説明

伝票作成装置、伝票作成制御プログラムおよびプリント装置

【課題】 伝票の保管を容易に行えるようにする。
【解決手段】 伝票作成装置100は、伝票へ記載する記載情報を入力する入力手段1,8,9,10,11と、入力手段1,8,9,10,11により入力された記載情報を伝票中に表示するためのプリント用画像を生成する生成手段1と、プリント用紙に対してプリント用画像を形成する画像形成手段1,12,13と、画像形成手段1,12,13によりプリント用画像が形成されたのちにプリント用紙を搬送する搬送手段12と、搬送手段12により搬送されるプリント用紙に形成されている画像を読み取って、画像を表す画像データを生成する読取手段14と、読取手段14により生成された画像データを記憶する記憶手段1,4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、伝票作成装置、伝票作成制御プログラムおよびプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
伝票作成装置によって作成された伝票の一部は、例えば法的な定めなどの事情により保管することが必要である。
【0003】
このような伝票の保管は、紙にプリントされた状態で行われることが一般的である。
【0004】
あるいは、紙にプリントされた伝票の画像をスキャナで読み取って得られた電子データが保管される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−221571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紙での保管は、保管スペースが必要となる。また電子データで保管するためには、利用者がプリントされた伝票をスキャナにセットしてスキャンさせる必要があるために、利用者の手間になる。
【0007】
このような事情から、伝票の保管を容易に行えることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の伝票作成装置は、伝票へ記載する記載情報を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記記載情報を前記伝票中に表示するためのプリント用画像を生成する生成手段と、プリント用紙に対して前記プリント用画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により前記プリント用画像が形成されたのちに前記プリント用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記プリント用紙に形成されている画像を読み取って、当該画像を表す画像データを生成する読取手段と、前記読取手段により生成された前記画像データを記憶する記憶手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態に係る伝票作成装置の要部構成を示すブロック図。
【図2】図1中のプリンタの一部の構造を示す図。
【図3】図1中のプリンタの一部の構造を示す図。
【図4】図1中のCPU1による伝票作成処理におけるフローチャート。
【図5】プリント用紙に予め形成されている画像の一例を示す図。
【図6】プリント用画像の一例を示す図。
【図7】図1に示す伝票作成装置により作成される伝票の一例を示す図。
【図8】伝票管理テーブルの記述例を模式的に示す図。
【図9】図1中のCPU1による保管伝票プリント処理におけるフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、プリント装置としての機能を備えた伝票作成装置を例に説明する。
【0011】
図1は本実施形態に係る伝票作成装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0012】
伝票作成装置100は、CPU(central processing unit)1、ROM(read-only memory)2、RAM(random-access memory)3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、表示デバイス6、表示コントローラ7、タッチセンサ8、タッチセンサコントローラ9、キーボード10、キーボードコントローラ11、プリンタ12、プリンタコントローラ13、スキャナ14、スキャナコントローラ15、可搬媒体ドライブ16、ドライブコントローラ17および通信デバイス18を含む。これらの各部のうちのCPU1、ROM2、RAM3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、表示コントローラ7、タッチセンサコントローラ9、キーボードコントローラ11、プリンタコントローラ13、スキャナコントローラ15、ドライブコントローラ17および通信デバイス18は、システムバス19にそれぞれ接続されている。
【0013】
