説明

会議システム、データ処理装置、データ出力方法およびデータ出力プログラム

【課題】 データの機密が漏洩するのを防止すること。
【解決手段】 MFPとプロジェクタとを含む会議システムであって、MFPは、データを取得するデータ取得部(S03でYES,S05でYES)と、ユーザ識別情報を参加者情報として取得する参加者情報取得部(S08)と、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かを判断し、判断結果が会議の参加者全員が取得されたデータにアクセス可能である場合、取得されたデータが出力可能であると判断し、会議の参加者のいずれかが取得されたデータにアクセス不可能である場合、取得されたデータが出力不可能であると判断するアクセス可否判断部および出力可否判断部(S10、S11)と、出力可否判断部により出力可能と判断されることを条件に、データを出力する出力部(S16)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、会議システム、データ処理装置、データ出力方法およびデータ出力プログラムに関し、特にプロジェクタなどの表示装置とそれに接続されるデータ処理装置とを含む会議システム、プロジェクタなどの表示装置に接続されるデータ処理装置、そのデータ処理装置で実行されるデータ出力方法およびデータ出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議やプレゼンテーションなどで、プロジェクタが用いられる場合がある。プロジェクタは、画像が入力されると、その画像をスクリーンに投影する。このため、多くの人が一度に同じ画像を視聴することができる。例えば、特開2005−197796号公報(特許文献1)には、プロジェクタではないが、電子ボードのボード面上に描画されたオブジェクトを検知してイメージファイルを生成し、電子ボード付近に現実に位置する特定の場所に現実にいる利用者に関する情報を収集し、利用者に関する情報をイメージファイルの出力先とし、出力先にイメージファイルを出力する技術が記載されている。この技術によれば、会議やプレゼンテーションに参加している人のすべてが電子ボードのボード面上に描画されたオブジェクトを見ることができ、さらにそのオブジェクトのイメージファイルが参加者全員に送信される。このため、電子ボードのボード面上に描画されたオブジェクトが機密情報を含んでいる場合は、機密の状態を維持することができなくなるといった問題がある。また、参加者の一部に対して機密であるけれども、他の参加者に対して機密でない情報を誤ってボード面上に描画してしまう場合等は、問題がある。
【0003】
また、特開2005−260739号公報(特許文献2)には、第1のホワイトボード装置に描かれた画像を、第2のホワイトボード装置に描画するが、第1のホワイトボード装置に特定色で描かれた画像を背景色を表すデータに置き換え、第2のホワイトボード装置に描画するホワイトボード装置システムが記載されている。この技術によれば、第1のホワイトボード装置に特定色で描かれた画像は、第2のホワイトボード装置に描画されないので、特定色の描画を第2のホワイトボードを見る人に対しては機密にすることができる。しかしながら、第1のホワイトボード装置を見る人は、特定色の描画を見ることができるので、機密にすることができない。
【特許文献1】特開2005−197796号公報
【特許文献2】特開2005−260739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、データの機密が漏洩するのを防止することが可能な会議システムを提供することである。
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、データの機密が漏洩するのを防止することが可能なデータ処理装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、データの機密が漏洩するのを防止することが可能なデータ出力方法およびデータ出力プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、会議システムは、データ処理装置と表示装置とを含む会議システムであって、データ処理装置は、データを取得するデータ取得手段と、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、参加者情報に基づいて、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するアクセス可否判断手段と、アクセス可否判断手段による判断の結果、会議の参加者全員が取得されたデータにアクセス可能である場合、取得されたデータが出力可能であると判断し、会議の参加者のいずれかが取得されたデータにアクセス不可能である場合、取得されたデータが出力不可能であると判断する出力可否判断手段と、出力可否判断手段により出力可能と判断されることを条件に、データを表示装置に出力する出力手段と、を備え、表示装置は、データ処理装置から出力されるデータに基づいて画像を表示する。
【0008】
この局面に従えば、データ処理装置において、データが取得され、ユーザ識別情報が参加者情報として取得され、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かが判断され、判断結果に基づいて、取得されたデータの出力可否が判断され、出力可能と判断されることを条件に、データが表示装置により表示される。参加者情報で識別されるユーザがデータにアクセス可能でなければデータが表示されないので、参加者がアクセスできないデータが表示されないようにすることができる。その結果、データの機密が漏洩するのを防止することが可能な会議システムを提供することができる。
【0009】
この発明の他の局面によれば、データ処理装置は、画像を表示する表示装置と接続されたデータ処理装置であって、データを取得するデータ取得手段と、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、参加者情報に基づいて、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するアクセス可否判断手段と、アクセス可否判断手段による判断の結果、会議の参加者全員が取得されたデータにアクセス可能である場合、取得されたデータが出力可能であると判断し、会議の参加者のいずれかが取得されたデータにアクセス不可能である場合、取得されたデータが出力不可能であると判断する出力可否判断手段と、出力可否判断手段により出力可能と判断されることを条件に、データを表示装置に出力する出力手段と、を備える。
【0010】
この局面に従えば、データが取得され、ユーザ識別情報が参加者情報として取得され、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かが判断され、判断結果に基づいて、取得されたデータの出力可否が判断され、出力可能と判断されることを条件に、データが出力される。参加者情報で識別されるユーザがデータにアクセス可能でなければデータが出力されないので、参加者がアクセスできないデータが出力されないようにすることができる。その結果、データの機密が漏洩するのを防止することが可能なデータ処理装置を提供することができる。
【0011】
好ましくは、画像を読み取る画像読取手段と、画像読取手段により読み取られた画像と、データ取得手段により取得されたデータの画像とを合成することによって、合成データを生成する合成手段をさらに備え、出力手段は、合成データを出力する。
【0012】
好ましくは、記録媒体に形成された原稿画像を読み取る原稿読取手段をさらに備え、データ取得手段は、原稿読取手段により原稿画像を読み取って得られるデータを取得する。
【0013】
好ましくは、出力可否判断手段は、アクセス可否判断手段により会議の参加者のいずれかが取得されたデータへのアクセスが不可能と判断された場合、会議の参加者のうち取得されたデータにアクセス可能なユーザから出力を許可する指示を受け付けることを条件に、データを出力可能と判断する。
【0014】
好ましくは、ユーザを認証するための認証手段と、ユーザ識別情報と代理情報とを関連付ける代理認証情報を記憶する代理認証情報記憶手段と、をさらに備え、認証手段は、代理情報が受け付けられ、かつ該代理情報による認証に成功した場合、該代理情報と代理認証情報により関連付けられたユーザ識別情報のユーザとして認証し、データ取得手段は、認証手段により代理情報による認証に成功した場合、代理情報と代理認証情報により関連付けられたユーザ識別情報のユーザがアクセス可能なデータを取得する。
【0015】
好ましくは、参加者情報取得手段は、データ取得手段により取得されたデータとともに取得されるユーザ識別情報を取得する。
【0016】
好ましくは、複数の記憶領域を有し、複数の記憶領域にデータを記憶するデータ記憶手段をさらに備え、データ取得手段は、データ記憶手段の有する複数の記憶領域のいずれかからデータを取得し、アクセス可否判断手段は、データ取得手段により取得されたデータが記憶されていた記憶領域に参加者情報で識別されるユーザがアクセス可能か否かを判断する。
【0017】
好ましくは、参加者情報取得手段は、予め記憶された参加者リストに含まれるユーザ識別情報を取得する。
【0018】
好ましくは、参加者情報取得手段は、ユーザのユーザ識別情報を受け付けるユーザ判別装置と接続され、ユーザ判別装置により受け付けられたユーザ識別情報を取得する。
【0019】
好ましくは、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、ユーザ識別情報と生体情報との組を記憶するユーザ情報記憶手段と、参加者情報取得手段は、生体情報取得手段により取得された生体情報と同じ組のユーザ識別情報を取得する。
【0020】
好ましくは、参加者情報取得手段は、取得されたデータの複数の出力先ごとに参加者情報を取得し、出力可否判断手段は、複数の出力先ごとにデータの出力可否を判断し、出力手段は、複数の出力先のうち出力可否判断手段により出力可能と判断された出力先にデータを出力する。
【0021】
好ましくは、参加者取得手段により出力手段が取得されたデータを出力した後に新たな参加者情報が取得され、アクセス可否判断手段により新たな参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス不可能と判断され、かつ、出力可否判断手段により新たな参加者情報を含む会議の参加者のいずれかが取得されたデータにアクセス不可能であるとして取得されたデータが出力不可能と判断されると、出力手段は、取得されたデータに代えて予め定められたデータを再出力する。
【0022】
この発明のさらに他の局面によれば、データ出力方法は、画像を表示する表示装置と接続されたデータ処理装置で実行されるデータ出力方法であって、表示用のデータを取得するステップと、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、参加者情報に基づいて、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するステップと、アクセス可否を判断するステップにおける判断の結果、会議の参加者全員が取得されたデータにアクセス可能である場合、取得されたデータが出力可能であると判断し、会議の参加者のいずれかが取得されたデータにアクセス不可能である場合、取得されたデータが出力不可能であると判断するステップと、出力可否を判断するステップにおいて出力可能と判断されることを条件に、データを表示装置に出力するステップと、を含む。
【0023】
この局面に従えば、データの機密が漏洩するのを防止することが可能なデータ出力方法を提供することができる。
【0024】
この発明のさらに他の局面によれば、データ出力プログラムは、画像を表示する表示装置と接続されたデータ処理装置で実行されるデータ出力プログラムであって、表示用のデータを取得するステップと、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、参加者情報に基づいて、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するステップと、アクセス可否を判断するステップにおける判断の結果、会議の参加者全員が取得されたデータにアクセス可能である場合、取得されたデータが出力可能であると判断し、会議の参加者のいずれかが取得されたデータにアクセス不可能である場合、取得されたデータが出力不可能であると判断するステップと、出力可否を判断するステップにおいて出力可能と判断されることを条件に、データを表示装置に出力するステップと、をデータ処理装置に実行させる。
