説明

伝導性高分子共重合体、伝導性高分子共重合体組成物、伝導性高分子共重合体組成物膜、及びこれを用いた有機光電素子

【課題】伝導性高分子共重合体、伝導性高分子共重合体組成物、伝導性高分子共重合体組成物膜、及びこれを用いた有機光電素子を提供する。
【解決手段】水分吸収力を抑制でき、分子中のポリ酸の濃度を低減でき、分子間の凝集現象を減らして薄膜特性及び貯蔵安全性が向上する他、有機光電素子の効率特性及び寿命特性を向上させることができる伝導性高分子共重合体とする。この伝導性高分子共重合体は、伝導性高分子に下記一般式(1)で表されるポリ酸共重合体がドーピングされていることを特徴とする。


また、この伝導性高分子共重合体を用いた伝導性高分子共重合体組成物及び有機光電素子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝導性高分子共重合体、伝導性高分子共重合体組成物及びこれを用いた伝導性高分子共重合体組成物膜と有機光電素子に関する。本発明による伝導性高分子共重合体は、伝導性高分子に下記一般式(1)で表されるポリ酸共重合体がドーピングされていることを特徴とする。
【0002】
【化1】

より詳細には、本発明は、水分吸収力を抑制でき、分子中のポリ酸の濃度を低減でき、 分子間の凝集現象を減らすことによって薄膜特性及び貯蔵安全性に優れているだけでなく、有機光電素子の効率特性及び寿命特性を向上させることができる伝導性高分子共重合体、伝導性高分子共重合体組成物、及びこれを用いた伝導性高分子共重合体組成物膜と有機光電素子に関する。
【背景技術】
【0003】
光電素子とは、有機電界発光素子(Organic light emission diode;OLED)、有機太陽電池、有機トランジスタなどのように電気エネルギーを光エネルギーに変換するか、または、逆に光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子のことをいう。
【0004】
このような光電素子の中でも、特に有機電界発光素子は、最近平板ディスプレイ(Flat−Panel Display:以下、「FPD」という。)技術が発展するに伴って大きく注目されている。
【0005】
現在、FPDの中でもLCDは、画期的な技術的発展からFPD市場で80%以上のシェアを獲得しているが、40inch以上の大画面における応答速度の低下、狭い視野角などの決定的短所があり、これを克服できる新しいディスプレイの必要性が高まってきている。
【0006】
これと関連して、有機電界発光素子は、FPDの中でも低電圧駆動、自己発光、薄膜型、広い視野角、速い応答速度、高いコントラスト、経済性などの多くの長所を持っているディスプレイであり、次世代FPDに必要な全ての条件を揃えた唯一のディスプレイ方式として関心を集めている。
【0007】
現在、このような有機電界発光素子を含め、光電素子分野では、電極で生成される電荷、すなわち、正孔及び電子を光電素子内に円滑に輸送して素子の効率を増大させるための目的から、伝導性高分子膜の形成に関する多くの研究がなされてきている。
【0008】
特に、有機電界発光素子は、蛍光性または燐光性有機化合物薄膜(以下、「有機膜」という。)に電流を流すと、電子と正孔が有機膜で結合しながら光を発する現象を用いた能動発光型表示素子で、効率向上及び駆動電圧低下のために有機層として単一発光層のみを使用せず、ここに伝導性高分子を用いた正孔注入層、発光層、電子注入層などのような多層構造を持つことが一般的である。
【0009】
なお、このような構造は、1層が多数の機能を行うようにそれぞれの層を除去することによって単純化可能である。最も簡単なOLED構造は、2個の電極とこれらの電極間に発光層を含んで全ての機能を行う有機層が位置する場合である。
【0010】
しかし、事実上、輝度を増加させるためには、電子注入層または正孔(hole)注入層が電気発光アセンブリーとして導入されなければならない。
電荷(正孔または電子)を伝達する多数の有機化合物及びその用途が知られている(例えば、特許文献1乃至4)。
【0011】
特に、電荷を伝達する有機化合物の代表には、バイエル(Bayer AG)社が製造して販売しているバイトロン−P(Baytron−P)という製品があり、可溶性(soluble)有機ELに用いられている。これは、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))−PSS(ポリ(4−スチレンスルホネート))水溶液の一種である。
【0012】
このようなPEDOT−PSSは、有機発光素子の製作時に広く用いられており、ITO(インジウムスズ酸化物)電極上にスピンコーティング(spin coating)によって正孔注入層を形成する。このPEDOT−PSSは、下記一般式(2)のような構造を持つ。
【0013】
【化2】


上記一般式(2)に表示されたPEDOT−PSSは、ポリ(4−スチレンスルホネート)(PSS)のポリ酸とポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)の伝導性高分子との単純イオン複合体で、PEDOTに水溶性ポリ酸がドーピングされている構造である。
【特許文献1】ヨーロッパ特許公開第387715号
【特許文献2】米国特許第4,539,507号明細書
【特許文献3】米国特許第4,720,432号明細書
【特許文献4】米国特許第4,769,292号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記PEDOT−PSS伝導性高分子組成物を用いて正孔注入層を形成すると、PSSが水分をよく吸収する性質によって劣化し脱ドーピング(dedoping)されるか、または、PSS部分が電子との反応によって分解されてサルフェート(Sulfate)などのような物質を放出し、このような物質が隣接した有機膜、例えば、発光層へ拡散されてエキシトン消滅(exciton quenching)を引き起こし、有機電界発光素子の効率及び寿命低下を招くという問題につながる。
【0015】
本発明は上記の問題を解決するためのもので、その目的は、水分吸収を抑制し、分子中のポリ酸の濃度を低減し、分子間の凝集現象を減らすことによって、薄膜特性及び貯蔵安全性に優れているだけでなく、有機光電素子の効率特性及び寿命特性を向上させることができる伝導性高分子共重合体を提供することにある。本発明による伝導性高分子共重合体は、伝導性高分子に、下記一般式(1)で表されるポリ酸共重合体がドーピングされていることを特徴とする。
【0016】
【化3】

