伝送システム、記録装置、伝送方法、記録方法、およびプログラム
【課題】他の装置から伝送されてきたコンテンツをそのトリックプレイに用いられる情報とともに記録することを効率的に行うことができるようにする。
【解決手段】PVR31のハードディスク43に記録されているコンテンツをレコーダ32を伝送先の装置として伝送することが指示されたとき、伝送対象のコンテンツのAVストリームと、早送り等のトリックプレイに用いられる情報としてあらかじめ作成されていたトリックプレイ情報に含まれる情報のうちのPTSがハードディスク43から読み出される。TSパケットに格納されてPVR31から伝送されるPTSは、レコーダ32においてトリックプレイ情報の生成に用いられる。レコーダ32において生成されたトリックプレイ情報は光ディスク54などにAVストリームとともに記録される。本発明は、デジタル録画機器に適用することができる。
【解決手段】PVR31のハードディスク43に記録されているコンテンツをレコーダ32を伝送先の装置として伝送することが指示されたとき、伝送対象のコンテンツのAVストリームと、早送り等のトリックプレイに用いられる情報としてあらかじめ作成されていたトリックプレイ情報に含まれる情報のうちのPTSがハードディスク43から読み出される。TSパケットに格納されてPVR31から伝送されるPTSは、レコーダ32においてトリックプレイ情報の生成に用いられる。レコーダ32において生成されたトリックプレイ情報は光ディスク54などにAVストリームとともに記録される。本発明は、デジタル録画機器に適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送システム、記録装置、伝送方法、記録方法、およびプログラムに関し、特に、他の装置から伝送されてきたコンテンツをそのトリックプレイに用いられる情報とともに記録することを効率的に行うことができるようにした伝送システム、記録装置、伝送方法、記録方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)レコーダやBlu-ray(商標)レコーダなどの記録装置が普及してきている。ユーザは、デジタル放送などによって放送されたコンテンツを内蔵のハードディスクに記録させておき、後からそのコンテンツを視聴したりすることができる。
【0003】
ハードディスクに記録させておいたコンテンツを視聴するとき、ユーザは、トリックプレイによってそれを行うこともできる。トリックプレイには、再生中のコンテンツの早送り、巻き戻し、頭出し等の、順方向の等倍再生以外の各種の再生方法が含まれる。
【0004】
このような各種の再生方法を実現するために、記録装置においては、コンテンツの記録時に、そのコンテンツのトリックプレイに用いられる情報であるトリックプレイ情報をあわせて記録するようになされている。コンテンツの記録方式がMPEG(Moving Picture Experts Group)方式である場合、トリックプレイ情報には、それぞれのIピクチャのコンテンツ上の時刻を表すPTS(Presentation Time Stamp)が含まれる。
【0005】
ここで、トリックプレイ情報について説明する。
【0006】
MPEG方式でのコンテンツの記録はGOP(Group Of Picture)単位で行われ、1つのGOPはIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの3つのタイプの所定の数のピクチャからなる。
【0007】
Iピクチャは、他のピクチャを参照せずにイントラ符号化されるピクチャである。Pピクチャは、時間的に先に表示されるIピクチャまたはPピクチャを参照して、その参照されるピクチャから生成される予測画像を用いて予測符号化されるピクチャである。Bピクチャは、時間的に先に表示されるIピクチャまたはPピクチャと、時間的に後に表示されるIピクチャまたはPピクチャのうちの一方または両方を参照して、その参照されるピクチャから生成される予測画像を用いて予測符号化されるピクチャである。
【0008】
復号(再生)処理も、この順番で行われ、必要に応じて、時間的に後に表示されるピクチャが参照される。
【0009】
GOPを構成する各ピクチャを、ピクチャタイプを表すアルファベット(I,P,B)と、表示順を表す数字の組み合わせで表した場合、1GOPが15フレームのピクチャで構成され、IピクチャまたはPピクチャが3ピクチャ単位で配置されるものとすると、1GOPは、B1,B2,I3,B4,B5,P6,B7,B8,P9,B10,B11,P12,B13,B14,P15として表される。
【0010】
例えば、Bピクチャは時間的に先に表示されるピクチャだけでなく、時間的に後に表示されるピクチャを参照して符号化される場合があるため、後に表示されるピクチャを再生していないと、そのBピクチャを再生することができない。
【0011】
そこで、MPEG方式で記録されたコンテンツの再生時には、Bピクチャの再生に参照されるピクチャは、そのBピクチャよりも先に再生される。このため、上述したようにB1,B2,I3,B4,B5,P6,B7,B8,P9,B10,B11,P12,B13,B14,P15から構成され、その順で表示されるGOPの再生は、I3,B1,B2,P6,B4,B5,P9,B7,B8,P12,B10,B11,P15,B13,B14の順番で行われることになる。
【0012】
すなわち、あるGOPのピクチャB1,B2は、1つ前のGOPのピクチャP15と、後に表示される同一のGOPのピクチャI3を参照して再生され、ピクチャI3は、他のピクチャを参照せずに再生される。
【0013】
ピクチャB4,B5は、先に表示される同一GOPのピクチャI3と、後に表示される、同一のGOPのピクチャP6を参照して再生され、ピクチャP6は、先に表示される同一GOPのピクチャI3を参照して再生される。
【0014】
ピクチャB7,B8は、先に表示される同一GOPのピクチャP6と、後に表示される同一のGOPのピクチャP9を参照して再生され、ピクチャP9は、先に表示される同一GOPのピクチャP6を参照して再生される。
【0015】
ピクチャB10,B11は、先に表示される同一GOPのピクチャP9と、後に表示される同一のGOPのピクチャP12を参照して再生され、ピクチャP12は、先に表示される同一GOPのピクチャP9を参照して再生される。
【0016】
ピクチャB13,B14は、先に表示される同一GOPのピクチャP12と、後に表示される同一のGOPのピクチャP15を参照して再生され、ピクチャP15は、先に表示される同一GOPのピクチャP12を参照して再生される。
【0017】
従って、例えば、トリックプレイのうちの早送りが選択され、早送り先の位置としてあるGOPのピクチャB5の位置が指定された場合、そのピクチャB5を再生するためには、先に表示される同一GOPのピクチャI3と、後に表示される、同一のGOPのピクチャP6を再生しておく必要があるため、早送り先の位置として指定されたピクチャB5を含むGOPの再生は、図1の上段に示されるように、ピクチャI3,P6,B5,P9,B7,B8,P12,B10,B11,P15,B13,B14の順番で行われる。
【0018】
映像の表示は、図1の下段に示されるように、早送り先の位置として指定されたピクチャであるピクチャB5から、ピクチャP6,B7,B8,P9,B10,B11,P12,B13,B14,P15の順で行われる。
【0019】
このように、トリックプレイの指示に応じてコンテンツのある位置から映像を表示するには、表示開始位置のピクチャを再生する前に再生しておく必要があるIピクチャの位置(時刻)を知っておく必要があるから、記録装置においては、コンテンツの記録時に、そのコンテンツに含まれるそれぞれのIピクチャのPTSがトリックプレイ情報として記録される。トリックプレイ情報には、PTSの他に、Iピクチャの番号、記録媒体上のIピクチャの記録位置などを表す情報も含まれる。
【0020】
トリックプレイについては特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−369149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
ところで、近年、1人のユーザが複数の記録装置を使うことも珍しくはなくなり、このような環境下では、一方の記録装置に記録させておいたコンテンツを他方の記録装置に伝送し、その他方の記録装置に記録させておくといったコンテンツの使い方が行われている。
【0022】
これにより、ユーザは、例えば、ハードディスク内蔵のSTB(Set Top Box)に記録させておいたコンテンツを、同じくハードディスク内蔵のDVDレコーダやBlu-Rayレコーダに伝送し、その伝送先のレコーダに再生させてコンテンツを視聴したりすることができる。
【0023】
しかしながら、このような複数の機器間での情報の伝送において、コンテンツの伝送については各種の取極がされているものの、トリックプレイ情報の伝送については取極がされていない。従って、仮に、伝送元の記録装置がトリックプレイ情報を作成し、それを管理している場合であっても、伝送先の記録装置は、伝送されてきたコンテンツを解析し、トリックプレイ情報を自ら作成する必要がある。
【0024】
図2は、従来のコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【0025】
図2のコンテンツ伝送システムは、PVR(Personal Video Recorder)1とレコーダ2が、DLNA(Digital Living Network Alliance)やIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394などの規格に準拠したネットワーク3を介して接続されることによって構成される。
【0026】
PVR1は、ハードディスク内蔵のSTBであり、CS(Communications Satellite)放送やケーブルテレビジョン放送でコンテンツを提供する事業者によって提供されたものである。一方、レコーダ2は、ハードディスク内蔵のBlu-Rayレコーダなどの記録装置であり、ユーザが販売店などで購入したものである。
【0027】
図2に示されるように、PVR1はチューナ11、記録制御部12、ハードディスク13、および伝送部14から構成される。レコーダ2は、受信部21、記録制御部22、およびハードディスク23から構成される。レコーダ2には、Blu-Rayディスクなどの光ディスク24が装着されている。Blu-Rayディスクのフォーマットにおいては、コンテンツを記録するとき、そのトリックプレイ情報をあわせて記録するようになっている。
【0028】
PVR1のチューナ11は、放送波信号を受信、復調し、MPEG-TS(MPEG-Transport Stream)を取得する。チューナ11は、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームをMPEG-TSから取得し、取得したAVストリームを記録制御部12に出力する。
【0029】
記録制御部12は、チューナ11から供給されたAVストリームをハードディスク13に記録する。また、記録制御部12はストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aを有しており、このストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aにおいて、チューナ11から供給されたAVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成する。
【0030】
例えば、ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aは、AVストリームを構成するそれぞれのピクチャのピクチャタイプを解析し、IピクチャのPTSを取得する。ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aは、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャのハードディスク13上の記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報をハードディスク13に記録する。
【0031】
ハードディスク13はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部12から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0032】
伝送部14は、あるコンテンツをレコーダ2に伝送することがユーザにより指示されたとき、伝送対象のコンテンツのトリックプレイ情報は読み出さずに、伝送対象のコンテンツのAVストリームだけを読み出し、読み出したAVストリームを複数のTSパケットに格納して、ネットワーク3を介してレコーダ2に伝送する。
【0033】
レコーダ2の受信部21は、PVR1から伝送されてきたTSパケットを受信し、TSパケットに格納されているAVストリームを記録制御部22に出力する。
【0034】
記録制御部22は、受信部21から供給されたAVストリームを、ハードディスク23と光ディスク24のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に記録する。また、記録制御部22はストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aを有しており、このストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aにおいて、受信部21から供給されたAVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成する。
【0035】
例えば、ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aは、AVストリームを構成するそれぞれのピクチャのピクチャタイプを解析し、IピクチャのPTSを取得する。ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aは、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャの記録媒体上の記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報をハードディスク23、または光ディスク24に記録する。
