説明

仮想サーバID管理システム、統合監視システム、仮想サーバID管理プログラム、及び統合監視プログラム

【課題】統合監視システムとその監視対象システムとを含むシステムに係わる、複数の仮想サーバの適切な識別及びID情報管理等により、複数の仮想サーバに関する詳細な監視などを実現することができる技術を提供する。
【解決手段】本システムは、監視対象システム2の複数の各々の仮想サーバ(サーバインスタンス)4に関する監視処理のためにID管理を行うID管理機能100を有する。ID管理機能100は、複数の各々のサーバインスタンス4に対して、一意に識別可能なID(インスタンスID)を付与する処理を行い、監視処理の際、IDの参照により、複数の各々のサーバインスタンス4を識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット、クラウドコンピューティング、仮想サーバ(サーバインスタンス)、監視、等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
[クラウドコンピューティングシステム] クラウドコンピューティングシステムでは、サーバ仮想化技術(物理的なサーバ装置上で複数の仮想サーバ(サーバインスタンス)を稼働させる技術)や、分散処理技術(計算や処理を複数のノードで分散して処理する技術)などが用いられる。
【0003】
[パブリッククラウド] クラウドコンピューティングシステムの1つとして「パブリッククラウド」(パブリッククラウドシステム)が存在する。パブリッククラウドでは、不特定多数のユーザに対してサーバやストレージ等のサービス(リソース)を提供する。パブリッククラウドとしては、例えばAmazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)などが挙げられる(非特許文献1)。
【0004】
[統合監視システム] また、クラウドコンピューティングシステムを監視対象システム(被監視システム)として、監視対象システムのエラーや障害などを監視する情報処理システム(統合監視システム)がある。例えば、特開2006−72784号公報(特許文献1)(「統合監視システム」)などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−72784号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)”、[平成23年3月1日検索]、インターネット<URL:http://aws.amazon.com/jp/ec2/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
統合監視システムとその監視対象システムとを含む情報処理システムにおいて、監視対象システムとしてパブリッククラウドに適用した場合、監視対象システム(パブリッククラウド)を構成する複数の各仮想サーバなどの識別・管理に関して、以下のような問題が生じる(なお図7と対応している)。
【0008】
パブリッククラウドでは、1つのサーバディスクイメージ(データ)から、適宜、複数のサーバインスタンスが起動される。サーバインスタンスは、物理的サーバ装置上で仮想サーバとして稼働する。この場合、起動された複数のサーバインスタンスは、起動元のサーバディスクイメージが同じであるから、同じID(識別子・識別情報)(説明上「サーバID」とする)を保有することになる。なおこのIDは統合監視のために用いるIDのことを指している。
【0009】
そのため、統合監視システム(監視サーバ等を含む)が上記監視対象システム(パブリッククラウド)を構成するサーバ(仮想サーバ)の障害等を監視する場合、上記複数のサーバインスタンスが同じID(サーバID)であるため、個別のノード(仮想サーバ)として識別する(見分ける)ことができない。
【0010】
例えば、監視対象システムの各サーバインスタンス(対応する監視エージェント)は、当該サーバインスタンスでの障害やエラー等の際に、統合監視システムの監視サーバに対して監視(モニタ)データを送信する。当該監視データには、当該サーバインスタンスを示すID情報が含まれる(付属する)が、上述のように、複数サーバインスタンスの各監視データにおいて同じID(サーバID)になってしまう。
【0011】
そのため、監視サーバは、上記各監視データを受信しても、いずれのサーバインスタンスでの障害やエラーの状態であるか等を把握することができない。したがって、統合監視システム(監視サーバ)は、監視対象システム(パブリッククラウド)の詳細な監視などは実現できない。例えば個別の仮想サーバの状態を把握しながら仮想サーバ群としての性能を把握・評価するといったことはできない。
【0012】
以上を鑑み、本発明の主な目的は、統合監視システムとその監視対象システム(特にパブリッククラウドシステム)とを含む情報処理システムに係わる、複数の仮想サーバの適切な識別及びID情報管理等により、複数の仮想サーバに関する詳細な監視などを実現することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の代表的な形態は、統合監視システムとその監視対象システム(特にパブリッククラウドシステム)とを含む情報処理システムに係わる、複数の仮想サーバの識別及びID情報管理等を行う情報処理システム(仮想サーバID管理システム)及びプログラム等であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
【0014】
本形態(仮想サーバID管理システム)は、コンピュータの情報処理を用いて、監視対象システムの1つ以上の起動元のサーバディスクイメージから仮想サーバとして起動される複数の各々のサーバインスタンスに関する監視処理のためにID管理を行うID管理機能を有し、ID管理機能は、複数の各々のサーバインスタンスに対して、一意に識別可能なIDを付与する処理を行い、監視処理の際、IDの参照により、複数の各々のサーバインスタンスを識別する。
【0015】
また、前記ID管理機能は、ID付与部、ID保存部、モニタデータ送信部、モニタデータ受信部、等を有する。
【0016】
