説明

位置測定装置

本発明は位置測定装置、特に媒体内に閉じ込められた対象物を検出するための手持式位置測定装置(10)であって、ケーシング(12)と該ケーシング(12)内に配置されたセンサ装置と前記ケーシング(12)を貫く開口(24)とを有する形式のものに関する。本発明によれば前記開口が少なくとも1つの、測定装置内に配置された光源(34)によってパルス状に照明可能である。この場合、照明の繰返し値は検出された対象物に関連している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念として記載した位置測定装置、特に媒体内に閉じ込められた対象物を検出するための手持式の位置測定装置に関する。
【0002】
公知技術
媒体内に閉じ込められた対象物を検出するための位置測定装置は手工業及び内装の分野で、例えば電気的な導体又は水道管のロケーションのために多様に使用されるが、木製バーのロケーションにも使用される。たいてい公知技術の装置の場合には各対象物のために、例えば金属、又は木又は電流の流過する導線のために固有の運転モードを有する。したがって選択された運転モードに応じてそれぞれ常に一種の対象物しか発見することができない。しかし、原理的には種々の対象物をロケーションできる多重センサも公知である。本来の測定機能を実現するほかに装置の操作は測定結果の質にとって重大な意味を持つ。技術的に高価値の測定装置では利用者が誤って操作すると、例えば装置を操作するときに誤った推定を出発点とするとわずかな測定出力しか達成されない。例えば操作者の誤った推定のもとでは正確なセンサ位置決めのためには位置の正確なマーキングはこの理由からだけでも可能ではない。検出しようとする対象物の種類が不明である場合にも結果の重い誤操作となる。
【0003】
DE4200518A1号から公知である手持式の金属検出器は媒体に閉じ込められた金属対象物の位置も深さも質的に決定する。この測定装置の場合には2つのコイル対を備えたセンサを用いて例えば壁内に隠れた金属が洗い出されかつ閉じ込め深さが検出される。センサの両方のコイル対はそれぞれ1つのオシレータと接続され、連続的に異なる周波数で振動する。金属の影響を受けた信号が測定されかつ評価のために重み付けされる。棒グラフの形での強度表示は閉じ込められた金属の位置を表示する。閉じ込められた金属の見つけ出された位置をマーキングするためにはDE4200518A1号の位置測定装置はセンサの作用センタに孔を有し、該孔を通してボーリング機のボーラもしくはマーキング手段が通されることができる。例えばDE4200518A1号の位置測定装置の1実施例では例えば壁のロケーションされた位置を判るようにするために着色媒体を有するポンチが前記孔に摺動可能に配置することが提案されている。
【0004】
US6259241B1号からは媒体に閉じ込められた対象物を検出するための位置測定装置であって、探査しようとする表面に方向付けられた光信号を発信することによって前記表面の後ろに閉じ込められた位置を表示することが公知である。US6259241B1号の装置は単数又は複数の光ダイオードを有し、該光ダイオードがケーシング内に配置されかつケーシング壁における適当な開口を介して作動時に光信号を発信し、この光信号が探査しようとする対象物に向けられる。測定装置のセンサが相応する測定信号を検出すると、位置測定装置の構成形態に応じて個別のもしくは複数の線形の光信号が探査しようとする対象に送出され、このような形式で利用者に、閉じ込められた対象物の存在とおよその位置とが表示される。
【0005】
WO87/06010号からは容量形のセンサと金属位置測定装置であって、金属を検出した場合に1つのセグメントを発光し、測定モードを使用者が変えるべきであることを使用者に信号化する形式のものが公知である。
【0006】
US2001/0007420A1号によれば隠された対象物の検出とロケーションとのための装置であって、多数の、異なる色のLEDを有し、LEDが使用者によってその都度選ばれた検出モードを表示する形式のものが公知である。US2001/0007420A1号の位置測定装置では金属的な対象物を検出する運転モードが選ばれると、黄色い光ダイオードが発光する。さらに赤い光ダイオードのアレーがそれぞれ検出した信号強さを発する。この装置は異なる対象物を検出できる一連のセンサを有している。
【0007】
発明の利点
媒体内に閉じ込められた対象物を検出するための本発明による位置測定装置は装置を貫く開口を有し、該開口が測定装置内に存在する少なくとも1つの光源によって照明可能である。このような形式で構成された測定装置は有利な形式で、媒体内に閉じ込められた対象物の簡単な位置検出とマーキングとを可能にする測定装置を貫く開口と該開口の適当な照明とによって、本発明による位置測定装置の利用者には測定装置の本来の測定領域に注意が喚起され、光信号を介して付加的に、探査しようとする対象の、開口により規定された表面の領域にて相応する測定信号の位置測定が行なわれたか否かが情報化される。
