説明

低容積型のタンジェンシャルフローろ過プロセス自動開発装置

タンジェンシャルフローろ過プロセスの開発研究のための融通性及び精度を提供する自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置が提供される。本装置は、ずっと大規模な商業スケールでのプロセスの開発を見据えた、実験室スケールでのタンジェンシャルフローろ過プロセスにおけるプロセスパラメータ評価のために用いられるもので、およそ20ml未満という従来無かった最小の再循環容積を使用して信頼下に運転自在であり、(a)混合ゾーン区分を有するリザーバと、(b)タンジェンシャルフローろ過モジュールと、(c)混合ゾーン区分及びタンジェンシャルフローろ過モジュールと共に、サンプル液がそこを通して再循環される流体プロセス流れと、(d)流体プロセス流れを通してサンプル液を流動させるためのポンプと、(e)流体プロセス流れを通してのサンプル液の長江を調節するための弁と、(f)流体プロセス流れを通して流動するサンプル液に関するデータを取得するためのセンサと、(g)ポンプ、弁、センサに関わるデータを受け、伝送し、プロセス処理し、記録することのできる電子データプロセス処理用ネットワークにして、記録されたデータが実質的にもっと規模の大きいタンジェンシャルフローろ過プロセスを実施決定するための十分な包括性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2002年10月4日付で出願され放棄された米国特許出願番号第10/264,948号の部分継続出願であり、本発明はタンジェンシャルフローろ過システムに関し、詳しくは、分離プロセスの分析及び開発用の自動タンジェンシャルフローろ過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
膜ろ過による液体サンプル精製(例えば、粒子または分子汚染物を除去することによる)あるいは濃縮(例えば実験室分析用の)は、技術として十分に成熟したものであるが、膜面に対する液体サンプルの流れは大抵の場合、そうした精製や濃縮を行う観点から、本来平行(即ちタンジェンシャルフロー)か、あるいは本来垂直(即ちノーマルフロー)かの何れかの流れ特性を有し得る。
タンジェンシャルフローろ過システム(以下、TFFシステムとも称する)では液体サンプルはある時間に渡りその大部分が膜面と実質的に平行に流れ、膜の通過流量はずっと少なく、また、流れが清掃特性や浄化特性を持つことから、通例、達成される膜ろ過流束(flux)及びスループット値は相当する垂直流れ膜ろ過システムにおけるそれよりもずっと高くなる。これら及びその他の利益があるのでTFFシステムは工業的な製薬プロセスの中ではその多くが中枢的に用いられている。
【0003】
工業スケールでの薬剤ろ過プロセス開発に当たっては、プロセス上の特定の重要パラメーター、例えばその膜特性、流路の構成及びその動力学、プロセスの各段階のシーケンス、運転条件の許容範囲、を適時調査及び確認(qualify)する必要が多々ある。製造プロセスの最終的な“承認”は、早いうちにその基礎固めをし、例えば、規制機関に認可申請してパラメーターを“固定”してしまうことに掛かっていることが少なくないため、薬剤開発のスケジュールは取り分け重要なものとなる。ろ過パラメーターを適切に調査できなかった場合は工業スケールのプロセスに収率、純度、膜耐性上の問題が生じ、商業化に遅延を来たし及び又は失敗する恐れがある。
【0004】
伝統的なTFFプロセス開発は、マニュアル通りにするとかなりの時間と労力とを消費する、退屈で、繰り返しの多い手法が要求されることから、開発者が実験室スケールでTFFプロセスを設計及び実行し、これを工業スケール運転用に“スケールアップ”するために必要な情報を自動収集及びまたはプロセス処理することのできる自動プロセス開発装置(以下、APDSシステムとも称する)に対する要望がある。
必要に応じて自動プロセス開発システムを特注設計することのできる大きなエンジニアリング部門を既に開設した研究機関もあるが、その請負いに関わるコストはしばしば相当な額に上ることから、そうした特注APDSシステムを成功裡に開発することができるのは膨大な内部資料とノウハウとを持つ研究機関のみであろうし、こうした特注のAPDSシステムは“特定用途に特化”される傾向があるため、結局はその商業用途は限られてしまうことになる。
【0005】
一つのTFFプロセス開発装置の融通性、汎用性を高め、用途性を広げようとする場合、数多くの問題があり、特に関心が向けられるのは、例えば、幅広いサンプル量を収受する点であるが、低い方の許容範囲(即ち、最小再循環容積)を見つける際しての、機械及びプロセス的に共に関連する特に厳しい問題がある。プロセス開発の初期段階ではサンプル容積はよく知られる通りごく僅かであるために無駄遣いできない。
現在のところ、20ml未満の最小必要サンプル容積で開発上意味のあるデータを総合的に取得可能な自動TFF開発装置は、その要望はあるものの、上述した通り存在しない。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6054051号明細書
【特許文献2】米国特許第4761230号明細書
【特許文献3】米国特許第5096582号明細書
【特許文献4】米国特許第5256294号明細書
【特許文献5】米国特許第5525144号明細書
【特許文献6】米国特許第5338164号明細書
【特許文献7】米国特許第4938742号明細書
【特許文献8】米国特許第6283718号明細書
【特許文献9】米国特許第5759015号明細書
【特許文献10】米国特許第5863187号明細書
【特許文献11】米国特許出願第10/264924号明細書
【特許文献12】米国特許第5256294号明細書
【特許文献13】米国特許第5490937号明細書
【非特許文献1】R.van Reis他、Biotech, Bioeng., 56, 71-82, 1997
【非特許文献2】S.Saksena他、Biotech. Bioeng.,43, 960-968, 1994
【非特許文献3】R van Reis他、J. Membrane Sci., 129, 19-29, 1997
【非特許文献4】S, Nakao他、Desalination, 70, 191-205, 1988
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、解決しようとする課題は、最小サンプル容積条件下に実験室スケールでTFF分離プロセスを実施し、もっと大きなスケールでの開発上有益なデータを取得及び記録するための自動タンジェンシャルフローろ過装置を提供することである。
解決しようとする他の課題は、最小サンプル容積条件下に分離プロセスを実施し、分離プロセスに関するデータを取得及び記録するための、スタンドアロン型の、一体化された、内蔵型の、自動タンジェンシャルフローろ過装置を提供することである。
解決しようとする他の課題は、分離プロセスを実施し、分離プロセスに関するデータを取得及び記録するために使用し得る自動流体ろ過装置であって、連続的な内側容積部分を有し且つ入口及び出口を有するリザーバにして、前記連続的な内側容積部分が、実質的に円筒状を有する上流側エンクロージャーを含み、上流側エンクロージャーの下流側の端部が、混合ゾーン区分内に傾斜(あるいはそうでない場合にはその内径が減少し始めるように)され、前記混合ゾーン区分の容積が、前記実質的に円筒状の上流側エンクロージャーよりも実質的に若干(fractionally)小さく、前記混合ゾーン区分内にはリザーバの前記入口及び出口と、プロセス流れセンサとが位置決めされ、あるいはそうでない場合は前記プロセス流れセンサがアクティブ化されるリザーバを含む自動流体ろ過装置を提供することである。
