説明

伸縮脚を有するテーブル

【課題】構造を簡単にして安価に多量生産しながら、伸縮脚の長さを正確に微調整する。
【解決手段】伸縮脚を有するテーブルは、中空筒状の筒体3と固定具4と伸縮機構5とからなる伸縮脚2を天板1に固定している。固定具4は、筒体3に挿入される挿入部12を固定ブロック13及び複数の拡開ブロック14に分割して、これらの間に拡開隙間15を設けている。固定ブロック13は、拡開ブロック14の拡開隙間15にねじ込まれる拡開ネジ16を連結しており、拡開ネジ16で拡開ブロック14を拡開して、挿入部12で筒体3の内面を押圧して筒体3を固定している。伸縮機構5は、筒体3の下端に固定してなる固定筒21と、固定筒21にねじ込まれる長さ調整ネジ22と、長さ調整ネジ22にねじ込んでなるロックナット23とを備え、ロックナット23を緩める状態で長さ調整ネジ22を回転して伸縮脚2の長さを調整し、ロックナット23を締め込んで固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、天板の下面にヒーターを固定しているこたつに使用される伸縮脚を有するテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
こたつに使用されるテーブルは、脚を伸縮できる構造として便利に使用できる。このことを実現するために、伸縮脚を有するテーブルが開発されている。(特許文献1参照)
このテーブルは、図1の断面図に示すように、アルミニウム管からなる筒状の固定脚91の内部に、アルミニウム製の昇降脚92を摺動自在に挿入している。昇降脚92は、その内側に凹溝93を形成して、この凹溝93の側面に凹溝状のスライダー収納部94を形成している。このスライダー収納部94に、ナット状のスライダー95を回り止めした状態で摺動自在に収納している。さらに、固定脚91に設けた貫通孔96に挿通した止ネジ97をスライダー95にねじ込んでいる。このテーブルは、固定脚91に対して昇降脚92を摺動させた後、止ネジ97を締め付けて、スライダー95と止ネジ97の頭部98との間に固定脚91および昇降脚92が挟み込まれて、固定脚91に昇降脚92を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−65020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1のテーブルは、止ネジを緩めて伸縮脚の長さを自由に調整できる。しかしながら、この構造のテーブルは、伸縮脚の構造が複雑で製作コストが高くなる欠点がある。また、止ネジをねじ込んで昇降脚を固定脚に固定するので、止ネジを強く確実にねじ込んで伸縮脚を固定しない状態にあっては、テーブルに作用する荷重で伸縮脚の長さが変化しやすい欠点もある。さらにまた、各々の伸縮脚の高さを微妙に調整するのが難しい欠点もある。それは、昇降脚を固定脚に出し入れして伸縮脚の高さを調整して止ネジで固定するからである。
【0005】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、構造が簡単で安価に多量生産できる伸縮脚を有するテーブルを提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、テーブルの荷重で伸縮脚の長さが変化することがなく、しかも伸縮脚の長さを正確に微調整でき、種々の使用場所において誰もが便利に使用できる伸縮脚を有するテーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の伸縮脚を有するテーブルは、天板1に伸縮脚2を固定してなる高さ調整できるテーブルであって、伸縮脚2が中空筒状の筒体3と、この筒体3を天板1に固定してなる固定具4と、筒体3の下端に連結してなる伸縮機構5とからなる。固定具4は、天板1の下面に固定される鍔部11と、この鍔部11に直交するように連結されて筒体3に挿入される柱状の挿入部12とからなる。