説明

低プロファイルのワイヤループを形成する方法およびその装置

【解決手段】 第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法が提供されている。この方法は、ワイヤボンディングツールを使用して、ワイヤの第1の端部を前記第1のボンディング点にボンディングし、第1のワイヤボンドを形成する工程を含む。この方法は更に、前記第1のワイヤボンドの近傍で前記ワイヤにループ部を形成する工程を含む。この方法は更に、前記形成する工程の後、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを下降させる工程を含む。この降下させる工程は、前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンドに接触する前に中断される。この方法は更に、前記ワイヤの第2の端部を前記第2のボンディング点にボンディングする工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年1月25日付けで提出された米国仮特許出願第60/646,950号に対して優先権を主張するものであり、その内容はこの参照により本明細書に組み込まれるものである。
【0002】
本発明は、半導体デバイスのワイヤボンディングに関するものであり、具体的には、半導体デバイスのワイヤボンディングに関連した低プロファイルのワイヤループの提供に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な半導体デバイスの製造において、多くの場合、ワイヤボンディング技術は半導体デバイスの部品を接合するのに使用される。例えば、ワイヤボンディング技術はダイとリードフレームの接点との間に配線を提供するのに使用される。典型的な従来のワイヤボンディング作業は、(1)ダイの第1のボンドディング点にボンディングする工程(例えば、ボールボンディングを使用)と、(2)リードフレーム上の第2のボンドディング点に向けてワイヤを延長する工程と、(3)前記延長されたワイヤの端部を前記第2のボンドディング点にボンディングする工程と、(4)前記ワイヤを切断する工程とを含む。
【0004】
半導体デバイス業界では、部品のサイズを縮小し、また単位面積当たりのワイヤボンドの数を増加させるという絶え間のない要求を受けている。従って、半導体デバイスの部品間のワイヤボンドのプロファイル又は高さを縮小するための様々な技術が存在する。そのような技術の1つに、第1のボンドディング点にワイヤボールを溶着した後、ダイなどの前記第1のボンドディング点の上部にワイヤループをキャピラリーなどを使用して「圧潰する」技術がある。ワイヤがワイヤボールの上部で圧潰された後、前記ワイヤは第2のボンディング点に向かって延長され、この第2のボンディング点にボンディング(接合)される。
【0005】
この「圧潰する」技術は比較的低プロファイルのワイヤループを提供することができるが、また多くの欠点もある。例えば、ワイヤが圧潰されるため、特定の部分でワイヤが脆弱になる。これは主に圧潰された部分の近傍の下流部分で起こるものである。この脆弱性により、数多くの用途において引っ張り値(pull value)は十分で無く、一定しないものになる。
【0006】
従って、従来の技術に関する欠点を克服する一方、低プロファイルのワイヤループを提供する方法およびその装置が提供されることが望まれている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法が提供されている。この方法は、ワイヤボンディングツールを使用してワイヤの第1の端部を前記第1のボンディング点にボンディングし、第1のワイヤボンドを形成する工程を含む。この方法は、前記第1のワイヤボンドの近傍で前記ワイヤにループ部を形成する工程も含む。この方法は、前記形成する工程の後、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを下降させる工程も含む。前記下降させる工程は、前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンドに接触する前に中断される。この方法は、前記ワイヤの第2の端部を前記第2のボンディング点にボンディングする工程も含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法が提供されている。この方法は、ワイヤボンディングツールを使用して、ワイヤの第1の端部を前記第1のボンディング点にボンディングする工程を含む。この方法は、前記第1のワイヤボンドの近傍で前記ワイヤにループ部を形成する工程も含む。前記形成する工程は、前記第1のワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と、前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程を含む。前記移動させる工程は、前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンドに接触する前に中断される。この方法は、前記ワイヤの第2の端部を前記第2のボンディング点にボンディングする工程も含む。
【0009】
本発明の方法はまた、装置(例えば、ワイヤボンディング機械の知能の部分)として、或いはコンピュータ読み取り可能な搬送媒体のコンピュータプログラム命令(例えば、ワイヤボンディング機械に関連して使用されるコンピュータ読み取り可能な搬送媒体)として実施することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
米国特許出願公開第2004/0152292号と同様に、米国特許第5,205,463号、第6,062,462号、及び第6,156,990号はワイヤボンディング技術に関するものであり、この参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれるものである。
