説明

位相差計測回路

【課題】2つの信号の進み遅れに関係なく、遷移タイミングの差を測定することができる位相差計測回路を提供する。
【解決手段】EXOR11により、デジタル信号S1,S2の位相差に対応したパルス幅の信号S3が出力される。信号S3は、インバータ12で反転された信号S4と共にセレクタ13に与えられ、選択信号SELに従っていずれか一方が選択され、ゲート制御用の信号S5としてADN14に与えられる。AND14には連続したクロック信号CLKが与えられており、信号S5でゲート制御されたクロック信号CLKが、信号S6としてカウンタ15に与えられる。カウンタ15は、信号S6のパルス数をカウントし、カウント値CNTを出力する。選択信号で信号S3,S4を選択することにより、デジタル信号S1,S2の進み遅れに関係なく、遷移タイミングの差を測定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのデジタル信号の遷移タイミングの差を測定する位相差計測回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2は、下記特許文献2に記載された従来の位相差計測装置の構成図である。
この位相差計測装置は、2つの被測定信号A1,A2の位相差を計測するもので、被測定信号A1,A2をそれぞれ矩形波V1,V2に変換する波形整形器1,2と、これらの矩形波V1,V2の排他的論理和を取って位相差パルスV3を生成する排他的論理和回路3と論理積回路4を有している。
【0003】
位相差パルスV3と、クロック発生器8で生成された基準クロックパルスCKは、論理積回路5で論理積が取られ、その出力信号V4がカウンタ6でカウントされるようになっている。カウンタ6による基準クロックパルスCKのカウントは、矩形波V1の立ち下りで終了するので、信号処理部7では矩形波V1の立ち下り後、カウンタ6のカウント値を取り込み、ある比例定数を掛けて位相差を算出し、位相計測値として出力する。その後、次のカウント開始前にリセット信号RSTにより、カウンタ6をリセットする。
【0004】
位相の進み遅れについては、矩形波V1がV2よりも進んでいるときは“H”、遅れているときは“L”を出力する進み遅れ判別器(D型フリップフロップ)9の出力信号V5により、信号処理部7で判断し、位相差に正負符号を付加して出力する。
【0005】
【特許文献1】特開平5−10992号公報
【特許文献2】特開平5−10993号公報
【特許文献3】特開平8−61961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記位相差計測装置は、矩形波V1が“H”で矩形波V2が“L”となっている時間を計測しているだけである。従って、矩形波V1の位相が矩形波V2よりも進んでいるときには、矩形波V1の立ち上がりから矩形波V2の立ち上がりまでの時間が計測され、矩形波V1の位相が矩形波V2よりも遅れているときには、矩形波V2の立ち下がりから矩形波V1の立ち下がりまでの時間が計測される。このため、例えば矩形波V1の位相が矩形波V2よりも遅れているときに、矩形波V2の立ち上がりから矩形波V1の立ち上がりまでの時間を計測することができないという課題があった。
【0007】
本発明は、2つの信号の進み遅れに関係なく、遷移タイミングの差を測定することができる位相差計測回路を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の位相差計測回路は、測定対象の第1及び第2の2値信号の値が一致しているか否かを示す第3の信号を出力する位相差検出手段と、前記第3の信号の値を反転し、第4の信号として出力する信号反転手段と、選択信号に従って前記第3または第4の信号のいずれか一方を選択し、第5の信号として出力する選択手段と、連続して与えられるクロック信号を前記第5の信号に従ってカウントする計数手段とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、位相差検出手段によって検出された、測定対象の第1及び第2の2値信号の値が一致しているか否かを示す第3の信号と、信号反転手段によってこの第3の信号の値を反転して出力された第4の信号の、いずれか一方を選択信号に従って選択して第5の信号として出力する選択手段を有している。従って、選択信号によって第3または第4の信号を選ぶことにより、測定対象の2つの2値信号の進み遅れに関係なく、遷移タイミングの差を測定することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、次の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。但し、図面は、もっぱら解説のためのものであって、この発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1を示す位相差計測回路の構成図である。
