説明

位相補間回路及びその設計方法

【課題】トランジスタのばらつきによる影響を抑制し、位相歪みを解消する位相補間回路を提供する。
【解決手段】位相補間回路は、位相の異なる入力波形を受け付ける複数の差動対を含み、複数の差動対のうち、第1の差動対及び第2の差動対の出力波形を合成する位相補間回路である。さらに、複数の差動対にバイアス電流を供給する電流源をn個含み、第1の差動対に供給するバイアス電流を、n個の電流源のうち、m個の電流源から供給可能であると共に、第2の差動対に供給するバイアス電流をn個の電流源のうち、n−m個の電流源から供給可能であって、n個の電流源が供給する電流は、予め定められた単位電流値を基準として、それぞれ重み付けがされている可変電流源と、出力波形の位相シフト量に基づいて、可変電流源のm個の電流源の数を変更する制御回路と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相補間回路及びその設計方法に関する。特に、可変電流源を備える位相補間回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置間の通信において、高速なシリアルデータを用いることが多い。このような高速なシリアルデータ通信を行うためには、シリアルデータの受信側の半導体装置が、通信データに対して正確なタイミングで動作することが必要になる。そこで、シリアルデータの送受信に使用されるクロックの位相を補間する位相補間回路が用いられる。
【0003】
位相補間回路は、複数のクロックを入力として受け付け、その受け付けたクロック間で任意にクロックをシフトする回路である。しかし、位相補間回路に入力されるクロックの波形は必ずしも線形性の高い波形ではなく、この非線形性に起因した位相歪み(位相のシフト量が非線形)が発生するという問題がある。
【0004】
ここで、特許文献1〜3において、位相歪みを考慮した制御コードを生成し、この制御コードをDA変換することで、位相補間回路に含まれる電流源に流れる電流を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−123332号公報
【特許文献2】特開2001−217682号公報
【特許文献3】特開2004−235875号公報
【特許文献4】特開2003−229763号公報
【特許文献5】特開2004−159163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0007】
上述のように、特許文献1で開示された技術では、位相歪みを考慮した制御コードを生成し、この制御コードに基づいて位相補間回路に含まれる電流源が供給する電流を制御している。その際に、制御コードをDA変換器に入力し、重み電流を出力する。DA変換器から出力された重み電流は、差動対トランジスタに接続された電流源とカレントミラー回路を構成するトランジスタに対して、リファレンス電流として入力される。その結果、差動対トランジスタに接続された電流源に重み電流が流れ、位相歪みの解消を図っている。
【0008】
しかし、特許文献1に開示された技術は、カレントミラー回路を使用して、電流源に重み電流を流すことで位相歪みの解消を実現しており、カレントミラー回路を構成するトランジスタのばらつきの影響を強く受けるという問題がある。カレントミラー回路の精度は、カレントミラー回路を構成するトランジスタのサイズの比によって定まる。
【0009】
一方、トランジスタのサイズは、製造段階で少なからず、ばらつくことになる。その結果、カレントミラー回路を構成するトランジスタが、互いのばらつきを増幅する場合がある。より具体的には、一方のトランジスタが、想定されるばらつきの範囲の上限であり、他方のトランジスタのばらつきが、その範囲の下限である場合には、これらのトランジスタによって構成されるカレントミラー回路の精度は大きく悪化する。
【0010】
カレントミラー回路の精度が悪化すれば、位相補間回路における位相歪みも悪化する。即ち、位相補間回路において、カレントミラー回路を使用すると、製造段階でのトランジスタのばらつきによる影響が顕在化するという問題がある。そのため、トランジスタのばらつきによる影響を抑制し、位相歪みを解消する位相補間回路及びその設計方法が、望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の視点によれば、位相の異なる入力波形を受け付ける複数の差動対を含み、前記複数の差動対のうち、第1の差動対及び第2の差動対の出力波形を合成する位相補間回路であって、前記複数の差動対にバイアス電流を供給する電流源をn個(但し、nは2以上の整数)含み、前記第1の差動対に供給するバイアス電流を、前記n個の電流源のうち、m(但し、mは2以上の整数)個の電流源から供給可能であると共に、前記第2の差動対に供給するバイアス電流を前記n個の電流源のうち、n−m個の電流源から供給可能であって、前記n個の電流源が供給する電流は、予め定められた単位電流値を基準として、それぞれ重み付けがされている可変電流源と、前記出力波形の位相シフト量に基づいて、前記可変電流源の前記m個の電流源の数を変更する制御回路と、を備える位相補間回路が提供される。