【0008】
さらに本発明の位置測定装置は開口の種々異なる照明形式で、閉じ込められた対象物の位置に関する純然たる情報伝達の他に検出された対象物の直接的な伝達を行なう。
【0009】
これは種々の対象物タイプを同時に、1つの対象物タイプに特定された特殊な運転モードをあらかじめ選択する必要なく検出することのできる位置測定装置の場合に特に有利である。したがって種々の対象物タイプ、例えば金属及び電流が流される電気的な導体又は木材である対象物探査に際して、種々の対象物の間の区別を即座に表示し、利用者に告げることができる。したがって対象物の認識に際して、利用者はどんな対象物タイプであるかを即座に知ることもできる。特に装置のケーシングにおける測定場所を規定する開口は特別な対象物タイプが検出された場合にはパルス化されて、例えばピカピカ光るように照明されることができる。
【0010】
従属請求項に記載された特徴によっては請求項1の本発明による位置測定装置の有利な構成が可能である。
【0011】
本発明の位置測定装置の有利な1実施例においては測定装置を貫く開口は測定装置のケーシング内へ挿入されたスリーブによって構成されているかもしくは制限されている。測定装置内に配置された、スリーブ材料内へ照射する少なくとも1つの光源によってスリーブ、ひいては測定装置を貫く開口が照明可能である。このためにスリーブは主として透明なもしくは半透明なプラスチックから成っている。このプラスチックはスリーブ全体、ひいては装置を貫く開口全体を照明するために、スリーブ内へ供給された光信号を伝送することを可能にする。有利な形式でスリーブはこのために光を拡散して、少なくとも1個所で供給された光信号が一様にスリーブ全体に分配されるように構成されている。
【0012】
測定装置を貫く開口を形成するスリーブを照明するための光源としては有利な形式で単数又は複数の光ダイオードが適している。
【0013】
本発明の位置測定装置の特に有利な実施例においては測定装置を貫く開口を照明するために複数の光源が設けられている。特に有利であることは開口を制限するスリーブが種々異なる色で照明可能に構成されることである。このような形式で利用者に、光学的にコード化された信号によって、利用者に開口によって規定された場所にて探査した媒体の表面の後ろに閉じ込められた対象物を考慮すべきか否かを信号化することができる。したがって例えば緑と赤の2色で開口によって規定した個所にてボーリングされ得る(例えば緑で照明されたスリーブ)か又は検出された対象物に基づきボーリングしない(赤で照明されたスリーブ)かを利用者に信号化することができる。本発明によって赤い信号が対象物タイプに関連してコンスタントに又はパルス化されて点灯すると検出された対象物の直接的な区別が可能である。
【0014】
測定装置を貫く開口の異なる照明によって、利用者には簡単でかつ有利な形式で即座に唯一の表現エレメントを介して複数の情報が同時に伝達されることができる。一方では測定を貫く開口が現状の探査領域を規定し、他方では測定信号に関連して異った照明、例えば色的に異った照明が、現状の探査個所にて例えばボーリングされ得るか又はボーリングされない方が良いかという付加的な情報が同時に告げられる。さらに、異なる照明周波数によって、例えば照明の同じ色で対象物の区別が示される。利用者はこれらの情報をすべて、直観的にきわめて容易にアプローチ可能な形で受取るので、利用者にとっては、例えば存在するディスプレーを見る必要性はない。これは位置測定装置を用いたオーバヘッドワークに際して特に好ましい。
【0015】
本発明の位置測定装置の別の実施例においては少なくとも1つのセンサの測定信号に関連して装置を貫く開口を閉鎖することを可能にする閉鎖手段が設けられている。したがって例えば測定装置を貫く開口を、測定装置のセンサが位置測定装置の探査領域に閉じ込められた対象物から発せられる測定信号を検出すると即座に閉鎖する。このような形式で利用者は測定装置の照明可能なスリーブを介した光学的な表示の他に、開口の機械的な閉鎖によって、閉じ込められた対象物が存在する場合のマーキング又はボーリングを行なうことを断念することができる。
【0016】
有利な形式で、装置を貫く開口は測定装置に配置されたコイルに対して同心的に配置されている。このような形式でマーキングの可能性はセンサの感受性が最高である個所で与えられる。測定装置を貫く開口は例えば鉛筆又は類似したマーキング装置を、探査しようとする媒体の表面に残そうとするマークのために案内しかつ正しい位置に正確にもたらすために利用される。したがって開口を通して探査しようとする媒体の表面の上に与えられたマークは媒体に閉じ込められた対象物の正確な位置を示す。このためには測定装置におけるマーキング開口は測定装置の誘導式センサのコイル内に延在する。この結果、センサの感受性ができるだけ正確にマーキングされる。
