説明

位置管理システム、位置管理方法及び管理装置

【課題】
ユーザの位置を或る程度リアルタイムで管理しながら、無線端末の消費電力の低減や無線トラフィック量の低減を図ることを可能とする位置管理システム、位置管理方法及び管理装置を提供する。
【解決手段】
位置管理システムは、無線端末10と管理装置40とを含む。無線端末10は、自端末の位置を所定測定周期で測定する測定部13と、測定部13によって測定された位置を所定報告周期で管理装置40に報告する送信部14とを有する。管理装置40は、無線端末10から報告された位置を管理する位置管理DB42と、無線端末10の位置の参照を要求する位置参照要求を受け付ける受信部41と、位置参照要求の対象とされた無線端末10に対して、所定測定周期の短縮を指示する指示部45とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線端末の位置を管理する位置管理システム、位置管理方法及び管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話や無線タグなどの無線端末の位置を検出するシステムが知られている。このようなシステムでは、GPS(Global Positioning System)、無線LAN(TDOA(Time Differnce of Arrival)方式、RSSI(Received Signal Strength Indicator)方式など)、無線タグなどの技術が用いられる。
【0003】
このようなシステムを利用してユーザの位置をリアルタイムで管理することによって、プレゼンスサービスや要員配置サービスを提供することが可能である。なお、プレゼンスサービスは、コミュニケーションを取りたい特定のユーザ(社員など)がどこにいるかを把握するためのサービスである。要員配置サービスは、派遣先にどのユーザ(社員など)を向かわせることが効率的であるかを把握するためのサービスである。
【0004】
ここで、ユーザの位置をリアルタイムで管理するためには、無線端末が位置を測定する周期(測定周期)や無線端末が位置を報告する周期(報告周期)は短い方が好ましい。一方で、測定周期や報告周期を短縮すると、無線端末の電力消費が増大し、無線トラフィック量が増大する。
【0005】
これを受けて、携帯電話がGPSを用いて位置を測定することを前提として、携帯電話が接続する基地局が変更された場合に、測定周期を短縮する技術(1)が提案されている(例えば、特許文献1)。また、無線タグにモーションセンサが搭載されていることを前提として、無線タグが動いているときにのみ位置を測定する技術(2)も提案されている。
【特許文献1】特開2006−153695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した技術(1)では、携帯電話が接続する基地局が変更される毎に測定周期が短縮される。従って、ユーザが頻繁に移動するようなケースでは、位置の測定が頻繁に繰り返される。また、上述した従来技術(2)では、無線タグが移動する毎に位置の測定が繰り返される。
【0007】
従って、ユーザの位置をリアルタイムで管理することは可能であるが、消費電力の低減や無線トラフィック量の低減は不十分である。
【0008】
なお、上述したプレゼンスサービスや要員配置サービスでは、ユーザの位置が参照されていないようなケース(例えば、勤務時間外)において、ユーザの位置をリアルタイムで管理する必要がないことに留意すべきである。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザの位置を或る程度リアルタイムで管理しながら、無線端末の消費電力の低減や無線トラフィック量の低減を図ることを可能とする位置管理システム、位置管理方法及び管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の特徴に係る位置管理システムは、無線端末と管理装置とを含む。前記無線端末は、自端末の位置を所定測定周期で測定する位置測定部(測定部13)と、前記位置測定部によって測定された位置を所定報告周期で前記管理装置に報告する位置報告部(送信部14)とを有する。前記管理装置は、前記無線端末から報告された位置を管理する位置管理部(位置管理DB42)と、前記無線端末の位置の参照を要求する位置参照要求を受け付ける受付部(受信部41)と、前記位置参照要求の対象とされた前記無線端末に対して、前記所定測定周期の短縮を指示する指示部(指示部45)とを有する。
【0011】
かかる特徴によれば、無線端末が自端末の位置を所定測定周期で測定していることを前提として、管理装置は、位置参照要求の対象とされた無線端末に対して、所定測定周期の短縮を指示する。
【0012】