【0012】
本発明の第2の視点によれば、第1の差動対と、前記第1の差動対とは位相の異なる入力波形を受け付ける第2の差動対と、前記第1及び第2の差動対にバイアス電流を供給する電流源を複数含み、前記複数の電流源はそれぞれ重み付けがされている可変電流源と、を備える位相補間回路の設計方法であって、前記第1の差動対に流れる第1の電流と前記第2の差動対に流れる第2の電流との比率と、前記位相補間回路の出力波形の位相シフト量と、の相関関係を算出する工程と、前記複数の電流源それぞれに流す電流であって、前記相関関係が線形となる電流値を定める工程と、前記相関関係が線形となる電流値と、予め定めた単位電流値と、に基づいて前記複数の電流源それぞれの重みを決定する工程と、を含む位相補間回路の設計方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、トランジスタのばらつきによる影響を抑制し、位相歪みを解消する位相補間回路及びその設計方法が、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る位相補間回路1の回路構成の一例を示す図である。
【図3】図2に示す可変電流源10の回路構成の一例を示す図である。
【図4】図2に示す位相補間回路1に入力するクロックの一例を示す図である。
【図5】入力クロックを線形とした場合の位相補間回路1のシミュレーション波形の一例を示す図である。
【図6】入力クロックを非線形とした場合の位相補間回路1のシミュレーション波形の一例を示す図である。
【図7】可変電流源10に含まれる電流源の重み付けの一例を示す図である。
【図8】各電流源の重みの設計方法の一例を示すフローチャートである。
【図9】各電流源からバイアス電流を供給した際の合成波形の位相シフト量のシミュレーションの一例である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る位相補間回路2の回路構成の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る位相補間回路2の図3に示すNチャンネル型MOSトランジスタN21〜N23に該当する部分を切り出した図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る位相補間回路3の内部構成の一例を示す図である。
【図13】位相補間器1の可変電流源10に波形正規化回路を組み込んだ可変電流源10bの内部構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0016】
上述のように、カレントミラー回路を使用して位相補間回路の差動対にバイアス電流を供給すると、カレントミラー回路を構成するトランジスタのばらつきの影響を受け、位相歪みが発生する場合がある。そのため、トランジスタのばらつきによる影響を抑制し、位相歪みを解消する位相補間回路及びその設計方法が、望まれる。
【0017】
そこで、一例として図1に示す位相補間回路を提供する。図1に示す位相補間回路は、位相の異なる入力波形を受け付ける複数の差動対を含み、複数の差動対のうち、第1の差動対及び第2の差動対の出力波形を合成する位相補間回路である。さらに、複数の差動対にバイアス電流を供給する電流源をn個(但し、nは2以上の整数)含み、第1の差動対に供給するバイアス電流を、n個の電流源のうち、m(但し、mは2以上の整数)個の電流源から供給可能であると共に、第2の差動対に供給するバイアス電流をn個の電流源のうち、n−m個の電流源から供給可能であって、n個の電流源が供給する電流は、予め定められた単位電流値を基準として、それぞれ重み付けがされている可変電流源と、出力波形の位相シフト量に基づいて、可変電流源のm個の電流源の数を変更する制御回路と、を備えている。
【0018】
図1に示す位相補間回路の可変電流源は、各電流源から供給する電流を、第1の差動対に供給するか、第2の差動対に供給するか、を制御回路によって切り替え可能である。制御回路による切り替えにより、第1の差動対に流れるバイアス電流と、第2の差動対に流れるバイアス電流と、の電流比を可変し、位相シフトを実現する。さらに、図1に示す位相補間回路は、特許文献1とは異なりカレントミラー回路を使用していないため、トランジスタのばらつきの影響は限定的である。その結果、トランジスタのばらつきによる影響を抑制しつつ、位相歪みを解消する位相補間回路が実現できる。
【0019】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0020】
図2は、本実施形態に係る位相補間回路1の回路構成の一例を示す図である。
【0021】
位相補間回路1は、Nチャンネル型MOSトランジスタN01〜N12と、抵抗R01及びR02と、キャパシタC01及びC02と、可変電流源10と、制御回路20から構成されている。
【0022】