【0025】
この局面に従えば、データの機密が漏洩するのを防止することが可能なデータ出力プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態における会議システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、会議システム1は、物理的に離れた空間である会議室A,B,Cに区切られ、会議室A,B,Cにはネットワーク2が敷設される。会議室Aには、それぞれがネットワーク2に接続されたMFP(Multi Function Peripheral)100と、プロジェクタ200と、ホワイトボード400と、ユーザ判別装置300とが設置される。会議室Bには、それぞれがネットワーク2に接続されたプロジェクタ200Aと、ユーザ判別装置300Aとが設置される。会議室Cには、それぞれがネットワーク2に接続されたプロジェクタ200Bと、ユーザ判別装置300Bとが設置される。
【0028】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0029】
MFP100は、プロジェクタ200、200A,200B、ホワイトボード400、ユーザ判別装置300,300A,300Bとネットワーク2を介して通信することが可能である。
【0030】
ユーザ判別装置300,300A,300Bは、会議室A、会議室Bおよび会議室Cそれぞれに入退室する人がアクセスするのに容易な位置、例えば、会議室A、会議室Bおよび会議室Cそれぞれの出入り口に配置される。
【0031】
なお、本実施の形態においてはデータ処理装置の一例としてMFP100を例に説明するが、MFP100に代えて、データを記憶および処理する機能を備えていれば、たとえば、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、コンピュータ等であってもよい。また、ここでは会議室A、会議室B、会議室Cの3つの物理的に離れた空間を配置する例を示すが、空間の数はこれに限定されることなく、会議室Aのみであってもよいし、会議室Aと会議室Bとの2つの組であってもよいし、会議室Bまたは会議室Cと同様の構成の複数の会議室と会議室Aとの組であってもよい。
【0032】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図2を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、を含む。ADF10は、原稿台11に搭載された複数枚の原稿をさばいて1枚ずつ順に、画像読取部20に搬送する。画像読取部20は、写真、文字、絵等の画像情報を原稿から光学的に読み取って画像データを取得する。
【0033】
画像形成部30は、画像データが入力されると、画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。画像形成部30は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーを用いてカラーの画像を形成する、また、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのいずれか1色のトナーを用いてモノクロの画像を形成する。
【0034】
給紙部40は、用紙を格納しており、格納した用紙を1枚ずつ画像形成部30に供給する。MFP100は、その上面に操作パネル9を備える。
【0035】
図3は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路101を含み、メイン回路101は、ファクシミリ部60と、ADF10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と接続される。メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのEEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、を含む。CPU111は、表示部114、操作部115、HDD116およびデータ通信制御部117とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部60、ADF10、画像読取部20、画像形成部30および給紙部40と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0036】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイであり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。表示部114と操作部115とで、操作パネル9が構成される。
【0037】
データ通信制御部117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118と、シリアル通信するためのシリアルインターフェース端子119とを有する。データ通信制御部117は、CPU111からの指示に従って、LAN端子118またはシリアルインターフェース端子119に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
【0038】
LAN端子118に、ネットワーク2に接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部117は、LAN端子118を介してプロジェクタ200、200A,200B、ホワイトボード400、ユーザ判別装置300,300A,300Bと通信することが可能である。
【0039】
また、CPU111は、データ通信制御部117を制御して、メモリカード119AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM112に記憶し、実行する。なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electronically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD116に書込みするようにして、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0040】
ファクシミリ部60は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部60は、受信したファクシミリデータをHDD116に記憶する、または画像形成部30でファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部60は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置または他のMFPに出力する。これにより、HDD116に記憶されたデータをファクシミリ装置または他のMFPに出力することができる。
【0041】
プロジェクタ200,200A,200Bの構成および機能は同じなので、ここではプロジェクタ200を例に説明する。図4は、プロジェクタの機能概要の一例を示す機能ブロック図である。図4を参照して、プロジェクタ200は、プロジェクタ200の全体を制御するための制御部201と、プロジェクタ200をネットワーク2に接続するためのネットワークI/F207と、操作パネル205と、画像を投影する投影部203と、を含む。
【0042】
制御部201は、CPUと、作業領域として用いられるRAMと、CPUが実行するプログラムを記憶するためのROMと、を含む。制御部201は、ネットワークI/F207を介してMFP100からデータを受信すると、受信したデータを投影用のフォーマットに変換し、投影用のデータを投影部203に出力する。投影部203は、液晶表示装置、レンズおよび光源を備える。液晶表示装置は、制御部201から入力されるデータを表示する。光源から発せられる光は、液晶表示装置を透過し、レンズを介して外部に照射される。投影部203から照射される光が、スクリーンに照射されると、液晶表示装置に表示された画像を拡大した画像がスクリーンに映し出される。会議室Aにおいて、スクリーンは、ホワイトボード400のボード面である。会議室Bまたは会議室Cにおいて、スクリーンは、専用に設置されたスクリーンが用いられる。なお、反射率の高い面であれば、壁などを利用することができ、その場合にはスクリーンを設置する必要はない。操作パネル205は、ユーザインターフェースであり、液晶表示装置などの表示部と、複数のキーを含む操作部とを含む。
【0043】
ユーザ判別装置300、300A,300Bの構成および機能は同じなので、ここではユーザ判別装置300を例に説明する。図5は、ユーザ判別装置300の機能概要の一例を示す機能ブロック図である。図5を参照して、ユーザ判別装置300は、ユーザ判別装置300の全体を制御するための制御部301と、ユーザ判別装置300をネットワーク2に接続するためのネットワークI/F307と、操作パネル305と、ICタグ読取部303と、を含む。
【0044】
制御部301は、CPUと、作業領域として用いられるRAMと、CPUが実行するプログラムを記憶するためのROMと、を含む。操作パネル305は、ユーザインターフェースであり、液晶表示装置などの表示部と、複数のキーを含む操作部とを含む。
【0045】
ICタグ読取部303は、無線でICタグ303Aと通信する。ICタグ303Aは、無線通信部と、半導体メモリとを備えており、メモリに、ICタグ303Aの所有者を識別するためのユーザIDを記憶している。ICタグ303Aは、ICタグ読取部303との間の距離が通信可能な距離になると、ICタグ読取部303と通信する。ICタグ303Aは、半導体メモリに記憶されたユーザIDを、ICタグ読取部303に送信する。ICタグ読取部303は、ICタグ303AからユーザIDを受信すると、そのユーザIDを制御部301に出力する。制御部301は、ユーザIDをRAMに一時記憶する。制御部301は、ネットワークI/F307を介してMFP100から参加者情報の送信要求を受信すると、RAMに一時記憶したユーザIDを送信する。
【0046】
ICタグ読取部303は、会議室Aへの入退出を管理するようにし、RAMに会議室A内に存在するユーザのユーザIDを記憶するのが好ましい。この場合、例えば、ICタグ読取部303の操作パネル305に、入室キーおよび退室キーを設け、入室モードと退室モードとに切換え可能とする。そして、ICタグ読取部303は、入室モードに切換えられているときに、ユーザIDが受信されると、そのユーザIDをRAMに記憶し、退室モードに切換えられているときにユーザIDが受信されると、そのユーザIDと同じユーザIDをRAMに記憶されているユーザIDのうちから消去する。
【0047】
なお、ICタグ303AにユーザIDを記憶させるのではなく、ICタグ303Aに割り当てられた識別番号を記憶するようにし、MFP100において、ユーザIDとICタグ303Aに割り当てられた識別番号とを関連付けるようにしてもよい。また、ここでは、ICタグ303AとICタグ読取部303とは、無線通信する例を示したが、ICタグ303Aに磁気テープなどの記録媒体を付し、ICタグ読取部303でその記録媒体に記憶された情報を読み取るようにしてもよい。
【0048】
図6は、ホワイトボード400の機能概要の一例を示す機能ブロック図である。図6を参照して、ホワイトボード400は、ホワイトボード400の全体を制御するための制御部401と、ホワイトボード400をネットワーク2に接続するためのネットワークI/F407と、操作パネル405と、スキャナ部403と、を含む。
【0049】
制御部401は、CPUと、作業領域として用いられるRAMと、CPUが実行するプログラムを記憶するためのROMと、を含む。操作パネル405は、ユーザインターフェースであり、液晶表示装置などの表示部と、複数のキーを含む操作部とを含む。
【0050】
ホワイトボード400は、情報をマジックなどで書き込み可能なボード面を有する。ボード面は、例えば白色の反射率の高い面で構成される。ボード面は、反射率が高いので、プロジェクタ200から光が照射されると、画像を映し出す。
【0051】