従って、無線端末(ユーザ)の位置を或る程度リアルタイムで管理しながら、無線端末の消費電力の低減や無線トラフィック量の低減を図ることができる。
【0013】
第1の特徴において、前記指示部は、前記位置参照要求の対象である前記無線端末に対して、前記所定報告周期の短縮を指示する。
【0014】
第1の特徴において、前記位置管理部は、前記位置参照要求の対象とされた前記無線端末を参照対象端末として管理し、前記位置参照要求の対象とされていない前記無線端末を非参照対象端末として管理する。前記管理装置は、前記参照対象端末に対応する前記所定測定周期と、前記非参照対象端末に対応する前記所定測定周期とを管理する測定周期管理部(周期管理DB43)を有する。前記参照対象端末に対応する前記所定測定周期は、前記非参照対象端末に対応する前記所定測定周期よりも短い。
【0015】
第1の特徴において、前記管理装置は、前記位置参照要求の送信元である要求元端末に対して、前記参照対象端末の位置を定期的に提供する位置提供部(提供部44)をさらに有する。
【0016】
第2の特徴に係る位置管理方法では、管理装置が無線端末の位置を管理する。位置管理方法は、前記無線端末が、自端末の位置を所定測定周期で測定するステップAと、前記無線端末が、前記ステップAで測定された位置を所定報告周期で前記管理装置に報告するステップBと、前記管理装置が、前記無線端末から報告された位置を管理するステップCと、前記管理装置が、前記無線端末の位置の参照を要求する位置参照要求を受け付けるステップDと、前記管理装置が、前記位置参照要求の対象である前記無線端末に対して、前記所定測定周期の短縮を指示するステップEとを含む。
【0017】
第3の特徴に係る管理装置は、所定測定周期で測定された無線端末の位置を管理する。管理装置は、前記無線端末から報告された位置を管理する位置管理部と、前記無線端末の位置の参照を要求する位置参照要求を受け付ける受付部と、前記位置参照要求の対象である前記無線端末に対して、前記所定測定周期の短縮を指示する指示部とを有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザの位置を或る程度リアルタイムで管理しながら、無線端末の消費電力の低減や無線トラフィック量の低減を図ることを可能とする位置管理システム、位置管理方法及び管理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下において、本発明の実施形態に係る位置管理システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0020】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0021】
[第1実施形態]
(位置管理システムの構成)
以下において、第1実施形態に係る位置管理システムの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る位置管理システムの構成を示す図である。
【0022】
図1に示すように、位置管理システムは、複数の無線端末10(無線端末10A及び無線端末10B)と、無線接続装置20と、ネットワーク30と、管理装置40と、要求元端末50とを有する。
【0023】
無線端末10は、無線LAN端末、携帯電話、無線タグなどの端末であり、自端末の位置を測定する機能を有する。無線端末10は、例えば、以下の方式によって、自端末の位置を測定し、自端末の位置を管理装置40に報告する。なお、無線端末10の詳細については後述する(図2を参照)。
【0024】
(1)RSSI(Received Signal Strength Indicator)方式
RSSI方式では、複数の無線接続装置20から無線端末10が受信する電波の受信強度と複数の無線接続装置20の位置とに基づいて、無線端末10の位置が三点測量によって取得される。なお、無線接続装置20の位置は既知であることに留意すべきである。
【0025】
(2)TDOA(Time Difference of Arrival)方式
TDOA方式では、複数の無線接続装置20から無線端末10が受信する電波の時間差と複数の無線接続装置20の位置とに基づいて、無線端末10の位置が三点測量によって取得される。なお、無線接続装置20の位置は既知であることに留意すべきである。
【0026】
(3)GPS(Global Positioning Sytem)方式
GPS方式では、複数の衛星から受信する電波によって無線端末10の位置が取得される。
【0027】
(4)無線タグ方式
無線タグを読み取る無線タグリーダの位置によって無線端末10(無線タグ)の位置が取得される。なお、無線タグリーダ及び無線端末10(無線タグ)は、近距離無線で接続されるため、無線タグリーダの位置を無線端末10(無線タグ)の位置と考えても差し支えない。無線タグリーダの位置は既知であることに留意すべきである。