位相補間回路1は、クロックCLK_0と、クロックCLK_90と、クロックCLK_180と、クロックCLK_270と、クロック選択信号SEL01〜SEL04を受け付ける。クロックCLK_0は基準となるクロックであり、クロックCLK_90、クロックCLK_180及びクロックCLK_270の位相は、クロックCLK_0に対して、それぞれ90度、180度、270度シフトしている。また、クロック選択信号SEL01〜SEL04に基づいて、位相補間の対象とするクロックを決定する。
【0023】
位相補間回路1は、出力端子OUTP及びOUTNから、差動クロック(非反転クロック、反転クロック)を出力する。位相補間回路1の出力波形が三角波となるように、キャパシタC01及びC02の容量値を可変し、位相補間回路1の出力波形の立ち上がり時間及び立ち下り時間を調整する。
【0024】
Nチャンネル型MOSトランジスタN01のソース端子とNチャンネル型MOSトランジスタN02のソース端子は、互いに共通接続され、Nチャンネル型MOSトランジスタN03のドレイン端子と接続されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN01のドレイン端子は、抵抗R01に接続されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN01のゲート端子によって、クロックCLK_0を受け付ける。Nチャンネル型MOSトランジスタN01のゲート端子は、Nチャンネル型MOSトランジスタN05のゲート端子と共通接続されている。
【0025】
Nチャンネル型MOSトランジスタN02のソース端子とNチャンネル型MOSトランジスタN01のソース端子は、互いに共通接続され、Nチャンネル型MOSトランジスタN03のドレイン端子と接続されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN02のドレイン端子は、抵抗R02に接続されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN02のゲート端子によって、クロックCLK_180を受け付ける。Nチャンネル型MOSトランジスタN02のゲート端子は、Nチャンネル型MOSトランジスタN04のゲート端子と共通接続されている。
【0026】
Nチャンネル型MOSトランジスタN03のソース端子とNチャンネル型MOSトランジスタN06のソース端子は、互いに共通接続され、可変電流源10と接続されている。
【0027】
なお、Nチャンネル型MOSトランジスタN01のドレイン端子と抵抗R01の接続ノードを出力端子OUTNとする。同様に、Nチャンネル型MOSトランジスタN02のドレイン端子と抵抗R02の接続ノードを出力端子OUTPとする。
【0028】
Nチャンネル型MOSトランジスタN03のドレイン端子は、Nチャンネル型MOSトランジスタN01及びN02のソース端子と接続されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN03のゲート端子によって、クロック選択信号SEL01を受け付ける。
【0029】
Nチャンネル型MOSトランジスタN04〜N06についても、Nチャンネル型MOSトランジスタN01〜N03と同様に接続される。Nチャンネル型MOSトランジスタN04のゲート端子によって、クロックCLK_180を受け付け、Nチャンネル型MOSトランジスタN05のゲート端子によって、クロックCLK_0を受け付ける。また、Nチャンネル型MOSトランジスタN06のゲート端子によって、クロック選択信号SEL02を受け付ける。
【0030】
さらに、Nチャンネル型MOSトランジスタN07〜N12も、Nチャンネル型MOSトランジスタN01〜N06と同様の接続がされる。Nチャンネル型MOSトランジスタN07及びN11のゲート端子によって、クロックCLK_270を受け付け、Nチャンネル型MOSトランジスタN08及びN10のゲート端子によって、クロックCLK_90を受け付ける。また、Nチャンネル型MOSトランジスタN09及びN12のそれぞれのゲート端子において、クロック選択信号SEL03及びSEL04を受け付ける。Nチャンネル型MOSトランジスタN09及びN12のソース端子は、可変電流源10に接続される。
【0031】
ここで、Nチャンネル型MOSトランジスタN03及びN06のソース端子と可変電流源10との接続ノードをノードS1、Nチャンネル型MOSトランジスタN09及びN12のソース端子と可変電流源10との接続ノードをノードS2、と定める。
【0032】
可変電流源10は、電流源IS01及びIS02から構成されている。電流源IS01は、Nチャンネル型MOSトランジスタN01及びN02で構成する差動対、又は、Nチャンネル型MOSトランジスタN04及びN05で構成する差動対、にバイアス電流を供給する。同様に、電流源IS02は、Nチャンネル型MOSトランジスタN07及びN08で構成する差動対、又は、Nチャンネル型MOSトランジスタN10及びN11で構成する差動対、にバイアス電流を供給する。
【0033】