この位相差計測回路は、測定対象となる2つのデジタル信号S1,S2の位相差(例えば、立ち上がりのタイミングの時間差)を計測するもので、デジタル信号S1,S2の排他的論理和の信号S3を出力する位相差検出手段である排他的論理和ゲート(以下、「EXOR」という)11と、この信号S3を反転して信号S4を出力する反転手段であるインバータ12を有している。信号S3,S4は、それぞれ選択手段であるセレクタ13の第1及び第2入力側に与えられている。
【0012】
セレクタ13は、制御端子Sに与えられる選択信号SELがレベル“L”(第1の論理レベルで、例えば接地電位レベル)のときに第1入力側(図1においては信号S3が入力される側)を選択し、この選択信号SELがレベル“H”(第2の論理レベルで、例えば電源電位レベル)のときに第2入力側(図1においては信号S4が入力される側)を選択するものである。セレクタ13の出力は、信号S5として2入力の論理積ゲート(以下、「AND」という)14の一方の入力側に与えられている。AND14の他方の入力側には、クロック信号CLKが与えられ、出力側から信号S6が出力されるようになっている。信号S6は、非同期の計数手段であるカウンタ15のクロック端子Cに与えられている。
【0013】
カウンタ15は、クロック端子Cに与えられる信号S6の立ち下がりのタイミングで、そのカウント値CNTを1ずつカウントアップして出力するものである。また、カウンタ15は、リセット端子Rに与えられるリセット信号RSTが“H”になったときには、そのカウント値CNTを0にリセットするようになっている。
【0014】
図3は、図1の動作を示す信号波形図である。以下、この図3を参照しつつ、図1の動作を説明する。
【0015】
図3の時刻t1で、デジタル信号S1,S2が共に“L”のとき、EXOR11から出力される信号S3は“L”であり、インバータ12から出力される信号S4は“H”である。ここで、選択信号SELが“L”に設定されていると、セレクタ13では信号S3が選択され、このセレクタ13から出力される信号S5は“L”となる。従って、AND14のゲートが閉じ、このADN14から出力される信号S6は“L”である。この時刻t1にリセット信号RSTが与えられると、カウンタ15はリセットされ、そのカウント値CNTは0となる。
【0016】
時刻t2においてデジタル信号S1が“L”から“H”に立ち上がると、EXOR11から出力される信号S3は“H”となり、セレクタ13から出力される信号S5も“H”となる。これにより、AND14のゲートが開き、このADN14からクロック信号CLKが信号S6として出力される。信号S6はカウンタ15に与えられ、信号6の立ち下がりのタイミング毎に、このカウンタ15のカウント値CNTが1ずつカウントアップされる。
【0017】
時刻t3においてデジタル信号S2も立ち上がると、EXOR11から出力される信号S3は“L”となり、セレクタ13から出力される信号S5も“L”となる。これにより、AND14のゲートが閉じ、信号S6は“L”となり、カウンタ15のカウント動作は停止する。そして、カウンタ15のカウント値CNTは、直前の信号S6の“H”から“L”への立ち下がりでカウントアップした値のままに保持される。従って、カウント値CNTを読み出すことにより、デジタル信号S1が立ち上がってからデジタル信号S2が立ち上がるまでの時間を測定することができる。
【0018】
カウント値CNTを読み出した後、時刻t4において、カウンタ15をリセットする。
時刻t5においてデジタル信号S1が立ち下がると、EXOR11から出力される信号S3は再び“H”となり、セレクタ13から出力される信号S5も“H”となる。これにより、AND14のゲートが開き、このADN14からクロック信号CLKが信号S6として出力される。信号S6はカウンタ15に与えられ、信号6の立ち下がりのタイミング毎に、このカウンタ15のカウント値CNTが1ずつカウントアップされる。
【0019】
時刻t6においてデジタル信号S2も立ち下がると、EXOR11から出力される信号S3は“L”に戻り、セレクタ13から出力される信号S5も“L”となる。これにより、AND14のゲートが閉じ、信号S6は“L”となり、カウンタ15のカウント動作は停止する。そして、カウンタ15のカウント値CNTは、直前の信号S6の立ち下がりでカウントアップした値のままに保持される。従って、カウント値CNTを読み出すことにより、デジタル信号S1が立ち下がってからデジタル信号S2が立ち下がるまでの時間を測定することができる。
【0020】
一方、時刻t7のように、選択信号SELが“H”に設定されていると、セレクタ13では信号S4が選択される。ここで、被選択信号S1,S2が、それぞれ“H”,“L”であると、信号S3は“H”となり、信号S4は“L”となる。従って、セレクタ13から出力される信号S5は“L”となる。従って、AND14のゲートが閉じ、このADN14から出力される信号S6は“L”である。この時刻t7にリセット信号RSTが与えられると、カウンタ15はリセットされ、カウント値CNTは0となる。
【0021】