【0011】
本明細書のおいて、用語「ループ部」は、第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にボンディングされて、ワイヤに形成されるあらゆる屈曲、湾曲、フック(鉤状)、ハンプ、又は折曲を言及している。本発明に従った「ループ部」の2つの端部は必ずしもお互いに向かって延長しているわけではない。典型的な「ループ部」は、付随の図面に図示している。
【0012】
本発明は、ワイヤボンディング用の低プロファイルのワイヤループを製造する方法及びシステムに関する。本発明のある実施形態では、第1のボンディング点でワイヤボンドが形成された後、ワイヤにループ部が形成される。前記ループ部が形成された後、前記ループ部を形成するのに用いられたワイヤボンディングツール(例えば、キャピラリー)は、前記ワイヤボンドの位置に向かって(又は、少なくとも前記ワイヤボンドディング点の方向全般に向かって)下降される。前記ワイヤボンディングツールのこの下降動作は、前記ツールが前記ワイヤボンドに接触する前に停止され、そのようにして、この接触(又は前記ワイヤの前記ワイヤボンドへの圧潰)により引き起こされるワイヤの潜在的脆弱性が実質的に排除される。次に、前記ワイヤの第2の端部が第2のボンディング点にボンディングされて、前記ワイヤボンディング作業は完了する。
【0013】
よって、本発明に従って、ワイヤボンディングツールを使用してワイヤをそれ自体の上に圧潰すること無しに、ループ形状(又は、ハンプ形状、フック形状等)は結合線で形成される。前記ループ形状は第1のワイヤボンドの真上に形成されるか、又は前記第1のワイヤボンドのいずれかの側に形成されてもよい。前記ループ形状は、前記ワイヤにかかる応力が最小限になるように作用することが望ましく、それにより前記ワイヤの更なる成形又は引っ張りにより起こる"ネック"ダメージを軽減する。これは、前記ワイヤボンディング作業中のダイ偏差(すなわち、上下移動)により引っ張り値試験及びループ作成の結果が不規則又は一定しなくなることがある薄型/オーバーハング型(overhang)ダイ用途において特に望ましい。
【0014】
更に、従来の圧潰ループ・ワイヤボンディング作業と対照的に、本発明のループ部は前記第1のワイヤボンドの真上に必ずしも形成する必要がない。前記第1のワイヤボンドから離れて前記ワイヤをループにすることにより(すなわち、下記の「折り曲げ距離」はゼロ以上)、プロファイル(高さ)を減少することができる。
【0015】
図1は、本発明に従った低プロファイルのワイヤループの形成に関連する様々な動作を図示している。具体的には、図1はワイヤバンプ100(例えば、ボールボンディングにより形成されたバンプ)を示している。前記ワイヤバンプ100が(例えば、前記ダイ(は図示せず)上に)形成された後、前記ワイヤバンプに接続されたワイヤは、数多くの方法の1つで(図1に関連して複数の方法を以下に説明する)ループが形成され、その後前記ワイヤは、第2のボンディング点(例えば、リードフレーム)にボンディングされる。
【0016】
図1は、前記ループ部を形成するための動作(すなわち、キャピラリーなどのワイヤボンディングツールの動作)の様々な異なる組み合わせを図示している。具体的には、ワイヤボンディングツールを使用して第1のボンディング点(例えば、第1のワイヤボンド100)にワイヤの第1の端部がボンディングされた後、ループ部は前記ワイヤの第1のワイヤボンド100の近傍に形成される。図1で示されている動作の第1の組み合わせは実線で示し、動作A、B、C、及びDを含む。動作の第2の組み合わせは実線と破線で示し、A、B1、B2、C、D1、及びD2を含む。例えば、ワイヤボンディング機械のユーザは、目的とするループ形状を形成するためにループコントロールを実行している間、動作のこれらの第1及び第2の組み合わせ(又は、本発明の範囲における動作の他の組合せ)のいずれかを選択することができる。
【0017】
前記動作の第1の組み合わせに関して、前記ワイヤボンディングツールはステップAにおいて第1のワイヤボンド100の上方に上昇される。ステップBにおいて、前記ワイヤボンディングツールは、下向きの角度で、前記第1のワイヤボンド100から離れるように移動される。その後、前記ワイヤはステップCにおいて上昇され、次に前記ワイヤボンディングツールはステップDにおいて、別の下向きの角度で実質的に前記第1のワイヤボンドに向かって移動される。前記ステップDにおいて、前記下向きの角度での前記動作は、前記ワイヤボンドリングツールが前記第1のワイヤボンド100に接触する前に中断される。前記ステップDの後、前記ワイヤの第2の端部は、第2のボンディング点にボンディングされる(図1に図示せず)。
【0018】
前記動作の第2の組み合わせに関して、前記ワイヤボンディングツールはステップAにおいて前記第1のワイヤボンド100の上方に再び上昇される。ステップB1において、前記ワイヤボンディングツールは前記第1のワイヤボンド100から離れるように横方向に移動され、ステップB2において前記ワイヤボンディングツールは下降される。その後、前記ワイヤボンディングツールはステップCにおいて上昇される。次に、前記ワイヤボンディングツールはステップD1において前記第1のワイヤボンド100の上方位置に向かって横方向に移動され、ステップD2において前記ワイヤボンディングツールは下降される。前記ステップD2の間、前記下降動作は前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンド100に接触する前に中断される。前記ステップD2の後、(前記ワイヤの延長の後)前記ワイヤの第2の端部は第2のボンディング点にボンディングされる(図1に図示せず)。
【0019】
図1に示された前記特定の動作は本発明の範囲内において変更させることも可能である。例えば、動作B2を完全に無効にしてもよく、それによりB1(前記第1のワイヤボンド100から離れるように実質的に横方向の移動)の次に動作Cが続く。さらに別の選択肢として、動作B(下向きの角度で前記第1のワイヤボンド100から離れるような動作)を上向きの角度で前記第1のワイヤボンド100から離れるような動作で置き換えられる。
