位置情報取得システム
【課題】実際の移動による位置情報に近く、冗長度の低い位置情報を取得することが可能な位置情報取得システムを提供する。
【解決手段】入館者に配布されるRFIDタグと、固有のIDが付され、RFIDタグからの信号電波を検知する複数のタグリーダ20と、電波強度検知部25と、検出した情報等の記憶部30と、該記憶情報に基づいてRFIDタグが存在するエリアの位置情報を演算する主演算部10と、タグリーダの設置位置優先度テーブルと、を具備し、該記憶部30は該信号電波検出毎にタグリーダID、RFIDタグID情報、RFIDタグ信号検出強度、検出時刻を関連づけたログテーブルを記憶し、該主演算部10は、一度RFIDタグが検知されると、その時刻が経過するまでは該エリア内にRFIDタグが存在しているとみなすカウント継続時刻情報を生成し、該カウント継続時刻と該優先度テーブルに基づいてRFIDタグが存在するエリアを確定する。
【解決手段】入館者に配布されるRFIDタグと、固有のIDが付され、RFIDタグからの信号電波を検知する複数のタグリーダ20と、電波強度検知部25と、検出した情報等の記憶部30と、該記憶情報に基づいてRFIDタグが存在するエリアの位置情報を演算する主演算部10と、タグリーダの設置位置優先度テーブルと、を具備し、該記憶部30は該信号電波検出毎にタグリーダID、RFIDタグID情報、RFIDタグ信号検出強度、検出時刻を関連づけたログテーブルを記憶し、該主演算部10は、一度RFIDタグが検知されると、その時刻が経過するまでは該エリア内にRFIDタグが存在しているとみなすカウント継続時刻情報を生成し、該カウント継続時刻と該優先度テーブルに基づいてRFIDタグが存在するエリアを確定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユビキタスネットワーク社会の主要なデバイスの一つとして、通信可能距離が比較的大きなアクティブ型無線ICタグ(アクティブ型RFIDタグ)が、従来の物流管理用途だけではなく、人の位置情報にも利用され始めている。代表的な例では2005年の愛・地球博での来場者向けサービス、小学生の安全管理用途の実証実験などがあり、現在も様々な分野での利用が期待されている。
【0003】
アクティブ型のタグのタグリーダの多くは検知情報と同時に電波強度を取得できる機能を持っているため、システム側で有効な電波強度の範囲を設定することで、最小で約1mまで範囲を狭めることができ、様々な用途に応じた検知エリアの設定が可能であるため、施設内で人の位置情報を取得するシステムを考えた場合、検知範囲を調整して設置したリーダに電波が検知された場合に「そのリーダの担当範囲にいる」とする位置取得方法が考えられる。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2006−41834号公報)には、特定の場所に敷設されたマーカを用いて位置情報を取得する位置情報取得方法であって、携帯機器を前記マーカに接近させた状態で所定の信号を前記携帯機器から前記マーカに送信するステップと、前記携帯機器から所定の信号を受信したことに応答して、メモリ部に格納された識別情報を読み出し、当該識別情報を前記携帯機器に送信するステップと、前記マーカからの識別情報を受信して、当該識別情報をデータベースサーバに送信するステップと、前記識別情報に対応する位置情報をデータベースを照会することにより取得して前記携帯機器に送信するステップと、前記データベースサーバから受信した位置情報を所定の形態でユーザに告知するステップと、を具備することを特徴とする位置情報取得方法が開示されている。
【特許文献1】特開2006−41834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載のシステムでマーカとして、例えばアクティブ型RFIDタグを用いるものであるが、RFIDタグには以下のような問題がある。
・人体の影響の問題
多くのアクティブ型のRFIDタグで用いられる300〜400MHz帯の電波は人体の影響が大きいため、所持者が向いている方向やRFIDタグの持ち方によって、電波の取得率や検知可能な距離にばらつきが出る。
・リーダの同時読み取り数の問題
歩いている人の移動情報を検知する用途に用いるなど、システムにリアルタイム性を持たせたい場合、RFIDタグの電波発信間隔をある程度短くする必要がある。しかし、タグIDのデータ長とリーダの処理速度の関係から、一つのリーダが同時に受信するデータには限りがある(ただし、発信間隔は厳密に一定ではなく個体差があるため、しばらく待つと検知する)。このことから、大人数が同時に集まる際には電波受信強度が落ちてしまうことを考慮に入れる必要がある。
・リーダ設置方法のばらつきの問題
施設内にRFIDタグリーダを設置するときに、見た目の問題から、天井裏やOAフロア下などの様々な場所に設置することが想定される。300〜400MHz帯の電波は金属の影響を受けやすいため、それぞれの設置方法や施設内の什器の配置によって、それぞれのリーダの感度にばらつきが出るという問題がある。
【0006】
以上のような問題は、アクティブ型のRFIDタグを用いた位置情報取得システムにおけるRFIDタグの読み取り時における問題であり、これらの問題はシステム側のデータ補完などの適当なアルゴリズムによって解決されねばならないが、従来のシステムではこのような提案はなされていなかった。
【0007】
また、位置情報取得システムにおける記録に関する問題点も挙げることができる。位置情報取得システムでは、取得した位置情報を履歴として保存しておくことが望ましいわけであるが、この場合、RFIDタグの数、タグリーダの数、タグの読み取り頻度によっては、位置情報取得システムにおけるRFIDタグの読み取りログデータは、非常に膨大なものとなってしまう。位置情報取得システムにおける読み取りログデータが膨大となると、システムの処理速度が遅くなるなどの問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される優先度が記憶される優先度テーブルと、を具備し、前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記優先度テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される設置条件係数が記憶される設置条件係数テーブルと、を具備し、前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記設置条件係数テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の位置情報取得システムによれば、「優先度」、「カウント継続時刻」などという概念を導入して、これらに基づいたアルゴリズムが採用されているので、抜けているデータの補完、余分なデータの削除が行われ、また、施設内のRFIDタグリーダの設置方法のばらつきを修正して、実際の移動による位置情報に近い位置情報を取得することが可能となる。
【0011】