この挿入部12は、一端を鍔部11に連結してなる固定ブロック13及び複数の拡開ブロック14に分割されて、複数の拡開ブロック14と固定ブロック13との間に拡開隙間15を設けている。固定ブロック13は、挿入部12の外周から拡開ブロック14の間に設けている拡開隙間15に向かってねじ込まれる拡開ネジ16をねじ込みできるように連結している。複数の拡開ブロック14の間に設けている拡開隙間15の間隔は、ここに挿入される拡開ネジ16の圧入部16Aの外径よりも狭く、拡開隙間15に挿入される拡開ネジ16の圧入部16Aでもって、拡開できる構造としている。さらに、筒体3は、その上端部に拡開ネジ16を回転させる開口部17を有する。テーブルは、筒体3を固定具4の挿入部12に挿入し、拡開ネジ16を回転して拡開ブロック14を拡開し、挿入部12が筒体3の上端部の内面を押圧して固定される。さらにまた、伸縮脚2の伸縮機構5は、筒体3の下端の内側に挿入して固定してなる内面に雌ネジ孔21Aを有する固定筒21と、この固定筒21の雌ネジ孔21Aにねじ込まれる長さ調整ネジ22と、長さ調整ネジ22の雄ネジ22aにねじ込んでなるロックナット23とを備えている。伸縮機構5は、ロックナット23を緩める状態で長さ調整ネジ22を回転して、伸縮脚2の長さを調整し、ロックナット23を締め込んで所定の長さに固定している。
【0007】
以上のテーブルは、簡単な構造で安価に多量生産できる特徴がある。それは、耐荷重特性に優れるにもかかわらず安価な筒状の筒体を伸縮脚に利用すると共に、この筒体を簡単な構造でテーブルに確実に固定し、さらに中空の筒状である筒体を利用して伸縮機構の長さ調整ネジを筒体の内部にねじ込んで長さを調整しているからである。また、筒状の筒体は、その上端の内側に固定具の挿入部を挿入して、内側から拡開する状態で天板に固定され、また、下端に挿入して固定している固定筒に長さ調整ネジをねじ込んで長さ調整できる構造とするので、筒体の上下に挿入部や固定筒を挿入して固定することから、これらを強靱な構造で固定できる特徴も実現する。それは、筒状の筒体は、内側から拡開される力に対して極めて強靱な強度特性を有するからである。
【0008】
また、以上のテーブルは、テーブルの荷重で伸縮脚の長さが変化することがなく、しかも伸縮脚の長さを正確に微調整することで、種々の使用場所において誰もが便利に使用できる特徴がある。それは、以上のテーブルが、図1の伸縮脚のように、止ネジをねじ込んでスライダーの摩擦抵抗で昇降脚を固定脚に固定するのでなく、長さ調整ネジをねじ込んで伸縮脚の長さを調整して、これをロックナットで固定するからである。長さ調整ネジは、ねじ込み量で伸縮脚の長さを簡単に正確に、しかも微妙に調整できる。このため、たとえば、4本の伸縮脚を天板の四隅に固定しているテーブルにあっては、テーブルを設置する面の水平度を伸縮脚で調整しながら、正確な高さにロックナットで固定できる。
【0009】
本発明の伸縮脚を有するテーブルは、固定具4を、ひとつの固定ブロック13と、ふたつの拡開ブロック14で構成し、固定ブロック13にねじ込んでなる拡開ネジ16を、ふたつの拡開ブロック14の間の拡開隙間15にねじ込んで、拡開ブロック14を拡開することができる。
【0010】
本発明の伸縮脚を有するテーブルは、筒体3を、円筒状又は角筒状のいずれかとすることができる。
【0011】
本発明の伸縮脚を有するテーブルは、筒体3を紙管3Aとすることができる。
このテーブルは、伸縮脚の筒体を紙管とするので、簡単な構造としながら極めて安価に多量生産できる特徴がある。さらに、紙管である筒体は、優れた耐荷重特性を実現しながら軽量にできる特徴もある。
【0012】
本発明の伸縮脚を有するテーブルは、筒体3を、木質系の板材30を角筒状に成形したものとすることができる。
このテーブルは、伸縮脚の筒体の耐荷重特性をさらに向上して、天板を安定して支持できる。
【0013】
