低侵襲の関節全置換のための装置および方法
【課題】低侵襲の関節全置換術のための方法および器具を提供すること。
【解決手段】低侵襲の関節全置換術のための方法と器具が開示される。この方法は、骨削器具を、骨削器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、骨削器具を直接的または間接的に第1の骨に固着または支持し、次に、切除された関節を有する第2の骨の関節面を削ることで、通常は第1の骨と連結する第2の骨の関節面を削ることを含む。リーマシステムは、リーマドライブ、グレータ、ハンドル、および、大腿骨ブローチを含む。
【解決手段】低侵襲の関節全置換術のための方法と器具が開示される。この方法は、骨削器具を、骨削器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、骨削器具を直接的または間接的に第1の骨に固着または支持し、次に、切除された関節を有する第2の骨の関節面を削ることで、通常は第1の骨と連結する第2の骨の関節面を削ることを含む。リーマシステムは、リーマドライブ、グレータ、ハンドル、および、大腿骨ブローチを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年9月28日に出願された米国仮特許出願第60/721,450号の一部継続出願であり、その利益を主張するものである。この一部継続出願は、2002年2月12日に出願された米国特許出願第10/075,829号の分割出願であって、現在、米国特許第6,723,102号となっている、2003年5月5日に出願された米国特許出願第10/429,435号の一部継続出願であり、これらの全体は参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
一般的に、関節は互いの関係を維持する2つの比較的硬い骨組織から構成される。骨組織の周囲にある軟部組織構造は、骨組織を1つにまとめ、ある骨組織のその他の骨組織に対する動きを定めるのに役立つ。例えば、靭帯、腱、関節半月、関節包などの軟部組織は骨組織を支持する。関節軟骨からなる、滑らかで弾力性のある面が骨組織を覆う。構造間の運動域を定める機構を形成するよう、骨組織の関節面は軟部組織構造とともに機能する。完全に連結された場合、動きは、骨組織の間の完全な運動域を画定する。一般的な運動域内では、骨組織は互いに対して既定のパターンで動く。股関節の例では、関節はもともと安定なソケット継手内のボールである。筋肉が動きを提供するのに対し、股関節周囲にある関節包と靭帯は安定性を提供する。
【0003】
骨組織の関節面は、種々の疾患、事故、その他の原因によって損傷を受ける可能性がある。関節によく見られる疾患は変形性関節症である。変形性関節症は、進行性の痛み、腫脹、関節の硬化をもたらす。関節炎が進行するにつれて、関節面はすり減り、結果として関節に安定性を提供する周囲の軟部組織の拘縮が生じる。さらに、疾患過程の進行は痛みを増加させ、可動性を低下させる。
【0004】
罹患した関節骨面の治療は、何よりも関節面の損傷度に依存し、患者の年齢や全身の身体的ロバスト性に依存する。一般的には、進行した関節炎には、関節置換術が必要であり、一般的には超高分子ポリエチレン(UHMWPE)製の部品と連結する金属製の部品からなる人工要素と、関節の連結要素とを置換する。
【0005】
股関節の変性が中等度から高度の比較的若年の患者は、薬物療法で治療されることが多い。薬物療法は一時的に痛みを軽減することがあるものの、病気の進行は変形と機能の低下をもたらすため最終的に手術を必要とする。代替療法、例えば、非ステイロイド系抗炎症剤やコルチゾン注射も同様に、一時的な症状の軽減をもたらすだけである。従って、股関節の中等度から高度の変性に伴う症状を恒久的に緩和する方法が求められている。
【0006】
重度のケースでは、例えば、寛骨臼窩と大腿骨頭を、寛骨臼に新しい面を作るためのUHMWPEベアリングを含む人工器官、ならびに大腿骨頭を置換するための、大腿近位部の髄管に延出するステムにマウントされた研磨金属またはセラミック大腿骨頭と置換するなど、関節に関連する骨のうち1つ以上の関節面を、人工面と部分的にまたは完全に置換する手術に適応がある可能性がある。痛みを軽減し、関節の機能を回復させるのに、関節置換術の有効性は実証されている。
【0007】
関節置換術に見られるように、関節の硬い要素を、部品を嵌合するように処理する現在の方法は、広範な外科的露出を伴う。その後に人工表面と置換される軟骨と骨を切断、または除去するための、ドリル、リーマ、ブローチ、その他の器具を導入可能な程度に、露出は大きくなくてはならない。人工股関節全置換術では、寛骨関節面と軟骨下骨を半球状のグレータによって除去し、振動鋸で大腿骨頭を切除し、ブローチを用いて近位髄管の形を整える。人工股関節全置換術の難しい点は、大腿を動かし、寛骨臼窩の露出と、寛骨臼窩へのアクセスを確保するために、大腿近位部から筋肉と腱を剥離しなくてはいけないため、手技の侵襲性が、著しい術中失血と、広範なリハビリの原因になることである。
【0008】
従来の完全股関節形成術は、股関節の疼痛性の関節炎に適応があった。手技は、外科医が股関節と寛骨臼領域を完全に認識できるように、また外科的電動機器のためのアクセスを提供するために、大切開によって股関節を露出するステップを伴う。股関節の骨組織を適切に処理するために、関節を十分に露出するため、一般的に、関節を支持する主要な筋肉は剥離される。手技のステップには、大腿骨頭を除去するステップが含まれ、次に、股関節ステムを支持するための骨表面を処理するために、近位大腿管のリーミングとブローチングとが行われる。ステムを移植し、所定の位置でセメント固定してもよいし、あるいは骨の内部延出用に圧入固定してもよい。寛骨臼は、骨が出血する位置まで軟骨を除去するために、一般的には一連の大きさのグレータを用いて処理される。寛骨臼の処理が終わったら、寛骨臼部品を、所定の位置でのセメント固定、または骨の内部延出用の圧入固定のいずれかを用いて移植する。部品だけでなく、骨の処理用の器具の大きさや形状に対応するために、広範な外科的露出が必要である。全長6〜12インチに及ぶことがある外科的露出は、大腿近位部へ進入する筋肉の剥離とともに、股関節周囲の軟部組織に対する広範な外傷をもたらす可能性がある。外科的露出は、出血、痛み、筋肉の阻害を増加させ、これらは全て、患者が安全に帰宅できるまで、または中間看護施設に移れるまでの入院とリハビリを長期化させる原因になる。
【0009】
処理された骨表面は、専門的には、寛骨臼窩、大腿管、大腿骨幹端部と呼ばれる。最終的な股関節完全インプラントを設置する前に試用可動域と股関節の安定性の増加を促進するために、最終的なインプラントを処理された空間に設置する前に、一部のシステムではブローチであってもよい試用大腿骨を試用大腿骨頭と頸部と一緒に大腿近位部に設置し、試用寛骨臼を寛骨臼に設置する。
【0010】
最終的な股関節完全インプラントを嵌合するために寛骨臼を処理するための低侵襲股関節手術用装置が知られている。外科用ドリルに接続された、直線のドライブハンドルによって駆動される半球状のグレータが用いられている。しかし、軟部組織構造がこれらの装置の適切な配置を制限しており、軟部組織の干渉を避けるために使用される湾曲したドライブハンドルの開発が進んだ。結果として得られたリーマ装置は、部分的に軟部組織を避けるものの、グレータを適切な位置に配置するために、やはり外科医が軟部組織構造にハンドルを押し付けなければならなかった。さらに、そのような装置はハンドルとグレータの寛骨臼へのアクセスを確保するために、やはり大腿近位部のレトラクトを必要とした。大腿骨を動かすには、広範に移動させる力が必要であり、加えられる力の大きさと時間のため、軟部組織構造への外傷の原因になる。
【0011】
ドライブハンドルの縦軸に直交する軸の周囲を回転する寛骨臼グレータが、インプラントを嵌合するための寛骨臼処理用として知られている。リーマ装置は、グレータとドライブハンドルとを含む。ドライブハンドルは、グレータが取り付けられる旋回可能なヘッドを有する。グレータは、外科用切開のために、グレータの外形を縮小するために、旋回可能なヘッドの周りを回転する。寛骨臼内部に入ると、操作中、グレータはドライブハンドルに対して垂直に回転する。グレータは、ドライブハンドル上での回転を可能にするために、半球状のシェルに切り欠きを含む。上述の直線および湾曲したドライブハンドルを用いる場合と同様、寛骨臼の処理の間、旋回可能なヘッドのドライブハンドルは軟部組織構造と干渉し、寛骨臼へのアクセスを確保するために大腿骨の移動を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の事実に基づいて、骨組織を適切に処理し、例えば、金属またはプラスチックなどの人工の関節ベアリング面を提供し、手術部位を閉じる手技のすべてを、付随する筋肉、靭帯、または腱に著しい損傷または外傷を与えることなく行うために、連結する関節面への外科的アクセスを得るために用いることができる外科的方法と器具が求められている。低侵襲の器具と手技を用いて関節の連結面を適切に削ることができるシステムと方法も求められている。関節面の処理を誘導し、寛骨臼インプラントを設置するための外科的ナビゲーションシステムに対する需要もある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、低侵襲の外科的手技を伴う、関節全置換術のためのシステムと方法を提供する。開示される器具は、限られた外科的露出を介して正確な骨処理を達成する。
【0014】
故に、一実施形態では、本発明は、通常は第1の骨と連結する第2の骨の関節面を適切に削る方法を提供する。本方法は、骨削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、第1の骨に直接的または間接的に取り付け、次に、切除された関節面を有する第2の骨の関節面を削るステップを含む。第2の骨を削るステップは、1つの骨をもう1つの骨に対して動かすことによって行う。あるいは、第2の骨を削るステップは、第2の骨に対して第1の骨を適切に配置し、第2の骨の内部、または上部に削器具を進展させることで行う。別の実施形態では、第2の骨を削るステップは、第1の骨上で削器具を支持しながら第2の骨に対して削器具を配置し、第2の骨の内部、または上部に削器具を進展させることで行う。任意で、骨削器具を、第1の骨に直接的または間接的に取り付けられるマウント上に取り付けてもよい。第2の骨の内部へ、またはその上部に削器具を進展させる力は、削器具と一体の移動用装置によってもたらされる。任意で、移動用装置は削器具から独立していてもよい。あるいは、第2の骨の内部へ、またはその上部に削器具を進展させる力は、脚の重さ、または外科医が脚に力を加えることでもたらされてもよい。
【0015】
さらなる実施形態では、本発明は、通常は第1の骨と連結する第2の骨の関節面を適切に処理し、人工器官を移植する方法を提供する。本方法は、骨削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、直接的または間接的に第1の骨に取り付け、次に、骨の処理中に、骨のうち1つをもう1つに対して連結させることで関節面を削るステップを含む。任意で、削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、第1の骨によって支持し、第1の骨に対して器具を連結させることによって関節面を削ってもよい。あるいは、削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、第1の骨によって支持し、第2の骨に対する器具の相対配置を維持しながら、第2の骨の内部へ、またはその上部へ器具を進展させることによって関節面を削ってもよい。骨削器具は、骨の内部、またはその上部に設置されたインプラント、試用部品、リーマまたはブローチによって支えられてもよい。あるいは、骨削器具は、骨の内部、またはその上部に設置されたインプラント、試用部品、リーマまたはブローチに取り付けられるか、一体化されてもよい。任意で、骨削器具は、骨の内部、またはその上部に設置されたインプラント、試用部品、リーマまたはブローチに直接的または間接的に取り付けられる骨用マウントに取り付けられてもよい。
【0016】
