説明

伸縮可撓継手構造

【課題】大きな屈曲に対しても漏水を生じないようし、シール部材の変形性能を低下させないようにする。
【解決手段】受け口12内にフランジ部13aを有する挿し口13をシール部材15を介在させて挿し込み、袋ナット17を前記受け口12の外周にねじ込んでシール部材15を抜け止めする。その袋ナット17の鍔部17aと前記受け口12の端面12aとの間に、シール部材15の環状突出部15aを夾んで固定したので、シール部材15は、継手部が大きく伸縮又は屈曲しても移動したり外れたりせず、漏水を生じさせない。また、シール材15を、フランジ部13aの外周面23aとそれに対向する受け口12の内周面22との間の空間P、及び挿し口13の外周面23と袋ナット17の内周面28との間の空間Qに臨ませたので、圧縮によるシール部材15の変形はその両空間P,Qへと逃げる。このため、シール部材15の弾力性は減少せず変形性能が低下しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水道配管等において用いられる伸縮可撓式継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、上水道や下水道等の流体配管の継手部には、伸縮可撓継手が用いられる場合が多い。この伸縮可撓継手は、配管内の流体圧力や、あるいは地震や地盤沈下等により配管に作用する外力によって、その接続された配管同士が伸縮あるいは屈曲しようとした場合に、その伸縮や屈曲に追随して継手部が伸縮又は変形して、管体やバルブ等の機器が損傷することを防いでいる。
【0003】
従来の伸縮可撓継手1は、例えば、図5に示すように、受け口2に、その内径が一般部よりも大きい大口径部2b、その大口径部2bよりもやや小径の小口径部2aが、受け口前端部から奥部に向かって順に形成されている。その受け口2に、継手パイプ(挿し口)3が差し込まれて、その継手パイプ3の前端が前記小口径部2aに至っている。
【0004】
継手パイプ3の前端には、その全周に亘って外側に突出するフランジ部3aが形成されており、そのフランジ部3aの外周面と小口径部2aの内周面とが、径方向に所定の隙間wを介して対向している。また、その小口径部2aは、挿入された継手パイプ3の前端位置からさらに奥部へ延びており、継手本体(受け口)2と継手パイプ3とは、軸方向へ所定の距離dだけ相対移動することができるようになっている。
【0005】
その継手本体2の大口径部2bには、その奥部から前端部側に向かって筒状スペーサ4、シールリング5、シールカバー6が順に挿入されている。
その筒状スペーサ4の奥部側の端部4aは、受け口の小口径部2aと大口径部2bとの間の段部2cに当接している。また、その筒状スペーサ4は、その本体部4bの内径が前記フランジ部3aの外径よりも小さく、前記奥部側の端部4aに、前記フランジ部3aの外径よりも小さい内径を有する内方突起を有し、フランジ部3aがこの内方突起を所定以上の力で押したときに変形してフランジ部3aが通ることを許容する。
また、シールリング5は、ゴムなど弾性を有する素材でできており、その一端がスペーサ4に当接するとともに、他端は、シールカバー6を介して継手本体2の外周にねじ込まれた袋ナット7の鍔部7aに拘束されている。
【0006】
この伸縮可撓継手1は、所定以上の圧力や外力に対し、配管が伸長しようとした場合にその伸長による配管の変位を吸収し、管や機器の損傷を防ぐとともに、上記隙間wの寸法を大きく設定すれば、継手パイプ3と継手本体2とが折れ曲がろうとした場合に、その折れ曲がり(屈曲)にも対応できるようになっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−63339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記伸縮可撓継手1によれば、受け口2の小口径部2a内周面と、継手パイプ3のフランジ部3a外周面との隙間wが小さいので、継手部が折れ曲がろうとする外力が配管に作用した場合に、その内外周面間が当接してしまう。継手本体2と継手パイプ3とが直接触れれば、その当接により配管が楕円に変形して漏水を生じさせることもある。また、継手部が大きく屈曲して、前記当接部が強く圧接すると、配管が損傷することがあるので好ましくない。
【0008】
この当接を防ぐために、上記シールリング5などのシール部材を径方向に厚くするなどして、上記隙間wを大きくする手段が有効であると考えられる。隙間wが大きくなれば、継手部を夾んで両配管が大きく屈曲しても、その隙間wを介して対向する配管の内外周面が直接触れることは回避されるからである。
【0009】
