位置検出装置、位置管理システム、位置検出方法およびプログラム
【課題】 無線通信を行うすべての情報通信端末の位置を検出して、その管理を正確、簡便に行うことができる装置や方法を提供する。
【解決手段】 この装置は、通信モードを変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させる変更命令を有線ネットワークに接続された情報通信端末へ発行する命令発行部46と、PAPからPAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する1以上の第1の端末から、各第1の端末の端末識別情報を少なくともPAP識別情報とともに受信する情報受信部43と、各第1の端末につき、PAP識別情報に対応するPAPの位置情報を第1の端末の位置情報と決定し、第1の端末以外の第2の端末につき、AP範囲内で、かつ第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を第2の端末が存在する位置の位置情報として決定する位置検出部45とを含む。
【解決手段】 この装置は、通信モードを変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させる変更命令を有線ネットワークに接続された情報通信端末へ発行する命令発行部46と、PAPからPAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する1以上の第1の端末から、各第1の端末の端末識別情報を少なくともPAP識別情報とともに受信する情報受信部43と、各第1の端末につき、PAP識別情報に対応するPAPの位置情報を第1の端末の位置情報と決定し、第1の端末以外の第2の端末につき、AP範囲内で、かつ第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を第2の端末が存在する位置の位置情報として決定する位置検出部45とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信端末の位置を検出する装置、その装置と複数の情報通信端末とを含む位置管理システム、位置検出方法およびその方法を実行するためのプログラムに関し、より詳細には、有線LAN接続された情報通信端末を、擬似的なアクセス・ポイント(PAP)として利用し、そのPAPの位置から無線通信を行う情報通信端末の位置を検出する装置、その装置と複数の情報通信端末とを含む位置管理システム、その位置を検出する方法およびその装置に実行させるためのコンピュータ可読なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC等の持ち運び可能な情報通信端末の普及に伴い、各人がこれらの情報通信端末を常時携帯するようになってきている。これらの情報通信端末には、GPS(Global Positioning System)機能が実装されるようになってきており、このGPS機能を利用して取得した位置情報を用いたサービスが数多く提供されている。このようなサービスとしては、自分がいる場所を地図上に表示するサービスや、目的の場所までの道のりを案内するサービス等がある。
【0003】
基地局セル情報や、GPSから得られる情報等に基づいて、移動体端末の位置情報を取得し、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、PDC(Personal Digital Cellular)、CDMA2000等の長距離無線ネットワークを用いてサーバに位置情報を登録する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、利用コストが高く、GPSでは屋内の位置計測を行うことができない場合があり、また、オフィス・レイアウト等を考慮した位置計測を行うことが困難であるという問題があり、簡易で、かつ安価で、屋内でも位置計測を行うことができ、また、オフィス・レイアウト等を考慮した位置計測を行うことができる技術が望まれている。
【0004】
近年、近距離無線通信システムの1つである無線LAN(Local Area Network)が市場に広く普及してきている。この無線LANを活用し、簡易で、かつ安価に情報通信端末の位置情報を取得する技術が提案されている(例えば、特許文献2〜6参照)。
【0005】
また、測位用アクセス・ポイントを設置し、無線LAN強度を用いて位置情報の検出精度を向上させる技術も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この技術は、GPSが利用できない屋内空間に位置特定インフラとしてのみ機能する無線LANアクセス・ポイントを配置し、その無線LANアクセス・ポイントからは、測位に必要なビーコン送信のみを行い、電波エリアを狭く、細かくすることで、低コストで、かつ検出精度の向上を実現している。
【0006】
さらに、アドホック・モードにおいて、位置情報が、既知の端末から位置情報を乗せたパケットをビーコン・パケットとしてアドホック・ネットワーク内に送信し、受信したモバイル・ノードが到達までのホップ数等から、その位置を推定する技術も提案されている(例えば、非特許文献2、3参照)。この技術は、GPSを利用して絶対位置を取得した端末が、自身の位置情報を近隣端末に広告し、位置範囲を推定する端末が、広告された情報とGPSから自身までのホップ数をパラメータとし、自身の位置範囲を推定している。
【0007】
これまでに知られた無線電波を利用した距離を推定する技術として、RSSI(Received Signal Strength Indication:受信信号強度)方式と呼ばれるものがある。この方式では、距離と電波強度減衰の関係を用い、位置を推定する対象(エンド・ポイント)が受信した電波の強度から、電波を発生させたノードとの距離を推定する。この技術を、図1を参照して説明する。
【0008】
図1では、エンド・ポイントとなるノートPC1が、三次元位置を表す座標(xEst,yEst,zEst)にあり、ノートPC1に近隣して電波を発生させるノードである4つのノートPC2、3、4、5が、それぞれ座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)、(x4,y4,z4)にあり、それらとノートPC1との距離が、それぞれr1、r2、r3、r4とされている。
【0009】
実際にノートPC2〜5からの電波強度をノートPC1で測定し、p1、p2、p3、p4という値が得られたとする。これを距離との関係で表すと、図2に示すような図となる。この図2から、電波強度は、距離に反比例することがわかる。
【0010】
この方式では、エンド・ポイントと複数のノードとの間の距離をそれぞれ推定し、それらの距離および各ノードの位置情報を用い、エンド・ポイントの三次元位置座標(xEst,yEst,zEst)を、次の連立方程式を用いて算出することができる。
【0011】
【数1】
【0012】
それとは別の技術として、TDoA(Time Difference of Arrival:到達時間差)方式と呼ばれるものもある。この方式では、電波を発生させるノードの電波送信時刻と、エンド・ポイントの電波受信時刻の時間差を計測し、その時間差と電波の伝送速度から両者間の距離を算出する。
【0013】
図1に示す構成で、ノートPC2〜5から電波を送信した時刻と、ノートPC1でその電波を受信した時刻とから時間差t1、t2、t3、t4を求める。これを距離との関係で表すと、図3に示すような図となる。この図3から、時間差は距離に比例することがわかる。
【0014】
この方式も、エンド・ポイントと複数のノードとの間の距離をそれぞれ推定し、それらの距離および各ノードの位置情報を用い、エンド・ポイントの三次元位置座標(xEst,yEst,zEst)を、上記式1と同様の連立方程式を用いて算出することができる。
【0015】
しかしながら、上記の無線LANを利用したシステムおよび方法では、端末装置、電波傍受端末、無線LANアクセス・ポイントを、事前に適切な位置に配置し、その位置情報の登録が必要である。
【0016】
また、RSSI方式を適用してエンド・ポイントの位置情報を取得する場合、距離と電波強度減衰の関係を予め取得し、モデル化しておかなければならない。三次元位置座標として推定するためには、最低3台のノードが必要で、しかも、それらのノードの三次元位置座標を事前に登録し、各ノードでその情報を管理しなければならない。
【0017】
TDoA方式を適用してエンド・ポイントの位置情報を取得する場合も、最低3台のノードが必要で、それらのノードの三次元位置座標を事前に登録し、各ノードでその情報を管理しなければならない。また、各ノードとエンド・ポイントの時刻の同期が必須である。
【0018】
本出願人は、上記問題に鑑み、適切な数の端末装置等を事前に適切な位置に配置したり、各端末装置等の位置情報を事前に登録することなく、無線通信を行う情報通信端末の位置情報を推定することができる技術を提案している(特許文献7参照)。
【0019】
この技術では、オフィスのDHCPネットワーク環境化において、無線通信を行っていた情報通信端末が有線LANポートに接続された場合に、その情報通信端末がDHCPサーバによって割り当てられたIPアドレスから、ビル、フロア、エリアというその情報通信端末が存在する場所を特定する。その情報通信端末が備える無線LANアダプタを動的にアドホック・モードに変更し、その情報通信端末を擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させる。
【0020】
位置を調べる対象の無線通信を行う情報通信端末は、PAPとして機能させた情報通信端末から発信される電波を受信し、その電波強度を測定し、その結果とPAPを識別する識別情報を管理サーバへ送信する。管理サーバは、受信した結果および識別情報から、どのPAPに最も近いかを判断して、最も近いPAPが存在する場所(ビル、フロア、エリア)を、その無線通信を行う情報通信端末が存在する場所として推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2002−186012号公報
【特許文献2】特開2007−104245号公報
【特許文献3】特許第4558639号公報
【特許文献4】特開2008−288727号公報
【特許文献5】特許第4113219号公報
【特許文献6】特表2010−509571号公報
【特許文献7】特願2011−1644359号
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】岡龍太、外3名、“位置特定インフラ専用無線LANアクセスポイントの試作と測位精度制御の検討評価”、[online]、平成23年3月2日、情報処理学会、[平成23年5月27日検索]、インターネット<URL:http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/taikai/73kai/73program/data/pdf/3W-4.html>
【非特許文献2】岩谷晶子、外3名、“ごましお:アドホックセンサネットワークにおけるノード位置決定方式”、[online]、平成13年11月15日、CiNii、[平成23年5月27日検索]、インターネット<URL:http://ci.nii.ac.jp/naid/110002937796>
【非特許文献3】佐藤雅幸、外3名、“アドホックネットワークにおける推定精度を考慮した位置範囲推定法”、[online]、平成16年3月5日、CiNii、[平成23年5月27日検索]、インターネット<URL:http//ci.nii.ac.jp/naid/110002664571>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
オフィス等のフリーアドレス空間では、上記PAPを利用しても位置を検出することができないような場所に存在する情報通信端末については、その情報通信端末の管理を行うことはできない。その情報通信端末の位置がわからないからである。
【0024】
また、オフィスで有線LAN接続しているユーザが少なく、PAPとして機能させる情報通信端末が少ない場合、位置を検出することができる情報通信端末の数は少なくなる。これでは、検出できなかった多くの情報通信端末の管理を行うことができない。
【0025】
無線通信を行うすべての情報通信端末の管理を行うことができるように、それらの情報通信端末の大まかな位置でも検出することができれば、どの場所に人が密集し、どの場所には人がいないかを知ることができ、節電のために片寄せしたり、適切に空調の調節を行うことが可能となる。したがって、無線通信を行うすべての情報通信端末の大まかな位置でも容易に検出することができ、すべての情報通信端末の管理を正確かつ簡便に行うことができる装置等の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、上記課題に鑑み、有線ネットワークに接続され、アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出するための位置検出装置が提供される。この装置は、APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行する命令発行部と、上記の複数の情報通信端末からAPを介して端末識別情報を受信するともに、1以上のPAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する、上記複数の情報通信端末のうち1以上の第1の情報通信端末から、各第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各PAP識別情報とともに受信する情報受信部とを含む。
【0027】
また、この装置は、有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、各PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、各第1の情報通信端末につき、各PAP識別情報に対応する各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、AP範囲内で、かつ第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定することにより複数の情報通信端末の各々の位置を検出する位置検出部を含む。
【0028】
このように、PAPから発信させたキャリア波を受信可能な範囲(第1の範囲)内にない第2の情報通信端末について、その範囲外の第2の範囲を、第2の情報通信端末が存在する位置として検出する構成を採用することで、有線ネットワークに接続される情報通信端末が増加すれば、PAPが増加して第2の範囲が狭まることから、第2の情報通信端末の位置も比較的精度良く検出することができ、また、位置の検出も上記のように容易であることから、無線通信を行う複数の情報通信端末の管理を正確かつ簡便に行うことが可能となる。
【0029】
命令発行部は、無線通信を行う情報通信端末が有線ネットワークに接続されたことに応答して、その情報通信端末へ上記の変更命令を発行し、新しくPAPとして機能させる。位置検出部は、その新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を第1の情報通信端末とし、第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を第2の情報通信端末とし、第2の範囲から第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定する。この処理は、情報通信端末が新しく有線ネットワークに接続される毎に行われる。
【0030】
また、この装置は、PAPによりその位置が検出できない第2の情報通信端末に対し、その第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された第2の範囲の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す位置通知部をさらに含むことができる。その位置情報の入力を受け付けることができれば、より正確にその情報通信端末の管理を行うことが可能となる。
【0031】
上記のデータは、予めAP範囲を複数のブロックに分割し、各接続口に情報通信端末を接続してPAPとして機能させた場合の第1の範囲をブロックで表したブロック情報をさらに含むことができる。AP範囲を、より狭い範囲の複数のブロックに分けることで、より正確かつ簡便に位置を検出し、管理することが可能となる。この場合、上記の位置検出部は、第2の情報通信端末につき、そのデータを参照し、AP範囲を構成する複数のブロックのうち、第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、第2の範囲を構成するブロックと決定する。
【0032】
この装置は、各情報通信端末を管理するために、接続口識別情報と接続口の位置情報とブロック情報とを対応付けたデータを記憶した位置情報データベース、端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベース、PAP識別情報とPAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースを管理する。これらのデータベースは、この装置の外部に存在していてもよいし、内部に実装されていてもよい。外部に存在する場合は、直接通信ケーブルで接続されていてもよいし、有線ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0033】
位置検出部は、PAPとして機能させる情報通信端末の端末識別情報をPAP識別情報としてPAPの位置情報と対応付けてPAPデータベースに記憶する。このPAPデータベースは、情報受信部が1つの第1の情報通信端末から2以上のキャリア波の強度を測定した測定結果をPAP識別情報とともに受信した場合、位置検出部が参照して、2以上の測定結果およびPAP識別情報からキャリア波の強度が最も高いPAP識別情報を特定した後、そのPAP識別情報に対応する位置情報を取得するために用いられる。
【0034】
端末データベースは、位置検出部が取得した位置情報を、第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて記憶し、また、位置検出部が決定した第2の範囲を構成するブロックのブロック情報を、第2の情報通信端末の端末識別情報とその第2の範囲から特定される位置情報とを対応付けて記憶し、これらの情報により各情報通信端末を管理するために用いられる。
【0035】
また、端末データベースは、第2の情報通信端末についてブロック情報を含むが、新たに機能させたPAPによってキャリア波を検出することができるようになると、そのPAPの位置をその情報通信端末の位置として検出することができるため、検出された位置の位置情報へ書き換えられるとともに、第2の範囲を構成するブロックのブロック情報として記憶されていた該ブロック情報は消去される。
【0036】
命令発行部は、一定時間間隔で変更命令を発行し、有線ネットワークに接続された情報通信端末をPAPとして機能させる。これにより、移動する情報通信端末の位置を更新して、最新の情報に管理することができる。
【0037】
本発明では、この位置検出装置のほか、この装置と複数の情報通信端末とを含む位置管理システム、この装置により実行される位置検出方法も提供することができ、この方法は、この装置が備える各部により行われる各処理ステップを含むものとされる。また、この方法は、コンピュータ可読なプログラムにより実現することができ、このプログラムは、ダウンロードにより、また、記録媒体に格納して提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従来の無線電波を利用して位置を推定する技術において採用されているシステム構成を例示した図。
【図2】各ノードからエンド・ポイントが受信した電波強度と、各ノードとエンド・ポイントの距離との関係を示した図。
【図3】各ノードが電波を送信した時刻とエンド・ポイントがその電波を受信した時刻の時間差と、各ノードとエンド・ポイントの距離との関係を示した図。
【図4】本発明の位置検出装置としての管理サーバと、該管理サーバにより管理される複数の端末とを含む位置管理システムの構成を示した図。
【図5】PAPとして機能させた端末からの電波を受信可能な範囲をブロックで示した図。
【図6】管理サーバが管理する位置情報データベースを例示した図。
【図7】管理サーバが管理するPAPデータベースを例示した図。
【図8】管理サーバが管理する端末データベースを例示した図。
【図9】端末の機能ブロック図。
【図10】管理サーバへ送信されるPAP識別情報および測定結果を例示した図。
【図11】管理サーバの機能ブロック図。
【図12】PAPからの電波を受信可能な範囲を円形で示した図と、その範囲をブロックで示した図。
【図13】更新されたPAPデータベースを例示した図。
【図14】更新された端末データベースを例示した図。
【図15】追加されたPAPにより電波を受信可能な範囲が拡大したところを示した図。
【図16】管理サーバが行う処理の流れを示したフローチャート。
【図17】無線端末の画面に表示された仮の位置情報の1つの例を示した図。
【図18】無線端末の画面に表示された仮の位置情報の別の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を図面に示した具体的な実施の形態に沿って説明するが、本発明は、後述する実施の形態に限定されるものではない。企業は、一般に、ビル内でLANにより小規模ネットワークを構築し、遠隔地にある工場、支店、関連会社等が構築した小規模ネットワークに、インターネット、広域イーサーネット、WAN(Wide Area Network)等を介して接続することにより、社内ネットワーク環境を構築している。
【0040】
本発明の位置検出装置と複数の情報通信端末(以下、単に端末といい、特に、有線LAN接続された端末を有線端末、無線LAN接続され、無線通信を行う端末を無線端末という。)とを含む位置管理システムは、好適な例として、このような社内ネットワーク環境で使用される。
【0041】
このシステムには、複数の端末が含まれるが、各端末には、エージェント・プログラムと呼ばれるプログラムがインストールされる。各端末は、このエージェント・プログラムを実行することによりエージェント手段として機能する。エージェント手段は、無線通信を行う自身の位置を検出させるために、後述するキャリア波に付加されたPAP識別情報を、キャリア波の強度を測定した測定結果および自身の端末識別情報とともに送信する。また、エージェント手段は、無線通信を行う他の端末の位置を検出させるために、後述するPAPとして機能する。
【0042】
位置検出装置は、GPS受信機から位置情報を受け付けることもなく、APの位置情報を予め登録し、管理することもない。この位置検出装置は、無線端末から上記の端末識別情報と少なくともPAP識別情報を受信し、そのPAP識別情報を用いてその無線端末の位置を検出し、有線端末をPAPとして機能させるために命令を発行する。また、この位置検出装置は、PAPの位置情報や無線端末の位置情報を登録し管理する。このため、本実施形態では、この位置検出装置を管理サーバとして参照する。
【0043】