具体的には、例えば、股関節周囲の筋腱性構造に対する障害を最小限に抑えながら、最小の切開を介して大腿骨面と寛骨臼を置換するために本発明を用いてもよい。低侵襲の完全人工股関節手技用の一般的な切開は、全長が2〜4インチである。患者の生理、外科医の好み、またはその他の要素によって、切開の長さにある程度の変動があってもよいと言われており、先に述べた範囲は例であり、これに限定されない。小切開に加えて、特定の筋肉を切断するのではなく、筋群の間の組織を分離することによって、関節包に進入するような配慮がなされている。本発明は、種々の実施形態において、リーマシステムを含む。本発明による、リーマシステムは、股関節への応用の場合は、一般的には大腿骨ブローチ、リーマドライブ(一体型または独立型のいずれか)、ハンドル、半球状のグレータ、または寛骨臼窩から軟骨と骨を除去するための類似の装置である、大腿骨取付け要素を含む、モジュール式または非モジュール式の構造のいずれかである。本リーマシステムは、例えば、標準的な外科用ドリルなどの動力源によって作動する。任意で、本リーマシステムは、例えば電気、空気、または油圧モータ、電磁、電気機械ドライブまたはその他の適切な動力源などの内部動力源によって作動してもよい。リーマシステムは、全部ではないが、大部分の筋肉に損傷を与えずに、1つ以上の小切開を介して関節腔に設置されるように設計または構成される。リーマシステムの位置決めと、寛骨臼処理の進行度の監視を補助するために、ナビゲーション追跡装置を骨盤に取り付け、第2のナビゲーション追跡装置をリーマドライブに取り付けることにより手術ナビゲーションを用いてもよい。任意で、第2のナビゲーション追跡装置をハンドルに取り付けてもよい。大腿骨と寛骨臼との処理が終了すると、さらなる筋肉の剥離または外科的外傷なしに、インプラントを設置する。
【0017】
低侵襲手技では、転子窩を十分に露出し、大腿骨頸の切除と、大腿骨頭と頸部の除去が可能な大きさの切開を介して股関節にアクセスする。大腿管には、転子窩と転子領域とを介してアクセスする。当業者に既知のリーマ、ラスプやその他の器具を、一連のリーミングとブローチングステップとによって大腿骨インプラントを嵌合するように大腿近位部を処理するために用いる。処理が終わると、髄管と大腿骨頸と転子領域との残留部分が、大腿ブローチを支持し、これが寛骨臼を処理するためにリーマシステムを支持する。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
低侵襲の関節置換術用に関節を処理するリーマシステムであって、
i. ピストンを含む、上部と下部とを有するリーマドライブと、
ii. 第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に動作可能に接続するように構成される、グレータと、
iii. ドライブシャフトであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ドライブシャフトと、
iV. 第1の骨取付け部と、該第1の骨取付け部に取り付けられるポストとを含むマウントであって、該ポストは、該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するために構成される、マウントと
を含む、リーマシステム。
(項目2)
上記リーマドライブに接続される少なくとも1つの組織ディストラクタをさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目3)
上記ハンドルに接続される少なくとも1つの組織ディストラクタをさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目4)
上記リーマドライブは、スプライン管に動作可能に接続される、項目1に記載のリーマシステム。
(項目5)
上記ハンドルの上記第2の端部は、外科用ドリルへの取付け用に構成される、項目1に記載のリーマシステム。
(項目6)
上記リーマドライブは内蔵動力源を備える、項目1に記載のリーマシステム。
(項目7)
上記動力源は、電気的動力源、空気圧的動力源、油圧的動力源、電気機械的動力源、または化学的動力源からなる群から選択される、項目6に記載のリーマシステム。
(項目8)
上記リーマドライブに部分的に動作可能に接続される、ナビゲーション追跡手段をさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目9)
上記システムはモジュール式である、項目1に記載のリーマシステム。
(項目10)
上記システムはモジュール式ではない、項目1に記載のリーマシステム。
(項目11)
上記リーマドライブの上記上部は、かさ歯車を含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目12)
上記かさ歯車は、摺動可能に線状スプラインを嵌合する、項目11に記載のリーマシステム。
(項目13)
上記グレータを螺合するために、上記線状スプラインは、その周囲にねじ辺縁を含む、項目12に記載のリーマシステム。
(項目14)
上記リーマドライブの上記上部は、上記グレータを解除可能に嵌合するための少なくとも1つのクリップを含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目15)
上記上部は、かさ歯車をさらに含み、該かさ歯車は上記線状スプラインを摺動可能に嵌合する、項目1に記載のリーマシステム。
(項目16)
上記グレータは、外面と内面とを含み、該外面はカッター穴を含み、該内面は少なくとも1つの取付け位置で、該グレータに動作可能に接続されるブラケットを含み、該ブラケットは、ねじ部を含む、項目13に記載のリーマシステム。
(項目17)
上記ブラケットの上記ねじ部は、上記線状スプラインの上記ねじ辺縁を螺合する、項目16に記載のリーマシステム。
(項目18)
リーマシステムを含む、低侵襲の関節置換術用に関節を処理するキットであって、
該リーマシステムは、
i. リーマドライブピストンを含む、上部と下部とを有するリーマドライブと、
ii. 多様なサイズのグレータセットであって、該グレータのそれぞれは、第1の面と第2の面とを有し、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に動作可能に接続されるように構成される、グレータセットと、
iii. 内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは、第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ハンドルと、
iV. 大腿取付け部と、該大腿取付け部に取付けられるポストを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチと
を含み、
該グレータを該リーマドライブから取り外すために、動作可能に該グレータに取付けられることができるグレータ取外し器具を含む、キット。
(項目19)
リーマシステムを含む、低侵襲の関節置換術用に関節を処理するキットであって、
該リーマシステムは、
i. グレータを嵌合するための上部と、リーマドライブピストンを含む下部とを有するリーマドライブと、
ii. 多様なサイズのグレータセットであって、該グレータのそれぞれは第1の面と第2の面とを有し、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブと動作可能に接続されるように構成される、グレータセットと、
iii. 内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ハンドルと、
iV. 大腿取付け部と、該大腿取付け部に取り付けられるポストを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチとを含む、リーマシステムと
含み、
該グレータを該リーマドライブから解除するために、該グレータに解除可能に接続されるグレータ解除器具とを含む、キット。
(項目20)
上記ハンドルに少なくとも部分的に接続されるナビゲーション追跡装置をさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目21)
低侵襲の関節置換術用の関節を処理する方法であって、
a.リーマシステムを提供することであって、該システムは、リーマドライブピストンを含む上部と下部とを有するリーマドライブと、第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブに動作可能に接続されるように構成されるグレータと、内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは、第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は、該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は、動力源と動作可能に接続される、ハンドルと、大腿取付け部と、該大腿取付け部に取り付けられるポストを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチとを含む、提供することと、
b.該動力源によって生成される回転運動を提供することであって、該回転運動は、該ハンドル内の該ドライブシャフトを介して、該リーマドライブへ、続いて該グレータへ伝わる、提供することと
を含む、方法。
(項目22)
上記グレータを、該グレータの上記回転運動によって上記物質が除去される寛骨臼の方向へ延出させ、かつ進展させるために、上記リーマドライブピストンに油圧を提供することをさらに含む、項目21の方法。
(項目23)
低侵襲の関節置換術用の関節を処理する方法であって、
a.リーマシステムを提供することであって、該システムは、リーマドライブピストンを含む上部と下部とを有するリーマドライブと、第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に解除可能に接続されるように構成されるグレータと、内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブと動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続されるハンドルと、大腿取付け部と、該大腿取付け部に取り付けられるポストとを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチとを含む、提供することと、
b.該大腿ブローチを大腿内に設置することと、
c.該ハンドル内の該ドライブシャフトを介して、該リーマドライブへ、続いて該グレータへ、該動力源によって生成された回転運動を提供することと
を含む、方法。
(項目24)
上記グレータを、該グレータの上記回転運動によって上記物質が除去される寛骨臼の方向へ延出させ、かつ進展させるために、上記リーマドライブピストンに油圧を提供することをさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記グレータを用いて適切な物質が除去されたとき、該グレータは、より大きなグレータと交換され、ステップbとステップcとが繰り返し行われる、項目24に記載の方法。
(項目26)
上記ステップbとステップcとは、寛骨臼が処理されるまで繰り返される、項目25に記載の方法。
(項目27)
上記リーマドライブとハンドルとは動作可能に接続され、上記最初のグレータは該リーマドライブに解除可能に接続される、項目23に記載の方法。
(項目28)
上記組み立てられたハンドルとリーマドライブと最初のグレータとは、股関節腔内に設置される、項目27に記載の方法。
(項目29)
上記リーマドライブピストンは、上記ブローチポストによって係合可能に嵌合される、項目23に記載の方法。
(項目30)
低侵襲の関節置換術用の関節を処理するリーマシステムであって、
i. 上部と下部とを有するリーマドライブであって、該下部は第1の骨に動作可能に接続されるように構成される、リーマドライブと、
ii. 第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に動作可能に接続されるように構成される、グレータと、
iii. ドライブシャフトであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ドライブシャフトと
を含む、リーマシステム。
(項目31)
上記下部はピストンを含み、該ピストンは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は摺動可能に該下部によって嵌合されるように構成され、該第2の端部は上記第1の骨に動作可能に接続されるように構成される、項目30に記載のリーマドライブ。
(項目32)
上記ピストンの上記第2の端部は、上記第1の骨に柔軟に接続するように構成される、項目31に記載のピストン。
(項目33)
