法が考えられ、よって本発明の範囲はこれらの例に限定されない。
【0092】
ディスプレイユニット − エネルギーバランス、kcalエネルギー消費量およびkcal摂取量並びに例えば提案される食事療法/運動プランの変更/推奨事項である追加情報をユーザに提示するためには、1つまたは複数のディスプレイユニットが使用されてもよい。ディスプレイユニットは、このデータを1つまたは複数の比較器から直接または間接的に受信してもよい。ディスプレイは、視覚映像、テキストメッセージ、音響および合成音声または例えば振動である機械的シグナルを含んでもよい。本発明のシステム内のデータおよび情報を伝達する手段は任意の1つの手段または形式に限定されず、伝達される情報の性質に依存して変わってもよい。
【0093】
さらに、本実施形態の所定の形態において、ディスプレイはユーザまたは指定された第三者によるデータ入力も有効化してもよい。このような実施形態において、入力は、英数字キーパッドエントリ、タッチパッドエントリ、メニュー駆動式選択または音声起動ソフトウェアの使用を含む1つまたは複数の方法を介するものであってもよい。本発明の範囲は、データ入力の任意の1つの形式または方法に限定されない。
【0094】
図6は、本発明のシステムの一形式を示したものである。図に示すように、ディスプレイユニット600内に包含されるディスプレイ610は、ユーザにkcalエネルギー消費量、kcal摂取量およびエネルギーバランスの累積値および例えば過去24時間平均である直前の期間の値の双方に関するデータを提示する。このようなデータは、個人にとって、体重管理目標を達成するための例えば運動および/または食事行動であるその活動のガイドとして有益である場合がある。また、純エネルギーバランス620と既定の目標体重615との関係の図解も示される。また、このディスプレイには、例えばkcalエネルギー消費量およびエネルギー摂取量である代謝パラメータがグレーバーで表示された期間にわたって、例えば分、時間または日単位で表示されないオフセット625も示される。ディスプレイにおけるこのようなオフセット期間の使用は、計算データの表示に先行して摂取した食品を消化し、かつ体内に届けるための十分な時間の発生を有効化することを含む複数の効果的な目的に叶う場合がある。また、比較器に有益な英数字情報を入力するためのデータ入力ボタン605も図示されている。例えば検体(グルコース)である他の生理的変数の使用は、摂取された食品が消化されて体内に届けられる間にkcal摂取量の暫定計算値を提供してもよい。
【0095】
関連する実施形態では、体脂肪パーセントおよび経時的なパーセント変化などの組成変化もユーザへ提示されてもよい。これらのデータはテキスト、グラフィカルで、または他の手段によって提示されてもよく、かつさらに他のパラメータ、測定値および/またはユーザおよび使用履歴を表すデータを含んでもよい。さらに他の実施形態では、ユーザに、データ、グラフまたはパターン化された先行行動を基礎とする予測情報を伝達する他の形式の通信が提示されてもよい。このような予測イラストは、ユーザが可能性のある様々なシナリオを見てこれらの中から従うべき行動指針を選ぶことを有効化するオプションまたは代替例を含んでもよい。
【0096】
他の実施形態では、ディスプレイは多層式または多成分式であってもよい。例えば、本発明の一形式において、ディスプレイは単一の記号または色であってもよく、例えば、所望される体重管理目的の設定限度内での厳守を表示する金色の星であっても、所望される体重管理限度を超えていることを表示する青色の円であってもよい。この実施形態において、ユーザは、この第1のレベルのディスプレイに応答してデータセットに問合せを行ない、例えばさらに傾向ラインおよび/または推奨事項を確認する能力を有してもよい。同様に、このような記号/表示機能は、ユーザまたは有資格の第三者によって開始されれば問合せを許容するより大きいディスプレイ内に組み込まれてもよい。
【0097】
さらに他の実施形態において、ユーザは比較器から、所望される体重管理目標を達成するための1つまたは複数の推奨事項を提示されてもよい。このような推奨事項は、テキストメッセージ、警報音、機械的(振動)またはこれらの配信形式の組合せの形式であってもよい。これらの推奨事項は、活動などに関する詳細な指令または推奨事項を含んでもよく、または単に一日を通じた所定の時点で警報または注意喚起として機能してもよい。関連する実施形態において、ユーザは、例えば毎正午である選択された時点にユーザに表示されるべき1つまたは複数の注意喚起事項または提案された行動指針を入力してもよい。関連する実施形態では、例えば監視プラットフォームがディスプレイユニットから物理的に区別可能であれば、1つまたは複数のディスプレイ機能は監視プラットフォームの構造に組み込まれてもよい。このような実施形態では、パフォーマンスおよび/または目標に基づいてユーザにインセンティブ、注意喚起または他の情報を提供するために、例えばOLEDディスプレイ、可聴ディスプレイ、機械的(振動)ディスプレイである視覚的ディスプレイが組み込まれてもよい。他者により直接観察はされないが食事療法管理の監視を提供するサポート行動は、本発明のこのような実施形態の効果的な特徴である。
