説明

低反射膜で被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラス及びその製法

【課題】摩擦により表面の凹凸構造が損なわれやすいため、実使用において低反射性を長期間にわたって持続させることが可能な単層の低反射膜はなかった。
【解決手段】低反射膜で基板ガラスを被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスにおいて、該低反射膜が無機化合物微粒子と無機化合物バインダーを含み、該無機化合物微粒子は、平均粒径が5nm以上、140nm以下の微粒子のうち平均粒径の差が30nm以上、135nm以下である2種類の微粒子からなり、平均粒径の小さな微粒子の粒径の標準偏差が50以下であり、かつ平均粒径の小さな微粒子の量が平均粒径の大きな微粒子の量に対して質量比で0.005倍量以上、0.03倍量以下とすること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低反射膜で被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用窓、建築用窓、ディスプレー、眼鏡やカメラのレンズには、ガラス等の基材が使用されてきた。基材を通して文字、図形、物体等の視覚情報を観察・認識する場合、基材表面で外光が反射して内部の視覚情報が見え難くなるという問題があるので、基材上に低反射膜を形成し低反射物品としてきた。また、太陽電池のカバーガラスに低反射膜を被覆することで太陽電池の出力を向上できる。
【0003】
前記低反射膜には、無機化合物微粒子で表面に微細な凹凸を設けてなる低反射膜が広く利用されている。例えば、特許文献1には、シリカ微粒子、アルコキシシラン、及びアルコールからなる塗布液を基材に塗布してなる低反射物品が開示されている。また、特許文献2では、基材上にチタニア等の高屈折率膜を形成し、その高屈折率膜上に無機化合物微粒子で表面に微細な凹凸を設けてなる低屈折率膜を形成してなる低反射物品が開示されている。
【特許文献1】特開昭63−193101号公報
【特許文献2】特開平6−186401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような表面に微細な凹凸構造を有する低反射物品は、摩擦により表面の凹凸構造が損なわれやすく、その結果、払拭等のメンテナンスを考慮に入れた実使用において低反射性を長期間にわたって持続させることができないという問題があった。特に特許文献2のような積層膜においては、表面の無機化合物微粒子が損なわれると、高屈折率膜が最外層となり、結果として、反射率が高くなるため太陽電池セルに入射する光が低減する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、低反射膜で基板ガラスを被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスにおいて、該低反射膜が無機化合物微粒子と無機化合物バインダーを含み、該無機化合物微粒子は、平均粒径が5nm以上、140nm以下の微粒子のうち平均粒径の差が30nm以上、135nm以下である2種類の微粒子からなり、平均粒径の小さな微粒子の粒径の標準偏差が50以下であり、かつ平均粒径の小さな微粒子の量が平均粒径の大きな微粒子の量に対して質量比で0.005倍量以上、0.03倍量以下であることを特徴とする。前記低反射膜は、前記無機化合物微粒子が充填してなる膜であり、微粒子間、又は微粒子と基板ガラスとが前記無機化合物バインダーによって接合されている。前記無機化合物微粒子は非凝集のものが好ましい。本発明の平均粒径は一次粒子の平均粒径である。
【0006】
前記低反射膜の低反射性は膜表面に含有された前記無機化合物微粒子の平均粒径に影響される。すなわち、低反射性を大きくするためには、光散乱に起因する白濁化が生じない範囲で平均粒径の大きい無機化合物微粒子を使用し、膜構造をポーラスにすることや膜表面に微細な凹凸構造を形成することが有効であるが、その一方で、摩擦により表面の凹凸構造が損なわれやすく、その結果、実使用において低反射性を長期間にわたって持続させることができない。
【0007】