【0028】
なお、第1実施形態では、無線端末10AをユーザAが所持しており、無線端末10BをユーザBが所持しているものとする。
【0029】
無線接続装置20は、無線端末10と無線通信を行う装置である。例えば、無線端末10が携帯電話である場合には、無線接続装置20は、移動体通信網における無線基地局である。無線端末10が無線LAN端末である場合には、無線接続装置20は、無線LANにおけるアクセスポイントである。無線端末10が無線タグである場合には、無線接続装置20は、無線タグリーダである。
【0030】
ネットワーク30は、無線接続装置20、管理装置40及び要求元端末50を接続するネットワークである。ネットワーク30は、移動体通信網や無線LANなどであり、単一種類のネットワークによって構成されていてもよく、複数種類のネットワークによって構成されていてもよい。
【0031】
管理装置40は、無線端末10の位置を管理する装置である。管理装置40は、無線端末10の位置を要求元端末50に対して提供する。なお、管理装置40の詳細については後述する(図3を参照)。
【0032】
要求元端末50は、無線端末10の位置の参照を管理装置40に対して要求する端末(例えば、パーソナルコンピュータ)である。具体的には、要求元端末50は、無線端末10の位置の参照を要求する位置参照要求を管理装置40に送信する。一方で、要求元端末50は、位置参照要求に応じて返信される無線端末10の位置を取得する。
【0033】
このような位置管理システムは、無線端末10の位置を管理することによって、プレゼンスサービスや要員配置サービスを提供する。プレゼンスサービスは、コミュニケーションを取りたい特定のユーザ(社員など)がどこにいるかを把握するためのサービスである。要員配置サービスは、派遣先にどのユーザ(社員など)を向かわせることが効率的であるかを把握するためのサービスである。
【0034】
(無線端末の構成)
以下において、第1実施形態に係る無線端末の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る無線端末10を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、無線端末10は、受信部11と、設定部12と、測定部13と、送信部14とを有する。
【0036】
受信部11は、自端末の位置を測定する周期(以下、測定周期)を指示する情報を管理装置40から受信する。受信部11は、自端末の位置を報告する周期(以下、報告周期)を指示する情報を管理装置40から受信する。
【0037】
設定部12は、測定周期及び報告周期を設定する。具体的には、設定部12は、管理装置40から受信した情報に従って測定周期及び報告周期を設定する。
【0038】
ここで、設定部12は、測定周期及び報告周期のデフォルト値を予め設定していてもよい。このようなケースでは、設定部12は、管理装置40から受信した情報に従って測定周期及び報告周期を変更する。
【0039】
測定部13は、設定部12によって設定された測定周期で自端末の位置を測定する。測定部13による位置測定は、上述したように、(1)RSSI方式、(2)TDOA方式、(3)GPS方式、(4)無線タグ方式などである。
【0040】
送信部14は、設定部12によって設定された報告周期で自端末の位置を管理装置40に送信する。
【0041】
(管理装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る管理装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る管理装置40を示すブロック図である。
【0042】
図3に示すように、管理装置40は、受信部41と、位置管理DB42と、周期管理DB43と、提供部44と、指示部45と、送信部46とを有する。
【0043】
受信部41は、無線端末10の位置の参照を要求する位置参照要求を要求元端末50から受信する。位置参照要求は、位置参照の対象とされる無線端末10(参照対象端末)の識別子などを含む。受信部41は、無線端末10の位置を無線端末10から受信する。
【0044】
位置管理DB42は、無線端末10から報告された位置を無線端末10毎に管理するデータベースである。具体的には、位置管理DB42は、図4に示すように、ユーザ識別子と参照フラグと位置とを管理する。
【0045】
ユーザ識別子は、無線端末10を所持するユーザを識別する識別子である。位置管理DB42は、ユーザ識別子に代えて、無線端末10を識別する識別子を管理していてもよいことは勿論である。
【0046】