上記ピストンの上記第2の端部は、上記第1の骨に強固に接続するように構成される、項目31に記載のピストン。
(項目34)
上記ピストンの上記第2の端部は、上記第1の骨に摺動可能に接続するように構成される、項目31に記載のピストン。
(項目35)
上記上部は延出するように構成される、項目30に記載のリーマドライブ。
(項目36)
上記上部は延出するように構成される、項目31に記載のリーマドライブ。
(項目37)
上記ドライブシャフトに動作可能に接続されるハンドルをさらに含む、項目30に記載のリーマシステム。
(項目38)
上記ハンドルは、上記リーマドライブに動作可能に接続される、項目37に記載のハンドル。
(項目39)
上記ドライブシャフトに動作可能に接続されるハンドルをさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目40)
上記ハンドルは、上記リーマドライブに動作可能に接続される、項目39に記載のハンドル。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、関節の解剖と人工股関節全置換術の従来の露出法の図である。
【図2】図2は、リーマシステムを用いる低侵襲の人工股関節全置換術用の露出法の図である。
【図3A】図3A、3B、および3Cは、ハンドル、リーマドライブ、ブローチ、およびグレータを含む本発明によるリーマシステムの透視図であり、リーマシステムはそれぞれ分解された状態、延出させた状態、および拡張した状態で示される。
【図3B】図3A、3B、および3Cは、ハンドル、リーマドライブ、ブローチ、およびグレータを含む本発明によるリーマシステムの透視図であり、リーマシステムはそれぞれ分解された状態、延出させた状態、および拡張した状態で示される。
【図3C】図3A、3B、および3Cは、ハンドル、リーマドライブ、ブローチ、およびグレータを含む本発明によるリーマシステムの透視図であり、リーマシステムはそれぞれ分解された状態、延出させた状態、および拡張した状態で示される。
【図4A】図4Aおよび4Bは、本発明の一実施形態によるハンドルの透視図である。
【図4B】図4Aおよび4Bは、本発明の一実施形態によるハンドルの透視図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態によるグレータの底部透視図である。
【図6A】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図6B】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図6C】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図6D】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態による、リーマドライブにねじ止めされるグレータの分解図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態による、グレータをリーマドライブに取り付けるためのクイックアタッチメント器具の分解図である。
【図9】図9は、図8に示したグレータと取付けブラケットの分解図である。
【図10】図10は、図9に示した取付けブラケットの一部の拡大透視図である。
【図11A】図11Aと11Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ取外し器具の透視図である。
【図11B】図11Aと11Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ取外し器具の透視図である。
【図12A】図12Aと12Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ解除器具の透視図である。
【図12B】図12Aと12Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ解除器具の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、股関節の一般解剖学と、大腿近位部11と寛骨臼12を露出するための股関節への典型的な外科的アプローチ10を図示する。人工股関節全置換術のための、股関節への4つの外科的アプローチが知られている。これらのアプローチには、転子部骨切り術を伴わない後方進入法、大転子切離による側方アプローチ、転子部骨切り術を伴わない前方進入法、Smith−Peterson法が含まれる。完全股関節形成術には、側方進入法も知られている。股関節への最も一般的な外科的アプローチは後方であり、分離される筋肉組織には、短内旋筋群および外旋筋群、大腿筋膜張筋、大腿方形筋、梨状筋、また時には中臀筋および小臀筋、そして大臀筋が含まれる可能性がある。
【0020】
従来の人工股関節全置換術では、外科医が股関節と寛骨臼領域を完全に認識できるように、また外科用動力機器用のアクセスを確保するために、大切開によって股関節を露出させた。大腿骨頭を切除し、骨表面がヒップステムを支えるように処理するため、大腿管にリーマで穴を開け、ブローチングする。ステムを定位置にセメント固定してもよいし、または骨の内部成長用に圧入固定してもよい。寛骨臼は、骨が出血する位置まで軟骨を除去するために、最も一般的には外科用ハンドドリルに取り付けられたグレータを用いて処理される。図1に示すような外科的露出用の皮膚切開は、通常全長8〜12インチに渡り、股関節外転筋群、外旋筋群の部分的、または完全な剥離を伴うため、股関節周囲の軟部組織に対して広範な外傷をもたらす。
【0021】
低侵襲の股関節全置換術では、図2に示すように、切開21は概して全長が2〜4インチである。侵襲度の低い、または低侵襲の股関節手術では2〜4インチの外科的切開が標準的だが、患者の生理、外科医の好み、またはその他の要素によってある程度の変動があってもよい。外科的アプローチは、股関節包と転子窩へのアクセスを確保するために、鈍的切開によって大臀筋を分離する手技を伴う。筋肉の剥離は、通常は転子窩の梨状腱の剥離に限られる。当業者は、本明細書で説明される外科的アプローチが、個々の患者、外科医の好みなどに応じて変動してもよいことを理解するだろう。
【0022】
図2を再度参照すると、切開21、筋肉の切開と関節包の切開は、十分な視覚化、器具の設置と操作、インプラントの設置に必要な部分に限定されている。通常の進入法は筋肉の剥離を伴わない後方進入法である。あるいは、外科医が、梨状腱を単独で、または外旋筋群、大腿方形筋、小殿筋の部分的または完全剥離との併用で剥離させるよう選択してもよい。切開は、大腿骨頭と寛骨臼12を露出するため、また図3Aから3Cに示す、グレータ22、リーマドライブ24、ハンドル20、および大腿ブローチ26を含むリーマシステムを設置するために、過不足のない大きさである。図11Aと11Bとに示すようなグレータ取外し器具88と、図12Aと12Bとに示すようなグレータ解除器具92をリーマシステムと一緒に用いてもよい。軟部組織を視線の外に保持するため、または器具の設置のために組織を移動させるために、1つ以上の組織ディストラクタ18を任意で用いてもよい。あるいは、組織ディストラクタのうち1つ以上は、ハンドル20と一体型であってもよいし、またはリーマドライブ24と一体型であってもよいし、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0023】
リーマドライブ24、ハンドル20、グレータ22、大腿ブローチ26、グレータ取外し器具88、グレータ解除器具92、および/またはこれらそれぞれの構造的従属部品は、一般的に、機械加工、金属射出成形またはスタンプ成形のいずれかによって、適切なステンレス鋼から製造される。あるいは、チタンおよびチタン合金、コバルトクロム合金、およびその他の生体適合性金属を含むが、これに限定されない物質を用いてもよい。生体適合性プラスチック、例えばPEEK、Ultem、Celcon、Delron、Radelを一部の従属部品に用いてもよい。生体適合性プラスチックから加工された従属部品は、機械加工されるか、射出成形されてもよい。
【0024】
図3Cに示すように、リーマドライブ24は、寛骨臼12を処理するために、ハンドル20、グレータ22、および大腿ブローチ26とともに用いられる。図3Aと3Bとを参照すると、大腿ブローチ26は大腿近位部を処理するための構造を有し、リーマドライブ24を支持するために大腿内にとどまる。リーマドライブ24は、いったん股関節腔に設置された後に拡張する構造を有する。図3Aに示すように、リーマドライブ24は、小切開を介する設置のために、リーマシステムの外形を縮小するように分解する。リーマドライブ24は、大腿ブローチ26上に設置され、寛骨臼12がインプラントを嵌合するように処理するためにグレータ22に力を加える間、大腿骨11を寛骨臼12から移動させるために油圧によって伸縮する。任意で、リーマドライブ24は、リーマドライブピストン47と線状スプライン48を伸縮させることで、グレータ22の軸に沿って拡張される。あるいは、リーマドライブ24は、リーマドライブ24を拡張させるためのリーマドライブピストン47、またはリーマドライブ24を拡張させるための線状スプライン48のいずれかを備えるよう構造を有してもよい。線状スプライン48は、任意でリーマドライブ24のシリンダーから延出するピストンとして構成されてもよい。リーマドライブ24を完全に縮小させた場合に、ハンドル20にスペースを与えるために、少なくとも1つの通路59がグレータ22の周囲に設置される。線状スプライン48を延出させるために、スプライン管39に油圧が適用され、これによってグレータ22が回転しながら、グレータ22の面60がハンドル20から引き離されるように、グレータ22が持ち上げられる。ピストン47を延出させるためにピストン管40に油圧が適用され、グレータ22を寛骨臼12内に進展させ、切断要素15を例えば寛骨臼の軟骨や骨などの物質に接触させるために、大腿骨11と寛骨臼12との間に移動させる力を提供する。
【0025】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、ハンドル20は、標準的な外科用ドリルへの取付け用Hudson接続によって一端に構成される、内部ドライブシャフト31を備えるように構成される。あるいは、ドライブシャフト31は、Hallアダプタ、円筒形、四角形、六角形、または外科用ドリルへの取り付けに適したその他の形状の接続部品を用いるように構成されてもよい。グリップ32は、外科医が操作しやすいように構成され、ハンドル20の基部33に固定される。外筒35は基部33にねじ止めされる。外筒35を基部33に固定するために、固定スリーブ34も基部33にねじ止めされる。外筒開口部37は、外筒35の差し込み口金36とかみ合うリーマドライブ24を、摺動可能に嵌合するように構成される。図6Aを参照すると、リーマドライブ24上の取付けボス45は、外筒開口部37内へ摺動可能に嵌合するように構成される。図6Aに示す、ピニオンギア43の外部正方形ドライブ44は、図4Bに示す、ドライブシャフト38の内部正方形ドライブ29に摺動可能に嵌合するように構成される。リーマドライブ24の取付けボス45から突出する2つのボス46は、ハンドル20の外筒35差し込み口金36とかみ合う。外筒35は、取付けボス45が外筒35にスライドして入るためのスペースを提供するために、基部33に沿って延出する。リーマドライブ24は、取付けボス45から突出するボス46と差し込み口金36を嵌合するために、時計回りに回転する。外筒35は、基部33上にさらにねじ止めされ、これによりリーマドライブ24の取りス45から突出するボス46を差し込み口金36内部に固定する。次に、外筒35を所定の位置に固定するために固定スリーブ34を進展させる。任意で、ドライブシャフト31は、ハンドル20のその他の従属部品を用いずにリーマドライブ24を駆動させるように構成されてもよい。
【0026】
