説明

会員管理方法及び装置

【課題】クレジットカード番号の入力を不要とすると共に容易に会員登録ができ、利用したいサービスの提供を受けることを可能にする。
【解決手段】本発明は、有償コンテンツ提供装置から、会員の認証依頼情報を受け付け、各会員の所属するプロバイダの情報を記録したプロバイダ管理テーブルを参照し、受け付けた会員の所属するプロバイダを判定し、判定されたプロバイダのプロバイダ装置に対して会員の認証依頼情報を発行する。プロバイダ装置からの認証結果を受け付けると、該認証結果を有償コンテンツ提供装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会員管理方法及び装置に係り、特に、インターネット上で有償のコンテンツを提供する際に必要となる会員管理及び課金請求処理を行うための会員管理方法及び装置に関する。
【0002】
近年、インターネットの普及と共に、有償で会員に対してサービスを提供する際に、会員を管理するための登録処理、会員管理、サービス提供に対する課金処理が必須となっている。このため、利用者は、氏名の登録や自分自身のクレジットカードを登録し、登録された会員に対して有償のサービスが提供される。このような場合に容易に利用者の登録処理や課金処理が可能なシステムが求められている。
【背景技術】
【0003】
図5は、従来の有償コンテンツの提供システムの構成を示す。同図に示す従来の有償コンテンツの提供システムは、会員端末100、WWWサーバ200、プロバイダ400、及びクレジット会社500から構成される。会員端末100において、会員が氏名やクレジットカード番号等の会員登録のための情報を入力し、WWWサーバ200に送信する。
【0004】
WWWサーバ200は、会員端末100に対して要求されたサービスを提供するホームページ表示制御部210と、提供したサービスに対する課金を行う課金処理部220とを有し、課金処理部220で課金処理された課金データがプロバイダ400を経由して、クレジット会社500に転送される。クレジット会社500では、会員に対してサービス提供に対する請求を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の有償コンテンツの提供システムでは、プロバイダに対して加入時にクレジットカード番号を既に登録しているにも関わらず、利用者が利用したいサービスを提供するWWWサーバに対してクレジットカード番号を含む会員登録情報を入力する処理が必要であるため、作業が繁雑であると共に、クレジット番号をそのままWWWサーバに送信しているため、他人に悪用される危険性がある。また、WWWサーバの知名度が低い、または、新規参入によりシステムが整備されていない等の状況にあっては利用者の不安が増大する。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、クレジットカード番号の入力を不要とすると共に容易に会員登録ができ、利用したいサービスの提供を受けることが可能な会員管理方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、会員管理装置による会員管理方法であって、
有償コンテンツ提供装置から、会員の認証依頼情報を受け付ける受付ステップと、
各会員の所属するプロバイダの情報を記録したプロバイダ管理テーブルを参照し、受付ステップにおいて受け付けた会員の所属するプロバイダを判定する判定ステップと、
判定ステップにおいて判定されたプロバイダのプロバイダ装置に対して会員の認証依頼情報を発行するステップと、
プロバイダ装置からの認証結果を受け付けると、該認証結果を有償コンテンツ提供装置へ送信するステップと、を行う。
【0008】
本発明は、有償コンテンツ提供装置から、会員の認証依頼情報を受け付ける受付手段と、
各会員の所属するプロバイダの情報を記録したプロバイダ管理テーブルを参照し、受付手段において受け付けた会員の所属するプロバイダを判定する判定手段と、
判定手段において判定されたプロバイダのプロバイダ装置に対して会員の認証依頼情報を発行する手段と、
プロバイダ装置からの認証結果を受け付けると、該認証結果を有償コンテンツ提供装置へ送信する手段と、を備える。
【0009】
本発明によれば、有償コンテンツを提供するサーバにおいて会員の管理及び課金請求処理を行わずに、単に有償コンテンツの提供処理のみを行うことにより、本来会員が秘密にしたい情報(会員ID等)をコンテンツ提供者に知られる恐れがない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、有償コンテンツを提供するWWWサーバでは、会員の管理及び課金請求処理を行わずに、単に有償コンテンツの提供処理のみを行うことにより、当該サーバは課金・請求のための機能が不要となると共に、会員が秘密にしたい情報(会員ID等)をコンテンツ提供者に知られる恐れがないため、不正利用を防止することができる。