スキャナ403は、光源と、CCD(Charge Coupled Device)センサなどの光電変換素子を含み、ボード面に描かれた像を読み取って、電気信号である描画に変換する。スキャナ403は、描画を制御部401に出力する。なお、スキャナ403に代えて、デジタルカメラを用いるようにしてもよい。この場合、制御部401は、デジタルカメラがボード面を撮像して得られる撮像画像(電子データ)が入力される。
【0052】
制御部401は、ユーザにより操作パネル405に設けられた読取指示ボタンが押下されると、操作パネル405から読み取り指示を受け付ける。制御部401は、読取指示が入力されると、スキャナ部403を制御して、ボード面に描かれた像を読み取らせる。そして、制御部401は、スキャナ部403から入力される描画を、ネットワークI/F407を介してMFP100に送信する。
【0053】
図7は、MFPが備えるCPUの機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。本実施の形態におけるMFP100が備えるHDD116は、複数の記憶領域を含む。複数の記憶領域それぞれを、ここではBOXという。BOXは、個人BOXとグループBOXとを含む。個人BOXは、MFP100を使用するユーザとして登録された複数のユーザそれぞれに割り当てられる記憶領域である。グループBOXは、複数のユーザのうち2以上のユーザに割り当てられる記憶領域である。個人BOXおよびグループBOXは、それぞれに対して登録されたユーザのみがアクセス可能とされる。或いは、登録されたユーザ以外のユーザからのアクセスについて何らかの制限を課すようにされる。図では、1つのBOX99を示しているが、BOXの数は、1以上あればよい。
【0054】
また、HDD116は、ユーザ管理テーブル91と、代理認証テーブル93と、BOX管理テーブル95と、会議室管理テーブル97と、を記憶する。ユーザ管理テーブル91は、ユーザを識別するためのユーザIDと、認証情報と、そのユーザが所属するグループを定義するグループ情報とを対応付けたユーザレコードを含む。MFP100にユーザに関する情報が予め入力されると、ユーザ管理レコードが生成され、ユーザ管理テーブル91に追加される。
【0055】
図8は、ユーザ管理テーブルのフォーマットの一例を示す図である。図8を参照して、ユーザ管理テーブル91は、ユーザ識別情報と、認証情報と、グループ情報との項目を含む。ユーザ識別情報の項目は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報が設定され、ここではユーザ識別情報にユーザIDを用いている。認証情報の項目は、ユーザを認証するための認証情報が設定され、ここでは、認証情報にパスワードおよび声紋を用いている。認証情報としては、指紋、声紋、虹彩、静脈パターン等の生体情報を用いることができる。グループ情報の項目は、ユーザの属するグループを識別するためのグループ識別情報が設定され、ここではグループ名が設定される。グループは、例えば、ユーザが所属する部署名、組織と関係なく複数人をまとめた所属グループを含む。
【0056】
図9は、代理認証テーブルのフォーマットの一例を示す図である。代理認証テーブル93は、本人の代理となるユーザが、本人に代わってMFP100にログインを可能とするために、本人と代理人とを対応付けた代理認証レコードを含む。MFP100に代理認証に関する情報が予め入力されると、代理認証レコードが生成され、代理認証テーブル93に追加される。図9を参照して、代理認証テーブル93は、本人IDと、代理IDと、制限条件との項目を含む。本人IDは、本人となるユーザのユーザIDが設定され、代理IDは、代理人となるユーザのユーザIDが設定される。制限条件は、代理人が本人に代わってログインが許可される制限条件が定義される。制限条件は、ログインが許可される期間、ログインの回数などである。制限条件の範囲内であれば、代理人のユーザが本人に代わってMFP100へのログインが認められるが、制限条件が成立しなくなると、代理認証レコードが代理認証テーブルから削除され、MFP100へのログインが認められない。
【0057】
図10は、BOX管理テーブルのフォーマットの一例を示す図である。BOX管理テーブル95は、BOXごとにアクセス権限を対応付けたBOX管理レコードを含む。MFP100のHDD116にBOXが生成されるときに、BOX管理レコードが生成され、BOX管理テーブル95に追加される。図10を参照して、BOX管理テーブル95は、BOX名と、属性と、所有者と、アクセス許可との項目を含む。BOX名の項目は、そのBOXに付される名称が設定される。属性の項目は、個人BOXとグループBOXとの別が設定される。所有者の項目は、そのBOXに割り当てられているユーザまたはグループの識別情報が設定される。グループとは、複数のユーザの集合であり、上述したユーザ管理テーブルにおいて、ユーザ毎にグループ情報の項目で定義される。アクセス許可の項目は、そのBOXにアクセスが許可されるユーザまたはグループの識別情報が設定される。ユーザIDまたはグループ名のいずれか一方が設定されてもよく、双方が設定されてもよい。アクセスは、BOXに記憶されているデータの読出し、BOXへのデータの書き込みを含む。データの読出しまたは書き込み別にユーザIDまたはグループ名を設定するようにしてもよい。
【0058】
図11は、会議室管理テーブルの一例を示す図である。会議室管理テーブル97は、出力先装置とユーザ判別装置との対応付けを定義する会議室レコードを含む。会議室管理テーブルは、MFP100に出力先装置とユーザ判別装置とに関する情報が予め入力され、HDD116に記憶される。図11を参照して、会議室管理テーブルは、会議室の数の会議室レコードを含む。会議室レコードは、出力先装置の装置名、出力先装置の装置識別情報、ユーザ判別装置の装置名、ユーザ判別装置の装置識別情報と、を含む。出力先装置の装置識別情報、ユーザ判別装置の装置識別情報は、それらのネットワーク2における位置情報であり、ここでは、IP(Internet Protocol)アドレスを用いている。なお、装置識別情報は、MAC(Media Access Control)アドレスを用いてもよい。
【0059】
第1の会議室レコードは、出力先装置の装置名「プロジェクタA」のプロジェクタ200と、ユーザ判別装置の装置名「リーダA」のユーザ判別装置300とを対応付ける。したがって、第1の会議室レコードは、会議室Aに設置されているプロジェクタ200とユーザ判別装置300とを関連付ける。第2の会議室レコードは、出力先装置の装置名「プロジェクタB」のプロジェクタ200Aと、ユーザ判別装置の装置名「リーダB」のユーザ判別装置300Aとを対応付ける。したがって、第2の会議室レコードは、会議室Bに設置されているプロジェクタ200Aとユーザ判別装置300Aとを対応付ける。第3の会議室レコードは、出力先装置の装置名「プロジェクタC」のプロジェクタ200Bと、ユーザ判別装置の装置名「リーダC」のユーザ判別装置300Bとを対応付ける。したがって、第3の会議室レコードは、会議室Cに設置されているプロジェクタ200Bとユーザ判別装置300Bとを対応付ける。
【0060】
図7に戻って、CPU111は、MFP100を操作するユーザを認証するための認証部51と、出力するデータの指定を受け付けるためのデータ指定受付部53と、データの出力先を受け付ける出力先受付部57と、出力先ごとに参加者情報を取得するための参加者情報取得部59と、参加者ごとにデータへのアクセス可否を判断するアクセス可否判断部55と、出力先ごとにデータの出力可否を判断するための出力可否判断部61と、ホワイトボード400から描画を取得するための描画取得部69と、画像読取部20が出力する原稿画像を取得するための原稿画像取得部73と、2つの画像を合成する合成部71と、出力可否判断部61による判断結果に基づいてデータを出力先に出力する出力部65と、出力可否判断部61による判断結果に基づいて警告する警告部67と、を含む。
【0061】
認証部51は、MFP100を操作するユーザを認証する。認証部51は、ユーザが操作部115にユーザIDとパスワードとを入力すると、操作部115からユーザIDとパスワードとを受け付ける。また、MFP100がプロジェクタ200によって遠隔操作される場合、データ通信制御部117がプロジェクタ200からユーザIDとパスワードとを受信すると、認証部51は、データ通信制御部117からユーザIDとパスワードとを受け付ける。認証部51は、受け付けたユーザIDとパスワードとの組と同じ組を含むユーザレコードがユーザ管理テーブル91に含まれていれば、そのユーザを認証する。認証部51は、ユーザを認証した場合、そのユーザのユーザIDをアクセス可否判断部55に出力する。
【0062】
また、認証部51は、操作部115またはデータ通信制御部117から本人IDと代理IDが入力される場合、代理認証テーブル93に本人IDと代理IDとの組を含む代理認証レコードが含まれていれば、その後、代理IDのユーザの認証をする。そして、認証部51は、代理IDのユーザのユーザIDおよびパスワードによる認証が成功することを条件に、代理IDのユーザを本人IDのユーザの代理人として認証する。認証部51は、本人IDのユーザがログインしたものとして取り扱う。すなわち、本人IDをアクセス可否判断部55に出力する。したがって、代理IDのユーザがアクセス権限のないが、本人IDのユーザがアクセス権限のあるBOXに対して、代理IDのユーザの操作によって、そのBOXにアクセスすることができる。
【0063】
データ指定受付部53は、HDD116に記憶されたデータの指定を受け付ける。ユーザが操作部115にHDD116に記憶されたデータのファイル名を入力する場合、または、ユーザが表示部114に表示されたデータのファイル名を指定する操作を入力する場合、操作部115からファイル名を受け付ける。また、MFP100がプロジェクタ200によって遠隔操作される場合、データ指定受付部53は、認証部51により認証されたユーザがアクセス可能なBOXのBOX情報をプロジェクタ200に送信する。BOX情報は、BOX名と、そのBOXに記憶されているデータのファイル名とを含む。そして、データ通信制御部117がプロジェクタ200からファイル名を受信すると、データ指定受付部53はデータ通信制御部117からBOX名とファイル名とを受け付ける。データ指定受付部53は、BOX名とファイル名とを受け付けると、それらをアクセス可否判断部55に出力する。
【0064】
出力先受付部57は、データの出力先を受け付ける。ユーザが操作部115に出力先の装置名を入力する場合、または、ユーザが表示部114に表示された装置名の一覧のうちからいずれかの装置名を指定する操作を入力する場合、操作部115から出力先の装置名を受け付ける。また、MFP100がプロジェクタ200によって遠隔操作される場合、出力先受付部57は、装置名の一覧をプロジェクタ200に送信する。装置名の一覧は、会議室管理テーブル97で定義されている装置名を含む。そして、データ通信制御部117がプロジェクタ200から装置名を受信すると、出力先受付部57はデータ通信制御部117から出力先として装置名を受け付ける。出力先受付部57は、装置名を受け付けると、その装置名の装置の装置識別情報を参加者情報取得部59および出力部65に出力する。
【0065】
参加者情報取得部59は、出力先受付部57から出力先の装置識別情報が入力されると、会議室管理テーブル97から出力先の装置識別情報を含む会議室管理レコードを読出し、出力先の装置識別情報と組になるユーザ判別装置の装置識別情報を取得する。そして、参加者情報取得部59は、ユーザ判別装置300,300A,300Bのうち、取得した装置識別情報で識別されるユーザ判別装置に、参加者情報の送信要求を送信する。ここでは、プロジェクタ200が出力先として入力される場合について説明する。ユーザ判別装置300の装置識別情報が会議室管理テーブル97から取得されるので、ユーザ判別装置300に参加者情報の送信要求が送信される。ユーザ判別装置300は、送信要求を受信すると、RAMに記憶されているユーザIDをMFP100に送信するので、参加者情報取得部59は、ユーザ判別装置300からユーザIDを受信する。参加者情報取得部59は、受信されたユーザIDをアクセス可否判断部55に出力する。参加者情報取得部59は、ユーザ判別装置300から複数のユーザIDが受信される場合、受信された複数のユーザIDのすべてを、アクセス可否判断部55に出力する。
【0066】