また、本発明の位置情報取得システムによれば、「優先度」、「カウント継続時刻」などという概念に基づいて計算された冗長度の低い位置情報を最終的に取得するものであるので、膨大なログデータ(読み取り生データ)による、システムの処理速度の低下などの問題を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのブロック構成の概要を示す図である。図2は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのタグリーダの設置概念図である。位置情報取得システムとは、例えば、ビルディング内の各所に設けられたタグリーダによって、ビルディング入館者が所持するRFIDタグによって、ビルディング入館者の所在地を把握するための位置情報を取得するシステムである。図1では、タグリーダが3つの場合を例示しているが、タグリーダは任意の複数設けることができる。
【0013】
図1において、10は主演算部、20、20’、20’ ’はタグリーダ、25、25’、25’ ’は電波強度検知部、30は記憶部、40は表示部をそれぞれ示している。また、図1には不図示であるが、ビルディング入館者などが所持するアクティブ型などのRFIDタグを、タグリーダ20、20’、20’ ’が検知するものとする。タグリーダのそれぞれを区別できるようにそれぞれにリーダのIDを持たせるようにする。ここでは、タグリーダ20のリーダIDを「001」、タグリーダ20’ のリーダIDを「002」、タグリーダ20’ ’ のリーダIDを「003」として示すこととする。これらのタグリーダ20、20’、20’ ’は、所定エリア毎に間隔を置いて設置され、それぞれのエリアにおいて、ビルディング入館者などが所持するRFIDタグからの電波を受信するものである。図2は、リーダID「001」のタグリーダの検知エリア、リーダID「002」のタグリーダの検知エリア、リーダID「003」のタグリーダの検知エリアのイメージを示している。
【0014】
主演算部10は、CPUなどの中央演算装置やROMなどの書き換え不能な記憶素子、RAMなどの書き換え可能な記憶素子、HDDなどの大容量記憶装置、キーボードやポインティングデバイスなどの入力機器、モニタ、印刷装置などの外部出力機器、ネットワーク接続機器などの周辺装置などからなる汎用の情報処理機構であり、例えば一般的なパーソナルコンピュータなどのシステムを用いることができる。主演算部10は、それぞれの構成と協働することによって、本発明における位置情報取得システムのための処理・制御を行うものである。このような位置情報取得システムの制御・処理のためのプログラムはROMなどの書き換え不能な記憶素子やHDDなどの大容量記憶装置などに書き込んでおく。主演算部10において、このようなプログラムを実行することにより、本発明の位置情報取得システムの機能を実現することができる。主演算部10におけるモニタなどの表示部には、RFIDタグを保持するビルディング入館者が、どのエリアに存在するかなどを表示するようなインターフェイス画面が設けられる。
【0015】
位置情報取得システムが設置されるビルディングなどには、入館者や来訪者に対しては、固有の(唯一無二の)IDを有するRFIDタグが配布される。このRFIDタグには、固有の(唯一無二の)ID番号が付され、そのID番号を送信可能な送信機が内蔵されている。このRFIDタグは、例えば3秒に1回程度の頻度で、自らのID情報を発信するように構成されている。
【0016】
タグリーダ20、20’、20’ ’は、このようなRFIDタグの送信機から送信されるID番号を読み取るものであり、このタグリーダ20、20’、20’ ’における電波強度検知部25、25’、25’ ’は、RFIDタグの送信機からの信号電波の強度を検知する。本発明の位置情報取得システムでは、この電波強度検知部25、25’、25’ ’によって検知される電波の強度によって、RFIDタグを保持する入館者がどのエリア(図2におけるエリア001、エリア002、エリア003など)にいるかに係る位置情報を取得する構成となっている。
【0017】
タグリーダ20、20’、20’ ’は、RFIDタグからの「ID情報」、「検出強度」を主演算部10に送信する。主演算部10は、これら「ID情報」、「検出強度」のデータに、検出したタグリーダの「リーダID」に係る情報、不図示の計時手段による「検出時刻」に係る情報を加味して、「リーダID」、「タグID情報」、「検出強度」、「検出時刻」からなるひとまとまり情報を、取得してログとする。
【0018】
このようなログは「ログテーブル」として、記憶部30に暫定的に保持される。図3は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのログテーブルのデータ構成を示す図である。
【0019】
また、記憶部30は、タグリーダ20、20’、20’ ’のリーダIDとそれぞれの優先度のデータベースを保持する。図4は、記憶部30が保持するタグリーダのリーダIDとその優先度との関係のデータを示す図である。
【0020】
ここで本発明における「優先度」について説明する。タグリーダ20、20’、20’ ’は、RFIDタグからの同じ電波を複数のタグリーダで同時に取得するような場合がある。このような場合には、複数のタグリーダに同時に検知された場合、どちらのエリアにいることにするか、つまりどちらのタグリーダの近くにいるかを検知電波強度の比較で行うことができる。
【0021】
しかし、実際の検知強度は前述したように、タグリーダの設置条件、設置位置の周辺条件によって、必ずしもRFIDタグとタグリーダとの間の距離に依存するものではない。
【0022】
そこで本発明においては、タグリーダごとに「優先度」というパラメータを設定することで、検知強度に係る情報を補完する処理がなされる。例えば、どうしても位置情報を取得したい重要な会議室が、タグリーダの設置条件により、周囲のタグリーダより検知電波が小さくなってしまうという問題などがある場合、その会議室に設置したタグリーダの優先度を周辺のリーダより高く設定することで、位置情報の取りそびれを防ぐことができる。
【0023】
図4の例では、リーダIDが002のタグリーダの優先度は「10」というように、リーダIDが001、003のものより高く設定されている。本発明においては、優先度の高いタグリーダは、検出電波強度が小さくとも、優先的に扱うようなアルゴリズムがとられる。
【0024】
本発明の位置情報取得システムのアルゴリズムにおいては、「優先度」という概念の他に、「カウント継続時刻」という概念が導入される。
【0025】
この「カウント継続時刻」とは、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなす時刻である。このようなカウント継続時間が経過するまではその場所にいるとみなすことで、タグリーダが受け取れない情報を補完している。カウント継続時間の概念を導入することで、例えば3秒間隔の発信を行うRFIDタグで、カウント継続時間が30秒の場合、少なくとも10回に1回検知できればその場所にいることを確認することができるのである。
【0026】
本発明の位置情報取得システムでは、以上のような「優先度」、「カウント継続時刻」という概念を導入して、これらに基づいたアルゴリズムが採用されているので、抜けているデータの補完、余分なデータの削除が行われ、実際の移動による位置情報に近い位置情報を取得することが可能となる。