【0036】
ハードディスク23はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部22から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0037】
光ディスク24も同様に、記録制御部22から供給されたAVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0038】
このように、従来、一方の装置から他方の装置にコンテンツを伝送する場合、伝送元の装置と伝送先の装置の双方において、AVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成するといったことが行われている。
【0039】
従って、トリックプレイ情報を生成するために大規模なハードウェアを伝送先の装置にも用意しておく必要があったり、伝送先の装置の処理の負荷が重かったりして効率が悪い。
【0040】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、他の装置から伝送されてきたコンテンツをそのトリックプレイに用いられる情報とともに記録することを効率的に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明の第1の側面の伝送システムは、第1と第2の記録装置がネットワークを介して接続される伝送システムであって、前記第1の記録装置は、AVストリームを記録する記録手段と、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記第2の記録装置に伝送する伝送手段とを備える。
【0042】
また、前記第2の記録装置は、前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段とを備える。
【0043】
本発明の第2の側面の記録装置は、他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、AVストリームを記録する記録手段と、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する伝送手段とを備える。
【0044】
前記伝送手段には、前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットを挿入させ、前記第2のパケットを伝送させてから、前記第1のパケットの列を伝送させることができる。
【0045】
前記伝送手段には、前記第1と第2のパケットにそれぞれ異なるパケットIDを付加して伝送させることができる。
【0046】
本発明の第2の側面の伝送方法またはプログラムは、AVストリームを記録し、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、前記AVストリームを、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに他の記録装置に伝送するステップを含む。
【0047】
本発明の第3の側面の記録装置は、AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段とを備える。
【0048】
前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットが挿入され、前記第2のパケットが伝送されてから、前記第1のパケットの列が伝送されてくる場合、前記記録制御手段には、前記第2のパケットに格納されている前記時刻情報と、前記第2のパケットの直後に伝送されてきた前記第1のパケットの列にデータが格納されているIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置とを対応付けて前記トリックプレイ情報を生成させることができる。
【0049】
本発明の第3の側面の記録方法またはプログラムは、他の記録装置から伝送されてきたAVストリームと時刻情報を受信し、受信した前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、受信した前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させるステップを含む。
【0050】
本発明の第1の側面においては、第1の記録装置において、AVストリームが記録され、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプが解析され、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が生成される。また、記録されている前記AVストリームが、生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに第2の記録装置に伝送される。
【0051】
また、第2の記録装置において、前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報が受信され、受信された前記AVストリームが所定の記録媒体に記録されるとともに、受信された前記時刻情報に基づいて生成された、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が前記所定の記録媒体に記録される。
【0052】
本発明の第2の側面においては、AVストリームが記録され、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプが解析され、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が生成される。また、前記AVストリームが、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに他の記録装置に伝送される。
【0053】
本発明の第3の側面においては、他の記録装置から伝送されてきたAVストリームと時刻情報が受信され、受信された前記AVストリームが所定の記録媒体に記録されるとともに、受信された前記時刻情報に基づいて生成された、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が前記所定の記録媒体に記録される。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、他の装置から伝送されてきたコンテンツをそのトリックプレイに用いられる情報とともに記録することを効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0056】
本発明の伝送システムは、第1と第2の記録装置がネットワークを介して接続される伝送システムにおいて、前記第1の記録装置(例えば、図3のPVR31)は、AVストリームを記録する記録手段(例えば、図3のハードディスク43)と、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段(例えば、図3の記録制御部42)と、前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記第2の記録装置に伝送する伝送手段(例えば、図3のミックス処理部44)とを備え、前記第2の記録装置(例えば、図3のレコーダ32)は、前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段(例えば、図3の受信部51)と、前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段(例えば、図3の記録制御部52)とを備える。
【0057】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【0059】
図3のコンテンツ伝送システムは、PVR31とレコーダ32が、DLNAやIEEE1394などの規格に準拠したネットワーク33を介して接続されることによって構成される。
【0060】
PVR31は、ハードディスク内蔵のSTBであり、CS放送やケーブルテレビジョン放送でコンテンツを提供する事業者によって提供されたものである。一方、レコーダ32は、ハードディスク内蔵のBlu-Rayレコーダなどの記録装置であり、ユーザが販売店などで購入したものである。
【0061】
図3に示されるように、PVR31はチューナ41、記録制御部42、ハードディスク43、ミックス処理部44、および伝送部45から構成される。レコーダ32は、受信部51、記録制御部52、およびハードディスク53から構成される。レコーダ32には、Blu-Rayディスクなどの光ディスク54が装着されている。
【0062】
PVR31のチューナ41は、放送波信号を受信、復調し、MPEG-TSを取得する。チューナ41は、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームをMPEG-TSから取得し、取得したAVストリームを記録制御部42に出力する。
【0063】
記録制御部42は、チューナ41から供給されたAVストリームをハードディスク43に記録する。また、記録制御部42はストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aを有しており、このストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aにおいて、チューナ41から供給されたAVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成する。
【0064】
例えば、ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aは、AVストリームを構成するそれぞれのピクチャのピクチャタイプを解析し、IピクチャのPTSを取得する。ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aは、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャのハードディスク43上の記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報をハードディスク43に記録する。
【0065】
ハードディスク43はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部42から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0066】
図4は、トリックプレイ情報の例を示す図である。
【0067】
図4の例においては、AVストリーム上の所定の時刻を基準として1つ目のIピクチャの時刻を表すPTS1と、PTS1によって時刻が表されるIピクチャのハードディスク43上の記録位置であるIピクチャ記録位置1が対応付けられている。他のIピクチャについても同様に、Iピクチャの時刻を表すPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャの記録位置が対応付けられている。
【0068】
例えば、トリックプレイによる再生がユーザにより指示されたとき、再生開始位置のピクチャの位置(時刻)に応じて、そのピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの時刻と記録位置が図4に示されるようなトリックプレイ情報に基づいて確認される。
【0069】
図3の説明に戻り、ミックス処理部44は、あるコンテンツをレコーダ32に伝送することがユーザにより指示されたとき、伝送対象のコンテンツのAVストリームをハードディスク43から読み出すとともに、伝送対象のコンテンツのトリックプレイ情報に含まれるPTSをハードディスク43から読み出す。
【0070】
また、ミックス処理部44は、ハードディスク43から読み出したAVストリームを複数のTSパケットに格納し、伝送順に並べるとともに、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の先頭に、そのIピクチャのPTSを格納したTSパケットを挿入する。
【0071】
ミックス処理部44は、Iピクチャなどのビデオデータを格納するTSパケットのパケットヘッダにはビデオデータに割り当てられたPIDを付加し、オーディオデータを格納するTSパケットのパケットヘッダにはオーディオデータに割り当てられたPIDを付加する。
【0072】
また、ミックス処理部44は、IピクチャのPTSを格納したTSパケットには、テーブル情報などを含むセクションデータに割り当てられたPIDなどの、AVストリーム(ビデオデータ、オーディオデータ)を格納しているパケットのパケットヘッダに付加されるPIDとは異なるPIDを付加する。それぞれのPIDにどの種類のデータが格納されているのかは、コンテンツの伝送先の装置であるレコーダ32においても管理されている。
【0073】
ミックス処理部44は、そのようにして生成したTSパケットの列を伝送部45に出力する。後述するように、PVR31から伝送されてきたTSパケットを受信したレコーダ32においては、所定のPIDにより識別されるTSパケットに格納されているPTSが取得された場合、取得されたPTSが、それを格納していたTSパケットに続けて伝送されてきたIピクチャのPTSを表すものとして認識され、そのPTSを用いてトリックプレイ情報が生成される。
【0074】
TSパケットに格納されてPVR31から伝送されるPTSは、レコーダ32においてトリックプレイ情報の生成に用いられるため、トリックプレイ情報を生成するための情報(トリックプレイ情報生成用情報)といえる。トリックプレイ情報生成用情報には、PTSの他に、PVR31により生成されたトリックプレイ情報に含まれる、Iピクチャの番号などの情報が含まれるようにしてもよい。
【0075】
