説明

伸線機

【課題】湿式潤滑剤での伸線加工で発生する油煙と乾式潤滑剤での伸線加工で発生する粉塵とが伸線機内で混在することを防止した伸線機を提供すること。
【解決手段】縮径ダイスを有する伸線ユニットを複数段備え、湿式潤滑剤が塗布された線材が導かれる初段の伸線ユニット11よりも下流側に位置する伸線ユニット13の縮径ダイスの入側位置に設けられ、該縮径ダイスに導入される線材に乾式潤滑剤を塗布する乾式潤滑剤塗布装置21と、複数段の伸線ユニット11〜14及び乾式潤滑剤塗布装置21が設置される装置設置台20と、装置設置台20上に前記複数段の伸線ユニット及び前記乾式潤滑剤塗布装置を取り囲む密閉された装置収容空間を形成するための開閉可能な密閉用カバー30と、前記装置収容空間を前記湿式潤滑剤による伸線加工が行われる第1エリアと前記乾式潤滑剤による伸線加工が行われる第2エリアとに仕切る仕切り部材40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮径ダイスを有する伸線ユニットを複数段備えた伸線機に導入された線材に、該伸線機によって湿式潤滑剤での伸線加工と乾式潤滑剤での伸線加工とを施すようにした、伸線機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば溶接用のフラックス入りワイヤの製造設備では、縮径ダイス(ローラダイス、あるいは孔ダイス)やキャプスタンなどを有する伸線ユニット(伸線ブロック)を複数段備えた伸線機が備えられている。この伸線機に導入された線材に、該伸線機によって湿式潤滑剤での伸線加工と次に乾式潤滑剤での伸線加工とを施して、線材を複数段にわたって徐々に縮径する伸線加工が行われている。
【0003】
このため、前記伸線機では、湿式潤滑剤での伸線加工による油煙(油粒ミスト)と乾式潤滑剤での伸線加工による粉塵とがそれぞれ発生するので、油煙や粉塵が機外へ拡散しないようにするための、前記複数段の伸線ユニットを取り囲む開閉可能な密閉用カバーを備えている。そして、この密閉用カバーに加えて、前記伸線機には、前記油煙を捕集すべく、該伸線機における湿式潤滑剤での伸線加工を行うエリアと機外とを連絡するダクトを介して電気集塵機が接続されている。同様に、前記伸線機には、前記粉塵を捕集すべく、該伸線機における乾式潤滑剤での伸線加工に行うエリアと機外とを連絡するダクトを介してろ過式集塵機(バグフィルタ)が接続されている。
【0004】
しかしながら、従来の伸線機では、前記密閉用カバーによって形成されるところの、湿式潤滑剤での伸線加工を行うエリアと乾式潤滑剤での伸線加工に行うエリアとが仕切られることなく繋がっているので、湿式潤滑剤での伸線加工で発生する油煙と乾式潤滑剤での伸線加工で発生する粉塵とが伸線機内で混在することとなる。
【0005】
このため、前記電気集塵機(電気集じん器)では、油煙のみならず粉塵をも捕集してしまい、電気集塵機内の電極に該粉塵が堆積し、電極間距離が短くなることでスパーク放電が起こりやすく、頻繁に警報とともに運転停止が発生するという不具合が生じていた。一方、前記ろ過式集塵機(ろ過式集じん器)では、粉塵のみならず油煙をも捕集してしまい、ろ過式集塵機内のろ布に油煙が大量に付着してろ布が目詰まりを起こし、集塵機能が大幅に低下するという不具合が生じていた。また、伸線機と前記電気集塵機及び前記ろ過式集塵機とをそれぞれ連絡する前記ダクトの内壁には、油煙と粉塵とがヘドロ状に混合して固まったものが多量に付着して堆積し、ダクト配管の圧力損失が大きくなるという不具合が生じていた。
【0006】
前記の結果、前記電気集塵機と前記ろ過式集塵機とによる集塵システムが正常に機能せず、伸線機内の油煙や粉塵が十分に捕集されず、作業上の理由で密閉用カバーあるいは密閉用カバーの点検用扉を開いたときに伸線機周辺に拡散して、作業環境が悪化するという問題が生じることになる。このため、電気集塵機での電極の交換や洗浄、ろ過式集塵機でのろ布交換、ダクトの清掃などのメンテナンスを頻繁に実施する必要があり、多大のメンテナンスコストを要していた。
【0007】