しかし、隙間wを大きくしても、上記シールリング5などのシール部材は耐久性等の観点から所定の硬度を必要とし、その変形性能には限界があるので、継手部が、その限界に相当する屈曲角度を超えて大きく屈曲すれば、シール部材は、その屈曲に対応して変形できなくなる。このため、シール部材が移動したり外れたりしてそのシール部材と配管との間に隙間を生じ、その隙間から漏水を生じさせることがある。
【0010】
また、継手部を夾んで両配管が相反する方向へ強く引かれると、上記シールリング5などのシール部材は袋ナット7の端面壁内面と継手パイプ3のフランジ部3aの端面によって、両側から管軸方向へ強く圧縮される。この圧縮度合いが大きいと、前記シール部材の弾力性は減少し、変形性能が低下する。シール部材の変形性能が低下すれば、その継手部が対応できる配管同士の屈曲可能角度は低下する。このため、上記の場合と同様、シール部材と配管との間に隙間を生じ漏水の原因となるとともに、配管損傷の原因ともなるので好ましくない。
【0011】
そこで、この発明は、伸縮可撓式継手において、大きな屈曲に対しても、漏水を生じないようにすることを第一の課題とし、特に、継手部の伸長状態において、シール部材の変形性能を低下させないようにすることを第二の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記第一の課題を解決するために、この発明は、シール部材を、受け口の端面と袋ナットの鍔部との間に挟んで固定したのである。
このようにすれば、シール部材は、受け口と袋ナットとの間に挟まれて固定されるので、継手部が大きく伸縮又は屈曲しても、シール部材が移動したり外れたりすることを防止し得る。このため、大きな屈曲に対しても、漏水を生じさせない。
【0013】
また、上記第二の課題を解決するために、この発明は、挿し口のフランジ部外周面とそれに対向する受け口の内周面に夾まれた空間、及び、挿し口の外周面と袋ナットの鍔部内周面に夾まれた空間に、それぞれシール部材を臨ませたのである。
このようにすれば、シール部材が管軸方向へ強く圧縮されると、そのシール部材は変形して各空間へ入り込む。すなわち、圧縮によるシール部材の変形は、その両空間へと逃げる。このため、継手部の伸長状態においても、シール部材の弾力性は減少せず変形性能が低下しない。
【発明の効果】
【0014】
この発明は、以上のようにしたので、伸縮可撓継手において、大きな屈曲に対しても、漏水を生じないようにし、また、継手部の伸長状態において、シール部材の変形性能を低下させない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上記第一の課題を解決するための手段の実施形態として、受け口内にシール部材を介在させて挿し口を挿し込み、その挿し口が貫通する袋ナットを前記受け口の外周にねじ込んで、その袋ナットの鍔部により前記シール部材を前記挿し口の後端側へ抜け止めするとともに、そのねじ込みにより、前記鍔部と前記受け口の端面との間に前記シール部材の後端周縁部を夾んで固定した伸縮可撓継手構造である。
【0016】
上記構成の伸縮可撓継手構造において、上記シール部材の後端周縁部に、径方向外側に突出する環状突出部を設け、その環状突出部を、前記受け口の端面と上記鍔部との間に夾んで固定するようにすれば、シール部材は、受け口と袋ナットとの間に夾みやすくなる。また、環状突出部を夾んで固定すれば、その夾まれたシール部材は、受け口と挿し口とが大きく伸縮又は屈曲した際にも外れにくくなる。このため、シール部材が受け口に対して移動したり外れたりすることを、より確実に防止し得る。
【0017】
また、上記第二の課題を解決するための手段の実施形態として、受け口内に、その前端部にフランジ部を有する挿し口を挿し込み、前記フランジ部よりも後端側において、前記挿し口の外周面と受け口の内周面との間にシール部材を介在させる。その挿し口が貫通する袋ナットを前記受け口の外周にねじ込んで、その袋ナットの鍔部により前記シール部材を前記挿し口の後端側へ抜け止めするとともに、前記フランジ部の後端側端面を前記シール部材に当接させる。
そのフランジ部の外周面とそれに対向する受け口の内周面との間に空間を形成し、上記挿し口の外周面と上記鍔部の内周面との間に空間を形成し、上記シール部材をその両空間に臨ませて配置した伸縮可撓継手構造を採用し得る。
【0018】
このようにすれば、シール部材が、上記鍔部の内面及び上記鍔部の後端側端面に夾まれて管軸方向へ強く圧縮されると、その圧縮によるシール部材の変形は、上記両空間へ逃げるようになるので、シール部材の弾力性は減少せず変形性能が低下しない。このため、継手部の伸長状態においても、対応できる配管同士の屈曲可能角度を低下させず、漏水や配管損傷を防止し得る。
【0019】
