説明

位置検出システム及び位置検出方法

【課題】検出対象の存在位置の推定精度が高い位置検出システムを提供する。
【解決手段】電波を放射する送信アンテナ15、複数の受信位置に配置され、電波を受信する複数の受信モジュール200A, 200B, 200C、複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cが受信した電波の強度の複数の測定値から、電波の仮送信位置を算出する仮位置算出部301、送信アンテナ15の正面方向を検出するためのセンサ11、水平面における、仮送信位置から複数の受信位置への方位と正面方向との水平面偏差を算出する水平面偏差算出部303、重力方向を含む垂直面における、仮送信位置から複数の受信位置への方向と正面方向との垂直面偏差を算出する垂直面偏差算出部304、水平面偏差及び垂直面偏差による複数の測定値の誤差を補正する測定値補正部305、及び補正された複数の測定値から、電波の補正送信位置を算出する補正位置算出部306を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信技術に関し、特に位置検出システム及び位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波を用いて人や物体等の検出対象の存在位置を検出するシステムの開発が盛んになっている(例えば、特許文献1参照。)。例えばRSSI(Received Signal Strength Indication)方式では、検出対象に付けられたバッジ状の無線機から送信された電波の受信強度に基づいて、検出対象の存在位置を算出している。しかしRSSI方式による位置検出システムは、機器の構成が簡単であるものの、検出対象の存在位置の推定精度はあまり高くないという問題がある。
【特許文献1】特開2006-94368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、検出対象の存在位置の推定精度が高い位置検出システム及び位置検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特徴は、(イ)電波を放射する送信アンテナと、(ロ)それぞれ複数の受信位置に配置され、電波を受信する複数の受信モジュールと、(ハ)複数の受信モジュールが受信した電波の強度の複数の測定値から、電波の仮送信位置を算出する仮位置算出部と、(ニ)送信アンテナの正面方向を検出するためのセンサと、(ホ)水平面における、仮送信位置から複数の受信位置への方位と正面方向との水平面偏差を算出する水平面偏差算出部と、(へ)重力方向を含む垂直面における、仮送信位置から複数の受信位置への方向と正面方向との垂直面偏差を算出する垂直面偏差算出部と、(ト)送信アンテナの放射指向性に基づいて、水平面偏差及び垂直面偏差による複数の測定値の誤差を補正する測定値補正部と、(チ)補正された複数の測定値から、電波の補正送信位置を算出する補正位置算出部と、を備える位置検出システムであることを要旨とする。本発明の位置検出システムによれば、送信アンテナの正面方向が電波の受信モジュールに向いていない場合に生じうる電波の受信強度の変動を補正可能である。
【0005】
本発明の他の特徴は、(イ)送信アンテナから電波を放射するステップと、(ロ)複数の受信位置で電波を受信するステップと、(ハ)複数の受信位置で受信した電波の強度の複数の測定値から、電波の仮送信位置を算出するステップと、(ニ)送信アンテナの正面方向を検出するステップと、(ホ)水平面における、仮送信位置から複数の受信位置への方位と正面方向との水平面偏差を算出するステップと、(へ)重力方向を含む垂直面における、仮送信位置から複数の受信位置への方向と正面方向との垂直面偏差を算出するステップと、(ト)送信アンテナの放射指向性に基づいて、水平面偏差及び垂直面偏差による複数の測定値の誤差を補正するステップと、(チ)補正された複数の測定値から、電波の補正送信位置を算出するステップと、を含む位置検出方法であることを要旨とする。本発明の位置検出方法によれば、送信アンテナの正面方向が電波の受信モジュールに向いていない場合に生じうる電波の受信強度の変動を補正可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、送信アンテナの正面方向が電波の受信モジュールに向いていない場合に生じうる電波の受信強度の変動を補正することにより、検出対象の存在位置の推定精度が高い位置検出システム及び位置検出方法を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、以下、受信モジュールの数を3として説明するが、3に限らず2以上の複数であれば、本発明は適用可能である。
【0008】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る位置検出システムは、上面図である図1及び側面図である図2に示すように、電波を放射する送信アンテナ15、送信アンテナ15の正面方向を検出するための重力センサ10、及びそれぞれ複数の受信位置に配置され、電波を受信する複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cを備える。また第1の実施の形態においては、複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cは室内の天井30に配置されている。複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cには、図1に示す中央演算処理装置(CPU)300が接続されている。