なお、本願に係る先行技術文献については、見当たらなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、縮径ダイスを有する伸線ユニットを複数段備えた伸線機に導入された線材に、該伸線機によって湿式潤滑剤での伸線加工と乾式潤滑剤での伸線加工とを施すに際し、湿式潤滑剤での伸線加工で発生する油煙と乾式潤滑剤での伸線加工で発生する粉塵とが伸線機内で混在してしまうことを防止し、これにより捕集用集塵機によって伸線機内の油煙、粉塵を故障や集塵機能低下を発生することなく良好に捕集できるようにした、伸線機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
請求項1の発明は、線材を縮径する縮径ダイスを有する伸線ユニットを複数段備えるとともに、湿式潤滑剤が塗布された線材が導かれる初段の伸線ユニットよりも下流側に位置する伸線ユニットの縮径ダイスの入側位置に設けられ、該縮径ダイスに導入される線材に乾式潤滑剤を塗布する乾式潤滑剤塗布装置と、前記複数段の伸線ユニット及び前記乾式潤滑剤塗布装置が設置される装置設置台と、前記装置設置台上に前記複数段の伸線ユニット及び前記乾式潤滑剤塗布装置を取り囲む密閉された装置収容空間を形成するための開閉可能な密閉用カバーと、線材が通過可能な線材通過用開口部を有し、前記密閉用カバーによる前記装置収容空間を前記湿式潤滑剤による伸線加工が行われる第1エリアと前記乾式潤滑剤による伸線加工が行われる第2エリアとに仕切る仕切り部材とを備えたことを特徴とする伸線機である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の伸線機において、前記仕切り部材は、2分割されており、少なくともその一方が取り付け取り外し可能又は移動可能であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の伸線機において、前記密閉用カバーは、前記第1エリア内と前記第2エリア内とのそれぞれに給気用空気を取り入れるための給気孔を有していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸線機において、前記伸線ユニットは、線材を縮径するカセットローラダイスと、前記カセットローラダイスを通過させた線材を引き抜くとともに、該線材を冷却するためのキャプスタンと、前記キャプスタンからの線材が導かれて、該線材の張力調整を行うためのダンサープーリとからなるものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の伸線機は、密閉用カバーによって形成される装置収容空間を湿式潤滑剤による伸線加工が行われる第1エリアと乾式潤滑剤による伸線加工が行われる第2エリアとに仕切る仕切り部材を備えている。したがって、伸線機に導入された線材に湿式潤滑剤での伸線加工と乾式潤滑剤での伸線加工とを施すに際し、前記第1エリアで発生した油煙と前記第2エリアで発生した粉塵とが混在しないようにすることができるので、従来とは違って、油煙捕集用の電気集塵機では第1エリアで発生した油煙のみの捕集が可能となり、粉塵捕集用のろ過式集塵機では第2エリアで発生した粉塵のみの捕集が可能となる。
【0015】
よって、電気集塵機での粉塵捕集に起因する故障の発生や、ろ過式集塵機での油煙捕集に起因する集塵機能低下を防止することができ、これらの捕集用集塵機によって伸線機で発生する油煙及び粉塵を良好に捕集することができて、良好な作業環境を維持することができる。また、これらの捕集用集塵機のメンテナンスコストを大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による伸線機の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す伸線機の要部を示す平面図である。
【図3】図1,図2における仕切り部材を説明するための側面図である。
【図4】仕切り部材の分割機能を説明するため説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による伸線機の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【0018】