前記ID付与部は、監視対象システムでサーバディスクイメージからサーバインスタンスが起動される際に、所定の基準に基づき、新規にIDを生成して付与すべきかを判断する処理を行う。当該サーバインスタンスの新規起動の場合は、既存のIDとは異なる新規のIDを生成して付与し、当該サーバインスタンスの再起動の場合は、前の起動時のIDと同じIDを引き続き使用するように付与する。
【0017】
前記ID保存部は、サーバインスタンス毎に付与されるIDを含む情報を記憶手段に保存しておき、サーバインスタンスの起動の際に用いる処理を行う。
【0018】
前記モニタデータ送信部は、サーバインスタンスに付与されたIDを含む情報を、監視処理のために送信されるモニタデータに付属させる処理を行う。前記モニタデータ受信部は、監視処理のために受信されるモニタデータに付属するIDを含む情報を取り出す処理を行う。
【発明の効果】
【0019】
本発明の代表的な形態によれば、統合監視システムとその監視対象システム(特にパブリッククラウドシステム)とを含む情報処理システムに係わる、複数の仮想サーバの適切な識別及びID情報管理等により、複数の仮想サーバに関する詳細な監視などを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態の情報処理システム(統合監視システム、監視対象システム、及びID管理機能を含んで成る仮想サーバID管理システム)の全体構成概要及びID例を示す図である(特に第1の方式の場合である)。
【図2】本実施の形態のシステムの実装構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態のシステムの仮想サーバに関する構成例を示す図である。
【図4】本実施の形態のシステムの監視サーバに関する構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態のシステムにおける主要処理シーケンスを示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態の情報処理システムの全体の構成概要を示す図である(特に第2の方式の場合である)。
【図7】従来技術例の情報処理システム(統合監視システム、監視対象システムを含んで成るシステム)の全体構成概要及びID例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。図1(及び図6)は本実施の形態の概要をわかりやすく示している。図2〜図4は実装構成例である。図5は一連の処理概要を示している。図7は、比較のために従来技術例を示している。主な特徴要素は、図1,図2のID管理機能100である。
【0022】
[従来技術例]
まず本発明者の検討に基づく従来技術例を簡単に説明する。図7は、従来技術例の情報処理システムの全体構成概要及びID例を示す。統合監視システム1と監視対象システム2とがネットワーク(インターネット)で接続されている。監視対象システム2は、例えば、サービス事業者のデータセンタ等の設備によるクラウドコンピューティングシステムであり、顧客に対するホスティングサービス等を提供するシステムである。例えば企業等の顧客に対して固定的にサーバ(物理的サーバ装置及びその上で稼働する仮想サーバ)等を貸すサービス形態(「プライベートクラウド」)や、あるいは、不特定多数のユーザに対して動的な確保によりサーバ(物理的サーバ装置及びその上で稼働する仮想サーバ)等を貸すサービス形態(「パブリッククラウド」)である。
【0023】
監視対象システム2において、特にパブリッククラウドでは、1つの同じサーバディスクイメージ3(起動元)(例えば31)から、複数の各々のサーバインスタンス4(例えば41〜43)を仮想サーバとして適宜起動する(また適宜起動終了する)。なおこのように1つのサーバディスクイメージ3から複数のサーバインスタンス4が起動される状態や構成等を説明上「マルチインスタンス」と称する。なお「起動」は、サーバディスクイメージ3から初回にサーバインスタンス4を起動することだけでなく、一旦起動されて起動終了してサーバディスクイメージ3として保存された状態から再度サーバインスタンス4を起動することを含む。
【0024】
複数の各々の仮想サーバ(サーバインスタンス)4は、例えば、ネットワークを介したクライアント端末からのアクセスに対して所定のサービス処理(クラウドコンピューティングによるサービス)等を提供する。
【0025】
また、統合監視システム1の監視サーバ10は、監視対象システム2の仮想サーバ4群を含む対象に関して所定の監視処理(監視サービス)を行う。この監視処理(監視サービス)は、各仮想サーバ4に対して関係付けられる監視エージェント5の処理を用いて実現される。監視エージェント5は、監視サーバ10(仮想サーバ監視部)のエージェントモジュールであり、プログラム処理などにより実現され、関係付けられる仮想サーバ4上で稼働、あるいは仮想サーバ4と並列で稼働する。監視エージェント5は、監視対象の仮想サーバ4の稼働状況(起動/終了等)に応じて、適宜起動/終了等される。図7では、サーバインスタンス4毎に監視エージェント5が稼働する様子を示している。
【0026】
また、サーバディスクイメージ3毎に、(監視エージェント5による)監視処理(監視サービス)のための監視設定情報6を有する。監視設定情報6は、統合監視システム1側から設定され、サーバディスクイメージ3毎に保持される。監視設定情報6の例として、「サーバ#1ディスクイメージ」31は「監視設定情報#1」61を有する。監視設定情報6は、仮想サーバ(サーバインスタンス)4でどのような条件・状態のときにどのような内容のモニタデータ7を発行するか、等を規定・設定した情報を含む。監視設定情報6の内容の例としては、仮想サーバ4のアクセス量・負荷量が閾値を超えた時にエラーを示す情報を含むモニタデータ7を発行する、といった設定が挙げられる。
【0027】
起動元のサーバディスクイメージ3の監視設定情報6は、起動された各サーバインスタンス4の対応する監視エージェント5の監視処理(監視サービス)の設定として反映される。監視エージェント5は、監視設定情報6に基づいて、対応するサーバインスタンス4の状態を監視し、モニタデータ7を発行して監視サーバ10へ送信する。
【0028】
監視サーバ10(仮想サーバ監視部)は、各モニタデータ7を受信して処理することにより、監視対象システム2の仮想サーバ4群に関する所定の監視処理を行う。
【0029】
