説明

位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法

【課題】現状のクロムレス位相シフトマスクでは、所望の位相差を得るための透明基板の掘り込み量が大きく、寸法の細いパターンはアスペクト比(高さ/寸法)が大きくなり、マスク洗浄の際にパターンが倒れることが問題であった。
【解決手段】本発明に係る位相シフトマスクブランク11では、透明基板12よりも屈折率の大きな位相シフト膜13により所望の位相差を得るための膜厚を透明基板12の掘り込み量よりも小さくし、パターン倒れを抑制することが可能となる。また、本発明の位相シフト膜13は、露光波長での消衰係数kを0.1以下にすることで、露光波長での透過率を70%以上に調整可能である。したがって、従来のクロムレス位相シフトマスクの特徴である強い位相シフト効果を維持しつつ、パターン倒れを抑制することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法に係わり、特に、半導体集積回路、CCD(電荷結合素子)、LCD(液体表示素子)用カラーフィルタ、及び磁気ヘッド等の製造に用いられる位相シフトマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の微細化に伴い、投影露光にも高い解像性が求められている。そこで、フォトマスクの分野においては、転写パターンの解像性を向上させる手法として、位相シフト法がある。位相シフト法の原理は、開口部を通過した透過光の位相が開口部に隣接する部分を通過した透過光の位相と180度反転するように調整することによって、透過光が干渉し合う際に境界部での光強度を弱め(位相シフト効果)、その結果として転写パターンの解像性及び焦点深度を向上させるものである。
【0003】
このように位相シフト法により解像性を向上させたフォトマスクとして、クロムレス位相シフトマスク(CPL:Chromless Phase Lithography)がある。クロムレス位相シフトマスクの透過光の位相を調整する手段としては、現在、開口部の透明基板をエッチング等により掘り込む部分(掘り込み部)と掘り込まない部分(非掘り込み部)とに分けて、交互に配置する方法が主流である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
掘り込み部の掘り込み量dは、d=λ/(n−1)・φ/360で決められる。ここで、λは露光波長、nは透明基板の露光波長での屈折率、φは位相差である。例えば、ArF露光で位相差180度を得る場合、λ=193nm、n=1.56、φ=180度であるため、掘り込み量d=172nmとなる。
【0005】
一方、半導体素子の微細化に伴い、原版となるフォトマスクパターンも微細に形成する技術が求められている。特に、フォトマスクのメインパターンの解像性を補助するアシストパターンは、露光の際にウェハ上に転写されないように、メインパターンよりも小さく形成する必要がある。ハーフピッチ45nm以下の世代用のアシストパターン寸法は60nm以下が要求される。
【0006】
しかし、クロムレス位相シフトマスクに要求されるパターン寸法が微細になると、パターン倒れが問題となる。透明基板の掘り込み量が172nmであるため、寸法60nmのパターンは、アスペクト比(高さ/寸法)が大きく、マスク洗浄の際にパターンが倒れ易くなる。
【0007】
寸法と掘り込み量は上述の通り転写パターンの解像性を悪化させるため緩和することができない。したがって、パターン倒れを抑制するためには洗浄工程の改善が必要となるが、洗浄力を維持したままパターンへのインパクトを低減することは困難であり、この洗浄でのパターン倒れの問題がクロムレス位相シフトマスクの作製を困難にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−249653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような事情の下になされ、位相シフトマスクの微細化に伴うパターン倒れを改善する位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであって、請求項1に記載の発明は、露光波長に対して透明な基板上に、露光波長での屈折率nが前記基板の屈折率より高く、且つ、露光波長での消衰係数kが0.1以下の材料を主成分とする位相シフト膜を有することを特徴とする位相シフトマスクブランクである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記材料の屈折率nは、193nmの露光波長で1.6以上であることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランクである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、前記位相シフト膜の露光波長での前記基板との位相差が170度以上180度以下、且つ、露光波長での透過率が70%以上となるように、前記位相シフト膜の膜厚を調整することを特徴とする請求項1〜2に記載の位相シフトマスクブランクである。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、前記位相シフト膜は、Siを含む膜からなることを特徴とする請求項1〜3記載の位相シフトマスクブランクである。