【0009】
CPU300は、複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cが受信した電波の強度の複数の測定値から、電波の仮送信位置を算出する仮位置算出部301、水平面における、仮送信位置から複数の受信位置への方位と正面方向との水平面偏差を算出する水平面偏差算出部303、及び重力方向を含む垂直面における、仮送信位置から複数の受信位置への方向と正面方向との垂直面偏差を算出する垂直面偏差算出部304を備える。さらにCPU300は、水平面及び垂直面における送信アンテナ15の放射指向性に基づいて、水平面偏差及び垂直面偏差による複数の測定値の誤差を補正する測定値補正部305、及び補正された複数の測定値から、電波の補正送信位置を算出する補正位置算出部306を備える。
【0010】
図3に示すように、送信モジュール100は、検出対象60に固定されている。検出対象60は、例えば水平面上を移動可能な人間、動物、あるいは物体である。図4に示すように、送信アンテナ15及び重力センサ10は、送信モジュール100に含まれている。重力センサ10は、送信アンテナ15に働く重力加速度に反応し、図2に示す重力方向に対する送信アンテナ15の正面方向の傾きθGに応じて変動するアナログ信号を生成する。重力センサ10には、例えば3軸加速度センサが使用可能である。また図4に示すように、送信モジュール100は地磁気に反応する水平方位センサ11をさらに備える。水平方位センサ11は、例えば図5に示す北方向を基準とする、重力方向に対して垂直な水平面内における送信アンテナ15の正面方向の方位θHに応じて変動するアナログ信号を生成する。水平方位センサ11には、例えば2軸磁気センサあるいは3軸磁気センサが使用可能である。
【0011】
図4に示すように、水平方位センサ11及び重力センサ10にはコンバータ12が接続されている。コンバータ12は重力センサ10及び水平方位センサ11が生成したアナログ信号をディジタル信号に変換する。また送信モジュール100は、他の送信モジュールから送信モジュール100を識別するための識別子を保存する識別子記憶部14を備える。さらに送信モジュール100は、コンバータ12及び識別子記憶部14に接続された送信機13を備える。送信機13は、重力方向に対する正面方向の傾きθGに応じて変動する信号、北方向を基準とする水平面における正面方向の方位θHに応じて変動する信号、及び識別子の信号を含む高周波信号を変調し、送信アンテナ15を介して空間に電波を放射する。
【0012】
図1及び図2に示す受信モジュール200Aは建物の天井30等における座標(XR1, YR1, ZR)の受信位置に、受信モジュール200Bは座標(XR2, YR2, ZR)の受信位置に、受信モジュール200Cは座標(XR3, YR3, ZR)の受信位置に固定して配置されている。ここで、受信モジュール200A, 200B, 200Cのそれぞれは、送信モジュール100に対して、垂直方向に高さZDの位置に配置されているものとする。
【0013】
図6に示すように、受信モジュール200Aは、送信モジュール100が送信した電波を受信アンテナ21を介して受信し、重力方向に対する正面方向の傾きθGに応じて変動する信号、北方向を基準とする水平面における正面方向の方位θHに応じて変動する信号、及び識別子の信号を含む高周波電流を復調する受信機22を備える。また受信モジュール200Aは、受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1, ZR)を保存する受信座標記憶部24を備える。さらに受信モジュール200Aは、受信機22及び受信座標記憶部24に接続されたインターフェース23を備える。インターフェース23は、受信位置(XR1, YR1, ZR)の信号、受信モジュール200Aが受信した電波の強度の測定値P01の信号、重力方向に対する正面方向の傾きθGに応じて変動する信号、北方向を基準とする水平面における正面方向の方位θHに応じて変動する信号、及び識別子の信号をLAN(Local Area Network)等のケーブル網250に送信する。
【0014】
図1及び図2に示す受信モジュール200B, 200Cも、図6と同様の構成を備える。受信モジュール200Bは、受信モジュール200Bの受信位置(XR2, YR2, ZR) の信号、受信モジュール200Bが受信した電波の強度の測定値P02の信号、重力方向に対する正面方向の傾きθGに応じて変動する信号、北方向を基準とする水平面における正面方向の方位θHに応じて変動する信号、及び識別子の信号を図1に示すケーブル網250に送信する。受信モジュール200Cは受信モジュール200Cの受信位置(XR3, YR3, ZR) の信号、受信モジュール200Cが受信した電波の強度の測定値P03の信号、重力方向に対する正面方向の傾きθGに応じて変動する信号、北方向を基準とする水平面における正面方向の方位θHに応じて変動する信号、及び識別子の信号をケーブル網250に送信する。
【0015】
ケーブル網250は、CPU300に接続されている。仮位置算出部301は、受信モジュール200Aが受信した電波の強度の測定値P01、受信モジュール200Bが受信した電波の強度の測定値P02及び受信モジュール200Cが受信した電波の強度の測定値P03の総和SPAを算出する。さらに仮位置算出部301は、電波の強度の複数の測定値P01, P02, P03のそれぞれを総和SPAで割った重みW01, W02, W03を算出する。下記(1)式に示すように、W01, W02, W03の総和は1である。