制御回路20は、電流源IS01及びIS02が供給するバイアス電流を制御する。具体的な制御方法については後述する。
【0034】
次に、可変電流源10について説明する。
【0035】
図3は、可変電流源10の回路構成の一例を示す図である。可変電流源10は、Nチャンネル型MOSトランジスタN21〜N48から構成されている。
【0036】
Nチャンネル型MOSトランジスタN21のソース端子とNチャンネル型MOSトランジスタN22のソース端子は、互いに共通接続され、Nチャンネル型MOSトランジスタN23のドレイン端子に接続されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN21及びN22のドレイン端子は、それぞれノードS1及びS2に接続されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN21及びN22のゲート端子は、それぞれ、電流源選択信号1T及び1Bを受け付ける。Nチャンネル型MOSトランジスタN23のソース端子は、接地電圧VSSに接続され、ドレイン端子はNチャンネル型MOSトランジスタN21及びN22のソース端子に接続される。Nチャンネル型MOSトランジスタN23のゲート端子は、バイアス電圧を受け付ける。
【0037】
Nチャンネル型MOSトランジスタN23は電流源として動作する。Nチャンネル型MOSトランジスタN21はノードS1に電流を供給するか否かのスイッチとして動作し、Nチャンネル型MOSトランジスタN22はノードS2に電流を供給するか否かのスイッチとして動作する。
【0038】
Nチャンネル型MOSトランジスタN21及びN22の動作は、電流源選択信号1T及び1Bにより定まる。電流源選択信号1T及び1Bは、制御回路20が出力する。
【0039】
なお、Nチャンネル型MOSトランジスタN24〜N48についての接続も、Nチャンネル型MOSトランジスタN21〜N23と同様である。
【0040】
以上のように、可変電流源10は、16個の電流源と、各電流源が供給する電流をノードS1又はノードS2のいずれかに供給するかを決定するスイッチと、から構成されている。
【0041】
電流源選択信号(1T〜16T、1B〜16B)を選択することで、各電流源(Nチャンネル型MOSトランジスタN23、N26〜N48)を電流源IS01として動作させるか、電流源IS02として動作させるか、を切り替える。なお、可変電流源10に含まれる各電流源の電流供給能力は、それぞれ異なるものとする。電流供給能力を変更する理由と、電流供給能力の設計方法については後述する。
【0042】
次に、位相補間回路1の動作について説明する。
【0043】
位相補間回路1は、複数のクロックを入力として受け付け、その受け付けたクロック間で任意にクロックをシフトする回路である。上述のように、位相補間回路1は4相クロック(0度、90度、180度、270度)を受け付ける。
【0044】
ここでは、0度と90度の入力クロックを用いて0度から90度の間で位相をシフトさせる場合の位相補間回路1の動作について説明する。
【0045】
この場合には、0度と90度の位相をもつクロック(CLK_0及びCLK_90)を有効にするため、クロック選択信号SEL01とSEL04をHレベルに設定する(図2参照)。
【0046】
クロック選択信号SEL01及びSEL04がHレベルに設定されることで、Nチャンネル型MOSトランジスタN03及びN12がオン状態となり、可変電流源10が供給するバイアス電流は、差動対(Nチャンネル型MOSトランジスタN01及びN02)と差動対(Nチャンネル型MOSトランジスタN10及びN11)に流れる。さらに、出力端子OUTP及びOUTNから、クロックCLK_0及びCLK_90の合成波形が出力される。この波形を合成する際に、可変電流源10からノードS1及びS2に供給する電流の比率を変更(制御回路20から制御)することで、クロックCLK_0及びCLK_90から生成する合成波形の合成比率を変更する。
【0047】
なお、ノードS1に供給する電流を電流Ia、ノードS2に供給する電流をIbとする。90度から180度の間、180度と270度の間、270度と0度の間、でそれぞれ位相をシフトさせる場合にも、クロック選択信号SEL01〜SEL04を適宜切り替え、電流Iaと電流Ibの比率を変化させることで、合成波形の合成比率を変更する。
【0048】
続いて、電流Iaと電流Ibの比率を変更する方法について説明する。
【0049】
上述のように、可変電流源10は、16個の電流源と各電流源に対応したスイッチを備えている。このスイッチによって、各電流源が供給するバイアス電流を、ノードS1又はノードS2のいずれかに供給するか選択可能となっている。その選択(スイッチの制御)を、制御回路20が行う。
【0050】
例えば、電流源選択信号1T〜16Tを全てHレベルに設定し、電流源選択信号1B〜16BをLレベルに設定したとする。この場合には、ノードS1に限り電流が流れ、ノードS2には電流が流れない。従って、クロックCLK_0とクロックCLK_90の合成は行われない(クロックCLK_0の波形のみが出力される)。