このため、無機化合物微粒子は、平均粒径が5nm以上、140nm以下の微粒子のうち平均粒径の差が30nm以上、135nm以下である2種類の微粒子からなり、平均粒径の小さな微粒子の粒径の標準偏差が50以下であり、かつ平均粒径の小さな微粒子の量が平均粒径の大きな微粒子の量に対して質量比で0.005倍量以上、0.03倍量以下であることが好ましい。2種類の微粒子からなることで平均粒径の大きな微粒子の空隙に平均粒径の小さな微粒子が充填できるため、ある程度の凹凸構造を維持したまま、より多くの微粒子同士を結合できるため耐摩耗性を向上できる。平均粒径が5nm未満では、得られる膜の低反射特性が十分ではなく、140nm超では、表面凹凸が大きくなり過ぎて、耐摩耗性が低下するため好ましくない。より好ましい平均粒径は、6nm以上120nm以下である。
【0008】
また、平均粒径の小さな微粒子の粒径の標準偏差が50超では、平均粒径の大きな微粒子間の空隙に効率よく平均粒径の小さな微粒子を充填できず、効果的に微粒子同士を結合できないため好ましくない。この標準偏差が小さいほど、表面凹凸構造のバラツキが小さくなり、摩擦により表面の凹凸構造が損なわれにくくなるため、粒径の標準偏差はより好ましくは25以下であり、理想的には0である。
【0009】
また、平均粒径の小さな微粒子が平均粒径の大きな微粒子に対して質量比で0.005倍量未満では摩擦により表面の凹凸構造が損なわれやすく、0.03倍量超では低反射特性が低下するため好ましくない。より好ましくは0.01倍量以上、0.025倍量以下である。
【0010】
また、摩擦に対して優れた耐久性を有する膜とするために、前記微粒子のうち平均粒径の小さな微粒子と平均粒径の大きな微粒子との平均粒径の差が30nm以上、135nm以下とする。摩擦に対する膜の耐久性を考慮すると、より好ましくは40nm以上、100nm以下である。
【0011】
塗布液を太陽電池パネル用カバーガラスに塗布し該カバーガラスを焼成することによって、低反射膜で被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスが得られる。前記塗布液は、無機化合物微粒子及び無機化合物バインダーの前駆体、及び溶媒を含む塗布液であり、低反射性を維持しつつ十分な膜強度を確保するために無機化合物微粒子量を無機化合物バインダーの前駆体から形成される固形分量に対して、質量比で9倍量以上、66倍量以下とすることが好ましい。9倍量未満では、得られる膜の低反射特性が十分ではなく、66倍量超では、得られる膜の強度が低くなるため好ましくない。より好ましくは質量比で13倍量以上、50倍量以下である。
【0012】
また、前記塗布液を太陽電池パネル用カバーガラスに塗布し、該カバーガラスを200℃以上、900℃以下の温度で焼成することが好ましい。200℃未満では、得られる膜の強度が十分ではなく、900℃超では、太陽電池パネル用カバーガラスの変形により所望の低反射物品を得ることができないため好ましくない。また、太陽電池パネル用カバーガラスの加熱工程(強化、合わせ加工)前に塗布し、加熱工程時に膜の焼成を行うこともできる。
【0013】
得られる膜の膜厚は、70nm以上、240nm以下が好ましい。太陽電池パネル用カバーガラスの場合、波長が400〜1200nmの領域の透過率を高くすることが好ましい。このため、前記低反射膜は、反射率が最も小さくなる波長λを400〜1200nmにすることが好ましい。前記低反射膜の反射率が最も小さくなる波長λは、低反射膜の屈折率nと膜厚dを使って、次の式で算出できる。
【0014】
n・d=λ/4
低反射膜の反射率が最も小さくなる波長λは、低反射膜の屈折率nと膜厚dに依存する。本発明より得られる低反射膜は、屈折率nが1.25〜1.40程度になりやすい。このため、λが400〜1200nmになりやすい膜厚dは、70nm以上、240nm以下である。膜厚が70nm未満では、反射率の小さい領域が400nmより短波長となりやすく、膜厚が240nm超では、反射率の小さい領域が1200nmより長波長となりやすい。また、膜厚を80nm以上、110nm以下とすると、λを400〜600nmにできるため、400〜1200nmの波長領域の反射率を全体的に低くしやすい。このため、特に好ましい膜厚は、80nm以上、110nm以下である。
【0015】
