説明

伸線装置用のダイスホルダ

【課題】 長期に亘ってダイスに安定した付勢力を付与して確実な位置決めができると共に、粉状の加工屑のダイス孔への詰まりを防止することができる伸線装置用のダイスホルダを提供することを目的とする。
【解決手段】 ダイスホルダ31は、円板状を為すダイス7が保持された状態でダイス孔7dが延在する第1の軸線L1方向にダイス7を挟み込むように立設される第1、第2のブロック部材35,37と、第1のブロック部材35に設けられてダイス7を第2のブロック部材37側に付勢する付勢手段としてのボールプランジャ39とを備え、この付勢手段は、第2のブロック部材37側を向いてダイス7に当接させられる先端部が球面状とされた当接部材としてのボール部材39aと、この当接部材を介してダイス7を第1の軸線L1方向に付勢する付勢部材としてのバネ39cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金等の貴金属又は貴金属合金からなる細線の伸線装置用のダイスホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伸線装置用のダイスホルダとして、当て板を円板状を為すダイスの一の平面に当て、この当て板を逆U字状の板バネにより付勢して、前記ダイスの他の平面をダイスホルダのダイス当接面に押し当てると共に、前記板バネの位置を調整ビスにより伸線方向に調整可能としたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
このような特許文献1に記載のダイスホルダへのダイスの取り付けは、前記板バネと前記ダイス当接面との間にダイスを押し込むことにより行われる。
また、逆にダイスホルダからのダイスの取り外しは、前記板バネと前記ダイス当接面との間に保持されたダイスを引き抜くことにより行われる。
【特許文献1】実開平6−66810号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このようなダイスは、細線が挿通された状態で断線を生じないように注意を払いながらダイスホルダに取り付けなければならないが、特許文献1に記載のダイスホルダでは前記板バネが、ダイスが押し込まれるその上端部側が逆U字状とされているため、作業者がこの逆U字の湾曲に沿ってダイスを斜めに傾けた状態でダイスホルダに押し込んでしまい易い。
ところが、このようにダイスを斜めに押し込むことが繰り返されると、板バネが変形して前記ダイス当接面との間のクリアランスが拡がってしまい、部分的に付勢力が低下してしまうという問題があった。
特に、特許文献1に記載されているダイスホルダにおいては、当て板を介してダイスを付勢する構造とされているため、こうしていたバネが変形すると、当て板が傾いてダイスと部分的にしか当接されず、ダイスを取り付けた際に、保持が不十分となって軸線方向の位置がばらつくという不都合があった。
【0004】
また、特許文献1に記載されているダイスホルダにおいては、ダイスホルダに設けられた湾曲状の載置面にダイス外周面を載置する構成とされていたため、ダイスを取り付けた際に、半径方向の位置がばらつくという不都合があった。
更に、特許文献1に記載されているダイスホルダにおいては、ダイス外周面の下端部が閉塞された状態でダイスホルダに取り付けられていたため、加工の際に生じた細線の粉状の屑が、この閉塞された部分にたまってしまう。
伸線装置においては、ダイス及びダイスホルダが細線ごと潤滑油に浸漬されて伸線が行われる場合があるが、ダイス外周面の下端部が閉塞された状態では、閉塞部分にたまった細線の屑がダイス周辺に舞い上がり、ダイス孔に詰まってしまうという不都合もあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、長期に亘ってダイスを安定的に保持すると共に、軸線方向に確実に位置決めできる伸線装置用のダイスホルダを提供することを第1の目的としている。