【0016】
W01 + W02 + W03 = 1 ・・・(1)
また仮位置算出部301は、下記(2)式に示すように、受信モジュール200A, 200B, 200Cの受信位置のそれぞれのX座標XRnと重みW0nの積の総和XT0を、送信アンテナ15の放射指向性を考慮しない場合の電波の仮送信位置のX座標として算出する。なおnは自然数である。
【0017】
XT0 = W01×XR1 + W02×XR2 + W03×XR3 ・・・(2)
また仮位置算出部301は、下記(3)式に示すように、受信モジュール200A, 200B, 200CのそれぞれのY座標YRnと重みW0nの積の総和YT0を、送信アンテナ15の放射指向性を考慮しない場合の電波の仮送信位置のY座標として算出する。
【0018】
YT0 = W01×YR1 + W02×YR2 + W03×YR3 ・・・(3)
なお、電波の仮送信位置のZ座標は、ZTで一定であるとする。
【0019】
CPU300は受信方位算出部302をさらに備える。受信方位算出部302は、図7に示す北方向を基準として、仮送信位置(XT0, YT0)に対する受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1)の水平面における方位φ11を、下記(4)式に従って算出する。なお方位φ11は、0°から360°の範囲で算出される。
【0020】
φ11 = tan-1 [(YR1 - YT0) / (XR1 - XT0)] ・・・(4)
また受信方位算出部302は、仮送信位置(XT0, YT0)に対する受信モジュール200Bの受信位置(XR2, YR2)の水平面における方位φ12、及び仮送信位置(XT0, YT0)に対する受信モジュール200Cの受信位置(XR3, YR3)の水平面における方位φ13も算出する。
【0021】
図1に示す水平面偏差算出部303は、下記(5)式に示すように、図5に示す正面方向の水平面における方位θHと、図7に示す仮送信位置(XT0, YT0)に対する受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1)の水平面における方位φ11との間の角度を、図8に示す水平面偏差α11として算出する。
【0022】
α11 = θH - φ11 ・・・(5)
また水平面偏差算出部303は、下記(6)式に示すように、図5に示す正面方向の水平面における方位θHと、図7に示す仮送信位置(XT0, YT0)に対する受信モジュール200Bの受信位置(XR2, YR2)の水平面における方位φ12との間の角度を、水平面偏差α12として算出する。
【0023】
α12 = θH - φ12 ・・・(6)
また水平面偏差算出部303は、下記(7)式に示すように、図5に示す正面方向の水平面における方位θHと、図7に示す仮送信位置(XT0, YT0)に対する受信モジュール200Cの受信位置(XR3, YR3)の水平面における方位φ13との間の角度を、水平面偏差α13として算出する。
【0024】
α13 = θH - φ13 ・・・(7)
図1に示す垂直面偏差算出部304は、下記(8)式に示すように、水平面に射影された仮送信位置(XT0, YT0)と受信モジュール200Aの水平面に射影された受信位置(XR1, YR1)との間の図9に示す距離L1を算出する。
【0025】
L1 = ((XR1 - XT0)2 + (YR1 - YT0)2)1/2 ・・・(8)
また垂直面偏差算出部304は、下記(9)式に示すように、水平面に射影された仮送信位置(XT0, YT0)と受信モジュール200Bの水平面に射影された受信位置(XR2, YR2)との間の距離L2を算出する。
【0026】
L2 = ((XR2 - XT0)2 + (YR2 - YT0)2)1/2 ・・・(9)
また垂直面偏差算出部304は、下記(10)式に示すように、水平面に射影された仮送信位置(XT0, YT0)と受信モジュール200Cの水平面に射影された受信位置(XR3, YR3)との間の距離L3を算出する。
【0027】
L3 = ((XR3 - XT0)2 + (YR3 - YT0)2)1/2 ・・・(10)
さらに垂直面偏差算出部304は、仮送信位置(XT0, YT0, ZT)から受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1, ZR)への方向ベクトルを、図10に示す重力方向及び正面方向を含む面に射影した第1の射影ベクトルを算出する。また垂直面偏差算出部304は、仮送信位置と、重力方向及び正面方向を含む面に射影された受信モジュール200Aの受信位置との間の水平方向距離が、L1に近似すると仮定する。さらに垂直面偏差算出部304は、下記(11)式に従って、第1の射影ベクトルの方向と正面方向との間の角度を、垂直面偏差β11として算出する。
【0028】
tan(β11G - 90°) ≒ ZD / L1
∴ β11 ≒ tan-1(ZD / L1) + 90°- θG ・・・(11)