【0017】
本発明の位置測定装置に設けられた、測定装置を貫く、測定信号に関連して照明される開口によって、利用者は有利な形式で本来の測定領域に、センサの位置と形及びこの測定領域におけるポジティブ又はネガティブな信号の存在が知らされることができる。
【0018】
本発明の位置測定装置のさらなる利点は以下の図面及びこれに対応する記述に開示されている。
【0019】
図面
図面には本発明による位置測定装置の1実施例が示されており、以下これについて詳細に説明する。図面の図、その説明並びに請求項は数多くの特徴を組合わせで有している。専門家はこれらの特徴を個別に取出し、別の有意義な組合わせとすることも考えられるが、この組合わせも同様にこの明細書に開示されたものである。
【0020】
図1は本発明による測定装置の1実施例を簡易化して示した全体斜視図である。
【0021】
図2は図1の測定装置を、ケーシングを貫通する開口の領域で断面した視示図である。
【0022】
実施例の説明
図1には本発明の位置測定装置10の1実施例が斜視図的な平面図で示されている。位置測定装置はケーシング12を有し、該ケーシング12は上方と下方のハーフシエル48もしくは50から形成されている。ケーシングの内部には少なくとも1つのセンサ、特に誘導式センサが金属検出のためのコイル配置で設けられているほかに信号発生及び評価電子装置並びにエネルギ供給装置、例えばバッテリ又はアキュームレータを介するエネルギ供給装置が設けられている。位置測定装置はさらに測定信号と相関する送出信号を送出する表示器14を有している。表示器14、例えばセグメント化されたバー表示器又はグラフィックなLCD表示器を介して、検出された測定信号の強さを表示することができる。
【0023】
さらに本発明の位置測定装置は例えば装置を接続もしくは遮断しかつ測定過程をスタートさせることを可能にする一連の操作エレメント18を備えた操作フィールド16を有している。操作フィールド16の下側の領域に位置測定装置は図1によれば、本発明の位置測定装置を導くハンドグリップ22として形状と材料が選択された領域20を有している。前記ハンドグリップで位置測定装置はその下面30で、探査しようとする対象物もしくは媒体の表面の上を案内される。
【0024】
さらにハンドグリップ22の領域にはマーキング手段、例えば鉛筆が測定装置のケーシング12の内に又は外に設けられるか固定されていることができる。このようなマーキング筆は例えばハンドグリップ22の領域にケーシング12の適当な装置でクリップ止めしておくか又は測定装置12のバッテリ室の内部に保管していることができる。利用者は装置を使用するときに筆を随時、妨げとならないように携帯するか又は対象物を発見したあとではじめて探すか又はあらかじめ耳に挟む必要はなくなる。建築現場での実地における使用にはマーキング手段として鉛筆は特に適しているが他のマーキング手段、例えばけがきも同様に使用可能である。
【0025】
位置測定装置10の、ハンドグリップ22とは反対側には測定装置はケーシングを貫通する開口24を有している。開口24はケーシング12に挿入されたスリーブ26と測定装置のケーシングの上側と下側とによって形成されている。
【0026】
使用する場合には本発明による位置測定装置はその下面30で、探査しようとする媒体の表面に沿って案内される。以後記載した形式で利用者には表示器14を介してかつ照明可能なスリーブ26を介して情報、特に光学的な情報が、探査した媒体内に閉じ込められた対象物の存在に関して告げられる。
【0027】
さらに位置測定装置のケーシング12を貫通する開口24を通して利用者は探査した個所を直接的にのぞくことができるので、場合によっては探査しようとする壁の表面にある金属部分、例えば釘頭又はそれに類似したものが容易に視覚的に確認でき、ひいては誤った解釈があるために望まれない測定結果となることはなくなる。測定装置のケーシング12の上に形成されたマーキングライン52によって開口24の中心は視覚的に確認できるようになっている。開口は必ずしも丸い、特に円形の横断面を有している必要はない。同様に可能であるのは楕円形、長方形又は正方形の横断面を開口に与えることである。
【0028】
図2には本発明の位置測定装置がケーシングを貫通する開口24の領域の断面が斜視図で示されている。
【0029】