【0051】
次に、電流源選択信号1T〜16Tのうち、電流源選択信号1TをLレベル、他の信号をHレベルに設定し、電流源選択信号1B〜16Bのうち、電流源選択信号1BをHレベル、他の信号をHレベルに設定する場合を考える。この場合には、ノードS1(電流Ia)には、Nチャンネル型MOSトランジスタN23以外の電流源(15個の電流源)から電流が供給され、ノードS2(電流Ib)には、Nチャンネル型MOSトランジスタN23(1個の電流源)から電流が供給される。従って、電流Iaと電流Ibの電流比は15:1である。この比率が、そのままクロックCLK_0とクロックCLK_90の波形の合成比率となる。その結果、合成後の波形はクロックCLK_0を基準とすれば、6度(90度/15)シフトする。
【0052】
このように、制御回路20によって、所望の位相シフト量が得られるよう、可変電流源10を制御する。なお、ここでは、0度から90度の間で位相をシフトさせる場合について説明したが、90度から180度等の間で位相をシフトさせる場合にも同様の制御を行う。その際に、0度から90度の間及び90度から180度の間のいずれであっても、電流源の切り替えは同一の制御方法とする。
【0053】
例えば、0度から90度の間で図3の左側(Nチャンネル型MOSトランジスタN23)から右側(Nチャンネル型MOSトランジスタN48)の方向に向かって切り替える場合には、90度から180度の間でも左側から右側に切り替えていく。後述するように、各電流源には重みが付けられており、その重みは入力クロックの非線形を打ち消すように決定される。位相差が90度である限りは、0度から90度の間であっても、90度から180度の間であっても入力クロックの非線形性は同様であり、非線形性が同様であれば適用すべき重みも同じだからである。従って、0度から90度の間で位相シフトさせる場合には、左側から右側に切り替え、90度から180度の間で位相シフトさせる場合には、右側から左側に切り替える等の制御は行わない。このような制御を行うと、適用すべき重みがずれてしまうからである。
【0054】
次に、可変電流源10に含まれる各電流源の電流供給能力が異なる理由について説明する。
【0055】
各電流源の電流供給能力が異なる理由は、電流源の電流供給能力(トランジスタのサイズ)と、入力クロックと、の関係により生じる位相歪みを抑制するためである。
【0056】
ここで、位相補間回路が出力するクロックに位相歪みが発生すると、位相補間回路が出力するクロックに基づいて動作する回路の特性を悪化させる場合がある。従って、理想的な位相補間回路の出力特性は、位相歪みを伴わない位相シフトを実現することである。しかし、位相補間回路に入力するクロックの波形が線形でなければ、理想的な出力特性を得ることは困難である。
【0057】
図4は、位相補間回路1に入力するクロックの一例を示す図である。
【0058】
図4の点線のように、入力クロックが線形であって、かつ、可変電流源10に含まれる各電流源の電流供給能力が等価であれば、合成する波形も線形性を保つことができる。しかし、実際には、位相補間回路1に入力されるクロックは、図4の実線で示すような正弦波である場合も多い。このような場合、合成を行おうとする波形は位相に対して線形ではないため、位相のシフトを行う区間を等間隔で分割(つまり、各電流源の電流供給能力が等価)すると、合成後の波形は非線形となる。
【0059】
例えば、図4の0度から90度の間を16個の電流源を用いて、15分割したとしても、位相に対して入力クロックは線形ではないため、合成後の波形は非線形となる。この合成後の波形の非線形性が、そのまま位相補間回路1の位相歪み(位相シフト量が非線形)となって出力されてしまう。
【0060】
図5は、入力クロックを線形とした場合の位相補間回路1のシミュレーション波形の一例を示す図である。図5の波形は、可変電流源10の各電流源の状態を順に切り替えた場合の波形である。図5から、入力クロックが線形であれば、位相補間回路1の出力に位相歪みが発生しないことが分かる。
【0061】
図6は、入力クロックを非線形とした場合の位相補間回路1のシミュレーション波形の一例を示す図である。図6から、入力クロックが非線形の場合には、位相補間回路1の出力に位相歪みが発生することが分かる。
【0062】
そこで、このような位相歪みを解消するために可変電流源10に含まれる各電流源の電流供給能力に重みを付けて、入力クロックの非線形による影響を排除する。即ち、位相補間回路1に入力されるクロックの波形は予め定まっており、その非線形性も位相補間回路1の設計段階において事前に把握できる。この入力クロックの非線形性を打ち消すように各電流源に重みを付ける。
【0063】
図7は、可変電流源10に含まれる電流源の重み付けの一例を示す図である。図7に示す重み付けでは、最初の電流源には大きな重みを付け、その重みを徐々に低下させ、中間の電流源から再度重みを大きくしている。このように、入力クロックの非線形に対して可変電流源10に含まれる電流源の重みを変更し、位相補間回路1の出力波形を線形にする。即ち、入力クロックの非線形性に対し、電流源の電流供給能力を非線形に適応させることで、出力波形の線形性を確保する。