本発明の伸縮脚を有するテーブルは、テーブルを、内部にヒーター9を有するこたつとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来の伸縮脚を有するテーブルの断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる伸縮脚を有するテーブルの斜視図である。
【図3】図2に示すテーブルを下側から見た分解斜視図である。
【図4】図3に示すテーブルの伸縮脚の分解斜視図である。
【図5】図4に示す伸縮脚の固定具と筒体の連結構造を示す拡大斜視図である。
【図6】伸縮脚の固定具と筒体の連結構造を示す水平断面図である。
【図7】伸縮脚の固定具と筒体の連結構造を示す水平断面図である。
【図8】伸縮脚の固定具と筒体の連結構造を示す垂直断面図である。
【図9】伸縮機構を示す分解斜視図である。
【図10】伸縮脚の長さを調整する工程を示す斜視図である。
【図11】伸縮脚の長さを調整する工程を示す斜視図である。
【図12】伸縮脚の長さを調整する工程を示す斜視図である。
【図13】本発明の他の実施例にかかる伸縮脚を有するテーブルの伸縮脚の分解斜視図である。
【図14】図13に示す伸縮脚の固定具と筒体の連結構造を示す水平断面図である。
【図15】図13に示す伸縮脚の固定具と筒体の連結構造を示す水平断面図である。
【図16】本発明の他の実施例にかかる伸縮脚を有するテーブルの伸縮脚の底面斜視図である。
【図17】図16に示す伸縮脚の分解斜視図である。
【図18】図17に示す伸縮脚の筒体の製造工程を示す斜視図である。
【図19】図17に示す伸縮脚の筒体の製造工程を示す斜視図である。
【図20】図17に示す伸縮脚の筒体の製造工程を示す斜視図である。
【図21】図17に示す伸縮脚の筒体の製造工程を示す斜視図である。
【図22】筒体の他の一例を示す斜視図である。
【図23】筒体の他の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための伸縮脚を有するテーブルを例示するものであって、本発明はテーブルを以下のものに特定しない。
【0016】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
図2と図3に示すテーブルは、天板1の下面にヒーター9を固定しているこたつに使用される。ただし、本発明はテーブルをこたつに特定するものではなく、天板に伸縮脚を固定している全てのテーブルに使用できる。
【0018】
図2と図3のテーブルは、天板1の四隅に伸縮脚2を固定している。このテーブルは、伸縮脚2の長さを調整して、天板1の高さを調整できるようにしている。天板1は四角形で、その四隅の下面に伸縮脚2を垂直姿勢に固定すると共に、下面の中央部にヒーター9を固定している。図に示す天板1は、下面に伸縮脚2とヒーター9を固定してなる天板本体1Aと、この天板本体1Aの上面に脱着自在に連結してなる表面板1Bとからなる。表面板1Bは、天板本体1Aに外形の等しい四角形で、天板本体1Aを貫通する連結ネジ8が下面にねじ込まれて、天板本体1Aの定位置に連結されている。ただし、天板は楕円形や円形として、3〜4本の伸縮脚を固定して、テーブルとすることもできる。
【0019】
伸縮脚2は、図4ないし図12に示すように、中空筒状の筒体3と、この筒体3を天板1に固定している固定具4と、筒体3の下端に連結している伸縮機構5とを備える。
【0020】
図に示す筒体3は、紙を円筒状に加工した紙管3Aで、上下の両端を開口している。図の筒体3は円筒状とするが、筒体には、詳細には後述するが、角筒状に加工したものも使用できる。紙管3Aである筒体は、安価に多量生産できると共に、全体の重量を軽くしながら優れた耐荷重特性を実現できる特徴がある。ただ、筒体は、詳細には後述するが、木質系の板材を使用することもできる。
【0021】
固定具4はプラスチック製である。図4ないし図8の固定具4は、天板1の下面に固定される鍔部11と、この鍔部11に直交するように連結されて筒体3に挿入される挿入部12とをプラスチックで一体的に成形している。
【0022】