本発明の他の目的は、上記伝導性高分子共重合体を用いた伝導性高分子共重合体組成物並びに有機光電素子を提供することにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例による有機光電素子用伝導性高分子組成物によれば、次の効果が得られる。
第一に、水分吸収力を抑制させることができる。
【0018】
第二に、分子内ポリ酸の濃度を低減できるため、有機光電素子内で高い酸性度から生じうる問題点を防止できる。
第三に、分子内で双極子−双極子間の相互作用を通じて分子間の凝集現象を減らすことができ、薄膜特性及び貯蔵安全性に優れた伝導性高分子共重合体組成物を得ることができる。
【0019】
第四に、上記のような効果によって、最終的に製造される有機電界発光素子の発光効率及び寿命特性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
上記目的を達成するための本発明の伝導性高分子共重合体は、伝導性高分子に、下記一般式(1)で表されるポリ酸共重合体がドーピングされていることを特徴とする。
上記他の目的を達成するための本発明の伝導性高分子共重合体組成物は、上記伝導性高分子共重合体が溶媒に分散しており、ここに物理的架橋剤または/及び化学的架橋剤が添加されていることを特徴とする。
【0021】
【化4】

上記(1)式中、0<m≦10,000,000であり、0≦n<10,000,000であり、0.0001≦m/n≦100である。
【0022】
Aは、炭素系であり、置換または非置換のC1−C30のアルキル基;置換または非置換のC1−C30のヘテロアルキル基;置換または非置換のC1−C30のアルコキシ基;置換または非置換のC1−C30のヘテロアルコキシ基;置換または非置換のC6−C30のアリール基、置換または非置換のC6−C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC6−C30のアリールオキシ基、置換または非置換のC2−C30のヘテロアリール基、置換または非置換のC2−C30のヘテロアリールアルキル基;置換または非置換のC2−C30のヘテロアリールオキシ基;置換または非置換のC5−C20のシクロアルキル基;置換または非置換のC2−C30のヘテロシクロアルキル基;置換または非置換のC1−C30のアルキルエステル基;置換または非置換のC1−C30のヘテロアルキルエステル基;置換または非置換のC6−C30のアリールエステル基;及び、置換または非置換のC2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれ、各官能基の炭素と結合した水素について、別の官能基に置換することができる。
【0023】
Bは、イオン基であるか、または、イオン化合物を含むことができ、このとき、イオン基は、−PO3-、−SO3-、−COO-のような陰イオン性基、−NH3+のような陽イオン性基、またはCH3(−CH2−)n(nは、1〜50の自然数)のような有機イオンなどの官能基であり、また、イオン化合物は、陽イオンと陰イオンの対からなり、陽イオンには、Na+、K+、Li+、Mg2+、Zn2+、Al3+のような金属イオン;H+、NH4+、があり、陰イオンは、I-、CH3COO-などがある。
【0024】
Cは、高分子共重合体に、双極子−双極子相互作用または疎水性基によるモフォロジー(morphology)変化を与えるためのもので、多量のハロゲン基が導入されている炭素化合物構造を有し、好ましくは、水素の50%以上がハロゲン基で置換されたC2〜C30個の炭素化合物である。ここで、炭素化合物は、ヘテロ原子である窒素、リン、硫黄、ケイ素、酸素などを部分的に含むことができる。
【0025】
上記一般式(1)で表されるポリ酸共重合体は、伝導性高分子にイオン結合の形態でドーピング(doping)されている。
ここで使われる伝導性高分子は、通常、有機光電素子に用いられる伝導性高分子であり、具体的には、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、下記一般式(3)で表されるアニリンまたはその誘導体である単量体を重合した重合体、下記一般式(4)で表されるピロール、チオフェンまたはその誘導体である単量体を重合した重合体、下記一般式(5)で表される環状単量体を重合した重合体の中から選ばれた1以上の高分子である:
【0026】
【化5】

(上記式(3)中、Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素;C1−C30のアルキル基;C1−C30のヘテロアルキル基;C1−C30のアルコキシ基;C1−C30のヘテロアルコキシ基;C6−C30のアリール基;C6−C30のアリールアルキル基;C6−C30のアリールオキシ基;C6−C30のアリールアミン基;C6−C30のピロール基;C6−C30のチオフェン基;C2−C30のヘテロアリール基;C2−C30のヘテロアリールアルキル基;C2−C30のヘテロアリールオキシ基;C5−C20のシクロアルキル基;C2−C30のヘテロシクロアルキル基;C1−C30のアルキルエステル基;C1−C30のヘテロアルキルエステル基;C6−C30のアリールエステル基;及び、C2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれるいずれかであり、炭素原子に結合した水素を別の官能基で置換することができる。)、
【0027】
【化6】

(上記式(4)中、Xは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子にC1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
e、Rfは、それぞれ独立に、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子にC1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したもの;C1−C30のアルキル基;C6−C30のアリール基;C1−C30のアルコキシ基;C1−C30のヘテロアルキル基;C1−C30のヘテロアルコキシ基;C6−C30のアリールアルキル基;C6−C30のアリールオキシ基;C6−C30のアリールアミン基;C6−C30のピロール基;C6−C30のチオフェン基;C2−C30のヘテロアリール基;C2−C30のヘテロアリールアルキル基;C2−C30のヘテロアリールオキシ基;C5−C20のシクロアルキル基;C2−C30のヘテロシクロアルキル基;C1−C30のアルキルエステル基;C1−C30のヘテロアルキルエステル基;C6−C30のアリールエステル基;及び、C2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれるいずれかであり、炭素原子に結合した水素を別の官能基で置換することができる。)、
【0028】
【化7】