また垂直面偏差算出部304は、仮送信位置(XT0, YT0, ZT)から受信モジュール200Bの受信位置(XR2, YR2, ZR)への方向ベクトルを、重力方向及び正面方向を含む面に射影した第2の射影ベクトルを算出する。また垂直面偏差算出部304は、仮送信位置と、重力方向及び正面方向を含む面に射影された受信モジュール200Bの受信位置との間の水平方向距離が、L2に近似すると仮定する。さらに垂直面偏差算出部304は、下記(12)式に従って、第2の射影ベクトルの方向と正面方向との間の角度を、垂直面偏差β12として算出する。
【0029】
tan(β12G - 90°) ≒ ZD / L2
β12 = tan-1(ZD / L2) + 90°- θG ・・・(12)
また垂直面偏差算出部304は、仮送信位置(XT0, YT0, ZT)から受信モジュール200Cの受信位置(XR3, YR3, ZR)への方向ベクトルを、重力方向及び正面方向を含む面に射影した第3の射影ベクトルを算出する。また垂直面偏差算出部304は、仮送信位置と、重力方向及び正面方向を含む面に射影された受信モジュール200Cの受信位置との間の水平方向距離が、L3に近似すると仮定する。さらに垂直面偏差算出部304は、下記(13)式に従って、第3の射影ベクトルの方向と正面方向との間の角度を、垂直面偏差β13として算出する。
【0030】
tan(β13G - 90°)≒ ZD / L3
β13 = tan-1(ZD / L3) + 90°- θG ・・・(13)
なお(11)乃至(13)式において、β1nは-90°乃至+90°である。
【0031】
ここで、図1に示す送信アンテナ15の利得は、図11及び図12に一例として示すように、正面方向において、最大となる。図13に示す表は、送信アンテナ15の利得の真値の例を示し、図14に示す表は、送信アンテナ15の利得の真値の逆数を示す。図1に示すCPU300に接続されたデータ記憶措置400の補正係数記憶部401は、図14に示す送信アンテナ15の利得の真値の逆数を、送信アンテナ15の補正係数として保存する。
【0032】
図1に示す測定値補正部305は、水平面偏差α11及び垂直面偏差β11に対応する補正係数C11を、補正係数記憶部401から読み出す。例えば水平面偏差α11が30°であり、垂直面偏差β11が60°である場合、図14より、補正係数C11は1.3である。さらに測定値補正部305は、受信モジュール200Aが受信した電波の強度の測定値P01に、補正係数C11を乗じ、下記(14)式に示すように、強度の補正された測定値P11を算出する。
【0033】
P11 = P01×C11 ・・・(14)
また測定値補正部305は、水平面偏差α12及び垂直面偏差β12に対応する補正係数C12を、補正係数記憶部401から読み出す。
【0034】
さらに測定値補正部305は、受信モジュール200Bが受信した電波の強度の測定値P02に補正係数C12を乗じ、下記(15)式に示すように、強度の補正された測定値P12を算出する。
【0035】
P12 = P02×C12 ・・・(15)
また測定値補正部305は、水平面偏差α13及び垂直面偏差β13に対応する補正係数C13を、補正係数記憶部401から読み出す。さらに測定値補正部305は、受信モジュール200Cが受信した電波の強度の測定値P03に補正係数C13を乗じ、下記(16)式に示すように、強度の補正された測定値P13を算出する。
【0036】
P13 = P03×C13 ・・・(16)
補正位置算出部306は、補正された測定値P11、補正された測定値P12及び補正された測定値P13の総和SPCを算出する。さらに補正位置算出部306は、補正された測定値P11, P12, P13のそれぞれを総和SPCで割った重みW11, W12, W13を算出する。下記(17)式に示すように、W11, W12, W13の総和は1である。
【0037】
W11 + W12 + W13 = 1 ・・・(17)
また補正位置算出部306は、下記(18)式に示すように、受信モジュール200A, 200B, 200Cの受信位置のそれぞれのX座標と重みW1nの積の総和XT1を、送信モジュール100の補正送信位置のX座標として算出する。
【0038】
XT1 = W11×XR1 + W12×XR2 + W13×XR3 ・・・(18)
また補正位置算出部306は、下記(19)式に示すように、受信モジュール200A, 200B, 200Cの受信位置のそれぞれのY座標と重みW1nの積の総和YT1を、送信モジュール100の補正送信位置のY座標として算出する。
【0039】
YT1 = W11×YR1 + W12×YR2 + W13×YR3 ・・・(19)
データ記憶装置400は、仮位置記憶部402、受信方位記憶部403、水平面偏差記憶部404、垂直面偏差記憶部405、補正測定値記憶部406、補正位置記憶部407をさらに備える。仮位置記憶部402は、仮位置算出部301が算出した送信モジュール100の電波の仮送信位置(XT0, YT0)を保存する。受信方位記憶部403は、受信方位算出部302が算出した方位φ11, φ12, φ13を保存する。水平面偏差記憶部404は、水平面偏差算出部303が算出した水平面偏差α11, α12, α13を保存する。垂直面偏差記憶部405は、垂直面偏差算出部304が算出した垂直面偏差β11, β1213を保存する。補正測定値記憶部406は、測定値補正部305が補正した電波の強度の測定値P11, P12, P13を保存する。補正位置記憶部407は、補正位置算出部306が算出した送信モジュール100の補正送信位置(XT1, YT1)を保存する。
【0040】
次に第1の実施の形態に係る位置検出方法を、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