図1において、20は装置設置台である。この装置設置台20上に、第1伸線ユニット(第1伸線ブロック)11、第2伸線ユニット(第2伸線ブロック)12、第3伸線ユニット(第3伸線ブロック)13及び第4伸線ユニット(第4伸線ブロック)14が上流側からこの順に設けられている。
【0019】
前記第1伸線ユニット11は、線材Wを縮径するカセットローラダイス11Aと、カセットローラダイス11Aを通過させた線材Wを引き抜くとともに、該線材Wを冷却するためのキャプスタン11Bと、キャプスタン11Bからの線材Wが導かれて、該線材Wの張力調整を行うための一対のダンサープーリ11C,11Dとを備えている。前記ダンサープーリ11C,11Dのうち、11Cは固定側ダンサープーリ、11Dは可動側ダンサープーリである。前記カセットローラダイス11Aは、一対の型溝付き孔型ローラからなるローラダイスを複数組伸線方向に交互に線材圧下方向が90°ずつ変わるように多段に重ねて1個のユニットに構成したものである。
【0020】
同様に、前記第2伸線ユニット12は、カセットローラダイス12A、キャプスタン12B、固定側ダンサープーリ12C及び可動側ダンサープーリ12Dを備えている。また、前記第3伸線ユニット13は、カセットローラダイス13A、キャプスタン13B、固定側ダンサープーリ13C及び可動側ダンサープーリ13Dを備えている。また、前記第4伸線ユニット14は、カセットローラダイス14A、キャプスタン14B、固定側ダンサープーリ14C及び可動側ダンサープーリ14Dを備えている。
【0021】
前記装置設置台20上には、また、第3伸線ユニット13のカセットローラダイス13Aの入側位置に、カセットローラダイス13Aに導かれる線材Wに乾式潤滑剤を塗布する乾式潤滑剤塗布装置21が設けられている(図2参照)。なお、装置設置台20の上流側には、第1伸線ユニット11のカセットローラダイス11Aに導かれる線材Wに湿式潤滑剤を塗布する図示しない湿式潤滑剤塗布装置が設けられている。すなわち、この実施形態では、第1伸線ユニット11及び第2伸線ユニット12によって湿式潤滑剤による伸線加工が行われ、次いで、第3伸線ユニット13及び第4伸線ユニット14によって乾式潤滑剤による伸線加工が行われるようになっている。
【0022】
また、装置設置台20には、開閉可能で、線材走行方向に沿って延びる密閉用カバー30が取り付けられている。この密閉用カバー30は、閉じられたとき、装置設置台30上に伸線ユニット11〜14及び前記乾式潤滑剤塗布装置21を取り囲む密閉された装置収容空間を形成する。
【0023】
また、湿式潤滑剤が塗布された線材Wの伸線加工を行う第2伸線ユニット12のカセットローラダイス12Aと、乾式潤滑剤が塗布された線材Wの伸線加工を行う第3伸線ユニット13のカセットローラダイス13Aとの間、この実施形態では、第2伸線ユニット12のキャプスタン12Bと固定側ダンサープーリ12Cと間に、板状の仕切り部材40が設けられている。
【0024】
この仕切り部材40は、密閉用カバー30が閉じられたとき、密閉用カバー30によって装置設置台20上に形成される前記装置収容空間を、湿式潤滑剤による伸線加工が行われる第1エリア(油煙発生エリア)1と乾式潤滑剤による伸線加工が行われる第2エリア(粉塵発生エリア)2とに仕切るためのものである。
【0025】
101は電気集塵機、102はろ過式集塵機である。装置設置台背面板20aにおける前記第1エリア1に対応する部位に、この第1エリア1と電気集塵機101とを連絡するダクト103の一端側が接続されており、その他端側に電気集塵機101が接続されている。また、装置設置台背面板20aにおける前記第2エリア2に対応する部位に、この第2エリア2とろ過式集塵機102とを連絡するダクト104の一端側が接続されており、その他端側にろ過式集塵機102が接続されている。
【0026】
次に、前記仕切り部材40について説明する。図2は図1に示す伸線機の要部を示す平面図、図3は図1,図2における仕切り部材を説明するための側面図である。なお、図2では、一対のダンサープーリ12C,12Dのうち、可動側ダンサープーリ12Dは図示省略している。
【0027】
図2に示すように、装置設置台20の上面における第2伸線ユニット12のキャプスタン12Bと固定側ダンサープーリ12Cと間の位置に、装置収容空間を第1エリア1と第2エリア2とに仕切るための板状の仕切り部材40が設けられている。