参照フラグは、無線端末10が位置参照要求の対象とされているか否かを示すフラグである。具体的には、無線端末10が位置参照要求の対象とされている場合には、参照フラグに“1”がセットされる。無線端末10が位置参照要求の対象とされていない場合には、参照フラグに“0”がセットされる。
【0047】
位置は、無線端末10から報告された位置である。位置は、緯度及び経度を示す情報(例えば、W−S203)であってもよく、特定の場所を示す情報(例えば、会議室1−108)であってもよい。
【0048】
周期管理DB43は、測定周期及び報告周期を管理するデータベースである。具体的には、周期管理DB43は、図5に示すように、ユーザ識別子と参照対象端末と測定周期と報告周期とを管理する。
【0049】
ユーザ識別子は、無線端末10を所持するユーザを識別する識別子である。位置管理DB42は、ユーザ識別子に代えて、無線端末10を識別する識別子を管理していてもよいことは勿論である。
【0050】
参照対象端末は、無線端末10が位置参照要求の対象とされているか否かを示す情報である。具体的には、無線端末10が位置参照要求の対象とされている場合には、参照対象端末は“YES”である。無線端末10が位置参照要求の対象とされていない場合には、参照対象端末は“NO”である。
【0051】
測定周期は、無線端末10が位置を測定する周期である。ここで、参照対象端末が“YES”である無線端末10(参照対象端末)に対応する測定周期は、参照対象端末が“NO”である無線端末10(非参照対象端末)に対応する測定周期よりも短いことに留意すべきである。
【0052】
報告周期は、無線端末10が位置を報告する周期である。ここで、参照対象端末が“YES”である無線端末10(参照対象端末)に対応する報告周期は、参照対象端末が“NO”である無線端末10(非参照対象端末)に対応する報告周期よりも短いことに留意すべきである。
【0053】
なお、第1実施形態では、測定周期は、報告周期と同様であることに留意すべきである。また、測定周期及び報告周期は無線端末10(ユーザ)毎に定められている。
【0054】
提供部44は、位置参照要求の対象とされた無線端末10(参照対象端末)の位置を要求元端末50に対して提供する。具体的には、提供部44は、位置管理DB42を参照して、参照対象端末の位置を取得する。続いて、提供部44は、参照対象端末の位置の送信を送信部46に指示する。
【0055】
指示部45は、周期管理DB43を参照して、測定周期及び報告周期を無線端末10に指示する。具体的には、指示部45は、非参照対象端末から参照対象端末に変更された場合に、参照対象端末“YES”に対応する測定周期及び報告周期を示す情報の送信を送信部46に指示する。一方で、参照対象端末から非参照対象端末に変更された場合に、参照対象端末“NO”に対応する測定周期及び報告周期を示す情報の送信を送信部46に指示する。
【0056】
送信部46は、提供部44の指示に応じて、位置参照要求の対象とされた無線端末10(参照対象端末)の位置を要求元端末50に送信する。
【0057】
送信部46は、指示部45の指示に応じて、測定周期及び報告周期を示す情報を無線端末10に送信する。具体的には、送信部46は、参照対象端末“YES”に対応する測定周期及び報告周期を示す情報を、非参照対象端末から参照対象端末に変更された無線端末10に送信する。送信部46は、参照対象端末“NO”に対応する測定周期及び報告周期を示す情報を、参照対象端末から非参照対象端末に変更された無線端末10に送信する。
【0058】
(位置管理システムの動作)
以下において、第1実施形態に係る位置管理システムの動作について、図面を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係る位置管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【0059】
図6に示すように、ステップ10A〜ステップ10Cにおいて、無線端末10は、自端末の位置を測定周期(1)で測定した上で、自端末の位置を報告する。測定周期(1)は、参照対象端末“NO”に対応する測定周期である。なお、管理装置40は、無線端末10から報告された位置によって位置管理DB42を更新する。
【0060】
ステップ20において、要求元端末50は、無線端末10の位置の参照を要求する位置参照要求を管理装置40に送信する。
【0061】
ステップ30において、管理装置40は、参照フラグを更新する。具体的には、管理装置40は、参照フラグに“1”をセットする。
【0062】
ステップ40において、管理装置40は、周期管理DB43を参照して、参照対象端末“YES”に対応する測定周期を取得する。続いて、管理装置40は、参照対象端末“YES”に対応する測定周期を示す情報を無線端末10に送信する。
【0063】