【0011】
本発明によれば、インターネットプロバイダはコンテンツ提供者に会員IDを知られることがないため、会員IDの不正利用を防止できると共に、クレジットカード番号等の入力を不要とすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の有償コンテンツサービス提供システムの構成を示す。同図において図5と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0013】
同図に示す有償コンテンツサービス提供システムは、有償コンテンツの提供を受ける会員端末100、有償コンテンツの提供を行うWWWサーバ200、会員の認証処理及び課金処理及び請求データ作成処理を行う会員管理サーバ300、課金処理されたデータに基づいて会員に対する請求データをクレジット会社に送付するプロバイダ400、プロバイダ400からの請求データに基づいて会員に対して請求を行うクレジットカード会社500から構成される。
【0014】
会員端末100は、WWWサーバ200から提供される有償コンテンツを取得して表示する表示部130と、所定のID入力画面を用いて入力する入力部120とが接続され、入力部120から入力されたIDやパスワードを暗号化して送信する暗号化部110を有する。
【0015】
WWWサーバ200は、会員端末100に対してホームページ等の有償コンテンツの提供を行うホームページ表示制御部210、有償コンテンツの提供を行う毎に、会員に対する課金ログを生成する課金ログ作成部230、課金ログ作成部230で作成された課金ログを格納しておく課金ログテーブル240とを有する。
【0016】
会員管理サーバ300は、会員端末100から送られた暗号化された会員情報を復号化して会員の認証を行う会員認証部310と、当該会員が所属するプロバイダの情報を管理するプロバイダ管理テーブル320、WWWサーバ200における有償コンテンツの提供に伴う会員ID、課金IDの登録及び課金IDの返却を行うID処理部330と、会員の情報を管理する会員管理テーブル340、WWWサーバ200で生成された課金ログに基づいて課金請求データを作成する課金・請求データ作成部350、課金・請求データ作成部350で生成された課金情報を格納するプロバイダ向課金請求データファイル360、請求データをプロバイダ向き課金請求データファイル360から読み込んでプロバイダ400に送信する請求データ送信部370から構成される。
【0017】
プロバイダ400は、会員管理サーバ300から請求データを受け取り、クレジットカード会社500に請求データを送信する料金請求部410、会員毎の情報を管理し、料金請求部410により参照される会員管理テーブル420及び会員管理テーブル420を参照して会員情報を認証するための認証部430とを有する。
【0018】
次に、上記の有償コンテンツサービス提供システムにおける概要動作を説明する。
【0019】
図2は、本発明の有償コンテンツサービス提供の動作を示すシーケンスチャートである。
【0020】
ステップ101) 会員が会員端末100の入力部120から所定のID入力画面を用いて会員区分、会員ID及びパスワード等の情報を入力する。
【0021】
ステップ102) 会員端末100の暗号化部110において、入力部120から入力されたID/パスワードを暗号化する。
【0022】
ステップ103) 暗号化された情報を会員端末100からWWWサーバ200を介して会員管理サーバ300に送信する。
【0023】
ステップ104) 会員管理サーバ300は、暗号化されているID/パスワードを復号化し、これら復号された会員IDキーとしてプロバイダ管理テーブル320を検索し、当該会員がどのプロバイダに加入しているかを判定する。このとき、どのプロバイダにも加入していない場合には、当該会員からの要求を認証しない。
【0024】
ステップ105) 会員管理サーバ300は、当該会員が加入しているプロバイダ400に対して認証依頼を行う。
【0025】
ステップ106) プロバイダ400の認証部430において会員管理テーブル420を参照して認証を行い、その認証結果を会員管理サーバ300に送信する。
【0026】
ステップ107) 会員管理サーバ300は、取得した認証結果をWWWサーバ200に送信する。
【0027】
ステップ108) WWWサーバ200は、取得した認証結果が"OK"であれば、有償コンテンツを会員端末100に送信する。
【0028】
ステップ109) これにより、会員端末100は当該有償コンテンツを表示部130に表示する。
【0029】
ステップ110) 会員管理サーバ300は、会員ID、課金IDを組として会員管理テーブル340に登録する。
【0030】