【0028】
前記仕切り部材40は、平板状をなす鋼製の固定側仕切り板41と平板状をなす鋼製の可動側仕切り板42とに2分割されている。装置設置台20上には、線材走行方向を横切る方向へ延びる狭幅細長をなす板状の溝付きベースプレート43が固定されている。溝付きベースプレート43には、仕切り板41,42を着脱可能に支持するための着脱用金具であるキャッチャー44の雌部材が所定数取り付けられる一方、仕切り板41,42の下端部近くには、前記雌部材に対応する雄部材が取り付けられている。2つの仕切り板41,42は、その下端部が溝付きベースプレート43の凹溝に嵌め込まれた状態で前記キャッチャー44によって溝付きベースプレート43に一続きに並べられた状態で起立姿勢にて支持されるようになっている。
【0029】
2つの仕切り板41,42のうち、可動側仕切り板42は、図3に示すように、その矩形切欠き部を覆うようにゴム製の板状をなす線材通過部形成片42aが取り付けてある。線材通過部形成片42aには、線材通過用開口部として、線材パスラインの位置に位置され、第1エリア1から第2エリア2へと線材Wを通過させるための小径の通過孔42bと、装置前面側の線材通過部形成片42a端部からこの通過孔42bに至るスリット部42cとが設けられている。
【0030】
前記線材通過部形成片42aは、たとえ線材Wが通過孔42bに接触しても線材品質に悪影響を及ぼさないように、本実施形態ではゴム製としてある。また、前記スリット部42cは、線材を伸線ユニットにセットするセッティング作業の終了時に、線材が張られた状態での可動側仕切り板42の装着を容易にするためのものである。
【0031】
図4は仕切り部材の分割機能を説明するため説明図である。
【0032】
前述のように、仕切り部材40は、固定側仕切り板41と可動側仕切り板42とに2分割されている。したがって、図4に示すように、装置前面側の可動側仕切り板42を前記溝付きベースプレート43(図2参照)から外し、装置背面側にある固定側仕切り板41に重ねて並べるようにすることができる。これにより、線材の伸線ユニット(本実施形態では伸線ユニット2,3)へのセッティング作業に必要な作業空間を確保することができ、運転開始等にあたり線材のセッティング作業を支障なくスムーズに行うことができる。
【0033】
なお、仕切り部材は、上下方向に2分割し、下側仕切り板を装置設置台に固定し、上側仕切り板を密閉用カバーに固定して、上側仕切り板がセッティング作業時などに開閉する密閉用カバーと一体に動くようにしてもよい。
【0034】
次に、前記密閉用カバー30に設けてある給気孔30aについて説明する。図3に示すように、装置設置台背面板20aに複数のカバー開閉用エアシリンダ31が取り付けられており(図3では1台のみ図示)、カバー開閉用エアシリンダ31のピストンロッドが、密閉用カバー30の支点軸33に連結された回動アーム32に連結されている。これにより、カバー開閉用エアシリンダ31を駆動することで、密閉用カバー30は、支点軸33を中心として所定角度(70°程度)回動し、開閉されるようになっている。
【0035】
また、図3に示すように、装置設置台背面板20aの下部に、第1エリア1と電気集塵機101とを連絡する前記ダクト103の一端側が接続されている。そして、密閉用カバー30における第1エリア1に対応する箇所のカバー前面上部傾斜面30bに、黒丸印で示す給気孔30aが複数形成されている。
【0036】
密閉用カバー30を閉じた状態で、第1エリア1内で発生する油煙を、前記ダクト103を介して電気集塵機101で捕集する際に、第1エリア1内への給気が不足すると、第1エリア1が大幅に負圧になり、電気集塵機101の集塵効率が低下してしまう。
【0037】
そこで、前記給気孔30aを設けることにより、第1エリア1内での負圧が緩和されて、電気集塵機101の集塵効率の低下を防ぐことができる。この場合、図3に示すように、第1エリア1の中空断面において前記ダクト103の位置に対して対角線方向の位置となる前記カバー前面上部傾斜面30bに給気孔30aを設けることにより、給気孔30aからダクト103への空気の流れがスムーズになり、電気集塵機101の集塵効率を高めることができる。また、キャップ等によって開閉可能な前記給気孔30aを複数設けることで、給気量を調整して最適な給気量を確保することが可能となる。なお、密閉用カバー30における第2エリア2に対応する箇所のカバー前面上部傾斜面30bに設ける給気孔30aについても同様である。