【0020】
更に、図1に示された動作の他の組合せも考えられ、例えば、(1)動作A、B1、C、及びD、(2)A、B1、C、D1、及びD2、及び(3)A、B、C、D1、及びD2などがある。また更に、動作A(実質的に垂直動作)は、上向きの角度で前記第1のワイヤボンド100から離れるように延長する動作で置き換えることも可能である。そのような動作は、(B又はB1に対応する動作のない実施形態において)動作B、B1、又はCのいずれかに先行することができる。従って、本発明が本明細書で図示された実施形態に限定されるものでないことは明らかである。
【0021】
本発明は、作業中ワイヤボンディング機械のソフトウェアで実施することが可能である。本発明に関連して使用されるワイヤボンディングツール(例えば、キャピラリー)によって移動する距離及び方向などの特定のパラメータはソフトウェアを設定することが可能である。図1は多くのパラメータを図示している。「キンクの高さ」は、ステップAの間に移動した垂直距離に関する。「逆動作」は、ステップB(又はステップB1及びB2)の間に移動した距離及び方向に関する。「Rmot角度」は、当該逆動作方位と当該垂直面間の角度に関する。例えば、前記垂直面と前記ステップB1の間に移動した方向との間の前記Rmot角度は90°である。同様に、前記垂直面とステップBの間に移動した方向のRmot角度は約115°である。「折り曲げループ要素」はステップCの間に移動した前記垂直距離に関し、ループ部が形成されるワイヤの量に影響を与える。低プロファイルのループを形成するためには前記ループ部のワイヤは少ないことが一般に望ましい。ただし、前記ループ部のワイヤが少なすぎると前記ワイヤに近傍するループ部に応力を生じさせる可能性がある。「折り曲げ距離」はステップD(又は、ステップD1及びD2)の間に移動する距離及び方向に関する。前記ワイヤボンディングツールは本発明に従ってワイヤバンプを圧潰するのに使用されていないので、「折り曲げ高さ」間隔は、図1に図示されているようにプログラムすることが可能である。
【0022】
図2A〜2Hは、第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤ202をボンディングする方法を図示したブロック図である。図2Aは前記第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤ202をボンディングするためのワイヤボンディングツール200(例えば、キャピラリー)を示している。図2Aでは、前記第1のボンディング点(図2Aに図示せず、図2Gの要素204を参照)にボンディングされている、ワイヤ202の端部のワイヤバンプ202aが示されている。前記ワイヤボンディングツール200は、次に図2Bに示すように垂直方向(前記「キンクの高さ」動作)に上昇される。前記ワイヤボンディングツールは、次に、図2CにおいてRmot角度が約90°で(図1のステップB1に関して図示された方向と同様)、前記第1のボンディング点から離れるように横方向に移動する(「逆動作」)。図2Dにおいて前記ワイヤボンディングツール200は垂直に上昇され(前記「折り曲げループ要素」動作)、そして図2Eで前記ワイヤボンディング200は下向きの角度で前記ワイヤバンプ202aに向かって(及びこの実施形態ではワイヤバンプ202aを部分的に超えて)移動する(前記「折り曲げ距離」動作)。図2Fにおいて、前記ワイヤボンディングツール202は上昇され、これにより前記ツールからワイヤを「繰り出す」ことが可能になる。図2Gにおいて、ワイヤ202の第2の端部202dは第2のボンディング点にボンディングされ、そして図2Hにおいて、ワイヤボンディングツール200は上昇され、ワイヤ202がワイヤボンディングツール200から切り離されたことが示されている。図2G〜2Hに示すように、第1のボンディング点と第2のボンディング点との間に延長している前記ワイヤ202は、ワイヤバンプ202aと、ループ部202bと、ワイヤキンク202cと、第2の端部202dとを含む。
【0023】
図3は、図2Hに示したワイヤ202と同様の方法で形成されたワイヤボンド304の図を示している。具体的には、ワイヤボンド304は第1のボンディング点(すなわち、ダイ300)と第2のボンディング点(すなわち、リードフレーム302)との間に延長している。前記ワイヤボンド304は、(前記ダイ300にボンディングされた)ワイヤバンプ304aと、ループ部304bと、ワイヤキンク304cと、直線部304dと、ワイヤキンク304eと、(前記リードフレーム302にボンディングされた)第2の端部304fとを含む。前記ワイヤキンク304eを含むことにより(ワイヤ202はそのようなキンクを含まない)、例えば、(図3に示された)前記ワイヤボンド304はワイヤ202(図2Hに示された)と異なる。従って、本発明に従ってボンディングされたワイヤは必要に応じてさらに成形することが可能であることが明らかである。
【0024】
図4A〜4Jは、第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤ402をボンディングする典型的な方法を示している。図4Aは前記第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤ402をボンディングするためのワイヤボンディングツール400(例えば、キャピラリー)を示している。図4Aでは、前記第1のボンディング点(図4Aに図示せず、図4Iの要素404を参照)にボンディングされている、ワイヤ400の端部のワイヤバンプ402aが示されている。前記ワイヤボンディングツール400は、次に図4Bに示すように垂直方向(前記「キンクの高さ」動作)に上昇される。前記ワイヤボンディングツール400は、次に図4cで前記第1のボンディング点から離れるように横方向に移動し(「逆動作」)、この横方向移動は図2Cで示した横方向移動と比較して増加しているものである。図4Dで、ワイヤボンディングツール400はワイヤバンプ402aの方向に向かって下降される。図4cで実行される動作は、Rmot角度が約90°である。図4C及び4Dで実行される動作は、図1の動作Bに関して上記で図示及び説明したように下向きの角度(例えば、90°以上のRmod角度)の方向で単一動作で実行されてもよい。
