説明

低いガス透過性の、室温硬化させたシロキサンシーラント組成物を有する断熱性ガラスユニット

【課題】高い断熱安定性を有し、使用するのが容易で、優れた粘着力を有するシーラント、及びそれを用いた、断熱安定性が向上した断熱性ガラスユニットの提供。
【解決手段】間隔を置いて各々離れた位置関係にある少なくとも2枚のガラス板、その間に存在する低熱伝導性ガス、及び、(a)前記ガスに対する透過性を示すジオルガノシロキサンと、(b)ジオルガノシロキサンポリマーの透過性より少ないガス透過性を有する少なくとも1つのポリマーと、(c)架橋剤と、(d)架橋反応用の触媒を含む硬化性シーラント組成物を含むガスシーラント部材を含んでなる断熱性ガラスユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広義には、熱絶縁構造物に関し、具体的には、ガス又は混合ガスに対する低い透過性を有する室温硬化組成物により密閉された、高い熱効率の断熱性ガラスユニット構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱ガラスユニット(IGU)は通常、スペーサにより分離される2枚のガラスパネルを備える。2枚のガラスパネルは各々平行して配置され、それらの端部で密閉され、パネル間の隙間又はインナースペースが完全に閉鎖される。インナースペースは通常、低伝導性ガス又はガス混合物で充填される。インナースペースに絶縁層が包含されるため、この典型的構造を有する断熱ガラスユニットにおけるエネルギー伝達は、単一のガラスパネルの場合と比較して減少している。エネルギー移動は、パネル間の隙間を大きくして空気による絶縁ブランケットを増加させることによって更に減少しうる。ただしパネル間の隙間拡張にも限度があり、それを過ぎると対流が生じ、エネルギー移動が増加するという問題点も存在する。エネルギー移動は、更なるインナースペースの形で絶縁層を追加し、ガラスパネルを囲むことによって、更に減少しうる。例えば、3つのガラスパネルを間隔を置いて平行に配置し、2つのインナースペースを形成させ、それらの端部で密閉するという方法もある。すなわち、パネルの分離は対流が生じる限度以下の距離に維持され、また全体のエネルギー移動も更に減少させることができる。更にエネルギー移動を減少させたい場合には、また更にインナースペースを追加すればよい。
【0003】
更に、密閉された断熱ガラスユニットのエネルギー移動は、密閉された断熱性ガラスウインドウ中の空気を、より高密度、低伝導性のガスと置換することによって更に減少させることができる。適切なガスは、無色で、非中毒性で、耐腐食的で、不燃性で、紫外線暴露に影響を受けず、空気より濃く、空気より低い伝導性である必要がある。アルゴン、クリプトン、キセノン及び六フッ化硫黄は、絶縁ガラス窓のエネルギー移動を減らすために空気を置換するのに通常用いるガスの例である。
【0004】
現在、硬化及び非加硫システムを含んでなる断熱性ガラスユニットの製造において、様々な形態のシーラントが用いられている。液体ポリスルフィド、ポリウレタン及びシリコーンは、通常用いられる硬化システムの代表例であり、その一方で、ポリブチレン−ポリイソプレン共重合体ゴムをベースとするホットメルトシーラントは通常、非加硫において用いられる。
【0005】
液体ポリスルフィド及びポリウレタンは通常、ベース及び硬化剤を含んでなる二成分システムであり、それらはガラスへの塗布の直前に混合される。シリコーンは、二成分システム以外にも、一成分システムとして用いてもよい。二成分システムの場合は、断熱ガラスユニットが次の製造ステージに移動する前に、所定の混合速度の2パート式の混合機及び所定の硬化時間が必要となる。
【0006】
しかしながら、これらのシーラント組成物は、断熱性ガラスユニットの性能強化に用いる低伝導性のエネルギー移動ガス(例えばアルゴン)に対する透過性が高い。この透過性の結果、ガスにより維持されていた、ガラスパネル間での低いエネルギー移動が時間と共に失われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
優れたバリア保護効果、及び上記の欠乏症を克服する高い断熱安定性を有し、使用するのが容易で、優れた粘着力を有するシーラントに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、断熱安定性が向上した断熱性ガラスユニットの提供に関する。本発明は具体的には、間隔を置いて各々離れた位置関係にある少なくとも2枚のガラス板、その間に存在する低熱伝導性ガス、及び、
(a)前記ガスに対する透過性を示すジオルガノシロキサンと、
(b)ジオルガノシロキサンポリマーの透過性より少ないガス透過性を有する少なくとも1つのポリマーと、
(c)架橋剤と、
(d)架橋反応用の触媒を含む硬化性シーラント組成物を含むガスシーラント部材を含んでなる断熱性ガラスユニットの提供に関する。
【0009】
本発明の硬化性シーラント組成物の使用により、好適には通気性の50%の減少及び還元した水分漏出がもたらされ、それにより断熱性ガラスユニット(IGU)の就役寿命を長期化させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の詳細な実施態様を以下に開示する。しかしながら、開示された実施態様は、本発明の単なる典型に過ぎないことに留意すべきであり、むしろ様々な形態で実施されうると考えられる。ゆえに、本願明細書に開示される詳細は、限定的に解釈すべきでなく、むしろ特許請求の範囲のベース、及び当業者に本発明の製造方法及び/又は使用法を教示する際のベースに過ぎないことに留意すべきである。
【0011】
図1では、断熱性ガラスユニット10、そこに含まれる硬化性シーラント組成物7、それにより隔離された、隣接する枠1及び2、並びにガス非透過性空間6のシーリングを示す。当業者に自明のように、存在する硬化性シーラント組成物7の発明概念は、本発明の技術思想から逸脱することなく、様々な態様で適用されてもよい。例えば、本発明の硬化性シーラント組成物は、他の材料(例えば様々な形態のガラス、例えば透明なフロートガラス、アニールされたガラス、強化ガラス、ソーラーガラス、着色ガラス、及び低Eガラス、アクリルシート及びポリカーボネートシートなどに対して用いてもよい。