【0038】
このように本実施形態による伸線機は、密閉用カバー30によって形成される装置収容空間を湿式潤滑剤による伸線加工が行われる第1エリア1と乾式潤滑剤による伸線加工が行われる第2エリア2とに仕切る仕切り部材40を備えている。したがって、伸線機に導入された線材Wに湿式潤滑剤での伸線加工と乾式潤滑剤での伸線加工とを施すに際し、前記第1エリア1で発生した油煙と前記第2エリア2で発生した粉塵とが混在しないようにすることができるので、従来とは違って、油煙捕集用の電気集塵機101では第1エリア1で発生した油煙のみの捕集が可能となり、粉塵捕集用のろ過式集塵機102では第2エリア2で発生した粉塵のみの捕集が可能となる。
【0039】
よって、電気集塵機101での粉塵捕集に起因する故障の発生や、ろ過式集塵機102での油煙捕集に起因する集塵機能低下を防止することができ、これらの捕集用集塵機101,102によって伸線機で発生する油煙及び粉塵を良好に捕集することができて、良好な作業環境を維持することができる。また、これらの捕集用集塵機101,102のメンテナンスコストを大幅に減らすことができる。
【符号の説明】
【0040】
1…第1エリア
2…第2エリア
11…第1伸線ユニット
12…第2伸線ユニット
13…第3伸線ユニット
14…第4伸線ユニット
11A〜14A…カセットローラダイス
11B〜14B…キャプスタン
11C〜14C…固定側ダンサープーリ
11D〜14D…可動側ダンサープーリ
20…装置設置台 20a…装置設置台背面板
21…乾式潤滑剤塗布装置
30…密閉用カバー 30a…給気孔 30b…カバー前面上部傾斜面
40…仕切り部材
41…固定側仕切り板
42…可動側仕切り板
42a…線材通過部形成片 42b…通過孔 42c…スリット部
43…溝付きベースプレート
44…キャッチャー
101…電気集塵機
102…ろ過式集塵機
103,104…ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材を縮径する縮径ダイスを有する伸線ユニットを複数段備えるとともに、湿式潤滑剤が塗布された線材が導かれる初段の伸線ユニットよりも下流側に位置する伸線ユニットの縮径ダイスの入側位置に設けられ、該縮径ダイスに導入される線材に乾式潤滑剤を塗布する乾式潤滑剤塗布装置と、前記複数段の伸線ユニット及び前記乾式潤滑剤塗布装置が設置される装置設置台と、前記装置設置台上に前記複数段の伸線ユニット及び前記乾式潤滑剤塗布装置を取り囲む密閉された装置収容空間を形成するための開閉可能な密閉用カバーと、線材が通過可能な線材通過用開口部を有し、前記密閉用カバーによる前記装置収容空間を前記湿式潤滑剤による伸線加工が行われる第1エリアと前記乾式潤滑剤による伸線加工が行われる第2エリアとに仕切る仕切り部材とを備えたことを特徴とする伸線機。
【請求項2】
前記仕切り部材は、2分割されており、少なくともその一方が取り付け取り外し可能又は移動可能であることを特徴とする請求項1記載の伸線機。
【請求項3】
前記密閉用カバーは、前記第1エリア内と前記第2エリア内とのそれぞれに給気用空気を取り入れるための給気孔を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の伸線機。
【請求項4】
前記伸線ユニットは、線材を縮径するカセットローラダイスと、前記カセットローラダイスを通過させた線材を引き抜くとともに、該線材を冷却するためのキャプスタンと、前記キャプスタンからの線材が導かれて、該線材の張力調整を行うためのダンサープーリとからなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸線機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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