図6A、6B、6C、6Dを参照すると、リーマドライブ24は、寛骨臼リーミングの最中に、大腿骨11と寛骨臼12の間に移動させる力を提供するために延出するように構成される。線状スプライン48は、かさ歯車50と筐体基部52によって摺動可能に嵌合される。線状スプライン48は、それと筐体基部52の間に流体シールを有し、線状スプラインの軸に沿って、筐体基部52内部をスライドするように構成される。あるいは、当業者に既知の、回転運動を伝えるための伸縮性の結合を、グレータ22をリーマドライブ24に取り付けるために用いてもよい。例えば、滅菌食塩水またはその他の適切な液体などの流体によって、スプライン管39を介して円筒形筐体と線状スプライン48に伝えられた油圧は、線状スプライン48を延出させる。スプライン管39は、シリンジポンプまたはその他の適切な加圧装置への取付けのための、標準的なLuerフィッティング41を有する。ピストン47は、図3Cに示すように、大腿ブローチ26上のブローチポスト27を摺動可能に嵌合するように構成される。ピストン47を延出させるために、例えば、滅菌食塩水などの適切な流体を介して、ピストン管40に油圧が適用される。ピストン管40は、シリンジポンプまたはその他の適切な加圧装置への取付けのために標準的なLuerフィッティング42を有する。一実施形態では、図3Bと6Aに示すように、グレータ22は、線状スプライン48へのねじ止め用の構造を有する。別の実施形態では、グレータ22は、リーマドライブ24へのクイックアタッチメント用の構造を有する。あるいは、リーマドライブ24のピストン47は、第1の骨(この実施形態では大腿骨)に動作可能に接続されるように構成される。一実施形態では、ピストン47は第1の骨によって支持され、第1の骨に対して自由に角度を有する。任意で、ピストンは、第1の骨に沿って、またはその内部を自由にスライドできる。別の実施形態では、ピストン47は、クランプ、ピン締め具、ねじ部品、または当業者に既知のその他の締め具を用いて、第1の骨に動作可能に接続されるように構成される。別の実施形態では、リーマドライブ24は、ピストン47を用いずに第1の骨に動作可能に接続されるように構成される。一実施形態では、リーマドライブ24は、第1の骨によって支持され、第1の骨に対して自由に角度を有する。任意で、リーマドライブ24は、第1の骨に沿って、またはその内部を自由にスライドできる。別の実施形態では、リーマドライブ24は、クランプ、ピン締め具、ねじ部品、または当業者に既知のその他の締め具を用いて、第1の骨に動作可能に接続されるように構成される。
【0027】
ここで図5を参照すると、グレータ22は、リーマドライブ24へのねじ止め固定用の構造を有する。ブラケット54は、ブラケット54が3つの取付け位置55の位置にある状態で、グレータ22の内面57に固定される。ブラケット54は、カッター穴58の周囲の取付けに適切な状態になるように、1つ以上の取付け位置55を有し、グレータ22に取り付けられるように構成されてもよいことを、当業者は理解するだろう。一実施形態では、ブラケット54は、リーマドライブ24の線状スプライン48とねじ接続するための内部ねじ構造56を有するように構成される。ブラケット54はさらに、例えば溶接、はんだ付けなどでグレータ22に取り付けることもできる。ブラケット−線状スプライン接合面では右ねじが用いられ、グレータ22の切断作用は、グレータ22の右方向の回転中に起こる。この実施形態による、骨を除去するためのグレータ22の操作は、線状スプライン48上にブラケット54きつく締め付ける傾向がある。あるいは、ブラケット54は、ねじ接続、差し込み接続、圧入固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、グレータ22に取り付けられるように構成される。
【0028】
一実施形態では、線状スプライン48をリーマドライブ24から取り外せるように、グレータ22はリーマドライブ24の線状スプライン48に固定される。この実施形態では、線状スプライン48は、ねじ接続、差し込み接続、圧入固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、グレータ22に取り付けられるように構成される。別の実施形態では、線状スプライン48は溶接、はんだ付けなどでグレータ22に恒久的に取り付けられる。
【0029】
本発明の一実施形態では、図7に示すように、グレータ22は、ブラケット62が取り付けられる成形タブ61を有する。この実施形態では、ブラケット62は、リーマドライブ24の線状スプライン48上の外部ねじ49とねじ接続するための内部ねじ構造65を有するように構成される。あるいは、成形タブ61に対してブラケット62から突出する1つ以上のボス63によって形成される接触点において、ブラケット62を成形タブ61に恒久的に取り付けてもよい。別の実施形態では、ブラケット−グレータ接合面は、成形タブ61のクリアランス穴66を通して配されるピン68を用いて固定され、ブラケットボス63の圧入固定穴64に収まる。あるいは、ブラケット62は、ねじ接続、差し込み接続、圧入固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、グレータ22に取り付けられるように構成される。
【0030】
ここで図7、11Aおよび11Bを参照すると、グレータ22は、リーマドライブ24および/または線状スプライン48から外すことによって、取り外される。このステップを簡略化するため、グレータ取外し器具88が提供される。グレータ取外し器具88は、グレータ22の複数の受けポケット89のそれぞれに対応する、1つ以上の突出ボス90を有する。グレータ取外し器具88は、グレータ22上に設置され、グレータ22のそれぞれの受けポケット89内にボス93が延出する。ハンドル20に取り付けられた外科用ドリル(図示せず)が反対に回転して、これによりグレータ22をリーマドライブ24および/または線状スプライン48から外す間、グレータ取外し器具88上の1つ以上の反応アーム91は、ハンドル20の外筒35に沿う。任意で、グレータ22をリーマドライブ24から外すために、Tハンドルドライバー(図示せず)を外科用ドリルの代わりに用いる。次に、グレータ取外し器具88とグレータ22とは、リーマドライブ24から持ち上げられる。
【0031】
ここで図8を参照すると、ねじ部品を使わずにグレータの交換を可能にするために、グレータ22へのクイックアタッチメント用にクリップ69を含むブラケット67の実施形態が示される。ブラケット67は、動作可能にリーマドライブ24と結合する。グレータ22は、1つ以上のクリップ69が取り付けられる成形タブ61を有する。この実施形態では、ブラケット67は、リーマドライブ24の線状スプライン48上の外部ねじ49とねじ接続するための内部ねじ構造70とを有するように構成される。図8、9、10を参照すると、クリップ69は2つの屈曲アーム73および74からなり、内部ラッチ75および76をそれぞれ有する。クリップ69の内面81と82は、成形タブ61の側面71および72に載っている成形タブ61とぴったり嵌まるような間隔を有する。内部ラッチ75および76の上部の受け面83および84は外側に先細りし、屈曲アーム73および74が静止位置にあるときに、受け面83および84のそれぞれの上縁85と86の間の間隔は、成形タブ61の側面71および72の間の間隔より大きくなる。グレータ22がブラケット67のクリップ69に押し込まれると、成形タブ61はそれぞれの受け面83および84に沿ってスライドし、これによりクリップ69の屈曲アーム73および74が広がる。成形タブ61が、ブラケット67上のそれぞれの内部ラッチ75および76を通過すると、内部ラッチ75および76はクリップ69内に成形タブ61を保持し、これによりグレータ22をブラケット67に固定する。固定状態にあるとき、成形タブ61の内面87はブラケット67の支持面79に沿い、これによりブラケット67に対してグレータ22の中心を合わせる。成形タブ61の側面71および72は、摺動可能にブラケット67の内部支持面77および78と嵌まり、ブラケット67からグレータ22に回転力を伝える能力がもたらされる。ブラケット−線状スプライン接合面では右ねじが用いられ、グレータ22の切断作用は、グレータ22の右方向の回転中に起こる。例えば、軟骨や骨などの物質を除去するための、半球状の面上の切断要素15を用いるグレータ22の操作は、線状スプライン48上にブラケット67をきつく締め付ける傾向がある。あるいは、ブラケット67は、差し込み接続、圧入固定、溶接固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、線状スプライン48に取り付けられるように構成される。任意で、ブラケット67は線状スプライン48と一体型でもよい。
【0032】
図9、10、12Aおよび12Bを参照すると、ブラケット67のクリップ69を、グレータ解除器具92を用いて解除することで、グレータ22が取り外される。グレータ解除器具92は、ブラケット67上のクリップ69にそれぞれ対応する1つ以上の突出ボス93を有する。グレータ解除器具92は、グレータ22上に設置され、ボス93はグレータ22のそれぞれの受けポケット89内に入る。各ボス93の底面96は、グレータ22上の各成形タブ61の上面97に載るようになる。ボス側面94および95は、摺動可能にクリップ69の受け面83および84に嵌まり、これによりクリップ69の屈曲アーム73および74を広げ、グレータ22を解除する。次に、グレータ解除器具92とグレータ22はブラケット67から持ち上げられる。
【0033】
本発明の一実施形態では、リーマドライブ24、ハンドル20、グレータ22は再利用可能な部品である。あるいは、ハンドル20とグレータ22は再利用可能で、リーマドライブ24は、単回使用用または複数回使用用の使い捨て器具である。別の実施形態では、ハンドル20は、再利用可能な器具であり、リーマドライブ24とグレータ22は、単回使用用または複数回使用用の使い捨て器具である。本発明のさらに別の実施形態では、グレータ22はリーマドライブ24と一体化して形成される。
【0034】
本発明の各要素について既に論じたので、以下で本発明のリーマシステムの使用方法を説明する。上記で説明したものを含むがこれに限定されない、既知のテクニックに従って股関節腔を露出する。大腿管を大腿ブローチ26を用いて処理し、手術後に大腿ブローチ26は大腿管に残っている。リーマドライブ24とグレータ22を組立て、大腿ブローチ26上に設置する。当業者は、手術部位への器具の設置の順序は、外科医の好みや関節腔アクセスに応じて、変えてもよいことを理解するだろう。リーマドライブ24とグレータ22の組立ては、手術部位の外側または関節腔の内部で行ってもよい。リーマドライブ24は、手術部位の外側でハンドル20に取り付ける。任意で、ハンドル20を股関節腔内部でリーマドライブ24に取り付ける。適切な大きさのグレータ22を選択し、リーマドライブ24に取り付ける。外科医は、患者の寛骨臼を処理するための、適切な大きさのグレータセットの1つである、グレータ22を選択する。グレータ22の直径は、36mm〜80mmの範囲で、大きさは1mm単位で増加する。通常は、外科医は、最初の寛骨臼リーミング用に、寛骨臼の直径より小さいものを、最初のグレータとして選択する。
【0035】
低侵襲の方法で寛骨臼12内部にグレータ22を設置するため、図3Aに示すように、関節腔へ設置するためにサイズを小さくするため、初めはリーマドライブ24を分解する。設置した後は、リーマドライブ24は、図3Cに示すように大腿骨と寛骨臼との間に移動させる力を提供するために拡張される構造を有し、グレータ22はリーミングプロセスを開始するために寛骨臼12内部に設置される。次に、最初のグレータ22を、より大きいグレータ、一般的には直径が1mm大きいものと交換し、寛骨臼リーミングステップを繰り返す。このプロセスを、インプラントを嵌合するのに適切な範囲まで処理されたと外科医によって判定されるまで繰り返す。リーマドライブ24とグレータ22の大きさの互換性を確保するため、グレータセットの各グレータ22は、対応する線状スプライン48をもつよう構成される。この方法で、種々のグレータ22を交換するステップが迅速で効率的になる。リーミングプロセス中のグレータ22の交換ステップをさらに簡略化するために、グレータ取外し器具88とグレータ解除器具92を、グレータ22をリーマドライブ24および/または線状スプライン48から取り外すために用いてもよい。リーミングプロセスが終了したら、寛骨臼12を、当分野で既知のテクニックに従って、人工股関節全置換装置の移植用に処理する。
【0036】
本発明をその特定の実施形態を参照して説明したが、当業者は、本発明の真の精神と範囲から逸脱することなく、本発明の説明された実施形態に種々の改変を行うことができるだろう。本明細書で用いた用語と記述は、実例として説明したものであり、限定を意図するものではない。当業者は、以下の請求項およびそれらと同等において定義されるような本発明の精神と範囲において、これらのおよび他の変形が可能であることを理解するであろう。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年9月28日に出願された米国仮特許出願第60/721,450号の一部継続出願であり、その利益を主張するものである。この一部継続出願は、2002年2月12日に出願された米国特許出願第10/075,829号の分割出願であって、現在、米国特許第6,723,102号となっている、2003年5月5日に出願された米国特許出願第10/429,435号の一部継続出願であり、これらの全体は参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