CPU1は、ROM2、RAM3および補助記憶ユニット4に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、伝票作成装置100としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0014】
ROM2は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM2は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM2は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合も有る。
【0015】
RAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM3は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0016】
補助記憶ユニット4は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU1が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU1での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット4に記憶されるデータには、各種伝票のフォームを表すデータ、複数の得意先のそれぞれについての名称や所在地などが記述されたデータベース、さらには伝票に記載するために入力済みの各種の情報などが含まれる。補助記憶ユニット4は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。補助記憶ユニット4の記憶領域の一部は、伝票管理テーブルとして使用される。
【0017】
ROM2、RAM3または補助記憶ユニット4に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する伝票作成処理および保管伝票プリント処理に関して記述した伝票作成制御プログラムを含む。この伝票作成制御プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶される場合、伝票作成装置100の譲渡は、一般的に伝票作成制御プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶された状態にて行われる。しかし、伝票作成装置100を伝票作成制御プログラムがRAM3に記憶されない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいは通信ネットワーク200を介して上記の伝票作成制御プログラムを譲渡され、この伝票作成制御プログラムが上記の別途に譲渡された伝票作成装置100のRAM3または補助記憶ユニット4に書き込まれても良い。伝票作成制御プログラムは、伝票作成処理および保管伝票プリント処理の双方を記述したものであっても良いし、伝票作成処理および保管伝票プリント処理を個別に記述した別々のものであっても良い。
【0018】
時計ユニット5は、定常的に計時動作を行い、日付および時刻を表した日時情報を生成する。
【0019】
表示デバイス6は、例えばLCD(liquid crystal display)であり、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。表示デバイス6は、操作者に対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0020】
表示コントローラ7は、CPU1の制御の下に表示デバイス6の動作を制御する。
【0021】
タッチセンサ8は、表示デバイス6の表示面に重ねて配置され、表示デバイス6の表示面に対して指やタッチペンなどによるタッチがなされた場合に、そのタッチ位置を検知し、そのタッチ位置に応じた検知信号を出力する。具体的にはタッチセンサ8は、表示デバイス6の表示面にほぼ匹敵する検知範囲を有する。そしたタッチセンサ8は、検知範囲内にマトリクス状に設定された多数の検知位置のそれぞれに応じた検知信号を出力する。
【0022】
タッチセンサコントローラ9は、CPU1の制御の下にタッチセンサ8の動作を制御するとともに、タッチセンサ8が出力する検知信号を座標情報に変換し、この座標情報をRAM3に書き込む。
【0023】
キーボード10は、多数のキーと、これら多数のキーの押下をそれぞれ検出するスイッチとを含む。キーボード10は、キーが押下されたことに応じて、そのキーに応じたコマンドを出力する。キーボード10としては、例えばOADG(the PC open architecture developers' group)に準拠した日本語キーボードなどを用いることができる。
【0024】
キーボードコントローラ11は、CPU1の制御の下にキーボード10の動作を制御するとともに、キーボード10が出力したコマンドをRAM3に書き込む。