ステップ50A〜ステップ50Cにおいて、管理装置40は、位置管理DB42を参照して、無線端末10の位置を取得する。続いて、管理装置40は、無線端末10の位置を要求元端末50に送信する。
【0064】
ステップ60A〜ステップ60Cにおいて、無線端末10は、自端末の位置を測定周期(2)で測定した上で、自端末の位置を報告する。測定周期(2)は、参照対象端末“YES”に対応する測定周期である。なお、管理装置40は、無線端末10から報告された位置によって位置管理DB42を更新する。
【0065】
なお、無線端末10から報告された位置によって位置管理DB42が更新されるため、要求元端末50が取得する位置は最新版であることに留意すべきである。例えば、ステップ50Aでは、管理装置40は、ステップ10Cで受信した位置を要求元端末50に送信する。ステップ50Bでは、管理装置40は、ステップ60Aで受信した位置を要求元端末50に送信する。ステップ50Cでは、管理装置40は、ステップ60Cで受信した位置を要求元端末50に送信する。
【0066】
ここで、無線端末10の位置を管理装置40が要求元端末50に提供する周期(提供周期)は一定であってもよく、可変であってもよい。例えば、無線端末10の位置が受信される毎に無線端末10の位置が提供されてもよく、無線端末10の位置が変化する毎に無線端末10の位置が提供されてもよい。
【0067】
(作用及び効果)
第1実施形態では、無線端末10が自端末の位置を測定周期(1)で測定していることを前提として、管理装置40は、位置参照要求の対象とされた無線端末10に対して、測定周期(1)よりも短い測定周期(2)を指示する。
【0068】
従って、無線端末10(ユーザ)の位置を或る程度リアルタイムで管理しながら、無線端末10の消費電力の低減や無線トラフィック量の低減を図ることができる。
【0069】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。
【0070】
具体的には、第2実施形態では、測定周期及び報告周期は、ユーザ数(無線端末10の数)に応じて変更される。
【0071】
(測定周期及び報告周期)
以下において、第2実施形態に係る測定周期及び報告周期について、図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る周期管理DB43に格納された情報の一例を示す図である。
【0072】
図7に示すように、周期管理DB43は、ユーザ数と参照対象端末と測定周期と報告周期とを管理する。
【0073】
ユーザ数は、位置管理システムに登録されたユーザ(無線端末10)の数である。すなわち、ユーザ数は、参照対象端末の数と非参照対象端末の数との合計である。
【0074】
ここで、測定周期及び報告周期は、無線トラフィック量を軽減するために、ユーザ数が多いほど長いことが好ましい。
【0075】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0076】
上述した実施形態では、無線端末10は、管理装置40から指示された測定周期で位置を測定するが、これに限定されるものではない。具体的には、管理装置40は、無線端末10の位置の測定を要求する位置測定要求を測定周期毎に無線端末10に送信してもよい。無線端末10は、位置測定要求に応じて自端末の位置を測定する。なお、管理装置40が位置測定要求を送信することによって、無線端末10が位置を測定する周期を管理装置40が指示していることに留意すべきである。
【0077】
上述した実施形態では、無線端末10は、管理装置40から指示された報告周期で位置を報告するが、これに限定されるものではない。具体的には、管理装置40は、無線端末10の位置の報告を要求する位置報告要求を報告周期毎に無線端末10に送信してもよい。無線端末10は、位置報告要求に応じて自端末の位置を報告する。なお、管理装置40が位置報告要求を送信することによって、無線端末10が位置を報告する周期を管理装置40が指示していることに留意すべきである。
【0078】
上述した実施形態では特に触れていないが、周期管理DB43に格納された測定周期又は報告周期は、オペレータによって適宜書き換えられてもよい。
【0079】