【0098】
関連する実施形態において、ディスプレイは、比較器からユーザへの所望される情報伝達をより良く有効化するために、ユーザにデータ、推奨事項、サポートなどを提示するアバタまたはアニメキャラクタを組み込んでもよい。
【0099】
さらに他の実施形態において、ユーザは、テキストメニュー、アバタが供給する検索結果を介して、または他のフォーマットによって情報および/またはユーザにより選択される場合もある1つまたは複数の外部サービス、ツールまたは体重管理支援へのアクセスを提供されてもよい。このようなサービスまたはツールは、例えば体重カウンセリング、運動プラン/プログラム、食事療法(食事)の配給などである幾つかの可能な形式を含み、よって本発明の範囲は本明細書に提示された例に限定されない。選択された実施形態では、比較器は、個々のユーザの体重管理プロファイルの必要に合わせた適用可能なプログラムなどに対する人工知能ベースのウェブサーチャを開始してもよい。このような探索結果は、次に、1つまたは複数のアバタキャラクタの使用を介する可能性を含んでディスプレイにより提示されてもよい。
【0100】
この実施形態の他の形式では、ユーザはこれらのオプションまたはサービスのうちの1つまたはそれ以上を提示される場合もあり、かつ選択した時点でこれらのサービスのプロバイダによって請求書が送られる場合もある。代替的な実施形態では、ユーザは1つまたは複数のサービスの利用を自動的に有効化するサブスクリプションを有してもよい。さらに他の実施形態では、これらのサービスのうちの1つまたはそれ以上が無償で供給されてもよい。
【0101】
関連する一実施形態では、ユーザは、例えば遠隔比較器であるデータ管理システムによって自動的に有効性の格付けが行われている選択を提示されてもよい。このような格付けは幾つかの方法によって、例えば他のユーザによって行われても、または体重管理システムおよび問題のマテリアルの複数のユーザから導出されるデータのプーリングによって自動的に行われてもよい。格付けの形式および方法は複数が考えられ、よって格付けの方法は本明細書に提示されているこれらの例に限定されない。さらなる実施形態として、1つまたは複数のサービス、プランなどを選択すると、ユーザはその固有データを入力してもらい、選択されたマテリアルの他のユーザからの結果との比較に利用できるようにしてもらってもよい。このような状況では、これらの比較によって、ユーザは、選択されたマテリアルが有効であるかどうか、またはその固有の行動は結果として成功するか失敗するかを決定できる場合がある。
【0102】
本発明のさらに他の形式において、ユーザデータは、ユーザデータの精査および体重管理または代謝状態目標へ向けての前進を有効化する1つまたは複数の遠隔データ管理システムへ送信される。このような情報は、次に、カウンセリングを介して、または他の行動によって個々のユーザを支援する場合のある臨床医、栄養士、または自動化システムを含む他の第三者に提供されてもよい。この実施形態の所定の形式において、データ管理システムは外部の第三者へ、例えばダイエットレートまたは絶対値である1つまたは複数の限界基準が超過されている、また、治療介入が当然であると思われる、という警報または他の形式の通知を与える。本発明のこのような形式においては、改善された食事療法、ライフスタイルおよび/または運動行動を有効化するために、ディスプレイユニットを介するサポート人員とユーザとの間の人的通信が有効化されてもよい。
【0103】
本発明の選択された実施形態では、目標達成に対する報奨または個々のユーザ側のコンプライアンスおよび/または積極的活動を奨励するインセンティブがシステムによって直接、またはシステムを介してユーザに少なくとも幾分かのアクセスを有する第三者を介して提供されてもよい。このようなインセンティブは有形の例えば金銭的なものであっても、無形の例えば称賛であってもよく、よって本発明は任意の1つの形式のインセンティブおよび/または報奨に制約されない。
【0104】
所定の実施形態では、ユーザのデータおよび/または本発明のシステムへの参加の肯定応答が他のユーザまたは認可された第三者へ知らされてもよい。このようなデータ/肯定応答は様々なフォーマットまたは方法で、例えば個々のシステムユーザおよび/または他の第三者(トレーナ、コーチまたは臨床医)を表すアバタを利用するインターネットベースのバーチャルリアリティサイト、テキストメッセージまたはインターネットベースのリアルタイムビデオ討議グループで提示されてもよい。このような相互作用からの恩典は、体重または代謝管理プログラム、プランまたは活動へのユーザの関与を積極的に補強してもよい支持ネットワーク内でのユーザの社会化であってもよい。このような実施形態の延長として、システムは、例えばダイエットサプリ、事前包装の食事またはモチベーション媒体であるユーザに有益なアイテムの自動発注および/または配達を有効化するために、1つまたは複数の外部ソースと連動してもよく、かつ部分的にユーザデータを基礎としてもよい。