伝送部45は、ミックス処理部44から供給されたそれぞれのTSパケットに、例えばネットワーク3がDLNAの規格に準拠したネットワークである場合、DLNAの規格で定められるタイムスタンプを付加し、ミックス処理部44により並べられた順に、ネットワーク33を介してレコーダ32に伝送する。
【0076】
図5は、PVR31から伝送される情報の例を示す図である。
【0077】
図5には伝送情報#1乃至#7が示されており、右側に示されるものから順に伝送される。それぞれの伝送情報は、188バイトのTSパケットに、DLNAの規格で定められる32ビットのタイムスタンプを付加した形で構成される。
【0078】
図5の例においては、伝送情報#1乃至#3は、それぞれAVストリーム(ビデオデータまたはオーディオデータ)を格納するTSパケットとタイムスタンプからなるものとされている。
【0079】
また、伝送情報#4は、それに続く伝送情報#5乃至#7に格納されているIピクチャのPTSなどのトリックプレイ情報生成用情報を格納するTSパケットとタイムスタンプからなるものとされている。
【0080】
伝送情報#5乃至#7は、Iピクチャを格納するTSパケットとタイムスタンプからなるものとされている。このように、PVR31からレコーダ32に対しては、Iピクチャを格納するTSパケットの前に、トリックプレイ情報生成用情報を格納するTSパケットが伝送される。
【0081】
図3の説明に戻り、一方、レコーダ32の受信部51は、DLNAの規格で定められるタイムスタンプが付加された形でPVR31から伝送されてきたTSパケットを受信し、受信したTSパケットを記録制御部52に出力する。
【0082】
記録制御部52は、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に対するデータの記録を制御する。図3に示されるように、記録制御部52は分離・編集処理部52Aを有している。
【0083】
分離・編集処理部52Aは、受信部51から供給されたTSパケットをパケットヘッダに付加されているPIDに基づいて分離する。分離・編集処理部52Aは、TSパケットに格納されているAVストリームを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に記録する。
【0084】
また、分離・編集処理部52Aは、TSパケットに格納されているトリックプレイ情報生成用情報を用いてトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報を記録先として指定されている方の記録媒体に記録する。後述するように、分離・編集処理部52Aによるトリックプレイ情報の生成は、AVストリームを解析することなく行われる。
【0085】
ハードディスク53はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部52から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0086】
光ディスク54も同様に、記録制御部52から供給されたAVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0087】
図6は、図3の分離・編集処理部52Aの構成例を示すブロック図である。
【0088】
図6に示されるように、分離・編集処理部52AはDEMUX61、ビデオデータ処理部62、オーディオデータ処理部63、CPU(Central Processing Unit)64から構成される。CPU64においては所定のプログラムが実行され、トリックプレイ情報生成部64Aが実現される。
【0089】
DEMUX61は、受信部51から供給されたTSパケットをパケットヘッダに付加されているPIDに基づいて分離し、ビデオデータが格納されているTSパケットをビデオデータ処理部62に、オーディオデータが格納されているTSパケットをオーディオデータ処理部63に、PVR31とレコーダ32においてセクション情報に含まれるものとされているトリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットをCPU64に、それぞれ出力する。
【0090】
図6の例においては、ビデオデータはPIDxによって識別されるTSパケットに格納されているものとされ、オーディオデータはPIDyによって識別されるTSパケットに格納されているものとされている。また、トリックプレイ情報生成用情報はPIDzによって識別されるTSパケットに格納されているものとされている。
【0091】
また、DEMUX61は、PIDzによって識別されるTSパケットが検出されたとき、インタラプト信号をトリックプレイ情報生成部64Aに出力し、トリックプレイ情報の生成を他の処理に優先して行わせる。インタラプト信号は、セクション情報が検出されたときにDEMUX61からCPU64に出力される信号である。
【0092】
DEMUX61からCPU64に対しては、トリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットに続けて伝送されてきたTSパケットが、ビデオデータ処理部62のバッファに記憶されているTSパケットのうちのどのTSパケットであるのかを表す情報などがPIDxに関する情報として出力される。PIDzによって識別されるTSパケットに続けて伝送されてきたTSパケットはIピクチャのデータが格納されたTSパケットであり、そのTSパケットはDEMUX61からビデオデータ処理部62に出力され、ビデオデータ処理部62のバッファに記憶されている。
【0093】
ビデオデータ処理部62は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてビデオデータを生成する。ビデオデータ処理部62は、生成したビデオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。
【0094】
オーディオデータ処理部63は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてオーディオデータを生成する。オーディオデータ処理部63は、生成したオーディオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。
【0095】
CPU64は、ビデオデータ処理部62、オーディオデータ処理部63を制御し、AVストリームの記録を管理する。
【0096】
CPU64のトリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61からインタラプト信号が供給されることに応じて、DEMUX61から供給されたトリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSにより時刻が表されるIピクチャが、どのTSパケットに格納されるIピクチャであるのかをビデオデータ処理部62のバッファにアクセスして確認する。
【0097】
トリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61から供給されたトリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSにより時刻が表されるIピクチャが、どのTSパケットに格納されるIピクチャであるのかを確認した後、ビデオデータ処理部62を制御してそのIピクチャをハードディスク53または光ディスク54の所定の位置に記録させ、記録位置の情報を取得する。
【0098】
トリックプレイ情報生成部64Aは、取得した記録位置の情報と、トリックプレイ情報生成用情報として供給されたPTSを対応付けて管理する。ハードディスク53または光ディスク54に記録させているAVストリームに含まれる全てのIピクチャについて、同様にして記録位置の情報とPTSを対応付けることによってトリックプレイ情報を生成したとき、トリックプレイ情報生成部64Aは、生成したトリックプレイ情報をハードディスク53または光ディスク54に出力し、AVストリームとあわせて記録させる。
【0099】
このように、分離・編集処理部52Aにおいては、AVストリームを解析することなくトリックプレイ情報が生成される。
【0100】
AVストリームを解析し、ピクチャタイプを判別する処理は複雑な処理であり、仮にそれを行うとすればCPU64の負担になるが、以上のようにしてトリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSと、トリックプレイ情報生成用情報に続けて伝送されてきたIピクチャの記録位置を対応付けるだけで生成することができるようにすることにより、CPU64の負担を軽減し、トリックプレイ情報の生成、記録を効率的に行うことが可能になる。
【0101】
ここで、図7乃至図10を参照して、レコーダ32による処理の具体例について説明する。
【0102】
図7は、AVストリームに含まれるIピクチャのデータの分割の例を示す図である。
【0103】
TSパケットは188バイトのデータであるから、1フレームのIピクチャのデータは通常複数のTSパケットに分けて格納して伝送する必要があり、伝送元の装置であるPVR31においては図7に示されるような分割が行われる。
【0104】
図7の例においては、Iピクチャ#1を構成するデータのうち、先頭から所定の量のデータがTSパケット1に格納され、TSパケット1に格納されたデータに続く所定の量のデータがTSパケット2に格納されている。同様に、TSパケット2に格納されたデータに続くデータは、TSパケットnまでのそれぞれのTSパケットに格納されている。
【0105】
このようにして1フレームのIピクチャがそれぞれのTSパケットに格納された場合、TSパケット1乃至nの順で伝送されるが、図8に示されるように、TSパケット1乃至nの先頭には、Iピクチャ#1のPTSであるPTS#1が格納されたTSパケット0が挿入され、Iピクチャ#1に関する情報の伝送は、TSパケット0乃至nの順で行われる。
【0106】
図9は、図8に示される順番で伝送されてきたTSパケットを受信したレコーダ32の状態を示す図である。
【0107】
図9に示されるように、図8に示される順番で伝送されてきたTSパケット0乃至nのうち、TSパケット0はPIDzに基づいてトリックプレイ情報生成部64Aに出力される。また、TSパケット0に続けて伝送されてきたTSパケット1乃至nはPIDxに基づいてビデオデータ処理部62に出力され、バッファ62Aに記憶される。
【0108】
トリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61からインタラプト信号が供給されることに応じてバッファ62Aにアクセスし、TSパケット0に格納されるPTS#1が、バッファ62Aに記憶されているTSパケット1乃至nに格納されているIピクチャ#1の時刻を表すものであることを確認する(PTS#1とIピクチャ#1の同期をとる)。
【0109】
トリックプレイ情報生成部64Aは、PTS#1がIピクチャ#1の時刻を表すものであることを確認した後、ビデオデータ処理部62を制御してIピクチャ#1をハードディスク53または光ディスク54の所定の位置に記録させ、記録位置の情報を取得する。
【0110】
トリックプレイ情報生成部64Aは、記録位置の情報とPTS#1を対応付けて管理する。ハードディスク53または光ディスク54に記録させているAVストリームに含まれる全てのIピクチャについて、同様にして記録位置の情報とPTSを対応付けることによってトリックプレイ情報を生成したとき、トリックプレイ情報生成部64Aは、生成したトリックプレイ情報をハードディスク53または光ディスク54に出力し、AVストリームとあわせて記録させる。
【0111】
図10は、トリックプレイ情報生成部64Aにより生成されるトリックプレイ情報の例を示す図である。
【0112】
図10の例においては、PTS#1とIピクチャ#1の記録位置が対応付けられている。他のIピクチャについても同様に、トリックプレイ情報においてはPTSと記録位置が対応付けられる。
【0113】
次に、以上のような構成を有するPVR31とレコーダ32の処理について説明する。
【0114】
はじめに、図11および図12のフローチャートを参照して、コンテンツの伝送元の装置であるPVR31の処理について説明する。
【0115】
ステップS1において、チューナ41は、放送波信号を受信、復調し、MPEG-TSを取得する。チューナ41は、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームをMPEG-TSから取得し、取得したAVストリームを記録制御部42に出力する。
【0116】
ステップS2において、記録制御部42のストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aは、チューナ41から供給されたAVストリームを解析してIピクチャのPTSを取得し、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャの記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成する。
【0117】
ステップS3において、記録制御部42は、チューナ41から供給されたAVストリームをハードディスク43に記録する。
【0118】
ステップS4において、記録制御部42は、AVストリームの記録を終了するか否かを判定し、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームの全てを記録していないことから、記録を終了しないと判定した場合、ステップS1に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0119】
AVストリームの記録を終了するとステップS4において判定した場合、ステップS5において、記録制御部42は、生成したトリックプレイ情報をハードディスク43に記録する。
【0120】
ステップS6において、ミックス処理部44は、ハードディスク43に記録されているコンテンツの伝送を開始するか否かを判定し、伝送を開始すると判定するまで待機する。
【0121】