ステップ111) 会員管理サーバ300は、当該会員に対する課金IDをWWWサーバ200に送信する。
【0031】
ステップ112) WWWサーバ200の課金ログ作成部230は、会員管理サーバ300から取得した課金IDに対応する有償コンテンツ提供に対する課金ログデータを生成し、課金ログテーブル240に格納する。
【0032】
ステップ113) WWWサーバ200は、課金ログテーブル240に蓄積された課金ログデータを会員管理サーバ300に送信する。
【0033】
ステップ114) 会員管理サーバ300の課金請求データ作成部350は、WWWサーバ200から取得した課金ログデータに基づいて会員管理テーブル340を参照し、当該会員が加入しているプロバイダに対する課金請求データを生成する。
【0034】
ステップ115) 会員管理サーバ300は、生成した課金請求データを該当するプロバイダ400に送信する。
【0035】
ステップ116) プロバイダ400の料金請求部410は、会員管理テーブル420を参照して、当該会員IDに対応する料金請求データを生成する。
【0036】
ステップ117) プロバイダ400は、料金請求データを当該会員が利用しているクレジットカード会社500または、会員に対して請求する。
【0037】
図1では、プロバイダ400からクレジットカード会社500に送信する構成としているが、この例に限定されることなく、会員個人に請求するようにしてもよい。
【0038】
上記のように、インターネットの利用者である会員は、所定のID入力画面に基づいて会員情報を入力するのみでよく、クレジットカード番号の入力を不要とする。さらに、会員IDを暗号化して会員端末100からコンテンツを提供するWWWサーバ200に送られ、インターネットプロバイダはコンテンツ提供者に会員IDを知られることがないため、会員IDの不正利用を防止できる。
【実施例】
【0039】
以下、図面と共に本発明の実施例を説明する。図3は、本発明の一実施例の有償コンテンツサービス提供の動作を説明するための図である。以下の動作の説明を前述の図2の動作に沿って説明する。
【0040】
まず、会員は、図4に示すようなID入力画面が表示部130に表示されると、入力部120から当該画面項目に従って入力を行う。図4の例では、会員区分"X"、会員ID"X01"、パスワード"aaa"を入力する(ステップ101)。次に、会員端末100は、入力された会員区分"X"、会員ID及びパスワードについて暗号化を行う。なお、暗号化の方法は、RSA暗号化を含め種々の既存の暗号化の方法が利用可能である(ステップ102)。
【0041】
次に、会員端末100は、WWWサーバ200を経由して会員管理サーバ300に暗号化された会員区分、会員ID及びパスワードの情報を送信する(ステップ103)。
【0042】
会員管理サーバ300は、取得した暗号化された会員区分、会員ID及びパスワードを復号化し、これら復号された会員区分(プロバイダ識別子)をキーとしてプロバイダ管理テーブル320を検索し、プロバイダ名(Xプロバイダ)を取得する(ステップ104)。さらに、会員管理サーバ300の会員認証部310は、取得したプロバイダ名(Xプロバイダ)に対して認証依頼を発行する(ステップ105)。これにより、プロバイダX400は、当該認証依頼に対する認証を行う。この場合には、会員ID"X01"の会員は、当該プロバイダに加入しているため、"認証OK"を会員管理サーバ300に返却する(ステップ106)。
【0043】
これにより、会員管理サーバ300は、当該認証結果をID処理部330に転送すると共に、当該認証結果をWWWサーバ200に転送する(ステップ107)。WWWサーバ200は、当該認証結果が"OK"であるので、有償コンテンツであるホームページを当該会員端末100に転送する(ステップ108)。これにより、会員端末100は、提供サービスとしてWWWサーバ200から送信された当該ホームページを表示部130に表示する(ステップ109)。
【0044】
会員管理サーバ200のID処理部330は、会員IDに対応する課金ID(X−K01"を生成し、認証された会員ID(X01)と共に、会員管理テーブル340に登録すると共に(ステップ110)、当該課金ID(X−K01)をWWWサーバ200に転送する(ステップ111)。
【0045】
WWWサーバ200は、当該課金IDに対する会員端末100に提供したホームページの提供に対応する課金ログ(X−K01/100円)を生成し(ステップ112)、当該課金ログデータを課金ログデータテーブル240に格納する(ステップ112)。
【0046】