【0105】
本発明の1つまたは複数の実施形態が遠隔データ管理システムおよび/またはインターネットと通信してもよい方法は、有線手段であっても無線手段であってもよい。本発明の好適な一形式では、比較器およびディスプレイは無線セルラホン内に包含され、これにより、無線ネットワーク通信機能を介する遠隔通信が有効化される。
【0106】
さらに、本発明は、1つまたは複数の追加的な医療システムまたは装置を利用する患者の介護の管理を改善するために、またはこれらのシステムまたは装置の機能を向上させるためにこれらのシステムまたは装置と共同して使用されてもよい。このようなシステムの例は、例えば神経の活性化または1つまたは複数の薬剤または治療の自動デリバリを介して満腹コントロールを提供するシステム、または少なくとも部分的に血清または間質性グルコースレベルの測定に関与するメタボリックシンドロームを管理しているシステムであってもよい。
【0107】
全体として、本発明の範囲は本明細書に提示されている例に限定されない。本発明の追加的な形式は、容易に考えられるものであると同時に、本明細書に提示されている実施形態の様々な組合せを含む本発明の形式でもあり、よって本発明の範囲に含まれる。
【実施例】
【0108】
本発明の方法およびシステムは、様々な使用および用途に採用されてもよい。このような用途は、所望される体重目標を達成するために体重を管理する個人ユーザから、老人患者による十分な栄養を保証するための臨床/老人ホームにおける用途までの範囲に及んでもよい。本発明のさらに他の用途は、本発明の方法および装置を使用して代謝状態および/またはグルコースレベルなどの代謝状態の派生要素を監視する。
【0109】
例A)体重管理システム この例では、本発明のシステムは2つのユーザ対応装置、即ち身体組成変化およびkcalエネルギー消費量の決定を有効化するバイオパラメータおよび/または生理学的特性を測定するための身体上の監視パッチと、1つまたは複数の身体上の監視パッチと無線通信状態にあるディスプレイユニットとで構成される。ディスプレイユニットは、無線手段を介して少なくとも1つの遠隔データ管理システムと通信状態にある。本例では、本システムのディスプレイユニット(および比較器活動並びにデータ入力機能の優越)が携帯電話内に含まれ、よって例えば論理回路、メモリおよびバッテリ電源である電話の電子機能は本発明のデータ収集、分析および表示機能も有効化する。
【0110】
本例によるシステムを利用するために、ユーザはまずシステムを起動する。ある形式において、システムの起動は、体重管理システムに加入するために携帯電話をダイアルして遠隔データ管理サービスに接続することを介して達成されてもよい。データ管理サービスは、次に、ソフトウェアおよび/または体重管理システムのサービスオプションを比較器/ディスプレイ装置としても使用されるユーザの携帯電話へダウンロードしてもよい。
【0111】
加入と共に、ユーザは身体組成およびkcalエネルギー消費量の決定に使用するための監視プラットフォームを起動する。このような起動は、電気接点の閉止、バッテリの設置、プラットフォーム上に位置決めされた光電池スイッチの露光などを含んでもよい。またシステムの起動は、データを携帯電話内に位置決めされた比較器へ入力することも含んでもよい。この入力は、携帯電話キーパッドの使用または言語/音声認識ソフトウェアの使用を含んでもよい。この入力されるデータは、ユーザデータの認証/復号化および監視プラットフォームに対する携帯電話の同期を有効化するための監視プラットフォームの識別子を含んでもよい。追加的な入力データには、比較器のアルゴリズムが使用するための年齢、体重、性別、ウエストサイズおよび所望される体重目標などの有益な情報が含まれてもよい。
【0112】
使用に際して、接着パッチ形式の監視プラットフォームは身体上に連続して着用され、携帯電話/ディスプレイと周期的に、例えば数分ごとに無線通信する。携帯電話がパッチの領域外にあるとき、センサデータはパッチ上のメモリに格納され、その後、通信が回復されると携帯電話にダウンロードされる。本例において、監視プラットフォームと携帯電話との間の通信はブルートゥースまたは超広帯域無線などの無線送信手段を介して達成されてもよい。
【0113】