一般的に、関節は互いの関係を維持する2つの比較的硬い骨組織から構成される。骨組織の周囲にある軟部組織構造は、骨組織を1つにまとめ、ある骨組織のその他の骨組織に対する動きを定めるのに役立つ。例えば、靭帯、腱、関節半月、関節包などの軟部組織は骨組織を支持する。関節軟骨からなる、滑らかで弾力性のある面が骨組織を覆う。構造間の運動域を定める機構を形成するよう、骨組織の関節面は軟部組織構造とともに機能する。完全に連結された場合、動きは、骨組織の間の完全な運動域を画定する。一般的な運動域内では、骨組織は互いに対して既定のパターンで動く。股関節の例では、関節はもともと安定なソケット継手内のボールである。筋肉が動きを提供するのに対し、股関節周囲にある関節包と靭帯は安定性を提供する。
【0003】
骨組織の関節面は、種々の疾患、事故、その他の原因によって損傷を受ける可能性がある。関節によく見られる疾患は変形性関節症である。変形性関節症は、進行性の痛み、腫脹、関節の硬化をもたらす。関節炎が進行するにつれて、関節面はすり減り、結果として関節に安定性を提供する周囲の軟部組織の拘縮が生じる。さらに、疾患過程の進行は痛みを増加させ、可動性を低下させる。
【0004】
罹患した関節骨面の治療は、何よりも関節面の損傷度に依存し、患者の年齢や全身の身体的ロバスト性に依存する。一般的には、進行した関節炎には、関節置換術が必要であり、一般的には超高分子ポリエチレン(UHMWPE)製の部品と連結する金属製の部品からなる人工要素と、関節の連結要素とを置換する。
【0005】
股関節の変性が中等度から高度の比較的若年の患者は、薬物療法で治療されることが多い。薬物療法は一時的に痛みを軽減することがあるものの、病気の進行は変形と機能の低下をもたらすため最終的に手術を必要とする。代替療法、例えば、非ステイロイド系抗炎症剤やコルチゾン注射も同様に、一時的な症状の軽減をもたらすだけである。従って、股関節の中等度から高度の変性に伴う症状を恒久的に緩和する方法が求められている。
【0006】
重度のケースでは、例えば、寛骨臼窩と大腿骨頭を、寛骨臼に新しい面を作るためのUHMWPEベアリングを含む人工器官、ならびに大腿骨頭を置換するための、大腿近位部の髄管に延出するステムにマウントされた研磨金属またはセラミック大腿骨頭と置換するなど、関節に関連する骨のうち1つ以上の関節面を、人工面と部分的にまたは完全に置換する手術に適応がある可能性がある。痛みを軽減し、関節の機能を回復させるのに、関節置換術の有効性は実証されている。
【0007】
関節置換術に見られるように、関節の硬い要素を、部品を嵌合するように処理する現在の方法は、広範な外科的露出を伴う。その後に人工表面と置換される軟骨と骨を切断、または除去するための、ドリル、リーマ、ブローチ、その他の器具を導入可能な程度に、露出は大きくなくてはならない。人工股関節全置換術では、寛骨関節面と軟骨下骨を半球状のグレータによって除去し、振動鋸で大腿骨頭を切除し、ブローチを用いて近位髄管の形を整える。人工股関節全置換術の難しい点は、大腿を動かし、寛骨臼窩の露出と、寛骨臼窩へのアクセスを確保するために、大腿近位部から筋肉と腱を剥離しなくてはいけないため、手技の侵襲性が、著しい術中失血と、広範なリハビリの原因になることである。
【0008】
従来の完全股関節形成術は、股関節の疼痛性の関節炎に適応があった。手技は、外科医が股関節と寛骨臼領域を完全に認識できるように、また外科的電動機器のためのアクセスを提供するために、大切開によって股関節を露出するステップを伴う。股関節の骨組織を適切に処理するために、関節を十分に露出するため、一般的に、関節を支持する主要な筋肉は剥離される。手技のステップには、大腿骨頭を除去するステップが含まれ、次に、股関節ステムを支持するための骨表面を処理するために、近位大腿管のリーミングとブローチングとが行われる。ステムを移植し、所定の位置でセメント固定してもよいし、あるいは骨の内部延出用に圧入固定してもよい。寛骨臼は、骨が出血する位置まで軟骨を除去するために、一般的には一連の大きさのグレータを用いて処理される。寛骨臼の処理が終わったら、寛骨臼部品を、所定の位置でのセメント固定、または骨の内部延出用の圧入固定のいずれかを用いて移植する。部品だけでなく、骨の処理用の器具の大きさや形状に対応するために、広範な外科的露出が必要である。全長6〜12インチに及ぶことがある外科的露出は、大腿近位部へ進入する筋肉の剥離とともに、股関節周囲の軟部組織に対する広範な外傷をもたらす可能性がある。外科的露出は、出血、痛み、筋肉の阻害を増加させ、これらは全て、患者が安全に帰宅できるまで、または中間看護施設に移れるまでの入院とリハビリを長期化させる原因になる。
【0009】
処理された骨表面は、専門的には、寛骨臼窩、大腿管、大腿骨幹端部と呼ばれる。最終的な股関節完全インプラントを設置する前に試用可動域と股関節の安定性の増加を促進するために、最終的なインプラントを処理された空間に設置する前に、一部のシステムではブローチであってもよい試用大腿骨を試用大腿骨頭と頸部と一緒に大腿近位部に設置し、試用寛骨臼を寛骨臼に設置する。
【0010】
最終的な股関節完全インプラントを嵌合するために寛骨臼を処理するための低侵襲股関節手術用装置が知られている。外科用ドリルに接続された、直線のドライブハンドルによって駆動される半球状のグレータが用いられている。しかし、軟部組織構造がこれらの装置の適切な配置を制限しており、軟部組織の干渉を避けるために使用される湾曲したドライブハンドルの開発が進んだ。結果として得られたリーマ装置は、部分的に軟部組織を避けるものの、グレータを適切な位置に配置するために、やはり外科医が軟部組織構造にハンドルを押し付けなければならなかった。さらに、そのような装置はハンドルとグレータの寛骨臼へのアクセスを確保するために、やはり大腿近位部のレトラクトを必要とした。大腿骨を動かすには、広範に移動させる力が必要であり、加えられる力の大きさと時間のため、軟部組織構造への外傷の原因になる。
【0011】
ドライブハンドルの縦軸に直交する軸の周囲を回転する寛骨臼グレータが、インプラントを嵌合するための寛骨臼処理用として知られている。リーマ装置は、グレータとドライブハンドルとを含む。ドライブハンドルは、グレータが取り付けられる旋回可能なヘッドを有する。グレータは、外科用切開のために、グレータの外形を縮小するために、旋回可能なヘッドの周りを回転する。寛骨臼内部に入ると、操作中、グレータはドライブハンドルに対して垂直に回転する。グレータは、ドライブハンドル上での回転を可能にするために、半球状のシェルに切り欠きを含む。上述の直線および湾曲したドライブハンドルを用いる場合と同様、寛骨臼の処理の間、旋回可能なヘッドのドライブハンドルは軟部組織構造と干渉し、寛骨臼へのアクセスを確保するために大腿骨の移動を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の事実に基づいて、骨組織を適切に処理し、例えば、金属またはプラスチックなどの人工の関節ベアリング面を提供し、手術部位を閉じる手技のすべてを、付随する筋肉、靭帯、または腱に著しい損傷または外傷を与えることなく行うために、連結する関節面への外科的アクセスを得るために用いることができる外科的方法と器具が求められている。低侵襲の器具と手技を用いて関節の連結面を適切に削ることができるシステムと方法も求められている。関節面の処理を誘導し、寛骨臼インプラントを設置するための外科的ナビゲーションシステムに対する需要もある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、低侵襲の外科的手技を伴う、関節全置換術のためのシステムと方法を提供する。開示される器具は、限られた外科的露出を介して正確な骨処理を達成する。
【0014】
故に、一実施形態では、本発明は、通常は第1の骨と連結する第2の骨の関節面を適切に削る方法を提供する。本方法は、骨削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、第1の骨に直接的または間接的に取り付け、次に、切除された関節面を有する第2の骨の関節面を削るステップを含む。第2の骨を削るステップは、1つの骨をもう1つの骨に対して動かすことによって行う。あるいは、第2の骨を削るステップは、第2の骨に対して第1の骨を適切に配置し、第2の骨の内部、または上部に削器具を進展させることで行う。別の実施形態では、第2の骨を削るステップは、第1の骨上で削器具を支持しながら第2の骨に対して削器具を配置し、第2の骨の内部、または上部に削器具を進展させることで行う。任意で、骨削器具を、第1の骨に直接的または間接的に取り付けられるマウント上に取り付けてもよい。第2の骨の内部へ、またはその上部に削器具を進展させる力は、削器具と一体の移動用装置によってもたらされる。任意で、移動用装置は削器具から独立していてもよい。あるいは、第2の骨の内部へ、またはその上部に削器具を進展させる力は、脚の重さ、または外科医が脚に力を加えることでもたらされてもよい。
【0015】
さらなる実施形態では、本発明は、通常は第1の骨と連結する第2の骨の関節面を適切に処理し、人工器官を移植する方法を提供する。本方法は、骨削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、直接的または間接的に第1の骨に取り付け、次に、骨の処理中に、骨のうち1つをもう1つに対して連結させることで関節面を削るステップを含む。任意で、削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、第1の骨によって支持し、第1の骨に対して器具を連結させることによって関節面を削ってもよい。あるいは、削器具を、器具が第2の骨の関節面と切削係合する状態で、第1の骨によって支持し、第2の骨に対する器具の相対配置を維持しながら、第2の骨の内部へ、またはその上部へ器具を進展させることによって関節面を削ってもよい。骨削器具は、骨の内部、またはその上部に設置されたインプラント、試用部品、リーマまたはブローチによって支えられてもよい。あるいは、骨削器具は、骨の内部、またはその上部に設置されたインプラント、試用部品、リーマまたはブローチに取り付けられるか、一体化されてもよい。任意で、骨削器具は、骨の内部、またはその上部に設置されたインプラント、試用部品、リーマまたはブローチに直接的または間接的に取り付けられる骨用マウントに取り付けられてもよい。
【0016】
具体的には、例えば、股関節周囲の筋腱性構造に対する障害を最小限に抑えながら、最小の切開を介して大腿骨面と寛骨臼を置換するために本発明を用いてもよい。低侵襲の完全人工股関節手技用の一般的な切開は、全長が2〜4インチである。患者の生理、外科医の好み、またはその他の要素によって、切開の長さにある程度の変動があってもよいと言われており、先に述べた範囲は例であり、これに限定されない。小切開に加えて、特定の筋肉を切断するのではなく、筋群の間の組織を分離することによって、関節包に進入するような配慮がなされている。本発明は、種々の実施形態において、リーマシステムを含む。本発明による、リーマシステムは、股関節への応用の場合は、一般的には大腿骨ブローチ、リーマドライブ(一体型または独立型のいずれか)、ハンドル、半球状のグレータ、または寛骨臼窩から軟骨と骨を除去するための類似の装置である、大腿骨取付け要素を含む、モジュール式または非モジュール式の構造のいずれかである。本リーマシステムは、例えば、標準的な外科用ドリルなどの動力源によって作動する。任意で、本リーマシステムは、例えば電気、空気、または油圧モータ、電磁、電気機械ドライブまたはその他の適切な動力源などの内部動力源によって作動してもよい。リーマシステムは、全部ではないが、大部分の筋肉に損傷を与えずに、1つ以上の小切開を介して関節腔に設置されるように設計または構成される。リーマシステムの位置決めと、寛骨臼処理の進行度の監視を補助するために、ナビゲーション追跡装置を骨盤に取り付け、第2のナビゲーション追跡装置をリーマドライブに取り付けることにより手術ナビゲーションを用いてもよい。任意で、第2のナビゲーション追跡装置をハンドルに取り付けてもよい。大腿骨と寛骨臼との処理が終了すると、さらなる筋肉の剥離または外科的外傷なしに、インプラントを設置する。
【0017】