ユーザにより指示されたことから、コンテンツの伝送を開始するとステップS6において判定した場合、ステップS7において、ミックス処理部44は、伝送対象のコンテンツのAVストリームをハードディスク43から読み出し、読み出したAVストリームを複数のTSパケットに格納する。
【0122】
ステップS8において、ミックス処理部44は、伝送対象のコンテンツのトリックプレイ情報に含まれるPTSをハードディスク43から読み出し、読み出したPTSをトリックプレイ情報生成用情報としてTSパケットに格納する。トリックプレイ情報生成用情報が格納されたTSパケットには、セクション情報であることを表すPIDなどが付加されている。
【0123】
ステップS9において、ミックス処理部44は、AVストリームを格納したTSパケットを伝送順に並べ、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の先頭に、そのIピクチャのPTSを含むトリックプレイ情報生成用情報を格納したTSパケットを挿入する。
【0124】
ステップS10において、伝送部45は、ミックス処理部44により並べられたTSパケットを、DLNAの規格で定められるタイムコードを付加してレコーダ32に順に伝送する。
【0125】
ステップS11において、伝送部45は、伝送対象のコンテンツのAVストリームを全て伝送したか否かを判定し、伝送が終わっていないと判定した場合、ステップS7に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0126】
ステップS11において、伝送対象のコンテンツのAVストリームを全て伝送したと判定された場合、処理は終了される。
【0127】
次に、図13のフローチャートを参照して、コンテンツの伝送先の装置であるレコーダ32の処理について説明する。この処理は、AVストリームなどを格納したTSパケットがPVR31から伝送されてきたときに開始される。
【0128】
ステップS21において、受信部51は、PVR31から伝送されてきたTSパケットを受信し、受信したTSパケットを記録制御部52に出力する。
【0129】
ステップS22において、記録制御部52のDEMUX61は、受信部51から供給されたTSパケットをパケットヘッダに付加されているPIDに基づいて分離し、ビデオデータが格納されているTSパケットをビデオデータ処理部62に、オーディオデータが格納されているTSパケットをビデオデータ処理部62に、トリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットをCPU64に、それぞれ出力する。DEMUX61からトリックプレイ情報生成部64Aに対してはインタラプト信号も出力される。
【0130】
ステップS23において、ビデオデータ処理部62は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてビデオデータを生成する。また、オーディオデータ処理部63は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてオーディオデータを生成する。
【0131】
ステップS24において、トリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61からインタラプト信号が供給されることに応じて、トリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSにより時刻が表されるIピクチャが、どのTSパケットに格納されるIピクチャであるのかを確認し、ビデオデータ処理部62を制御してそのIピクチャをハードディスク53または光ディスク54の所定の位置に記録させる。また、トリックプレイ情報生成部64Aは、Iピクチャの記録位置の情報を取得し、取得した記録位置の情報と、トリックプレイ情報生成用情報として供給されたPTSを対応付けてトリックプレイ情報を生成する。
【0132】
ステップS25において、ビデオデータ処理部62は、生成したビデオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。また、オーディオデータ処理部63は、生成したオーディオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。
【0133】
ステップS26において、トリックプレイ情報生成部64Aは、AVストリームを全て記録したか否かを判定し、記録していないと判定した場合、ステップS21に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0134】
一方、AVストリームを全て記録したとステップS26において判定した場合、ステップS27において、トリックプレイ情報生成部64Aは、トリックプレイ情報をハードディスク53または光ディスク54に出力し、AVストリームとあわせて記録させる。ここで記録されるトリックプレイ情報には、ハードディスク53または光ディスク54に記録されているAVストリームに含まれる全てのIピクチャについての記録位置の情報とPTSが対応付けられている。トリックプレイ情報が記録されたとき、処理は終了される。
【0135】
以上の処理により、コンテンツの伝送先の機器であるレコーダ32の負担を軽減することができ、伝送処理を効率的に行うことが可能になる。また、ストリームの解析を行うことができるほど十分に高性能なチップをレコーダ32に用意する必要がないため、レコーダ32の製造コストを下げることができる。
【0136】
以上においては、トリックプレイ情報生成用情報の格納されているTSパケットが、PIDによって他のTSパケットから識別されるものとしたが、他の情報によって識別されるようにしてもよい。
【0137】
例えば、AVストリームを格納するそれぞれのTSパケットには伝送順に時系列に沿ったタイムスタンプが付加されるが、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の直前に、時系列に沿ったものではないタイムスタンプが付加されたTSパケットが挿入され、そのような時系列に沿ったものではないタイムスタンプによって、トリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットが識別されるようにしてもよい。
【0138】
レコーダ32においては、時系列に沿ったものではないタイムスタンプが付加されたTSパケットが検出されたとき、そのTSパケットにはトリックプレイ情報生成用情報が格納されているものとして認識され、トリックプレイ情報生成用情報として格納されているPTSが、直後に続くTSパケットに格納されているIピクチャの時刻を表すものとして認識されてトリックプレイ情報の生成に用いられる。
【0139】
以上においては、PTSを格納したTSパケットは、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の先頭に挿入されて伝送されるものとしたが、コンテンツの伝送先の装置であるレコーダ32が判別可能な位置であれば、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の終わりの位置に挿入されて伝送されるようにしてもよいし、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の真ん中の位置に挿入されて伝送されるようにしてもよい。
【0140】
なお、以上においては、DLNAの規格に従ってコンテンツの伝送が行われる場合について説明したが、他の規格に従ってコンテンツの伝送が行われるようにしてもよい。DLNA以外の規格に従ってコンテンツの伝送が行われる場合、伝送されるTSパケットには、図5に示されるような32ビットのタイムスタンプは付加されない。
【0141】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
【0142】
インストールされる実行するプログラムは、例えば、パッケージメディアである図3に示される光ディスク54に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。プログラムは、ハードディスク53にあらかじめインストールしておくことができる。
【0143】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0144】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】MPEG方式で符号化されたデータの再生順について説明する図である。
【図2】従来のコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【図4】トリックプレイ情報の例を示す図である。
【図5】PVRから伝送される情報の例を示す図である。
【図6】図3の分離・編集処理部の構成例を示すブロック図である。
【図7】レコーダによる処理の具体例を示す図である。
【図8】レコーダによる処理の具体例を示す他の図である。
【図9】レコーダによる処理の具体例を示すさらに他の図である。
【図10】レコーダによる処理の具体例を示す図である。
【図11】PVRの処理について説明するフローチャートである。
【図12】PVRの処理について説明する、図11に続くフローチャートである。
【図13】レコーダの処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
31 PVR, 32 レコーダ, 41 チューナ, 42 記録制御部, 42A ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部, 43 ハードディスク, 44 ミックス処理部, 45 伝送部, 51 受信部, 52 記録制御部, 52A 分離・編集処理部, 53 ハードディスク, 54 光ディスク
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送システム、記録装置、伝送方法、記録方法、およびプログラムに関し、特に、他の装置から伝送されてきたコンテンツをそのトリックプレイに用いられる情報とともに記録することを効率的に行うことができるようにした伝送システム、記録装置、伝送方法、記録方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)レコーダやBlu-ray(商標)レコーダなどの記録装置が普及してきている。ユーザは、デジタル放送などによって放送されたコンテンツを内蔵のハードディスクに記録させておき、後からそのコンテンツを視聴したりすることができる。
【0003】
ハードディスクに記録させておいたコンテンツを視聴するとき、ユーザは、トリックプレイによってそれを行うこともできる。トリックプレイには、再生中のコンテンツの早送り、巻き戻し、頭出し等の、順方向の等倍再生以外の各種の再生方法が含まれる。
【0004】
このような各種の再生方法を実現するために、記録装置においては、コンテンツの記録時に、そのコンテンツのトリックプレイに用いられる情報であるトリックプレイ情報をあわせて記録するようになされている。コンテンツの記録方式がMPEG(Moving Picture Experts Group)方式である場合、トリックプレイ情報には、それぞれのIピクチャのコンテンツ上の時刻を表すPTS(Presentation Time Stamp)が含まれる。
【0005】
ここで、トリックプレイ情報について説明する。
【0006】
MPEG方式でのコンテンツの記録はGOP(Group Of Picture)単位で行われ、1つのGOPはIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの3つのタイプの所定の数のピクチャからなる。
【0007】
Iピクチャは、他のピクチャを参照せずにイントラ符号化されるピクチャである。Pピクチャは、時間的に先に表示されるIピクチャまたはPピクチャを参照して、その参照されるピクチャから生成される予測画像を用いて予測符号化されるピクチャである。Bピクチャは、時間的に先に表示されるIピクチャまたはPピクチャと、時間的に後に表示されるIピクチャまたはPピクチャのうちの一方または両方を参照して、その参照されるピクチャから生成される予測画像を用いて予測符号化されるピクチャである。
【0008】
復号(再生)処理も、この順番で行われ、必要に応じて、時間的に後に表示されるピクチャが参照される。
【0009】
GOPを構成する各ピクチャを、ピクチャタイプを表すアルファベット(I,P,B)と、表示順を表す数字の組み合わせで表した場合、1GOPが15フレームのピクチャで構成され、IピクチャまたはPピクチャが3ピクチャ単位で配置されるものとすると、1GOPは、B1,B2,I3,B4,B5,P6,B7,B8,P9,B10,B11,P12,B13,B14,P15として表される。
【0010】
例えば、Bピクチャは時間的に先に表示されるピクチャだけでなく、時間的に後に表示されるピクチャを参照して符号化される場合があるため、後に表示されるピクチャを再生していないと、そのBピクチャを再生することができない。
【0011】
そこで、MPEG方式で記録されたコンテンツの再生時には、Bピクチャの再生に参照されるピクチャは、そのBピクチャよりも先に再生される。このため、上述したようにB1,B2,I3,B4,B5,P6,B7,B8,P9,B10,B11,P12,B13,B14,P15から構成され、その順で表示されるGOPの再生は、I3,B1,B2,P6,B4,B5,P9,B7,B8,P12,B10,B11,P15,B13,B14の順番で行われることになる。
【0012】
すなわち、あるGOPのピクチャB1,B2は、1つ前のGOPのピクチャP15と、後に表示される同一のGOPのピクチャI3を参照して再生され、ピクチャI3は、他のピクチャを参照せずに再生される。
【0013】
ピクチャB4,B5は、先に表示される同一GOPのピクチャI3と、後に表示される、同一のGOPのピクチャP6を参照して再生され、ピクチャP6は、先に表示される同一GOPのピクチャI3を参照して再生される。
【0014】
ピクチャB7,B8は、先に表示される同一GOPのピクチャP6と、後に表示される同一のGOPのピクチャP9を参照して再生され、ピクチャP9は、先に表示される同一GOPのピクチャP6を参照して再生される。