なお、上記シール部材を上記両空間に臨んで配置した構成において、そのシール部材に上述の環状突出部を設けても良い。このようにすれば、シール部材を夾みやすく、また、そのシール部材は袋ナットと受け口との間にしっかりと固定されるので、継手部の伸長等によりシール部材が変形する際に、そのシール部材が移動したり外れたりすることを阻止する上で効果的である。
【0020】
また、上記伸縮可撓継手構造とするための挿し口と受け口との接続方法として、以下の構成を採用し得る。
すなわち、筒状のシール部材の外側にスリーブを嵌め、その後、そのシール部材の内側に挿し口の後端部を圧入して、その挿し口の前端部に設けたフランジ部の後端側端面を前記シール部材に当接させる。
そのスリーブの外側に上記受け口を嵌めた後、前記スリーブを後端側へ向かって引き抜き、その後、上記挿し口を貫通する袋ナットを前記受け口の外周にねじ込むようにした接続方法である。
【0021】
シール部材の外側にスリーブを嵌める際の抵抗や、スリーブをシール部材から引き抜く際の抵抗は、そのシール部材の外側に直接受け口を圧入する際の圧入抵抗よりも小さいので、その接続の際に、シール部材を傷めることを防ぐことができる。また、そのスリーブの外周に受け口を嵌める前に、挿し口の前端に設けたフランジ部をシール部材の前端に当接させてしっかりと圧接しておけば、受け口を嵌めた後、袋ナットをねじ込む際に、そのシール部材を受け口側へ押し込む必要がない。このため、袋ナットのねじ込みが軽やかとなって作業が容易になる。
【実施例】
【0022】
一実施例を図1乃至図3に基づいて説明する。
この実施例の伸縮可撓継手10は、図3に示すように、水道管9に取り付けられた分水栓11の分岐管20に設けられるものである。その構成は、図1に示すように、分岐管20にパッキン21を介してねじ込まれた受け口12内に、ゴム製のシール部材15を介在させて挿し口13が挿し込まれ、その挿し込み状態で、挿し口13用の挿通孔18を有する袋ナット17が、挿し口13側から受け口12の外周にねじ込まれ固定されている。
【0023】
挿し口13は、その前端部にフランジ部13aを有し、前記シール部材15は、そのフランジ部13aよりも後端側において、前記挿し口13の外周面23と受け口12の内周面22との間に位置している。また、フランジ部13aの後端側端面13bは、そのシール部材15の前端に当接している。
受け口12の内周面22は、前記フランジ部13aの外周面23aの外径よりも大きな内径となっているので、その内周面22と外周面23aとの間に空間Pを形成している。
【0024】
前記シール部材15は、その中心に貫通孔15fを有する筒状を成し、受け口12と挿し口13との間に圧入される前は、図2aに示すように、その前端部にテーパ部15bと前端突出部15cを有する形状となっている。また、後端周縁部には、その全周に亘り径方向外側に突出する環状突出部15aが設けられている。
【0025】
受け口12の外周にねじ込まれた前記袋ナット17の前記挿通孔18周囲の鍔部17aが前記シール部材15の後端に当接し、その当接により、シール部材15が挿し口13の後端側へ抜けないように抜け止めされている(図1参照)。また、袋ナット17の鍔部17aの内側端面17cと前記受け口12の端面12aとの間に、前記環状突出部15aが夾まれて固定されている。
このとき、袋ナット17の上記挿通孔18の内周面28(鍔部17aの内周面28)は、その内径が挿し口13の外周面23の外径よりも大きくなっているので、その内周面28と挿し口13の外周面23との間に空間Qを形成している。
なお、袋ナット17の受け口12へのねじ込みは、その袋ナット17の内周に、受け口12の外周に形成されたねじ部12bに対応するねじ部17bが形成されているので、両ねじ部12b,17bを介して行われる。
【0026】
この伸縮可撓継手10とするための受け口12と挿し口13との接続方法を説明すると、図2aに示すように、筒状のシール部材15の外側に、その全長に亘って金属製のスリーブ(接合パイプ)16を嵌める。このとき、シール部材15の環状突出部15aもスリーブ16内に収めるようにする(図2a,図2b参照)。
【0027】
そのシール部材15の内側の貫通孔15fに、挿し口13の後端部13cを圧入し(図2b,図2c参照)、圧入用治具24,25を使用して、挿し口13の前端部に設けたフランジ部13aの後端側端面13bを前記シール部材15に当接させる(図2c,図2d参照)。シール部材15の貫通孔15fには、図2bに示すテーパー部15bが設けられているので、挿し口13を圧入しやすくなっている。
このとき、図示する治具25には、シール部材15の後端が当接する凹部が形成されているので、そのシール部材15の後端には、膨出部15eが形成される。また、シール部材15の前端は、上記空間Pに入り込んで膨出部15dが形成される。この膨出部15dは、図2bに示すシール部材15の前端側突出部15cが変形したものである。