例えば1〜24時間である最初の期間の後、ディスプレイはユーザにそのkcal消費量、エネルギーバランスおよびkcal摂取量の各値を提示してもよい。この提示は、絶えずユーザに過去24時間の平均が提示されるように、例えば1時間毎に連続更新されてもよい。数日使用した後には、比較器によって目標に対するパターン化された行動および傾向が決定されかつユーザに表示されてもよい。さらに、その現在の活動/食習慣を奨励するため、或いは体重管理目標を叶える変更事項を提案するために、1つまたはそれ以上の提案がユーザに中継されてもよい。
【0114】
例えば1週間の使用期間の後、パッチは取り外され、新しいパッチが身体上に位置合わせされてもよい。先のパッチからの先行データは比較器内に格納されたままであり、データを入力し直す、または先行データを失うことなく新しいパッチの読取り値の較正が有効化される。この実施形態の一形式において、旧パッチからのセンサデータはユーザの自動識別を有効化し、かつ例えば交換パッチなどに関連づけられる識別子である他のデータを入力し直す必要なしに交換パッチの完全起動を有効化してもよい。
【0115】
携帯電話を介して、比較器は、遠隔データ管理サービスを介してその体重管理目標をサポートする利用可能なオプションからのユーザによる選択を有効化するために、インターネットブラウジングまたはメニューを開始してもよい。
【0116】
この実施形態の関連する一形式において、例えば身体組成センサおよび活動センサである幾つかまたは全てのセンサは、身体上の監視が主としてユーザにより携帯電話が携帯される覚醒時間に限定されるように携帯電話内に包含される。
【0117】
例B)老人の食事療法管理システム 本例において、1つまたは複数のバイオパラメータ監視装置は例えばセンサパッチに取り付けられ、または別段に監視対象個人からデータを収集し、かつ支援されている介護施設全体に位置決めされた例えば壁に設置されるユニットである1つまたは複数の固定式データ収集ユニットと無線通信する。前記データ収集ユニットからのデータは、次に例えばナースステーションである中央受信局でコンパイルされ、かつバイオパラメータ監視装置に関連づけられる1つまたは複数の識別子の使用を介して特定個人別の全体的なエネルギーバランス、kcal消費量およびkcal摂取量の計算および表示を有効化する。
【0118】
このような実施形態では、例えば活動である他のバイオパラメータ並びに例えば活動レベルの調整である推奨事項の表示はディスプレイに組み込まれてもよい。さらに、臨床医またはシステムが設定した限界が到達される、または超過される時点を示す警報も含まれてもよい。このような実施形態の延長は、遠隔の臨床医による精査および個人の監視プラットフォームおよび/または中央受信局の何れかとの双方向通信を有効化する1つまたは複数の遠隔データ管理システムへのデータ送信および/またはデータ変換も含んでもよい。
【0119】
例C)代謝状態監視システム 本発明のこの形式において、本発明のセンサおよびシステムは1つまたは複数の代謝プロセスおよび/または検体レベルの推定を提供するために利用される。この実施形態の一変形例では、循環血糖レベルの推定が行われる。このような推定は、kcalエネルギー消費量および/または例えば交感神経活動である神経活動の推定を介して行われてもよく、かつ心拍、体温、汗、神経の各モニタなどのセンサおよび/または活動からのデータを利用してもよい。さらに、グルコースの推定は、身体組成および/または純エネルギーバランスの1つまたは複数の測度の使用によってさらに精錬されてもよい。このような実装において、比較器/ディスプレイは、1つまたは複数の監視プラットフォームから受信されるデータに加えて例えば血液検査である追加的な生理学的センサ入力を利用する能力も有する携帯用ユニットであってもよい。さらに、身体組成、エネルギー代謝および/または代謝状態のさらに完全な分析が比較器によって行われてもよいように、他のセンサを利用して例えば血中レプチンまたはグルコースレベルである検体レベルに関する情報が供給されてもよい。
【0120】
例D)トレーニングおよび健康状態の査定 本発明の方法およびシステムは、その代謝状態および/または身体組成に関して個人の全体的な健康状態を査定するために使用されてもよい。このような査定は、例えば軍人、初動要員、運動選手である精力的活動に従事する個人または例えばファッション産業従事者またはモデルである身体的外観および健康状態が重要な基準となる個人にとって有益である場合がある。具体的には、このような用途において、本システムは、設定レベルを下回る脂肪質量の減少、もしくは不十分で不適当な栄養または過剰なダイエットを示す容認できないレートによってトリガされてもよい。逆に、本システムは、健康またはトレーニング療法の進行に伴って個人を追跡するために使用されてもよく、体脂肪減少の監視および食事療法ニーズにより良く適合するようなカロリー(食品)サプリの調製が有効化される。
【0121】