【0012】
本発明に係る硬化性シーラント組成物7は、二重枠ガラス構造を有する断熱性ガラスユニットの構築において適用される。ゆえに断熱性ガラスユニットは、連続スペーサ5により分離される第1ガラス枠と1第2ガラス枠2、第1シーラント4、及び第1ガラス枠1と第2ガラス窓ガラス2との間に位置する硬化性シーラント組成物7を含む。本発明の硬化性シーラント組成物7の使用により、改良されたガスバリア特性及び水分漏出特性が得られる。その結果、硬化性シーラント組成物7は、断熱性ガラスユニットの性能が長期間維持される。
【0013】
ガラスの板が第一シーラント1及び本発明の硬化性シーラント組成物7を用いてスペーサ5で密閉されるとき、連続スペーサ5の寸法により、第1ガラス1及び第2ガラス2との間に形成されるガス非透過性空間6のサイズが決定される。光沢ビーズ8は、周知のように、ガラス板1及び2及び窓枠9の間に配置される。
【0014】
スペーサ5は、断熱性ガラスユニットの密封されたガス非透過性空間6の内部の乾燥状態を維持するために、乾燥剤で充填してもよい。断熱性ガラスユニットの内部に混合ガスを充填させる場合、乾燥剤は、低熱伝導性ガス又は使用する他のガスを吸着しないものである必要がある。
【0015】
断熱性ガラスユニットの第一シーラント4は、周知のポリマーから構成されてもよい。例えば、ゴムベースの材料(例えばポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリスルフィド、EPDMゴム、ニトリルゴム等)を用いてもよい。別の材料としては、ポリイソブチレン/ポリイソプレン共重合体、ポリイソブチレンポリマー、臭素化オレフィンポリマー、ポリイソブチレン及びパラメチルスチレンの共重合体、ポリイソブチレン及び臭素化パラメチルスチレンの共重合体、イソブチレン及びイソプレンのブチルゴム共重合体、エチレン−プロピレンポリマー、ポリスルフィドポリマー、ウレタンポリマー及びスチレンブタジエンポリマーなどの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
上で詳述されるように、第一シーラント4はポリイソブチレンのような材料により調製することができ、非常に良好な封止性能を有する。光沢ビーズ8は、時々光沢ベッドとも呼ばれ、シリコーン又はブチル型のシーラントである。連続スペーサ5に乾燥剤を存在させてもよく、それを用いて断熱性ガラス又はガラス枠1とガラス枠2とのガス非透過性の隙間から水分を除去してもよい。
【0017】
本発明の硬化性シーラント組成物7は、ジオルガノシロキサンポリマー又はそのブレンドと少なくとも1つのポリマーとを含んでなる各調製物の成分に関する一般的説明を以下に示す。ガス又は混合ガスに対する透過性を示しているジオルガノシロキサン又はジオルガノシロキサンのブレンド(各ポリマー鎖の末端のケイ素原子がシラノールであり、それによりシロキサンの粘性が25℃で約1,000〜200,000cpsとなる)、
ジオルガノシロキサンポリマー(a)の透過性よりも、ガス又は混合ガスに対する小さい透過性を示すポリマー、
以下の一般式のアルキルシリケート架橋剤:
(R14O)(R15O)(R16O)(R17O)Si、
(d)シリコーンシーラント組成物を架橋させる機能を有する触媒。
【0018】
本発明のシーラント組成物は、任意の成分(例えば充填材、付着促進剤、非イオン性活性剤及びそれらの混合物)を更に含んでなってもよい。
【0019】
シラノール末端ジオルガノシロキサンポリマー(a)は以下の一般式を有する:
D’
(式中、下付文字a=2であり、b≧1であり、下付文字c=0又は正の数であり、M=(HO)3−x−ySiO1/2であり、下付文字x=0、1又は2であり、下付文字y=0又は1であり、但し、x+yが2以下である場合、R及びRは独立に選択される一価のC−C60炭化水素基であり、D=RSiO1/2、でありR及びRは独立に選択される一価のC−C60炭化水素基であり、D’=RSiO2/2であり、R及びRは独立に選択される一価のC−C60炭化水素基である。)
【0020】
本発明の一実施形態では、各ポリマー鎖末端のケイ素原子がシラノール末端(a)であるジオルガノシロキサンの添加レベルは、組成物全体に対して約50重量%〜約99重量%にわたる。本発明の他の一実施形態では、ジオルガノシロキサンポリマーの又はジオルガノシロキサンポリマー(a)のブレンドの添加レベルは、組成物全体に対して約60重量%〜約95重量%にわたる。本発明の更に他の実施形態では、ジオルガノシロキサンポリマー又はジオルガノシロキサンポリマー(a)のブレンドは、組成物全体に対して約65重量%〜約95重量%にわたる。
【0021】
本発明のシーラント組成物7には更に、ジオルガノシロキサンポリマー(a)の透過性より少ないガス又は混合ガス透過性を示す少なくとも1つのポリマー(b)が含有される。
【0022】
ジオルガノシロキサンポリマー(a)の透過性より少ない、ガス又は混合ガスに対する透過性を示す適切なポリマー(b)としては、ポリエチレン(例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE))、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン(PIB)、酢酸ビニル樹脂(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVoH)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール修飾されたポリエチレンテレフタラート(PETG)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニリデン樹脂、重合ビニリデンフロライド、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリル樹脂(PMMA)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアミド(ナイロン)、ポリメチルペンテン、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(ポリエーテルスルホン)、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、可塑化ポリ塩化ビニル、イオノマ(Surtyn)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、スチレン−無水マレイン酸、修飾ポリフェニレンオキサイド(PPO)など、並びにそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