鍔部11は円盤状で、図8に示すように、天板1に固定する固定ネジ18を挿入する貫通孔11Aを複数設けている。各々の貫通孔11Aに固定ネジ18が挿入され、この固定ネジ18が天板1の下面にねじ込まれて、鍔部11は天板1の下面に固定される。
【0023】
挿入部12は、上端を鍔部11に連結してなる固定ブロック13及び複数の拡開ブロック14に分割されて、複数の拡開ブロック14と固定ブロック13との間に拡開隙間15を設けており、その外形を、筒体3に挿入でき、かつ外形を拡開して筒体3を固定できる円柱状としている。図5ないし図7の挿入部12は、円筒を3分割して固定ブロック13とふたつの拡開ブロック14としている。固定ブロック13を構成する1/3円筒部13Aは、その上端を鍔部11に連結しており、拡開ブロック14を構成する1/3円筒部14Aも、その上端を鍔部11に連結している。さらに、各々の1/3円筒部13A、14Aは、天板1と平行なプレート部13B、14Bを一体的に成形して設けている。プレート部13B、14Bは、円盤を1/3に分割した扇形であって、外周を1/3円筒部13A、14Aに連結している。固定ブロック13に設けている扇形のプレート部13Bと、拡開ブロック14に設けている扇形のプレート部14Bの間に拡開隙間15を設けており、また、隣接する拡開ブロック14に連結している扇形のプレート部14Bの間にも拡開隙間15を設けている。
【0024】
固定ブロック13のプレート部13Bは、図5ないし図8に示すように、表面に突出するようにブロック部13Cを設けて、このブロック部13Cに拡開ネジ16をねじ込む雌ねじ孔13aを設けている。雌ねじ孔13aは、天板1と平行な方向、すなわち水平方向であって、ここにねじ込まれる拡開ネジ16が、ふたつの拡開ブロック14の間の拡開隙間15に向かってねじ込まれる位置に設けている。
【0025】
拡開ブロック14のプレート部14Bは、その間に拡開隙間15を設けて、ここに拡開ネジ16の圧入部16Aを挿入するようにしている。拡開ブロック14は、この拡開隙間15に拡開ネジ16の圧入部16Aが挿入されて、挿入部12の外形を拡開する。したがって、隣接する拡開ブロック14のプレート部14Bの間に設けている拡開隙間15の間隔は、拡開ネジ16の圧入部16Aの外径よりも狭くしている。狭い拡開隙間15に太い圧入部16Aが挿入されて、拡開ブロック14は拡開される。拡開される拡開ブロック14は、挿入部12の外径を大きくする。
【0026】
以上の伸縮脚2は、図6に示すように、挿入部12を筒体3の上端に挿入した後、図7に示すように、拡開ネジ16をねじ込んで拡開ブロック14を拡開して、挿入部12を筒体3に固定させる。筒体3を挿入部12に挿入する状態で拡開ネジ16を回転できるように、筒体3には拡開ネジ16を回転させる、ドライバーや六角レンチ19Aなどの回転具19を挿通する開口部17を設けている。ドライバーで回転される拡開ネジは、ねじ頭にプラスやマイナスの溝を設けており、六角レンチ19Aで回転される拡開ネジ16は、ねじ頭に六角レンチ19Aを挿入する六角形の凹部16Bを設けている。
【0027】
筒体3の下端に連結している伸縮機構5は、図4に示すように、筒体3の下端の内側に挿入して固定されて、内面に雌ネジ孔21Aを有する固定筒21と、この固定筒21の雌ネジ孔21Aにねじ込まれる長さ調整ネジ22と、長さ調整ネジ22の雄ネジ22aにねじ込んでなるロックナット23とを備える。
【0028】
固定筒21は、外形を筒体3の内形として筒体3に挿入して接着などの方法で固定している。ただ、固定筒は、テーブルの加重で押し込まれる状態となるので、接着することなく挿入して、抜けないように固定できる。図9の固定部21は、下端にリング鍔21Bを連結している。リング鍔21Bは、固定筒21の外形よりも大きく、リング鍔21Bと固定筒21とを複数の連結リブ21Cで連結している。固定筒21と連結リブ21Cとリング鍔21Bはプラスチックで一体的に成形している。リング鍔は、その外形を筒体の外形よりも大きくすると共に、上面の外周部にリング溝を設けて、ここに筒体の下端を挿入して連結することもできる。