また、前記低反射膜の膜表面の平均表面粗さRaが6nm以上15nm以下であることが好ましい。6nm未満では、得られる膜の低反射特性が十分ではなく、15nm超では、摩耗により凹凸形状が損なわれやすいため好ましくない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の低反射膜で被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスは、低反射性に優れるとともに、摩擦により表面の凹凸構造が損なわれず、実使用において低反射性を長期間にわたって持続させる特性を有しているので、太陽電池パネルへの使用に奏功する。さらには、係る低反射膜で被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスを経済的に優れる方法で作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の低反射膜で被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスにおいて、低反射膜を構成する無機化合物の微粒子には、平均粒径が5nm以上140nm以下で球状の酸化ケイ素、弗化マグネシウム、アルミナ等を使用することができる。なお、無機化合物の微粒子は一部に水酸基が含まれていても良い。また、無機化合物の微粒子は内部に空隙を有するポーラス構造であってもよい。これらの中で、経済性と低反射性を鑑み、無機化合物の微粒子には、コロイダルシリカとして入手が容易な球状酸化ケイ素を使用することが好ましい。
【0018】
平均粒径の小さな微粒子としては、平均粒系が5nm以上40nm以下で且つ粒径の標準偏差が50以下である微粒子を用いることが、摩擦に対して優れた耐久性を有する膜とするために有効である。より好ましくは、平均粒径が6nm以上30nm以下で且つ粒径の標準偏差が30以下であり、さらに好ましくは、平均粒径が7〜25nmで且つ粒径の標準偏差が25以下のものである。
【0019】
また、無機化合物バインダーは、前記微粒子を微粒子又は基板ガラスと接合させ、膜強度を高めるものであり、そのようなバインダーには、酸化ケイ素、アルミナ、珪酸ナトリウム、チタニア、酸化タンタル、酸化スズ等があげられ、中でも経済性に優れ、屈折率が低く、優れた低反射特性が得られる酸化ケイ素が好ましい。これらバインダーは、前駆体より形成され、酸化ケイ素、アルミナの前駆体には、エトキシド、メトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシド化合物、オキシハロゲン化合物、酢酸化合物、アセチルアセトナート化合物等、珪酸ナトリウムには、水ガラス等を使用することができ、得られるバインダー中に一部水酸基が含まれていても良い。
【0020】
無機化合物バインダー、無機化合物微粒子以外に太陽電池の吸収波長の光を発光するような無機または有機蛍光体、または発光するイオンなどを含有していても良い。
【0021】
基板ガラスには、ソーダ石灰ガラス、アルカリ硼珪酸塩ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス、結晶化ガラス等の各種ガラスを使用することができる。また、ガラス基材種は、TFT用ガラス、PDP用ガラス、光学フィルター用基材ガラス、型板ガラス、化学強化ガラス等の各種強化ガラス、網入りガラス等を使用することができる。
【0022】
本発明の低反射物品は、塗布液を太陽電池パネル用カバーガラスに塗布し、該カバーガラスを焼成することによって得られる。前記塗布液は無機化合物微粒子、無機化合物バインダーの前駆体、及び溶媒を含む塗布液であり、無機化合物微粒子量が無機化合物バインダーの前駆体から形成される固形分量に対して、質量比で9倍量以上、66倍量以下となるように調製される。
【0023】
又、前記溶媒には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類やメチルエチルケトンなどのケトン類やエチレングリコールなどのグリコール類等を使用することができる。
【0024】
又、前記塗布液のバインダー前駆体であるアルコキシド化合物、オキシハロゲン化合物、酢酸化合物、アセチルアセトナート化合物等に触媒を添加して加水分解を促進しても良い。触媒としては、硝酸、塩酸、硫酸等を使用することができる。
【0025】