解決しようとする他の課題は、モジュールとして機能する構成部品を有し、それにより、分解、再組み立て、モジュール拡張が容易化される自動タンジェンシャルフローろ過装置を提供することである。
解決しようとする他の課題は、中でも、低容積の複合混合ゾーンと、渦減少用のセンサ機構、衛生用の密着シールガスケット、を有するリザーバを組み込んだタンジェンシャルフローろ過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、0.5〜5.0リットルの液体サンプルのバッチを0.02リットル未満に濃縮し、その間、より大きな(工業的)スケールでの開発、認可、バリデーション(製造所の構造設備並びに手順、行程その他の製造管理及び品質管の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書化すること)する上で役立つデータを総合的に取得及び記録可能な全自動型の少容積TFFろ過装置が提供される。
全自動型の少容積TFFろ過装置は、多機能性の混合ゾーン区分を有するリザーバと、タンジェンシャルフローろ過モジュールと、開発用データを総合的に取得するための電子データプロセス処理ネットワークと、ポンプ、弁、導管、センサーからなる“流体効率的”な補機と、を有する。装置の各構成部品は、中でも、全自動化された操作及びデータ取得と、比較的少ない最小再循環容積とを提供する、従来無かった組み合わせで選択及びまたは特別設計され、そして組み立てられる。本装置は“モジュール性”を有するが故に、“HPTFF”や“HRTFF”プロセスを伴う(所望の場合)“伝統的な”TFF分離プロセス開発をその機能上収受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10(以下、単に装置10あるいはシステム10とも称する)は、従来無かった約20ミリリットルという最小再循環容積で信頼下に動作自在であり、混合ゾーン区分を有するリザーバと、タンジェンシャルフローろ過モジュールと、混合ゾーン区分及びタンジェンシャルフローろ過モジュールを相互に画定する複数の導管と、液体サンプルがそこを通して送られる流体プロセス流れと、複数のポンプと、弁と、前記流体プロセス流れを通して流動する液体サンプルを駆動し、規制し、データを取得するためのセンサと、前記ポンプ、弁、センサ、の作動に関連するデータを受け、伝達し、プロセス処理し、記録することのできる電子データプロセス処理用ネットワークと、を含む。
自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10は、少容積の流体サンプルを使用してプロセスデータを自動取得可能である。この目的上、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10では、機能上相互に関連する幾つかの機能構造部分が新規構成において組み合わされる。これらの機能構造部分には、これに限定しないが、多機能性の混合ゾーン区分の使用、20mlより大きくはない最小容積条件を持つ再循環流体プロセス流れの構成、専用の電子データプロセスネットワークの一体化、が含まれる。
【0010】
装置のリザーバの下流側端部に位置付けた混合ゾーン区分は、実質的に円筒状の上流側エンクロージャーよりも実質的に若干小さいその容積内でデータを連続取得できるようにする単数あるいは複数の流体サンプルセンサを備える。リザーバの入口及び出口を混合ゾーン区分位置に位置決めすることと、装置の導管及びTFFモジュールを適宜選択及び構成化することとにより、先に説明した少容積再循環容積を達成することができる。自動化は、特別構成の専用電子データプロセス処理用ネットワークにより可能とされるが、この専用電子データプロセス処理用ネットワークは、研究したTFFプロセスを実質的にずっと大きい規模で実施するための決定を下す(例えば、アルゴリズム推定により)に十分な包括性(comprehensiveness)の下に、装置運転上のデータを収集及び記録する。
【0011】
自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10は、0.5〜2リットルの実験室スケール用のものを含む広範なTFFプロセスの開発研究のために適したものであるが、生物薬剤学的なろ過プロセスの研究は、規制機関からその商業使用上の“認可”を受ける際に代表的に要求されるデータ量及び書類量の観点から、取り分け関心が持たれている。TFFベースの生物薬剤学的なろ過プロセスには、例えば、濃縮、膜分離及び又は生体分子の採収、採取及び又は細胞除去、生体分子溶液の除熱(depyrogenation)、が含まれる。
【0012】
装置の、生成物接触面は食品医薬局(FDA)規格及び又は米国薬局方(USP)のクラスVI試験済みの材料製のものであるのが望ましい。装置及びその構成部品は、TFF用として一般に使用される全ての溶剤、例えば、1N NaOH(50℃での)、400ppm NaOCl(50℃での)、1.1%リン酸、1.8%酢酸、2M HCl、2M 尿素、“Triton-X”(オクチルフェノールを酸化エチレンで重合させて製造した非イオン性の洗浄剤で、コネチカット州ダンベリーのユニオンカーバイド社より入手可能)、“Tween”(ポリソルベートの一つ)、30〜50%ヘキシレングリコール、30〜50%プロピレングリコール、0.07%ポリソルベート、ポリソルベート20、0.01〜0.02%ポリソルベート80、90%エタノール、90%メタノール、90%イソプロピルアルコール、25%アセトニトリル(w/v水)、との融和性を有するべきでもある。
本発明の好ましい実施例は、(a)その集中度が、ずっと大型のシステムの能力に適合するスケーラブルなものであると共に、50平方センチのTFFXL装置を使用して溶液を20mlの最終容積に濃縮可能であり、(b)55℃の温度下に413700Paに対する圧力能力と、(c)55℃に対するプロセス温度能力と、(d)全範囲での2〜3%システム精度と、(e)認可性と、(f)公共及び又は民間の規格及び又は規制要求事項への適合性とを有する。
【0013】
新規なタンク111は自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10の重要な部品であり、その混合ゾーン区分及びこの混合ゾーン区分内に設けた単数あるいは複数の液体サンプルセンサとにより特徴付けられる。図1〜図6にはタンク111の望ましい構成が示される。図示されるように、タンク111のリザーバ100は実質的に円筒形状とされ、タンクベース102上に載置され、上部の開放部分には、多機能性のタンク蓋104が被せられている。両インターフェース部分には、新規な構成として、衛生シールガスケット、即ち、蓋ガスケット109とベース部ガスケット119とを用いた密封シールが施される。ベース部102はリザーバ100を安定状態に支持する他にマニホルドとしても作用し、そのためのリザーバ出口132が一体形成されている。
多機能性のタンク蓋104は、クランプ108によってタンク111に、従ってタンク111を閉鎖するように取り付け自在である。クランプ108はカラー部クランプ形式のものであるのが好ましいが、その他の取付け手段(例えば、ネジ、クリップその他)を使用することが可能である。多機能性のタンク蓋104には多数の機能部品、即ち、エアジェットポート106、超音波高さセンサー168、周囲温度センサー169、通気口190、が設けられる。
【0014】