【0029】
長さ調整ネジ22は、固定筒21の雌ねじ孔21Aにねじ込まれる雄ネジ22aを設けたネジ部22Aの下端にリングプレート22Bを設けている。リングプレート22Bの外形は、ネジ部22Aの外径よりも大きく、固定筒21に設けてるリング鍔21Bの外形に等しくしている。リングプレート22Bの外周に凹凸22bを設けて手でスリップしないように回転できる構造としている。さらに、図9に示す長さ調整ネジ22は、ネジ部22Aの外周面に、軸方向に伸びる目盛り24を設けている。図に示す長さ調整ネジ22は、ネジ部22の外周面に、雄ネジ22aを設けない帯状の露出部25を設けており、この露出部25に目盛り24を付している。この構造の伸縮機構5は、長さ調整ネジ22の突出量を目盛り24の数値でもって正確に特定できる。したがって、複数の伸縮脚2の伸縮機構5の突出量を正確に合わせて、すべての伸縮脚2の高さを簡単かつ速やかに調整できる。
【0030】
ロックナット23は、外径をリング鍔21Bとリングプレート22Bの外径とし、内側には長さ調整ネジ22の雄ネジ22aをねじ込むことができる雌ねじ孔23Aを設けている。図9のロックナット23は、内側リング23Bと外側リング23Cとを連結リブ23Dで連結する形状として、内側リング23Bの内面に雌ねじ孔23Aを設けて、外側リング23Cの外径をリング鍔21Bとリングプレート22Bの外径としている。
【0031】
以上の伸縮機構5は、以下のようにして伸縮脚2の長さを調整する。
(1)図10に示すように、ロックナット23を緩める状態で、長さ調整ネジ22のリングプレート22Bを回転させて、長さ調整ネジ22を固定筒21から引き出す。
(2)図11に示すように、伸縮脚2の長さが所望の長さとなるまで長さ調整ネジ22を引き出した後、ロックナット23を回転させて固定筒21まで上昇させる。
(3)図12に示すように、ロックナット23を固定筒21のリング鍔21Bに締め付けて回転しないように固定する。この状態で、伸縮機構5は、長さ調整ネジ22が回転しないように引き出された位置で固定される。
【0032】
以上のテーブルは、紙管3Aである筒体3を円筒状とするが、筒体3には、図13に示すように、角筒状の紙管3Aも使用できる。角筒状の筒体3を天板1に固定する固定具4は、図13ないし図15に示すように、挿入部12の外形を筒体3に挿入できる四角柱状とする。この挿入部12は、図14と図15の断面図に示すように、四角形の対角線の方向に拡開ネジ16をねじ込んで、この拡開ネジ16がねじ込まれる対角線に沿って設けた拡開隙間15で拡開ブロック14を分割し、この拡開隙間15に拡開ネジ16をねじ込んで、拡開ブロック14を拡開して挿入部12を四角筒状の筒体3に固定する。
【0033】
さらに、このテーブルは、伸縮脚2の伸縮機構5において、図13に示すように、固定筒21の外形を角筒の筒体3に挿入できる四角形として筒体3に固定する以外は、円筒状の筒体3に連結するものと同じ構造にできる。
【0034】
さらに、図16と図17に示すテーブルは、伸縮脚2の筒体3を木質系の板材で製造している。木質系の板材は、木材が粉砕された木材粉砕片を接着剤で結合して板状にしているMDFやパーチクルボード、または木板のいずれかである。木板には、天然木を板状に切断してなる無垢の木板、あるいは合板が使用できる。図18ないし図21に示す筒体3は、木質系の板材30としてMDF30Aを角筒状に加工して製造している。この筒体3は、以下のようにして製造される。
【0035】
(1)木質系の板材30であるMDF30Aを所定の幅と長さに切断する。
(2)所定の大きさに切断されたMDF30Aの一方の表面に、図18に示すように、表面シート35を付着する。