【0027】
図5は、図3のログテーブルのデータをタグリーダ毎に整理して、カウント継続時刻を加味したログテーブルである。
【0028】
次に、本発明の位置情報取得システムにおいて、複数のタグリーダからログデータが取得された場合などの位置情報を確定するアルゴリズムについて説明する。図6は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。この位置情報取得処理のフローは、RFIDタグ所持者の動きの変化に比べて、十分に短い時間間隔で実行されるものとする。なお、フローチャートにおいて、「データ」などとして示しているものは、図5におけるデータA乃至Iに相当するものである。
【0029】
図6のフローチャートにおいて、ステップS100で位置情報取得処理が開始されると、次に、ステップS101に進み、所定時間経過が経過したかどうかが判定される。
【0030】
ステップS101の判定の結果がNOであるときには所定時間が経過するまでステップS101をループする。ステップS101の判定の結果がYESであるときにはステップS102に進む。
【0031】
ステップS102では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いているデータがあるかが判定される。
【0032】
ステップS102における結果がYESであるときにはステップS103に進む。ステップS102における結果がNOであるときには、位置情報として取得すべきデータが存在しないこととなるので、ステップS111に進み、位置情報取得処理を終了する。
【0033】
ステップS103では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いている全てのデータを抽出する。次のステップS104では、ステップS103で抽出されたデータが複数あるかが判定される。
【0034】
ステップS104の判定の結果がYESであるときにはステップS106に進み、ステップS104の判定の結果がNOであるときにはステップS105に進む。
【0035】
ステップS104の判定の結果がNOであるときは、対象とするデータが一つのみであるので、ステップS105において、当該データを生成したタグリーダを位置情報として取得し、次のステップS111で位置情報取得処理を終了する。
【0036】
ステップS106では、複数のデータに対して、それぞれが取得されたタグリーダの優先度を、図4の優先度テーブルによって参照する。
【0037】
ステップS107では、複数のデータの中で最も高い優先度のタグリーダで生成されたものがあるか否かを判定する。ステップS107の判定の結果がYESであるときにはステップS108に進み、ステップS107の判定の結果がNOであるときにはステップS109に進む。
【0038】
ステップS108では、当該データを生成した(最も高い優先度の高い)タグリーダを位置情報として取得する。次のステップS111では、位置情報取得処理を終了する。
【0039】
ステップS109では、複数のデータに対して、それぞれが取得されたタグリーダの検出強度を比較する。ステップS110では、検出強度最大のデータを生成したタグリーダを位置情報として取得する。次のステップS111では、位置情報取得処理を終了する。
【0040】
次に、以上のような本発明の位置情報取得処理による位置情報の取得例について説明する。図7は、図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。また、図8は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【0041】
図7の上半分のグラフは図3のログデータをそのまま、時刻対検出強度でプロットしたものである。これに対して、図7の下半分のグラフは、本発明の位置情報取得処理によって位置情報を求めたものである。図7の下半分のグラフは、横軸は上半分のグラフ同様、時刻を示しており、縦軸は位置情報として取得されたリーダID(或いは、リーダIDに対応するエリア)を示している。図7の下半分のグラフでは、カウント継続時間は15秒に設定されている。
【0042】
図7の下半分のグラフをテーブルにしたものが図8である。このように図3に示すログデータは、本発明の位置情報取得システムのアルゴリズムによって図8に示すようなコンパクトなデータとなる。本発明では、この図8に示すデータを記憶部30に保存するように構成されるので、膨大なログデータ(読み取り生データ)による、システムの処理速度の低下などの問題を回避することが可能となる。すなわち、本発明の位置情報取得システムは、「優先度」、「カウント継続時刻」という概念に基づいて計算された冗長度の低い位置情報を最終的に確定し、取得するものであるので、上記のような問題を回避することが可能となる。
【0043】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。先の実施形態においてはタグリーダごとの「優先度」という概念を導入することによって、タグリーダごとの設置条件、RFIDタグからの電波受信環境などを勘案するようなアルゴリズムの構成としたが、本実施形態では、「設置条件係数」という概念を導入し、位置情報取得アルゴリズムに反映するものである。
【0044】
本実施形態においては、RFIDタグからの電波受信が良好なタグリーダには低い「設置条件係数」を割り当て、RFIDタグからの電波受信が良くないタグリーダには高い「設置条件係数」を割り当てる。そして、電波強度検知部25、25’、25’ ’で検出される検出強度と、この設置条件係数との積をそれぞれ比較することによって位置情報取得を取得するものである。図9はタグリーダのリーダIDとその設置条件係数との関係のデータを示す図である。
【0045】
本実施形態においても、タグリーダによって図3のログデータが取得された場合を例に挙げて説明する。図10は、図3のログテーブルのデータをタグリーダ毎に整理して、(検出強度)×(設置条件係数)及びカウント継続時刻を加味したログテーブルである。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態に係る位置情報取得システムにおいて、複数のタグリーダからログデータが取得された場合などの位置情報を確定するアルゴリズムについて説明する。図11は本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。この位置情報取得処理のフローは、RFIDタグ所持者の動きの変化に比べて、十分に短い時間間隔で実行されるものとする。なお、フローチャートにおいて、「データ」などとして示しているものは、図5におけるデータA乃至Iに相当するものである。
【0047】
図6のフローチャートにおいて、ステップS200で位置情報取得処理が開始されると、次に、ステップS201に進み、所定時間経過が経過したかどうかが判定される。
【0048】
ステップS201の判定の結果がNOであるときには所定時間が経過するまでステップS201をループする。ステップS201の判定の結果がYESであるときにはステップS202に進む。