(上記式(5)中、Xは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子に、C1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
Yは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子に、C1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
mとnはそれぞれ独立に、0〜9の整数を表し、
Zは、−(CH2x−CRgh−(CH2yを表し、ここで、Rg及びRhはそれぞれ独立に、H、C1−C20のアルキルラジカル、C6−C14のアリールラジカルまたは−CH2−ORiであり、ここで、RiはH、C1−C6のアルキル酸、C1−C6のアルキルエステル、C1−C6のヘテロアルキル酸またはC1−C6のアルキルスルホン酸であり、炭素に結合した一つ以上の水素を他の置換基で置換することができ、
x及びyは、それぞれ独立に0〜5の整数であり;Zに含まれる炭素と結合した少なくとも1の水素は、他の官能基に置換している。)
一方、上記他の目的を達成するための本発明の伝導性高分子共重合体組成物は、上記伝導性高分子共重合体が溶媒に分散しており、ここに、物理的架橋剤または/及び化学的架橋剤が添加されていることを特徴とする。
【0029】
本発明の伝導性高分子共重合体は、電子との反応によって分解される残基の含量が少なく、高分子共重合体に含まれた官能基によってモフォロジーの変化がなされることから電子による分配を防止でき、よって、この高分子共重合体を含む光電素子は、高効率及び長寿命の特徴を持つ。
【0030】
本発明で使われる置換基であるアルキル基の具体的な例には、直鎖状または分岐状のメチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−アミル、へキシルなどが挙げられ、上記アルキル基に含まれている1以上の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基(−NH2、−NH(R)、−N(R’)(R”)、R’とR”は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基である)、アミジノ基、ヒドラジン、またはヒドラゾン基で置換することができる。
【0031】
上記ヘテロアルキル基は、アルキル基の主鎖中の炭素原子のうちの1以上、好ましくは、1〜5個の炭素原子が酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)、リン原子(P)などのようなヘテロ原子で置換されたものを意味する。
【0032】
上記本発明で使われる置換基であるアリール基は、1以上の芳香族環を含む炭素環芳香族分子を意味し、これらの環はペンダント方法により共に付着するか、縮合(fused)することができる。アリール基の具体的な例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルなどのような芳香族基が挙げられ、このアリール基のうちの1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0033】
本発明で使われる置換基であるヘテロアリール基は、N、O、PまたはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである環原子数5〜30の環芳香族化合物を意味する。これらの環は、ペンダント方法で共に付着するか、または、縮合(fused)することができる。そして、上記ヘテロアリール基中の1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0034】
本発明で使われる置換基であるアルコキシ基の具体的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、iso−アミルオキシ、へキシルオキシなどが挙げられ、このアルコキシ基中の1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0035】
本発明で使われる置換基であるアリールアルキル基は、アリール基において水素原子中の一部が低級アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピルなどのようなラジカルで置換されたものを意味し、例えば、ベンジルメチル、フェニルエチルなどがある。このアリールアルキル基に含まれている1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0036】
本発明で使われる置換基であるヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリール基の水素原子の一部が低級アルキル基で置換されたものを意味し、ヘテロアリールアルキル基のうちヘテロアリールに対する定義は、上記における定義と同じである。このヘテロアリールアルキル基に含まれている1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0037】
本発明で使われる置換基であるアリールオキシ基は、−O−アリールラジカルを意味し、ここで、アリールは、上記の定義と同じである。具体的な例には、フェノキシ、ナフトキシ、アントラセニルオキシ、フェナントレニルオキシ、フルオレニルオキシ、インデニルオキシなどがあり、アリールオキシ基に含まれている1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0038】
本発明で使われる置換基であるヘテロアリールオキシ基は、−O−ヘテロアリールラジカルを意味し、ここで、ヘテロアリールは、上記の定義と同じである。
本発明で使われる置換基であるヘテロアリールオキシ基に含まれている1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0039】
本発明で使われる置換基であるシクロアルキル基は、炭素原子数5〜30の1価モノサイクリックシステムを意味する。このシクロアルキル基に含まれている1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0040】
本発明で使われる置換基であるヘテロシクロアルキル基は、環原子数5〜30の1価モノサイクリック化合物で、N、O、PまたはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を含むシクロアルキル基を意味する。このシクロアルキル基に含まれている1以上の水素原子は、上記アルキル基と同様に置換可能である。
【0041】
本発明で使われる置換基であるアミノ基は、−NH2、−NH(R)または−N(R’)(R”)を意味し、R’とR”はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基である。
本発明で使われるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、またはアスタチンが好ましく、なかでもフッ素が特に好ましい。
【0042】
本発明の実施例による伝導性高分子共重合体は、上記一般式(1)で表されるポリ酸共重合体が、上記した伝導性高分子にイオン結合の形態でドーピング(doping)されていることを特徴とする。
【0043】
また、上記の伝導性高分子共重合体を用いて膜を形成するためには、溶媒に分散して組成物(composition)の形態にしなければならない。
これを伝導性高分子共重合体組成物と定義し、このような伝導性高分子共重合体組成物には、溶媒以外に有機イオン塩、物理的架橋剤、化学的架橋剤のような成分をさらに含むことができる。
【0044】
本発明の伝導性高分子共重合体組成物に使われる溶媒は、上記伝導性高分子を溶解させることができるものであればいずれも使用可能であり、水、アルコール類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン、及びクロロベンゼンからなる群より選ばれる1以上の溶媒を使用することが好ましい。
【0045】
また、本発明による伝導性高分子組成物の場合、伝導性高分子共重合体の架橋能をより向上させるために、架橋剤(cross−linking agent)をさらに含むことができる。このとき、架橋剤としては物理的架橋剤及び/または化学的架橋剤を用いると良い。
【0046】
本発明に使われる物理的架橋剤は、化学的な結合によることなく物理的に高分子鎖間に架橋の役割を担うもので、ヒドロキシ基(−OH)を含む低分子または高分子化合物をいう。
【0047】
物理的架橋剤の具体的な例には、グリセロール、ブタノールの低分子化合物とポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの高分子化合物があり、この他にもポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなども物理的架橋剤として使用可能である。
【0048】
添加される物理的架橋剤の含量は、上記伝導性高分子共重合体100重量部に対して0.001〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部であるとより好ましい。
物理的架橋剤の含量を上記範囲内にすると、架橋剤の性能が効率的に発揮され、伝導性高分子膜の薄膜モフォロジー(morphology)を効果的に維持することができる。
【0049】
化学的架橋剤とは、化学的に架橋させる役割を担うもので、インシチュ重合(in−situ polymerization)が可能であり、IPN(Interpenetrating polymer network)を形成することができる化学物質のことをいう。
【0050】
化学的架橋剤としてはシラン系物質が多く使用され、その具体的な例には、テトラエチルオキシシラン(TEOS)がある。これ以外にもポリアジリジン(Polyaziridine)、メラミン(Melamine)系、エポキシ(Epoxy)系物質が使用されても良い。