なお、サーバ500(図1)において会議予約プログラムが実行されており、サーバ500に会議室および参加者情報を含む予約情報が記憶されている場合には、参加者情報取得部59は、サーバ500から会議室別に参加者のユーザIDを取得するようにしてもよい。
【0067】
アクセス可否判断部55は、参加者情報取得部59からユーザIDが入力される。アクセス可否判断部55は、データ指定受付部53からBOX名とファイル名とが入力されると、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDのユーザが、そのファイル名のデータへのアクセスが可能か否かを判断する。参加者情報取得部59から複数のユーザIDが入力される場合、複数のユーザIDごとにデータへのアクセスが可能か否かを判断する。アクセス可否判断部55は、データへのアクセス可否を、そのデータが記憶されているBOXのアクセス権限に基づいて判断する。
【0068】
具体的には、アクセス可否判断部55は、データ指定受付部53から入力されるBOX名を含むBOX管理レコードをBOX管理テーブル95から読み出し、BOX管理レコードのアクセス許可の項目に設定されているユーザIDおよびグループ名を取得する。アクセス許可で読出が許可されているユーザIDおよびグループ名を取得する。アクセス可否判断部55は、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDと同じユーザIDが、BOX管理レコードのアクセス許可の項目に設定されていれば、アクセス可と判断する。また、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDと同じユーザIDが、BOX管理レコードのアクセス許可の項目に設定されているグループ名のグループに属していれば、アクセス可と判断する。
【0069】
また、アクセス可否判断部55は、原稿画像取得部73により原稿画像が取得される場合、認証部51から入力されるユーザIDのユーザと参加者情報取得部59から入力されるユーザIDのユーザとの関係に基づいて、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDのユーザが、原稿画像取得部73により出力された原稿画像へのアクセスが可能か否かを判断する。参加者情報取得部59から複数のユーザIDのユーザが入力される場合、複数のユーザIDごとに原稿画像へのアクセスが可能か否かを判断する。
【0070】
具体的には、アクセス可否判断部55は、原稿画像取得部73により原稿画像が取得される場合、認証部51により認証されているユーザIDがユーザIDの項目に設定されているユーザ管理レコードをユーザ管理テーブル91から読み出す。そして、アクセス可否判断部55は、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDと同じユーザIDが、読み出したユーザ管理レコードのグループ情報の項目に設定されているグループ名のグループに属していれば、アクセス可と判断する。
【0071】
さらに、アクセス可否判断部55は、原稿画像取得部73により原稿画像が取得される場合、原稿画像に埋め込まれている情報に基づいて、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDのユーザが、原稿画像取得部73により出力された原稿画像へのアクセスが可能か否かを判断する。参加者情報取得部59から複数のユーザIDのユーザが入力される場合、複数のユーザIDごとに原稿画像へのアクセスが可能か否かを判断する。
【0072】
具体的には、アクセス可否判断部55は、原稿画像取得部73により原稿画像が取得される場合、原稿画像に埋め込まれているユーザIDを抽出する。そして、アクセス可否判断部55は、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDと同じユーザIDが原稿画像から抽出されたならば、アクセス可と判断する。
【0073】
アクセス可否判断部55は、アクセス可と判断した場合は、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDとアクセス許可信号との組を出力可否判断部61に出力するが、アクセス可と判断しない場合は、参加者情報取得部59から入力されるユーザIDとアクセス不可信号との組を出力可否判断部61に出力する。
【0074】
出力可否判断部61は、アクセス可否判断部55から入力されるユーザIDとアクセス許可信号との組、またはユーザIDとアクセス不可信号との組に基づいて、出力先にデータを送信するか否かを判断する。具体的には、出力先が同じ複数のユーザIDのすべてがアクセス可信号と組になっている場合に出力可と判断する。出力可否判断部61は、出力先が同じ複数のユーザIDのうちにアクセス不可信号と組になるユーザIDが存在する場合、警告部67に警告信号を出力する。警告信号は、出力先の装置の装置識別情報を含む。
【0075】
警告部67は、出力先の装置識別情報と出力できない旨を示すメッセージとを表示部114に表示する。これにより、MFP100の操作者であるログインユーザは、指定したデータまたは画像読取部20に読み取らせた原稿の画像を、プロジェクタ200,200A,200Bのいずれかで表示できないことを知ることができる。
【0076】
許可受付部63は、操作部115に備えられた許可ボタンが押下されると、許可信号を操作部115から受け付け、出力可否判断部61に出力する。なお、許可受付部63は、許可信号を受け付けた後、再度認証部51による認証が成功することを条件に、許可信号を出力可否判断部61に出力するようにしてもよい。この場合、認証部51により認証されるユーザは、出力の対象となっているデータに対するアクセス権限を有するユーザであれば、ログインユーザである必要はない。また、許可受付部63は、プロジェクタ200、200A,200Bのいずれかから許可信号と、ユーザIDと、パスワードとを受信するようにしてもよい。この場合、会議室A、会議室B、または会議室Cのいずれかに居る参加者のいずれかによる許可で、データを出力することができる。
【0077】
出力可否判断部61は、警告部67に警告信号を出力した後、許可受付部63から許可信号が入力されると、出力可と判断するが、許可信号が入力されなければ出力不可と判断する。出力可否判断部61は、出力可と判断した場合、出力可信号を出力部65に出力するが、出力不可と判断した場合、出力不可信号を出力部65に出力する。
【0078】
なお、出力先が同じ複数のユーザIDの少なくとも1つがアクセス可信号と組になっている場合に出力可と判断するようにしてもよい。この場合、出力可否判断部61は、出力先が同じ複数のユーザIDのすべてがアクセス不可信号と組になる場合、警告部67に警告信号を出力する。
【0079】
原稿画像取得部73は、画像読取部20が原稿を読み取って出力する原稿画像が入力される。原稿画像取得部73は、原稿画像を合成部71に出力する。
【0080】
描画取得部69は、ホワイトボード400から描画を取得し、取得した描画を合成部71に出力する。描画取得部69は、データ通信制御部117がホワイトボード400から描画を受信すると、データ通信制御部117から描画を受け付ける。
【0081】
合成部71は、描画取得部69から描画が入力される。合成部71は、データ指定受付部53によりデータの指定が受け付けられた場合、指定されたデータをHDD116のBOX99から読出し、読出したデータの画像と描画とを合成した合成画像を生成する。一方、合成部71は、原稿画像取得部73から原稿画像が入力された場合、原稿画像と描画とを合成した合成画像を生成する。合成部71は、合成画像を出力部65に出力する。
【0082】
出力部65は、出力可否判断部61から出力可信号が入力されると、出力先受付部57から入力される装置識別情報で特定される出力先のプロジェクタにデータを送信する。出力部65は、データ指定受付部53によりデータの指定が受け付けられた場合、指定されたデータをHDD116のBOX99から読出す。そして、データ通信制御部117を介して読み出したデータを出力先に送信する。また、描画取得部69により描画が取得される場合、合成部71から入力される合成画像を、データ通信制御部を介して出力先に送信する。
【0083】
また、出力部65は、原稿画像取得部73により原稿画像が取得される場合、原稿画像取得部73により取得された原稿画像を、データ通信制御部117を介して出力先に送信する。また、描画取得部69により描画が取得される場合は、合成部71から入力される合成画像を、データ通信制御部を介して出力先に送信する。
【0084】
一方、出力部65は、出力可否判断部61から出力不可信号が入力されると、HDD116に予め記憶された禁止画像を読出し、その禁止画像を出力先に出力する。図12に、禁止画像の一例を示す。禁止画面は、「閲覧禁止」の文字列を含む。このため、プロジェクタ200,200A,200Bのうちデータの出力が禁止されるものにおいては、禁止画面が投影されるので、その会議室の参加者は、データの画像をみることができない。したがって、機密情報が漏洩するのを防止することができる。
【0085】
また、出力部65は、出力可否判断部61から出力可信号が入力され、データを出力先に送信した後、出力不可信号が入力される場合がある。例えば、会議室Bに途中で入場した参加者が、アクセス権限のない場合である。この場合、会議室Bに設置されたユーザ判別装置300Aから途中入場の参加者のユーザIDがMFP100に送信される。参加者情報取得部59によりそのユーザIDが取得されると、アクセス可否判断部55によりアクセス不可と判断され、その後出力可否判断部61で出力不可と判断される。この場合には、出力部65は、出力可否判断部61から出力不可信号が入力されるので、HDD116に予め記憶された禁止画像を出力先に出力する。出力先のプロジェクタ200,200A,200Bにおいては、禁止画像が表示されるので、先に表示していた画像がいつまでも表示された状態となるのを回避することができる。このため、機密情報が漏洩するのを防止することができる。
【0086】
図13および図14は、データ出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。データ出力処理は、CPU111がEEPROM113に記憶されたデータ出力プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図13および図14を参照して、CPU111は、ユーザ認証に成功したか否かを判断する(ステップS01)。ユーザ認証に成功するまで待機状態となり、ユーザ認証に成功したならば処理をステップS02に進める。この際、代理IDによるユーザに認証に成功した場合には、本人IDのユーザの認証に成功したものとして、処理をステップS02に進める。
【0087】
ステップS02においては、出力先のプロジェクタの指定を受け付ける。具体的には、会議室管理テーブル97を読み出して、出力先装置の装置名の項目に設定されている装置名を表示部114に一覧表示し、1以上の装置名の指定を受け付ける。指定された装置名称の装置が出力先に設定される。ここでは、プロジェクタ200,200A,200Bの装置名が指定され、プロジェクタ200,200A,200Bが出力先に設定された場合を例に説明する。
【0088】
ステップS03においては、原稿読取が実行されたか否かを判断する。画像読取部20が能動化され、原稿画像が読み取られたならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に進める。ステップS04においては、原稿画像を出力用データに設定し、処理をステップS07に進める。ステップS05においては、BOX内のデータが指定されたか否かを判断する。BOX内のデータが指定されたならば処理をステップS06に進め、そうでなければ処理をステップS18に進める。ステップS06においては、ステップS05において指定されたデータを出力用データに設定し、処理をステップS07に進める。
【0089】
ステップS07においては、ステップS02において出力先に設定された1以上の装置のうちから処理対象となる1つを選択する。以下、処理対象として選択された装置を選択出力先という。ステップS08においては、選択出力先の参加者情報を取得する。参加者情報は、ユーザ判別装置300,300A,300Bのうち選択出力先が設置されている会議室に設置されているものから取得する。このため、CPU111は、会議室管理テーブル97から選択出力先の装置識別情報を含む会議室管理レコードを読出し、選択出力先の装置識別情報と組になるユーザ判別装置の装置識別情報を取得する。