まず、図4を参照して、位置管理システムの構成について説明する。図4に示すシステム構成では、有線LAN10に接続される管理サーバ11、AP12、有線端末13と、AP12との間で無線LAN接続され、無線通信を行う無線端末14、15とを含んで構成されている。管理サーバ11、AP12、有線端末13は、互いにネットワーク・ケーブルにより接続され、これにより、有線ネットワークを構築していてもよい。このように、位置管理システムは、管理サーバ11、AP12、端末13〜15、DHCPサーバ16といった通常の通信システムを構成する機器以外の追加のハードウェアを必要としない。
【0044】
有線LAN10には、この有線LAN10に接続された機器に対し、ネットワーク・アドレスとしてのIPアドレスを自動的に割り当てるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)ネットワーク環境とするべく、DHCPサーバ16が接続される。なお、このDHCPサーバ16の機能を管理サーバ11が備え、DHCPサーバ16を省略することも可能である。また、DHCPネットワーク環境にする必要がなければ、DHCPサーバ16を用いなくてもよい。
【0045】
図4には、1つの有線LAN10のみが示されているが、複数の有線LANがルーター等により相互に接続されたネットワーク構成であってもよく、インターネット等の広域ネットワークを介して相互に接続されたネットワーク構成であってもよい。端末を有線LAN接続するために、ビル内の各階の各エリアには、複数の有線LANポートが設けられる。
【0046】
これらの有線LANポートは、有線LAN10に集線装置であるハブを介して相互に接続される。各有線LANポートは、ハブの接続ポート番号といった接続口を識別するための接続口識別情報によって識別可能とされる。ハブは、接続ポート番号と、この接続ポートを利用して通信を行う端末のMAC(Media Access Control)アドレスといった端末識別情報とを対応付けた対応テーブルを保持しており、その対応テーブルを参照して、適切な接続ポートへデータ等を送信するように構成されている。
【0047】
管理サーバ11は、無線端末14、15の位置情報を記憶するための端末データベースと、接続口識別情報とその位置情報とを対応付けたデータを記憶した位置情報データベースと、有線端末13をPAPモードに設定した際に当該有線端末13の位置情報を記憶するためのPAPデータベースとを管理し、これらのデータベースを使用して、無線端末の位置を検出し、その位置情報を登録して無線端末14、15を管理する。
【0048】
この処理を実現するために、好適な例では、図5に示すようにAP20の電波が届く範囲であるAP範囲21を複数のブロック22に分割し、PAP23から発信されるキャリア波の一例である電波を受信可能な範囲を予め測定し、または履歴データを使用してその範囲を決定しておく。通常、AP範囲21は、AP20を中心とした円で表される範囲であるが、図5では、説明を容易にするために、AP20が左上に配置され、AP20の右側および下側の範囲のみがAP範囲21とされている。
【0049】
図5では、無線端末が電波を受信することができる範囲内にあるブロックを、区別可能にするために着色して示している。ここでは、説明を容易にするために、AP範囲21を矩形とし、一辺が任意の長さとされた正方形のブロック22に分割しているが、これに限定されるものではない。また、このようなブロック単位で分割することに限らず、フロア単位で分割することも可能である。
【0050】
上記範囲は、例えば、PAP23の電波の送信出力を50%とした場合にその電波を受信可能な範囲や、PAP23の電波の送信出力を100%にし、無線端末が感度30%以上で受信可能な範囲等とすることができる。この範囲は任意に決定することができ、送信出力を60%としたり、感度20%以上とすることも可能である。
【0051】
このような範囲をブロックで表したブロック情報は、有線LANポートを識別するための接続口識別情報と対応付けて位置情報データベースに記憶される。なお、各ブロック22には、ブロックを識別するための情報として数値等が割り当てられ、その数値等がブロック情報として用いられる。
【0052】
具体的には、左上にあるAP20が配置されているブロックには、第1列で第1行にあることから「1−1」という値が割り当てられる。PAP23が存在するブロックには「3−7」が割り当てられ、PAP23からの電波が届く範囲のその他のブロックにはそれぞれ「1−7」、「2−6」、「2−7」、「2−8」、「3−5」、「3−6」、「3−8」、「3−9」、「4−6」、「4−7」、「4−8」、「5−7」が割り当てられる。
【0053】
位置情報データベースとしては、図6に示すようなテーブルとして構成し、接続口識別情報およびブロック情報を記憶することができる。したがって、このテーブルには、接続口識別情報を入力するための接続口フィールドと、ブロック情報を入力するためのブロック・フィールドとが設けられる。
【0054】
有線LANポートの位置は、予め決められており、その有線LANポートを識別するための接続口識別情報と、その有線LANポートが存在するビル、フロア、エリアといった位置情報とは対応付けが可能である。このため、テーブルには、さらに、ビルを識別する情報を入力するためのビル・フィールドと、そのビルの階を識別する情報としてフロアを入力するためのフロア・フィールドと、その階のエリアを識別する情報としてエリアを入力するためのエリア・フィールドとが設けられる。
【0055】
位置情報データベースは、位置情報を含むことにより、有線端末13が接続された有線LANポートに対応する接続口識別情報を基に、その有線端末13の位置を特定することが可能とされる。図6では、接続口識別情報「HUB-15FW-Port0」である有線端末は、ブロック情報として「1−7」、「2−6」、「2−7」、…を有し、「Tokyo」というビル名、「15F」という階数、「West」というエリアに存在していることを示している。
【0056】
管理サーバ11は、位置情報データベースを参照して、有線端末13の位置情報を取得することができる。すなわち、管理サーバ11は、有線端末13から取得した端末識別情報を基に、その有線端末13が接続されるハブの対応テーブルを参照し、有線端末13の端末識別情報に対応する接続口識別情報を取得し、その後、その接続口識別情報を基に、位置情報データベースを検索することにより取得する。
【0057】
管理サーバ11は、その有線端末13に対し、変更命令を発行し、PAPとして機能させることができる。そのとき、管理サーバ11は、PAPを識別するためのPAP識別情報と、上記のようにして取得したPAPとなる有線端末13の位置情報とを対応付けてPAPデータベースに記憶する。
【0058】
PAPデータベースとしては、図7に示すようなテーブルとして構成し、PAP識別情報および位置情報を記憶することができる。したがって、このテーブルには、PAP識別情報としてMACアドレスを入力するためのMACアドレス・フィールドと、位置情報を入力するためのビル・フィールド、フロア・フィールド、エリア・フィールドとが設けられる。
【0059】
位置情報データベースには、この位置情報に接続口識別情報も含まれており、PAPデータベースは、この接続口識別情報も対応付けて記憶することが可能である。図7に示すPAPデータベースには、この接続口識別情報を入力するための接続口フィールドも設けられている。
【0060】
図7では、「00-1F-AA-12-34」というMACアドレスをもつ有線端末がPAPとして設定され、その有線端末がOsakaビルの2階の東のエリアに存在し、HUB-15FWというハブのPort0という接続ポート番号に接続されていることを示している。
【0061】
図7では、PAPとして機能する有線端末を識別するためにMACアドレスを用いているが、端末名や、端末名とMACアドレスの両方を用いることも可能である。また、PAPデータベースは、ブロック情報をさらに対応付けて記憶することも可能である。これにより、エリアのより詳細な場所を特定することが可能である。すなわち、そのエリアを構成するブロックの中心にあるブロックが、PAPが存在するブロックとして特定できるからである。
【0062】
管理サーバ11は、PAPとして機能させた有線端末13が電波を発信し、それを受信した、例えば無線端末14から端末識別情報と、そのPAPのPAP識別情報と、電波強度の測定結果とを受信する。これにより、PAPからの電波を受信可能な範囲内にその無線端末14が存在することを検出することができる。その無線端末14が1つのPAPからしか電波を受信できない場合、管理サーバ11は、無線端末14が測定した測定結果を受信しなくてもよい。それは、そのPAP以外に近隣するPAPが存在しないため、測定結果を用いていずれが近いかを判断する必要がないからである。
【0063】
管理サーバ11は、PAPからの電波を受信可能な範囲内にその無線端末14が存在することを検出すると、そのPAPに近隣する位置にその無線端末14が存在することを理解する。そして、管理サーバ11は、そのPAPの位置を無線端末14の位置とみなし、そのPAPの位置の位置情報を無線端末14の位置情報として端末データベースに記憶する。管理サーバ11は、その位置情報を記憶する際、無線端末14の端末識別情報と対応付けて記憶する。その後、管理サーバ11は、この端末データベースを用いて、無線端末14を管理する。
【0064】
端末データベースとしては、図8に示すようなテーブルとして構成し、無線端末の位置情報を記憶することができる。このテーブルは、無線端末を識別する端末識別情報としての端末名を入力するための端末名フィールドと、ビル・フィールドと、フロア・フィールドと、エリア・フィールドと、ブロック・フィールドとを含む。図8には、無線端末の位置情報として「モバイル端末2」という端末名と、位置情報としての「tokyo」というビル名、「16F?」という階数、「East?」というエリア、「1−1」、「1−2」、…というブロック情報が各フィールドに入力されている。
【0065】
端末識別情報としては、端末名のほか、端末を一意に識別するMACアドレス等を用いることも可能であり、端末名とMACアドレスの両方を用いることも可能である。本発明では、PAPからの電波を受信可能な範囲内に存在する無線端末については、電波を受信可能な範囲外の受信不能な範囲に存在することから、その受信不能な範囲の位置情報を仮の位置情報として端末データベースに記憶する。
【0066】
図8中、「16F?」や「East?」の「?」という記号は、仮の位置情報であることを表すものである。「?」は1つの例であり、仮の位置情報であることを表すために、これ以外のいかなる記号でも用いることが可能である。また、記号でなくとも、別フィールドの真偽値といったように、この装置が仮の位置情報であることを認識することができるものであればいかなるものであってもよい。なお、仮の位置情報は、APからの電波を受信可能なAP範囲内にある階、エリアのうち、そのAP範囲内にあるすべてのPAPから発信される電波が受信不能な範囲を含む階、エリアのすべての情報である。
【0067】
仮の位置情報は、位置が1つに定まらないことから、図8に示すように、同じ「モバイル端末2」について、2つの以上の位置情報が「?」を付加して記憶されることになる。その後、新しく機能するPAPにより位置情報が1つに定まると、仮の位置情報およびブロック情報は消去され、定まった1つの位置情報へ変更され、端末データベースが更新される。
【0068】
上述したような処理は、その処理を実行するためのアプリケーションを記憶する記憶装置と、その記憶装置からアプリケーションを読み出し、処理を実行するプロセッサと、有線LAN10に接続するための通信インタフェースとを備える構成により実現することができる。このため、管理サーバ11は、これらの記憶装置、プロセッサ、通信インタフェースを備える構成とされる。
【0069】
管理サーバ11は、記憶装置に適切なOS(Operating System)を記憶し、OSによる制御の下、上記のアプリケーションを実行して処理を行う。OSとしては、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、MacOS(登録商標)等を用いることができる。
【0070】
管理サーバ11は、位置情報データベースに記憶される接続口識別情報、ブロック情報、位置情報を事前に登録する必要があることから、管理者がこれらの情報を入力する必要がある。このため、管理サーバ11は、キーボード等の入力装置、入力された情報を表示し、その内容を確認するためのディスプレイ等の表示装置をさらに備えることができる。
【0071】
AP12は、有線LAN10に接続される。AP12は、無線端末14、15を相互に接続し、また、無線端末14、15が有線端末13や管理サーバ11との間で通信を行う際に利用される。
【0072】
AP12は、無線端末14、15から送られてきた信号を受信するための受信機と、無線通信により無線端末14、15へ信号を送信するための送信機と、有線LAN10に接続するための通信インタフェースとを備える。送信機は、電波の振幅、周波数、位相を変化させて、電波に情報を付加する変調回路を備える。受信機は、受信した電波から情報を取り出すための復調回路を備える。
【0073】
端末13〜15は、無線LANアダプタを備えており、無線LAN接続するための通信モードとして、インフラストラクチャー・モードとアドホック・モードという2つのモードを備えている。インフラストラクチャー・モードは、端末がアクセス・ポイント12を介して互いに通信を行うモードであり、アドホック・モードは、端末同士が直接通信を行うモードである。
【0074】
端末13〜15は、管理サーバ11と同様、記憶装置、プロセッサ、通信インタフェース、入力装置、表示装置を備え、AP12や他の端末との間で無線LAN接続を実現するための送受信機を備える。記憶装置は、無線LANアダプタ等を含む各種アプリケーションおよびデータ、上記のエージェント・プログラムを記憶し、プロセッサは、記憶装置からアプリケーションおよびデータ、そのエージェント・プログラムを読み出し実行する。記憶装置には、適切なOSも記憶されており、プロセッサは、OSによる制御の下で処理を実行する。端末13〜15としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートPC、タブレットPC等を用いることができる。
【0075】
エージェント・プログラムは、フレキシブル・ディスク、CR−ROM、DVD、SDカード等のコンピュータ可読な記録媒体に格納して提供され、記録媒体から読み出し、各端末にインストールすることができる。また、エージェント・プログラムは、有線LANやインターネット等に接続されたアプリケーション・サーバや管理サーバ11に実装され、それらから読み出し、各端末にインストールすることも可能である。
【0076】
端末13〜15は、AP12との間や、他の端末との間で無線LAN接続され、情報のやりとりを行うことができる。端末間の通信は、2.4GHz帯の電波を使用することができ、数メートルから数十メートルの近距離にある端末間の通信は、Bluetoothを利用することができる。そのほか、赤外線通信や光通信により通信を行うことも可能である。
【0077】
無線LANでは、無線LAN接続のグループ分けを行うために、識別情報としてSSID(Service Set ID)やESSID(Extended SSID)が利用され、認証の際にもこれらSSID等が利用される。したがって、AP12と端末13〜15には、SSIDが設定されるが、SSID等が一致しなければ接続することができないようになっている。
【0078】
無線LANは、電波により通信を行うことから、第三者により通信内容を傍受される危険性が高い。このため、セキュリティ対策として、ネットワーク・キーと呼ばれるパスワードを用いて通信を行ったり、WEP(Wired Equivalent Privacy)、WPA(Wi-Fi Protected Access)、WPA2、IEEE802.11i等の暗号化通信を行うことができる。
【0079】
DHCPサーバ16は、管理サーバ11と同様、記憶装置、プロセッサ、通信インタフェース、必要に応じて入力装置および表示装置を備える。DHCPサーバ16は、レンジ情報データベースを備え、そのレンジ情報データベースに設定されている、例えばエリア毎のIPアドレス・レンジを基に、有線LAN10に接続された有線端末13に対し、IPアドレスを割り当てる。上述した有線LAN同士がルーターにより相互に接続されたネットワーク環境では、ルーターにこのDHCPサーバ機能を搭載し、エリア毎に予め決められた範囲のIPアドレスを割り当てることができる。
【0080】
端末13は、LANケーブルを使用して有線LAN10に接続されると、IPアドレスを割り当ててもらうために、宛先IPアドレスを、例えば255.255.255.255としたブロードキャストのUDP(User Datagram Protocol)パケットを有線LAN10上へ送出する。このUDPパケットには、送信元のMACアドレスが含まれる。DHCPサーバ16は、このUDPパケットを受信し、すでにリースしているIPアドレスとリース先のMACアドレスとを対応付けた管理テーブルを参照し、リースされていないIPアドレスを順に選択し、管理テーブルを更新して、選択したIPアドレスを、MACアドレスを基に送信し、その端末13に設定させることにより、その端末13にそのIPアドレスを割り当てる。
【0081】
本発明の位置検出装置として参照される管理サーバ11を説明する前に、この管理サーバ11とともに用いられる端末13〜15について簡単に説明する。図9は、端末の機能ブロック図である。端末13〜15はいずれも同じ機能を有することから、端末13についてのみ説明を行う。端末13は、上述したようにエージェント・プログラムがインストールされる。このエージェント・プログラムは、端末が備える記憶装置に記憶されるが、プロセッサがこれを読み出し実行することにより端末はエージェント手段として機能する。
【0082】
エージェント手段としての端末13は、接続判定部30と、端末情報送信部31と、通信モード変更部32と、キャリア波発信部としての電波発信部33と、強度測定部としての電波強度測定部34と、測定結果送信部35とを含んで構成される。図9には図示していないが、このエージェント手段は、必要に応じてPAPモードに設定されているかどうかを判定するPAPモード判定部を備えることができる。
【0083】
端末13は、無線LANアダプタをONにすることで、無線LAN接続を可能にし、OFFにすることで、無線LAN接続を不可にする。接続判定部30は、端末13のネットワーク接続の状態を確認し、有線LAN接続かどうかを判定する。ネットワーク接続の状態は、有線LANポートにLANケーブルが接続されたことを検出してから、LANケーブルが外されたことを検出するまでの間、有線LAN接続モードとして設定されることから、接続モードを確認することにより判定することができる。接続判定部30は、有線LAN接続モードであると判定した際、無線LANアダプタがONにされている場合、無線LANアダプタをOFFにし、無線LAN接続されることができないようにする。
【0084】
また、端末13は、LANケーブルが接続され、有線LAN10に接続されたことを受けて、DHCPサーバ16に対し、IPアドレスを割り当ててもらうために上記UDPパケットを送出する。DHCPサーバ16は、管理テーブルを参照して、まだリースされていないIPアドレスを選択し、そのIPアドレスをその端末13のために割り当てる。
【0085】
端末13は、DHCPサーバ16から受信したIPアドレスを設定した後、エージェント・プログラムを実行して端末13をエージェント手段として機能させる。エージェント手段の端末情報送信部31は、端末名、IPアドレス、MACアドレスを含む端末識別情報を、有線LAN10を介して管理サーバ11へ送信する。端末情報送信部31は、TCP/IPといった適切なプロトコルを使用して端末識別情報を管理サーバ11へ送信する。
【0086】
管理サーバ11が端末13をPAPとして機能させるために変更命令を発行すると、端末13は、その命令を受領し、端末13がもつ無線LANアダプタに設定されているAP12に無線LAN接続するためのESSIDを、エージェント手段により割り当てられていることが判別できる特定のESSIDに設定し、インフラストラクチャー・モードをアドホック・モードへモード変更する。これにより、端末13は、他の無線端末からはPAPとして動作するものとして見えるようになる。
【0087】
端末13がPAPとして機能するようになると、電波発信部33は、設定された特定のESSIDと、この端末13のMACアドレスといった端末識別情報とを付加した電波を、一定の時間間隔で周囲に発信する。
【0088】
なお、他の有線端末がPAPとして機能する場合、特定のESSIDとして端末13とは異なるESSIDが設定され、異なるタイミングで電波が発信される。このため、この電波を受信する端末14、15は、各電波の送信、受信タイミングの同期を取ることができる。
【0089】
一方で、接続判定部30が有線LAN接続ではないと判定した場合、端末14、15と同様、端末13は無線端末である。このため、端末13は、無線LANアダプタはONに維持され、PAPとして機能する他の端末が備える電波発信部が発信した電波の電波強度を、電波強度測定部34が測定する。
【0090】
端末13は、電波強度を測定するためのプログラムを実装しており、このプログラムを実行して電波強度測定部34として機能させ、この電波強度測定部34が、PAPと判別できるESSIDをもつすべての端末から発信される検出可能な電波の電波強度を測定することができる。一例では、電波強度測定部34は、電波強度に閾値を設け、その閾値以上の電波強度のみを測定することができる。
【0091】
ここでは電波発信部33や電波強度測定部34として構成し、電波を発信し、電波強度を測定するようにしているが、これに限られるものではなく、赤外線、可視光線、紫外線といった電磁波、超音波等をキャリア波として用い、これにESSIDや端末識別情報を付加して発信し、この強度を測定することも可能である。超音波は、マイク、スピーカーを利用して発信することができる。
【0092】
電波強度測定部34が測定した電波強度は、その電波を発信したPAPのPAP識別情報と、その測定を行った端末13の端末識別情報とともに、測定結果送信部35へ送られる。そのとき、測定結果送信部35は、AP12、有線LAN10を介して管理サーバ11へ送信する。
【0093】
PAPとして機能する端末13が無線端末14へ電波を発信すると、無線端末14は、その電波の電波強度を測定し、図10に示すような測定結果を、そのPAPのPAP識別情報および自己の端末識別情報とともに管理サーバ11へ送信する。図10では、PAPとして設定された、MACアドレス「00-1F-BB-56-78」をもつ端末13と、MACアドレス「00-2A-CC-11-22」をもつ他の端末とから送信された電波強度を測定し、端末13から受信した電波の電波強度が90%で、他の端末から受信した電波の電波強度が70%という情報をテーブルにして示している。
【0094】
PAPとして機能する端末13は、PAPモードに設定されるが、そのPAPモードに設定された端末13の無線LANアダプタから発信される電波の電波強度は、AP12から発信される電波の電波強度に比較して弱い。このため、この電波は、上のフロアや下のフロアからコンクリートの壁を通過するにしても、大きく減衰し、その電波強度は微弱となる。
【0095】