上述した実施形態では、測定周期及び報告周期は同じであるが、測定周期及び報告周期は異なっていてもよい。具体的には、無線端末10のバッテリー残量が少ないほど、測定周期が長くされてもよい。このようなケースでは、無線端末10は、自端末のバッテリー残量を管理装置40に報告する。また、無線端末10と無線接続装置20との間における無線トラフィック量が多いほど、報告周期が長くされてもよい。このようなケースでは、無線端末10又は無線接続装置20は、無線トラフィック量を管理装置40に報告する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1実施形態に係る位置管理システムの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る無線端末10を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る管理装置40を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る位置管理DB42に格納された情報の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る周期管理DB43に格納された情報の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る位置管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】第2実施形態に係る周期管理DB43に格納された情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10・・・無線端末、11・・・受信部、12・・・設定部、13・・・測定部、14・・・送信部、20・・・無線接続装置、30・・・ネットワーク、40・・・管理装置、41・・・受信部、42・・・位置管理DB、43・・・周期管理DB、44・・・提供部、45・・・指示部、46・・・送信部、50・・・要求元端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と管理装置とを含む位置管理システムであって、
前記無線端末は、
自端末の位置を所定測定周期で測定する位置測定部と、
前記位置測定部によって測定された位置を所定報告周期で前記管理装置に報告する位置報告部とを有しており、
前記管理装置は、
前記無線端末から報告された位置を管理する位置管理部と、
前記無線端末の位置の参照を要求する位置参照要求を受け付ける受付部と、
前記位置参照要求の対象とされた前記無線端末に対して、前記所定測定周期の短縮を指示する指示部とを有することを特徴とする位置管理システム。
【請求項2】
前記指示部は、前記位置参照要求の対象である前記無線端末に対して、前記所定報告周期の短縮を指示することを特徴とする請求項1に記載の位置管理システム。
【請求項3】
前記位置管理部は、前記位置参照要求の対象とされた前記無線端末を参照対象端末として管理し、前記位置参照要求の対象とされていない前記無線端末を非参照対象端末として管理しており、
前記管理装置は、前記参照対象端末に対応する前記所定測定周期と、前記非参照対象端末に対応する前記所定測定周期とを管理する測定周期管理部を有しており、
前記参照対象端末に対応する前記所定測定周期は、前記非参照対象端末に対応する前記所定測定周期よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の位置管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記位置参照要求の送信元である要求元端末に対して、前記参照対象端末の位置を定期的に提供する位置提供部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の位置管理システム。
【請求項5】
管理装置が無線端末の位置を管理する位置管理方法であって、
前記無線端末が、自端末の位置を所定測定周期で測定するステップAと、
前記無線端末が、前記ステップAで測定された位置を所定報告周期で前記管理装置に報告するステップBと、
前記管理装置が、前記無線端末から報告された位置を管理するステップCと、
前記管理装置が、前記無線端末の位置の参照を要求する位置参照要求を受け付けるステップDと、
前記管理装置が、前記位置参照要求の対象である前記無線端末に対して、前記所定測定周期の短縮を指示するステップEとを含むことを特徴とする位置管理方法。
【請求項6】
所定測定周期で測定された無線端末の位置を管理する管理装置であって、
前記無線端末から報告された位置を管理する位置管理部と、
前記無線端末の位置の参照を要求する位置参照要求を受け付ける受付部と、
前記位置参照要求の対象である前記無線端末に対して、前記所定測定周期の短縮を指示する指示部とを有することを特徴とする管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−147559(P2009−147559A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321266(P2007−321266)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】