【0025】
図4Eにおいて、ワイヤボンディングツール400は垂直に上昇され(前記「折り曲げループ要素」動作)、そして図4Fにおいて、ワイヤボンディングツール400はワイヤバンプ402aに向かって(及びこの実施形態においてはこのバンプ402aを部分的に超えて)移動される(前記「折り曲げ距離」動作)。図4Gで、ワイヤボンディングツール400は、ワイヤバンプ402aの方向に向かって下降される。図4F及び4Gで実行される動作は、図1の動作Dに関して上記で図示及び説明したように下向きの角度の方向で単一動作で実行されてもよい。
【0026】
図4Hにおいて、ワイヤボンディングツール400はワイヤに当該ツールの「繰り出し」を配分する。図4Iにおいて、ワイヤ402の第2の端部402cは、第2のボンディング点にボンディングされ、そして図43において、ワイヤボンディングツール400は上昇され、そしてワイヤ402は前記ワイヤボンディングツール400から切り離される。図4I〜4Jに示しているように、第1のボンディング点と第2のボンディング点との間に延長している前記ワイヤ402は、ワイヤバンプ402aと、ループ部402bと、第2の端部403cとを含む。
【0027】
図5は、図4A〜4Jに関して上記で図示及び説明した方法と同様の方法で形成されたワイヤ500の一部の図面である。前記図示されたワイヤ500の部分は、ワイヤバンプ500aと、ループ部500bと、直線部500cとを含む。前記ループ部500dが形成された(図4A〜4Jに示された方法と同様の)方法により、前記ワイヤ500の一部はつぶれ(凹部500d)、前記ワイヤ500の別の部分と接触している(又は事実上接触している)。この「つぶれ」は、部分的には、ループ形成の間にワイヤが「繰り出された」量から、且つ、部分的に前記ループを形成するのに使用された動作の結果から生ずる。さらに、前記ワイヤ500は非常に高さが低く、ワイヤボンディングツールによって圧潰されていないので、この「つぶれ」は非常に望ましい。
【0028】
本発明のワイヤボンディング技術は、多数の代替媒体で実施され得る。例えば、この技術は、既存のコンピュータシステム/サーバ(ワイヤボンディングツールと関連して(又は統合して)使用されるコンピュータシステム)にソフトウェアとしてインストールできる。更に、このワイヤボンディング技術は、当該技術に関するコンピュータ命令(例えば、コンピュータプログラム命令など)を含むコンピュータ読み取り可能な搬送媒体(例えば、固体記憶装置、光ディスク、磁気ディスク、高周波搬送媒体、低周波搬送媒体など)から動作することも可能である。
【0029】
本明細書で記載されたワイヤボンディング技術では、少なくとも部分的にはループのプロファイル或いは高さが減少されるため、第1のボンドの上方のワイヤ部分が従来のワイヤボンドの対応する部分よりも堅固である。そのような堅固によって、望ましくはワイヤ流れの減少をもたらす。
【0030】
本発明は本明細書において特定の実施形態を参照して図示及び説明されているが、記載された詳細に限定されることを意図しものではない。むしろ、特許請求の範囲の均等物の範囲内で、本発明から逸脱せずにその詳細により様々な変更が可能であるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明は、付随の図面と伴に読むと発明の詳細な説明の内容がよく理解される。一般的な方法として、図面の様々な特徴は正確な縮尺ではない。むしろ、様々な特徴の寸法は、明確にするため任意に拡大したり縮小したりされている。以下の図面が含まれる。
【図1】図1は、本発明の様々な実施形態に従った、低プロファイルのワイヤループを形成する技術を示している。
【図2A】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図2B】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図2C】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図2D】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図2E】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図2F】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図2G】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図2H】図2A〜2Hは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2ボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従って形成されたワイヤボンドの図である。