硬化性シーラント組成物7のポリマー(b)は可塑性を有してもよく、そのような例としては、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリウレタン(TPU)スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEEBS)、ポリメチルフェニルシロキサン(PMPS)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
これらのポリマーは単独でブレンドされてもよく、又は、コポリマーの形で組合せでブレンドを調製(例えばポリカーボネート−ABSブレンド、ポリカーボネートポリエステルブレンド、グラフト化ポリマー(例えばシラングラフト化ポリエチレン、及びシラングラフト化ポリウレタン))してもよい。
【0025】
本発明の一実施形態では、硬化性シーラント組成物7は、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを有する。本発明の他の一実施形態では、硬化性シーラント組成物は、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその混合物からなる群から選択されるポリマーを有する。本発明の更にもう1つの実施態様において、硬化性シーラント組成物ポリマーは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
【0026】
本発明の一実施形態では、硬化性シーラント組成物は、約50〜約99重量%のジオルガノシロキサンポリマー、及び約1〜約〜50重量%のポリマー(b)を含む。本発明の他の一実施形態では、硬化性シーラント組成物は、約60〜約95重量%のジオルガノシロキサンポリマー、及び約5〜約40重量%のポリマー(b)を含む。本発明の更に他の実施形態では、硬化性シーラント組成物は、約65〜約95重量%のジオルガノシロキサンポリマー、及び約5〜約35重量%のポリマー(b)を含む。
【0027】
ポリマー(b)とジオルガノシロキサンポリマー(a)のブレンディング方法は、従来技術において公知の方法であってもよく、溶融ブレンディング、溶液ブレンディング又はジオルガノシロキサンポリマー(a)中での粉末状のポリマー(b)成分の混合により実施してもよい。
【0028】
硬化性シーラント組成物のシロキサンにとり好適な架橋剤(c)としては、以下の一般式で表されるアルキルシリケートが挙げられる。
(R14O)(R15O)(R16O)(R17O)Si
式中、R14、R15、R16及びR17は一価のC−C60炭化水素基から独立に選択される。本願明細書に有用な架橋剤としては、限定されないがテトラ−N−プロピルシリケート(NPS)、テトラエチルオルトシリケート及びメチルトリメトキシシラン及び類似のアルキル置換されたアルコキシシラン組成物、などが挙げられる。
【0029】
本発明の一実施形態では、アルキルシリケート(架橋剤)の添加レベルは約0.1重量%〜約10重量%にわたる。本発明の他の一実施形態では、アルキルシリケート(架橋剤)の添加レベルは約0.3重量%〜約5重量%にわたる。本発明の更にもう1つの実施態様において、アルキルシリケート(架橋剤)の添加レベルは組成物全体に対して約0.5重量%〜約1.5重量%にわたる。
【0030】
適切な触媒(d)は、シリコーンシーラント組成物の架橋を促進しうる、公知のいずれのものであってもよい。触媒には、金属触媒及び非金属触媒がある。本発明に有用な金属縮合触媒の金属部分の例としては、スズ、チタニウム、ジルコニウム、鉛、鉄、コバルト、アンチモン、マンガン、ビスマス及び亜鉛化合物が挙げられる。
【0031】
本発明の一実施形態では、シリコーンシーラント組成物の架橋の促進に有用なスズ化合物として、以下のものが挙げられる:スズ化合物(例えばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジメトキシド、スズオクトエート、イソブチルスズトリセロエート、ジブチルスズオキシド、可溶化ジブチルスズオキシド、ジブチルスズビス−ジイソオクチルフタレート、ビス−トリプロポキシシリルジオクチルスズジブチルスズビス−アセチルアセトン、シリル化ジブチルスズジオキシド、メトキシカルボニルフェニルスズトリス−ウベレート、イソブチルスズトリセロエート、ジメチルスズジブチレート、ジメチルスズジ−ネオデカノエート、トリエチルスズタルタレート、ジブチルスズジベンゾエート、スズオレエート、スズナフテネート、ブチルスズトリ−2−エチルヘキシルヘキソエート及びスズブチレートなど。更に他の実施形態では、シリコーンシーラント組成物の架橋を促進するのに有用なスズ化合物は、キレート化チタン化合物、例えば1,3−プロパンジオキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジ−イソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)及びテトラアルキルチタネート(例えばテトラn−ブチルチタンネート及びテトライソプロピルチタネート)である。本発明の更に他の実施形態では、ジオルガノスズビスβ−ジケトネートを、シリコーンシーラント組成物における架橋を促進するために用いる。
【0032】