また、本発明は、ダイスを半径方向にも確実に位置決めできると共に、粉状の加工屑のダイス孔への詰まりを防止することができる伸線装置用のダイスホルダを提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決して、前記第1の目的を達成するために、請求項1記載の伸線装置用のダイスホルダは、細線を伸線するダイス孔が貫通して形成された円板状を為すダイスを伸線装置に保持するためのものであって、前記ダイスが保持された状態で前記ダイス孔が延在する第1の軸線方向に該ダイスを挟み込むように立設される第1、第2のブロック部材と、前記第1のブロック部材に設けられて前記ダイスを前記第2のブロック部材側に付勢する付勢手段とを備え、この付勢手段は、前記第2のブロック部材側を向いて前記ダイスに当接させられる先端部が球面状とされた当接部材と、この当接部材を介して前記ダイスを前記第1の軸線方向に付勢する付勢部材とを備えていることを特徴とするものである。
また、前記付勢手段は、前記第1の軸線と水平方向で直交する第2の軸線よりも上側の位置に少なくとも1箇所、及び、前記第2の軸線よりも下側の位置に少なくとも1箇所設けられることが望ましい(請求項2)。
【0007】
また、前記第2の目的を達成するために、請求項3に係る発明は、前記第2のブロック部材に、前記第1の軸線と水平方向で直交する第2の軸線よりも下側であって、前記第1の軸線と上下方向で直交する第3の軸線に対して対称な2箇所の位置に、前記ダイス外周面の下端側を支持するダイス支持部が備えられており、これら2箇所のダイス支持部の間は開放空間とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の伸線装置用のダイスホルダである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る伸線装置用のダイスホルダによれば、第1のブロック部材に設けられた付勢手段の先端部を球面状とされた当接部材を介して、ダイスに、そのダイス孔が延在する第1の軸線方向に向けての付勢力が付与されるので、この当接部材の前記球面状の先端部はダイスに点接触して当接することとなる。
従って、ダイスが斜めに傾いた状態でダイスホルダに挿入されても、この当接部材を付勢する付勢部材は前記第1の軸線方向に向けてのみ該当接部材を付勢するだけとなるため、変形を生じたりすることがなく、長期に亘ってダイスに安定した付勢力が付与され、ダイスを安定的に保持できると共に、第1の軸線と平行な方向に確実に位置決めすることができる。
また、請求項2に係る伸線装置用のダイスホルダによれば、第2の軸線よりも上側の位置の少なくとも1箇所と、前記第2の軸線よりも下側の位置の少なくとも1箇所を付勢してダイスの倒れを防止できるので、更に安定してダイスを保持できると共に、第1の軸線と平行な方向に一層確実に位置決めすることができる。
【0009】
請求項3に係る伸線装置用のダイスホルダによれば、第3の軸線に対して対称な2箇所の位置に設けられたダイス支持部により、ダイスの外周面は2箇所で支持されることとなり、半径方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、前記2箇所のダイス支持部の間を開放空間としたので、伸線工程で発生する粉状の加工屑が開放空間から下方に落下されることとなり、ダイスおよびダイスホルダが潤滑油に浸漬される場合でも、ダイス孔への加工屑の詰まりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図1及び図2に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用したダイスホルダ31を備える伸線装置1の概略構成図であって、この伸線装置1は、互いの回転軸線が平行となるように対向して配置された一対のキャプスタン3,3と、この一対のキャプスタン3,3の間に、細線5が供給される上流側から順次配置され、本実施の形態では4箇所に設けられた第1〜第4の中間ダイス7,9,11,13と、前記第4の中間ダイス13の下流側で一のキャプスタン3の外側に配置された仕上ダイス15と、この仕上ダイス15の下流側に設けられた巻取りボビン17とを備えている。
なお、図1においてMは、キャプスタン3,3を図中R方向に回転させるための駆動源としてのモータである。
【0011】
キャプスタン3,3には、金等の貴金属又は貴金属合金からなる細線5が張架されて複数回巻き回されている。