【0064】
次に、可変電流源10に含まれる各電流源の重みの設計方法について説明する。
【0065】
図8は、各電流源の重みの設計方法の一例を示すフローチャートである。
【0066】
ステップS01において、電流Iaと電流Ibの電流比と位相シフト量の相関関係を算出する。その際、位相補間回路1のシミュレーション結果から電流比と位相シフトの相関関係を求める方法が考えられる。又は、実際の位相補間回路1に電流Ia及び電流Ibを供給し、その電流比と位相シフト量の相関関係を算出しても良い。
【0067】
ステップS02では、各電流源の電流供給能力(電流の刻み幅)を計算する。ここで、電流Iaは、下記の式(1)で表現することができる。

Ia=I1+I2+・・・・・Im−1 ・・・(1)

同様に、電流Ibは下記の式(2)で表現することができる。

Ib=Im+Im+1+・・・・+I15+I16 ・・・(2)

なお、I1はNチャンネル型MOSトランジスタN23が供給する電流であり、I2は、Nチャンネル型MOSトランジスタN26が供給する電流である。I3〜I16に関しても同様である。
【0068】
ここで、mは2から16までの正の整数であって、mによって電流Ia及び電流Ibの電流値が定まる。なお、電流Iaと電流Ibの総和は変わらないので、電流Iaと電流Ibの間には、下記の式(3)の関係が成り立つ。

Ia+Ib=I1+I2+I3+・・・+I15+I16 ・・・(3)
【0069】
本ステップでは、式(1)〜(3)のI1〜I16の各電流値を、電流Iaと電流Ibの電流比と位相シフト量が線形になるように決定する。即ち、本ステップによって、可変電流源10に含まれる各電流源から供給すべき電流が決定する。
【0070】
ステップS03では、各電流源の重みを計算する。具体的には、各電流源が供給する電流を下記の式(4)によって表現し、重みを計算する。

I1=r1×I0
I2=r2×I0
・ ・・・(4)
I15=r15×I0
I16=r16×I0

なお、I0は各電流源の単位電流値、r1〜r16を各電流源の重みとする。
【0071】
ステップS02において、各電流源が供給すべき電流(I1〜I16)は算出されている。そこで、各電流源が供給する電流の基準値として、予め単位電流値I0を定め、電流I1〜I16と単位電流値I0に基づいて、それぞれの重みr1〜r16を決定する。
【0072】
なお、本実施形態における説明では、可変電流源10に16個の電流源が含まれる場合について説明したが、これは、電流源の個数を限定する趣旨ではない。可変電流源10に含まれる電流源は容易に拡張することが可能であって、位相シフト量の分解能を変更することができる。
【0073】
さらに、位相補間回路1は4相のクロックに対応する場合について説明したが、これに限定する趣旨ではない。位相補間回路1が対応するクロックの位相の種類は変更可能である。例えば、8相のクロックに対応する場合には、差動対の数を増やし、各差動対に供給する電流源を拡張する。より具体的には、電流Ia及び電流Ibに加えて、追加になった差動対に対応させて、電流Ic及び電流Idを供給可能となるように各電流源のスイッチを拡張する。
【0074】
また、本実施形態に係る位相補間回路1は、PLL(Phase Locked Loop)回路やCDR(Clock and Data Recovery)回路などに適用することができる。
【0075】
以上のように可変電流源10を構成し、その制御を行う。その結果、入力クロックの非線形性に起因した位相歪みを解消することができる。
【0076】
図9は、各電流源からバイアス電流を供給した際の合成波形の位相シフト量のシミュレーションの一例である。図9では、理想的な位相シフト量と、各電流源に重みを付けない場合の位相シフト量と、重みを付けた場合の位相シフト量を示している。図9から明らかなように、各電流源に重みを付けなければ、入力クロックの非線形性が影響し、位相シフト量は理想値から外れてしまう。
【0077】
しかし、各電流源に重みを付けることで、入力クロックの非線形の影響を排除し、位相シフト量を略理想値と等しくすることができる。
【0078】
さらに、本実施形態に係る位相補間回路1に含まれる可変電流源10では、単位電流値I0に基づいて、重み付けを行っており、各電流源(トランジスタ)を製造した際のばらつきの影響は限定的である。つまり、各電流源のトランジスタ(電流供給能力)のばらつきは、各電流源の電流供給能力のばらつきと等価である。
【0079】
一方、特許文献1で開示された可変電流源では、カレントミラー回路を用いているため、複数のトランジスタのばらつきが電流源の電流供給能力に影響を与える。即ち、特許文献1で開示された可変電流源の電流供給能力は、個々のトランジスタのばらつきを超えて(ばらつきが増幅されて)変動する場合がある。
【0080】
このように、特許文献1で開示された位相補間回路は製造工程におけるトランジスタのばらつきの影響を強く受けるのに対して、本実施形態に係る位相補間回路1は、トランジスタのばらつきによる影響を管理可能な範囲内に納めつつ、位相歪みの解消が可能となる。