(a) ステップS101で、図1に示す送信モジュール100は、重力方向に対する送信アンテナ15の正面方向の傾きθG、及び水平面における正面方向の方位θHを検出し、正面方向の傾きθG、方位θH及び識別子に関する信号を含む電波を放射する。ステップS102で、複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cのそれぞれが電波を受信する。複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cのそれぞれは、受信位置(XRn, YRn, ZR)、受信した電波の強度の測定値P0n、正面方向の傾きθG、方位θH、及び識別子に関する信号を、ケーブル網250を介してCPU300に送信する。
【0042】
(b) ステップS103で仮位置算出部301は、複数の受信モジュール200A, 200B, 200Cから送信されてきた識別子の信号が同じであることを確認する。次に仮位置算出部301は、電波の強度の複数の測定値P01, P02, P03から重みW01, W02, W03を算出し、さらに上記(2)式及び(3)式に従って、送信モジュール100の仮送信位置(XT0, YT0, ZT)を算出する。仮位置算出部301は、送信モジュール100の電波の仮送信位置(XT0, YT0, ZT)を仮位置記憶部402に保存する。
【0043】
(c) ステップS104で受信方位算出部302は、仮位置記憶部402から仮送信位置(XT0, YT0)を読み出す。次に受信方位算出部302は、仮送信位置(XT0, YT0)に対する受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1)の水平面における方位φ11、受信モジュール200Bの受信位置(XR2, YR2)の水平面における方位φ12、及び受信モジュール200Cの受信位置(XR3, YR3)の水平面における方位φ13を算出する。次に受信方位算出部302は、算出した水平面における方位φ11, φ12, φ13を受信方位記憶部403に保存する。
【0044】
(d) ステップS105で水平面偏差算出部303は、受信方位記憶部403から方位φ11, φ12, φ13を読み出す。次に水平面偏差算出部303は、図5に示す水平面における正面方向の方位θHと、図7に示す方位φ11, φ12, φ13のそれぞれとの間の角度である水平面偏差α11, α12, α13を算出する。その後、図1に示す水平面偏差算出部303は、算出した水平面偏差α11, α12, α13を水平面偏差記憶部404に保存する。ステップS106で垂直面偏差算出部304は、上記(8)式乃至(13)式に従って、図2に示す重力方向及び正面方向を含む面に射影された仮送信位置から受信モジュール200A, 200B, 200Cのそれぞれの受信位置へのベクトルの方向と、正面方向との間の角度である垂直面偏差β11, β1213を算出する。図1に示す垂直面偏差算出部304は、算出した垂直面偏差β11, β1213を垂直面偏差記憶部405に保存する。
【0045】
(e) ステップS107で測定値補正部305は、水平面偏差記憶部404から水平面偏差α11, α12, α13を読み出し、垂直面偏差記憶部405から垂直面偏差β11, β1213を読み出す。次に測定値補正部305は、水平面偏差α11及び垂直面偏差β11に対応する補正係数C11、水平面偏差α12及び垂直面偏差β12に対応する補正係数C12、水平面偏差α13及び垂直面偏差β13に対応する補正係数C13を補正係数記憶部401から読み出す。その後、測定値補正部305は、上記(14)乃至(16)式に従って、受信モジュール200A, 200B, 200Cがそれぞれ受信した電波の補正された測定値P11, P12, P13を算出する。次に測定値補正部305は、電波の強度の補正された測定値P11, P12, P13を補正測定値記憶部406に保存する。
【0046】
(f) ステップS108で補正位置算出部306は、補正測定値記憶部406から電波の強度の補正された測定値P11, P12, P13を読み出す。次に補正位置算出部306は、電波の強度の補正された測定値P11, P12, P13から重みW11, W12, W13を算出し、さらに上記(18)式及び(19)式に従って、送信モジュール100の補正送信位置(XT1, YT1)を算出する。補正位置算出部306は補正送信位置(XT1, YT1)を補正位置記憶部407に保存し、第1の実施の形態に係る位置検出方法を終了する。
【0047】
以上説明した第1の実施の形態に係る位置検出システム及び方法によれば、算出された補正送信位置(XT1, YT1)において、水平面偏差α及び垂直面偏差βにより生じうる誤差が低減されている。従来のRSSI方式による測定では、水平面偏差α及び垂直面偏差βにより生じうる送信位置の算出誤差を考慮していなかった。そのため、送信機が二つの受信機に対して等距離の場所に存在する場合であっても、水平面偏差α及び垂直面偏差βによって、一方の受信機が強い電波を受信し、他方の受信機が弱い電波を受信する場合があった。そのため、強い電波を受信した受信機に近いほうに、送信機が存在していると誤った判断がされていた。これに対し、第1の実施の形態に係る位置検出システム及び方法によれば、送信モジュール100が取り付けられた図3に示す検出対象60の正確な存在位置の特定が可能となり、例えば病院における患者の動態管理等に利用可能である。