【0051】
化学的架橋剤の含量は、有機イオン塩を含む伝導性高分子共重合体100重量部に対して0.001〜50重量部が好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。
化学的架橋剤の含量を上記範囲内にすると、架橋剤の性能が効果的に発揮され、伝導性高分子に大きな影響を与えることもなく、伝導性も充分に維持することができる。
【0052】
以上、伝導性高分子組成物について説明したが、このような組成物を用いて伝導性高分子膜を製造するには、該組成物中の溶媒を殆ど除去しなければならない。
本発明はまた、上記伝導性高分子組成物による伝導性高分子膜及びこれを含む有機光電素子を提供する。ここで、光電素子は、有機電界発光素子、有機太陽電池、有機トランジスタ、そして有機メモリ素子などを意味する。
【0053】
以下では、本発明による伝導性高分子組成物が有機電界発光素子に適用される場合について説明する。
有機電界発光素子では、上記伝導性高分子組成物が電荷、すなわち、正孔または電子注入層に用いられ、正孔及び電子をバランスよく効率的に注入することによって、有機電界発光素子の発光強度と効率とを上げる役割を担う。
【0054】
また、有機太陽電池では、本発明による伝導性高分子膜組成物を電極や電極バッファ層に用いて量子効率を増加させ、有機トランジスタではゲート、ソース−ドレイン電極などで電極物質として用いることができる。
【0055】
上記のような有機光電素子のうち、本発明による伝導性高分子膜組成物を用いた有機電界発光素子の構造及びその製造方法について説明すると、下記の通りである。
図1(a)〜(d)は、本発明の好ましい実施例によって製造される有機電界発光素子の積層構造を概略的に示す断面図である。
【0056】
図1(a)の有機電界発光素子は、第1電極10上に発光層12が積層され、この電極と発光層との間に、本発明の伝導性高分子組成物を含む正孔注入層(HIL)(または、“バッファ層”ともいう。)11が積層され、発光層12上に正孔抑制層(HBL)13が積層されており、その上部には第2電極14が形成される。
【0057】
図1(b)の有機電界発光素子は、発光層12上に正孔抑制層(HBL)13の代わりに電子輸送層(ETL)15が形成された以外は、図1(a)と同じ積層構造を持つ。
図1(c)の有機電界発光素子は、発光層12上に正孔抑制層(HBL)13と電子輸送層15が順次積層された2層膜が用いられた以外は、図1(a)と同じ積層構造を持つ。
【0058】
図1(d)の有機電界発光素子は、正孔注入層11と発光層12との間に正孔輸送層16がさらに形成された以外は、図1(c)の有機電界発光素子と同じ構造を持つ。ここで、正孔輸送層16は、正孔注入層11から発光層12への不純物浸透を抑える役割を担う。
【0059】
上記図1(a)〜(d)の積層構造を持つ有機電界発光素子は、一般の製作方法によって形成すれば良い。
すなわち、まず、基板(図示せず)上に、パターニングされた第1電極10を形成する。ここで、基板は通常の有機電界発光素子で使われる基板とすれば良く、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板が好ましい。また、基板の厚さは、0.3〜1.1mmとすることが好ましい。
【0060】
第1電極10の形成材料は特に制限されることはない。もし第1電極が正極(cathode)である場合には、正極は正孔注入が容易な伝導性金属またはその酸化物からなり、具体的には、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ニッケル、白金、金、イリジウムなどを使用する。
【0061】
続いて、第1電極10の形成された基板を洗浄した後、UVオゾン処理を実施する。このとき、洗浄にはイソプロパノール(IPA)、アセトンなどの有機溶媒を使用する。
洗浄済み基板の第1電極10上に、本発明による伝導性高分子組成物を含む正孔注入層(バッファ層)11を形成する。このようにして正孔注入層11を形成すると、第1電極10と発光層12の接触抵抗が減少するとともに、発光層12に対する第1電極10の正孔輸送能力が向上し、素子の駆動電圧と寿命特性が全般的に改善されるという効果が得られる。
【0062】
正孔注入層11は、伝導性高分子を溶媒に溶解させて製造した本発明の組成物を、第1電極10上にスピンコーティングした後、これを乾燥させることによって形成する。
ここで、正孔注入層11の厚さは、5〜300nmとすることが好ましく、5〜120nmとすることがより好ましい。正孔注入層11の厚さを上記範囲とすると、正孔注入が十分になされ、光の透過度も良好に維持される。
【0063】
この正孔注入層11上に、発光層12を形成する。発光層を形成する物質に特に制限はないものの、より具体的には、オキサジアゾールダイマー染料(Bis−DAPOXP)、スピロ化合物(spiro compounds)(Spiro−DPVBi、Spiro−6P)、トリアリールアミン化合物、ビス(スチリル)アミン、DPVBi、DSA、Flrpic、CzTT、アントラセン;TPB、PPCP、DST、TPA、OXD−4、BBOT及びAZM−Zn(以上、青色);クマリン6(Coumarin 6)、C545T、キナクリドン及びIr(ppy)3(以上、緑色);DCM1、DCM2、Eu(thenoyltrifluoroacetone)3 (Eu(TTA)3)及びブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)(以上、赤色)などを使用することができる。
【0064】
また、高分子発光物質には、フェニレン系、フェニレンビニレン系、チオフェン系、フルオレン系及びスピロフルオレン系高分子などのような高分子または窒素を含む芳香族化合物などがあるが、これに限定されることはない。
【0065】
発光層12の厚さは10〜700nmとすることが好ましく、50〜120nmとすることがより好ましい。発光層12の厚さを上記範囲にすると、漏れ電流量及び駆動電圧上昇幅が適切に維持され、寿命が効果的に維持されることができる。
【0066】
場合によっては、上記発光層形成用組成物にドーパント(dopant)をさらに添加しても良い。
この場合、ドーパントの含量は、発光層形成材料によって変えることができるが、一般的に、発光層形成材料(ホストとドーパントの総重量)100重量部を基準にして30〜80重量部であることが好ましい。
【0067】
ドーパントの含量を上記範囲内とすると、EL素子の発光特性が効果的に維持される。ドーパントの具体的な例には、アリールアミン、フェリル系化合物、ピロール系化合物、ヒドラゾン系化合物、カルバゾール系化合物、スチルベン系化合物、スターバースト系化合物、オキサジアゾール系化合物などが挙げられる。
【0068】
正孔注入層11と発光層12との間には、必要に応じて正孔輸送層16を形成しても良い。
この正孔輸送層形成物質は特に制限されないものの、例えば、正孔輸送の役割を担うカルバゾール基及び/またはアリールアミン基を持つ化合物、フタロシアニン系化合物及びトリフェニレン誘導体からなる群より選ばれた1以上の物質を含むことができる。
【0069】
より具体的には、正孔輸送層は、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、4,4'−ビスカルバゾリルビフェニル、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4'−ビスカルバゾリル−2,2'−ジメチルビフェニル、4,4',4"−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニル−[1、1−ビフェニル]−4,4'ジアミン(TPD)、N,N'−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(1−ナフチル)−(1、1'−ビフェニル)−4、4'−ジアミン(NPB)、IDE320(出光社)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(poly(9,9−dioctylfluorene−co−N−(4−butylphenyl)diphenyl−amine)(TFB)及びポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−ビス−N,N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン(poly(9,9−dioctylfluorene−co−bis−(4−butylphenyl−bis−N,N−phenyl−1,4−phenylene−diamin)(PFB)からなる群から選ばれた1以上の物質を含むことができるが、これに限定されることはない。
【0070】
正孔輸送層16は、1〜100nm厚とすることが好ましく、5〜50nmとすることがより好ましい。正孔輸送層16の厚さが上記範囲であると、正孔輸送能力が十分に維持され、駆動電圧を適正水準に維持することができる。
【0071】
発光層12上には、蒸着またはスピンコーティング方法によって正孔抑制層13及び/または電子輸送層15を形成することができる。ここで、正孔抑制層13は、発光物質で形成されるエキシトンが電子輸送層15へ移動されるのを防ぐ、または、正孔が電子輸送層15へ移動されるのを防ぐ役割を担う。
【0072】
正孔抑制層13の形成材料は、下記一般式(6)で表されるフェナントロリン(系化合物(例:UDC社、BCP)、一般式(7)で表されるイミダゾール系化合物、一般式(8)で表されるトリアゾール系化合物、一般式(9)で表されるオキサジアゾール系化合物(例:商品名PBD)、一般式(10)で表されるアルミニウム錯体(UDC社製品)等とすることが好ましい。
【0073】
このような正孔抑制層の厚さは5〜100nm、電子輸送層の厚さは5nm〜100nmとすることが好ましい。上記の厚さ範囲にすると、電子輸送能力や正孔抑制能力が効果的に維持される。
【0074】
【化8】