しかしながら、電波強度が測定される範囲にあるものは、これらの上のフロアや下のフロアに位置しているものも含まれる。これらを除去するために、上記の感度30%といった閾値を設け、この閾値未満の電波強度については除去し、この閾値以上の電波強度のもののみを測定することができる。そして、その中で最も電波強度の大きい電波を発信する端末13が、測定結果を送信した無線端末14の最も近い位置に存在し、その位置から無線端末14の大まかな位置を検出することができる。
【0096】
次に、図11〜図16を参照して、図4に示した位置管理システムが備える管理サーバ11の詳細な構成および管理サーバ11が行う処理について説明する。図11は、管理サーバ11の機能ブロック図である。管理サーバ11は、図6〜図8に示すようなデータベースを管理する。これらデータベースは、管理サーバ11とは別に外部に設けることもできるし、管理サーバ11内に実装されていてもよい。図11に示す実施形態では、管理サーバ11内に実装されている。
【0097】
ここでは、管理サーバ11は、端末データベース40と、位置情報データベース41と、PAPデータベース42とを含み、情報受信部43と、情報取得部44と、位置検出部45と、命令発行部46と、位置通知部47とをさらに含んで構成されている。図6〜図8を参照して説明した通り、端末データベース40は、端末の端末識別情報と、その端末の位置情報とを対応付けて記憶する。位置情報データベース41は、一般的な場所の位置情報と、接続口識別情報と、ブロック情報とを対応付けて記憶する。PAPデータベース42は、PAPとして機能する有線端末の端末識別情報と、その有線端末の位置情報とを対応付けて記憶する。なお、これらのデータベースとしては、管理サーバ11が備える記憶装置としてのHDD等を用いることができる。
【0098】
情報受信部43は、通信インタフェースにより実現され、端末13〜15から送信される情報を受信する。有線端末13との通信は、TCP/IP等の適切なプロトコルを使用し、有線端末13の端末識別情報としての端末名、MACアドレス、IPアドレスを使用して行われる。
【0099】
複数の有線LANがルーターにより相互接続されていて、管理サーバ11がいずれか1つの有線LANに接続されている場合において、管理サーバ11がルーターを介して有線端末13へ向けて通信を行うとき、ルーターは、管理サーバ11からのパケットを、自己が保持する経路情報を使用してルーティングを行い、目的の有線端末13へパケットを送信する。
【0100】
情報受信部43が、有線端末13から端末識別情報を受信すると、情報取得部44に接続口識別情報を取得するように指示する。情報取得部44は、その指示を受け、情報受信部43が受信した端末識別情報を基に、接続口を管理する集線装置としてのハブに問い合わせを行い、端末識別情報に対応する接続口識別情報をそのハブから取得する。具体的には、情報取得部44は、ハブが保持する対応テーブルを参照し、端末識別情報に含まれるMACアドレスに対応する接続ポート番号を、接続口識別情報として取得する。
【0101】
情報取得部44は、接続口識別情報を取得すると、端末識別情報とともに位置検出部45へそれらの情報を送る。位置検出部45は、それらの情報を受け取ると、位置情報データベース41を参照し、接続口識別情報を基に、有線端末13の位置情報を取得する。位置情報は、ビル名、階、エリアという情報である。
【0102】
次に、位置検出部45は、取得した位置情報を端末識別情報と対応付けてPAPデータベース42に記憶するとともに、命令発行部46に対し、変更命令の発行を指示あるいは許可する。記憶する情報は、上記の端末識別情報および位置情報のほか、接続口識別情報を含めることができる。また、端末データベース40や、別途設けられる第2の端末データベースにもこれらの情報を記憶することができる。すべての有線端末の位置情報を管理するためである。
【0103】
命令発行部46は、位置検出部45からの指示あるいは許可を受けて、有線端末13をPAPとして機能させるために、AP12を介してではなく、他の端末と直接無線通信を行う通信モード、すなわちアドホック・モードへの変更命令を発行する。図4では、有線LAN10に接続された有線端末13が1つのみとされているが、現実には多数存在することから、1つずつ順に変更命令を各有線端末に対し発行する。なお、電波同士が干渉しないように、1つずつ順にPAPとして機能させることが好ましいが、複数あるいはすべてを同時にPAPとして機能させることも可能である。
【0104】
1つずつ順にPAPとして機能させる場合の順番としては、一例として、位置情報データベース41およびPAPデータベース42を参照して、各有線端末のブロック情報から、各有線端末が存在するブロックを特定し、特定した各ブロックに割り当てられた値が小さい順に実施することができる。
【0105】
上記のように、行と列を表す2つの数値から構成される場合には、列の数値が小さい順に、列の数値が同じであれば行の数値が小さいものを先に実施することができる。具体的には、有線端末A、B、Cが存在するブロックがそれぞれ「4−6」、「3−7」、「10−3」であれば、有線端末B、A、Cの順に変更命令を発行することができる。
【0106】
複数の有線端末を同時にPAPとして機能させる場合、位置情報データベース41を参照して、各有線端末の位置を確認し、各有線端末の電波を受信可能な範囲から、電波干渉が生じない有線端末を選択し、その選択した有線端末に変更命令を発行することができる。
【0107】
上記の方法は、PAPとして機能させる有線端末の順番を決定する方法、有線端末の中から同時にPAPとして機能させる有線端末を選択する方法を例示したものであり、これらの方法に限定されるものではない。
【0108】
命令発行部46は、これに限定されるものではないが、例えば、5分間隔といった一定の時間間隔で順に、決定した有線端末あるいは選択した有線端末に変更命令を発行することができる。なお、時間間隔は任意に設定可能で、3分間隔や10分間隔等であってもよい。
【0109】
命令発行部46が発行する変更命令は、インフラストラクチャー・モードに設定されている有線端末の通信モードをアドホック・モードへ変更させ、PAPとして機能させるための変更命令である。すでに、その有線端末がアドホック・モードに設定され、PAPとして機能している場合であっても、この変更命令を発行することができる。この場合、この命令を受けた有線端末は、すでにアドホック・モードであるため、モード変更を行わない。
【0110】
命令発行部46は、上記のアドホック・モードへの変更命令のほか、アドホック・モードに設定されている有線端末の通信モードをインフラストラクチャー・モードへ変更させ、非PAPにするための変更命令を発行することもできる。したがって、命令発行部46は、有線端末を一定の時間間隔でPAPから非PAPへ、また、非PAPからPAPへ切り替えることができる。
【0111】
この命令発行部46は、発行した変更命令を、TCP/IP等の適切なプロトコルを使用し、有線端末の端末識別情報としての端末名、MACアドレス、IPアドレスを使用して有線端末へ送信する。
【0112】
有線端末が変更命令を受けてモード変更し、PAPとして機能するようになると、情報受信部43は、無線端末から、PAPを識別するためのPAP識別情報とともに送信される電波強度の測定結果を受信する。そのとき、情報受信部43は、その測定結果を送信した無線端末の端末識別情報も受信する。情報受信部43は、この測定結果等を位置検出部45へ送り、位置検出部45が、その測定結果およびPAP識別情報を基に、PAPデータベース42を参照して、無線端末の位置を検出する。
【0113】
有線端末は、上述したように、1つずつ順に、もしくは複数が同時に、またはすべてが同時にPAPとして機能する。いずれにしろ、無線端末は、各PAPから発信される電波を、受信可能であれば受信し、その電波強度を測定する。
【0114】
管理サーバ11の情報受信部43は、無線端末が測定し、送信した測定結果を端末識別情報およびPAP識別情報とともに受信すると、位置検出部45へその測定結果等を送る。位置検出部45は、2以上のPAPから発信された電波の強度を測定した測定結果がある場合、電波強度の中で最も高い電波強度に対応するPAP識別情報を特定し、そのPAP識別情報を基にPAPデータベース42を参照し、そのPAP識別情報に対応付けられた位置情報を取得する。そして、位置検出部45は、取得した位置情報を、無線端末の位置情報とみなし、その位置情報を端末識別情報に対応付けて端末データベース40に記憶する。
【0115】
図5に示すAP範囲21内に存在する無線LAN接続され、無線通信を行う無線端末は、AP20を介して情報のやりとりを行うことから、AP範囲21内に存在するすべての無線端末を特定することができる。すなわち、AP範囲21内に、どういう端末識別情報を有する無線端末が存在するかを特定することができる。AP20を介して行う無線通信には、MACアドレス等の端末識別情報が使用されるためである。この端末識別情報は、情報受信部43がAP20との間で通信を確立し、AP20を介して取得することができる。
【0116】
PAPから発信される電波を受信可能な範囲が、AP範囲21を網羅する場合、管理サーバ11は、AP範囲21内に存在するすべての無線端末から測定結果等を受信し、その測定結果等から上述したようにして各無線端末の位置を検出し、その位置の位置情報を端末データベース40に記憶することができる。
【0117】
しかしながら、AP範囲21内に有線端末の数が少ない場合や、有線端末がAP範囲21内の特定の場所に偏っている場合、AP範囲21内に存在するすべての無線端末の位置を、上述したようにして検出することはできない。
【0118】
そこで、位置検出部45は、測定結果等が得られた無線端末につき、上述した方法でその位置を検出し、それ以外の無線端末については、以下の方法でその位置を検出する。すなわち、位置検出部45は、位置情報データベース41とPAPデータベース42とを参照し、AP範囲21内のすべてのPAPからの電波が受信不能な範囲に存在するブロックを決定する。
【0119】
管理サーバ11の情報受信部43が測定結果等を受信しなかった無線端末は、この電波が受信不能ないずれかのブロックに存在する。このため、電波が受信不能なブロックすべてを、この無線端末が存在する位置情報とすれば、この無線端末についてもその管理が可能となる。そこで、位置検出部45は、この位置情報を端末データベース40に記憶する。その際、仮の位置情報であることが分かるように、識別するための記号「?」等を付加して記憶する。
【0120】
図12(a)は、PAPから発信された電波を受信可能な範囲を、PAPを中心として円で描いた図である。図12(b)は、図12(a)を基に、各円内にあるブロックを、PAPからの電波を受信可能な範囲にあるブロックとし、円外にあるブロックを、電波が受信不能な範囲にあるブロックとして示した図である。図12(a)、(b)には、AP20のほか、PAP23、無線端末25が示され、図12(b)には、さらに、PAPからの電波を受信可能な範囲にあるブロック22を着色して示し、受信不能な範囲にあるブロック24を白色で示している。
【0121】
この着色したブロック22以外の白色で示されるブロック24のすべてが、電波が受信不能な範囲にあるブロックであり、このブロック24が1つでも含まれる階、エリアといった位置情報のすべてを仮の位置情報とし、そのすべての仮の位置情報が端末データベース40に記憶される。
【0122】
無線端末を新たに有線LANポートに接続した場合、その端末は、DHCPサーバ16からIPアドレスが割り当てられ、端末名やMACアドレス等の端末識別情報を管理サーバ11へ送信する。管理サーバ11の情報受信部43は、それを受信し、情報取得部44に指示し、情報取得部44が、端末識別情報を使用して問い合わせを行い、ハブから接続ポート番号といった接続口識別情報を取得する。
【0123】
管理サーバ11の情報取得部44は、端末識別情報および接続口識別情報を位置検出部45へ送る。位置検出部45は、位置情報データベース41を参照し、接続口識別情報を基に位置情報を取得して、命令発行部46に指示または命令発行を許可する。命令発行部46は、新しく有線LAN接続された端末をPAPとして機能させるために、当該端末に変更命令を発行する。その端末は、受信した変更命令を実行してPAPとして機能し、電波を発信する。位置検出部45は、新しくPAPとして機能する端末の端末識別情報をPAP識別情報とし、それを、図13に示すように、取得した位置情報と対応付けてPAPデータベース42に記憶する。
【0124】
無線端末が、新しいPAPからの電波を受信可能な範囲内にいれば、電波強度を測定した測定結果等を管理サーバ11へ送信する。そのとき、既にその無線端末の位置情報が得られている場合であっても、これまでに受信した測定結果等の履歴データを参照し、その新しいPAPが発信する電波の強度の方が高いかどうかを判定することができる。通常、同じエリアを示すと考えられるため、この判定は不要と考えられるが、異なるエリアを示す場合もないとは言えないので、この判定を実施することができる。この判定で、新しいPAPが発信する電波強度の方が高い場合、このPAPの位置情報をPAPデータベース42から取得し、この位置情報で端末データベース40を更新する。
【0125】
無線端末の位置情報が、仮の位置情報として端末データベース40に記憶され、新しくPAPとして機能させたことによってその無線端末が、その新しいPAPからの電波を受信可能な範囲内となった場合は、管理サーバ11は、その無線端末から測定結果等を受信し、その新しいPAPの位置情報をPAPデータベース42から取得し、図14に示すように、この位置情報で端末データベース40を更新する。そのとき、端末データベース40内のその無線端末の仮の位置情報およびブロック情報はすべて消去される。これらの情報は不要になるからである。
【0126】
PAPが追加されると、図15に示すように、AP範囲21内のすべてのPAP23からの電波を受信可能な範囲が拡大される。このため、位置検出部45は、この新しいPAP23aからの電波を受信可能な範囲を含むすべてのPAP23からの電波を受信可能な範囲を構成するブロック22のブロック情報を削除し、残ったブロック24のブロック情報およびそのブロックを含む階、エリアといった位置情報へ端末データベース40の内容を変更する。
【0127】
位置通知部47は、端末データベース40を参照し、仮の位置情報が登録されている無線端末に対し、その無線端末の端末識別情報を使用してその仮の位置情報を通知し、実際に配置されている位置の位置情報の入力を促す。仮の位置情報の通知は、メッセージやマップ・データとして送信し、表示させることにより実施することができる。好ましくは、その無線端末の画面にダイアログ・ボックスで表示させたり、デジタル・サイネージやビル管理システムのマップ等に表示させることができる。
【0128】
情報取得部44、位置検出部45、命令発行部46および位置通知部47は、通信インタフェース、および管理サーバ11が備える記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサにより読み出し実行することにより実現される。
【0129】
図16は、管理サーバ11が行う処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ1600から処理を開始し、ステップ1605において、有線端末から端末名、MACアドレス、IPアドレスを含む端末識別情報を受信する。そして、情報取得部44が、ハブが保持する対応テーブルを参照し、接続ポート番号といった接続口識別情報を取得する。情報取得部44は、これらの情報を位置検出部45へ送る。
【0130】
ステップ1610では、位置検出部45は、位置情報データベース41を参照し、接続口識別情報を基に有線端末の位置情報を取得する。そして、位置検出部45は、この取得した位置情報をPAPデータベース42に記憶する。この情報は、上述したように、端末データベース40や別途設けられる第2の端末データベースに記憶することもできる。また、位置検出部45は、命令発行部46に対し、有線端末へ変更命令を発行するように指示あるいはその発行を許可する。
【0131】
ステップ1615では、位置検出部45からの指示あるいは命令発行の許可を受けて、命令発行部46が、その有線端末をPAPとして機能させるため、変更命令を発行する。その有線端末は、変更命令を受信すると、それを実行し、モードの設定を切り替える。そして、他の端末と個々に通信を行うため、電波を発信する。その電波を受信可能な範囲内にいる無線端末は、その電波の強度を測定し、その測定結果を管理サーバ11へ送信する。この電波には、PAPを識別するためのPAP識別情報が付加されている。したがって、無線端末は、電波を発信したPAPを特定するためのPAP識別情報と、測定結果を送信する無線端末を特定するための自己の端末識別情報とを測定結果とを、その測定結果とともに管理サーバ11へ送信する。
【0132】
ステップ1620では、管理サーバ11は、測定結果等を受信する。そして、ステップ1625で、受信した測定結果等を用い、PAPデータベース42を参照して、無線端末の位置情報を取得する。ステップ1630では、すべての無線端末の位置情報を取得したかが判定される。ここで言うすべての無線端末とは、1つのAP20を介して無線通信を行うことができるAP範囲21内に存在するすべての無線端末である。
【0133】
これらすべての無線端末は、端末識別情報を用い、AP20を介して通信を行うので、情報受信部43は、AP20との間で通信を行い、すべての無線端末の端末識別情報を取得することができる。この端末識別情報を用い、上記ステップ1630の処理を実行することができる。なお、ステップ1630の処理は、位置検出部45が行うことができるが、別途、判定部を設け、その判定部により判定処理を実行させることができる。
【0134】
すべてを取得していないと判定された場合、ステップ1635へ進み、すべてを取得したと判定された場合、ステップ1640へ進む。ステップ1635では、上述したようにしてPAPからの電波が受信不能な範囲内にあるブロックを決定し、決定したブロックを含む階、エリアといった位置情報のすべてを仮の位置情報として取得する。
【0135】
ステップ1640では、取得した位置情報、仮の位置情報を、各無線端末の位置情報として、端末識別情報とともに、端末データベース40に記憶する。そのとき、仮の位置情報には、上記の決定したブロックのブロック情報も対応付けて記憶される。その後、ステップ1645で、新たに有線LAN接続された端末があるかが判定される。ある場合は、ステップ1605へ戻り、ステップ1605〜ステップ1645の処理を繰り返す。ない場合は、ステップ1650へ進み、この処理を終了する。
【0136】
上記の処理は、他にAP範囲があれば、そのAP範囲に対しても実施することができる。上記では、測定結果を、いずれのPAPの位置情報を採用するか判断するために用いているが、その測定結果を用い、図2に示す関係から、PAPからの距離を計算し、その距離に相当するブロックを、その無線端末の位置として検出することも可能である。これにより、より正確な位置を検出することができる。
【0137】
位置通知部47は、PAPからの電波が受信不能な範囲内にある無線端末に対し、その無線端末が存在する位置の位置情報として位置検出部45が決定した仮の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すことができる。この位置通知部47が通知した仮の位置情報を表示する無線端末の画面の一例を、図17に示す。
【0138】
位置通知部47は、一定時間が経過した場合等のポリシーに基づき、PAPからの電波が受信不能である場合に、端末データベース40を参照し、その無線端末の端末識別情報を使用して、その無線端末へ仮の位置情報を通知することができる。図17では、画面の通知領域にダイアログ・ボックス50を表示させ、そのダイアログ・ボックス50内に2つの仮の位置およびその他という場所を示す文字を表示させ、どこにいるかを問うメッセージも表示させている。
【0139】
図18に、位置通知部47が通知した仮の位置情報を表示する無線端末の画面の別の例を示す。図18では、文字ではなく、AP範囲21がマップ表示され、複数のブロックに分割され、PAPからの電波を受信可能な範囲内にあるブロック22を着色して示し、電波が受信不能な範囲内にあるブロック24を白色で示している。また、図18には、AP20も示されている。
【0140】
その無線端末を所持するユーザは、図17に示す表示の場合、適切な位置をクリックやタッチして選択することにより、また、その他を選択し、具体的な位置情報を入力することにより、実際の位置情報を入力して管理サーバ11へ返信することができる。管理サーバ11は、その位置情報を受け付け、端末データベース40のその無線端末の仮の位置情報を、受け付けた位置情報へ変更し、端末データベース40を更新することができる。
【0141】
また、図18に示す表示の場合、仮の位置情報である白色で示されたブロックの1つを選択することにより、実際の位置情報を入力して管理サーバ11へ返信することができる。この場合も同様にして、端末データベース40を更新することができる。
【0142】
図17や図18では、仮の位置情報を候補として表示しているが、メッセージのみを表示することも可能である。図17および図18は、通知する内容を例示したものであり、これらに限定されるものではない。
【0143】
端末13〜15を使用するユーザは、会議等がある場合、その端末13〜15を所有して移動する。このため、端末13は、LANケーブルを外されて無線LAN接続モードとなり、その位置も変わり、端末14、15も、その位置が変わることになる。
【0144】
しかしながら、位置管理システムは、命令発行部46が一定時間間隔で変更命令を発行し、有線端末をPAPとして機能させることにより位置検出処理を行うため、その一定時間間隔で端末データベース40やPAPデータベース42を更新して、最新の情報に管理することができる。なお、この時間間隔は、任意に設定することができる。
【0145】
この位置管理システムは、GPS衛星からの電波が届かない屋内であっても、各端末の位置を容易に検出することができ、その管理を正確、簡便に実施することを可能にする。このため、各種の位置情報を用いたサービスに適用することを可能にし、人を探す際に、その人が携帯する端末の位置を容易に検出して、その人が現在いる場所を特定することができる。
【0146】
近年、地球温暖化の問題から節電が呼びかけられ、企業等においても節電が進められてきており、このような端末の位置を検出することで、どの場所に人がいないかを見つけ、その場所については消灯する等して節電効果を高めることができる。また、人が少ない場所については冷暖房を弱め、点灯する蛍光灯の数を減少させて節電効果を高めることができる。
【0147】
本発明では、すべての端末の大まかな位置を検出することができるので、どの場所に人が密集し、どの場所には人がいないかを知ることができ、節電のために片寄せしたり、適切に空調の調節を行うことが可能となる。
【0148】
また、PAPとして利用する端末から送信される電波は、実際の通信に使用されるものではないため、エージェント手段の制御により強度を自由に設定することができる。このため、PAPが発信する電波の電波強度をあえて小さくし、壁やフロアによる減衰を利用して、無線端末が同じフロアや部屋にあるPAPからの電波を受信するようにして、当該無線端末が存在するフロアや部屋を特定しやすくすることができる。
【0149】