測定装置10の前方の部分、つまりハンドグリップ22とは反対の部分には誘導式の金属検出器のセンサコイル40がある。センサコイルと場合によってはこれを制御する所属する電子的なコンポーネントはプリント配線板42の上に固定されている。センサの中心はセンサコイル40の中心にある。装置の利用者に、閉じ込められた対象物の発見場所を探査した表面から位置測定装置を遠ざけることなしに筆を選択してマーキングする可能性を与えるためには、センサコイル40の中心にケーシング開口24があり、この開口24を通してマーキング筆を通すことができるようになっている。ケーシング12の外壁はコイル中心点の領域で少なくとも部分的にスリーブ26の内方の壁44によって形成されている。スリーブ26は図2の実施例ではスリーブ26を取囲むコイルの形に対する良好な適合を保証するために丸い横断面を有している。しかし、原理的には、既に述べたように、開口にもスリーブにも別の横断面形状が同様に可能である。プリント配線板42に取付けられた光源34(光ダイオード)によってこの透明なスリーブ26はセンサデータとは無関係に照明されるか又は照明されないことができる。この場合、照明された面は利用者に同時にセンサ位置も表示する。
【0030】
図2から判るように、測定装置のケーシング12に挿入され、図2の実施例においてはケーシング12のハーフシエル50の内面にてケーシング壁32に支えられたスリーブ26は測定装置を貫く開口24を規定する。スリーブ26は透明なプラスチック、例えばフレキシガラスエレメントから成り、該フレキシガラスエレメントにはいわゆる拡散センタが統合されている。この拡散センタに基づきスリーブ26はきわめて良好な拡散能をすぐれた透光性のもとで有している。
【0031】
スリーブ26内には例えば光ダイオード36の形で構成できる光源34によって光信号が供給されることができる。スリーブ26の材料の透光性が高く、同時に拡散能が高いことに基づき、点状にスリーブに供給された光信号は一様にスリーブ内に分配され、特に測定装置の上側28の領域に構成されたスリーブ26の上縁38まで導かれる。このような形式で開口24によって形成された測定装置を通る通路の内部を照明し、特に測定装置の上側28において開口を規定する領域38を光信号によってはっきりと強調することができる。
【0032】
図2の実施例では測定装置を貫く開口を規定するスリーブは本発明による位置測定装置の誘導式のセンサのセンサコイル40に同心的に配置されている。図2に示したセンサコイル40のほかに本発明の測定装置は別のセンサ装置並びに別のセンサを媒体内に閉じ込められた対象を検出するために有していることができる。さらに、単数又は複数の容量形センサを測定装置に設け、スリーブをすぐ近くに又は測定コンデンサの内部に構成することもできる。このためにはスリーブを例えば測定コンデンサの単数又は複数の電極が貫くことができる。
【0033】
スリーブ26は図示の実施例ではセンサコイル40の内部にあり、測定装置の開口24が測定装置の感受性がもっとも高い領域に位置させられている。このような形式で開口24を通して探査した媒体の表面に供給されたマーキングは位置検出された閉じ込められた対象物の位置とできるだけ正確に合致することが保証される。したがって照明可能なスリーブはなかんづく、利用者に彼の測定装置のどの個所にセンサが存在し、どの個所で正確に測定できるかを明らかにするためにも用いられる。
【0034】
さらに照明可能なスリーブ26は利用者に、閉じ込められた対象物が位置確認されたことを表示することを可能にする。例えば誘導式のセンサで探査された媒体における金属製の対象物が位置確認されると、検出された測定信号から出発して単数又は複数の光源34を制御して、スリーブ26を照明することができる。例えば金属製の対象物を検出した場合にスリーブをコンスタントに赤く照明することができる。これによって利用者には金属製の対象物が検出されたことが告げられ、この個所をボーリングしてはならないことが利用者に知らされる。
【0035】
しかし、本発明による位置測定装置は種々異なる対象物の区別も可能にする。装置が例えば装置内にあるACセンサを介して電圧を導く電気的な導体の流れを検出すると、スリーブがパルス化されて、つまり決った繰返し値で照明されるので赤い光がいまや特殊な周波数で光る。利用者にはいまやパルス化された赤い光で、対象物が検出されたことを知らされるだけではなく、どの種の対象物、図示の実施例では電圧を導く電気的な導体が発見されたことも知らされる。照明の繰返し値は検出された対象物タイプのインディケータである。特にこの実施例では金属製であるが電圧を導かない対象物の検出に際して発生するようなスリーブのコンスタントな照明は無限に高い繰返し値の限界に相応する。
【0036】
本発明の位置測定装置の別の実施例においては別の対象タイプによる差は原理的にはスリーブの照明の異なる周波数によっても視覚化されることができる。この場合にはスリーブは例えば赤く、しかし検出された対象物タイプに応じて速く又はゆっくりとパルス化して照明される。
【0037】
したがって利用者に対象物が発見されたことを単に知らせる純然たる対象物表示のほかに、スリーブの異なる照明形式(コンスタント、パルス化、高速又は低速パルス化)で種々の対象物タイプに従った対象物の区別を行なうこともできる。これは本発明の位置測定装置で種々の対象物タイプを同時に、特殊な、各対象物タイプに合わせた運転モードを選択する必要なく検出するときに有利である。