この細線5は前記第1〜第4の中間ダイス7,9,11,13の各ダイス孔を通過される間に、下引線5aの状態から順次縮径されて引き伸ばされ、最終的に仕上ダイス15を通過して仕上線5eとされた後に巻取りボビン17に巻き取られる。
なお、図1においては、一対のキャプスタン3,3は、円柱状とされているが、上流側から下流側に向けて外径が漸次拡大されるようなコーン形状としても構わない。
【0012】
ダイスの形状について、第1の中間ダイス7(以下、単に「ダイス7」という。)を例として説明すると、ダイス7は円板状を為し、円筒状の外周面7cにより連設され、互いに平行に形成された円形の一の平面7aと他の平面7bとを備えると共に、一の平面7aの中心と他の平面7bとの中心に沿って貫通して形成されたダイス孔7dを備えている。
このダイス孔7dの中心線は、ダイス7がダイスホルダ31に装着された状態では、前記キャプスタン3,3間に張架される細線5に沿って延在することとなり、この中心線の位置がダイスホルダ31における第1の軸線L1とされる。
【0013】
そして、本実施の形態においては、前記第1〜第4の中間ダイス7,9,11,13及び前記仕上ダイス15は、いずれもダイスホルダ31により伸線装置1において所定の位置に保持されている。
【0014】
図2は、本発明が適用されたダイスホルダ31に、ダイス7が保持されている詳細を示す図であって、図2(a)は正面図を一部破断した図、図2(b)は図2(a)のA−A線視断面図である。
【0015】
ダイスホルダ31は、前記第1の軸線L1と平行な方向に延在された水平なベース面33aを有する略平板状のベース部材33と、このベース面33aに立設して取り付けられ、ダイス7の一の平面7aを付勢する後述する付勢手段としてのボールプランジャ39が設けられた第1のブロック部材35と、ベース面33aに立設して取り付けられ、ダイス7を位置決め可能に支持する第2のブロック部材37とから構成されている。
ここで、第1のブロック部材35のダイス7に対向される対向壁面35cと、第2のブロック部材37の後述する当接面37bとは、垂直方向に延在する平面とされ、互いに平行に対向するように、且つ、前記第1の軸線L1に垂直とされて、ダイス7をこの第1の軸線L1方向に挟み込むように配置されている。
なお、これらベース部材33と第1のブロック部材35と第2のブロック部材37とは適宜一体的に構成しても構わない。
【0016】
第1のブロック部材35には、上端側で開口し、前記ベース面33aに向かう方向に略U字状に切り欠かれた第1の切欠部35aが形成されている。
この第1の切欠部35aは、前記第1の軸線L1にオーバーラップするように延在されており、伸線時に細線5と第1のブロック部材35とが干渉しない構成とされている。
また、前記ボールプランジャ39は、図2(b)に示すように第1の軸線L1を中心とするダイス7よりも小径のピッチ円D1上に、第1の切欠部35aを避けて120度間隔で3箇所に設けられている。
より具体的には、本実施の形態においては、これら3箇所のボールプランジャ39は、前記第1の軸線L1と水平方向に直交する第2の軸線L2よりも上側で、第1の軸線L1と上下方向に直交する第3の軸線L3に対して対称な位置に2箇所と、第2の軸線L2よりも下側で、第3の軸線L3上の位置に1箇所の計3箇所に設けられている。
【0017】
次に、第2のブロック部材37には、上端側で開口し、前記ベース面33aに向かう方向に略U字状に切り欠かれた第2の切欠部37aが形成されている。
この第2の切欠部37aも、第1の軸線L1にオーバーラップするように延在されており、伸線時に細線5と第2のブロック部材37とが干渉しない構成とされている。
また、第2のブロック部材37は、ダイス7の他の平面7bと当接され、ベース面33aと垂直に形成された当接面37bを備えている。
【0018】
更に、第2のブロック部材37には、前記第2の軸線L2よりも下側で、前記第3の軸線L3と対称な2箇所の位置に、互いに同径同大の円柱状とされると共に、その中心線が前記当接面37bに垂直とされた一対のダイス支持部51,51が設けられており、ダイス孔7dを備えたダイス7が保持された状態でこれらダイス支持部51の外周面51aとダイス7の外周面7cとが線接触されることにより、ダイス7が位置決め可能とされている。