端末を有線LAN接続する場合、有線LANポートにLANケーブルを差し込んで利用することになるが、LANケーブルが接続された端末は、デスク上に置かれることが多いことから、PAPとして設定する場合、PAPのすべてがデスクの高さhにあると仮定することができ、これにより、位置情報をx座標とy座標の二次元座標として容易に特定することができる。従来では、4つのアクセス・ポイントからの電波強度を測定し、上記式1に示したように4つの式からなる連立方程式を解く必要があるが、本発明では、高さがhと一定であることから、3つのPAPからの電波強度を測定し、3つの式からなる連立方程式を解くだけで、正確な位置座標を求めることができる。
【0150】
また、無線LAN接続の場合は、インフラストラクチャー・モードに設定し、APを利用した既存の無線LANネットワークによる通信が可能であり、端末が備える無線LANアダプタといった既存のハードウェアを使用し、新規のハードウェアの追加なしに実現することが可能である。さらに、PAPの位置情報から端末の位置を推定することができるため、APの位置情報を予め登録し、管理する作業が不要となる。
【0151】
これまで、本発明の位置検出装置、位置管理システムおよび位置検出方法について、図面を参照して詳細に説明してきたが、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0152】
また、コンピュータを位置検出装置として機能させ、位置検出方法を実行させるためにそのコンピュータにより読み取り可能なプログラムを提供することができる。このプログラムは、フレキシブル・ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、SDカード、HDD等の記録媒体に格納して提供することもできるし、アプリケーション・サーバ等が保持し、ダウンロード要求に応じて提供することも可能である。
【符号の説明】
【0153】
1〜5…ノートPC、10…有線LAN、11…管理サーバ、12…AP、13…端末(有線端末)、14、15…端末(無線端末)、16…DHCPサーバ、20…AP、21…AP範囲、22…ブロック、23…PAP、24…ブロック、25…無線端末、30…接続判定部、31…端末情報送信部、32…通信モード変更部、33…電波発信部、34…電波強度測定部、35…測定結果送信部、40…端末データベース、41…位置情報データベース、42…PAPデータベース、43…情報受信部、44…情報取得部、45…位置検出部、46…命令発行部、47…位置通知部、50…ダイアログ・ボックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信端末の位置を検出する装置、その装置と複数の情報通信端末とを含む位置管理システム、位置検出方法およびその方法を実行するためのプログラムに関し、より詳細には、有線LAN接続された情報通信端末を、擬似的なアクセス・ポイント(PAP)として利用し、そのPAPの位置から無線通信を行う情報通信端末の位置を検出する装置、その装置と複数の情報通信端末とを含む位置管理システム、その位置を検出する方法およびその装置に実行させるためのコンピュータ可読なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC等の持ち運び可能な情報通信端末の普及に伴い、各人がこれらの情報通信端末を常時携帯するようになってきている。これらの情報通信端末には、GPS(Global Positioning System)機能が実装されるようになってきており、このGPS機能を利用して取得した位置情報を用いたサービスが数多く提供されている。このようなサービスとしては、自分がいる場所を地図上に表示するサービスや、目的の場所までの道のりを案内するサービス等がある。
【0003】
基地局セル情報や、GPSから得られる情報等に基づいて、移動体端末の位置情報を取得し、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、PDC(Personal Digital Cellular)、CDMA2000等の長距離無線ネットワークを用いてサーバに位置情報を登録する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、利用コストが高く、GPSでは屋内の位置計測を行うことができない場合があり、また、オフィス・レイアウト等を考慮した位置計測を行うことが困難であるという問題があり、簡易で、かつ安価で、屋内でも位置計測を行うことができ、また、オフィス・レイアウト等を考慮した位置計測を行うことができる技術が望まれている。
【0004】
近年、近距離無線通信システムの1つである無線LAN(Local Area Network)が市場に広く普及してきている。この無線LANを活用し、簡易で、かつ安価に情報通信端末の位置情報を取得する技術が提案されている(例えば、特許文献2〜6参照)。
【0005】
また、測位用アクセス・ポイントを設置し、無線LAN強度を用いて位置情報の検出精度を向上させる技術も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この技術は、GPSが利用できない屋内空間に位置特定インフラとしてのみ機能する無線LANアクセス・ポイントを配置し、その無線LANアクセス・ポイントからは、測位に必要なビーコン送信のみを行い、電波エリアを狭く、細かくすることで、低コストで、かつ検出精度の向上を実現している。
【0006】
さらに、アドホック・モードにおいて、位置情報が、既知の端末から位置情報を乗せたパケットをビーコン・パケットとしてアドホック・ネットワーク内に送信し、受信したモバイル・ノードが到達までのホップ数等から、その位置を推定する技術も提案されている(例えば、非特許文献2、3参照)。この技術は、GPSを利用して絶対位置を取得した端末が、自身の位置情報を近隣端末に広告し、位置範囲を推定する端末が、広告された情報とGPSから自身までのホップ数をパラメータとし、自身の位置範囲を推定している。
【0007】
これまでに知られた無線電波を利用した距離を推定する技術として、RSSI(Received Signal Strength Indication:受信信号強度)方式と呼ばれるものがある。この方式では、距離と電波強度減衰の関係を用い、位置を推定する対象(エンド・ポイント)が受信した電波の強度から、電波を発生させたノードとの距離を推定する。この技術を、図1を参照して説明する。
【0008】
図1では、エンド・ポイントとなるノートPC1が、三次元位置を表す座標(xEst,yEst,zEst)にあり、ノートPC1に近隣して電波を発生させるノードである4つのノートPC2、3、4、5が、それぞれ座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)、(x4,y4,z4)にあり、それらとノートPC1との距離が、それぞれr1、r2、r3、r4とされている。
【0009】
実際にノートPC2〜5からの電波強度をノートPC1で測定し、p1、p2、p3、p4という値が得られたとする。これを距離との関係で表すと、図2に示すような図となる。この図2から、電波強度は、距離に反比例することがわかる。
【0010】
この方式では、エンド・ポイントと複数のノードとの間の距離をそれぞれ推定し、それらの距離および各ノードの位置情報を用い、エンド・ポイントの三次元位置座標(xEst,yEst,zEst)を、次の連立方程式を用いて算出することができる。
【0011】
【数1】
【0012】
それとは別の技術として、TDoA(Time Difference of Arrival:到達時間差)方式と呼ばれるものもある。この方式では、電波を発生させるノードの電波送信時刻と、エンド・ポイントの電波受信時刻の時間差を計測し、その時間差と電波の伝送速度から両者間の距離を算出する。
【0013】
図1に示す構成で、ノートPC2〜5から電波を送信した時刻と、ノートPC1でその電波を受信した時刻とから時間差t1、t2、t3、t4を求める。これを距離との関係で表すと、図3に示すような図となる。この図3から、時間差は距離に比例することがわかる。
【0014】
この方式も、エンド・ポイントと複数のノードとの間の距離をそれぞれ推定し、それらの距離および各ノードの位置情報を用い、エンド・ポイントの三次元位置座標(xEst,yEst,zEst)を、上記式1と同様の連立方程式を用いて算出することができる。
【0015】
しかしながら、上記の無線LANを利用したシステムおよび方法では、端末装置、電波傍受端末、無線LANアクセス・ポイントを、事前に適切な位置に配置し、その位置情報の登録が必要である。
【0016】
また、RSSI方式を適用してエンド・ポイントの位置情報を取得する場合、距離と電波強度減衰の関係を予め取得し、モデル化しておかなければならない。三次元位置座標として推定するためには、最低3台のノードが必要で、しかも、それらのノードの三次元位置座標を事前に登録し、各ノードでその情報を管理しなければならない。
【0017】
TDoA方式を適用してエンド・ポイントの位置情報を取得する場合も、最低3台のノードが必要で、それらのノードの三次元位置座標を事前に登録し、各ノードでその情報を管理しなければならない。また、各ノードとエンド・ポイントの時刻の同期が必須である。
【0018】
本出願人は、上記問題に鑑み、適切な数の端末装置等を事前に適切な位置に配置したり、各端末装置等の位置情報を事前に登録することなく、無線通信を行う情報通信端末の位置情報を推定することができる技術を提案している(特許文献7参照)。
【0019】
この技術では、オフィスのDHCPネットワーク環境化において、無線通信を行っていた情報通信端末が有線LANポートに接続された場合に、その情報通信端末がDHCPサーバによって割り当てられたIPアドレスから、ビル、フロア、エリアというその情報通信端末が存在する場所を特定する。その情報通信端末が備える無線LANアダプタを動的にアドホック・モードに変更し、その情報通信端末を擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させる。
【0020】
位置を調べる対象の無線通信を行う情報通信端末は、PAPとして機能させた情報通信端末から発信される電波を受信し、その電波強度を測定し、その結果とPAPを識別する識別情報を管理サーバへ送信する。管理サーバは、受信した結果および識別情報から、どのPAPに最も近いかを判断して、最も近いPAPが存在する場所(ビル、フロア、エリア)を、その無線通信を行う情報通信端末が存在する場所として推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2002−186012号公報
【特許文献2】特開2007−104245号公報
【特許文献3】特許第4558639号公報
【特許文献4】特開2008−288727号公報
【特許文献5】特許第4113219号公報
【特許文献6】特表2010−509571号公報
【特許文献7】特願2011−1644359号
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】岡龍太、外3名、“位置特定インフラ専用無線LANアクセスポイントの試作と測位精度制御の検討評価”、[online]、平成23年3月2日、情報処理学会、[平成23年5月27日検索]、インターネット<URL:http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/taikai/73kai/73program/data/pdf/3W-4.html>
【非特許文献2】岩谷晶子、外3名、“ごましお:アドホックセンサネットワークにおけるノード位置決定方式”、[online]、平成13年11月15日、CiNii、[平成23年5月27日検索]、インターネット<URL:http://ci.nii.ac.jp/naid/110002937796>
【非特許文献3】佐藤雅幸、外3名、“アドホックネットワークにおける推定精度を考慮した位置範囲推定法”、[online]、平成16年3月5日、CiNii、[平成23年5月27日検索]、インターネット<URL:http//ci.nii.ac.jp/naid/110002664571>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
オフィス等のフリーアドレス空間では、上記PAPを利用しても位置を検出することができないような場所に存在する情報通信端末については、その情報通信端末の管理を行うことはできない。その情報通信端末の位置がわからないからである。
【0024】
また、オフィスで有線LAN接続しているユーザが少なく、PAPとして機能させる情報通信端末が少ない場合、位置を検出することができる情報通信端末の数は少なくなる。これでは、検出できなかった多くの情報通信端末の管理を行うことができない。
【0025】
無線通信を行うすべての情報通信端末の管理を行うことができるように、それらの情報通信端末の大まかな位置でも検出することができれば、どの場所に人が密集し、どの場所には人がいないかを知ることができ、節電のために片寄せしたり、適切に空調の調節を行うことが可能となる。したがって、無線通信を行うすべての情報通信端末の大まかな位置でも容易に検出することができ、すべての情報通信端末の管理を正確かつ簡便に行うことができる装置等の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、上記課題に鑑み、有線ネットワークに接続され、アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出するための位置検出装置が提供される。この装置は、APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行する命令発行部と、上記の複数の情報通信端末からAPを介して端末識別情報を受信するともに、1以上のPAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する、上記複数の情報通信端末のうち1以上の第1の情報通信端末から、各第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各PAP識別情報とともに受信する情報受信部とを含む。
【0027】
また、この装置は、有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、各PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、各第1の情報通信端末につき、各PAP識別情報に対応する各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、AP範囲内で、かつ第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定することにより複数の情報通信端末の各々の位置を検出する位置検出部を含む。
【0028】
このように、PAPから発信させたキャリア波を受信可能な範囲(第1の範囲)内にない第2の情報通信端末について、その範囲外の第2の範囲を、第2の情報通信端末が存在する位置として検出する構成を採用することで、有線ネットワークに接続される情報通信端末が増加すれば、PAPが増加して第2の範囲が狭まることから、第2の情報通信端末の位置も比較的精度良く検出することができ、また、位置の検出も上記のように容易であることから、無線通信を行う複数の情報通信端末の管理を正確かつ簡便に行うことが可能となる。
【0029】
命令発行部は、無線通信を行う情報通信端末が有線ネットワークに接続されたことに応答して、その情報通信端末へ上記の変更命令を発行し、新しくPAPとして機能させる。位置検出部は、その新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を第1の情報通信端末とし、第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を第2の情報通信端末とし、第2の範囲から第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定する。この処理は、情報通信端末が新しく有線ネットワークに接続される毎に行われる。
【0030】
また、この装置は、PAPによりその位置が検出できない第2の情報通信端末に対し、その第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された第2の範囲の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す位置通知部をさらに含むことができる。その位置情報の入力を受け付けることができれば、より正確にその情報通信端末の管理を行うことが可能となる。
【0031】
上記のデータは、予めAP範囲を複数のブロックに分割し、各接続口に情報通信端末を接続してPAPとして機能させた場合の第1の範囲をブロックで表したブロック情報をさらに含むことができる。AP範囲を、より狭い範囲の複数のブロックに分けることで、より正確かつ簡便に位置を検出し、管理することが可能となる。この場合、上記の位置検出部は、第2の情報通信端末につき、そのデータを参照し、AP範囲を構成する複数のブロックのうち、第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、第2の範囲を構成するブロックと決定する。
【0032】
この装置は、各情報通信端末を管理するために、接続口識別情報と接続口の位置情報とブロック情報とを対応付けたデータを記憶した位置情報データベース、端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベース、PAP識別情報とPAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースを管理する。これらのデータベースは、この装置の外部に存在していてもよいし、内部に実装されていてもよい。外部に存在する場合は、直接通信ケーブルで接続されていてもよいし、有線ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0033】
位置検出部は、PAPとして機能させる情報通信端末の端末識別情報をPAP識別情報としてPAPの位置情報と対応付けてPAPデータベースに記憶する。このPAPデータベースは、情報受信部が1つの第1の情報通信端末から2以上のキャリア波の強度を測定した測定結果をPAP識別情報とともに受信した場合、位置検出部が参照して、2以上の測定結果およびPAP識別情報からキャリア波の強度が最も高いPAP識別情報を特定した後、そのPAP識別情報に対応する位置情報を取得するために用いられる。
【0034】
端末データベースは、位置検出部が取得した位置情報を、第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて記憶し、また、位置検出部が決定した第2の範囲を構成するブロックのブロック情報を、第2の情報通信端末の端末識別情報とその第2の範囲から特定される位置情報とを対応付けて記憶し、これらの情報により各情報通信端末を管理するために用いられる。
【0035】
また、端末データベースは、第2の情報通信端末についてブロック情報を含むが、新たに機能させたPAPによってキャリア波を検出することができるようになると、そのPAPの位置をその情報通信端末の位置として検出することができるため、検出された位置の位置情報へ書き換えられるとともに、第2の範囲を構成するブロックのブロック情報として記憶されていた該ブロック情報は消去される。
【0036】
命令発行部は、一定時間間隔で変更命令を発行し、有線ネットワークに接続された情報通信端末をPAPとして機能させる。これにより、移動する情報通信端末の位置を更新して、最新の情報に管理することができる。
【0037】
本発明では、この位置検出装置のほか、この装置と複数の情報通信端末とを含む位置管理システム、この装置により実行される位置検出方法も提供することができ、この方法は、この装置が備える各部により行われる各処理ステップを含むものとされる。また、この方法は、コンピュータ可読なプログラムにより実現することができ、このプログラムは、ダウンロードにより、また、記録媒体に格納して提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従来の無線電波を利用して位置を推定する技術において採用されているシステム構成を例示した図。
【図2】各ノードからエンド・ポイントが受信した電波強度と、各ノードとエンド・ポイントの距離との関係を示した図。
【図3】各ノードが電波を送信した時刻とエンド・ポイントがその電波を受信した時刻の時間差と、各ノードとエンド・ポイントの距離との関係を示した図。
【図4】本発明の位置検出装置としての管理サーバと、該管理サーバにより管理される複数の端末とを含む位置管理システムの構成を示した図。
【図5】PAPとして機能させた端末からの電波を受信可能な範囲をブロックで示した図。
【図6】管理サーバが管理する位置情報データベースを例示した図。
【図7】管理サーバが管理するPAPデータベースを例示した図。
【図8】管理サーバが管理する端末データベースを例示した図。
【図9】端末の機能ブロック図。
【図10】管理サーバへ送信されるPAP識別情報および測定結果を例示した図。
【図11】管理サーバの機能ブロック図。
【図12】PAPからの電波を受信可能な範囲を円形で示した図と、その範囲をブロックで示した図。
【図13】更新されたPAPデータベースを例示した図。
【図14】更新された端末データベースを例示した図。
【図15】追加されたPAPにより電波を受信可能な範囲が拡大したところを示した図。
【図16】管理サーバが行う処理の流れを示したフローチャート。
【図17】無線端末の画面に表示された仮の位置情報の1つの例を示した図。
【図18】無線端末の画面に表示された仮の位置情報の別の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を図面に示した具体的な実施の形態に沿って説明するが、本発明は、後述する実施の形態に限定されるものではない。企業は、一般に、ビル内でLANにより小規模ネットワークを構築し、遠隔地にある工場、支店、関連会社等が構築した小規模ネットワークに、インターネット、広域イーサーネット、WAN(Wide Area Network)等を介して接続することにより、社内ネットワーク環境を構築している。
【0040】
本発明の位置検出装置と複数の情報通信端末(以下、単に端末といい、特に、有線LAN接続された端末を有線端末、無線LAN接続され、無線通信を行う端末を無線端末という。)とを含む位置管理システムは、好適な例として、このような社内ネットワーク環境で使用される。
【0041】
このシステムには、複数の端末が含まれるが、各端末には、エージェント・プログラムと呼ばれるプログラムがインストールされる。各端末は、このエージェント・プログラムを実行することによりエージェント手段として機能する。エージェント手段は、無線通信を行う自身の位置を検出させるために、後述するキャリア波に付加されたPAP識別情報を、キャリア波の強度を測定した測定結果および自身の端末識別情報とともに送信する。また、エージェント手段は、無線通信を行う他の端末の位置を検出させるために、後述するPAPとして機能する。
【0042】
位置検出装置は、GPS受信機から位置情報を受け付けることもなく、APの位置情報を予め登録し、管理することもない。この位置検出装置は、無線端末から上記の端末識別情報と少なくともPAP識別情報を受信し、そのPAP識別情報を用いてその無線端末の位置を検出し、有線端末をPAPとして機能させるために命令を発行する。また、この位置検出装置は、PAPの位置情報や無線端末の位置情報を登録し管理する。このため、本実施形態では、この位置検出装置を管理サーバとして参照する。