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、前記Siを含む膜は、Siの酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、もしくはSiおよび金属の酸化膜、窒化膜、酸窒化膜の単層膜、またはこれらの複数層膜もしくは傾斜膜を含むことを特徴する請求項1〜4記載の位相シフトマスクブランクである。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、前記金属は、Mo、Ta、W、Zr、Hf、V、Nbから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜5記載の位相シフトマスクブランクである。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、前記透明な基板上に設けられた位相シフト膜の上に、遮光膜を設けることを特徴とする請求項1〜6記載の位相シフトマスクブランクである。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、前記遮光膜は、遮光膜と位相シフト膜からなる遮光層の露光波長に対する透過率が0.1%以下になるように膜厚と組成を調整することを特徴とする請求項1〜7記載の位相シフトマスクブランクである。
【0018】
また、請求項9に記載の発明は、前記遮光膜は、Crを含む膜からなることを特徴とする請求項1〜8記載の位相シフトマスクブランクである。
【0019】
また、請求項10記載の発明は、請求項7〜9に何れか1項記載の位相シフトマスクブランクの前記遮光膜および前記位相シフト膜が共にドライエッチングによりパターニングされていることを特徴とする位相シフトマスクである。
また、請求項11記載の発明は、請求項7〜9に何れか1項記載の位相シフトマスクブランクの前記遮光膜および前記位相シフト膜をドライエッチングによりパターニングする工程を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の位相シフトマスクブランクでは、位相シフト膜の露光波長での屈折率nが透明基板の屈折率よりも高い。位相シフト膜の膜厚dは、d=λ/(n−1)・φ/360で決定される。したがって、露光波長λ=193nm、位相差φ=180度の場合、クロムレス位相シフトマスクでの透明基板の掘り込み量172nmよりも本発明の位相シフト膜の膜厚dを薄くすることが可能となり、洗浄でのパターン倒れを抑制することができる。また、本発明の位相シフト膜の露光波長での消衰係数kは0.1以下であり、露光波長での透過率が70%以上となるように調整されているため、従来のクロムレス位相シフトマスクと同等の位相シフト効果を維持しつつパターン倒れに強い位相シフトマスクが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明により得られる位相シフトマスクブランクの一実施の形態を示す断面概略図。
【図2】図1に示す位相シフトマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造方法を順に示す断面概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
従来のクロムレス位相シフトマスクでは、所望の位相差を得るための透明基板の掘り込み量が大きく、寸法の細いパターンはアスペクト比(高さ/寸法)が大きくなり、マスク洗浄の際にパターンが倒れることが問題であった。
本発明においては、透明基板よりも屈折率の大きな位相シフト膜により所望の位相差を得るための膜厚を透明基板の掘り込み量よりも小さくし、パターン倒れを抑制することが可能となる。
【0023】
また、本発明の位相シフト膜は、露光波長での消衰係数kを0.1以下にすることで、露光波長での透過率を70%以上に調整可能である。したがって、従来のクロムレス位相シフトマスクの特徴である強い位相シフト効果を維持しつつ、パターン倒れを抑制することが可能となる。
【0024】
以下に、本実施の形態について、より詳細に説明する。
図1において、位相シフトマスクブランク11は、露光波長に対して透明な基板12と、基板12上に成膜された位相シフト膜13と、位相シフト膜13上に成膜された遮光膜14と、遮光膜14上に成膜されたレジスト膜15からなる。
【0025】
ここで、前記露光波長に対して透明な基板12に対する特別な制限はなく、石英ガラスやCaFあるいはアルミノシリケートガラスなどが一般的である。
【0026】
また、前記位相シフト膜13は、露光波長での屈折率nが透明基板12の屈折率より高く、露光波長が193nmの場合は、屈折率nが1.6以上、より好ましくは2.0以上である材料を主成分とする。
位相シフト膜13の露光波長に対する位相差φは170度以上180度以下であり、より好ましくは177度以上179度以下である。位相シフト膜13の膜厚dは、d=λ/(n−1)・φ/360で決定される。したがって、露光波長λ=193nm、屈折率n=2.0、位相差φ=177度の場合、膜厚dは95nmである。また、位相シフト膜13は、露光波長での透過率が70%以上となるように、露光波長での消衰係数kが0.1以下、より好ましくは0.05以下の材料を主成分とする。
上記、屈折率nと消衰係数kを有する材料は、膜厚低減と透過率確保のため、位相シフト膜全体の70%以上を占める必要がある。
【0027】
前記位相シフト膜13は、Si(ケイ素またはシリコン)を含む膜からなり、Siの酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、もしくはSiおよび金属の酸化膜、窒化膜、酸窒化膜の単層膜、またはこれらの複数層膜もしくは傾斜膜である。