低侵襲手技では、転子窩を十分に露出し、大腿骨頸の切除と、大腿骨頭と頸部の除去が可能な大きさの切開を介して股関節にアクセスする。大腿管には、転子窩と転子領域とを介してアクセスする。当業者に既知のリーマ、ラスプやその他の器具を、一連のリーミングとブローチングステップとによって大腿骨インプラントを嵌合するように大腿近位部を処理するために用いる。処理が終わると、髄管と大腿骨頸と転子領域との残留部分が、大腿ブローチを支持し、これが寛骨臼を処理するためにリーマシステムを支持する。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
低侵襲の関節置換術用に関節を処理するリーマシステムであって、
i. ピストンを含む、上部と下部とを有するリーマドライブと、
ii. 第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に動作可能に接続するように構成される、グレータと、
iii. ドライブシャフトであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ドライブシャフトと、
iV. 第1の骨取付け部と、該第1の骨取付け部に取り付けられるポストとを含むマウントであって、該ポストは、該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するために構成される、マウントと
を含む、リーマシステム。
(項目2)
上記リーマドライブに接続される少なくとも1つの組織ディストラクタをさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目3)
上記ハンドルに接続される少なくとも1つの組織ディストラクタをさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目4)
上記リーマドライブは、スプライン管に動作可能に接続される、項目1に記載のリーマシステム。
(項目5)
上記ハンドルの上記第2の端部は、外科用ドリルへの取付け用に構成される、項目1に記載のリーマシステム。
(項目6)
上記リーマドライブは内蔵動力源を備える、項目1に記載のリーマシステム。
(項目7)
上記動力源は、電気的動力源、空気圧的動力源、油圧的動力源、電気機械的動力源、または化学的動力源からなる群から選択される、項目6に記載のリーマシステム。
(項目8)
上記リーマドライブに部分的に動作可能に接続される、ナビゲーション追跡手段をさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目9)
上記システムはモジュール式である、項目1に記載のリーマシステム。
(項目10)
上記システムはモジュール式ではない、項目1に記載のリーマシステム。
(項目11)
上記リーマドライブの上記上部は、かさ歯車を含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目12)
上記かさ歯車は、摺動可能に線状スプラインを嵌合する、項目11に記載のリーマシステム。
(項目13)
上記グレータを螺合するために、上記線状スプラインは、その周囲にねじ辺縁を含む、項目12に記載のリーマシステム。
(項目14)
上記リーマドライブの上記上部は、上記グレータを解除可能に嵌合するための少なくとも1つのクリップを含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目15)
上記上部は、かさ歯車をさらに含み、該かさ歯車は上記線状スプラインを摺動可能に嵌合する、項目1に記載のリーマシステム。
(項目16)
上記グレータは、外面と内面とを含み、該外面はカッター穴を含み、該内面は少なくとも1つの取付け位置で、該グレータに動作可能に接続されるブラケットを含み、該ブラケットは、ねじ部を含む、項目13に記載のリーマシステム。
(項目17)
上記ブラケットの上記ねじ部は、上記線状スプラインの上記ねじ辺縁を螺合する、項目16に記載のリーマシステム。
(項目18)
リーマシステムを含む、低侵襲の関節置換術用に関節を処理するキットであって、
該リーマシステムは、
i. リーマドライブピストンを含む、上部と下部とを有するリーマドライブと、
ii. 多様なサイズのグレータセットであって、該グレータのそれぞれは、第1の面と第2の面とを有し、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に動作可能に接続されるように構成される、グレータセットと、
iii. 内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは、第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ハンドルと、
iV. 大腿取付け部と、該大腿取付け部に取付けられるポストを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチと
を含み、
該グレータを該リーマドライブから取り外すために、動作可能に該グレータに取付けられることができるグレータ取外し器具を含む、キット。
(項目19)
リーマシステムを含む、低侵襲の関節置換術用に関節を処理するキットであって、
該リーマシステムは、
i. グレータを嵌合するための上部と、リーマドライブピストンを含む下部とを有するリーマドライブと、
ii. 多様なサイズのグレータセットであって、該グレータのそれぞれは第1の面と第2の面とを有し、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブと動作可能に接続されるように構成される、グレータセットと、
iii. 内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ハンドルと、
iV. 大腿取付け部と、該大腿取付け部に取り付けられるポストを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチとを含む、リーマシステムと
含み、
該グレータを該リーマドライブから解除するために、該グレータに解除可能に接続されるグレータ解除器具とを含む、キット。
(項目20)
上記ハンドルに少なくとも部分的に接続されるナビゲーション追跡装置をさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目21)
低侵襲の関節置換術用の関節を処理する方法であって、
a.リーマシステムを提供することであって、該システムは、リーマドライブピストンを含む上部と下部とを有するリーマドライブと、第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブに動作可能に接続されるように構成されるグレータと、内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは、第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は、該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は、動力源と動作可能に接続される、ハンドルと、大腿取付け部と、該大腿取付け部に取り付けられるポストを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチとを含む、提供することと、
b.該動力源によって生成される回転運動を提供することであって、該回転運動は、該ハンドル内の該ドライブシャフトを介して、該リーマドライブへ、続いて該グレータへ伝わる、提供することと
を含む、方法。
(項目22)
上記グレータを、該グレータの上記回転運動によって上記物質が除去される寛骨臼の方向へ延出させ、かつ進展させるために、上記リーマドライブピストンに油圧を提供することをさらに含む、項目21の方法。
(項目23)
低侵襲の関節置換術用の関節を処理する方法であって、
a.リーマシステムを提供することであって、該システムは、リーマドライブピストンを含む上部と下部とを有するリーマドライブと、第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に解除可能に接続されるように構成されるグレータと、内部のドライブシャフトを有するハンドルであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブと動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続されるハンドルと、大腿取付け部と、該大腿取付け部に取り付けられるポストとを含む大腿ブローチであって、該ポストは該リーマドライブピストンを係合可能に嵌合するように構成される、大腿ブローチとを含む、提供することと、
b.該大腿ブローチを大腿内に設置することと、
c.該ハンドル内の該ドライブシャフトを介して、該リーマドライブへ、続いて該グレータへ、該動力源によって生成された回転運動を提供することと
を含む、方法。
(項目24)
上記グレータを、該グレータの上記回転運動によって上記物質が除去される寛骨臼の方向へ延出させ、かつ進展させるために、上記リーマドライブピストンに油圧を提供することをさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記グレータを用いて適切な物質が除去されたとき、該グレータは、より大きなグレータと交換され、ステップbとステップcとが繰り返し行われる、項目24に記載の方法。
(項目26)
上記ステップbとステップcとは、寛骨臼が処理されるまで繰り返される、項目25に記載の方法。
(項目27)
上記リーマドライブとハンドルとは動作可能に接続され、上記最初のグレータは該リーマドライブに解除可能に接続される、項目23に記載の方法。
(項目28)
上記組み立てられたハンドルとリーマドライブと最初のグレータとは、股関節腔内に設置される、項目27に記載の方法。
(項目29)
上記リーマドライブピストンは、上記ブローチポストによって係合可能に嵌合される、項目23に記載の方法。
(項目30)
低侵襲の関節置換術用の関節を処理するリーマシステムであって、
i. 上部と下部とを有するリーマドライブであって、該下部は第1の骨に動作可能に接続されるように構成される、リーマドライブと、
ii. 第1の面と第2の面とを有するグレータであって、該第1の面は物質を除去するように構成され、該第2の面は該リーマドライブの上部に動作可能に接続されるように構成される、グレータと、
iii. ドライブシャフトであって、該ドライブシャフトは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は該リーマドライブに動作可能に接続され、該第2の端部は動力源に動作可能に接続される、ドライブシャフトと
を含む、リーマシステム。
(項目31)
上記下部はピストンを含み、該ピストンは第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部は摺動可能に該下部によって嵌合されるように構成され、該第2の端部は上記第1の骨に動作可能に接続されるように構成される、項目30に記載のリーマドライブ。
(項目32)
上記ピストンの上記第2の端部は、上記第1の骨に柔軟に接続するように構成される、項目31に記載のピストン。
(項目33)
上記ピストンの上記第2の端部は、上記第1の骨に強固に接続するように構成される、項目31に記載のピストン。
(項目34)
上記ピストンの上記第2の端部は、上記第1の骨に摺動可能に接続するように構成される、項目31に記載のピストン。
(項目35)
上記上部は延出するように構成される、項目30に記載のリーマドライブ。
(項目36)
上記上部は延出するように構成される、項目31に記載のリーマドライブ。
(項目37)
上記ドライブシャフトに動作可能に接続されるハンドルをさらに含む、項目30に記載のリーマシステム。
(項目38)
上記ハンドルは、上記リーマドライブに動作可能に接続される、項目37に記載のハンドル。
(項目39)
上記ドライブシャフトに動作可能に接続されるハンドルをさらに含む、項目1に記載のリーマシステム。
(項目40)
上記ハンドルは、上記リーマドライブに動作可能に接続される、項目39に記載のハンドル。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、関節の解剖と人工股関節全置換術の従来の露出法の図である。
【図2】図2は、リーマシステムを用いる低侵襲の人工股関節全置換術用の露出法の図である。