【0090】
プロジェクタ200が選択出力先として選択された場合を例に説明すると、CPU111は、会議室管理テーブル97からユーザ判別装置300の装置識別情報を取得する。CPU111は、ユーザ判別装置300に参加者情報の送信要求を送信する。ユーザ判別装置300は、送信要求を受信するとRAMに記憶されているユーザIDを参加者情報としてMFP100に送信するので、CPU111は、ユーザ判別装置300から参加者情報(ユーザID)を受信する。
【0091】
ステップS09においては、データ取得方法によって処理を分岐させる。画像読取部20によって原稿が読み取られることによって、原稿画像が出力用データとして取得される場合(ステップS03においてYESの場合)は、処理をステップS10に進める。また、ユーザが操作部115にHDD116のBOXに記憶されているデータを指定することによって、BOXから読み出されたデータが出力用データとして取得される場合(ステップS05でYESの場合)は、処理をステップS11に進める。
【0092】
ステップS10においては、原稿読取時の第1出力可否判断処理を実行し、処理をステップS12に進める。一方ステップS11においては、データ指定時の第1出力可否判断処理を実行し、処理をステップS12に進める。原稿読取時の第1出力可否判断処理およびデータ指定時の第1出力可否判断処理については後述するが、ステップS08において取得された参加者情報に基づいて、ステップS04またはステップS06において出力用データに設定されたデータを出力先に出力可能か否かを判断する処理である。
【0093】
ステップS12においては、原稿読取時の第1出力可否判断処理またはデータ指定時の第1出力可否判断処理の結果、出力可能と判断されたか否かを判断する。出力可能であれば処理をステップS16に進め、そうでなければ処理をステップS13に進める。
【0094】
ステップS13においては、警告する。具体的には、選択出力先の装置名とデータを出力することができない旨を示すメッセージ(警告メッセージ)を表示部114に表示する。なお、選択出力先の装置名に代えて、選択出力先の装置が設置されている場所を表示するようにしてもよい。例えば、選択出力先がプロジェクタ200の場合、プロジェクタ200の装置名に代えて、プロジェクタ200が設置されている会議室Aの名称を表示する。これにより、MFP100のオペレータは、原稿読取したデータまたはHDD116に記憶されているデータのうちから指定したデータを、選択出力先のプロジェクタで出力することができないことを知ることができる。なお、MFP100がプロジェクタ200,200A,200Bのいずれかにより遠隔制御される場合は、プロジェクタ200,200A,200Bのうち遠隔制御しているものに選択出力先の装置名と警告メッセージを送信する。
【0095】
ステップS14においては、選択出力先に禁止画像を送信し、処理をステップS15に進める。具体的には、図12に示した禁止画像を送信する。例えば、選択出力先がプロジェクタ200の場合、プロジェクタ200は禁止画像を投射するので、会議室Aにいる参加者は、禁止画像を見ることになり、出力用データの画像を見ることができない。このため、出力用データに対してアクセス権を有しない者に出力用データの画像が見られないようにすることができ、出力用データに含まれる機密情報が漏洩するのを防止することができる。
【0096】
ステップS15においては、許可を受け付けたか否かを判断する。許可を受け付けたならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。CPU111は、操作部115に備えられた許可ボタンが押下されると、許可を受け付ける。なお、許可ボタンが押下された後、再度ユーザ認証が成功することを条件に、許可を受け付けるようにしてもよい。この場合、ユーザ認証されるユーザは、出力用データに対するアクセス権限を有するユーザであれば、MFP100を操作するログインユーザである必要はない。
【0097】
また、MFP100がプロジェクタ200、200A,200Bのいずれかにより遠隔操作される場合、プロジェクタ200、200A,200Bのうち遠隔操作するものから許可信号と、ユーザIDと、パスワードとを受信し、受信したユーザIDとパスワードによるユーザ認証が成功することを条件に許可を受け付けるようにしてもよい。この場合、会議室A、会議室B、または会議室Cのいずれかに居る参加者のいずれかによる許可で、出力用データを出力することができる。
【0098】
ステップS16においては、選択出力先に出力用データを送信する。これにより、プロジェクタ200、200A,200Bのうち選択出力先は、出力用データの画像を投射する。したがって、選択出力先の設置された会議室の参加者は、出力用データの画像を見ることができる。
【0099】
次のステップS17においては、プロジェクタ200、200A,200BのうちでステップS02において出力先として指定されたものうち、選択出力先に選択されていないものがあるか否かを判断する。そのような出力先が存在すれば処理をステップS07に戻し、そうでなければ処理をステップS18に進める。
【0100】
ステップS18においては、新規参加者が存在するか否かを判断する。新規参加者が存在するならば処理をステップS19に進め、そうでなければ処理をステップS27に進める。具体的には、ユーザ判別装置300,300A,300Bそれぞれに参加者情報の送信要求を送信し、参加者情報を受信する。そして、受信した参加者情報を先のステップS08において取得した参加者情報と比較して、先のステップS08において取得した参加者情報に存在しない参加者情報が受信した参加者情報のうちに存在すれば、その参加者情報の参加者を新規参加者と判断する。
【0101】
ステップS19においては、データ取得方法によって処理を分岐させる。画像読取部20によって原稿が読み取られることによって、原稿画像が出力用データとして取得される場合(ステップS03においてYESの場合)は、処理をステップS20に進め、ユーザが操作部115にHDD116のBOXに記憶されているデータを指定することによって、BOXから読み出されたデータが出力用データとして取得される場合(ステップS05でYESの場合)は、処理をステップS21に進める。
【0102】
ステップS20においては、原稿読取時の第2出力可否判断処理を実行し、処理をステップS22に進める。一方ステップS21においては、データ指定時の第2出力可否判断処理を実行し、処理をステップS22に進める。原稿読取時の第2出力可否判断処理およびデータ指定時の第2出力可否判断処理については後述するが、新規参加者の参加者情報に基づいて、ステップS04またはステップS06において出力用データに設定されたデータを、出力可能か否かを判断する処理である。
【0103】
ステップS22においては、原稿読取時の第2出力可否判断処理またはデータ指定時の第2出力可否判断処理の結果、出力可能と判断されたか否かを判断する。出力可能であれば処理をステップS27に進め、そうでなければ処理をステップS23に進める。
【0104】
ステップS23においては、警告する。具体的には、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものの装置名とデータを出力することができない旨を示すメッセージ(警告メッセージ)を表示部114に表示する。これにより、MFP100のオペレータは、原稿読取したデータまたはHDD116に記憶されているデータのうちから指定したデータの画像が、新規参加者の参加している会議室で表示されないことを知ることができる。なお、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室を表示するようにしてもよい。
【0105】
ステップS24においては、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものに禁止画像を送信し、処理をステップS25に進める。具体的には、図12に示した禁止画像を送信する。例えば、会議室Bに新規参加者が加わった場合、プロジェクタ200Aに禁止画像が送信される。このため、新規参加者は、禁止画像を見ることになり、出力用データの画像を見ることができない。出力用データに対してアクセス権を有しない新規参加者に出力用データの画像がみられないようにすることができ、出力用データに含まれる機密情報が漏洩するのを防止することができる。
【0106】
ステップS25においては、ステップS15と同様に、許可を受け付けたか否かを判断する。許可を受け付けたならば処理をステップS26に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。ステップS26においては、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものに出力用データを送信する。これにより、プロジェクタ200、200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものは、出力用データの画像を投射する。したがって、新規参加者は、出力用データの画像を見ることができる。
【0107】
ステップS27においては、ホワイトボード400から描画を受信したか否かを判断する。ユーザがホワイトボード400の操作パネル405に設けられた読取指示ボタンを押下すると、ホワイトボード400は、スキャナ403がボード面に描かれた像を読み取った描画を、MFP100に送信する。CPU111は、データ通信制御部117がホワイトボード400から描画を受信すると、処理をステップS28に進め、そうでなければ処理をステップS30に進める。
【0108】
ステップS28においては、ステップS04またはステップS06において出力用データに設定されたデータの画像とステップS27において受信された描画とを合成した合成データを生成する。そして、出力用データを出力済みの出力先すべてに合成データを送信する(ステップS29)。例えば、ステップS16においてプロジェクタ200,200A,200Bのすべてに出力用データが送信されている場合を例に説明する。画像読取部20により読み取られた原稿画像、またはHDD116に記憶されたデータのうち操作者により指定されたデータの画像と、ホワイトボード400のボード面に描かれた描画とを合成した画像が、プロジェクタ200,200A,200Bそれぞれにより投射される。このため、会議室A,会議室Bおよび会議室Cそれぞれにおいて、ホワイトボード400のボード面に描かれた描画が表示される。
【0109】
ステップS30においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。操作部115に備えられた終了キーが押下されたならば処理を終了し、終了キーが押下されなければ処理をステップS03に戻す。
【0110】
図15は、原稿読取時の第1出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。原稿読取時の第1出力可否判断処理は、図13のステップS10において実行される処理である。図15を参照して、CPU111は、ログインユーザのユーザIDを取得する(ステップS41)。ログインユーザは、図13のステップS01で認証したユーザである。ただし、代理認証の場合には、ログインユーザは代理IDであるが、本人IDをログインユーザのユーザIDとして取得する。
【0111】
そして、ユーザ管理テーブルからグループ情報を取得する(ステップS42)。具体的には、HDD116に記憶されているユーザ管理テーブル91からログインユーザのユーザIDを含むユーザ管理レコードを読出し、読み出したユーザ管理レコードのグループ情報の項目の設定値を取得する。
【0112】
次に、全参加者がログインユーザと同一グループに属するか否かを判断する(ステップS43)。全参加者がログインユーザと同一グループに属するのであれば処理をステップS44に進め、そうでなければ処理をステップS45に進める。具体的には、図13のステップS08で取得された、選択出力先の参加者情報それぞれを含むユーザ管理レコードを、ユーザ管理テーブル91から読み出し、それらのグループ情報の項目の設定値を取得する。取得されたグループ情報の設定値のすべてが、ステップS42で取得した設定値と同じならば全参加者がログインユーザと同一グループと判断する。換言すれば、参加者の全員がログインユーザと同一グループであれば、出力用データを出力可能と判断する。
【0113】