【図4A】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4B】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4C】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4D】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4E】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4F】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4G】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4H】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4I】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図4J】図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする別の方法を示したブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に従って形成されたワイヤのループ部の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法であって、
ボンディングツールを使用して、ワイヤの第1の端部を前記第1のボンディング点にボンディングし、第1のワイヤボンドを形成するものである、前記ボンディングする工程と、
前記第1のワイヤボンドの近傍で前記ワイヤにループ部を形成する工程と、
前記形成する工程の後、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ボンディングツールを下降させる工程であって、前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンドに接触する前に前記下降を中断するものである、前記下降させる工程と、
前記ワイヤの第2の端部を前記第2のボンディング点にボンディングする工程と
を有するワイヤボンディング方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記下降させる工程は、前記第1のワイヤボンド(の側のみ)に向かって前記ワイヤボンディングツールを下降させる工程を含むものである。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記形成する工程は、
前記第1のワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程と、
前記ワイヤボンディングツールを下降させる工程と、
前記ワイヤボンディングルールを上昇させる工程と、
前記ワイヤボンドの上方位置に向かって前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程と
を有するものである。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、前記形成する工程は、
前記ワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程と、
前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドの上方位置に向かって前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程と
を含むものである。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記形成する工程は、
前記第1のワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記ワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程と、
前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
下向きの角度で、前記第1のワイヤボンドの上方位置に向かって前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と
を含むものである。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記形成する工程は、
前記第1のワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
下向きの角度で、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と、
前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドの上方位置に向かって前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程と
を含むものである。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記形成する工程は、
前記第1のワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
下向きの角度で、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と、
前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
別の下向きの角度で、前記第1のワイヤボンドの上方位置に向かって前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と
を含むものである。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、前記形成する工程は、
上向きの角度で、前記第1のボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と、
前記第1のワイヤボンドの上方位置に向かって前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程と
を含むものである。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、前記形成する工程において、