本発明の一態様では、触媒は金属触媒である。本発明の別の態様では、当該金属触媒はスズ化合物からなる群から選択され、本発明の更に別の態様では、当該金属触媒は可溶化されたジブチルスズオキシドである。
【0033】
本発明の一実施形態では、触媒の添加レベルは組成物全体に対して約0.001重量%〜約1重量%にわたる。本発明の他の実施形態では、触媒の添加レベルは、組成物全体の約0.003重量%〜約0.5重量%にわたる。本発明の更に他の実施形態では、触媒の添加レベルは、組成物全体の約0.005重量%〜約0.2重量%にわたる。
【0034】
本発明のシリコーン組成物は、付着促進剤としてアルコキシシラン又はアルコキシシランのブレンドを更に含んでなる。一実施形態では、付着促進剤は、n−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートの組合せブレンドであってもよい。本発明において有用な他の付着促進剤としては、限定されないがn−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−γ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能化トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン及びn−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミンなどが挙げられる。
【0035】
アルコキシシラン(付着促進剤)の添加レベルは、約0.1重量%〜約20重量%にわたる。本発明の一実施形態では、付着促進剤は組成物全体に対して約0.3重量%〜約10重量%のレベルで添加する。本発明の他の一実施形態では、付着促進剤は組成物全体に対して約0.5重量%〜約2重量%のレベルで添加する。
【0036】
本発明の硬化性シーラント組成物には、充填材を含有させてもよい。好適な本発明の充填材としては、限定されないが、天然シリカ、コロイド状シリカ(例えばステアリン酸塩又はステアリン酸で処理)、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ、シリカゲル及び疎水化シリカなどの強化シリカ、粉砕済及び天然クォーツ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、ケイ藻土、酸化鉄、カーボンブラック及び黒鉛又はクレー(例えばカオリン、ベントナイト又はモンモリロナイト)、タルク、雲母などが挙げられる。
【0037】
本発明の一実施形態では、充填材は、炭酸カルシウム充填材、シリカ充填材又はその混合物である。添加される充填材のタイプ及び量は、硬化したシリコーン組成物の所望の物理的性質に依存する。本発明の他の一実施形態では、充填材の量は、組成物全体に対して0重量%〜約80重量%である。本発明の更に他の実施形態では、充填材の量は、組成物全体に対して約10重量%〜約60重量%である。本発明の更に他の実施形態では、充填材の量は、組成物全体に対して約30重量%〜約55重量%である。充填材は、単一の物質からなってもよく、又は2つ以上の物質の混合物であってもよい。
【0038】
本発明の更なる実施形態では、シーラント組成物は、いわゆる「クレー」又は「ナノクレー」と呼ばれるクラスの無機質を含む。「有機クレー」とは、有機分子(また剥脱剤又は表面改質剤と呼ばれる)で処理されたクレー又は他の層状材料であって、層間の表面に存在するカチオンによりイオン交換反応を受けることができる。
【0039】
本発明の一実施形態では、本発明で用いられるクレー材料としては、天然もしくは合成フィロシリケート(特にモンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト)、ノントロナイト、ベイデルライト、フォルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、マガダイト、ケニヤイト、ソボックカイト、スヴィンドルダイト、ステヴェンサイト、タルク、雲母、カオリナイト、並びにバーミキュライト、ハロイサイト、アルミネート酸化物又はヒドロタルシトなどのスメクティッククレー、並びにそれらの混合物などが挙げられる。他の実施形態では、他の有用な層状材料としては、マイカ状の鉱物(例えばイライト)、及び混合層をなしたイライト/スメクタイト鉱物(例えばレクトライト)、タロソヴァイト、レジカイト、並びにイライトと上記ミネラルの混合物が挙げられる。あらゆる膨張可能な層状材料であって、有機分子を吸収して隣接するフィロシリケート小板状体間の層間隔を少なくとも5オングストローム、又は少なくとも10オングストローム(乾燥時のフィロシリケートの測定において)に増加させる材料を、本発明の実施に使用してもよい。
【0040】
上述の粒子は、スメクタイトクレーのように天然物であってもよく、あるいは合成物であってもよい。この差異により粒度に影響が生じ、特に本発明では、好ましくは0.05μm〜2μm、より好ましくは0.1μm〜1μm、粒子は0.01μm〜5μm間の横方向のサイズを有する。粒子の厚み又は縦方向のサイズは、0.5nm〜10nm、好ましくは1nm〜5nmで調節してもよい。
【0041】
本発明の更に別の実施形態では、クレー及び層状材料を処理又は修飾するのに有用な有機化合物及び無機化合物としては、カチオン性界面活性剤(例えば脂肪族、芳香族若しくはアリール脂肪族のアミン)、ホスフィン又は硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、アルキルアンモニウム(第一級、第二級、第三級及び第四級)、ホスホニウム又はスルホニウム誘導体が挙げられる。かかる有機化合物は、本願明細書に記載する「表面改質剤」又は「剥離剤」である。クレー及び層状材料の処理に有用な更なる有機若しくは無機分子は、構造式RNで表されるアミン化合物(又は対応するアンモニウムイオン)が挙げられる。式中、R、R及びRは一実施形態ではC−C30アルキル又はアルケン、他の実施形態ではC−C20アルキル又はアルケンであり、それらは同じであってもよく、異なってもよい。一実施形態では、当該有機分子は、RがC14−C20アルキル又はアルケンである長鎖第三級アミンである。他の実施形態では、R及び/又はRはC14−C20アルキル又はアルケンであってもよい。本発明の更に他の実施形態では、修飾物質は構造式RNで表されるアミンであってもよい。式中、R,R及びRはC−C30アルコキシシラン又はC−C30アルキル又はアルケンとアルコキシシランとの組み合わせである。
