説明

仮設建屋

【解決手段】仮設建屋Hを構成する前枠5の相対する上部隅部に、上部軸受部5dを、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部5eを、それぞれ形成し、また、扉部6の一方の上部角部に、上部軸部6eを形成するとともに、上部角部の真下に位置する下部角部に、下部軸部6gを形成したものである。
【効果】扉部を、反時計方向開き或いは時計方向開きに、適宜、変更することができるので、従って、仮設建屋の設置場所の自由度が増加することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場や運動場や海水浴場等の屋外において使用される仮設トイレ等の仮設建屋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根部と奥壁と相対する側壁と床部と前枠と該前枠に取り付けられた扉部とからなる仮設トイレ等の仮設建屋が、一例として、特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特許第2656425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した仮設建屋の扉部は、閉鎖された状態から、仮設建屋を平面的に見て、反時計方向或いは時計方向の何れか一方に回動することにより、扉部を開けるように設定されているために、仮設建屋の設置場所が限定されるという問題があった。
【0005】
また、ブロー成形等により一体成形された扉部の表部(扉部を閉じた際に、仮設トイレの外側に位置する面)のみが、常に、仮設建屋の外側に位置するために、扉部の模様を変える場合には、新たに、扉部を成形し直さなければならず、従って、仮設建屋の汎用性が損なわれるとともに、仮設建屋の製造コストが上昇するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の仮設建屋が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、仮設建屋を構成する前枠の相対する上部隅部に、上部軸受部を、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部を、それぞれ形成し、また、扉部の一方の上部角部に、上部軸部を形成するとともに、上部角部の真下に位置する下部角部に、下部軸部を形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
前枠の相対する上部隅部に、上部軸受部を、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部を、それぞれ形成し、また、扉部の一方の上部角部に、上部軸部を形成するとともに、上部角部の真下に位置する下部角部に、下部軸部を形成したので、扉部を、反時計方向開き或いは時計方向開きに、適宜、変更することができるので、従って、仮設建屋の設置場所の自由度が増加することになる。
【0009】
また、前枠の相対する上部隅部に、上部軸受部を、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部を、それぞれ形成し、また、扉部の一方の上部角部に、上部軸部を形成するとともに、上部角部の真下に位置する下部角部に、下部軸部を形成したので、扉部の表面を、適宜、変更することができるので、仮設建屋の外観の自由度が増加することになる。
【0010】
更に、前枠の相対する上部隅部に、上部軸受部を、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部を、それぞれ形成し、また、扉部の一方の上部角部に、上部軸部を形成するとともに、上部角部の真下に位置する下部角部に、下部軸部を形成したので、扉部の表面を、適宜、変更することができるので、扉部の開き方向及び扉部の表面を、適宜、変更することができる。
【実施例】
【0011】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0012】
Hは、一例として、仮設トイレとしての仮設建屋であり、仮設建屋Hは、屋根部1と奥壁2と相対する側壁3と床部4と前枠5と該前枠5に取り付けられた扉部6とから構成されている。Eは、汚物を貯留するための便槽部材であり、便槽部材Eの上面には、仮設建屋Hが載置されるように構成されている。
【0013】
前枠5は、所定の間隔を置いて配置された側部支柱部5aと、側部支柱部5aの下端部を連結する下部連結梁部5bと、側部支柱部5aの上端部を連結する上部連結梁部5cとを有している。
【0014】
前枠5を構成する相対する一対の側部支柱部5aと上部連結梁部5cとにより形成される相対する上部隅部には、下方に挿入開口5d1を有する筒状の上部軸受部5dが、それぞれ形成されており、また、相対する一対の側部支柱部5aと下部連結梁部5bとにより形成される相対する下部隅部には、上方に挿入開口5e1を有する筒状の下部軸受部5eが、それぞれ形成されている。このように、上部連結梁部5cの両端部付近には、一対の上部軸受部5dが形成されており、また、下部連結梁部5bの両端部付近にも、上部軸受部5dと同様の一対の下部軸受部5eが形成されている。