本発明の他の用途への延長は、測定される対象の栄養または代謝状態を示す場合のある1つまたは複数の生理学的パラメータの監視、または外傷または精神的外傷を示す1つまたは複数の生理学的異形の検出を含んでもよい。本発明を基礎とする様々な用途は容易に考えられ、よって本発明の範囲はこれまでに提示された例に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある期間にわたる代謝状態を決定するための方法であって、
a)前記期間に及ぶ身体組成変化の少なくとも1つの決定と、
b)前記期間に及ぶkcalエネルギー消費量の少なくとも1つの決定と、
c)前記期間に対応するエネルギー摂取量の少なくとも1つの決定とを使用し、
前記身体組成変化の決定は、前記期間に対応するエネルギーバランスを決定するために利用され、
前記エネルギーバランスの決定は、1つまたは複数の数学的処理を介してエネルギー摂取量の決定を有効化するために前記kcalエネルギー消費量の決定に併せて利用される方法。
【請求項2】
前記期間は、時間、日または週単位である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
体重管理プログラムに使用される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の期間にわたる代謝状態の自動的な傾向決定またはパターン化を有効化する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ある期間にわたる代謝状態を決定するためのシステムであって、
a)少なくとも1つの生理学的パラメータの少なくとも1つの測定を有効化する少なくとも1つの監視プラットフォームと、
b)前記期間にわたる身体組成変化およびkcalエネルギー消費量の決定を有効化する少なくとも1つの比較器と、
c)前記比較器の決定の少なくとも一部の表示を有効化する少なくとも1つのディスプレイユニットとを有し、
前記測定は前記期間の前記身体組成変化を決定するために利用され、続いて、前記kcalエネルギー消費量の決定と併せて1つまたは複数の数学的処理を介してkcal摂取量の決定を有効化するエネルギーバランスを決定するために使用されるシステム。
【請求項6】
前記監視プラットフォームは、基本的に身体部位に付着され、かつ前記期間にわたって付着される間のユーザによる歩行活動を有効化する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記監視プラットフォームは、前記ディスプレイユニットとしても機能する携帯用装置へ組み込まれる、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記比較器および前記ディスプレイユニットと通信状態にある遠隔データ管理システムも利用する、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記遠隔データ管理システムは、ユーザへの1つまたは複数の体重管理補助またはツールの提示も有効化する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
決定されるパラメータに応答してユーザに対する1つまたは複数のインセンティブまたは報奨を採用する、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
ある期間にわたる身体組成変化を自動的に決定するためのシステムであって、
a)身体組成に関連づけられる1つまたは複数の生理学的パラメータの少なくとも1つの身体部位の複数の測定を有効化する少なくとも1つの監視プラットフォームと、
b)少なくとも1つの比較器とを有し、
少なくとも1つの前記測定は、1つまたは複数の数学的処理によって前記期間に対応する身体組成変化を決定するために使用されるシステム。
【請求項12】
前記監視プラットフォームは、前記期間にわたって概ね身体部位に付着され、かつ歩行使用を有効化する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記監視プラットフォームは、前記期間にわたって前記身体部位に付着される間に自動的に1つまたは複数の測定を達成する、請求項12に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2011−519592(P2011−519592A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505040(P2011−505040)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/002473
【国際公開番号】WO2009/131664
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(509157801)フィロメトロン,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】