【0048】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る位置検出システムのCPU300は、図16に示すように、判断部307及び再計算指令部308をさらに備える。判断部307は、例えば下記(20)式に従って、補正送信位置(XT1, YT1)と仮送信位置(XT0, YT0)の差ε1を算出する。さらに判断部307は、kを閾値として下記(21)式に従い、差ε1が予め定められた許容範囲内であるか否かを判断する。
【0049】
ε1 = |XT1 - XT0| + |YT1 - YT0| ・・・(20)
ε1 < k ・・・(21)
差ε1が予め定められた許容範囲外である場合、再計算指令部308は、計算1回目の補正送信位置(XT1, YT1)を仮送信位置と再定義する。さらに再計算指令部308は、受信方位算出部302に、再定義された仮送信位置(XT1, YT1)に対する受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1)の計算2回目の方位φ21を算出させる。また再計算指令部308は受信方位算出部302に、再定義された仮送信位置(XT1, YT1)に対する受信位置(XR2, YR2)の計算2回目の方位φ22、及び再定義された仮送信位置(XT1, YT1)に対する受信位置(XR3, YR3)の計算2回目の方位φ23を算出させる。
【0050】
さらに再計算指令部308は水平面偏差算出部303に、図5に示した送信方位θHと、再定義された仮送信位置(XT1, YT1)に対する受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1)の計算2回目の方位φ21との間の計算2回目の水平面偏差α21を算出させる。また再計算指令部308は水平面偏差算出部303に、送信方位θHと、計算2回目の方位φ22との間の計算2回目の水平面偏差α22を算出させる。また再計算指令部308は水平面偏差算出部303に、送信方位θHと、計算2回目の方位φ23との間の計算2回目の水平面偏差α23を算出させる。
【0051】
さらに再計算指令部308は垂直面偏差算出部304に、再定義された仮送信位置(XT1, YT1, ZT)及び受信モジュール200Aの受信位置(XR1, YR1, ZR)に基づいて、計算2回目の垂直面偏差β21を算出させる。また再計算指令部308は垂直面偏差算出部304に、再定義された仮送信位置(XT1, YT1, ZT)及び受信モジュール200Bの受信位置(XR2, YR2, ZR)に基づいて、計算2回目の垂直面偏差β22を算出させる。また再計算指令部308は垂直面偏差算出部304に、再定義された仮送信位置(XT1, YT1, ZT)及び受信モジュール200Cの受信位置(XR3, YR3, ZR)に基づいて、計算2回目の垂直面偏差β23を算出させる。
【0052】
さらに再計算指令部308は測定値補正部305に、計算2回目の水平面偏差α21及び垂直面偏差β21に対応する補正係数C21を補正係数記憶部401から読み出させ、計算2回目の補正された測定値P21を算出させる。また再計算指令部308は測定値補正部305に、計算2回目の水平面偏差α22及び垂直面偏差β22に対応する補正係数C22を補正係数記憶部401から読み出させ、計算2回目の補正された測定値P22を算出させる。また再計算指令部308は測定値補正部305に、計算2回目の水平面偏差α23及び垂直面偏差β23に対応する補正係数C23を補正係数記憶部401から読み出させ、計算2回目の補正された測定値P23を算出させる。
【0053】
さらに再計算指令部308は補正位置算出部306に、計算2回目の補正された測定値P21, P22, P23を用いて計算2回目の重みW21, W22, W23を算出させ、計算2回目の補正送信位置(XT2, YT2)を算出させる。
【0054】
判断部307は、計算2回目の補正送信位置(XT2, YT2)と計算1回目の補正送信位置(XT1, YT1)の差ε2が許容範囲内か判断する。許容範囲外である場合、再計算指令部308は、計算n+1回目の補正送信位置(XTn+1, YTn+1)と計算n回目の補正送信位置(XTn, YTn)の差εn+1が許容範囲内となるまで、受信方位算出部302、水平面偏差算出部303、垂直面偏差算出部304、測定値補正部305、及び補正位置算出部306に計算を続けさせる。図17に示すように、計算を繰り返すごとに差εn+1は小さくなるので、より精度の高い補正送信位置(XTn+1, YTn+1)が算出される。なお図16に示す位置検出システムのその他の構成要素は、図1と同様であるので、説明は省略する。
【0055】
次に第2の実施の形態に係る位置検出方法を、図18に示すフローチャートを用いて説明する。
【0056】
(a) まずステップS201乃至ステップS203を、図15のステップS101乃至ステップS103と同様に実施する。次に図18のステップS204乃至ステップS209のループの1回目では、図15のステップS104乃至ステップS108と同様に、図18のステップS204乃至ステップS208を実施する。次にステップS209で、図16に示す判断部307は、補正位置記憶部407から計算1回目の補正送信位置(XT1, YT1)を読み出す。その後、判断部307は計算1回目の補正送信位置(XT1, YT1)と仮送信位置(XT0, YT0)の差ε1が許容範囲内か判断する。許容範囲内である場合、第2の実施の形態に係る位置検出方法は終了する。許容範囲外である場合、ステップS204に戻る。