上向きの角度で、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と、
別の上向きの角度で、前記第1のワイヤボンドの上方位置に向かって前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と
を含むものである。
【請求項10】
第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法であって、
ワイヤボンディングツールを使用して、ワイヤの第1の端部を前記第1のボンディング点にボンディングし、第1のワイヤボンドを形成するものである、前記ボンディングする工程と、
前記第1のワイヤボンドの近傍で前記ワイヤにループ部を形成する工程であって、
前記第1のワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と、
前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程であって、前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンドに接触する前に前記下降を中断するものである、前記移動させる工程と
を有する前記形成する工程と、
前記ワイヤの第2の端部を前記第2のボンディング点にボンディングする工程と
を有するものである、ワイヤボンディング方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程は、下向きの角度で、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程を含むものである。
【請求項12】
請求項10記載の方法において、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程は、前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程を含むものである。
【請求項13】
請求項10記載の方法において、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程は、下向きの角度で、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを移動する工程を含むものである。
【請求項14】
請求項10記載の方法において、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程は、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを横方向に移動させる工程を含むものである。
【請求項15】
第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法をコンピュータに実施させるためのコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な搬送媒体であって、このワイヤボンディング方法は、
ワイヤボンディングツールを使用して、ワイヤの第1の端部を前記第1のボンディング点にボンディングし、第1のワイヤボンドを形成するものである、前記ボンディングする工程と、
前記第1のワイヤボンドの近傍で前記ワイヤにループ部を形成する工程と、
前記形成する工程の後、前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンディングツールを下降させる工程であって、前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンドに接触する前に前記下降を中断するものである、前記下降させる工程と、
前記ワイヤの第2の端部を前記第2のボンディング点にボンディングする工程と
を有するものである、
コンピュータ読み取り可能な搬送媒体。
【請求項16】
第1のボンディング点と第2のボンディング点との間にワイヤをボンディングする方法をコンピュータに実施させるためのコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な搬送媒体であって、このワイヤボンディング方法は、
ワイヤボンディングツールを使用して、ワイヤの第1の端部を前記第1のボンディング点にボンディングし、第1のワイヤボンドを形成するものである、前記ボンディングする工程と、
前記第1のワイヤボンドの近傍で前記ワイヤにループ部を形成する工程であって、
前記第1のワイヤボンドの上方に前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドから離れるように前記ワイヤボンディングツールを移動させる工程と、
前記ワイヤボンディングツールを上昇させる工程と、
前記第1のワイヤボンドに向かって前記ワイヤボンドリングツールを移動させる工程であって、前記ワイヤボンディングツールが前記第1のワイヤボンドに接触する前に前記下降を中断するものである、前記移動させる工程と
を有するものである,前記形成する工程と、
前記ワイヤの第2の端部を前記第2のボンディング点にボンディングする工程と
を有するものである、
コンピュータ読み取り可能な搬送媒体

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529278(P2008−529278A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552160(P2007−552160)
【出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/000540
【国際公開番号】WO2006/081056
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(506395943)クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク. (11)
【Fターム(参考)】