統合監視システム1では、各サーバ(対応するサーバディスクイメージ3)は、ID(「サーバID」)で管理されている。即ち、複数のサーバ(サーバディスクイメージ3)は、異なるサーバIDが付される。例えば図7では、第1のサーバディスクイメージである「サーバ#1ディスクイメージ」31のサーバIDが“1”、第2のサーバディスクイメージである「サーバ#2ディスクイメージ」32のサーバIDが“2”である。なおID値を簡単に“1”や“A”等で示すが、実際のID値は所定の形式の数値や文字列等である。
【0030】
そして、1つの同じサーバディスクイメージ3から起動される複数の各々の仮想サーバ(サーバインスタンス)4についても、起動元と同じID(サーバID)で管理されている。例えば図7では、同じサーバ#1ディスクイメージ31から起動された、第1の仮想サーバである「サーバ#1インスタンスA」41、第2の仮想サーバである「サーバ#1インスタンスB」42、第3の仮想サーバである「サーバ#1インスタンスC」43、のそれぞれのIDは、“1”である。これら(41〜43)の監視には、同じ「監視設定情報#1」61が適用される。
【0031】
なお一般的なクラウドコンピューティングの概念ではサーバ利用者側から個別の仮想サーバを意識・認識できる必要性が無いことから、従来技術例の統合監視システム1でも、複数の各仮想サーバ(サーバインスタンス)4を同じID(サーバID)で管理している(従来は「インスタンスID」概念は無く「サーバID」概念しか無い)。
【0032】
ここで従来、複数の各仮想サーバ(サーバインスタンス)4−監視エージェント5から発行されるモニタデータ7(例えば71〜73)は、監視対象及び発行元を示すための情報としては、「サーバID」情報を含む。例えば「サーバ#1インスタンスA」41の監視エージェント51からのモニタデータ71、「サーバ#1インスタンスB」42の監視エージェント52からのモニタデータ72、「サーバ#1インスタンスC」43の監視エージェント53からのモニタデータ73は、それぞれ、上記情報として、起動元のサーバIDと同じ値(“1”)が付属する。これにより、監視サーバ10は、起動元のサーバ単位で識別してその監視ができる。
【0033】
しかしながら、監視サーバ10は、各モニタデータ7に付属のID情報(サーバID)から、同じ起動元の複数の個別の仮想サーバ(サーバインスタンス)4を見分けることはできないので、例えば個別の仮想サーバ4に関する詳細な監視などはできない。
【0034】
[仮想サーバID管理システム(ID管理機能)]
上記従来技術例を踏まえ、以下、本実施の形態(仮想サーバID管理システム、統合監視システム等)について説明する。
【0035】
図1は、本実施の形態の情報処理システム(統合監視システム、監視対象システム、及びID管理機能を含んで成るシステム)の全体構成概要及びID例を示す(特にインスタンスIDで識別する方式の場合)。
【0036】
本システムでは、監視対象システム2(特にパブリッククラウド)のマルチインスタンスのサーバ(複数の各々の仮想サーバ(サーバインスタンス)4)を適切に識別可能とするID管理の仕組みとして、(マルチインスタンス)ID管理機能100を有する。このID管理機能100(仮想サーバID管理システムを構成する)により、例えば統合監視システム1による監視対象システム2の仮想サーバ4群を対象とした詳細な監視処理を実現する。
【0037】
本ID管理機能100では、従来技術例とは異なり、起動元のサーバディスクイメージ3が同一であっても、複数の各々のサーバインスタンス4に対して、異なるID(説明上「インスタンスID」とする)を生成・付与するように、ID情報を管理する。
【0038】
例えば各サーバディスクイメージ3については、従来技術例と同様のID(「サーバID」)を保有する。これに加え、ID管理機能100では、各起動元のサーバディスクイメージ3毎に、それぞれ起動される複数の各々のサーバインスタンス4に対して、一意に識別可能な異なるインスタンスIDを付与する。これらインスタンスIDは、監視対象システム2内の監視対象のすべての仮想サーバ(サーバインスタンス)4をそれぞれ個別ノードとして一意に識別可能なID(グローバルユニークID)(例えば32桁の文字列)である。このインスタンスIDにより、各仮想サーバ4を個別ノードとして見分けることができ、特に統合監視の用途で詳細な監視が可能になる。
【0039】
なお、図1では、監視サーバ10側が仮想サーバ4側をインスタンスIDのみで一意に識別可能になるように管理する方式(第1の方式)の場合である。一方、図6は、上記のサーバID+インスタンスIDの組み合わせで一意に識別可能になるように管理する方式(第2の方式)の場合である。いずれの形態も可能である。
【0040】
ID管理機能100で、監視エージェント5は、所定の基準(後述)に従って、サーバディスクイメージ3からの複数の各サーバインスタンス4の起動時に、当該サーバインスタンス4に対して、(サーバIDとは別に)インスタンスIDを付与する。
【0041】
例えば図1では、起動元のサーバ#1ディスクイメージ31のサーバIDが“1”のとき、このサーバ#1ディスクイメージ31から起動される複数の各々のサーバインスタンス4(例えば「サーバ#1インスタンスA」41、「サーバ#1インスタンスB」42、「サーバ#1インスタンスC」43)のインスタンスIDを、本ID管理機能100により、“1A”,“1B”,“1C”といったように付与する。
【0042】
なお図1の方式では、インスタンスIDの中に、起動元サーバID(例えば“1”)の情報を内包する形としている。例えば値“1A”のうちの“1”は起動元サーバディスクイメージ3(31)のサーバID値を示しており、“1A”のうちの“A”は当該サーバインスタンス4(41)に応じた値を示している。図6の方式では、上記情報を分離して取り扱う形としている。例えばインスタンスIDは“A”,“B”等としている。
【0043】
また、ID管理機能100で、監視エージェント5は、上記仮想サーバ(サーバインスタンス)4毎のインスタンスIDの情報を、対応するモニタデータ7に付属させる。即ち、監視対象の仮想サーバ4(対応する監視エージェント5)から監視サーバ10へ送信されるモニタデータ7には、上記インスタンスIDの情報が含まれる。
【0044】