次に、WWWサーバ200は、任意のタイミングで課金ログデータテーブル240の内容(課金ID:X−K01/料金:100円)を会員管理サーバ300に転送する(ステップ113)。これにより、会員管理サーバ300の課金請求データ作成部350は、課金ログデータの課金ID(X−K01)をキーとして会員管理テーブル340を検索し、当該課金IDに対応する会員IDを取得し、当該会員ID毎に料金を算出し、その合計値をXプロバイダ向の課金請求データとし、プロバイダ向課金請求データファイル360に蓄積する(ステップ114)。
【0047】
会員管理サーバ300の請求データ送信部370は任意のタイミングでプロバイダ向課金請求データファイル360を読み込んで、当該情報をXプロバイダ400に転送する(ステップ115)。
【0048】
Xプロバイダ400の料金請求部410は、会員管理サーバ300から取得した請求データをクレジットカード会社500に送信する(ステップ117)。これにより、クレジットカード会社500は、会員に対して当該料金を請求する。
【0049】
また、上記の実施例では、会員端末100、WWWサーバ200、会員管理サーバ300及びプロバイダ400等をハードウェアで構成する例に基づいて説明したが、この例に限定されることなく、会員端末の暗号化部110、WWWサーバ200のホームページ表示制御部210、課金ログ作成部230、会員管理サーバ300の会員認証部310、ID処理部330、課金・請求データ作成部350、請求データ送信部370をプログラムとして構築し、会員端末100、WWWサーバ200、会員管理サーバ300、プロバイダ400の各々のコンピュータのディスク装置や、フロッピーディスク(「フロッピー」は登録商標)やCD−ROM等の可搬記憶媒体に格納しておき、本発明の処理を行う際にインストールすることにより、汎用的に利用することが可能である。
【0050】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の有償コンテンツサービス提供システムの構成図である。
【図2】本発明の有償コンテンツサービス提供の動作を示すシーケンスチャートである。
【図3】本発明の一実施例の有償コンテンツサービス提供の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例のID入力画面の例である。
【図5】従来の有償コンテンツ提供システムの構成図である。
【符号の説明】
【0052】
100 会員端末
110 暗号化部
120 入力部
130 表示部
200 WWWサーバ
210 ホームページ表示制御部
230 課金ログ作成部
240 課金ログテーブル
300 会員管理サーバ
310 会員認証部
320 プロバイダ管理テーブル
330 ID処理部
340 会員管理テーブル
350 課金・請求データ作成部
360 プロバイダ向課金請求データファイル
370 請求データ送信部
400 プロバイダ
410 料金請求部
420 会員管理テーブル
430 認証部
500 クレジットカード会社

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員管理装置による会員管理方法であって、
有償コンテンツ提供装置から、会員の認証依頼情報を受け付ける受付ステップと、
各会員の所属するプロバイダの情報を記録したプロバイダ管理テーブルを参照し、前記受付ステップにおいて受け付けた会員の所属するプロバイダを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて判定されたプロバイダのプロバイダ装置に対して前記会員の認証依頼情報を発行するステップと、
前記プロバイダ装置からの認証結果を受け付けると、該認証結果を前記有償コンテンツ提供装置へ送信するステップと、
を行うことを特徴とする会員管理方法。
【請求項2】
有償コンテンツ提供装置から、会員の認証依頼情報を受け付ける受付手段と、
各会員の所属するプロバイダの情報を記録したプロバイダ管理テーブルを参照し、前記受付手段において受け付けた会員の所属するプロバイダを判定する判定手段と、
前記判定手段において判定されたプロバイダのプロバイダ装置に対して前記会員の認証依頼情報を発行する手段と、
前記プロバイダ装置からの認証結果を受け付けると、該認証結果を前記有償コンテンツ提供装置へ送信する手段と、
を備えることを特徴とする会員管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−294060(P2006−294060A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189347(P2006−189347)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【分割の表示】特願平9−313568の分割
【原出願日】平成9年11月14日(1997.11.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】