図11に示すように、タンク111のリザーバ100は連続的な内側容積部分を有し、この内側容積部分には、その下流側端部が混合ゾーン区分5の中に傾斜する(あるいはそうでない場合はその内径が減少する)、実質的に円筒状の上流側エンクロージャーが含まれる。混合ゾーン区分5は、この上流側エンクロージャーよりも実質的に若干小さい(SFS)容積を有し、リザーバ入口130と、リザーバ出口132と、少なくとも一つのプロセス流れセンサ(例えば番号160あるいは165で示すような)とを位置決めする場所として作用する。混合ゾーン区分5の“SFS”容積は、非数値的な容積でおおまかに表すと、図11のリザーバ100内の、“等しい”、“少ない”、“若干少ない”、の各容積レベルを表す“E”、“S”、“FS”、に相当する。
タンク111内に設けた通気口190は、タンク111内のリザーバ100の圧力の制御及び操作を可能とする。ある運転モード(即ち、所謂“ブローダウン”手順)では通気口109が閉鎖されてシステム10の内圧が高められ、かくしてシステム内に捕捉された過剰な液体がフラッシュされる。
【0015】
タンク蓋104に取り付けた別の3つの部品が相互作用してタンク111のリザーバ100内の液体高さを正確に決定するが、その内、タンク蓋の中心に設けられるのが超音波高さセンサ168である。超音波高さセンサ168は、超音波信号を発射し、その反射信号をモニタリングすることで液体高さを決定することができる。超音波高さセンサは斯界によく知られたものであり、好ましいセンサはニューヨーク州 11788 hauppauge,Ricefield LaneのCosense社から入手することができる。
音の伝搬は、特には通過する媒体の温度の影響を受けるので、この超音波高さセンサの至近位置には周囲温度センサ169が組み込まれる。周囲温度センサ169は温度値を連続的に取得し、そのデータをシステム10のデータプロセス処理ネットワーク7に送る。このネットワークに送られたデータは、液体高さをより正確に決定するために超音波高さセンサからのデータと共に因数分解され得る。
【0016】
リザーバ100内に蒸気が溜まると超音波高さセンサ168に結露が生じ、読み取り値が不正確になるが、これを防ぐためのエアジェットポート106が、図3に例示するように超音波高さセンサ168の近傍位置に組み込まれる。エアジェットポート106は超音波高さセンサ168に向けて空気流れ(即ち、ノズルを通しての)を差し向け、かくして超音波高さセンサ168の結露を除去及びまたは防止する。
本発明の一様相によれば、プロセス上の情報を取得し、伝送し、記録するために使用するセンサの少なくとも一つがリザーバ(図2及び図3の混合ゾーン区分5参照)の底部領域内に位置決めされる。詳しく説明すると、2つのセンサ(即ち、pHセンサと電気伝導度センサ)がこの領域内に組み込まれる。PHメーター160はWedgewood Model 1600-12000-00メーターであり、温度/電気伝導度メーター165はWedgewood Model BT-724メーターであるのが好ましい。両メーターは何れもカリフォルニア州 94070 San Carlos, 3000 Industrial WayのWedgewood Technology社から入することができる。PHメーター160と温度/電気伝導度メーター165とは、センサ取付けプレート120(ナット121及び122を用いて)とセンサ取付けプレート124(ナット125及び126を用いて)とによってリザーバ100に関して然るべく保持される。
上述の如くリザーバに単数あるいは複数のセンサを組み込むのは再循環容積を少容積化する上で重要である。図1〜図6に示すように、両センサの検査機能端部はリザーバ100の混合ゾーン区分5内に突出され、かくしてリザーバ100内の液体サンプルの大半が排出されても尚、液体量は分析及びデータ取得用には十分なものとなる。
混合ゾーン区分5には、液体サンプル攪拌用の磁気攪拌装置150を設け得るが、これにより液体サンプルは一段と一様化され、そこから取得されるデータの有益性が高まる。混合ゾーン区分5内で磁気攪拌装置150を作動させると渦が発生し、この渦が再循環容積の少量化を妨害する恐れがあるが、混合ゾーン区分内に突出された各センサの検査機能端部(即ち、PHセンサ160の球部161及び温度/電気伝導度メーター165のプローブ166)が物理的障害物となって、そうした渦の形成が妨害、阻止あるいはそうでなければ抑制される。
【0017】
混合ゾーン区分内の動作を目視検査するための覗き部140F及び140Rがタンク111の前後位置に設けられる。覗き部は本来タンク111を貫通する覗き窓であり、ガラスあるいはその他の光透過性材料から作製され、オペレーターは液体サンプルを目で確かめることができる。タンク111の混合ゾーン区分5の底部位置にある覗き部からは、より重要なタンク操作がしばしば行われる部分であって、故障(あるいはその他の運転上の問題)に繋がり得る予測可能なシステム事象を特定し得る部分が見える。かくしてこの覗き部からは、例えば、両センサの検査機能端部や磁気攪拌装置の動作、液体サンプルの透明度、最大臨界高さに接近する液体サンプルの排出高さ、などを観察することができる。観察は大抵の場合は人間が目視で行うが機械分析を使用することも可能である。前記タンクの前後の覗き部140F及び140Rによる目視性を利用することのできる、例えば、分光光度計の様な光電子装置を使用し得、その場合は取付け手段や光学素子も使用することもできる。
【0018】
システム温度を維持及び管理するためのジャケット180がタンク111のリザーバ100を包囲するように設けられる。図2を参照されたい。ジャケット180は、流体が流体入口186から入って流体出口189から出るように流動する内側領域188を画定する。図2の実施例ではジャケット180は混合ゾーン区分5は覆っていない。流体がリザーバの周囲を確実に完全流動させることで熱交換用の接触面積を最適化させるべく、リザーバの周囲には蛇行バッフル182がコイル巻きされる。コイル巻きした蛇行バッフルにより、冷却用及び加熱用の各流体が流体出口189から流出する以前にリザーバ100の外側表面の周囲を旋回することが保証される。流体はガス状あるいは液状のもので良く、予熱あるいは予冷され得、また予圧され得る。代表的な流体は、水、熱伝導性の合成液、酸素、窒素、“フレオン”その他である。生物薬剤学的研究用としては現在は水を用いるのが好ましい。
リザーバ100は、その容積が約0.5〜2.0リットルであり、先に説明した冷却用ジャケット及び磁気攪拌装置を備え、液体サンプルが完全に排出される構成を有するものであることが好ましい。
磁気攪拌装置は電子データプロセス処理用ネットワーク7によってその速度が一定に設定され、あるいはその自動制御機能により、液体サンプル高さに応じて調節されることが好ましい。そうした自動制御運転の指令は、低い液体高さでの渦形成を防止あるいは最小化させる上で役立つリザーバ100の特定の設計特性を考慮して設定することが好ましい。
【0019】
リザーバ100には運転中に液体サンプルが収納されるが、代表的なプラクティスではリザーバ100は液体サンプルの出発点あるいは起点ではない。システム10に分与される代表的な流体源は、むしろ、多容器型の液体サンプルディスペンサーであり、そうした液体サンプルディスペンサーの一例が図7に略示される。図示されるように、多容器型の液体サンプルディスペンサー700は結局はリザーバ100に連結されるが、多数の溶液容器V1〜V8を含んでおり、各溶液容器は電子制御自在の弁によって制御され、実行する特定の分離用途のプロセスパラメータに従う様々な流体の溶液を充填しあるいはそうでなければ装填することができる。かくして、例えば、溶液容器V1〜V8は脱イオン水、洗浄液、緩衝液、生物化学的な液体サンプル、を交互に充填することが可能である。各溶液は、システムのデータプロセス処理用ネットワーク7による予めプログラムした処方計画に従う電子制御下に個別にあるいは混合した状態で分与される。