【0028】
上記圧入用治具24,25を退去させた後、上記スリーブ16の外側に受け口12を嵌める(図2e,図2f参照)。このとき、シール部材15の外周はスリーブ16により保護されており、シール部材15の内側に挿し口13を圧入した後もそのスリーブ16の外径は不変である。したがって、スリーブ16の外側に受け口12を嵌めるのが簡単である。
その後、スリーブ16を後端側へ向かって引き抜く(図2g参照)。この引き抜きにおいて、スリーブ16の後端に設けられたフランジ16aを掴むと便利である。このとき、スリーブ16の外周面は、軸方向に滑り易い表面形状、及び表面粗度に形成されているので、その引き抜きはスムースである。また、必要に応じてシール部材15の外周面に滑材を塗布しておけば、その引き抜きはさらにスムースとなる。スリーブ16の引き抜きがスムースであれば、シール部材15に無理な力が作用しないので、そのシール部材15の不必要な変形を抑えシール性能を向上させることができる。
【0029】
その後、袋ナット17を前記受け口12の外周にねじ込む(図2g,図2h参照)。このとき、前述の圧入用治具24,25により、シール部材15と挿し口13のフランジ部13aとはしっかりと圧接されているので、この袋ナット17のねじ込みはスムースである。このねじ込みにより、シール部材15の後端に形成された上記膨出部15eは、上記空間Qに入り込んだ状態となり、伸縮可撓継手10の接続が完了する。
【0030】
この伸縮可撓継手10の作用を説明すると、まず、図2hに示す状態において、地震等により継手部が屈曲(スイング)する方向へ力が作用すると、その屈曲に対し、シール部材15が柔軟に変形する。このとき、上記空間P,Qにおいて、受け口12と挿し口13とが直接接触しないように隙間設定されており、また、シール部材15は所定の弾性力を有しているので、シール部材15がその継手部の屈曲による各部部材の変位を吸収するよう変形して、その各部部材に損傷を生じさせない。
【0031】
また、シール部材15は、上記環状突出部15aが袋ナット17と受け口12の端面12aとの間に挟まれて固定されているので、その継手部が屈曲しようとした際に、シール部材15にねじれの力が作用しても、常にその位置が維持される。したがって、シール部材15は動いたり外れたりしない。また、その環状突出部15aが、常に袋ナット17及び受け口12に圧接しているので、その止水性能は終始維持される。
さらに、この実施例によれば、シール部材15のボリュームが大きいので、そのシール部材15を構成するゴムの流動化によって、シール部材15が受け口12の内周面22及び挿し口13の外周面23等に強く密着する。このため、その止水性能は高いレベルで維持されることとなる。
【0032】
つぎに、図2hに示す状態において、地震等により継手部が伸長する方向へ力が作用すると、前記フランジ部13aの後端側端面13bが前記シール部材15を後端側へ押し、
シール部材15が圧縮される。この圧縮により、シール部材15による止水性能は、さらに向上する。
継手部がさらに伸長すると、シール部材は前記両空間P,Qに臨んで配置されているので、そのシール部材15の変形は、図2hに示す矢印の方向へ逃げる。このため、シール部材15はその圧縮前の初期の弾性力を維持して、継続して各部部材の変位を吸収し得る。したがって、この伸長状態で上記屈曲する方向への力が作用しても、隙間の発生に伴う漏水を生じさせないとともに、各部部材に損傷をも生じさせない。
また、この伸長状態において、シール部材15が、図2hに示す矢印の方向へ変形することに伴い、そのシール部材15にはその矢印の方向へのねじれの力が作用する。このとき、シール部材15の環状突出部15aは、袋ナット17と受け口12の端面12aとの間に挟まれて固定されているので、そのねじれの力に対してシール部材15は動かないように固定される。
【0033】
なお、図4に示すように、軸方向へ長さの長い挿し口13に対しても、この伸縮可撓継手10の構造を採用し得る。
また、上記各実施例では、シール部材15としてゴム(SBR)硬度70度のものを使用した。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】一実施例の切断正面図
【図2a】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、シール部材の外側にスリーブを嵌める際の状態を示す。
【図2b】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、シール部材の内側に挿し口を圧入する前の状態を示す。
【図2c】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、シール部材に挿し口を圧入した後、圧入用治具を使用する前の状態を示す。