【0042】
処理又は修飾されて有機クレーを形成する好適なクレーとしては、モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト)、ノントロナイト、ベイデルライト、フォルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、マガダイト、ケニヤイト、ソボックカイト、スヴィンドルダイト、ステヴェンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、アルミネート酸化物又はヒドロタルシト、イライト、レクトライト、タロソヴァイト、レジカイト及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の有機クレーは、1つ以上のアンモニウム、第一級アルキルアンモニウム、第二級アルキルアンモニウム、第三級アルキルアンモニウム、第四級アルキルアンモニウム、脂肪族、芳香族若しくはアリール脂肪族のアミン、ホスフィン若しくは硫化物のホスホニウム誘導体、又は脂肪族、芳香族若しくはアリール脂肪族のアミン、ホスフィン若しくは硫化物のスルホニウム誘導体を更に含んでなってもよい。本発明の一実施形態では、有機クレーは、アルキルアンモニウム修飾モンモリロナイトである。
【0043】
本発明の実施形態に係る、本発明のシーラント組成物に添加するクレーの量は、ガスに対するシーラントの透過性を減少させるのに有効な量であるのが好適である。本発明の一実施形態では、本発明のシーラント組成物は、0〜約50重量%でナノクレーを含有する。他の実施形態では、本発明の組成物は、約1〜約20重量%でナノクレーを含有する。
【0044】
本発明の硬化性シーラント組成物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシル化ヒマシ油、オレイン酸エトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)の共重合体、及びシリコーン及びポリエーテルの共重合体(シリコーンポリエーテル共重合体)、シリコーンの共重合体、及びエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの共重合体、及びそれらの混合物から選択される非イオン性界面活性化合物を任意に含んでなってもよい。それらの含有量は、全組成物に対して僅かに0重量%超〜約10重量%の量、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約0.75重量%である。
【0045】
それらが所望の特性を損なわない限り、本発明の硬化性シーラント組成物は、従来室温可塑性(RTV)シリコーン組成物にいて使用される着色剤、色素及びを可塑剤などの他の成分を使用して調製してもよい。
【0046】
更に、これらの組成物は、周知のシロキサン重合体の溶融、溶媒及びin situ重合を使用して調製してもよい。
【0047】
好ましくは、ジオルガノシロキサンポリマーとポリマーの混合方法は、タンブラ又は他の物理的混合機を使用して成分を接触させ、更に押出機で溶融混合することにより実施してもよい。あるいは、成分を直接押出機、ブラベンダー又は他のあらゆる溶融混合装置において溶融ブレンドしてもよい。
【実施例】
【0048】
本発明の硬化性シーラント組成物を、以下の非限定的な例で例示する。
【0049】
ヘイク・インターナルミキサーを用いて、ポリジメチルシロキサン(PDMS)混合物(シラノール5000及びシラノール50000、Gelest社製)を、LLDPE(溶融流動指数(MFI)20、Sabic)と共に、150℃、12分、200RPMで完全に溶融混合させた。3つのブレンド(10、20及び30重量%LLDPE)を、以下の方法によって調製した(それぞれ実施例1、2及び3がとして下記に示す):
シラノール5000cPs及び50000cPsを、1:1の比率で混合した。ヘイクミキサー(@150℃)に、70%のシラノール混合液を添加した。プログラムウインドウを使用して実験を開始した。ミキサーに少量のLLDPEを添加した。添加時間を1〜2分とした。ミキサー中に30%シラノール残留混合物を添加した。
【0050】
12分後に回転を自動的に停止させ、ガラスペトリ皿に混合された材料を回収した。
【0051】
以下の実施例を、上記手順を使用して得られたバッチから調製した:
実施例1=52gの混合シラノール(5000及び50000@50:50)+6gのLLDPE。
実施例2=48gの混合シラノール(5000及び50000@50:50)+12gのLLDPE。
実施例3=42gの混合シラノール(5000及び50000@50:50)+18gのLLDPE。
実施例1、2及び3を用いて、更に硬化シートを以下の通りに調製した:
PDMS−LLDPEブレンドを、5〜7分間、ハンドブレンダーを用いて、表1で示す組成で、n−プロピルシリケート(架橋剤、Gelest Chemicals、米国社製)、可溶化ジブチルスズオキシド(DBTO)(触媒、GEシリコーン、ウォーターフォード、米国)と混合した。気泡を真空除去し、混合物をテフロン(登録商標)型に注入し、通常条件(25℃及び50%湿度)下で24時間静置した。硬化シートを24時間後に型から除去し、完全に硬化させるために7日間常温で静置した。
【0052】
表1
【表1】

【0053】
実施例1−3及び比較実施例1のアルゴン透過性は、通気性試験により測定した。測定は、100のPSI圧力及び25℃の温度における可変容量法(variable−volume method)により行った。それらの再現性を確実にするために、適宜2〜3回、同一の条件下で測定を繰り返した。透過性データの結果を、図1において視覚的に示す。
【0054】