【0075】
【化9】

【0076】
【化10】

【0077】
【化11】

【0078】
【化12】

一方、電子輸送層15の形成材料としては、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、トリアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、一般式(11)で表されるペリレン(perylene)系化合物、一般式(12)で表されるアルミニウム錯体(Alq3:(トリス(8−キノリノラート)アルミニウム)、一般式(13)のBAlq、一般式(14)のSAlq、一般式(15)のAlmq3及び一般式(16)のガリウム錯体(Gaq’2OPiv)、一般式(17)のGaq’2OAc、一般式(18)の2(Gaq’2)などが好ましい。
【0079】
【化13】

【0080】
【化14】

【0081】
【化15】

【0082】
【化16】

【0083】
【化17】

【0084】
【化18】

【0085】
【化19】

【0086】
【化20】

このように製造された積層構造物に、第2電極14を積層し、上記結果を封止して有機電界発光素子を完成する。
【0087】
第2電極14の形成材料は特に制限されることはないが、なかでも仕事関数の小さい金属、すなわち、Li、Cs、Ba、Ca、Ca/Al、LiF/Ca、LiF/Al、BaF2/Ca、Mg、Ag、Alまたはその合金、あるいはその多重層を用いて形成することが好ましい。この第2電極14の厚さは50〜3000Åとすることが好ましい。
【0088】
本発明の有機電界発光素子の製作には特別な装置や方法を必要とせず、通常の伝導性高分子組成物を用いた有機電界発光素子の製造方法とすれば良い。
以下では、本発明の伝導性高分子共重合体によると、水分吸収力が抑制でき、分子中のポリ酸の濃度を低減でき、分子間の凝集現象を減らして薄膜特性及び貯蔵安全性を向上させることができる他、有機光電素子の効率特性及び寿命特性を向上させることができるということを、具体的な実施例に挙げて説明する。ただし、ここに記載されていない本発明の内容は、当該技術分野における通常の知識を有する者なら十分に技術的に類推できるからその説明を省略する。
[実施例]
<実施例1>:スチレンスルホン酸−ペルフルオロスチレン共重合体の調製
シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)社のソジウムスチレンスルホネート(SSNa)48g、ペンタフルオロスチレン(PFS)2.5gをジメチルスルホキシド(DMSO)0.6Lに加熱しながら完全に溶かした。
【0089】
その後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gをジメチルスルホキシド(DMSO)に滴加した後、24時間以上重合した。
このとき、ペンタフルオロスチレンを、ソジウムスチレンスルホネートとの合計重量を基準として、5、10、20重量%に変化させつつ反応させた。すなわち、3種類のペンタフルオロスチレン含量を有するサンプルについて反応を行った。
【0090】
反応物を室温で放置して沈殿を生成した後、ろ過装置を用いてポリ(ソジウムスチレンスルホネート−ペルフルオロスチレン)共重合体{P(SSNa−co−PFS)}を得た。
【0091】
このように得た共重合体を、イオン交換樹脂を用いて反応させ、下記一般式(19)のようなポリ(スチレンスルホン酸−ペルフルオロスチレン)共重合体{P(SSA−co−PFS)}を得た。
【0092】
【化21】

<実施例2>:スチレンスルホン酸−ペルフルオロオクテン共重合体の調製
シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)社のソジウムスチレンスルホネート(SSNa)16g、ペルフルオロオクテン(1H,1H,2H−Perfluoro−1−octene)4gにジメチルスルホキシド(DMSO)0.24Lを加え加熱しながら、完全に溶かした。その後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1gをジメチルスルホキシド(DMSO)に滴加した後、24時間以上重合した。
【0093】
この時、ペルフルオロオクテン(1H,1H,2H−Perfluoro−1−octene)を、ソジウムスチレンスルホネートとの合計重量を基準として、5、10、20重量%に変化させつつ反応させた。すなわち、3種類のペルフルオロオクテン含量を有するサンプルについて反応を行った。
【0094】
反応物を室温で放置して沈殿を生成した後、ろ過装置を用いてポリ(ソジウムスチレンスルホネート−ペルフルオロオクテン共重合体){P(SSNa−co−PFO)}を得た。
【0095】
このように得た共重合体を、イオン交換樹脂を用いて反応させ、下記一般式(20)のようなポリ(スチレンスルホン酸−ペルフルオロオクテン)共重合体{P(SSA−co−PFO)}を得た。
【0096】
【化22】