例えば図1では、起動元のサーバ#1ディスクイメージ31(サーバID:“1”)からの複数の各々のサーバインスタンス4(インスタンスID:“1A”,“1B”,“1C”等)のうち、「サーバ#1インスタンスA」41からのモニタデータ71は、ID情報として“1A”を含む形になる。また図6の場合は、当該モニタデータ71は、ID情報“1”と“A”を組で含む形になる。
【0045】
監視サーバ10は、受信する各モニタデータ7に付属するID情報の参照から、起動元サーバディスクイメージ3及び個別の仮想サーバ(サーバインスタンス)4を識別・確認することができる。これにより、複数の各々の仮想サーバ4に関する詳細な監視処理などが可能である。例えば図1では、モニタデータ71に付属のインスタンスID“1A”(図6では“1”,“A”)から、起動元サーバディスクイメージ3が「サーバ#1ディスクイメージ」31であること、及び個別のサーバインスタンス4が「サーバ#1インスタンスA」41であること、がわかる。
【0046】
[基準]
本ID管理機能100は、サーバインスタンス4に対してインスタンスIDを生成・付与する際における所定の基準を以下((1)〜(3))のように有する。
【0047】
(1) パブリッククラウド2によりサーバディスクイメージ3からサーバインスタンス4が新規に起動(イメージ起動,ブート)された場合(時)には、当該サーバインスタンス4に対して、インスタンスIDを新規に生成して付与する。即ちこれにより、当該サーバインスタンス4は、既存のすべてのサーバインスタンス4(同じ起動元の他のサーバインスタンス4を含む)のインスタンスID値とは異なるインスタンスID値を保有することになる。また当該サーバインスタンス4の起動終了時には、当該インスタンスID値情報が保存される。
【0048】
(2) サーバインスタンス4が再起動された場合(時)には、当該サーバインスタンス4の前の起動時(起動終了前あるいは前回起動時)のインスタンスIDと同じインスタンスIDを引き続き使用するように付与する。この際は、例えば起動終了時に保存しておいたインスタンスID情報を用いる。再起動ごとにインスタンスID値を生成する(付け直す)ことはできるだけしないようにする。
【0049】
なお「再起動」とは、サーバインスタンス4を一旦起動終了して直後に起動すること、あるいは、サーバインスタンス4を起動終了してその時点の状態をサーバディスクイメージ3として保存しておき、その後必要に応じて、当該サーバディスクイメージ3から前回の起動時の状態を復元するようにサーバインスタンス4を起動すること、等を含む。
【0050】
(3) 統合監視システム1による監視処理(監視サービス)を実現する監視エージェント5の処理が、対応するサーバインスタンス4の稼働に応じて、起動または停止(起動終了)された場合(時)には、当該サーバインスタンス4のインスタンスIDとして、前の起動時と同じインスタンスIDを引き続き使用する。
【0051】
なお上記基準に関して、上記(2)等のように、基本的には一旦生成したインスタンスID値を時間軸上でできるかぎり引き続き使用するようにする。これにより、時間軸上で一貫して当該サーバインスタンス4の状態を把握することができる。即ち詳細な監視などが実現できる。
【0052】
なお、全サーバインスタンス4を識別可能な条件で、前の起動時とは異なるインスタンスID値へ付け替えること(変更)も可能である。その場合は、変更していない期間内ごとにサーバインスタンス4の状態を時間軸で把握ができる。また、変更前後のID情報の対応関係等の管理を行えば、変更前後の期間を含む時間軸で把握ができる。
【0053】
[実装構成]
図2を用いて、本実施の形態のシステムの実装構成例を説明する。ID管理機能100は、実装構成としては、監視対象システム2(仮想サーバ4)側の監視エージェント5に備える処理部(101〜103)、及び、統合監視システム1(監視サーバ10)側の仮想サーバ監視部8に備える処理部(104〜106)として、ソフトウェアプログラム処理などにより実現される。なおID管理機能100が持つネットワーク情報確認機能200については後述する。
【0054】
統合監視システム1は、監視サーバ10(サーバ装置)などを含む。監視サーバ10は、仮想サーバ監視部8などを含む。仮想サーバ監視部8は、各監視エージェント5と連携しながら、監視対象システム2の仮想サーバ4群を対象とする所定の監視処理(監視サービス)を行う。
【0055】
本統合監視システム1では、ID管理機能100を用いながら、監視対象システム2の全仮想サーバ4の状態を一元的に把握し、また個別の仮想サーバ4の状態を把握することができる。モニタデータ7等の記録に基づき、各状態の照会も可能である。例えば仮想サーバ4の起動数、アクセス量・負荷量、障害やエラー状態、サービス性能、等が把握できる。本発明では統合監視処理の内容は特に限定されない。
【0056】
監視対象システム2は、特にパブリッククラウドシステムである。パブリッククラウド2は、サーバディスクイメージ3を保持する記憶装置を含むコンピュータ30と、仮想サーバ(サーバインスタンス)4を稼働するサーバ装置20(1つ以上)とを含む。上述の各装置はネットワーク9に接続されている。
【0057】
サーバディスクイメージ3は、コンピュータ30の記憶装置(ディスク等)に確定的に保持されているサーバプログラム等のデータである。サーバディスクイメージ3毎の監視設定情報6は、ID保存情報110を含む。ID保存情報110は、サーバID値、インスタンスID値などの情報を含む。
【0058】
サーバ装置20で稼働する各仮想サーバ4に対して、監視エージェント5が関係付けられて稼働する。図2では仮想サーバ4と監視エージェント5とが1対1の関係付けである。監視エージェント5は、例えばサーバディスクイメージ3から対応する仮想サーバ(サーバインスタンス)4が起動される際にあわせて起動され、また当該仮想サーバ(サーバインスタンス)4が起動終了される際にあわせて起動終了される。
【0059】
パブリッククラウド2(コンピュータ30、サーバ装置20)がサーバディスクイメージ3からサーバインスタンス4を起動する際(図2中のa)、及びサーバインスタンス4を終了(保存)する際(図2中のb)には、例えば起動中(サービス提供中)の仮想サーバ4のアクセス量・負荷量などの判断に基づき自動的にサーバインスタンス4の起動/終了の判断及び実行をする。
【0060】
監視エージェント5は、モニタデータ送信部101、ID付与部102、ID保存部103、等を有する。
【0061】