【0043】
まず、図4を参照して、位置管理システムの構成について説明する。図4に示すシステム構成では、有線LAN10に接続される管理サーバ11、AP12、有線端末13と、AP12との間で無線LAN接続され、無線通信を行う無線端末14、15とを含んで構成されている。管理サーバ11、AP12、有線端末13は、互いにネットワーク・ケーブルにより接続され、これにより、有線ネットワークを構築していてもよい。このように、位置管理システムは、管理サーバ11、AP12、端末13〜15、DHCPサーバ16といった通常の通信システムを構成する機器以外の追加のハードウェアを必要としない。
【0044】
有線LAN10には、この有線LAN10に接続された機器に対し、ネットワーク・アドレスとしてのIPアドレスを自動的に割り当てるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)ネットワーク環境とするべく、DHCPサーバ16が接続される。なお、このDHCPサーバ16の機能を管理サーバ11が備え、DHCPサーバ16を省略することも可能である。また、DHCPネットワーク環境にする必要がなければ、DHCPサーバ16を用いなくてもよい。
【0045】
図4には、1つの有線LAN10のみが示されているが、複数の有線LANがルーター等により相互に接続されたネットワーク構成であってもよく、インターネット等の広域ネットワークを介して相互に接続されたネットワーク構成であってもよい。端末を有線LAN接続するために、ビル内の各階の各エリアには、複数の有線LANポートが設けられる。
【0046】
これらの有線LANポートは、有線LAN10に集線装置であるハブを介して相互に接続される。各有線LANポートは、ハブの接続ポート番号といった接続口を識別するための接続口識別情報によって識別可能とされる。ハブは、接続ポート番号と、この接続ポートを利用して通信を行う端末のMAC(Media Access Control)アドレスといった端末識別情報とを対応付けた対応テーブルを保持しており、その対応テーブルを参照して、適切な接続ポートへデータ等を送信するように構成されている。
【0047】
管理サーバ11は、無線端末14、15の位置情報を記憶するための端末データベースと、接続口識別情報とその位置情報とを対応付けたデータを記憶した位置情報データベースと、有線端末13をPAPモードに設定した際に当該有線端末13の位置情報を記憶するためのPAPデータベースとを管理し、これらのデータベースを使用して、無線端末の位置を検出し、その位置情報を登録して無線端末14、15を管理する。
【0048】
この処理を実現するために、好適な例では、図5に示すようにAP20の電波が届く範囲であるAP範囲21を複数のブロック22に分割し、PAP23から発信されるキャリア波の一例である電波を受信可能な範囲を予め測定し、または履歴データを使用してその範囲を決定しておく。通常、AP範囲21は、AP20を中心とした円で表される範囲であるが、図5では、説明を容易にするために、AP20が左上に配置され、AP20の右側および下側の範囲のみがAP範囲21とされている。
【0049】
図5では、無線端末が電波を受信することができる範囲内にあるブロックを、区別可能にするために着色して示している。ここでは、説明を容易にするために、AP範囲21を矩形とし、一辺が任意の長さとされた正方形のブロック22に分割しているが、これに限定されるものではない。また、このようなブロック単位で分割することに限らず、フロア単位で分割することも可能である。
【0050】
上記範囲は、例えば、PAP23の電波の送信出力を50%とした場合にその電波を受信可能な範囲や、PAP23の電波の送信出力を100%にし、無線端末が感度30%以上で受信可能な範囲等とすることができる。この範囲は任意に決定することができ、送信出力を60%としたり、感度20%以上とすることも可能である。
【0051】
このような範囲をブロックで表したブロック情報は、有線LANポートを識別するための接続口識別情報と対応付けて位置情報データベースに記憶される。なお、各ブロック22には、ブロックを識別するための情報として数値等が割り当てられ、その数値等がブロック情報として用いられる。
【0052】
具体的には、左上にあるAP20が配置されているブロックには、第1列で第1行にあることから「1−1」という値が割り当てられる。PAP23が存在するブロックには「3−7」が割り当てられ、PAP23からの電波が届く範囲のその他のブロックにはそれぞれ「1−7」、「2−6」、「2−7」、「2−8」、「3−5」、「3−6」、「3−8」、「3−9」、「4−6」、「4−7」、「4−8」、「5−7」が割り当てられる。
【0053】
位置情報データベースとしては、図6に示すようなテーブルとして構成し、接続口識別情報およびブロック情報を記憶することができる。したがって、このテーブルには、接続口識別情報を入力するための接続口フィールドと、ブロック情報を入力するためのブロック・フィールドとが設けられる。
【0054】
有線LANポートの位置は、予め決められており、その有線LANポートを識別するための接続口識別情報と、その有線LANポートが存在するビル、フロア、エリアといった位置情報とは対応付けが可能である。このため、テーブルには、さらに、ビルを識別する情報を入力するためのビル・フィールドと、そのビルの階を識別する情報としてフロアを入力するためのフロア・フィールドと、その階のエリアを識別する情報としてエリアを入力するためのエリア・フィールドとが設けられる。
【0055】
位置情報データベースは、位置情報を含むことにより、有線端末13が接続された有線LANポートに対応する接続口識別情報を基に、その有線端末13の位置を特定することが可能とされる。図6では、接続口識別情報「HUB-15FW-Port0」である有線端末は、ブロック情報として「1−7」、「2−6」、「2−7」、…を有し、「Tokyo」というビル名、「15F」という階数、「West」というエリアに存在していることを示している。
【0056】
管理サーバ11は、位置情報データベースを参照して、有線端末13の位置情報を取得することができる。すなわち、管理サーバ11は、有線端末13から取得した端末識別情報を基に、その有線端末13が接続されるハブの対応テーブルを参照し、有線端末13の端末識別情報に対応する接続口識別情報を取得し、その後、その接続口識別情報を基に、位置情報データベースを検索することにより取得する。
【0057】
管理サーバ11は、その有線端末13に対し、変更命令を発行し、PAPとして機能させることができる。そのとき、管理サーバ11は、PAPを識別するためのPAP識別情報と、上記のようにして取得したPAPとなる有線端末13の位置情報とを対応付けてPAPデータベースに記憶する。
【0058】
PAPデータベースとしては、図7に示すようなテーブルとして構成し、PAP識別情報および位置情報を記憶することができる。したがって、このテーブルには、PAP識別情報としてMACアドレスを入力するためのMACアドレス・フィールドと、位置情報を入力するためのビル・フィールド、フロア・フィールド、エリア・フィールドとが設けられる。
【0059】
位置情報データベースには、この位置情報に接続口識別情報も含まれており、PAPデータベースは、この接続口識別情報も対応付けて記憶することが可能である。図7に示すPAPデータベースには、この接続口識別情報を入力するための接続口フィールドも設けられている。
【0060】
図7では、「00-1F-AA-12-34」というMACアドレスをもつ有線端末がPAPとして設定され、その有線端末がOsakaビルの2階の東のエリアに存在し、HUB-15FWというハブのPort0という接続ポート番号に接続されていることを示している。
【0061】
図7では、PAPとして機能する有線端末を識別するためにMACアドレスを用いているが、端末名や、端末名とMACアドレスの両方を用いることも可能である。また、PAPデータベースは、ブロック情報をさらに対応付けて記憶することも可能である。これにより、エリアのより詳細な場所を特定することが可能である。すなわち、そのエリアを構成するブロックの中心にあるブロックが、PAPが存在するブロックとして特定できるからである。
【0062】
管理サーバ11は、PAPとして機能させた有線端末13が電波を発信し、それを受信した、例えば無線端末14から端末識別情報と、そのPAPのPAP識別情報と、電波強度の測定結果とを受信する。これにより、PAPからの電波を受信可能な範囲内にその無線端末14が存在することを検出することができる。その無線端末14が1つのPAPからしか電波を受信できない場合、管理サーバ11は、無線端末14が測定した測定結果を受信しなくてもよい。それは、そのPAP以外に近隣するPAPが存在しないため、測定結果を用いていずれが近いかを判断する必要がないからである。
【0063】
管理サーバ11は、PAPからの電波を受信可能な範囲内にその無線端末14が存在することを検出すると、そのPAPに近隣する位置にその無線端末14が存在することを理解する。そして、管理サーバ11は、そのPAPの位置を無線端末14の位置とみなし、そのPAPの位置の位置情報を無線端末14の位置情報として端末データベースに記憶する。管理サーバ11は、その位置情報を記憶する際、無線端末14の端末識別情報と対応付けて記憶する。その後、管理サーバ11は、この端末データベースを用いて、無線端末14を管理する。
【0064】
端末データベースとしては、図8に示すようなテーブルとして構成し、無線端末の位置情報を記憶することができる。このテーブルは、無線端末を識別する端末識別情報としての端末名を入力するための端末名フィールドと、ビル・フィールドと、フロア・フィールドと、エリア・フィールドと、ブロック・フィールドとを含む。図8には、無線端末の位置情報として「モバイル端末2」という端末名と、位置情報としての「tokyo」というビル名、「16F?」という階数、「East?」というエリア、「1−1」、「1−2」、…というブロック情報が各フィールドに入力されている。
【0065】
端末識別情報としては、端末名のほか、端末を一意に識別するMACアドレス等を用いることも可能であり、端末名とMACアドレスの両方を用いることも可能である。本発明では、PAPからの電波を受信可能な範囲内に存在する無線端末については、電波を受信可能な範囲外の受信不能な範囲に存在することから、その受信不能な範囲の位置情報を仮の位置情報として端末データベースに記憶する。
【0066】
図8中、「16F?」や「East?」の「?」という記号は、仮の位置情報であることを表すものである。「?」は1つの例であり、仮の位置情報であることを表すために、これ以外のいかなる記号でも用いることが可能である。また、記号でなくとも、別フィールドの真偽値といったように、この装置が仮の位置情報であることを認識することができるものであればいかなるものであってもよい。なお、仮の位置情報は、APからの電波を受信可能なAP範囲内にある階、エリアのうち、そのAP範囲内にあるすべてのPAPから発信される電波が受信不能な範囲を含む階、エリアのすべての情報である。
【0067】
仮の位置情報は、位置が1つに定まらないことから、図8に示すように、同じ「モバイル端末2」について、2つの以上の位置情報が「?」を付加して記憶されることになる。その後、新しく機能するPAPにより位置情報が1つに定まると、仮の位置情報およびブロック情報は消去され、定まった1つの位置情報へ変更され、端末データベースが更新される。
【0068】
上述したような処理は、その処理を実行するためのアプリケーションを記憶する記憶装置と、その記憶装置からアプリケーションを読み出し、処理を実行するプロセッサと、有線LAN10に接続するための通信インタフェースとを備える構成により実現することができる。このため、管理サーバ11は、これらの記憶装置、プロセッサ、通信インタフェースを備える構成とされる。
【0069】
管理サーバ11は、記憶装置に適切なOS(Operating System)を記憶し、OSによる制御の下、上記のアプリケーションを実行して処理を行う。OSとしては、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、MacOS(登録商標)等を用いることができる。
【0070】
管理サーバ11は、位置情報データベースに記憶される接続口識別情報、ブロック情報、位置情報を事前に登録する必要があることから、管理者がこれらの情報を入力する必要がある。このため、管理サーバ11は、キーボード等の入力装置、入力された情報を表示し、その内容を確認するためのディスプレイ等の表示装置をさらに備えることができる。
【0071】
AP12は、有線LAN10に接続される。AP12は、無線端末14、15を相互に接続し、また、無線端末14、15が有線端末13や管理サーバ11との間で通信を行う際に利用される。
【0072】
AP12は、無線端末14、15から送られてきた信号を受信するための受信機と、無線通信により無線端末14、15へ信号を送信するための送信機と、有線LAN10に接続するための通信インタフェースとを備える。送信機は、電波の振幅、周波数、位相を変化させて、電波に情報を付加する変調回路を備える。受信機は、受信した電波から情報を取り出すための復調回路を備える。
【0073】
端末13〜15は、無線LANアダプタを備えており、無線LAN接続するための通信モードとして、インフラストラクチャー・モードとアドホック・モードという2つのモードを備えている。インフラストラクチャー・モードは、端末がアクセス・ポイント12を介して互いに通信を行うモードであり、アドホック・モードは、端末同士が直接通信を行うモードである。
【0074】
端末13〜15は、管理サーバ11と同様、記憶装置、プロセッサ、通信インタフェース、入力装置、表示装置を備え、AP12や他の端末との間で無線LAN接続を実現するための送受信機を備える。記憶装置は、無線LANアダプタ等を含む各種アプリケーションおよびデータ、上記のエージェント・プログラムを記憶し、プロセッサは、記憶装置からアプリケーションおよびデータ、そのエージェント・プログラムを読み出し実行する。記憶装置には、適切なOSも記憶されており、プロセッサは、OSによる制御の下で処理を実行する。端末13〜15としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートPC、タブレットPC等を用いることができる。
【0075】
エージェント・プログラムは、フレキシブル・ディスク、CR−ROM、DVD、SDカード等のコンピュータ可読な記録媒体に格納して提供され、記録媒体から読み出し、各端末にインストールすることができる。また、エージェント・プログラムは、有線LANやインターネット等に接続されたアプリケーション・サーバや管理サーバ11に実装され、それらから読み出し、各端末にインストールすることも可能である。
【0076】
端末13〜15は、AP12との間や、他の端末との間で無線LAN接続され、情報のやりとりを行うことができる。端末間の通信は、2.4GHz帯の電波を使用することができ、数メートルから数十メートルの近距離にある端末間の通信は、Bluetoothを利用することができる。そのほか、赤外線通信や光通信により通信を行うことも可能である。
【0077】
無線LANでは、無線LAN接続のグループ分けを行うために、識別情報としてSSID(Service Set ID)やESSID(Extended SSID)が利用され、認証の際にもこれらSSID等が利用される。したがって、AP12と端末13〜15には、SSIDが設定されるが、SSID等が一致しなければ接続することができないようになっている。
【0078】
無線LANは、電波により通信を行うことから、第三者により通信内容を傍受される危険性が高い。このため、セキュリティ対策として、ネットワーク・キーと呼ばれるパスワードを用いて通信を行ったり、WEP(Wired Equivalent Privacy)、WPA(Wi-Fi Protected Access)、WPA2、IEEE802.11i等の暗号化通信を行うことができる。
【0079】
DHCPサーバ16は、管理サーバ11と同様、記憶装置、プロセッサ、通信インタフェース、必要に応じて入力装置および表示装置を備える。DHCPサーバ16は、レンジ情報データベースを備え、そのレンジ情報データベースに設定されている、例えばエリア毎のIPアドレス・レンジを基に、有線LAN10に接続された有線端末13に対し、IPアドレスを割り当てる。上述した有線LAN同士がルーターにより相互に接続されたネットワーク環境では、ルーターにこのDHCPサーバ機能を搭載し、エリア毎に予め決められた範囲のIPアドレスを割り当てることができる。
【0080】
端末13は、LANケーブルを使用して有線LAN10に接続されると、IPアドレスを割り当ててもらうために、宛先IPアドレスを、例えば255.255.255.255としたブロードキャストのUDP(User Datagram Protocol)パケットを有線LAN10上へ送出する。このUDPパケットには、送信元のMACアドレスが含まれる。DHCPサーバ16は、このUDPパケットを受信し、すでにリースしているIPアドレスとリース先のMACアドレスとを対応付けた管理テーブルを参照し、リースされていないIPアドレスを順に選択し、管理テーブルを更新して、選択したIPアドレスを、MACアドレスを基に送信し、その端末13に設定させることにより、その端末13にそのIPアドレスを割り当てる。
【0081】
本発明の位置検出装置として参照される管理サーバ11を説明する前に、この管理サーバ11とともに用いられる端末13〜15について簡単に説明する。図9は、端末の機能ブロック図である。端末13〜15はいずれも同じ機能を有することから、端末13についてのみ説明を行う。端末13は、上述したようにエージェント・プログラムがインストールされる。このエージェント・プログラムは、端末が備える記憶装置に記憶されるが、プロセッサがこれを読み出し実行することにより端末はエージェント手段として機能する。
【0082】
エージェント手段としての端末13は、接続判定部30と、端末情報送信部31と、通信モード変更部32と、キャリア波発信部としての電波発信部33と、強度測定部としての電波強度測定部34と、測定結果送信部35とを含んで構成される。図9には図示していないが、このエージェント手段は、必要に応じてPAPモードに設定されているかどうかを判定するPAPモード判定部を備えることができる。
【0083】
端末13は、無線LANアダプタをONにすることで、無線LAN接続を可能にし、OFFにすることで、無線LAN接続を不可にする。接続判定部30は、端末13のネットワーク接続の状態を確認し、有線LAN接続かどうかを判定する。ネットワーク接続の状態は、有線LANポートにLANケーブルが接続されたことを検出してから、LANケーブルが外されたことを検出するまでの間、有線LAN接続モードとして設定されることから、接続モードを確認することにより判定することができる。接続判定部30は、有線LAN接続モードであると判定した際、無線LANアダプタがONにされている場合、無線LANアダプタをOFFにし、無線LAN接続されることができないようにする。
【0084】
また、端末13は、LANケーブルが接続され、有線LAN10に接続されたことを受けて、DHCPサーバ16に対し、IPアドレスを割り当ててもらうために上記UDPパケットを送出する。DHCPサーバ16は、管理テーブルを参照して、まだリースされていないIPアドレスを選択し、そのIPアドレスをその端末13のために割り当てる。
【0085】
端末13は、DHCPサーバ16から受信したIPアドレスを設定した後、エージェント・プログラムを実行して端末13をエージェント手段として機能させる。エージェント手段の端末情報送信部31は、端末名、IPアドレス、MACアドレスを含む端末識別情報を、有線LAN10を介して管理サーバ11へ送信する。端末情報送信部31は、TCP/IPといった適切なプロトコルを使用して端末識別情報を管理サーバ11へ送信する。
【0086】
管理サーバ11が端末13をPAPとして機能させるために変更命令を発行すると、端末13は、その命令を受領し、端末13がもつ無線LANアダプタに設定されているAP12に無線LAN接続するためのESSIDを、エージェント手段により割り当てられていることが判別できる特定のESSIDに設定し、インフラストラクチャー・モードをアドホック・モードへモード変更する。これにより、端末13は、他の無線端末からはPAPとして動作するものとして見えるようになる。
【0087】
端末13がPAPとして機能するようになると、電波発信部33は、設定された特定のESSIDと、この端末13のMACアドレスといった端末識別情報とを付加した電波を、一定の時間間隔で周囲に発信する。
【0088】
なお、他の有線端末がPAPとして機能する場合、特定のESSIDとして端末13とは異なるESSIDが設定され、異なるタイミングで電波が発信される。このため、この電波を受信する端末14、15は、各電波の送信、受信タイミングの同期を取ることができる。
【0089】
一方で、接続判定部30が有線LAN接続ではないと判定した場合、端末14、15と同様、端末13は無線端末である。このため、端末13は、無線LANアダプタはONに維持され、PAPとして機能する他の端末が備える電波発信部が発信した電波の電波強度を、電波強度測定部34が測定する。
【0090】
端末13は、電波強度を測定するためのプログラムを実装しており、このプログラムを実行して電波強度測定部34として機能させ、この電波強度測定部34が、PAPと判別できるESSIDをもつすべての端末から発信される検出可能な電波の電波強度を測定することができる。一例では、電波強度測定部34は、電波強度に閾値を設け、その閾値以上の電波強度のみを測定することができる。
【0091】
ここでは電波発信部33や電波強度測定部34として構成し、電波を発信し、電波強度を測定するようにしているが、これに限られるものではなく、赤外線、可視光線、紫外線といった電磁波、超音波等をキャリア波として用い、これにESSIDや端末識別情報を付加して発信し、この強度を測定することも可能である。超音波は、マイク、スピーカーを利用して発信することができる。
【0092】
電波強度測定部34が測定した電波強度は、その電波を発信したPAPのPAP識別情報と、その測定を行った端末13の端末識別情報とともに、測定結果送信部35へ送られる。そのとき、測定結果送信部35は、AP12、有線LAN10を介して管理サーバ11へ送信する。
【0093】
PAPとして機能する端末13が無線端末14へ電波を発信すると、無線端末14は、その電波の電波強度を測定し、図10に示すような測定結果を、そのPAPのPAP識別情報および自己の端末識別情報とともに管理サーバ11へ送信する。図10では、PAPとして設定された、MACアドレス「00-1F-BB-56-78」をもつ端末13と、MACアドレス「00-2A-CC-11-22」をもつ他の端末とから送信された電波強度を測定し、端末13から受信した電波の電波強度が90%で、他の端末から受信した電波の電波強度が70%という情報をテーブルにして示している。
【0094】
PAPとして機能する端末13は、PAPモードに設定されるが、そのPAPモードに設定された端末13の無線LANアダプタから発信される電波の電波強度は、AP12から発信される電波の電波強度に比較して弱い。このため、この電波は、上のフロアや下のフロアからコンクリートの壁を通過するにしても、大きく減衰し、その電波強度は微弱となる。