【0057】
(b) ステップS204で再計算指令部308は、計算1回目の補正送信位置(XT1, YT1)を仮送信位置と再定義する。次に再計算指令部308は、受信方位算出部302に、再定義された仮送信位置(XT1, YT1)に対する受信位置(XR1, YR1), (XR2, YR2), (XR3, YR3)のそれぞれの計算2回目の方位φ21, φ22, φ23を算出させる。ステップS205で再計算指令部308は、水平面偏差算出部303に、計算2回目の水平面偏差α21, α22, α23を算出させる。ステップS206で再計算指令部308は、垂直面偏差算出部304に、計算2回目の垂直面偏差β21, β22, β23を算出させる。
【0058】
(c) ステップS207で再計算指令部308は、測定値補正部305に、計算2回目の水平面偏差α21, α22, α23及び垂直面偏差β21, β22, β23に対応する補正係数C21, C22 , C23を補正係数記憶部401から読み出させ、計算2回目の補正された測定値P21, P22, P23を算出させる。次にステップS208で再計算指令部308は、補正位置算出部306に、計算2回目の補正された測定値P21, P22, P23から計算2回目の重みW21, W22, W23を算出させ、さらに送信モジュール100の計算2回目の補正送信位置(XT2, YT2)を算出させる。
【0059】
(d) ステップS209で判断部307は、計算2回目の補正送信位置(XT2, YT2)と計算1回目の補正送信位置(XT1, YT1)の差ε2が許容範囲内か判断する。許容範囲内である場合、第2の実施の形態に係る位置検出方法は終了する。許容範囲外である場合、ステップS204に戻る。以降、計算n+1回目の補正送信位置(XTn+1, YTn+1)と、計算n回目の補正送信位置(XTn, YTn)の差εn+1が許容範囲内になるまで、ステップS204乃至ステップS209のループが繰り返される。
【0060】
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【0061】
例えば、3軸磁気センサの情報を用いて、検出対象60の傾き等を推定してもよい。 また、電波強度から座標を計算する方法は、実施の形態に示した式(1)乃至(3)を用いた平均的方式が唯一でなく、3辺測量方式その他の測量方式が適用可能である。さらに、本発明のシステムがRFID(Radio Frequency Identification)システムで構成される場合には、送信モジュールがRFIDタグ(応答器)であり、一方、受信モジュールが質問器に相当することは言うまでもない。また、質問器の一つがCPU300の機能を包含するようなケースも考えられる。
【0062】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る位置検出システムの模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る位置検出システムの側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る送信モジュール及び検出対象を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る送信モジュールのブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る送信モジュールの水平面における正面方向を示す模式図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る受信モジュールのブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る仮送信位置に対する複数の受信モジュールのそれぞれの水平面における方位を示す模式図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る水平面偏差を示す模式図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る仮送信位置から複数の受信モジュールのそれぞれまでの距離を示す模式図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る垂直面偏差を示す模式図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナの利得の例を示す第1の表である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナの利得の例を示すグラフである。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナの利得の例を示す第2の表である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナの補正係数の例を示す表である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る位置検出方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る位置検出システムの模式図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る送信位置の計算回数と誤差の関係を示すグラフである。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る位置検出方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