【0015】
ピクチャB10,B11は、先に表示される同一GOPのピクチャP9と、後に表示される同一のGOPのピクチャP12を参照して再生され、ピクチャP12は、先に表示される同一GOPのピクチャP9を参照して再生される。
【0016】
ピクチャB13,B14は、先に表示される同一GOPのピクチャP12と、後に表示される同一のGOPのピクチャP15を参照して再生され、ピクチャP15は、先に表示される同一GOPのピクチャP12を参照して再生される。
【0017】
従って、例えば、トリックプレイのうちの早送りが選択され、早送り先の位置としてあるGOPのピクチャB5の位置が指定された場合、そのピクチャB5を再生するためには、先に表示される同一GOPのピクチャI3と、後に表示される、同一のGOPのピクチャP6を再生しておく必要があるため、早送り先の位置として指定されたピクチャB5を含むGOPの再生は、図1の上段に示されるように、ピクチャI3,P6,B5,P9,B7,B8,P12,B10,B11,P15,B13,B14の順番で行われる。
【0018】
映像の表示は、図1の下段に示されるように、早送り先の位置として指定されたピクチャであるピクチャB5から、ピクチャP6,B7,B8,P9,B10,B11,P12,B13,B14,P15の順で行われる。
【0019】
このように、トリックプレイの指示に応じてコンテンツのある位置から映像を表示するには、表示開始位置のピクチャを再生する前に再生しておく必要があるIピクチャの位置(時刻)を知っておく必要があるから、記録装置においては、コンテンツの記録時に、そのコンテンツに含まれるそれぞれのIピクチャのPTSがトリックプレイ情報として記録される。トリックプレイ情報には、PTSの他に、Iピクチャの番号、記録媒体上のIピクチャの記録位置などを表す情報も含まれる。
【0020】
トリックプレイについては特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−369149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
ところで、近年、1人のユーザが複数の記録装置を使うことも珍しくはなくなり、このような環境下では、一方の記録装置に記録させておいたコンテンツを他方の記録装置に伝送し、その他方の記録装置に記録させておくといったコンテンツの使い方が行われている。
【0022】
これにより、ユーザは、例えば、ハードディスク内蔵のSTB(Set Top Box)に記録させておいたコンテンツを、同じくハードディスク内蔵のDVDレコーダやBlu-Rayレコーダに伝送し、その伝送先のレコーダに再生させてコンテンツを視聴したりすることができる。
【0023】
しかしながら、このような複数の機器間での情報の伝送において、コンテンツの伝送については各種の取極がされているものの、トリックプレイ情報の伝送については取極がされていない。従って、仮に、伝送元の記録装置がトリックプレイ情報を作成し、それを管理している場合であっても、伝送先の記録装置は、伝送されてきたコンテンツを解析し、トリックプレイ情報を自ら作成する必要がある。
【0024】
図2は、従来のコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【0025】
図2のコンテンツ伝送システムは、PVR(Personal Video Recorder)1とレコーダ2が、DLNA(Digital Living Network Alliance)やIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394などの規格に準拠したネットワーク3を介して接続されることによって構成される。
【0026】
PVR1は、ハードディスク内蔵のSTBであり、CS(Communications Satellite)放送やケーブルテレビジョン放送でコンテンツを提供する事業者によって提供されたものである。一方、レコーダ2は、ハードディスク内蔵のBlu-Rayレコーダなどの記録装置であり、ユーザが販売店などで購入したものである。
【0027】
図2に示されるように、PVR1はチューナ11、記録制御部12、ハードディスク13、および伝送部14から構成される。レコーダ2は、受信部21、記録制御部22、およびハードディスク23から構成される。レコーダ2には、Blu-Rayディスクなどの光ディスク24が装着されている。Blu-Rayディスクのフォーマットにおいては、コンテンツを記録するとき、そのトリックプレイ情報をあわせて記録するようになっている。
【0028】
PVR1のチューナ11は、放送波信号を受信、復調し、MPEG-TS(MPEG-Transport Stream)を取得する。チューナ11は、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームをMPEG-TSから取得し、取得したAVストリームを記録制御部12に出力する。
【0029】
記録制御部12は、チューナ11から供給されたAVストリームをハードディスク13に記録する。また、記録制御部12はストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aを有しており、このストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aにおいて、チューナ11から供給されたAVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成する。
【0030】
例えば、ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aは、AVストリームを構成するそれぞれのピクチャのピクチャタイプを解析し、IピクチャのPTSを取得する。ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部12Aは、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャのハードディスク13上の記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報をハードディスク13に記録する。
【0031】
ハードディスク13はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部12から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0032】
伝送部14は、あるコンテンツをレコーダ2に伝送することがユーザにより指示されたとき、伝送対象のコンテンツのトリックプレイ情報は読み出さずに、伝送対象のコンテンツのAVストリームだけを読み出し、読み出したAVストリームを複数のTSパケットに格納して、ネットワーク3を介してレコーダ2に伝送する。
【0033】
レコーダ2の受信部21は、PVR1から伝送されてきたTSパケットを受信し、TSパケットに格納されているAVストリームを記録制御部22に出力する。
【0034】
記録制御部22は、受信部21から供給されたAVストリームを、ハードディスク23と光ディスク24のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に記録する。また、記録制御部22はストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aを有しており、このストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aにおいて、受信部21から供給されたAVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成する。
【0035】
例えば、ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aは、AVストリームを構成するそれぞれのピクチャのピクチャタイプを解析し、IピクチャのPTSを取得する。ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部22Aは、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャの記録媒体上の記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報をハードディスク23、または光ディスク24に記録する。
【0036】
ハードディスク23はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部22から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0037】
光ディスク24も同様に、記録制御部22から供給されたAVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0038】
このように、従来、一方の装置から他方の装置にコンテンツを伝送する場合、伝送元の装置と伝送先の装置の双方において、AVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成するといったことが行われている。
【0039】
従って、トリックプレイ情報を生成するために大規模なハードウェアを伝送先の装置にも用意しておく必要があったり、伝送先の装置の処理の負荷が重かったりして効率が悪い。
【0040】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、他の装置から伝送されてきたコンテンツをそのトリックプレイに用いられる情報とともに記録することを効率的に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明の第1の側面の伝送システムは、第1と第2の記録装置がネットワークを介して接続される伝送システムであって、前記第1の記録装置は、AVストリームを記録する記録手段と、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記第2の記録装置に伝送する伝送手段とを備える。
【0042】
また、前記第2の記録装置は、前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段とを備える。
【0043】
本発明の第2の側面の記録装置は、他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、AVストリームを記録する記録手段と、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する伝送手段とを備える。
【0044】
前記伝送手段には、前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットを挿入させ、前記第2のパケットを伝送させてから、前記第1のパケットの列を伝送させることができる。
【0045】
前記伝送手段には、前記第1と第2のパケットにそれぞれ異なるパケットIDを付加して伝送させることができる。
【0046】
本発明の第2の側面の伝送方法またはプログラムは、AVストリームを記録し、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、前記AVストリームを、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに他の記録装置に伝送するステップを含む。
【0047】
本発明の第3の側面の記録装置は、AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段とを備える。
【0048】
前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットが挿入され、前記第2のパケットが伝送されてから、前記第1のパケットの列が伝送されてくる場合、前記記録制御手段には、前記第2のパケットに格納されている前記時刻情報と、前記第2のパケットの直後に伝送されてきた前記第1のパケットの列にデータが格納されているIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置とを対応付けて前記トリックプレイ情報を生成させることができる。
【0049】
本発明の第3の側面の記録方法またはプログラムは、他の記録装置から伝送されてきたAVストリームと時刻情報を受信し、受信した前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、受信した前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させるステップを含む。
【0050】
本発明の第1の側面においては、第1の記録装置において、AVストリームが記録され、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプが解析され、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が生成される。また、記録されている前記AVストリームが、生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに第2の記録装置に伝送される。
【0051】
また、第2の記録装置において、前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報が受信され、受信された前記AVストリームが所定の記録媒体に記録されるとともに、受信された前記時刻情報に基づいて生成された、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が前記所定の記録媒体に記録される。
【0052】
本発明の第2の側面においては、AVストリームが記録され、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプが解析され、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が生成される。また、前記AVストリームが、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに他の記録装置に伝送される。