【0095】
しかしながら、電波強度が測定される範囲にあるものは、これらの上のフロアや下のフロアに位置しているものも含まれる。これらを除去するために、上記の感度30%といった閾値を設け、この閾値未満の電波強度については除去し、この閾値以上の電波強度のもののみを測定することができる。そして、その中で最も電波強度の大きい電波を発信する端末13が、測定結果を送信した無線端末14の最も近い位置に存在し、その位置から無線端末14の大まかな位置を検出することができる。
【0096】
次に、図11〜図16を参照して、図4に示した位置管理システムが備える管理サーバ11の詳細な構成および管理サーバ11が行う処理について説明する。図11は、管理サーバ11の機能ブロック図である。管理サーバ11は、図6〜図8に示すようなデータベースを管理する。これらデータベースは、管理サーバ11とは別に外部に設けることもできるし、管理サーバ11内に実装されていてもよい。図11に示す実施形態では、管理サーバ11内に実装されている。
【0097】
ここでは、管理サーバ11は、端末データベース40と、位置情報データベース41と、PAPデータベース42とを含み、情報受信部43と、情報取得部44と、位置検出部45と、命令発行部46と、位置通知部47とをさらに含んで構成されている。図6〜図8を参照して説明した通り、端末データベース40は、端末の端末識別情報と、その端末の位置情報とを対応付けて記憶する。位置情報データベース41は、一般的な場所の位置情報と、接続口識別情報と、ブロック情報とを対応付けて記憶する。PAPデータベース42は、PAPとして機能する有線端末の端末識別情報と、その有線端末の位置情報とを対応付けて記憶する。なお、これらのデータベースとしては、管理サーバ11が備える記憶装置としてのHDD等を用いることができる。
【0098】
情報受信部43は、通信インタフェースにより実現され、端末13〜15から送信される情報を受信する。有線端末13との通信は、TCP/IP等の適切なプロトコルを使用し、有線端末13の端末識別情報としての端末名、MACアドレス、IPアドレスを使用して行われる。
【0099】
複数の有線LANがルーターにより相互接続されていて、管理サーバ11がいずれか1つの有線LANに接続されている場合において、管理サーバ11がルーターを介して有線端末13へ向けて通信を行うとき、ルーターは、管理サーバ11からのパケットを、自己が保持する経路情報を使用してルーティングを行い、目的の有線端末13へパケットを送信する。
【0100】
情報受信部43が、有線端末13から端末識別情報を受信すると、情報取得部44に接続口識別情報を取得するように指示する。情報取得部44は、その指示を受け、情報受信部43が受信した端末識別情報を基に、接続口を管理する集線装置としてのハブに問い合わせを行い、端末識別情報に対応する接続口識別情報をそのハブから取得する。具体的には、情報取得部44は、ハブが保持する対応テーブルを参照し、端末識別情報に含まれるMACアドレスに対応する接続ポート番号を、接続口識別情報として取得する。
【0101】
情報取得部44は、接続口識別情報を取得すると、端末識別情報とともに位置検出部45へそれらの情報を送る。位置検出部45は、それらの情報を受け取ると、位置情報データベース41を参照し、接続口識別情報を基に、有線端末13の位置情報を取得する。位置情報は、ビル名、階、エリアという情報である。
【0102】
次に、位置検出部45は、取得した位置情報を端末識別情報と対応付けてPAPデータベース42に記憶するとともに、命令発行部46に対し、変更命令の発行を指示あるいは許可する。記憶する情報は、上記の端末識別情報および位置情報のほか、接続口識別情報を含めることができる。また、端末データベース40や、別途設けられる第2の端末データベースにもこれらの情報を記憶することができる。すべての有線端末の位置情報を管理するためである。
【0103】
命令発行部46は、位置検出部45からの指示あるいは許可を受けて、有線端末13をPAPとして機能させるために、AP12を介してではなく、他の端末と直接無線通信を行う通信モード、すなわちアドホック・モードへの変更命令を発行する。図4では、有線LAN10に接続された有線端末13が1つのみとされているが、現実には多数存在することから、1つずつ順に変更命令を各有線端末に対し発行する。なお、電波同士が干渉しないように、1つずつ順にPAPとして機能させることが好ましいが、複数あるいはすべてを同時にPAPとして機能させることも可能である。
【0104】
1つずつ順にPAPとして機能させる場合の順番としては、一例として、位置情報データベース41およびPAPデータベース42を参照して、各有線端末のブロック情報から、各有線端末が存在するブロックを特定し、特定した各ブロックに割り当てられた値が小さい順に実施することができる。
【0105】
上記のように、行と列を表す2つの数値から構成される場合には、列の数値が小さい順に、列の数値が同じであれば行の数値が小さいものを先に実施することができる。具体的には、有線端末A、B、Cが存在するブロックがそれぞれ「4−6」、「3−7」、「10−3」であれば、有線端末B、A、Cの順に変更命令を発行することができる。
【0106】
複数の有線端末を同時にPAPとして機能させる場合、位置情報データベース41を参照して、各有線端末の位置を確認し、各有線端末の電波を受信可能な範囲から、電波干渉が生じない有線端末を選択し、その選択した有線端末に変更命令を発行することができる。
【0107】
上記の方法は、PAPとして機能させる有線端末の順番を決定する方法、有線端末の中から同時にPAPとして機能させる有線端末を選択する方法を例示したものであり、これらの方法に限定されるものではない。
【0108】
命令発行部46は、これに限定されるものではないが、例えば、5分間隔といった一定の時間間隔で順に、決定した有線端末あるいは選択した有線端末に変更命令を発行することができる。なお、時間間隔は任意に設定可能で、3分間隔や10分間隔等であってもよい。
【0109】
命令発行部46が発行する変更命令は、インフラストラクチャー・モードに設定されている有線端末の通信モードをアドホック・モードへ変更させ、PAPとして機能させるための変更命令である。すでに、その有線端末がアドホック・モードに設定され、PAPとして機能している場合であっても、この変更命令を発行することができる。この場合、この命令を受けた有線端末は、すでにアドホック・モードであるため、モード変更を行わない。
【0110】
命令発行部46は、上記のアドホック・モードへの変更命令のほか、アドホック・モードに設定されている有線端末の通信モードをインフラストラクチャー・モードへ変更させ、非PAPにするための変更命令を発行することもできる。したがって、命令発行部46は、有線端末を一定の時間間隔でPAPから非PAPへ、また、非PAPからPAPへ切り替えることができる。
【0111】
この命令発行部46は、発行した変更命令を、TCP/IP等の適切なプロトコルを使用し、有線端末の端末識別情報としての端末名、MACアドレス、IPアドレスを使用して有線端末へ送信する。
【0112】
有線端末が変更命令を受けてモード変更し、PAPとして機能するようになると、情報受信部43は、無線端末から、PAPを識別するためのPAP識別情報とともに送信される電波強度の測定結果を受信する。そのとき、情報受信部43は、その測定結果を送信した無線端末の端末識別情報も受信する。情報受信部43は、この測定結果等を位置検出部45へ送り、位置検出部45が、その測定結果およびPAP識別情報を基に、PAPデータベース42を参照して、無線端末の位置を検出する。
【0113】
有線端末は、上述したように、1つずつ順に、もしくは複数が同時に、またはすべてが同時にPAPとして機能する。いずれにしろ、無線端末は、各PAPから発信される電波を、受信可能であれば受信し、その電波強度を測定する。
【0114】
管理サーバ11の情報受信部43は、無線端末が測定し、送信した測定結果を端末識別情報およびPAP識別情報とともに受信すると、位置検出部45へその測定結果等を送る。位置検出部45は、2以上のPAPから発信された電波の強度を測定した測定結果がある場合、電波強度の中で最も高い電波強度に対応するPAP識別情報を特定し、そのPAP識別情報を基にPAPデータベース42を参照し、そのPAP識別情報に対応付けられた位置情報を取得する。そして、位置検出部45は、取得した位置情報を、無線端末の位置情報とみなし、その位置情報を端末識別情報に対応付けて端末データベース40に記憶する。
【0115】
図5に示すAP範囲21内に存在する無線LAN接続され、無線通信を行う無線端末は、AP20を介して情報のやりとりを行うことから、AP範囲21内に存在するすべての無線端末を特定することができる。すなわち、AP範囲21内に、どういう端末識別情報を有する無線端末が存在するかを特定することができる。AP20を介して行う無線通信には、MACアドレス等の端末識別情報が使用されるためである。この端末識別情報は、情報受信部43がAP20との間で通信を確立し、AP20を介して取得することができる。
【0116】
PAPから発信される電波を受信可能な範囲が、AP範囲21を網羅する場合、管理サーバ11は、AP範囲21内に存在するすべての無線端末から測定結果等を受信し、その測定結果等から上述したようにして各無線端末の位置を検出し、その位置の位置情報を端末データベース40に記憶することができる。
【0117】
しかしながら、AP範囲21内に有線端末の数が少ない場合や、有線端末がAP範囲21内の特定の場所に偏っている場合、AP範囲21内に存在するすべての無線端末の位置を、上述したようにして検出することはできない。
【0118】
そこで、位置検出部45は、測定結果等が得られた無線端末につき、上述した方法でその位置を検出し、それ以外の無線端末については、以下の方法でその位置を検出する。すなわち、位置検出部45は、位置情報データベース41とPAPデータベース42とを参照し、AP範囲21内のすべてのPAPからの電波が受信不能な範囲に存在するブロックを決定する。
【0119】
管理サーバ11の情報受信部43が測定結果等を受信しなかった無線端末は、この電波が受信不能ないずれかのブロックに存在する。このため、電波が受信不能なブロックすべてを、この無線端末が存在する位置情報とすれば、この無線端末についてもその管理が可能となる。そこで、位置検出部45は、この位置情報を端末データベース40に記憶する。その際、仮の位置情報であることが分かるように、識別するための記号「?」等を付加して記憶する。
【0120】
図12(a)は、PAPから発信された電波を受信可能な範囲を、PAPを中心として円で描いた図である。図12(b)は、図12(a)を基に、各円内にあるブロックを、PAPからの電波を受信可能な範囲にあるブロックとし、円外にあるブロックを、電波が受信不能な範囲にあるブロックとして示した図である。図12(a)、(b)には、AP20のほか、PAP23、無線端末25が示され、図12(b)には、さらに、PAPからの電波を受信可能な範囲にあるブロック22を着色して示し、受信不能な範囲にあるブロック24を白色で示している。
【0121】
この着色したブロック22以外の白色で示されるブロック24のすべてが、電波が受信不能な範囲にあるブロックであり、このブロック24が1つでも含まれる階、エリアといった位置情報のすべてを仮の位置情報とし、そのすべての仮の位置情報が端末データベース40に記憶される。
【0122】
無線端末を新たに有線LANポートに接続した場合、その端末は、DHCPサーバ16からIPアドレスが割り当てられ、端末名やMACアドレス等の端末識別情報を管理サーバ11へ送信する。管理サーバ11の情報受信部43は、それを受信し、情報取得部44に指示し、情報取得部44が、端末識別情報を使用して問い合わせを行い、ハブから接続ポート番号といった接続口識別情報を取得する。
【0123】
管理サーバ11の情報取得部44は、端末識別情報および接続口識別情報を位置検出部45へ送る。位置検出部45は、位置情報データベース41を参照し、接続口識別情報を基に位置情報を取得して、命令発行部46に指示または命令発行を許可する。命令発行部46は、新しく有線LAN接続された端末をPAPとして機能させるために、当該端末に変更命令を発行する。その端末は、受信した変更命令を実行してPAPとして機能し、電波を発信する。位置検出部45は、新しくPAPとして機能する端末の端末識別情報をPAP識別情報とし、それを、図13に示すように、取得した位置情報と対応付けてPAPデータベース42に記憶する。
【0124】
無線端末が、新しいPAPからの電波を受信可能な範囲内にいれば、電波強度を測定した測定結果等を管理サーバ11へ送信する。そのとき、既にその無線端末の位置情報が得られている場合であっても、これまでに受信した測定結果等の履歴データを参照し、その新しいPAPが発信する電波の強度の方が高いかどうかを判定することができる。通常、同じエリアを示すと考えられるため、この判定は不要と考えられるが、異なるエリアを示す場合もないとは言えないので、この判定を実施することができる。この判定で、新しいPAPが発信する電波強度の方が高い場合、このPAPの位置情報をPAPデータベース42から取得し、この位置情報で端末データベース40を更新する。
【0125】
無線端末の位置情報が、仮の位置情報として端末データベース40に記憶され、新しくPAPとして機能させたことによってその無線端末が、その新しいPAPからの電波を受信可能な範囲内となった場合は、管理サーバ11は、その無線端末から測定結果等を受信し、その新しいPAPの位置情報をPAPデータベース42から取得し、図14に示すように、この位置情報で端末データベース40を更新する。そのとき、端末データベース40内のその無線端末の仮の位置情報およびブロック情報はすべて消去される。これらの情報は不要になるからである。
【0126】
PAPが追加されると、図15に示すように、AP範囲21内のすべてのPAP23からの電波を受信可能な範囲が拡大される。このため、位置検出部45は、この新しいPAP23aからの電波を受信可能な範囲を含むすべてのPAP23からの電波を受信可能な範囲を構成するブロック22のブロック情報を削除し、残ったブロック24のブロック情報およびそのブロックを含む階、エリアといった位置情報へ端末データベース40の内容を変更する。
【0127】
位置通知部47は、端末データベース40を参照し、仮の位置情報が登録されている無線端末に対し、その無線端末の端末識別情報を使用してその仮の位置情報を通知し、実際に配置されている位置の位置情報の入力を促す。仮の位置情報の通知は、メッセージやマップ・データとして送信し、表示させることにより実施することができる。好ましくは、その無線端末の画面にダイアログ・ボックスで表示させたり、デジタル・サイネージやビル管理システムのマップ等に表示させることができる。
【0128】
情報取得部44、位置検出部45、命令発行部46および位置通知部47は、通信インタフェース、および管理サーバ11が備える記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサにより読み出し実行することにより実現される。
【0129】
図16は、管理サーバ11が行う処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ1600から処理を開始し、ステップ1605において、有線端末から端末名、MACアドレス、IPアドレスを含む端末識別情報を受信する。そして、情報取得部44が、ハブが保持する対応テーブルを参照し、接続ポート番号といった接続口識別情報を取得する。情報取得部44は、これらの情報を位置検出部45へ送る。
【0130】
ステップ1610では、位置検出部45は、位置情報データベース41を参照し、接続口識別情報を基に有線端末の位置情報を取得する。そして、位置検出部45は、この取得した位置情報をPAPデータベース42に記憶する。この情報は、上述したように、端末データベース40や別途設けられる第2の端末データベースに記憶することもできる。また、位置検出部45は、命令発行部46に対し、有線端末へ変更命令を発行するように指示あるいはその発行を許可する。
【0131】
ステップ1615では、位置検出部45からの指示あるいは命令発行の許可を受けて、命令発行部46が、その有線端末をPAPとして機能させるため、変更命令を発行する。その有線端末は、変更命令を受信すると、それを実行し、モードの設定を切り替える。そして、他の端末と個々に通信を行うため、電波を発信する。その電波を受信可能な範囲内にいる無線端末は、その電波の強度を測定し、その測定結果を管理サーバ11へ送信する。この電波には、PAPを識別するためのPAP識別情報が付加されている。したがって、無線端末は、電波を発信したPAPを特定するためのPAP識別情報と、測定結果を送信する無線端末を特定するための自己の端末識別情報とを測定結果とを、その測定結果とともに管理サーバ11へ送信する。
【0132】
ステップ1620では、管理サーバ11は、測定結果等を受信する。そして、ステップ1625で、受信した測定結果等を用い、PAPデータベース42を参照して、無線端末の位置情報を取得する。ステップ1630では、すべての無線端末の位置情報を取得したかが判定される。ここで言うすべての無線端末とは、1つのAP20を介して無線通信を行うことができるAP範囲21内に存在するすべての無線端末である。
【0133】
これらすべての無線端末は、端末識別情報を用い、AP20を介して通信を行うので、情報受信部43は、AP20との間で通信を行い、すべての無線端末の端末識別情報を取得することができる。この端末識別情報を用い、上記ステップ1630の処理を実行することができる。なお、ステップ1630の処理は、位置検出部45が行うことができるが、別途、判定部を設け、その判定部により判定処理を実行させることができる。
【0134】
すべてを取得していないと判定された場合、ステップ1635へ進み、すべてを取得したと判定された場合、ステップ1640へ進む。ステップ1635では、上述したようにしてPAPからの電波が受信不能な範囲内にあるブロックを決定し、決定したブロックを含む階、エリアといった位置情報のすべてを仮の位置情報として取得する。
【0135】
ステップ1640では、取得した位置情報、仮の位置情報を、各無線端末の位置情報として、端末識別情報とともに、端末データベース40に記憶する。そのとき、仮の位置情報には、上記の決定したブロックのブロック情報も対応付けて記憶される。その後、ステップ1645で、新たに有線LAN接続された端末があるかが判定される。ある場合は、ステップ1605へ戻り、ステップ1605〜ステップ1645の処理を繰り返す。ない場合は、ステップ1650へ進み、この処理を終了する。
【0136】
上記の処理は、他にAP範囲があれば、そのAP範囲に対しても実施することができる。上記では、測定結果を、いずれのPAPの位置情報を採用するか判断するために用いているが、その測定結果を用い、図2に示す関係から、PAPからの距離を計算し、その距離に相当するブロックを、その無線端末の位置として検出することも可能である。これにより、より正確な位置を検出することができる。
【0137】
位置通知部47は、PAPからの電波が受信不能な範囲内にある無線端末に対し、その無線端末が存在する位置の位置情報として位置検出部45が決定した仮の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すことができる。この位置通知部47が通知した仮の位置情報を表示する無線端末の画面の一例を、図17に示す。
【0138】
位置通知部47は、一定時間が経過した場合等のポリシーに基づき、PAPからの電波が受信不能である場合に、端末データベース40を参照し、その無線端末の端末識別情報を使用して、その無線端末へ仮の位置情報を通知することができる。図17では、画面の通知領域にダイアログ・ボックス50を表示させ、そのダイアログ・ボックス50内に2つの仮の位置およびその他という場所を示す文字を表示させ、どこにいるかを問うメッセージも表示させている。
【0139】
図18に、位置通知部47が通知した仮の位置情報を表示する無線端末の画面の別の例を示す。図18では、文字ではなく、AP範囲21がマップ表示され、複数のブロックに分割され、PAPからの電波を受信可能な範囲内にあるブロック22を着色して示し、電波が受信不能な範囲内にあるブロック24を白色で示している。また、図18には、AP20も示されている。
【0140】
その無線端末を所持するユーザは、図17に示す表示の場合、適切な位置をクリックやタッチして選択することにより、また、その他を選択し、具体的な位置情報を入力することにより、実際の位置情報を入力して管理サーバ11へ返信することができる。管理サーバ11は、その位置情報を受け付け、端末データベース40のその無線端末の仮の位置情報を、受け付けた位置情報へ変更し、端末データベース40を更新することができる。
【0141】
また、図18に示す表示の場合、仮の位置情報である白色で示されたブロックの1つを選択することにより、実際の位置情報を入力して管理サーバ11へ返信することができる。この場合も同様にして、端末データベース40を更新することができる。
【0142】
図17や図18では、仮の位置情報を候補として表示しているが、メッセージのみを表示することも可能である。図17および図18は、通知する内容を例示したものであり、これらに限定されるものではない。
【0143】
端末13〜15を使用するユーザは、会議等がある場合、その端末13〜15を所有して移動する。このため、端末13は、LANケーブルを外されて無線LAN接続モードとなり、その位置も変わり、端末14、15も、その位置が変わることになる。
【0144】
しかしながら、位置管理システムは、命令発行部46が一定時間間隔で変更命令を発行し、有線端末をPAPとして機能させることにより位置検出処理を行うため、その一定時間間隔で端末データベース40やPAPデータベース42を更新して、最新の情報に管理することができる。なお、この時間間隔は、任意に設定することができる。
【0145】
この位置管理システムは、GPS衛星からの電波が届かない屋内であっても、各端末の位置を容易に検出することができ、その管理を正確、簡便に実施することを可能にする。このため、各種の位置情報を用いたサービスに適用することを可能にし、人を探す際に、その人が携帯する端末の位置を容易に検出して、その人が現在いる場所を特定することができる。
【0146】
近年、地球温暖化の問題から節電が呼びかけられ、企業等においても節電が進められてきており、このような端末の位置を検出することで、どの場所に人がいないかを見つけ、その場所については消灯する等して節電効果を高めることができる。また、人が少ない場所については冷暖房を弱め、点灯する蛍光灯の数を減少させて節電効果を高めることができる。
【0147】
本発明では、すべての端末の大まかな位置を検出することができるので、どの場所に人が密集し、どの場所には人がいないかを知ることができ、節電のために片寄せしたり、適切に空調の調節を行うことが可能となる。
【0148】
また、PAPとして利用する端末から送信される電波は、実際の通信に使用されるものではないため、エージェント手段の制御により強度を自由に設定することができる。このため、PAPが発信する電波の電波強度をあえて小さくし、壁やフロアによる減衰を利用して、無線端末が同じフロアや部屋にあるPAPからの電波を受信するようにして、当該無線端末が存在するフロアや部屋を特定しやすくすることができる。
【0149】