(3)図19に示すように、MDF30Aの他方の面であって、表面シート35を付着していない面に複数列のV溝32を設けて、MDF30Aを複数列の分割プレート部31に区画する。図に示す筒体3は正方形の角筒状とするので、MDF30Aの長さ方向に向かって等間隔で3列のV溝32を設けて4枚の分割プレート部31に区画する。V溝32は、MDF30Aを折曲して、隣り合う分割プレート部31を所定の角度で連結して角筒状に成形できるように、所定の深さと所定の角度に設けられる。この工程において、MDF30Aは、複数の分割プレート部31に分割されるが、複数の分割プレート部31は表面を表面シート35で連結しているので分離されることはない。
(4)さらに、両側の分割プレート部31の側縁を斜めに面取りしてカット面33を設ける。このカット面33は、MDF30Aを角筒状に折曲して、両側の分割プレート部31の側縁を所定の角度で連結できるように、所定の角度に設けられる。
(5)図20に示すように、MDF30AをV溝32で折曲し、この部分を接着剤で接着して隣接する分割プレート部31を直角に連結する。
(6)さらに、両側の分割プレート部31のカット面33を接着剤で接着して、MDF30Aの両側縁を直角に連結し、図22に示す角筒状の筒体3とする。
【0036】
以上の筒体3は、木質系の板材30の一方の表面に表面シート35を付着し、この表面シート35でもって、複数の分割プレート部31を切り離すことなく折曲して筒状に成形している。ただ、木質系の板材は、必ずしも表面に表面シートを付着する必要はなく、複数の分割プレート部が互いに切り離されない深さのV溝を設けると共に、このV溝で板材を折曲して筒状に成形することもできる。さらに、筒体は、図示しないが、複数枚の分離プレートを組み合わせて全体の形状を筒状とすることもできる。この筒体は、例えば、両側縁部を45度に面取りしてある4枚の分離プレートを、面取り部分で接着して四角形の角筒状に成形することができる。
【0037】
さらに、木質系の板材30を角筒状に成形してなる筒体3は、板材の厚さに相当する厚みを有するので、外周面を切削してその外形や表面形状を種々にデザインすることもできる。図22に示す筒体3は、図において上方に向かって外形が小さくなるように外周面を切削して、全体の形状をテーパー状に成形している。さらに、図23に示す筒体3は、角筒のコーナー部の複数箇所に凹部34を設けて、全体を立体感のある外観としている。これらの筒体3は、全体形状や表面形状を種々のデザインに設計して意匠性を向上できる。
【0038】
さらに、木質系の板材30としてMDF30Aや合板等を角筒状に成形してなる筒体3は、テーブルのタイプや用途に応じて、所定の色に着色し、あるいは表面に木目模様を設けて外観を良くすることもできる。表面を木目模様とする筒体は、表面に突き板を付着して、あるいは木目模様をプリントしてなるシート材を付着して、あるいはまた、木目模様を直接にプリントして木目調の外観にできる。さらに、天然木の無垢の木板を角筒状に成形してなる筒体は、その表面を複雑な凹凸形状としながら、天然木に特有の質感を有する外観とすることができる。
【0039】
以上の筒体3も、前述の図13ないし図15に示す伸縮脚2と同様に、挿入部12の外形を四角柱状とする固定具4を使用して、天板1に連結することができる。また、この筒体3は、図17に示すように、固定筒21の外形を角筒の筒体3に挿入できる四角形として筒体3に固定する以外は、前述の円筒状の筒体3に連結する伸縮機構5と同じ構造のものを使用して伸縮脚2とすることができる。
【符号の説明】
【0040】
1…天板 1A…天板本体
1B…表面板
2…伸縮脚
3…筒体 3A…紙管
4…固定具
5…伸縮機構
8…連結ネジ
9…ヒーター
11…鍔部 11A…貫通孔
12…挿入部
13…固定ブロック 13A…1/3円筒部
13B…プレート部
13C…ブロック部
13a…雌ねじ孔
14…拡開ブロック 14A…1/3円筒部
14B…プレート部
15…拡開隙間
16…拡開ネジ 16A…圧入部
16B…凹部
17…開口部
18…固定ネジ
19…回転具 19A…六角レンチ
21…固定筒 21A…雌ネジ孔
21B…リング鍔
21C…連結リブ
22…長さ調整ネジ 22A…ネジ部
22B…リングプレート
22a…雄ネジ
22b…凹凸
23…ロックナット 23A…雌ねじ孔