【0015】
前枠5には、相対する一対の側部支柱部5aと下部連結梁部5bと上部連結梁部5cにより、後述する扉部6により閉鎖される略縦長の長方形状の開口部A1が形成されている。開口部A1の周縁には、側部支柱部5a、下部連結梁部5b及び上部連結梁部5cの奥壁を延在することにより、略額縁状の扉部当接枠5fが形成されている。
【0016】
扉部6は、相対する垂直辺6aと上端辺6bと下端辺cとを有する略縦長の長方形状に形成されている。また、扉部6の相対する垂直辺6aの一方の垂直辺6aと上端辺6bとにより形成される上部角部には、上端辺6bから、上記の一方の垂直辺6aに沿って、切欠き凹部6dを形成することにより、上述した上部軸受部5dの挿入開口5d1に挿入可能な上部軸部6eが形成されており、更に、上記の一方の垂直辺6aと下端辺cとにより形成される、上部角部の真下に位置する下部角部には、下端辺cから、上記の一方の垂直辺6aに沿って、切欠き凹部6fを形成することにより、上述した下部軸受部5eの挿入開口5e1に挿入可能な下部軸部6gが形成されている。
【0017】
仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の上部軸受部5dのうちの一方の上部軸受部5dの挿入開口5d1(図3において、右側に位置する上部軸受部5d)に、扉部6に形成された上部軸部6eを挿入するとともに、上記の上部軸受部5dの挿入開口5d1の真下に位置する下部軸受部5eの挿入開口5e1(図3において、同じく、右側に位置する上部軸受部5d)に、扉部6に形成された下部軸部6gを挿入することにより、仮設建屋Hを構成する前枠5に、扉部6を取り付けるとができるように構成されている。このように、仮設建屋Hを構成する前枠5に、扉部6を取り付けることにより、扉部6を、閉じられた状態から、平面的に見て、反時計方向に回動することにより、扉部6が開けられるように構成されている。以下、扉部6のこのような開きを、反時計方向開きと称することとする。
【0018】
また、仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の上部軸受部5dのうちのもう一方の上部軸受部5dの挿入開口5d1(図3において、左側に位置する上部軸受部5d)に、扉部6に形成された上部軸部6eを挿入するとともに、上記の上部軸受部5dの挿入開口5d1の真下に位置する下部軸受部5eの挿入開口5e1(図3において、同じく、左側に位置する下部軸受部5e)に、扉部6に形成された下部軸部6gを挿入することにより、仮設建屋Hを構成する前枠5に、扉部6を取り付けるとができるように構成されている。このように、仮設建屋Hを構成する前枠5に、扉部6を取り付けることにより、扉部6を、閉じられた状態から、平面的に見て、時計方向に回動することにより、扉部6が開けられるように構成されている。以下、扉部6のこのような開きを、時計方向開きと称することとする。
【0019】
図3に示されているように、扉部6が、閉じられた状態から、平面的に見て、反時計方向に回動するように、前枠5に取り付けられた状態から、扉部6を、扉部6の一方の面6’に垂直な中心軸を中心に、180度回転させて、図3において、右上に位置する上部軸部6eを、図4に示されているように、扉部6の左下に位置させるとともに、図3において、右下に位置する下部軸部6gを、図4に示されているように、扉部6の左上に位置させ、その後、上記の左上に位置する下部軸部6gを、仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の上部軸受部5dのうちの左側に位置する上部軸受部5dの挿入開口5d1に挿入し、また、上記の左下に位置する上部軸部6eを、仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の下部軸受部5eのうちの左側に位置する下部軸受部5eの挿入開口5e1に挿入することにより、閉じた状態の扉部6の表面を変えることなく、扉部6を、反時計方向開きから、時計方向開きに変更することができる。
【0020】
また、図3に示されているように、扉部6が、閉じられた状態から、平面的に見て、反時計方向に回動するように、前枠5に取り付けられた状態から、扉部6を、扉部6の表面6’に沿った水平軸Xを中心に、180度回転させて、図3において、右上に位置する上部軸部6eを、図5に示されているように、扉部6の右下に位置させるとともに、図3において、右下に位置する下部軸部6gを、図5に示されているように、扉部6の右上に位置させ、その後、上記の右上に位置する下部軸部6gを、仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の上部軸受部5dのうちの右側に位置する上部軸受部5dの挿入開口5d1に挿入し、また、上記の右下に位置する上部軸部6eを、仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の下部軸受部5eのうちの右側に位置する下部軸受部5eの挿入開口5e1に挿入することにより、反時計方向開きを変更することなく、扉部6の表面を変えることができる。