【0020】
図7に示すように、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10はタンジェンシャルフローろ過モジュール200を使用し、このモジュールは、送給物入口210と、残留物出口212と、透過物出口220と、その他透過物出口222と、膜250とを含む。好適な膜としては、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、再生セルロース、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオエチレン、セルロースアセテート、ポリアクリロニトラーテ、ビニルコポリマー、ポリアミド(例えば、“ナイロン6”あるいは“ナイロン66”)、ポリカーボネート、PFA、それらの混合物あるいはその他から形成した、限外ろ過、微孔質、ナノろ過あるいは逆浸透用の各フィルターが含まれる。
その他のタンジェンシャルフローろ過モジュール構成、例えば、斯界によく知られたものを使用しても良い。その幾つかの形式は米国特許第6,054,051号、同第4,761,230号、同第5,096,582号、同第5,256,294号、同第5,525,144号、等の文献に記載され及び又は開示される。そうした他構成のタンジェンシャルフローろ過モジュールは、例えば、“Pellicon” XL、“Pellicon 2”TFFカートリッジ(マサチューセッツ州ベドフォードのMillipore 社から入手可能)、“Centramate”、“Centrasette”、“Maximate”、“Maximate-Ext”TFFカートリッジ(ニューヨーク州11548イーストヒルズのPall社より入手可能)としても市販入手可能である。本発明用として好ましいタンジェンシャルフローろ過モジュールは、“直線スケール”系列(即ち、そのメンバー製品の種類全体でのろ過パラメータが直線的に一定の)のものに属し、内側の及び“ホールドアップ”容積が最小化されるように設計した、例えば、ミリポア社のTFFカートリッジの“Pellicon”の系列製品である“Pellicon XL 50”のような、市販入手可能な実験室スケールのものである。
【0021】
図8には、従来のタンジェンシャルフローろ過モジュールを作製する一方法が例示される。膜ろ過モジュール70はモジュール72、モジュール107、送給物スぺーサ層74とから形成され、2つの透過物出口ポート76及び78と、送給物入口ポート80と、残留物出口ポート82とを含んでいる。モジュール72は端部キャップ84と、透過物篩86と、膜88とから形成される。第1段階では端部キャップ84と、透過物篩86と、膜88とを型内に配置し、これを予備シールして第1オーバーモールド要素90を形成する。次いで、この第1オーバーモールド要素90を第2の型内に配置し、第1オーバーモールド要素90の周りにプラスチック配合物を成型して、残留物出口ポート82と、送給物入口ポート80と、端部キャップ91とを含む第2オーバーモールド要素72を形成する。端部キャップ91は、各ポート76、78、80、82を収受する後83、85、87、89を有する。送給物スぺーサ層74は、その周りにリブ90を成型することにより形成される。モジュール72と同じ方法で、端部キャップ105と、透過物篩86と、膜83とからモジュール107が形成される。透過物が送給物あるいは残留物と混ざらず、他方、透過物流れと残留物流れとが形成され得ることが保証されるよう、接着材、溶剤接合、超音波溶接その他などにより好適なシールが設けられる。好適なシール配合物としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、PFA(ペルフルオアルカン)、PVDF、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリエステル、それらの混合物、充填あるいは非充填物及びその他、をベースとするものを含む、構造適合性を有し劣化性の低い熱可塑性プラスチックポリマー配合物である。
【0022】
図9を参照するに、2つのろ過モジュール110及び112が示され、送給物連結部114、残留物連結部116、透過物連結部118及び26によって相互に連結されている。システム10からの送給物は連結部22及び114を通して最終的に各モジュール110及び112に入り、残留物は透過物連結部116及び24を通して各モジュール110及び112から除去され、透過物は連結部26、28、118、25を通して各モジュール110及び112から除去される。図9に示す装置のろ過能力は単一のろ過モジュールを使用する装置よりも高いものとなる。
2つあるいはそれ以上のTFFモジュールを使用する利点としてのろ過能力の向上は、あるTFF用途では、モジュールの多用に伴ってどうしても生じる装置の最小再循環容積の増大あるいはそうでなければ純増(即ち、追加したモジュール毎の内側容積の合計容積に相当した増大)を相殺させ得るものである。以下に、そうした高いろ過能力を評価するための、幾つかの多重TFFモジュール構成の装置の濾過データ表を示す。
【0023】
【表1】

【0024】
表中、m2はポンプ能力に基づくシステムの膜面積であり、“A篩”は低粘度且つ希釈用途に適した、“B篩”は、低〜中年度用途に適した、そして“C篩”は、高粘度且つ高い製品濃度のために適した、各流れチャンネル構成を意味する。
図7の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10において示されるように、システムの様々な構成部品やサブモジュールへの、あるいはそれらの間での液体サンプルの循環及び又は流れの通路や道筋を確立する導管400が設けられる(あるいはそうでなければ用意される)。各導管の数、配列、複雑度はシステム構成部品やサブモジュールの数に応じて変化するものであり、本発明の基本実施例の場合は、導管400は、リザーバ100(即ち、その混合ゾーン区分5)及びタンジェンシャルフローろ過モジュール200と共に、液体サンプルをそこを通して送る流体プロセス流れであって、リザーバ100からタンジェンシャルフローろ過モジュール200に流れ、次いでリザーバ100に戻るプロセス流れを少なくとも画定すべきである。
【0025】
使用する導管の種類には特に制限は無いが、使用され得る導管形式には、例えば、剛管、フレキ管、装置10のその他の構成部品(例えば、装置10の弁やポンプ)に形成したあるいは固有の溝及び通路が含まれる。代表的には、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10では、その形式を入り交ぜた複数の導管が使用される。好ましい実施例で使用される導管はその大半が、柔軟で、実質的に生物学的に不活性で内径が0.254cm(約0.100インチ)の合成ポリマー管である。
システム運転中に液体サンプルをリザーバ100とタンジェンシャルフローろ過モジュール200との間で循環及び再循環させて、その都度所望に応じてサンプルを抜き出す及び又は製品を収集することが意図されるが、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10はシステムとして“自由な(open)”構成を持つものであるので、流体プロセス流れから液体サンプルを除去することのできる好適な機構を組み込むことも可能である。そうした機構の位置や設計は特に重要なものではないが、図7の例では前TFFサンプル収集装置810及び後TFFサンプル収集装置812が、流体プロセス流れから比較的少容積の液体サンプルを取り出して分析及び又は廃棄することができるよう、タンジェンシャルフローろ過モジュール200の前後に各設けられている。