【図3A】図3A、3B、および3Cは、ハンドル、リーマドライブ、ブローチ、およびグレータを含む本発明によるリーマシステムの透視図であり、リーマシステムはそれぞれ分解された状態、延出させた状態、および拡張した状態で示される。
【図3B】図3A、3B、および3Cは、ハンドル、リーマドライブ、ブローチ、およびグレータを含む本発明によるリーマシステムの透視図であり、リーマシステムはそれぞれ分解された状態、延出させた状態、および拡張した状態で示される。
【図3C】図3A、3B、および3Cは、ハンドル、リーマドライブ、ブローチ、およびグレータを含む本発明によるリーマシステムの透視図であり、リーマシステムはそれぞれ分解された状態、延出させた状態、および拡張した状態で示される。
【図4A】図4Aおよび4Bは、本発明の一実施形態によるハンドルの透視図である。
【図4B】図4Aおよび4Bは、本発明の一実施形態によるハンドルの透視図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態によるグレータの底部透視図である。
【図6A】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図6B】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図6C】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図6D】図6A、6B、6C、6Dは、本発明の実施形態によるリーマドライブを、それぞれ分解した状態と延出させた状態での、上部および底部透視図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態による、リーマドライブにねじ止めされるグレータの分解図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態による、グレータをリーマドライブに取り付けるためのクイックアタッチメント器具の分解図である。
【図9】図9は、図8に示したグレータと取付けブラケットの分解図である。
【図10】図10は、図9に示した取付けブラケットの一部の拡大透視図である。
【図11A】図11Aと11Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ取外し器具の透視図である。
【図11B】図11Aと11Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ取外し器具の透視図である。
【図12A】図12Aと12Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ解除器具の透視図である。
【図12B】図12Aと12Bは、本発明によるリーマドライブ、ハンドル、グレータ、およびグレータ解除器具の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、股関節の一般解剖学と、大腿近位部11と寛骨臼12を露出するための股関節への典型的な外科的アプローチ10を図示する。人工股関節全置換術のための、股関節への4つの外科的アプローチが知られている。これらのアプローチには、転子部骨切り術を伴わない後方進入法、大転子切離による側方アプローチ、転子部骨切り術を伴わない前方進入法、Smith−Peterson法が含まれる。完全股関節形成術には、側方進入法も知られている。股関節への最も一般的な外科的アプローチは後方であり、分離される筋肉組織には、短内旋筋群および外旋筋群、大腿筋膜張筋、大腿方形筋、梨状筋、また時には中臀筋および小臀筋、そして大臀筋が含まれる可能性がある。
【0020】
従来の人工股関節全置換術では、外科医が股関節と寛骨臼領域を完全に認識できるように、また外科用動力機器用のアクセスを確保するために、大切開によって股関節を露出させた。大腿骨頭を切除し、骨表面がヒップステムを支えるように処理するため、大腿管にリーマで穴を開け、ブローチングする。ステムを定位置にセメント固定してもよいし、または骨の内部成長用に圧入固定してもよい。寛骨臼は、骨が出血する位置まで軟骨を除去するために、最も一般的には外科用ハンドドリルに取り付けられたグレータを用いて処理される。図1に示すような外科的露出用の皮膚切開は、通常全長8〜12インチに渡り、股関節外転筋群、外旋筋群の部分的、または完全な剥離を伴うため、股関節周囲の軟部組織に対して広範な外傷をもたらす。
【0021】
低侵襲の股関節全置換術では、図2に示すように、切開21は概して全長が2〜4インチである。侵襲度の低い、または低侵襲の股関節手術では2〜4インチの外科的切開が標準的だが、患者の生理、外科医の好み、またはその他の要素によってある程度の変動があってもよい。外科的アプローチは、股関節包と転子窩へのアクセスを確保するために、鈍的切開によって大臀筋を分離する手技を伴う。筋肉の剥離は、通常は転子窩の梨状腱の剥離に限られる。当業者は、本明細書で説明される外科的アプローチが、個々の患者、外科医の好みなどに応じて変動してもよいことを理解するだろう。
【0022】
図2を再度参照すると、切開21、筋肉の切開と関節包の切開は、十分な視覚化、器具の設置と操作、インプラントの設置に必要な部分に限定されている。通常の進入法は筋肉の剥離を伴わない後方進入法である。あるいは、外科医が、梨状腱を単独で、または外旋筋群、大腿方形筋、小殿筋の部分的または完全剥離との併用で剥離させるよう選択してもよい。切開は、大腿骨頭と寛骨臼12を露出するため、また図3Aから3Cに示す、グレータ22、リーマドライブ24、ハンドル20、および大腿ブローチ26を含むリーマシステムを設置するために、過不足のない大きさである。図11Aと11Bとに示すようなグレータ取外し器具88と、図12Aと12Bとに示すようなグレータ解除器具92をリーマシステムと一緒に用いてもよい。軟部組織を視線の外に保持するため、または器具の設置のために組織を移動させるために、1つ以上の組織ディストラクタ18を任意で用いてもよい。あるいは、組織ディストラクタのうち1つ以上は、ハンドル20と一体型であってもよいし、またはリーマドライブ24と一体型であってもよいし、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0023】
リーマドライブ24、ハンドル20、グレータ22、大腿ブローチ26、グレータ取外し器具88、グレータ解除器具92、および/またはこれらそれぞれの構造的従属部品は、一般的に、機械加工、金属射出成形またはスタンプ成形のいずれかによって、適切なステンレス鋼から製造される。あるいは、チタンおよびチタン合金、コバルトクロム合金、およびその他の生体適合性金属を含むが、これに限定されない物質を用いてもよい。生体適合性プラスチック、例えばPEEK、Ultem、Celcon、Delron、Radelを一部の従属部品に用いてもよい。生体適合性プラスチックから加工された従属部品は、機械加工されるか、射出成形されてもよい。
【0024】
図3Cに示すように、リーマドライブ24は、寛骨臼12を処理するために、ハンドル20、グレータ22、および大腿ブローチ26とともに用いられる。図3Aと3Bとを参照すると、大腿ブローチ26は大腿近位部を処理するための構造を有し、リーマドライブ24を支持するために大腿内にとどまる。リーマドライブ24は、いったん股関節腔に設置された後に拡張する構造を有する。図3Aに示すように、リーマドライブ24は、小切開を介する設置のために、リーマシステムの外形を縮小するように分解する。リーマドライブ24は、大腿ブローチ26上に設置され、寛骨臼12がインプラントを嵌合するように処理するためにグレータ22に力を加える間、大腿骨11を寛骨臼12から移動させるために油圧によって伸縮する。任意で、リーマドライブ24は、リーマドライブピストン47と線状スプライン48を伸縮させることで、グレータ22の軸に沿って拡張される。あるいは、リーマドライブ24は、リーマドライブ24を拡張させるためのリーマドライブピストン47、またはリーマドライブ24を拡張させるための線状スプライン48のいずれかを備えるよう構造を有してもよい。線状スプライン48は、任意でリーマドライブ24のシリンダーから延出するピストンとして構成されてもよい。リーマドライブ24を完全に縮小させた場合に、ハンドル20にスペースを与えるために、少なくとも1つの通路59がグレータ22の周囲に設置される。線状スプライン48を延出させるために、スプライン管39に油圧が適用され、これによってグレータ22が回転しながら、グレータ22の面60がハンドル20から引き離されるように、グレータ22が持ち上げられる。ピストン47を延出させるためにピストン管40に油圧が適用され、グレータ22を寛骨臼12内に進展させ、切断要素15を例えば寛骨臼の軟骨や骨などの物質に接触させるために、大腿骨11と寛骨臼12との間に移動させる力を提供する。
【0025】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、ハンドル20は、標準的な外科用ドリルへの取付け用Hudson接続によって一端に構成される、内部ドライブシャフト31を備えるように構成される。あるいは、ドライブシャフト31は、Hallアダプタ、円筒形、四角形、六角形、または外科用ドリルへの取り付けに適したその他の形状の接続部品を用いるように構成されてもよい。グリップ32は、外科医が操作しやすいように構成され、ハンドル20の基部33に固定される。外筒35は基部33にねじ止めされる。外筒35を基部33に固定するために、固定スリーブ34も基部33にねじ止めされる。外筒開口部37は、外筒35の差し込み口金36とかみ合うリーマドライブ24を、摺動可能に嵌合するように構成される。図6Aを参照すると、リーマドライブ24上の取付けボス45は、外筒開口部37内へ摺動可能に嵌合するように構成される。図6Aに示す、ピニオンギア43の外部正方形ドライブ44は、図4Bに示す、ドライブシャフト38の内部正方形ドライブ29に摺動可能に嵌合するように構成される。リーマドライブ24の取付けボス45から突出する2つのボス46は、ハンドル20の外筒35差し込み口金36とかみ合う。外筒35は、取付けボス45が外筒35にスライドして入るためのスペースを提供するために、基部33に沿って延出する。リーマドライブ24は、取付けボス45から突出するボス46と差し込み口金36を嵌合するために、時計回りに回転する。外筒35は、基部33上にさらにねじ止めされ、これによりリーマドライブ24の取りス45から突出するボス46を差し込み口金36内部に固定する。次に、外筒35を所定の位置に固定するために固定スリーブ34を進展させる。任意で、ドライブシャフト31は、ハンドル20のその他の従属部品を用いずにリーマドライブ24を駆動させるように構成されてもよい。
【0026】
図6A、6B、6C、6Dを参照すると、リーマドライブ24は、寛骨臼リーミングの最中に、大腿骨11と寛骨臼12の間に移動させる力を提供するために延出するように構成される。線状スプライン48は、かさ歯車50と筐体基部52によって摺動可能に嵌合される。線状スプライン48は、それと筐体基部52の間に流体シールを有し、線状スプラインの軸に沿って、筐体基部52内部をスライドするように構成される。あるいは、当業者に既知の、回転運動を伝えるための伸縮性の結合を、グレータ22をリーマドライブ24に取り付けるために用いてもよい。例えば、滅菌食塩水またはその他の適切な液体などの流体によって、スプライン管39を介して円筒形筐体と線状スプライン48に伝えられた油圧は、線状スプライン48を延出させる。スプライン管39は、シリンジポンプまたはその他の適切な加圧装置への取付けのための、標準的なLuerフィッティング41を有する。ピストン47は、図3Cに示すように、大腿ブローチ26上のブローチポスト27を摺動可能に嵌合するように構成される。ピストン47を延出させるために、例えば、滅菌食塩水などの適切な流体を介して、ピストン管40に油圧が適用される。ピストン管40は、シリンジポンプまたはその他の適切な加圧装置への取付けのために標準的なLuerフィッティング42を有する。一実施形態では、図3Bと6Aに示すように、グレータ22は、線状スプライン48へのねじ止め用の構造を有する。別の実施形態では、グレータ22は、リーマドライブ24へのクイックアタッチメント用の構造を有する。あるいは、リーマドライブ24のピストン47は、第1の骨(この実施形態では大腿骨)に動作可能に接続されるように構成される。一実施形態では、ピストン47は第1の骨によって支持され、第1の骨に対して自由に角度を有する。任意で、ピストンは、第1の骨に沿って、またはその内部を自由にスライドできる。別の実施形態では、ピストン47は、クランプ、ピン締め具、ねじ部品、または当業者に既知のその他の締め具を用いて、第1の骨に動作可能に接続されるように構成される。別の実施形態では、リーマドライブ24は、ピストン47を用いずに第1の骨に動作可能に接続されるように構成される。一実施形態では、リーマドライブ24は、第1の骨によって支持され、第1の骨に対して自由に角度を有する。任意で、リーマドライブ24は、第1の骨に沿って、またはその内部を自由にスライドできる。別の実施形態では、リーマドライブ24は、クランプ、ピン締め具、ねじ部品、または当業者に既知のその他の締め具を用いて、第1の骨に動作可能に接続されるように構成される。