パブリッククラウド2によりサーバディスクイメージ3からサーバインスタンス4が起動される際、対応する監視エージェント5のID付与部102により、前述の基準に従って、起動サーバインスタンス4にインスタンスIDを付与する。監視エージェント5の処理は当該インスタンスIDを含む情報を保持する。
【0062】
モニタデータ送信部101は、監視設定情報6に従って、モニタデータ7を発行し、監視サーバ10(仮想サーバ監視部8)へ送信する。その際、モニタデータ送信部101は、モニタデータ7に、例えばそのヘッダ等に、前述のインスタンスIDを含むID情報を付属させる。
【0063】
ID付与部102は、パブリッククラウド2により起動される各々のサーバインスタンス4に対して、基準に基づいて、インスタンスIDを生成・付与する。なお前述の通り、インスタンスID値を生成しない場合もあり、その場合は、ID保存情報110として保存しておいた情報を用いる。
【0064】
ID保存部103は、パブリッククラウド2により起動終了される各々のサーバインスタンス4に関して、その付与されていたインスタンスIDを含む情報を、ID保存情報110として保存する。なお起動終了時に限らず保存してもよい。
【0065】
監視サーバ10の仮想サーバ監視部8は、モニタデータ受信部104、ID確認部105、監視処理部106、等を有する。
【0066】
モニタデータ受信部104は、各サーバインスタンス4の監視エージェント5からのモニタデータ7をネットワーク9を介して受信する。モニタデータ受信部104は、受信モニタデータ7(そのヘッダ等)に付属しているID情報を取り出す。
【0067】
ID確認部105は、受信モニタデータ7から取り出されたID情報におけるインスタンスIDを確認し、起動元サーバディスクイメージ3及び個別サーバインスタンス(仮想サーバ)4を識別・確認する処理などを行う。
【0068】
監視処理部106は、モニタデータ7及びID確認部105による識別・確認の結果を用いて、個別の仮想サーバ4の状態の把握を含む所定の監視処理を行う。例えば、モニタデータ7内容から、ある仮想サーバ4の状態がエラー状態であることを検出すると、対応する内容のエラー通知を所定の宛先へ発行する処理などを行う。
【0069】
[仮想サーバ]
図3は、仮想サーバ4及びサーバ装置20の構成例を示す。サーバ装置20において、ハードウェア301、ハイパーバイザ302、監視エージェント303(5)、仮想サーバ(サーバインスタンス)304(4)を有する。公知のハイパーバイザ方式で仮想サーバ4を稼働させる場合であるが、他の方式としてもよい。
【0070】
サーバ装置20は、ストレージ320、クライアント端末310(サービスを利用するエンドユーザの端末)などと接続されてもよい。ストレージ320にはサービスに係わるデータ情報等を格納してもよい。また、サーバ装置20は、ネットワーク情報330として、コンピュータ名、IPアドレス、MACアドレス、等の公知の情報を有する。パブリッククラウド2は、サーバ装置20に対してネットワーク情報330を割当する機能を含む。
【0071】
ハードウェア301は、CPU、メモリ、ディスク、入出力デバイス等の公知要素である。ハイパーバイザ302は、ハードウェア301上で稼働し、ハイパーバイザ302上に、ハードウェア301のリソースを仮想化して使用して複数の仮想マシンないし仮想OSやその上のアプリケーションソフトウェアプログラム等(監視エージェント303(5)、仮想サーバ304(4)を含む)を稼働させる制御を行う。監視エージェント303と仮想サーバ304間はハイパーバイザ302上で通信可能である。監視エージェント303(5)の処理では、図2の各処理部(101〜103)のプログラム処理を含む。
【0072】
[監視サーバ]
図4は、監視サーバ10(サーバ装置)の構成例を示す。監視サーバ10は、プロセッサ401、メモリ402、ディスク403、入力装置404、出力装置405、通信I/F装置406等の公知要素を備える。プロセッサ401は、ディスク403に格納されている制御プログラム411から適宜コードをメモリ402にロードして実行し、また管理DB412から各種データ情報をメモリ402にロードして処理することにより、図2の仮想サーバ監視部8(104〜106を含む)を含む各種の処理機能を実現する。管理DB412は、例えば所定の監視処理に係わるデータ情報であり、受信モニタデータ7を格納してもよいし、インスタンスIDを含む情報を保持してもよい。
【0073】
また、監視サーバ10または当該監視サーバ10に接続される他の端末装置などにおいて、出力装置404、通信I/F装置405などを用いて、所定の監視処理に係わる、モニタデータ7に基づく、インスタンスIDを含む情報を画面に表示して、管理者などにより確認可能としてもよい。
【0074】
[処理シーケンス]
図5を用いて、本システム全体における主要処理シーケンス例を説明する。S101等は処理ステップを表す。
【0075】
(S101) 運用の前段階などで、予め管理者により、監視対象サーバ及び所定の監視処理に関する設定作業が行われる。即ち、管理者は、監視対象システム2の監視対象サーバ(対応するサーバディスクイメージ3等)の設定や、実施する所定の監視処理(例えば障害やエラーの検出)の設定や、本ID管理機能100に関する設定(例えばIDの方式)、などの各種の設定の作業をユーザインタフェース(統合監視システム1が提供する)を介して行う。これにより、サーバディスクイメージ3毎に関連付けられる監視設定情報6が保存される。
【0076】
(S102) 運用時、パブリッククラウド2(コンピュータ30、サーバ装置20)は、前述のように、必要に応じて(例えばアクセス量判断)に応じて、サーバディスクイメージ3からサーバインスタンス4を起動する。
【0077】
(S103) また、パブリッククラウド2(コンピュータ30、サーバ装置20)は、S102で起動されたサーバインスタンス4に関係付けられる監視エージェント5の処理を起動する。当該監視エージェント5は、対応する監視設定情報6に基づき、対応するサーバインスタンス4の動作・状態を監視する。
【0078】
(S104) ID管理機能100において、S103で起動された監視エージェント5のID付与部102は、当該起動サーバインスタンス4に対して、前述の所定の基準に基づき、ID(インスタンスID)の生成をすべきか、等を判断する。即ち、新規に起動されたサーバインスタンス4の場合は、当該サーバインスタンス4に付与するための新規のインスタンスIDを生成すること(前記基準の(1))、また、再起動されたサーバインスタンス4の場合は、当該サーバインスタンス4の前の起動時のインスタンスIDを引き続き使用すること(前記基準の(1))、等である。