なお、本実施の形態においては、第1の軸線L1方向に見て図2(b)に示すように、一対のダイス支持部51,51のそれぞれの中心と、前記第1の軸線L1とが為す角度Aは90度とされている。
【0019】
次に、ボールプランジャ39の構造について詳述すると、このボールプランジャ39は、球状のボール部材(当接部材)39aと、このボール部材39aの先端が露出されるように収容すると共に外径に雄ネジ39dが形成された有底状のハウジング39bと、このハウジング39b内に収容され、一端がハウジング39bの座面に当接されると共に他端がボール部材39aの後端を付勢するバネ(付勢部材)39cとを備えている。
【0020】
このボールプランジャ39は、第1のブロック部材35の対向壁面35cから前記第1の軸線L1に平行に貫通して形成された雌ネジ35bに螺合されて、ボール部材39aの先端が所定位置となるように取り付けられる。
具体的には、ダイス7が保持されておらず、ボール部材39aがダイス7を付勢していない状態では、ボール部材39aの先端と第2のブロック部材37の当接面37bとの間の前記第1の軸線L1方向の間隙は、ダイス7の厚さよりも小さくなるように設定されている。
【0021】
以上のように構成されたダイスホルダ31にダイス7を装着する場合、ボール部材39aの先端と第2のブロック部材37の当接面37bとの間の間隙に、図2において上方からダイス7を押し込む。
ダイス7が下方に押し込まれて、その外周面7cとボール部材39aの先端とが接触することにより、ボール部材39aは、第1の軸線L1と平行な方向にバネ39cを圧縮する方向の力を受ける。
ボール部材39aは、前記一の平面7aを摺接されつつ第1の軸線L1と平行な方向に後退されてバネ39cを圧縮するので、このバネ39cからの反力により、ボール部材39aは、ダイス7の一の平面7aに対し、反力に応じた付勢力を第1の軸線L1方向に付与する。
【0022】
そして、ダイス7が更に押し込まれ、3箇所に設けられたボールプランジャ39の全てのボール部材39aがダイス7の一の平面7aに付勢力を付与すると共に、ダイス7の外周面7cが、位置決め部としての一対のダイス支持部51,51のそれぞれの外周面51aに当接して線接触されて押し込みが完了される。
これにより、ダイス7は、第1の軸線L1〜第3の軸線L3の全ての方向について位置決めされ、ダイスホルダ31に確実に保持される。
【0023】
こうして所定位置にダイス7が保持された状態で、細線5は、ダイス7のダイス孔7dに挿通されると共に、前記第1の切欠部35a及び第2の切欠部37aを通過されるので、伸線時に細線5とダイスホルダ31とが干渉されることはない。
更に、図2(b)に示されるように、一対のダイス支持部51,51の間は、開放空間Sとされているので、伸線工程で発生する細線5の屑は、ダイス7のダイス孔7dの付近に滞留することなく前記ベース面33aまで落下される。
【0024】
以上説明した通り、本実施の形態によれば、第1のブロック部材35に設けられた付勢手段としてのボールプランジャ39により、その当接部材としてのボール部材39aをダイス7の一の平面7aに当接させて、該ボール部材39aを介して付勢部材としてのバネ39cにより第1の軸線L1と平行な方向の付勢力を付与する構成としたので、ボール部材39aの先端と一の平面7aとの間が点接触とされて、ダイス7が斜めに傾いた状態でダイスホルダ31に挿入されても、バネ39cはボール部材39aをこの第1の軸線L1方向にのみ付勢するだけとなる。
従って、このバネ39cに変形が生じたりすることがなく、長期に亘ってダイス7に安定した付勢力が付与され、ダイス7を安定的に保持できると共に、第1の軸線L1と平行な方向に確実に位置決めすることができる。
【0025】
また、本実施の形態によれば、ボールプランジャ39を、第2の軸線L2よりも上側で、第3の軸線L3に対して対称な位置に2箇所と、第2の軸線L2よりも下側で、第3の軸線L3上の位置に1箇所の計3箇所に設けているので、ダイス7の倒れが防止され、更に安定してダイス7を保持できると共に、第1の軸線L1と平行な方向に一層確実に位置決めすることができる。