【0027】
ここで図5を参照すると、グレータ22は、リーマドライブ24へのねじ止め固定用の構造を有する。ブラケット54は、ブラケット54が3つの取付け位置55の位置にある状態で、グレータ22の内面57に固定される。ブラケット54は、カッター穴58の周囲の取付けに適切な状態になるように、1つ以上の取付け位置55を有し、グレータ22に取り付けられるように構成されてもよいことを、当業者は理解するだろう。一実施形態では、ブラケット54は、リーマドライブ24の線状スプライン48とねじ接続するための内部ねじ構造56を有するように構成される。ブラケット54はさらに、例えば溶接、はんだ付けなどでグレータ22に取り付けることもできる。ブラケット−線状スプライン接合面では右ねじが用いられ、グレータ22の切断作用は、グレータ22の右方向の回転中に起こる。この実施形態による、骨を除去するためのグレータ22の操作は、線状スプライン48上にブラケット54きつく締め付ける傾向がある。あるいは、ブラケット54は、ねじ接続、差し込み接続、圧入固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、グレータ22に取り付けられるように構成される。
【0028】
一実施形態では、線状スプライン48をリーマドライブ24から取り外せるように、グレータ22はリーマドライブ24の線状スプライン48に固定される。この実施形態では、線状スプライン48は、ねじ接続、差し込み接続、圧入固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、グレータ22に取り付けられるように構成される。別の実施形態では、線状スプライン48は溶接、はんだ付けなどでグレータ22に恒久的に取り付けられる。
【0029】
本発明の一実施形態では、図7に示すように、グレータ22は、ブラケット62が取り付けられる成形タブ61を有する。この実施形態では、ブラケット62は、リーマドライブ24の線状スプライン48上の外部ねじ49とねじ接続するための内部ねじ構造65を有するように構成される。あるいは、成形タブ61に対してブラケット62から突出する1つ以上のボス63によって形成される接触点において、ブラケット62を成形タブ61に恒久的に取り付けてもよい。別の実施形態では、ブラケット−グレータ接合面は、成形タブ61のクリアランス穴66を通して配されるピン68を用いて固定され、ブラケットボス63の圧入固定穴64に収まる。あるいは、ブラケット62は、ねじ接続、差し込み接続、圧入固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、グレータ22に取り付けられるように構成される。
【0030】
ここで図7、11Aおよび11Bを参照すると、グレータ22は、リーマドライブ24および/または線状スプライン48から外すことによって、取り外される。このステップを簡略化するため、グレータ取外し器具88が提供される。グレータ取外し器具88は、グレータ22の複数の受けポケット89のそれぞれに対応する、1つ以上の突出ボス90を有する。グレータ取外し器具88は、グレータ22上に設置され、グレータ22のそれぞれの受けポケット89内にボス93が延出する。ハンドル20に取り付けられた外科用ドリル(図示せず)が反対に回転して、これによりグレータ22をリーマドライブ24および/または線状スプライン48から外す間、グレータ取外し器具88上の1つ以上の反応アーム91は、ハンドル20の外筒35に沿う。任意で、グレータ22をリーマドライブ24から外すために、Tハンドルドライバー(図示せず)を外科用ドリルの代わりに用いる。次に、グレータ取外し器具88とグレータ22とは、リーマドライブ24から持ち上げられる。
【0031】
ここで図8を参照すると、ねじ部品を使わずにグレータの交換を可能にするために、グレータ22へのクイックアタッチメント用にクリップ69を含むブラケット67の実施形態が示される。ブラケット67は、動作可能にリーマドライブ24と結合する。グレータ22は、1つ以上のクリップ69が取り付けられる成形タブ61を有する。この実施形態では、ブラケット67は、リーマドライブ24の線状スプライン48上の外部ねじ49とねじ接続するための内部ねじ構造70とを有するように構成される。図8、9、10を参照すると、クリップ69は2つの屈曲アーム73および74からなり、内部ラッチ75および76をそれぞれ有する。クリップ69の内面81と82は、成形タブ61の側面71および72に載っている成形タブ61とぴったり嵌まるような間隔を有する。内部ラッチ75および76の上部の受け面83および84は外側に先細りし、屈曲アーム73および74が静止位置にあるときに、受け面83および84のそれぞれの上縁85と86の間の間隔は、成形タブ61の側面71および72の間の間隔より大きくなる。グレータ22がブラケット67のクリップ69に押し込まれると、成形タブ61はそれぞれの受け面83および84に沿ってスライドし、これによりクリップ69の屈曲アーム73および74が広がる。成形タブ61が、ブラケット67上のそれぞれの内部ラッチ75および76を通過すると、内部ラッチ75および76はクリップ69内に成形タブ61を保持し、これによりグレータ22をブラケット67に固定する。固定状態にあるとき、成形タブ61の内面87はブラケット67の支持面79に沿い、これによりブラケット67に対してグレータ22の中心を合わせる。成形タブ61の側面71および72は、摺動可能にブラケット67の内部支持面77および78と嵌まり、ブラケット67からグレータ22に回転力を伝える能力がもたらされる。ブラケット−線状スプライン接合面では右ねじが用いられ、グレータ22の切断作用は、グレータ22の右方向の回転中に起こる。例えば、軟骨や骨などの物質を除去するための、半球状の面上の切断要素15を用いるグレータ22の操作は、線状スプライン48上にブラケット67をきつく締め付ける傾向がある。あるいは、ブラケット67は、差し込み接続、圧入固定、溶接固定、または接着固定、またはねじ部品、圧入固定用ピン、機械的クリップ、または当業者に既知のその他の取付け手段によって、線状スプライン48に取り付けられるように構成される。任意で、ブラケット67は線状スプライン48と一体型でもよい。
【0032】
図9、10、12Aおよび12Bを参照すると、ブラケット67のクリップ69を、グレータ解除器具92を用いて解除することで、グレータ22が取り外される。グレータ解除器具92は、ブラケット67上のクリップ69にそれぞれ対応する1つ以上の突出ボス93を有する。グレータ解除器具92は、グレータ22上に設置され、ボス93はグレータ22のそれぞれの受けポケット89内に入る。各ボス93の底面96は、グレータ22上の各成形タブ61の上面97に載るようになる。ボス側面94および95は、摺動可能にクリップ69の受け面83および84に嵌まり、これによりクリップ69の屈曲アーム73および74を広げ、グレータ22を解除する。次に、グレータ解除器具92とグレータ22はブラケット67から持ち上げられる。
【0033】
本発明の一実施形態では、リーマドライブ24、ハンドル20、グレータ22は再利用可能な部品である。あるいは、ハンドル20とグレータ22は再利用可能で、リーマドライブ24は、単回使用用または複数回使用用の使い捨て器具である。別の実施形態では、ハンドル20は、再利用可能な器具であり、リーマドライブ24とグレータ22は、単回使用用または複数回使用用の使い捨て器具である。本発明のさらに別の実施形態では、グレータ22はリーマドライブ24と一体化して形成される。
【0034】
本発明の各要素について既に論じたので、以下で本発明のリーマシステムの使用方法を説明する。上記で説明したものを含むがこれに限定されない、既知のテクニックに従って股関節腔を露出する。大腿管を大腿ブローチ26を用いて処理し、手術後に大腿ブローチ26は大腿管に残っている。リーマドライブ24とグレータ22を組立て、大腿ブローチ26上に設置する。当業者は、手術部位への器具の設置の順序は、外科医の好みや関節腔アクセスに応じて、変えてもよいことを理解するだろう。リーマドライブ24とグレータ22の組立ては、手術部位の外側または関節腔の内部で行ってもよい。リーマドライブ24は、手術部位の外側でハンドル20に取り付ける。任意で、ハンドル20を股関節腔内部でリーマドライブ24に取り付ける。適切な大きさのグレータ22を選択し、リーマドライブ24に取り付ける。外科医は、患者の寛骨臼を処理するための、適切な大きさのグレータセットの1つである、グレータ22を選択する。グレータ22の直径は、36mm〜80mmの範囲で、大きさは1mm単位で増加する。通常は、外科医は、最初の寛骨臼リーミング用に、寛骨臼の直径より小さいものを、最初のグレータとして選択する。
【0035】
低侵襲の方法で寛骨臼12内部にグレータ22を設置するため、図3Aに示すように、関節腔へ設置するためにサイズを小さくするため、初めはリーマドライブ24を分解する。設置した後は、リーマドライブ24は、図3Cに示すように大腿骨と寛骨臼との間に移動させる力を提供するために拡張される構造を有し、グレータ22はリーミングプロセスを開始するために寛骨臼12内部に設置される。次に、最初のグレータ22を、より大きいグレータ、一般的には直径が1mm大きいものと交換し、寛骨臼リーミングステップを繰り返す。このプロセスを、インプラントを嵌合するのに適切な範囲まで処理されたと外科医によって判定されるまで繰り返す。リーマドライブ24とグレータ22の大きさの互換性を確保するため、グレータセットの各グレータ22は、対応する線状スプライン48をもつよう構成される。この方法で、種々のグレータ22を交換するステップが迅速で効率的になる。リーミングプロセス中のグレータ22の交換ステップをさらに簡略化するために、グレータ取外し器具88とグレータ解除器具92を、グレータ22をリーマドライブ24および/または線状スプライン48から取り外すために用いてもよい。リーミングプロセスが終了したら、寛骨臼12を、当分野で既知のテクニックに従って、人工股関節全置換装置の移植用に処理する。
【0036】
本発明をその特定の実施形態を参照して説明したが、当業者は、本発明の真の精神と範囲から逸脱することなく、本発明の説明された実施形態に種々の改変を行うことができるだろう。本明細書で用いた用語と記述は、実例として説明したものであり、限定を意図するものではない。当業者は、以下の請求項およびそれらと同等において定義されるような本発明の精神と範囲において、これらのおよび他の変形が可能であることを理解するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2011−139918(P2011−139918A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−91518(P2011−91518)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【分割の表示】特願2008−533750(P2008−533750)の分割
【原出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(508018277)アレクサンドリア リサーチ テクノロジーズ, エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91518(P2011−91518)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【分割の表示】特願2008−533750(P2008−533750)の分割
【原出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(508018277)アレクサンドリア リサーチ テクノロジーズ, エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】
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