【0079】
(S105) S104の判断により、新規生成である場合(Y)はS106へ、そうではなく前と同一である場合(N)はS107へ遷移する。
【0080】
(S106) S106では、ID付与部102は、監視対象システム2における監視対象の既存のすべてのサーバインスタンス4に対して生成・付与済みのインスタンスID値とは異なるインスタンスID値を生成し、当該起動サーバインスタンス4に付与する。この際、ID保存情報110を参照してもよい。
【0081】
(S107) S107では、ID付与部102は、ID保存部103を用いてID保存情報110を参照し、当該起動サーバインスタンス4の前の起動終了時に保存しておいたインスタンスID値等の情報を参照し、当該インスタンスID値を引き続き使用するように付与する。
【0082】
(S108) 当該サーバインスタンス4の監視エージェント5は、監視設定情報6に基づいて、適宜、モニタデータ7を発行する。その際、モニタデータ送信部101は、当該モニタデータ7(例えばそのヘッダ)に、当該サーバインスタンス4のインスタンスID値(サーバID値を加えてもよい)を記述して付属させるようにし、監視サーバ10へ送信する。
【0083】
(S109) 監視サーバ10の仮想サーバ監視部8は、上記監視エージェント5側からの各モニタデータ7を受信する。その際、モニタデータ受信部104は、モニタデータ7(例えばそのヘッダ)に付属しているID情報を取り出す。ID確認部105は、そのID情報のインスタンスID値などの情報を参照し、これにより、監視対象システム2内のいずれの仮想サーバ4(起動元サーバディスクイメージ3及び個別のサーバインスタンス4)からのモニタデータ7であるか(発行元)、等を識別・確認する。
【0084】
(S110) 監視サーバ10の仮想サーバ監視部8は、監視処理部106により、上記サーバインスタンス4の識別に応じた、所定の監視処理を行う。例えば、受信モニタデータ7から、当該個別のサーバインスタンス4がエラー状態であることを検出・認識すると、対応するエラー通知を所定の宛先へ発行する。
【0085】
(S111) パブリッククラウド2(コンピュータ30、サーバ装置20)は、前述のように、必要に応じて(例えばアクセス量の判断)、サーバインスタンス4の起動状態を終了させ、例えばサーバディスクイメージ3として保存する。また、当該起動終了させるサーバインスタンス4に関係付けられる監視エージェント5についても起動終了させる。その際、ID保存部103は、当該起動終了するサーバインスタンス4に付与されていたインスタンスID値等をID保存情報110に保存する(S107で使用可能となる)。なお他のタイミングで保存しておいてもよい。以降S102から同様の繰り返しである。
【0086】
[ネットワーク情報の利用]
次に、ID管理機能100における追加的な処理機能の例として、図1のネットワーク情報確認機能200に関して説明する。ネットワーク情報確認機能200の実装は、例えば監視エージェント5内の1つの処理部として実現される。ネットワーク情報確認機能200による処理は、例えば図5でいえばS103とS104の間の箇所で行う。
【0087】
本発明者による検討によれば、従来のパブリッククラウドシステム例では、サーバ(サーバインスタンス)の管理に関して、以下のような構成となっている。パブリッククラウドによるサーバディスクイメージからのサーバインスタンスの起動時には、起動サーバインスタンス(その稼動するサーバ装置)に関して、コンピュータ名、IPアドレス、MACアドレス、等のネットワーク情報(本実施の形態での図3の330に対応)が、いずれも変更されている。即ちその都度のネットワーク情報が割当てられており、時間軸上で引き続き使用されている情報ではない。また、サーバインスタンスの再起動時には、再起動前と同じネットワーク情報が使用されている。例えば一例では、サーバインスタンスの起動時、コンピュータ(サーバ)にローカルIPアドレスが割当てられ、対応するグローバルIPをベースとしたコンピュータ名が割当てられている。なお、ネットワーク情報は、通信するための各種情報であり、個別のノードを見分けるものではない(ID概念とは異なる)。例えば同じIPアドレスを持っていても同一のサーバとは限らない。
【0088】
一方、ネットワーク情報確認機能200では、上述の監視対象システム2のネットワーク情報(その管理の方式を含む)を利用して、マルチインスタンスのID管理における特にID生成の際の判断に利用する。監視対象システム(パブリッククラウド)2におけるネットワーク情報330の管理(サーバ装置20・仮想サーバ4へのネットワーク情報の割当て等)の方式が、例えば、上記一例の方式と同様とする。
【0089】
監視エージェント5の処理のうちのネットワーク情報確認機能200は、サーバインスタンス(仮想サーバ)4の起動の際に、対応するネットワーク情報330(コンピュータ名、IPアドレス、MACアドレス等の組)の割当ての状態を参照・確認し、この結果を、ID付与部102によるインスタンスIDの生成の判断に用いる。
【0090】
ネットワーク情報確認機能200は、当該サーバインスタンス(仮想サーバ)4またはそのサーバ装置20に関する、今回(現在)のネットワーク情報330の割当の値と、前回の起動時の対応するネットワーク情報330の値とを比較し、変更されているか否かを判断する。変更されている場合、前回と今回とで異なるサーバインスタンス4である(新規起動等)と判断または推測できる。このことから、ID付与部102は、今回の起動サーバインスタンス4に対して、新規のインスタンスIDを生成して付与する(前記基準の(1)に対応)。
【0091】
また、変更されていない場合、前回と今回とで同じサーバインスタンス4である(再起動等)と判断または推測できる。このことから、ID付与部102は、今回の起動サーバインスタンス4に対して、前回の起動時と同じインスタンスIDを引き続き使用するように付与する(前記基準の(2)に対応)。