ステップS44においては、返り値に出力可を設定し、処理をデータ出力処理に戻すが、ステップS45においては、返り値に出力不可を設定し、処理をデータ出力処理に戻す。
【0114】
なお、ステップS43においては、全参加者がログインユーザと同一グループに属するか否かを判断するようにしたが、全参加者のいずれか一人がログインユーザと同一グループに属するか否かを判断するようにしてもよい。この場合、全参加者のいずれか一人がログインユーザと同一グループに属するのであれば処理をステップS44に進め、参加者すべてがログインユーザと同一グループに属しなければ処理をステップS45に進める。
【0115】
図16は、データ指定時の第1出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。データ指定時の第1出力可否判断処理は、図13のステップS11において実行される処理である。図16を参照して、図13のステップS06において出力用データに指定されたデータが記憶されているBOXのBOX管理レコードを取得する(ステップS51)。具体的には、HDD116に記憶されているBOX管理テーブル95から出力用データが記憶されているBOXのBOX名称を含むBOX管理レコードを読出す。
【0116】
そして、BOXの所有者がグループか否かを判断する(ステップS52)。具体的には、ステップS51において取得したBOX管理レコードの所有者の項目にグループ名が設定されているか否かを判断する。グループ名が設定されていればそのグループを出力可能なグループとして一時記憶し、処理をステップS53に進め、そうでなければ処理をステップS55に進める。
【0117】
ステップS53においては、全参加者がグループに属するか否かを判断する。全参加者がグループに属するならば処理をステップS54に進め、そうでなければ処理をステップS57に進める。具体的には、図13のステップS08で取得された、選択出力先の参加者情報それぞれを含むユーザ管理レコードを、ユーザ管理テーブル91から読み出し、それらのグループ情報の項目の設定値を取得する。取得されたグループ情報の項目の設定値のすべてが、ステップS52で出力可能なグループとして一時記憶されたグループと同じならば全参加者がグループに属すると判断する。換言すれば、参加者の全員が出力用データの記憶されているBOXの所有者であれば、出力用データを出力可能と判断する。
【0118】
ステップS54においては、返り値に出力可を設定し、処理をデータ出力処理に戻す。
が、ステップS57においては、返り値に出力不可を設定し、処理をデータ出力処理に戻す。
【0119】
一方、ステップS55においては、ステップS51において取得したBOX管理レコードのアクセス許可の項目の設定値を取得する。そして、アクセス許可の項目の設定値として設定されているグループを出力可能なグループとして一時記憶し、処理をステップS56に進める。
【0120】
ステップS56においては、全参加者がグループに属するか否かを判断する。全参加者がグループに属するのであれば処理をステップS54に進め、そうでなければ処理をステップS57に進める。具体的には、図13のステップS08で取得された、選択出力先の参加者情報それぞれを含むユーザ管理レコードを、ユーザ管理テーブル91から読み出し、それらのグループ情報の項目の設定値を取得する。取得されたグループ情報の設定値のすべてが、ステップS55で出力可能なグループとして一時記憶されたグループと同じならば全参加者がグループに属すると判断する。換言すれば、参加者の全員が出力用データの記憶されているBOXにアクセス可能であれば、出力用データを出力可能と判断する。
【0121】
ステップS54においては、返り値に出力可を設定し、処理をデータ出力処理に戻すが、ステップS57においては、返り値に出力不可を設定し、処理をデータ出力処理に戻す。
【0122】
図17は、原稿読取時の第2出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。原稿読取時の第2出力可否判断処理は、図14のステップS20において実行される処理である。図17を参照して、図15に示した原稿読取時の第1出力可否判断処理と異なる点は、ステップS41が削除されて、ステップS43Aが変更された点である。その他の処理は同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0123】
図17を参照して、新規参加者がログインユーザと同一グループに属するか否かを判断する(ステップS43A)。新規参加者がログインユーザと同一グループに属するのであれば処理をステップS44に進め、そうでなければ処理をステップS45に進める。具体的には、図14のステップS18で取得された、新規参加者の参加者情報を含むユーザ管理レコードを、ユーザ管理テーブル91から読み出し、ユーザ管理レコードのグループ情報の項目の設定値を取得する。取得されたグループ情報の設定値が、ステップS42で取得した設定値と同じならば新規参加者がログインユーザと同一グループと判断する。換言すれば、新規参加者がログインユーザと同一グループであれば、出力用データを出力可能と判断する。
【0124】
図18は、データ指定時の第2出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。データ指定時の第2出力可否判断処理は、図14のステップS21において実行される処理である。図18を参照して、図16に示したデータ指定時の第1出力可否判断処理と異なる点は、ステップS53AおよびステップS56Aが変更された点である。その他の処理は同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0125】
ステップS53Aにおいては、新規参加者がグループに属するか否かを判断する。新規参加者がグループに属するのであれば処理をステップS54に進め、そうでなければ処理をステップS57に進める。具体的には、図14のステップS18で取得された、新規参加者の参加者情報を含むユーザ管理レコードを、ユーザ管理テーブル91から読み出し、ユーザ管理レコードのグループ情報の項目の設定値を取得する。取得されたグループ情報の設定値が、ステップS52で出力可能なグループとして一時記憶されたグループと同じならば新規参加者がグループに属すると判断する。換言すれば、新規参加者が出力用データの記憶されているBOXの所有者であれば、出力用データを出力可能と判断する。
【0126】
ステップS56Aにおいては、新規参加者がグループに属するか否かを判断する。新規参加者がグループに属するのであれば処理をステップS54に進め、そうでなければ処理をステップS57に進める。具体的には、図14のステップS18で取得された、新規参加者の参加者情報を含むユーザ管理レコードを、ユーザ管理テーブル91から読み出し、ユーザ管理レコードのグループ情報の項目の設定値を取得する。取得されたグループ情報の設定値が、ステップS55で出力可能なグループとして一時記憶されたグループと同じならば新規参加者がグループに属すると判断する。換言すれば、新規参加者が出力用データの記憶されているBOXにアクセス可能であれば、出力用データを出力可能と判断する。
【0127】
<遠隔操作時の処理>
次に、MFP100がプロジェクタ200、200A,200Bのいずれか1つにより遠隔操作される場合に、MFP100で実行される処理について説明する。ここでは、MFP100がプロジェクタ200により遠隔操作される場合を例に、MFP100とプロジェクタ200それぞれで実行される処理を説明する。
【0128】
図19は、遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作処理は、プロジェクタ200が備える制御部201のCPUが、ROMに記憶された遠隔操作プログラムを実行することにより、そのCPUにより実行される処理である。
【0129】
図19を参照して、プロジェクタ200が備える制御部201のCPUは、ログイン情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS131)。ユーザが操作パネル205にログイン情報を入力すると、操作パネル205からログイン情報を受け付ける。ログイン情報は、ユーザIDとパスワードである。また、ログイン情報は、代理認証の場合には、本人ID、代理IDおよびパスワードを含む。ログイン情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS131でNO)、ログイン情報を受け付けると(ステップS131でYES)、処理をステップS132に進める。ステップS132においては、ステップS131において受け付けられたログイン情報を含むログイン要求をMFP100に送信する。
【0130】
MFP100においては、ログイン情報に基づきユーザ認証し、認証に成功するとログイン要求を送信してきたプロジェクタ200にログイン許可を示す信号を返信する。ステップS133においては、ログイン許可を示す信号を受信したか否かを判断する。ログインを許可する信号を受信したならば処理をステップS134に進めるが、そうでなければ処理をステップS131に戻す。
【0131】
ステップS134においては、出力先のプロジェクタの指定を受け付ける。具体的には、プロジェクタ200、200A,200Bのうち少なくとも1つの装置識別情報の入力を受け付ける。そして、出力先情報をMFP100に送信する(ステップS135)。出力先情報は、ステップS134において、受け付けられた出力先の装置識別情報を含む。ここでは、プロジェクタ200,200A,200Bの装置識別情報が入力され、出力先にプロジェクタ200,200A,200Bが指定された場合を例に説明する。この場合において、出力先情報はプロジェクタ200,200A,200Bそれぞれの装置識別情報を含む。
【0132】
ステップS136においては、MFP100からBOX情報を受信する。BOX情報は、MFP100のHDD116が有するBOXの名称と、BOXに記憶されるデータのファイル名とを含む。そして、ステップS137においては、データが指定されたか否かを判断する。具体的には、操作パネル205の液晶表示装置にBOX情報を表示し、表示されたファイル名の1つが指定されたか否かを判断する。ファイル名が指定されると、データが指定されたと判断する。データが指定されると、指定されたデータを出力用データに設定し、処理をステップS138に進める。データが指定されなければ処理をステップS139に進める。
【0133】
ステップS138においては、送信要求をMFP100に送信する。送信要求は、ステップS137で指定されたデータのファイル名と、そのデータが記憶されているBOX名とを含む。後述するようにMFP100では、送信要求を受信すると、送信要求に含まれるファイル名のデータ、または警告信号を返信する。警告信号は、出力用データを出力することができない出力先の装置名と、データを出力することができない旨を示すメッセージとを含む。
【0134】
ステップS139においては、警告信号を受信したか否かを判断する。ネットワークI/F207がMFP100から警告信号を受信したならば処理をステップS140に進め、そうでなければ処理をステップS143に進める。ステップS140においては、警告する。警告信号に含まれる出力用データを出力することができない出力先の装置名とデータを出力することができない旨を示すメッセージとを操作パネル205の液晶表示装置に表示する。これにより、プロジェクタ200のオペレータは、指定したデータの画像が表示されない会議室を知ることができる。
【0135】
ステップS141においては、許可を受け付けたか否かを判断する。許可を受け付けたならば処理をステップS142に進めるが、そうでなければ処理をステップS143に進める。操作パネル205に備えられた許可ボタンが押下されると、許可を受け付ける。ステップS142においては、許可信号を送信する。なお、権限のあるユーザによってのみ許可することができるように、許可信号にステップS131で受け付けられたログイン情報を含めるようにしてもよい。この場合、MFP100においては、ユーザ認証に成功する場合にのみ許可を受け付ける。
【0136】
ステップS143においては、データを受信したか否かを判断する。ネットワークI/F207がMFP100からデータを受信したならば処理をステップS144に進め、そうでなければ処理をステップS146に進める。ステップS144においては、受信したデータをフォーマット変換する。フォーマットは、プロジェクタ200が投影部203に対して予め定められたフォーマットである。そして、フォーマット変換したデータを投影部203に出力し、データを投影する(ステップS145)。