10・・・重力センサ
11・・・水平方位センサ
12・・・コンバータ
13・・・送信機
14・・・識別子記憶部
15・・・送信アンテナ
21・・・受信アンテナ
22・・・受信機
23・・・インターフェース
24・・・受信座標記憶部
100・・・送信モジュール
200A, 200B, 200C・・・受信モジュール
250・・・ケーブル網
300・・・CPU
301・・・仮位置算出部
302・・・受信方位算出部
303・・・水平面偏差算出部
304・・・垂直面偏差算出部
305・・・測定値補正部
306・・・補正位置算出部
307・・・判断部
308・・・再計算指令部
400・・・データ記憶装置
401・・・補正係数記憶部
402・・・仮位置記憶部
403・・・受信方位記憶部
404・・・水平面偏差記憶部
405・・・垂直面偏差記憶部
406・・・補正測定値記憶部
407・・・補正位置記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を放射する送信アンテナと、
それぞれ複数の受信位置に配置され、前記電波を受信する複数の受信モジュールと、
前記複数の受信モジュールが受信した前記電波の強度の複数の測定値から、前記電波の仮送信位置を算出する仮位置算出部と、
前記送信アンテナの正面方向を検出するためのセンサと、
水平面における、前記仮送信位置から前記複数の受信位置への方位と前記正面方向との水平面偏差を算出する水平面偏差算出部と、
前記重力方向を含む垂直面における、前記仮送信位置から前記複数の受信位置への方向と前記正面方向との垂直面偏差を算出する垂直面偏差算出部と、
前記送信アンテナの放射指向性に基づいて、前記水平面偏差及び前記垂直面偏差による前記複数の測定値の誤差を補正する測定値補正部と、
前記補正された複数の測定値から、前記電波の補正送信位置を算出する補正位置算出部と、
を備えることを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
前記センサが、前記送信アンテナに働く加速度を検出する加速度センサであることを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記水平面偏差及び前記垂直面偏差に対応する補正係数を保存する補正係数記憶部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記補正係数が、前記水平面及び前記垂直面における前記送信アンテナの利得に基づくことを特徴とする請求項3に記載の位置検出システム。
【請求項5】
前記測定値補正部が、前記電波の強度の複数の測定値に、前記補正係数を乗ずることを特徴とする請求項3又は4に記載の位置検出システム。
【請求項6】
前記補正送信位置を前記仮送信位置と再定義し、前記水平面偏差算出部及び前記垂直面偏差算出部に前記水平面偏差及び前記垂直面偏差をそれぞれ再計算させる再計算指令部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の位置検出システム。
【請求項7】
送信アンテナから電波を放射するステップと、
複数の受信位置で前記電波を受信するステップと、
前記複数の受信位置で受信した前記電波の強度の複数の測定値から、前記電波の仮送信位置を算出するステップと、
前記送信アンテナの正面方向を検出するステップと、
水平面における、前記仮送信位置から前記複数の受信位置への方位と前記正面方向との水平面偏差を算出するステップと、
前記重力方向を含む垂直面における、前記仮送信位置から前記複数の受信位置への方向と前記正面方向との垂直面偏差を算出するステップと、
前記送信アンテナの放射指向性に基づいて、前記水平面偏差及び前記垂直面偏差による前記複数の測定値の誤差を補正するステップと、
前記補正された複数の測定値から、前記電波の補正送信位置を算出するステップと、
を含むことを特徴とする位置検出方法。
【請求項8】
前記正面方向が、前記送信アンテナに働く加速度を検出する加速度センサで検出されることを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
【請求項9】
前記水平面偏差及び前記垂直面偏差に対応する補正係数を準備するステップを更に含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の位置検出方法。
【請求項10】
前記補正係数が、前記水平面及び前記垂直面における前記送信アンテナの利得に基づくことを特徴とする請求項9に記載の位置検出方法。
【請求項11】
前記複数の測定値の誤差を補正するステップにおいて、前記電波の強度の複数の測定値に、前記補正係数を乗ずることを特徴とする請求項9又は10に記載の位置検出方法。
【請求項12】
前記補正送信位置を算出するステップの後、前記補正送信位置を前記仮送信位置と再定義し、
前記水平面偏差を算出するステップ、前記垂直面偏差を算出するステップ、前記複数の測定値の誤差を補正するステップ、及び前記補正送信位置を算出するステップを繰り返すことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図12】
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