塗布液を基板ガラスに塗布する方法としては、ディッピング法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンフローコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、布、スポンジ、刷毛、ブラシ、不織布等の部材に塗布液を浸透させ、ロボットや人間の手等で基板ガラスに塗布する方法等の公知の方法を使用することができる。
【0026】
塗布液を基板ガラスに塗布した後の該基板ガラスの加熱は、常圧下、加圧下、減圧下、不活性雰囲気下で行っても良い。また、マイクロ波加熱を行っても良い。
【実施例】
【0027】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例で得られたサンプルの品質評価は以下に示す方法で行った。
【0028】
〔膜厚〕
触針式表面粗さ計(小坂研究所製、サーフコーダーET−4000A)を用いて、被膜の膜厚を測定した。
【0029】
〔表面粗さ〕
触針式表面粗さ計(小坂研究所製、サーフコーダーET−4000A)を用いて、中心線表面粗さRaを測定した。
【0030】
〔屈折率〕
自動エリプソメーター(溝尻光学工業所製、DVA−FL3G)を用いて、波長633nmの屈折率を測定した。
【0031】
〔透過率アップ〕
分光光度計(日立ハイテク製、U−4100)を用いて、透過スペクトルを測定し、JIS R 3106を参考に、400〜1200nmで日射の重価係数を乗じて加重平均した透過率(以下、透過率と表記する)を測定した。下記計算式より、透過率の増大分(以下、透過率アップと表記する)を計算し、2%以上を合格とした。
透過率アップ=(成膜品透過率)−(基板のみの透過率)
【0032】
〔耐摩耗性〕
15g/cmの荷重を加えた綿布にて膜表面を500回擦り、試験前後での透過率のアップを測定し、その変化量(低下量)が0.5%以下であるものを合格とした。
【0033】
〔粒径分布測定〕
マイクロトラック微粒子粒度分布計(NIKKISO製、UPA−EX250)を用いて、無機化合物微粒子の粒径分布を測定し平均粒径と粒径の標準偏差を求めた。
【0034】
実施例1
〔基板ガラスの準備〕
基板ガラスとしては、厚さ3mm、100mm四方のフロートガラスを使用した。基板ガラス表面をセリア微粒子で研磨し、ブラッシング洗浄を行い乾燥した。
【0035】
〔無機化合物バインダーの前駆体の加水分解〕
テトラエトキシシラン(多摩化学工業製)を31.2g、アルコール混合物(日本アルコール販売製、エキネンF−1)を47.1g、0.5N硝酸(キシダ化学製)を21.7g添加し、25℃にて16時間攪拌して、予め加水分解を促進させた無機化合物バインダーの前駆体100gを調合した。
【0036】
〔塗布液の調合〕
平均粒径の小さな無機化合物微粒子として、コロイダルシリカ分散液(日産化学工業製、スノーテックスOS)を用いた。当該微粒子の粒径分布を測定したところ、図1のような分布であり、平均粒径が11nmであり、粒径の標準偏差が23.3であった。このスノーテックスOSを0.45g、平均粒径85nmのシリカ微粒子が分散しているコロイダルシリカ分散液(日産化学工業製、IPA−ST−ZL)を21.15g加え、平均粒径の小さな微粒子の量/平均粒径の大きな微粒子の量=0.021(質量比)とした。さらに、無機化合物微粒子量/無機化合物バインダーの前駆体から形成される固形分量=15.7(質量比)となるように、予め加水分解を促進させた無機化合物バインダーの前駆体を2.0g加え、イソプロパノール(以下IPA)を126.4g加え、5分間攪拌混合し、塗布液150gを得た。
【0037】
〔低反射膜の形成〕
片面をマスキングテープによりマスクした前記基板ガラスに、ディップコーティング法により前記塗布液を塗布した。塗布後に前記マスキングテープを取り除いた後に基板ガラスを780℃に保持された電気炉に140秒間入れ、基板ガラスが低反射膜で被覆されてなる低反射物品を作製した。品質評価結果を表1に示す。この低反射物品において、低反射膜の膜厚は110nmであり、屈折率は1.29、透過率アップは2.56%、Raは11.2nm、摩耗試験後の透過率アップの低下量は0.38%であった。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例2