【0026】
図7に示す実施例では、前TFFサンプル収集装置810及び後TFFサンプル収集装置812は特に、ユーザーが指定容積(比較的少容積の)の液体サンプルを釈放させるようにプログラムすることができるよう、システム10の電子データプロセス処理用ネットワークと共に且つ協働する構成とされる。大容積の液体サンプルを抜き出す場合はシステム10に前TFFサンプル出口820及び後TFFサンプル出口822を設ける。前TFFサンプル出口820及び後TFFサンプル出口822は、前TFFサンプル収集装置810及び後TFFサンプル収集装置812とは対照的に、装置の電子データプロセス処理用ネットワークの影響下にはあっても“容積の指定”はできない。
流体プロセス流れを通過する液体サンプルの流れを調節するための複数の弁が、流体プロセス流れに沿ってあるいはそうでなければその作用上接近して位置決めされる。運転中に弁を通過する液体サンプルの流れは、弁の“開”あるいは“閉”状態あるいは、ある状況では、その中間の状態に依存したものとなる。
【0027】
図7に示す自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10では、2つのタイプの電子制御式の、インラインの、ソレノイド弁、即ち、(a)“開”あるいは“閉”状態のみが可能な弁(例えば、07006ニュージャージー州ウェストコールドウェルのNResearch社から入手可能なソレノイドダイヤフラム弁)と、(b)完全な“開”あるいは完全な“閉”間の範囲内での状態を取り得る弁(例えば、同じくNResearch社から入手可能な比例制御自在のソレノイド弁)とが用いられる。
“開閉”タイプの弁には一つの重要な制御機能、即ち、下流側の導管に沿ってのそれ以降の流体プロセスの有無及びその程度を決定する作用がある。比例制御式の弁も同じ作用を持つが、中間の“開”状態を維持することがその弁機能上可能なことから、この作用は流体プロセス流れの下流側及び蒸留側の各圧力にも及ぶものとなる。こうした作用は弁318及び特には、TFF形式の膜モジュール(例えば、タンジェンシャルフローろ過モジュール200)の使用にしばしば伴う経膜的な圧力差を収受する能力に特に関係する。
各弁の配置、構造及び動作は、その形式に拘わらず、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10における所謂“デッドスペース容積”を最小化する、あるいはもっと好ましくは排除するという観点で考慮すべきものである。
以下の表には、図7に例示する自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装で使用するある弁の形式(即ち、“比例“式あるいは“開閉”式”)及び特定の作用が示される。
【0028】
【表2】

【0029】
表2に示す全ての弁はその“開”/“閉”状態を自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10のデータプロセス処理用ネットワークによってアナログ制御するための電気式アクチュエータを備えている。表に示した、弁318を除く全ての弁は、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置における“常閉”弁、即ち、作動されるまでは“閉”状態を維持し、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10のデータプロセス処理用ネットワークにより“開”状態に付勢されるものである。その他の形式の弁、例えば、空気圧弁を使用することも可能である。
先に言及したように、装置の流体プロセス流れを通して液体サンプルを流動させるための複数のポンプが、装置の流体プロセス流れに沿ってあるいはそうでなければその作用上接近して位置決めされる。流体プロセス流れを通して液体サンプルを駆動させる手段はポンプであることが好ましいが、その他の電子制御自在の手段であっても良い。
【0030】
図7に例示する自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置では本来2つの形式の“インライン”型ポンプ、即ち、高圧容積式(HPPD)ポンプと、ソレノイド作動式のダイアフラムポンプとが用いられる。その他のポンプ構成、例えば、圧電駆動式、音響駆動式、熱空気圧式、静電式、のポンプを使用可能である。有益であると思われる流体マイクロポンプ装置は、例えば、米国特許第5,338,164号、同第4,938,742号、同第6,283,718号、同第5,759,015号に開示及び又は示唆及び又は説明される。
ソレノイド作動式のダイヤフラムポンプ(即ち、ポンプ520及び522)は、自給水の、マイクロ分与の、ソレノイド作動式のマイクロポンプであり、高純度あるいは腐食性の流体用の非金属的な、不活性の流路を提供することができる。そうしたポンプはニュージャージー州ブーントンのBio-Chem社より入手可能である。
【0031】
高圧容積式(HPPD)ポンプは、液体サンプルの被駆動流れに、背圧に伴う、受け入れ難い程の変動を生じさせないように動作する。図7ではHPPDポンプ510、HPPDポンプ512、HPPDポンプ514、HPPDポンプ516、がこの等級の弁を構成する。好ましいHPPDポンプは、米国特許第5,863,187号に記載されるような回転式往復ポンプである。装置の最小再循環容積を減少させる観点上、HPPDポンプは流体を捕集する所謂“デッドスペース”を排除するあるいはそうでなければ減少させる構成のものとすべきである。
研究中の液体サンプルが、実質的な且つ有意のタンパク質を含有する場合は、このタンパク質の非意図的且つ望ましからざる変性(即ち、タンパク質のポリペプチド支持層の物理構造の損失)を来たし得る力や属性は回避及び又は軽減されるべきである。特定のポンプ動作によって、特にはガス/液体インターフェース位置にしばしば発生する機械的剪断力(参照:例えば気泡)はタンパク質を変性させ得るので、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置におけるポンプ510〜522の選択、製造、組み込みに際してはそうした機械的剪断力を軽減させ及び又は回避する必要がある。
【0032】
説明したように、複数のセンサが流体プロセス流れに沿ってあるいはそうでなければその作用上接近して位置決めされ、各センサはその各検知領域において液体サンプルに関するデータを取得する。取得されることが望ましいデータには、研究中のタンジェンシャル流れろ過プロセスに関わり且つ直線的なスケールアップに関わるものであり、代表的には、これに限定しないが、pH、圧力、濃度、流容積、導伝性、流速その他が含まれる。そうしたデータを取得可能な任意の検出装置、プローブ、メーターその他の検知機器を利用することができる。装置にそうした検知機器を組み込む目的や方法は当業者には既知のものであるが、組み込みには、なかでもデータプロセス処理用ネットワーク7との接続性を確立することが含まれる。
図7の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10にはセンサの好ましい集合状況が示される。詳しくは、リザーバ100に関して使用する画センサを別として、装置10のセンサには、送給物圧力センサ602、残留物圧力センサ604、上方ろ液圧力センサ606、ろ液流容積計608、下方ろ液圧力センサ610、ろ液UV計612が含まれる。以下の表には、各センサのメーカと機能とが記載される。
【0033】
【表3】

【0034】