【0053】
本発明の第3の側面においては、他の記録装置から伝送されてきたAVストリームと時刻情報が受信され、受信された前記AVストリームが所定の記録媒体に記録されるとともに、受信された前記時刻情報に基づいて生成された、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報が前記所定の記録媒体に記録される。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、他の装置から伝送されてきたコンテンツをそのトリックプレイに用いられる情報とともに記録することを効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0056】
本発明の伝送システムは、第1と第2の記録装置がネットワークを介して接続される伝送システムにおいて、前記第1の記録装置(例えば、図3のPVR31)は、AVストリームを記録する記録手段(例えば、図3のハードディスク43)と、前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段(例えば、図3の記録制御部42)と、前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記第2の記録装置に伝送する伝送手段(例えば、図3のミックス処理部44)とを備え、前記第2の記録装置(例えば、図3のレコーダ32)は、前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段(例えば、図3の受信部51)と、前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段(例えば、図3の記録制御部52)とを備える。
【0057】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【0059】
図3のコンテンツ伝送システムは、PVR31とレコーダ32が、DLNAやIEEE1394などの規格に準拠したネットワーク33を介して接続されることによって構成される。
【0060】
PVR31は、ハードディスク内蔵のSTBであり、CS放送やケーブルテレビジョン放送でコンテンツを提供する事業者によって提供されたものである。一方、レコーダ32は、ハードディスク内蔵のBlu-Rayレコーダなどの記録装置であり、ユーザが販売店などで購入したものである。
【0061】
図3に示されるように、PVR31はチューナ41、記録制御部42、ハードディスク43、ミックス処理部44、および伝送部45から構成される。レコーダ32は、受信部51、記録制御部52、およびハードディスク53から構成される。レコーダ32には、Blu-Rayディスクなどの光ディスク54が装着されている。
【0062】
PVR31のチューナ41は、放送波信号を受信、復調し、MPEG-TSを取得する。チューナ41は、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームをMPEG-TSから取得し、取得したAVストリームを記録制御部42に出力する。
【0063】
記録制御部42は、チューナ41から供給されたAVストリームをハードディスク43に記録する。また、記録制御部42はストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aを有しており、このストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aにおいて、チューナ41から供給されたAVストリームを解析し、トリックプレイ情報を生成する。
【0064】
例えば、ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aは、AVストリームを構成するそれぞれのピクチャのピクチャタイプを解析し、IピクチャのPTSを取得する。ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aは、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャのハードディスク43上の記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報をハードディスク43に記録する。
【0065】
ハードディスク43はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部42から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0066】
図4は、トリックプレイ情報の例を示す図である。
【0067】
図4の例においては、AVストリーム上の所定の時刻を基準として1つ目のIピクチャの時刻を表すPTS1と、PTS1によって時刻が表されるIピクチャのハードディスク43上の記録位置であるIピクチャ記録位置1が対応付けられている。他のIピクチャについても同様に、Iピクチャの時刻を表すPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャの記録位置が対応付けられている。
【0068】
例えば、トリックプレイによる再生がユーザにより指示されたとき、再生開始位置のピクチャの位置(時刻)に応じて、そのピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの時刻と記録位置が図4に示されるようなトリックプレイ情報に基づいて確認される。
【0069】
図3の説明に戻り、ミックス処理部44は、あるコンテンツをレコーダ32に伝送することがユーザにより指示されたとき、伝送対象のコンテンツのAVストリームをハードディスク43から読み出すとともに、伝送対象のコンテンツのトリックプレイ情報に含まれるPTSをハードディスク43から読み出す。
【0070】
また、ミックス処理部44は、ハードディスク43から読み出したAVストリームを複数のTSパケットに格納し、伝送順に並べるとともに、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の先頭に、そのIピクチャのPTSを格納したTSパケットを挿入する。
【0071】
ミックス処理部44は、Iピクチャなどのビデオデータを格納するTSパケットのパケットヘッダにはビデオデータに割り当てられたPIDを付加し、オーディオデータを格納するTSパケットのパケットヘッダにはオーディオデータに割り当てられたPIDを付加する。
【0072】
また、ミックス処理部44は、IピクチャのPTSを格納したTSパケットには、テーブル情報などを含むセクションデータに割り当てられたPIDなどの、AVストリーム(ビデオデータ、オーディオデータ)を格納しているパケットのパケットヘッダに付加されるPIDとは異なるPIDを付加する。それぞれのPIDにどの種類のデータが格納されているのかは、コンテンツの伝送先の装置であるレコーダ32においても管理されている。
【0073】
ミックス処理部44は、そのようにして生成したTSパケットの列を伝送部45に出力する。後述するように、PVR31から伝送されてきたTSパケットを受信したレコーダ32においては、所定のPIDにより識別されるTSパケットに格納されているPTSが取得された場合、取得されたPTSが、それを格納していたTSパケットに続けて伝送されてきたIピクチャのPTSを表すものとして認識され、そのPTSを用いてトリックプレイ情報が生成される。
【0074】
TSパケットに格納されてPVR31から伝送されるPTSは、レコーダ32においてトリックプレイ情報の生成に用いられるため、トリックプレイ情報を生成するための情報(トリックプレイ情報生成用情報)といえる。トリックプレイ情報生成用情報には、PTSの他に、PVR31により生成されたトリックプレイ情報に含まれる、Iピクチャの番号などの情報が含まれるようにしてもよい。
【0075】
伝送部45は、ミックス処理部44から供給されたそれぞれのTSパケットに、例えばネットワーク3がDLNAの規格に準拠したネットワークである場合、DLNAの規格で定められるタイムスタンプを付加し、ミックス処理部44により並べられた順に、ネットワーク33を介してレコーダ32に伝送する。
【0076】
図5は、PVR31から伝送される情報の例を示す図である。
【0077】
図5には伝送情報#1乃至#7が示されており、右側に示されるものから順に伝送される。それぞれの伝送情報は、188バイトのTSパケットに、DLNAの規格で定められる32ビットのタイムスタンプを付加した形で構成される。
【0078】
図5の例においては、伝送情報#1乃至#3は、それぞれAVストリーム(ビデオデータまたはオーディオデータ)を格納するTSパケットとタイムスタンプからなるものとされている。
【0079】
また、伝送情報#4は、それに続く伝送情報#5乃至#7に格納されているIピクチャのPTSなどのトリックプレイ情報生成用情報を格納するTSパケットとタイムスタンプからなるものとされている。
【0080】
伝送情報#5乃至#7は、Iピクチャを格納するTSパケットとタイムスタンプからなるものとされている。このように、PVR31からレコーダ32に対しては、Iピクチャを格納するTSパケットの前に、トリックプレイ情報生成用情報を格納するTSパケットが伝送される。
【0081】
図3の説明に戻り、一方、レコーダ32の受信部51は、DLNAの規格で定められるタイムスタンプが付加された形でPVR31から伝送されてきたTSパケットを受信し、受信したTSパケットを記録制御部52に出力する。
【0082】
記録制御部52は、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に対するデータの記録を制御する。図3に示されるように、記録制御部52は分離・編集処理部52Aを有している。
【0083】
分離・編集処理部52Aは、受信部51から供給されたTSパケットをパケットヘッダに付加されているPIDに基づいて分離する。分離・編集処理部52Aは、TSパケットに格納されているAVストリームを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に記録する。
【0084】
また、分離・編集処理部52Aは、TSパケットに格納されているトリックプレイ情報生成用情報を用いてトリックプレイ情報を生成し、生成したトリックプレイ情報を記録先として指定されている方の記録媒体に記録する。後述するように、分離・編集処理部52Aによるトリックプレイ情報の生成は、AVストリームを解析することなく行われる。
【0085】
ハードディスク53はAVストリームを記録するAVストリーム領域と、トリックプレイ情報を記録するトリックプレイ情報領域からなり、記録制御部52から供給された情報のうち、AVストリームをAVストリーム領域に、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0086】
光ディスク54も同様に、記録制御部52から供給されたAVストリームをAVストリーム領域に記録し、トリックプレイ情報をトリックプレイ情報領域に記録する。
【0087】
図6は、図3の分離・編集処理部52Aの構成例を示すブロック図である。
【0088】
図6に示されるように、分離・編集処理部52AはDEMUX61、ビデオデータ処理部62、オーディオデータ処理部63、CPU(Central Processing Unit)64から構成される。CPU64においては所定のプログラムが実行され、トリックプレイ情報生成部64Aが実現される。
【0089】
DEMUX61は、受信部51から供給されたTSパケットをパケットヘッダに付加されているPIDに基づいて分離し、ビデオデータが格納されているTSパケットをビデオデータ処理部62に、オーディオデータが格納されているTSパケットをオーディオデータ処理部63に、PVR31とレコーダ32においてセクション情報に含まれるものとされているトリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットをCPU64に、それぞれ出力する。
【0090】
図6の例においては、ビデオデータはPIDxによって識別されるTSパケットに格納されているものとされ、オーディオデータはPIDyによって識別されるTSパケットに格納されているものとされている。また、トリックプレイ情報生成用情報はPIDzによって識別されるTSパケットに格納されているものとされている。
【0091】
また、DEMUX61は、PIDzによって識別されるTSパケットが検出されたとき、インタラプト信号をトリックプレイ情報生成部64Aに出力し、トリックプレイ情報の生成を他の処理に優先して行わせる。インタラプト信号は、セクション情報が検出されたときにDEMUX61からCPU64に出力される信号である。
【0092】
DEMUX61からCPU64に対しては、トリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットに続けて伝送されてきたTSパケットが、ビデオデータ処理部62のバッファに記憶されているTSパケットのうちのどのTSパケットであるのかを表す情報などがPIDxに関する情報として出力される。PIDzによって識別されるTSパケットに続けて伝送されてきたTSパケットはIピクチャのデータが格納されたTSパケットであり、そのTSパケットはDEMUX61からビデオデータ処理部62に出力され、ビデオデータ処理部62のバッファに記憶されている。
【0093】
ビデオデータ処理部62は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてビデオデータを生成する。ビデオデータ処理部62は、生成したビデオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。
【0094】