【0049】
ステップS202では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いているデータがあるかが判定される。
【0050】
ステップS202における結果がYESであるときにはステップS203に進む。ステップS202における結果がNOであるときには、位置情報として取得すべきデータが存在しないこととなるので、ステップS208に進み、位置情報取得処理を終了する。
【0051】
ステップS203では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いている全てのデータを抽出する。次のステップS204では、ステップS203で抽出されたデータが複数あるかが判定される。
【0052】
ステップS204の判定の結果がYESであるときにはステップS206に進み、ステップS204の判定の結果がNOであるときにはステップS205に進む。
【0053】
ステップS204の判定の結果がNOであるときは、対象とするデータが一つのみであるので、ステップS205において、当該データを生成したタグリーダを位置情報として取得し、次のステップS208で位置情報取得処理を終了する。
【0054】
ステップS206では、複数のデータに対して、それぞれが取得されたタグリーダの(検出強度)×(設置条件係数)を、図10のテーブルによって参照する。
【0055】
ステップS207では、複数のデータを生成したタグリーダの中で最も高い(検出強度)×(設置条件係数)の値のタグリーダを位置情報として取得する。次のステップS208では、位置情報取得処理を終了する。
【0056】
次に、以上のような本発明の位置情報取得処理による位置情報の取得例について説明する。図12は、図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。また、図13は本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【0057】
図12の上半分のグラフは図3のログデータに設置条件係数を加味し、(時刻)対(検出強度)×(設置条件係数)でプロットしたものである。これに対して、図12の下半分のグラフは、本実施形態の位置情報取得処理によって位置情報を求めたものである。図12の下半分のグラフは、横軸は上半分のグラフ同様、時刻を示しており、縦軸は位置情報として取得されたリーダID(或いは、リーダIDに対応するエリア)を示している。図12の下半分のグラフでは、カウント継続時間は15秒に設定されている。
【0058】
図12の下半分のグラフをテーブルにしたものが図13である。このように図3に示すログデータは、本発明の位置情報取得システムのアルゴリズムによって図13に示すようなコンパクトなデータとなる。本実施形態では、この図13に示すデータを記憶部30に保存するように構成されるので、膨大なログデータ(読み取り生データ)による、システムの処理速度の低下などの問題を回避することが可能となる。すなわち、本発明の他の実施形態に係る位置情報取得システムは、「設置条件係数」、「カウント継続時刻」という概念に基づいて計算された冗長度の低い位置情報を最終的に確定し、取得するものであるので、上記のような問題を回避することが可能となる。
【0059】
なお、以上、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのブロック構成の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのタグリーダの設置概念図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのログテーブルのデータ構成を示す図である。
【図4】タグリーダのリーダIDとその優先度との関係のデータを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのカウント継続時刻入りログテーブルを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図7】図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【図9】タグリーダのリーダIDとその設置条件係数との関係のデータを示す図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムのカウント継続時刻入りログテーブルを示す図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図12】図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
10・・・主演算部、20、20’、20’ ’・・・タグリーダ、25、25’、25’ ’・・・電波強度検知部、30・・・記憶部、40・・・表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユビキタスネットワーク社会の主要なデバイスの一つとして、通信可能距離が比較的大きなアクティブ型無線ICタグ(アクティブ型RFIDタグ)が、従来の物流管理用途だけではなく、人の位置情報にも利用され始めている。代表的な例では2005年の愛・地球博での来場者向けサービス、小学生の安全管理用途の実証実験などがあり、現在も様々な分野での利用が期待されている。
【0003】
アクティブ型のタグのタグリーダの多くは検知情報と同時に電波強度を取得できる機能を持っているため、システム側で有効な電波強度の範囲を設定することで、最小で約1mまで範囲を狭めることができ、様々な用途に応じた検知エリアの設定が可能であるため、施設内で人の位置情報を取得するシステムを考えた場合、検知範囲を調整して設置したリーダに電波が検知された場合に「そのリーダの担当範囲にいる」とする位置取得方法が考えられる。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2006−41834号公報)には、特定の場所に敷設されたマーカを用いて位置情報を取得する位置情報取得方法であって、携帯機器を前記マーカに接近させた状態で所定の信号を前記携帯機器から前記マーカに送信するステップと、前記携帯機器から所定の信号を受信したことに応答して、メモリ部に格納された識別情報を読み出し、当該識別情報を前記携帯機器に送信するステップと、前記マーカからの識別情報を受信して、当該識別情報をデータベースサーバに送信するステップと、前記識別情報に対応する位置情報をデータベースを照会することにより取得して前記携帯機器に送信するステップと、前記データベースサーバから受信した位置情報を所定の形態でユーザに告知するステップと、を具備することを特徴とする位置情報取得方法が開示されている。
【特許文献1】特開2006−41834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載のシステムでマーカとして、例えばアクティブ型RFIDタグを用いるものであるが、RFIDタグには以下のような問題がある。
・人体の影響の問題