【0092】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態によれば、ID管理機能100により複数の仮想サーバ4の適切な識別及びID情報(インスタンスIDを含む)管理等を行うことにより、パブリッククラウド等の監視対象システム2の複数の仮想サーバ4に関する詳細な監視などを実現することができる。特にパブリッククラウドのマルチインスタンス対応の監視サービス(統合監視)を実現できる。パブリッククラウド等の利用が進むと複数のサーバインスタンス4の起動が日常化するため、本技術によりサーバインスタンス4の区別・見極めを行うことが有効となる。
【0093】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、監視システム、パブリッククラウドシステムその他のクラウドコンピューティングシステム、等に利用可能である。
【符号の説明】
【0095】
1…統合監視システム、2…監視対象システム(パブリッククラウド)、3,31,32…サーバディスクイメージ、4,41〜44…サーバインスタンス(仮想サーバ)、5,51〜54…監視エージェント、6,61,62…監視設定情報、7,71〜74…モニタデータ、8…仮想サーバ監視部、9…ネットワーク、10…監視サーバ(サーバ装置)、20…サーバ装置、30…コンピュータ、100…(マルチインスタンス)ID管理機能、101…モニタデータ送信部、102…ID付与部、103…ID保存部、104…モニタデータ受信部、105…ID確認部、106…監視処理部、110…ID保存情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの情報処理を用いて、監視対象システムの1つ以上の起動元のサーバディスクイメージから仮想サーバとして起動される複数の各々のサーバインスタンスに関する監視処理のためにID管理を行うID管理機能を有し、
前記ID管理機能は、前記複数の各々のサーバインスタンスに対して、一意に識別可能なIDを付与する処理を行い、前記監視処理の際、前記IDの参照により、前記複数の各々のサーバインスタンスを識別すること、を特徴とする仮想サーバID管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の仮想サーバID管理システムにおいて、
前記ID管理機能は、ID付与部を有し、
前記ID付与部は、前記監視対象システムで前記サーバディスクイメージから前記サーバインスタンスが起動される際に、所定の基準に基づき、新規にIDを生成して付与すべきかを判断する処理を行い、当該サーバインスタンスの新規起動の場合は、既存のIDとは異なる新規のIDを生成して付与し、当該サーバインスタンスの再起動の場合は、前の起動時のIDと同じIDを引き続き使用するように付与すること、を特徴とする仮想サーバID管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の仮想サーバID管理システムにおいて、
前記ID管理機能は、ID保存部を有し、
前記ID保存部は、前記サーバインスタンス毎に付与されるIDを含む情報を記憶手段に保存しておき、前記サーバインスタンスの起動の際に用いる処理を行うこと、を特徴とする仮想サーバID管理システム。
【請求項4】
請求項1記載の仮想サーバID管理システムにおいて、
前記ID管理機能は、モニタデータ送信部、モニタデータ受信部、を有し、
前記モニタデータ送信部は、前記サーバインスタンスに付与されたIDを含む情報を、前記監視処理のために送信されるモニタデータに付属させる処理を行い、
前記モニタデータ受信部は、前記監視処理のために受信されるモニタデータに付属する前記IDを含む情報を取り出す処理を行うこと、を特徴とする仮想サーバID管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の仮想サーバID管理システムにおいて、
前記ID管理機能は、
前記複数の各々のサーバインスタンスに対して、一意に識別可能なIDであるインスタンスIDを付与する処理を行い、
前記インスタンスIDは、前記1つ以上の起動元のサーバディスクイメージを一意に識別する第1の情報と、当該起動元のサーバディスクイメージから起動される複数の各々のサーバインスタンスを一意に識別する第2の情報と、を含んで構成され、
前記監視処理の際、前記インスタンスIDの参照により、前記監視対象システムのすべての複数の各々のサーバインスタンスを一意に識別すること、を特徴とする仮想サーバID管理システム。
【請求項6】
請求項1記載の仮想サーバID管理システムにおいて、
前記ID管理機能は、
前記複数の各々のサーバインスタンスに対して、一意に識別可能なIDであるインスタンスIDを付与する処理を行い、
前記インスタンスIDは、前記1つ以上の起動元のサーバディスクイメージを一意に識別する第1の情報と、当該起動元のサーバディスクイメージから起動される複数の各々のサーバインスタンスを一意に識別する第2の情報と、の組み合わせで構成され、
前記監視処理の際、前記インスタンスIDの参照により、前記監視対象システムのすべての複数の各々のサーバインスタンスを一意に識別すること、を特徴とする仮想サーバID管理システム。
【請求項7】
請求項1記載の仮想サーバID管理システムにおいて、
前記ID管理機能は、ネットワーク情報確認機能を有し、
前記ネットワーク情報確認機能は、前記サーバインスタンスが起動される際に、当該サーバインスタンスまたは当該サーバインスタンスを稼働させるサーバ装置に対して割当てられるネットワーク情報を確認する処理を行い、当該ネットワーク情報が前の稼働時から変更されている場合は、既存のIDとは異なる新規のIDを生成して付与し、変更されていない場合は、前の稼働時のIDと同じIDを引き続き使用するように付与すること、を特徴とする仮想サーバID管理システム。
【請求項8】
1つ以上の起動元のサーバディスクイメージから仮想サーバとして起動される複数の各々のサーバインスタンスを含んで成る監視対象システム、の監視処理を行う監視サーバを含んで成る統合監視システムであって、
前記監視対象システムの1つ以上の起動元のサーバディスクイメージから仮想サーバとして起動される複数の各々のサーバインスタンスに関する監視処理のためにID管理を行うID管理機能を有し、
前記監視対象システムでは、前記サーバディスクイメージ毎の監視設定情報に従って前記仮想サーバを対象とした所定の処理を行う監視エージェントが稼働し、