表3に示すように、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10には、例えばポンプ、弁、センサのみならず外部ソース(即ちユーザー入力)等の作動に関わるデータを受け、プロセス処理し、記録し、信号(あるいはその他の電子的指令)を、例えばポンプ、弁、センサに伝送するための電子的なデータプロセス処理用ネットワークが設けられる。タンジェンシャルフローろ過プロセスを実施するに際して収集した(装置の“実験室スケール”で)記録データは、実質的にずっと大きな規模でのタンジェンシャルフローろ過プロセス実施を決定する(例えば、アルゴリズム推定によって)に十分な包括性を有するべきである。データプロセス処理用ネットワークは、装置の各構成部品を電子的に連結し且つ制御するように配置した、回路、ワイヤリング、ユーザーインターフェース、データ記憶メディア、少なくとも一つのCPU、その他の電子部品を含み得る。
【0035】
10に示すように、データプロセス処理用ネットワーク7は、工業的な、プログラム自在のロジックコントローラー(PLC)99、TFFハードウェア13(即ち、装置10のポンプ、弁、タンク設備及びセンサ)にそれ自体がリンクしているプログラム自在のロジックコントローラー99、にリンクしたコンピューター86を含み得る。プログラム自在のロジックコントローラーは、本来、電子データを電子的に受け、プロセス処理し、伝送することのできる装置独自のコンピューターボードあるいは部品であり、プログラム自在のロジックコントローラー99は“生”データで動作し、動作用の動作ソフトウェアが埋め込まれている。コンピューター86はプログラム自在のロジックコントローラー99と通信し且つある程度の制御を行う。コンピューター86次第で高度の操作が可能となる。コンピューター86には、外部情報を取得するための入力装置(例えばキーボード)と、上方を外部に提供するための出力装置(例えばモニター、プリンター、ネットワークポート、着脱自在の磁気あるいはフラッシュメディアドライブなど)を設け得る。
コンピューター86はプログラム自在のロジックコントローラー99を介してTFFハードウェア13と間接的に通信するのが好ましいが、もっと直接的な通信も可能である。しかしながら、プログラム自在のロジックコントローラー99を使用することで、コンピューター86の交換または代替えが容易となるのみならず、その選択肢の幅が広くなるという利益が得られる。
コンピューター86で使用する現在好ましいソフトウェアは、米国特許出願番号第10/264,924号に記載される。
【0036】
コンピューター86は、特にはマウス(あるいはその他のユーザーインターフェース)を備えた“ノートブック”タイプのパソコンであるのが好ましい。ノートパソコンは標準的なRJ45,100Mbpsイーサネット(登録商標)コネクションによってプログラム自在のロジックコントローラー99と繋がれる。装置ハードウェア用のユーザー(オペレーター)インターフェースは、装置ハードウェアの前側のユーザーが使い易い高さ位置にあるのが好ましい。電源及びe-communicationプラグは、例えば、アメリカ電気製造業者協会(“NEMA”)の定格を維持するための蓋付きの箱穴を用いることで、装置ハードウェアの側部からアクセス可能なものであることが好ましい。装置10は、国際的な接続性を持たせるために、アンペア定格が十分であるという前提の下に標準的なパソコン用電源コードを受け入れる構成のものであることが好ましい。システム制御ソフトウェアは、バール(bar)及びpsi間での“ユーザー切替自在”性を持つものであることが好ましい。
データプロセス処理用ネットワーク7は、“共通制御プラットフォーム”(CCP)(マサチューセッツ州ベドフォードのMillipore社から入手可能)を含むことが好ましい。CCPはOPC規格に準拠し、システムを、カスタマイズしたプログラム無しでの別の制御プラットフォームと容易にインターフェースさせ得るものである。CCPは生物薬剤学的な純化スイート(suite:パッケージ化した複数のアプリケーション)を、単一のオートメーション、データ取得、バッチリポートシステムに繋ぐ。全分離条件のために単一の制御システムを用いることで信頼性が向上し、オペレーターの訓練費用やシステムの動作検証費用が低減される。
【0037】
プロセスの、弁位置、ポンプパラメータ、現在アクティブな流路、を含む現況を示すためのシステムディスプレースクリーンを設けることが好ましい。全てのセンサ上方は数値やグラフィックの両フォーマットでリアルタイム表示される。運転パラメータやセットポイント値の変更は適宜のプルダウンメニューにアクセスすることで容易に実施される。プロセスアラーム、メソッドステータス、リアルタイムトレンドがプロセスシノプティックの下方に分割表示される。
ポンプ/モーターの速度性能の融通性(elasticity)は、ターンダウン比1〜20を越えるべきであることが好ましい。残留物及び透過物用の各流容積計は、伝導性が最小である流体を使用して完全に機能する。高さは、WFI及びタンク内攪拌、を使用して正確に伝送される。
システム10はメンテナンス目的用のポンプ駆動時間カウンタを備えることが好ましい。
【0038】
データプロセス処理用ネットワーク7で、タンジェンシャルフローろ過モジュール200の送給物ポート及び残留物ポート間の差圧情報を使用して再循環ポンプの速度を制御することが好ましい。こうすることで、ポンプ速度が自動的に低下してプロセス処理中の粘度を増大させるので、プロセス処理中に適宜の圧力が確実に維持されるようになる。あるいは送給速度を制御パラメーターとすることもできる。
電子データプロセス処理用ネットワークとの協調下に膜分離容積を一定化して透析液が最適使用されるようにし且つ分子種の除去を高効率化できるようにするためのアナログ的な高さ制御が提供されることが好ましい。高さ制御は、装置10のリザーバ100の容積容積を上回る液体サンプルのバッチをプロセス処理することができるようにするためにも使用され得るが、これは送給物を大型の補助リザーバから選択弁のポートを介して移行させることで実現可能である。
【0039】
装置10は、電子データプロセス処理用ネットワーク7により伝送される信号に応答して、予め決定したアラーム設定限界値の“高”を越えるとアラーム音を発する(あるいはそうでなければシステムオペレーターに注意を促す)。電子データプロセス処理用ネットワーク7は、例えば安全限界値の“高−高”を越えると装置10をシャットダウンする構成とされ得るが、そうした場合でも、特定の“高−高”安全限界値は停止、無効化あるいはそうでなければ回避されないように保護する必要があり得る。アラームは確認及び不具合の修正が済むまでアクティブにしておくのが好ましい。
自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10は、中心となる機能ユニット(即ち、基本的な自動タンジェンシャルフローろ過プロセスに直接的に関わる構成部品のみで構成される)を取り囲む機能ブロックモジュールの集合体として特徴付けることができる。各モジュールが、アクセス、代替え、交換し易いことが、商業上及び機能上の融通性をもたらすと共に、例えば別の(オプションの)機能モジュールを追加することによる拡張性の余地を生じさせる。オプションとしてのそうした機能モジュールのあるものが図7に点線で囲んで略示されているが、これらのモジュールは“高分離度”タンジェンシャルフローろ過(HRTFF)モジュール20と、紫外線吸着モジュール30と、“高性能”タンジェンシャルフローろ過(HPTFF)モジュール40とである。
【0040】