オーディオデータ処理部63は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてオーディオデータを生成する。オーディオデータ処理部63は、生成したオーディオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。
【0095】
CPU64は、ビデオデータ処理部62、オーディオデータ処理部63を制御し、AVストリームの記録を管理する。
【0096】
CPU64のトリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61からインタラプト信号が供給されることに応じて、DEMUX61から供給されたトリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSにより時刻が表されるIピクチャが、どのTSパケットに格納されるIピクチャであるのかをビデオデータ処理部62のバッファにアクセスして確認する。
【0097】
トリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61から供給されたトリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSにより時刻が表されるIピクチャが、どのTSパケットに格納されるIピクチャであるのかを確認した後、ビデオデータ処理部62を制御してそのIピクチャをハードディスク53または光ディスク54の所定の位置に記録させ、記録位置の情報を取得する。
【0098】
トリックプレイ情報生成部64Aは、取得した記録位置の情報と、トリックプレイ情報生成用情報として供給されたPTSを対応付けて管理する。ハードディスク53または光ディスク54に記録させているAVストリームに含まれる全てのIピクチャについて、同様にして記録位置の情報とPTSを対応付けることによってトリックプレイ情報を生成したとき、トリックプレイ情報生成部64Aは、生成したトリックプレイ情報をハードディスク53または光ディスク54に出力し、AVストリームとあわせて記録させる。
【0099】
このように、分離・編集処理部52Aにおいては、AVストリームを解析することなくトリックプレイ情報が生成される。
【0100】
AVストリームを解析し、ピクチャタイプを判別する処理は複雑な処理であり、仮にそれを行うとすればCPU64の負担になるが、以上のようにしてトリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSと、トリックプレイ情報生成用情報に続けて伝送されてきたIピクチャの記録位置を対応付けるだけで生成することができるようにすることにより、CPU64の負担を軽減し、トリックプレイ情報の生成、記録を効率的に行うことが可能になる。
【0101】
ここで、図7乃至図10を参照して、レコーダ32による処理の具体例について説明する。
【0102】
図7は、AVストリームに含まれるIピクチャのデータの分割の例を示す図である。
【0103】
TSパケットは188バイトのデータであるから、1フレームのIピクチャのデータは通常複数のTSパケットに分けて格納して伝送する必要があり、伝送元の装置であるPVR31においては図7に示されるような分割が行われる。
【0104】
図7の例においては、Iピクチャ#1を構成するデータのうち、先頭から所定の量のデータがTSパケット1に格納され、TSパケット1に格納されたデータに続く所定の量のデータがTSパケット2に格納されている。同様に、TSパケット2に格納されたデータに続くデータは、TSパケットnまでのそれぞれのTSパケットに格納されている。
【0105】
このようにして1フレームのIピクチャがそれぞれのTSパケットに格納された場合、TSパケット1乃至nの順で伝送されるが、図8に示されるように、TSパケット1乃至nの先頭には、Iピクチャ#1のPTSであるPTS#1が格納されたTSパケット0が挿入され、Iピクチャ#1に関する情報の伝送は、TSパケット0乃至nの順で行われる。
【0106】
図9は、図8に示される順番で伝送されてきたTSパケットを受信したレコーダ32の状態を示す図である。
【0107】
図9に示されるように、図8に示される順番で伝送されてきたTSパケット0乃至nのうち、TSパケット0はPIDzに基づいてトリックプレイ情報生成部64Aに出力される。また、TSパケット0に続けて伝送されてきたTSパケット1乃至nはPIDxに基づいてビデオデータ処理部62に出力され、バッファ62Aに記憶される。
【0108】
トリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61からインタラプト信号が供給されることに応じてバッファ62Aにアクセスし、TSパケット0に格納されるPTS#1が、バッファ62Aに記憶されているTSパケット1乃至nに格納されているIピクチャ#1の時刻を表すものであることを確認する(PTS#1とIピクチャ#1の同期をとる)。
【0109】
トリックプレイ情報生成部64Aは、PTS#1がIピクチャ#1の時刻を表すものであることを確認した後、ビデオデータ処理部62を制御してIピクチャ#1をハードディスク53または光ディスク54の所定の位置に記録させ、記録位置の情報を取得する。
【0110】
トリックプレイ情報生成部64Aは、記録位置の情報とPTS#1を対応付けて管理する。ハードディスク53または光ディスク54に記録させているAVストリームに含まれる全てのIピクチャについて、同様にして記録位置の情報とPTSを対応付けることによってトリックプレイ情報を生成したとき、トリックプレイ情報生成部64Aは、生成したトリックプレイ情報をハードディスク53または光ディスク54に出力し、AVストリームとあわせて記録させる。
【0111】
図10は、トリックプレイ情報生成部64Aにより生成されるトリックプレイ情報の例を示す図である。
【0112】
図10の例においては、PTS#1とIピクチャ#1の記録位置が対応付けられている。他のIピクチャについても同様に、トリックプレイ情報においてはPTSと記録位置が対応付けられる。
【0113】
次に、以上のような構成を有するPVR31とレコーダ32の処理について説明する。
【0114】
はじめに、図11および図12のフローチャートを参照して、コンテンツの伝送元の装置であるPVR31の処理について説明する。
【0115】
ステップS1において、チューナ41は、放送波信号を受信、復調し、MPEG-TSを取得する。チューナ41は、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームをMPEG-TSから取得し、取得したAVストリームを記録制御部42に出力する。
【0116】
ステップS2において、記録制御部42のストリーム解析・トリックプレイ情報生成部42Aは、チューナ41から供給されたAVストリームを解析してIピクチャのPTSを取得し、取得したPTSと、そのPTSによって時刻が表されるIピクチャの記録位置を表す情報を対応付けることによってトリックプレイ情報を生成する。
【0117】
ステップS3において、記録制御部42は、チューナ41から供給されたAVストリームをハードディスク43に記録する。
【0118】
ステップS4において、記録制御部42は、AVストリームの記録を終了するか否かを判定し、録画の対象になっているコンテンツのAVストリームの全てを記録していないことから、記録を終了しないと判定した場合、ステップS1に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0119】
AVストリームの記録を終了するとステップS4において判定した場合、ステップS5において、記録制御部42は、生成したトリックプレイ情報をハードディスク43に記録する。
【0120】
ステップS6において、ミックス処理部44は、ハードディスク43に記録されているコンテンツの伝送を開始するか否かを判定し、伝送を開始すると判定するまで待機する。
【0121】
ユーザにより指示されたことから、コンテンツの伝送を開始するとステップS6において判定した場合、ステップS7において、ミックス処理部44は、伝送対象のコンテンツのAVストリームをハードディスク43から読み出し、読み出したAVストリームを複数のTSパケットに格納する。
【0122】
ステップS8において、ミックス処理部44は、伝送対象のコンテンツのトリックプレイ情報に含まれるPTSをハードディスク43から読み出し、読み出したPTSをトリックプレイ情報生成用情報としてTSパケットに格納する。トリックプレイ情報生成用情報が格納されたTSパケットには、セクション情報であることを表すPIDなどが付加されている。
【0123】
ステップS9において、ミックス処理部44は、AVストリームを格納したTSパケットを伝送順に並べ、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の先頭に、そのIピクチャのPTSを含むトリックプレイ情報生成用情報を格納したTSパケットを挿入する。
【0124】
ステップS10において、伝送部45は、ミックス処理部44により並べられたTSパケットを、DLNAの規格で定められるタイムコードを付加してレコーダ32に順に伝送する。
【0125】
ステップS11において、伝送部45は、伝送対象のコンテンツのAVストリームを全て伝送したか否かを判定し、伝送が終わっていないと判定した場合、ステップS7に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0126】
ステップS11において、伝送対象のコンテンツのAVストリームを全て伝送したと判定された場合、処理は終了される。
【0127】
次に、図13のフローチャートを参照して、コンテンツの伝送先の装置であるレコーダ32の処理について説明する。この処理は、AVストリームなどを格納したTSパケットがPVR31から伝送されてきたときに開始される。
【0128】
ステップS21において、受信部51は、PVR31から伝送されてきたTSパケットを受信し、受信したTSパケットを記録制御部52に出力する。
【0129】
ステップS22において、記録制御部52のDEMUX61は、受信部51から供給されたTSパケットをパケットヘッダに付加されているPIDに基づいて分離し、ビデオデータが格納されているTSパケットをビデオデータ処理部62に、オーディオデータが格納されているTSパケットをビデオデータ処理部62に、トリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットをCPU64に、それぞれ出力する。DEMUX61からトリックプレイ情報生成部64Aに対してはインタラプト信号も出力される。
【0130】
ステップS23において、ビデオデータ処理部62は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてビデオデータを生成する。また、オーディオデータ処理部63は、DEMUX61から供給されたTSパケットをバッファに一時的に記憶し、TSパケットに格納されているデータに基づいてオーディオデータを生成する。
【0131】
ステップS24において、トリックプレイ情報生成部64Aは、DEMUX61からインタラプト信号が供給されることに応じて、トリックプレイ情報生成用情報に含まれるPTSにより時刻が表されるIピクチャが、どのTSパケットに格納されるIピクチャであるのかを確認し、ビデオデータ処理部62を制御してそのIピクチャをハードディスク53または光ディスク54の所定の位置に記録させる。また、トリックプレイ情報生成部64Aは、Iピクチャの記録位置の情報を取得し、取得した記録位置の情報と、トリックプレイ情報生成用情報として供給されたPTSを対応付けてトリックプレイ情報を生成する。
【0132】
ステップS25において、ビデオデータ処理部62は、生成したビデオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。また、オーディオデータ処理部63は、生成したオーディオデータを、ハードディスク53と光ディスク54のうちの記録先として指定されている方の記録媒体に出力し、記録する。
【0133】
ステップS26において、トリックプレイ情報生成部64Aは、AVストリームを全て記録したか否かを判定し、記録していないと判定した場合、ステップS21に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
【0134】
一方、AVストリームを全て記録したとステップS26において判定した場合、ステップS27において、トリックプレイ情報生成部64Aは、トリックプレイ情報をハードディスク53または光ディスク54に出力し、AVストリームとあわせて記録させる。ここで記録されるトリックプレイ情報には、ハードディスク53または光ディスク54に記録されているAVストリームに含まれる全てのIピクチャについての記録位置の情報とPTSが対応付けられている。トリックプレイ情報が記録されたとき、処理は終了される。
【0135】
以上の処理により、コンテンツの伝送先の機器であるレコーダ32の負担を軽減することができ、伝送処理を効率的に行うことが可能になる。また、ストリームの解析を行うことができるほど十分に高性能なチップをレコーダ32に用意する必要がないため、レコーダ32の製造コストを下げることができる。
【0136】
以上においては、トリックプレイ情報生成用情報の格納されているTSパケットが、PIDによって他のTSパケットから識別されるものとしたが、他の情報によって識別されるようにしてもよい。
【0137】
例えば、AVストリームを格納するそれぞれのTSパケットには伝送順に時系列に沿ったタイムスタンプが付加されるが、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の直前に、時系列に沿ったものではないタイムスタンプが付加されたTSパケットが挿入され、そのような時系列に沿ったものではないタイムスタンプによって、トリックプレイ情報生成用情報が格納されているTSパケットが識別されるようにしてもよい。
【0138】
レコーダ32においては、時系列に沿ったものではないタイムスタンプが付加されたTSパケットが検出されたとき、そのTSパケットにはトリックプレイ情報生成用情報が格納されているものとして認識され、トリックプレイ情報生成用情報として格納されているPTSが、直後に続くTSパケットに格納されているIピクチャの時刻を表すものとして認識されてトリックプレイ情報の生成に用いられる。