【0025】
プリンタ12は、プリント用紙に対して画像をプリントする。プリンタ12としては、ドットインパクトプリンタ、レーザプリンタ、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタなどの様々なタイプのプリンタを適宜に使用できる。ただし、プリント用紙として複写伝票用紙を使用する場合には、ドットインパクトプリンタを適用することが望ましい。
【0026】
プリンタコントローラ13は、CPU1の制御の下にプリンタ12の動作を制御する。
【0027】
スキャナ14は、プリンタ12により画像がプリントされたのちにプリント用紙に形成されている画像を読み取り、その画像を表した画像データ(以下、スキャンデータと称する)を出力する。なお、スキャナ14が読み取る画像は、プリンタ12によりプリント用紙にプリントされた画像の他に、プリント用紙に予め形成されていた罫線などの画像を含むこともある。
【0028】
スキャナコントローラ15は、CPU1の制御の下にスキャナ14の動作を制御するとともに、スキャナ14が出力したスキャンデータをRAM3に書き込む。
【0029】
可搬媒体ドライブ16は、上記のようなリムーバブルな記録媒体の少なくともいずれか1つに対応している。そして可搬媒体ドライブ16は、そのような対応する記憶媒体に記憶されているプログラムやデータを読み出す。可搬媒体ドライブ16は、記憶媒体に対してデータを書き込み可能なものであっても良い。
【0030】
ドライブコントローラ17は、CPU1の制御の下に可搬媒体ドライブ16の動作を制御する。
【0031】
通信デバイス18は、通信ネットワーク200を介して別の装置と通信する。
【0032】
ところで、伝票作成制御プログラムに基づいた処理を実行することによってCPU1は、次のような各種の処理手段として機能する。上記の処理手段の1つは、伝票へ記載する記載情報をタッチセンサ8やキーボード10を利用して入力する。上記の処理手段の1つは、上記の記載情報を伝票上に表示するためのプリント用画像を生成する。上記の処理手段の1つは、プリント用画像をプリントするようにプリンタコントローラ13を介してプリンタ12を制御する。上記の処理手段の1つは、スキャナ14により得られたスキャンデータを記憶するように補助記憶ユニット4を制御する。上記の処理手段の1つは、補助記憶ユニット4に記憶されたスキャンデータを、上記の記載情報のうちの少なくとも1つに関連付けて管理するとともに、指定されたキー情報とスキャンデータに関連付けた記記載情報との照合によって、補助記憶ユニット4に記憶されたスキャンデータのうちから上記のキー情報に関連する画像データを選出する。上記の処理手段の1つは、補助記憶ユニット4に記憶されたスキャンデータが表す画像をプリントするようにプリンタコントローラ13を介してプリンタ12を制御する。
【0033】
図2および図3はプリンタ12の一部の構造を示す図である。図2は伝票作成装置100の筐体101のプリンタ12付近を鉛直方向に破断して水平方向から目視した様子を示す図である。図3は図2に示される要素のうちの筐体101以外を上方から目視した様子を示す図である。
【0034】
プリンタ12は、搬送ローラ12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h、ガイドプレート12i、プリントヘッド12j、ペーパーガイド12kおよびプラテン12mを含む。
【0035】
搬送ローラ12a〜12hは、2本ずつが一対となり、それぞれが回転することによってプリント用紙51を水平方向(図2および図3における左右方向)に搬送する。
【0036】
ガイドプレート12iは、搬送ローラ12a〜12hによるプリント用紙51の搬送方向が水平方向に維持されるようにプリント用紙51をガイドする。
【0037】
プリントヘッド12jは、搬送ローラ12c,12dによってプリント用紙51が送り込まれる位置にて当該プリント用紙51に対向するように配置されている。またプリントヘッド12jは、図示しないキャリッジに取り付けられており、このキャリッジの移動に伴って図3に実線で示す状態と破線で示す状態との間で水平に往復移動することができる。プリントヘッド12jは、プリント用紙51に画像を形成する。ただし、主走査がプリントヘッド12jの移動によって、また副走査がプリント用紙51の搬送によってそれぞれ実施されることにより、プリント用紙51のほぼ全面にわたり画像を形成できる。なお、プリンタ12としてドットインパクトプリンタを用いている場合には、プリントヘッド12jはいくつかのインパクトピンを備えている。そして、このインパクトピンによりインクリボンをプリント用紙51に対して打ち付けることによって、インクリボンに塗布されているインクによりプリント用紙51に画像を形成する。さらに、プリント用紙51が複写伝票用紙である場合には、インパクトピンを打ち付けたことによる圧力によって2枚目以降の各用紙に画像が形成される。
【0038】