多くのアクティブ型のRFIDタグで用いられる300〜400MHz帯の電波は人体の影響が大きいため、所持者が向いている方向やRFIDタグの持ち方によって、電波の取得率や検知可能な距離にばらつきが出る。
・リーダの同時読み取り数の問題
歩いている人の移動情報を検知する用途に用いるなど、システムにリアルタイム性を持たせたい場合、RFIDタグの電波発信間隔をある程度短くする必要がある。しかし、タグIDのデータ長とリーダの処理速度の関係から、一つのリーダが同時に受信するデータには限りがある(ただし、発信間隔は厳密に一定ではなく個体差があるため、しばらく待つと検知する)。このことから、大人数が同時に集まる際には電波受信強度が落ちてしまうことを考慮に入れる必要がある。
・リーダ設置方法のばらつきの問題
施設内にRFIDタグリーダを設置するときに、見た目の問題から、天井裏やOAフロア下などの様々な場所に設置することが想定される。300〜400MHz帯の電波は金属の影響を受けやすいため、それぞれの設置方法や施設内の什器の配置によって、それぞれのリーダの感度にばらつきが出るという問題がある。
【0006】
以上のような問題は、アクティブ型のRFIDタグを用いた位置情報取得システムにおけるRFIDタグの読み取り時における問題であり、これらの問題はシステム側のデータ補完などの適当なアルゴリズムによって解決されねばならないが、従来のシステムではこのような提案はなされていなかった。
【0007】
また、位置情報取得システムにおける記録に関する問題点も挙げることができる。位置情報取得システムでは、取得した位置情報を履歴として保存しておくことが望ましいわけであるが、この場合、RFIDタグの数、タグリーダの数、タグの読み取り頻度によっては、位置情報取得システムにおけるRFIDタグの読み取りログデータは、非常に膨大なものとなってしまう。位置情報取得システムにおける読み取りログデータが膨大となると、システムの処理速度が遅くなるなどの問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される優先度が記憶される優先度テーブルと、を具備し、前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記優先度テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される設置条件係数が記憶される設置条件係数テーブルと、を具備し、前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記設置条件係数テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の位置情報取得システムによれば、「優先度」、「カウント継続時刻」などという概念を導入して、これらに基づいたアルゴリズムが採用されているので、抜けているデータの補完、余分なデータの削除が行われ、また、施設内のRFIDタグリーダの設置方法のばらつきを修正して、実際の移動による位置情報に近い位置情報を取得することが可能となる。
【0011】
また、本発明の位置情報取得システムによれば、「優先度」、「カウント継続時刻」などという概念に基づいて計算された冗長度の低い位置情報を最終的に取得するものであるので、膨大なログデータ(読み取り生データ)による、システムの処理速度の低下などの問題を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのブロック構成の概要を示す図である。図2は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのタグリーダの設置概念図である。位置情報取得システムとは、例えば、ビルディング内の各所に設けられたタグリーダによって、ビルディング入館者が所持するRFIDタグによって、ビルディング入館者の所在地を把握するための位置情報を取得するシステムである。図1では、タグリーダが3つの場合を例示しているが、タグリーダは任意の複数設けることができる。
【0013】
図1において、10は主演算部、20、20’、20’ ’はタグリーダ、25、25’、25’ ’は電波強度検知部、30は記憶部、40は表示部をそれぞれ示している。また、図1には不図示であるが、ビルディング入館者などが所持するアクティブ型などのRFIDタグを、タグリーダ20、20’、20’ ’が検知するものとする。タグリーダのそれぞれを区別できるようにそれぞれにリーダのIDを持たせるようにする。ここでは、タグリーダ20のリーダIDを「001」、タグリーダ20’ のリーダIDを「002」、タグリーダ20’ ’ のリーダIDを「003」として示すこととする。これらのタグリーダ20、20’、20’ ’は、所定エリア毎に間隔を置いて設置され、それぞれのエリアにおいて、ビルディング入館者などが所持するRFIDタグからの電波を受信するものである。図2は、リーダID「001」のタグリーダの検知エリア、リーダID「002」のタグリーダの検知エリア、リーダID「003」のタグリーダの検知エリアのイメージを示している。
【0014】
主演算部10は、CPUなどの中央演算装置やROMなどの書き換え不能な記憶素子、RAMなどの書き換え可能な記憶素子、HDDなどの大容量記憶装置、キーボードやポインティングデバイスなどの入力機器、モニタ、印刷装置などの外部出力機器、ネットワーク接続機器などの周辺装置などからなる汎用の情報処理機構であり、例えば一般的なパーソナルコンピュータなどのシステムを用いることができる。主演算部10は、それぞれの構成と協働することによって、本発明における位置情報取得システムのための処理・制御を行うものである。このような位置情報取得システムの制御・処理のためのプログラムはROMなどの書き換え不能な記憶素子やHDDなどの大容量記憶装置などに書き込んでおく。主演算部10において、このようなプログラムを実行することにより、本発明の位置情報取得システムの機能を実現することができる。主演算部10におけるモニタなどの表示部には、RFIDタグを保持するビルディング入館者が、どのエリアに存在するかなどを表示するようなインターフェイス画面が設けられる。
【0015】
位置情報取得システムが設置されるビルディングなどには、入館者や来訪者に対しては、固有の(唯一無二の)IDを有するRFIDタグが配布される。このRFIDタグには、固有の(唯一無二の)ID番号が付され、そのID番号を送信可能な送信機が内蔵されている。このRFIDタグは、例えば3秒に1回程度の頻度で、自らのID情報を発信するように構成されている。
【0016】
タグリーダ20、20’、20’ ’は、このようなRFIDタグの送信機から送信されるID番号を読み取るものであり、このタグリーダ20、20’、20’ ’における電波強度検知部25、25’、25’ ’は、RFIDタグの送信機からの信号電波の強度を検知する。本発明の位置情報取得システムでは、この電波強度検知部25、25’、25’ ’によって検知される電波の強度によって、RFIDタグを保持する入館者がどのエリア(図2におけるエリア001、エリア002、エリア003など)にいるかに係る位置情報を取得する構成となっている。
【0017】
タグリーダ20、20’、20’ ’は、RFIDタグからの「ID情報」、「検出強度」を主演算部10に送信する。主演算部10は、これら「ID情報」、「検出強度」のデータに、検出したタグリーダの「リーダID」に係る情報、不図示の計時手段による「検出時刻」に係る情報を加味して、「リーダID」、「タグID情報」、「検出強度」、「検出時刻」からなるひとまとまり情報を、取得してログとする。
【0018】
このようなログは「ログテーブル」として、記憶部30に暫定的に保持される。図3は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのログテーブルのデータ構成を示す図である。
【0019】
また、記憶部30は、タグリーダ20、20’、20’ ’のリーダIDとそれぞれの優先度のデータベースを保持する。図4は、記憶部30が保持するタグリーダのリーダIDとその優先度との関係のデータを示す図である。
【0020】
ここで本発明における「優先度」について説明する。タグリーダ20、20’、20’ ’は、RFIDタグからの同じ電波を複数のタグリーダで同時に取得するような場合がある。このような場合には、複数のタグリーダに同時に検知された場合、どちらのエリアにいることにするか、つまりどちらのタグリーダの近くにいるかを検知電波強度の比較で行うことができる。
【0021】
しかし、実際の検知強度は前述したように、タグリーダの設置条件、設置位置の周辺条件によって、必ずしもRFIDタグとタグリーダとの間の距離に依存するものではない。
【0022】
そこで本発明においては、タグリーダごとに「優先度」というパラメータを設定することで、検知強度に係る情報を補完する処理がなされる。例えば、どうしても位置情報を取得したい重要な会議室が、タグリーダの設置条件により、周囲のタグリーダより検知電波が小さくなってしまうという問題などがある場合、その会議室に設置したタグリーダの優先度を周辺のリーダより高く設定することで、位置情報の取りそびれを防ぐことができる。
【0023】
図4の例では、リーダIDが002のタグリーダの優先度は「10」というように、リーダIDが001、003のものより高く設定されている。本発明においては、優先度の高いタグリーダは、検出電波強度が小さくとも、優先的に扱うようなアルゴリズムがとられる。
【0024】
本発明の位置情報取得システムのアルゴリズムにおいては、「優先度」という概念の他に、「カウント継続時刻」という概念が導入される。
【0025】
この「カウント継続時刻」とは、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなす時刻である。このようなカウント継続時間が経過するまではその場所にいるとみなすことで、タグリーダが受け取れない情報を補完している。カウント継続時間の概念を導入することで、例えば3秒間隔の発信を行うRFIDタグで、カウント継続時間が30秒の場合、少なくとも10回に1回検知できればその場所にいることを確認することができるのである。
【0026】
本発明の位置情報取得システムでは、以上のような「優先度」、「カウント継続時刻」という概念を導入して、これらに基づいたアルゴリズムが採用されているので、抜けているデータの補完、余分なデータの削除が行われ、実際の移動による位置情報に近い位置情報を取得することが可能となる。
【0027】
図5は、図3のログテーブルのデータをタグリーダ毎に整理して、カウント継続時刻を加味したログテーブルである。
【0028】
次に、本発明の位置情報取得システムにおいて、複数のタグリーダからログデータが取得された場合などの位置情報を確定するアルゴリズムについて説明する。図6は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。この位置情報取得処理のフローは、RFIDタグ所持者の動きの変化に比べて、十分に短い時間間隔で実行されるものとする。なお、フローチャートにおいて、「データ」などとして示しているものは、図5におけるデータA乃至Iに相当するものである。
【0029】
図6のフローチャートにおいて、ステップS100で位置情報取得処理が開始されると、次に、ステップS101に進み、所定時間経過が経過したかどうかが判定される。
【0030】
ステップS101の判定の結果がNOであるときには所定時間が経過するまでステップS101をループする。ステップS101の判定の結果がYESであるときにはステップS102に進む。
【0031】
ステップS102では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いているデータがあるかが判定される。
【0032】
ステップS102における結果がYESであるときにはステップS103に進む。ステップS102における結果がNOであるときには、位置情報として取得すべきデータが存在しないこととなるので、ステップS111に進み、位置情報取得処理を終了する。
【0033】
ステップS103では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いている全てのデータを抽出する。次のステップS104では、ステップS103で抽出されたデータが複数あるかが判定される。
【0034】
ステップS104の判定の結果がYESであるときにはステップS106に進み、ステップS104の判定の結果がNOであるときにはステップS105に進む。
【0035】
ステップS104の判定の結果がNOであるときは、対象とするデータが一つのみであるので、ステップS105において、当該データを生成したタグリーダを位置情報として取得し、次のステップS111で位置情報取得処理を終了する。
【0036】
ステップS106では、複数のデータに対して、それぞれが取得されたタグリーダの優先度を、図4の優先度テーブルによって参照する。
【0037】
ステップS107では、複数のデータの中で最も高い優先度のタグリーダで生成されたものがあるか否かを判定する。ステップS107の判定の結果がYESであるときにはステップS108に進み、ステップS107の判定の結果がNOであるときにはステップS109に進む。
【0038】
ステップS108では、当該データを生成した(最も高い優先度の高い)タグリーダを位置情報として取得する。次のステップS111では、位置情報取得処理を終了する。
【0039】
ステップS109では、複数のデータに対して、それぞれが取得されたタグリーダの検出強度を比較する。ステップS110では、検出強度最大のデータを生成したタグリーダを位置情報として取得する。次のステップS111では、位置情報取得処理を終了する。
【0040】
次に、以上のような本発明の位置情報取得処理による位置情報の取得例について説明する。図7は、図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。また、図8は本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【0041】
図7の上半分のグラフは図3のログデータをそのまま、時刻対検出強度でプロットしたものである。これに対して、図7の下半分のグラフは、本発明の位置情報取得処理によって位置情報を求めたものである。図7の下半分のグラフは、横軸は上半分のグラフ同様、時刻を示しており、縦軸は位置情報として取得されたリーダID(或いは、リーダIDに対応するエリア)を示している。図7の下半分のグラフでは、カウント継続時間は15秒に設定されている。
【0042】
図7の下半分のグラフをテーブルにしたものが図8である。このように図3に示すログデータは、本発明の位置情報取得システムのアルゴリズムによって図8に示すようなコンパクトなデータとなる。本発明では、この図8に示すデータを記憶部30に保存するように構成されるので、膨大なログデータ(読み取り生データ)による、システムの処理速度の低下などの問題を回避することが可能となる。すなわち、本発明の位置情報取得システムは、「優先度」、「カウント継続時刻」という概念に基づいて計算された冗長度の低い位置情報を最終的に確定し、取得するものであるので、上記のような問題を回避することが可能となる。
【0043】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。先の実施形態においてはタグリーダごとの「優先度」という概念を導入することによって、タグリーダごとの設置条件、RFIDタグからの電波受信環境などを勘案するようなアルゴリズムの構成としたが、本実施形態では、「設置条件係数」という概念を導入し、位置情報取得アルゴリズムに反映するものである。
【0044】
本実施形態においては、RFIDタグからの電波受信が良好なタグリーダには低い「設置条件係数」を割り当て、RFIDタグからの電波受信が良くないタグリーダには高い「設置条件係数」を割り当てる。そして、電波強度検知部25、25’、25’ ’で検出される検出強度と、この設置条件係数との積をそれぞれ比較することによって位置情報取得を取得するものである。図9はタグリーダのリーダIDとその設置条件係数との関係のデータを示す図である。
【0045】
本実施形態においても、タグリーダによって図3のログデータが取得された場合を例に挙げて説明する。図10は、図3のログテーブルのデータをタグリーダ毎に整理して、(検出強度)×(設置条件係数)及びカウント継続時刻を加味したログテーブルである。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態に係る位置情報取得システムにおいて、複数のタグリーダからログデータが取得された場合などの位置情報を確定するアルゴリズムについて説明する。図11は本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。この位置情報取得処理のフローは、RFIDタグ所持者の動きの変化に比べて、十分に短い時間間隔で実行されるものとする。なお、フローチャートにおいて、「データ」などとして示しているものは、図5におけるデータA乃至Iに相当するものである。
【0047】
図6のフローチャートにおいて、ステップS200で位置情報取得処理が開始されると、次に、ステップS201に進み、所定時間経過が経過したかどうかが判定される。
【0048】
ステップS201の判定の結果がNOであるときには所定時間が経過するまでステップS201をループする。ステップS201の判定の結果がYESであるときにはステップS202に進む。
【0049】
ステップS202では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いているデータがあるかが判定される。
【0050】
ステップS202における結果がYESであるときにはステップS203に進む。ステップS202における結果がNOであるときには、位置情報として取得すべきデータが存在しないこととなるので、ステップS208に進み、位置情報取得処理を終了する。
【0051】
ステップS203では、ログテーブルの中で、カウント継続時間が続いている全てのデータを抽出する。次のステップS204では、ステップS203で抽出されたデータが複数あるかが判定される。
【0052】
ステップS204の判定の結果がYESであるときにはステップS206に進み、ステップS204の判定の結果がNOであるときにはステップS205に進む。
【0053】
ステップS204の判定の結果がNOであるときは、対象とするデータが一つのみであるので、ステップS205において、当該データを生成したタグリーダを位置情報として取得し、次のステップS208で位置情報取得処理を終了する。
【0054】
ステップS206では、複数のデータに対して、それぞれが取得されたタグリーダの(検出強度)×(設置条件係数)を、図10のテーブルによって参照する。
【0055】
ステップS207では、複数のデータを生成したタグリーダの中で最も高い(検出強度)×(設置条件係数)の値のタグリーダを位置情報として取得する。次のステップS208では、位置情報取得処理を終了する。
【0056】
次に、以上のような本発明の位置情報取得処理による位置情報の取得例について説明する。図12は、図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。また、図13は本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【0057】
図12の上半分のグラフは図3のログデータに設置条件係数を加味し、(時刻)対(検出強度)×(設置条件係数)でプロットしたものである。これに対して、図12の下半分のグラフは、本実施形態の位置情報取得処理によって位置情報を求めたものである。図12の下半分のグラフは、横軸は上半分のグラフ同様、時刻を示しており、縦軸は位置情報として取得されたリーダID(或いは、リーダIDに対応するエリア)を示している。図12の下半分のグラフでは、カウント継続時間は15秒に設定されている。
【0058】
図12の下半分のグラフをテーブルにしたものが図13である。このように図3に示すログデータは、本発明の位置情報取得システムのアルゴリズムによって図13に示すようなコンパクトなデータとなる。本実施形態では、この図13に示すデータを記憶部30に保存するように構成されるので、膨大なログデータ(読み取り生データ)による、システムの処理速度の低下などの問題を回避することが可能となる。すなわち、本発明の他の実施形態に係る位置情報取得システムは、「設置条件係数」、「カウント継続時刻」という概念に基づいて計算された冗長度の低い位置情報を最終的に確定し、取得するものであるので、上記のような問題を回避することが可能となる。
【0059】
なお、以上、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのブロック構成の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのタグリーダの設置概念図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのログテーブルのデータ構成を示す図である。
【図4】タグリーダのリーダIDとその優先度との関係のデータを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムのカウント継続時刻入りログテーブルを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図7】図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【図9】タグリーダのリーダIDとその設置条件係数との関係のデータを示す図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムのカウント継続時刻入りログテーブルを示す図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの位置情報取得処理のフローチャートを示す図である。
【図12】図3のログテーブルのデータによって取得される位置情報などを示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る位置情報取得システムの記憶部に最終的に保存されるデータ構成を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
10・・・主演算部、20、20’、20’ ’・・・タグリーダ、25、25’、25’ ’・・・電波強度検知部、30・・・記憶部、40・・・表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、
ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、
ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、
RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、
タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、
タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される優先度が記憶される優先度テーブルと、を具備し、
前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、
前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記優先度テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項2】
ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、
ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、
ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、
RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、
タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、
タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される設置条件係数が記憶される設置条件係数テーブルと、を具備し、
前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、
前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記設置条件係数テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項1】
ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、
ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、
ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、
RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、
タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、
タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される優先度が記憶される優先度テーブルと、を具備し、
前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、
前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記優先度テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする位置情報取得システム。
【請求項2】
ビルディングなどの空間への入館者が所持するRFIDタグによって入館者の位置情報を取得する位置情報取得システムにおいて、
ビルディングなどの空間への入館者に配布され、唯一無二のタグID情報に係る信号電波を無線で送信するRFIDタグと、
ビルディングなどの空間における複数のエリア毎に設置され、それぞれに固有のリーダIDが付されるとともに、RFIDタグからの信号電波を検知するタグリーダと、
RFIDタグからの信号電波の検出強度を検知する電波強度検知部と、
タグリーダが検出したRFIDタグに係る情報等を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される情報に基づいて、RFIDタグが存在するエリアに係る位置情報を演算する主演算部と、
タグリーダごとに、タグリーダの設置位置の周辺条件によって設定される設置条件係数が記憶される設置条件係数テーブルと、を具備し、
前記記憶部は、タグリーダによってRFIDタグからの信号電波を検出するたびに、検出したタグリーダのリーダIDと、RFIDタグのタグID情報、RFIDタグからの信号電波の検出強度と、信号電波の検出時刻とを関連づけたログテーブルを一時的に記憶し、
前記主演算部は、いったんRFIDタグがタグリーダによって検知されると、その時刻が経過するまでは、当該タグリーダに対応するエリア内にRFIDタグが存在している、とみなすカウント継続時刻に係る情報を、前記ログテーブルに加入したカウント継続時刻入りログテーブルを生成し、該カウント継続時刻入りログテーブルと前記設置条件係数テーブルに基づいて、RFIDタグが存在するエリアを確定することを特徴とする位置情報取得システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−309607(P2008−309607A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157156(P2007−157156)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
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