端末を有線LAN接続する場合、有線LANポートにLANケーブルを差し込んで利用することになるが、LANケーブルが接続された端末は、デスク上に置かれることが多いことから、PAPとして設定する場合、PAPのすべてがデスクの高さhにあると仮定することができ、これにより、位置情報をx座標とy座標の二次元座標として容易に特定することができる。従来では、4つのアクセス・ポイントからの電波強度を測定し、上記式1に示したように4つの式からなる連立方程式を解く必要があるが、本発明では、高さがhと一定であることから、3つのPAPからの電波強度を測定し、3つの式からなる連立方程式を解くだけで、正確な位置座標を求めることができる。
【0150】
また、無線LAN接続の場合は、インフラストラクチャー・モードに設定し、APを利用した既存の無線LANネットワークによる通信が可能であり、端末が備える無線LANアダプタといった既存のハードウェアを使用し、新規のハードウェアの追加なしに実現することが可能である。さらに、PAPの位置情報から端末の位置を推定することができるため、APの位置情報を予め登録し、管理する作業が不要となる。
【0151】
これまで、本発明の位置検出装置、位置管理システムおよび位置検出方法について、図面を参照して詳細に説明してきたが、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0152】
また、コンピュータを位置検出装置として機能させ、位置検出方法を実行させるためにそのコンピュータにより読み取り可能なプログラムを提供することができる。このプログラムは、フレキシブル・ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、SDカード、HDD等の記録媒体に格納して提供することもできるし、アプリケーション・サーバ等が保持し、ダウンロード要求に応じて提供することも可能である。
【符号の説明】
【0153】
1〜5…ノートPC、10…有線LAN、11…管理サーバ、12…AP、13…端末(有線端末)、14、15…端末(無線端末)、16…DHCPサーバ、20…AP、21…AP範囲、22…ブロック、23…PAP、24…ブロック、25…無線端末、30…接続判定部、31…端末情報送信部、32…通信モード変更部、33…電波発信部、34…電波強度測定部、35…測定結果送信部、40…端末データベース、41…位置情報データベース、42…PAPデータベース、43…情報受信部、44…情報取得部、45…位置検出部、46…命令発行部、47…位置通知部、50…ダイアログ・ボックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出するための位置検出装置であって、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行する命令発行部と、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、1以上のPAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末のうちの1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信する情報受信部と、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、各前記PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出する位置検出部とを含む、位置検出装置。
【請求項2】
前記命令発行部は、前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、
前記位置検出部は、新しい前記PAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を前記第1の情報通信端末とし、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された前記第2の範囲の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す位置通知部をさらに含む、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記データは、前記AP範囲を複数のブロックに分割し、前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記第1の範囲を前記ブロックで表したブロック情報をさらに含み、
前記位置検出部は、前記第2の情報通信端末につき、前記データを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記情報受信部が1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記位置検出部は、2以上の前記測定結果および前記PAP識別情報から前記キャリア波の強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記第1の情報通信端末の端末識別情報を位置情報と対応付け、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と位置情報とブロック情報とを対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記位置検出部は、前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことを受けて、新しく前記PAPとして機能する情報通信端末の端末識別情報をPAP識別情報とし、新しい前記PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶し、
前記情報受信部が、前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から端末識別情報と少なくとも前記PAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記位置検出部は、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するとともに、前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された前記第2の範囲の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す位置通知部をさらに含み、
前記情報受信部が1つの前記第1の情報通信端末から1つの前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記位置検出部は、前記PAPデータベースを参照して、該PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合は、前記2以上の測定結果および前記PAP識別情報から前記キャリア波の強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、該PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、
前記情報受信部が一定時間内に前記測定結果を受信していない情報通信端末が存在する場合、前記位置検出部は、該情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶し、
前記命令発行部は、前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、
前記位置検出部は、新しい前記PAPのPAP識別情報を該PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶し、前記情報受信部が前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から端末識別情報と少なくとも前記PAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、該PAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するとともに、前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更し、
前記位置通知部が、前記第2の情報通信端末に対し、前記端末データベースを参照し、該第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された前記第4の範囲の位置情報および前記ブロック情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記命令発行部は、一定時間間隔で前記変更命令を発行する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項9】
アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末と、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末と、前記有線ネットワークに接続された位置検出装置とを含む位置管理システムであって、
前記位置検出装置は、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行する命令発行部と、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、1以上のPAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末のうちの1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信する情報受信部と、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、各前記PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出する位置検出部とを含み、
前記情報通信端末は、
インストールされたエージェント・プログラムを実行することによりエージェント手段として機能し、前記エージェント手段が、
前記情報通信端末のネットワーク接続の状態を確認し、前記有線ネットワークに接続されているかどうかを判定する接続判定部と、
有線ネットワーク接続と判定された場合、前記情報通信端末の端末識別情報を前記位置検出装置へ送信する端末情報送信部と、
前記位置検出装置から前記変更命令を受けて、前記通信モードへ変更して前記PAPとして機能させる通信モード変更部と、
前記PAPとして、前記端末識別情報を付加したキャリア波を発信するキャリア波発信部と、
有線ネットワーク接続ではないと判定された場合、前記PAPとして機能する他の情報通信端末から発信された該他の情報通信端末の端末識別情報を付加したキャリア波の強度を測定する強度測定部と、
測定された前記強度を前記PAPとして機能する他の情報通信端末の端末識別情報とともに前記位置検出装置へ送信する測定結果送信部とを含む、位置管理システム。
【請求項10】
有線ネットワークに接続される位置検出装置によりアクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出する位置検出方法であって、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、前記有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行するステップと、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、各前記PAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末の中の1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信するステップと、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、前記各PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出するステップとを含む、位置検出方法。
【請求項11】
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させるステップと、
新しい前記PAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を前記第1の情報通信端末とし、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項12】
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第2の範囲を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップをさらに含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項13】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記検出するステップでは、2以上の前記測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲の位置情報と決定した前記ブロックのブロック情報とを前記端末データベースに記憶する、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項14】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記第1の情報通信端末の端末識別情報を位置情報と対応付け、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と位置情報とブロック情報とを対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記方法は、さらに、
前記第1の情報通信端末につき、前記PAPデータベースを参照して取得した前記PAP識別情報に対応する前記PAPの位置情報を、前記第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶するステップと、
前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照して決定した前記複数のブロックのうちの前記第1の範囲を構成するブロックを除いた前記第2の範囲を構成するブロックのブロック情報を、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲の位置情報とともに前記端末データベースに記憶するステップと、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しい前記PAPのPAP識別情報を該新しいPAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から少なくとも前記新しいPAPのPAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップとを含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項15】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から1つの前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記決定するステップでは、前記PAPデータベースを参照して、受信した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合は、前記決定するステップでは、前記2以上の測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、
前記受信するステップで一定時間内に前記測定結果を受信していない前記情報通信端末が存在する場合、前記決定するステップでは、該情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶し、
前記方法は、さらに、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しく前記PAPとして機能させた情報通信端末の端末識別情報を新しい前記PAP識別情報として新しい前記PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から前記測定結果を該新しいPAPのPAP識別情報とともに受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップと、
前記第2の情報通信端末に対し、前記端末データベースを参照し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第4の範囲および前記ブロック情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップとを含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項16】
前記発行するステップは、一定時間間隔で前記変更命令を発行する、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項17】
アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出する位置検出方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行するステップと、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、各前記PAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末の中の1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信するステップと、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、前記各PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出するステップとを実行させる、プログラム。
【請求項18】
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させるステップと、
新しい前記PAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を前記第1の情報通信端末とし、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定するステップをさらに前記コンピュータに実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第2の範囲を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップをさらに前記コンピュータに実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項20】
前記コンピュータは、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記検出するステップでは、2以上の前記測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲の位置情報と決定した前記ブロックのブロック情報とを前記端末データベースに記憶する、請求項17に記載のプログラム。
【請求項21】
前記コンピュータは、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記第1の情報通信端末の端末識別情報を位置情報と対応付け、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と位置情報とブロック情報とを対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しい前記PAPのPAP識別情報を該新しいPAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から少なくとも前記新しいPAPのPAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップとを実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項22】
前記コンピュータは、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から1つの前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記決定するステップでは、前記PAPデータベースを参照して、受信した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合は、前記決定するステップでは、前記2以上の測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、
前記受信するステップで一定時間内に前記測定結果を受信していない前記情報通信端末が存在する場合、前記決定するステップでは、該情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶し、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しく前記PAPとして機能させた情報通信端末の端末識別情報を新しい前記PAP識別情報として新しい前記PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から前記測定結果を該新しいPAPのPAP識別情報とともに受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップと、
前記第2の情報通信端末に対し、前記端末データベースを参照し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第4の範囲および前記ブロック情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップとを実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項23】
前記発行するステップを一定時間間隔で実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項1】
アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出するための位置検出装置であって、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行する命令発行部と、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、1以上のPAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末のうちの1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信する情報受信部と、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、各前記PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出する位置検出部とを含む、位置検出装置。
【請求項2】
前記命令発行部は、前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、
前記位置検出部は、新しい前記PAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を前記第1の情報通信端末とし、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された前記第2の範囲の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す位置通知部をさらに含む、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記データは、前記AP範囲を複数のブロックに分割し、前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記第1の範囲を前記ブロックで表したブロック情報をさらに含み、
前記位置検出部は、前記第2の情報通信端末につき、前記データを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記情報受信部が1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記位置検出部は、2以上の前記測定結果および前記PAP識別情報から前記キャリア波の強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記第1の情報通信端末の端末識別情報を位置情報と対応付け、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と位置情報とブロック情報とを対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記位置検出部は、前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことを受けて、新しく前記PAPとして機能する情報通信端末の端末識別情報をPAP識別情報とし、新しい前記PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶し、
前記情報受信部が、前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から端末識別情報と少なくとも前記PAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記位置検出部は、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するとともに、前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された前記第2の範囲の位置情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す位置通知部をさらに含み、
前記情報受信部が1つの前記第1の情報通信端末から1つの前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記位置検出部は、前記PAPデータベースを参照して、該PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合は、前記2以上の測定結果および前記PAP識別情報から前記キャリア波の強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、該PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、
前記情報受信部が一定時間内に前記測定結果を受信していない情報通信端末が存在する場合、前記位置検出部は、該情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶し、
前記命令発行部は、前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、
前記位置検出部は、新しい前記PAPのPAP識別情報を該PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶し、前記情報受信部が前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から端末識別情報と少なくとも前記PAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、該PAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するとともに、前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更し、
前記位置通知部が、前記第2の情報通信端末に対し、前記端末データベースを参照し、該第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定された前記第4の範囲の位置情報および前記ブロック情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促す、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記命令発行部は、一定時間間隔で前記変更命令を発行する、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項9】
アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末と、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末と、前記有線ネットワークに接続された位置検出装置とを含む位置管理システムであって、
前記位置検出装置は、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行する命令発行部と、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、1以上のPAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末のうちの1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信する情報受信部と、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、各前記PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出する位置検出部とを含み、
前記情報通信端末は、
インストールされたエージェント・プログラムを実行することによりエージェント手段として機能し、前記エージェント手段が、
前記情報通信端末のネットワーク接続の状態を確認し、前記有線ネットワークに接続されているかどうかを判定する接続判定部と、
有線ネットワーク接続と判定された場合、前記情報通信端末の端末識別情報を前記位置検出装置へ送信する端末情報送信部と、
前記位置検出装置から前記変更命令を受けて、前記通信モードへ変更して前記PAPとして機能させる通信モード変更部と、
前記PAPとして、前記端末識別情報を付加したキャリア波を発信するキャリア波発信部と、
有線ネットワーク接続ではないと判定された場合、前記PAPとして機能する他の情報通信端末から発信された該他の情報通信端末の端末識別情報を付加したキャリア波の強度を測定する強度測定部と、
測定された前記強度を前記PAPとして機能する他の情報通信端末の端末識別情報とともに前記位置検出装置へ送信する測定結果送信部とを含む、位置管理システム。
【請求項10】
有線ネットワークに接続される位置検出装置によりアクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出する位置検出方法であって、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、前記有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行するステップと、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、各前記PAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末の中の1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信するステップと、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、前記各PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出するステップとを含む、位置検出方法。
【請求項11】
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させるステップと、
新しい前記PAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を前記第1の情報通信端末とし、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定するステップをさらに含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項12】
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第2の範囲を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップをさらに含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項13】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記検出するステップでは、2以上の前記測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲の位置情報と決定した前記ブロックのブロック情報とを前記端末データベースに記憶する、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項14】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記第1の情報通信端末の端末識別情報を位置情報と対応付け、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と位置情報とブロック情報とを対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記方法は、さらに、
前記第1の情報通信端末につき、前記PAPデータベースを参照して取得した前記PAP識別情報に対応する前記PAPの位置情報を、前記第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶するステップと、
前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照して決定した前記複数のブロックのうちの前記第1の範囲を構成するブロックを除いた前記第2の範囲を構成するブロックのブロック情報を、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲の位置情報とともに前記端末データベースに記憶するステップと、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しい前記PAPのPAP識別情報を該新しいPAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から少なくとも前記新しいPAPのPAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップとを含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項15】
前記位置検出装置は、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から1つの前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記決定するステップでは、前記PAPデータベースを参照して、受信した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合は、前記決定するステップでは、前記2以上の測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、
前記受信するステップで一定時間内に前記測定結果を受信していない前記情報通信端末が存在する場合、前記決定するステップでは、該情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶し、
前記方法は、さらに、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しく前記PAPとして機能させた情報通信端末の端末識別情報を新しい前記PAP識別情報として新しい前記PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から前記測定結果を該新しいPAPのPAP識別情報とともに受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップと、
前記第2の情報通信端末に対し、前記端末データベースを参照し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第4の範囲および前記ブロック情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップとを含む、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項16】
前記発行するステップは、一定時間間隔で前記変更命令を発行する、請求項10に記載の位置検出方法。
【請求項17】
アクセス・ポイント(AP)を介して無線通信を行う複数の情報通信端末の位置を検出する位置検出方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記APを介して通信可能なAP範囲内で、有線ネットワークに接続された1以上の情報通信端末に対し、他の情報通信端末と直接無線通信を行う通信モードへ変更し、擬似アクセス・ポイント(PAP)として機能させるための変更命令を発行するステップと、
前記複数の情報通信端末から前記APを介して端末識別情報を受信するともに、各前記PAPから各PAP識別情報を付加して発信されたキャリア波を受信可能な第1の範囲内に存在する前記複数の情報通信端末の中の1以上の第1の情報通信端末から、各前記第1の情報通信端末の端末識別情報を少なくとも各前記PAP識別情報とともに受信するステップと、
前記有線ネットワークの接続口を識別するための接続口識別情報と位置情報とを対応付けたデータを参照して、前記各PAPが接続された接続口の接続口識別情報から該各PAPの位置情報を取得し、前記各第1の情報通信端末につき、前記各PAP識別情報に対応する前記各PAPの位置情報を該各第1の情報通信端末の位置情報と決定し、前記1以上の第1の情報通信端末以外の第2の情報通信端末につき、前記AP範囲内で、かつ前記第1の範囲外の第2の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報と決定することにより前記複数の情報通信端末の各々の位置を検出するステップとを実行させる、プログラム。
【請求項18】
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させるステップと、
新しい前記PAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末を前記第1の情報通信端末とし、前記第3の範囲内にも存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報を前記第2の情報通信端末が存在する位置の位置情報として決定するステップをさらに前記コンピュータに実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記第2の情報通信端末に対し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第2の範囲を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップをさらに前記コンピュータに実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項20】
前記コンピュータは、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記検出するステップでは、2以上の前記測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記第2の情報通信端末につき、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲の位置情報と決定した前記ブロックのブロック情報とを前記端末データベースに記憶する、請求項17に記載のプログラム。
【請求項21】
前記コンピュータは、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記第1の情報通信端末の端末識別情報を位置情報と対応付け、前記第2の情報通信端末の端末識別情報と位置情報とブロック情報とを対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しい前記PAPのPAP識別情報を該新しいPAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から少なくとも前記新しいPAPのPAP識別情報を受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップとを実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項22】
前記コンピュータは、前記接続口識別情報と前記接続口の位置情報と前記AP範囲を複数のブロックに分割し、各前記接続口に前記情報通信端末を接続して前記PAPとして機能させた場合の前記キャリア波を受信可能な範囲を前記ブロックで表したブロック情報とを対応付けた前記データを記憶した位置情報データベースと、前記端末識別情報を少なくとも位置情報と対応付けて記憶する端末データベースと、前記PAP識別情報と前記PAPの位置情報とを対応付けて記憶するPAPデータベースとを管理し、
前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から1つの前記キャリア波の強度を測定した測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合、前記決定するステップでは、前記PAPデータベースを参照して、受信した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、前記受信するステップで1つの前記第1の情報通信端末から2以上の前記測定結果を前記PAP識別情報とともに受信した場合は、前記決定するステップでは、前記2以上の測定結果および前記PAP識別情報から前記強度が最も高いPAP識別情報を特定し、前記PAPデータベースを参照して、特定した前記PAP識別情報に対応する位置情報を取得し、取得した前記位置情報を前記1つの第1の情報通信端末の端末識別情報と対応付けて前記端末データベースに記憶し、
前記受信するステップで一定時間内に前記測定結果を受信していない前記情報通信端末が存在する場合、前記決定するステップでは、該情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記位置情報データベースと前記PAPデータベースとを参照し、前記複数のブロックのうち、前記第1の範囲を構成するブロックを除いたブロックを、前記第2の範囲を構成するブロックと決定し、決定した前記ブロックのブロック情報と前記第2の情報通信端末の端末識別情報と前記第2の範囲により特定される位置の位置情報とを前記端末データベースに記憶し、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記無線通信を行う情報通信端末が前記有線ネットワークに接続されたことに応答して、該情報通信端末へ前記変更命令を発行し、新しく前記PAPとして機能させ、新しく前記PAPとして機能させた情報通信端末の端末識別情報を新しい前記PAP識別情報として新しい前記PAPの位置情報と対応付けて前記PAPデータベースに記憶するステップと、
前記新しいPAPから発信されるキャリア波を受信可能な第3の範囲内に存在する情報通信端末から前記測定結果を該新しいPAPのPAP識別情報とともに受信し、該情報通信端末が前記端末データベースに前記第2の情報通信端末として記憶されている場合、前記PAPデータベースを参照して、前記新しいPAPの位置情報を該情報通信端末の位置情報とし、前記ブロック情報を消去して前記端末データベースを更新するステップと、
前記PAPデータベースと前記位置情報データベースとを参照して、前記第3の範囲内に存在しない情報通信端末を前記第2の情報通信端末とし、前記第2の範囲から前記第3の範囲を除いた第4の範囲の位置情報および該第4の範囲を構成するブロックのブロック情報へ前記端末データベース内の該第2の情報通信端末の位置情報およびブロック情報を変更するステップと、
前記第2の情報通信端末に対し、前記端末データベースを参照し、該第2の情報通信端末が存在する位置として決定された前記第4の範囲および前記ブロック情報を通知し、実際に配置されている位置情報の入力を促すステップとを実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【請求項23】
前記発行するステップを一定時間間隔で実行させる、請求項17に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−81023(P2013−81023A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219205(P2011−219205)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
【Fターム(参考)】
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