【0021】
更に、図3に示されているように、扉部6が、閉じられた状態から、平面的に見て、反時計方向に回動するように、前枠5に取り付けられた状態から、扉部6を、扉部6の表面6’に沿った垂直軸Yを中心に、180度回転させて、図3において、右上に位置する上部軸部6eを、図6に示されているように、扉部6の左上に位置させるとともに、図3において、右下に位置する下部軸部6gを、図6に示されているように、扉部6の左下に位置させ、その後、上記の左上に位置する上部軸部6eを、仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の上部軸受部5dのうちの左側に位置する上部軸受部5dの挿入開口5d1に挿入し、また、上記の左下に位置する下部軸部6gを、仮設建屋Hを構成する前枠5に形成された一対の下部軸受部5eのうちの左側に位置する下部軸受部5eの挿入開口5e1に挿入することにより、反時計方向開きを、時計方向開きを変更するとともに、扉部6の表面を変えることができる。
【0022】
上述したように、仮設建屋Hを構成する前枠5の相対する上部隅部に、上部軸受部5dを、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部5eを、それぞれ形成し、また、扉部6の一方の上部角部に、上部軸部6eを形成するとともに、扉部6の上部角部の真下に位置する下部角部に、下部軸部6gを形成することにより、扉部6を、反時計方向開き或いは時計方向開きに、適宜、変更することができるので、従って、仮設建屋Hの設置場所の自由度が増加することになる。
【0023】
仮設建屋Hを構成する前枠5の相対する上部隅部に、上部軸受部5dを、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部5eを、それぞれ形成し、また、扉部6の一方の上部角部に、上部軸部6eを形成するとともに、扉部6の下部角部に、下部軸部6gを形成することにより、扉部6の表面を、適宜、変更することができるので、従って、仮設建屋Hの外観の自由度が増加することになる。
【0024】
上述したように、仮設建屋Hを構成する前枠5の相対する上部隅部に、上部軸受部5dを、それぞれ形成するとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部5eを、それぞれ形成し、また、扉部6の一方の上部角部に、上部軸部6eを形成するとともに、扉部6の下部角部に、下部軸部6gを形成することにより、扉部6の開き方向及び扉部6の表面を、適宜、変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の仮設建屋等の全体斜視図である。
【図2】図2は、本発明の仮設建屋を構成する前枠の一部切除部を含む斜視図である。
【図3】図3は、本発明の仮設建屋を構成する前枠及び扉部の斜視図である。
【図4】図4は、図3と同様の本発明の仮設建屋を構成する前枠及び扉部の斜視図である。
【図5】図5は、図3と同様の本発明の仮設建屋を構成する前枠及び扉部の斜視図である。
【図6】図6は、図3と同様の本発明の仮設建屋を構成する前枠及び扉部の斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
H・・・・・・・・・・・・・・仮設建屋
5・・・・・・・・・・・・・・前枠
5d・・・・・・・・・・・・・上部軸受部
5e・・・・・・・・・・・・・下部軸受部
6・・・・・・・・・・・・・・扉部
6e・・・・・・・・・・・・・上部軸部
6g・・・・・・・・・・・・・下部軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前枠の相対する上部隅部に、上部軸受部が、それぞれ形成されているとともに、相対する下部隅部に、下部軸受部が、それぞれ形成されており、また、扉部の一方の上部角部に、上部軸部が形成されているとともに、前記上部角部の真下に位置する下部角部に、下部軸部が形成されていることを特徴とする仮設建屋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−257793(P2006−257793A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78721(P2005−78721)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(592106328)日野興業株式会社 (4)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】