ペーパーガイド12kは、プリントヘッド12jの近傍に設けられていて、搬送ローラ12a〜12hにより搬送されるプリント用紙51がプリントヘッド12jに引っ掛かることがないようにするとともに、移動するプリントヘッド12jがプリント用紙51に引っ掛からないようにする。ペーパーガイド12kは、上記のキャリッジに取り付けられていて、プリントヘッド12jと一緒に移動する。またペーパーガイド12kには、図示しない開口が形成されていて、プリント用紙51へとインパクトピンを打ち付けるためのプリントヘッド12jの動作を妨げない。
【0039】
プラテン12mは、プリント用紙51の搬送経路を挟んでプリントヘッド12jに対向して配置されている。プラテン12mは、プリントヘッド12jがどの位置にあってもプリントヘッド12jに対向するように、プリントヘッド12jの移動方向に沿って延びている。プラテン12mは、例えば弾性のある樹脂などによりなり、プリントヘッド12jにより画像が形成されるに際してプリント用紙51の背面をサポートする。
【0040】
かくしてプリンタ12は、搬送ローラ12a〜12dにより送り込まれたプリント用紙51に対してプリントヘッド12jにより画像を形成し、この画像が形成された後のプリント用紙51を搬送ローラ12e〜12hにより排出するようになっている。つまり搬送ローラ12e〜12hは、画像が形成されたのちにプリント用紙51を搬送する搬送手段として機能する。
【0041】
さてスキャナ14は図2および図3に示すように、搬送ローラ12e,12fにより搬送ローラ12g,12hへと送り込まれる際のプリント用紙51の搬送経路に面して、当該搬送経路上の任意の位置をスキャニング位置SPとするように配置されている。そしてスキャナ14は、スキャニング位置SPにおいて、そこを通過するプリント用紙51に形成されている画像を1〜数ライン分ずつ読み取る。つまりスキャナ14は、搬送ローラ12e,12fにより搬送ローラ12g,12hによるプリント用紙51の搬送に同期した読み取り動作を繰り返すことによって、プリント用紙51に対してプリントヘッド12jにより画像を含んだ画像を読み取ることができる。
【0042】
次に以上のように構成された伝票作成装置100の動作について説明する。
【0043】
伝票の作成が操作者によって要求されるとCPU1は、図4に示すような伝票作成処理を開始する。
【0044】
ステップSa1においてCPU1は、予め登録された複数の伝票のフォームのうちの1つを、例えば操作者による指示に応じて選択する。
【0045】
ステップSa2においてCPU1は、伝票に記載する情報(以下、記載情報と称する)を入力する操作が行われたか否かを確認する。そしてそのような操作が行われていない場合(ステップSa2のNO)、CPU1はステップSa3へ進む。
【0046】
ステップSa3においてCPU1は、伝票のプリントを要求する操作が行われたか否かを確認する。そしてそのような操作が行われていない場合(ステップSa3のNO)、CPU1はステップSa2に戻る。かくしてステップSa2およびステップSa3においてCPU1は、記載情報を入力する操作またはプリントを要求する操作のいずれかが行われるのを待ち受ける。そして、例えばタッチセンサ8やキーボード10にて記載情報を入力する操作が行われたならば(ステップSa2のYES)、CPU1はステップSa4へ移行する。
【0047】
ステップSa4においてCPU1は、上記の操作により入力された情報を記載情報としてRAM3に保存する。
【0048】
ステップSa5においてCPU1は、今回入力された記載情報が予め定められたキー情報に該当するか否かを判断する。そして、キー情報に該当する場合(ステップSa5のYES)、CPU1はステップSa6へ進む。
【0049】
ステップSa6においてCPU1は、今回入力された記載情報をキー情報としてRAM3に保存する。
【0050】
こののちにCPU1は、ステップSa2およびステップSa3の待ち受け状態に戻る。なお、今回入力された記載情報が予め定められたキー情報に該当しない場合(ステップSa5のNO)、CPU1はステップSa6を行うことなしにステップSa2およびステップSa3の待ち受け状態に戻る。
【0051】
さて、伝票のプリントを要求する操作が行われた場合(ステップSa3のYES)、CPU1はステップSa7へ進む。
【0052】
ステップSa7においてCPU1は、RAM3に記憶されている記載情報を表す画像をステップSa1で選択したフォームに応じて画像領域中に展開することによってプリント用画像を生成する。ここで生成されるプリント用画像を表したプリント用データは、RAM3に記憶される。
【0053】
ステップSa8においてCPU1は、プリント用画像のプリントを開始するようにプリンタコントローラ13に指示する。この指示を受けてプリンタコントローラ13は、RAM3に上記のように記憶されたプリント用データを読み出し、これに基づいてプリント用画像をプリント用紙51へとプリントするようにプリンタ12を制御する。例えば、図5に示すような画像が既に形成されているプリント用紙51に対して、例えば図6に示すようなプリント用画像をプリントする。そしてこの結果、例えば図7に示すような伝票が作成されることになる。