<実施例3>:スチレンスルホン酸−分岐状ペルフルオロオクテン共重合体の調製
シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)社のソジウムスチレンスルホネート(SSNa)19g、分岐状ペルフルオロオクテン(Heptafluoro−3,3−bis(trifluoromethyl)−1−hexene)1gにジメチルスルホキシド(DMSO)0.24Lを加え加熱しながら、完全に溶かした。
【0097】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1gをジメチルスルホキシド(DMSO)に滴加した後、24時間以上重合した。
この時、分岐状ペルフルオロオクテン(Heptafluoro−3,3−bis(trifluoromethyl)−1−hexene)を、ソジウムスチレンスルホネートとの合計重量を基準として、5、10、20重量%に変化させつつ反応させた。すなわち、3種類の分岐状ペルフルオロオクテン含量を有するサンプルについて反応を行った。
【0098】
反応物を室温で放置して沈殿を生成した後、ろ過装置を用いてポリ(ソジウムスチレンスルホネート−分岐状ペルフルオロオクテン)共重合体{P(SSNa−co−BPFO)}を得た。
【0099】
このように得た共重合体を、イオン交換樹脂を用いて反応させ、下記一般式(21)のようなポリ(スチレンスルホン酸−分岐状ペルフルオロオクテン)共重合体{P(SSA−co−BPFO)}を得た。
【0100】
【化23】

<実施例4>:スチレンスルホン酸−アリルヘプタフルオロブチルエーテル共重合体の調製
シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)社のソジウムスチレンスルホネート(SSNa)19g、アリルヘプタフルオロブチルエーテル(Allyl 1H,1H−heptafluorobutyl ether)1gにジメチルスルホキシド(DMSO)0.24Lを加え加熱しながら、完全に溶かした。
【0101】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1gをジメチルスルホキシド(DMSO)に滴加した後、24時間以上重合した。
この時、アリルヘプタフルオロブチルエーテル(Allyl 1H,1H−heptafluorobutyl ether)を、ソジウムスチレンスルホネートとの合計重量を基準として、5,10,20重量%に変化させつつ反応させた。すなわち、3種類のアリルヘプタフルオロブチルエーテル含量を有するサンプルについて反応を行った。
【0102】
反応物を室温で放置して沈殿を生成した後、ろ過装置を用いてポリ(ソジウムスチレンスルホネート−アリルヘプタフルオロブチルエーテル)共重合体{P(SSNa−co−AHFBE)}を得た。このように得た共重合体を、イオン交換樹脂を用いて反応させ、下記一般式(22)のようなポリ(スチレンスルホン酸−アリルヘプタフルオロブチルエーテル)共重合体{P(SSA−co−AHFBE)}を得た。
【0103】
【化24】

<実施例5>:スチレンスルホン酸−アリルヘキサフルオロイソプロパノール共重合体の調製
シグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)社のソジウムスチレンスルホネート(SSNa)19g、アリルヘキサフルオロイソプロパノール(2−Allylhexafluoro−isopropanol)1gにジメチルスルホキシド(DMSO)0.24Lを加え加熱しながら、完全に溶かした。
【0104】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1gをジメチルスルホキシド(DMSO)に滴加した後、24時間以上重合した。
この時、アリルヘキサフルオロイソプロパノールを、ソジウムスチレンスルホネートとの合計重量を基準として、2、5、10、20重量%に変化させつつ反応させた。すなわち、3種類のアリルヘキサフルオロイソプロパノール含量を有するサンプルについて反応を行った。反応物を室温で放置して沈殿を生成した後、ろ過装置を用いてポリ(ソジウムスチレンスルホネート−アリルヘキサフルオロイソプロパノール)共重合体{P(SSA−co−AHFIP)}を得た。
【0105】
このように得た共重合体を、イオン交換樹脂を用いて反応させ、下記一般式(23)のようなポリ(スチレンスルホン酸−アリルヘキサフルオロイソプロパノール)共重合体{P(SSA−co−AHFIP)}を得た。
【0106】
【化25】

<実施例6>:ドーピングされたポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン共重合体溶液の製造
実施例1の共重合体と3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)とを水溶液において攪拌しつつ過硫酸アンモニウム酸化剤を用いて下記表1の条件で重合した。ここで、過硫酸アンモニウムの量としては、特に制限はないものの、反応に充分な量を使用した。なお、表1において、「疎水性基含量」は、実施例1の共重合体中の含フッ素成分の含量であり、「EDOT含量」はEDOTと実施例1の共重合体との合計重量に対するEDOTの含量である。
【0107】
反応終了及び副産物として生成された塩は、イオン交換樹脂または透析を用いた方法で精製した。このように得られた高分子複合体の固体含量は、1.5重量%であった。得られた高分子複合体は、有機電界発光素子の製作に使用した。
【0108】
【表1】

<実施例7>:有機電界発光素子の製作
コーニング(Corning)15Ψ/cm2(1200Å)ITOガラス基板を、横×縦×厚50mm×50mm×0.7mm大きさに切ってイソプロピルアルコールと純粋水中で各5分間超音波洗浄した後、30分間UV、オゾン洗浄した。
【0109】
このようにして用意した基板上に、実施例6で製造した伝導性高分子水溶液(すなわち、高分子複合体)をスピンコーティングして300nm厚の正孔注入層を形成した。
【0110】
正孔注入層上に緑色発光高分子で700nm厚の発光層を形成した後、この発光層上に第2電極としてLiF、Al 100nmを形成することで、有機電界発光素子を製造した。この時、実施例6で製造された伝導性高分子水溶液を用いて得られた有機電界発光素子を、下記表2のように命名する。
【0111】
【表2】

<比較例1>
ドーピング用高分子として、実施例1乃至5のような共重合体ではなくシグマアルドリッチ(Sigma Aldrich)社のポリスチレンスルホン酸(PSS)を使用した以外は、上記実施例6と同じ方法でドーピングされたポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン、12時間、24時間反応させて共重合体溶液を製作し、これをそれぞれサンプルRef−S1、Ref−S2と名づけた。
【0112】
<比較例2>
正孔注入層形成物質としてBayer社の製品名Batron P 4083 PEDOT−PSSの水溶液を使用した以外は、上記実施例7と同じ方法で有機電界発光素子を製作したし、これをサンプルRef−Dと名づけた。
【0113】
<発光効率特性評価>
上記サンプルD1乃至D4及びサンプルRef−Dの発光効率をSpectraScan PR650スペクトロラジオメーター(spectroradiometer)を用いて測定し、その結果を下記表3と図2及び図3に示した。
【0114】
【表3】