金属は、Mo(モリブデン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハウニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)から選ばれる少なくとも1種以上であり、より好ましくはMoである。これらの材料の含有量の比率を適宜選択し、スパッタリング法により成膜することで、前記の屈折率と消衰係数と膜厚を有する位相シフト膜13を得る。
また、位相シフト膜13は、複数の異なる組成の膜を積層させて反射防止層とするようにしてもよい。この場合、露光波長に対する反射率を例えば20%以下、好ましくは15%以下に抑えることが、露光の際にフォトマスクと投影露光面との間での多重反射を抑制する上で望ましい。さらに、フォトマスクブランクやフォトマスクの反射検査に用いる波長(例えば257nm)に対する反射率を例えば30%以下とすることが、欠陥を高精度で検出する上で望ましい。
【0028】
次に、前記遮光膜14は、位相シフト膜13と共に遮光層を形成する。これら位相シフト膜13、遮光膜14からなる遮光層の露光波長に対する透過率が0.1%以下になるように調整する。例えば位相シフト膜13の透過率が80%の場合、遮光膜14の透過率は0.125%以下となるように膜厚と組成を調整する。
【0029】
前記遮光膜14は、Cr(クロム)を含む膜からなり、具体的には、Cr酸化物、Cr窒化物、もしくはCr酸窒化物を主成分とする金属化合物膜又はCrを主成分とする金属膜もしくは合金膜であり、炭素やフッ素などの非金属元素が含有されてもよい。これらの材料の含有量の比率と膜厚を適宜選択することで露光波長に対する透過率を調整する。遮光膜14の膜厚は、ドライエッチングの際のレジストのダメージを抑制するため、65nm以下が望ましい。また、遮光膜14は、複数の異なる組成の膜を積層させて反射防止層とするようにしてもよい。この場合、露光波長に対する反射率を例えば20%以下、好ましくは15%以下に抑えることが、露光の際にフォトマスクと投影露光面との間での多重反射を抑制する上で望ましい。さらに、フォトマスクブランクやフォトマスクの反射検査に用いる波長(例えば257nm)に対する反射率を例えば30%以下とすることが、欠陥を高精度で検出する上で望ましい。
【0030】
次に、前記レジスト膜15の材料としては、ポジ型レジストでもネガ型レジストでも用いることができるが、高精度パターンの形成を可能とする電子ビーム描画用の化学増幅型レジストを用いることが好ましい。
レジスト膜15の膜厚は、例えば50nm以上350nm以下の範囲である。特に、微細なパターン形成が求められるフォトマスクを作製する場合、パターン倒れを防止する上で、レジストパターンのアスペクト比が大きくならないようにレジスト膜15を薄膜化することが必要であり、200nm以下の膜厚が好ましい。
一方、レジスト膜15の膜厚の下限は用いるレジスト材料のエッチング耐性などの条件を総合的に考慮して決定され、一般的なレジスト材料を用いた場合、その膜厚は50nm以上とされるが、より好ましくは75nm以上とされる。
【0031】
次に、図1に示す位相シフトマスクブランク11を用いた位相シフトマスクの製造方法の手順について図2を参照して説明する。
図2(a)は、レジスト膜15に対し、描画を施し、その後に現像処理を行い、レジストパターン16を形成する工程を示す。この際の描画は、光露光による方法もあるが、一般には、電子ビーム露光による方法が採用される。例えば、レジストとして化学増幅型のものを使用する場合、電子ビームのエネルギー密度は3〜40μC/cmの範囲であり、この描画の後に加熱処理及び現像処理を施してレジストパターン16を得る。
【0032】
次に、図2(b)は、前記レジストパターン16に沿って塩素系ガスを主体とするエッチングガスによるエッチングで遮光膜14をパターニングする工程を示す。エッチング条件は、従来よりクロム化合物膜をドライエッチングする際に用いられてきた公知のものとしてよく、一般に、塩素系ガスに酸素ガスを混合する。また、必要に応じて窒素ガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを混合しても良い。
【0033】
次に、図2(c)は、前記遮光膜14のパターンに沿ってフッ素系ガスを主体とするエッチングガスによるエッチングで位相シフト膜13をパターニングする工程を示す。この場合、透明基板12を1nm〜3nm程度同時に掘り込み、位相シフト膜13の抜け不良を防止すると共に、位相差の微調整を行うことが一般的である。エッチング条件は、従来よりSi系化合物膜をドライエッチングする際に用いられてきた公知のものとしてよく、特別な制限は無い。フッ素系ガスとしては、CFやCが一般的であり、必要に応じて窒素ガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを混合しても良い。
【0034】
次に、図2(d)は、残存したレジストパターン16を剥離除去した後、洗浄する工程を示す。剥離除去はドライエッチングにより行うことも可能だが、一般には剥離液によりウェット剥離する。
【0035】
次に、図2(e)は、レジストパターン17を新たに形成する工程を示す。本工程では、レジスト膜を成膜した後、図2(a)に示す場合と同様に、電子ビーム描画を行った後、現像処理することで、レジストパターン17を得る。
【0036】