更に、本実施の形態によれば、第3の軸線L3に対して対称な2箇所の位置に設けられた一対のダイス支持部51,51により、ダイス7の外周面7cは2箇所で支持されることとなり、半径方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、一対のダイス支持部51,51のダイス支持部の間を開放空間Sとしたので、伸線工程で発生する粉状の加工屑が開放空間Sから下方に落下されてダイス7の周辺から除去され、これにより、ダイス7やダイスホルダ31を潤滑油に浸漬した場合でも、加工屑のダイス孔7dへの詰まりを防止することができる。
【0026】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能なものである。
具体的には、上述した実施の形態においては、ボールプランジャ39を全部で3箇所設けているが、第2の軸線L2に対して上下に少なくとも各1箇所ずつ設ければ、ダイスを倒れ無く保持することが十分に可能である。
また、球状のボール部材39aを備えたボールプランジャ39に代えて、先端部のみが半球状とされて後端部は円柱状などにされた当接部材を備えたプランジャを付勢手段として用いてもよい。
また、ダイス支持部51,51を設ける代わりに、ダイス7の一の平面7aに、円環状の溝を形成し、この溝と前記ボール部材39aの先端とが係合される構成とすれば、別部材のダイス支持部51,51を設ける必要がなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
長期に亘ってダイスに安定した付勢力を付与して確実な位置決めができると共に、粉状の加工屑のダイス孔への詰まりを防止することができる伸線装置用のダイスホルダを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用したダイスホルダ31を備える伸線装置1の概略構成図である。
【図2】本発明が適用されたダイスホルダ31に、ダイス7が保持されている詳細を示す図であって、図2(a)は正面図を一部破断した図、図2(b)は図2(a)のA−A線視断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 伸線装置 5 細線 7 ダイス(第1の中間ダイス) 31 ダイスホルダ 33 ベース部材 35 第1のブロック部材 35b 雌ネジ 37 第2のブロック部材 37b 当接面 39 ボールプランジャ 39a ボール部材(当接部材) 39b ハウジング 39c バネ(付勢部材) 39d 雄ネジ 51 ダイス支持部 L1 第1の軸線 L2 第2の軸線 L3 第3の軸線 S 開放空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細線を伸線するダイス孔が貫通して形成された円板状を為すダイスを伸線装置に保持するための伸線装置用のダイスホルダであって、
前記ダイスが保持された状態で前記ダイス孔が延在する第1の軸線方向に該ダイスを挟み込むように立設される第1、第2のブロック部材と、前記第1のブロック部材に設けられて前記ダイスを前記第2のブロック部材側に付勢する付勢手段とを備え、
この付勢手段は、前記第2のブロック部材側を向いて前記ダイスに当接させられる先端部が球面状とされた当接部材と、この当接部材を介して前記ダイスを前記第1の軸線方向に付勢する付勢部材とを備えていることを特徴とする伸線装置用のダイスホルダ。
【請求項2】
前記付勢手段が、前記第1の軸線と水平方向で直交する第2の軸線よりも上側の位置に少なくとも1箇所、及び、前記第2の軸線よりも下側の位置に少なくとも1箇所設けられたことを特徴とする請求項1に記載の伸線装置用のダイスホルダ。
【請求項3】
前記第2のブロック部材には、前記第1の軸線と水平方向で直交する第2の軸線よりも下側であって、前記第1の軸線と上下方向で直交する第3の軸線に対して対称な2箇所の位置に、前記ダイス外周面の下端側を支持するダイス支持部が備えられており、
これら2箇所のダイス支持部の間は開放空間とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の伸線装置用のダイスホルダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate