説明

位置探索装置

【課題】 移動可能な動物や人または物体等に発信機を装着して、受信機で受信した発信機からの信号強度を表示することにより、その位置を探索可能にする装置において、利便性を損なうことなく発信機の電池寿命を長くすることを課題とする。
【解決手段】 低い周波数の電波を送信する送信機を設けて、その電波を発信機が受信できる場所では発信機が送信を休止するか、長い休止期間の間歇送信周期にして電池消耗を低減し、送信機から一定の距離以上離れて発信機で送信機からの電波を受信できない時には短い周期で送信する。
前記の発信機が送信する電波は高い周波数で、送信機が送信する電波は低い周波数とする。
送信機は、3次元に配置した3個のループアンテナまたはバーアンテナを切り替えながら電波を空間に輻射して、その送信電波の何れも発信機で受信できなくなると、発信機から高い周波数の電波を送信し、受信機で信号強度を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な動物や人または物体等に発信機を装着して、受信機で受信した発信機からの信号強度を表示することにより、その位置を探索可能にした装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超短波または極超短波の比較的高い周波数の電波を送信する発信機と、その電波を受信する受信機で構成し、受信機は信号強度を表示する機能を有する装置に関する。
【0003】
この装置は、受信機で表示される発信機からの信号強度が強い方向へ進んでいけば、発信機の位置に辿り着けるようにした装置で、発信機は一定周期で間歇送信して、発信機に内蔵した電池を消耗し尽くすまで使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発信機の送信休止時間を小さくして間歇送信周期を長くすると電池消耗が少なくなり、軽量で小型な装着し易い形状にできるが、探索する時に送信電波を受信する迄の待ち時間が長くて迅速な位置探索ができなくなる。
【0005】
逆に、送信休止時間を短くして間歇送信周期を速くすると、迅速な捜索が容易になるが電池消耗が大きいので、使用可能な時間が短かかったり、電池が大きく重い形状になる不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するため、請求項1の発明は、低い周波数の電波を送信する送信機を設置し、その電波を受信する機能を発信機に設けて、発信機が送信機の電波を受信できる間は発信機が送信を休止するか、長い周期の間歇送信にして電池消耗を低減し、送信機から一定以上の距離に離れた時は、短い周期で送信することにより、長期間使用可能で迅速な探索を行える発信機を構成できるようにする。
【0007】
請求項2の発明は、前記の発信機が送信する電波が超短波または極超短波の高い周波数で、送信機が送信する電波は超長波または長波の低い周波数とし、送信機は、3次元に配置した3個のループアンテナまたはバーアンテナを切り替えながら電波を周囲に輻射して、その送信電波の何れも発信機で受信できなくなると、発信機から高い周波数の電波を短い周期で送信し、受信装置でその電波を受信した信号強度を表示する。
【発明の効果】
【0008】
発信機が送信機の近くにある時は、送信しないか休止時間が長い周期で送信して、送信機から一定の距離以上に離れた時に短い周期で送信すると、常に短い周期で送信するより電池消耗は著しく低減可能で、捜索が必要な時には迅速な探索ができるようになる。
また、送信機から送信する電波の周波数を、波長が長く低い周波数にすることで、送信する電波による周囲の電界強度は安定し、発信機が送信機からの電波を受信して一定の範囲内の距離であることを判定する精度が向上する。
【0009】
その他の効果としては、発信機が送信機から一定の距離以上に離れたことを受信機でリアルタイムに検知できるので、使用上の利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0010】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1は、本発明による位置探索装置の構成を示す。
【0011】
送信機1は、周囲へ低い周波数の電波を送信する。
【0012】
発信機2aは、その送信機から送信される電波を受信できる間は、休止モードにして送信しないか、休止期間が長い間歇送信を行って、短い周期での送信は行わない。
【0013】
送信機1から送信する時のアンテナは1つのループアンテナまたはバーアンテナでも構成可能であるが、発信機との相対角度が変わると、距離と電界強度の関係も変わるので、X軸Y軸Z軸の各方向へ3個のアンテナを装着して切り替えながら送信すると、発信機の角度が変わっても受信される電界強度の変動が少なくなり、発信機との距離と相関関係が保ちやすい。
ループアンテナとバーアンテナは混在してもよく、合計3個で構成する
【0014】
図1の2bのように発信機が送信機から離れて送信機の電波を受信できない場所へ移動すると、短い周期で高い周波数の電波を送信する。
発信機から送信する電波は、小さくても能率良く輻射できる波長が短く高い周波数が適する。
【0015】
発信機から送信される短い周期の電波を、受信機で受信すると、受信機では電波の強さを表示されて、発信機とのおよその距離が分かり、発信機からの電波が強くなる方向に進めば発信機の位置を探索できる。
【0016】
この装置で使用する送信機1が送信する電波は0.003MHz〜3MHz程度の範囲で、発信機が送信する高い周波数は、30MHz〜3000MHz程度の範囲が適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置探索装置の実施例を示す。
【符号の説明】
1 送信機
2a 発信機2a・・・送信機の近くにある発信機
2b 発信機2b・・・送信機から遠くにある発信機
3 受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な動物や人または物体等に装着する、高い周波数の電波を送信する機能および低い周波数の電波を受信する機能を有する発信機と、その発信機から送信される電波を受信する受信機と、低い周波数の電波を送信する送信機で構成し、送信機の送信電波を受信できる範囲の場所では、発信機が高い周波数の電波を送信しないか、休止時間が長い間歇送信を行い、発信機が送信機の送信電波を受信できない場所では、発信機から高い周波数の電波を短い周期で送信して、その発信機からの電波を受信機で受信すると、発信機からの信号受信強度を表示することを特徴とする位置探索装置。
【請求項2】
前記の発信機から送信する電波が、超短波または極超短波の高い周波数で、送信機が送信する電波は超長波から中波の低い周波数範囲内とし、送信機は、3次元に配置した3個のループアンテナまたはバーアンテナを切り替えながら電波を空間に輻射して、その送信電波の何れも発信機で受信できなくなると、発信機から高い周波数の電波を短い周期で送信することを特徴とする請求項1記載の位置探索装置。

【図1】
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