図1において示す可変容量法により、「バレル(barrer)」単位(0.0〜1200.0)でアルゴン(Ar)透過性を測定した。図1に示すように、実施例1から3は、比較実施例1よりも低いAr透過率を示した。
【0055】
実施例5、6及び7を、以下の通りに調製した:
ポリジメチルシロキサン(PDMS)ブレンド(シラノール3000及びシラノール30000、GEシリコーン社製)を、150℃の押出機中で、LLDPE(溶融流動インデックス:20、Sabic)、並びにHakenuka TDD CaCO及びOmya FT CaCOの混合物と溶融ブレンドした。バレルの温度設定を以下の表2に示す。
【0056】
比較実施例4を以下の通り調製した:
ポリジメチルシロキサン(PDMS)混合物(シラノール3000及びシラノール30000、GEシリコーン社製)を、Hakenuka TDD CaCO及びOmya FT CaCOの混合物に添加し、150℃の押出機中で溶融ブレンドした。バレルの温度設定を以下の表2に示す。
【0057】
表2
【表2】

【0058】
流加速度を50lbs/時でセットした。比較実施例4及び実施例5、6及び7の組成(表3に示す)により、150℃で押出機を用いて調製した。
【0059】
表3
【表3】

【0060】
押出加工された材料を、6オンスのsemcoカートリッジで収集した。
【0061】
比較実施例4及び実施例5、6及び7を用いて、硬化シートを以下の通りに作製した:
実施例5から7及び比較実施例4のPDMS−LLDPEブレンドを、6分間、semkitミキサーで、パートB(触媒混合物、可溶化ジブチルスズオキシド、n−プロピルシリケート、アミノプロピルトリエトキシシラン、カーボンブラック及びシリコーン油からなる)と12.5:1の比率で混合した。更に混合物をテフロン(登録商標)型に注入し、通常条件(25℃及び50%湿度)下で24時間維持した。硬化シートを、24時間後に型から取り出し、完全に硬化するまで7日間常温で静置した。
【0062】
比較実施例4及びLLDPE及び充填材を有する実施例5、6及び7の透過性データを図3及び4に示す。
【0063】
図3及び4に示すように、実施例5から7は比較実施例4と比較し低いAr透過率を示した。
【0064】
具体的な実施態様を記載して本発明を説明したが、当業者であれば、様々な変化を施し、また本発明の範囲内においてその成分と均等な用途による置換を適宜行うことができると考えられ、本発明には添付の特許請求の範囲に包含される全ての実施態様が含まれると解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】二重の光沢処理済み断熱性ガラスユニット(IGU)を示す断面側面図。
【図2】実施例1から3のアルゴンガスに対する透過性を示すグラフ。
【図3】実施例5から7のアルゴンガスに対する透過性を示すグラフ。
【図4】実施例5から7のアルゴンガスに対する透過性の%減少を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を置いて各々離れた位置関係にある少なくとも2枚のガラス板、その間に存在する低熱伝導性ガス、及び、
(a)前記ガスに対する透過性を示すジオルガノシロキサンと、
(b)ジオルガノシロキサンポリマーの透過性より少ないガス透過性を有する少なくとも1つのポリマーと、
(c)架橋剤と、
(d)架橋反応用の触媒を含む硬化性シーラント組成物を含むガスシーラント部材を含んでなる断熱性ガラスユニット。
【請求項2】
前記ジオルガノシロキサンポリマー成分(a)が以下の式で表されるシラノール末端ジオルガノシロキサンである、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
D’
(式中、下付文字a=2であり、b≧1であり、下付文字c=0又は正の数であり、M=(HO)3−x−ySiO1/2であり、下付文字x=0、1又は2であり、下付文字y=0又は1であり、但し、x+yが2以下である場合、R及びRは独立に選択される一価のC−C60炭化水素基であり、D=RSiO1/2、でありR及びRは独立に選択される一価のC−C60炭化水素基であり、D’=RSiO2/2であり、R及びRは独立に選択される一価のC−C60炭化水素基である。)
【請求項3】
前記ポリマー(b)が、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン(PIB)、酢酸ビニル樹脂(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVoH)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール修飾されたポリエチレンテレフタラート(PETG)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニリデン樹脂、重合ビニリデンフロライド、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリル樹脂(PMMA)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアミド(ナイロン)、ポリメチルペンテン、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(ポリエーテルスルホン)、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、可塑化ポリ塩化ビニル、イオノマ(Surtyn)ポリフェニレンサルファイド(PPS)スチレン−無水マレイン酸、変性ポリフェニレンオキサイド(PPO)エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリウレタン(TPU)スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEEBS)、ポリメチルフェニルシロキサン(PMPS)及びその混合物からなる群から選択される、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項4】