実施例1にて、スノーテックスOSの代わりにコロイダルシリカ分散液(日産化学工業製、スノーテックス20)を用いた。当該微粒子の粒系分布を測定したところ、図2のような分布であり、平均粒径が8nmであり、粒径の標準偏差が28.9であった。このスノーテックス20を用いた以外は、実施例1と同様の操作で低反射物品を作製した。この低反射物品において、低反射膜の膜厚は110nmであり、屈折率は1.31、透過率アップは2.45%、Raは12.0nm、摩耗試験後の透過率アップの低下量は0.40%であった。
【0040】
実施例3
実施例1にて、無機化合物微粒子量/無機化合物バインダーの前駆体から形成される固形分量=24.0(質量比)となるようにした以外は、実施例1と同様の操作で低反射物品を作製した。この低反射物品において、低反射膜の膜厚は110nmであり、屈折率は1.31、透過率アップは2.45%、Raは12.2nm、摩耗試験後の透過率アップの低下量は0.45%であった。
【0041】
比較例1
実施例1にて、スノーテックスOSを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作で低反射物品を作製した。この低反射物品において、低反射膜の膜厚は110nmであり、屈折率は1.27、透過率アップは2.88%、Raは13.0nm、摩耗試験後の透過率アップの低下量は1.52%となり、耐摩耗性試験で不合格となった。
【0042】
比較例2
実施例1にて、IPA−ST−ZLを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作で低反射物品を作製した。この低反射物品において、低反射膜の膜厚は110nmであり、屈折率は1.41、透過率アップは1.32%、Raは0.1nm、摩耗試験後の透過率アップの低下量は0.15%となり、透過率アップが小さかった。
【0043】
比較例3
実施例1にて、IPA−ST−ZLを21.15g、スノーテックスOSを0.9g加えた以外は、実施例1と同様の操作で低反射物品を作製した。この低反射物品において、低反射膜の膜厚は110nmであり、屈折率は1.32、透過率アップは1.75%、Raは11.2nm、摩耗試験後の透過率アップの低下量は0.33%となり、透過率アップが小さかった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】スノーテックスOSの粒径分布
【図2】スノーテックス20の粒径分布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低反射膜で基板ガラスを被覆してなる太陽電池パネル用カバーガラスにおいて、該低反射膜が無機化合物微粒子と無機化合物バインダーを含み、該無機化合物微粒子は、平均粒径が5nm以上、140nm以下の微粒子のうち平均粒径の差が30nm以上、135nm以下である2種類の微粒子からなり、平均粒径の小さな微粒子の粒径の標準偏差が50以下であり、かつ平均粒径の小さな微粒子の量が平均粒径の大きな微粒子の量に対して質量比で0.005倍量以上、0.03倍量以下であることを特徴とする太陽電池パネル用カバーガラス。
【請求項2】
無機化合物微粒子及び無機化合物バインダーが酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネル用カバーガラス。
【請求項3】
無機化合物微粒子量を無機化合物バインダーの前駆体から形成される固形分量に対して、質量比で9倍量以上、66倍量以下とする塗布液を太陽電池パネル用カバーガラスに塗布し、該カバーガラスを200℃以上、900℃以下の温度で焼成することによって、膜厚が70nm以上、240nm以下で、膜表面の平均表面粗さRaが6nm以上、15nm以下である低反射膜で被覆した太陽電池パネル用カバーガラスを得ることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池パネル用カバーガラスの製法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−119626(P2011−119626A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278029(P2009−278029)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】