時刻t8においてデジタル信号S1が立ち下がると、EXOR11から出力される信号S3は“L”となり、セレクタ13から出力される信号S5は“H”となる。これにより、AND14のゲートが開き、このADN14からクロック信号CLKが信号S6として出力される。信号S6はカウンタ15に与えられ、信号6の立ち下がりのタイミング毎に、このカウンタ15のカウント値CNTが1ずつカウントアップされる。
【0022】
時刻t9においてデジタル信号S2が立ち上がると、EXOR11から出力される信号S3は“H”となり、セレクタ13から出力される信号S5は“L”となる。これにより、AND14のゲートが閉じ、信号S6は“L”となり、カウンタ15のカウント動作は停止する。そして、カウンタ15のカウント値CNTは、直前の信号S6の立ち下がりでカウントアップした値のままに保持される。従って、カウント値CNTを読み出すことにより、デジタル信号S1が立ち下がってからデジタル信号S2が立ち上がるまでの時間を測定することができる。
【0023】
カウント値CNTを読み出した後、時刻t10において、カウンタ15をリセットする。
時刻t11においてデジタル信号S1が立ち上がると、EXOR11から出力される信号S3は再び“L”となり、セレクタ13から出力される信号S5は“H”となる。これにより、AND14のゲートが開き、このADN14からクロック信号CLKが信号S6として出力される。信号S6はカウンタ15に与えられ、信号6の立ち下がりのタイミング毎に、このカウンタ15のカウント値CNTが1ずつカウントアップされる。
【0024】
時刻t12においてデジタル信号S2が立ち下がると、EXOR11から出力される信号S3は“H”に戻り、セレクタ13から出力される信号S5は“L”となる。これにより、AND14のゲートが閉じ、信号S6は“L”となり、カウンタ15のカウント動作は停止する。そして、カウンタ15のカウント値CNTは、直前の信号S6の立ち下がりでカウントアップした値のままに保持される。従って、カウント値CNTを読み出すことにより、デジタル信号S1が立ち上がってからデジタル信号S2が立ち下がるまでの時間を測定することができる。
【0025】
以上のように、この実施例1の位相差計測回路は、選択信号SELによってカウンタ15に与えるクロック信号CLKの供給期間を選択するセレクタ13を有している。これにより、選択信号SELを使用してクロック信号CLKの供給期間を選択することにより、2つのデジタル信号S1,S2の進み遅れに関係なく、遷移タイミングの差を測定することができるという利点がある。
【実施例2】
【0026】
図4は、本発明の実施例2を示す位相差計測回路の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0027】
この位相差計測回路は、デジタル信号S1,S2の位相関係を確認するために、図1の位相差計測回路に、変化検出手段としてのEXOR16とD型フリップフロップ(以下、「FF」という)17を追加すると共に、2入力のAND14に代えて3入力のAND18を設けたものである。
【0028】
EXOR16は、デジタル信号S1と立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを指定する指定信号R/Fとの排他的論理和の信号S7を、FF17のクロック端子Cに与えるものである。FF17は、リセット信号RSTによって初期化され、信号S7の立ち上がりを検出したときに、出力端子Qから信号S8を“H”にして出力するものである。AND18は、信号S5,S8が共に“H”のときに、クロック信号CLKを信号S6としてカウンタ15に与えるものである。その他の構成は、図1と同様である。
【0029】
図5は、図4の動作を示す信号波形図である。なお、選択信号SELによるクロック信号CLKの供給期間の切り替えについては実施例1と同様であるので、ここでは、選択信号SELが“L”の状態における動作のみを示している。
【0030】
EXOR11とセレクタ13の動作は、実施例1と同様である。
指定信号R/Fには、デジタル信号S1の立ち上がりを検出する場合には“L”を、立ち下がりを検出するときには“H”を設定する。EXOR16は、指定信号R/Fとデジタル信号S1の排他的論理和の信号S7を出力する。これにより、デジタル信号S1が指定信号R/Fで設定された変化を生じたときに、EXOR16から出力される信号S7が立ち上がる。
【0031】
FF17では、信号S7の立ち上がりにより、信号S8を“H”にして出力する。この信号S8は、指定信号R/Fで指定された変化の検出信号として機能する。
【0032】
AND18は、デジタル信号S1,S2の位相差に対応する信号S5と、指定された変化が検出されたことを示す信号S8と、クロック信号CLKの論理積を取ることにより、指定された変化が検出された後、デジタル信号S1,S2に位相差が発生している期間のみ、クロック信号CLKを信号S6としてカウンタ15に与える。従って、指定された変化が検出されないときは、AND18からクロック信号CLKは出力されない。
【0033】