前記ポリマー(b)が、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びそれらの混合物からかる群から選択される、請求項3記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項5】
前記ポリマー(b)が、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその混合物からなる群から選択される、請求項4記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項6】
前記ポリマー(b)が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である、請求項5記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項7】
充填材、付着促進剤、非イオン性活性剤からなる群から選択される少なくとも1つの任意の成分を含んでなる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項8】
前記触媒がスズ触媒である、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項9】
前記スズ触媒が、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジメトキシド、スズオクトエート、イソブチルスズトリセロエート、ジブチルスズオキシド、可溶化ジブチルスズオキシド、ジブチルスズビス−ジイソオクチルフタレート、ビス−トリプロポキシシリルジオクチルスズジブチルスズビス−アセチルアセトン、シリル化ジブチルスズジオキシド、メトキシカルボニルフェニルスズトリス−ウベレート、イソブチルスズトリセロエート、ジメチルスズジブチレート、ジメチルスズジ−ネオデカノエート、トリエチルスズタルタレート、ジブチルスズジベンゾエート、スズオレエート、スズナフテネート、ブチルスズトリ−2−エチルヘキシルヘキソエート及びスズブチレート、ジオルガノスズビスβ−ジケトネート及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項10】
前記付着促進剤が、n−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−γ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能化トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン及びn−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項11】
前記ジオルガノシロキサンポリマー成分(a)が、組成物全体に対して約50重量%〜約99重量%の量で含まれる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項12】
前記ジオルガノシロキサンポリマー成分(a)が、組成物全体に対して約60重量%〜約95重量%の量で含まれる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項13】
前記ポリマー成分(b)が、組成物全体に対して約1重量%〜約50重量%の量で含まれる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項14】
前記ポリマー成分(b)が、組成物全体に対して約5重量%〜約40重量%の量で含まれる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項15】
前記充填材が、クレー、ナノ−クレー、有機クレー、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、コロイド質炭酸カルシウム、ステアリン酸化合物又はステアリン酸で処理された炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ、シリカゲル、疎水化シリカ、親水性シリカゲル、圧壊クォーツ、石英粉末、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、クレー、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、圭藻土、酸化鉄、カーボンブラック及び黒鉛、タルク、雲母及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項16】
前記非イオン性活性剤が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシル化ヒマシ油、オレイン酸エトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの共重合体、及びシリコーン及びポリエーテルの共重合体、シリコーンの共重合体、並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの共重合体、並びにそれらの混合物から選択され、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項7記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項17】
前記非イオン性活性剤がエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの共重合体、シリコーン及びポリエーテルの共重合体、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの共重合体、シリコーンの共重合体、及びその混合物からなる群から選択される、請求項16記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項18】