表3と図2及び図3を参照すると、実施例の中で最も良い効率を示すデバイスサンプルはD−2で、電流効率は約10.5cd/Aの値を表し、約7.7cd/Aの効率を表すサンプルRef−Dに比べて36%の向上を見せており、電力効率(lm/W)もまた51%の向上を見せていることがわかる。
【0115】
D−2の他に、D−1、D−3、D−4も大部分サンプルRef−Dに比べて効率が向上したことが表3からわかる。これにより、本発明の伝導性高分子組成物を正孔注入層に用いた有機電界発光素子が優れた発光効率を持つことは明らかである。
【0116】
<ろ過特性評価>
上記サンプルS−1〜S−10とサンプルRef−S高分子複合体とのろ過特性を把握するために、Millipore社PVDF材質の0.45μmシリンジディスク(syringe disk)フィルタを用いて各サンプルを10mlずつろ過し、その結果を表4に示す。
【0117】
【表4】

3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)の含量が増加するほど、また、反応時間が長いほどろ過性は低下するが、上記表4を参照すると、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)の含量が14重量%と同量であっても、疎水性官能基が含まれている組成物は、疎水性官能基のないRef−S1、Ref−S2に比べて優れたろ過性を示し、さらには、S−6のように3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)含量20重量%、反応時間24時間のサンプルまでもろ過が可能であることがわかる。
【0118】
これにより、本発明の伝導性高分子組成物が疎水性基のフルオロ置換体によるモフォロジーの変化によって固形分の凝集現象が抑えられることがわかり、長時間保管においてもPEDOT−PSSとは違い、凝集体生成が少ないことが確認された。
【0119】
<酸性度評価>
上記サンプルS1〜S6及びサンプルRef−S1、Ref−S2の酸性度をOrion 5 star水素イオン濃度測定器(pH meter)を用いて測定し、その結果を表5に示す。
【0120】
【表5】

表5を参照すると、本発明のS−1〜S−6の伝導性高分子組成物のpHが、比較サンプルであるRef−S2に比べて酸性度が低いことがわかり、これは、本発明の伝導性高分子組成物の酸基含量減少による効果である。
【0121】
以上添付の図面及び表を参照して本発明の実施例を説明してきたが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、他の様々な形態に製造されることができ、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者にとっては、本発明の技術的思想や必須な特徴を逸脱しない限度内で他の具体的な形態に実施できることは明らかである。したがって、以上で記述された実施例はあらゆる面で例示的なもので、限定的なものとして理解してはいけない。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】図1(a)〜(d)は、それぞれ、本発明の好ましい実施例によって製造される有機電界発光素子の積層構造を概略的に示す断面図である。
【図2】実施例及び比較例によって製造された有機発光素子についての電圧に対する発光電力効率特性を測定した結果グラフである。
【図3】実施例及び比較例によって製造された有機発光素子についての電圧に対する発光電流効率特性を測定した結果グラフである。
【符号の説明】
【0123】
10 第1電極
11 正孔注入層
12 発光層
13 正孔抑制層
14 第2電極
15 電子輸送層
16 正孔輸送層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導性高分子に、下記一般式(1)で表されるポリ酸共重合体がドーピングされている伝導性高分子共重合体:
【化1】

上記式(1)中、0<m≦10,000,000であり、0≦n<10,000,000であり、0.0001≦m/n≦100である。
Aは、炭素系であり、置換または非置換のC1−C30のアルキル基;置換または非置換のC1−C30のヘテロアルキル基;置換または非置換のC1−C30のアルコキシ基;置換または非置換のC1−C30のヘテロアルコキシ基;置換または非置換のC6−C30のアリール基、置換または非置換のC6−C30のアリールアルキル基、置換または非置換のC6−C30のアリールオキシ基、置換または非置換のC2−C30のヘテロアリール基、置換または非置換のC2−C30のヘテロアリールアルキル基;置換または非置換のC2−C30のヘテロアリールオキシ基;置換または非置換のC5−C20のシクロアルキル基;置換または非置換のC2−C30のヘテロシクロアルキル基;置換または非置換のC1−C30のアルキルエステル基;置換または非置換のC1−C30のヘテロアルキルエステル基;置換または非置換のC6−C30のアリールエステル基;及び、置換または非置換のC2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれ、各官能基の炭素と結合した水素は、別の官能基に置換することができる。
Bは、イオン基であるか、または、イオン化合物を含むことができ、このとき、イオン基は、−PO3-、−SO3-、−COO-のような陰イオン性基、−NH3+のような陽イオン性基、またはCH3(−CH2−)n(nは、1〜50の自然数)のような有機イオンなどの官能基であり、また、イオン化合物は、陽イオンと陰イオンの対からなり、陽イオンには、Na+、K+、Li+、Mg2+、Zn2+、Al3+のような金属イオン;H+、NH4+、があり、陰イオンは、I-、CH3COO-などがある。
Cは、多量のハロゲン基が導入されている炭素化合物で、好ましくは、水素の50%以上がハロゲン基で置換された炭素数2〜30の炭素化合物であり、窒素、リン、硫黄、ケイ素または酸素原子をさらに含むことができる。
【請求項2】
前記伝導性高分子は、
ポリフェニレン;
ポリフェニレンビニレン;
下記一般式(3)で表されるアニリンまたはその誘導体である単量体を重合した重合体;
下記一般式(4)で表されるピロール、チオフェンまたはその誘導体である単量体を重合した重合体;および、
下記一般式(5)で表される環状単量体を重合した重合体
から1以上選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の伝導性高分子共重合体:
【化2】

(上記式(3)中、Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素;C1−C30のアルキル基;C1−C30のヘテロアルキル基;C1−C30のアルコキシ基;C1−C30のヘテロアルコキシ基;C6−C30のアリール基;C6−C30のアリールアルキル基;C6−C30のアリールオキシ基;C6−C30のアリールアミン基;C6−C30のピロール基;C6−C30のチオフェン基;C2−C30のヘテロアリール基;C2−C30のヘテロアリールアルキル基;C2−C30のヘテロアリールオキシ基;C5−C20のシクロアルキル基;C2−C30のヘテロシクロアルキル基;C1−C30のアルキルエステル基;C1−C30のヘテロアルキルエステル基;C6−C30のアリールエステル基;及び、C2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれるいずれかであり、炭素原子に結合した水素を別の官能基で置換することができる。)、
【化3】