カウンタ15の動作は、実施例1と同様である。
以上のように、この実施例2の位相差計測回路は、実施例1の構成に加えて、デジタル信号S1がデジタル信号S2に対して位相が進んでいるか遅れているかのいずれかの状態を指定するためのEXOR16とFF17を有している。これにより、実施例1と同様の利点に加えて、指定した位相関係における位相差のみを計測することができるという利点がある。
【実施例3】
【0034】
図6は、本発明の実施例3を示す位相差計測回路の構成図であり、図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0035】
この位相差計測回路は、実施例2の位相差計測回路に、デジタル信号S2がデジタル信号S1に対して位相が進んでいるか遅れているかのいずれかの状態を指定して、指定した位相関係における位相差を計測するための回路を追加したものである。
【0036】
即ち、この位相差計測回路は、図4の位相差計測回路に、EXOR16a、FF17a、AND18a及びカウンタ15aが追加されている。これらのEXOR16a、FF17a、AND18a、及びカウンタ15aの基本的な構成は、EXOR16、FF17、AND18、及びカウンタ15による回路構成と同一である。
【0037】
但し、EXOR16では指定信号RF1によって、デジタル信号S1がデジタル信号S2に対して位相が進んでいるか遅れているかのいずれかの状態を指定し、指定した位相関係における位相差の計測結果をカウンタ15からカウント値CNT1として出力するのに対し、EXOR16aでは指定信号RF2によって、デジタル信号S2がデジタル信号S1に対して位相が進んでいるか遅れているかのいずれかの状態を指定し、指定した位相関係における位相差の計測結果をカウンタ15aからカウント値CNT2として出力する。
【0038】
以上のように、この実施例3の位相差計測回路は、実施例2の構成に加えて、デジタル信号S2がデジタル信号S1に対して位相が進んでいるか遅れているかのいずれかの状態を指定して計測するためのEXOR16a、FF17a、AND18a及びカウンタ15aを有している。これにより、実施例2と同様の利点に加えて、2種類の位相差を同時に計測することができるという利点がある。
【実施例4】
【0039】
図7は、本発明の実施例4を示すカウント回路の構成図である。このカウント回路は、例えば、図1中のAND14とカウンタ15に代えて設けられるものである。
【0040】
このカウント回路は、カウント動作を許可するための信号が与えられるイネーブル端子Eを備えた2つのカウンタ21,22と、インバータ23と、加算器24で構成されている。カウンタ21,22のイネーブル端子Eには、図1中のセレクタ13から出力される信号S5がイネーブル信号として共通に与えられている。また、カウンタ21のクロック端子Cにはクロック信号CLKが与えられ、カウンタ22のクロック端子Cには、このクロック信号CLKがインバータ23で反転されて与えられている。更に、カウンタ21,22のリセット端子Rには、リセット信号RSTが共通に与えられるようになっている。
【0041】
一方、カウンタ21,22の各カウント結果であるカウント値CNTa,CNTbは、加算器24に与えられ、この加算器24の加算結果がカウント値CNTとして出力されるようになっている。
【0042】
このカウント回路では、信号S6が“H”である期間中に、クロック信号CLKの立ち下がりの回数がカウンタ21でカウントされる。また、同じ期間中におけるクロック信号CLKの立ち上がりの回数がカウンタ22でカウントされる。そして、これらのカウンタ21,22でカウントされたカウント値CNTa,CNTbが加算器24で加算され、最終的なカウント値CNTとして出力される。従って、カウント値CNTは、信号S6が“H”である期間中のクロック信号CLKの立ち上がりと立ち下がりの回数の合計となる。
【0043】
これにより、このカウント回路は、図1中のカウンタ15の2倍の分解能を有するカウンタとして動作することになり、クロック信号CLKの周波数を上げずに、計測精度を高くすることができるという利点がある。例えば、LSIテスタ等からクロック信号CLKを供給する場合、クロック信号CLKの速度には限界があるため、このカウント回路は高い計測精度を得るための手段として有効である。
【0044】
このカウント回路を、実施例2や実施例3のカウンタ15,15aに代えて適用する場合は、信号S5,S8の論理積を、カウンタ21,22のイネーブル端子Eに与えるようにすれば良い。
【0045】
なお、本発明は、上記実施例に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
(a) 測定対象となる2つのデジタル信号S1,S2の位相差に対応する信号S3を出力する位相差検出手段は、EXORに限定するものではない。その他の論理回路で構成することも可能である。
(b) 連続して与えられるクロック信号CLKを信号S5に従って制御し、信号S6として出力する論理ゲートは、ANDに限定されない。否定的論理積ゲート(NAND)、論理和ゲート(OR)、否定的論理和ゲート(NOR)等を用いることも可能である。