前記架橋剤成分(c)が、組成物全体に対して約0.1重量%〜約10重量%の量で含まれる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項19】
前記触媒成分(d)が、組成物全体に対して約0.005重量%〜約1重量%の量で含まれる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項20】
前記充填材が、組成物全体に対して0〜約80重量%の量で含まれる、請求項7記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項21】
前記付着促進剤が、組成物全体に対して約0.5重量%〜約20重量%の量で含まれる、請求項7記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項22】
前記クレーが、モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト)、ノントロナイト、ベイデルライト、フォルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、マガダイト、ケニヤイト、ソボックカイト、スヴィンドルダイト、ステヴェンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、アルミネート酸化物又はヒドロタルシト、イライト、レクトライト、タロソヴァイト、レジカイト及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項23】
前記クレーが構造式RNで表されるアミン化合物又はアンモニウムイオン
(式中、R、R及びRはC−C30アルキル又はアルケン、及びそれらの混合物)
で修飾されている、請求項22記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項24】
、R及びRがC−C20アルキル又はアルケン、及びそれらの混合物である、請求項23記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項25】
前記クレーが、第三級アミン
(式中、RはC14−C20アルキル又はアルケン、及びそれらの混合物)
により修飾されている、請求項24記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項26】
及び/又はRが、C14−C20アルキル又はアルケン、及びそれらの混合物である、請求項25記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項27】
前記クレーが構造式RNで表されるアミン又はアンモニウムイオン
(式中、R,R及びRの少なくとも1つはC−C30アルコキシシランであり、残りのものはC−C30アルキル又はアルケンである)
により修飾されている、請求項22記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項28】
,R及びRの少なくとも1つがC−C20アルコキシシランであり、残りのものがC−C20アルキル又はアルケンである、請求項27記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項29】
前記クレーがアンモニウム、第一級アルキルアンモニウム、第二級アルキルアンモニウム、第三級アルキルアンモニウム、第四級アルキルアンモニウム、脂肪族、芳香族若しくはアリール脂肪族のアミン、ホスフィン若しくは硫化物のホスホニウム誘導体、脂肪族、芳香族若しくはアリール脂肪族のアミン、ホスフィン又は硫化物のスルホニウム誘導体、並びにそれらの混合物により修飾される、請求項22記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項30】
前記クレーが前記組成物中に約0.1〜約50重量%の量で含まれる、請求項22記載のシーラント組成物。
【請求項31】
前記ガスが透明な断熱性ガスである、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項32】
前記ガスが、空気、二酸化炭素、六フッ化硫黄、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン及びそれらの混合物からなる郡から選択される、請求項31記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項33】
第一シーラントを更に含んでなる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項34】
光沢ビーズを更に含んでなる、請求項1記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項35】
前記第一シーラントがゴムベースの材料である、請求項33記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項36】
前記光沢ビーズがシリコーン又はブチル材料である、請求項34記載の断熱性ガラスユニット。
【請求項37】
架橋剤(c)が以下の式で表されるアルキルシリケートである、請求項1記載のシーラント組成物。
(R14O)(R15O)(R16O)(R17O)Si
(式中、R14、R15、R16及びR17は独立に、一価のC1〜60炭化水素から選択される。)

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−515810(P2009−515810A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541234(P2008−541234)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/043673
【国際公開番号】WO2007/061642
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】