【0081】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0082】
第1の実施形態に係る位相補間回路1では、可変電流源10に使用するトランジスタのサイズを変更することで、各電流源の重みを実現している。しかし、位相補間回路1では、設計段階で決定した重みを変更することができない。本実施形態に係る位相補間回路2では、各電流源の重みを位相補間回路2の出力を用いて補正する。
【0083】
図10は、位相補間回路2の回路構成の一例を示す図である。図10において図2と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。
【0084】
位相補間回路2と位相補間回路1の相違点は、可変電流源10aの内部構成と、制御回路20aの構成及び制御方法である。
【0085】
制御回路20aでは、入力クロック(図10では、クロックCLK_0)と、位相補間回路2の出力端子OUTP及びOUTNから出力波形と、を受け付ける。制御回路20aは、入力クロックと出力波形の位相差を算出し、算出した位相差が所望の位相差でなければ、可変電流源10aに含まれる各電流源の重みを微調整する。
【0086】
図11は、図3のNチャンネル型MOSトランジスタN21〜N23に該当する部分を切り出した図である。
【0087】
可変電流源10aに含まれる各電流源は、基本となるトランジスタと、その基本となるトランジスタから供給する電流を補正するための補助トランジスタから構成されている。図11においては、Nチャンネル型MOSトランジスタN23が基本トランジスタであり、Nチャンネル型MOSトランジスタN50及びN51が補助トランジスタである。補助トランジスタのドレイン端子は、スイッチSW01及びSW02を介して、基本トランジスタのドレイン端子と接続されている。
【0088】
スイッチSW01及びSW02を制御回路20aから切り替えることで、可変電流源10aに含まれる電流源から供給する電流量を微調整する。より具体的には、図11に示す電流源が供給する電流は、Nチャンネル型MOSトランジスタN23とN50が供給する電流量として設計する。
【0089】
制御回路20aにおいて、出力波形を計測した結果、位相シフト量が設計値と一致しない場合(位相シフト量が設計値からずれている場合)には、スイッチSW01及びSW02を適宜制御することで、位相シフト量のずれを補正する。
【0090】
なお、可変電流源10aに含まれる電流源の重みの微調整には、サイズの小さいトランジスタを複数用意しておき、これらのトランジスタを有効にする数を変更する方法が考えられる。つまり、各電流源を構成するトランジスタを小サイズのトランジスタに分割し、必要な電流量に応じて電流を供給するトランジスタを切り替える。
【0091】
以上のように、本実施形態に係る位相補間回路2では、出力波形を制御回路20aにフィードバックし、可変電流源10aに含まれる電流源の重みを微調整する。その結果、位相補間回路の製造段階において、トランジスタのサイズがばらつくことで、位相歪みが発生したとしても、各電流源の重みを微調整することで、位相歪みを解消することができる。
【0092】
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0093】
第1及び第2の実施形態に係る位相補間回路1及び2では、入力クロックの波形は予め定まっているものと想定していた。しかし、位相補間回路の受け付け可能な入力クロックが変更可能であれば、より便宜である。例えば、位相補間回路を含む回路の仕様が変更になった場合であっても、位相補間回路の再設計が不要になり、設計コストを低減させることが可能になる。
【0094】
そこで、本実施形態に係る位相補間回路3では、受け付けた入力クロックの波形を予め定めたクロックの波形に補正することで複数の波形に対応する。
【0095】
図12は、位相補間回路3の内部構成の一例を示す図である。
【0096】
位相補間回路3は、位相補間部30と、波形正規化抵抗部40と、波形正規化電流源50と、分周回路60と、Nチャンネル型MOSトランジスタN60及びN61から構成されている。位相補間部30は、第1及び第2の実施形態で説明した位相補間回路1又は2に相当する。そのため、位相補間部30に関する説明は省略する。
【0097】
波形正規化抵抗部40は、複数の抵抗とPチャンネル型MOSトランジスタから構成されている。各抵抗とPチャンネル型MOSトランジスタは対になっており、各Pチャンネル型MOSトランジスタのソース端子は電源電圧VDDに接続され、ドレイン端子は各抵抗に接続されている。また、ゲート端子は、制御信号を受け付け、各Pチャンネル型MOSトランジスタはスイッチとしての役割を果たす。
【0098】
波形正規化電流源50は、複数の電流源から構成されている。Nチャンネル型MOSトランジスタN60及びN61は、差動クロックをクロック入力端子(CLK_INP及びCLK_INN)から受け付け、差動クロックを分周回路60に出力する。