【0137】
そして、ステップS146においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作パネル205に備えられた終了キーを押下すると、操作パネル205から終了指示を受け付ける。終了指示を受け付けたならば処理をステップS147に進めるが、そうでなければ処理をステップS137に戻す。ステップS147においては、ログアウト信号をMFP100に送信し、処理を終了する。
【0138】
図20および図21は、遠隔操作時のデータ出力処理の流れの一例を示すフローチャートである。遠隔操作時のデータ出力処理は、MFP100のCPU111がEEPROM113に記憶されたデータ出力プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図20および図21を参照して、CPU111は、ログイン要求を受信したか否かを判断する(ステップS101)。データ通信制御部117がプロジェクタ200からログイン要求を受信したか否かを判断する。ログイン要求を受信するまで待機状態となり(ステップS101でNO)、ログイン要求を受信したならば処理をステップS102に進める。ステップS102においては、ユーザ認証に成功したか否かを判断する。ユーザ認証に成功したならば処理をステップS103に進めるが、そうでなければ処理をステップS101に戻す。この際、ログイン要求が、本人IDおよび代理IDおよびパスワードを含むならば、代理IDによるユーザ認証をする。そして、代理IDによるユーザ認証に成功した場合には、本人IDのユーザの認証に成功したものとして、処理をステップS103に進める。ステップS103においては、ログイン許可を示す信号を、ログイン要求を送信してきた装置、ここではプロジェクタ200に返信する。
【0139】
次のステップS104においては、出力先情報を受信するまで待機状態となり(ステップS104でNO)、出力先情報を受信すると処理をステップS105に進める。出力先情報は、出力先の装置識別情報を含む。ここでは、出力先情報はプロジェクタ200,200A,200Bそれぞれの装置識別情報を含む場合を例に説明する。
【0140】
ステップS105においては、BOX情報を送信する。具体的には、HDD116が有するBOXの名称と、BOXに記憶されているデータのファイル名とを含むBOX情報をプロジェクタ200に送信する。そして、送信要求を受信するまで待機状態となり(ステップS106)、送信要求を受信すると処理をステップS107に進める。送信要求は、データのファイル名と、そのデータが記憶されているBOX名とを含む。
【0141】
ステップS107においては、送信要求に含まれるBOX名およびファイル名のデータを出力用データに設定し、処理をステップS108に進める。ステップS108においては、ステップS104において受信された出力先情報に含まれる装置識別情報のうちから処理対象となる1つを選択する。以下、処理対象として選択された装置を選択出力先という。
【0142】
ステップS109においては、図13のステップS08と同様に選択出力先の参加者情報を取得する。次のステップS110においては、図16に示したデータ指定時の第1出力可否判断処理を実行し、処理をステップS111に進める。ステップS111においては、データ指定時の第1出力可否判断処理の結果、出力可能と判断されたか否かを判断する。出力可能であれば処理をステップS115に進め、そうでなければ処理をステップS112に進める。ステップS112においては、警告信号をプロジェクタ200に送信する。警告信号は、選択出力先の装置名とデータを出力することができない旨を示すメッセージとを含む。なお、選択出力先の装置名に代えて、選択出力先の装置が設置されている会議室名を含めるようにしてもよい。例えば、選択出力先がプロジェクタ200の場合、プロジェクタ200の装置名に代えて、プロジェクタ200が設置されている会議室Aの名称を含める。
【0143】
ステップS113においては、選択出力先に禁止画像を送信し、処理をステップS114に進める。具体的には、図12に示した禁止画像を送信する。例えば、選択出力先がプロジェクタ200の場合、プロジェクタ200は禁止画像を受信し(ステップS143)、投射する(ステップS145)ので、会議室Aにいる参加者は、禁止画像を見ることになり、出力用データの画像を見ることができない。このため、出力用データに対してアクセス権を有しない者に出力用データの画像が見られないようにすることができ、出力用データに含まれる機密情報が漏洩するのを防止することができる。
【0144】
ステップS114においては、プロジェクタ200から許可信号を受信したか否かを判断する。許可信号を受信したならば処理をステップS115に進めるが、そうでなければ処理をステップS116に進める。なお、権限のあるユーザによってのみ許可することができるように許可信号にログイン情報が含まれる場合、ログイン情報に基づいて認証する。この場合、認証に成功したならば処理をステップS115に進め、成功しなければ処理をステップS116に進める。
【0145】
ステップS115においては、選択出力先に出力用データを送信する。これにより、プロジェクタ200、200A,200Bのうち選択出力先は、出力用データの画像を投射する。したがって、選択出力先の設置された会議室の参加者は、出力用データの画像を見ることができる。
【0146】
次のステップS116においては、プロジェクタ200、200A,200BのうちでステップS104において出力先として指定されたものうち、選択出力先に選択されていないものがあるか否かを判断する。そのような出力先が存在すれば処理をステップS108に戻し、そうでなければ処理をステップS117に進める。
【0147】
ステップS117においては、図14のステップS18と同様に、新規参加者が存在するか否かを判断する。新規参加者が存在するならば処理をステップS118に進め、そうでなければ処理をステップS124に進める。
【0148】
ステップS118においては、図18に示したデータ指定時の第2出力可否判断処理を実行し、処理をステップS119に進める。ステップS119においては、データ指定時の第2出力可否判断処理の結果、出力可能と判断されたか否かを判断する。出力可能であれば処理をステップS124に進め、そうでなければ処理をステップS120に進める。
【0149】
ステップS120においては、警告信号を送信する。具体的には、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものの装置名とデータを出力することができない旨を示すメッセージを含む警告信号をプロジェクタ200に送信する。これにより、プロジェクタ200のオペレータは、HDD116に記憶されているデータのうちから指定されたデータの画像が、新規参加者の参加している会議室で表示されないことを知ることができる。なお、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室を表示するようにしてもよい。
【0150】
ステップS121においては、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものに禁止画像を送信し、処理をステップS122に進める。具体的には、図12に示した禁止画像を送信する。ステップS122においては、ステップS114と同様に、許可信号を受信したか否かを判断する。許可信号を受信したならば処理をステップS123に進めるが、そうでなければ処理をステップS124に進める。ステップS123においては、プロジェクタ200,200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものに出力用データを送信する。これにより、プロジェクタ200、200A,200Bのうち新規参加者が参加している会議室に設置されたものは、出力用データの画像を投射する。したがって、新規参加者は、出力用データの画像を見ることができる。
【0151】
ステップS124およびステップS125の処理は、図14に示したステップS27およびステップS28と同じなのでここでは説明を繰り返さない。ステップS126においては、出力用データを出力済みの出力先すべてに合成データを送信する。そして、ステップS127においては、プロジェクタ200からログアウト信号を受信したか否かを判断する。ログアウト信号を受信したならばデータ出力処理を終了し、そうでなければ処理をステップS106に戻す。
【0152】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、画像読取部20で原稿画像を読み取って得られるデータ、または、HDD116に記憶されたデータをプロジェクタ200,200A,200Bに出力する際に、プロジェクタ200,200A,200Bがそれぞれ設置されている会議室A,B,Cそれぞれにいる参加者のユーザ識別情報を参加者情報として取得する。そして、参加者情報に基づいて、参加者情報で識別されるユーザが取得されたデータにアクセス可能か否かを判断し、さらに、アクセス可能か否かの判断結果に基づいて、取得されたデータの出力可否がプロジェクタ200,200A,200Bごとに判断される。参加者がデータにアクセス可能でなければデータを出力しないようにするので、データの機密が漏洩するのを防止することができる。
【0153】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0154】
<付記>
(1) 操作するユーザを認証するための認証手段を、さらに備え、
前記アクセス可否判断手段は、前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を操作者情報として取得する操作者情報取得手段と、
前記操作者情報と前記参加者情報とが所定の関係にあるか否かを判断する関係判断手段と、を含む請求項4に記載のデータ処理装置。
(2) 前記アクセス可否判断手段は、前記データ取得手段により取得されたデータからそれに付加された前記ユーザ識別情報を操作者情報として抽出する抽出手段と、
前記操作者情報と前記参加者情報とが所定の関係にあるか否かを判断する関係判断手段と、を含む請求項4に記載のデータ処理装置。
(3) 前記アクセス可否判断手段により前記取得されたデータへのアクセスが不可能と判断された場合、警告する警告手段をさらに備えた、請求項5に記載のデータ処理装置。
(4) 前記参加者情報取得手段は、前記データ取得手段により取得されたデータからそれに付加された前記ユーザ識別情報を抽出する抽出手段を含む、請求項7に記載のデータ処理装置。
(5) 外部からデータを受信するデータ受信手段をさらに備え、
前記データ受信手段は、前記受信されたデータを、該データの送信元の情報に基づいて、前記記憶手段が有する前記複数の記憶領域のいずれか1つに記憶する、請求項8に記載のデータ処理装置。
(6) 操作するユーザを認証するための認証手段と、
記録媒体に形成された原稿画像を読み取る原稿読取手段をさらに備え、
前記原稿読取手段は、原稿画像を読み取って得られるデータを、前記記憶手段が有する前記複数の記憶領域のうち前記認証手段により認証されたユーザと関連付けられた前記記憶領域に記憶する、請求項8に記載のデータ処理装置。
(7) 前記認証装置は、室の出入り口に設置される、請求項10に記載のデータ処理装置。
(8) 前記生体情報取得手段は、声紋を認証する、請求項11に記載のデータ処理装置。
(9) 複数のユーザ識別情報を少なくとも1つのグループに分類したグループデータを記憶するグループデータ記憶手段を、さらに備え、
前記アクセス可否判断手段は、前記取得されたデータに関連するユーザのユーザ識別情報と前記参加者情報とが前記グループデータにより同一グループに分類される場合に、前記取得されたデータにアクセス可能と判断する、請求項2に記載のデータ処理装置。
(10) 前記表示装置は、画像を投影面に投影する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の実施の形態における会議システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】プロジェクタの機能概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】ユーザ判別装置の機能概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】ホワイトボードの機能概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】MFPが備えるCPUの機能の一例をHDDに記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。