【図2d】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、シール部材に挿し口を完全に圧入した状態を示す。
【図2e】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、スリーブの外側に受け口を嵌める前の状態を示す。
【図2f】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、スリーブの外側に受け口を嵌めた状態を示す。
【図2g】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、スリーブを引き抜いた後、袋ナットをねじ込む前の状態を示す。
【図2h】図1の伸縮可撓継手の接続方法を示し、袋ナットをねじ込んだ状態を示す。
【図3】図1の伸縮可撓継手を取り付けた分水栓の全体図
【図4】他の実施例の伸縮可撓継手を取り付けた分水栓の全体図
【図5】従来例の切断正面図
【符号の説明】
【0035】
1,10 伸縮可撓継手
2,12 受け口
3,13 挿し口
5,15 シール部材
7,17 袋ナット
11 分水栓
12b,12c,17b,20c ねじ部
13a フランジ部
13b フランジ部後端側端面
13c 後端部
15a 環状突出部
15b テーパ部
15c 前端側突出部
15d,15e 膨出部
15f 貫通孔
16 スリーブ
7a,17a 鍔部
17c 鍔部内側端面
18 挿通孔
20 管路(分岐管)
21 パッキン
22 受け口内周面
23 挿し口外周面
23a フランジ部外周面
24,25 圧入用治具
28 鍔部内周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け口12内にシール部材15を介在させて挿し口13を挿し込み、その挿し口13が貫通する袋ナット17を前記受け口12の外周にねじ込んで、その袋ナット17の鍔部17aにより前記シール部材15を前記挿し口13の後端側へ抜け止めするとともに、そのねじ込みにより、前記鍔部17aと前記受け口12の端面12aとの間に前記シール部材15の後端周縁部を夾んで固定した伸縮可撓継手構造。
【請求項2】
受け口12内に、その前端部にフランジ部13aを有する挿し口13を挿し込み、前記フランジ部13aよりも後端側において、前記挿し口13の外周面23と受け口12の内周面22との間にシール部材15を介在させ、前記挿し口13が貫通する袋ナット17を前記受け口12の外周にねじ込んで、その袋ナット17の鍔部17aにより前記シール部材15を前記挿し口13の後端側へ抜け止めするとともに、前記フランジ部13aの後端側端面13bを前記シール部材15に当接させ、
上記フランジ部13aの外周面23aとそれに対向する受け口12の内周面22との間に空間Pを形成し、上記挿し口13の外周面23と上記鍔部17aの内周面28との間に空間Qを形成し、上記シール部材15をその両空間P,Qに臨ませた伸縮可撓継手構造。
【請求項3】
請求項2に記載の伸縮可撓継手構造において、上記袋ナット17を上記受け口12の外周へねじ込むことにより、上記鍔部17aと前記受け口12の端面12aとの間に、上記シール部材15の後端周縁部を夾んで固定したことを特徴とする伸縮可撓継手構造。
【請求項4】
上記シール部材15の後端周縁部に、径方向外側に突出する環状突出部15aを設け、上記鍔部17aと上記受け口12の端面12aとの間には、前記環状突出部15aが夾まれることを特徴とする請求項1又は3に記載の伸縮可撓継手構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の伸縮可撓継手構造とするための挿し口13と受け口12との接続方法であって、筒状のシール部材15の外側にスリーブ16を嵌め、その後、そのシール部材15の内側に挿し口13の後端部を圧入して、その挿し口13の前端部に設けたフランジ部13aの後端側端面13bを前記シール部材15に当接させ、
上記スリーブ16の外側に上記受け口12を嵌めた後、前記スリーブ16を後端側へ向かって引き抜き、その後、上記挿し口13を貫通する袋ナット17を前記受け口12の外周にねじ込むことを特徴とする挿し口13と受け口12との接続方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−78017(P2007−78017A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263733(P2005−263733)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】