前記ID管理機能は、前記監視エージェントに備えるID付与部及びモニタデータ送信部と、前記監視サーバに備えるモニタデータ受信部と、を有し、
前記監視エージェントの前記ID付与部は、前記サーバディスクイメージから起動される前記複数の各々のサーバインスタンスに対して、一意に識別可能なIDを付与する処理を行い、前記モニタデータ送信部は、前記サーバインスタンスに付与されたIDを含む情報を付属させたモニタデータを送信する処理を行い、
前記監視サーバの前記モニタデータ受信部は、受信したモニタデータに付属する前記IDを含む情報を取り出す処理を行い、前記監視サーバは、前記モニタデータ及び前記IDを含む情報の参照により、前記複数の各々のサーバインスタンスを識別し、当該識別に応じた前記監視処理を行うこと、を特徴とする統合監視システム。
【請求項9】
請求項8記載の統合監視システムにおいて、
前記ID管理機能は、前記監視エージェントに備えるID保存部を備え、
前記監視エージェントの前記ID保存部は、前記サーバインスタンス毎に付与されるIDを含む情報を前記サーバディスクイメージ毎の監視設定情報に保存する処理を行い、
前記監視エージェントの前記ID付与部は、前記サーバインスタンスが起動される際、所定の基準に基づき、新規にIDを生成して付与すべきかを判断する処理を行い、当該サーバインスタンスの新規起動の場合は、既存のIDとは異なる新規のIDを生成して付与し、当該サーバインスタンスの再起動の場合は、前記ID保存部により保存しておいた情報を用いて、前の起動時のIDと同じIDを引き続き使用するように付与する処理を行うこと、を特徴とする統合監視システム。
【請求項10】
請求項8記載の統合監視システムにおいて、
前記監視対象システムは、パブリッククラウドシステムであり、前記パブリッククラウドシステムは、前記サーバディスクイメージ及び前記監視設定情報を保持するコンピュータと、前記サーバディスクイメージから前記仮想サーバとして起動され所定のサービス処理を提供するサーバインスタンス、及び当該仮想サーバを対象とする前記監視エージェントの処理を稼動させるサーバ装置と、を有すること、を特徴とする統合監視システム。
【請求項11】
請求項8記載の統合監視システムにおいて、
前記監視サーバまたは当該監視サーバに接続される端末装置は、前記モニタデータに基づく、前記サーバインスタンス毎に付与されるIDを含む情報を画面に表示する処理を行うこと、を特徴とする統合監視システム。
【請求項12】
コンピュータの情報処理を用いて、前記監視対象システムの1つ以上の起動元のサーバディスクイメージから仮想サーバとして起動される複数の各々のサーバインスタンスに関する監視処理のためにID管理を行うID管理機能を実現する仮想サーバID管理プログラムであって、
前記複数の各々のサーバインスタンスに対して、一意に識別可能なIDを付与する第1の処理と、前記監視処理の際、前記IDの参照により、前記複数の各々のサーバインスタンスを識別する第2の処理と、を実行させること、を特徴とする仮想サーバID管理プログラム。
【請求項13】
請求項12記載の仮想サーバID管理プログラムにおいて、
前記ID管理機能は、ID付与部のプログラムを有し、
前記ID付与部のプログラムは、前記監視対象システムで前記サーバディスクイメージから前記サーバインスタンスが起動される際に、所定の基準に基づき、新規にIDを生成して付与すべきかを判断する処理を行い、当該サーバインスタンスの新規起動の場合は、既存のIDとは異なる新規のIDを生成して付与し、当該サーバインスタンスの再起動の場合は、前の起動時のIDと同じIDを引き続き使用するように付与する処理、を実行させること、を特徴とする仮想サーバID管理プログラム。
【請求項14】
請求項12記載の仮想サーバID管理プログラムにおいて、
前記ID管理機能は、ID保存部のプログラムを有し、
前記ID保存部のプログラムは、前記サーバインスタンス毎に付与されるIDを含む情報を記憶手段に保存しておき、前記サーバインスタンスの起動の際に用いる処理、を実行させること、を特徴とする仮想サーバID管理プログラム。
【請求項15】
請求項12記載の仮想サーバID管理プログラムにおいて、
前記ID管理機能は、モニタデータ送信部のプログラム、モニタデータ受信部のプログラム、を有し、
前記モニタデータ送信部のプログラムは、前記サーバインスタンスに付与されたIDを含む情報を、前記監視処理のために送信されるモニタデータに付属させる処理を実行させ、
前記モニタデータ受信部のプログラムは、前記監視処理のために受信されるモニタデータに付属する前記IDを含む情報を取り出す処理を実行させること、を特徴とする仮想サーバID管理プログラム。
【請求項16】
1つ以上の起動元のサーバディスクイメージから仮想サーバとして起動される複数の各々のサーバインスタンスを含んで成る監視対象システム、の監視処理を行う監視サーバを含んで成る統合監視システムにおける、前記仮想サーバに関する監視処理のためにID管理を行うID管理機能を実現するプログラムを含む統合監視プログラムであって、
前記監視対象システムでは、前記サーバディスクイメージ毎の監視設定情報に従って前記仮想サーバを対象とした所定の処理を行う監視エージェントが稼働し、
前記ID管理機能を実現するプログラムは、前記監視エージェントに備えるID付与部及びモニタデータ送信部のプログラムと、前記監視サーバに備えるモニタデータ受信部のプログラムと、を有し、
前記監視エージェントの前記ID付与部のプログラムは、前記サーバディスクイメージから起動される前記複数の各々のサーバインスタンスに対して、一意に識別可能なIDを付与する処理を実行させ、前記モニタデータ送信部のプログラムは、前記サーバインスタンスに付与されたIDを含む情報を付属させたモニタデータを送信する処理を実行させ、
前記監視サーバの前記モニタデータ受信部のプログラムは、受信したモニタデータに付属する前記IDを含む情報を取り出す処理を実行させ、前記監視サーバは、前記モニタデータ及び前記IDを含む情報の参照により、前記複数の各々のサーバインスタンスを識別し、当該識別に応じた前記監視処理を行うこと、を特徴とする統合監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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