(c) 信号S6のパルス数をカウントする計数手段は、この信号S6の立ち下がりのタイミングでカウントアップするものに限定されない。信号S6の立ち上がりのタイミングでカウントアップするものでも良い。また、実施例4で説明したようなカウント回路を用いることもできる。
(d) 実施例2において、デジタル信号S1の立ち上がりまたは立ち下がりの変化検出を指定する指定信号R/Fに従い、この指定信号R/Fで指定された方向にこのデジタル信号S1が変化したときに、“H”の信号S8を出力する変化検出手段は、EXOR16とFF17による回路構成に限定されない。実施例3における変化検出手段も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例1を示す位相差計測回路の構成図である。
【図2】従来の位相差計測装置の構成図である。
【図3】図1の動作を示す信号波形図である。
【図4】本発明の実施例2を示す位相差計測回路の構成図である。
【図5】図4の動作を示す信号波形図である。
【図6】本発明の実施例3を示す位相差計測回路の構成図である。
【図7】本発明の実施例4を示すカウント回路の構成図である。
【符号の説明】
【0047】
11,16,16a EXOR
12,23 インバータ
13 セレクタ
14,18,18a AND
15,15a,21,22 カウンタ
17,17a FF
24 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の第1及び第2の2値信号の値が一致しているか否かを示す第3の信号を出力する位相差検出手段と、
前記第3の信号の値を反転し、第4の信号として出力する信号反転手段と、
選択信号に従って前記第3または第4の信号のいずれか一方を選択し、第5の信号として出力する選択手段と、
連続して与えられるクロック信号を前記第5の信号に従ってカウントする計数手段とを、
備えたことを特徴とする位相差計測回路。
【請求項2】
前記計数手段は、
前記第5の信号が与えられたときに前記クロック信号の立ち下がりの回数をカウントする第1のカウンタと、
前記第5の信号が与えられたときに前記クロック信号の立ち上がりの回数をカウントする第2のカウンタと、
前記第1及び第2のカウンタのカウント値を加算してカウント結果を出力する加算器とを備えたことを特徴とする請求項1記載の位相差計測回路。
【請求項3】
測定対象の第1及び第2の2値信号の値が一致しているか否かを示す第3の信号を出力する位相差検出手段と、
前記第3の信号の値を反転し、第4の信号として出力する信号反転手段と、
選択信号に従って前記第3または第4の信号のいずれか一方を選択し、第5の信号として出力する選択手段と、
前記第1の2値信号の変化検出を指定する指定信号に従い、該指定信号で指定された方向に該第1の2値信号が変化したときに、検出信号を出力する変化検出手段と、
連続して与えられるクロック信号を前記第5の信号と前記検出信号に従ってカウントする計数手段とを、
備えたことを特徴とする位相差計測回路。
【請求項4】
測定対象の第1及び第2の2値信号の値が一致しているか否かを示す第3の信号を出力する位相差検出手段と、
前記第3の信号の値を反転し、第4の信号として出力する信号反転手段と、
選択信号に従って前記第3または第4の信号のいずれか一方を選択し、第5の信号として出力する選択手段と、
前記第1の2値信号の変化検出を指定する第1の指定信号に従い、該第1の指定信号で指定された方向に該第1の2値信号が変化したときに、第1の検出信号を出力する第1の変化検出手段と、
連続して与えられるクロック信号を前記第5の信号と前記第1の検出信号に従ってカウントする第1の計数手段と、
前記第2の2値信号の変化検出を指定する第2の指定信号に従い、該第2の指定信号で指定された方向に該第2の2値信号が変化したときに、第2の検出信号を出力する第2の変化検出手段と、
前記クロック信号を前記第5の信号と前記第2の検出信号に従ってカウントする第2の計数手段とを、
備えたことを特徴とする位相差計測回路。
【請求項5】
前記計数手段は、
前記第5の信号と前記検出信号が与えられたときに前記クロック信号の立ち下がりの回数をカウントする第1のカウンタと、
前記第5の信号と前記検出信号が与えられたときに前記クロック信号の立ち上がりの回数をカウントする第2のカウンタと、
前記第1及び第2のカウンタのカウント値を加算してカウント結果を出力する加算器とを備えたことを特徴とする請求項3または4記載の位相差計測回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−281498(P2008−281498A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127503(P2007−127503)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】