【0054】
なお、図7に示すようなプリント用画像を生成し、これを白紙のプリント用用紙にプリントすることによって伝票を作成することも可能である。
【0055】
ステップSa9においてCPU1は、スキャン開始をスキャナコントローラ15に指示する。この指示を受けてスキャナコントローラ15は、スキャニング位置SPを通過するプリント用紙51に形成されている画像を読み取るようにスキャナ14を制御する。スキャニング位置SPには、プリンタ12によってプリント用画像がプリントされた後のプリント用紙51が搬送ローラ12e,12fによって送り込まれるので、例えば図7に示すようにプリント用画像を含んだ画像がスキャナ14によって読み取られることになる。これによってスキャナ14よって得られたスキャンデータは、スキャナコントローラ15によってRAM3に保存される。
【0056】
以上のようにプリントおよびスキャンが行われている状態でステップSa10においてCPU1は、プリントが終了したか否かを確認する。そしてプリントが終了していなければ(ステップSa10のNO)、CPU1はステップSa10を繰り返す。すなわちCPU1は、プリントが終了するのを待ち受ける。
【0057】
プリンタコントローラ13は、1つのプリント用画像についてのプリントが終了すると、その旨をCPU1に報告する。そしてこの報告によってプリントが終了したことを確認したならば(ステップSa10のYES)、CPU1はステップSa11へ進む。
【0058】
ステップSa11においてCPU1は、スキャンが終了したか否かを確認する。そしてスキャンが終了していなければ(ステップSa11のNO)、CPU1はステップSa11を繰り返す。すなわちCPU1は、スキャンが終了するのを待ち受ける。
【0059】
スキャナコントローラ15は、1枚または1組のプリント用紙51についてのスキャンが終了すると、その旨をCPU1に報告する。そしてこの報告によってスキャンが終了したことを確認したならば(ステップSa11のYES)、CPU1はステップSa12へ進む。
【0060】
ステップSa12においてCPU1は、スキャナ14によりスキャンされたスキャン画像をRAM3に記憶されているキー情報に関連付けて補助記憶ユニット4に保存する。具体的には例えば、スキャナコントローラ15によってRAM3へと保存されたスキャンデータに、他のスキャンデータと識別可能なファイル名を付与した上で、そのファイル名のデータファイルとして補助記憶ユニット4に保存する。さらに、そのスキャンデータのファイル名とRAM3に記憶されているキー情報とを互いに関連付けて記述するように伝票管理テーブルを更新する。
【0061】
図8は伝票管理テーブルの記述例を模式的に示す図である。
【0062】
図8に示す伝票管理テーブルは、日付、得意先名および部署名に関する各情報をキー情報とする場合のものである。そして図8では、図7に示した伝票をスキャナ14で読み取って得られたスキャンデータが、「invoice1004010015」なるファイル名のデータファイルとして補助記憶ユニット4に記憶されていることを表している。さらに図8では、図7に示した伝票への記載情報のうちで日付、得意先名および部署名に関するものとして入力された「2010-04-01」、「○×商会」および「物品販売部」の各情報が関連することが記述されていることを表している。
【0063】
ステップSa12を終えたならばCPU1は、図4に示した1件分の伝票作成処理を終了する。
【0064】
以上のような伝票作成処理により、伝票が作成されるとともに、この作成された伝票に形成された画像をスキャンして、当該スキャン画像を表したスキャンデータを保管する処理が、操作者の介在無しに自動的に行われる。しかも、図5に示すように予め罫線などが形成されたプリント用紙を使用する場合には、プリント用画像とプリント用画像がプリントされた後においてプリント用紙に形成されている画像とが互いに異なるため、プリント用画像を保存したのでは作成された伝票を保存したことにはならないのであるが、本実施形態では作成された伝票を正しく保存することができる。
【0065】
過去に作成した伝票のプリントが操作者によって要求されるとCPU1は、図9に示すような保管伝票プリント処理を実行する。
【0066】
ステップSb1においてCPU1は、操作者が指定するキー情報を入力する。
【0067】
ステップSb2においてCPU1は、上記のように入力したキー情報に関連付けられたスキャン画像を伝票管理テーブルを参照して抽出する。具体的にはCPU1は、ステップSb1で入力したキー情報をキーとして伝票管理テーブルを検索し、そのキー情報が関連付けられているファイル名を抽出する。
【0068】