(上記式(4)中、Xは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子にC1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
e、Rfは、それぞれ独立に、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子にC1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したもの;C1−C30のアルキル基;C6−C30のアリール基;C1−C30のアルコキシ基;C1−C30のヘテロアルキル基;C1−C30のヘテロアルコキシ基;C6−C30のアリールアルキル基;C6−C30のアリールオキシ基;C6−C30のアリールアミン基;C6−C30のピロール基;C6−C30のチオフェン基;C2−C30のヘテロアリール基;C2−C30のヘテロアリールアルキル基;C2−C30のヘテロアリールオキシ基;C5−C20のシクロアルキル基;C2−C30のヘテロシクロアルキル基;C1−C30のアルキルエステル基;C1−C30のヘテロアルキルエステル基;C6−C30のアリールエステル基;及び、C2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれるいずれかであり、炭素原子に結合した水素を別の官能基で置換することができる。)、
【化4】

(上記式(5)中、Xは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子に、C1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
Yは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子に、C1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
mとnはそれぞれ独立に0〜9の整数を表し、
Zは、−(CH2x−CRgh−(CH2yを表し、ここで、Rg及びRhはそれぞれ独立に、H、C1−C20のアルキルラジカル、C6−C14のアリールラジカルまたは−CH2−ORiであり、ここで、RiはH、C1−C6のアルキル酸、C1−C6のアルキルエステル、C1−C6のヘテロアルキル酸またはC1−C6のアルキルスルホン酸であり、炭素に結合した一つ以上の水素は他の置換基で置換されることができ、
x及びyは、それぞれ独立に0〜5の整数であり;Zに含まれる炭素と結合した少なくとも1の水素は、他の官能基で置換している。)。
【請求項3】
請求項1に記載の伝導性高分子共重合体が溶媒に分散しており、かつ物理的架橋剤または化学的架橋剤を含む伝導性高分子共重合体組成物。
【請求項4】
前記伝導性高分子は、
ポリフェニレン;
ポリフェニレンビニレン;
下記一般式(3)で表されるポリアニリンまたはその誘導体である単量体を重合した重合体;
下記一般式(4)で表されるピロール、チオフェンまたはその誘導体である単量体を重合した重合体;
下記一般式(5)で表される環状単量体を重合した重合体
から1以上選ばれることを特徴とする、請求項3に記載の伝導性高分子共重合体組成物:
【化5】

(上記式(3)中、Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素;C1−C30のアルキル基;C1−C30のヘテロアルキル基;C1−C30のアルコキシ基;C1−C30のヘテロアルコキシ基;C6−C30のアリール基;C6−C30のアリールアルキル基;C6−C30のアリールオキシ基;C6−C30のアリールアミン基;C6−C30のピロール基;C6−C30のチオフェン基;C2−C30のヘテロアリール基;C2−C30のヘテロアリールアルキル基;C2−C30のヘテロアリールオキシ基;C5−C20のシクロアルキル基;C2−C30のヘテロシクロアルキル基;C1−C30のアルキルエステル基;C1−C30のヘテロアルキルエステル基;C6−C30のアリールエステル基;及び、C2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれるいずれかであり、炭素原子に結合した水素を別の官能基で置換することができる。)、
【化6】

(上記式(4)中、Xは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子にC1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
e、Rfは、それぞれ独立に、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子にC1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したもの;C1−C30のアルキル基;C6−C30のアリール基;C1−C30のアルコキシ基;C1−C30のヘテロアルキル基;C1−C30のヘテロアルコキシ基;C6−C30のアリールアルキル基;C6−C30のアリールオキシ基;C6−C30のアリールアミン基;C6−C30のピロール基;C6−C30のチオフェン基;C2−C30のヘテロアリール基;C2−C30のヘテロアリールアルキル基;C2−C30のヘテロアリールオキシ基;C5−C20のシクロアルキル基;C2−C30のヘテロシクロアルキル基;C1−C30のアルキルエステル基;C1−C30のヘテロアルキルエステル基;C6−C30のアリールエステル基;及び、C2−C30のヘテロアリールエステル基からなる群より選ばれるいずれかであり、炭素原子に結合した水素を別の官能基で置換することができる。)、
【化7】

(上記式(5)中、Xは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子に、C1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
Yは、NH;N、O、SまたはPのようなヘテロ原子に、C1−C20のアルキル基またはC6−C20のアリール基が結合したものを表し、
mとnはそれぞれ独立に0〜9の整数を表し、
Zは、−(CH2x−CRgh−(CH2yを表し、ここで、Rg及びRhはそれぞれ独立に、H、C1−C20のアルキルラジカル、C6−C14のアリールラジカルまたは−CH2−ORiであり、ここで、RiはH、C1−C6のアルキル酸、C1−C6のアルキルエステル、C1−C6のヘテロアルキル酸またはC1−C6のアルキルスルホン酸であり、炭素に結合した一つ以上の水素を他の置換基で置換することができ、
x及びyは、それぞれ独立に0〜5の整数であり;Zに含まれる炭素と結合した少なくとも1の水素は、他の官能基で置換している。)。
【請求項5】
前記物理的架橋剤は、前記伝導性高分子共重合体100重量部に対して0.001〜5重量部含まれていることを特徴とする、請求項3に記載の伝導性高分子共重合体組成物。
【請求項6】
前記化学的架橋剤は、前記伝導性高分子共重合体100重量部に対して0.001〜50重量部含まれていることを特徴とする、請求項3に記載の伝導性高分子共重合体組成物。
【請求項7】
前記物理的架橋剤は、グリセロール、ブタノール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、及びポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする、請求項3に記載の伝導性高分子共重合体組成物。
【請求項8】
前記化学的架橋剤は、テトラエチルオキシシラン、ポリアジリジン、メラミン系高分子、及びエポキシ系高分子からなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする、請求項3に記載の伝導性高分子共重合体組成物。
【請求項9】
前記溶媒は、水、アルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン及びクロロベンゼンからなる群より選ばれる1以上の溶媒を含むことを特徴とする、請求項3に記載の伝導性高分子共重合体組成物。
【請求項10】
請求項3の伝導性高分子共重合体組成物によって形成される、有機光電素子用伝導性高分子共重合体組成物膜。
【請求項11】
請求項10の伝導性高分子共重合体組成物膜を含む有機光電素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−121014(P2008−121014A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291344(P2007−291344)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】