“高分離度”タンジェンシャルフローろ過(HRTFF)モジュールは、例えば、微孔質膜を用いての浄化中における懸濁固形物からの、また限外ろ過モジュールを用いてのウィルスの膜分離中におけるウィルスからの、可溶性タンパク質分離を改善させるためにしばしば用いられる。HRTFFでは代表的には、フラックス制御及び経膜的制御を可能とする透過物ポートの下流側に組み込んだ第2ポンプ(参照:ポンプ514)が使用される。HRTFF機能が無いと分離度が低下して、例えば、膜に分極(即ち、送給物溶液中の物質が膜面上あるいはその付近に集積される)あるいはファウリングが生じてしまうことがあるが、2ポンプ型のHRTFFシステムがあればそうした状況を防止あるいは回避することができる。本発明ではHRTFFモジュール20はろ過ポンプ514と、支持用の導管400と、電子データプロセス処理用ネットワーク7への接続性とを有している。
紫外線吸着モジュール30は流体プロセス流れを光分析するためのもので、タンパク質濃度を測定する上で特に有用なものであり、本発明のものでは紫外線センサ612と、支持用の導管400と、電子データプロセス処理用ネットワーク7への接続性とを有している。
【0041】
“高性能”タンジェンシャルフローろ過(HPTFF)モジュールは、類似寸法種を含有する1000倍までの純度係数のタンパク質混合物を生成するためにしばしば用いられるが、そうしたタンパク質混合物は伝統的なサイズ排除ベースの膜分離法では通常生成することができないものである。HPTFFはタンパク質を取り巻くイオン雲のサイズ及び厚さの差を利用するテクノロジーであるが、イオン雲の厚さは、液体サンプルのpH及びイオン強度を変化させることで操作可能である。例えば、分子重容積が64,000kDのアルブミンは、適正な緩衝環境下では300,000〜400,000kD分子として挙動し得る。HPTFFテクノロジーに関しては、例えば、R.van Reis他のBiotech, Bioeng., 56, 71-82, 1997、S.Saksena他のBiotech. Bioeng.,43, 960-968, 1994、R van Reis他のJ. Membrane Sci., 129, 19-29, 1997、S. Nakao他のDesalination, 70, 191-205, 1988、米国特許第5,256,294号、同第5,490,937号、にその詳細が記載される。
【0042】
自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10は、所謂“平行流”ループ及び制御を組み入れることで、中央自動化したTFF条件及び運転パラメーターを、HPTFF純化が実施され得るように自動変更する。“平行流”アセンブリには、“平行流”ポンプ512と、“平行流”弁334と、下方のろ過物圧力センサ610と、支持用の導管400と、電子データプロセス処理用ネットワーク7への接続性とを含んでいる。“平行流”ループ及び制御は、TFFモジュール200の長さ方向に沿って一定の経膜厚(TMP)を維持する能力を提供する。この能力は、分子残留物がTMPの悪影響を受けるプロセス処理用溶液にとっては重要なものである。TMPがもっと厚いと、膜の保持能力が低下したり、膜を通過させる目的の小型種の保持容積が増大したりすることがある。
自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10には、オプションのモジュール20、30、40に加えて、所謂“定置洗浄”(CIP)能力を持たせる、所謂“カートリッジ破裂”特性が含まれる。CIP手順を用いることで、装置10はそのバクテリア汚染レベルを1CFU/ml以下に低下させるように浄化され得ることが好ましい。
【実施例】
【0043】

例1
上述した、電子データプロセス処理用ネットワークを備える電子的構成を有する自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置は、図7及び以下の表に示されるような構成のものである。
【0044】
【表4】

【0045】
自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置は、比較的少ないサンプル容積を使用しての、良好なデータ取得を伴う安定運転を提供する。表に示すように、最小再循環容積は20ml未満である。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。例えば、改変実施例には、これに限定しないが、以下のもの、即ち、例えば、透過物収集は如何を含む3つの“Pellicon XL”タイプのTFFカートリッジからなるタンジェンシャルフローろ過モジュール、TFFカートリッジのロットナンバー及び公表データ(例えば、整合性や膜の水流束データ)用のデータフィールドを含む拡張バッチ記録特性を持つデータプロセス処理用ネットワーク、外部ソースからのデータを受けるための手段が、機械読み取り可能な、例えばTFFカートリッジラベル及び又はパッケージ上に符号化して記録したデータの読み取り装置あるいはそうしたデータ読み取り装置を含み、このデータ読み取り装置が磁気ストリップリーダー、バーコードリーダー、光学スキャナーその他であり、前記機械読み取り可能なデータが、高密度2D及び低密度3Dのバーコード、光その他を使用してメディア上に記録あるいは印刷したデジタル暗号情報を含むデータプロセス処理用ネットワーク、システムの維持や較正に関わるプロセス処理情報を取得し、記録することのできるデータプロセス処理用ネットワークであって、プロセス処理情報が、例えば、維持及び較正を必要とする構成部品、サービス日付(履歴及び将来の)、ポンプの運転時間数情報、“定置洗浄”の回数情報、を含むネットワーク、自己評価試験を行うための機能的サブモジュールであって、そうした試験に際して、オリジナルの工場での評価試験の結果をユーザーがその後に実施した評価テストの結果と比較分析してシステムの時間性能に関する情報を得られるOQ試験ドキュメントを作成するサブモジュール、廃棄自在の配管列、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例に従う、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10で使用するタンク111の斜視図である。
【図2】超音波式の高さセンサ168、タンクベース102、独立混合ゾーン混合ゾーン5、ジャケット180、の詳細構造を示す、タンク111の断面図である。
【図3】空気ジェットポート106、前後の各覗き部140の詳細構造を示す、図2を直交方向から見たタンク111の断面図である。
【図4】タンク蓋104の詳細を示すタンク111の平面図である。
【図5】独立混合ゾーン混合ゾーン5に関する入口130の配置を示す、タンク111の側面図である。
【図6】タンク111の底面図である。
【図7】点線で示した随意的な機能モジュールを含み、この機能モジュールが“高分解度”型のタンジェンシャルフローろ過装置(HRTFF)モジュール20と、紫外線球種モジュール30と、“高性能”型のタンジェンシャルフローろ過(HPTFF)モジュール40と、を含む一実施例に従う自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10の概略流れダイヤグラム図である。
【図8】本発明の一実施例に従う、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10で使用するタンジェンシャルフローろ過モジュール200の分解拡大図である。
【図9】別態様の、本来単一のモジュールを組み合わせたものであるタンジェンシャルフローろ過モジュール200aの斜視図である。