【図8】ユーザ管理テーブルのフォーマットの一例を示す図である。
【図9】代理認証テーブルのフォーマットの一例を示す図である。
【図10】BOX管理テーブルのフォーマットの一例を示す図である。
【図11】会議室管理テーブルの一例を示す図である。
【図12】禁止画像の一例を示す図である。
【図13】データ出力処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図14】データ出力処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【図15】原稿読取時の第1出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】データ指定時の第1出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図17】原稿読取時の第2出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】データ指定時の第2出力可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図19】遠隔操作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図20】遠隔操作時のデータ出力処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図21】遠隔操作時のデータ出力処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【符号の説明】
【0156】
1 会議システム、2 ネットワーク、9 操作パネル、11 原稿台、10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、51 認証部、53 データ指定受付部、55 アクセス可否判断部、57 出力先受付部、59 参加者情報取得部、60 ファクシミリ部、61 出力可否判断部、63 許可受付部、65 出力部、67 警告部、69 描画取得部、71 合成部、73 原稿画像取得部、91 ユーザ管理テーブル、93 代理認証テーブル、95 管理テーブル、97 会議室管理テーブル、100 MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 EEPROM、114 表示部、115 操作部、116 HDD、117 データ通信制御部、119A メモリカード、200,200A,200B プロジェクタ、201 制御部、203 投影部、205 操作パネル、300,300A,300B ユーザ判別装置、301 制御部、303 タグ読取部、303A タグ、305 操作パネル、400 ホワイトボード、401 制御部、403 スキャナ、403 スキャナ部、405 操作パネル、500 サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置と表示装置とを含む会議システムであって、
前記データ処理装置は、
データを取得するデータ取得手段と、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、
前記参加者情報に基づいて、前記参加者情報で識別されるユーザが前記取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するアクセス可否判断手段と、
前記アクセス可否判断手段による判断の結果、前記会議の参加者全員が前記取得されたデータにアクセス可能である場合、前記取得されたデータが出力可能であると判断し、前記会議の参加者のいずれかが前記取得されたデータにアクセス不可能である場合、前記取得されたデータが出力不可能であると判断する出力可否判断手段と、
前記出力可否判断手段により出力可能と判断されることを条件に、前記データを前記表示装置に出力する出力手段と、を備え、
前記表示装置は、前記データ処理装置から出力されるデータに基づいて画像を表示する、会議システム。
【請求項2】
画像を表示する表示装置と接続されたデータ処理装置であって、
データを取得するデータ取得手段と、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、
前記参加者情報に基づいて、前記参加者情報で識別されるユーザが前記取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するアクセス可否判断手段と、
前記アクセス可否判断手段による判断の結果、前記会議の参加者全員が前記取得されたデータにアクセス可能である場合、前記取得されたデータが出力可能であると判断し、前記会議の参加者のいずれかが前記取得されたデータにアクセス不可能である場合、前記取得されたデータが出力不可能であると判断する出力可否判断手段と、
前記出力可否判断手段により出力可能と判断されることを条件に、前記データを前記表示装置に出力する出力手段と、を備えたデータ処理装置。
【請求項3】
画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段により読み取られた画像と、前記データ取得手段により取得されたデータの画像とを合成することによって、合成データを生成する合成手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記合成データを出力する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
記録媒体に形成された原稿画像を読み取る原稿読取手段をさらに備え、
前記データ取得手段は、前記原稿読取手段により原稿画像を読み取って得られるデータを取得する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記出力可否判断手段は、前記アクセス可否判断手段により前記会議の参加者のいずれかが前記取得されたデータへのアクセスが不可能と判断された場合、前記会議の参加者のうち前記取得されたデータにアクセス可能なユーザから出力を許可する指示を受け付けることを条件に、前記データを出力可能と判断する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
ユーザを認証するための認証手段と、
ユーザ識別情報と代理情報とを関連付ける代理認証情報を記憶する代理認証情報記憶手段と、をさらに備え、
前記認証手段は、前記代理情報が受け付けられ、かつ該代理情報による認証に成功した場合、該代理情報と前記代理認証情報により関連付けられた前記ユーザ識別情報のユーザとして認証し、
前記データ取得手段は、前記認証手段により前記代理情報による認証に成功した場合、前記代理情報と前記代理認証情報により関連付けられた前記ユーザ識別情報のユーザがアクセス可能なデータを取得する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記参加者情報取得手段は、前記データ取得手段により取得されたデータとともに取得される前記ユーザ識別情報を取得する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
複数の記憶領域を有し、前記複数の記憶領域にデータを記憶するデータ記憶手段をさらに備え、
前記データ取得手段は、前記データ記憶手段の有する前記複数の記憶領域のいずれかから前記データを取得し、
前記アクセス可否判断手段は、前記データ取得手段により取得されたデータが記憶されていた前記記憶領域に前記参加者情報で識別されるユーザがアクセス可能か否かを判断する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記参加者情報取得手段は、予め記憶された参加者リストに含まれるユーザ識別情報を取得する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記参加者情報取得手段は、ユーザのユーザ識別情報を受け付けるユーザ判別装置と接続され、前記ユーザ判別装置により受け付けられた前記ユーザ識別情報を取得する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
ユーザ識別情報と生体情報との組を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記参加者情報取得手段は、前記生体情報取得手段により取得された生体情報と同じ組のユーザ識別情報を取得する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記参加者情報取得手段は、前記取得されたデータの複数の出力先ごとに前記参加者情報を取得し、
前記出力可否判断手段は、前記複数の出力先ごとに前記データの出力可否を判断し、
前記出力手段は、前記複数の出力先のうち前記出力可否判断手段により出力可能と判断された出力先に前記データを出力する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記参加者取得手段により前記出力手段が前記取得されたデータを出力した後に新たな参加者情報が取得され、前記アクセス可否判断手段により前記新たな参加者情報で識別されるユーザが前記取得されたデータにアクセス不可能と判断され、かつ、前記出力可否判断手段により前記新たな参加者情報を含む前記会議の参加者のいずれかが前記取得されたデータにアクセス不可能であるとして前記取得されたデータが出力不可能と判断されると、前記出力手段は、前記取得されたデータに代えて予め定められたデータを再出力する、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
画像を表示する表示装置と接続されたデータ処理装置で実行されるデータ出力方法であって、
表示用のデータを取得するステップと、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、
前記参加者情報に基づいて、前記参加者情報で識別されるユーザが前記取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するステップと、
前記アクセス可否を判断するステップにおける判断の結果、前記会議の参加者全員が前記取得されたデータにアクセス可能である場合、前記取得されたデータが出力可能であると判断し、前記会議の参加者のいずれかが前記取得されたデータにアクセス不可能である場合、前記取得されたデータが出力不可能であると判断するステップと、
前記出力可否を判断するステップにおいて出力可能と判断されることを条件に、前記データを前記表示装置に出力するステップと、を含むデータ出力方法。
【請求項15】
画像を表示する表示装置と接続されたデータ処理装置で実行されるデータ出力プログラムであって、
表示用のデータを取得するステップと、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、
前記参加者情報に基づいて、前記参加者情報で識別されるユーザが前記取得されたデータにアクセス可能か否かを判断するステップと、
前記アクセス可否を判断するステップにおける判断の結果、前記会議の参加者全員が前記取得されたデータにアクセス可能である場合、前記取得されたデータが出力可能であると判断し、前記会議の参加者のいずれかが前記取得されたデータにアクセス不可能である場合、前記取得されたデータが出力不可能であると判断するステップと、
前記出力可否を判断するステップにおいて出力可能と判断されることを条件に、前記データを前記表示装置に出力するステップと、をデータ処理装置に実行させるデータ出力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−42964(P2009−42964A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206334(P2007−206334)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】