次に、図2(f)は、前記レジストパターン17で覆われていない領域の遮光膜14を塩素系ガスを主体とするエッチングガスによりエッチングする工程を示す。このエッチング条件は、図2(b)に示す場合と同様である。また、前記レジストパターン17で覆われていない領域の位相シフト膜13は、塩素系ガスを主体とするエッチングガスによるエッチングでは実質的にエッチングされないため、本工程では除去されずに残る。
【0037】
次に、図2(g)は、残存したレジストパターン17を剥離除去した後、洗浄する工程を示す。剥離除去はドライエッチングにより行うことも可能であるが、一般には剥離液によりウェット剥離する。本工程により、本発明の位相シフトマスク18が完成する。
【0038】
なお、アスペクト比(高さ/寸法)とは、一般的にアスペクト比の算出で使用される、長辺と短辺との比のことをいう。
本実施の形態において、アスペクト比の高さとは、位相シフト膜13への掘り込み量を指す。例えば図2(g)において、基板12上に残る位相シフト膜13のパターンの隣接する凸部との間、すなわち溝形状部分の深さ(=掘り込み量)aを挙げることができる。
また、言い換えると、基板12上に残る位相シフト膜13の凸部の高さaを挙げることができる。
また、本実施の形態で、アスペクト比の寸法とは、例えば図2(g)に示す溝形状部分の幅b1、または基板12上に残る位相シフト膜13の凸部の幅b2を挙げることができる。
【0039】
以上、実施例により本発明で用いる位相シフトマスクブランク及び位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法について説明したが、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、本発明の範囲内において他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明では、位相シフトマスクブランクの組成、膜厚及び層構造と、これを用いた位相シフトマスクの製造工程及び条件を適切な範囲で選択したので、ハーフピッチ45nm以降の半導体デバイスの製造に対応した、微細なパターンを高精度で形成した位相シフトマスクを提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
11・・・位相シフトマスクブランク
12・・・露光波長に対して透明な基板
13・・・位相シフト膜
14・・・遮光膜
15・・・レジスト膜
16・・・レジストパターン
17・・・レジストパターン
18・・・位相シフトマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光波長に対して透明な基板上に、露光波長での屈折率nが前記基板の屈折率より高く、且つ、露光波長での消衰係数kが0.1以下の材料を主成分とする位相シフト膜を有することを特徴とする位相シフトマスクブランク。
【請求項2】
前記材料の屈折率nは、193nmの露光波長で1.6以上であることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項3】
前記位相シフト膜の露光波長での前記基板との位相差が170度以上180度以下、且つ、露光波長での透過率が70%以上となるように、前記位相シフト膜の膜厚を調整することを特徴とする請求項1または2記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項4】
前記位相シフト膜は、Siを含む膜からなることを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項5】
前記Siを含む膜は、Siの酸化膜、窒化膜、酸窒化膜、もしくはSiおよび金属の酸化膜、窒化膜、酸窒化膜の単層膜、またはこれらの複数層膜もしくは傾斜膜を含むことを特徴する請求項1乃至4に何れか1項記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項6】
前記金属は、Mo、Ta、W、Zr、Hf、V、Nbから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項7】
前記透明な基板上に設けられた位相シフト膜の上に、遮光膜を設けることを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項8】
前記遮光膜は、遮光膜と位相シフト膜からなる遮光層の露光波長に対する透過率が0.1%以下になるように膜厚と組成を調整することを特徴とする請求項1乃至7に何れか1項記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項9】
前記遮光膜は、Crを含む膜からなることを特徴とする請求項1乃至8に何れか1項記載の位相シフトマスクブランク。
【請求項10】
請求項7乃至9に何れか1項記載の位相シフトマスクブランクの前記遮光膜および前記位相シフト膜が共にドライエッチングによりパターニングされている、
ことを特徴とする位相シフトマスク。
【請求項11】
請求項7乃至9に何れか1項記載の位相シフトマスクブランクの前記遮光膜および前記位相シフト膜をドライエッチングによりパターニングする工程を有する、
ことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−203317(P2012−203317A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69879(P2011−69879)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】