【0139】
以上においては、PTSを格納したTSパケットは、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の先頭に挿入されて伝送されるものとしたが、コンテンツの伝送先の装置であるレコーダ32が判別可能な位置であれば、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の終わりの位置に挿入されて伝送されるようにしてもよいし、Iピクチャのデータを格納するTSパケットの列の真ん中の位置に挿入されて伝送されるようにしてもよい。
【0140】
なお、以上においては、DLNAの規格に従ってコンテンツの伝送が行われる場合について説明したが、他の規格に従ってコンテンツの伝送が行われるようにしてもよい。DLNA以外の規格に従ってコンテンツの伝送が行われる場合、伝送されるTSパケットには、図5に示されるような32ビットのタイムスタンプは付加されない。
【0141】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
【0142】
インストールされる実行するプログラムは、例えば、パッケージメディアである図3に示される光ディスク54に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。プログラムは、ハードディスク53にあらかじめインストールしておくことができる。
【0143】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0144】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】MPEG方式で符号化されたデータの再生順について説明する図である。
【図2】従来のコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るコンテンツ伝送システムの例を示す図である。
【図4】トリックプレイ情報の例を示す図である。
【図5】PVRから伝送される情報の例を示す図である。
【図6】図3の分離・編集処理部の構成例を示すブロック図である。
【図7】レコーダによる処理の具体例を示す図である。
【図8】レコーダによる処理の具体例を示す他の図である。
【図9】レコーダによる処理の具体例を示すさらに他の図である。
【図10】レコーダによる処理の具体例を示す図である。
【図11】PVRの処理について説明するフローチャートである。
【図12】PVRの処理について説明する、図11に続くフローチャートである。
【図13】レコーダの処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
31 PVR, 32 レコーダ, 41 チューナ, 42 記録制御部, 42A ストリーム解析・トリックプレイ情報生成部, 43 ハードディスク, 44 ミックス処理部, 45 伝送部, 51 受信部, 52 記録制御部, 52A 分離・編集処理部, 53 ハードディスク, 54 光ディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1と第2の記録装置がネットワークを介して接続される伝送システムにおいて、
前記第1の記録装置は、
AVストリームを記録する記録手段と、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、
前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記第2の記録装置に伝送する伝送手段と
を備え、
前記第2の記録装置は、
前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段と
を備える伝送システム。
【請求項2】
他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、
AVストリームを記録する記録手段と、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、
前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する伝送手段と
を備える記録装置。
【請求項3】
前記伝送手段は、前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットを挿入し、前記第2のパケットを伝送してから、前記第1のパケットの列を伝送する
請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記伝送手段は、前記第1と第2のパケットにそれぞれ異なるパケットIDを付加して伝送する
請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の伝送方法において、
AVストリームを記録し、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、
前記AVストリームを、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する
ステップを含む伝送方法。
【請求項6】
他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の伝送処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
AVストリームを記録し、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、
前記AVストリームを、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する
ステップを含むプログラム。
【請求項7】
AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、
前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段と
を備える記録装置。
【請求項8】
前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットが挿入され、前記第2のパケットが伝送されてから、前記第1のパケットの列が伝送されてくる場合、
前記記録制御手段は、前記第2のパケットに格納されている前記時刻情報と、前記第2のパケットの直後に伝送されてきた前記第1のパケットの列にデータが格納されているIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置とを対応付けて前記トリックプレイ情報を生成する
請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の記録方法において、
前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信し、
受信した前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、受信した前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる
ステップを含む記録方法。
【請求項10】
AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の記録処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信し、
受信した前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、受信した前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる
ステップを含むプログラム。
【請求項1】
第1と第2の記録装置がネットワークを介して接続される伝送システムにおいて、
前記第1の記録装置は、
AVストリームを記録する記録手段と、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、
前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記第2の記録装置に伝送する伝送手段と
を備え、
前記第2の記録装置は、
前記第1の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段と
を備える伝送システム。
【請求項2】
他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、
AVストリームを記録する記録手段と、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成する生成手段と、
前記記録手段に記録されている前記AVストリームを、前記生成手段により生成された前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する伝送手段と
を備える記録装置。
【請求項3】
前記伝送手段は、前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットを挿入し、前記第2のパケットを伝送してから、前記第1のパケットの列を伝送する
請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記伝送手段は、前記第1と第2のパケットにそれぞれ異なるパケットIDを付加して伝送する
請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の伝送方法において、
AVストリームを記録し、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、
前記AVストリームを、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する
ステップを含む伝送方法。
【請求項6】
他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の伝送処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
AVストリームを記録し、
前記AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析し、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、
前記AVストリームを、生成した前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに前記他の記録装置に伝送する
ステップを含むプログラム。
【請求項7】
AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置において、
前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、前記受信手段により受信された前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる記録制御手段と
を備える記録装置。
【請求項8】
前記AVストリームを構成するIピクチャのデータを格納する第1のパケットの列の直前の位置に前記時刻情報を格納する第2のパケットが挿入され、前記第2のパケットが伝送されてから、前記第1のパケットの列が伝送されてくる場合、
前記記録制御手段は、前記第2のパケットに格納されている前記時刻情報と、前記第2のパケットの直後に伝送されてきた前記第1のパケットの列にデータが格納されているIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置とを対応付けて前記トリックプレイ情報を生成する
請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の記録方法において、
前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信し、
受信した前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、受信した前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる
ステップを含む記録方法。
【請求項10】
AVストリームに含まれる各ピクチャのピクチャタイプを解析して、トリックプレイによる再生開始位置として指定されたピクチャを再生する前に再生しておく必要のあるIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を生成し、記録しておいた前記AVストリームを、前記トリックプレイ情報に含まれる前記時刻情報とともに伝送する他の記録装置とネットワークを介して接続される記録装置の記録処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記他の記録装置から伝送されてきた前記AVストリームと前記時刻情報を受信し、
受信した前記AVストリームを所定の記録媒体に記録させるとともに、受信した前記時刻情報に基づいて生成した、前記AVストリームに含まれるIピクチャの前記所定の記録媒体上の記録位置と、それぞれのIピクチャの前記AVストリーム上の時刻を表す時刻情報を含むトリックプレイ情報を前記所定の記録媒体に記録させる
ステップを含むプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−294638(P2008−294638A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136686(P2007−136686)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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