【0038】
スリーブ26を介して送信された、光学的な信号の認知性を好適化するためには、検出器の中央における透明なスリーブ26が照明に際しできるだけ均質に照射されることが望ましい。利用者は通常、スリーブ26を比較的に鋭角な方向から見るので、スリーブの良好でかつ均質な照射は特にスリーブの上方部分にて重要である。
【0039】
費用的な理由から実地においてはプリント配線板42の上には点状の光源34が少数しか取付けられない。それ自体スリーブの均質な照明を可能にするであろう面状の発光器は技術的に実現が困難でかつ費用的に高いが、光源24を実現する可能性の1つではある。均質な照明の問題は透明なスリーブ24がプラスチック材料から製作され、該プラスチック材料が光学的なセンタを有することによって解決された。スリーブは有利な形式でおおむね乳白ガラスから製作される。
【0040】
スリーブ26の均質な照明は透明なケーシングスリーブ26の可視の内面44が適当な、粗い、ひいては光を拡散する表面構造を備えていることによっても実現されることができる。これはスリーブがプラスチック射出成形品である場合には対応する工具表面が適当に電腐加工されることで行なうことができる。スリーブ26の、ケーシング内部に向いた面46はそれが滑らかに構成されていると有利である。これは利用者に見にくいケーシングスリーブの外面の下方部分にも場合によっては当嵌まる。照明源34から発せられる光は滑らかな表面で大部分反射させられかつ光学的な光導体内のようにスリーブ26における可視的な上方の外側38の方向へ導かれる。この作用は、前記滑らかなケーシング面が適当なコーティングで鏡面化されることで改善される。
【0041】
本発明による測定装置の別の有利な実施例においては複数の光源が設けられていることができる。この光源は種々異なる色の光をスリーブ26に供給し、利用者に色的にコード化された信号を介して位置の確認された対象物の存在についての情報を与える。例えば緑に光るスリーブを介して利用者に、利用者が開口24により規定された、探査した表面の領域にて危険なく、例えば表示器に表示されたボーリング深さまでボーリングできることを伝えることができる。
【0042】
さらに挿入スリーブ26の異なる照明によって利用者に、閉じ込められた対象物が検出されたか否か(照明スリーブは例えば赤く照明される)又は測定信号が存在せず、危険のないボーリングが可能であるか否か(照明スリーブはこの場合には例えば緑に照明される)を表示することもできる。
【0043】
又、選択的な形式でスリーブ26に供給された光の強さを検出信号と相関させ、利用者に信号経過に関する付加的な情報、つまり上昇する測定信号の方向を伝えることも可能である。
【0044】
特に有利な実施例においては測定装置の透明なスリーブ26は表示機能に加えて機械的な課題も与えられている。したがってスリーブ26によってケーシング下部分の内部におけるプリント配線板42の位置を固定することもできる。これは特に金属検出器にとって有力である。何故ならばこの場合にはセンサコイル40の領域にて、金属製のねじによる固定を回避できるからである。このようなねじは金属センサの測定力に影響を及ぼすことが考えられる。
【0045】
本発明の位置測定装置は図示の実施例に限定されるものではない。
【0046】
例えば本発明の位置測定装置の1実施例では、センサの測定信号に関連して、装置を貫く開口24を自動的に閉じる閉鎖メカニズムを設けておくことができる。この実施例においては例えば検出された、探査された表面の後ろに閉じ込められた対象物はスリーブ26の相応する照明信号を介して利用者に告げられることができる。この場合には同時に開口24が例えば機械的なフラップメカニズムで閉鎖され、例えば位置測定された対象物の領域のボーリングが完全に阻止されることができる。
【0047】
本発明による位置測定装置によっては有利な形式で同時に種々の対象物タイプを、すなわち、例えば金属製の対象物、磁気的な対象物、電流の流された対象物又は木製の対象物を検出しかつ区別することができる。この場合には各個別の対象物タイプに固有の運転モードは必要とされない。装置ケーシングを貫く照明スリーブの形をした発信ユニットの異なる形式の照明を介して対象物が発見されたか否かが信号化されるだけではなく、即座に異なる対象物タイプに従った対象物区別も実施されることができる。
【0048】
原理的には測定結果の発信の記述したコード化は光学的に行なうだけではなく音響学的に行なうことも可能である。例えばコンスタントな音もしくはコンスタントな音高で、例えばパルス化された音又はパルス化された音高を介して特徴づけられた第1の対象物タイプを第2の対象物タイプに対し区別することができる。このような位置測定装置は出力信号を発する発信ユニットを有することになる。この場合、出力信号の反復値は検出された対象物タイプに関連する。