23B…内側リング
23C…外側リング
23D…連結リブ
24…目盛り
25…露出部
30…木質系の板材 30A…MDF
31…分割プレート部
32…V溝
33…カット面
34…凹部
35…表面シート
91…固定脚
92…昇降脚
93…凹溝
94…スライダー収納部
95…スライダー
96…貫通孔
97…止ネジ
98…頭部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板(1)に伸縮脚(2)を固定してなる高さ調整できるテーブルであって、前記伸縮脚(2)が中空筒状の筒体(3)と、この筒体(3)を天板(1)に固定してなる固定具(4)と、筒体(3)の下端に連結してなる伸縮機構(5)とからなり、
前記固定具(4)が、天板(1)の下面に固定される鍔部(11)と、この鍔部(11)に直交するように連結されて筒体(3)に挿入される柱状の挿入部(12)とからなり、
この挿入部(12)は、一端を鍔部(11)に連結してなる固定ブロック(13)及び複数の拡開ブロック(14)に分割されて、複数の拡開ブロック(14)と固定ブロック(13)との間に拡開隙間(15)を設けており、
固定ブロック(13)は、挿入部(12)の外周から前記拡開ブロック(14)の間に設けている拡開隙間(15)に向かってねじ込まれる拡開ネジ(16)をねじ込みできるように連結しており、
前記複数の拡開ブロック(14)の間に設けている拡開隙間(15)の間隔は、ここに挿入される拡開ネジ(16)の圧入部(16A)の外径よりも狭く、拡開隙間(15)に挿入される拡開ネジ(16)の圧入部(16A)でもって、拡開できる構造としており、
さらに、前記筒体(3)はその上端部に拡開ネジ(16)を回転させる開口部(17)を有し、
前記筒体(3)が固定具(4)の挿入部(12)に挿入され、拡開ネジ(16)が回転されて拡開ブロック(14)が拡開されて、前記挿入部(12)が前記筒体(3)の上端部の内面に押圧して固定され、
さらにまた、前記伸縮脚(2)の伸縮機構(5)は、筒体(3)の下端の内側に挿入して固定してなる内面に雌ネジ孔(21A)を有する固定筒(21)と、この固定筒(21)の雌ネジ孔(21A)にねじ込まれる長さ調整ネジ(22)と、長さ調整ネジ(22)の雄ネジ(22a)にねじ込んでなるロックナット(23)とを備え、
ロックナット(23)が緩められる状態で長さ調整ネジ(22)が回転されて、伸縮脚(2)の長さが調整され、ロックナット(23)を締め込んで所定の長さに固定されるようにしてなる伸縮脚を有するテーブル。
【請求項2】
前記固定具(4)が、ひとつの固定ブロック(13)と、ふたつの拡開ブロック(14)からなり、固定ブロック(13)にねじ込んでなる拡開ネジ(16)が、ふたつの拡開ブロック(14)の間の拡開隙間(15)にねじ込まれて、拡開ブロック(14)が拡開されるようにしてなる請求項1に記載される伸縮脚を有するテーブル。
【請求項3】
前記筒体(3)が円筒状又は角筒状のいずれかである請求項1に記載される伸縮脚を有するテーブル。
【請求項4】
前記筒体(3)が紙管(3A)である請求項1ないし3のいずれかに記載される伸縮脚を有するテーブル。
【請求項5】
前記筒体(3)が、木質系の板材(30)を角筒状に成形したものである請求項1または2に記載される伸縮脚を有するテーブル。
【請求項6】
テーブルが内部にヒーター(9)を有するこたつである請求項1ないし5のいずれかに記載される伸縮脚を有するテーブル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2011−136068(P2011−136068A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298582(P2009−298582)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(304020317)株式会社ジャパンニューファニチァ (7)
【Fターム(参考)】