【0099】
分周回路60では、ラッチ回路等を使用して、4相クロックを生成し、位相補間部30に出力する。
【0100】
位相補間回路3を上述のような構成とし、波形正規化抵抗部40又は波形正規化電流源50を用いて入力クロックの波形を予め定めた(設計段階で想定した)クロックの波形に正規化する。その際の正規化は、クロック入力端子(CLK_INP及びCLK_INN)で受け付ける入力クロックの周波数に応じて行う。
【0101】
具体的には、波形正規化抵抗部40によってNチャンネル型MOSトランジスタN60及びN61に接続する抵抗値を変更、又は、波形正規化電流源50から供給する電流量を変更する。このような正規化によって、入力クロックの立ち上がり時間及び立ち下り時間を予め定めた波形と一致させる。その結果、複数の入力クロックに対しても位相シフトを線形に保つことが可能になる。
【0102】
なお、波形正規化抵抗部40又は波形正規化電流源50を制御する制御信号には、位相補間回路の容量を切り替える制御信号を使用することができる。位相補間回路の容量は、三角波を作るために用いられるが、周波数によりその最適な容量値は異なり、容量値を切り替えて使用する場合が多いためである。
【0103】
本実施形態においては、第1又は第2の位相補間回路1又は2に、入力クロックの波形正規化回路を追加する場合を説明した。しかし、この波形正規化回路を位相補間回路1又は2に組み込むことも可能である。
【0104】
図13は、位相補間器1の可変電流源10に波形正規化回路を組み込んだ可変電流源10bの内部構成の一例を示す図である。
【0105】
図13に示すように、可変電流源10bに複数の可変電流源を含ませ、入力クロックの周波数に応じて電流の重みを最適化した電流源を選択することも可能である。
【0106】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0107】
1、2、3 位相補間回路
10、10a、10b 可変電流源
20、20a 制御回路
30 位相補間部
40 波形正規化抵抗部
50 波形正規化電流源
60 分周回路
C01、C02 キャパシタ
IS01、IS02 電流源
N01〜N12、N21〜N48、N50、N51、N60、N61 Nチャンネル型MOSトランジスタ
R01、R02 抵抗
SW01、SW02 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相の異なる入力波形を受け付ける複数の差動対を含み、前記複数の差動対のうち、第1の差動対及び第2の差動対の出力波形を合成する位相補間回路であって、
前記複数の差動対にバイアス電流を供給する電流源をn個(但し、nは2以上の整数)含み、前記第1の差動対に供給するバイアス電流を、前記n個の電流源のうち、m(但し、mは2以上の整数)個の電流源から供給可能であると共に、前記第2の差動対に供給するバイアス電流を前記n個の電流源のうち、n−m個の電流源から供給可能であって、前記n個の電流源が供給する電流は、予め定められた単位電流値を基準として、それぞれ重み付けがされている可変電流源と、
前記出力波形の位相シフト量に基づいて、前記可変電流源の前記m個の電流源の数を変更する制御回路と、
を備えることを特徴とする位相補間回路。
【請求項2】
前記n個の電流源は、それぞれ、供給する電流値が変更可能であり、
前記制御回路は、前記出力波形の位相シフト量に基づいて、前記n個の電流源が供給する電流値を変更する請求項1の位相補間回路。
【請求項3】
前記n個の電流源は、トランジスタと、前記トランジスタよりも電流供給能力が低い複数の補助トランジスタと、を含み、
前記トランジスタから供給する電流量と、前記複数の補助トランジスタから供給する電流と、を加算することで、供給する電流値を変更する請求項2の位相補間回路。
【請求項4】
さらに、前記入力波形の立ち上がり時間及び立ち下り時間を、予め定められた波形の立ち上がり時間及び立ち下り時間に正規化する波形正規化回路を含む請求項1乃至3のいずれか一に記載の位相補間回路。
【請求項5】
第1の差動対と、
前記第1の差動対とは位相の異なる入力波形を受け付ける第2の差動対と、
前記第1及び第2の差動対にバイアス電流を供給する電流源を複数含み、前記複数の電流源はそれぞれ重み付けがされている可変電流源と、
を備える位相補間回路の設計方法であって、
前記第1の差動対に流れる第1の電流と前記第2の差動対に流れる第2の電流との比率と、前記位相補間回路の出力波形の位相シフト量と、の相関関係を算出する工程と、
前記複数の電流源それぞれに流す電流であって、前記相関関係が線形となる電流値を定める工程と、
前記相関関係が線形となる電流値と、予め定めた単位電流値と、に基づいて前記複数の電流源それぞれの重みを決定する工程と、
を含むことを特徴とする位相補間回路の設計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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