【0049】
本発明の位置測定装置は誘導式センサの使用に限定されるものではなく、特に1つだけのコイル装置の使用に限定されるものではない。有利な形式で別の例えば容量形のセンサを位置測定装置のケーシング内に配置して多くの種々の対象物タイプを検出できるようにすることもできる。媒体に閉じ込められた対象物を、本発明の位置測定装置を用いてできるだけ正確に位置測定するためには位置測定装置を貫く開口24をセンサの作用中心に配置されるようにしたい。
【0050】
本発明の測定装置は原理的には場合によっては付加診断装置を有する容量形測定装置として構成されていることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による測定装置の1実施例の全体を概略的に示した斜視図。
【図2】図1の測定装置のケーシングを貫く開口の領域を断面した斜視図。
【符号の説明】
【0052】
10 位置測定装置
12 ケーシング
14 表示器
16 操作フィールド
18 操作エレメント
20 領域
22 ハンドグリップ
24 開口
26 スリーブ
28 上側
30 下側
32 ケーシング壁
34 光源
36 光ダイオード
38 領域
40 センサコイル
42 プリント配線板
44 内面
46 面
48 ハーフシエル
50 ハーフシエル
52 マーキング線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置測定装置、特に媒体内に閉じ込められた対象物を検出するための手持式位置測定装置(10)であって、ケーシング(12)と該ケーシング(12)内に配置されたセンサ装置と前記ケーシング(12)を貫く開口(24)とを有する形式のものにおいて、前記開口(24)が測定装置内に配置された少なくとも1つの光源(34)でパルス状に照明可能であり、前記照明の繰返し値が検出された対象物に関連していることを特徴とする、位置測定装置。
【請求項2】
色的にコード化された光信号が測定装置(10)の開口を照明するために設けられている、請求項1記載の位置測定装置。
【請求項3】
前記開口(24)が少なくとも2つの異なる色で照明可能である、請求項1又は2記載の位置測定装置。
【請求項4】
測定装置(10)の前記開口を照明するために複数の光源(34,36)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の位置測定装置。
【請求項5】
少なくとも1つの光源(34)が光ダイオード(LED)(36)である、請求項1から4までのいずれか1項記載の位置測定装置。
【請求項6】
前記開口(24)がスリーブ(26)で制限されており、該スリーブ(26)が測定装置内に配置された少なくとも1つの光源(34,36)で照明可能である、請求項1記載の位置測定装置。
【請求項7】
前記スリーブが拡散光を制御するように構成されている、請求項1記載の位置測定装置。
【請求項8】
前記スリーブ(26)が主として、少なくとも部分的に透明なプラスチックから成っている、請求項6又は7記載の位置測定装置。
【請求項9】
少なくとも1つのセンサの測定信号に関連して、ケーシング(10)を貫通する開口(24)を閉鎖することを可能にする閉鎖手段が設けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の位置測定装置。
【請求項10】
センサ装置が少なくとも1つの誘導式のセンサを位置測定のために有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の位置測定装置。
【請求項11】
センサ装置が少なくとも1つの容量型センサを有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の位置測定装置。
【請求項12】
センサ装置が異なる対象物を位置測定するために少なくとも2つのセンサを有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の位置測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−503477(P2009−503477A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523291(P2008−523291)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063831
【国際公開番号】WO2007/012546
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】