【図10】本発明の一実施例に従う、自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置10で使用する電子データプロセス処理用ネットワーク7の概念図である。
【図11】独立混合ゾーン混合ゾーン5の境界部分を示すリザーバ100の概略図である。
【符号の説明】
【0047】
5 混合ゾーン区分
10 自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置
13 TFFハードウェア
70 膜ろ過モジュール
72、107 モジュール
72 第2オーバーモールド要素
74 送給物スぺーサ層
76、78 透過物出口ポート
80 送給物入口ポート
82 残留物出口ポート
84、91、105 端部キャップ
86 透過物篩
86 コンピューター
88 膜
90 第1オーバーモールド要素
99 プログラム自在のロジックコントローラー(PLC)
100 リザーバ
102 タンクベース
102 ベース部
104 タンク蓋
106 エアジェットポート
108 クランプ
109 蓋ガスケット
110、112 ろ過モジュール
111 タンク
114 送給物連結部
116 残留物連結部
118、26 透過物連結部
119 ベース部ガスケット
120 センサ取付けプレート120
121、122、125、126 ナット
124 センサ取付けプレート
132 リザーバ出口
132 リザーバ出口
140F、140R 覗き部
150 磁気攪拌装置
160、165 プロセス流れセンサ
160 PHメーター
161 球部
165 温度/電気伝導度メーター
168 超音波高さセンサー
169 周囲温度センサー
180 ジャケット
182 蛇行バッフル
186 流体入口
188 内側領域
189 流体出口
190 通気口
200 タンジェンシャルフローろ過モジュール
210 送給物入口
212 残留物出口
220 透過物出口
222 透過物出口
250 膜
318 弁
510、512、514、516 HPPDポンプ
602 送給物圧力センサ
604 残留物圧力センサ
606 上方ろ液圧力センサ
608 ろ液流容積計
610 下方ろ液圧力センサ
612 ろ液UV計
700 多容器型の液体サンプルディスペンサー
810 前TFFサンプル収集装置
812 後TFFサンプル収集装置
820 前TFFサンプル出口
822 後TFFサンプル出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験室スケールで最小再循環容積下にタンジェンシャルフローろ過プロセスを実施し、実施に関わるプロセス開発データを取得するための自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置であって、
(a)連続的な内側容積部分を有し且つ入口及び出口を有するリザーバにして、前記連続的な内側容積部分が、実質的に円筒状を有する上流側エンクロージャーを含み、上流側エンクロージャーの下流側の端部が混合ゾーン区分内に傾斜され、混合ゾーン区分の容積が、前記実質的に円筒状の上流側エンクロージャーよりも実質的に若干小さく、前記混合ゾーン区分内にはリザーバの前記入口及び出口と、プロセス流れセンサとが位置決めされ、あるいはそうでない場合は前記プロセス流れセンサがアクティブ化されるリザーバと、
(b)タンジェンシャルフローろ過モジュールにして、送給物入口と、残留物出口と、透過物出口と、サンプル液を送給物入口を通してタンジェンシャルフローろ過モジュール内に通過させる際にサンプル液を残留物流れと、透過物流れとに分離させることのできる膜と、を有するタンジェンシャルフローろ過モジュールと、
(c)複数の導管にして、混合ゾーン区分及びタンジェンシャルフローろ過モジュールと共にプロセス流体流れを画定し、該プロセス流体流れを通してサンプル液が送られ、該プロセス流体流れが、前記混合ゾーン区分からタンジェンシャルフローろ過モジュール内に流動して混合ゾーン区分に再循環して戻され、流体プロセス流れの最小再循環容積が20mlより大きくない複数の導管と、
(d)サンプル液の流れを流体プロセス流れを通して駆動し且つ調節するための複数のポンプと、
(e)サンプル液が流体プロセス流れを通して流動する際にサンプル液に関するデータを取得するための複数のセンサにして、少なくとも一つのセンサの検査機能端部が混合ゾーン区分内に位置決めされる複数のセンサと、
(f)電子データプロセス処理用ネットワークにして、前記ポンプ、弁、センサに関するデータを少なくとも受け、伝送し、プロセス処理し、記録することが可能であり、実験室スケールでタンジェンシャルフローろ過プロセスを実施した際に収集され記録されたデータが、実質的にずっと規模の大きなタンジェンシャルフローろ過プロセスの実施を決定するに十分な包括性を有している自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置。
【請求項2】
少なくとも一つのセンサの検査機能端部が、渦の形成を実質的に妨害するに十分、混合ゾーン区分内に突出される請求項1の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置。
【請求項3】
2つのセンサの検査機能端部が混合ゾーン区分内に位置決めされ、一方のセンサがpHセンサであり、他方が導伝性センサである請求項2の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置。
【請求項4】
流体プロセス流れ内に一体化した一つ以上の交互するプロセス流路を更に含み、該交互するプロセス流路内への流体のアクセスをユーザーが選択自在であり、前記流体プロセス流れの各々がユーザー選択式の交互するプロセス流路を含んでいる請求項1の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置。
【請求項5】
交互するプロセス流路がHRTFF(高分離度タンジェンシャルフローろ過)ループを含み、該HRTFFループが、透過物流れ内でタンジェンシャルフローろ過モジュールとリザーバとの間に位置付けたユーザー作動式の第2ポンプを含み、前記HRTFFループが、第2ポンプが作動されると分離プロセスを分析可能である請求項4の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置。
【請求項6】
交互するプロセス流路がHPTFF(高性能タンジェンシャルフローろ過)ループを含み、該HPTFFループが、透過物流れのための平行流を提供させることにより前記膜の長さ方向に沿って経膜的な圧力を加えることが可能であるように選択され得、透過物流れが、平行流流路によってタンジェンシャルフローろ過モジュール内に再循環され、HPTFFループの平行流流路が、少なくとも、平行流ポンプ及び平行流圧力センサを含んでいる請求項4の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置。
【請求項7】
各センサが、流体プロセス流れの透過物流れ内に一体化した紫外線センサを含む請求項1の自動タンジェンシャルフローろ過プロセス開発装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−511439(P2008−511439A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530038(P2007−530038)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/029877
【国際公開番号】WO2006/026253
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】