ステップSb3においてCPU1は、上記のように抽出したスキャン画像の一覧を表した一覧画像を生成し、この一覧画像を表示するように表示コントローラ7に指示する。この指示に応じて表示コントローラ7は、一覧画像を表示するように表示デバイス6を制御する。なお一覧画像は、ステップSb2で抽出されたファイル名を一覧で表すもの、ファイル名の一覧とともに関連付けられたキー情報を表したもの、あるいはステップSb2で抽出されたファイル名が付与されたスキャンデータが表す画像をサムネイル表示するものなどのような様々な形態の画像のいずれであっても良い。
【0069】
ステップSb4においてCPU1は、一覧画像に表されたスキャン画像のうちの1つが指定されたか否かを確認する。そしてそのような指定がなされていなければ(ステップSb4のNO)、CPU1はステップSb5へ進み、キー情報の変更が要求されたか否かを確認する。そしてそのような要求がなされていなければ(ステップSb5のNO)、CPU1はステップSb4へ戻る。かくしてステップSb4およびステップSb5においてCPU1は、スキャン画像のうちの1つが指定されるか、あるいはキー情報の変更が要求されるのを待ち受ける。
【0070】
操作者は、表示デバイス6に表示された一覧画像を確認して所用のスキャン画像を見つけることができなかった場合には、タッチセンサ8またはキーボード10を使用した所定の操作によってキー情報の変更を要求することができる。そしてこのような要求がなされたならば(ステップSb5のYES)、CPU1はステップSb1に戻る。
【0071】
操作者は、表示デバイス6に表示された一覧画像を確認して所用のスキャン画像を見つけた場合には、タッチセンサ8またはキーボード10を使用した所定の操作によって1つのスキャン画像を指定することができる。そしてこのような指定がなされたならば(ステップSb4のYES)、CPU1はステップSb6へ進む。
【0072】
ステップSb6においてCPU1は、指定されたスキャン画像のプリント開始をプリンタコントローラ13に指示する。この指示に応じてプリンタコントローラ13は、指定されたスキャン画像に対応するスキャンデータを補助記憶ユニット4から読み出して、そのスキャンデータに基づいてスキャン画像をプリント用紙51に印刷するようにプリンタ12を制御する。なおこのときに、プリント用紙51としてどのような用紙を使用するかは操作者が任意に決定すれば良いが、スキャン画像には伝票作成時に使用した伝票用のプリント用紙51に予め形成されていた画像が含まれる場合があるので、白紙の用紙を用いることが望ましい。
【0073】
ステップSb7においてCPU1は、プリントが終了したか否かを確認する。そしてプリントが終了していなければ(ステップSb7のNO)、CPU1はステップSb7を繰り返す。すなわちCPU1は、プリントが終了するのを待ち受ける。
【0074】
プリンタコントローラ13は、指定された1つのスキャン画像についてのプリントが終了すると、その旨をCPU1に報告する。そしてこの報告によってプリントが終了したことを確認したならば(ステップSb7のYES)、CPU1は図9に示した保管伝票プリント処理を終了する。
【0075】
以上のような保管伝票プリント処理により、過去に作成された伝票を再プリントすることができる。従って、このようにプリントされた画像に基づいて、過去に作成された伝票の内容を確認することが可能である。さらに、スキャンデータを、キー情報に関連付けて管理してあり、このキー情報を利用して操作者の所用とするスキャン画像の候補を絞り込むので、補助記憶ユニット4に多数のスキャンデータが保存された状態にあっても、このような多数のスキャン画像のうちから所用のスキャン画像を操作者が容易に探し出すことが可能である。しかも、キー情報は伝票への記載情報の一部を使用しているので、キー情報の指定を操作者がわざわざ行う必要が無く、操作者の負担を増大させてしまうことは無い。
【0076】
かくしてこの伝票作成装置100によれば、プリント用紙にプリントされた状態の伝票を保管しておく必要が無く、伝票のための保管スペースを確保する必要がない。かつ、プリント用紙にプリントされた状態の伝票を電子化するためや、それにより得られたデータを管理するための作業を操作者が行う必要がない。従って伝票作成装置100によれば、伝票の保管を容易に行うことができる。
【0077】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0078】
伝票の作成処理やスキャンデータの管理処理などを行う機能を備えた別の伝票作成装置に接続されて使用され、プリント用画像をプリント用紙へプリントする機能と、プリント用画像がプリントされた後のプリント用紙をスキャンする機能とを備えたプリント装置として実現することも可能である。
【0079】
保管伝票プリント処理においては、指定されたスキャン画像をまずは表示デバイス6に表示させ、さらにプリントが操作者により要求されたことに応じてプリント用紙51へとプリントしても良い。このようにすれば、操作者はプリントに先立ってスキャン画像の内容を確認することができるので、所用のスキャン画像を適切にプリントさせることができる。そしてこれにより、不要なスキャン画像をプリントしてしまうことを防止でき、プリント用紙51や時間の無駄を防ぐことが可能となる。
【0080】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…補助記憶ユニット、5…時計ユニット、6…表示デバイス、7…表示コントローラ、8…タッチセンサ、9…タッチセンサコントローラ、10…キーボード、11…キーボードコントローラ、12…プリンタ、12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h…搬送ローラ、12i…ガイドプレート、12j…プリントヘッド、12k…ペーパーガイド、12m…プラテン、13…プリンタコントローラ、14…スキャナ、15…スキャナコントローラ、16…可搬媒体ドライブ、17…ドライブコントローラ、18…通信デバイス、19…システムバス、51…プリント用紙、100…伝票作成装置、101…筐体、200…通信ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝票へ記載する記載情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記記載情報を前記伝票中に表示するためのプリント用画像を生成する生成手段と、
プリント用紙に対して前記プリント用画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により前記プリント用画像が形成されたのちに前記プリント用紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記プリント用紙に形成されている画像を読み取って、当該画像を表す画像データを生成する読取手段と、
前記読取手段により生成された前記画像データを記憶する記憶手段とを具備した伝票作成装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された前記画像データを、前記入力手段により入力された前記記載情報のうちの少なくとも1つに関連付けて管理する管理手段をさらに備える請求項1に記載の伝票作成装置。
【請求項3】
前記管理手段はさらに、指定されたキー情報と前記画像データに関連付けた前記記載情報との照合によって、前記記憶手段に記憶された前記画像データのうちから前記キー情報に関連する画像データを選出することを特徴とする請求項2に記載の伝票作成装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された前記画像データが表すプリント用画像を出力する出力手段をさらに備える請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の伝票作成装置。
【請求項5】
プリント用紙に画像を形成する画像形成デバイスと、前記画像形成手段により前記画像が形成されたのちに前記プリント用紙を搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送される前記プリント用紙に形成された前記画像を読み取って、当該画像を表す画像データを生成する読取デバイスと、電子データを記憶する記憶デバイスとを具備した伝票作成装置を制御するためのコンピュータを、
伝票へ記載する記載情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記記載情報を用いて前記伝票を表したプリント用画像を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記プリント用画像を前記プリント用紙に形成するように前記画像形成手段を制御するプリント制御手段と、
前記プリント制御手段の制御の下に前記画像形成手段により前記プリント用画像が形成されたのちに前記プリント用紙に形成された画像を読み取るように前記読取手段を制御する読取制御手段と、
前記読取制御手段の制御の下に前記読取手段により生成された前記画像データを記憶するように前記記憶デバイスを制御する記憶制御手段として機能させる伝票作成制御プログラム。
【請求項6】
プリント用紙に対して画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像が形成されたのちに前記プリント用紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記プリント用紙に形成された画像を読み取って、当該画像を表す画像データを生成する読取手段とを具備したプリント装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−4680(P2012−4680A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135394(P2010−135394)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】